説明

ほこりセンサ、ほこりセンサのメンテナンス方法、および空気調整器

【課題】筐体の内壁に付着した付着物を容易に除去しメンテナンスが容易で検出誤差の生じない信頼性の高いほこりセンサ、そのメンテナンス方法、およびほこりセンサを備える空気調整器を提供する。
【解決手段】ほこりセンサ1は、周囲の枠体を構成する筐体2、筐体2の表面側を保護する表蓋部2f、筐体2の裏面側を保護する裏蓋部2r、筐体2の内側で筐体2に固定された発光部6および受光部7、表蓋部2fに形成され気流を矢符IN方向で気流通過領域AAに導入する気流導入穴3f、裏蓋部2rに形成され気流を矢符OUT方向で気流通過領域AAから排出する気流排出穴3rを備える。筐体2は、気流通過領域AAを構成する筐体2の内壁2wに付着した付着物を除去する清掃具CTを気流通過領域AAに導入するための清掃具導入孔4を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たばこの煙、塵などの煤塵(ほこり)を検出するほこりセンサ、ほこりセンサのメンテナンス方法およびこのようなほこりセンサを備えた空気清浄器に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の進展に伴い空気の汚れが問題にされるようになってきている。例えば、たばこの煙、煤塵など微粒子、微粉末に代表される汚れ粒子、あるいはハウスダストなど(本願では検出対象としてのダスト類をまとめて単にほこりという。)を除去する空気清浄器が提供されている。空気清浄器の動作効率を向上させるために空気の汚染状況を検出する光電式煙感知器(ほこりセンサ)が提案されている(例えば特許文献1ないし特許文献3参照。)。
【0003】
図10は、従来のほこりセンサの概略構造を示す説明図であり、(A)は内部構造を透視的に示す正面図、(B)は表蓋部を示す正面図である。
【0004】
ほこりセンサ101は、周囲の枠体を構成する筐体102、筐体102の表面側を保護する表蓋部102f、筐体102の裏面側を保護する裏蓋部(不図示)、筐体102の内側で筐体102に固定された発光部106および受光部107、表蓋部102fに形成され気流を気流通過領域AAに導入する気流導入穴103f、裏蓋部に形成され気流を気流通過領域AAから排出する気流排出穴(不図示)を備える。
【0005】
気流通過領域AAの適宜の空間にほこり検出領域SAが構成してあり、発光部106からほこり検出領域SAに向けて照射光Leが照射される。また、受光部107は、ほこり検出領域SAに導入された気流に含まれるほこりDDからの反射光Lrを受光し、ほこり検出領域SAを通過する気流中のほこりDDを検出する。
【0006】
つまり、ほこりセンサ101は、ほこりDDが含まれる検出対象としての気流を導入する気流導入穴103fと、導入した気流を通過させる気流通過領域AAと、気流通過領域AAに構成されたほこり検出領域SAと、ほこり検出領域SAに照射光Leを照射する発光部106と、ほこり検出領域SAに導入された気流に含まれるほこりDDからの反射光Lrを受光する受光部107と、発光部106および受光部107を保持する筐体102とを備え、ほこり検出領域SAを通過する気流中のほこりDDを検出する。
【0007】
また、構造体として筐体102に加えて表蓋部102fおよび裏蓋部を備え、発光部106および受光部107を内部に備える構成としてある。
【0008】
気流通過領域AAは、筐体102の内側の内壁102wで構成される。内壁102wには検出対象としての気流の滞留が発生することから気流によって筐体102の中に導入されたほこりが内壁102wに付着物として付着することがある。
【0009】
また、照射光Leを放出する発光部106、および反射光Lrを導入する受光部107は、気流導入穴103f、気流排出穴に近いことから相対的にほこりDDが多く気流によって筐体102の中に導入されたほこりが内壁102wに付着物として付着することがある。また、照射光放出領域AAegおよび反射光導入領域AArgは、光学系の中心部分であることから検出精度に直接影響する領域であり、付着物はできるだけ少ないことが求められる。
【0010】
しかし、長期にわたる使用によって内壁102wには付着物が蓄積される。付着物が蓄積されると、内壁102wに蓄積した付着物による反射が発生し、付着物からの不要な反射光が発生することとなり、ほこりセンサ101の検出精度を低下させ、ほこりDDが存在しない場合でもほこりを検出したとして誤った判定をする原因となる。
【0011】
このような付着物を除去するために、従来は表蓋部102fにスライド式の開閉部102fsを設けて、内壁102wに付着した付着物を除去していた。しかし、スライド式の開閉部102fsは構造が複雑となり、製造が容易でないことからコストが高くなり、また製造歩留まり低下の原因ともなっていた。また、付着物の除去も開閉部102fsを操作して実施する必要があることから手間がかかりメンテナンス作業が大きな負担となっていた。
【特許文献1】特開2004−294082号公報
【特許文献2】特開2007−47029号公報
【特許文献3】実開昭60−189839号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、ほこりセンサの内壁に蓄積した蓄積物を除去する清掃具を導入できる清掃具導入孔を備えることにより、筐体の内壁に付着した付着物を容易に除去しメンテナンスが容易で検出誤差の生じない信頼性の高いほこりセンサを提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、ほこりセンサの筐体に設けた清掃具導入孔から清掃具を導入して内壁に蓄積した付着物を除去することにより、ほこりセンサのメンテナンスが容易かつ確実に実行できるほこりセンサのメンテナンス方法を提供することを他の目的とする。
【0014】
また、本発明は、本発明に係るほこりセンサを備える空気調整器とすることにより、ほこり検出を容易かつ確実に行なえることから、効率的かつ確実に空気の調整が可能な空気調整器を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係るほこりセンサは、ほこり検出対象としての気流を導入する気流導入穴と、導入した気流を通過させる気流通過領域と、該気流通過領域に構成されたほこり検出領域と、該ほこり検出領域に照射光を照射する発光部と、前記ほこり検出領域に導入された気流に含まれるほこりからの反射光を受光する受光部と、前記発光部および前記受光部を保持する筐体とを備え、前記ほこり検出領域を通過する気流中のほこりを検出するほこりセンサであって、前記筐体は、前記気流通過領域を構成する前記筐体の内壁に付着した付着物を除去する清掃具を前記気流通過領域に導入するための清掃具導入孔を備えることを特徴とする。
【0016】
この構成により、筐体の内壁に付着してセンサ感度を劣化させる付着物を清掃具によって容易かつ確実に除去できることから、メンテナンスが容易で検出誤差の生じない信頼性の高いほこりセンサとなる。
【0017】
また、本発明に係るほこりセンサでは、前記清掃具導入孔の孔表面は、滑らかな面としてあることを特徴とする。
【0018】
この構成により、付着物を除去する作業が容易かつ確実に実行でき、付着物を容易かつ確実に取り出すことが可能となる。
【0019】
また、本発明に係るほこりセンサでは、前記清掃具導入孔の内周形状は、滑らかな形状としてあることを特徴とする。
【0020】
この構成により、清掃具の導入、取り出しを容易かつ円滑に行なうことが可能となる。
【0021】
また、本発明に係るほこりセンサでは、前記清掃具導入孔は、前記筐体の表面側から内壁側に向けて傾斜させてあることを特徴とする。
【0022】
この構成により、清掃具を必要な方向へ容易に精度良く導入することが可能となる。
【0023】
また、本発明に係るほこりセンサでは、前記清掃具導入孔の内周は、筐体の表面側に対して筐体の内壁側で大きく形成してあることを特徴とする。
【0024】
この構成により、筐体の内部での清掃具の移動範囲を拡大して作業性を向上させることが可能となる。
【0025】
また、本発明に係るほこりセンサでは、前記気流通過領域の前記発光部側で前記内壁を構成する発光側内壁と、前記気流通過領域の前記受光部側で前記内壁を構成する受光側内壁とを備え、前記清掃具導入孔は、前記発光側内壁が構成する発光側コーナー部、および前記受光側内壁が構成する受光側コーナー部の少なくとも一方に対応させて配置してあることを特徴とする。
【0026】
この構成により、検出精度に大きく影響する気流通過領域の発光側コーナー部、および受光側コーナー部の少なくとも一方に付着した付着物を容易かつ確実に除去することが可能となり、付着物による反射光の発生を防止して検出精度を向上させることができる。
【0027】
また、本発明に係るほこりセンサでは、前記清掃具導入孔は、前記発光部が照射光を放出する照射光放出領域、および前記受光部が反射光を導入する反射光導入領域の少なくとも一方に対応させて配置してあることを特徴とする。
【0028】
この構成により、検出精度に大きく影響する照射光放出領域、および反射光導入領域の少なくとも一方に付着した付着物を容易かつ確実に除去することが可能となり、照射光および反射光の光量精度を維持して検出精度を向上させることができる。
【0029】
また、本発明に係るほこりセンサでは、検出したほこり量に対応するほこり信号を出力する増幅部と、前記ほこり信号を測定するための測定端子とを備えることを特徴とする。
【0030】
この構成により、高精度で付着物除去の検出が可能なほこりセンサを得られる。
【0031】
また、本発明に係るほこりセンサでは、前記増幅部は増幅率を調整する増幅率調整部を備えることを特徴とする。
【0032】
この構成により、ほこり信号が飽和状態となる増幅率よりも低い増幅率で付着物の除去状態を判定することから、高精度に付着物の除去状態を判定することができる。つまり、単に増幅率が高いことから、付着物が存在すると判定してしまう場合を解消することが可能となる。
【0033】
また、本発明に係るほこりセンサのメンテナンス方法は、検出対象としての気流を導入する気流導入穴と、導入した気流を通過させる気流通過領域と、該気流通過領域に構成されたほこり検出領域と、該ほこり検出領域に照射光を照射する発光部と、前記ほこり検出領域に導入された気流に含まれるほこりからの反射光を受光する受光部と、前記発光部および前記受光部を保持する筐体とを備え、前記ほこり検出領域を通過する気流中のほこりを検出するほこりセンサのメンテナンス方法であって、検出したほこり量に対応するほこり信号を出力する増幅部の前記ほこり信号を予め設定してある付着物検出基準値と比較することで付着物の蓄積を検出する付着物検出過程と、付着物の蓄積を検出したときに警告信号を発生する警告過程と、警告過程の後、前記気流通過領域を構成する前記筐体の内壁に蓄積した付着物を除去する清掃具を前記筐体が備える清掃具導入孔を介して前記気流通過領域へ導入する清掃具導入過程と、前記清掃具で前記内壁に蓄積した付着物を拭き取る拭き取り過程と、前記ほこり信号を測定して付着物の除去状態を判定する付着物除去判定過程とを備えることを特徴とする。
【0034】
この構成により、ほこりセンサのメンテナンスを容易かつ確実に実行することが可能となる。
【0035】
また、本発明に係るほこりセンサのメンテナンス方法では、前記ほこり信号が飽和状態のとき、前記増幅部の増幅率を調整して飽和状態を解消することを特徴とする。
【0036】
この構成により、飽和状態を解消することから、付着物の除去が確実に行なわれたか否かを高精度に確認することが可能となる。
【0037】
また、本発明に係る空気調整器は、ほこりセンサを備え検出したほこりに対応して運転状態を調整する空気調整器であって、前記ほこりセンサは、本発明に係るほこりセンサであることを特徴とする。
【0038】
この構成により、メンテナンスが容易かつ確実で、ほこり検出を容易かつ確実に行なえることから、効率的かつ確実に空気の調整を行なう空気調整器とすることが可能となる。
【発明の効果】
【0039】
本発明に係るほこりセンサによれば、気流通過領域を構成する筐体の内壁に付着した付着物を除去する清掃具を気流通過領域に導入するための清掃具導入孔を備えることから、筐体の内壁に付着してセンサ感度を劣化させる付着物を清掃具によって容易かつ確実に除去できるので、メンテナンスが容易で検出誤差の生じない信頼性の高いほこりセンサを提供することが可能となるという効果を奏する。
【0040】
また、本発明に係るほこりセンサのメンテナンス方法によれば、付着物の蓄積を検出する付着物検出過程と、付着物の蓄積を検出したときに警告信号を発生する警告過程と、付着物を除去する清掃具を筐体が備える清掃具導入孔を介して気流通過領域へ導入する清掃具導入過程と、清掃具で内壁に蓄積した付着物を拭き取る拭き取り過程と、ほこり信号を測定して付着物の除去状態を判定する付着物除去判定過程とを備えることから、ほこりセンサのメンテナンスを容易かつ確実に実行することが可能となるという効果を奏する。
【0041】
また、本発明に係る空気調整器によれば、本発明に係るほこりセンサを適用した空気調整器とすることから、メンテナンスが容易かつ確実で、効率的かつ確実に空気の調整を行なう空気調整器とすることが可能となるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0043】
<実施の形態1>
図1ないし図4に基づいて、実施の形態1に係るほこりセンサについて説明する。
【0044】
図1は、本発明の実施の形態1に係るほこりセンサの概略構造を示す説明図であり、(A)は内部構造を透視的に示す正面図、(B)は底面図である。
【0045】
ほこりセンサ1は、周囲の枠体を構成する筐体2、筐体2の表面側を保護する表蓋部2f、筐体2の裏面側を保護する裏蓋部2r、筐体2の内側で筐体2に固定された発光部6および受光部7、表蓋部2fに形成され気流を矢符IN方向で気流通過領域AAに導入する気流導入穴3f、裏蓋部2rに形成され気流を矢符OUT方向で気流通過領域AAから排出する気流排出穴3rを備える。
【0046】
気流通過領域AAの適宜の空間にほこり検出領域SAが構成してあり、発光部6からほこり検出領域SAに向けて照射光Leが照射される。また、受光部7は、ほこり検出領域SAに導入された気流に含まれるほこりDDからの反射光Lrを受光し、ほこり検出領域SAを通過する気流中のほこりDDを検出する。
【0047】
つまり、ほこりセンサ1は、ほこりDDが含まれる検出対象としての気流を導入する気流導入穴3fと、導入した気流を通過させる気流通過領域AAと、気流通過領域AAに構成されたほこり検出領域SAと、ほこり検出領域SAに照射光Leを照射する発光部6と、ほこり検出領域SAに導入された気流に含まれるほこりDDからの反射光Lrを受光する受光部7と、発光部6および受光部7を保持する筐体2とを備え、ほこり検出領域SAを通過する気流中のほこりDDを検出する。
【0048】
また、構造体として筐体2に加えて表蓋部2fおよび裏蓋部2rを備え、発光部6および受光部7を内部に備える構成としてある。
【0049】
気流通過領域AAは、筐体2の内側の内壁2wで構成される。また、内壁2wは、気流通過領域AAの発光部6側で内壁2wを構成する発光側内壁6wと、気流通過領域AAの受光部7側で内壁2wを構成する受光側内壁7wとを備える。また、発光側内壁6wは筐体2(内壁2w)との間で発光側コーナー部AAecを構成し、受光側内壁7wは筐体2との間で受光側コーナー部AArcを構成する。
【0050】
発光部6は発光素子6aを有し、受光部7は受光素子7aを有する。発光素子6aは例えば半導体発光ダイオード(LED)であり、受光素子7aは例えば半導体ホトトランジスタである。なお、発光部6は、適宜の発光部スリット6s、発光部レンズ6gを備え、光ビーム径を絞って集光し最適化した照射光Leをほこり検出領域SAへ照射する。また、受光部7は、適宜の受光部スリット7s、受光部レンズ7gを備え、ほこり検出領域SAからの反射光Lrを絞って集光し最適化して受光する構成とすることにより、ほこりDDの検出精度を向上させている。
【0051】
発光部6および受光部7の間には、内壁2wから反射する不要光、発光部6と受光部7との間での直接光の影響を排除するために適宜の位置に遮光部2sが内壁2wに沿って適宜配置してある。内壁2wは、不要の反射光が発生しないように、黒色としてある。
【0052】
内壁2wと発光側内壁6wとの間に形成される発光側コーナー部AAec、内壁2wと受光側内壁7wとの間に形成される受光側コーナー部AArcは、気流通過領域AAの一部を構成する。しかし、気流導入穴3f、気流排出穴3rから離れたコーナー部であることから、検出対象としての気流の滞留が発生しやすく気流によって筐体2の中に導入されたほこりが内壁2wに付着物として付着することがある。
【0053】
また、発光部6が照射光Leを放出する照射光放出領域AAeg、および受光部7が反射光Lrを導入する反射光導入領域AArgは、気流導入穴3f、気流排出穴3rに近いことから相対的にほこりDDが多く気流によって筐体2の中に導入されたほこりが照射光放出領域AAeg、反射光導入領域AArg周辺の内壁2wに付着物として付着することがある。また、照射光放出領域AAegおよび反射光導入領域AArgは、光学系の中心機能を実行する領域であることから検出精度に直接影響する領域であり、付着物はできるだけ少ないことが求められる。
【0054】
しかし、長期にわたる使用によって内壁2wには付着物が蓄積される。内壁2wに付着物が蓄積されると付着物による反射が発生し、付着物からの不要な反射光が発生することとなり、ほこりセンサ1の検出精度を低下させ、ほこりDDが存在しない場合でもほこりを検出したとして誤った判定をする原因となる。
【0055】
図2は、図1に示したほこりセンサの表蓋部に形成した清掃具導入孔の配置例を示す説明図であり、(A)は正面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を拡大して示す拡大断面図である。
【0056】
本実施の形態では、筐体2は、気流通過領域AAを構成する筐体2の内壁2wに付着した付着物(不図示)を除去する清掃具CTを気流通過領域AAに導入するための清掃具導入孔4を備える。つまり、気流通過領域AAに対応した平面を有する例えば表蓋部2fに清掃具導入孔4を設ける。清掃具導入孔4を表蓋部2fに設けた場合を図示するが、内部構造に応じて適宜裏蓋部2rに設けることも可能である。なお、清掃具導入孔4は、表蓋部2fに対して直交する方向で形成しているが、これに限るものではない(図3、図4参照)。
【0057】
この構成により、筐体2の内壁2wに付着して、センサ感度を劣化させ、ほこりセンサ1を誤動作させる付着物を清掃具CTによって容易に除去できることから、メンテナンスが容易で検出誤差の生じない信頼性の高いほこりセンサ1を提供することが可能となる。つまり、筐体2の内部に蓄積した付着物を除去するとき、筐体2に設けた蓋(表蓋部2f、あるいは裏蓋部2r)を従来のように開閉するといった必要は全く生じない。
【0058】
なお、清掃具CTは、例えば綿棒を適用することが可能であるが、これに限るものではなく種々の治具を適用することが可能である。
【0059】
清掃具導入孔4の孔表面は、滑らかな面としてある。したがって、付着物を容易かつ確実に取り出すことが可能となる。例えば、フッ素処理などを孔表面に施すことにより滑らかにすることが可能である。
【0060】
清掃具導入孔4の内周形状は、滑らかな形状としてある。したがって、清掃具CTの導入、取り出しを容易かつ円滑に行なうことが可能となる。滑らかな形状としては、例えば凹凸のない曲線、円、楕円などの円弧状などを適用することが可能である。
【0061】
清掃具導入孔4は、発光側内壁2wが構成する発光側コーナー部AAec、および受光側内壁2wが構成する受光側コーナー部AArcの少なくとも一方に対応させて配置してある。したがって、検出精度に大きく影響する気流通過領域AAの発光側コーナー部AAec、および受光側コーナー部AArcの少なくとも一方に付着した付着物を容易かつ確実に除去することが可能となり、付着物による不要の反射光の発生を防止して検出精度を向上させることができる。
【0062】
清掃具導入孔4は、発光部6が照射光Leを放出する照射光放出領域AAeg、および受光部7が反射光Lrを導入する反射光導入領域AArgの少なくとも一方に対応させて配置してある。検出精度に大きく影響する照射光放出領域AAeg、および反射光導入領域AArgの少なくとも一方に付着した付着物を容易かつ確実に除去することが可能となり、照射光Leおよび反射光Lrの光量精度を維持して検出精度を向上させることができる。
【0063】
筐体2の形状の大きさは、表蓋部2f(裏蓋部2r)の平面形状で、例えば縦方向30mm、横方向46mm、筐体2の厚さで、例えば17mm程度としてある。筐体2の大きさに対して、清掃具導入孔4の大きさは、例えば5mmの円としてある。数mmないし5mm程度の大きさとすることにより、外部からの不要光の影響を排除し、また、容易に清掃具CTを挿入して、内壁2wに付着した付着物を除去することが可能となる。
【0064】
図3および図4は、本発明の実施の形態1に係るほこりセンサに設けた清掃具導入孔の変形例を示す断面図である。
【0065】
図3に示す変形例では、清掃具導入孔4は、筐体2の表面側から内壁2w側に向けて傾斜させてある。したがって、清掃具CTを必要な方向へ容易に精度良く導入することが可能となる。
【0066】
図4に示す変形例では、清掃具導入孔4の内周は、筐体2の表面側に対して筐体2の内壁2w側で大きく形成してある。したがって、筐体2の内部での清掃具CTの移動範囲を拡大して作業性を向上させ、広い面積で付着物を除去することが可能となる。
【0067】
<実施の形態2>
図5ないし図7に基づいて、実施の形態2に係るほこりセンサについて説明する。本実施の形態に係るほこりセンサは実施の形態1に係るほこりセンサ1と同様の構成とすることが可能である。したがって、実施の形態1と異なる点について主に説明する。
【0068】
図5は、本発明の実施の形態2に係るほこりセンサの概略回路ブロックの構成を示す回路ブロック図である。
【0069】
ほこりセンサ1は、検出部10および制御判定部20を備えている。検出部10は、発光部6および受光部7を備える。発光部6は、発光素子6aおよび発光素子6aを駆動する駆動回路6bで構成され、制御判定部20の信号処理部21から供給されるLED駆動用パルス入力に応じて照射光Leを発光する。駆動回路6bには、LED回路電源、LED回路GND(接地線)が接続してある。
【0070】
また、受光部7は、受光素子7a、増幅回路7b、7c、7dで構成され、反射光Lrを適宜増幅し、検出出力(検出したほこり量に対応するほこり信号)として信号処理部21のアナログデジタル変換器22へ出力する。増幅回路7b、7c、7dには電源Vcc、GND(接地線)が接続してある。
【0071】
受光素子7aで検出する反射光Lrの信号は極めて小さいことから、複数の増幅回路(7a、7b、7c)を用いてアナログデジタル変換器22での処理が可能なレベルにまで反射光Lrの信号を増幅する。つまり、増幅回路7b、増幅回路7c、増幅回路7dによって増幅部を構成し、増幅部は、検出したほこり量に対応するほこり信号を出力する構成としてある。また、増幅回路7cには、増幅部(増幅回路7c)の増幅率を調整する増幅率調整部7crを備える。
【0072】
信号処理部21はマイクロコンピュータ(CPU)で構成され、アナログ信号としての検出出力を適宜アナログデジタル変換器22でデジタル信号に信号変換して必要な信号処理を行なうことにより、ほこり検出を行なう。ほこり検出により、例えばほこりの量、ほこりの大きさ(種類)を検出することができる。なお、制御判定部20には適宜の電源23が接続してあり信号処理部21の回路動作に必要な電力を供給する構成としてある。
【0073】
信号処理部21は、ほこり信号が予め設定してある付着物検出基準値Vr1以下でほこり検出最小値Vr2以上(図6(B)参照)の場合にほこりを検出することとなる。
【0074】
また、信号処理部21は、予め設定してある付着物検出基準値Vr1とほこり信号とを比較する構成としてある。つまり、アナログデジタル変換器22へ入力された信号が予め設定してある付着物検出基準値Vr1より大きい場合は、付着物が内壁2wに蓄積して不要反射光を発生し、受光部7に不要反射光が入射された状態になっていることを検出する構成としてある(付着物検出過程)。また、付着物の蓄積を検出したときには、警告信号Toutを発生する構成としてある(警告過程)。
【0075】
したがって、ほこりセンサ1は、図5で示した構成とすることにより、ほこりの検出を高精度で行なうことが可能となる。
【0076】
また、信号処理部21は信号処理をデジタル信号で行なうことから、コンピュータ制御される空気調整器(実施の形態4参照)の制御部と兼用することが可能となる。
【0077】
ほこりセンサ1は、検出出力(ほこり信号)の波形を測定する測定端子10tを備える。この構成により、検出出力(ほこり信号)の飽和状態を高精度に検出することが可能となる。
【0078】
増幅回路7cは、増幅率の調整を行なう増幅率調整部7crを備える。例えば、増幅回路7cを演算増幅器で構成した場合には負荷抵抗が増幅率調整部7crとして動作することとなる。つまり、増幅率調整部7crを小さくすることにより増幅回路7cの増幅率を減少することができる。
【0079】
図6は、図5に示したほこりセンサの通常の動作状態での波形を示す波形図であり、(A)はLED駆動用パルス入力の状態を示し、(B)はほこりの状態に対応して出力された検出出力の状態を示す。
【0080】
LED駆動用パルス入力は適宜の周期Tsで繰り返され、パルス幅Tpの期間で発光素子6aに電力が供給される。つまり、パルス幅Tpの期間(発光期間)に発光素子6aから照射光Leが発光される。発光素子6aの発光に対応して反射光Lrが受光素子7aで受光され、検出出力として出力される。
【0081】
検出出力はアナログ信号であり、ほこり(量、大きさ)が検出限界より少ない場合であれば、閾値(ほこり検出最小値Vr2)以下の波高値を有する波形の検出出力SP1、SP2を出力する。また、ほこり(量、大きさ)が検出限界を越え付着物検出基準値Vr1より少ない場合であれば、ほこりに応じた波高値を有する波形の検出出力SP3、SP4、SP5を出力することとなる。
【0082】
例えば、SP1ないしSP5は、アナログデジタル変換器22でデジタル信号に変換され信号処理部21で適宜の処理、判定がなされる。なお、判定の出力は、例えば警告信号Toutが出力される端子を適用することが可能である。
【0083】
図7は、図5に示したほこりセンサで付着物が検出された状態での波形を示す波形図であり、(A)はLED駆動用パルス入力の状態を示し、(B)は付着物の状態に対応して出力された検出出力の状態を示す。
【0084】
LED駆動用パルス入力は、図6の場合と同様であるので説明は省略する。
【0085】
付着物が内壁2wに付着した場合は、ほこり検出対象としてほこりセンサ1に導入された気流にほこりが存在しない場合でも、ほこりセンサ1は付着物からの不要反射光を検出する。
【0086】
したがって、例えば検出出力SP11ないしSP15は、付着物検出基準値Vr1を出力する状態となる。信号処理部21は、検出出力SP11ないしSP15を付着物検出基準値Vr1と比較して、検出出力が付着物検出基準値Vr1を超えたと判定して付着物の蓄積を検出する(付着物検出過程)。
【0087】
信号処理部21は、付着物の蓄積を検出したとき、警告信号Toutを発生する(警告過程)構成としてある。警告信号Toutの発生により、ほこりセンサ1に付着物が蓄積されたことが警告(報知)されることから、ほこりセンサ1のメンテナンスを行なうこととなる。
【0088】
<実施の形態3>
図8および図9に基づいて、実施の形態3に係るほこりセンサおよびほこりセンサのメンテナンス方法について説明する。本実施の形態に係るほこりセンサは実施の形態1、実施の形態2に係るほこりセンサ1と同様の構成とすることが可能である。したがって、実施の形態1、実施の形態2で適用した符号を用い、異なる点について主に説明する。
【0089】
図8は、実施の形態3に係るほこりセンサのメンテナンス方法の概略フローを示すフローチャートである。
【0090】
本実施の形態に係るほこりセンサのメンテナンス方法に適用するほこりセンサ1は、上述したとおり、実施の形態1、実施の形態2に係るほこりセンサ1と同様である。
【0091】
つまり、本実施の形態は、検出対象としての気流を導入する気流導入穴3fと、導入した気流を通過させる気流通過領域AAと、気流通過領域AAに構成されたほこり検出領域SAと、ほこり検出領域SAに照射光Leを照射する発光部6と、ほこり検出領域SAに導入された気流に含まれるほこりからの反射光Lrを受光する受光部7と、発光部6および受光部7を保持する筐体2とを備え、ほこり検出領域SAを通過する気流中のほこりを検出するほこりセンサ1のメンテナンス方法に関する。
【0092】
S1:
検出したほこり量に対応するほこり信号を出力する増幅部(増幅回路7b、増幅回路7c、増幅回路7d)からのほこり信号(検出出力)を、信号処理部21に予め設定してある付着物検出基準値Vr1と比較する(検出出力比較過程)。なお、付着物検出基準値Vr1は、例えばEEPROM(電気的消去可能なプログラマブルROM)など適宜のメモリに記憶しておくことが可能である。また、便宜上アナログ値として標記するがデジタル変換された値として適用することが可能である。
【0093】
S2:
ほこり信号が付着物検出基準値Vr1より大きい場合は、信号処理部21は付着物が蓄積されていると判定(付着物の蓄積を検出)する(付着物検出過程)。
【0094】
S3:
付着物の蓄積を検出したときに信号処理部21は警告信号Toutを発生する(警告過程)。警告信号Toutは適宜の音声、または表示などの警報により構成することが可能である。
【0095】
S4:
警告過程の後、気流通過領域AAを構成する筐体2の内壁2wに蓄積した付着物を除去する清掃具CTを筐体2に形成された清掃具導入孔4を介して気流通過領域AAへ導入(挿入)する(清掃具導入過程)。
【0096】
S5:
清掃具CTで内壁2wに蓄積した付着物を拭き取る(拭き取り過程)。
【0097】
S6:
測定端子10tで、ほこり信号を測定し付着物の除去状態を判定する(付着物除去判定過程)。
【0098】
このとき、ほこり信号が付着物検出基準値Vr1を超えている場合には、付着物がまだ除去されていないことが分かる。
【0099】
S1ないしS6に示した各過程での処理を施すことにより、ほこりセンサのメンテナンスを容易かつ確実に実行することが可能となる。
【0100】
また、増幅部の増幅率(例えば増幅回路7cの増幅率)が大きく、ほこり信号が飽和状態であれば、増幅回路7cの増幅率を調整(低減)して飽和状態を解消する必要がある。飽和状態を解消することにより、付着物の除去が確実に行なわれたか否かを高精度に確認することが可能となる。この場合の状態を、図9を用いて説明する。
【0101】
図9は、実施の形態3に係るほこりセンサのメンテナンス方法で付着物の除去を高精度に行なうために増幅部の増幅率を調整する過程を説明する波形図であり、(A)はLED駆動用パルス入力の状態を示し、(B)は蓄積された付着物の状態、増幅率の状態に対応して出力された検出出力の状態を示す。
【0102】
基本的な形態は図6、図7と同一であるので、主に異なる点について説明する。
【0103】
測定端子10tで、検出出力(ほこり信号)を測定し、波形状態を確認する。増幅率が高く、増幅部が飽和状態となっている場合には、検出出力SP21ないしSP25は、破線で示すとおり付着物検出基準値Vr1を超え、また波高値の先端は平坦状態(飽和状態)を示している。この状態で、付着物を除去しても増幅率が高ければ付着物検出基準値Vr1を超えた状態を維持する恐れがあり、付着物の除去を精度良く確認することは困難である。
【0104】
この課題を解決するために、増幅部(例えば、増幅回路7c)で増幅率調整部7crを操作し、増幅率を調整(増幅率を低減)することにより飽和状態を解消する。飽和状態を解消された状態は、実線で示す検出出力SP21ないしSP25となり、付着物の除去に応じて波高値が低減することとなる。つまり、高精度に付着物の除去状態を把握することが可能となる。
【0105】
したがって、付着物からの不要反射光によりほこり信号が飽和状態となる増幅率よりも低い増幅率で付着物の除去状態を判定することにより、高精度に付着物の除去状態を判定することができる。つまり、単に増幅率が高いことから、付着物が存在すると判定してしまう場合を解消することが可能となる。
【0106】
なお、付着物の除去は、実線で示す検出出力SP21ないしSP25がほこり検出最小値Vr2より低くなるまで行なう。実線で示す検出出力SP21ないしSP25が検出最小値Vr2より低くなれば付着物は除去されたこととなる。
【0107】
本実施の形態に係るほこりセンサのメンテナンス方法によれば、ほこりセンサのメンテナンスを容易かつ確実に実行することが可能となる。なお、上述したほこりセンサのメンテナンス方法で適用する付着物検出基準値Vr1、ほこり検出最小値Vr2の設定、付着物を検出した場合の警告など一連の処理フローは、予め適宜のプログラムを信号処理部21のCPUに対応させる形態で信号処理部21にインストールしておくことが可能である。
【0108】
<実施の形態4>
本実施の形態に係る空気調整器(不図示)は、実施の形態1ないし実施の形態3に記載したほこりセンサ1、ほこりセンサメンテナンス方法を適用する。実施の形態1ないし実施の形態3に記載したほこりセンサ1、ほこりセンサメンテナンス方法を適用することにより、メンテナンスが容易かつ確実で、ほこり検出を容易かつ確実に行なえることから、効率的かつ確実に空気の調整が可能な空気調整器とすることが可能となる。
【0109】
空気調整器は、調整対象とする環境空気を取り込む空気導入口と、取り込んだ環境空気を調整する空気調整部と、調整した環境空気を送り出す空気送出口とを備える。ほこりセンサ1は、空気導入口と空気調整部との間に配置され、取り込んだ環境空気の状態を検出し、空気調整部の動作モードを特定する。
【0110】
なお、本実施の形態に係る空気調整器には空気調和機、空気清浄器などの空調機器を含むことができる。その際、ほこりセンサ1の制御部20(実施の形態7参照)を空気調整器の制御部(不図示)と共通にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明の実施の形態1に係るほこりセンサの概略構造を示す説明図であり、(A)は内部構造を透視的に示す正面図、(B)は底面図である。
【図2】図1に示したほこりセンサの表蓋部に形成した清掃具導入孔の配置例を示す説明図であり、(A)は正面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を拡大して示す拡大断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るほこりセンサに設けた清掃具導入孔の変形例を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係るほこりセンサに設けた清掃具導入孔の変形例を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係るほこりセンサの回路ブロックの概略構成を示す回路ブロック図である。
【図6】図5に示したほこりセンサの通常の動作状態での波形を示す波形図であり、(A)はLED駆動用パルス入力の状態を示し、(B)はほこりの状態に対応して出力された検出出力の状態を示す。
【図7】図5に示したほこりセンサで付着物が検出された状態での波形を示す波形図であり、(A)はLED駆動用パルス入力の状態を示し、(B)は付着物の状態に対応して出力された検出出力の状態を示す。
【図8】実施の形態3に係るほこりセンサのメンテナンス方法の概略フローを示すフローチャートである。
【図9】実施の形態3に係るほこりセンサのメンテナンス方法で付着物の除去を高精度に行なうために増幅部の増幅率を調整する過程を説明する波形図であり、(A)はLED駆動用パルス入力の状態を示し、(B)は蓄積された付着物の状態、増幅率の状態に対応して出力された検出出力の状態を示す。
【図10】従来のほこりセンサの概略構造を示す説明図であり、(A)は内部構造を透視的に示す正面図、(B)は表蓋部を示す正面図である。
【符号の説明】
【0112】
1 ほこりセンサ
2 筐体
2f 表蓋部
2r 裏蓋部
2s 遮光部
2w 内壁
3f 気流導入穴
3r 気流排出穴
4 清掃具導入孔
6 発光部
6a 発光素子
6b 駆動回路
6g 発光部レンズ
6s 発光部スリット
6w 発光側内壁
7 受光部
7a 受光素子
7b 増幅回路
7c 増幅回路(増幅部)
7cr 増幅率調整部
7d 増幅回路
7g 受光部レンズ
7s 受光部スリット
7w 受光側内壁
10 検出部
10t 測定端子
20 制御部
21 信号処理部
22 アナログデジタル変換器
AA 気流通過領域
AAec 発光側コーナー部
AAeg 照射光放出領域
AArc 受光側コーナー部
AArg 反射光導入領域
CT 清掃具
DD ほこり
Le 照射光
Lr 反射光
SA ほこり検出領域
Tout 警告信号
Vr1 付着物検出基準値
Vr2 ほこり検出最小値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ほこり検出対象としての気流を導入する気流導入穴と、導入した気流を通過させる気流通過領域と、該気流通過領域に構成されたほこり検出領域と、該ほこり検出領域に照射光を照射する発光部と、前記ほこり検出領域に導入された気流に含まれるほこりからの反射光を受光する受光部と、前記発光部および前記受光部を保持する筐体とを備え、前記ほこり検出領域を通過する気流中のほこりを検出するほこりセンサであって、
前記筐体は、前記気流通過領域を構成する前記筐体の内壁に付着した付着物を除去する清掃具を前記気流通過領域に導入するための清掃具導入孔を備えることを特徴とするほこりセンサ。
【請求項2】
前記清掃具導入孔の孔表面は、滑らかな面としてあることを特徴とする請求項1に記載のほこりセンサ。
【請求項3】
前記清掃具導入孔の内周形状は、滑らかな形状としてあることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のほこりセンサ。
【請求項4】
前記清掃具導入孔は、前記筐体の表面側から内壁側に向けて傾斜させてあることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載のほこりセンサ。
【請求項5】
前記清掃具導入孔の内周は、筐体の表面側に対して筐体の内壁側で大きく形成してあることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一つに記載のほこりセンサ。
【請求項6】
前記気流通過領域の前記発光部側で前記内壁を構成する発光側内壁と、前記気流通過領域の前記受光部側で前記内壁を構成する受光側内壁とを備え、
前記清掃具導入孔は、前記発光側内壁が構成する発光側コーナー部、および前記受光側内壁が構成する受光側コーナー部の少なくとも一方に対応させて配置してあることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一つに記載のほこりセンサ。
【請求項7】
前記清掃具導入孔は、前記発光部が照射光を放出する照射光放出領域、および前記受光部が反射光を導入する反射光導入領域の少なくとも一方に対応させて配置してあることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一つに記載のほこりセンサ。
【請求項8】
検出したほこり量に対応するほこり信号を出力する増幅部と、前記ほこり信号を測定するための測定端子とを備えることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一つに記載のほこりセンサ。
【請求項9】
前記増幅部は増幅率を調整する増幅率調整部を備えることを特徴とする請求項8に記載のほこりセンサ。
【請求項10】
検出対象としての気流を導入する気流導入穴と、導入した気流を通過させる気流通過領域と、該気流通過領域に構成されたほこり検出領域と、該ほこり検出領域に照射光を照射する発光部と、前記ほこり検出領域に導入された気流に含まれるほこりからの反射光を受光する受光部と、前記発光部および前記受光部を保持する筐体とを備え、前記ほこり検出領域を通過する気流中のほこりを検出するほこりセンサのメンテナンス方法であって、
検出したほこり量に対応するほこり信号を出力する増幅部の前記ほこり信号を予め設定してある付着物検出基準値と比較することで付着物の蓄積を検出する付着物検出過程と、
付着物の蓄積を検出したときに警告信号を発生する警告過程と、
警告過程の後、前記気流通過領域を構成する前記筐体の内壁に蓄積した付着物を除去する清掃具を前記筐体が備える清掃具導入孔を介して前記気流通過領域へ導入する清掃具導入過程と、
前記清掃具で前記内壁に蓄積した付着物を拭き取る拭き取り過程と、
前記ほこり信号を測定して付着物の除去状態を判定する付着物除去判定過程と
を備えることを特徴とするほこりセンサのメンテナンス方法。
【請求項11】
前記ほこり信号が飽和状態のとき、前記増幅部の増幅率を調整して飽和状態を解消することを特徴とする請求項10に記載のほこりセンサのメンテナンス方法。
【請求項12】
ほこりセンサを備え検出したほこりに対応して運転状態を調整する空気調整器であって、前記ほこりセンサは、請求項1ないし請求項9のいずれか一つに記載のほこりセンサであることを特徴とする空気調整器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−267974(P2008−267974A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−110816(P2007−110816)
【出願日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】