説明

めっき平角導体の製造方法及びフレキシブルフラットケーブル

【課題】フレキシブルフラットケーブル用のめっき平角銅導体として、ニッケル或いは錫のめっき層の厚さがより均一、具体的にはめっき層の最大値と最小値の比が1.05以下のめっき平角銅導体の製造方法を提供し、また、得られた前記めっき平角銅導体を用いることによって耐食性が良好なFFCを得ること、さらには、コネクタの端子に取付けた場合にウイスカーの発生がなく銅配線間等での短絡を生じることがないFFCを提供することにある。
【解決手段】例えば、所定の径に伸線加工されたNiめっき銅線を、異形ダイスを用いて断面が四角形のNiめっき銅導体に伸線し、これを圧延加工によってNiめっき平角導体とする製造方法によって、解決される。また、前記の製造方法によって得られたNiめっき平角導体の複数本を用い、必要な間隔で接着剤付絶縁テープによってラミネートされて平行に配置され、かつその端部には接続部が形成されているFFCとすることによって、解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニッケル或いは錫のめっき平角導体の製造方法並びにそれを用いたフレキシブルフラットケーブルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子機器等の小型化や軽量化に伴い、搭載される配線材料も小型化が進んでいる。このため限られたスペースに収まると共にその可とう性も要求される。例えば、平角状の導体を複数本平面状に並べ、これをテープ状の絶縁体材料によって両側からラミネートしたフレキシブルフラットケーブルが使用されている。このフレキシブルフラットケーブルは、端末部を口出し加工してプリント配線基板等に接続配線されるが、接触抵抗を小さくしたり、半田付性を向上させるため前記平角導体には通常錫系めっき(Sn系めっき)や金/ニッケルめっき(Au/Niめっき)が施される。そして、これ等のめっき層はその表面が均一であるほど好ましいとされている。このような平角導体は、通常Φ0.5〜1mm程度の銅線にめっきを施した後に、Φ0.1〜0.2mm程度に伸線加工を行い、さらに圧延加工によって平角導体が作製されている。このような技術は、例えば特許文献1に記載されている。しかしながら、このような製造方法では銅丸線を平らに圧延加工されるために、銅丸線等の素材内に於ける加工歪は均一ではなく、大きく変形する箇所と殆ど変形しない箇所が生じることになる。当然、その上に施されているめっき層も同様の変形を受け、めっき層の厚みは全体に均一とならずに場所によって大きな差が生じることになる。具体的には、圧延ロールに接した平角導体の中央部はめっき層が厚く、中央部と両端部の間の部分が薄くなる傾向が見られる。このようにめっき層の厚さが不均一になると、めっき層の性能が損なわれて好ましくなくなる。例えば、Au/Niの2層めっきの場合にはNi層はバリヤ層として銅がAu層中に拡散することを防止しているが、Ni層に薄い部分が生じると銅がAu層中に拡散し、めっき層の表面に達した銅がAuめっき層の耐食性を著しく悪化させることになる。このように耐食性が悪くなると、接触抵抗の増加や半田付性の低下に繋がり好ましくない。また、Sn系めっき層の場合にはコネクタと嵌合した時に、コネクタの端子に押付けられた周辺のめっき層からウイスカーと呼ばれる針状結晶が成長してくることが知られている。このようなウイスカーの成長は、銅配線間等での短絡を生じて電子機器等のトラブルに繋がり好ましくない。このウイスカーの成長を抑えるためには、Sn系めっき層の純錫層の厚さを所定の厚さ以下に抑えることが有効とされている。一方、半田濡れ性はめっき層が厚いほど良好である。このため、圧延後の平角導体のめっき層は均一であることが望まれる。このため特許文献2に開示されるような技術が提案されている。すなわち、めっき丸線導体を上・下圧延ロールの回転と同時に、下段圧延ロールの回転軸を圧延面と平行な面に沿って、上段圧延ロールの回転軸とクロスする方向に、上段圧延ロールの回転数に対して極めて早く反復運動させながら圧延する方法が開示されている。そしてこのような圧延方法によれば、圧延後のめっき層が均一なフレキシブルフラットケーブル用の平角導体が得られるが、それでもめっき層の厚い部分と薄い部分とで平均して1.2倍程度の差が出ることがあり、均一にする効果が十分ではない場合があった。
【特許文献1】特許3005742号公報
【特許文献2】特開2007−95633号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
よって本発明が解決しようとする課題は、フレキシブルフラットケーブル(以下、FFC)用のめっき平角銅導体として、ニッケル或いは錫のめっき層の厚さがより均一、具体的にはめっき層の最大値と最小値の比が1.05以下のめっき平角銅導体の製造方法を提供し、また、得られた前記めっき平角銅導体を用いることによって耐食性が良好なFFCを得ること、さらには、コネクタの端子に取付けた場合にウイスカーの発生がなく銅配線間等での短絡を生じることがないFFCを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記解決しようとする課題は、請求項1に記載するように、所定の径に伸線加工されたニッケルめっき丸銅線(Ni、めっき銅線)を、異形ダイスを用いて断面が四角形のNiめっき銅導体に伸線し、これを圧延加工によってNiめっき平角銅導体(以下、Niめっき平角導体)の製造方法とすることによって、解決される。また、請求項2に記載するように、前記製造方法によって得られたNiめっき平角導体の複数本が、必要な間隔で接着剤付絶縁テープによってラミネートされて平行に配置され、かつその端部には接続部が形成されているFFCとすることによって、解決される。
【0005】
さらに、請求項3に記載するように、所定の径に伸線加工された錫めっき丸銅線(以下、Snめっき銅線)を、異形ダイスを用いて断面が四角形のSnめっき銅導体に伸線し、これを圧延加工によってSnめっき平角銅導体(以下、Snめっき平角導体)の製造方法としたことによって、解決される。さらにまた、請求項4に記載するように、前記製造方法によって得られたSnめっき平角導体の複数本が、必要な間隔で接着剤付絶縁テープによってラミネートされて平行に配置され、かつその端部には接続部が形成されているFFCとすることによって、解決される。
【発明の効果】
【0006】
以上のような本発明によれば、所定の径に伸線加工されたNiめっき丸銅線を、異形ダイスを用いて断面が四角形のNiめっき銅導体に伸線し、これを圧延加工したNiめっき平角導体の製造方法であるから、Niめっき層の厚さがより均一、具体的にはめっき層の最大値と最小値の比が1.05以下のNiめっき平角導体が得られる。さらに、前記製造方法によって得られたNiめっき平角導体の複数本を、必要な間隔で接着剤付絶縁テープによってラミネートして平行に配置し、かつその端部には接続部が形成されているFFCとしたので、耐食性が良好であることにより腐食等による銅配線間等での短絡を生じることがないFFCを提供できる。さらに、FFCの曲げ特性も向上する。
【0007】
また、所定の径に伸線加工されたSnめっき銅線を、異形ダイスを用いて断面が四角形のSnめっき銅導体に伸線し、これを圧延加工したSnめっき平角導体の製造方法であるから、FFC用のめっき平角導体としてめっき層の厚さがより均一で薄く、具体的にはめっき層の最大値と最小値の比が1.05以下のSnめっき平角導体が得られる。また、このようなSnめっき平角導体は、Snめっき量を必要以上に使用する必要がないので、製造コストの上からも好ましいものである。また、前記Snめっき平角導体の複数本を、必要な間隔で接着剤付絶縁テープによってラミネートして平行に配置し、かつその端部には接続部が形成されているFFCとすることによって、コネクタの端子に取付けた場合にウイスカーの発生がなく、これによる銅配線間等での短絡を生じることがないFFCとなる。さらに、FFCの曲げ特性も向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に本発明を詳細に説明する。請求項1に記載する発明は、FFC用として好ましいNiめつき平角導体の製造方法に関するもので、所定の径に伸線加工されたNiめっき銅線を、異形ダイスを用いて断面が四角形のNiめっき導体に伸線し、これを圧延加工によってNiめっき平角導体とする製造方法である。このような製造方法によれば、Niめっき平角導体のめっき層の厚さをより均一にすることができるので、より耐食性を良好なもとできる。
【0009】
図1に記載した概略図によって、その製造方法を説明する。符号1は所定の径に伸線されたNiめっき銅線で、銅線2は通常Φ0.1〜0.2mm程度に伸線され、Niめっき層3が施されたものである。ついで、このNiめっき銅線1を、圧延加工を行う前に四角形の穴部を有する異形ダイス4を通して伸線する。前記穴部は、縦が0.07〜0.18mm程度で、横幅が0.09〜0.20mm程度の四角形のものが用いられる。前記四角形は、通常正方形や長方形のものであるが、特に長方形のものが好ましい。また通常この工程では、0.1%程度までの減面加工が行われる。このように、一旦断面が四角形のNiめっき導体5に伸線した後に、通常の圧延加工によって目的のNiめっき平角導体6とされる。このように断面が四角形のNiめっき導体5を圧延ロールによる圧延加工を行ってNiめっき平角導体6としても、Niめっき銅線等の素材内に於ける加工歪が除去されているので、その上に施されているめっき層が変形を受けることなくめっき層の厚みは全体に均一とすることができる。すなわち、圧延ロールに接した平角導体の中央部はめっき層が厚く、中央部と両端部の間の部分が薄くなる傾向が見られたが、このような異形ダイスを通過させて伸線することによって、その後に通常の圧延加工を施しても、前記の問題がなく均一なNiめっき層を有する平角導体が得られることになる。具体的には、めっき層の最大値と最小値の比が1.05以下となるNiめっき平角導体を得ることができる。このように均一のNiめっき層を有するNiめっき平角導体6は、Ni層に薄い部分が生じて銅がAu層中に拡散し、めっき層の表面に達した銅がAuめっき層の耐食性を著しく悪化させると言うような問題が生じない。
【0010】
そして、請求項2に記載するように、前記の製造方法によって製造されたNiめっき平角導体を用いてFFCを製造することにより、非常に均一なNiめっき層を有する平角導体のためにNiめっき層のバラつきによる腐食等の発生がないので、銅配線間等での短絡を生じることがないFFCを提供できる。なお、FFCは通常、Niめっきが施された数本〜数十本の平角導体を所定の間隔で平行に並べ、、ポリエチレンテレフタレート(以下、PET)やポリイミド樹脂(以下、PI)等の絶縁フィルムで両側からラミネートして被覆し、少なくとも一方の端部に電気コネクタと接続する接続端末部を形成することによって製造される。なお、この端末部には厚さ0.03〜1.00μm程度のAuめっき層が施されて接続端末部とされる。さらに、このFFCは曲げ特性にも優れたものとなる。
【0011】
さらに、請求項3に記載のSnめっき平角導体の製造方法は、所定の径に伸線加工されたSnめっき銅線を、異形ダイスを用いて断面が四角形のSnめっき銅導体に伸線し、これを圧延加工によってSnめっき平角導体とする製造方法である。このようなプロセスによって製造されたSnめっき平角導体は、Snめっき層が均一かつ薄いために、コネクタと嵌合して長期に使用してもウイスカーの発生を抑制できる。また、Snめっき層を十分薄くしているので、製造コスト的にも有利である。なお、製造プロセスは前述のNiめっき平角導体の製造プロセスと同様に行われる。すなわち、図1に示したとおりである。具体的には、所定の径に伸線されたSnめっき銅線が使用され、銅丸線は通常Φ0.8mm程度のものに、5〜20μm程度のSnめっき層が施されたものである。また、圧延加工を行う前に伸線する四角形の穴部を有する異形ダイスも、穴部が縦0.07〜0.18mm程度で、横幅が0.09〜0.2mm程度の四角形のものが用いられる。前記四角形は、通常正方形や長方形のものであるが、特に長方形のものが好ましく、通常この工程で0.1%程度までの減面加工が行われる。このような異形ダイスを通過させて伸線することによって、その後に通常の圧延加工を施しても前記の問題がなく均一で薄いSnめっき層を有する平角導体が得られることになる。具体的には、めっき層厚さの最大値と最小値の比が1.05以下となるSnめっき平角導体を得ることができる。
【0012】
そして、前述のSnめっき平角導体を用いてFFCを製造すると、前記Snめっき平角導体は均一で薄いSnめっき層を有する平角導体であるから、コネクタと嵌合して長期に使用してもウイスカーと呼ばれる針状結晶が成長することがない。このため、FFCは銅配線間等での短絡を生じることがなく実用的なものである。また、得られたFFCは曲げ特性にも優れたものである。
【実施例】
【0013】
以下に実施例及び比較例を記載して、本発明の効果を述べる。
実施例1:Φ0.8mmの軟銅丸線に電解Niめっきにより10μm厚さのNiめっき層を形成した。このNiめっき軟銅丸線を伸線加工によりΦ0.12mmまで伸線した。ついで、縦が0.095mm、横幅が0.119mmの長方形の穴部を有する異形ダイスを用いて、断面が長方形のNiめっき銅線に伸線した。さらに、この断面が長方形のNiめっき銅線を上・下の圧延ロールを用いて圧延加工し、厚さが0.035mmのNiめっき平角導体とした。実施例として5本作製した。比較例として、前記Φ0.12mmのNiめっき軟銅丸線を、同様に圧延加工して0.035mmのNiめっき平角導体とした。比較例として3本作製した。さらに比較例として、前記Φ0.12mmのNiめっき軟銅丸線を本発明者らが提案している圧延加工方法(特開2007−95633号公報参照)である、下段の圧延ロールを上段圧延ロールの回転軸方向とクロスする方向に早い反復運動させる方法によって圧延加工した。比較例として3本作製した。これ等の試料について長手方向の適所で切断し、その断面観測からNiめっき層の厚さの最大値並びに最小値を測定した。結果を、最大値(A)と最小値(B)の比(A/B)として表1に示した。
【0014】
【表1】

【0015】
表1から明らかなように、Niめっきの例である本発明の実施例1〜5のように、長方形の穴部を有する異形ダイスを用いたものはめっき層の厚さが、最大値と最小値の比で1.05以下の均一なものである。これに対して、従来一般的に行われている圧延方法の例である比較例1〜3では、最大値と最小値の比が13.9〜19.0と大きな差が見られる。また、本発明者等が提案した圧延方法の例である比較例4〜6に於いても最大値と最小値の比が1.20〜1.32と、十分に均一とはならなかった。
【0016】
実施例2:Φ0.8mmの軟銅丸線に電解Niめっきにより10μm厚さのNiめっき層を形成した。このNiめっき軟銅丸線を伸線加工によりΦ0.12mmまで伸線した。ついで、0.105mm角の略正方形の穴部を有する異形ダイスを用いて、断面が長方形のNiめっき銅線に伸線した。さらに、この断面が長方形のNiめっき銅線を上・下の圧延ロールを用いて圧延加工し、厚さが0.035mmのNiめっき平角導体とて5本作製した。比較例として、前記Φ0.12mmのNiめっき軟銅丸線を、同様に圧延加工して0.035mmのNiめっき平角導体とした。(3本作製。)なお比較例としては、実施例1で記載した比較例1〜6を引用した。これ等の試料について長手方向の適所で切断し、その断面観測からNiめっき層厚さの最大値並びに最小値を測定した。結果を、最大値(A)と最小値(B)の比(A/B)として表2に示す。
【0017】
【表2】

【0018】
また、表2から明らかなように、本発明の実施例6〜10に示した略正方形の穴部を有する異形ダイスを用いたものは、めっき層の厚さが最大値と最小値の比で1.05以下と均一なものである。これに対して、比較例7〜9では大きな差が見られ、また、比較例10〜12の圧延方法でも十分に均一とは言えなかった。
【0019】
実施例3:Φ0.8mmの軟銅丸線に電解Snめっきにより10μm厚さのSnめっき層を形成した。このSnめっき軟銅丸線を伸線加工によりΦ0.12mmまで伸線した。ついで、縦が0.095mm、横幅が0.119mmの長方形の穴部を有する異形ダイスを用いて、断面が長方形のSnめっき銅線に伸線した。さらに、この断面が長方形のSnめっき銅線を上・下の圧延ロールを用いて圧延加工し、厚さが0.035mmのSnめっき平角導体として5本作製した。比較例として、前記Φ0.12mmのSnめっき軟銅丸線を、同様に圧延加工して0.035mmのSnめっき平角導体とした。(3本作製。)さらに比較例として、前記Φ0.12mmのSnめっき軟銅丸線を本発明者らが提案している圧延加工方法(特開2007−95633号公報参照)である、下段の圧延ロールを上段圧延ロールの回転軸方向とクロスする方向に早い反復運動させる方法によって圧延加工した。(3本作製。)これ等の試料について長手方向の適所で切断し、その断面観測からSnめっき層厚さの最大値並びに最小値を測定した。結果を、最大値(A)と最小値(B)の比(A/B)として、表3に示す。
【0020】
【表3】

【0021】
表3から明らかなように、Snめっきの例を示す実施例11〜15である長方形の穴部を有する異形ダイスを用いたものは、めっき層の厚さが最大値と最小値の比で1.05以下の均一なものである。これに対して、従来一般的に行われている圧延方法の例である比較例13〜15では、最大値と最小値の比が2.90〜3.20と差が大きくなっている。また、本発明者等が提案した圧延方法の例である比較例16〜18に於いても、最大値と最小値の比が1.12〜1.48と、十分に均一とはならなかった。
【0022】
実施例4:Φ0.8mmの軟銅丸線に電解Snめっきにより10μm厚さのSnめっき層を形成した。このSnめっき軟銅丸線を伸線加工によりΦ0.12mmまで伸線した。ついで、0.105mm角の略正方形の穴部を有する異形ダイスを用いて、断面が長方形のSnめっき銅線に伸線した。さらに、この断面が長方形のSnめっき銅線を上・下の圧延ロールを用いて圧延加工し、厚さが0.035mmのSnめっき平角導体として5本作製した。比較例として、前記Φ0.12mmのSnめっき軟銅丸線を、同様に圧延加工して0.035mmのSnめっき平角導体とした。(3本作製。)なお、比較例としては、実施例3で記載した比較例13〜18を引用した。これ等の試料について長手方向の適所で切断し、その断面観測からSnめっき層厚さの最大値並びに最小値を測定した。結果を、最大値(A)と最小値(B)の比(A/B)として、表4に示す。
【0023】
【表4】

【0024】
また、表4から明らかなように、実施例16〜20に示した略正方形の穴部を有する異形ダイスを用いたものは、めっき層の厚さが最大値と最小値の比で1.05以下と均一なものである。これに対して、比較例19〜21では大きな差が見られ、また、比較例22〜24の圧延方法に於いても十分に均一とは言えなかった。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明のFFCは、めっき層の厚さがより均一なめっき平角銅導体を用いるので、めっき平角導体は耐食性に優れたものであり、また、Snめっき平角導体を用いたFFCに於いては、コネクタの端子に取付けた場合にウイスカーの発生がないので、機器類に使用中に銅配線間等での短絡を生じることがなく有用である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明のめっき平角導体の製造工程の概略を示す工程図である。
【符号の説明】
【0027】
1 所定の径に伸線されためっき軟銅丸線
2 丸銅線
3 めっき層
4 異形ダイス
5 断面が四角形のめっき銅導体
6 めっき平角導体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の径に伸線加工されたニッケルめっき丸銅線を、異形ダイスを用いて断面が四角形のニッケルめっき銅線に伸線し、これを圧延加工によって平角導体としたことを特徴とするニッケルめっき平角銅導体の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載する製造方法によって得られたニッケルめっき平角銅導体の複数本が、必要な間隔で接着剤付絶縁テープによってラミネートされて平行に配置され、かつその端部には接続部が形成されていることを特徴とするフレキシブルフラットケーブル。
【請求項3】
所定の径に伸線加工された錫めっき丸銅線を、異形ダイスを用いて断面が四角形の錫めっき銅線に伸線し、これを圧延加工によって平角導体としたことを特徴とする錫めっき平角銅導体の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載する製造方法によって得られた錫めっき平角銅導体の複数本が、必要な間隔で接着剤付絶縁テープによってラミネートされて平行に配置され、かつその端部には接続部が形成されていることを特徴とするフレキシブルフラットケーブル。

【図1】
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【公開番号】特開2009−117275(P2009−117275A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−291614(P2007−291614)
【出願日】平成19年11月9日(2007.11.9)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】