説明

アウタスカッフプレートの取り付け構造

【課題】
アウタスカッフプレートの見栄えを向上した高級感のあるアウタスカッフプレートの取り付け構造を提供する。
【解決手段】
帯状のアルミ板よりなるアウタスカッフプレート1の長手方向の少なくとも両端部裏面のそれぞれにスタッドピン2a、2cを設け、これらスタッドピン2a、2cを樹脂クリップ3a、3cを介して車両のボデー等に固着するようにし、樹脂クリップ3aはアウタスカッフプレート1側に先付けしアウタスカッフプレート1の長手方向と幅方向を位置規制する基準の樹脂クリップとし、また、樹脂クリップ3cはボデー等側に先付けしアウタスカッフプレート1の幅方向を位置規制する副基準の樹脂クリップとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等のボデーに装着されるアウタスカッフプレートの取り付け構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車のロッカパネルには装飾も兼ねてすり傷を防止するためのアウタスカッフプレートが取り付けられている。従来のアウタスカッフプレートは図5乃至図7で示すように、帯状の樹脂ベース10の表面の窪みにアルミ板11を貼付し、樹脂ベース10の長手方向の表面両端部位に樹脂クリップ12と、この樹脂クリップ12の両側に樹脂クリップ12を取り付けるための樹脂クリップ取付座面13を一体形成した形態であり、前記樹脂クリップ12によりロッカパネルに取り付けた構造である。
【0003】
このような従来のアウタスカッフプレートは樹脂プレート10にアルミ板11を貼り付けた構成としていたが、高級感の見栄えを持ったムクのアルミ材からなるアウタスカッフプレートを取り付ける構造がなかった。
【特許文献1】特開平07−052728公報
【特許文献2】特開2001−347898公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、アウタスカッフプレートの見栄えを向上した高級感のあるアウタスカッフプレートの取り付け構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するための本発明は、請求項1に記載の通り、帯状のアルミ板よりなるアウタスカッフプレートの長手方向の少なくとも両端部裏面のそれぞれにスタッドピンを設け、これらスタッドピンを樹脂クリップを介して車両のボデー等に固着するようにしたことを特徴とするものである。
【0006】
請求項2に記載のとおり、上記アウタスカッフプレートの一端側はスタッドピンと対応する樹脂クリップをアウタスカッフプレート側に先付けしアウタスカッフプレートの長手方向と幅方向を位置規制する基準の樹脂クリップとし、また、アウタスカッフプレートの他端側のスタッドピンは対応する樹脂クリップを車両のボデー等側に先付けしアウタスカッフプレートの幅方向を位置規制する副基準の樹脂クリップとしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、ムクのアルミ材からなるアウタスカッフプレートにより見栄えを向上した高級感を持たせることができ、また、アウタスカッフプレートの長手方向と横方向を位置規制する基準の樹脂クリップとアウタスカッフプレートの幅方向を位置規制する副基準の樹脂クリップとによりアウタスカッフプレートはボデーの所定位置に正しく取り付けられ、作業者の取り付け作業においても位置決めを考慮することなく容易かつ迅速に行うことができるという効果を有している。さらに、本発明におけるアウタスカッフプレートは車両の左右に共通に使えるため誤組付を招くことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下本発明を実施するための最良の形態について図面に基づいて説明する。図1において、1は帯状のアルミ板よりなるアウタスカッフプレートである。このアウタスカッフプレート1の裏面には少なくとも3本のスタッドピン2a、2b、2cが所要間隔で溶着されている。3aは前記スタッドピン2aと対応する第1の樹脂クリップであり、3bは前記スタッドピン2bと対応する第2の樹脂クリップであり、3cは前記スタッドピン2cと対応する第3の樹脂クリップである。前記アウタスカッフプレート1はこれらスタッドピン2a、2b、2cと第1〜第3の樹脂クリップ3a〜3cによって図2乃至図4で示すように、例えば、自動車のロッカパネル5に取り付けられる。
【0009】
そこで、本発明は、前記第1及び第2の樹脂クリップ3a及び3bの2つはアウタスカッフプレート1側に先付けし、第1の樹脂クリップ3aはアウタスカッフプレート1の長手方向と横方向を位置規制する基準の樹脂クリップとし、また、第3の樹脂クリップ3cはロッカパネル5側に先付けし、アウタスカッフプレート1の幅方向を位置規制する副基準の樹脂クリップとしている。
【0010】
上記アウタスカッフプレート1側に先付けした基準となる第1の樹脂クリップ3aを嵌着するためのロッカパネル5側の穴は第1の樹脂クリップ3aが密に嵌り合う丸穴であり、第2の樹脂クリップ3bを嵌着するためのロッカパネル5側の穴はバカ穴である。また、ロッカパネル5側に先付けする第3の樹脂クリップ3cはロッカパネル5側に明けた小判形の穴に嵌着される。従って、丸穴に密に嵌り合う基準となる第1の樹脂クリップ3aによりアウタスカッフプレート1は長手方向と幅方向が位置規制される。また、小判形の穴に嵌着している副基準第3の樹脂クリップ3cはアウタスカッフプレート1の長手方向は小判形の穴の長手方向によってバラツキを吸収し、小判形の穴の長手方向と直交する幅方向ではアウタスカッフプレート1の幅を位置規制する。
【0011】
本発明は上記の通りの構造であるから、アウタスカッフプレート1の取り付けにおいて、前記基準となる第1の樹脂クリップ3aはアウタスカッフプレート1の長手方向と横方向を位置規制し、前記副基準となる第3の樹脂クリップ3cはアウタスカッフプレート1の幅方向を位置規制する。従って、アウタスカッフプレート1はロッカパネル5の所定位置に正しく取り付けられ、作業者の取り付け作業においても位置決めを考慮することなく容易かつ迅速に行うことができ、スカッフプレートはスタッドピン2a〜2cと第1〜第3の樹脂クリップ3a〜3cによりガタツキなく取り付け状態が得られる。
【0012】
また、アウタスカッフプレート1の表面にさらに高級感を表すため、ヘアライン処理により文字等を付加し見栄えを向上する。
【0013】
上記の実施形態ではアウタスカッフプレート1をロッカパネル5に取り付けた例で説明したが、本発明はロッカパネル5への取り付けに限定するものではなく、すり傷から保護し、かつ装飾の目的で自動車のボデーに取り付けることも可能である。また、スタッドピンは3本で説明したが、アウタスカッフプレート1の両端に設けた都合2本でもよいしアウタスカッフプレート1の長さによっては3本以上に設定されることを付言する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の斜視図
【図2】図1のA−A線断面図
【図3】図1のB−B線断面図
【図4】図1のC−C線断面図
【図5】従来例を示す斜視図
【図6】図5のD−D線断面図
【図7】図5のE−E線断面図
【符号の説明】
【0015】
1 アウタスカッフプレート
2a〜2c スタッドピン
3a〜3c 第1〜第3の樹脂クリップ
5 ロッカパネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状のアルミ板よりなるアウタスカッフプレートの長手方向の少なくとも両端部裏面のそれぞれにスタッドピンを設け、これらスタッドピンを樹脂クリップを介して車両のボデー等に固着するようにしたことを特徴とするアウタスカッフプレートの取り付け構造。
【請求項2】
アウタスカッフプレートの一端側はスタッドピンと対応する樹脂クリップをアウタスカッフプレート側に先付けしアウタスカッフプレートの長手方向と幅方向を位置規制する基準の樹脂クリップとし、また、アウタスカッフプレートの他端側はスタッドピンと対応する樹脂クリップを車両のボデー等側に先付けしアウタスカッフプレートの幅方向を位置規制する副基準の樹脂クリップとしたことを特徴とする請求項1に記載のアウタスカッフプレートの取り付け構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−188086(P2006−188086A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−381885(P2004−381885)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000157083)関東自動車工業株式会社 (1,164)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】