説明

アシッドポンプアンタゴニストとしてのイミダゾピリジン誘導体

本発明は、式Iで表される新たに同定したイミダゾピリジン化合物、治療におけるそのような化合物の使用、およびそれらの製造に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新たに同定されたイミダゾピリジン化合物、治療におけるそのような化合物の使用、およびそれらの製造に関する。
【背景技術】
【0002】
胃H/K ATPアーゼ(またはプロトンポンプ)は、胃の酸分泌壁細胞からの胃酸分泌に関与する。H/K ATPアーゼは、非起電的にプロトンおよびKイオンを反対方向に活発に輸送し、ATPの加水分解に共役される。生理的条件下で、これは胃壁細胞の管腔膜を横切る、100万倍超でのプロトン勾配を生成および維持する。
【0003】
胃酸は胃腸疾患にとって主要な危険因子の1つであり、胃H/K ATPアーゼの特異的な阻害剤が過酸症の臨床的処置および制御のために現在使用されている。そのような阻害剤は、2つの群に分類され得、その第1はオメプラゾール(プロトンポンプ阻害剤またはPPIと呼ばれる)のような不可逆的な阻害剤である。このクラスの化合物は、活性壁細胞の酸性細管にて蓄積する弱塩基であり、それらは陽イオン4環スルフェンアミドを迅速に形成する。次いで、スルフェンアミドは、H/K ATPアーゼの管腔表面に不可逆的に結合し、その活性を阻害する。
【0004】
胃食道逆流症(GERD)を有する患者において、PPIは現在最上の処置である。しかし、PPI、ヒスタミンH2受容体アンタゴニストまたは消化管活動改善薬を用いて処置される患者の大部分は、頻繁な胸やけおよび夜間アシッドブレイクスルー(acid breakthough)を経験し続け、これは現在の治療が酸産生の十分な制御を常には達成し得ないことを示唆している。
【0005】
現在利用可能なPPIは、それらが酸性細管内の活性化を必要とし、従って活発に分泌する壁細胞のみを標的化するという事実に起因して、最大酸阻害を達成するために3〜5日を要し得る。それゆえ、ポンプの割合は、各用量の後に阻害されないままであり、阻害の定常状態に達するために毎日繰り返される投与が必要とされる。
【0006】
/K ATPアーゼ阻害剤の第2の群は、アシッドポンプアンタゴニスト(APA)またはカリウム競合的酸ブロッカー(p−CAB)として記載される可逆的な阻害剤である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現在利用可能なPPIとは対照的に、可逆的でK競合的なAPAは、酸性環境における活性化を必要とせず、カリウム結合部位またはその付近への結合によって直接的に酸分泌をブロックし、PPIと比較して非常に迅速な作用の開始をもたらす。APAは、長期にわたる酸分泌の制御での改善を与えることも期待される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
従って、本発明は、式(I):
【化1】

(I)
[式中、XはNH、NR7またはOであり;
R1はH、C1−4アルキル、CHCN、CHNH、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキルC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C2−6アルケニル、C2−6アルケニルオキシC1−4アルキル、C2−6アルキニル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシC1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルコキシC1−4アルキル、フルオロC1−4アルキル、C2−6アルキニルオキシC1−4アルキル、C1−4アルキルスルホニルC1−4アルキルまたはNR8R9であり、ここで、R8およびR9の各々は同じでも異なってもよく、HもしくはC1−4アルキルであり、または、それらが結合する窒素とともに、N、OおよびSから選択される0〜3個のさらなるヘテロ原子を含む5もしくは6員の複素環基を形成し;
R2はC1−4アルキル、NH2、3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキルC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C2−6アルケニル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシC1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルコキシC1−4アルキル、シアノC1−4アルキル、ハロC1−4アルキルまたはアミノカルボキシC1−4アルキルであり;
R3はHまたはC1−4アルキルであり;
R4およびR5は同じでも異なってもよく、H、C1−4アルキル、OH、ハロゲン、C1−4アルコキシ、NR14R15であり、ここで、R14およびR15の各々は同じでも異なってもよく、HまたはC1−4アルキル、NHCONR10R11またはOCONR10R11であり、ここで、R10およびR11の各々は同じでも異なってもよく、HもしくはC1−4アルキルであり、または、それらが結合する窒素とともに、N、OおよびSから選択される0〜3個のさらなるヘテロ原子を含む5もしくは6員の複素環基を形成するか;あるいは
R3およびR4は、相互接続原子とともに、N、OおよびSから選択される1つのヘテロ原子を含む5または6員の炭素環基または複素環を形成し、その炭素環または複素環基はC1−4アルキル、OH、OC1−4アルキル、ハロゲンおよびNR16R17から選択される1つの基と置換されてもよく、ここで、R16およびR17の各々は同じでも異なってもよく、HまたはC1−4アルキルであり;
R6はH、C1−4アルキル、ハロゲン、OH、NHCO1−4アルキル、NR18R19であり、そのR18およびR19の各々は同じでも異なってもよく、HまたはC1−4アルキルであり;
R7はC1−4アルキルであり;あるいは
R4およびR7は、相互接続原子とともに、N、OおよびSから選択される0または1個のさらなるヘテロ原子を含む5〜7員の複素環基を形成し、その複素環基はC1−4アルキル、OH、OC1−4アルキル、ハロゲンおよびNR20R21から選択される1つの基と置換されてもよく、ここで、R20およびR21の各々は同じでも異なってもよく、HまたはC1−4アルキルであり;ならびに
Hetは置換されてもよい、N、OおよびSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含む4〜7員の非芳香族ヘテロシクリル基である]
で表される化合物、あるいは医薬上許容されるその塩を提供する。
【0009】
Hetの例としては、ピロリジニル、ピロリジン−2−オン−イル、ジオキソラニル、イミダゾリニル、イミダゾリジン−2−オン−イル、オキサゾリジニル、オキサゾリジン−2−オン−イル、ピラゾリジニル、ピペラジニル、ケトピペラジニル、ジケトピペラジニル、ピペリジニル、ピペリジン−2−オン−イル、モルホリニル、チオモルホリニル、モルホリン−2−オン−イルまたはイソチアゾリジニルが挙げられる。
【0010】
Het基は、Het環の炭素原子またはヘテロ原子のいずれかを通じてイミダゾピリジン核に結合し得る。例えば、Het基がピロジノン基である場合、イミダゾピリジン核への結合は、ピロリジノンHet基上の炭素原子(C結合)またはヘテロ原子(N結合)のいずれかを通じてであり得る。
【0011】
カルボシクリルおよびヘテロシクリル基の任意の置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、ニトロ、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ヒドロキシ(C1−4)アルキル、ヒドロキシ(C1−4)アルコキシ、ハロ(C1−4)アルキル、ハロ(C1−4)アルコキシ、アリール(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキルチオ、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルキル、(C3−6)シクロアルキル(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルカノイル、(C1−4)アルキルスルホニル、(C1−4)アルキルスルホニルオキシ、(C1−4)アルキルスルホニル(C1−4)アルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルオキシ、アリールオキシスルホニル、アリールスルホニル(C1−4)アルキル、(C1−4)アルキルスルホンアミド(C1−4)アルキル、(C1−4)アルキルアミド(C1−4)アルキル、アリールスルホンアミド、アリールカルボキサミド、アリールスルホンアミド(C1−4)アルキル、アリールカルボキサミド(C1−4)アルキル、アリールアミノスルホニル、アリールアミノカルボニル、アロイル、アロイル(C1−4)アルキルまたはアリール(C1−4)アルカノイル基;基NR22R23、COR22、CONR22R23から選択され、そのR22およびR23の各々は同じでも異なってもよくH、C1−4アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル。シクロアルキルアルキルであり、または置換されてもよい、N、OおよびSから選択される0〜3個のさらならヘテロ原子を含む5または6員の複素環をともに形成する。
【0012】
化合物がアルキル基を含む場合、単独でも、大きな基(例えば、アルコキシまたはアルキルチオ)の一部を形成していても、アルキル基は直鎖、分枝状もしくは環状またはその組み合わせであり得る。
【0013】
1つの実施態様において、Hetはピロリジノン−イル、イミダゾリジニル、ピペリジン−2−オン−イル、イミダゾリジン−2−オン−イル、モルホリン−2−オン−イルまたはヒドロキシ−2−ピロリジノン−イルである。
【0014】
さらなる実施態様において、Hetはピペリジン−2−オン−イルまたはイミダゾリジノニルである。
【0015】
1つの実施態様において、Het基上の任意の置換基は(C1−4)アルキルまたはヒドロキシである。
【0016】
さらなる実施態様において、Het基上の任意の置換基としての(C1−4)アルキルはメチルまたはエチルである。
【0017】
1つの実施態様において、XはNHまたはOである。
【0018】
さらなる実施態様において、XはNHである。
【0019】
さらなる実施態様において、XはOである。
【0020】
1つの実施態様において、R1およびR2は両方ともメチルである。
【0021】
1つの実施態様において、R3はHである。
【0022】
1つの実施態様において、R4およびR5は両方ともHではない。
【0023】
さらなる実施態様において、R4およびR5は両方ともメチルであるか、またはR4はメチルでありR5はエチルである。
【0024】
1つの実施態様において、R6はHである。
【0025】
1つの実施態様において、XはNHであり、R1およびR2は両方ともメチルであり、R3はHであり、R4およびR5は両方ともメチルであり、R6はHである。
【0026】
1つの実施態様において、XはOであり、R1およびR2は両方ともメチルであり、R3はHであり、R4およびR5は両方ともメチルであり、R6はHである。
【0027】
本明細書で使用する「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを含む。
【0028】
本明細書で使用する用語「アリール」は、5〜6員の芳香環(例えば、フェニル)または環の少なくとも1つが芳香族である7〜12員の二環性環系(例えば、ナフチル)を意味する。
【0029】
本発明は、上記にて詳述した基および置換基の全ての組み合わせに及ぶことが理解されるべきである。
【0030】
式(I)で表される化合物がRまたはS鏡像異性体として存在し得ることが理解されるであろう。本発明は、混合物を含む全てのそのような異性体をその範囲中に含む。さらなる不斉中心が式(I)で表される化合物中に存在する場合、本発明は、その混合物を含む全ての可能なジアステレオ異性体をその範囲中に含む。異なる異性体形態は従来方法によってその他の形態から分離され、または分割される形態であってもよく、あるいは、所定の異性体のいずれも、従来の合成方法または立体特異的もしくは非対称的合成によって入手し得る。本発明はまた、任意の互変異性形態およびその混合物に及ぶ。
【0031】
本発明が、式(I)で表される化合物の医薬上許容される誘導体を含み、これらは本発明の範囲内に含まれることが理解されよう。
【0032】
本発明による特定の化合物は、実施例に記載の化合物およびそれらの医薬上許容される誘導体を含む。
【0033】
本明細書で使用される「医薬上許容される誘導体」は、レシピエントへの投与に際して式(I)で表される化合物または活性な代謝産物またはその残留物を(直接的または間接的に)提供できる、式(I)で表される化合物の医薬上許容される塩、エステルまたはそのようなエステルの塩のいずれをも含む。
【0034】
医薬品における使用について、式(I)で表される化合物の塩は医薬上許容されることが理解される。適切な医薬上許容される塩は、当業者に明らかである。医薬上許容される塩は、Berge, Bighley and Monkhouse, J.Pharm.Sci. (1977) 66, pp1−19に記載のものを含む。そのような医薬上許容される塩としては、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸またはリン酸);および有機酸(例えば、コハク酸、マレイン酸、酢酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸またはナフタレンスルホン酸)とともに形成される酸付加塩が挙げられる。例えば、式(I)で表される化合物の単離において、他の塩(例えば、シュウ酸またはギ酸)が使用され得、本発明の範囲に含まれる。また、式(I)で表される化合物の溶媒和物および水和物もまた、本発明の範囲内に含まれる。
【0035】
式(I)で表される化合物のいくつかは、1当量またはそれ以上の酸と酸付加塩を形成し得る。本発明は、全ての可能な化学量論的および非化学量論的形態をその範囲内に含む。
【0036】
式(I)で表される化合物は結晶または非結晶形態で調製され得、結晶の場合、それは所望により溶媒和されていてもよく、例えば、水和物であってもよい。本発明は、化学量論的溶媒和物(例えば、水和物)および溶媒(例えば、水)の変量を含む化合物をその範囲に含む。
【0037】
本発明はまた、1個または複数の原子が、天然において最も一般的に見出される原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子と置換されるということ以外には、式(I)に記載のものと同一である同位体標識化合物を含む。本発明の化合物に組み込まれ得る同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、フッ素、ヨウ素および塩素の同位体(例えば、3H、11C、14C、18F、123I、125I)が挙げられる。
【0038】
上記の同位体および/または他の原子の同位体を含む、本発明の化合物ならびに医薬上許容される化合物の塩は、本発明の範囲内である。例えば、放射性同位体(例えば、3Hまたは14C)が組み込まれた、同位体標識された本発明の化合物は、薬物および/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム標識(すなわち、3H)および炭素14(すなわち、14C)同位体は特に、それらの調製および検出性の容易さのために好ましい。11Cおよび18Fは、PET(ポジトロン放出断層撮影)において特に有用である。
【0039】
式(I)で表される化合物が医薬組成物での使用を意図されるので、好ましくは、それらは各々実質的に純粋な形態(例えば、少なくとも60%純粋、より適切には少なくとも75%純粋および好ましくは少なくとも85%、特に少なくとも98%純粋(%は重量に対して重量を基礎とする))で提供されることが容易に理解される。化合物の不純な調製物が、医薬組成物中で使用されるより純粋な形態を調製するために使用され得る。
【0040】
本発明のさらなる態様によれば、式(I)で表される化合物およびその誘導体の調製のためのプロセスが提供される。以下のスキームは、本発明の化合物へのいくつかの合成経路を記載する。以下のスキームにおいて、反応基は、よく確立された技術に従って保護基で保護され、そして脱保護され得る。
【0041】
スキーム1−6−ハロ化合物との金属媒介カップリング反応を介するN結合6−(ヘテロ)シクリルの合成
【化2】

このように、XがNHである本発明の化合物は、スキーム1で概説するように合成され得る。典型的に、工程1は、マイクロ波条件下で、適切な温度(例えば、180℃)で適切な時間(例えば、1h)適切な溶媒(例えば、N−メチルピロリジノン(NMP))中で適切なハロケトンとジアミノ−ハロピリジン誘導体を反応させることを含む。あるいは、工程1は、エタノール中環流温度で加熱するか、またはNMP中で適切な温度で加熱することによって行われ得る。工程2は、炭酸ナトリウムなどの塩基の存在下で、ジメチルホルムアミド(DMF)のような適切な溶媒中にて適切な時間(例えば、3〜16時間)ベンジルクロライドのような適切なベンジルハライドと8−アミノ−6−ハロイミダゾピリジンを反応させることからなる。ヨウ化カリウムのような添加剤が使用され得る。工程3において、ヘテロシクリル基の適切な金属媒介カップリング反応が使用され得る。例えば、ヨウ化銅(I)および炭酸カリウムなどの塩基の存在下、ジオキサンなどの適切な溶媒中、環流温度等の適切な温度で適切な時間、例えば、3日間、その6−ハロ化合物を反応させ得るUllman型カップリング反応を用いることができる。あるいは、マイクロ波条件下でDMFまたはNMPのような適切な溶媒中にて195℃までの適切な温度で反応が行われ得る。トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンのような添加剤が使用され得るか、あるいは塩基はリン酸カリウムであり得る。あるいは、カップリング反応は、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)のような適切なパラジウム触媒および4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチル−キサンテンのようなホスフィンリガンドの存在下で、炭酸セシウムのような適切な塩基の存在下でジオキサンのような適切な溶媒系中にて環流のような適切な温度で適切な時間(例えば、5時間)実施され得る。あるいは、この反応はマイクロ波条件下で行われ得る。
【0042】
別法として、XがNHである本発明の化合物は、スキーム2に従って生成され得る:
スキーム2:X=NHである化合物の別の生成法
【化3】

【0043】
典型的には、工程1において、ヘテロシクリル基の適切な金属媒介カップリング反応が使用され得る。例えば、6−ハロ化合物が、ヨウ化銅(I)および炭酸カリウムのような塩基の存在下で、ジオキサンのような適切な溶媒中にて環流のような適切な温度で適切な時間(例えば、3日間)反応され得る、Ullman型カップリング反応が使用され得る。あるいは、マイクロ波条件下でDMFまたはNMPのような適切な溶媒中にて195℃までの適切な温度で反応が行われ得る。トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンのような添加剤が使用され得、あるいは塩基はリン酸カリウムであり得る。あるいは、カップリング反応は、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)のような適切なパラジウム触媒および4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチル−キサンテンのようなホスフィンリガンドの存在下で、炭酸セシウムのような適切な塩基の存在下でジオキサンのような適切な溶媒系中にて環流のような適切な温度で適切な時間(5時間)実施され得る。あるいは、この反応はまたマイクロ波条件下で行われ得る。
【0044】
工程2は典型的に、炭酸ナトリウムのような塩基の存在下でDMFのような適切な溶媒中にて適切な時間(例えば、3h)工程1の生成物を臭化ベンジルのような適切なベンジルハライドと反応させることからなる。ヨウ化カリウムのような添加剤が使用され得る。
【0045】
XがOである本発明の化合物は、スキーム3の工程1〜3に従って合成され得る:
スキーム3.C8 O連結化合物への経路
【化4】

【0046】
工程1は典型的に、NMRのような適切な溶媒の存在下で160℃〜180℃の間のような適切な温度でマイクロ波の存在下でのα−塩化またはα−臭化ケトンのような適切なケトンの使用を含む。工程2は典型的に、DMFのような適切な溶媒の存在下で60℃〜90℃の間のような適切な温度での適切なベンジルアルコキシド(DMFのような適切な溶媒の存在下にて0℃〜室温のような適切な温度で、水素化ナトリウムのような適切な塩基の使用によって生成される)の使用を含む。工程3は典型的に、ヨウ化銅(I)のような適切な触媒および炭酸カリウムのような塩基の存在下でのNMPまたはDMFのような適切な溶媒の存在下での150℃〜190℃の間のような適切な温度でマイクロ波の存在下での適切なヘテロシクリル誘導体の使用を含む。
【0047】
あるいは、XがOである本発明の化合物は、スキーム3の工程4および5に従って生成され得る。従って、基R4、R5、R3またはR6がO−ベンジル基の除去を容易にする場合、例えば、R4、R5、R3がHでありR6(このスキームにおいて)がOMeである場合、工程3の生成物は、工程4および5に供されて、代替C8−修飾アナログを提供し得る。典型的には、工程4は、ジクロロメタンのような適切な溶媒中にて室温のような適切な温度でトリフルオロ酢酸のような酸を用いて処理することからなる。典型的には、工程5は、DMFのような適切な溶媒中にて水素化ナトリウムのような適切な塩基を用いて処理し、続いて室温のような適切な温度で適切な時間(例えば、16時間)臭化ベンジルのような適切なベンジルハライドと反応させることからなる。
【0048】
本発明の特定の化合物は、標準的な化学的方法に従って本発明の他の化合物に変換され得ることが当業者によって理解される。
【0049】
スキーム1〜3での使用のための開始材料は市販されており、文献において公知であり、または公知の方法によって調製され得る。
【0050】
式(I)で表される化合物は、式(I)で表される化合物の単独、または少なくとも2つ、例えば5個〜1000個、好ましくは10個〜100個を含む化合物ライブラリーとして調製され得る。化合物ライブラリーは、当業者に公知である手順によって、コンビナトリアル「分割および混合」アプローチまたは液相または固相化学のいずれかを使用する多重平行合成によって調製され得る。
【0051】
従って、本発明のさらなる態様によれば、式(I)で表される化合物、または医薬上許容されるその誘導体の少なくとも2つを含む化合物ライブラリーが提供される。
【0052】
医薬上許容される塩は、適切な酸または酸誘導体との反応によって従来的に調製され得る。
【0053】
式(I)で表される化合物およびそれらの医薬上許容される誘導体は、胃腸疾患または障害のような酸ポンプアンタゴニストが必要とされる疾患または障害(例えば、過酸症に付随するもの)の処置に有用である。本発明の化合物は、炎症性胃腸疾患、ならびに胃または十二指腸潰瘍、胃炎、胃食道逆流症(GERD)およびZoller−Ellison症候群、または胃抗分泌性効果が望ましい、例えばガストリノーマおよび急性上部胃腸出血を有する患者における疾患および障害のような、胃酸における不均衡に付随する疾患の処置または予防に特に有用であり得る。
【0054】
本発明はまた、ヒトアシッドポンプのアンタゴニストが必要とされる疾患および障害(例えば、上記のそれらの疾患および障害)を処置または予防する方法を提供し、それを式(I)で表される化合物または医薬上許容されるその誘導体の有効量をそれを必要とする対象に投与する工程を含む。
【0055】
本発明はまた、ヒトアシッドポンプのアンタゴニストが必要とされる疾患または障害(例えば、上記のそれらの疾患および障害)の処置または予防での使用のために、式(I)で表される化合物または医薬上許容されるその誘導体を提供する。
【0056】
本発明はまた、ヒトアシッドポンプのアンタゴニストが必要とされる疾患または障害(例えば、上記のそれらの疾患および障害)の処置または予防のための医薬品の製造における、式(I)で表される化合物または医薬上許容されるその誘導体の使用を提供する。
【0057】
本発明はまた、炎症性胃腸疾患、ならびに胃または十二指腸潰瘍、胃炎、胃食道逆流症(GERD)およびZoller−Ellison症候群、または胃抗分泌性効果が望ましい、例えばガストリノーマおよび急性上部胃腸出血を有する患者における疾患および障害のような、胃酸における不均衡に付随する疾患のような、ヒトアシッドポンプのアンタゴニストが必要とされる疾患または障害の処置または予防のための医薬品の製造における、式(I)で表される化合物または医薬上許容されるその誘導体の使用を提供する。
【0058】
治療における使用のために、本発明の化合物は通常、医薬組成物として投与される。本発明はまた、式(I)で表される化合物または医薬上許容されるその誘導体、および医薬上許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
【0059】
式(I)で表される化合物および医薬上許容されるそれらの誘導体は、好適な従来方法によって(例えば、経口、非経口、頬側、舌下、経鼻、直腸または経皮投与によって)投与され得る。医薬組成物はそれ相応に適応され得る。
【0060】
式(I)で表される化合物、および経口で与えられる場合に活性であるそれらの医薬上許容される誘導体は、液体または固体(例えば、シロップ、懸濁液、乳濁液、錠剤、カプセルまたは薬用キャンディー)として処方され得る。
【0061】
液体処方物は一般に、適切な液体担体(例えば、水、エタノール、グリセリンのような水性溶媒、またはポリエチレングリコールまたは油のような非水溶媒)中の有効成分の懸濁液または溶液からなる。処方物はまた、懸濁剤、保存料、香料および/または着色剤を含み得る。
【0062】
錠剤形態での組成物は、ステアリン酸マグネシウム、デンプン、ラクトース、スクロースおよびセルロースのような固体処方物を調製するために日常的に使用される任意の適切な医薬担体を使用して調製され得る。
【0063】
カプセル形態の処方物は、日常的なカプセル化手順を使用して調製され得、例えば、有効成分を含むペレットは標準的な担体を使用して調製され、次いで硬カプセルに充填され得;あるいは、分散液または懸濁液は任意の適切な医薬担体(例えば、水性ゴム、セルロース、ケイ酸または油)を使用して調製され、分散液または懸濁液は次いで軟ゼラチンカプセルに充填され得る。
【0064】
典型的な非経口組成物は、滅菌水性担体または非経口的に許容される油(例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、レシチン、ピーナッツ油またはゴマ油)中の有効成分の溶液または懸濁液からなる。あるいは、溶液は凍結乾燥され、次いで投与の直前に適切な溶媒を用いて再構成され得る。
【0065】
経鼻投与用の組成物は、エアロゾル、ドロップ、ゲルおよび散剤として好適に処方され得る。エアロゾル処方物は典型的に、医薬上許容される水性または非水性溶媒中の有効成分の溶液または微細懸濁液を含み、微粒化装置を用いる使用のためのカートリッジまたは補充品の形を取り得る密閉容器中に、滅菌形態で単一または多用量で存在する。あるいは、密閉容器は単一用量の経鼻吸入器または計量弁を取り付けたエアロゾル分注器のような使い捨ての分注装置であり得る。剤形がエアロゾル分注器を含む場合、それは圧縮ガスであり得る噴射剤(例えば、空気、またはフルオロクロロヒドロカーボンもしくはヒドロフルオロカーボンのような有機噴射剤)を含む。エアロゾル剤形はまた、ポンプアトマイザーの形を取り得る。
【0066】
頬側または舌下投与に適切な組成物としては、有効成分が糖およびアカシア、トラガカント、またはゼラチンおよびグリセリンのような担体とともに処方される錠剤、薬用キャンディーおよびトローチが挙げられる。
【0067】
直腸投与用の組成物は好適に、ココアバターのような従来の坐薬基剤を含む坐薬形態である。
【0068】
経皮投与に適切な組成物は、軟膏、ゲルおよびパッチを含む。
【0069】
好ましくは、組成物は、錠剤、カプセルまたはアンプルのような単位剤形である。
【0070】
上記の疾患または障害の処置または予防において使用される式(I)で表される化合物または医薬上許容されるその誘導体の用量は、特定の障害または疾患が処置される通常の手段、対象の体重および他の類似の因子で変動する。しかし、一般的な規則として適切な単位用量は0.05〜1000mg、より適切には0.05〜500mgであり得る。単位用量は、1日の全投与量が約0.01〜100mg/kgの範囲であるように、1日に1回より多く、例えば1日に2または3回投与されてもよく;そのような治療は、数週間または数ヶ月延長してもよい。医薬上許容される誘導体の場合、上記の図は式(I)で表される親化合物として計算される。
【0071】
式(I)で表される化合物が上記の投与量範囲で投与される場合、中毒学的な効果は示されない/期待されない。
【0072】
限定するものではないが、本明細書に記載される特許および特許出願を含む全ての刊行物を、各刊行物をそれぞれ詳細および個別に、完全に記載するかのように出典明示により本明細書の一部とすることを示すように出典明示により本明細書の一部とする。
【0073】
以下の実施例は、本発明の医薬上活性な化合物の調製を示す。
【実施例】
【0074】
記載1.1,1−ジメチルエチル4−(8−{[(2,6−ジメチルフェニル)メチル]アミノ}−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−1−ピペラジンカルボキシレート
【化5】

【0075】
ジオキサン(4ml)中の6−ブロモ−N−[(2,6−ジメチルフェニル)メチル]−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−アミン(200mg,0.558mmol;WO 98/37080)、1,1−ジメチルエチル1−ピペラジンカルボキシレート(153mg,0.84mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル(33mg,0.083mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(25mg,0.028mmol)およびtert−ブトキシドナトリウム(107mg,1.12mmol)の混合物を、Initiator(登録商標) Microwave Synthesizerにて120℃で1時間加熱した。冷却した混合物を酢酸エチルと水との間に分配した。有機相を水、次いでブラインで洗浄し、次いで乾燥(MgSO)させ、そして蒸発させた。シリカゲル上でのクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)によって精製し、黄色いガム状物として表題化合物を得た。MS(ES+ve):[M+H],m/z,464(C2737として、計算値;[M+H],m/z,464)。
【0076】
記載2.1−(8−アミノ−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−2(1H)−ピリジノン
【化6】

【0077】
6−ブロモ−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−アミン(6g,25mmol;WO98/37080)、2−ヒドロキシピリジン(4.75g,50mmol)、炭酸カリウム(6.9g,50mmol)、ヨウ化銅(I)(0.95g,5mmol)およびN−メチルピロリジノン(50ml)の混合物を195℃で8時間撹拌した。混合物をセライトを通して濾過し、酢酸エチルおよび水で洗浄し、次いでメタノールで洗浄したSCXレジン上に固定した。混合物を2N NH/MeOHで溶出し、真空中で溶媒を除去した。混合物を酢酸エチル中0〜20%エタノール勾配液を用いてシリカ上で溶出して精製し、エバポレーションに際して、茶色の固体として表題化合物2.4gを得た。MS(ES+ve):[M+H],m/z,255(C1414Oとして、計算値;[M+H],m/z,255)。
【0078】
記載3.1−(8−アミノ−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−2−ピペリジノン
【化7】

【0079】
10%パラジウム−炭(10mg)をエタノール(20ml)中の1−(8−アミノ−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−2(1H)−ピリジノン(90.5mg、0.356mmol;記載2)の溶液に添加し、次いで混合物を水素下(50psi)で16時間振盪した。混合物をセライトパッドを通して濾過し、溶媒を蒸発させて、表題化合物を得た。MS (ES+ve):[M+H],m/z,259(C1418Oとして、計算値;[M+H],m/z,259)。
【0080】
記載4.
6,8−ジブロモ−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン
【化8】

【0081】
2−アミノ−3,5−ジブロモピリジン(5.45g,21.6mmol)、3−ブロモ−2−ブタン(3.64g,24.1mmol)およびN−メチルピロリジノン(11ml)の混合物を、Initiator(登録商標) Microwave Synthesizerにて180℃で1時間加熱した。冷却した後に、メタノール(10ml)を添加し、混合物を酢酸エチルおよび重炭酸ナトリウム水溶液に注いだ。混合物を濾過し、濾過層を分離し、酢酸エチルを用いて水層を抽出した。合した有機抽出物を水、次いでブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)させ、そして蒸発させた。シリカゲル上でのクロマトグラフィー(酢酸エチル/トルエン)によって精製し、表題化合物を得た。MS(ES+ve):[M+H],m/z,303(C79Brとして、計算値;[M+H],m/z,303)
【0082】
記載5.
6−ブロモ−2,3−ジメチル−8−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)イミダゾ[1,2−a]ピリジン
【化9】

【0083】
水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液、80mg;2.0mmol)を乾燥ジメチルホルムアミド(3ml)中の[4−(メチルオキシ)フェニル]メタノール(250μl;2.0mmol)の溶液に撹拌しながら添加し、混合物をアルゴン下で90分間撹拌した。6,8−ジブロモ−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン(300mg、1.0mmol;記載4)を添加し、得られた混合物を90℃でアルゴン下にて18時間加熱した。混合物をIsolute(登録商標) SCXカートリッジに充填し、メタノール、続いてメタノール中の2M NHで溶出した。塩基性フラクションを合し、減圧下で蒸発させた。残留物を2−1 n−ペンタンエチルアセテート次いで酢酸エチルを用いて溶出するシリカ上でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、淡黄色の固体としての表題化合物(200mg)を得た。H NMR(CDCl) δ 2.35(3H,s),2.40(3H,s),3.81(3H,s),5.22(2H,s),6.54(H,s),6.90(2H,m),7.41(2H,m),7.57(H,s)
【0084】
記載6.
1−[2,3−ジメチル−8−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル]−2(1H)−ピリジノン
【化10】

【0085】
乾燥ジメチルホルムアミド(3ml)中の6−ブロモ−2,3−ジメチル−8−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}
オキシ)イミダゾ[1,2−a]ピリジン(90mg,0.25mmol.記載5)、2(1H)−ピリジノン(50mg,0.5mmol)、炭酸カリウム(69mg,0.5mmol)およびヨウ化銅(I)(10mg,0.05mmol)の混合物をInitiator(登録商標) Microwave Synthesizerにて150℃で4時間加熱した。混合物をセライトを通して濾過し、パッドを酢酸エチルで洗浄した。濾液を減圧下で蒸発させ、残留物をIsolute(登録商標) SCXカートリッジに充填し、メタノール続いてメタノール中の2M NHで溶出した。塩基性フラクションを合し、減圧下で蒸発させた。この残留物を、酢酸エチル、次いで3−97 メタノール中の2M NH−ジクロロメタンを用いて溶出するシリカ上でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、淡黄色のガム状物として表題化合物(52mg)を得た。MS(ES+ve):[M+H],m/z,376(C2221として、計算値;[M+H],m/z,376)
【0086】
記載7.
1−(8−ヒドロキシ−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−2(1H)−ピリジノン
【化11】

【0087】
トリフルオロ酢酸(5ml)をジクロロメタン(5ml)中の1−[2,3−ジメチルl−8−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル]−2(1H)−ピリジノン(447mg,1.19mmol;記載6)の溶液に添加し、混合物を室温で3時間撹拌した。混合物をIsolute(登録商標) SCXカートリッジ上で精製し、メタノール、続いてメタノール中の2M NHを用いて溶出した。塩基性フラクションを合し、減圧下で蒸発させた。この残留物をジエチルエーテルを用いて粉砕し、表題化合物(253mg)を濾過によって淡黄色粉末として得た。MS(ES+ve):[M+H],m/z,256(C1413として、計算値;[M+H],m/z,256)。
【0088】
記載8.
1−{2,3−ジメチル−8−[(3−メチル−2−ブテン−1−イル)オキシ]イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル}−2(1H)−ピリジノン.
【化12】

【0089】
水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液、33mg、0.82mmol)をジメチルホルムアミド(4ml)中の1−(8−ヒドロキシ−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−2(1H)−ピリジノン(200mg,0.78mmol;記載7)の溶液に添加し、混合物を1時間撹拌した。4−ブロモ−2−メチル−2−ブテン(95μl,0.82mmol)を添加し、混合物を室温で16時間反応させた。混合物をIsolute(登録商標) SCXカートリッジに充填し、メタノール、続いてメタノール中の2M NHで溶出した。塩基性フラクションを合し、減圧下で蒸発させた。この残留物を3−97 メタノール中の2M NH−ジクロロメタンを用いて溶出するシリカ上でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、無色の固体として表題化合物(87 mg)を得た。MS(ES+ve):[M+H],m/z,324(C1921として、計算値;[M+H],m/z,324)
【0090】
記載9.
1−(8−ヒドロキシ−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−2−ピペリジノン
【化13】

【0091】
エタノール(3ml)中の1−{2,3−ジメチル−8−[(3−メチル−2−ブテン−1−イル)オキシ]イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル}−2(1H)−ピリジノン(67mg,0.21mmol,記載8)の溶液を、室温、大気圧で炭素上10%パラジウムの50%湿潤ペースト(10mg)にて18時間水素添加した。触媒を、セライトを通しての濾過によって取り除き、濾液を減圧下で蒸発させて、無色の粉末として表題化合物(55mg)を得た。MS(ES+ve):[M+H],m/z,260(C1417として、計算値;[M+H],m/z,260)。
【0092】
記載10.
(4S)−1−[2,3−ジメチル−8−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル]−4−ヒドロキシ−2−ピロリジノン
【化14】

【0093】
乾燥ジメチルホルムアミド(10ml)中の、ラセミ−トランス−N,N’−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(56mg,0.4mmol)を含む6−ブロモ−2,3−ジメチル−8−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)イミダゾ[1,2−a]ピリジン(500mg,1.38mmol;記載5)、(S)4−ヒドロキシ−ピロリジン−2−オン(279mg, 2.76mmol)、炭酸カリウム(666mg,4.83mmol)およびヨウ化銅(I)(76mg,0.4mmol)の混合物を、Initiator(登録商標) Microwave Synthesizerにて2つの等しい容器中で120℃で4時間加熱した。冷却した混合物をIsolute(登録商標) SCXカートリッジに充填し、メタノールで洗浄した後に、メタノール中の2M NHで溶出した。塩基性フラクションを合し、減圧下で蒸発させた。この残留物を、酢酸エチル中0〜10%メタノール勾配液を用いて溶出するシリカ上でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。MS(ES+ve):[M+H],m/z,382(C2123として、計算値;[M+H],m/z,382)。
【0094】
記載11
(4S)−4−ヒドロキシ−1−(8−ヒドロキシ−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−2−ピリジノン
【化15】

【0095】
トリフルオロ酢酸(0.5ml)をジクロロメタン(10ml)中の(4S)−1−[2,3−ジメチル−8−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル]−4−ヒドロキシ−2−ピロリジノン(155mg,0.41mmol;記載10)の溶液に添加し、混合物を室温で15分間撹拌した。混合物をIsolute(登録商標) SCXカートリッジ上で精製し、メタノール、続いてメタノール中の2M NHで溶出した。塩基性フラクションを合し、減圧下で蒸発させて、表題化合物を得た。MS(ES+ve):[M+H],m/z,262(C2123として、計算値;[M+H],m/z,262)。
【0096】
記載12
4−[2,3−ジメチル−8−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル]−3−モルホリノン
【化16】

【0097】
N−メチルピロリジノン(10 ml)中の6−ブロモ−2,3−ジメチル−8−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)イミダゾ[1,2−a]ピリジン(589mg,1.63mmol;記載5)、3−モルホリノン(330mg,3.27mmol;US 3308121)、炭酸セシウム(1.86g,5.7mmol)、ヨウ化銅(I)(89mg,0.47mmol)およびN,N’−ジメチルエチレンジアミン(42mg,0.47mmol)の混合物を、Initiator(登録商標) Microwave Synthesizerにて120℃で18時間加熱した。混合物をIsolute(登録商標) SCXカートリッジに充填し、メタノールで洗浄した後に、メタノール中の2M NHで溶出した。塩基性フラクションを合し、減圧下で蒸発させた。この残留物をヘキサン中50〜100%酢酸エチル勾配液で溶出するシリカ上のカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。MS(ES+ve):[M+H],m/z 382,(C2123として、計算値;[M+H],m/z,382)。
【0098】
記載13
4−(8−ヒドロキシ−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−3−モルホリノン
【化17】

【0099】
トリフルオロ酢酸(1.0ml)をジクロロメタン(15ml)中の4−[2,3−ジメチル−8−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル]−3−モルホリノン(300mg,0.79mmol;記載12)の溶液に添加し、混合物を室温で105分間撹拌した。混合物をIsolute(登録商標) SCXカートリッジ上で精製し、メタノールで洗浄し、続いてメタノール中の2M NHで溶出した。塩基性フラクションを合し、減圧下で蒸発させて、表題化合物を得た。MS(ES+ve):[M+H],m/z,262(C1315として、計算値;[M+H],m/z,262)。
【0100】
記載14
1,1−ジメチルエチル(6−ブロモ−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−イル)カルバメート
【化18】

【0101】
ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(4.3ml,4.30mmol,テトラヒドロフラン中の1.0M溶液)をテトラヒドロフラン(16ml)中の6−ブロモ−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−アミン(450mg,1.88mmol,WO 98/37080)の溶液に添加した。混合物を室温で10分間撹拌し、次いでテトラヒドフラン(tetrahydofuran)(4ml)中のジ−tert−ブチルジカルボナート(490mg,2.24mmol)の溶液を添加した。2時間撹拌した後に、反応混合物を塩化アンモニウム水溶液で急冷し、生成物を酢酸エチル中に抽出し、乾燥(MgSO)させ、溶媒を蒸発させた。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、表題化合物を得た。
【0102】
記載15
1,1−ジメチルエチル[2,3−ジメチル−6−(2−オキソ−1−ピロリジニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−イル]カルバメート
【化19】

【0103】
2−ピロリジノン(23μl,0.30mmol)、炭酸カリウム(194mg,1.40mmol)、ヨウ化銅(23mg,0.12mmol)およびN,N’−ジメチルエチレンジアミン(13μl,0.12mmol)を、ジオキサン(4ml)中の1,1−ジメチルエチル(6−ブロモ−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−イル)カルバメート(100mg,0.30mmol;記載14)の溶液に添加した。混合物を加熱して、16時間環流し、次いで室温まで冷却する。次いで、反応物を酢酸エチルおよび水で希釈した。層の分離後に、水相を酢酸エチルで再抽出し、次いで合した有機層を乾燥(MgSO)させ、溶媒を蒸発させた。粗生成物をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)によって精製し、表題化合物を得た。MS(ES+ve):[M+H],m/z,345(C1824として、計算値;[M+H],m/z,345)。
【0104】
記載16
1−(8−アミノ−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−2−ピロリジノン
【化20】

【0105】
トリフルオロ酢酸(1ml)をジクロロメタン(3ml)中の1,1−ジメチルエチル[2,3−ジメチルl−6−(2−オキソ−1−ピロリジニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−イル]カルバメート(30mg,0.09mmol;記載15)の溶液に0℃で添加した。反応混合物を室温まで温め、さらに4時間撹拌した。混合物をジクロロメタンおよび炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈した。層の分離後に、水相をジクロロメタンでさらに再抽出した。合した有機相を乾燥(MsSO)させ、溶媒を蒸発させて、表題化合物を得た。MS(ES+ve):[M+H],m/z,245(C1316Oとして、計算値;[M+H],m/z,245)。
【0106】
実施例1
1−(8−{[(2,6−ジメチルフェニル)メチル]アミノ}−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−2−ピロリジノンヒドロクロライド
【化21】

【0107】
6−ブロモ−N−[(2,6−ジメチルフェニル)メチル]−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−アミン(50mg,0.140mmol;WO 98/37080)、2−ピロリジノン(24mg,0.279 mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(6mg,0.007mmol),4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチル−キサンテン(12mg,0.0209mmol),炭酸セシウム(68mg,0.209mmol)およびジオキサン(2mL)の混合物を、環流、アルゴン下で24時間加熱した。冷却した混合物を酢酸エチルと水との間に分配した。有機相を水で洗浄し、乾燥(MgSO)させ、蒸発させた。シリカゲル上でのクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、表題化合物の遊離塩基を得た。これをジクロロメタン(2ml)中に溶解させ、次いでジエチルエーテル(1ml)中の1M HCLを添加した。2時間撹拌した後に、溶媒を蒸発させた。残留物を水に溶解させ、凍結乾燥させて、固体として表題化合物を得た。MS(ES+ve):[M+H],m/z,363(C2425として、計算値;[M+H],m/z,363)。
【0108】
実施例2
1−(8−{[(2,6−ジメチルフェニル)メチル]アミノ}−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−2−イミダゾリジノンヒドロクロライド
【化22】

【0109】
6−ブロモ−N−[(2,6−ジメチルフェニル)メチル]−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−アミン(400mg,1.117mmol;WO 98/37080),2−イミダゾリジノン(576mg,6.704mmol),トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(51mg,0.056mmol),4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチル−キサンテン(97mg,0.168mmol),炭酸セシウム(545mg,1.676mmol)およびジオキサン(24ml)の混合物を、環流、アルゴン下で5時間加熱した。冷却した混合物を酢酸エチルと水との間に分配した。有機相を水で洗浄し、乾燥(MgSO)させ、そして蒸発させた。シリカゲル上でのクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)によって精製し、ジエチルエーテルを用いて粉砕した表題化合物の遊離塩基を得た。これをジクロロメタン(2ml)中に溶解し、次いでジエチルエーテル中の1M HCl(1ml)を添加した。3時間撹拌した後に、溶媒を蒸発させて、黄色の固体として表題化合物を得た。MS(ES+ve):[M+H],m/z,364(C2425として、計算値;[M+H],m/z,364)。
【0110】
実施例3
N−[(2,6−ジメチルフェニル)メチル]−2,3−ジメチル−6−(4−モルホリニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−アミンヒドロクロライド
【化23】

【0111】
ジオキサン(1.5ml)中の6−ブロモ−N−[(2,6−ジメチルフェニル)メチル]−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−アミン(100mg,0.279mmol;WO 98/37080),モルホリン(0.0486mL,0.556mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル(16.7mg,0.042mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(12.7mg,0.014mmol)およびtert-ブトキシドナトリウム(53.7mg,0.56mmol)の混合物を、Initiator(登録商標) Microwave Synthesizerにて120℃で40分間加熱した。冷却した混合物を酢酸エチルと水との間に分配した。有機相を水、次いでブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)させ、そして蒸発させた。残留物をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(酢酸エチル)によって精製した。生成物をメタノール(3ml)中に溶解し、水(1ml)および2N HCl(0.3ml)を添加した。5分間撹拌した後に、混合物を蒸発させて、淡黄色の固体として表題化合物を得た。MS(ES+ve):[M+H],m/z,365(C2228Oとして、計算値;[M+H],m/z,365)。
【0112】
実施例4
N−[(2,6−ジメチルフェニル)メチル]−2,3−ジメチル6−(1−ピペリジニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−アミンヒドロクロライド
【化24】

【0113】
ジオキサン(1.5ml)中の6−ブロモ−N−[(2,6−ジメチルフェニル)メチル]−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−アミン(100mg,0.279mmol;WO 98/37080)、ピペリジン(0.0553mL,0.56mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ジフェニル(16.7mg,0.042mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(12.7mg,0.014mmol)およびtert-ブトキシドナトリウム(53.7mg,0.56mmol)の混合物を、Initiator(登録商標) Microwave Synthesizerにて120℃で1時間加熱した。冷却した混合物を酢酸エチルと水との間に分配した。有機相を水次いでブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)させ、そして蒸発させた。残留物をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)によって精製した。生成物をメタノール(3ml)中に溶解し、水(1ml)および2N HCl(0.3ml)を添加した。5分間撹拌した後に、混合物を蒸発させて、淡黄色の固体として表題化合物を得た。MS(ES+ve):[M+H],m/z,363(C2330として、計算値;[M+H],m/z,363)。
【0114】
実施例5
N−[(2,6−ジメチルフェニル)メチル]−2,3−ジメチル6−(1−ピペラジニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−アミンヒドロクロライド
【化25】

【0115】
トリフルオロ酢酸(0.5ml)を、氷浴中で冷却したジクロロメタン(15ml)中の1,1−ジメチルエチル4−(8−{[(2,6−ジメチルフェニル)メチル]アミノ}−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−1−ピペラジンカルボキシレート(64mg,0.138mmol;記載1)の溶液に添加した。混合物を氷浴中で1時間撹拌し、続いて室温まで温め、そしてさらに2時間撹拌した。トルエンを添加し、混合物を乾燥するまで蒸発させ、トルエンのさらなる部分を添加し、蒸発させた。残留物をメタノールに溶解させ、Isolute(登録商標) SCXカートリッジに充填し、メタノール続いてメタノール中の1M NHでの溶出によって、蒸発させた後に、遊離塩基として生成物を得た。これをメタノール/水/2N HCl(3:45:0.5ml)中に溶解し、次いで10g tC18 Sep−Pak(登録商標)カートリッジに充填し、メタノール/水/2N HCl(40:60:0.5)までの勾配液で溶出して、淡黄色の固体として表題化合物を得た。MS(ES+ve):[M+H],m/z,364(C2229として、計算値;[M+H],m/z,364)。
【0116】
実施例6
1−(8−{[(2,6−ジメチルフェニル)メチル]アミノ}−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−2−ピペリジノンヒドロクロライド
【化26】

【0117】
炭酸ナトリウム(83mg,0.783mmol)および2,6−ジメチルベンジルブロミド(78mg,0.392mmol)を、ジメチルホルムアミド(4ml)中の1−(8−アミノ−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−2−ピペリジノン(81.2mg,0.314 mmol;記載3)の溶液に添加した。混合物を室温で20時間撹拌し、次いで酢酸エチルと水との間に分配した。有機相を水、次いでブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)させ、そして蒸発させた。残留物をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール)によって精製した。生成物をメタノール(3ml)中に溶解し、水(1ml)および2N HCl(0.2ml)を添加した。5分間撹拌した後に、溶液を蒸発させて、淡黄色の固体として表題化合物を得た。MS(ES+ve):[M+H],m/z,377(C2328Oとして、計算値;[M+H],m/z,377)。
【0118】
実施例7
1−(8−{[(2,6−ジメチルフェニル)メチル]アミノ}−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−3−メチル−2−イミダゾリジノンヒドロクロライド
【化27】

【0119】
1−メチル−2−イミダゾリジノン(620mg,6.20mmol)、炭酸セシウム(504mg,1.55mmol)および4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(90mg,0.16mmol)をジオキサン(22ml)中の6−ブロモ−N−[(2,6−ジメチルフェニル)メチル]−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−アミン(370mg,1.03mmol;WO 98/37080)の溶液に添加した。反応混合物をアルゴンを用いて脱気した後に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(47mg,0.052mmol)を添加し、混合物を環流で5時間加熱した。室温まで冷却した後に、ジオキサンを減圧で蒸発させた。残留物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、乾燥(MgSO)させ、溶媒を蒸発させた。粗生成物をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)によって精製した。生成物をジクロロメタン(2ml)中に溶解し、次いでジエチルエーテル中の1M HCl(1ml)を添加した。5分間撹拌した後に、溶媒を蒸発させて、表題化合物を生じさせた。MS(ES+ve):[M+H],m/z,378(C22275Oとして、計算値;[M+H],m/z,378)。
【0120】
実施例8
1−(8−{[(2,6−ジメチルフェニル)メチル]オキシ}−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−2−ピペリジノン
【化28】

【0121】
水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液、9mg,0.21mmol)を、ジメチルホルムアミド(3ml)中の1−(8−ヒドロキシ2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−2(1H)−ピリジンone(55mg,0.21mmol;記載9)の溶液に添加し、混合物を1時間撹拌した。2−(クロロメチル)−1,3−ジメチルベンゼン(29mg,0.21mmol)を添加し、混合物を室温で18時間反応させた。混合物をIsolute(登録商標) SCXカートリッジに充填し、メタノール、続いてメタノール中の2M NHで溶出した。塩基性フラクションを合し、減圧下で蒸発させた。残留物を、3−97 メタノール中の2M NH−ジクロロメタンを用いて溶出するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製し、無色の粉末として表題化合物を得た。MS(ES+ve):[M+H],m/z,378(C2327として、計算値;[M+H],m/z,378)。
【0122】
実施例9
N−[(2,6−ジメチルフェニル)メチル]−6−[シス−3,5−ジメチル1−ピペラジニル]−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−アミンヒドロクロライド
【化29】

【0123】
ジオキサン(0.5ml)中の6−ブロモ−N−[(2,6−ジメチルフェニル)メチル]−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−アミン(30mg,0.0837mmol;WO 98/37080)、シス−2,6−ジメチルピペラジン(14.3mg,0.126mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル(5mg,0.0126mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(3.8mg,0.0042mmol)およびtert-ブトキシドナトリウム(16.1mg,0.167mmol)の混合物を、Initiator(登録商標) Microwave Synthesizerにて120℃で20分間加熱した。マイクロ波加熱を30分間行ったこと以外は、反応を2倍スケールで繰り返した。冷却した反応混合物を合し、酢酸エチルと希釈水酸化アンモニウムとの間に分配した。水相を酢酸エチルで抽出し、合した有機相を水で洗浄し、次いで蒸発させた。残留物をメタノール/水/2N HCl(3:45:0.5ml)中に溶解し、次いで10g tC18 Sep−Pak(登録商標)カートリッジ上に充填し、メタノール/水/2N HCl(60:40:0.5)までの勾配液で溶出して、淡黄色の固体として表題化合物を得た。MS(ES+ve):[M+H],m/z,392(C2433として、計算値;[M+H],m/z,392)。
【0124】
実施例10
N−[(2,6−ジメチルフェニル)メチル]−6−(1,1−ジオキシド−2−イソチアゾリジニル)−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−アミンヒドロクロライド
【化30】

【0125】
ジオキサン(2ml)中の6−ブロモ−N−[(2,6−ジメチルフェニル)メチル]−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−アミン(100mg,0.28mmol;WO 98/37080)、イソチアゾリジン1,1−ジオキシド(67mg,0.56mmol;WO 04/050619)、ヨウ化銅(I)(16mg,0.083mmol)、炭酸カリウム(138mg,1.0mmol)およびN,N’−ジメチルエチレンジアミン(7.4 mg, 0.083mmol)の混合物を、Initiator(登録商標) Microwave Synthesizerにて140℃で12時間加熱した。冷却した混合物をIsolute(登録商標) SCXカートリッジに充填した。メタノールに続いて水、次いでメタノール、次いでメタノール中の1M NHでの溶出によって、エバポレーションの後に、シリカゲル上でのクロマトグラフィーによってさらに精製した生成物を得た。ジクロロメタン/メタノール(0〜10%)での溶出によって、ジクロロメタン(2ml)に溶解した淡黄色の固体を得た。エーテルHCl(1M;1.0ml)を添加し、溶媒を蒸発させた。残留物をエーテル(1ml)下で粉砕し、濾過して、無色の固体として表題化合物を得た。MS(ES+ve):[M+H],m/z,399(C2126Sとして、計算値;[M+H],m/z,399)。
【0126】
実施例11
4−(8−{[(2,6−ジメチルフェニル)メチル]アミノ}−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−3−モルホリノンヒドロクロライド
【化31】

【0127】
ジオキサン(2ml)中の6−ブロモ−N−[(2,6−ジメチルフェニル)メチル]−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−アミン(100mg,0.28mmol;WO 98/37080)、3−モルホリノン(56mg,0.56mmol;US 3308121)、ヨウ化銅(I)(16mg,0.083mmol)、炭酸カリウム(138mg,1.0mmol)およびN,N’−ジメチルエチレンジアミン(7.4mg,0.083mmol)の混合物を、Initiator(登録商標) Microwave Synthesizerにて140℃で12時間加熱した。冷却した混合物をIsolute(登録商標) SCXカートリッジに充填した。メタノールに続いて水、次いでメタノール、次いでメタノール中の1M NHでの溶出によって、エバポレーションの後に、シリカゲル上でのクロマトグラフィーによってさらに精製した生成物を得た。ジクロロメタン/メタノール(0〜10%)での溶出によって、メタノール(2ml)に溶解した淡黄色の固体を得、エーテルHCl(1M;0.3ml)を添加し、溶媒を蒸発させて、淡黄色の固体として表題化合物を得た。MS(ES+ve):[M+H],m/z,379(C2226として、計算値;[M+H],m/z,379)。
【0128】
実施例12
(4S)−1−(8−{[(2,6−ジメチルフェニル)メチル]アミノ}−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−4−ヒドロキシ2−ピロリジノンヒドロクロライド
【化32】

【0129】
ジオキサン(2ml)中の6−ブロモ−N−[(2,6−ジメチルフェニル)メチル]−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−アミン(200mg,0.558mmol;WO 98/37080)、(4S)−4−ヒドロキシ2−ピロリジノン(112mg,1.12mmol)、ヨウ化銅(I)(32mg,0.167mmol)、炭酸カリウム(276mg,2.0mmol)およびN,N’−ジメチルエチレンジアミン(15mg,0.167mmol)の混合物を、Initiator(登録商標) Microwave Synthesizerにて140℃で14時間加熱した。冷却した混合物をIsolute(登録商標) SCXカートリッジに充填した。メタノールに続いて水、次いでメタノール、次いでメタノール中の1M NHでの溶出によって、エバポレーションの後に、シリカゲル上でのクロマトグラフィーによってさらに精製した生成物を得た。ジクロロメタン/メタノール(0〜10%)での溶出によって、メタノール(2ml)に溶解した淡黄色の固体を得、エーテルHCl(1M;0.5ml)を添加し、溶媒を蒸発させて赤れんが色の固体として表題化合物を得た。MS(ES+ve):[M+H],m/z,379(C2226として、計算値;[M+H],m/z,379)。
【0130】
実施例13
(4R)−1−(8−{[(2,6−ジメチルフェニル)メチル]アミノ}−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−4−ヒドロキシ2−ピロリジノンヒドロクロライド
【化33】

【0131】
ジオキサン(2ml)中の6−ブロモ−N−[(2,6−ジメチルフェニル)メチル]−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−アミン(200mg,0.558mmol;WO 98/37080),(4R)−4−ヒドロキシ2−ピロリジノン(112mg,1.12mmol),ヨウ化銅(I)(32mg,0.167mmol),炭酸カリウム(276mg,2.0mmol)およびN,N’−ジメチルエチレンジアミン(15mg,0.167mmol)の混合物を、Initiator(登録商標) Microwave Synthesizerにて140℃で14時間加熱した。冷却した混合物をIsolute(登録商標) SCXカートリッジに充填した。メタノールに続いて水、次いでメタノール、次いでメタノール中の1M NHでの溶出によって、エバポレーションの後に、シリカゲル上でのクロマトグラフィーによってさらに精製した生成物を得た。ジクロロメタン/メタノール(0〜10%)での溶出によって、メタノール(2ml)に溶解した淡黄色の固体を得、エーテルHCl(1M;0.5ml)を添加し、溶媒を蒸発させて、赤れんが色の固体として表題化合物を得た。MS(ES+ve):[M+H],m/z,379(C2226として、計算値;[M+H],m/z,379)。
【0132】
実施例14
(4S)−1−(8−{[(2,6−ジメチルフェニル)メチル]オキシ}−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−4−ヒドロキシ2−ピロリジノンヒドロクロライド
【化34】

【0133】
ジメチルホルムアミド(2ml)中の炭酸カリウム(52mg,0.38mmol)、(4S)−4−ヒドロキシ1−(8−ヒドロキシ2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−2−ピロリジノン(66mg,0.25mmol;記載11)および2,6−ジメチルベンジルブロミド(60mg,0.3mmol)の混合物を、アルゴン下にて周囲温度で3時間撹拌した。混合物をIsolute(登録商標) SCXカートリッジに充填し、メタノール、続いてメタノール中の2M NHで溶出した。塩基性フラクションを合し、減圧下で蒸発させた。この残留物を、ヘキサン〜酢酸エチル〜10%メタノールの勾配液を用いて溶出するシリカ上のカラムクロマトグラフィーによって精製して、減圧下でのエバポレーションの後に、表題化合物の遊離塩基を得た。これをジクロロメタン(2ml)中に溶解させ、次いでジエチルエーテル中の1M HCl(0.3ml)を添加した。溶媒を蒸発させて、表題化合物を得た。MS(ES+ve):[M+H],m/z,380(C2225として、計算値;[M+H],m/z,380)。
【0134】
実施例15
4−(8−{[(2,6−ジメチルフェニル)メチル]オキシ}−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−3−モルホリノンヒドロクロライド
【化35】

【0135】
ジメチルホルムアミド(5ml)中の炭酸カリウム(143mg,1.04mmol)、4−(8−ヒドロキシ2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−3−モルホリノン(180mg,0.69mmol;記載13)および2,6−ジメチルベンジルブロミド(165mg,0.83mmol)の混合物を、アルゴン下にて周囲温度で一晩撹拌した。混合物をIsolute(登録商標) SCXカートリッジに充填し、メタノールで洗浄し、続いてメタノール中の2M NHで溶出した。塩基性フラクションを合し、減圧下で蒸発させた。この残留物をヘキサン〜酢酸エチル勾配液で溶出するシリカ上でのカラムクロマトグラフィーによって精製し、減圧下で蒸発させ、ジクロロメタン(2ml)中に溶解させた。1.0M エーテルHCl(0.5ml)を添加し、溶液を減圧下で蒸発させて、表題化合物を生じさせた。MS(ES+ve):[M+H],m/z,380(C2225として、計算値;[M+H],m/z,380)。
【0136】
実施例16
1−(8−{[(2−エチル−6−メチルフェニル)メチル]アミノ}−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−2−ピロリジノンヒドロクロライド
【化36】

【0137】
2−(ブロモメチル)−1−エチル−3−メチルベンゼン(14mg,0.066mmol)および炭酸ナトリウム(22mg,0.208mmol)を、ジメチルホルムアミド(2ml)中の1−(8−アミノ−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−2−ピロリジノン(14mg,0.057mmol;記載16)の溶液に添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、次いで2−(ブロモメチル)−1−エチル−3−メチルベンゼンのさらなる部分(8mg,0.038mmol)で処理した。混合物を60時間撹拌し、次いで2M塩酸の添加によって中和した。混合物をIsolute(登録商標) SCXカートリッジに充填し、メタノール、次いでメタノール中の2M NHで溶出した。塩基性フラクションのエバポレーションの後に、粗生成物をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)によってさらに精製した。生成物をジクロロロメタン(3ml)中に溶解し、次いでジエチルエーテル中の1M HCl(1ml)を添加した。1時間撹拌した後に、溶媒を蒸発させて、表題化合物を得た。MS(ES+ve):[M+H],m/z,377(C2328Oとして、計算値;[M+H],m/z,377)。
【0138】
実施例17−H+/K+ ATPアーゼの調製
H+/K+ ATPアーゼアッセイは、Hongo et al (1990) Jpn J Pharmacol. 52.295−305 “Purification and characterization of (H+,K+ )−ATPase from hog gastric mucosa”に基づいた。
【0139】
H+/K+ ATPアーゼの調製
新鮮なブタ胃を入手し、0.9%NaClで洗浄した。表面粘液を力強く拭き取ることによって除去し;次いで、下の筋層から胃底部粘膜を取り出し、冷却した0.25Mスクロース溶液中に懸濁した。ホモジナイゼーションを5に設定したポリトロンを用いて3分間行い、ホモジネートを遠心分離(8000rpm、15分間)した。未染色のガーゼでの濾過後の上清を遠心分離(13000rpm、15分間)した。得られた上清をローター型70 Tiを使用して再遠心分離(31000rpm、1時間)して、ミクロソーム沈殿物(F0)を得た。粗ミクロソームを0.25Mスクロース溶液中に懸濁した。再懸濁したミクロソーム(4ml、11mg/ml)を、0.25スクロース溶液中の7%(w/v)フィコール5mlで作製した単一段階勾配液上に層にし、ローター型41 Tiを使用して遠心分離(30000rpm、40分間)した。軽膜(light membrane)(FB)は7%フィコールの界面に出現し、重膜(heavy membrane)(FS)は沈殿物の形態で出現した。FBを収集し、0.25Mスクロース溶液で10倍に希釈し、次いでローター型41 Tiを使用して遠心分離(31000rpm、1時間)した。
【0140】
得られた沈殿物を、ホモジザイザーにおいて、ゆるい装着のモーター駆動でのTelfon乳棒回転(1000rpm)10ストロークによって0.25Mスクロース溶液中に再懸濁し、最終精製のために一晩冷蔵した。
【0141】
再懸濁したミクロソーム(8ml/3.5mg/ml)を、0.25Mスクロース溶液中の7%(w/v)フィコール5mlの上端にさらに層にし、ローター型41を使用して遠心分離(30000rpm、40分間)した。
【0142】
次いで、沈殿の形態で出現した重膜(FBS)を、0.25Mスクロース溶液中に再懸濁し、ローター型41 Tiを使用して遠心分離(37500rpm、2時間)した。
【0143】
ペレットを0.25Mスクロース溶液中に再懸濁し、使用まで−80℃で貯蔵した。
【0144】
あるいは、タンパク質を以下の手順において調製し得る:
1.屠殺場から4つのブタ胃を新たに入手し;
2.胃を切り取り、冷水で完全に洗浄し、次いでリン酸緩衝化食塩水(PBS)に浸した氷上で輸送し;
3.下記の操作の全てを4℃で実施し;胃からの材料の収集を低温室内で行い(工程2〜6);
4.胃低部領域を取り出し、氷冷したPBSで2回すすぎ;
5.メスを使用して胃壁から粘膜を剥ぎ取り(比較的容易に剥がれ、インタクトなままである);
6.氷冷した飽和NaClを表面に自由に加え、胃をNaCl溶液中で逆さにし、約15分間浸し;
7.浸した後、ペーパータオルを用いて粘膜を力強く拭き取って、全ての粘膜および遊離した表面細胞を取り除き;
8.スプーンを使用して、4つの胃全て由来の下の結合組織から粘膜を剥ぎ取り、Sigma Cocktailプロテアーゼインヒビター、1mM EDTA、1mM EGTA pH7.4を含む0.25Mスクロース800ml中に入れ;
9.ハサミを使用して、粗く、可能な限り組織をホモジナイズし;
10.きつく装着したTeflonガラスホモジナイザー(例えば、容量50ml)を使用して、懸濁液をダウンスホモジナイザーでホモジナイズ(6ストローク、最大rpm)し;
11.ホモジネートをBeckman JA18ローターにて遠心分離(45分間、20000g、4℃)(チューブおよびローターを事前に低温室で冷却する(下記の遠心分離工程の全てにて同じ))し;
12.この回転から上清をデカントして除き、Beckman JA30.5ローターにてさらに遠心分離(45分間、100000g)し;
13.Sigma Cocktailプロテアーゼインヒビターを含む0.25Mスクロース171mlの全量中にペレットを再懸濁し、上記のようにDounceホモジナイザーでホモジナイズし、氷上で保持し、1つの容器中にプールし;
14.34%(w/v)スクロース5mlの表面を覆う7%フィコール(w/w)15mlからなる、Beckman JS24.38ローター(スイング型)用のチューブ中に非連続(段階)勾配液を調製し、上部にサンプル16mlを慎重に充填し;
15.チューブを乱さないように注意し、それらをJA24.38ローターにて遠心分離(2時間、100000g)し;
16.遠心分離後に、フィコール/0.25Mスクロース界面にはっきりと可視可能な濁った領域が存在し、1ml Gilsonピペットを使用して、これを収集(スクロースを取り出さないように試み−材料はフィコール中にあり、界面を乱すことなくそれを全て回収する)し、氷上に保持し;
17.全てのサンプルを1つのチューブ中にプールし、0.25Mスクロースで満たし、Beckman JA30.5ローターにて遠心分離(45分間、100000g)し、上清を慎重に捨て、ペレットを約1mlの5mM Pipes/Tris pH7.4中に再懸濁し;
18.材料を丸底フラスコに移し、シェルフリーズ(shell-freeze)(メタノールおよびカーディス(cardice)の両方において斜めにフラスコを回転させて、フラスコの内側に凍結材料の薄い「殻」を形成する)し、すぐに一晩凍結乾燥させ;
19.最小限の容量のPipes/Tris中に凍結乾燥材料を再懸濁し、−80℃でアリコートを凍結させる。
【0145】
実施例18−H+/K+ATPアーゼアッセイ
H+/K+ATPアーゼ活性を、ATPからの酵素的無機リン酸放出の分光光度定量によって決定する。濃度応答曲線実験を、100μMの試験化合物の開始濃度から段階半対数単位希釈を用いて3nMまで実施した。1つの完全な曲線は、2回とも8つの点を含む。
【0146】
a)全ATPアーゼ活性を決定するために、試験化合物1μlを、80μlのインキュベーションアッセイ緩衝液(37.5mM Bis−Trisアセテート,pH5.5、4mM MgCl,10mM KCl)および実施例17由来のH+/K+ ATPアーゼ酵素(10μlの0.25μg/mlml)中にて37℃で15分間プレインキュベートした。
【0147】
b)非特異的ATPアーゼ活性について、試験化合物1μlを、80μlのコントロールアッセイ緩衝液(37.5mM Bis−Trisアセテート,pH5.5、4mM MgCl)および実施例17由来のH+/K+ ATPアーゼ酵素(10μlの0.25μg/mlml)中にて37℃で15分間プレインキュベートした。
【0148】
反応を、10μlの1mM ATPを(a)および(b)に添加し、次いで37℃で60分間インキュベートすることによって開始した。
【0149】
マラカイトグリーン緩衝液を100μl/ウェルで加え、吸光度を630nmで読み取った。特異的H+/K+ ATPアーゼ活性は、全ATPアーゼ活性(10mM KClの存在下:反応(a))から定常の非特異的ATPアーゼ活性(10mM KClの非存在下:反応(b))を差し引いたものである。。
【0150】
あるいは、アッセイを以下のわずかに修飾した手順を用いて実施してもよい。
【0151】
濃度応答曲線実験を、100μMの試験化合物の開始濃度から段階4倍希釈を用いて実施した。1つの完全な曲線は、2回とも11個の点を含む。
【0152】
a)全ATPアーゼ活性を決定するために、試験化合物0.1μlを、10μlのインキュベーションアッセイ緩衝液(20mM PIPES,pH6.0、1mM MgCl,10mM KCl)および実施例17由来のH+/K+ ATPアーゼ酵素(最終アッセイ濃度0.25μg/ml)中にて37℃で15分間プレインキュベートした。
【0153】
b)非特異的ATPアーゼ活性について、試験化合物0.1μlを、10μlのコントロールアッセイ緩衝液(20mM PIPES,pH6.0、1mM MgCl)および実施例17由来のH+/K+ ATPアーゼ酵素(最終アッセイ濃度0.25μg/ml)中にて37℃で15分間プレインキュベートした。
【0154】
反応を、10μlの0.2mM ATPを(a)および(b)に添加し、次いで37℃で60分間インキュベートすることによって開始した。マラカイトグリーン緩衝液を30μl/ウェルで添加し、吸光度を630nmで読み取った。特異的H+/K+ ATPアーゼ活性は、全ATPアーゼ活性(10mM KClの存在下で:反応(a))から定常の非特異的ATPアーゼ活性(KClの非存在下:反応(b))を差し引いたものである。
【0155】
上記の2つの方法の一方または他方にて試験した全ての化合物は、<5uMのIC50を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(I)
[式中、XはNH、NR7またはOであり;
R1はH、C1−4アルキル、CHCN、CHNH、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキルC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C2−6アルケニル、C2−6アルケニルオキシC1−4アルキル、C2−6アルキニル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシC1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルコキシC1−4アルキル、フルオロC1−4アルキル、C2−6アルキニルオキシC1−4アルキル、C1−4アルキルスルホニルC1−4アルキルまたはNR8R9であり、ここで、R8およびR9の各々は同じでも異なってもよく、HもしくはC1−4アルキルであるか、または、それらが結合する窒素とともに、N、OおよびSから選択される0〜3個のさらなるヘテロ原子を含む5もしくは6員の複素環基を形成し;
R2はC1−4アルキル、NH2、3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキルC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C2−6アルケニル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシC1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルコキシC1−4アルキル、シアノC1−4アルキル、ハロC1−4アルキルまたはアミノカルボキシC1−4アルキルであり;
R3はHまたはC1−4アルキルであり;
R4およびR5は同じでも異なってもよく、H、C1−4アルキル、OH、ハロゲン、C1−4アルコキシ、NR14R15であり、ここで、R14およびR15の各々は同じでも異なってもよく、HまたはC1−4アルキル、NHCONR10R11またはOCONR10R11であり、ここで、R10およびR11の各々は同じでも異なってもよく、HもしくはC1−4アルキルであり、または、それらが結合する窒素とともに、N、OおよびSから選択される0〜3個のさらなるヘテロ原子を含む5もしくは6員の複素環基を形成し;あるいは
R3およびR4は、相互接続原子とともに、N、OおよびSから選択される1つのヘテロ原子を含む5または6員の炭素環基または複素環を形成し、その炭素環または複素環基はC1−4アルキル、OH、OC1−4アルキル、ハロゲンおよびNR16R17から選択される1つの基と置換されてもよく、ここで、R16およびR17の各々は同じでも異なってもよく、HまたはC1−4アルキルであり;
R6はH、C1−4アルキル、ハロゲン、OH、NHCO1−4アルキル、NR18R19であり、ここで、R18およびR19の各々は同じでも異なってもよく、HまたはC1−4アルキルであり;
R7はC1−4アルキルであるか;あるいは
R4およびR7は、相互接続原子とともに、N、OおよびSから選択される0または1個のさらなるヘテロ原子を含む5〜7員の複素環基を形成し、その複素環基はC1−4アルキル、OH、OC1−4アルキル、ハロゲンおよびNR20R21から選択される1つの基と置換されてもよく、ここで、R20およびR21の各々は同じでも異なってもよく、HまたはC1−4アルキルであり;ならびに
Hetは置換されてもよい、N、OおよびSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含む4〜7員の非芳香族複素環基である]
で表される化合物、あるいは医薬上許容されるその塩。
【請求項2】
Het基がHet環の炭素原子またはヘテロ原子のいずれかを通じてイミダゾピリジン核に結合する、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Het基がHet環の窒素原子を通じてイミダゾピリジン核に結合する、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
Het基が以下からなる群より選択される、請求項1〜3のいずれか1項記載の化合物:ピロリジニル、ピロリジン−2−オン−イル、ジオキソラニル、イミダゾリニル、イミダゾリジン−2−オン−イル、オキサゾリジニル、オキサゾリジン−2−オン−イル、ピラゾリジニル、ピペラジニル、ケトピペラジニル、ジケトピペラジニル、ピペリジニル、ピペリジン−2−オン−イル、モルホリニル、チオモルホリニル、モルホリン−2−オン−イルまたはイソチアゾリジニル。
【請求項5】
Hetがピロリジノン−イル、イミダゾリジニル、ピペリジン−2−オン−イル、イミダゾリジン−2−オン−イル、モルホリン−2−オン−イルまたはヒドロキシ−2−ピロリジノン−イルである、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
Hetがピペリジン−2−オン−イルまたはイミダゾリジノニルである、請求項5記載の化合物。
【請求項7】
Het基上の任意の置換基が(C1−4)アルキルまたはヒドロキシである、請求項1〜6のいずれか1項記載の化合物。
【請求項8】
任意の置換基としての(C1−4)アルキルがメチルまたはエチルである、請求項7記載の化合物。
【請求項9】
XがNHまたはOである、請求項1〜8のいずれか1項記載の化合物。
【請求項10】
XがNHである、請求項9記載の化合物。
【請求項11】
XがOである、請求項9記載の化合物。
【請求項12】
R1およびR2が両方ともメチルである、請求項1〜11のいずれか1項記載の化合物。
【請求項13】
R3がHである、請求項1〜12のいずれか1項記載の化合物。
【請求項14】
R4およびR5が両方ともHではない、請求項1〜13のいずれか1項記載の化合物。
【請求項15】
R4およびR5が両方ともメチルであるか、またはR4がメチルでありR5がエチルである、請求項1〜14のいずれか1項記載の化合物。
【請求項16】
R6がHである、請求項1〜15のいずれか1項記載の化合物。
【請求項17】
XがNHであり、R1およびR2が両方ともメチルであり、R3がHであり、R4およびR5が両方ともメチルであり、およびR6がHである、請求項1〜9のいずれか1項記載の化合物。
【請求項18】
XがOであり、R1およびR2が両方ともメチルであり、R3がHであり、R4およびR5が両方ともメチルであり、およびR6がHである、請求項1〜9のいずれか1項記載化合物。
【請求項19】
実施例1〜16のいずれか1つ記載の化合物である、請求項1記載の化合物。
【請求項20】
ヒトまたは獣医学における使用のための、請求項1〜19のいずれか1項記載の化合物または医薬上許容されるその塩。
【請求項21】
アシッドポンプアンタゴニスト(APA)が必要とされる疾患または障害の処置のための、請求項1〜19のいずれか1項記載の式(I)で表される化合物または医薬上許容されるその塩の使用。
【請求項22】
アシッドポンプアンタゴニスト(APA)が必要とされる疾患または障害が、胃酸における不均衡に付随する胃腸疾患または障害である、請求項21記載の使用。
【請求項23】
胃腸疾患または障害が胃もしくは十二指腸潰瘍、胃炎、胃食道逆流症(GERD)およびZoller−Ellison症候群、または胃抗分泌性効果が望ましい、例えばガストリノーマおよび急性上部胃腸出血を有する患者における疾患および障害から選択される、請求項22記載の使用。
【請求項24】
ヒトアシッドポンプのアンタゴニストが必要とされる疾患または障害の処置または予防のための医薬品の製造における、請求項1〜19のいずれか1項記載の式(I)で表される化合物または医薬上許容されるその塩の使用。
【請求項25】
アシッドポンプアンタゴニスト(APA)が必要とされる疾患または障害が胃酸における不均衡に付随する胃腸疾患または障害である、請求項24記載の使用。
【請求項26】
胃腸疾患または障害が胃もしくは十二指腸潰瘍、胃炎、胃食道逆流症(GERD)およびZoller−Ellison症候群、または胃抗分泌性効果が望ましい、例えばガストリノーマおよび急性上部胃腸出血を有する患者における疾患および障害から選択される、請求項25記載の使用。
【請求項27】
請求項1〜19のいずれか1項記載の式(I)で表される化合物または医薬上許容されるその塩の有効量を、それを必要とする対象に投与する工程を含む、アシッドポンプアンタゴニスト(APA)を必要とする疾患または障害を処置または予防する方法。
【請求項28】
アシッドポンプアンタゴニスト(APA)が必要とされる疾患または障害が胃酸における不均衡に付随する胃腸疾患または障害である、請求項27記載の方法。
【請求項29】
胃腸疾患または障害が胃もしくは十二指腸潰瘍、胃炎、胃食道逆流症(GERD)およびZoller−Ellison症候群、または胃抗分泌性効果が望ましい、例えばガストリノーマおよび急性上部胃腸出血を有する患者における疾患および障害から選択される、請求項28記載の方法。
【請求項30】
請求項1〜19のいずれか1項記載の式(I)で表される化合物または医薬上許容されるその塩、および医薬上許容される担体を含む医薬組成物。

【公表番号】特表2009−500304(P2009−500304A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−518750(P2008−518750)
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【国際出願番号】PCT/EP2006/006410
【国際公開番号】WO2007/003386
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】