説明

アタッチメント光学系

【課題】
簡単な構成で、撮像装置や投影装置に装着し、全方位光学系を構成することを可能とする。
【解決手段】
開口Sを有する結像光学系G2に装着可能であるとともに、結像光学系G2に装着した際、結像光学系G2を介し360°全方位の画像を像面に結像させ、中心軸1の周りで回転対称な2面の反射面12、13と2面の透過面11、14からなる前群Gfと、中心軸1の周りで回転対称であって正パワーを有する後群Gbとを備え、結像光学系G2に装着した際、中心軸1を含む面内の入射瞳6Yと、中心軸1と直交し中心光線を含む面内の入射瞳6Xは、異なる位置にあることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アタッチメント光学系に関し、特に、撮像装置や投影装置に取り付けることで、360°全方位の画角を有する画像を像面に結像させるか、像面に配置された画像を360°全方位の画角に投影する全天カメラ、全天プロジェクターなどを実現するアタッチメント光学系に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、反射光学系を用いた360°全方位(全周)の画像を得る光学系としては、2面の内面反射面と2面の透過面を持つ中心軸の周りで回転対称な透明媒体からなる前群と、中心軸の周りで回転対称であって正パワーを有する後群とからなる特許文献1、2に開示されたような光学系が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−243689号公報
【特許文献2】特開2007−334019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これら特許文献1、特許文献2に記載の光学系は、全ての構成を備えることで、像面に形成した画像を全方位に投影、あるいは、全方位の画角を有する画像を得ることができる光学系となっており、撮像装置や投影装置に装着する構成になっていない。
【0005】
一方、全方位ではない所定の画角を有する撮像装置または投影装置は、市場に出回る数や利用される機会は多いが、特許文献1、特許文献2の光学系のように、全方位の投影または撮像を行うことはできない。
【0006】
本発明は、簡単な構成で、撮像装置や投影装置に装着することで、全方位光学系を実現するアタッチメント光学系を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため本発明に係るアタッチメント光学系は、開口を有する結像光学系に装着可能であるとともに、前記結像光学系に装着した際、前記結像光学系を介し360°全方位の画像を像面に結像させるアタッチメント光学系であって、中心軸の周りで回転対称な2面の反射面と2面の透過面からなる前群と、中心軸の周りで回転対称であって正パワーを有する後群と、を備えており、前記前群は、光線の進む順に、遠方から前記前群に入射する正のパワーを有する第1透過面と、前記第1透過面と中心軸をはさんで前記後群側に配置されている正のパワーを有する第1反射面と、前記第1反射面と同じ側に配置され、前記第1反射面より後群から離れて配置されている第2反射面と、最も後群側に配置されている負のパワーを有する第2透過面からなり、前記結像光学系に装着した際、光束は、前記前群、前記後群、前記結像光学系を順に経て、像面の中心軸から外れた位置に結像すると共に、中心軸を含む面内の入射瞳と、中心軸と直交し中心光線を含む面内の入射瞳は、異なる位置にあることを特徴としている。
【0008】
この場合、中心軸を含む面内の入射瞳は前記第1透過面近傍にあり、中心軸と直交し中心光線を含む面内の入射瞳は中心軸近傍にあることが好ましい。
【0009】
さらに、中心軸を含む断面内において、入射瞳近傍に中心軸を含む断面内でのみ開口を制限するフレアー絞りが配置されていることが好ましい。
【0010】
さらに、前記前群の第1透過面から第2透過面までの中心主光線の光路長をOP、前記第1透過面の中心軸を含む面内の焦点距離をf1yとするとき、
0.5<OP/f1y<10 ・・・(1)
なる条件を満たすことが望ましい。
【0011】
さらに、上記条件において、0.7<OP/f1y<3 ・・・(1−1)
なる範囲を満たすことが好ましい。
【0012】
さらに、前記前群の第1透過面から第2透過面までの中心主光線の光路長をOP、前記第2透過面の焦点距離をf2とするとき、
−20<OP/f2<−1 ・・・(2)
なる条件を満たすことが望ましい。
【0013】
さらに、上記条件において、
−10<OP/f2<−3 ・・・(2−1)
なる範囲を満たすことが好ましい。
【0014】
さらに、前記第1透過面と第1反射面の間の外周部に光学系を固定するフランジを有するように構成されてもよい。
【0015】
さらに、前記結像光学系として、投影光学系を用い、前記像面に画像表示素子を配置して、前記画像表示素子に表示された画像を逆光線で360゜全方位の画角に投影することとしてもよい。
【発明の効果】
【0016】
以上、本発明によれば、簡単な構成で撮像装置や投影装置に装着し、全方位光学系を実現するアタッチメント光学系を提供することが可能となる。さらに、諸条件を満足する、あるいは、所定の構成を備えることで、フレアー光の影響を受けない、小型で収差が良好に補正されて解像力の良いアタッチメント光学系を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例1の光学系の中心軸に沿ってとった断面図である。
【図2】本発明の実施例1の光学系内の光路を示す平面図である。
【図3】実施例1の光学系全体の横収差図である。
【図4】本発明の実施例2の光学系の中心軸に沿ってとった断面図である。
【図5】本発明の実施例2の光学系内の光路を示す平面図である。
【図6】実施例2の光学系全体の横収差図である。
【図7】本発明の実施例3の光学系の中心軸に沿ってとった断面図である。
【図8】本発明の実施例3の光学系内の光路を示す平面図である。
【図9】実施例3の光学系全体の横収差図である。
【図10】内視鏡先端の撮影光学系として本発明によるパノラマ撮影光学系を用いた例を示すための図である。
【図11】自動車の各コーナや頂部に撮影光学系として本発明によるパノラマ撮影光学系を用いた例を示すための図である。
【図12】投影装置の投影光学系として本発明によるパノラマ投影光学系を用いた例を示すための図である。
【図13】屋外の被写体を本発明によるパノラマ撮影光学系を経て撮影し、屋内に本発明によるパノラマ投影光学系を通して投影表示する例を示すための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、実施例に基づいて本発明の光学系について説明する。
【0019】
図1は、後記する実施例1の光学系の中心軸(回転対称軸)1に沿ってとった断面図であり、図2はその光学系内の光路を示す平面図であり、方位角0°と±30°における光路を示している。この図1、図2を用いて本発明のアタッチメント光学系を説明する。なお、以下の説明は、結像光学系に適用した場合について説明するが、光路を逆にとって360°全方位(全周)に画像を投影する投影光学系として用いることもできる。なお、投影光学系に適用した場合、以下の説明において、像面には画像表示素子を配置し、光線の向きが逆向きになると共に、入射瞳は射出瞳に置き換えられる。
【0020】
本発明のアタッチメント光学系G1は、中心軸1の周りで回転対称な透明媒体10で構成された前群Gfと中心軸1の周りで回転対称な後群Gfとからなり、結像光学系G2に装着された際、遠方の物体から入射する光束2は、アタッチメント光学系G1(前群Gf、後群Gb)、結像光学系G2を順に経て、中心軸1に垂直な像面30の中心軸1から外れた位置に結像する。
【0021】
アタッチメント光学系G1は、結像光学系G2に対し着脱可能に構成されている。アタッチメント光学系G1が装着されたときには、全方位の撮像装置または投影装置として機能することとなり、アタッチメント光学系G1が装着されない場合には、結像光学系G2のみでも撮影装置または投影装置として機能する。
【0022】
アタッチメント光学系G1を構成する前群Gfと後群Gbを構成する各レンズは、図示しない保持部材にて保持されている。また、結像光学系G2を構成する理想レンズ20、開口Sなどの構成は、撮像装置または投影装置の筐体側に保持される。撮像装置または投影装置の筐体に、アタッチメント光学系G1を保持する保持部材が装着されることで、アタッチメント光学系G1と結像光学系G2は、図に示される配置をとることとなり、全方位の撮像装置または投影装置として機能することとなる。すなわち、アタッチメント光学系G1と結像光学系G2は、それらを保持する保持部材、筐体にてその位置関係が規制される。
【0023】
透明媒体10は、中心軸1の周りで回転対称であって、屈折率が1より大きい樹脂等の透明媒体からなり、2面の内面反射面12、13と、2面の透過面11、14を持つものである。内面反射面12、13と、透過面11、14も中心軸1の周りで回転対称な形状をしている。また、後群Gbは、中心軸1の周りで回転対称であって、正パワーを有するレンズ系等の同軸屈折光学系からなるものである。この実施例1では、3枚のレンズL1〜L3を含んだ2群からなる正パワーを有するレンズ群で構成されている。
【0024】
なお、アタッチメント光学系G1を保持部材に保持させるため、透明媒体10の周囲には径方向に突出するフランジ15が配置されている。本実施形態において、フランジ15は、第1透過面11と第1反射面12の間に設けられている。このような位置に設けたことで、像側から離れる方向の画角が大きい場合、光線と干渉することなく透明媒体10を保持することが可能となる。なお、透明媒体10は、フランジ15を含め単一の樹脂で構成することで、その製造が容易になる。また、フランジ15は、透明媒体10の全周囲に設ける必要はなく、一部周囲に設けられるものであってもよい。
【0025】
そして、本発明のアタッチメント光学系では、図1の特に上方向から入射する有害なフ
レアー光が第1透過面11を透過して光学系内に入るのを防ぐために、中心軸1を含む面内でのみ入射瞳6Yを第1透過面11近傍に形成するように構成して、このようなフレアー光をカットしている。中心軸1上に配置された絞り(開口)Sは前群Gfにより逆投影されることにより入射瞳6Yを形成する。中心軸1を含む断面内では、この入射瞳6Yを第1透過面11近傍に配置することにより、逆投影された入射瞳6Y近傍にフレアー絞りを配置したのと同様になり、透明媒体10内に入り込む不要光を大幅にカットすることが可能となり、フレアーを減らすことが可能となる。
【0026】
フレアー絞りとしては、第1透過面11近傍、特にその直前に、中心軸1の周りで回転対称な輪帯状のスリットを配置するようにするとよい。また、その第1透過面11直前に配置するフレアー絞りは、アタッチメント光学系の保護を目的としたケーシングや、光線の通過しない部分を黒く塗った透明パイプ状のものでもよい。
【0027】
また、像面側(下側)のフレアー絞りは、第1反射面12の反射コーティング部分と兼用させてもよい。また、前群Gfの透明媒体の像面30と反対側(上側)は、有効な第2反射面13以外の不使用領域が大きく存在するために、有効面(第2反射面13)以外は砂目処理を行い、黒い塗料を塗布することでフレアー絞りを併用することも可能である。
【0028】
なお、結像光学系G2の開口Sを設けることに代え、第1透過面11近傍にてフレアー絞りとして機能する輪帯状のスリットを設けることで、入射瞳6Y自体を構成する開口絞りを兼ねさせるようにしてもよい。
【0029】
結像光学系G2は、入射する光を像面30に結像させるレンズ系と、像面30とアタッチメント光学系G1の間であって、中心軸1と同軸に配置され、円形の開口S(絞り)とで構成されている。この実施例1では、結像光学系20を構成するレンズ系を、理想レンズ(無収差のレンズ系)としている。
【0030】
前群Gfを構成する透明媒体10は、遠方からの光束2が入射する第1透過面11、第1透過面11と中心軸1を挟んで反対側に配置されていて、第1透過面11から入射した光束が入射する第1反射面12、第1反射面12と同じ側に配置され、第1反射面12で反射された光束が入射する第2反射面13、後群20に面していて、第2反射面13で反射された光束が入射する第2透過面14を含み、第1反射面12の面の中心(中心光束2の中心光線2cが入射する位置)は、中心軸1方向に第2反射面13の中心(中心光束2の中心光線2cが入射する位置)より後群20側に位置している。なお、中心光線は、上下方向の画角の真ん中の光線であって、絞り中心を通過する主光線である。
【0031】
そして、中心軸1が垂直方向に向く場合、水平方向の遠方から入射する中心光束2は入射面の第1透過面11で屈折して前群Gfの透明媒体10内に入り、中心軸1を横切って第1透過面11と反対側の第1反射面12に入射し、そこで後群20から離れるように反射された光束は第2反射面13に入射し、そこで後群20方向へ反射された光束は第2透過面14で屈折して前群Gfの透明媒体10から外に出る。
【0032】
透明媒体10から出た光束2は、後群Gbを通過し、開口Sを介して理想レンズ20に入射し、像面30の中心軸1から外れた半径方向の所定位置に結像する。
【0033】
ここで、前群Gfは、全周囲の画像から回転対称軸となる中心軸1に向かってくる光束を受けて任意の位置の円環状の空中像に変換する働きをするものである。そして、後群Gb、結像光学系G2の役割は、その円環状の空中像を像面30の平面上に投影する働きをするものである。
【0034】
前群Gfは透明媒体で構成することが好ましく、そのために媒体に入射する第1透過面11が必要である。回転対称な形状であるため、第1透過面11は回転方向(中心軸1と直行する断面内)に凸面となり正のパワーを有する。
【0035】
第1透過面11は、中心軸1を含む断面でも凸面の正のパワーを持たせることが好ましい。これは、中心軸1を含む面内での結像位置を第1反射面12と第2反射面13の中間に位置させることができるためである。結像面が反射面と同一位置、あるいは、反射面に近い位置になると、反射面表面の傷などが鮮明に像面に投影されることとなる。第1透過面11に正のパワーを持たせることで、結像位置を第1反射面12と第2反射面13の中間に位置させ、この不具合を回避することが可能となる。
【0036】
さらに好ましくは、前群Gfの第1透過面11から第2透過面14までの中心主光線の光路長をOP、前記第1透過面11の中心軸1を含む面内の焦点距離をf1yとするとき、
0.5<OP/f1y<10 ・・・(1)
なる条件を満たすことが望ましい。
【0037】
条件式の下限を超えると第1透過面11の中心軸1を含む断面内の焦点距離が長くなり過ぎ、中心軸1を含む断面での1次結像位置が第2反射面13近傍になってしまい、反射面表面の傷などが鮮明に像面に投影されてしまう。また、上限を超えると1次結像位置が第1反射面12近傍になり、同様の問題点が生じる。
【0038】
さらに好ましくは、
0.7<OP/f1y<3 ・・・(1−1)
なる条件を満たすことが重要である。このような条件を満たすことで、結像面をさらに第1反射面12と第2反射面13の中間に位置させることが可能となり、反射面に生じた傷などの影響を抑えるが可能となる。
【0039】
第1反射面12は、透明媒体10の外周部に第1透過面11より像面30側に配置される。全方位光学系の場合、中心軸1の周辺360°の撮影又は投影が可能であるが、撮影機材や投影機材と光線が干渉しないように、上下方向の画角は中心軸1と直行する方向、または、若干、像面30側から像面から離れる方向に設定する。その場合第1透過面11より、像面30側に第1反射面12を配置することで、第1透過面11で光線を無理に屈折させる必要がないため、色収差の発生を少なくすることが可能となる。
【0040】
また、第1反射面12は、中心軸1を含む断面内でも強い正のパワーを有し、この断面内で1回結像をさせる働きを持っている。さらに、第1反射面12は、撮像装置又は投影装置が有する円形の開口Sを、前群Gfの第1透過面11近傍にこの断面内でのみ再結像させる働きを有し、第1透過面11の中心軸1を含む断面での有効径を細くし、フレアー絞りを配置することが可能となっている。
【0041】
中心軸1と直行する断面内でも、第1反射面は強い正のパワーを有し、第1反射面と第2反射面の間に1回結像する働きを有する。しかしこの断面内では撮像装置又は投影装置の光学系(本実施例では結像光学系G2)が有する円形の開口Sを中心軸1上に再結像する。
【0042】
第2反射面13は、第1透過面11より像面30から離れる方向に配置し、撮影装置又は投影装置の光学系に円環状の像面30を形成する働きを有する。この面は円錐面でも可能であるが、本発明の実施例では、中心軸1を含む断面において弱い正のパワーを有し、中心軸1と直行する断面内では弱い負のパワーを有することとしている。
【0043】
第2透過面14は、強い凹面でコマ収差と非点収差を発生させることで、後群Gfで発生する収差を補正する面であり、後群Gfを少ないレンズ枚数で構成するため強い負のパワーを有している。本発明の実施例では、第2透過面14を球面で構成しているが、非球面で構成することがさらに好ましい。
【0044】
さらに好ましくは、前群Gfの第1透過面11から第2透過面14までの中心主光線の光路長をOP、第2透過面14の焦点距離をfとするとき、
−20<OP/f2<−1 ・・・(2)
なる条件を満たすことが望ましい。下限を超えると第2透過面14の焦点距離が短くなり過ぎ、コマ収差と非点収差の発生が大きすぎ、後群Gbと打ち消し合うことができなくなる。また、光路長が長くなると前群Gfが大きくなり小型化に好ましくない。また、上限を超えると後群Gbで発生するコマ収差と非点収差の発生を打ち消し合えなくなってしまい解像力が落ちることとなる。
【0045】
また、上限を超えると明るいアタッチメント光学系を構成することができない。本発明の実施形態では、透明媒体10の最終面である第2透過面14に強い負のパワーを持たせている。上記条件式(2)の上限を超えないようにすることで、アタッチメント光学系の射出瞳をアタッチメント光学系の後ろに引き出すことが可能となっている。さらに、このアタッチメント光学系の射出瞳位置を結像光学系G2の入射瞳位置と合わせて、明るいアタッチメント光学系を構成することが可能となる。
【0046】
さらに好ましくは、
−10<OP/f2<−3 ・・・(2−1)
なる条件を満たすことが重要である。下限と上限の意味は同様である。
【0047】
さらに好ましくは、第1透過面11と第1反射面12の間に前群Gfを保持するフランジ15を設けることが好ましい。像側から離れる方向の画角が大きい場合、光線と干渉することなく前群Gfを保持するには、この第1透過面11と第1反射面12の間に設けたフランジ15を保持することが最適である。
【0048】
また、本発明のアタッチメント光学系G1を、撮像装置又は投影装置の光学系G2に対しシフト偏心させて装着することで、円環状の映像の一部を撮影することも可能である。この場合、撮像装置又は投影装置のズーム機能を使用したり、電子的なズーム機能を使用することが望ましい。
【0049】
以下に、後記の実施例1〜3における第1透過面から第2透過面までの光路長OP、第1透過面の中心軸を含む断面の焦点距離(f1y)、第2透過面の焦点距離(f2)、条件式(1)、(2)の値を示しておく。
【0050】
OP f1y f2 OP/f1y OP/f2
実施例1 139.451 104.111 -25.683 1.339 -5.430
実施例2 103.414 82.525 -16.629 1.253 -6.219
実施例3 173.586 61.664 -25.628 2.815 -6.773
以下に、本発明のアタッチメント光学系の実施例1〜3をより詳しく説明する。これらアタッチメント光学系の構成パラメータは後記する。これら実施例の構成パラメータは、例えば図1に示すように、物体面から前群Gf、後群Gb、結像光学系G2を経て像面30に至る順光線追跡の結果に基づくものである。
【0051】
座標系は、順光線追跡において、例えば図1に示すように中心光線2c(上下方向の画
角の真ん中の光線)を延長した線が中心軸1と交差する点を偏心光学系の偏心光学面の原点とし、中心軸1(回転対称軸)の像面30から離れる方向をY軸正方向とし、図1の紙面内をY−Z平面とする。そして、図1の紙面に対し垂直裏向きの方向をZ軸正方向とし、Y軸、Z軸と右手直交座標系を構成する軸をX軸正方向とする。
【0052】
偏心面については、その面が定義される座標系の上記光学系の原点の中心からの偏心量(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向をそれぞれX,Y,Z)と、光学系の原点に定義される座標系のX軸、Y軸、Z軸それぞれを中心とする各面を定義する座標系の傾き角(それぞれα,β,γ(°))とが与えられている。その場合、αとβの正はそれぞれの軸の正方向に対して反時計回りを、γの正はZ軸の正方向に対して時計回りを意味する。なお、面の中心軸のα,β,γの回転のさせ方は、各面を定義する座標系を光学系の原点に定義される座標系のまずX軸の回りで反時計回りにα回転させ、次に、その回転した新たな座標系のY軸の回りで反時計回りにβ回転させ、次いで、その回転した別の新たな座標系のZ軸の回りで時計回りにγ回転させるものである。
【0053】
また、各実施例の光学系を構成する光学作用面の中、特定の面とそれに続く面が共軸光学系を構成する場合には面間隔が与えられており、その他、面の曲率半径、媒質の屈折率、アッベ数が慣用法に従って与えられている。
【0054】
なお、後記の構成パラメータ中にデータの記載されていない非球面に関する項は0である。屈折率、アッベ数については、d線(波長587.56nm)に対するものを表記してある。長さの単位はmmである。
【0055】
なお、非球面は、以下の定義式で与えられる回転対称非球面である。
【0056】
Z=(Y2/R)/[1+{1−(1+k)Y2/R21/2
+aY4+bY6+cY8+dY10+・・・
…(a)
ただし、Zを光の進行方向を正とした光軸(軸上主光線)とし、Yを光軸と垂直な方向にとる。ここで、Rは近軸曲率半径、kは円錐定数、a、b、c、d、…はそれぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数である。この定義式のZ軸が回転対称非球面の軸となる。
【0057】
また、拡張回転自由曲面は、以下の定義で与えられる回転対称面である。まず、Y−Z座標面上で原点を通る下記の曲線(b)が定められる。
【0058】
Z=(Y2/RY)/[1+{1−(C1+1)Y2/RY21/2
+C2Y+C32+C43+C54+C65+C76
+・・・・+C2120+・・・・+Cn+1n+・・・・
…(b)
次いで、この曲線(b)をX軸正方向を向いて左回りを正として角度θ(°)回転した曲線F(Y)が定められる。この曲線F(Y)もY−Z座標面上で原点を通る。
【0059】
その曲線F(Y)をZ正方向に距離R(負のときはZ負方向)だけ平行移動し、その後にY軸の周りでその平行移動した曲線を回転させてできる回転対称面を拡張回転自由曲面とする。
【0060】
その結果、拡張回転自由曲面はY−Z面内で自由曲面(自由曲線)になり、X−Z面内で半径|R|の円になる。この定義からY軸が拡張回転自由曲面の軸(回転対称軸)となる。
【0061】
ここで、RYはY−Z断面での球面項の曲率半径、C1は円錐定数、C2、C3、C4、C5…はそれぞれ1次、2次、3次、4次…の非球面係数である。
【0062】
そして、本発明のアタッチメント光学系においては、前群Gfの内面反射面12、13と透過面11、14の少なくとも1面は、このような拡張回転自由曲面であって、Y−Z断面で多項式で表現した場合に、少なくとも奇数次項を持ち対称面を持たない任意形状の線分を中心軸1の周りで回転させて形成される回転対称な形状を有するものとすることが望ましい。少なくとも1面の内面反射面又は透過面にこのような面形状を持たせることにより、反射光学系においては避けられない偏心収差を補正して解像力のよい光学系を提供することができると共に、その光学系の小型化が可能になる。
【0063】
実施例1の光学系の中心軸(回転対称軸)1に沿ってとった断面図を図1に、その光学系内の光路を示す平面図を図2に示す。
【0064】
この実施例のアタッチメント光学系G1は、中心軸1の周りで回転対称な前群Gfと中心軸1の周りで回転対称な後群Gbとからなり、結像光学系G2、像面30を備える撮像装置(投影光学系の場合には、投影装置)に装着されることで、全方位光学系として機能する。
【0065】
遠方の物体から入射する光束2は、前群Gf、後群Gb、結像光学系G2を順に経て中心軸1に垂直な像面30の中心軸1から外れた位置に結像するものであり、中心軸1を垂直(上下方向)に設定した場合、例えば360°全方位(全周)の画角を有する画像であって、天頂方向が画像の中心方向に向き、地平線が外側の円になるような円環状の画像を像面30に結像させる。
【0066】
前群Gfは、中心軸1の周りで回転対称な屈折率が1より大きい樹脂等の透明媒体からなり、2面の内面反射面12、13と2面の透過面11、14を持つものである。内面反射面12、13と透過面11、14も中心軸1の周りで回転対称な形状をしている。また、後群Gbは、中心軸1の周りで回転対称であって、正パワーを有するレンズ系等の同軸屈折光学系からなるものである。この実施例1では、3枚のレンズL1〜L3を含んだ2群からなる正パワーを有するレンズ群で構成されている。
【0067】
この実施例では、後群Gbを構成するレンズ群として、前群Gf側から順に、両凸正レンズL1と、両凸正レンズL2と両凹負レンズL3が接合された接合レンズからなる。
【0068】
結像光学系G2は、入射する光を像面30に結像させるレンズ系と、像面30とアタッチメント光学系G1の間であって、中心軸1と同軸に配置された、円形の開口S(絞り)とで構成されている。この実施例1では、結像光学系20を構成するレンズ系を、理想レンズ(無収差のレンズ系)としている。
【0069】
そして、Gf10の透明媒体は、遠方からの光束2が入射する第1透過面11と、第1透過面11と中心軸1を挟んで反対側に配置されていて、第1透過面11から入射した光束が入射する第1反射面12と、第1反射面12と同じ側に配置され、第1反射面12で反射された光束が入射する第2反射面13と、後群Gfに面していて、第2反射面13で反射された光束が入射する第2透過面14と、を有している。第1透過面11、第1反射面12、第2反射面13は、拡張回転自由曲面で、第2透過面14は球面からなる。ただし、円錐定数、非球面係数は0である。
【0070】
中心軸1が垂直方向に向き、光学系が天頂に向いている場合、水平方向の遠方から入射
する中心光束2は入射面の第1透過面11を経て前群Gfの透明媒体内10に入り、中心軸1を横切って第1透過面11と反対側の第1反射面12で後群Gbから離れるように上方へ反射されて、第1反射面12と同じ側で後群Gbからより離れた側に位置している第2反射面13で後群Gb方向へ再度反射され、射出面の第2透過面14を経て前群Gfの透明媒体10から外に出る。
【0071】
透明媒体10から出た光束2は、後群Gbを通過し、開口Sを介して理想レンズ20に入射し、像面30の中心軸1から外れた半径方向の所定位置に結像する。
【0072】
この実施例1の仕様は
水平画角 360°
垂直画角 10°〜−40°
射出射瞳径 φ6.3mm
中心軸を含む断面でのアフォーカル倍率 0.389
理想レンズの焦点距離 10mm
である。
【0073】
図3に、この実施例1の光学系全体の横収差を示す。この横収差図において、中央に示された角度は、垂直方向の画角を示し、その画角におけるY方向(メリジオナル方向)とX方向(サジタル方向)の横収差を示す。なお、画角正は俯角を、画角負は仰角を示す。以下の実施例の横収差図でも同様である。
【0074】
実施例2の光学系の中心軸(回転対称軸)1に沿ってとった断面図を図4に、その光学系内の光路を示す平面図を図5に示す。また、この実施例2の光学系全体の横収差図を図6に示す。
【0075】
この実施例の光学系は、実施例1と同様の構成であり、実施例1では、後群Gbを複数のレンズ群で構成していたのに対し、本実施例2では、後群Gbを単レンズL1で構成している点を主として構成上異なっている。
【0076】
この実施例2の仕様は
水平画角 360°
垂直画角 10°〜−40°
射出射瞳径 φ5.0mm
中心軸を含む断面でのアフォーカル倍率 0.232
理想レンズの焦点距離 10mm
である。
【0077】
実施例3の光学系の中心軸(回転対称軸)1に沿ってとった断面図を図7に、その光学系内の光路を示す平面図を図8に示す。また、この実施例3の光学系全体の横収差図を図9に示す。なお、図7中、透明媒体10においてフランジ15付近から上方に向けて描かれた円弧は、第1透過面11を延長したときの仮想的断面を示している。
【0078】
この実施例3の光学系は、実施例1と同様の構成であり、実施例1では、後群Gbを3枚のレンズ群で構成していたのに対し、本実施例3では、前群Gf側から順に両凹負レンズL1と両凸正レンズL2の接合レンズで構成されている点、実施例1では、第1透過面11、第1反射面12、第2反射面13を拡張回転自由曲面としていたのに対し、本実施例3では、中心軸1の周りで回転対称な非球面を用いている点を主として構成上異なっている。
【0079】
この実施例3の仕様は
水平画角 360°
垂直画角 −10°〜−50°
射出射瞳径 φ15.0mm
中心軸を含む断面でのアフォーカル倍率 0.098284
理想レンズの焦点距離 47mm
である。
【0080】
図9に、この実施例3の光学系全体の横収差を示す。
【0081】
以下に、上記実施例1〜3の構成パラメータを示す。なお、以下の表中の"ASS"は非球面を、"ERFS"は拡張回転自由曲面を示す。また、"RE"は反射面を示している。
【0082】
実施例1
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ ∞
1 ERFS[1] 偏心(1) 1.5247 56.2
2 ERFS[2](RE) 偏心(2) 1.5247 56.2
3 ERFS[3](RE) 偏心(3) 1.5247 56.2
4 13.48 13.15 偏心(4)
5 56.63 7.00 1.5174 52.4
6 -16.42 0.20
7 16.89 7.00 1.6204 60.3
8 -10.28 1.00 1.6541 39.7
9 13.77 4.00
10 絞り面 10.00
11 理想レンズ 10.00
像 面 ∞

ERFS[1]
RY 35.83
θ -42.66
R -19.88

ERFS[2]
RY -47.45
θ -42.11
R 20.06
C4 1.8156e-006

ERFS[3]
RY -111.35
θ -79.79
R 8.84
C4 5.2808e-005

偏心[1]
X 0.00 Y 5.33 Z 0.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00

偏心[2]
X 0.00 Y -13.26 Z 0.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00

偏心[3]
X 0.00 Y 5.59 Z 0.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00

偏心[4]
X 0.00 Y -18.61 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
【0083】
実施例2
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ ∞
1 ERFS[1] 偏心(1) 1.5247 56.2
2 ERFS[2](RE) 偏心(2) 1.5247 56.2
3 ERFS[3](RE) 偏心(3) 1.5247 56.2
4 8.73 13.55 偏心(4)
5 61.41 5.00 1.5163 64.1
6 -15.48 15.95
7 絞り面 10.00
8 理想レンズ 10.00
像 面 ∞

ERFS[1]
RY 28.40
θ -46.08
R -14.48

ERFS[2]
RY -34.71
θ -44.11
R 13.98
C4 6.3859e-006

ERFS[3]
RY -70.76
θ -80.45
R 6.20
C4 8.6402e-005

偏心[1]
X 0.00 Y 3.88 Z 0.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00

偏心[2]
X 0.00 Y -10.20 Z 0.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00

偏心[3]
X 0.00 Y 4.38 Z 0.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00

偏心[4]
X 0.00 Y -14.24 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
【0084】
実施例3
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ ∞
1 ASS[1] 偏心(1) 1.5247 56.2
2 ASS[2](RE) 偏心(2) 1.5247 56.2
3 ASS[3](RE) 偏心(3) 1.5247 56.2
4 13.45 22.38 偏心(4)
5 -372.64 3.00 1.7495 35.3
6 35.32 14.00 1.6230 58.1
7 -24.84 40.00
8 絞り面 47.00
9 理想レンズ 47.00
像 面 ∞

非球面[1]
曲率半径 21.22
k -4.8337e-001

非球面[2]
曲率半径 -13.48
k -3.2065e+000
a -9.2665e-006 b 4.9844e-009 c -2.8925e-012

非球面[3]
曲率半径 -15.98
k -5.8890e+001
a -5.1045e-006

偏心[1]
X 0.00 Y 27.27 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00

偏心[2]
X 0.00 Y -23.85 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00

偏心[3]
X 0.00 Y 14.12 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00

偏心[4]
X 0.00 Y -16.28 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00

以上、本発明の光学系について、中心軸(回転対称軸)1を垂直方向に向けて天頂を含む360°全方位(全周)の画角の画像を得る撮像あるいは観察光学系として説明してきたが、本発明は撮影光学系、観察光学系に限定されず、光路を逆にとって天頂を含む360°全方位(全周)の画角に画像を投影する投影光学系として用いることもできる。また、内視鏡は管内観察装置の全周観察光学系として用いることもできる。
【0085】
以下に、本発明の光学系の適用例として、パノラマ撮影光学系31又はパノラマ投影光学系32の使用例を説明する。図10は、内視鏡先端の撮影光学系として本発明によるパノラマ撮影光学系31を用いた例を示すための図であり、図10(a)は、硬性内視鏡41の先端に本発明によるパノラマ撮影光学系31を取り付けて360°全方位の画像を撮像観察する例である。また、図10(b)は、軟性電子内視鏡42の先端に本発明によるパノラマ撮影光学系31を取り付けて、表示装置43に撮影された画像を画像処理を施して歪みを補正して表示するようにした例である。
【0086】
図11は、自動車48の各コーナや頂部に撮影光学系として本発明によるパノラマ撮影光学系31を複数取り付けて、車内の表示装置に各パノラマ撮影光学系31を経て撮影された画像に画像処理を施して歪みを補正して同時に表示するようにした例である。
【0087】
図12は、投影装置44の投影光学系として本発明によるパノラマ投影光学系32を用い、その像面に配置した表示素子にパノラマ画像を表示し、パノラマ投影光学系32を通して360°全方位に配置したスクリーン45に360°全方位画像を投影表示する例である。
【0088】
図13は、建物47の外部に本発明によるパノラマ撮影光学系31を用いた撮影装置49を取り付け、屋内に本発明によるパノラマ投影光学系32を用いた投影装置44を配置し、撮影装置49で撮像された映像を、通信線46を介して投影装置44に送るように接続している。このような配置において、屋外の360°全方位の被写体Oを、パノラマ撮影光学系31を経て撮影装置49で撮影し、通信線46を介してその映像信号を投影装置44に送り、像面に配置した表示素子にその映像を表示して、パノラマ投影光学系32を通して屋内の壁面等に被写体Oの映像O'を投影表示するようにしている例である。
【0089】
以上、本発明の種々の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
【符号の説明】
【0090】
1…中心軸(回転対称軸)
2…遠方から入射する中心光束
2c…中心光束の中心光線
3U…遠方の空側から入射する光束
3L…遠方の地側から入射する光束
S…絞り(開口)
6Y、6X…入射瞳
10…前群透明媒体
11…第1透過面(入射面)
12…第1反射面(内面反射面)
13…第2反射面(内面反射面)
14…第2透過面(射出面)
15…フランジ
20…理想レンズ
30…像面
31…パノラマ撮影光学系
32…パノラマ投影光学系
41…硬性内視鏡
42…軟性電子内視鏡
43…表示装置
44…投影装置
45…スクリーン
46…通信線
47…建物
48…自動車
49…撮影装置
Gf…前群
Gb…後群
G1…アタッチメント光学系
G2…結像光学系(投影光学系)
Lb1、Lb2…レンズ
O…被写体
O'…映像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有する結像光学系に装着可能であるとともに、前記結像光学系に装着した際、前記結像光学系を介し360°全方位の画像を像面に結像させるアタッチメント光学系であって、
中心軸の周りで回転対称な2面の反射面と2面の透過面からなる前群と、
中心軸の周りで回転対称であって正パワーを有する後群と、を備えており、
前記前群は、光線の進む順に、
遠方から前記前群に入射する正のパワーを有する第1透過面と、
前記第1透過面と中心軸をはさんで前記後群側に配置されている正のパワーを有する第1反射面と、
前記第1反射面と同じ側に配置され、前記第1反射面より後群から離れて配置されている第2反射面と、
最も後群側に配置されている負のパワーを有する第2透過面からなり、
前記結像光学系に装着した際、光束は、前記前群、前記後群、前記結像光学系を順に経て、像面の中心軸から外れた位置に結像すると共に、中心軸を含む面内の入射瞳と、中心軸と直交し中心光線を含む面内の入射瞳は、異なる位置にあることを特徴とする
アタッチメント光学系。
【請求項2】
中心軸を含む面内の入射瞳は前記第1透過面近傍にあり、中心軸と直交し中心光線を含む面内の入射瞳は中心軸近傍にあることを特徴とする
請求項1記載のアタッチメント光学系。
【請求項3】
中心軸を含む断面内において、入射瞳近傍に中心軸を含む断面内でのみ開口を制限するフレア絞りが配置されていることを特徴とする
請求項1または請求項2に記載のアタッチメント光学系。
【請求項4】
前記前群の第1透過面から第2透過面までの中心主光線の光路長をOP、前記第1透過面の中心軸を含む面内の焦点距離をf1yとするとき、
0.5<OP/f1y<10 ・・・(1)
なる条件を満たすことを特徴とする
請求項1から請求項3の何れか1項に記載のアタッチメント光学系。
【請求項5】
0.7<OP/f1y<3 ・・・(1−1)
なる条件を満たすことを特徴とする
請求項4に記載のアタッチメント光学系。
【請求項6】
前記前群の第1透過面から第2透過面までの中心主光線の光路長をOP、前記第2透過面の焦点距離をf2とするとき、
−20<OP/f2<−1 ・・・(2)
なる条件を満たすことを特徴とする
請求項1から請求項5の何れか1項に記載のアタッチメント光学系。
【請求項7】
−10<OP/f2<−3 ・・・(2−1)
なる条件を満たすことを特徴とする
請求項6に記載のアタッチメント光学系。
【請求項8】
前記第1透過面と第1反射面の間の外周部に光学系を固定するフランジを有することを特徴とする
請求項1から請求項7の何れか1項に記載のアタッチメント光学系。
【請求項9】
前記結像光学系として、投影光学系を用い、
前記像面に画像表示素子を配置して、前記画像表示素子に表示された画像を逆光線で360゜全方位の画角に投影することを特徴とする
請求項1から請求項8の何れか1項に記載のアタッチメント光学系。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−257630(P2011−257630A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−132846(P2010−132846)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】