説明

アデノシンA2A受容体のリガンドとして有用なトリアゾリルプリンの酸化誘導体とその薬剤としての使用

本発明は、式Iの新規のトリアゾリルプリン誘導体、それらの製造方法、およびアデノシンA2A受容体の阻害によって患者の健康状態が改善される神経障害または脳虚血の治療のためにそれらを含む医薬組成物に関する。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規のトリアゾリルプリン誘導体、それらの製造方法、およびアデノシンA2A受容体の阻害によって患者の健康状態が改善される神経障害の治療のためのそれらを含む医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
アデノシンAは内在性モジュレーターであり、他の効果の中で、このモジュレーターは中枢神経系の一般的な鬱病、血管拡張、および血小板凝集阻害の仲介をする。
【0003】
アデノシン受容体は、プリン受容体(purinoreceptors)として知られるプリン・ヌクレオチド受容体およびプリン・ヌクレオシド受容体の群のサブクラス(P1)を意味する。現在まで、アデノシン受容体の4つのサブタイプが知られている(すなわち、A、A2A、A2B(高アフィニティーと低アフィニティー)、およびA受容体)。すべてのアデノシン受容体は、Gタンパク質と共役している;AおよびAのサブタイプは阻害性Gタンパク質と関連しており、A2AおよびA2Bのサブタイプは刺激性Gタンパク質と関連している。A受容体およびA受容体の活性化は、アデニル酸シクラーゼおよびホスホリパーゼCの阻害を引き起こし、そして神経伝達を阻害する。A受容体は、脳内で適度に発現されるA受容体と比較して、脳の特に海馬、視床、小脳、および皮質において顕著に発現される。A2A受容体およびA2B受容体の活性化は、アデニル酸シクラーゼおよびホスホリパーゼCの活性化を引き起こし、そして神経伝達への刺激となる。A2A受容体は、ドーパミンD2受容体とともに、脳の特に線条体、嗅結節、および側坐核において共発現され、また神経変性病変に関係している。
【0004】
2a受容体は、中枢神経系(線条体、側坐核、および嗅結節)において高密度に分布し、そこで心的状態と運動活動の制御において重要な機能を果たす(Poulsen,S.A.ら,Bioorg.Med.Chem.,1998,6,619;Ongini,E.ら,TrendsPharmacol.Sci.,1996,17,364)。パーキンソン病は、ドーパミン置換戦略によって30年以上にわたり治療されてきた(Cotzias,G.C.ら,N.Engl.J.Med.,1969,280,337)。しかし、ドーパミン置換剤の長期にわたる使用は重度の機能障害を引き起こす副作用に関連しているので、最も顕著なのは運動障害(Chase T.N.,Neurology,1998,50,S17-S25)であり、単独療法としての非ドーパミン治療は、そのような疾患を治療する有望な戦略と判断された(Brotchie,J.M.,Curr.Opin.Neurol.,1997,10,340)。さらに、いくつかの科学的なエビデンスも、線条体淡蒼球系経路ニューロンにおけるアデノシンA2a受容体の合成の増加が、パーキンソン病での長期にわたるレボドパ療法の後に生じる運動障害の発症と関連していることを示唆する(Calon,F.ら,Brain,2004,127,1075;Xiao,D.ら,J.Neurosci.,2006,26,52,13548)。L−DOPAの低用量と関連して、A2Aアンタゴニストは、異常な運動性副作用の増悪を伴わないL−DOPAの総量によって生じるものと類似した抗パーキンソン病活性を示した(Tronci E.ら,Eur J.Pharmacol.,2007,566,94;Jenner P.,Expert Opin.Investig.Drugs,2005,14,,729)。
【0005】
アデノシンは、例えばてんかん、脳の虚血性プレコンディショニング、睡眠、および脳内の免疫反応といった数多くの他の病変に関連するとされてきた(Brundege,J.M.ら,Adv.Pharma.,1997,39,353)。
【0006】
抗糖尿病化合物としての式Aのイミダゾピリミジン誘導体は、米国再発行特許第 RE39112号(Eisai Co.,Ltd.)で開示されている。
式A
【化1】

である。
【0007】
後者の化合物の94%(237個の例証化合物の内223個)は、R基としてフルオロ含有フェニル部分、および/またはR基内に第三級アルコールを示し、このことは、それらの部分は、活性を化合物に与えるために重要な特徴を構成することを示唆した。
【0008】
本出願人によって提出された特許(欧州特許第1412354号)は、抗精神病特性を有するトリアゾリル−イミダゾピリジン(triazolvl−imidazopyridine)誘導体およびトリアゾリルプリン誘導体を開示している。しかし、本発明の化合物のいずれもが、開示も示唆もされていなかった。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は式Iの新規の化合物、またはその水和物、またはその溶媒和物を提供し、アデノシンA2a阻害特性を有するそのような化合物を含む組成物を提供する:
【化2】

[式中、
=は、C−Cの直鎖状または分枝状のアルキルであり;
は、式
【化3】

の群であり;
、R、およびRは、いずれの発生においても、独立してH、水酸基、またはカルボニルを意味する=Oであり;
、R、およびRは、いずれの発生においても、独立してHまたは非存在であり;
m、n、およびpは、独立して0と2の間に含まれる整数であり;
m+n+p4であり;
は、NH、NHR10であり;
10は、C−CアルキルまたはC−Cヒドロキシアルキル、C−Cアルコキシアルキル、アミノ(C−C)アルキル、ここで前記アミノ基は1または2のC−Cアルキル基で任意に置換され、前記アルキル基は直鎖状または分枝状である;C−C14アリールまたはC−C14アリール(C−C)アルキル、ここで前記アリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C−Cの直鎖状または分枝状の飽和または不飽和のアルコキシ、C−Cの直鎖状または分枝状のアルキルで一または二置換されるアミノからなる群から選択される同一であるか異なる1以上の置換基により任意に置換される]
それらの光学的に活性な形態、例えば鏡像異性体、ジアステレオマーおよびそのラセミ体、ならびにそれらの医薬的に許容され得る塩である;
ただし、R、R、およびRは、同時にすべてがHではない。
【発明の効果】
【0010】
我々は、本発明によって製造された誘導体(I)が、A2A受容体活性の調節が患者の健康の増進となる病態、疾患、および病的状態の治療に有用な薬剤であることを見いだした。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】マウスでのハロペリドールによって誘発されたカタレプシーに拮抗することにおけるST3932の有効性を示す図である。
【図2】6−OHDA破壊ラットの反対側回転の回数の増加におけるST4206の有効性を示す図である。
【図3】6−OHDA破壊ラットの反対側回転の回数の増加におけるST3829の有効性を示す図である。
【図4】6−OHDA破壊ラットの反対側回転の回数の増加におけるST3932の有効性を示す図である。
【図5】6−OHDA破壊ラットの反対側回転の回数の増加におけるST4206の有効性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態は、薬剤としての使用のための、式Iの化合物の実施形態である。
【0013】
他の実施形態では、前記薬剤は、大脳基底核における機能的な変化に由来する運動障害により影響を受ける対象者を治療するために使用される。
【0014】
さらに他の実施形態では、前記運動障害は、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、およびウィルソン病を含む病気に関連するものから成る。
【0015】
他の実施形態では、式Iの化合物は、脳虚血の治療のためのおよび/または神経変性プロセスに関する治療のための薬剤の製造にも有用である。
【0016】
「アルキル」という用語は、1から6の炭素原子を有する直鎖状または分枝状のアルキル基を言う。好ましいアルキル基は、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、neo−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシルなどの群により例示される。
【0017】
「アルケニル」という用語は、好ましくは2から12の炭素原子を有するか、または好ましくは「低級」アルケニル基とも呼ばれる2から6の炭素原子を有する直鎖状または分枝状のアルケニル基を意味し、そしてアルケニル基は、少なくとも1箇所または2箇所にアルケニル不飽和を有する。好ましいアルケニル基は、エテニル(−CH=CH2)、プロペニル(アリル、−CHCH=CH)などを含む。アルケニルという用語は、「シス」および「トランス」幾何学的配置を有するまたは代わりに「Z」および「E」を有する基を含む。
【0018】
「シクロアルキル」という用語は、3から10の炭素原子を有する飽和または部分的に不飽和の(すなわち、芳香族ではない)炭素環式基を意味し、該炭素環式基は単環または縮合環を有する。C−C10のシクロアルキルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニル、アダマンチルなどが含まれる。
【0019】
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、窒素原子、酸素原子、または硫黄原子からなる群から選択される一またはそれ以上のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和の(すなわち、芳香族ではない)5員環、6員環、または7員環を意味し、そしてその環は、低級アルキル、低級アルケニル、またはアリールで置換され得る。好ましいヘテロシクロアルキルは、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ケトピペラジン、2,5−ジケトピペラジン、1−メチルピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラン、ジヒドロピロール、イミダゾリジン、ジヒドロピラゾール、ピラゾリジンなどを含む。
【0020】
「アリール」という用語は、張り出した形で結合し得るか、または縮合し得る単環(例えば、フェニル)または縮合環を有する6から14の炭素原子を有する芳香族炭素環式基を意味する。好ましいアリールは、フェニルを含む。
【0021】
「アルコキシ」という用語は、−O−R基を意味し、そこでRは、「C−Cアルキル」、「C−Cアルケニル」、「C−C10シクロアルキル」、および「ヘテロシクロアルキル」を含む。
【0022】
「アルコキシアルキル」という用語は、上記で定義されるようなアルコキシ置換基を有する上記で定義されるようなアルキル基を意味し、2−エトキシエチル、メトキシメチルなどを含む。
【0023】
「アミノ」という用語は、−NRR’基を意味し、そこでRおよびR’は、独立したH、「アルキル」、「アルケニル」、「シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」であり、そこでRおよびR’は、それらが結合する窒素原子とともに、上記で定義されるような3員から8員のヘテロシクロアルキル環を任意に形成する。「アミノアルキル」または「アミノ(C−C)アルキル」という用語は、上記で定義されるようなアルキル基を意味し、上記で定義されるようなアミノ置換基を有する。
【0024】
「医薬的に許容され得る塩または複合体」は、式(I)の化合物の下記で特定する塩または複合体を意味し、その塩または複合体は、好ましい生物活性を保持する。そのような塩の例は、無機酸(例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸など)とともに形成される酸添加塩や、例えば酢酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸、マレイン酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パモン酸、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、メタンスルホン酸、およびポリガラクツロ酸といった有機酸とともに形成される塩を含むが、これらに限定されない。塩がモノ酸(例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、またはアセテート)である場合、水素はジ酸(例えば硫酸水素塩またはコハク酸塩)を形成し、または二水素はトリ酸(例えばリン酸二水素塩またはクエン酸塩)を形成し、少なくとも一つのモル当量と通常は酸のモル過剰が使用される。しかし、硫酸塩、ヘミコハク酸塩、リン酸水素塩、またはリン酸塩といった塩が好まれる場合、適切で正確な酸の化学当量が通常、使用される。
【0025】
「医薬的に活性な誘導体」は、患者への投与において、本明細書で開示する活性を直接的または間接的に提供し得るあらゆる化合物を意味する。
【0026】
式Iの化合物は、単独で、または例えばL−DOPAといったさらなる医薬品と併用して使用され得る。
【0027】
本発明の化合物は、以下の一般的な方法および手順を使用して、容易に入手され得る出発物質から調製され得る。一般的または好ましい実験条件(すなわち、反応温度、時間、試薬のモル、溶媒、その他)が与えられるが、特に明記しない限り他の実験条件も使用され得ると認識されるだろう。最適反応条件は、使用する特定の反応物または溶媒によって変化し得るが、そのような条件は、ルーチンの最適化手順によって当業者により決定され得る。
【0028】
医薬品として使用される場合、本発明の化合物は、医薬組成物の形で一般的に投与される。したがって、化学式(I)の化合物および医薬的に許容され得るキャリヤを含む医薬組成物は、したがって、希釈剤または賦形剤もまた本発明の範囲内である。そのような組成物は、製薬技術でよく知られている方法で調製され得る、そして少なくとも一つの活性化合物を含む。当業者は、医薬組成物を形成するのに適したそのようなキャリヤ化合物、希釈剤化合物、または賦形剤化合物のすべての種類を認識している。
【0029】
本発明の化合物は、従来通り使用されるアジュバント、キャリヤ、希釈剤、または賦形剤とともに、医薬組成物およびその単位用量の形に入れられ得る、そしてそのような形は、経口投与のための全ての、例えばタブレットまたは充填カプセルといった固体として、あるいは例えば溶液、懸濁液、エマルジョン、エリキシル剤、またはそれらを充填したカプセルといった液体として、または非経口(皮下投与を含む)のための無菌の注射剤の形にて使用され得る。そのような医薬組成物およびその単位剤形は、従来の割合で成分を含み、さらなる活性化合物または有効成分を含むまたは含まず、そしてそのような単位剤形は、使用目的の1日の用量範囲に相応した、有効成分のあらゆる適切な有効量を含み得る。
【0030】
通常、本発明の化合物は、「医薬的な有効量」で投与される。実際に投与される化合物の量は、治療される状態、選択された投与経路、投与される実際の化合物、薬の組合せ、年齢、体重、各患者の反応、患者の症状の重症度などを含む関連状況を考慮して、通常医師によって決定されるであろう。通常、有効量は0.01mg/kgから100mg/kgまで、そして好ましくは0.05mg/kgから50mg/kgである。組成物は、単独で患者に投与され得る、あるいは他の化学物質、薬剤、またはホルモンと併用して投与され得る。あらゆる化合物では、治療的な有効量は、細胞培養アッセイにおいて、あるいは通常、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、イヌ、またはブタの動物モデルにおいて、最初に推定され得る。
【0031】
動物モデルは、適切な濃度範囲と投与経路を決定するためにも使用され得る。次に、そのような情報は、ヒトにおける有用な用量および投与経路を決定するのに使用され得る。ヒト相当用量(HED)を計算する際に、FDAから入手可能なGuidance for Industry and Reviewers(工業とレビュアーのためのガイダンス)文書でFDAによって提供される換算表を使用することが推奨される。本発明の医薬組成物は、経口、直腸、舌下、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、髄腔内、腹腔内、鼻腔内、および外科手術後の病変組織の局所を含む様々な経路によって投与され得る。
【0032】
化合物送達の使用経路に従い、化合物は、非経口用組成物、局所用組成物、または経口用組成物として好適に形成される。経口投与のための組成物は、バルク液体溶液、バルク液体懸濁液、またはバルク粉末の形をとり得る。しかし、より一般には、組成物は、正確な投薬を容易にするために単位剤形として存在する。「単位剤形」という用語は、被験者や他の哺乳類のために単位用量として適した物理的に個別の単位を意味し、各単位は、適当な医薬賦形剤に関連して、好ましい治療効果を生じさせるために計算されたあらかじめ定量された活性成分量を含む。一般的な単位剤形は、液体組成物では詰め替えの測定済みのアンプルまたは注射器、あるいは固体組成物の場合では錠剤、タブレット、カプセルなどを含む。そのような組成物では、本発明の化合物は、通常、マイナー成分(約0.1から約50重量%、または好ましくは約1から約40重量%)であり、残りは様々なビヒクルまたはキャリヤ、および好ましい投薬形を形成するのを支援する加工助剤である。
【0033】
投薬治療は、単回投与計画または複数回投与計画であり得る。経口投与に適した液状形は、バッファー機能を有する適切な水性または非水性のビヒクル、懸濁化剤、分配剤(dispensing agents)、着色剤、香味料などを含み得る。
【0034】
固体形は、例えば、あらゆる以下の成分、または類似した性質の化合物を含み得る:例えば微結晶セルロース、アカシア、トラガカントゴム、ゼラチン、またはポリビニルピロリドンといった結合剤;例えば澱粉またはラクトースといった賦形剤、例えばアルギン酸、プリモゲル(primogel)ジャガイモ澱粉、またはトウモロコシ澱粉といった崩壊剤;例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、またはシリカといった潤滑剤;例えばコロイド状二酸化ケイ素といった滑剤;例えば蔗糖またはサッカリンといった甘味料;あるいは、例えばペパーミント、サリチル酸メチル、またはオレンジ香味料といった香味剤。タブレットは、医薬品業務の当業者によく知られている方法に従ってコーティングされ得る。
【0035】
非経口組成物は、通常、注射可能な無菌食塩水、またはリン酸緩衝生理食塩水、または当技術分野に知られている他の注射可能なキャリヤに基づく。上記で述べたように、そのような組成物中の式Iの化合物は、通常、約0.05から約10重量%の範囲内であることが多いマイナー成分であり、その残りは注射可能なキャリヤなどである。
【0036】
また、本発明の化合物は、徐放の形で、または徐放性の薬物送達システムから、投与され得る。代表的な徐放材料についての説明は、Remington’s Pharmaceutical Sciencesに組み込まれた材料においても見つけられ得る。
【0037】
経口投与組成物または非経口投与組成物に関する上記の成分は、単に代表的なものにすぎない。さらなる材料とともに加工技術などは、「Part 5 of Remington’s Pharmaceutical Sciences, 20th Edition,2000,Mack Publishing Company,Easton,Pennsylvania」に述べられており、それを参照として本明細書に組み込む。
【0038】
本発明のさらなる実施形態は、一またはそれ以上の式(I)の化合物を、適した賦形剤、安定剤、および/または医薬的に許容され得る希釈剤と混合することを特徴とする医薬組成物の製造方法についてである。
【0039】
上記で開示したように、本発明の化合物は、それらのA2a調節特性のため、A2a調節が患者の健康を改善する疾患の治療のための薬剤として有用である。特に、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、ウィルソン病、精神障害、ハレルフォルデン・スパッツ病、進行性淡蒼球変性症、および糖尿病を患っている患者を治療できる。
【0040】
本発明の目的は、先に述べたように、賦形剤および/または医薬的に許容され得る希釈剤と組合せた、式Iの化合物を含む医薬組成物についてである。
【0041】
本発明のさらなる実施形態は、上記で定義したような式Iの化合物の製造方法である。本発明の化合物は、従来の合成方法によって製造され得る、そして以下に説明する。
【0042】
方法A
化学式(I)
[式中;
は、C−Cの直鎖状または分枝状のアルキルであり;
は、式
【化4】

の基であり;式中、
、R、R、およびRは、Hであり;
およびRは、いずれの発生においても、独立してHまたは水酸基であり、それらの少なくとも1つは水酸基であり;
mおよびpは、独立して0と2の間に含まれる整数であり;
nは、1または2であり;
m+n+p4である;
は、NH、NHR10である;式中、
10は、C−CアルキルまたはC−Cヒドロキシアルキル、C−Cアルコキシアルキル、アミノ(C−C)アルキル、ここで前記アミノ基は1または2のC−Cアルキル基で任意に置換され、前記アルキル基は直鎖状または分枝状である;C−C14アリールまたはC−C14アリール(C−C)アルキル、ここで前記アリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C−Cの直鎖状または分枝状の飽和または不飽和のアルコキシ、C−Cの直鎖状または分枝状のアルキルで一または二置換されるアミノからなる群から選択される、同一であるか異なる1以上の置換基により任意に置換されている]
の化合物は、
温度範囲0℃から室温で、例えばTHFまたはNMPといった非プロトン性溶媒中にFe(acac)存在において、
式II
【化5】

[式中、
は、C−Cの直鎖状または分枝状のアルキルであり;
11は、N(R13であり;
13は、ベンジル、p−(MeO)−ベンジル、p−(Cl)−ベンジル、またはp−(Br)−ベンジルであり;
12は、Clである]の化合物と、
化学式III
【化6】

[式中、
Xは、ClまたはBrであり;
、R、R、およびRは、Hであり;
6aとR8aは、いずれの発生においても、独立してOHまたはHであり、それらの少なくとも1つはOHであり;
mおよびpは、独立して0と2の間に含まれる整数であり;
nは、1または2であり;
m+n+p4である]の化合物との反応を含む方法により合成され得る。
【0043】
方法B
化学式I
[式中、
は、C−Cの直鎖状または分枝状のアルキルであり;
は、式
【化7】

の基であり;式中、
およびRは、Hであり;
およびRは、いずれの発生においても、独立してHまたはカルボニルを意味する=Oであり;RおよびRの少なくとも1つは、カルボニルを意味する=Oであり;
およびRは、いずれの発生においても、独立してHであるか、または前記R基または前記R基と結合する関連炭素原子がカルボニル結合に関与する場合には非存在であり;
mおよびpは、独立して0と2に含まれる整数であり;
nは、1または2であり;
m+n+p4である;
は、NH、NHR10である;式中、
10は、C−CアルキルまたはC−Cヒドロキシアルキル、C−Cアルコキシアルキル、アミノ(C−C)アルキル、ここで前記アミノ基は1または2のC−Cアルキル基で任意に置換され、前記アルキル基は直鎖状または分枝状である;C−C14アリールまたはC−C14アリール(C−C)アルキル、ここで前記アリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C−Cの直鎖状または分枝状の飽和または不飽和のアルコキシ、C−Cの直鎖状または分枝状のアルキルで一または二置換されるアミノから構成される群から選択される、同一であるか異なる1以上の置換基により任意に置換されている]の化合物は、
温度範囲0℃から室温で、例えばTHFまたはNMPといった非プロトン性溶媒中にFe(acac)存在下において、
上記で定義したように、式IIの化合物と、
化学式IV
【化8】

[式中
Xは、ClまたはBrであり;
6bおよびR6cは、いずれの発生においても、独立して両方がHであるか、あるいはそれらが結合する炭素原子とともにまとまる場合、2以上のメチル基によって任意に置換された1,3−ジオキサン基を形成し、少なくとも1の発生は、2以上のメチル基によって置換された1,3−ジオキサン基であり;
qは、0と3の間に含まれる整数であり;
rおよびsは、独立して1と3の間に含まれる整数であり;そして
q+r+s4である]
の化合物との反応を含む方法により合成され得る。
【0044】
方法C
式I
[式中
は、C−Cの直鎖状または分枝状のアルキルであり;
は、式
【化9】

の基であり;式中
は、ヒドロキシル基、またはカルボニルを意味する=Oであり;
は、Hであるか、またはRがカルボニルを意味する=Oである場合には非存在であり;
およびRは、いずれの発生においても、独立してH、ヒドロキシル基、またはカルボニルを意味する=Oであり;
およびRは、いずれの発生においても、独立してHであるか、または前記R基および前記R基と結合する関連炭素原子がカルボニル結合に関与する場合には非存在であり;
nは、1であり;
mおよびpは、1と2の間で含まれる独立した整数であり、そしてm+p3である;
10は、C−CアルキルまたはC−Cヒドロキシアルキル、C−Cアルコキシアルキル、アミノ(C−C)アルキルであり、そこで該アミノ基は1または2のC−Cアルキル基で任意に置換され、前記アルキル基は直鎖状または分枝状である;C−C14アリールまたはC−C14アリール(C−C)アルキルであり、そのアリール基は1以上の置換基により任意に置換され、その置換基は同一であるか異なる、その置換基はハロゲン、ヒドロキシ、C−Cの直鎖状または分枝状の飽和または不飽和のアルコキシ、C−Cの直鎖状または分枝状のアルキルで一または二置換されるアミノからなる群から選択される]の化合物は、
以下の工程を含む方法により合成され得る:
温度範囲−78℃から室温で、例えばTHFといった非プロトン性溶媒中における、
a)式V
【化10】


[式中、Rは、C−Cの直鎖状または分枝状のアルキルである]
の化合物と、i−PrMgClとの反応;
b)式VIの化合物のin situ添加
【化11】

式中、
6dおよびR7dは、いずれの発生においても、独立してHまたはOHであり、それらの少なくとも1つはHであり;あるいは、
6dおよびR7dは、それらが結合する炭素原子とともにまとまる場合、2以上のメチル基によって任意に置換される1,3−ジオキサン基を形成し;
8dは、Hまたはヒドロキシル基であり;
sおよびtは、1と2の間に含まれる独立した整数であり、そしてs+t3である]。
【0045】
方法D
式(I)
[式中、
=は、C−Cの直鎖状または分枝状のアルキルであり;
は、

【化12】

(式中、
およびRは、Hであり;
およびRは、いずれの発生においても、独立してH、ヒドロキシル基、またはカルボニルを意味する=Oであり;
およびRは、いずれの発生においても、独立してHである、または前記R基および前記R基と結合する関連炭素原子がカルボニル結合に関与する場合には非存在であり;
mおよびpは、独立して0と2の間に含まれる整数であり;
n=2であり;
m+n+p4である)の基である;
はNH、NHR10であり;式中、
10は、C−CアルキルまたはC−Cヒドロキシアルキル、C−Cアルコキシアルキル、アミノ(C−C)アルキル、ここで前記アミノ基は1または2のC−Cアルキル基で任意に置換され、前記アルキル基は直鎖状または分枝状であり;C−C14アリールまたはC−C14アリール(C−C)アルキル、ここで前記アリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C−Cの直鎖状または分枝状の飽和または不飽和のアルコキシ、C−Cの直鎖状または分枝状のアルキルで一または二置換されるアミノからなる群から選択される、同一であるか異なる1以上の置換基により任意に置換される]の化合物は、温度範囲0℃から室温で、例えばジオキサンといった極性溶媒中でビス−トリフェニルホスフィン・パラジウム・ジクロリド、CuI、および任意に例えばトリエチルアミンといった第三アミンの存在下における、
式VII
【化13】

[式中、
=は、C−Cの直鎖状または分枝状のアルキルである]の化合物と、
式VIII
【化14】

[式中、Rは、いずれの発生においても、独立してHまたはOHであり、
uは、2または2よりも大きい整数である]の化合物との反応を含む方法により合成され得る。
【0046】
方法E
化学式(I)
[式中、
=は、C−Cの直鎖状または分枝状のアルキルであり;
は、

【化15】

(式中、R、R、およびRは、いずれの発生においても、独立してH、ヒドロキシル基、またはカルボニルを意味する=Oであり;
、R、およびRは、いずれの発生においても、独立してHであるか、あるいは前記R基、前記R基、および前記R基と結合する関連炭素原子がカルボニル結合に関与する場合には非存在であり;
m、n、およびpは、独立して0と2の間に含まれる整数であり;
n=は、2であり;
m+n+p4である)の基であり;
はNH、NHR10である;
10は、C−CアルキルまたはC−Cヒドロキシアルキル、C−Cアルコキシアルキル、アミノ(C−C)アルキル、ここで前記アミノ基は1または2のC−Cアルキル基で任意に置換され、前記アルキル基は直鎖状または分枝状である;C−C14アリールまたはC−C14アリール(C−C)アルキル、ここで前記アリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C−Cの直鎖状または分枝状の飽和または不飽和のアルコキシ、C−Cの直鎖状または分枝状のアルキルで一または二置換されるアミノからなる群から選択される、同一であるか異なる1以上の置換基により任意に置換される]の化合物は、例えばNMPといった極性溶媒中にヘルマン触媒(Hermann’s catalyst)およびナトリウムアセタートの存在下において、
上記で述べたように式IIの化合物と、
化学式IX
【化16】

[式中、
14は、各発生において、独立してHまたはOHであり;
15は、HまたはOHであり;
2である]の化合物との反応を含む方法により合成され得る。
【0047】
方法F
式(I)
[式中、
=は、C−Cの直鎖状または分枝状のアルキルであり;
は、式
【化17】

(式中、RおよびRは、Hであり;
およびRは、いずれの発生においても、独立してH、ヒドロキシル基、またはカルボニルを意味する=Oであり;
およびRは、いずれの発生においても、独立してHまたは非存在であり;
mおよびpは、独立して0と2の間に含まれる整数であり;
1であり;
m+n+p4である)の基であり;
はNH、NHR10である;式中、
10は、C−CアルキルまたはC−Cヒドロキシアルキル、C−Cアルコキシアルキル、アミノ(C−C)アルキル、ここで前記アミノ基は1または2のC−Cアルキル基で任意に置換され、前記アルキル基は直鎖状または分枝状であり;C−C14アリールまたはC−C14アリール(C−C)アルキル、ここで前記アリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C−Cの直鎖状または分枝状の飽和または不飽和のアルコキシ、C−Cの直鎖状または分枝状のアルキルで一または二置換されるアミノからなる群から選択される、同一であるか異なる1以上の置換基により任意に置換されている]の化合物は、
例えばTHFといった極性溶媒中において
上記で述べたように式VIIの化合物と、化学式X
【化18】

[式中、
およびRは、Hであり;
6dおよびR7dは、いずれの発生においても、独立してHまたはOHであり、それらの少なくとも1はHであり;あるいは、
6dおよびR7dは、それらが結合する炭素原子とともにまとまる場合、2以上のメチル基によって任意に置換される1,3−ジオキサン基を形成し;
は、いずれの発生においても、独立してHまたはヒドロキシル基であり;
は、Hであり;
mおよびpは、独立して0と2の間に含まれる整数であり;
1であり;
m+n+p4である]の化合物との反応を含む方法により合成されうる。
【0048】
すべての前記変換においては、有機化学で述べられ、そして当業者によく知られているよく確立された手順(例えば以下を参照:Greene T.W.and P.G.M.Wuts“Protective Groups in Organic Synthesis”(有機合成における保護基),J.Wiley&Sons,Inc.,3rd Ed., 1999)に従って、あらゆる阻害的な反応基は保護され得る、そして脱保護される。
【0049】
実施例
略語:
AcOEt:酢酸エチル
atm:気圧
bs:ブロード・シングレット
DCM:ジクロロメタン
DMEM:ダルベッコ変法イーグル培地
DMSO:ジメチルスルホキシド
EDTA:エチレンジアミン四酢酸
EtO:ジエチルエーテル
FBS:ウシ胎仔血清
MeOH:メタノール
MgCl:二塩化マグネシウム
MS:質量スペクトル
NaSO:硫酸ナトリウム
NEt:トリエチルアミン
NMP:N−メチルピロリジノン
PBS:リン酸緩衝生理食塩水
PCC:ピリジニウムクロロクロマート
RPHPLC:逆相高速液体クロマトグラフィー
Rt:保持時間
RT:室温
TfOH:トリフルオロメタンスルホン酸

概論:Hスペクトルは、記述の通りにCDCl溶液中またはDMSO−d溶液中で、Bruker製機器で200MHzで記録された。化学シフト値はppmで表し、結合定数はHzで表す。フラッシュカラムクロマトグラフィーは、シリカゲル(Merck 230〜400mesh)を使用して行った。
【0050】
キラルクロマトグラフィーは、Vis−UV SPD 10A Shimadzu detectorとShimadzu C−R6A chromatopak integratorに接続した、HPLC Shimadzu LC−10AS chromatographを使用して行った。固定相は、直径0.46cmで長さ25cmのChiralpak AD−H column、Daicel Chemical industries(Chiral France)[アミローストリス(3,5−ジメチルフェニルカルバメート)でコーティングされた5mmのシリカゲル]から成った。移動相は、n−ヘキサン/2−プロパノール:9/1で構成され、流速は1ml/分に等しく、λ289nmであった。
【0051】
実施例1
4−(6−アミノ−9−メチル−8[1,2,3]トリアゾール−2−イル−9H−プリン−2−イル)ブタン−1−オール(ST4023)
工程A:4−(6−クロロ−9−メチル−9H−プリン−2−イル)3−ブチン−1−オール
NEt(4.9ml、34.5mmol)と3−ブチン−1−オール(1.1ml、25.63mmol)を、ジオキサン(93ml)中に6−クロロ−2−ヨード−9−メチル−9H−プリン(6.8g、23.3mmol)、CuI(454mg、2.23mmol)、およびビス−トリフェニルホスフィン・パラジウム・ジクロリド(811mg、1.15mmol)を含む溶液に添加した。反応混合物を、RTで1時間にわたり撹拌した。溶媒を、減圧下で除去した。水(50ml)を、得られた暗色の残留物に添加した。水相を、DCM(3X100ml)で抽出した。複合有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH:94/6)により精製して、灰色の沈殿物を得た。
収率77%。
H NMR(DMSO−d)δ:2.67(t、2H、J=6.82Hz)、3.68(t、2H、J=6.82Hz)、3.86(s、3H)、5.01(bs、1H)、8.68(s、1H)。
13C NMR(DMSO−d)δ:23.33、30.63、59.62、80.55、88.11、130.42、144.73、148.86、149.28、152.79
MS(ESI)m/e:237〜239(M+H)
【0052】
工程B:4−(6−アミノ−9−メチル−9H−プリン−2−イル)3−ブチン−1−オール
ジオキサン(4ml)中の4−(6−クロロ−9−メチル−9H−プリン−2−イル)3−ブチン−1−オール(650mg、2.74mmol)の溶液に、30重量%のアンモニア水溶液(8ml)を添加した。反応混合物を、70℃のオートクレーブ内にて一晩にわたり撹拌した。溶液を、アンモニアを除去するために、50℃で大気圧下で濃縮した。反応混合物を、2時間RTに維持し、そして白色の沈殿物を得た。その固体を、真空下でろ過し、乾燥させた。
収率78%。
H NMR(DMSO−d)δ:2.52(t、2H、J=6.82Hz)、3.58(dt、2H、J=6.82Hz、J=5.5Hz)、3.68(s、3H)、4.90(t、1H、J = 5.5 Hz)、7.25(bs、2H)、8.09(s、1H)。
13C NMR(DMSO−d)δ:23.24、29.84、59.95、82.23、83.46、118.51、142.58、146.01、150.38、156.05
MS(ESI)m/e:218(M+H)
【0053】
工程C:4−(6−アミノ−9−メチル−9H−プリン−2−イル)ブタン−1−オール
エタノール(30ml)中の4−(6−アミノ−9−メチル−9H−プリン−2−イル)3−ブチン−1−オール(1.5g、6.88mmol)の溶液に、黒鉛上10%のパラジウム(1.35g、重量の20%)を添加した。混合物を、4気圧の水素下で50℃のオートクレーブ内にて16時間にわたり撹拌した。触媒を、セライトの小さなパッドを通してろ過し、そして得られた溶液を、減圧下に濃縮し、さらなる精製なしに以下の反応に使用される残留物を得た。
収率70%。
H NMR(DMSO−d)δ:1.49(m、2H)、1.70(m、2H)、2.55(t、2H)、3.39(m、2H)、3.67(s、3H)、4.34(bs、1H)、7.01(s、2H)、7,97(s、1H)。
13C NMR(DMSO−d)δ:25.54、29.68、32.85、39.04、61.09、117.39、141.33、151.04、156.05、164.93
MS(ESI)m/e:222.0(M+H)
【0054】
工程D:4−(6−アミノ−8−ブロモ−9−メチル−9H−プリン−2−イル)ブタン−1−オール
−14℃で、臭素(0.4ml、6.8mmol)を、ジオキサン(5ml)とアセテート・バッファーpH4(2.5ml)(100mlの水に、4gのナトリウムアセテートを溶かし、氷酢酸でpH4に調整して得られる)の混合物に溶解した4−(6−アミノ−9−メチル−9H−プリン−2−イル)ブタン−1−オール(250mg、1.13mmol)に、滴下状に添加した。反応物を、この温度で10分間にわたり撹拌し、次にRTで15分間にわたり撹拌した。過剰な臭素を、メタ重亜硫酸ナトリウムで除去し、そして反応物を、NaCO飽和溶液を添加することによりpH8にした。水相を、DCM(6X10)で抽出した。有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮し、さらなる精製なしで以下の反応に使用される残留物が得られた。
【0055】
工程E: 4−(6−アミノ−9−メチル−8[1,2,3]トリアゾール−2−イル−9H−プリン−2−イル)ブタン−1−オール(ST4023)
無水DMF(20ml)中に4−(6−アミノ−8−ブロモ−9−メチル−9H−プリン−2−イル)ブタン−1−オール(1.4g、4.56mmol)の溶液に、CsCO(5.9g、18.24mmol)を添加して、次に、1H−1,2,3−トリアゾール(1.2g、1.0ml、17.2mmol)を添加した。混合物を、90℃で一晩にわたり撹拌した。溶媒を、減圧下で濃縮し、得られた残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH:93/7)により精製した。
収率30%。
H NMR(DMSO−d)δ:1.46(m、2H)、1.73(m、2H)、2.67(t、2H、J=7.5Hz)、3.38(m、2H)、3.76(s、3H)、4.38(bs、1H)、7.38(s、2H)、8,31(s、2H)。
13C NMR(DMSO−d)δ:25.43、30.65、32.80、39.15、61.04、114.92、138.06、141.42、151.14、156.17、166.17
MS(ESI)m/e:289(M+H)
【0056】
実施例2
4−(6−アミノ−9−メチル−8[1,2,3]トリアゾール−2−イル−9H−プリン−2−イル)ブタン−2−オール(ST3932)
工程A:4−(6−クロロ−9−メチル−9H−プリン−2−イル)3−ブチン−2−オール
ジオキサン(93ml)中に6−クロロ−2−ヨード−9−メチル−9H−プリン(6.8g、23.3mmol)、CuI(454mg、2.23mmol)、およびビス−トリフェニルホスフィン・パラジウム・ジクロリド(811mg、1.15mmol)を含む溶液に、トリエチルアミン(4.9ml、34.5mmol)と3−ブチン−2−オール(1.1ml、25.63mmol)を添加した。反応混合物を、RTで1時間にわたり撹拌した。揮発成分を、減圧下で除去した。水(50ml)を、得られた暗色の残留物に添加した。水相を、DCM(3X100ml)で抽出した。複合有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。複合有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH:94/6)により精製した。
収率77%。
H NMR(CDCl)δ:1.62(d、3H、J=6.67Hz)、3.95(s、3H)、4.81(q、1H、J=6.64)、8.17(bs、1H)。
13C NMR(CDCl)δ:23.52、29.72、57.31、81.41、89.94、130.59、144.75、148.20、149.21、152.65。
MS(ESI)m/e:237−239(M+H)
【0057】
工程B:4−(6−アミノ−9−メチル−9H−プリン−2−イル)3−ブチン−2−オール
ジオキサン(30ml)中に4−(6−クロロ−9−メチル−9H−プリン−2−イル)3−ブチン−2−オール(4.8g、20.34mmol)の溶液に、30重量%のアンモニア水溶液(60ml)を添加した。反応混合物を、70℃のオートクレーブ内にて一晩にわたり撹拌した。溶液を、50℃で大気圧下で濃縮して、次に減圧下で濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH:97/3)により精製した。
収率78%。
H NMR(DMSO−d)δ:1.42(d、3H、J=6.67Hz)、3.75(s、3H)、4.61(q、1H)、5.71(bs、1H)、7.42(bs、2H)、8.17(s、1H)。
13C NMR(DMSO−d)δ:24.75、29.89、56.83、83.14、87.63、130.01、142.74、145.65、150.28、156.07
MS(ESI)m/e:218(M+H)
【0058】
工程C:4−(6−アミノ−9−メチル−9H−プリン−2−イル)ブタン−2−オール
エタノール(30ml)とともに4−(6−アミノ−9−メチル−9H−プリン−2−イル)3−ブチン−2−オール(1.5g、6.88mmol)をオートクレーブ内に置き、黒鉛上10%のパラジウム(0.350 g、重量の20%)を添加した。混合物を、50℃で4気圧の水素下で一晩にわたり撹拌した。触媒を、セライトを通してろ過して除去し、そして得られた溶液を、減圧下で濃縮し、さらなる精製なしで使用される残留物を得た。
収率70%。
H NMR(CDOD)δ:1.21(d、3H、J=6.32 Hz)、1.9(m、2H)、2.85(m、2H)、3.35(bs、2H)、3.84(s、3H)、3.89(m、1H)、8.00(s、1H)。
13C NMR(CDOD)δ:22.01、28.72、34.97、37.72、66.89、116.59、141.54、150.37、155.56、165.42
MS(ESI)m/e:222(M+H)
【0059】
工程D:4−(6−アミノ−8−ブロモ−9−メチル−9H−プリン−2−イル)ブタン−2−オール
−14℃で、臭素(2.1ml、41mmol)は、MeOH/THF(20ml、1/1)とアセテート・バッファーpH=4(10ml)の混合物中に4−(6−アミノ−9−メチル−9H−プリン−2−イル)ブタン−2−オール(800mg、3.60mmol)の水溶液に、滴下状に添加した。後者のバッファーを、100mlの水に、4gのナトリウムアセテートを溶かし、氷酢酸を添加することによりpH4に調整して得た。反応物を、この温度で10分間にわたり撹拌し、次にRTで15分間にわたり撹拌した。過剰な臭素を、メタ重亜硫酸ナトリウムで除去し、そして反応物を、NaCO飽和溶液を添加することによりpH8とした。有機相を、減圧下で濃縮し、そして得られたろ過済みの固体を、いかなるさらなる精製をぜずに使用した。
収率76%。
【0060】
工程E: 4−(6−アミノ−9−メチル−8[1,2,3]トリアゾール−2−イル−9H−プリン−2−イル)ブタン−2−オール(ST3932)
無水DMF(20ml)中に4−(6−アミノ−8−ブロモ−9−メチル−9H−プリン−2−イル)ブタン−2−オール(1.4g、4.56mmol)の溶液に、CsCO(5.9g、18.24mmol)と1H−1,2,3−トリアゾール(1.2g、1.0ml、18.24mmol)を添加した。混合物を、90℃で一晩にわたり撹拌した。溶媒を、減圧下で濃縮し、得られた残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH:93/7)により精製した。
収率27%。
H NMR(DMSO−d)δ:1.09(d、3H、J=6.2Hz)、1.78(m、2H)、2.72(m、2H)、3.66(m、1H)、3.77(s、3H)、4.45(bs、1H)、7.32(bs、2H)、8.29(s、2H)。
13C NMR(DMSO−d)δ:24.0、30.6、35.9、38.5、66.2、114.9、138.0、141.4、151.2、156.2、166.4
MS(ESI)m/e:289(M+H)
【0061】
実施例3
(S)−4−(6−アミノ−9−メチル−8[1,2,3]トリアゾール−2−イル−9H−プリン−2−イル)ブタン−2−オール(ST5748)
この化合物は、実施例2で述べた手順に従って調製され、工程1では、(S)−(−)−3−ブチン−2−オールを使用し、そのラセミ体は使用しなかった。工程Eでは、粗反応混合物を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH:95/5)により精製した。
HPLC:rt:29mn
【0062】
実施例4
(R)−4−(6−アミノ−9−メチル−8[1,2,3]トリアゾール−2−イル−9H−プリン−2−イル)ブタン−2−オール(ST5749)
この化合物は、実施例2で述べた手順に従って調製され、工程1では、(R)−(−)−3−ブチン−2−オールを使用し、そのラセミ体は使用しなかった。工程Eでは、粗反応混合物を、最初にフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH:95/5)により精製した。
HPLC:rt:26mn
【0063】
実施例5
1−(6−アミノ−9−メチル−8[1,2,3]トリアゾール−2−イル−9H−プリン−2−イル)ブタン−1−オール(ST3829)
工程A:1−(6−クロロ−9−メチル−9H−プリン−2−イル)ブタン−1−オール
窒素雰囲気下で−78℃において、無水THF(48ml)中に6−クロロ−2−ヨード−9−メチル−9H−プリン(3.7g、12.6mmol)の溶液に、イソプロピルマグネシウムクロリド(8ml、15.12mmol)を添加した。30分後に、ブチルアルデヒド(1.7ml、16.38mmol)を、−78℃において、滴下状に添加した。反応混合物を、−78℃で8時間にわたり撹拌し、次に一晩にわたりRTに昇温させた。反応を、NHCl飽和溶液で停止した。水相を、DCMで抽出した(3回)。有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(濃度勾配DCM/MeOH:98/2からDCM/MeOH:96/4)により精製した。
収率59%。
H NMR(CDOD)δ:0.96(t、3H、J=7.34)、1.45(m、2H)、1.86(m、2H)、3.95(s、3H)、4.83(t、1H、J=6.5)、8.47(s、1H)。
13C NMR(CDOD)δ:12.85、18.41、29.22、38.90、73.80、129.13、147.46、149.6、152.53、166.27。
MS(ESI+):241〜243(M+H)
【0064】
工程B:1−(6−アミノ−9−メチル−9H−プリン−2−イル)ブタン−1−オール
ジオキサン(10ml)中に1−(6−クロロ−9−メチル−9H−プリン−2−イル)ブタン−1−オール(1.8g、7.47mmol)の溶液に、30重量%のアンモニア水溶液(20ml)を添加した。反応混合物を、70℃のオートクレーブ内にて一晩にわたり撹拌した。溶液を、50℃で大気圧下で濃縮して、次に減圧下で濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH:95/5)により精製した。
収率80%。
H NMR(DMSO−d)δ:0.93(t、3H、J=7.06)、1.40(m、2H)、1.78(m、2H)、3.77(s、3H)、4.48(m、1H)、4.84(d、1H)、7.31(s、2H)、8.12(s、1H)。
13C NMR(DMSO−d)δ: 14.95、19.37、30.29、39.99、73.86、118.35、142.33、151.18、156.52、166.43。
MS(ESI+):222(M+H)
【0065】
工程C:1−(6−アミノ−8−ブロモ−9−メチル−9H−プリン−2−イル)ブタン−1−オール
−14℃で、臭素(3.6ml、70.4mmol)は、MeOH/THF(20ml、1/1)、THF(20ml)、およびアセテート・バッファーpH4(20ml)(100mlの水に、4gのナトリウムアセテートを溶かし、氷酢酸でpH 4に調整して得られる)の混合物中に1−(6−アミノ−9−メチル−9H−プリン−2−イル)ブタン−1−オール(1700mg、7.69mmol)が溶解したものに、滴下状に添加した。反応物を、この温度で15分間にわたり撹拌し、次に、RTで10分間にわたり撹拌した。過剰な臭素を、メタ重亜硫酸ナトリウムで除去し、そして反応物を、NaCO飽和溶液を添加することによりpH8とした。有機相を、減圧下で濃縮し、そして得られたろ過済みの固体を、さらなる精製なしで以下の反応に使用した。
収率82%。
【0066】
工程D:1−(6−アミノ−9−メチル−8[1,2,3]トリアゾール−2−イル−9H−プリン−2−イル)ブタン−1−オール(ST3829)
無水DMF(20ml)中に1−(6−アミノ−8−ブロモ−9−メチル−9H−プリン−2−イル)ブタン−1−オール(1.4g、4.56mmol)の溶液に、CsCO(5.9g、18.24mmol)を添加し、次に1H−1,2,3−トリアゾール(1.2g、1.0ml、18.24mmol)を添加した。混合物を、90℃で一晩にわたり撹拌した。溶媒を、減圧下で濃縮し、得られた残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH:93/7)により精製した。
収率30%。
H NMR(DMSO−d)δ:0.92(t、3H、J=7.18)、1.40(q、2H、J = 8.2)、1.75(m、2H)、3.86(s、3H)、4.50(m、1H)、4.88(d、1H)、7.58(bs、1H)、8.37(s、2H)。
13C NMR(DMSO−d)δ:14.94、19.37、31.34、39.88、74.06、115.90、138.63、142.27、151.42、156.64、167.72。
MS(ESI+):289(M+H)
【0067】
実施例6
1−(6−アミノ−9−メチル−8[1,2,3]トリアゾール−2−イル−9H−プリン−2−イル)−ブタン−1−オン(ST4208)
RTで、MnO(439mg、5.04mmol)を、DCM(4ml)中に1−(6−アミノ−9−メチル−8[1,2,3]トリアゾール−2−イル−9H−プリン−2−イル)ブタン−1−オール(51mg、0.2mmol)の溶液に添加した。生じた不均一な溶液は、一晩にわたり撹拌した。セライト・パッドでろ過した後、溶媒を、減圧の下で除去し、そして目的の生成物を白色の粉として得られた。
収率40%。
H NMR(DMSO−d)δ:8.4(s、2H)、7.7(bs、2H)、3.9(s、3H)、3.14(t、2H)、1.66(m、2H)、0.95(t、3H)
ESI−MS(m/z):287.1(M+H)
【0068】
実施例7
4−(6−アミノ−9−メチル−8[1,2,3]トリアゾール−2−イル−9H−プリン−2−イル)−ブタン−2−オン ST4206
0℃で、モレキュラーシーブ4Å(100mg)とPCC(59mg、0.273mmol)は、DCM(1.2ml)中に4−(6−アミノ−9−メチル−8[1,2,3]トリアゾール−2−イル−9H−プリン−2−イル)−ブタン−2−オール(25mg、0.086mmol)の溶液に添加した。混合物を、RTで1時間にわたり撹拌し、次に、0℃でEtOで希釈し、そして30分間にわたり撹拌した。生じた懸濁液を、セライト・パッドでろ過した。ろ過水を、真空下で濃縮し、そして残留物を、シリカゲル・カラムクロマトグラフィー(DCMからDCM/MeOH:95/5)により精製して、白色の粉を得た。
収率37%。
H NMR(CDCN)δ:8.1(s、2H)、5.9(bs、2H)、3.8(s、3H)、3.07(t、2H)、2.9(t、2H)、2.2(s、3H)。
ESI−MS(m/z):287.1(M+H)
【0069】
代わりとしては、4−(6−アミノ−9−メチル−8[1,2,3]トリアゾール−2−イル−9H−プリン−2−イル)−ブタン−2−オンを、上記で述べたようにおよび下記で述べるように、方法Bに関する方法により得られる最終的な中間体から製造できる。
【0070】
調製1
4−(6−アミノ−9−メチル−8[1,2,3]トリアゾール−2−イル−9H−プリン−2−イル)−ブタン−2−オン(ST4206)
工程A:ジベンジル−{9−メチル−2−[2−(2,5,5−トリメチル−[1,3]ジオキサン−2−イル)−エチル]−9H−プリン−6−イル}−アミン
i) 不活性雰囲気(Ar)中で、1,2−ジブロモエタン(770μl、8.9mmol)を、THF(75ml)中にMg(3.1g、127.5mmol)の懸濁液に添加した。次に、THF(75ml)中に2−(2−ブロモエチル)−2,5,5−トリメチル−1,3−ジオキサン(8.0ml、42.5mmol)と1,2−ジブロモエタン(3.08ml、36mmol)の溶液を添加し、そして発熱反応が終了した後、生じた反応混合物を、50℃で1時間にわたり加熱した。
ii) Fe(acac)(315mg、0.89mmol)を、THF(115ml)とNMP(28.5ml)中にジベンジル−(2−クロロ−9−メチル−9H−プリン−6−イル)−アミン(3.24g、8.9mmol)の溶液に添加し、そして生じた反応混合物を、RTで30分間にわたり撹拌した。工程A(i)から得られた、調製したばかりの試薬140mlを、反応混合物に添加し、そして1時間にわたり撹拌した。溶媒を、減圧下で除去し、そして粗反応混合物を、水中へ注ぎ、AcOEtにより抽出した。複合有機相を、塩水で洗浄して、NaSOで乾燥させた。減圧下で溶媒を除去した後、目的の付加物を、褐色の油として量的に得た。
H NMR(CDCl)δ:0.85(s、3H)、1.00(s、3H)、1.30(s、3H)、1.89〜2.00(m、2H)、2.85〜2.91(m、2H)、3.47〜3.61(m、4H)、3.80(s、3H)、4.91(brs、2H)、5.40(brs、2H)、7.2〜7.4(m、10H)、7.66(s、1H)。
ESI−MS(m/z):486(M+H)
【0071】
工程B:ジベンジル−{8−ブロモ−9−メチル−2−[2−(2,5,5−トリメチル−[1,3]ジオキサン−2−イル)−エチル]−9H−プリン−6−イル}−アミン
0℃で、臭素(0.89ml、17.5mmol)を、20mlのMeOH/THF(1/1)混合物とアセテート・バッファーpH=4(10ml)中にジベンジル−{9−メチル−2−[2−(2,5,5−トリメチル−[1,3]ジオキサン−2−イル)−エチル]−9H−プリン−6−イル}−アミン(1.7g、3.50mmol)の水溶液に、滴下状に添加した。後者のバッファーは、100mlの水に、4gのナトリウムアセテートを溶かし、氷酢酸を添加することによりpH4に調整して得た。反応物を、RTで2時間にわたり撹拌した。過剰な臭素は、メタ重亜硫酸ナトリウムで除去し、そして反応物を、NaCO飽和溶液を添加することによりpH8とした。有機溶媒を、減圧下で濃縮し、そして得られたろ過済みの固体を、いかなるさらなる精製なしで以下の工程に使用した。
H NMR(CDCl)δ:0.85(s、3H)、1.00(s、3H)、1.30(s、3H)、1.89〜2.00(m、2H)、2.82〜2.89(m、2H)、3.47〜3.61(m、4H)、3.75(s、3H)、4.91(bs、2H)、5.40(bs、2H)、7.20〜7.40(m、10H)。
ESI−MS(m/z):564−566(M+H)
【0072】
工程C:ジベンジル−{9−メチル−8−[1,2,3]トリアゾール−2−イル−2−[2−(2,5,5−トリメチル−[1,3]ジオキサン−2−イル)−エチル]−9H−プリン−6−イル}−アミン
無水DMF(20ml)中にジベンジル−{8−ブロモ−9−メチル−2−[2−(2,5,5−トリメチル−[1,3]ジオキサン−2−イル)−エチル]−9H−プリン−6−イル}−アミン(1.9g、3.50mmol)の溶液に、KCO(0.72g、5.2mmol)を添加し、次に1H−1,2,3−トリアゾール(362mg、5.2mmol)を添加した。混合物を、100℃で一晩にわたり撹拌した。溶媒を、減圧下で濃縮し、得られた残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH: 93/7)により精製した。
収率30%。
1H NMR(CDCl3)δ:0.85(s、3H)、1.00(s、3H)、1.30(s、3H)、1.89〜2.00(m、2H)、2.79〜2.83(m、2H)、3.47〜3.61(m、4H)、3.90(s、3H)、4.91(brs、2H)、5.40(bs、2H)、7.2〜7.4(m、10H)、8.00(s、2H)。
MS(ESI)m/e:553(M+H)
【0073】
工程D: 4−(6−アミノ−9−メチル−8[1,2,3]トリアゾール−2−イル−9H−プリン−2−イル)−ブタン−2−オン(ST4206)
工程Cから得られた中間体を、標準的なTfOH条件を使用して脱保護し、このことによりシリカゲルクロマトグラフィーの後に目的の付加物を量的に得ることができた。
1H NMR(CD3CN)δ:8.10(s、2H)、5.90(bs、2H)、3.80(s、3H)、3.07(t、2H)、2.90(t、2H)、2.20(s、3H)。
ESI−MS(m/z):287(M+H)
【0074】
代わりとしては、4−(6−アミノ−9−メチル−8[1,2,3]トリアゾール−2−イル−9H−プリン−2−イル)−ブタン−2−オンを、上記で述べたようにおよび下記で述べるように、方法Eに関する方法により得られる最終的な中間体から製造できる。
【0075】
調製2
ヘルマン触媒(8mg、0.008mmol、0.08eq)、BuNBr(8mg、0.025mmol、0.25eq)、NaOAc(9mg、0.11mmol、1.1eq)、および3−ブテン−2−オール(13μl、0.15mmol、1.5eq)を、NMP(1ml)中に(2−クロロ−9−メチル−8−[1,2,3]トリアゾール−2−イル−9H−プリン−6−イル)−ビス−(4−メトキシ−ベンジル)−アミン(49mg、0.10mmol)の溶液に添加した。生じた反応混合物を、100℃で16時間にわたり加熱し、そしてさらなるヘルマン触媒、BuNBrおよびNaOAcは同一の割合で、さらなる3eqの3−ブテン−2−オールとともに添加した。RTまで冷却する前に、140℃で22時間にわたり撹拌を続けた。生じた粗懸濁液を、AcOEtで希釈して、そして固体を濾去した。有機相を、HOで洗浄して、次にNaSOで乾燥させた。真空下で溶媒を除去し、分取薄層クロマトグラフィーによる精製により、目的の4−{6−[ビス−(4−メトキシ−ベンジル)−アミノ]−9−メチル−8−[1,2,3]トリアゾール−2−イル−9H−プリン−2−イル}−ブタン−2−オンの白色固体を得ることができた。
収率42%。
H NMR(CDCl)δ:2.12(s、3H)、2.94(t、2H)、3.16(t、2H)、3.78(s、6H)、3.94(s、3H)、4.85(bs、2H)、5.39(bs、2H)、6.82(d、4H)、7.18(d、4H)、7.94(s、2H)。
【0076】
生物学
本発明の化合物は、A2a受容体を阻害するその能力に関して、競合結合アッセイにおいて検証された。
【0077】
実施例8
2a受容体阻害
方法
HEK293細胞培養と膜調製
安定してヒト・アデノシンA2a受容体遺伝子を発現するHEK293細胞(PerkinElmer、ボストン、マサチューセッツ州、USA、cat. RBHA2AC)を、ファルコン・フラスコ内でDMEM(Cambrex、ベルビエ、ベルギー)中において、10%FBS(Cambrex)、1mmol/lのピルビン酸ナトリウム(Sigma−Aldrich、セントルイス、ミズーリ州、USA)、0.4mg/mlのG418(Sigma−Aldrich)を添加し、37℃で5%CO雰囲気で培養した。放射性リガンド結合実験に関して、細胞を、80%コンフルーエンスで、2mmol/lのEDTAを含む5mmol/lのTris−HCl(Sigma−Aldrich)、pH 7.4内に採取して、数を計測し、PBS(Cambrex)で洗浄して、50mmol/lのTris-HCl、pH7.4、10mmol/l、MgCl(Sigma−Aldrich)を含む培養用バッファーA中に再懸濁し、Ultra Turrax T25を使用してホモジナイズした。その膜を、遠心分離にかけて、再度ホモジナイズし、最終的なペレットを、使用するまで−80℃で保存した。競合結合アッセイの前に、ペレットを、好ましいタンパク質濃度でバッファーA中に再懸濁し、そして膜懸濁液を、内在性アデノシンを除去するために、37℃で30分間にわたり、2U/mlのアデノシンデアミナーゼ(ADA、Sigma−Aldrich)とともに培養した。
【0078】
タンパク質濃度と競合結合アッセイ
膜懸濁液のタンパク質濃度は、標準としてウシ・アルブミンを用いるBradford法(Pierce、ロックフォード、イリノイ州、USA)を使用して定量された。競合結合実験は、96ウェル・フィルター・プレート(MultiScreen system、cat. MAFBN0B10、Millipore、ビルリカ、マサチューセッツ州、USA)において、様々な濃度(範囲は10−5から10−11 mol/l)の検証化合物および参照化合物の存在下で、単一濃度のA2aアンタゴニスト[H]ZM241385(Biotrend、ケルン、ドイツ)(2nmol/l)とともに、膜(サンプル中5〜10μgのタンパク質)を培養することにより行い、培養は4℃で1時間にわたり、好適なバッファー(50mmol/lのTris−HCl、pH 7.4、10mmol/lのMgCl)で200μl/ウェルの全量であった。非特異的な結合は、10μmol/lのタグ無し(cold)ZM241385(Tocris、エリスヴィル、ミズーリ州、USA)の存在下で定量された。培養終了後、結合放射性リガンドと遊離放射性リガンドを、Milliporeろ過装置(MultiScreenHTS vacuum manifold)を使用して、96ウェル・フィルター・プレートをろ過して分離した。次に、フィルター・プレートを、氷冷のバッファー(50mmol/lのTris−HCl、pH 7.4)で数回洗浄し、そしてフィルターに結合している放射線を、30μl/ウェルのOptiPhase SuperMix scintillation cocktail(PerkinElmer)添加後にMicroBeta counter(PerkinElmer)を使用して測定した。4つの実験は、JANUSR automated workstation(Perkin Elmer)により、三連で行った。
【0079】
データは、GraphPad PRISM市販ソフトを使用して非線形回帰分析法により分析され、IC50として表され、これは、[H]ZM241385結合の50%を阻害する化合物の濃度と定義された。阻害結合定数(Ki)値は、Cheng and Prusoffの式Ki=IC50/(1+[C]/Kd)に従いIC50値から計算され、そこで[C]は、放射性リガンド濃度であり、Kdは、その解離定数である。
【0080】
結果
すべての検証化合物は、A2A受容体結合アッセイにおいて高い活性があることを証明した(表1)。
【表1】

【0081】
実施例9
受容体の阻害
方法
競合結合実験を、96ウェル・フィルター・プレート(MultiScreen system、cat # MAFBN0B10、Millipore、ビルリカ、マサチューセッツ州、USA)において、様々な濃度(範囲は10−5から10−10 M)のタグ無しのDPCPX、ST4206、およびST4208の存在下で、単一濃度の[3H]DPCPX(1.7 nmol/l)(Perkin Elmer)とともに、ヒト・アデノシンA受容体(cat.ES−010−M400UA、Perkin Elmer、ボストン、マサチューセッツ州、USA)を安定して導入されたCHO−K1細胞からの膜を培養することにより行い、培養は25℃で60分間にわたり、25mmol/lのHepes、5mmol/lのMgCl、1mmol/lのCaCl、100mmol/lのNaCl、pH7.4(すべてSigma−Aldrich)により200μl/ウェルの全量であった。非特異的な結合を、250μmol/lのタグ無しDPCPX(8−シクロペンチル−1,3−ジプロピルキサンチン、Sigma−Aldrich)の存在下で定量した。培養終了後、結合放射性リガンドと遊離放射性リガンドは、Milliporeろ過装置(MultiScreenHTS vacuum manifold)を使用して、96ウェル・フィルター・プレートをろ過することにより分離した。フィルター・プレートを、氷冷のバッファー(50mmol/lのTris−HCl、pH 7.4)で数回洗浄し、そしてフィルターに結合している放射線を、30μl/ウェルのOptiPhase SuperMix scintillation cocktail(PerkinElmer)添加後にMicroBeta counter(PerkinElmer)を使用して測定した。
【0082】
データを、GraphPad PRISM市販ソフトを使用して非線形回帰分析法により分析した。データを、対照値の半分の最大阻害を生じさせる検証化合物濃度(IC50)として表す。阻害結合定数(Ki)値は、Cheng and Prusoffの式Ki=IC50/(1+[C]/Kd)に従い、IC50値から計算される、ここで[C]は、放射性リガンド濃度であり、Kdは、その解離定数である。
【0083】
結果
検証化合物は、表2で報告するKi値で、Aアデノシン受容体と結合した。
【表2】

【0084】
cAMP阻害
本発明の化合物を、A2Aアゴニスト5’−N−エチルカルボキサミドアデノシン(NECA)によって誘発されるcAMP蓄積を阻害するその能力を評価するために検証した。
【0085】
方法
cAMPの定量を、メーカーの使用説明書に従い、酵素免疫測定装置(cat. RPN2255、Amersham Biosciences)を使用して行った。安定してヒト・アデノシンA2a受容体遺伝子を発現するHEK293細胞(PerkinElmer、ボストン、マサチューセッツ州、USA、cat. RBHA2AC)を、ファルコン・フラスコ内でDMEM(Cambrex、ベルビエ、ベルギー)中において、10%FBS(Cambrex)、1mmol/lのピルビン酸ナトリウム(Sigma−Aldrich、セントルイス、ミズーリ州、USA)、および0.4mg/mlのG418(Sigma−Aldrich)を添加し、37℃、5%CO雰囲気下で培養した。細胞を、検証化合物へ曝露する48時間前に、10細胞/ウェルの濃度で、96ウェル・プレートに固定した。化合物により細胞を刺激する前に、細胞を、0.5mmol/lのホスホジエステラーゼ阻害剤Ro 20−1724(Sigma−Aldrich)と2U/mlのアデノシンデアミナーゼ(ADA、Sigma−Aldrich)により、37℃で10分間にわたり処理した。次に、その溶媒を、スカラー(scalar)濃度(10−10〜10−4 mol/l)の検証化合物を含む37℃の新しい溶媒と交換し、そして10分後に、100nmol/lのNECAを添加した。20分後に、cAMPを抽出して、定量した。
【0086】
データを、GraphPad PRISM市販ソフトを使用して非線形回帰分析法により分析した。対照値の半分の最大阻害を生じさせる検証化合物濃度(GraphPad Prismソフトにより計算されるIC50)を報告する(4つの独立した実験の平均値±SEM)。
【0087】
結果
すべての化合物は、アゴニストによって誘発されたcAMP蓄積を阻害することに有効であり(表3)、予想通りA2a受容体アンタゴニストとしての挙動を示した。
【表3】

【0088】
実施例11
本発明の化合物の選択性プロフィールを評価するために、本化合物の内3つ(ST3829、ST3932、およびST4023)を、51個の異なる受容体のやり取りへのアフィニティーに関して特徴づけを行った。51個のアッセイの大部分は、以下のタイプのヒトの組み換え型受容体であった:非ペプチド受容体ファミリーに属するアデノシン、アドレナリン、カンナビノイド、ドーパミン、GABA、ヒスタミン、メラトニン、ムスカリン、プロスタノイド、およびセロトニンの受容体;ペプチド受容体ファミリーに属するアンギオテンシンII、ブラジキニン(bradychinin)、ケモカイン、コレシストキニン(cholecistokinin)、エンドセリン、ガラニン、メラノコルチン(melacortin)、ニューロキニン、ニューロペプチドY、ニューロテンシン、オピオイドとオピオイド様、ソマトスタチン、血管作動性腸ペプチド、およびバソプレシンの受容体; イオンチャンネル・ファミリーに属するCa2+チャンネル、Kチャネル、およびNaチャネル、ならびにアミン輸送体受容体ファミリーに属するドーパミン、ノルエピネフリン、およびセロトニン。これらの3つの化合物を、10μM濃度で検証した。興味深いことに、それらのどれもが、上記で述べた受容体のいずれに対しても、いかなる実質的なアフィニティーを示さなかった。
【0089】
実施例12
ハロペリドール誘発性カタレプシーのマウス・モデル
ST3829、ST3932、およびST4023を、マウスにおいてハロペリドールによって誘発されたカタレプシーに拮抗するその能力を評価するために検証した。
【0090】
方法
ハロペリドール(2mg/kg)を、ST3932またはST4206の経口投与の2.5時間前に、CD1マウスに腹腔内投与した。後者は、10、20、または40mg/kgの用量で投与した。
【0091】
次に、各CD1マウスを、4.5cmの高さのワイヤー上に、その前足を静かに置いた。カタレプシーは、動物が少なくとも1つの前足を降ろすのに要する時間(秒で表される)として測定され、60秒を終点とし、終点後には、マウスをワイヤーから静かに外した。次に、カタレプシーを、7時間にわたり60分毎に記録した。
【0092】
データ評価
すべてのデータを、個体値と平均値の両方として表し、秒でのカタレプシー時間の平均値プラスあるいはマイナス標準誤差(平均値±SEM)で表した。統計解析は、sigma statプログラムを使用して行われた。7時間にわたるAUCを計算した後、一元配置分散分析を使用し、次に、Dunnett検定を使用した。ベース時間は、統計学的に考慮されなかった、その理由としては、この時点は、カタレプシーがすべての動物においてうまく誘発されたことを確認することのみに使用されたためである。
【0093】
結果
ST3932とST4206の両者は、ハロペリドールによって誘発されたカタレプシーに、用量依存的に有意に拮抗した(図1および図2)。
【0094】
実施例13
L−DOPA抗パーキンソン病活性の増強
抱水クロラール(400mg/kg)麻酔下のラット(Sprague Dawley)は、Kopf定位固定装置に置かれた。6−OHDAを、ステンレス製カニューレによって、Pellegrinoアトラスに従って座標A=−2.2、L=+1.5、およびV=−7.8で、左の内側前脳束に注射した。偽投与(sham)ラットを含むすべてのラットは、ノルアドレナリン作用性ニューロンの損傷を防止するために、麻酔の10分前に、デシプラミン(10mg/kg)を投与された。
【0095】
6−OHDA注射の2週間後に、すべての動物を、30mg/kgのベンセラジドの腹腔内投与とその30分後に行った50mg/kgのL−DOPAの腹腔内投与への反応における反対側回転能力について試験した。3時間の試験時間内に少なくとも200の反対側回転を示さなかったラットを、研究から除外した。この試験の1週間後に、選ばれた動物は、3つの研究に供されるためにランダム化を受けた。各研究は、動物8匹の7群を含んだ。
【0096】
検証化合物(ST3829、ST3932、およびST4206)を、3つの異なる剤形(すなわち、10、20、および40mg/kg)を得るために、滅菌水中に10%の蔗糖および0.3%のTween 80を含む溶液に溶解した。
【表4】

【0097】
群5、群6、および群7では、ベンセラジドは最初に投与され、次に、25分後に検証化合物が投与され、最後に、5分後にL−DOPAが投与された。
【0098】
結果
パーキンソン病の6−OHDAラット・モデルにおいて、アデノシンA2a受容体アンタゴニストは、L−DOPAによって誘発された回転挙動を増加させ、抗パーキンソン病効果を示した。本研究において、L−DOPAの閾値容量とともにラットに投与されたST3932およびST4206は、L−DOPAによって誘発された反対側回転挙動を増加させ、顕著な抗パーキンソン病活性を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I
【化1】

[式中、
=は、C−Cの直鎖状または分枝状のアルキルであり;
は、式R−(CHR−(CR−(CR−の基であり;
式中
、R、およびRは、独立してH、水酸基、またはカルボニルを意味する=Oであり;
、R、およびRは、独立してHまたは非存在であり;
m、n、およびpは、独立して0と2の間に含まれる整数であり;
m+n+p4である;
は、NH、NHR10である;
式中、R10は、C−CアルキルまたはC−Cヒドロキシアルキル、C−Cアルコキシアルキル、アミノ(C−C)アルキル、ここで前記アミノ基は1または2のC−Cアルキル基で任意に置換され、前記アルキル基は直鎖状または分枝状である;C−C14アリールまたはC−C14アリール(C−C)アルキル、ここで前記アリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C−Cの直鎖状または分枝状の飽和または不飽和のアルコキシ、C−Cの直鎖状または分枝状のアルキルで一または二置換されるアミノからなる群から選択される、同一であるか異なる1以上の置換基により任意に置換されている;
ただし、R、R、およびRは、同時にすべてがHではない]を有する化合物、それらの光学的に活性な形態、例えば鏡像異性体、ジアステレオマーおよびそのラセミ体、ならびにそれらの医薬的に許容され得る塩。
【請求項2】
n=2、m=1、およびp1である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、OH、またはカルボニルを意味する=Oである、請求項1または2のいずれかに記載の化合物。
【請求項4】
n=1およびRが、OH、またはカルボニルを意味する=Oである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
4−(6−アミノ−9−メチル−8[1,2,3]トリアゾール−2−イル−9H−プリン−2−イル)ブタン−1−オール、(S)−4−(6−アミノ−9−メチル−8[1,2,3]トリアゾール−2−イル−9H−プリン−2−イル)ブタン−2−オール、1−(6−アミノ−9−メチル−8[1,2,3]トリアゾール−2−イル−9H−プリン−2−イル)ブタン−1−オール、4−(6−アミノ−9−メチル−8[1,2,3]トリアゾール−2−イル−9H−プリン−2−イル)−ブタン−2−オン、4−(6−アミノ−9−メチル−8[1,2,3]トリアゾール−2−イル−9H−プリン−2−イル)ブタン−2−オール、(R)−4−(6−アミノ−9−メチル−8[1,2,3]トリアゾール−2−イル−9H−プリン−2−イル)ブタン−2−オール、1−(6−アミノ−9−メチル−8[1,2,3]トリアゾール−2−イル−9H−プリン−2−イル)−ブタン−1−オンから成る群に含まれる、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
請求項1から5に記載の少なくとも一つの化合物を活性成分として、医薬的に許容される少なくとも一つのビヒクルおよび/または賦形剤とともに混合物中に含む、医薬組成物。
【請求項7】
請求項1から5に記載の少なくとも一つの化合物を、医薬的に許容される少なくとも一つのビヒクルおよび/または賦形剤とともに混合することを含む、請求項6に記載の医薬組成物の製造方法。
【請求項8】
2A受容体活性の調節が患者の健康を改善する、病的状態を治療するための医薬製造における、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項9】
前記病的状態が、運動障害である、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
前記運動障害が、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、ウィルソン病、またはハレルフォルデン・スパッツ病である、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
前記病的状態が、神経変性プロセスに任意に関連する脳虚血である、請求項8に記載の使用。
【請求項12】
L−DOPAと併用される、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項13】
パーキンソン病を治療するための医薬製造のための、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
請求項1に記載の化合物
[ここで、
は、式 R−(CHR−(CR−(CR−の基であり;
およびRは、Hであり;
およびRは、いずれの発生においても、独立してHまたはカルボニルを意味する=Oであり;RおよびRの少なくとも1つは、カルボニルを意味する=Oであり;
およびRは、いずれの発生においても、独立してHであるか、または前記R基または前記R基と結合する関連炭素原子がカルボニル結合に関与する場合には非存在であり;
mおよびpは、独立して0と2の間に含まれる整数であり;
nは、1または2であり;
m+n+p4である]
を合成するための方法であって、
式II
【化2】

[式中、
は、C−Cの直鎖状または分枝状のアルキルであり;
11は、N(R13であり;
13は、ベンジル、p−(MeO)−ベンジル、p−(Cl)−ベンジル、またはp−(Br)−ベンジルであり;
12は、Clである]の化合物と、
化学式IV
【化3】

[式中、
Xは、ClまたはBrであり;
6bおよびR6cは、いずれの発生においても、独立して両方がHであるか、またはそれらが結合する炭素原子とともに、2以上のメチル基によって任意に置換される1,3−ジオキサン基を形成し、少なくとも1つの発生は、2以上のメチル基によって任意に置換された1,3−ジオキサン基であり;
qは、0と3の間に含まれる整数であり;
rおよびsは、独立して1と3の間に含まれる整数であり;
q+r+s4である]の化合物を、
0℃から室温の温度範囲で、THFまたはNMPといった非プロトン性溶媒中のFe(acac)存在下で、反応させるステップを含む、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の式IIの化合物と、式VIII
【化4】

[式中、
14およびR15は、いずれの発生においても、独立してHまたはOHであり;
vは、2または3である]の化合物との反応を、
NMPといった極性溶媒中、ヘルマン触媒およびナトリウムアセタートの存在下で行う、請求項1に記載の化合物の合成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−520854(P2012−520854A)
【公表日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500259(P2012−500259)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際出願番号】PCT/EP2010/053554
【国際公開番号】WO2010/106145
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(591043248)シグマ−タウ・インドゥストリエ・ファルマチェウチケ・リウニテ・ソシエタ・ペル・アチオニ (92)
【氏名又は名称原語表記】SIGMA−TAU INDUSTRIE FARMACEUTICHE RIUNITE SOCIETA PER AZIONI
【Fターム(参考)】