説明

アニオン性洗浄性界面活性剤、スルファミン酸及びその水溶性塩類を含む洗濯洗剤組成物

本発明は、(i)スルファミン酸及び/又はその水溶性塩類と、(ii)少なくとも10重量%の硫酸塩と、(iii)アニオン性洗浄性界面活性剤とを含む洗濯洗剤組成物に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アニオン性洗浄性界面活性剤、スルファミン酸及び/又はその水溶性塩類、並びに硫酸塩を含む洗濯洗剤組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
典型的な洗濯物において、洗濯する布地類は、通常、様々な異なる染みや汚れの種類により、染みがついたり、汚れがついたりしている。このような様々な染みや汚れの種類は、洗濯洗剤組成物に、広範囲の異なる染みや汚れの種類に対する良好な洗浄性能を要求する。洗濯洗剤メーカーは、幅広い染み及び汚れの種類に対応するこの洗浄上の要求を満足させるために、多数の洗浄技術を自社の洗濯洗剤製品に組み込んでいる。1つの洗浄技術の洗浄性能は、特定の染み又は汚れの種類に主に着目している。しかし、これらの洗浄技術は必ずしもお互いに適合性はなく、1つの洗浄技術が異なる洗浄技術の洗浄性能を打ち消すことがある。これにより、洗濯洗剤の洗浄性能を全体として、またそこに組み込まれた個々の洗浄技術の各々の洗浄性能を、適正水準まで発揮できなくする。
【0003】
洗濯洗剤メーカーは、そこに組み込まれた洗浄技術各々の間の適合性を可能な限り最適化するように、その洗濯洗剤組成物を配合する。しかし、それでも洗濯洗剤メーカーは、硬度の高い水などの特定の使用条件でのある特定の汚れの種類に対する洗浄性能を改善したい場合に、異なる汚れの種類に対する洗浄性能における悪影響を甘受しなければならないことがある(例えば、油汚れに対する洗浄性能と白色度維持)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、適合性のある洗浄技術を含む洗濯洗剤組成物に対する必要性が依然として存在し、特に、広範囲な使用条件にわたって良好な油汚れ洗浄性能及び良好な白色度維持の両方を最適化した洗濯洗剤組成物に対する必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、(i)スルファミン酸及び/又はその水溶性塩類と、(ii)少なくとも10重量%の硫酸塩と、(iii)アニオン性洗浄性界面活性剤とを含む洗濯洗剤組成物を提供することにより、上記問題点を克服するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
洗濯洗剤組成物は、布地の洗濯の用途に適している。洗剤組成物は、スルファミン酸及び/又はその水溶性塩類を含む。スルファミン酸の水溶性塩類は、スルファメートのアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩類であり得る。スルファミン酸の水溶性塩類の他の例には、スルファミン酸アンモニウム、スルファミン酸亜鉛及びスルファミン酸鉛が挙げられる。スルファミン酸の好ましい水溶性塩は、スルファミン酸ナトリウムである。好ましくは、該洗剤組成物はスルファミン酸を含む。洗剤組成物は、好ましくは(スルファミン酸を基準にした場合)0.1重量%〜20重量%のスルファミン酸及び/又はその水溶性塩類を含むが、該洗剤組成物が0.1重量%〜15重量%、又は0.1重量%〜8重量%、又は更に0.1重量%〜5重量%、又は更に0.5重量%〜3重量%のスルファミン酸及び/又はその水溶性塩類を含むことが好ましいことがある。スルファミン酸は、典型的には次式を有する。
NSO
【0007】
スルファミン酸は、洗剤組成物中に存在する場合には双性イオン性の形態であり得、双性イオン性の形態のスルファミン酸は、次式を有する。
SO
【0008】
スルファミン酸が、例えば、別個の微粒子成分として該組成物中に存在する場合、場合によっては少なくともその一部、あるいはその全部が双性イオン性の形態である。
【0009】
スルファミン酸は、該洗剤組成物の分配及び分解を改善するように作用することができる。それは、カーボネートの供給源が自動洗濯機のドラム内又は自動洗濯機の分配用トレイ又は球状(粒状(granulette))若しくはネットなどの他の分配装置の洗浄溶液などの水性環境に存在する場合には、それと反応することができ、二酸化炭素ガスを発生する。スルファミン酸とカーボネートの供給源との組み合わせは、該洗剤組成物の分配性能を改善できる発泡系である。更に、この発泡系により付与される、洗浄溶液中での追加の攪拌によっても、該洗剤組成物の洗浄性能が改善される。
【0010】
スルファミン酸は、クエン酸、リンゴ酸又はコハク酸などの他の酸類より著しく低い、非常に低い吸湿性を有するので、スルファミン酸は、水分を容易に吸収しない。スルファミン酸は、該洗剤組成物の保管中は安定しており、高い湿度などの特定の保管条件下で、該洗剤組成物の他の成分を容易に分解しない。意外にも、スルファミン酸は液移動相、例えば非イオン性洗浄性界面活性剤類の存在下でも安定している。更に意外なことに、スルファミン酸は高湿度での保管中に、香料を容易に分解しない。
【0011】
好ましくは、スルファミン酸及び/又はその水溶性塩類は、微粒子形態である。該洗剤組成物が微粒子形態であり、特に自由流動性微粒子形態である場合、スルファミン酸及び/又はその水溶性塩類は、好ましくは微粒子形態であり、好ましくは乾燥状態で追加される粒子の形態にて、好ましくは乾燥状態で追加される別個の粒子の形態にて該洗剤組成物中に組み込まれる。スルファミン酸は、カーボネートの供給源との共同微粒子混合体の形態であってもよく、この共同微粒子混合体は加圧アグロメレーションを含むアグロメレーション、ローラー圧縮、押出、球形化又はこれら任意の組み合わせなどの方法によって生成されてもよい。好ましくは、微粒子形態のスルファミン酸及び/又はその水溶性塩類は、210マイクロメートル〜1,200マイクロメートル、又は好ましくは250マイクロメートル〜800マイクロメートルの範囲内の重量平均粒径を有する。好ましくは、微粒子形態のスルファミン酸及び/又はその水溶性塩類は、該スルファミン酸及び/又はその水溶性塩類の35重量%以下が、250マイクロメートル未満の粒径を有し、好ましくは該スルファミン酸及び/又はその水溶性塩類の30重量%以下が、250マイクロメートル未満の粒径を有し、好ましくは該スルファミン酸及び/又はその水溶性塩類の35重量%以下が、1,000マイクロメートルより大きい粒径を有し、好ましくは該スルファミン酸及び/又はその水溶性塩類の25重量%以下が1,000マイクロメートルより大きい粒径を有するように粒径分布を有する。
【0012】
スルファミン酸及び/又はその塩類は、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸及びそれらの塩類などの他の酸類よりも優れた構築能力を有する。該組成物に組み込まれるか又はスルファミン酸のその場での中和によって洗浄溶液中でその場で形成されるスルファメートは、遊離カチオン類との高い結合効率を有する(例えば、カルシウム及び/又はマグネシウムカチオン類と、それぞれスルファミン酸カルシウム及び/又はスルファミン酸マグネシウムを形成する)。該洗剤組成物中のスルファミン酸及び/又はその水溶性塩類の存在に起因するこの優れた構築性能は、洗浄溶液中の高濃度の遊離カルシウム及び/又はマグネシウムカチオン類に関連する洗浄上の問題点が発生する可能性が高い場合に、該洗剤組成物がゼオライトビルダー類とリン酸塩ビルダー類とを極少量含むか又は全く含まない時に特に有益である。
【0013】
洗浄溶液中の高濃度の遊離カルシウム及び/又はマグネシウムカチオン類に伴うそのような洗浄上の問題点の1つは、白色度の維持が悪いことである。このことは特に該洗剤組成物が高濃度のカーボネートを含む場合にあてはまる。
【0014】
該洗剤組成物が炭酸塩、典型的に1重量%〜50重量%、又は5重量%〜25重量%又は10重量%〜20重量%の炭酸塩を含むことが好ましい場合がある。好ましい炭酸塩は、炭酸ナトリウム及び/又は重炭酸ナトリウムである。極めて好ましい炭酸塩は、炭酸ナトリウムである。炭酸塩又は少なくともその一部は、典型的には微粒子形態であり、典型的には200〜500マイクロメートルの範囲内の重量平均粒径を有する。しかし、炭酸塩又は少なくともその一部が、微粉化した微粒子形態であり、典型的には4〜40マイクロメートルの範囲内の重量平均粒径を有するのが好ましい場合があり、このことは、炭酸塩又は少なくともその一部が非イオン性洗浄性界面活性剤との共同微粒子混合体の形態である場合に、特に好ましい。
【0015】
高濃度のカーボネートは、洗浄溶液のpHを高めることにより該洗剤組成物の洗浄性能を向上させる。この高められたアルカリ性は、漂白剤が存在する場合はその性能を向上させて、汚れを加水分解し易くし、それによって汚れを布地から取り除き易くし、更に洗浄すべき汚れのイオン化の速度と程度を増大させる。イオン化された汚れはより可溶性であり、洗濯プロセスの洗浄段階で布地から取り除き易い。更に、高濃度のカーボネートは該洗剤組成物が自由流動性微粒子形態である場合に、該洗剤組成物の流動性を向上させる。
【0016】
しかし、炭酸塩アニオン類は、該洗浄溶液中の遊離カルシウム及び/又はマグネシウムカチオン類と容易に錯体を形成し、炭酸カルシウム及び/又は炭酸マグネシウムをそれぞれ形成する。炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムは非水溶性であり、洗浄溶液において溶液から析出して洗浄溶液中の汚れ及び布地表面上に沈着し、白色度の維持を悪くさせ得る。スルファメートは、洗浄溶液中の遊離カルシウム及び/又はマグネシウムカチオン類と錯体を形成することにより、洗浄溶液中の炭酸カルシウム及び/又は炭酸マグネシウムの形成を減少させる。更に、スルファミン酸は、炭酸カルシウムと反応して、カルシウム及びスルファメートを形成することができ、更に二酸化炭素と水を遊離させることができる。このように、この炭酸カルシウムを洗浄溶液から取り除き、白色度の維持に対するいかなる悪影響をも軽減することができる。洗浄溶液中でその場で形成されるスルファミン酸カルシウムは水溶性であり、洗浄溶液において溶液から析出しない。
【0017】
該組成物は、該組成物中の炭酸塩の存在に伴う問題点を最小化するために、0重量%〜10重量%の炭酸塩を含んでよい。しかし、上記に詳細に述べたように、より高濃度の炭酸塩を該組成物中に組み込むのが望ましい。該組成物が少なくとも10重量%の炭酸塩といった高濃度の炭酸塩を含む場合、該組成物は好ましくは更に、炭酸塩アニオンとの酸/塩基反応に耐えることができる酸供給源を含む。酸供給源には、スルファミン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸又はこれらの任意の混合物が挙げられる。特に好ましい酸供給源は、スルファミン酸である。好ましくは、炭酸塩アニオンとの酸/塩基反応に耐えることができる、該組成物中における炭酸塩対酸供給源の総量の重量比は、好ましくは50:1未満、より好ましくは25:1未満、又は15:1未満、又は10:1未満、又は更に5:1未満である。
【0018】
洗浄溶液中の炭酸塩アニオン類の濃度が高すぎることによる望ましくない効果を最小化するために、該組成物中の炭酸塩アニオン供給源の総量は好ましくは限定される。好ましい炭酸塩アニオン供給源は、炭酸塩類及び/又は過炭酸塩類である。好ましくは、該組成物中の炭酸塩アニオン供給源の総量(炭酸塩アニオンを基準にした場合)は、炭酸塩アニオンとの酸/塩基反応に耐えることができる組成物中に存在する酸供給源の総量を完全に中和するために必要な炭酸塩アニオン供給源の理論量より7重量%〜14重量%大きい。該組成物中の炭酸塩アニオン供給源の総量を、該組成物中の酸供給源の量との関係で上述したように調整することにより、該洗浄溶液中の炭酸塩アニオン類の濃度が高すぎることによる全ての望ましくない悪影響を最小化させながら、該組成物中に炭酸塩アニオン供給源を有することによる全ての利益が最大化される。
【0019】
該洗剤組成物は、少なくとも10重量%の硫酸塩を含む。硫酸塩は、極めて好ましくは水溶性である。好ましい硫酸塩は、サルフェートのアルカリ金属塩であり、非常に極めて好ましいのは硫酸ナトリウムである。高濃度の硫酸塩は、該洗剤組成物の油汚れ除去洗浄性能を向上させることができる。洗剤組成物は、好ましくは非常に高濃度の硫酸塩を含み、該洗剤組成物は典型的には、少なくとも15重量%の硫酸塩、又は更に20重量%の硫酸塩、又は更に25重量%の硫酸塩、及び場合により更に少なくとも30重量%の硫酸塩を含む。
【0020】
硫酸ナトリウム及びスルファミン酸は、水の存在下で共に錯体を形成し、次式を有する錯体を形成することができる。
【0021】
6HSONH5NaSO15H
このような錯体類は、本明細書に用いるのに好適である。
【0022】
硫酸塩又は少なくともその一部は、典型的には微粒子形態であり、典型的には60〜200マイクロメートルの範囲内の重量平均粒径を有する。しかし、該硫酸塩又は少なくともその一部は、微粉化した微粒子形態であり、典型的には5〜60マイクロメートル未満、好ましくは5〜40マイクロメートルの範囲内の重量平均粒径を有するのが好ましい。硫酸塩が粗微粒子形態であり、典型的には200超〜800マイクロメートルの重量平均粒径を有することが更に好ましい場合がある。
【0023】
該洗剤組成物は、アニオン性洗浄性界面活性剤を含む。好ましくは、該組成物は、5重量%〜25重量%のアニオン性洗浄性界面活性剤を含む。好ましくは、該組成物は、6重量%〜20重量%、又は7重量%〜18重量%、又は8重量%〜15重量%、又は8重量%〜11重量%又は更に9重量%〜10重量%のアニオン性洗浄性界面活性剤を含む。アニオン性洗浄性界面活性剤は、好ましくは直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換の、C8〜18アルキル硫酸塩類;直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換の、C8〜18直鎖アルキルベンゼンスルホネート類;直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換の、C12〜18アルキルカルボキシレート類;及びこれらの混合物から成る群から選択される。アニオン性洗浄性界面活性剤は、アルキルサルフェート、アルキルスルホネート、アルキルホスフェート、アルキルホスホネート、アルキルカルボキシレート又はこれらの任意の混合物であり得る。アニオン性界面活性剤は、C10〜C18アルキルベンゼンスルホネート類(LAS)、好ましくは直鎖C10〜C13アルキルベンゼンスルホネート類;C10〜C20の一級、分枝鎖、直鎖及びランダム鎖アルキル硫酸塩類(AS)で、好ましいのは直鎖アルキル硫酸塩であり、通常次式を有し、
CH(CHCH−OSO
式中、Mは水素又は電気的中性を付与するカチオンであり、好ましいカチオン類はナトリウム及びアンモニウムカチオンを含み、xは少なくとも7、好ましくは少なくとも9の整数であるもの;C10〜C18の二級(2,3)アルキル硫酸塩類で、次式を有し、
【化1】

式中、Mは水素又は電気的中性を付与するカチオンであり、好ましいカチオン類はナトリウム及びアンモニウムカチオンを含み、xは少なくとも7、好ましくは少なくとも9の整数であり、yは少なくとも8、好ましくは少なくとも9の整数であるもの;C10〜C18アルキルアルコキシカルボキシレート類;米国特許第6,020,303号及び同6,060,443号により詳細に記述されているような中鎖分枝状アルキルサルフェート類;PCT国際公開特許WO99/05243、同WO99/05242、同WO99/05244、同WO99/05082、同WO99/05084、同WO99/05241、同WO99/07656、同WO00/23549及び同WO00/23548により詳細に記述されているような変性アルキルベンゼンスルホネート(MLAS);メチルエステルスルホネート(MES);α−オレフィンスルホネート(AOS)並びにこれらの混合物から成る群から選択されることができる。
【0024】
好ましいアニオン性洗浄性界面活性剤類は、直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換の、C12〜18アルキルサルフェート類;直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換の、C10〜18アルキルベンゼンスルホネート類、好ましくは直鎖C10〜13アルキルベンゼンスルホネート類及びこれらの混合物から成る群から選択される。極めて好ましいのは、市販されているC10〜13直鎖アルキルベンゼンスルホネート類である。極めて好ましいのは、市販の直鎖アルキルベンゼン類(LAB)をスルホン化することにより得られる直鎖C10〜13アルキルベンゼンスルホネート類であり、好適なLABには、サソール(Sasol)からイソケム(Isochem)(登録商標)の商標名又はペトレサ(Petresa)からペトレラボ(Petrelab)(登録商標)の商標名で供給されているもののような低級2−フェニルLABが挙げられ、他の好適なLABには、サソールからハイブリーン(Hyblene)(登録商標)の商標名で供給されているもののような高級2−フェニルLABが挙げられる。
【0025】
アニオン性洗浄性界面活性剤は、該アニオン性洗浄性界面活性剤がよりカルシウム耐性となり、遊離カルシウムイオンの存在下で洗浄溶液から析出し難くなるように構造的に修飾されることが好ましいことがある。この構造的修飾は、該アニオン性洗浄性界面活性剤の先端基の付近にメチル部分又はエチル部分を導入することであり得るが、これは、先端基の立体障害により、よりカルシウム耐性の高められたアニオン性洗浄性界面活性剤をもたらすことができ、遊離カルシウムイオンと錯体を形成して溶液から析出させるための該アニオン性洗浄性界面活性剤の親和性を低減させることができるからである。他の構造的修飾には、該アニオン性洗浄性界面活性剤のアルキル鎖中の、アミン部分などの官能基の導入が挙げられる。これにより、アニオン性洗浄性界面活性剤のアルキル鎖中の官能基の存在が、アニオン性洗浄性界面活性剤の望ましくない物理化学的特性を最小化して、洗浄溶液中の遊離カルシウムイオンの存在下で滑らかな結晶構造を形成することができるので、よりカルシウム耐性のアニオン性洗浄性界面活性剤をもたらすことができる。これは、アニオン性洗浄性界面活性剤が溶液から析出する傾向を低減させることができる。
【0026】
洗剤組成物中のカリウムカチオン類の存在は、カリウムカチオン類が、該洗剤組成物の洗浄性能に及ぼす悪影響ゆえに好ましくない。従って、洗剤組成物は、好ましくは10重量%未満、好ましくは5重量%未満、又は更に2重量%未満、又は更に1重量%未満、又は更に0.2重量%未満、又は更に0.1重量%未満、又は更に0.05重量%未満、又は更に0.04重量%のカリウムカチオン類を含む。最も好ましくは、洗剤組成物は、意図的に加えられたカリウムカチオン類を実質的に又は更に全く含まない。
【0027】
洗剤組成物は、典型的には少なくとも1つの他の補助剤成分を含む。
【0028】
洗剤組成物は、アニオン性洗浄性界面活性剤に加えて、他の補助洗浄性界面活性剤類を含んでもよい。該組成物は、非イオン性洗浄性界面活性剤、カチオン性洗浄性界面活性剤、双性イオン性洗浄性界面活性剤、両性洗浄性界面活性剤又はこれらの混合物を含んでもよい。該組成物は、直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換の、C12〜18アルキルカルボン酸類;1〜10の平均エトキシル化度を有する、直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換の、C8〜18アルキルエトキシル化アルコール類;直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換の、C12〜24アルキルN−メチルグルコースアミド類;直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換の、C8〜18アルキルポリグルコシド類;アミンオキシド類;直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換の、C12〜24アルキルベタイン類;直鎖又は分枝鎖の、モノアルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウム化合物類;及びこれらの混合物から成る群から選択される補助洗浄性界面活性剤を含んでもよい。好ましい四級アンモニウムカチオン性洗浄性界面活性剤類は、次式を有する。
(R)(R)(R)(R)N
式中、Rは直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換の、C6〜18アルキル又はアルケニル部分であり、R及びRは、独立して、メチル又はエチル部分から選択され、Rは、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル又はヒドロキシエチル部分であり、Xは電気的中性を付与するアニオンであり、好適なアニオン類には、ハロゲン化物類(塩化物など)、サルフェート及びスルホネートが含まれる。好ましいカチオン性洗浄性界面活性剤類は、モノC8〜10アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロライド、モノC10〜12アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロライド及びモノC10アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロライドである。
【0029】
典型的には、洗剤組成物は、広範囲の汚れの種類にわたり広範囲の洗浄条件において良好な洗浄性能を得るために、1種類以上の洗浄性界面活性剤を含む。洗剤組成物が、本質的に硬水耐性の洗浄性界面活性剤系を含むことが好ましい場合がある。該洗剤組成物が非常に少量のゼオライトビルダー及びリン酸塩ビルダーを含むか若しくはそれらを全く含まない場合、又は該洗剤組成物が硬水条件で使用される場合に、このことが特に好ましい。実質的に硬水耐性である好ましい活性剤系は、アニオン性洗浄性界面活性剤、非イオン性洗浄性界面活性剤及び所望によりカチオン性洗浄性界面活性剤を含むものである。好ましくは、洗剤組成物は、7重量%〜15重量%、好ましくは8重量%〜12重量%のアニオン性洗浄性界面活性剤、2重量%〜6重量%、好ましくは2重量%〜4重量%の非イオン性洗浄性界面活性剤、及び所望により0.5重量%〜2重量%、好ましくは1重量%〜2重量%のカチオン性洗浄性界面活性剤を含む。この界面活性剤系は、洗剤組成物が少量のゼオライトビルダー及びリン酸塩ビルダーを含むか又はそれらを全く含まない場合に、特に好ましい。
【0030】
洗剤組成物は、スルファミン酸及び/又はその水溶性塩類以外に、1重量%〜40重量%の補助ビルダーを含んでもよく、特に好ましいものは、水溶性補助ビルダー類である。補助ビルダー類は、好ましくは炭酸ナトリウム、クエン酸及び/又はクエン酸ナトリウムのようなその水溶性塩類、アクリル酸とマレイン酸とのコポリマー類又はポリアクリレートのような高分子ポリカルボキシレート類、ゼオライト、並びにこれらの任意の混合物から成る群から選択される。
【0031】
しかし、洗剤組成物が、少量の補助ビルダー類、特にゼオライトのような非水溶性補助ビルダー類を含むことが好ましい場合がある。洗剤組成物が非常に極めて可溶性であることが望ましい場合に、これが特に好ましい。更に、洗剤組成物は、リン酸塩ビルダー類(例えば、トリポリリン酸ナトリウム)のような補助ビルダー類を少量(例えば、多くの国でのホスフェートの規制の理由から)含んでもよい。洗剤組成物が、9重量%未満のゼオライトビルダー類及び9重量%未満のリン酸塩ビルダー類、又は更に5重量%未満のゼオライトビルダー類及び5重量%未満のリン酸塩ビルダー類、又は更に2重量%未満のゼオライトビルダー類及び2重量%未満のリン酸塩ビルダー類、又は更に1重量%未満のゼオライトビルダー類及び1重量%のリン酸塩ビルダー類を含むことが好ましい場合がある。該組成物は、意図的に追加されたゼオライトビルダー類及びリン酸塩ビルダー類を実質的に含まないか又は更に全く含まないことが好ましい場合がある。リン酸塩ビルダー類には、トリポリリン酸ナトリウムが含まれる。ゼオライトビルダー類には、ゼオライトA、ゼオライトP、ゼオライトMAP及びゼオライトXが挙げられる。
【0032】
洗剤組成物は、典型的には、補助剤成分を含む。これらの洗剤補助剤成分には、過炭酸塩及び/又は過ホウ酸塩のような漂白剤;好ましくはテトラアセチルエチレンジアミンのような漂白活性化剤、ノナノイルオキシベンゼンスルホネートのようなオキシベンゼンスルホネート漂白活性化剤類、カプロラクタム漂白活性化剤類、N−ノナノイル−N−メチルアセトアミドのようなイミド漂白活性化剤類、N,N−フタロイルアミノ(Pthaloylamino)過酸化カプロン酸、ノニルアミド過酸化アジピン酸又は過酸化ジベンゾイルのような予め形成された過酸類と組み合わせた、過炭酸塩及び/又は過ホウ酸塩のような漂白剤;ジエチレントリアミンペンタアセテート、ジエチレントリアミンペンタ(メチルホスホン酸)、エチレンジアミン−N’N’−二コハク酸、エチレンジアミンテトラアセテート、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)及びヒドロキシエタンジ(メチレンホスホン酸)のようなキレート剤類;アミラーゼ類、カルボヒドラーゼ類、セルロース類、ラッカーゼ類、リパーゼ類、オキシダーゼ類、ペルオキシダーゼ類及びプロテアーゼ類のような酵素類;シリコーン系の泡抑制剤類のような泡抑制系類;光沢剤類;光漂白剤;充填剤塩類;粘土、シリコーン及び/又は第四級アンモニウム化合物類のような布地柔軟化剤類;ポリエチレンオキシドのような凝集剤類;ポリビニルピロリドン、ポリ4−ビニルピリジンN−オキシド及び/又はビニルピロリドンとビニルイミダゾールとのコポリマーのような移染防止剤類;イミダゾールとエピクロルヒドリン(epichlorhydrin)との縮合により生成される疎水変性セルロース及びオリゴマー類のような布地一体性成分(fabric integrity component)類;ポリカルボキシレート類、アルコキシル化ポリアミン類及びエトキシル化エチレンイミンポリマー類のような分散剤類;並びにカルボキシメチルセルロース及びポリエステル類のような再付着防止成分が挙げられる。好ましくは、洗剤組成物は、1重量%未満の塩素漂白剤及び1重量%未満の臭素漂白剤を含む。好ましくは、洗剤組成物は意図的に加えられた臭素漂白剤及び塩素漂白剤を含まない。
【0033】
洗剤組成物は、いかなる形態であることもでき、例えば洗剤組成物は、液体の形態であり得る。あるいは、また好ましくは、洗剤組成物は、固体の形態、例えば、自由流動性粒子又は錠剤の形態である。好ましくは、洗剤組成物は、粒塊、押出品、噴霧乾燥された粒子、麺状、針状、フレーク及びそれらの混合物などの自由流動性粒子形態である。該組成物が錠剤の形態でないことが好ましい場合がある。該組成物が粒状洗濯洗剤組成物であることが好ましい場合がある。自由流動性微粒子形態の該洗剤組成物は、典型的には450g/l〜1,000g/lのバルク密度を有し、好ましい低バルク密度の洗剤組成物は、550g/l〜650g/lのバルク密度を有し、好ましい高バルク密度の洗剤組成物は、750g/l〜900g/lのバルク密度を有する。洗濯プロセス中、該組成物は典型的には水と接触して、7超〜11、好ましくは8〜10.5のpHを有する洗浄溶液を与える。
【実施例】
【0034】
実施例1
水性スラリー
【表1】

【0035】
噴霧乾燥された粉末の調製
上述した水性スラリーは、80℃に加熱されると同時に、成分は、攪拌を続けながら追加される。一旦全ての成分が追加されたら、それらを更に60秒間混合する。この工程中、スルファミン酸は、炭酸ナトリウムによりナトリウム塩の形態に中和される。該スラリーは、次に、高圧(5.5×10Nm−2〜6.0×10Nm−2)下で、空気入り口温度300〜310℃の向流式噴霧乾燥塔内に送り込まれる。該スラリーは、噴霧化され、該噴霧化されたスラリーは乾燥されて固体混合物が生成され、次に冷却されて大きすぎる物質(>2mm)はふるいによって取り除かれ、噴霧乾燥された粉末を生成する。微細物質(<0.15mm)は、噴霧乾燥塔内の排気で水簸して、収容システム内に集められる。噴霧乾燥された粉末は、5重量%の湿分含量、及び450g/lのバルク密度を有する。噴霧乾燥された粉末の組成を以下に示す。
【0036】
噴霧乾燥された粉末
【表2】

【0037】
本発明に従う粒状洗濯洗剤組成物の調製
噴霧乾燥された粉末13.56kgを、ミキサー内で、乾燥状態で追加される総量10.89kgの他の材料と共に、乾燥状態で混合し、乾燥混合された材料を生成する。工場混合条件をシミュレーションし、粒剤を確実に均質にするために、2.5rad/s(24rpm)で作動する小型(直径1m)のコンクリートミキサー内で、乾燥混合段階を30分間実施する。次に、非イオン性界面活性剤0.5kg(7の平均エトキシル化度(AE7)を有するエトキシル化アルキルアルコール)を温度60℃にて、2.5rad/s(24rpm)で回転する同じコンクリートミキサーを使用して、乾燥混合された材料上に噴霧する。非イオン性界面活性剤を該乾燥混合された材料上に噴霧した後、香料0.05kgを次に該乾燥混合された材料上に噴霧して、本発明に従う粒状洗濯洗剤組成物を生成する。本発明に従う粒状洗濯洗剤組成物の処方については、以下に示す。
【0038】
本発明に従う粒状洗濯洗剤組成物
【表3】

【0039】
完成製品は、610g/lのバルク密度を有し、自由流動性であった。
【0040】
実施例2〜5
スルファミン酸を含む粒状洗剤製品4種は、次の材料を共に混合することにより調製される。使用されるスルファミン酸は、ローディア(Rhodia)より供給される粒状「ミックスグレード」である。噴霧乾燥された粉末の製造は、実施例1で記述したのと同じ方法による。工場混合条件をシミュレーションし、粒剤を確実に均質にするために、2.5rad/s(24rpm)で作動する小型(直径1m)のコンクリートミキサー内で、乾燥混合工程を30分間実施する。
【0041】
乾燥混合工程に引き続き、AE7の非イオン性洗浄性界面活性剤を、温度60℃にて、2.5rad/s(24rpm)で作動する同じコンクリートミキサー内で、乾燥混合された材料上に噴霧する。
【0042】
その結果得られた本発明に従う粒状洗濯洗剤組成物の処方については、以下に示す。
【表4】

【0043】
生成された製品は各々、少なくとも600g/lのバルク密度を有し、全て自由流動性であった。これらの製品で使用される粒子は、以下でより詳細に記述する。
【0044】
カチオン性洗浄性界面活性剤粒子
実施例2〜5で使用されるカチオン性界面活性剤粒子は、モートンFM−50レーディゲ(Morton FM-50 Loedige)で14.6kgバッチを基準にして作られる。微粉化した硫酸ナトリウム4.5kgと微粉化した炭酸ナトリウム4.5kgとをミキサー内で予備混合する。主駆動源及びチョッパの両方を作動させながら、40%活性モノC12〜14アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロライド(カチオン性界面活性剤)水溶液4.6kgをミキサー内の微粉化した硫酸ナトリウム及び微粉化した炭酸ナトリウムに追加する。約2分間混合させた後、1.0kgの重量比1:1の微粉化した硫酸ナトリウムと微粉化した炭酸ナトリウムとの混合物をダスティング剤としてミキサーに追加する。その結果得られた粒塊を集めて、100〜140℃で2500l/分の空気を基準にして、30分間、流体床乾燥機を使って乾燥させる。その結果得られた粉末をふるいにかけて、1400μmまでの部分をカチオン性界面活性剤粒子として集める。カチオン性界面活性剤粒子の組成は、次の通りである。
【表5】

【0045】
非イオン性洗浄性界面活性剤粒子
実施例2〜5で使用される非イオン性洗浄性界面活性剤粒子は、25kgバッチを基準にして、直径1mのセメントミキサーを2.5rad/s(24rpm)にて使用して作られる。ハム・ケミー(Hamm Chemie)よりロムバック・ライヒトザルファート(Rombach Leichtsulfat)(登録商標)の商標名で供給されるライト・グレードの硫酸ナトリウム18.9kgを該ミキサーに追加し、次に7の平均エトキシル化度(AE7)を有する液体の形態のC14〜15エトキシル化アルキルアルコール6.1kgを該硫酸ナトリウム上に40℃にて噴霧し、該混合物を3分間混合して、自由流動性の非イオン性洗浄性界面活性剤粒子を生成する。非イオン性洗浄性界面活性剤粒子の組成は、次の通りである。
【表6】

【0046】
アニオン性洗浄性界面活性剤粒子
実施例2〜5で使用されるアルキルベンゼンスルホネート粒子は、モートンFM−50レーディゲ(Morton FM-50 Loedige)で14kgバッチを基準にして作られる。主駆動源及びチョッパを作動させながら、微粉化した硫酸ナトリウム7.84kg及び微粉化した炭酸ナトリウム2.70kgをまずミキサーに追加する。次に、直鎖アルキルベンゼンスルホネートペースト(78重量%活性)3.46kgを該ミキサーに追加し、2分間混合して、混合物を生成する。その結果得られた混合物を集めて、100〜140℃で2500l/分の空気を基準にして、30分間、流動床乾燥機を使って乾燥させ、アニオン性洗浄性界面活性剤粒子を生成する。アニオン性洗浄性界面活性剤粒子の組成は、次の通りである。
【表7】

【0047】
実施例6〜9
スルファミン酸を含有する粒状洗剤製品4種は、次の材料を共に混合することにより調製される。使用されるスルファミン酸は、ローディア(Rhodia)より供給される粒状「ミックスグレード」であった。工場混合条件をシミュレーションし、粒剤を確実に均質にするために、2.5rad/s(24rpm)で作動する小型(直径1m)のコンクリートミキサー内で、乾燥混合工程を30分間実施する。乾燥混合工程に引き続き、非イオン性洗浄性界面活性剤(AE7)を、温度60℃にて、2.5rad/s(24rpm)で作動する同じコンクリートミキサー内で、混合された粉末上に噴霧する。非イオン性界面活性剤を追加した直後に、ゼオライトを該ミキサー内に計量して加え、混合を更に5分間継続した。
【表8】

【0048】
生成された製品は各々、少なくとも800g/lのバルク密度を有し、全て自由流動性であった。これらの製品に使用する界面活性剤粒塊を以下でより詳細に記述する。
【0049】
界面活性剤粒塊1
実施例6〜9で使用される界面活性剤粒塊1は、モートンFM−50レーディゲ(Morton FM-50 Loedige)で13.1kgバッチを基準にして作られる。主駆動源及びチョッパの両方を作動させながら、直鎖アルキルベンゼンスルホネートペースト(78%活性)をゼオライトAと共にミキサーに追加する。約2分間混合した後、ゼオライト1.0kgをダスティング剤としてミキサーに追加する。その結果得られた粉末を集めて、100〜140℃で2500l/分の空気を基準にして、30分間、流体床乾燥機を使って乾燥させる。その結果得られた粉末をふるいにかけて、1400μmまでの部分を界面活性剤粒塊1として集めた。界面活性剤粒塊1の組成を以下に示す。
【表9】

【0050】
界面活性剤粒塊2
実施例6〜9で使用される直鎖アルキルベンゼンスルホネート粒子は、モートンFM−50レーディゲ(Morton FM-50 Loedige)で14kgバッチを基準にして作られる。主駆動源及びチョッパを作動させながら、微粉化した硫酸ナトリウム7.84kg及び微粉化した炭酸ナトリウム2.70kgをまずミキサーに追加する。次に、直鎖アルキルベンゼンスルホネートペースト(78重量%活性)3.46kgを該ミキサーに追加し、2分間混合して、混合物を生成する。その結果得られた混合物を集めて、100〜140℃で2500l/分の空気を基準にして、30分間、流動床乾燥機を使って乾燥させ、アニオン性洗浄性界面活性剤粒子を生成する。アニオン性洗浄性界面活性剤粒子の組成は、次の通りである。
【表10】

【0051】
実施例10
スルファミン酸粒塊
ファイングレードの粒状スルファミン酸を、以下のプロセスによって、凝集粒子に形成する。粒状スルファミン酸10.00kgをゼオライト2.25kgと共に、モートンFM−50レーディゲ(Morton FM-50 Loedige)に加える。ミキサーの主駆動源及びチョッパユニットを作動させながら、2.25kgの溶融PEG−4000を65℃にて該ミキサーに加える。PEG−4000を完全に加え終わったら、ゼオライト500gをダスティング剤として作用させるために追加する。混合操作は、PEG−4000が完全に凝固するまで継続させる。その結果得られた粉末をふるいにかけて、1400μmまでの部分をスルファミン酸粒塊として集める。組成を以下に示す。
【表11】

【0052】
生成されたスルファミン酸粒塊は自由流動性であり、本発明に従う粒状洗濯洗剤組成物を生成するために使用される。本発明に従う生成された粒状洗濯洗剤組成物の処方については、以下に示す。
【表12】

【0053】
結果として得られた生成物は、850g/lの密度を有した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)スルファミン酸及び/又はその水溶性塩類と、
(ii)少なくとも10重量%の硫酸塩、好ましくは硫酸ナトリウムと、
(iii)アニオン性洗浄性界面活性剤と
を含む、洗濯洗剤組成物。
【請求項2】
前記組成物が自由流動性粒子形態である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物が、少なくとも15重量%、好ましくは少なくとも20重量%の硫酸塩、好ましくは硫酸ナトリウムを含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が、0.04重量%未満のカリウムカチオン類を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が、0.1重量%〜5重量%のスルファミン酸及び/又はその水溶性塩類を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記スルファミン酸及び/又はその水溶性塩類が、微粒子形態であり、250マイクロメートル〜800マイクロメートルの範囲内の重量平均粒径を有し、所望により該スルファミン酸及び/又はその水溶性塩類が、35重量%以下のスルファミン酸及び/又はその水溶性塩類が250マイクロメートル未満の粒径を有し、35重量%以下のスルファミン酸及び/又はその水溶性塩類が1,000マイクロメートルより大きい粒径を有するような粒径分布を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、9重量%未満のゼオライトビルダー類と9重量%未満のリン酸塩ビルダー類とを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、7重量%〜15重量%のアニオン性洗浄性界面活性剤と、2重量%〜5重量%の非イオン性洗浄性界面活性剤と、所望により0.5重量%〜2重量%のカチオン性洗浄性界面活性剤とを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、10重量%〜20重量%の炭酸塩、好ましくは炭酸ナトリウムを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物がクエン酸を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が炭酸塩を含み、該組成物が10重量%を超える炭酸塩を含む場合には、前記炭酸塩対スルファミン酸の重量比が5:1未満である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
(i)炭酸塩アニオン供給源と、
(ii)炭酸塩アニオンとの酸/塩基反応に耐えることができるスルファミン酸を含む酸供給源と
を含み、
ここで炭酸塩アニオンを基準にした場合の前記組成物中の前記炭酸塩アニオン供給源の総量が、炭酸塩アニオンとの酸/塩基反応に耐えることができる該組成物中に存在する前記酸供給源の総量を完全に中和するために必要な前記炭酸塩アニオン供給源の理論量より7重量%〜14重量%大きい、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
前記アニオン性洗浄性界面活性剤が、直鎖アルキルベンゼンスルホネートである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
洗剤組成物の保管中に香料の分解を低減させるための、スルファミン酸の使用。
【請求項15】
洗剤ビルダーとしての、スルファミン酸又はその水溶性塩の使用。
【請求項16】
洗剤組成物の水分吸収を低減させるための、スルファミン酸の使用。
【請求項17】
洗剤組成物の保存安定性流動補助剤としての、スルファミン酸の使用。

【公表番号】特表2007−522335(P2007−522335A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−554322(P2006−554322)
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【国際出願番号】PCT/US2005/005864
【国際公開番号】WO2005/083047
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】