説明

アミン放出物制御のための方法およびプラント

CO捕捉装置の燃焼ガスからのアミン類およびそのアルカリ性分解生成物の大気中への放出(アミン漏れ)を除去する、または十分に減少させる方法であって、COは吸収区域における吸収剤とは反対方向の流れによって回収され、吸収剤は、環境に放出されるCOリーン燃焼ガスを与えるための、一または複数のアミン(類)の水溶液と、更に処理されるCOリッチガスを与えるための、再生カラムにおいて再生されるCOリッチな吸収剤と、吸収区域において再生利用される、再生された吸収剤とを含み、COリーン燃焼ガスは、ガス中のアミン(類)およびそのアルカリ性分解生成物を除去する、またはその量を十分に減少させるために、酸性水溶液により洗浄されることを特徴とする方法が記載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、COの捕捉と隔離の分野に関する。より詳細には、本発明は、COの減少した排ガスが空気中に排出されることによって環境に放出される、アミンに基づくCO捕捉装置からの放出物に関する問題を減少するための改善された方法と改善された吸収カラムに関する。
【背景技術】
【0002】
過去数世紀における石炭、天然ガス、および石油等の化石燃料の燃焼の継続的な増加は、大気中のCO濃度の増加の原因となった。CO濃度の増加は、COに起因する温室効果による懸念をもたらした。温室効果は、既にここ数十年の間に見られた気候変動の少なくともいくらかの原因となっているのではないかと疑われており、シミュレーションモデルによれば地球という惑星の気候におけるさらに大きな、場合によっては劇的な変動の原因となることが疑われている。
【0003】
この結果、化学燃料の燃焼による大気中へのCO排出を安定させ、さらには減少させるためのアクションを取るように促す、科学者、環境保護論者、政治家達からの要請が世界中で巻き起こった。化学燃料の燃焼による大気中へのCOの排出の安定化、またさらには削減は、火力発電装置および化学燃料が燃焼される他の装置による排ガスからのCOの捕捉と安全な蓄積によって達成されうる。
【0004】
捕捉されたCOは、帯水層のような地下構造、石油の回収の強化のために油井、または堆積のために枯渇した油井およびガス井戸に注入されうる。COは、数千年は地下構造に留まり続け、大気中に解放されることはないということが、試験によって示される。
【0005】
吸収によるガスからのCOの捕捉はよく知られており、たとえばガス田において産出された天然ガスからのCO(および他の酸性ガス)の除去などに長年用いられてきた。従来技術において用いられる、または示唆される吸収剤は、たとえば、米国特許第4,1120,51号明細書、米国特許第4,397,660号明細書、米国特許第5,061,465号明細書を参照すると、炭酸カリウムのような種々のアルカリ性溶液および種々のアミン類であった。火力発電装置による排気ガスからの、アミン溶液によるCOの分離は、たとえば米国特許第4,942,734号明細書によって、よく知られている。
【0006】
これらのCO捕捉溶液に共通して、分離される混合ガスは、吸収カラムの中で水溶性の吸収剤に対して反対方向に流れるように導入される。吸収カラムを通過するガスは、COが低減している(または酸性ガスが低減している)一方、CO(または酸性ガス)は吸収剤とともに吸収カラムから出される。吸収剤は再生カラムの中で再生され、吸収カラムへと戻される。アミンは再生カラムの中でアミン溶液を蒸気と共に取り除くことによって再生される。蒸気はカラムの基部にあるリボイラによって生成される。
【0007】
現在好まれている吸収剤は、種々のアミンの水溶液である。一般に用いられるアミンは、たとえばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ピペラジン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、2−メチルアミノエタノールなどのアルカノールアミン、並びに当業者に知られる他のアミンである。アミン吸収剤へのCOの吸収は可逆反応であり、発熱反応である。よって、COの吸収と放出とを反転させるために、再生カラムに熱が供給されなければならない。
【0008】
アミンによって、蒸気圧と水への溶解性が大きく異なる。したがって、一部のアミンは水溶性の吸収剤から気化しやすく、COリーン燃焼ガスとともに環境へと逃げ出しやすい。
【0009】
また、アミンの酸化に対する化学的安定性および熱劣化も、種々のアミンの間で大きな差がある。分解生成物は、アルデヒド、有機酸、および他のアミン、アミド、窒素酸化物、アンモニアのような含窒素化合物でありうる。一部の分解生成物はイオンまたは高分子化合物であり、溶剤の中で蓄積する傾向がある一方、他の揮発性の分解生成物は溶解性が制限され、燃焼ガスまたはCO生成物の流れに乗って捕捉装置システムから出て行く。
【0010】
近年、装置からCOリーン排ガスと共に放出されるアミンによって引き起こされる、環境または健康への危険性についての議論が生じてきている。
【0011】
米国特許出願公開第2008159937号を参照すれば、燃焼ガスからのCO捕捉のためのアミン吸収カラムは、一般に、大気中へのアミンの蒸気漏れを減少させることを主目的とする一または複数の水洗浄部と共に装着される。これらの水洗浄部は通常、トレイまたは水の再生利用を伴う充填層部のいずれかである。水洗浄部におけるアミンの吸収と、対応するアミン濃縮は、一定の水洗浄液の置換、すなわち、主要なアミン溶剤の回路が確立されるための構成と排出として真水が加えられることを必要とする。洗浄水中でのアミンの濃度は、水洗浄液からのアミン蒸気圧(背圧)のために、比較的低く維持されなければならない。蒸気圧はアミン濃度と液温とに依存している。より高い温度およびより高いアミン濃度は、より高いアミン蒸気圧とそれによるより高い空気中へのアミン漏れの原因となる。通常、液の再生利用を伴う水洗浄の充填層の最上部における平衡が想定され、つまり、ガスが、やはり液温とアミン濃度によって決定されるような、液の蒸気圧と等価のアミン濃度を含んでいることを意味している。
【0012】
溶液の希釈のために水洗浄回路に対して過剰な量の真水を添加すること、またはアミン蒸気圧を下げるために低温のガスおよび液体で作業することは、捕捉装置全体を通した水平衡が、中性のきわめて近くに維持されなければならないという点で、困難が多い。すなわち、システムに入り込む水の総量は、システムから出て行く水とつり合っている必要があり、さもなければ、残量が増え、ついには廃棄物として処分されなければならないこととなる。過剰な量の水を用いること、およびより低温で作業することはともに、アミンの蒸気漏れをゼロに近づけることを困難にし、この二者択一の作業はまた、コストに大きな影響を与えるものである。
【0013】
環境保護意識の高まりは、潜在的に有害な化合物の空気中への最小限の排出を伴う、改善された処理方法の必要性を生み出す。その結果としてさらに、公共事業機関および産業界が、本明細書で記述されているような改善を具体化することをいとわないことが期待されている。
【0014】
CO捕捉装置のためのアミンまたはアミン化合物の選択は、腐食の効果、起こりうるまたは知られている環境または健康への危険性、CO捕捉の効率、処理方法におけるエネルギー効率、アミンの分解の最小化などのような種々の要因に依存する。大気中へのアミンの漏れをなくすことができれば、アミン漏れに関して、有害、または環境もしくは健康への配慮のために許容されないアミン類は、前述の処理方法において許容されうる。
【0015】
したがって、CO隔離装置からのアミン類の漏れを除去する、または大幅に減少させる改善された方法および改善された装置の必要性が存在する。
【0016】
アンモニアが、アミンの発生しうる分解生成物として存在する場合、アルカリ性の化合物であって、アミン自体と同様に作用するが、アンモニアは著しく揮発性が高い。溶剤中におけるアミン類の分解によって生成されるアンモニアは、溶剤中および水洗浄時のアンモニアの溶解性がきわめて制限されており、すぐに平衡濃度に達するので、それが生成されたのと同じ割合の放出された燃焼ガスを媒介として捕捉装置から逃げ出しやすい。しかし、放出された燃焼ガスにおけるアンモニアの濃度は、いくつかの場合には、環境上の規制要件の基準を上回り、アミンに基づくCO捕捉装置からのアンモニアの放出の制御方法が必要とされる。
【発明の概要】
【0017】
第一の態様によれば、本発明は、CO捕捉装置の燃焼ガスからのアミン類およびそのアルカリ性分解生成物の大気中への放出を除去する、または十分に減少させるための方法であって、COは吸収区域における吸収剤とは反対方向の流れによって回収され、吸収剤は、環境に放出されるCOリーン燃焼ガスを与えるための一または複数のアミン(類)の水溶液と、更に処理されるCOリッチガスを与えるために、再生カラムにおいて再生されるCOリッチな吸収剤と、吸収区域において再生利用される、再生された吸収剤とを含み、COリーン燃焼ガスは、ガス中のアミン(類)およびそのアルカリ性分解生成物を除去する、またはその量を十分に減少させるために、酸性水溶液と共に洗浄される、方法に関する。
【0018】
水のみを用いる水洗浄システムにおいて、溶液中のpHはアミンの吸収によって増大し、液相中のアミン蒸気圧の増大の原因となる。酸性洗浄ステップにおける酸は、アミン類をプロトン化し、溶液中のアミン類、および他のアルカリ性の化合物を安定化させ、液相におけるアミン蒸気圧を著しく低下させ、大気中へのアミン漏れの対応する低下につながる。
【0019】
溶解されたCOは酸性であり、水洗浄におけるCOの吸収は、アミンとカルバマートまたはプロトン化されたアミン類とを結びつけるので、アミン蒸気圧をある程度減少させる。しかしながら、COの吸収率は低く、吸収カラム上層部における燃焼ガス中のCO分圧も低いため、水洗浄部における吸収されたCOの総量は、アミン背圧を除去するのに十分ではない。
【0020】
本方法は、COリーン燃焼ガスに純水洗浄を用いた際の緩衝容量の欠如と溶剤の背圧の結果であるアミン漏れの根本的な課題を解決する。
【0021】
第一の態様の第一の実施形態によれば、アミン(類)および分解生成物はニトロソアミンを含む。ニトロソアミンは他のアミン類の分解の結果でありえ、また、製造過程に起因する汚染物質という供給源から受け取るアミン類の中に存在しうる。ニトロソアミンは、その大部分が発がん性であることを疑われる化学化合物の集合である。CO捕捉装置に基づくアミンからのニトロソアミンの起こりうる放出は、それゆえに、環境上の懸念を高めてきた。本発明は、COリーン燃焼ガス中の任意のニトロソアミンの総量を十分に減少させることによる、この問題への一つの解決策である。
【0022】
本発明の第一の態様の一実施形態によれば、酸性洗浄溶液の一部は取り出され、アミン回収器へと導入され、アミン回収器において、溶液中のアミン塩が、アルカリの存在中で沸騰され、アミンカチオンが、CO捕捉のためのアミン吸収剤として再利用される遊離アミン蒸気として遊離される。アミン化合物の濃度、および酸性洗浄溶液によって吸収される、たとえばアンモニアのような、その任意の分解生成物が、洗浄溶液中で濃縮される。溶解塩の濃度が高く成りすぎるのを回避するために、洗浄溶液の一部が取り出される。アミン回収器へと導入することによって、酸性洗浄によって回収されたアミンは、アミンサイクルへと再導入され、したがって再利用される遊離アミンを得るために処理される。アミンサイクルは、その中でアミンが循環する、すなわち、吸収区域から再生カラムまで行き、そして吸収区域へと逆戻りする、というサイクルであると理解される。回収器の中に放出された遊離アミンは、好適には、回収器で発生された蒸気と共に、再生カラムへと導入される。
【0023】
他の実施形態の一つによれば、洗浄溶液中で相当量のアンモニアがアンモニウムとして結び付けられた場合、酸性洗浄溶液からの選択的なアンモニウムの分離のための別個のステージが好適である。アルカリの使用によって回収器中に放出される遊離アミンおよびアンモニアは分留カラムへと導入され、分留カラムにおいて、蒸気およびアミンは、濃縮され、主要なアミン溶剤回路へと送られ、一方、アンモニアは気体として回収される。あるいは、取り出された洗浄溶液はプレリアクタへと導入され、プレリアクタにおいて洗浄溶液がアルカリと反応されて、洗浄溶液がアミン回収器へと導入される前に洗浄溶液からアンモニアが取り除かれる。アンモニアはアミンと比較して著しく揮発性が高く、pKaの値はより低い。洗浄溶液の一部は取り出され、プレリアクタに導入され、プレリアクタにおいて、溶液はアルカリと反応され、アンモニウムイオンの大部分は、バキュームストリッピングか、または周囲の温度および気圧において溶液を通り抜けるバブリングの空気によって溶液から選択的に取り除かれうるアンモニアへと変換される。ストリッピングの空気は、後にアンモニアの回収のために処理されるか、アンモニアをアンモニウムイオンとして捕捉するための酸性の溶液を通される一方、残りの洗浄溶液はアミン回収器へと送られ、主要アミン溶液回路へと戻されるアミン類を遊離させるために、付加されたアルカリの存在中で沸騰される
【0024】
他の実施形態の一つによれば、酸性洗浄溶液の一部は取り出され、CO捕捉のためのアミン吸収剤へと導入される。この実施形態においては、取り出された酸性洗浄溶液は、循環する吸収剤の残余として処理されるためにアミン吸収剤へと導入される。循環するアミンは、微粒子を除去するために濾過され、少量が(連続的に、またはバッチ式に)取り出され、アミンサイクルへと戻される遊離アミンを回収するため、および循環するアミンから不揮発性の不純物を除去するために、回収器へと導入される。
【0025】
第二の態様によれば、本発明は、CO捕捉のために燃焼ガスを処理する吸収カラムであって、燃焼ガスのための注入管と、接触区域においてアミン吸収剤に対する燃焼ガスに反対向きの流れを与える、アミン吸収剤の吸収区域への配給のための、リーン吸収剤管に接続された液分散器と、燃焼ガスを洗浄するために接触区域へと水が導入される一または複数の水洗浄区域と、および処理された燃焼ガスを環境に放出するためのガス排出管とを含み、洗浄区域とガス排出管の間に酸性洗浄区域が配置され、酸性洗浄区域において、酸性洗浄管に接続された分散器が、酸性水溶液と燃焼ガスを接触させるための酸性洗浄区域へと酸性水溶液を導入するために配置される、吸収カラムに関する。
【0026】
この態様によれば、本発明は、大気中へのアミン蒸気漏れを除去するためのシステムに関する。酸性洗浄部は、任意の水洗浄部の後に配置される。CO吸収区域に放出された揮発性のアミン類の大部分は、任意の水洗浄部において捕捉され、水洗浄部から吸収区域への液の取り出しによってアミン吸収剤へと戻される。下流の酸性洗浄部の目的は、環境への排出の前の燃焼ガスの仕上げをすることである。この酸性洗浄部において、燃焼ガス中のアルカリ性の化合物(たとえば、アミン類、アンモニア、その他のニトロソアミンのようなアルカリ性の不純物)は、弱酸性溶液によって捕捉される。CO吸収カラムの最上部におけるこの洗浄部内のpHは、アミンと捕捉されたアルカリ性化合物に関して化学量論的に適切な酸を付加することによって制御される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】従来技術のCO隔離装置を示す図である。
【図2】本発明の接触器または吸収塔を示す本質的な略図である。
【図3】図2に示された本発明の第一の実施形態を示す本質的な略図である。
【図4】図2に示された本発明の第二の実施形態を示す本質的な略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は従来技術によるCO捕捉装置の例を示しており、炭素質燃料の燃焼による排ガスは、排出管1を通ってCO捕捉装置へと入り込む。CO捕捉装置の前に、燃料ガスは、一般に、微粒子、SOX、およびNOXの放出を制御するために、電気集塵機(ESP)、燃料ガスデサルファリゼーション(FGD)、およびNOx選択接触還元法(SCR)ユニットのような従来の空気汚染制御装置によって処理される。化合物および燃料ガスの温度は、その発生源に大いに依存している。したがって、必要とされる燃料ガスの前処理は、燃料、および装置の燃焼技術に依存する。
【0029】
管1を通ってCO捕捉装置に入り込む排気の温度は、通常、約120℃から約30℃である。燃料ガスは、冷却器2へと導入されてもよい。好適な冷却器2は、直接接触冷却器(DCC)であり、その中でガスは冷却され、更にSOXおよび塵が取り除かれ、約20℃から約50℃の温度で水で飽和される。DCCは一般に、充填層を通した水の再生利用を伴う湿式のガス洗浄装置であり、pH調整およびSOX制御のためにアルカリ性ナトリウム化合物が加えられる
【0030】
排ガスは、その後、CO吸収塔3の低層部へと導入される。CO吸収塔3においては、排ガスは、リーン吸収剤管4を通って吸収塔の上層部へと導入されるリーン吸収剤(lean absorbent)、すなわちCOが除去された吸収剤とは反対方向に、吸収塔3を最低部から最上部へと流れる。COリーンガス、すなわちCOの大部分が除去された排ガスは、ガス排出管6を通して吸収塔の最上部から除去される一方、リッチ吸収剤、すなわちCOの大部分を吸収した吸収剤は、リッチ吸収剤管5を通して吸収塔から除去される。
【0031】
リッチ吸収剤はポンプ48を通って送られ、吸収塔に戻されるリーン吸収剤に反して、リッチ吸収剤が再生カラム8へと導入される前に、熱交換器7の中で一般に90℃から110℃の範囲の温度に加熱される。再生カラム8において、リッチ吸収剤は、再生リボイラ11の中で吸収剤の一部が加熱されることによって生じる流れとは反対に、下向きに流れる。リーン吸収剤は、リーン吸収剤排出口10を通って再生カラムを出て行く。排出口10において、リーン吸収剤の一部は再生リボイラ11へと導入される。再生リボイラ11は、管12を通って再生カラムへと再導入される高温の吸収剤および蒸気を生成するために、一般に110℃から130℃の範囲の温度に加熱される。リボイラ11中のリーン吸収剤は一般に、蒸気のような熱媒体によって加熱される。再生リボイラの中で吸収剤を加熱するために熱媒体を用いる場合、熱媒体は管13を通して導入され、管13´を通して除去される。リボイラの熱媒体としての蒸気は普通、130℃から140℃の温度で、低圧蒸気として導入され、同温の凝縮された蒸気として管13´を通って出て行く。換言すれば、リボイラにおいて熱媒体から吸収剤へと移動するエネルギーは、蒸気の凝縮熱である。
【0032】
カラムの下からの加熱は、定常状態におけるカラムの最低部から最上部への温度勾配を与え、最上部における温度は、カラムの実際の設計に依存して、最も低い部分よりも10℃から50℃低い。
【0033】
再生リボイラへは導入されない管10内のリーン吸収剤は、ポンプ49によって管4を通って吸収カラム3へと戻され再生利用され、管5内のリッチ吸収剤に対して、熱交換器7内で冷却される。熱交換器7において、相対的に低温のリッチ吸収剤は、温度約120℃のストリッパーを通過する相対的に高温のリーン吸収剤に対して加熱される。アミンストリッパーのために熱交換器7を通過するリッチアミンの温度は、装置の実際の寸法設計および構造に依存して、約90℃から約110℃でありうる。ストリッパーは通常、わずかに過圧力の下で作動され、一般に雰囲気圧よりも0.5〜1.5バール高い。
【0034】
吸収剤、水蒸気および少量の吸収剤から放出されるCOは、再生カラム8からガス回収管9を通して回収される。ガス回収管9内のガスは、主にCO分離器15におけるCOを含む残留ガスから分離された水を凝縮するために、還流冷却器14内で冷却される。COガスおよび一部の残留水蒸気は、乾燥、圧縮、沈殿といった更なる処理のために、CO管16を通してCO分離器15から除去される。CO分離器において凝縮された水は、管17を通して回収され、ポンプ18によって再生カラム8の最上部へと汲み戻される。
【0035】
図2は本発明により変更される接触器または吸収カラム3の原理図である。吸収カラムを収集板22、31を用いて3つの区画に分ける。
【0036】
処理される排気ガスを排気管1を通し、カラムへと導き、好ましくはガス液体接触表面を増加させる、構造充填物のような、充填物を具備する接触域20を通り、上部へ流される。接触域において、リーン吸収管4を通して導かれ、液分散器21により充填物を接触面一面に分散させる液体吸収部への流れと逆流して、排気ガスが流れる。液分散器はノズル、有孔管、トラフなどの分野の当業者に周知の液分散器であり得る。
【0037】
接触域で、カラム内に導かれる排気ガスにおいて70%以上、好ましくは80%以上など、CO2の大部分を液分散器により吸収し、CO2の少ない排気ガスを得る。吸収剤を吸収カラムの下部で収集し、先行技術に関連した上記のような優れた吸収管5を通し、カラムから取り出す。
【0038】
CO2リーン排気ガスは、収集板22の上方へ収集板22を通って、および充填物で排気ガスを水に逆流する流れにより洗浄する洗浄域23内へと流れる。洗浄水を洗浄水管26を通し導き、水吸収器を用いて洗浄域23内で充填物一面に分散する。水分散器は液分散器21と同一または異なる。
【0039】
洗浄水を収集板22で収集し、送水管26を通して回収し、洗浄タンク27内へ導く。タンク27内の水をポンプ28を用いて洗浄水管24に再利用し得る。通過する燃料ガスから水を濃縮または除去するために、回収装置内の水の全体のバランスに応じて、通常、ガス冷却に水洗浄部を利用することが望ましい。再利用された洗浄水で、永久冷却器19により、これを得る。過剰な液体を排出させるために、および/または、アミンの濃度が高過ぎること、および循環する洗浄水に他の混入が可能であることの増大を避けるために、水抜き管29を具備する。また送水管30をも具備し、水損失および抜き管29を通る損失を置換する。管30の水源は、管17を通りCO2セパレータ15から得た凝縮液であり得り、図1を参照されたい。この過程得たから濃縮した水の使用は、過程の水収支の妨害を避けることを好む、すなわち過程に出入りする水を追加することを避ける、または過剰に水を除去するために好ましい。
【0040】
水抜き管29および送水管30は図示したようにタンク27と接続し得るが、水洗浄再利用ループ内の都合のよい位置に管29、30をまた具備し得る。水抜き管29は主要なアミノサイクルに戻るように配置される。
【0041】
接触域23を出た、洗浄されたCO2リーン排気ガスは収集板31の上方へ、収集板31を通って、および酸洗浄域32内を流れ、ここで、CO2が低減し洗浄された排気ガスを充填物の酸性水溶液で洗浄する。酸性水溶液は好ましくは約3−7のpHを有し、4−6の範囲がより好ましい。酸性溶液を酸洗浄管33を通して導き、分散器34を用いて酸洗浄域32の充填物一面に分散する。分散器34は、液分散器21と同一または異なる。当業者は、洗浄域32の向流酸洗浄部を記載するが、バブルベットトレイのような都合のよいガス洗浄技術を使用し得ることを理解するであろう。
【0042】
その後接触域32を出た、清浄な排気ガスは、排気がガス流出管6を通り周囲に放出される前に1つまたは複数のデミスタ47を通過する。デミスタは、メッシュパッドタイプ、羽根タイプ、シェブロンタイプなどのようなインピンジメントタイプであり得る。
【0043】
接触域32からの液体を、収集板31により収集し、管35を通して、酸洗浄タンク36へと回収する。タンク36内の溶液を、ポンプ37を用いて、管33へと再利用する。追加の発熱器または冷却器38を管33に具備し、管33の溶液の温度を調節する。
【0044】
洗浄液を閉鎖的な回路で再利用し、pHを継続的に監視し、必要に応じて、管39を通して酸を添加する。酸洗浄システム内の再利用する液体を吸収塔内の専用汚水溜めに、またあるいは、外部タンクへと収集し、研磨部の上部へと戻る再利用ポンプを通る経路で送る。当業者は、酸を酸洗浄回路の都合のよい位置に添加することを理解するであろう。
【0045】
酸洗浄部は、アミン−酸化合物が比較的高い濃度でわずかな抜取を生ずることを目的とし、好ましくは断熱で、または断熱に近い状態で作動する。溶解した化合物の濃度の、継続的な伝導率計測による監視が可能であり、濃度の高低に対する抜取率を液体再利用回路の小さな発熱器または冷却器により調節し得る。冷却は、水を通過する燃料ガスから濃縮するため、酸洗浄回路の液体の蓄積を起こすであろう、液体再利用回路の発熱器は水の蒸発および損失を起こさない。該部分に新鮮な水を添加することにより、濃度を制御することができるであろう。
【0046】
中和したアミンの蓄積を制御することおよび循環溶液への他の混入を可能にするために、抜取管40を具備する。抜取管40を通り除去された溶液を処分することができ、またさらにその中の環境上望ましくない成分を減少、除去、または回収するための処理を行う。抜取管40の溶液をさらに、アミン類の回収のためのいわゆるアミン回収器への挿入によりさらに処理してもよい。
【0047】
アミン回収器41は、洗浄溶液排水のみのための回収器である。経費および装置の複雑性を削減するために、回収器41は管40での両洗浄溶液排水からの再回収再生アミン吸収のための回収器であることおよび管10を通し再生部8から取り出す希薄吸収のための排水の回収器であることが好ましい。
【0048】
アミン回収器41は、循環吸収における他のイオンとともに形成される塩により不活性に精製されたアミンを回収するまたは再生するための、CO2回収装置に基づくアミンの追加の構成要素である。慣習的に、回収器41は、ボイラであり、回収されるアミン溶液を高温度で蒸気または管43を通して導入される他の熱源を用いて、沸騰または蒸発する。蒸気を回収器の内容物を加熱するために使用すると、凝縮された蒸気を管43‘を通して回収する。蒸気および蒸発したアミンを、返送管44を通し回収し、再生カラム8の追加の除去する蒸気のような内容物の導入により、再生カラム8の下部へと運び得る。
【0049】
回収器を継続的な基準で作動することができ、管10の再生カラムを出た少量、一般的に約0.5〜2.0%の希薄吸収を希薄吸収抜取管46を通して抜き取り、回収器41に導く。代わりに、回収器を、バッチ法で作動し得る。管40、46を通り回収器内に導かれた水溶液を回収または再生するため、アルカリ性水溶液をアルカリ管45を通して添加する。好ましくは、水酸化ナトリウムまたはナトリウム灰のようなアルカリ性ナトリウム水溶液をアルカリ性水溶液として使用する。溶解塩、あるいは精製塩、別の非揮発性減成化合物および他の粒子状物質を回収器41の底部で回収し、廃棄管42を通して除去する。
【0050】
図3は本発明の実施形態を示す。吸収および装置の作動状況に使用される1または複数のアミンに依存し、溶媒のアミンの分解によりアンモニアを生成する。吸収部の上部に存在するガス中のアンモニアが、酸洗浄により捕捉される。回収器41で回収される、抜き取った酸洗浄溶液中に存在するアンモニアは、アンモニアの蒸気圧の高さにより、回収器で蒸発し、上記に記載のように、回収カラム8へと導くために管44を通して取り出される回収されたアミン類および蒸気に従う。この結果、溶媒および酸洗浄水溶液のアミノ酸蓄積となるであろう、そしてこれは、酸洗浄システムおよび回収システムにそれぞれ酸および腐食剤を過剰消費させる結果に変わる。
【0051】
吸収部におけるアンモニア蓄積の濃縮を避けるために、管44を通し、取り出されるガスを追加分画カラム53で処理し、アンモニアをアミンおよび水から成る蒸留物から分離する。アミンおよび水を、管55を通る主要溶媒回路を経て輸送する一方、アンモニアを、廃棄するために管54を通し取り出すまたはSCR Nox除去用途のような他の目的に使用する。
【0052】
図4はアンモニア除去に用いる追加前反応器47を回収器41の上流に導く、本発明の別の実施形態を示す。前反応器で、管51を通しアルカリを添加し、アンモニアを除去する。真空ストリッピングによるまたはガス管48を通して前反応器47に導かれる空気のような脱剤によるストリッピングは単位効率を改善するであろう。前反応器の脱ガスおよび液体間の効果的な接触を確保するために、前反応器内に導かれる脱ガスを散布する、スパージャ49を前反応器47に配置し得る。
【0053】
溶液あるいは脱ガスより放出されたアンモニアを排気管50を通し前反応器より排気し、アンモニア回収のため処理または硫酸のような酸性吸着剤を用いたアンモニアの吸着のためスクラバで処理する。硫酸を使用する場合、得られた硫酸アンモニウムを他の工程で使用し得る。
【0054】
前反応器47を使用する際、アンモニアおよびプロトン化されたアンモニアを用いた化学量論的反応を得るために要求されるアルカリ部をアンモニア除去のために前反応器47に添加し、アルカリ残留部をアミン回収容器41に添加する。
【0055】
ここに記載する回収器の原理は熱型から成り、イオン交換透析のような他のアミン回収代替案を同様に記載される本発明に関連して、適用する。イオン交換アミン回収ユニットにおいて、酸洗浄水溶液のアニオンを交感樹脂に取り付けられた水酸基と交換し、それ故、その際にアンモニウムおよびアンモニアを真空ストリッピングまたは、空気のような脱剤によって溶液から取り除くことができ、一方遊離アミンを含む残留溶液を、捕捉装置へと戻し得る。交換樹脂を定期的に水酸化ナトリウムのようなアルカリ溶液での処理により再生する。
【0056】
水溶性アミンおよびアンモニウム溶液はまた、アミン類およびアンモニアおよびそのプロトン化したイオンの細菌学的分解を生じるであろうある特定のバクテリアによって処理され得る。アンモニウムの生物学的脱窒は排水処理産業において周知の技術である。
【0057】
硫酸、硝酸、酢酸、ギ酸、炭酸、クエン酸など無機酸および有機酸のいずれも、複数の酸を酸洗浄溶液に利用可能である。炭酸はCO2で過飽和された液体溶液を意味する。炭酸は循環液の濃縮CO2の注入、高圧でCO2に接触した水の使用、または重炭酸塩の添加により酸洗浄水システムでCO2濃縮度を高めることによりその場で生成することができる。ストリッパオーバーヘッドコンデンサからの凝縮物またはCO2圧縮内部冷却器からの凝縮物をCO2で高濃縮し、その為酸洗浄システムのため溶液を作り上げる実行可能な要因となり、追加の酸を好ましい範囲のpHを得るために酸洗浄システムへ添加する。
【0058】
使用する酸または酸の混合物の種類に依存せず、酸洗浄システムにおける好ましいpHは3〜7の範囲であり、より好ましくは4〜6であり、アミン類およびNH3を完全にアンモニウムイオンへとプロトン化するために十分に低くし、その際溶液上部のアミン類およびアンモニアの蒸気圧を排除することによる。酸洗浄部によりpHを下げることの他の実用的な効果は、レジオネラ増殖のできる限りの減少または回避である。レジオネラがCO2吸収部の水洗浄部に支障を起こした場合(他の冷却塔からの経験のように)、酸、水洗浄部を推奨する3〜7のpHの範囲の低い値またはさらにpH3より僅かに低い値で作動させることがより望ましいかもしれない。本明細書を読んだ当業者は、酸洗浄水溶液のための適した酸混合物および適したpHの範囲を不当な実験または試験をせず選択することができるであろう。
【0059】
上記のように、酸洗浄からの濃縮排水を蓄積タンクまたはアミンを取り戻す回収器へと送り、それにより、ソーダ灰まはた水酸化ナトリウムのようなアルカリ化合物の添加によってアミン損失が減少する。本実施例で示すように、硫酸を実施例のような酸洗浄目的で適用し、例えばアルカリ性ナトリウム化合物は硫酸アニオンと反応する。
【化1】

【0060】
アンモニアを溶媒の分解により放出し、アンモニウムのような酸性洗浄剤で捕捉する際、アンモニアをアミン類と同様のアルカリ性ナトリウム化合物との反応により放出する。
【化2】

【0061】
アンモニアのpKa値はアミン類のpKa値より著しく低く、それ故反応(2)は反応(1)以上に有利である。アンモニアはまたアミン類に比べかなり揮発性がある。それ故、アンモニアは室温で9.0〜9.5の範囲のpHにおいてストリッピングを行うことによりアルカノールアミンのような溶解アミンよりもアンモニアを含む液体溶液から多くは選択的に取り除かれる。
【0062】
炭酸を酸洗浄システムに適用する場合、アミンおよびアンモニアの再生を、アルカリの添加なしに、単に液体排水の沸騰によって行うことができ、その後図3のように、分留カラムで液相からCO2およびアンモニアを分離することができる。液相を主要溶媒回路に戻し、一方CO2およびアンモニアを工程より除去する。
【0063】
あるいは、さらなる処理のため、酸洗浄からの液体排水をアミン循環へと戻す。
【0064】
当業者は、好ましくは接触域20、23、32がトレイであり、またはガスおよび液体間の接触域を増加させる充填物質を具備する接触域に包まれることを理解するであろう。充填物質は周知の充填物質であるかもしれないし、無作為に配置されまたは構成され得る。最も好ましい充填物質は、使用されるガスおよび吸収剤に実質的に不活性な物質で形成された構造充填物である。
【0065】
当業者はまた、記載される吸収カラムを実例となる目的のために単純化することを理解するであろう。接触域20、23、32を各々必要または所望ならば2またはそれ以上の段階で水平に分割し得る。接触域20、23、32を水平に分割する場合、収集板を異なる段階を分けるために使用することができ、また液体再分配器をその間に取り付ける。
【0066】
収集板21、22、32は当該技術分野において既知の液体収集システムの任意の種類のような同一または異なる種類でもよく、液体は下方へ流れさせずに排気ガスをカラムの上方へと流す、その結果収集される液体を取水管26、35それぞれを通し、取り出す。
【0067】
実施例1
図1に記載の試験規模のCO2捕捉装置を試験のために使用した。30wt%MEA溶媒をガスタービン排気ガスからCO2の捕捉のために加えた。CO2吸収装置は主要吸収域から成り、90%CO2の捕捉に成功した。
【0068】
吸収域を出発した燃焼ガスは80−100ppmのMEA気体を含み、燃焼ガス温度は、50〜55℃の範囲であった。構造充填物を有する単一水洗浄部を、周囲へのアミン漏れの減少のために加えた。再利用水を外部熱交換器により冷却し、通過する燃焼ガスの冷却を生じ、水洗浄部を出発する気体の温度は、45〜50℃の範囲であった。水の凝縮は、洗浄水部で行われ、水洗浄液再利用回路の過剰な液体を主要アミン循環回路へ送った。水洗浄システムのための定常状態(すなわち一定温度特性および一定気体および液体濃縮)を成し遂げ、排出ガスのMEA含有量は約0.7ppmと計測された。
【0069】
その後、再利用水洗浄液のpHを6以下に下げるために硫酸を添加した。MEA濃度を検出限界以下、いわゆる0.05ppmに下げた。純水を用いインピンジャ系を通したガス抽出により分析を、その後インピンジャ内容物のLC−MS分析を行った。
【0070】
実施例2
図1に記載の試験規模のCO2捕捉装置を試験のために使用した。30wt%MEA溶媒を石炭動力のパワーステーションからの燃焼ガスからCO2を捕捉するために加えた。CO2吸収装置は主要吸収域から成り、90%CO2の捕捉に成功した。
【0071】
吸収域を出発した燃焼ガスは90〜100ppmの気体MEAを含み、燃焼ガス温度は、55〜57℃の範囲であった。構造充填物を有する単一水洗浄部を、周囲へのアミンスリップの減少のために加えた。再利用水を外部熱交換器により冷却し、通過する燃焼ガスを冷却させ、水洗浄部を出発した気体の温度は、45〜50℃の範囲であった。水の凝縮は、洗浄水部で行われ、水洗浄液再利用回路の過剰な液体を主要アミン循環回路へ送った。水洗浄システムのための定常状態(すなわち一定温度特性および一定気体および液体濃縮)を成し遂げ、排出ガスのMEA含有量は約0.7ppmと測定された。アンモニアの濃度がオンラインFTIRにより約30ppm(湿潤状態)であると測定された。専門会社が特定のニトロソアミン化合物の排ガス測定を実施し、排出された燃焼ガス中のN−ニトロソモルホリンを0.4ug/Nm3検出した。
【0072】
その後、再利用水洗浄液のpHを6以下に下げるために硫酸を添加した。MEA濃度を検出限界以下、いわゆる0.05ppmに下げた。アンモニア濃度はオンラインFTIRにより記録され、1ppm以下に低下した。排出された燃焼ガスにN−ニトロソモルホリンは検出されなかった。
【0073】
純水を用いインピンジャ系を通したガス抽出によりMEA分析を、その後インピンジャ内容物のLC−MS分析を行った。ニトロソアミン計測のためのサンプルトレインは、復水トラップ、Thermosorb/NカートリッジおよびThermosorb/Nカートリッジ代替器を具備した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CO捕捉装置の燃焼ガスからのアミン類およびそのアルカリ性分解生成物の大気中への放出を除去する、または十分に減少させるための方法であって、
COは吸収区域における吸収剤とは反対方向の流れによって回収され、
吸収剤は、環境に放出されるCOリーン燃焼ガスを与えるための、一または複数のアミン(類)の水溶液と、更に処理されるCOリッチガスを与えるための、再生カラムにおいて再生されるCOリッチな吸収剤と、吸収区域において再生利用される、再生された吸収剤とを含み、
COリーン燃焼ガスは、ガス中のアミン(類)およびそのアルカリ性分解生成物を除去する、またはその量を十分に減少させるために、酸性水溶液により洗浄される
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
アミン(類)と分解生成物がニトロソアミンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
COリーン燃焼ガスが、トレイ、または液の再生利用を伴う充填洗浄区域において、酸性水溶液によって洗浄される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
酸性洗浄溶液の一部が取り出され、アミン回収器へと導入され、アミン回収器において、溶液中のアミン塩が、アルカリの存在中で沸騰され、アミンカチオンが、CO捕捉のためのアミン吸収剤として再利用される遊離アミン蒸気として遊離される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
回収器からの蒸気およびガス状アミンは、水およびアミン蒸留物からのガス状アンモニアの分離のために分留カラムへと送られる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
洗浄溶液の排出物は、洗浄溶液がアルカリと反応され回路レリアクタに導入され、バキューム、または洗浄溶液がアミン回収器へと導入される前に洗浄溶液からアンモニアを選択的に除去するストリッピングガスによって取り除かれる、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
酸性洗浄溶液の一部は、取り出され、CO捕捉のためのアミン吸収剤へと導入される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
酸性洗浄溶液の一部は、アルカリ性溶液、イオン交換、透析、またはバクテリア分解による更なる処理のためにタンクへと取り出される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
炭酸を含む構成する水は、必要とされるpHを得るために追加的な酸が加えられる処理において凝縮された水から洗浄システムに供給される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
酸性水洗浄回路において、水量および水中の分解された化合物の濃度を制御するために熱交換器が用いられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
水によってCOリーン燃焼ガスが洗浄される一または複数の洗浄ステップが、COの吸収のための接触区域と酸性洗浄部の間に配置される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
CO捕捉のために燃焼ガスを処理する吸収カラムであって、
燃焼ガスのための注入管(1)と、
接触区域においてアミン吸収剤に対する燃焼ガスに反対向きの流れを与える、アミン吸収剤の吸収区域(20)への配給のための、リーン吸収剤管(4)に接続された液分散器(21)と、
燃焼ガスを洗浄するために接触区域へと水が導入される一または複数の水洗浄区域(23)と、
処理された燃焼ガスを環境に放出するためのガス排出管と
を含み、
洗浄区域(23)とガス排出管(6)との間に酸性洗浄区域(32)が配置され、酸性洗浄区域(23)において、酸性洗浄管(33)に接続された分散器(34)が、
酸性水溶液と燃焼ガスを接触させるための酸性洗浄区域へと酸性水溶液を導入するために配置されることを特徴とする吸収カラム。
【請求項13】
洗浄区域(23)とガス排出管(6)の間にデミスタ(47)が備えられることを特徴とする、請求項12に記載の吸収カラム。
【請求項14】
デミスタ(47)が、インピンジメント型のミスト抽出器であることを特徴とする、請求項13に記載の吸収カラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−520167(P2012−520167A)
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−553379(P2011−553379)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際出願番号】PCT/EP2010/051775
【国際公開番号】WO2010/102877
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(510065757)
【Fターム(参考)】