説明

アモルファスITO透明導電膜用エッチング液組成物及びエッチング方法

【課題】アモルファスITO透明導電膜に適用した場合にエッチング残渣除去性能に優れ、しかも、固形物の析出がなく従来品より液寿命が長い、エッチング液組成物を提供する。
【解決の手段】(A)硫酸3〜30重量%、(B)炭素数が12以上の炭化水素基を有するアニオン性界面活性剤、分子量が1000以上であるナフタレンスルホン酸の縮合物及び/又はその塩、分子量が1000以上であるポリスチレンスルホン酸及び/又はその塩、並びに、炭素数が12以上の炭化水素基を有し、しかもHLB値が12以上であるノニオン性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤0.005〜1重量%、(C)水残部の合計100重量%からなり、燐酸、硝酸、塩酸、酢酸、シュウ酸及びこれらの塩を含有しない、アモルファスITO透明導電膜用エッチング液組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレイ(LCD)やエレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイなどの表示装置に使用される透明導電膜のためのエッチング液に関する。
【背景技術】
【0002】
LCDやELディスプレイ等の表示装置において、画素の表示電極等に透明導電膜が用いられている。この透明導電膜として、酸化インジウム系透明導電膜、例えば、酸化インジウム錫(ITO)膜、が広く使用されている。ITO膜は、例えば、スパッタリング等の各種の手法を用いた成膜プロセスにより、ガラス等の基板上に形成される。レジスト等をマスクにしてITO膜をエッチングすることで電極パターンが基板上に形成される。このエッチング工程には湿式と乾式があるが、湿式ではエッチング液が使用される。
【0003】
従来、多結晶ITO膜の湿式エッチングには、通常、塩酸系の組成物が用いられているが、エッチングの際にアルミニウム配線等の腐食が生じ、さらに、ITOの結晶粒界から選択的にエッチングが進行するために、加工精度よくパターニングすることが困難であった。
【0004】
そこで、近年、非晶質ITO膜を透明導電膜として使用し、シュウ酸水溶液を用いてエッチングする方法が試みられている(例えば、特許文献1参照)。例えば、特許文献1の技術では、シュウ酸水溶液とポリスルホン酸化合物とポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマーを組み合わせている。これは下地膜上に形成されたITO膜も残渣なしに良好にエッチングでき、且つ発泡も少ない。
【0005】
しかし、このようなエッチング液を用いてITO膜をエッチングすると、エッチングの進行に伴いシュウ酸とインジウムとの塩が固形物として析出してくるという問題がある。この析出物の出現は、一般的なシュウ酸系エッチング液ではインジウムの可溶濃度が200ppm程度であるため、その過剰分が析出物として現れるからであると考えられる。1μmよりも小さなパーティクルですら問題となる電子部品の製造工程において、このような固形物の析出は致命的である。また、この塩の析出により、処理液の循環用に設けられたフィルターが詰まり、その交換コストが高額になる虞もある。そのため、たとえエッチング液としての性能が十分に残っていても、この塩が析出してくる前に液を交換せねばならず、液寿命が短いものとなってしまっている。
【0006】
また、シュウ酸系エッチング液は固体状態のシュウ酸を水に溶解して製造する。このとき、シュウ酸は水に対する溶解度が低いため、水分の蒸発が進行すると、容易に析出する。これにより処理基板を傷つけたり、また処理装置の誤作動を誘発する虞もある。
【0007】
シュウ酸を使用しないエッチング液で、エッチング残渣が発生せずアルミニウム等の下地膜への影響が少ないとされる組成物も検討されている。例えば、主酸化剤として硫酸を用い、補助酸化剤として燐酸、硝酸、酢酸等を配合した酸化インジウム系透明導電膜用のエッチング液組成物が、特許文献2に開示されている。
【0008】
しかし、この組成では、多結晶透明導電膜に適用した場合にはエッチング残渣の発生が少ないものの、理由は不明であるが、後述するように、アモルファスITO透明導電膜に適用した場合に、エッチング残渣の除去性が非常に悪いことがわかった。また、燐酸やその塩を添加するとエッチング速度が極度に低下する。
【0009】
また、特許文献3には塩酸0.5〜15重量%、燐酸及びカルボン酸、界面活性剤、並びに、ポリアミンを含有するITO膜除去液が記載されている。しかし、このITO膜除去液はメタルマスク上のITO膜除去が主目的であり、エッチング残渣除去性は不十分である。
【特許文献1】特開2002−164332号公報、実施例
【特許文献2】特開2006−77241号公報
【特許文献3】特開2000−309888号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の現状に鑑みて、本発明は、アモルファスITO透明導電膜に適用した場合にエッチング残渣除去性能に優れ、しかも、固形物の析出がなく従来品より液寿命が長い、エッチング液組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、(A)硫酸、(B)炭素数が12以上の炭化水素基を有するアニオン性界面活性剤、分子量が1000以上であるナフタレンスルホン酸の縮合物及び/又はその塩、分子量が1000以上であるポリスチレンスルホン酸及び/又はその塩、並びに、炭素数が12以上の炭化水素基を有し、しかもHLB値が12以上であるノニオン性界面活性剤らなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤、並びに、(C)水からなるエッチング液組成物であって、組成物100重量%に対して、前記(A)成分3〜30重量%、前記(B)成分0.005〜1重量%及び残部の前記(C)成分の合計100重量%からなり、燐酸、硝酸、塩酸、酢酸、シュウ酸及びこれらの塩を含有しない、アモルファスITO透明導電膜用エッチング液組成物である。
【0012】
本発明はまた、(A)硫酸、(B)炭素数が12以上の炭化水素基を有するアニオン性界面活性剤、分子量が1000以上であるナフタレンスルホン酸の縮合物及び/又はその塩、分子量が1000以上であるポリスチレンスルホン酸及び/又はその塩、並びに、炭素数が12以上の炭化水素基を有し、しかもHLB値が12以上であるノニオン性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤、並びに、(C)水の合計量を100重量%として、前記(A)成分3〜30重量%、前記(B)成分0.005〜1重量%及び残部の前記(C)成分の合計100重量%から実質的になるエッチング液組成物を、電子部品基板上の、フォトレジストでパターニングマスクされたアモルファス透明導電膜に適用し、燐酸、硝酸、塩酸、酢酸、シュウ酸及びこれらの塩を使用することなく、エッチングする、透明導電膜のエッチング方法でもある。
【発明の効果】
【0013】
本発明は上述の構成により、アモルファスITO透明導電膜付き基板の製造プロセスにおけるエッチング工程において良好な残渣除去能力を発揮することができる。
本発明はまた、従来のエッチング液がエッチング性能を保持したまま液交換される原因である、インジウム化合物の析出を抑制するので、従来品よりも液交換の頻度が少なくて済む長寿命のエッチング液を提供することが可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明のエッチング液組成物は、(A)硫酸、(B)炭素数が12以上の炭化水素基を有するアニオン性界面活性剤、分子量が1000以上であるナフタレンスルホン酸の縮合物及び/又はその塩、分子量が1000以上であるポリスチレンスルホン酸及び/又はその塩、並びに、炭素数が12以上の炭化水素基を有し、しかもHLB値が12以上であるノニオン性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤(単に、界面活性剤成分(B)ともいう。)、並びに、(C)水を必須成分として含有する。
【0015】
本発明に使用される硫酸(A)の配合量は、エッチング液組成物100重量%に対して、30重量%以下であり、下限は、3重量%以上である。3重量%未満であるとエッチング速度が遅くなり、30重量%を超えると、残渣除去性の低下や配線材料であるアルミニウム等の金属への腐食が生じる。好ましくは5〜20重量%である。
【0016】
本発明に使用される界面活性剤成分(B)は、炭素数が12以上の炭化水素基を有するアニオン性界面活性剤、分子量が1000以上であるナフタレンスルホン酸の縮合物及び/又はその塩、分子量が1000以上であるポリスチレンスルホン酸及び/又はその塩、並びに、炭素数が12以上の炭化水素基を有し、しかもHLB値が12以上であるノニオン性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤である。上記(B)成分としては上記条件を満たすかぎりとくに限定されず、上記アニオン性界面活性剤としては、炭素数が12以上の炭化水素基を有するものが挙げられ、例えば、アルキル硫酸、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸、及び、これらの塩(例えば、ドデシルスルホン酸アンモニウム塩、オレイルスルホン酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレンドデシルエーテルスルホン酸アンモニウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルスルホン酸アンモニウム塩等)からなる群から選択される少なくとも1種を使用することができ、上記ノニオン性界面活性剤としては、炭素数が12以上の炭化水素基を有するものであってしかもHLB値が12以上であるものが挙げられ、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル(例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル(炭素数12以上)フェニルエーテル等)を使用することができる。界面活性剤成分(B)は、これらを任意に組み合わせて使用してもよい。
【0017】
界面活性剤成分(B)においては、界面活性剤の疎水部の炭素数が12より少ないか、又はナフタレンスルホン酸やポリスチレンスルホン酸の場合は分子量が1000より小さいと、残渣除去性が不十分となり、また、HLB値が12より小さいと、ノニオン性界面活性剤が系に完全に溶解しきらない。
【0018】
なお、ここで言うHLB値とは、ノニオン性界面活性剤に用いられる値であり、グリフィン法:HLB値=20×親水部の式量の総和/分子量、で算出される、親水親油バランス値である。ただし、グリフィン法でHLB値を定義されないとき(例えば、ある種のノニオン性界面活性剤等)は、デイビス法による。デイビス法:HLB値=7+Σ(親水部の基数)+Σ(親油部の基数)で算出される値(基数は官能基に固有の値)。
【0019】
上記界面活性剤成分(B)の配合量としては、エッチング液組成物100重量%に対して、0.005〜1重量%である。0.005重量%未満であると、残渣除去能力が不充分であり、一方、1重量%を超えて配合しても残渣除去能力はあまり向上せず、過剰に配合するとエッチングレート低下の不都合が生じる。好ましくは0.01〜1重量%である。
【0020】
本発明に使用される水(C)の配合量は、エッチング液組成物100重量%に対して、上記(A)及び(B)成分の配合量の残部である。
【0021】
本発明のエッチング液組成物は、上記(A)〜(C)成分から実質的になり、燐酸、硝酸、塩酸、酢酸、シュウ酸及びこれらの塩(例えば、アンモニウム塩等)を含有しない。
【0022】
本発明のエッチング液組成物は、上記各成分の所要量を常法により混合(常温で攪拌混合)することにより調製することができる。
【0023】
本発明のエッチング液組成物は、基板(例えば、ガラス等)上に形成されたアモルファス透明導電膜(アモルファス酸化インジウム(ITO)系膜等)を残渣発生なしにエッチングするために使用される。硫酸に加えて、硝酸、塩酸、酢酸及びこれらの塩等の補助酸化剤を含有させたエッチング液は、アモルファスITO膜のエッチングに使用すると、エッチング残渣が除去されない。また硫酸に加えて、燐酸やその塩を添加するとエッチング速度が極度に低下する。硫酸系エッチング液の場合に、多結晶ITO膜に対する結果がアモルファスITO膜には当てはまらないことが認識されていたとはいえず、この原因は不明である。一方、シュウ酸を併用した場合には、アモルファスITO膜のエッチング残渣は発生しないが、インジウム溶解量が少なく、固形物の析出が生じる。本発明の組成物は、予想外にも、アモルファスITO膜のエッチング残渣を発生させず、しかも、インジウム溶解量が多く、固形物の析出を抑えることができる。
【0024】
本発明のエッチング液組成物は、例えば、電子部品等の基板上に形成されたアモルファスITO膜にレジストでパターニングマスクをし、エッチングによりパターン形成するために使用することができる。また、基板上に、下地膜を形成した上に形成されたアモルファスITO膜のエッチングにも好適に使用することができる。なお、本明細書中、下地膜とは、基板上に、アモルファスITO膜の下に、アモルファスITO膜の形成に先立って形成され、その上にアモルファスITO膜が形成される膜をいい、例えば、窒化ケイ素(SiN)膜や有機平坦化膜等であってよい。アモルファスITO膜は、非晶質のみからなるITO膜のみならず、非晶質に多少の結晶質が混在していてもよい。ITO膜の結晶化はX線回折を行うことで知ることができ、結晶質のITO膜はシャープなピークを示し、非晶質のみからなるときはブロードなハローを示してシャープなピークを示さず、非晶質に多少の結晶質が混在する場合は、ハローの上に小さなピークがいくつか現れる。
【0025】
エッチング工程においては、本発明のエッチング液組成物は、室温で、又は、加熱(例えば、25〜50℃)して、使用することができる。エッチングに要する時間は、アモルファスITO膜の膜厚等により異なるが、一般には、例えば、1〜30分程度である。エッチングの後、必要に応じて、リンス工程で洗浄することができる。
【実施例】
【0026】
以下に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の表中の略号は下記のとおり。
塩化A:塩化アンモニウム
硝酸A:硝酸アンモニウム
燐酸A:燐酸アンモニウム
酢酸A:酢酸アンモニウム
シュウ酸A:シュウ酸アンモニウム
DDSA:ドデシルスルホン酸アンモニウム塩
OSNa:オレイルスルホン酸ナトリウム塩
POEDSA:ポリオキシエチレンドデシルエーテルスルホン酸アンモニウム塩
POENPSA:ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルスルホン酸アンモニウム塩
NSFM:ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物モノエタノールアミン塩(分子量1000以上)
PStS:ポリスチレンスルホン酸(分子量1000以上)
POEOE:ポリオキシエチレンオレイルエーテル
POESE:ポリオキシエチレンステアリルエーテル
NSNa:ノナンスルホン酸ナトリウム塩
UDSNa:ウンデカンスルホン酸ナトリウム塩
NS:ナフタレンスルホン酸(分子量208)
【0027】
実施例1〜14及び比較例1〜17
表1の配合でエッチング液を調製した。これらのエッチング液を用いて、以下の評価をした。結果を表2に示した。%は重量%である。
【0028】
1.エッチングレート(ER)測定
ガラス基板上に有機平坦化膜を形成し、さらに、アモルファスITO膜(1500Å)を形成した基板を40℃の評価液で一定時間毎に処理し、そのときの膜厚を表面抵抗膜厚計で測定した。この処理時間とそのときのITO膜厚のプロットの傾きよりエッチングレートを算出し、以下の基準で表記した。なお、合格は◎及び○である。ここで不合格となったものについては以降の評価を行わなかった。
◎:ER=800Å/min以上
○:ER=600Å/min以上800Å/min未満
△:ER=400Å/min以上600Å/min未満
×:ER=400Å/min未満
【0029】
2.残渣除去能力
ガラス基板上に有機平坦化膜を形成し、その上にさらに、アモルファスITO膜(1500Å)を形成した基板を、エッチング速度から算出されるジャストエッチッグ時間の1.5倍の時間、40℃の評価液にてエッチング処理した。水洗、窒素ブロー後、処理後のサンプルの電子顕微鏡観察をおこない、エッチング後の残渣を評価し、以下の基準で表記した。なお、合格は◎及び○である。ここで不合格となったものについては以降の評価を行わなかった。図1〜4に電子顕微鏡による処理後サンプルの典型的表面を表す図面代用写真を示した。
◎:残渣なし
○:ごくわずかに残渣あり
△:多数ではないがかなり残渣あり
×:多数の残渣あり
【0030】
3.インジウム溶解量(In溶解量)
三角フラスコに各エッチング液を入れその中に酸化インジウムを投入し、還流管を取り付け攪拌しながら4時間煮沸した。煮沸終了後25℃で48時間冷却し、過飽和のインジウム化合物が析出していることを確認した後、ポアサイズ0.2μmのフィルターでろ過した。ろ液を採取し、ろ液中に溶解しているインジウム濃度をICP発光にて測定し、評価結果を以下の基準で表記した。なお、ここでの合格は◎及び○である。
◎:インジウム溶解量10000ppm以上
○:インジウム溶解量2000〜9999ppm
△:インジウム溶解量300〜1999ppm
×:インジウム溶解量299ppm以下
【0031】
【表1】

【0032】
【表2】

【0033】
上記実施例1〜14から、本発明のエッチング液組成物によると、残渣除去能力に優れており、更にインジウムの溶解量も高いことがわかった。一方、本発明の界面活性剤成分(B)を含有しない比較例1や、界面活性剤の量が本発明における量に満たない比較例2は、残渣除去性が悪かった。また、硫酸の添加量が本発明における量未満である比較例3はERが遅かった。本発明では含有しない塩酸、硝酸、燐酸、酢酸、シュウ酸、及びこれらの塩を含有する比較例4〜13は、ERが遅かったり、残渣除去性が悪くなったり、In溶解量が低くなった。さらに、界面活性剤の疎水部の炭素数が本発明における範囲外である比較例14及び15では、残渣除去性が悪かった。界面活性剤のHLB値が本発明における範囲外である比較例16では、界面活性剤が系に完全溶解せず、白濁し、エッチャントとして適さなかった。また、ナフタレンスルホン酸を用いても分子量が本発明の規定する範囲外であった比較例17では、残渣除去性が不十分であった。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明のエッチング液組成物は、残渣除去能力に優れ、またエッチング液を従来品よりも長く使用することができるため、薬液の使用量低減が可能であり、コスト面、環境面ともにメリットの高いものである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】実施例1の処理後のサンプルの電子顕微鏡(図面代用)写真
【図2】実施例11の処理後のサンプルの電子顕微鏡(図面代用)写真
【図3】比較例1の処理後のサンプルの電子顕微鏡(図面代用)写真
【図4】比較例5の処理後のサンプルの電子顕微鏡(図面代用)写真

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)硫酸、(B)炭素数が12以上の炭化水素基を有するアニオン性界面活性剤、分子量が1000以上であるナフタレンスルホン酸の縮合物及び/又はその塩、分子量が1000以上であるポリスチレンスルホン酸及び/又はその塩、並びに、炭素数が12以上の炭化水素基を有し、しかもHLB値が12以上であるノニオン性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤、並びに、(C)水からなるエッチング液組成物であって、組成物100重量%に対して、前記(A)成分3〜30重量%、前記(B)成分0.005〜1重量%及び残部の前記(C)成分の合計100重量%からなり、燐酸、硝酸、塩酸、酢酸、シュウ酸及びこれらの塩を含有しない、アモルファスITO透明導電膜用エッチング液組成物。
【請求項2】
前記(B)成分におけるアニオン性界面活性剤が、アルキル硫酸、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸、及び、これらの塩からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載のエッチング液組成物。
【請求項3】
前記(B)成分におけるノニオン性界面活性剤が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルである請求項1に記載のエッチング液組成物。
【請求項4】
(A)硫酸、(B)炭素数が12以上の炭化水素基を有するアニオン性界面活性剤、分子量が1000以上であるナフタレンスルホン酸の縮合物及び/又はその塩、分子量が1000以上であるポリスチレンスルホン酸及び/又はその塩、並びに、炭素数が12以上の炭化水素基を有し、しかもHLB値が12以上であるノニオン性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤、並びに、(C)水の合計量を100重量%として、前記(A)成分3〜30重量%、前記(B)成分0.005〜1重量%及び残部の前記(C)成分の合計100重量%から実質的になるエッチング液組成物を、電子部品基板上の、フォトレジストでパターニングマスクされたアモルファス透明導電膜に適用し、燐酸、硝酸、塩酸、酢酸、シュウ酸及びこれらの塩を使用することなく、エッチングする、透明導電膜のエッチング方法。
【請求項5】
アモルファス透明導電膜が、アモルファス酸化インジウム系膜である請求項4記載のエッチング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−218513(P2009−218513A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−63254(P2008−63254)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【出願人】(000214250)ナガセケムテックス株式会社 (173)
【Fターム(参考)】