説明

アラウンドスライド盤と免震スライダーボックス

【課題】建造物の建設時に地震に対する免震機能が高く、設置が極めて容易な建設資材として免震スライドボックスを提供する。
【解決手段】建造物の基礎を作り、その中に設置固定される免震スライドボックスの建造物脚挿入部12に建造物の脚を固定し、各脚がそれぞれ独立懸架になっていて、地震の縦揺れによる振動を軽減するクッション装置11と横揺れに振動を多数の小球体の回転に基づいて免震スライダープレート13をスライドさせ、上部建造物へ伝えない構造。免振スライドボックス上部には上部を保護する方形のリング状に重ね合わす重複蓋27と重複蓋27と接合してスライドボックス内を気密に保つ膜構造物28を設置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下に多孔の鉄板の間に挟まれた小鉄球を有するスライダー板で自由な方向へスライドすることが可能なアラウンドスライド盤を内蔵し、地震による振動を地面の動きに合わせてボックスが前後左右に動くことにより、建物と地面の間をスライドさせて振動エネルギーを吸収し、効果的に免震するスライダーボックスの提供に関する。
【背景技術】
【0002】
地震の横揺れに対しては免震ベアリングで横揺れのエネルギーを逃し、縦揺れに対してはクッションで揺れを軽減することで対応する各種の技術が提供されている。
平成5年以後の先行特許としては、免震構造物に関する特許文献は270件、免震建築物に関する特許文献は45件、免震建造物に関する特許文献は26件、免震ベアリングに関する特許文献は3件、フラットベアリングに関する特許文献は1件それぞれに提案されている。
すなわち耐震構造については、梁、鎹の構造改善、ダンパーの活用、ゴムの弾性の活用、縦横に組み合わせるローラーの活用、球体の活用等がある。
本発明は、ベアリングの回転に基づいて物体をスライドさせる方式であるが、これと類似性を有し、先行する出願には特許文献1から特許文献8に示す発明があげられる。
【0003】
特許文献1は、既存の積層形弾性ゴム−鋼免震ベアリングである水平免震装置にコイルスプリングまたは垂直用積層ゴムー鋼装置と多数個の鋼球及び垂直用免震装置シリンダーで構成された垂直免震装置を結合して作った水平及び垂直地震荷重に対して3次元免震が可能な装置、すなわち一体形水平−垂直免震ベアリングを提供するものである。これには滑面スライダーは含まれていない。
【0004】
特許文献2は、水平方向に任意に移動自在で、大きな荷重を支持可能で荷重支持要素と復元力要素を同時に発揮する免震支承で、片面に凹球面を有する上下対称の固定された2枚の鋼板とこの鋼板の間に挟む凹球面と同一の曲率の凸面を上下に有する中間鋼板から成り、各鋼板の間の間隙に介在された複数のベアリングボールから成っている。
この技術ではベアリングボールの接触を回避するためリテーナリングで保持されている。
特許文献3は、水平方向縦横2方向にそれぞれ移動する、大きな荷重を支持可能で荷重支持要素と復元力要素を同時に発揮する免震支承で、鋼板の縦横2方向に沿った溝を掘り、溝に沿ってボールベアリングが移動する構造である。
【0005】
特許文献4は、球体支持板とその上に乗る3個の剛性球体と3個の球体を相互に間隔を維持ずる球体保持板とこの球体保持板と被免震構造物との間に設けられた球体継手とを含み、球体支持板に作用する水平方向の振動が被免震構造物へ伝達されることを防止する免震用スライド機構であって、本発明の多数の球体で重量を分担保持する方式ではない。
【0006】
特許文献5及び特許文献6は、免震建造物の下部構造物と上部構造物の間に免震層を備え、下部構造物と免震層との間にメガストラクチャーを設ける。
免震層は、横スライドを自在に支持する無限軌道状の移動体を備えたスライダーと上部構造部の横スライドに抵抗を与えるダンパーとメガストラクチャーと上部構造部の横スライド量を所定値に規制するストッパーを有している。
本発明とはスライダーの使用目的と構造が基本的に相違している。
【0007】
特許文献7は、弾性を有する合成樹脂又はゴム製の円筒体上下部に、上方建造物側及びコンクリート基礎側へ固定盤を設けると共に。円筒体内に粒状態を充填し、円筒体内に設けたロープの上下端部を固定盤の中央部に固定した復元体と接続固定して、上方建造物とコンクリート基礎の間に挟み、円筒体の弾性により復元体に復元能力が発生する構造である。この技術では粒状隊は円筒体充填物として用いられている。
【0008】
特許文献8は、対向して配置され互いに平行を保持したまま所定可動範囲の内で2次元相対可動な一対(2枚)の皿と皿と皿の間に配置された球体とから成るフラットベアリングを提供し、多数のフラットベアリングで地震横揺れ振動を吸収する点では本発明と同一の思想であるが、本発明の大きく移動するスライダーではない。
【0009】
特許文献9は、下部プレートと上部プレートの間に円筒ローラーを挟み、ローラーの両端に固定した1対のスライディングガイドを下部プレートに固定される側壁部材の内壁面
に係合して摩擦減衰を与える。粘弾性又は粘性ダンバ、線形バネ及び硬化といった非線形バネを下部プレートと上部プレートの間に設けてベアリングの変位を減少し、エネルギーを散逸、もしくはベアリングの周期的動作性を調節できる免震ベアリングを提供している。すなわち、スライダーには本発明と相違する円筒ローラーを用いているので本出願とは相違する。
【0010】
特許文献10は、建物重量を転がり支承体及びすべり支承体の両者で支持し、すべり支承体のすべり抵抗力が装置全体の降伏耐力として働き、平板状のゴム板を上下構造体の間に水平面との傾斜角30°以内に取り付け、免震層の復元力を負担する装置として機能させる免震構造システムである。上下板の間に転がり支承体を挟む構造ではあるが、本発明のスライド盤を形成している構造ではない。
【0011】
特許文献11は、シリコンゴムの球体を下部板と上部板の間に挟んで上部板下部に凹部の球体格納部を設け、球体の変形と転びによって地震の震動を吸収する構造である。揺れや振動が少なく下部板と上部板との間の相対移動量が球体の弾性変形範囲内であるときは、下部板と上部板との面摩擦力によって球体は弾性変形し減衰機能を発揮する。揺れや振動が大きく下部板と上部板との間の相対移動量が球体の弾性変形範囲を超えると、球体は下部板と上部板との間を水平方向に転がり、転がり免震承体として揺れを吸収する免震作用を発揮する。但し、変形球体は長期変形で故障が起り易い。従って、当発明の鋼性のスライド盤及びスライダーの構造とは相違する。
【0012】
特許文献12は、建造物の床面または土台と橋梁の間にベアリングを挟み、ベアリングの球からはみ出た球の一部が接している橋梁の底面に凹部を加工して球の逸散を防ぐと同時に支柱の先端部と球面で接し、支柱を伝わる振動を球の自転と枠のスリット部の開閉によって振動を吸収する免震建造物の提供を行っている。
しかしここに用いられたベアリングは本発明の大きく移動するスライダーではない。
【0013】
特許文献13は、免震支承は免震構造物と基礎との間に設置される。片面に凹球面を有し、同凹球面を上下対称に配置し、一方が免震構造物の下底面に他方は基礎の上面にアンカー手段等により固定された2枚の端部鋼板の間に配置され、前記各項板同士の間隙に介在された複数のボールベアリングとから成り、各項性要素は上下にサンドイッチ状に密着した組み合わせで構成されている。
この構造は本発明のスライド盤の構造とは基本的に相違する。
【0014】
特許文献14は、剛性を有する剛性板と弾性を有する弾性板とを高さ方向に交互に積層した積層体の内部に免震ベアリングを配置する構造である。
ベアリングの用途は本発明のスライダーによる免震方法ではない。
【0015】
【特許文献1】特許公開平10−37516 一体形水平−垂直免震ベアリング
【特許文献2】特許公開平11−350784 免震支承
【特許文献3】特許公開平11−351319 免震支承
【特許文献4】特許公開2000−46107 免震用スライド機構
【特許文献5】特許公開2000−345730 免震建造物
【特許文献6】特許公開2000−345731 免震建造物
【特許文献7】特許公開2002−266519 免震建造物用復元体
【特許文献8】特許公開2003−74546 フラットベアリング
【特許文献9】特許公開2003−232400 免震ベアリング
【特許文献10】特許公開2003−307045 免震構造システム
【特許文献11】特許公開2007−162751 免震装置、及び免震構造物、並びに免震工法
【特許文献12】特許公開2007−177601 ベアリング免震建築工法
【特許文献13】特許公開2007−197916 免震構造物
【特許文献14】特許公開2009−47194 積層免震ベアリング
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
地震による建造物の破壊作用は、縦揺れと横揺れの合力による振動振幅作用によるものであり、地震計による従来の大地震の振幅データーを見れば、震度7の地震波の場合、そのエネルギーはおよそ2.370gal振動の往復巾が約45cmである。
特に破壊力の大きな地震波は、空中で支えのない横揺れ方向の振幅である。
縦揺れ方向の地震波は地面の突き上げがり、構造物及び人体は重力の加速度で下方へ引き寄せられる。巨大地震波による構造物の歪みは、場所毎に最大10cm前後の高低差が考えられ建造物脚毎に独立懸架させ、クッションによる歪み解消が重要である。
その荷重も全体重量の数倍の加速度であるので建造物の強度とクッション作用で縦揺れによる歪みの破壊力は軽減できる。
実際にはこの縦揺れと横揺れが複雑に重なってイレギュラーしながら発生するので、その破壊力は増幅され、単純ではない。即ち、振動方向に沿って上下の縦方向・横方向に力のモーメントを分解して対応すること、重量を広面積に多点で支持することが安全上必要であると考えられる。更に、免震装置は通常は静止状態にあり、金属部分は大気中の酸素により酸化され錆び付く恐れが大きい。酸化防止対策が重要である。
本発明は、地震の衝撃は波のうねり状に波及し、建造物の位置毎に均等に掛かるものではないので、建造物の脚部を一つ一つ独立懸架させ、建造物の脚毎に免震させる方式と合わせ長期静止状態に置かれる金属の錆・腐食を防止する装置を提案した。
破壊力の大きな横揺れを多数の小球体の回転に基づいてをスライドさせ、地面の移動巾を最大50cmと考えて地面の振動の動きに合わせ、建造物基盤と共にスライダーボックスのみが移動し、振動を建造物と切り離し、建造物本体は殆ど揺れない機構を考案した。イレギュラーな波をうつ縦揺れについては、地面から建造物へ与える衝撃が場所により一定ではないので、スライダーボックスの建造物脚受容器の中に鋼製の強力スプリングを内蔵したゴムクッションを備え、独立懸架方式で一脚に加わる突き上げの力毎に衝撃吸収を行う構造を考案した。これにより縦方向の振動に対しても建造物は上下に揺れるが過激な衝撃は回避される建造を提案した。
【課題を解決するための手段】
【0017】
図1に示す通り、建造物の基礎を作り、免震スライダーボックスはその中に設置固定される。設置に当たっては四面等水準になるように水準計測することが重要である。
設置されたスライドボックスは地震の揺れによって、図2に示す通り、大地の移動方向に沿ってスライドボックス自体が移動する。
Iの図は地震前の静止している時点の建造物の脚の位置である。
IIは、地震により地面が右から左の方向へ最大移動した位置を示す。
IIIは、地震により地面が左から右の方向へ最大移動した位置を示し、具体的には地面の移動する方向へボックスが移動することを表示している。
建造物の脚はスライダーボックスの建造物脚挿入部に固定され、各脚がそれぞれ独立懸架になっていて、地震の縦揺れによる振動を軽減しながら、破壊力の大きい横揺れについては上部建造物へ伝えない構造になっている。即ち、スライドボックスの一つ一つは独立して作動するので、振動に対し独立懸架の状態で場所毎にエネルギーを吸収する。
この振動巾は横片側50cm、往復1メートルを想定している。すなわち、過去の地震の最大振幅45cmより大きい距離を想定している。また、上下の縦振動による衝撃の吸収は、場所によって相違するので独立懸架の建造物脚挿入部のクッションによって軽減する。また、横揺れ片側25cm、全復50cmのスライダーの場合でも、大地震の揺れを半分以下に軽減することが可能である。
従って、課題を解決するために本発明の装置は、6種類の機構で構成されている。
第1は、スライダーを積載して移動するアラウンドスライド盤の部分。
第2は、建造物の脚を挿入して移動するスライダーの部分。
第3は、スライダー内で建造物を支持し、振動を和らげる特殊クッションの部分。
第4は、スライダーガスライドボックス内で安定走行できるように固定する部分。
第5は、アラウンドスライド盤、スライダーを格納するスライドボックスの部分。
第6は、スライドボックス内で金属の腐食を防止する防錆輸液の部分である。
【0018】
アラウンドスライド盤は、図3に示すように、多数の鋼製球体が密に配列された固定盤で、その機能は前後左右斜方向いずれへも自在に移動することが可能である。
図4はアラウンドスライド盤の前後左右の側面図である。1は鋼製球体、2は上面から鋼製球体を包むアラウンドスライド盤上面被覆板(カバー板)、3は下面から鋼製球体を包むアラウンドスライド盤下面被覆板(カバー板)、4は上下被覆板を接着するネジとネジ孔を示している。
図5はアラウンドスライド盤の上から見た平面図と下から見た底面図を示した。表示した記号は図3と同一である。
図6は、アラウンドスライド盤の側断面図である。アラウンドスライド盤は鋼製球体を上下の上下被覆板(カバー板)で補足ホールドされ、球体はカバー板の上下にそれぞれ突出して、スライドボックスの底盤とスライダー底盤との間に位置して直接接し、建造物重量をスライドボックス底へ伝達する。
図7は、アラウンドスライド盤の鋼製球体の密な配列状況を示している。1は鋼製球体である。
図8は、アラウンドスライド盤の上面被覆板(カバー板)の側面図を示している。5は鋼製球体の上面球体突出口であり、6は鋼製球体の補足空間である。
図9は、アラウンドスライド盤の下面被覆板(カバー板)の側面図を示している。7は鋼製球体の下面球体突出口であり、8は鋼製球体の補足空間である。
図10は、アラウンドスライド盤の上面被覆板(カバー板)と下面被覆板(カバー板)の側面図を示している。5及び7は鋼製球体の上下面球体突出口であり、6及び8は鋼製球体のホールダーとなる補足空間である。
図11は、アラウンドスライド盤の球体ホールダーとなる上下面被覆板(カバー板)の背面図である。2及び3は上下面被覆板(カバー板)の外側面を示している。
5及び7は鋼製球体が球体ホールダー上下面の外へ突出す窓の出口であり、4は球体ホールダーの上下被覆板を接着し固定するネジとネジ孔を示している。
【0019】
図12は、一般住宅等比較的軽量な建造物に用いるスライドボックスの側断面の内部構造を示した。
図に示す9〜13の装置はスライダーの部品で、9は上部建造物の脚部を収容する脚部収容空間である。10は上部建造物の脚部との接続装置、12は上部建造物の脚部の挿入口である。
11は、上部建造物の脚部を下から支えるクッションである。クッションは柔らかいゴム製でゴム組織内部に鋼製の強力なスプリングを内蔵させ、強力な支持力と併せ巨大な重力変動の衝撃に対して柔軟に対応できる構造である。
13は、スライダープレートである。スライダーの滑走部で巨大な重量を支えるため、曲げ、歪み衝撃に対し強化する必要があるので、厚い鋼板でスムースな滑走にするため底面周辺部は上へ向けて丸みをつけている。なお側面周囲には衝撃防止のゴムクッション18を付している。
14は、アラウンドスライド盤である。スライダーを積載して鋼製の球体が四方八方いずれの方向へも自由に移動できる構造である。最大移動範囲を約17cmに設定すれば、スライダープレートはその上を34cm移動し、地面とスライダーボックスが51cm移動してもスライダープレートとスライダーボックスの衝突は起こらない。即ち、地面が50cmも移動する大地震が起こっても上部建造物へは横揺れの影響は発生しない原理である。
15は、スライダーボックスパンの基底部である。スライダーボックス底は鍋の形をしているのでパンと呼ぶ。基底部は上部建造物の重量全てを支えるので、強力な曲げの力が働く、アラウンドスライド盤のスムースな移動を可能にするため、硬く厚い鋼製盤を形成している。
16は、スライダーボックスパンの側壁である。側壁にはスライダー及びアラウンドスライダーを四方から引っ張るダンパー17取り付け具と周囲にこれらとの衝突に対する衝撃吸収のクッション18を備えている。
19は、スライダーボックスパンとパン上部の蓋部を取り付ける、パン周縁の上部天蓋部との接着プレートである。
取り付け板金具21でスライダーボックスパンと上部の蓋部を密着させる。
20は、パン上部の蓋部側壁である。
21は、スライダーボックスパンとパン上部の蓋部を取り付けるボルトネジである。
22は、スライダーボックスの天蓋支持プレートである。
23は、スライダーをスライダーボックスパンに押し付け固定し、がたつきを起こさないで左右の移動をスムースにするスライダープレート上部の固定車輪である。
24は、固定車輪を上から押さえる固定車輪レールである。
25は、固定車輪レールを前後に運ぶ車輪で、スライダープレートを上から押さえる機能を有している。
26は、固定車輪レールを前後に運ぶ車輪を上から押さえる固定車輪のレールである。
すなわち、左右の固定車輪とこれを押さえる左右のレール、前後の固定車輪とこれを押さえる前後のレールによってスライダーはガタ付かずスムースに前後左右へ移動できる。
27は、天蓋の外からの圧力に対し上部を保護するリング状に重ね合わす重複蓋である。重複蓋は相互に噛み合わせになっていて、スライダーの移動に伴い、内側の蓋が外側の蓋を引きずって移動に伴い全体の蓋が次々とスライダーボックスを覆いながら移動する。
28は、重複蓋と接合して、スライダーボックス内を気密に保つ膜構造物である。膜構造物だけでスライダーボックスを覆うと外圧で膜が内側へ凹曲するので重複蓋と接合して重複蓋で支える構造を採用している。
30は、スライダーボックス内を満たす金属酸化防止の油液である。スライダーボックスは長期間に亘り湿気の多い地下で静止状態にあるので酸化されやすく、ボックス内の露出する金属表面を油膜で覆い、空気中の酸素による酸化を防止する。
【0020】
図13は、スライダーボックスの天蓋支持プレ−ト22下を上方から見た内部構造を示した。
中央にスライダー13を配置している。スライダーは、ゴム製でゴム組織内部に鋼製の強力なスプリングを内蔵するクッション11を容器底に設置している。
スライダーには、上部建造物の脚部を挿入する脚部収容空間9及び脚部挿入口12があり、脚部と接続連結する上部建造物脚部接続装置10がある。
14はアラウンドスライド盤でスライダプレートを載せて、スライダーボックス内を四方八方へ自在に移動することが可能である。
スライダーボックス内のスライダープレート13の移動距離は、アラウンドスライド盤14の移動距離とその2倍のアラウンドスライド盤上のスライダーの移動距離とを加えて距離の移動が可能である。
例えば、アラウンドスライド盤上の移動可能な距離が25cmである場合は、スライダープレートの移動可能距離はアラウンドスライド盤上の25cmであり、スライダーは片側50cm移動することが可能である。同じくアラウンドスライド盤上の移動可能な距離が30cmである場合は、スライダープレートの移動可能距離はアラウンドスライド盤上の30cmであり、スライダーは片側60cm移動することが可能である。
前述の通り、震度7の地震波の場合、そのエネルギーはおよそ2.370gal、振動の往復巾が約45cmであるので、地震計の針が振り切れる程の大地震の場合でも、片側移動距離が51cm〜75cmもあれば一応免震作用により建造物の破壊は免れるものと思われる。
スライダープレート13上の上部建造物脚部接続装置10の外側には、スライダープレートをアラウンドスライド盤と密着させるための左右移動の固定車輪レール24が設置され、スライダーの前後の作動に従って伴走する構造になっている。左右移動の固定車輪レール24は、前後移動の固定車輪レール26で固定されている。
スライダープレート13とアラウンドスライド盤14はそれぞれダンパー17によって四方から牽引されている。
ダンパーの機能は、万一にもスライダーが振り切れ、スライダーボックス壁16と接触する場合の衝撃吸収のブレーキの役割である。
スライダープレート13とアラウンドスライド盤14及びスライダーボックス壁16の周囲には、接触する場合の衝撃吸収用のクッション18が設置されている。
スライダーボックスの周囲にはライダーボックスパンとパン上部の蓋部の接着プレ−ト19を配置し、接着ボルト21でこれを接着させている。
【0021】
図14は、スライダーボックスの天蓋リング上面からの平面図を示した。
11は、ゴム組織内部に鋼製の強力なスプリングを内蔵するクッションであり、12は上部建造物の脚部の挿入口である。
19は、パン周縁とパン上部の蓋部の接着プレートである。
21は、スライダーボックスパンとパン上部の蓋部を取り付けるボルトネジである。
図に示したa、b、c、d、e、f、g、h、i、j、k、l、m、nの記号は天蓋の外側から内側へ向けて被覆する重複支持リングの内側から外側までの順序の記号である。
【0022】
図15は、図14アの部分の即断面をしめし、上部天蓋部の重複支持リングと密閉膜の接続状況を示す図である。
19は、パン周縁とパン上部の蓋部の接着プレートである。
20は、パン上部の蓋部側壁である。
22は、スライダーボックスの天蓋支持プレートである。
27は、天蓋の外からの圧力に対し上部を保護する方形のリング状に重ね合わす重複蓋である。
28は、重複蓋と接合して、スライダーボックス内を気密に保つ膜構造物である。
膜の内部へは窒素ガスを空気と置換させて装置内の酸化防止を行う。
膜構造物はリング状の重複蓋外縁部と次のリング状の重複蓋外縁部との間を襞状にリング上面を覆って繋ぎ、リングの移動に伴って移動変形し、スライダーボックス内の空間と外側空間を密封する機能がある。この膜の密封によって外界からの湿気、空気の侵入が遮断され、装置の腐食が防止される。
【0023】
図16はリング状の重複蓋の上から見た平面図である。内側の太い黒線は上部への突起である。リングのサイズは隣接するリングと半分ずつ重複し、通常は全体的に二重を形成するが、スライダーボックスの移動によって、伸ばされる側は一重で上部を支持する。重複蓋の外端は下側へ突出して曲がり、内端は上側へ突出して曲がり、それぞれ次のリングの内端及び外端の突出部と噛み合わせて、スライダーの移動に伴い、リングが数珠状に連なって移動する構造である。
図に示したa、b、c、d、e、f、g、h、i、j、k、l、m、nの記号は天蓋の重複支持リングの内側から外側までの順序に従ったリングの記号である。
【0024】
図17はスライダーボックスの正面、背面、両側面の外観図である。
10は上部建造物の脚部との接続装置であり、12は上部建造物の脚部の挿入口である。15は、スライダーボックスパンの基底部であり、16は、スライダーボックスパンの側壁である。
19は、スライダーボックスパンとパン上部の蓋部を取り付ける、パン周縁の上部天蓋部との接着プレートである。20は、パン上部の蓋部側壁である。
21は、スライダーボックスパンとパン上部の蓋部を取り付けるボルトネジである。
28は、重複蓋と接合して、スライダーボックス内を気密に保つ膜構造物である。
【0025】
図18はスライダーボックスを上面から見た平面外観図である。
10は上部建造物の脚部との接続装置であり、12は上部建造物の脚部の挿入口である。19は、スライダーボックスパンとパン上部の蓋部を取り付ける、パン周縁の接着プレートである。21は、スライダーボックスパンとパン上部の蓋部を取り付けるボルトネジである。
【0026】
図19はスライダーボックスの底面外観図である。
15は、スライダーボックスパンの基底部であり、19は、スライダーボックスパンとパン上部の蓋部を取り付けるパン周縁の接着プレートである。
21は、スライダーボックスパンとパン上部の蓋部を取り付けるボルトネジである。
【0027】
図20には、地震による重量建造物と免震スライダーボックスの移動変形のモデルを側面断面の構造図で示した。
図に示すIは静止状態を示し、IIは右から左への地面の動きに伴うスライダーボックスの変形を、IIIは左から右への地面の動きに伴うスライダーボックスの変形を示した。
矢印は地面の移動方向を示した。地面は移動しても建物は静止状態である。
【0028】
図21には、重量建造物の免震スライダーボックスの側面断面の構造図を示した。
図に示す9〜13の装置はスライダーの部品で、9は上部建造物の脚部を収容する脚部収容空間である。10は上部建造物の脚部との接続装置、12は上部建造物の脚部の挿入口である。
11は、上部建造物の脚部を下から支えるクッションである。クッションは柔らかいゴム製でゴム組織内部に鋼製の強力なスプリングを内蔵させ、強力な支持力と併せ巨大な重力変動の衝撃に対して柔軟に対応できる構造である。
13は、スライダープレートである。スライダーの滑走部で巨大な重量を支えるため、曲げ、歪み衝撃に対し強化する必要があるので、厚い鋼板でスムースな滑走にするため底面周辺部は上へ向けて丸みをつけている。なお側面周囲には衝撃防止のゴムクッション18を付している。
14は、アラウンドスライド盤である。スライダーを積載して鋼製の球体が四方八方いずれの方向へも自由に移動できる構造である。最大移動範囲を約17cmに設定すれば、スライダープレートはその上を34cm移動し、地面とスライダーボックスが51cm移動してもスライダープレートとスライダーボックスの衝突は起こらない。即ち、地面が50cmも移動する大地震が起こっても上部建造物へは横揺れの影響は発生しない原理である。
15は、スライダーボックスパンの基底部である。スライダーボックス底は鍋の形をしているのでパンと呼ぶ。基底部は上部建造物の重量全てを支えるので、強力な曲げの力が働く、アラウンドスライド盤のスムースな移動を可能にするため、硬く厚い鋼製盤を形成している。
16は、スライダーボックスパンの側壁である。側壁にはスライダー及びアラウンドスライダーを四方から引っ張るダンパー17取り付け具と周囲にこれらとの衝突に対する衝撃吸収のクッション18を備えている。
19は、スライダーボックスパンとパン上部の蓋部を取り付ける、パン周縁の上部天蓋部との接着プレートである。
取り付け板金具21でスライダーボックスパンと上部の蓋部を密着させる。
20は、パン上部の蓋部側壁である。
21は、スライダーボックスパンとパン上部の蓋部を取り付けるボルトネジである。
22は、スライダーボックスの天蓋支持プレートである。
スライダーボックスの天蓋支持プレート22は、上部アラウンドスライド盤14を押さえ、スライダーをスライダーボックスパン15に押し付けて固定し、スライダーがガタツキを起こさないで左右の移動をスムースにする機能を有する。
28は、重複蓋と接合して、スライダーボックス内を気密に保つ膜構造物である。膜構造物だけでスライダーボックスを覆うと外圧で膜が内側へ凹曲するので重複蓋と接合して重複蓋で支える構造を採用している。
29は、重量建造物免震スライダーボックス天蓋プレート間の脚部室移動空間である。
30は、スライダーボックス内を満たす金属酸化防止の油液である。スライダーボックスは長期間に亘り湿気の多い地下で静止状態にあるので酸化されやすく、ボックス内の露出する金属表面を油膜で覆い、窒素を満たし酸素の酸化による錆を防止する。
【0029】
図22は、重量建造物の免震スライダーボックス天蓋部の側面断面図を示した。
17は、アラウンドスライダーを側壁の四方から引っ張るダンパーである。
19は、スライダーボックスパンとパン上部の蓋部を取り付ける、パン周縁の上部天蓋部の接着プレートである。21は、スライダーボックスパンとパン上部の蓋部を取り付けるボルトネジである。22は、スライダーボックスの天蓋支持プレートである。
27は、天蓋の外からの圧力に対し上部を保護する方形のリング状に重ね合わす重複蓋である。28は、重複蓋と接合して、スライダーボックス内を気密に保つ膜構造物である。29は、重量建造物免震スライダーボックス天蓋プレート間の脚部室移動空間である。
【0030】
図23は、重量建造物スライダーの側断面図である。
9は上部建造物の脚部を収容する脚部収容空間である。10は上部建造物の脚部との接続装置、12は上部建造物の脚部の挿入口である。
11は、上部建造物の脚部を下から支えるクッションである。クッションは柔らかいゴム製でゴム組織内部に鋼製の強力なスプリングを内蔵させ、強力な支持力と併せ巨大な重力変動の衝撃に対して柔軟に対応できる構造である。13は、スライダープレートである。14は、スライダープレートを上に載せて滑走する底面アラウンドスライド盤とスライダープレートを底面アラウンドスライド盤に押し付けて滑走する上部アラウンドスライド盤である。
18は、アラウンドスライド盤と側壁の衝突・接触に対する衝撃吸収のクッションである。
【0031】
図24は、重量建造物スライダーボックスパンの側断面図である。
15は、スライダーボックスパンの基底部である。
17は、スライダープレートとアラウンドスライド盤を側壁の四方から引っ張るダンパーである。18は、スライダープレート及びアラウンドスライド盤と側壁の衝突に対する衝撃吸収のクッションである。19は、スライダーボックスパンとパン上部に蓋部を取り付るパン周縁の上部天蓋部との接着プレートである。
【0032】
図25は、上部アラウンドスライド盤の側面図である。
図26は、上部アラウンドスライド盤の平面図及び底面図である。
1は、鋼製球体、2は、上部アラウンドスライド盤の上面被覆板である。3は、上部アラウンドスライド盤の下面被覆板である。5は、上部アラウンドスライド盤上面被覆板球体明細書13露出孔であり、7は、上部アラウンドスライド盤下面被覆板球体露出孔である。18は、上部アラウンドスライド盤の移動に伴うスライダー及びボックスとの衝突接触の衝撃を緩和するためのスライド盤外側と内側のクッションである。
29は、スライダーボックス天蓋プレート間の脚部室移動空間である。
【0033】
図27は、底面アラウンドスライド盤の側面図である。
図28は、底面アラウンドスライド盤の平面図及び底面図である。
1は、鋼製球体、2は、底面アラウンドスライド盤の上面被覆板である。3は、底面アラウンドスライド盤の下面被覆板である。5は、底面アラウンドスライド盤上面被覆板球体露出孔であり、7は、底面アラウンドスライド盤下面被覆板球体露出孔である。18は、上部アラウンドスライド盤の移動に伴うボックスとの衝突接触を緩和するためのスライド盤外側と内側のクッションである。29は、スライダーボックス天蓋プレート間の脚部室移動空間である。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、建造物の建設時に地震に対する免震機能が高く、設置が極めて容易な建設資材として免震スライドボックスを提供するものである。
地震は、震度7の地震波の場合、そのエネルギーはおよそ2.370gal、地震計の触れによれば振動の往復巾が約45cmである。特に横揺れの破壊力は大きい。
そこで、地震計の針が振り切れる程の大地震の場合で、揺れによる地面の移動距離が最大で50cm近く瞬間的に移動しても、免震スライドボックスのスライド機能が片側だけで50cm〜60cmあれば、一応免震作用により建造物は静止して破壊は免れると考えられる。今回のご提案では、全体の振幅は1m以上の移動幅を確保することが可能である。
本装置は、建造物の接地面に建造物基盤の部品として設置されるものであるが、地面移動が50〜60cmあった場合でも、免震スライドボックスが移動するだけで、建物が静止した状態で、免震の効果極めて高い構造である。
また、一般に免震装置の設置場所が建造物の低位置にあり、長期靜置状況に置かれるので、湿気、水没等で従来の装置では、金具が錆び付く恐れが多い。
本装置はその様な場所に設置されても、免震部分が密封され、金属部部は防錆油液に浸漬されて居り、窒素ガスと置換しているので、長期低湿地に靜置されても錆び付かない構造になっている。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】免震スライダーボックスの建造物への設置位置図
【図2】免震スライダーボックスの作動方式図
【図3】アラウンドスライド盤俯瞰図
【図4】アラウンドスライド盤正面図、背面図、両側面図
【図5】アラウンドスライド盤平面図、背面図
【図6】アラウンドスライド盤断面図
【図7】アラウンドスライド盤球体配列図
【図8】アラウンドスライド盤上部カバー板断面図
【図9】アラウンドスライド盤下部受け板断面図
【図10】アラウンドスライド盤上下板接合断面図
【図11】アラウンドスライド盤上下板各表面図
【図12】一般建造物の免震スライダーボックスの側断面図
【図13】一般建造物の免震スライダーボックス内部平面図
【図14】一般建造物の免震スライダーボックス天蓋のリング蓋配置図
【図15】免震スライダーボックス天蓋部側断面図
【図16】免震スライダーボックス天蓋のリング蓋平面図
【図17】免震スライダーボックスの正面図、背面図、背面図
【図18】免震スライダーボックスの平面図
【図19】免震スライダーボックスの底面図
【図20】重量建造物の免震スライダーボックスの揺れに対する対応の側断面図
【図21】重量建造物の免震スライダーボックスの側断面図
【図22】重量建造物の免震スライダーボックスの天井蓋部の側断面分解図
【図23】重量建造物の免震スライダーボックスの建造物積載スライダー側断面分解図
【図24】重量建造物の免震スライダーボックスの底面重量受けパンの側断面分解図
【図25】重量建造物の免震スライダーボックスの上面スライド盤側断面図
【図26】重量建造物の免震スライダーボックスの上面スライド盤平面図
【図27】重量建造物の免震スライダーボックスの底面スライド盤側断面図
【図28】重量建造物の免震スライダーボックスの底面スライド盤平面図
【符号の説明】
【0036】
A 建設地面
B 建設基盤
C 免震スライドボックス
D 建造部接地脚部
I 免震スライドボックスの正常位置
II 地震により右から左へ向けた地面の移動に伴う免震スライドボックスの位置
III 地震により左から右へ向けた地面の移動に伴う免震スライドボックスの位置
1 アラウンドスライド盤ローラー球体
2 アラウンドスライド盤上面被覆板
3 アラウンドスライド盤下面被覆板
4 アラウンドスライド盤上下被覆板接着ネジ孔及びネジ
5 アラウンドスライド盤上面被覆板球面露出孔
6 アラウンドスライド盤上面被覆板ローラー球ホールダー空間
7 アラウンドスライド盤下面被覆板球面露出孔
8 アラウンドスライド盤下面被覆板ローラー球ホールダー空間
9 免震スライダーボックスの建造物脚部挿入室
10 免震スライダーボックスの建造物脚部室接続装置
11 免震スライダーボックスの建造物脚部クッション装置
12 免震スライダーボックスの建造物脚部挿入口
13 免震スライダープレート
14 免震スライダーボックスのアラウンドスライド盤
15 免震スライダーボックスパン底面プレート
16 免震スライダーボックスパンの側壁
17 免震スライダーボックスのダンパー装置
18 免震スライダーボックス及びアラウンドスライド盤の接触クッション
19 免震スライダーボックスパンと免震スライダーボックス天蓋の結合装置
20 免震スライダーボックス天蓋の側壁
21 免震スライダーボックスパンと免震スライダーボックス天蓋の結合ネジ
22 免震スライダーボックス天蓋支持プレート
23 免震スライダー上部側面の左右に動くスライド車輪
24 免震スライダー上部スライド車輪を抑えるスライド梁装置
25 免震スライダー上部スライド梁装置の前後に動くスライド車輪
26 免震スライダー上部スライド梁装置車輪を抑えるレール装置
27 免震スライダーボックス天蓋のリング蓋
28 リング蓋を覆う膜性蛇腹装置
29 重量建造物免震スライダーボックス天蓋プレート間の脚部室移動空間
30 免震スライダーボックス内部の金属錆防止油液
<スライド蓋の記号>
a、b、c、d、e、f、g、h、i、j、k、l、m、n
スライドボックス天井の被覆環状重複スライド蓋の内側から外側へ向けた蓋記号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼鉄など硬く耐圧性の強い金属球とこれを包む球より僅かに大きな球状空間を創出する孔を有する上下2枚の金属板からなり、2枚の板の隣接する球との4隅をネジ止めにより接着し、回転可自在な球の上下が2枚の板より外へ突き出す形状のスライド盤を形成し、球が鉄板など他の平板と接してスライド盤が動く構造で、盤が四方八方自由にスライドできることを特徴とするアラウンドスライド盤。
【請求項2】
上部に建造物の設置脚を受け入れる建造物脚受容器と、
建造物脚受容器の中に鋼製の強力スプリングを内蔵したゴムクッションを介して建造物の重量を均一に下方へ分散させ伝達する厚い鉄板を底に有するスライダー可動脚装置と、
可動脚装置の下に四方八方自由にスライドできる耐圧性の強い多数の金属球を有するアラウンドスライド盤可動装置と、
可動脚装置とアラウンドスライド盤可動装置を一定の範囲内で自由に移動させるための底に厚い鉄板を有するスライダー可動脚装置格納容器と、
可動脚装置と可動脚装置格納容器を密着して移動させるため、可動脚に接着して移動する抑え可動梁を内蔵する上部に可動脚通過空間を有し移動天井を有する固定容器と、
スライダー可動脚装置及びアラウンドスライド盤可動装置をそれぞれに可動脚装置格納容器の四方から牽引するダンパー装置と、
スライダー可動脚装置及びアラウンドスライド盤可動装置と可動脚装置格納容器側壁との衝突を和らげるクッション装置と、
移動天井を形成し外からの圧力にも耐えて連動するスライド性のリング状重複蓋装置と、連動リング状の重複蓋装置の上部に外界の水塵埃の侵入防止をする耐久被覆膜によるカバー装置と、
可動脚装置格納容器内に満たした金属防腐の油又は液状体とからなり、
地震等の振動に対し可動脚装置格納容器の左右上下運動によりエネルギーを逃し、
片側25cm以上、両側往復50cm以上の滑走距離を有することを特徴とする一般建造物の免震スライダーボックス。
【請求項3】
上部に建造物の設置土台を挿入する建造物脚受容器と、
建造物脚受容器の中に鋼製の強力スプリングを内蔵したゴムクッションを介して建造物の重量を均一に下方へ分散させ伝達する厚い鉄板を底に有するスライダーの可動脚装置と、可動脚装置の下に四方八方自由にスライドできる多数の耐圧性の強い金属球を有するアラウンドスライド盤可動装置と、
可動脚装置とアラウンドスライド盤可動装置を一定の範囲内で自由に移動させるために底に可動脚装置より広面積の厚い鉄板を有する可動脚装置格納容器と、
可動脚装置と可動脚装置格納容器を密着して移動させるための可動脚装置鉄板の上部に土台を挿入する容器より広く可動脚装置鉄板より狭い土台を挿入容器振幅窓を有するスライダー可動脚装置の安定固定用の中央開口のアラウンドスライド盤可動装置と、
中央開口のアラウンドスライダー可動装置を上から抑える天井を有する上部固定容器と、スライダー可動脚装置及びアラウンドスライド盤可動装置をそれぞれに可動脚装置格納容器の四方から牽引するダンパー装置と、
スライダー可動脚装置及びアラウンドスライド盤可動装置と可動脚装置格納容器側壁との衝突を和らげるクッション装置と、
移動天井を形成し外からの圧力にも耐えて連動するスライド性のリング状重複蓋装置と、連動リング状の重複蓋装置の上部に外界の水塵埃の侵入防止をする耐久被覆膜によるカバー装置と、
可動脚装置格納容器内に満たした金属防腐の油又は液状体とからなり、
地震等の振動に対し可動脚装置格納容器の左右上下運動によりエネルギーを逃し、
片側50cm以上、両側往復100cm以上の滑走距離を有することを特徴とする重量建造物の免震スライダーボックス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2010−270581(P2010−270581A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−143723(P2009−143723)
【出願日】平成21年5月25日(2009.5.25)
【出願人】(398053550)有限会社情報科学研究所 (16)
【Fターム(参考)】