説明

アリールアミンポリマー

本発明は、次の一般式1を有するポリマー主鎖中の第1の繰り返し単位から構成される半導体ポリマーを提供する。下記式において、a=1または2、b=0または1、およびC=0,1または2である。ただし、c=0のとき、b=0である。Ar、Ar、Ar、Ar、ArおよびArは、それぞれ独立してアリールまたはヘテロアリール環、またはこれらの縮合誘導体を表し、Ar、Ar、ArおよびArの1つは非共役であり、ただし、(a)a=1のとき、ArはArに直接結合されておらず、(b)b=1およびc=1のとき、ArはArに直接結合されておらず、(c)b=0およびc=1のとき、ArはArに直接結合されておらず、(d)a=2のとき、Arは単一結合によって結合されておらず、(e)c=2のとき、Arは単一結合によって結合されていない。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アリールアミンポリマーおよびその製造方法に関するものである。本発明は、また、アミンポリマーを含む、有機電子装置、例えば、発光装置(LED)およびその製造方法に関するものである。
【0002】
有機LEDは、通常、電極の間に位置する2または2以上の半導体ポリマー層を有する。半導体ポリマーは、部分的に、または実質的に、主鎖および/または側鎖において共役されている。
【0003】
半導体ポリマーは、WO90/13148に開示されるように、しばしば、ポリマー発光装置(PLED)において使用される。
【0004】
典型的なLEDは、アノードが支持される基板、前記アノードとカソードの間に位置し、少なくとも1つの発光材料を含む有機発光層から構成される。駆動においては、正孔が前記アノードを貫通して装置に注入され、電子がカソードを貫通して装置に注入される。正孔と電子は有機発光層中で結合して励起子を形成し、放射性崩壊して光を得る。他の層もLED中に存在し得る。例えば、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS)のような導電性有機正孔注入材料がアノードと有機発光層の間に供給されてアノードから有機発光層に正孔が注入されるのを促進することができる。さらに、半導体有機正孔輸送材料層がアノード(または存在する場合は正孔注入層)と有機発光層の間に供給されて、有機発光層への輸送を促進することができる。
【0005】
一般的に、上記の有機装置に使用されるポリマーは共通の有機溶媒に可溶性で、装置の製造過程でその蒸着を容易化する。この可溶性の重要な利点の1つは、ポリマーが溶液プロセス、例えば、スピンコート、インクジェット、スクリーン印刷、ディップコート、ロールコートなどによって製造されることである。このようなポリマーの例は、例えば、Adv.Mater.2000 12(23)1737−1750に開示されており、フルオレン、インデノフルオレン、フェニレン、アリーレンビニレン、アゾール、キノクサリン、ベンゾチアジアゾール、オキサジアゾール、チオフェンおよび可溶性基を有するアリールアミンのような芳香族またはヘテロ芳香族単位から形成される少なくとも部分的に共役された主鎖を有するポリマー、およびポリ(ビニルカルバゾール)のような非共役主鎖を有するポリマーを含む。ポリフルオレンのようなポリアリーレンは良好な薄膜形成特性を有し、スズキまたはヤマモト重合によって容易に形成することができ、これによって得られるポリマーの部分規則性を高度に制御することを可能にする。
【0006】
ある装置においては、複数層、すなわち、単一の基板表面上に異なる材料(通常はポリマー)のラミネートを形成することが望まれる。例えば、これは、独立した機能、例えば、電子または正孔輸送、輝度制御、光子閉じ込め、励起子閉じ込め、光誘引電荷生成および電荷遮断または蓄積の最大化を達成することができる。
【0007】
この点において、例えば、装置を通して、電子および光学特性を制御するために複数層の材料(ポリマーのような)を形成するのに有利である。これは、装置の最適化のために役に立つ。最適な装置特性は、例えば、電子および正孔輸送レベルの相殺、光学屈折率の不整合、および境界沿ったエネルギーギャップの不整合の慎重な設計によって達成される。このような複合構造は、例えば、1つの電荷の注入を容易化し、逆の電荷の抽出を遮断し、および/またはクエンチ境界への励起子の拡散を防止する。これによって、この複合構造は電荷および光子の閉じ込め効果に有益である。
【0008】
WO99/54385は、電子発光装置に使用されるフルオレンおよびアミン基を含むコポリマーを開示している。式II、IIIおよびIVのアミン基が開示されている。
【化1】

【化2】

【化3】

【0009】
アミン含有低分子も、LEDおよびそれ以外の分野、例えば、JP200410785、JP2003248331、JP2002241352、WO2000/027946、JP11185967、JP10302960、JP10095787、JP09268284、JP07301926、JP06110228、JP06104467、EP506492、JP04225363、JP03094260、JP03094259、JP03094258、Journal of the Chemical Society,Perkin Transactions 2、Physical Organic Chemistry (1997),(7)、1405−1414およびChemical Communications (1996),(23),2641−2642において公知である。アミン低分子も、IS&TのInt.Congr.Adv.Non−Impact printing Technol.,Final Program Proc.,8th(1992),261−3の“Approach to molecular design of charge transport materials by molecular orbital caluculation”において公知である。
【0010】
架橋性アリールアミン化合物はWO2005/052027において公知である。
【0011】
LEDの発光層は、1または2以上の蛍光および/または燐光発光材料を含む。LEDにおいては、対極の電極から電子および正孔が注入されて結合されて2つのタイプの励起子、すなわち、スピン対称3重項とスピン非対称1重項を理論的な比率3:1で形成する。1重項からの放射性崩壊は速い(蛍光)が、3重項からのものはスピン保存の要求から原則禁じられている。
【0012】
OLEDの最大量子内部効率が25%に制限されているという理解によって、1重項および3重項を共に燐光ドープ材に移転させるというアイディアが考案された。このような燐光体は、理論的には有機材料から1重項および3重項励起子を受け取り、発光、特に両者からの電子発光を生成することができる。
【0013】
ここ数年の間、燐光材料を半導体層中に混合することによって組み込みが研究されてきた。燐光ドープ材と低分子またはポリビニルカルバゾールのような非共役ポリマーのようなホスト材量を組み込んだ混合物をベースにしたLEDが良好な結果を得ている。
【0014】
LEDの3重項発光体のためのホスト材料としてカルバゾール化合物が、JACS 2004,126,7718およびJACS 2004,126,6035−6042を含むいくつかの論文の主題となった。JACS 2004,126,7718は、9,9’−ジアルキル−[3,3’]−ビカルバゾリイル系のホモポリマーおよびコポリマーを開示している。JACS 2004,126,6035−6042は、カルバゾール単位のフェニル環における誘導に基づく一連の低分子カルバゾール誘導体について研究している。
【0015】
マルチカラーLEDにおけるポリマーホスト材料の不成功の理由の1つは、ホスト材料が赤、緑および特に青色発光をクエンチしない十分に高い3重項エネルギーレベルを有する材料を見つけるのが困難であることである。さらに、JACS 2004,126,7718に述べられているように、高い3重項エネルギーレベルと同時に電荷注入のために安定したHOMOおよびLUMOレベルを有するポリマーを得ることは大きな挑戦である。
【0016】
WO2004/055129は、電荷輸送共役ドナー化合物と燐光受容体化合物の組み合わせから構成される電子発光装置に関するものである。奇数サブ単位としてのメタ−結合フェニレン、3,6結合フルオレニレンおよび3,6カルバゾリル単価は、共役ポリマー鎖の最低レベル3重項状態を増大することが開示されている。
【特許文献1】国際公開99/54385号パンフレット
【特許文献2】国際公開2004/055129号パンフレット
【特許文献3】特開2004−10785号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
上記に鑑みて、電子装置中の燐光発光材料のためのホスト材料をさらに提供する必要性があるものと考えられる。
【0018】
したがって、本発明の目的は電子装置における燐光性発光材料にための新しいホスト材料を提供することが本発明の目的の1つである。また、新しいホスト材料から構成される新しい電子装置を提供することが本発明の別の目的である。さらに、これらを製造する方法を提供することも本発明の目的の1つである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の第1の側面は、一般式1を有するポリマー主鎖中の繰り返し単位から構成される半導体ポリマーを提供する。
【化4】

上記式において、a=1または2、b=0または1、およびC=0,1または2である。ただし、c=0のとき、b=0である。Ar、Ar、Ar、Ar、ArおよびArは、それぞれ独立してアリールまたはヘテロアリール環、またはこれらの縮合誘導体を表し、Ar、Ar、ArおよびArの1つは非共役であり、ただし、(a)a=1のとき、ArはArに直接結合されておらず、(b)b=1およびc=1のとき、ArはArに直接結合されておらず、(c)b=0およびc=1のとき、ArはArに直接結合されておらず、(d)a=2のとき、Arは単一結合によって結合されておらず、(e)c=2のとき、Arは単一結合によって結合されていない。
【0020】
好ましくは、a=1およびC=0または1である。
【0021】
第1の側面は、さらに有機電子装置における正孔の輸送のための半導体ポリマーの使用を提供する。第1の側面は、さらに、有機電子装置における燐光金属錯体のホスト材料として半導体ポリマーの使用を提供する。
【0022】
本発明の発明者によって、半導体ポリマー中への一般式1の第1の繰り返し単位の導入およびこれによってポリマー主鎖の沿った共役部の長さを減らすことは半導体ポリマーの3重項エネルギーレベルを増大することが見出された。これは、半導体ポリマーが発光装置における燐光材料のホストとして使用されるときクエンチを回避し、これによって装置効率を高めるのに有効である。好ましくは、3重項エネルギーレベルは、半導体ポリマーが燐光緑色発光体のホスト材料としての使用に適するように十分に高い。この点において、好ましくは、3重項エネルギーレベルは2.4eVより大きい。他の実施態様において、半導体ポリマーは燐光性スカイブルー発光体のホスト材料として適しており、好ましくは、2.6eVより大きな3重項エネルギーレベルを有する。他の実施態様において、半導体ポリマーは燐光性赤色発光体のホスト材料として適しており、好ましくは、2.2eVより大きな3重項エネルギーレベルを有する。半導体ポリマーの正孔輸送特性は、有機電子装置に使用される望まれる正孔輸送材料に適する。
【0023】
本発明の半導体ポリマーは、他のホスト材料と比較したとき、予期せぬ良好な安定性を有することが発見された。安定性は、電子安定性(可逆的酸化および還元性)のおよび装置の寿命による標準技術により測定される。
【0024】
本発明の第2の側面は、第1の側面に関連して定義されるポリマーの製造のためのモノマーを提供し、前記モノマーは一般式1から構成される。
【化5】

上記式において、a、b、c、Ar、Ar、Ar、Ar、ArおよびArは、第1の側面に関連していずれかで定義されるものであり、少なくとも1つの離脱基LはArに直接付着されており、重合に参加することができる。
【0025】
本発明の第3の側面は、第1の側面に関連して定義される半導体ポリマーの製造のための方法を提供し、前記方法は、前記半導体ポリマーを形成するための条件下において第2の側面に関連して定義された複数のモノマーを重合する工程を含む。
【0026】
本発明の第4の側面は、第1の側面に関連して定義される半導体ポリマーを含む有機電子装置を提供する。第4の側面はさらに前記装置の製造方法を提供する。
【0027】
本発明を、図面を参照してさらに詳細に説明する。
【0028】
図1はLEDの基本的な装置構造を示す。
【0029】
第1の側面を参照すると、Ar、Ar、Ar、ArおよびArの少なくとも1つが「非共役」であることによって、第1繰り返し単位の主鎖に沿って非共役であることを意味することが理解される。共役は、主鎖に沿って連続的に重複した軌道、例えば、重複したp軌道の連続した通路を残す交互の単一および2重の炭素−炭素結合から生じる。共役主鎖の例は、ポリ(p−結合フェニレン)である。
【0030】
Ar、Ar、Ar、Ar、ArおよびArは、任意の適切なアリールまたはヘテロアリール環またはこれらの縮合誘導体から選択される。適切なアリールおよびヘテロアリール環は当業者に公知であり、好ましい順に、フェニル、ナフチル、フルオレン、ビフェニル、カルバゾール、および緑色燐光発光体のために適切な3重項レベルを有する6員環へテロサイクルが挙げられる。平坦な環、例えば、フェニルまたはフルオレン環が好ましい。アリール環が好ましい。6員環が好ましい。
【0031】
Ar、Ar、Ar、Ar、Arおよび/またはArは、置換または置換されない。適切な置換基としては、直鎖または分岐C1−20アルキルまたはアルコキシのような可溶性基、フッ素、ニトロまたはシアノ基のような電子誘引基およびポリマーのガラス転移温度を高める置換基が挙げられる。
【0032】
Arおよび/またはArの他の適切な置換基としては、アミノ、好ましくはジアリールアミノ基であり、ポリマー主鎖内にアミン単位およびポリマー主鎖から分岐したアミン単位を提供し、ポリマーの正孔輸送および/または発光特性を改良する働きをする。アミノ基はArおよび/またはArに直接結合され、スペーサー基によってArおよび/またはArから分離されている。ジアリールアミノ置換基のアリール基は、Ar〜Arについて上記に記載したとおりである。
【0033】
主鎖と分岐Ar環の間に一般式に示されない追加の結合があり得る。この点において、ArはArに結合され得る。同様に、ArはArに結合され得る。c=1のとき、ArはArに結合され得る。b=1およびc=1のとき、ArはArに結合され得る。b=0、c=1のとき、ArはArに結合され得る。全ての上述の結合は、直接結合または架橋基または架橋原子によるものである。
【0034】
上記の1または2以上に結合が存在し得る。特に、ArはArおよびArに結合され得る。例えば、下記のとおりである。
【化6】

【0035】
この繰り返し単位は、J.Hetericyclic Chem.,29,1237(1992)に開示される低分子から製造されるモノマーから導かれ得る。
【0036】
Ar、は直接Arに結合されない。ArはArに架橋基または架橋原子によって結合される。
【0037】
同様に、b=1およびc=1のとき、ArはArに直接結合されない。また、b=0およびc=1のとき、ArはArに直接結合されない。しかしながら、b=1およびc=1のとき、ArはArに架橋基または架橋原子によって結合され得る。同様に、b=0およびc=1のとき、ArはArに架橋基または架橋原子によって結合され得る。さらに、a=2のとき、2つのAr基は直接に結合されず、c=2のとき2つのAr基は直接に結合されない。
【0038】
これらの可能性は一般式3ないし5に示されている。
【化7】

【化8】

【化9】

上記式において、破線は直接結合を表す。Xは架橋基または架橋原子を表す。d=0または1である。適切な架橋基は、nが1ないし2であるとき、(CHを有する。適切な架橋原子はOおよびSである。一般式3ないし5において、示される−−X−−および−−(X)−−結合が存在し得る。
【0039】
好ましくは、Arおよび/またはAr(存在するとき)は少なくとも1つの置換基を有する。好ましくは、Arおよび/またはAr(存在するとき)は独立してアリールまたはヘテロアリール環を表す、Arおよび/またはArがフェニルのような6員環を表すときArおよび/またはArは最大5置換基まで有することができる。パラ位置に少なくとも1つの置換基があることが好ましい。
【0040】
好ましくは、Ar、Ar、Ar、Ar、ArおよびArのそれぞれは、置換されまたはされないフェニルから構成される。合成の容易さから、ArおよびAr上の置換基は、ArおよびArより好ましい。構造単位[−N−Ar2−Ar4−N−]は長さ方向に沿って共役されており、Ar=Ar=6員環のとき2,2’または3,3’位置における置換基が好ましい。これはポリマー主鎖に沿ったねじれを増加させ、これによって共役を減らす。
【0041】
Ar、Ar、Arおよび/またはArがフェニルから構成されるとき、前記フェニルは第1の繰り返し単位中にメタ結合されることができ、または非共役に変えるために、他のフェニルのような他のアリールまたはヘテロアリール環のメタ位置に縮合されることができる。
【0042】
メタ結合フェニル環は式6から構成される。
【化10】

【0043】
置換基はメタ結合フェニル環におけるパラ位置に位置することができる。
【化11】

【0044】
上記式において、Rは本明細書に記載される適切な置換基を表す。好ましい置換基としては、アルキル、アルコキシおよびアリールを含む。アルキルおよびアルコキシが最も好ましい。
【0045】
フェニル環に縮合誘導体は一般式8から構成され、この式において、Arは任意の適切な第2アリールまたはヘテロアリール環を表す。
【化12】

【0046】
第2のアリールまたはヘテロアリール環Arは6員環であり、より好ましくはフェニルである。縮合誘導体は一般式9から構成されることができる。
【化13】

【0047】
縮合されない、非共役アリールまたはヘテロアリール環またはこれらの縮合誘導体が好ましい。
【0048】
1つの実施態様において、第1の繰り返し単位の末端Ar(すなわち、ArおよびArとArの1つ)は好ましくは非共役である。この実施態様において、両末端基Ar(すなわち、ArおよびArとArの1つ)は好ましくはそれぞれ独立してメタ結合フェニル基を表す。
【0049】
第1の繰り返し単位は一般式10または11または12から構成される。
【化14】

【化15】

【化16】

上記式において、Rは水素または本明細書に記載される任意の置換基を表す。好ましい置換基としては、アルキル、アルコキシまたはアリールがあげられる。アルキルまたはアルコキシが最も好ましい。
【0050】
一般式10において、−−X−−結合は選択的である。存在する場合は、XはOまたはSである。
【0051】
一般式12において、例えば、一般式13において示される置換基の導入により、ポリマー鎖におけるねじれに拡張を増大することが望ましい。
【化17】

【0052】
1つの実施態様においてC=1のとき、第1の繰り返し単位(すなわち、ArおよびArの1または両者)は好ましくは非共役である。この実施態様において、ArおよびArの1または両者は好ましくは独立してメタ結合フェニルを表す。
【0053】
1つの実施態様において、c=1およびb=0のとき、Ar2は好ましくはメタ結合フェニルを表す。
【0054】
第1の繰り返し単位は一般式14から構成されることができる。
【化18】

−−−が直接結合を表すとき、各Xは独立して架橋基または架橋原子を表す。c=0または1のとき、各Rは独立して置換基を表し、−−(x)−−結合は独立して選択的である。
【0055】
他の実施態様において、c=1およびb=0のとき、Arは好ましくはフェニル環の縮合誘導体を表す。縮合誘導体は本明細書で定義されるような一般式8または9を有することができる。ArおよびArが縮合されるとき、Ar2はメタ結合されなければならない(およびa=0)。
【0056】
第1の繰り返し単位は一般式15から構成されることができる。
【化19】

−−−−−−が直接結合を表すとき、各Xは独立して架橋基または架橋原子を表す。d=0または1のとき、各Rは独立して置換基を表し、−−(x)−−結合は独立して選択的である。
【0057】
上記で定義される第1の繰り返し単位は半導体ポリマーを架橋されるようにするために機能化される。半導体ポリマーが架橋されるとき、好ましくは、半導体ポリマーは5ないし25モル%の架橋性繰り返し単位を有する。
【0058】
ArおよびAr上の置換基(例えば、一般式10ないし12、14または15)は他のポリマー鎖に架橋を提供する置換基であることができる。
【0059】
半導体ポリマーは、インクジェット印刷、スピンコートまたはロール印刷のような溶液プロセスによって層として積層されるように可溶性であることが好ましい。半導体ポリマーは、アルキレートベンゼン、特に、キシレンおよびトルエンのような共通の有機溶媒に可溶性であることが好ましい。
【0060】
半導体ポリマーは、好ましくは、非共役アリールまたはヘテロアリール環またはこれらの縮合誘導体によって分離された共役区域を有する。「非共役」とは、非共役アリールまたはヘテロアリール環またはこれらの縮合誘導体のいずれかの側の基が互いに共役されていないことを意味する。
【化20】

【0061】
上記式において、Bが非共役であるならば、AおよびCは互いに共役されていない。これは、どちらかの側の基が互いに共役されている共役アリールまたはヘテロアリール環またはこれらの縮合誘導体と対比される。
【0062】
1つの実施態様において、半導体ポリマーは実質的に共役されている。
【0063】
半導体ポリマーはコポリマーまたはより高次のポリマーから構成されることができる。コポリマーまたはより高次のポリマーは本明細書で定義される第1の繰り返し単位に加えて1または2以上の異なる共繰返し単位を有する。
【0064】
コポリマーまたは高次のポリマーが正孔輸送ポリマーの使用として意図されるとき、好ましくは、このコポリマーは第1の繰返し単位を少なくとも30モル%含む。コポリマーまたは高次のポリマーがホスト材料として使用されることを意図されると、コポリマーまたは高次のポリマーは、1または2以上の共繰返し単位が非共役であるならば第1の繰返し単位を最大50モル%まで含むことができる。より好ましくは、コポリマーまたは高次のポリマーは、第1繰返し単位を5ないし50モル%、さらに好ましくは5ないし25モル%まで含む。
【0065】
共繰返し単位は半導体ポリマーの溶解性を促進することができる。
【0066】
好ましい共繰返し単位はアリールまたはヘテロアリール基から構成されることができる。適切なアリールおよびヘテロアリール基としては、フルオレン、特に、9,9ジアルキルポリフルオレンまたは9,9ジアリールポリフルオレン、スピロフルオレン、インデノフルオレン、フェニレン、チオフェン、トリアリールアミン、アゾール、キノクサリン、オキサジアゾールおよびベンゾチアジアゾールが挙げられる。
【0067】
好ましくは、共繰返し単位は半導体ポリマーの共役区域中に含まれる。好ましくは、共役区域は、特に、半導体ポリマーが燐光緑色発光体のホスト材料としての用途を意図するとき、連続して4以下の共役アリールまたはヘテロアリールを有する。
【0068】
例えば、半導体ポリマーは一般式(10)の第1繰返し単位および2,7結合フルオレン共繰返し単位のABまたはABBコポリマーであり得る。
【化21】

【0069】
また、半導体ポリマーは、一般式(14)を有する第1の繰返し単位および3,6結合カルバゾール共繰返し単位のABまたはAABコポリマーであり得る。
【0070】
好ましい共繰返し単位は3,6結合フルオレンを有する。3,6結合フルオレンは好ましくは、一般式16を有する。
【化22】

上記式において、RおよびRは、選択的に置換されたアルキル(直鎖または分岐)、アルコキシ(直鎖または分岐)、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルのような水素または置換基を独立して表す。より好ましくは、RおよびRの少なくとも1つは選択的に置換されたC4−C20アルキルまたはアリール基から構成される。
【0071】
本発明の好ましいコポリマーは第1繰返し単位および3,6結合フルオレンから構成される共繰返し単位のABコポリマーである。
【0072】
他の適切な共繰返し単位は、カルバゾール、フェニレン、ビフェニルなど(下記参照)である。
【化23】

【0073】
半導体ポリマー中の共繰返し単位はポリマーを架橋させるために架橋基を含む。このような繰返し単位は架橋性基、例えば、一般式17を有するモノマーから導かれる、
【化24】

上記式において、LおよびL’は適切な離脱基を表す。Arはアリールまたはヘテロアリール基を表し、Xは末端架橋性基を有する基を表す。
【0074】
適切な架橋性基はスチリル、シクロブタンおよびオキセタンを含む。例えば、Xは式47または48を有することができる。
【化25】

【0075】
これらは、ハロゲン、ボロン酸またはボロン酸エステルのような反応基を有する末端エージェントとして加えられる。(47)および(48)は、それぞれ4−ビニルブロモベンゼンおよび4−ブロモベンゾシクロブタンから導かれる。
【0076】
追加的にまたは代替的に、低分子量架橋剤がポリマーの架橋密度を高めるために20wt%以下加えられる。低分子量架橋剤の例はジビニルベンゼンである。
【0077】
架橋性基を含むモノマーの例としては次のものがある。
【化26】

【化27】

【化28】

【0078】
他の例、例えば、WO2005/052027およびWO02/10129が当業者に公知である。
【0079】
半導体ポリマーは、好ましくは4.9〜5.5eV、より好ましくは5.0〜5.2eVの範囲のHOMOレベルを有する。
【0080】
半導体ポリマーは、好ましくは、50モル%以下のカルバゾール繰返し単位、より好ましくは、半導体ポリマーは実質的にカルバゾール繰返し単位を含まない。
【0081】
本発明の第2の側面を参照すると、モノマーは好ましくは2つの反応性離脱基(LおよびL’)を有する。式(1)を参照すると、LはArに直接付着され、L’は(b=c=0のとき)Ar、または(c=1のとき)Arは直接的に付着される。
【0082】
下記の一般式21に示されるように、モノマーは、第1の繰返し単位の末端に付着する適切な反応性離脱基(LおよびL’)を有する第1の側面に関連して定義される第1繰返し単位を有することができる。
【化29】

【0083】
第2の側面のモノマーは、一般式22で示される1つの反応性離脱基を有する末端基を含む。
【化30】

Lは上記で定義されるものであり、Yは水素のような不活性基を表す。
【0084】
一般式21および22において、「繰返し単位」は本発明の第1の側面に関連して明細書のいずれかで定義される第1の繰返し単位を表す。
【0085】
モノマーは機能化されることができ、例えば、架橋性基を含む。適切には、架橋性基はモノマー中のArおよび/またはAr上の置換基として存在することができる。例えば、一般式10ないし12、14および15における1または両者は、一般式21または22を有するモノマー中の架橋性基を表すことができる。
【0086】
適切な架橋性基は当業者に公知である。WO2005/052027は架橋性アリールアミン化合物を開示する。好ましい架橋性基は、−CH=CHおよびベンゾシクロブタンを含む。
【0087】
一般式6ないし16および18ないし20において、これら示されるものへの追加の置換基が存在し得る。
【0088】
第3の側面の方法を参照すると、第1の側面に関連して定義される半導体ポリマーの製造のための好ましい方法は、例えば、WO00/53656に記載されるようなスズキ重合、Polymer Science 1993,17,1153−1205のT.Yamamoto,“Electrically Conducting And Thermally Stable pi−Conjugated Poly(arylene)s Prepared by Organometallic Processes”に記載されている。これらの重合技術は、金属錯体触媒の金属原子がモノマーのアリール基と離脱基の間に挿入される「金属挿入」によって共に稼動する。ヤマモト重合の場合、ニッケル錯体触媒が使用される。スズキ重合の場合、パラジウム錯体触媒が使用される。
【0089】
例えば、ヤマモト重合による直鎖ポリマーの合成においては、2つの反応性ハロゲン基を有するモノマーが使用される。同様に、スズキ重合の方法に基づいて、少なくとも1つの反応性基はボロン酸またはボロンエステルのようなボロン誘導基であり、他の反応性基はハロゲンである。好ましいハロゲンは、塩素、臭素およびヨウ素であり、最も好ましくは臭素である。
【0090】
したがって、本出願を通して例示したアリール基を有する繰返し単位および末端基は、1または2以上の適切な離脱基を有するモノマーから導かれるものと理解される。
【0091】
スズキ重合が部分規則、ブロックおよび不規則コポリマーの製造のために使用される。特に、ホモポリマーまたは不規則コポリマーは、1つの反応基がハロゲンであり、他の反応基がボロン誘導基であるとき製造され得る。あるいは、ブロックまたは部分規則、特に、ABコポリマーは、第1のモノマーの反応基がボロンであり、第2のモノマーの反応基がハロゲンであるとき製造される。
【0092】
ハロゲン化合物の代替として、金属挿入に参加することができる他の離脱基は、トシレート、メシレートおよびトリフレートを含む。
【0093】
本発明の第4の側面を参照すると、電子装置は発光装置を含むことができる。
【0094】
図1を参照して、本発明のLEDの構造は、透明ガラスまたはプラスチック基板1、例えば、インジウム錫酸化物のアノード2およびカソード4から構成される。発光層3はアノード2とカソード4の間に供給される。
【0095】
電荷輸送、電荷注入または電荷遮断層のような他の層がアノード2およびカソードの間に位置することができる。
【0096】
特に、アノードから半導体ポリマー層への正孔の注入を促進するために、アノード2と発光層3の間に位置するドープされた有機材料からなる導電性正孔注入層を提供することが望ましい。ドープされた有機正孔注入材料の例としては、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、特に、EP0901176およびEP090947123に開示されるようなPEDTがドープされたポリスチレンスルホネート(PSS)、またはUS5723873およびUS5798170に開示されるポリアニリンが挙げられる。
【0097】
もし存在するならば、発光層3およびカソード4の間に位置する電子輸送層は好ましくは、約3〜3.5eVを有する。
第1の側面の半導体ポリマーは装置の発光層または正孔輸送層に位置する。これは、装置中の半導体ポリマーの機能に依存する。半導体ポリマーが発光材料として使用されるとき、装置の発光層だけまたは電荷輸送材料と組み合わせて位置する。半導体ポリマーが正孔輸送材料として使用されるとき、装置の発光層中(発光材料との組み合わせ中)か、または正孔輸送層に存在する。半導体ポリマーが発光ドープ剤、特に、燐光材料のためのホスト材料として使用されるとき、それはドープ材料と共に装置の発光層中に位置される。
【0098】
半導体ポリマーが正孔輸送材料として使用されるとき、発光層3は発光材料のみまたは1または2以上の追加の材料との組み合わせの発光材料から構成されることができる。特に、発行材料は、例えば、WO99/48160に開示されるような正孔および/または電子輸送材料と混合される。あるいは、発光材料は電荷輸送材料に共有結合され得る。
【0099】
半導体ポリマーが正孔輸送材料として使用されるとき、発光材料は蛍光性または燐光性であり得る。発光材料は、ポリマーまたは金属錯体のような低分子から構成されることができる。
【0100】
半導体ポリマーが正孔輸送材料として使用されるとき、層3に使用される適切な発光ポリマーは、通常、共役ポリマーであり、ポリ(p−フェニレンビニレン)のようなポリ(アリーレンビニレン)およびポリフルオレン、特に2,7−結合9,9ジアルキルポリフルオレンまたは2,7−結合9,9ジアリールポリフルオレン、ポリスピロフルオレン、特に2,7−結合ポリ−9,9−スピロフルオレン、ポリインデノフルオレン、特に、2,7−結合ポリインデノフルオレン、ポリフェニレン、特に、アルキルまたはアルコキシ置換ポリ−1,4−フェニレンを含む。このようなポリマーは、例えば、Adv.Mater.2000 12(23) 1737−1750およびその引用文献に開示される。適切な発光ポリマーは、共役ポリマーに関連して下記に詳細に検討される。
【0101】
発光層3に使用される適切な金属錯体は下記に検討される。下記に検討される燐光金属錯体は、(a)本発明の半導体ポリマーが正孔輸送材料として使用されるときの実施態様において、および(b)本発明の半導体ポリマーが燐光金属錯体のホスト材料として使用されるときの実施態様において、本発明の装置中に使用され得る。本発明の半導体ポリマーが正孔輸送材料として使用されるとき、燐光金属錯体のための追加のホスト材料が存在し得る。
【0102】
追加のホスト材料としての使用に適する多くのホスト材料は、Ikai et al.(Appl.Phys.Lett.,79 no.2,2001,156)に開示される、CBPとして知られる4,4’−ビス(カルバゾールー9−イル)ビフェニル)のような「低分子」、TCTAとして知られる(4,4’,4”−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン)、およびMTDATAとして知られるトリス−4−(N−3−メチルフェニル−N−フェニル)フェニルアミンのようなトリアリールアミンがある。ポリマー、特に、例えば、Appl.Phys.Lett.2000,77(15),2280に開示されるポリ(ビニルカルバゾール)、Synth.Met.2001,116,379,Phys.Rev.B 2001,63,235206およびAppl.Phys.Lett.2003,82(7),1006に開示されるポリフルオレン、Adv.Mater.199,11(4),285に開示されるポリ[4−(ンービニルベンジルオキシエチル,N−メチルアミノ)−N−(2,5−ジ−タート−ブチルフェニルナフタルイミド)、およびJ.Mter.Chem,2003,13,50−55に開示されるポリ(パラ−フェニレン)のようなホモポリマーもホスト材料として知られる。コポリマーもホスト材料として知られる。
【0103】
適切な金属錯体は一般式23の選択的に置換された錯体から構成される。
ML (23)
上記式において、Mは金属であり、L、LおよびLのそれぞれは配位基であり、qは整数であり、rおよびsはそれぞれ独立して0または整数である。(a.q)+(b.r)+(c.s)はM上で有効な配位位置の数に等しく、aはL上の配位位置の数に等しく、bはL上の配位位置の数に等しく、cはL上の配位位置の数に等しい。
【0104】
重元素Mは、急速な項間交差および3重項からの発光(燐光)を可能にする強力なスピン軌道結合を誘引する。適切な重金属Mとしては、次のものがある。
【0105】
セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、ジスプロジウム、ツリウム、エルビウムおよびネオジウムのようなランタニド金属、および
d−ブロック金属、特に、2列および3列のもの、しなわち、39ないし48および72ないし80の元素、特に、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、オスミウム、イリジウム、プラチナおよび金。
【0106】
f−ブロック金属のための適切な配位基としては、カルボン酸、1,3−ジケトネート、水酸化カルボン酸、アクリルフェノールおよびイミノアクリル基を含むシッフ塩基のような酸素または窒素寄与系が挙げられる。公知のように、発光ランタニド金属錯体は、金属イオンの第1励起状態より高い3重項エネルギーレベルを有する感光性基を必要とする。発光は金属のf−f遷移からのものであり、したがって、発光色は金属の選択によって決められる。シャープな発光は通常狭く、ディスプレイの応用に有用な純粋な色の発光をもたらす。
【0107】
d−ブロック金属は、ポルフィリンまたは一般式24の2座リガンドのような炭素または窒素ドナーを有する有機金属錯体を形成する。
【化31】

ArおよびArは同じか異なり、選択的に置換されたアリールまたはヘテロアリールから独立して選択される。XおよびYは同じか異なり、炭素または窒素から独立して選択される。ArおよびArは共に縮合され得る。Xが炭素でYが窒素であるリガンドは特に好ましい。
【0108】
2座リガンドの例は下記に示される。
【化32】

【0109】
ArおよびArはそれぞれ1または2以上の置換基を有する。特に好ましい置換基としては、WO02/45466、WO02/44189、US2002−117662およびUS2002−182441に開示される錯体、JP2002−324679に開示されるアルキルまたはアルコキシ基、WO02/81448に開示される発光材料として使用されるとき錯体の正孔の輸送を促進するために使用されるカルバゾール、WO02/68435およびEP1245659に開示される他の基に付着のためのリガンドを機能化することができる塩素またはヨウ素、およびWO02/66552に開示されるような金属錯体の溶液プロセス性を得るまたは高めるために使用されるデンドロンの発光を青色シフトするために使用されるフルオレンまたはトリフルオロメチルがある。
【0110】
d−ブロック元素の使用に適する他のリガンドとしては、それぞれ置換され得るジケトン、特にアセチルアセトン(acac)、トリアリールホスフィンおよびピリジンがある。
【0111】
主族金属錯体はリガンド系または電荷転移発光を示す。これらの錯体においては、発光色は金属だけでなくリガンドの選択によって決められる。
【0112】
ホスト材料および金属錯体は、物理的混合の形で結合され得る。あるいは、金属錯体はホスト材料に化学的に結合される。ポリマーホスト材料の場合、例えば、EP1245659、WO02/31896、WO03/18653およびWO03/22908に開示されるように、金属錯体はポリマー主鎖に置換基として結合され、ポリマー主鎖中の繰返し単位として組み込まれ、または、ポリマーの末端基として供給される。
【0113】
蛍光性低分子量金属錯体、特に、トリス−(8−ヒドロキシキノリノ)アルミニウムの広い範囲が公知であり、有機発光装置において試作されてきた(例えば、Macromol.Sym.125(1997)1−48,US−A 5,150,006,US−A 6,083,634およびUS−A5,432,014参照)。2価または3価の金属としては、オキシノイド、例えば、酸素−窒素または酸素−酸素寄与原子を有するもの、通常、置換酸素原子、または8−ヒドロキシキノレートのような置換酸素原子を有する置換窒素原子または酸素原子を有する環状窒素原子、並びにベンザゾール(III)、シッフ塩基、アゾインドール、クロモン誘導体、3−ヒドロキシフラボンおよびサリチレートアミノカルボキシレートおよびエステルカルボキシレートのようなカルボン酸が挙げられる、選択的な置換基としては、発光色を変えることができる(ヘテロ)芳香環上のハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、シアノ、アミノ、アミド、スルホニル、カルボニル、アリールまたはヘテロアリールがある。
【0114】
本発明の半導体ポリマーが燐光性金属錯体のホスト材料として使用される実施態様において、燐光金属錯体は、好ましくは赤、緑またはスカイブール燐光材料である。赤、緑またはスカイブール燐光材料の例としては、次のものがある。
赤:Irpiq(piq=2−アミノ−1−メチル−6−フェニルイミダゾ(4,5−b)ピリジン)、
緑:Irppy(ppy=3−フェニルピルビック酸)、
スカイ−ブルー:FIrpic(pic=6−(ジフルオロ−ホスホノ−メチル)−ナフタレン−2−カルボン酸(例えば、US2004/0121164に開示される)。
【0115】
本発明の半導体ポリマーの3重項エネルギーレベルは燐光金属錯体のよりも高い。
【0116】
「赤色燐光材料」とは、波長範囲600〜750nm、好ましくは600〜700nm、より好ましくは610〜650nm、最も好ましくは発光ピークが650〜660nm周辺を有する燐光放射によって発光する有機材料を意味する。
【0117】
本発明の半導体ポリマーが燐光材料のホスト材料として使用される実施態様において、半導体ポリマーは、下記の態様の1つのように、燐光材料と共に混合されるか、または
燐光材料に化学的に結合される。
【0118】
カソード4は、電子を発光層中に注入することを可能にする仕事関数を有する材料から選択される。他の要因、例えば、カソードと発光層の間の不良な相互作用の可能性がカソードの選択に影響する。カソードは、アルミニウム層のような単一層からなることができる。あるいは、それは複数の金属、例えば、WO98/10621に開示されるカルシウムとアルミニウムに2層、WO98/57381、Appl.Phys.Lett.2002,81(4),634およびWO98/57381に開示されるバリウム元素、Appl.Phys.Lett.2001,79(5),2001に開示されるフッ化バリウムから構成されることができる。装置への効率的な電子注入を提供するために、カソードは好ましくは、3.5eV未満、より好ましくは3.2eV、最も好ましくは3eV未満の仕事関数を有する。
【0119】
発光装置は湿気及び酸素に敏感な傾向にある。したがって、基板は、湿気および酸素が装置に浸入するのを防ぐ良好な遮断特性を有することが好ましい。基板は、通常ガラスであるが、特に、装置の柔軟性が望まれる場合には他の基板も使用される。例えば、基板は、プラスチックと遮断層の交互層を開示するUS626895またはEP0949850に開示される薄いガラスとプラスチックのラミネートから構成されることができる。
【0120】
この装置は、好ましくは、湿気および酸素の浸入を防ぐためのカプセル(図示しない)を有する、適切なカプセル材としては、ガラスのシート、例えば、WO01/81649に開示されるポリマーと誘電体の交互の堆積のような適切な遮断特性を有する薄膜、または、例えば、WO01/19142に開示される気密容器がある。基板またはカプセルを貫通する雰囲気中の湿気および/または酸素の吸収のためのゲッター材料は基板とカプセルの間に配置され得る。
【0121】
実用的な装置においては、光が吸収され(光応答装置の場合)または発光される(OLEDの場合)ように電極の少なくとも1つは半透明である。アノードが透明である場合、通常、インジウム錫酸化物から構成される。透明カソードの例は、例えば、GB2348316に開示されている。
【0122】
図1の例は、装置が、第1に基板上にアノードが形成され、続いて発光層およびカソードが蒸着されることによって形成される装置を示しているが、本発明の装置は、第1に基板上にカソードが形成され、続いて発光層およびアノードが蒸着されることによって形成され得るものと理解されたい。
【0123】
共役ポリマーは、通常、有機電子装置において有益である。共役ポリマーは、好ましくは、アリーレン繰返し単位、特に、J.Appl.Phys.1996,79,934に開示される1,4−フェニレン繰返し単位、EP0842208に開示されるフルオレン繰返し単位、例えば、Macromolecules 2000,33(6),2016−2020に開示されるインデノフルオレン繰返し単位、例えば、EP0707020に開示されるスピロフルオレン繰返し単位から構成される。これらの繰返し単位は、それぞれ選択的に置換される。置換基の例としては、C1−20アルキルまたはアルコキシのような可溶性基、フッ素、窒素またはシアノのような電子誘引基、およびポリマーのガラス転移温度(Tg)を高める置換基がある。
【0124】
特に好ましい共役ポリマーは、選択的に置換される2,7−結合フルオレン、最も好ましくは、一般式25の繰返し単位から構成される。
【化33】

上記式において、RおよびRは、水素または選択的に置換されるアルキル、アルコキシ、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルから独立して選択される。最も好ましくは、RおよびRの少なくとも1つは、選択的に置換されるC4−20アルキルまたはアリール基から構成される。
【0125】
選択的に置換される2,7−結合フルオレンから構成される繰返し単位から構成されるポリマーは、装置のどの層に使用されるかおよび共繰返し単位の性質に応じて、正孔輸送、電子輸送および発光の1または2以上の機能を提供する。
【0126】
特に、
選択的に置換される2,7−結合フルオレンから構成される繰返し単位およびトリアリールアミン繰返し単位、特に、一般式26〜31から選択される繰返し単位を含むコポリマーは正孔輸送および/または発光を提供するために利用され得る。
【化34】

上記式において、X、Y、A、B、CおよびDはHまたは置換基から独立して選択される。より好ましくは、X、Y、A、B、CおよびDは、選択的に置換される分岐状または直鎖のアルキル、アリール、ペルフルオロアルキル、チオアルキル、シアノ、アルコキシ、ヘテロアリール、アルキルアリールおよびアリールアルキル基からなる群より独立して選択される。最も好ましくは、X、Y、AおよびBは、C1−10アルキルである。
【0127】
このタイプの特に好ましい正孔輸送ポリマーは、選択的に置換される2,7−結合フルオレンから構成される繰返し単位およびトリアリールアミン繰返し単位のABコポリマーである。
【0128】
選択的に置換される2,7−結合フルオレンから構成される繰返し単位およびヘテロアリーレン繰返し単位をから構成されるコポリマーは電荷輸送または発光に利用される。好ましいヘテロアリーレン繰返し単位は一般式32〜46から選択される。
【化35】

上記式において、RおよびRは、同じか異なり、それぞれ独立して水素または置換基であり、好ましくは、アルキル、アリール、ペルフルオロアルキル、チオアルキル、シアノ、アルコキシ、ヘテロアリール、アルキルアリールまたはアリールアルキルから独立して選択される。製造の容易のためには、RおよびRは、好ましくは同じである。より好ましくは、これらは同じでありそれぞれフェニル基である。
【化36】

【化37】

【化38】

【0129】
発光コポリマーは、例えば、WO00/55927およびUS6353083に開示されるように、電子発光領域および正孔輸送領域と電子輸送領域の少なくとも1つから構成されることができる。正孔輸送領域および電子輸送領域の1つだけが供給されると、電子発光領域も正孔輸送および電子輸送機能の他の1つを供給することができる。
【0130】
このようなポリマー内の異なる領域は、US6353083に開示されるようにポリマー主鎖に沿って提供されるか、またはWO01/62869に開示されるようにポリマー主鎖からの分岐基によって提供される。
【0131】
第4の側面に装置の製造方法は当業者に公知である。通常、ポリマー層は溶液プロセスによって積層される。単一ポリマーまたは複数のポリマーは溶液から層5を形成する。ポリアリーレン、特にポリフルオレンのための適切な溶媒は、トルエンおよびキシレンのようなモノまたはポリアルキルベンゼンがある。特に好ましい溶液蒸着技術は、スピンコート、ロールコートおよびインクジェット印刷である。
【0132】
スピンコートは、発光材料のパターニングが不必要な装置、例えば、照明用途または単一モノクロ区域ディスプレイに特に適している。
【0133】
インクジェット印刷は高度情報コンテンツディスプレイ、特に、フルカラーディスプレイに適している。OLEDのインクジェット印刷は、例えば、EP0880303に記載されている。
【0134】
装置の複数層が溶液プロセスによって形成される場合、当業者は、隣接する層の相互混合を防止する技術、例えば、次の層の積層前に前の層を架橋すること、または隣接する層の第1の層の材料が第2の層を積層するために使用される溶媒に溶解しないように隣接する層の材料を選ぶことを知るだろう。
【0135】
本発明のポリマーが装置の正孔輸送層として使用されるとき、装置の次の層の積層前にこの層は可溶されなければならない。あるいは、正孔輸送層は、例えば、WO2004/023573に開示されるように熱によって処理される。
【0136】
モノマーの合成は下記に記載される。開始に材料は、Sigma−Aldrich社から入手可能である。
【0137】
実施例1:本発明のモノマー1の合成
【化39】

【0138】
モノマー1が、Woife,JP;Buchwald,SL;J.Org Chem.1997,62,6066〜6068に記載される「選択的」Buchwald反応によって製造された。
【0139】
実施例2:本発明のモノマー2の合成
【化40】

【0140】
工程(i):「標準」Buchwald条件:トルエン、1モル%Pd(OAc)、5モル% トリ(タート−ブチルフェニル)ホスフィン、KCO還流。
【0141】
工程(ii):実施例1のモノマーによる選択的Buchwald反応。
【0142】
モノマー2はモノマーの末端にメタ結合、すなわち、ポリマー鎖中にあるとき隣接する繰返し単位に結合する結合、を有するモノマーの例である。
【0143】
実施例3:本発明のモノマー3の合成
N−(4−アルキルフェニル)アミンが、ジクロモメタン中のブロモサクシンイミド(NBS)を使用して臭化され、N−(4−ブロモフェニル)−N−(4−アルキルフェニル)アミンを製造し、これは下記のスキームに沿って1,3−ジヨードベンゼンと反応された。
【0144】
【化41】

【0145】
Ullmann反応のための条件はGoodbrand,H B;Hu,N−X;J.Org.Chem.1999,64,670〜674に記載されている。
【0146】
これは、内部メタ結合を有するモノマー、すなわち、ポリマー中の繰返し単位として存在するとき、その繰返し単位の末端から離れた位置にあるポリマー主鎖に沿ったメタ結合を提供するものモノマーの例である。
【0147】
実施例4:本発明のモノマー4の合成
【化42】

【0148】
モノマー4の中央ビフェニル単位はねじれを増加するために2,2’または3,3’位置において置換されることができ、これによってさらに共役を減らす。
【0149】
実施例5:本発明のモノマー5の合成
【化43】

【0150】
Step(i)および(iii):標準Buchwald条件
Step(ii):ジクロロメタン中のNBSを使用する臭化
【0151】
実施例6:本発明のモノマー6の合成
3,3’−ブロモビフェニルがDemir,AS,Reis,O,Erullahoglu,M,J.Org。Chem.2003,62,10130〜10134の方法によって製造され、次のスキーム従って反応された。
【0152】
【化44】

【0153】
Step(i):標準Buchwald条件
Step(ii):選択的Buchwald条件
【0154】
実施例7:本発明のモノマー7の合成
【化45】

【0155】
上記のUllmann反応条件
【0156】
実施例8:本発明のモノマー8の合成
3,6−ジブロモナフタレンがBlatter,K;Schlueter,A−D;Synthesis 1989,5,536に基づいて製造され、次のスキームに沿って反応された。
【化46】

【0157】
Step(i):標準Buchwald条件
Step(ii):選択的Buchwald条件
【0158】
実施例9:本発明のモノマー9の合成
【化47】

【0159】
開始の材料の合成:実施例6参照
Step(i):標準Buchwald条件
Step(ii):選択的Buchwald条件
【0160】
実施例10〜18:本発明のポリマー1−9の合成
コポリマー1〜9は、WO00/53656に規定される方法に沿って、フルオレン単位とモノマー1〜9から導かれる繰返し単位のスズキ重合によって形成された。
【0161】
実施例19:LEDにおける正孔輸送材料としての使用
Baytron P(登録商標)として、H C Starck of Leverkusen,Germanyから市販されているポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホネート)がガラス基板(Applied Films Colorado,USAから入手可能)上に支持されているインジウム錫酸化物アノード上にスピンコートによって積層された。ポリマー1の正孔輸送層がキシレン溶液からスピンコートによってPEDT/PSS層の上にスピンコートによって積層されて厚さ約10nmが得られ、180℃で1時間加熱された。発光材料はポリマー1の層の上にキシレン溶液からスピンコートにより積層され、約65nmの厚さが得られた。半導体ポリマー上にバリウムの第1層を厚さ約10nmまで、アルミニウムバリウムの第2層を厚さ約100nmまで蒸着することにより、Ba/Alカソードが発光層上に形成された。最後に、装置は、装置を覆い密封するために基板上に接着されたゲッターを含む金属封入を使用して密封された。
【0162】
蛍光層の場合、WO00/46321に記載されるフルオレン繰返し単位を含む赤、緑および/または青色電子発光材料が使用される。
【0163】
燐光発光層の場合、CBP(4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル)のようなホスト材料およびイリジウム錯体、例えば、WO02/066552に開示される下記に示されるデンドリマー錯体47の混合物が燐光発光層として適切に使用される。
【化48】

【0164】
実施例20:緑色LED中のホスト材料としての使用
Baytron(登録商標)として、H C Starck of Leverkusen,Germanyから市販されているポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホネート)がガラス基板(Applied Films Colorado,USAから入手可能)上に支持されているインジウム錫酸化物アノード上にキシレン溶液からスピンコートによって積層され、厚さ約10nmが得られ、180℃で1時間加熱された。正孔輸送ポリマー1の溶液がPEDT/PSS層の上にキシレン溶液からスピンコートによって厚さ約10nmまで積層され、180℃で1時間加熱された。デンドリマー金属錯体47と共に本発明のポリマー2の溶液がキシレン溶液からスピンコートによりPEDT/PSS層上に約65nmの厚さまで積層された。バリウムの第1層を厚さ約10nmまで、アルミニウムバリウムの第2層を厚さ約100nmまで蒸着することにより、Ba/Alカソードがその上に形成された。最後に、装置は、装置を覆い密封するために基板上に接着されたゲッターを含む金属封入を使用して密封された。
【図面の簡単な説明】
【0165】
【図1】LEDの基本的な装置構造を示す。
【符号の説明】
【0166】
1 基板
2 アノード
3 発光層
4 カソード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の一般式1を有するポリマー主鎖中の第1の繰り返し単位から構成される半導体ポリマーであって、
【化1】

上記式において、a=1または2、b=0または1、およびC=0,1または2であり、ただし、c=0のとき、b=0であり、Ar、Ar、Ar、Ar、ArおよびArは、それぞれ独立してアリールまたはヘテロアリール環、またはこれらの縮合誘導体を表し、Ar、Ar、ArおよびArの少なくとも1つは非共役であり、ただし、(a)a=1のとき、ArはArに直接結合されておらず、(b)b=1およびc=1のとき、ArはArに直接結合されておらず、(c)b=0およびc=1のとき、ArはArに直接結合されておらず、(d)a=2のとき、Arは単一結合によって結合されておらず、(e)c=2のとき、Ar基は単一結合によって結合されていないポリマー。
【請求項2】
前記第1の繰返し単位は下記の一般式3〜5の1つから構成される請求項1に記載のポリマーであって、
【化2】

【化3】

【化4】

上記式において、Ar〜Arは請求項1で定義されるものであり、−−−は直接結合を表し、Xは架橋基または架橋原子を表し、d=0または1であり、図示される−−X−−および−−(X)−−結合の1つまたは組合せが存在するポリマー。
【請求項3】
Arおよび/またはArは少なくとも1つの置換基を有する請求項1または2に記載のポリマー。
【請求項4】
Arおよび/またはArはフェニルを表す請求項1ないし3のいずれかに記載のポリマー。
【請求項5】
Arおよび/またはArはフェニルを表し、パラ位置に少なくとも1つの置換基を有する請求項4に記載のポリマー。
【請求項6】
Ar、Ar、Ar、Ar、ArおよびArはそれぞれフェニルから構成される請求項1ないし5のいずれかに記載のポリマー。
【請求項7】
前記第1の繰返し単位の両端のArは非共役である請求項1ないし6のいずれかに記載のポリマー。
【請求項8】
前記第1の繰返し単位の両端のArは独立してメタ結合フェニル基を表す請求項7に記載のポリマー。
【請求項9】
前記第1の繰返し単位は、一般式10、11または12から構成される請求項8に記載のポリマーであって、
【化5】

【化6】

【化7】

上記式において、Rは水素または置換基を表し、−−−は直接結合を表し、Xは架橋基または架橋原子を表し、一般式10における前記−−−X−−−結合は選択的であるポリマー。
【請求項10】
請求項1ないし6のいずれかに記載のポリマーであって、c=1または2であるとき、ArおよびArの1つまたは両者は非共役であるポリマー。
【請求項11】
請求項10に記載のポリマーであって、ArおよびArの1つまたは両者は独立してメタ結合フェニルを表すポリマー。
【請求項12】
請求項11に記載のポリマーであって、c=1およびb=0であるとき、Arはメタ結合フェニルを表すポリマー。
【請求項13】
前記第1の繰返し単位は一般式14から構成される請求項12に記載のポリマーであって、
【化8】

上記式において、−−−が直接結合を表すとき、各Xは独立して架橋基または架橋原子を表し、c=0または1であり、各Rは独立して置換基を表し、前記−−(x)−−結合は独立して選択的であるポリマー。
【請求項14】
請求項10に記載のポリマーであって、c=1およびB=0のとき、Ar2はフェニル環の縮合誘導体を表し、前記フェニル環は前記メタ位置において縮合されているポリマー。
【請求項15】
前記縮合誘導体は、次の式8または9を有する基から構成される請求項14に記載のポリマー。
【化9】

【化10】

【請求項16】
前記第1の繰返し単位は次の一般式15から構成される請求項15に記載のポリマーであって、
【化11】

上記式において、−−−が直接結合を表すとき、各Xは独立して架橋基または架橋原子を表し、d=0または1のとき、各Rは独立して置換基を表し、−−(x)−−結合は独立して選択的であるポリマー。
【請求項17】
前記第1の繰返し単位は、前記半導体ポリマーが架橋されるように機能化されている請求項1ないし16のいずれかに記載のポリマー。
【請求項18】
前記半導体ポリマーは実質的に非共役である請求項1ないし17のいずれかに記載のポリマー。
【請求項19】
前記半導体ポリマーは5.0ないし5.2eVの範囲のHOMOレベルを有する請求項1ないし18のいずれかに記載のポリマー。
【請求項20】
前記半導体ポリマーはホモポリマーから構成される請求項1ないし19のいずれかに記載のポリマー。
【請求項21】
前記半導体ポリマーはコポリマーまたは高次のポリマーから構成される請求項1ないし19のいずれかに記載のポリマー。
【請求項22】
前記ポリマーは3,6結合フルオレンから構成される共繰返し単位を含む請求項21に記載のポリマー。
【請求項23】
請求項1ないし22のいずれかに記載される半導体ポリマーを有機電子装置における正孔輸送または燐光金属錯体のホスト材料として使用する方法。
【請求項24】
請求項1ないし22のいずれかに記載される半導体ポリマーの製造のためのモノマーであって、前記モノマーは次の一般式1から構成され、
【化12】

上記式において、a、b、c、Ar、Ar、Ar、Ar、ArおよびArは請求項1ないし17のいずれかで定義されるものであり、離脱基LおよびL’は重合に参加することができるモノマー。
【請求項25】
請求項24に記載されるモノマーであって、前記モノマーは一般式21または22から構成され、
【化13】

【化14】

上記式において、LおよびL’は請求項24に記載されるものであり、Yは不活性基を表し、「繰返し単位」は請求項1ないし17のいずれかで定義される第1の繰返し単位を表すモノマー。
【請求項26】
請求項1ないし22のいずれかに記載される半導体ポリマーの製造方法であって、前記方法は、前記半導体ポリマーを形成するための条件下において請求項24または25に記載される複数のモノマーを重合する工程を含む方法。
【請求項27】
請求項1ないし22のいずれかに記載される半導体ポリマーを含む有機電子装置。
【請求項28】
前記装置は、アノード、カソード、前記アノードと前記カソードの間の発光層、および選択的に前記アノードと発光層の間の正孔輸送層を含む発光装置から構成され、請求項1ないし22のいずれかで定義される半導体ポリマーが発光層中または正孔輸送層中に位置する請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記発光層は、請求項1ないし22のいずれかに記載の半導体ポリマーと共に燐光金属錯体を含む請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記燐光金属錯体は赤色または緑色燐光材料である請求項29に記載の装置。
【請求項31】
請求項1ないし22のいずれかに記載される半導体ポリマーを含む溶液を溶液プロセスによって積層して層を形成する工程を含む請求項27ないし30のいずれかで定義される装置の製造方法。
【請求項32】
前記形成される層は正孔輸送層であり、前記方法は、前記装置の次の層を積層する前に前記正孔輸送層を架橋する工程をさらに含む請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記形成される層は正孔輸送層であり、前記方法は、前記装置の次の層を積層する前に前記正孔輸送層を加熱処理する工程をさらに含む請求項31に記載の方法。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2009−520864(P2009−520864A)
【公表日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−546595(P2008−546595)
【出願日】平成18年12月18日(2006.12.18)
【国際出願番号】PCT/GB2006/004774
【国際公開番号】WO2007/071974
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(597063048)ケンブリッジ ディスプレイ テクノロジー リミテッド (152)
【出願人】(503419985)シーディーティー オックスフォード リミテッド (21)
【Fターム(参考)】