説明

アルキニル基置換アザ糖誘導体およびそれを有効成分とする薬剤

アルキニル基置換アザ糖誘導体およびそれを有効成分とする薬剤である。この薬剤は、インスリン非依存性糖尿病,慢性関節リウマチ,変形性関節症,敗血症,後天性免疫不全症候群(AIDS),移植片対宿主反応(GVHD),喘息,アトピー性皮膚炎,潰瘍性大腸炎等の予防薬または治療薬として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、TNF−αの変換酵素(TACE)に対する選択的な阻害剤として機能する、アセチレン置換アリールスルホン酸アミドが結合したアザ糖骨格を有するヒドロキサム酸誘導体に関する。
【背景技術】
TNF−αは、活性マクロファージが産生するサイトカインの一種で、炎症性のメデイエーターとして炎症局所で働いている。TNF−αは、本来重要なサイトカインであるが、それが過剰に産生された場合、例えば、インスリン非依存性糖尿病、慢性関節リウマチ、変形性関節症、敗血症、後天性免疫不全症候群(AIDS)、移植片対宿主反応(GVHD)、喘息、アトピー性皮膚炎、潰瘍性大腸炎等の疾患を引き起こすと考えられているので、TNF−αの産生を抑制する薬剤(TNF−α産生抑制剤)はこれら疾患の予防薬または治療薬となる可能性がある。
TNF−αは、233個のアミノ酸からなる分子量26kDaの膜結合型前駆体が、変換酵素(TACE)によりプロセシングを受けた結果生成される。このため、TNF−α産生抑制剤を開発する目的からTACE阻害活性を有する化合物(TACE阻害剤)が注目されている。
最近、アダム(A Disintegrin And Metalloprotease;ADAM)と総称される一群の機能性タンパク質が多くの膜結合型タンパク質のプロセシングにかかわっていることが明らかとなり、アダム17がTACEとして機能していることも報告された(非特許文献1参照)。また、従来、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)として知られていた結合組織中の細胞外マトリックス分解酵素が、アダム分子の類縁酵素であることから、これまで合成されたMMP阻害剤の多くはTACE阻害剤としても機能することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、例えばMMP1の阻害はヒトに投与した場合関節痛を引き起こすことが指摘されている(非特許文献2参照)。従って、TNF−α産生抑制剤としては、TACEに対して選択的に阻害効果を発現する化合物が望まれる。
PCT国際公開公報(特許文献2参照)には、アセチレン置換アリールスルホン酸アミド部位を有するヒドロキサム酸誘導体がTACE阻害剤として開示されている。ピペラジン等の環状骨格を有するヒドロキサム酸誘導体が多数開示されているが、これらのTACEに対する選択性は決して充分とはいえない。
【特許文献1】 米国特許5691382号
【特許文献2】 PCT国際公開公報WO00/40729号
【非特許文献1】 ブラック(Black)他,Nature,385,729−733,(1997);モス(Moss),Nature,385,733−736(1997)
【非特許文献2】 スクリップ(Scrip),No.2349,p.20(1998)
【発明の開示】
本発明の目的はTACEに対して選択的な阻害効果を発揮する化合物を見出し、優れたTNF−α産生抑制剤を提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、前記の式(I)で示される化合物がTACEに対して選択的な阻害作用を有することを見出し、本願発明を完成した。
以下、本発明を詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
本願発明は下式(I)

(式中、RおよびRは水素原子、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基又はベンジル基を表すがRおよびRの少なくとも一方は水素原子であり、Rは水素原子又は水酸基を表す)
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩、及びこれらを有効成分とする医薬である。
〜Cアルキル基とは炭素数1から8の直鎖状又は分枝鎖を有するアルキル基を意味するが、メチル基、エチル基等の炭素数1から4の低級アルキル基が特に好ましい。
〜Cアルケニル基とは炭素数3から8の直鎖状又は分枝鎖を有するアルケニル基を意味するが、アリル基、2−メチルアリル基等の炭素数3から4の低級アルケニル基が特に好ましい。
化合物(I)には複数の不斉炭素が存在するが、ピペリジン環を構成する不斉炭素は図示された立体化学のものに限定される。また、RおよびRとして選択されたアルキル基に不斉炭素が存在する場合は、その不斉炭素に基づく全ての立体異性体又はそれらの混合物を包含する。
下式(IIA)又は(IIB)

(式中、R′およびR′は水素原子、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基又はベンジル基を表し、Rは水素原子又は水酸基を表し、CO−Rはヒドロキサム酸等価体を表す)
で示される化合物も本願発明の一部である。
ここで、ヒドロキサム酸等価体とは、一価の原子団−CONHOHそのもののほか常法によって当該原子団−CONHOHへと化学変換可能な官能基を意味し、Rとしては例えばメトキシ基、エトキシ基またはベンジルオキシアミノ基を例示することができる。更には、当該ベンジルオキシアミノ基はカルボン酸とベンジルオキシアミンの縮合反応により容易に導入できるので、ヒドロキサム酸等価体としてはカルボキシル基の他、容易にカルボキシル基へと変換できる各種エステル基が包含される。従って、各種のカルボキシル保護基で保護されたカルボン酸が包含され具体的にはRとしては前記のメトキシ基、エトキシ基、ベンジルオキシアミノ基の他、ベンジルオキシ基、tert−ブチルオキシ基等を例示することができる。
本明細書で用いられる略語、記号の意味を以下に示す。
AgO:酸化銀
Bn:ベンジル基
CeCl:塩化セリウム七水和物
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DMP:2,2−ジメトキシプロパン
DMAP:4−ジメチルアミノピリジン
DIEA:ジイソプロピルエチルアミン
CO:炭酸カリウム
THF:テトラヒドロフラン
Pd/C:パラジウムカーボン
Pd(OH)/C:水酸化パラジウムカーボン
PPh:トリフェニルホスフィン
NaCN:シアン化ナトリウム
NHOH:50%ヒドロキシルアミン水溶液
TsOH:トシル酸一水和物
MsCl:メシルクロリド
TBAF:1Mテトラブチルアンモニウムフロリド/THF溶液
TBDMS:tert.ブチルジメチルシリル基
以下に本発明化合物(I)の製造方法について説明する。
(1)共通中間体(IIB−3)の合成
化合物(IIB−3)は、例えば下式(スキーム1)

(式中、Rは水素原子又はtert.ブチルジメチルシラニルオキシ基を表す。)
を経由して製造することができる。
最初に、化合物(VII)[Synthesis,No.9,1305−1309項(2000)参照]のアジド基を還元した後、p−ベンジルオキシベンゼンスルホニルクロリドと反応させて化合物(VI)を得る。アジド基の還元は、例えば、酢酸エチル、低級アルコールまたは1,4−ジオキサン中、10%パラジウムカーボン、20%水酸化パラジウムカーボンまたは白金等の触媒下、水素気流下又は加圧下に室温〜60℃で行うことができる。続くp−ベンジルオキシベンゼンスルホニルクロリドとの反応は、通常、DMF等の不活性溶媒中、DMAP等の塩基の存在下に、0℃〜室温で1〜24時間攪拌して行う。
次に、化合物(VI)の末端アセトナイド基を選択的に切断除去する。反応は、例えば、陽イオン交換樹脂の存在下、メタノール等の溶媒中、要すれば水を加え、室温〜50℃で5時間〜4日間攪拌して行うことができる。この場合、上記で述べた陽イオン交換樹脂を用いる方法の他、以下に説明する条件でも行うことができる。即ち、アセトニトリル中、塩化セリウム七水和物とシュウ酸を用いて室温で0.5〜2時間攪拌して目的物(V)を得る方法を例示することができる。
次に、化合物(V)の一級水酸基のみを選択的にメシル基へと変換する。反応は、例えば、塩化メチレン等の溶媒中、トリエチルアミンまたはDIEA等の塩基の存在下に、0.95〜1.05モルのメシルクロリドを用い、好ましくは−60〜−20℃の低温で30分〜5時間攪拌して行うことにより目的とする化合物(IV)を得る。
次に、化合物(IV)の分子内閉環反応により化合物(III)を得る。反応は、通常、DMF等の不活性溶媒中、炭酸カリウムまたはトリエチルアミン等の塩基の存在下に室温〜100℃、好ましくは40〜60℃で1〜5時間反応させ目的の化合物(III)を得る。
最後に、化合物(III)を水素化分解して脱ベンジル化した後、臭化物(VIII)と反応させ目的とする共通中間体(IIB−3)を得る。この水素化分解は、通常、酢酸エチル、メタノール等の低級アルコールまたは1,4−ジオキサン中、要すれば水を加え、10%パラジウムカーボン、20%水酸化パラジウムカーボンまたは白金等の触媒下、水素気流下又は加圧下に室温〜60℃、1〜5時間攪拌して行う。続く化合物(VIII)との反応は、通常、塩化メチレン等の溶媒中酸化銀の存在下室温〜50℃で5〜24時間反応させ目的の化合物(IIB−3)を得る。
(2)4,5−ジヒドロキシ体(Ia)の製造
化合物(Ia)は、例えば下式(スキーム2)

(式中、RはC〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基又はベンジル基を表し、Yは臭素原子又はヨウ素原子を表し、RおよびRは前記に同じ)
を経由して製造することができる。
最初に、スキーム1で示した共通中間体(IIB−3)のアセトナイド基を切断除去し、続いてアセトナイド基の組み換えを行い化合物(IIA−3)を得る。アセトナイド基の切断は、前記に述べた陽イオン交換樹脂を用いる方法等を例示することができる。アセトナイド基の組み換えは、例えば、DMF等の不活性溶媒中、p−トルエンスルホン酸一水和物またはしょうのう−10−スルホン酸等の酸触媒の存在下にDMPを加え、室温〜80℃で2〜24時間反応させて行うことができる。
次に、化合物(IIA−3)を化合物(IX)と反応させ化合物(IIA−2)を得る。反応は、通常、塩化メチレン等の溶媒中酸化銀の存在下室温〜50℃で24時間〜7日間反応させ目的の化合物(IIA−2)を得る。
次に、化合物(IIA−2)とヒドロキシルアミンとのアミノリシスにより化合物(IIA−1)を得る。反応は、通常、メタノール等の低級アルコール中、NaCNの存在下に室温で24時間〜3日間攪拌して行う方法等を例示することができる。
最後に、化合物(IIA−1)のアセトナイド基を切断除去して目的とする化合物(Ia)を得る。反応は、前記に述べた陽イオン交換樹脂を用いる方法等を例示することができる。このとき、Rがtert.ブチルジメチルシラニルオキシ基の場合は、先にtert.ブチルジメチルシリル基を脱保護してからアセトナイド基を切断除去する。このtert.ブチルジメチルシリル基の脱保護は、通常、THF等の不活性溶媒中TBAFの存在下に要すれば酢酸等の酸を加え、室温〜50℃で2〜24時間反応させて行うことができる。
尚、Rがプロピル基又はその類縁体の場合には次に示すスキーム3のような別途製造法が可能である。

(式中、Rは、アリル基又は置換アリル基を表し、Rはプロピル基又は還元された置換アリル基を表す。)
即ち、化合物(III)のアセトナイド基を組み換え、臭化アリル又は置換アリル臭化物(XI)を反応させた後にブチニル基を導入する方法である。化合物(XII)におけるベンジル基の切断除去の過程でアリル基の炭素−炭素二重結合が還元され、結果的に(Ia)においてRがプロピル基又はその類縁体である目的物(Ia−1)を製造することができる。
(3)3,4−ジヒドロキシ体(Ib)の製造
化合物(Ib)は、例えば下式(スキーム4)

(式中、R、R、R、Yは前記に同じ。)
を経由して製造することができる。
最初に、スキーム1で示した共通中間体(IIB−3)を化合物(IX)と反応させ化合物(IIB−2)を得る。反応は、通常、塩化メチレン等の溶媒中酸化銀の存在下室温〜50℃で24時間〜7日間反応させ目的の化合物(IIB−2)を得ることができる。
次に、化合物(IIB−2)とヒドロキシルアミンとのアミノリシスにより化合物(IIB−1)を得る。反応は、前記の方法等を例示することができる。
最後に、化合物(IIB−1)の脱保護を行い、目的とする化合物(Ib)を得る。この脱保護はスキーム2で示した方法と同様にして行うことができる。
尚、化合物(Ib)においてRがプロピル基又はその類縁体の場合には、化合物(Ia)の場合と同様、スキーム3に準じた別途製造法が可能である。即ち、化合物(III)に臭化アリル又は置換アリル臭化物(XI)を反応させた後にブチニル基を導入する方法であり、ベンジル基の切断除去の過程でアリル基の炭素−炭素二重結合が還元され、結果的に化合物(Ib)においてRがプロピル基又はその類縁体である目的物を製造することができる。
(4)3,4,5−トリヒドロキシ体(Ic)の製造
化合物(Ic)は、例えば下式(スキーム5)

(式中、R、Rは前記に同じ。)
を経由して製造することができる。
最初に、スキーム1で示した共通中間体(IIB−3)とヒドロキシルアミンとのアミノリシスにより化合物(IIB−4)を得る。反応は、通常、メタノール等の低級アルコール中、NaCNの存在下に室温で24時間〜4日間攪拌して行う。
最後に、化合物(IIB−4)の脱保護を行い目的とする化合物(Ic)を得ることができる。反応は、前記に述べた方法等を例示することができる。
これらの化合物は、経口又は非経口で人間に投与することができる。
経口投与の剤形としては、錠剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、硬カプセル剤等の固形製剤の他、シロップ剤、軟カプセル剤等の液剤が含まれる。これらの製剤は常法によって製剤可能であり、錠剤、顆粒剤、散剤又は細粒剤は、上記化合物又はその薬学的に許容される塩と、例えば、乳糖、でんぷん、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、タルク等の通常用いられる医薬添加物とを混合して製造され、硬カプセル剤はこれら細粒剤又は散剤を適宜カプセルに充填することにより製造される。又、シロップ剤は白糖、カルボキシセルロース等を含む水溶液に上記化合物又はその薬学的に許容される塩を溶解又は懸濁して製造され、軟カプセル剤は、脂質賦形剤、例えば、植物油、油性エマルジョン、グリコール等に前記の化合物又はその薬学的に許容される塩を溶解または懸濁し、軟カプセルに充填して製造される。
非経口投与の剤形としては、注射剤の他、軟膏剤、ローション剤、クリーム剤等の外用剤、坐薬、膣坐薬等の坐剤、噴霧剤等の経鼻投与剤等が例示される。これらの製剤は常法によって製造可能であり、例えば注射剤は、前記の化合物又はその薬学的に許容される塩を生理食塩液又は脂質賦形剤、例えば、植物油、油性エマルジョン、グリコール等に溶解又は乳化させ無菌的にアンプル又はバイヤルに封入することによって製造される。又、軟膏剤は、例えばワセリン、パラフィン、グリセリン等の基剤に前記の化合物又はその薬学的に許容される塩を加え、必要に応じて乳化剤、保存剤等を添加して常法により製造される。
本発明の薬剤の投与量は、剤形、患者の年齢、性別若しくは体重又は症状によっても異なるが、一般には、有効成分として0.1〜600mg/kg体重/日、好ましくは10〜200mg/kg体重/日が適量であり、これを1日1回または2〜4回に分けて投与する。
試験例1
マトリクスメタロプロテアーゼ(MMP)阻害活性の測定
1.供試化合物
本発明化合物(a):(2R,3S,4S,5S)−1−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−4,5−ジヒドロキシ−3−メトキシピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミド(実施例2の化合物)
本発明化合物(b):(2R,3S,4S,5S)−3−ベンジルオキシ−1−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−4,5−ジヒドロキシピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミド(実施例3の化合物)
本発明化合物(c):(2R,3S,4R,5S)−1−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−3,4−ジヒドロキシ−5−メトキシピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミド(実施例4の化合物)
本発明化合物(d):(2R,3S,4S,5S)−1−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−3,4,5−トリヒドロキシ−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミド(実施例5の化合物)
本発明化合物(e):(2R,3S,4S,5S)−1−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−4,5−ジヒドロキシ−3−エトキシピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミド(実施例9の化合物)
本発明化合物(f):(2R,3S,4S,5S)−4,5−ジヒドロキシ−1−[4’−(4’’−ヒドロキシ−ブチ−2’−イニルオキシ)ベンゼンスルホニル]−3−メトキシ−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミド(実施例10の化合物)
2.試験方法
MMP−1およびMMP−9の触媒領域をコードするDNAフラグメントはヒト線維肉腫由来HT−1080細胞から調製したcDNAよりPCR法にて増幅させた。MMP−3のプロ領域と触媒領域を含むDNAフラグメントも同様にして調製した。増幅させたDNAフラグメントはN末端にヒスチジンタグを付加できるように設計された市販の発現ベクターにクローニングし、大腸菌にトランスフォームした。得られたトランスフォーマントを培養し、細胞溶解液からNi−NTA樹脂(QIAGEN INC.)を用いて組換えMMPを精製した。組換えMMP−3については、さらに1mMのパラアミノフェニル水銀酢酸塩を37℃、1時間作用させて活性化した。
阻害活性の測定はナイトらの方法[FEBS Lett.296,p263(1992)]、あるいはナガセらの方法[J.Biol.Chem.269,p20952(1994)]に準じ、96ハーフウェルブラックマイクロプレートを用いて実施した。ジメチルスルフォキシドに溶解した試験化合物(a)〜(f)各々を、反応バッファー[150mM NaCl,10mM CaCl,0.05% Brij−35(登録商標)を含む50mM Tris塩酸(pH7.5)バッファー]にて希釈し、その25μLをウェルに添加した。
そこに反応バッファーで希釈した25μLのMMP溶液を添加して37℃にて10分間インキュベートした。さらに反応バッファーにて調製した10μMの蛍光消光性ペプチド基質50μLを添加して反応を開始させた。用いた蛍光消光性ペプチド基質は、MMP−1およびMMP−9については、MCA−Pro−Leu−Gly−Leu−DPA−Ala−Arg−NH(MCA=7メトキシクマリン−4−アセチル、DPA=N−3−(2,4−ジニトロフェニル)−L−2,3−ジアミノプロピオニル)を、MMP−3については、MCA−Arg−Pro−Lys−Pro−Val−Nva−Trp−Arg−Lys(DNP)−NH(DNP=2,4−ジニトロフェニル)である。反応開始直後の蛍光強度(励起320/蛍光405nm)と37℃で反応させた(MMP−1およびMMP−3は2時間、MMP−9は3時間)後の蛍光強度を測定し、それらの蛍光強度の差を酵素活性の指標とした。各阻害剤濃度での阻害率(%)を算出し、用量反応曲線からIC50値を求めた。このIC50値と、あらかじめ求めておいたTACEの基質に対するKm値からGraphPad Prismソフトウエア(GraphPad Software,Inc.)を用いてKi値を計算した。
3.試験結果
試験例2の結果とあわせて表1に示す。
試験例2
TNF−α変換酵素(TACE)に対する阻害活性測定
1. 供試化合物
試験例1の場合と同じ
2.試験方法
TACEのcDNA全長をヒト急性単球性白血病由来THP−1細胞よりクローニングし、そのシグナル領域、プロ領域、触媒領域をコードするDNAフラグメントをPCR法により増幅した。増幅フラグメントの両端には適当な制限酵素認識配列を付加すると共に、3’末端側には抗原性オクタペプチド(商標名:フラッグFLAG)タグのシーケンスを挿入した。得られた増幅フラグメントからpFastBacシステム(Life Technologies)を用いて組換えバクミドを作製し、さらにそれを昆虫細胞にトランスフェクトして組換えバキュロウイルスを作製した。この組換えバキュロウイルスを昆虫細胞に感染させ、培養上清に放出された組換えTACEをアフィニティゲルカラムにより精製した。
阻害活性の測定はバンダイクらの方法[Bioorg.Med.Chem.Lett.7,p1219(1997)]に準じ、96ハーフウェルブラックマイクロプレートを用いて実施した。ジメチルスルフォキシドに溶解した試験化合物(a)〜(f)各々を、反応バッファー[0.05%のBrij−35(登録商標)を含む20mMトリス塩酸バッファー(pH7.5)]にて希釈し、その40μLをウェルに添加した。そこに反応バッファーで希釈した40μLのTACE溶液(125ng/mL)を添加して37℃にて10分間インキュベートした。さらに反応バッファーにて調製した25μMの蛍光消光性ペプチド基質、MCA−Pro−Leu−Ala−Glu−Ala−Val−DPA−Arg−Ser−Ser−Ser−Arg−NHを20μL添加して反応を開始させた。反応開始直後の蛍光強度(励起320/蛍光405nm)と37℃で30分反応させた後の蛍光強度を測定し、それらの蛍光強度の差を酵素活性の指標とした。各阻害剤濃度での阻害率(%)を算出し、用量反応曲線からIC50値を求めた。このIC50値と、あらかじめ求めておいたTACEの基質に対するKm値からデータ処理ソフトウエア(商標名:GraphPad Prism、GraphPad Software,Inc.)を用いてKi値を計算した。
3.試験結果
試験結果を表1に示す。

本発明化合物はいずれもTACEに対して選択的に阻害効果を発揮する。
【実施例】
以下に参考例および実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
参考例1
4−(ブロモ−ブチ−2−イニルオキシ)−tert.−ブチルジメチルシランの製造:
(1)4―(tert.−ブチル−ジメチルシラニルオキシ)−ブチ−2−イン−1−オール:
ブチ−2−イン−1,4−ジオール(5g)をDMF(60mL)に溶解し、イミダゾール(11.07g)を加え、続いて氷冷攪拌下にtert.ブチルジメチルシリルクロリド(8.75g)を加え、室温で一夜攪拌した。次いで、エーテル(500mL)を加え、水洗し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:シクロヘキサン=1:4→1:3)にて精製して標記化合物(4.38g)をシロップとして得た。
H−NMR(CDCl)δ:0.12(s,6H),0.92(s,9H),1.55−1.7(m,1H),4.2−4.3(m,2H),4.35(d,1H,J=1.0Hz).
(2)4−(ブロモ−ブチ−2−イニルオキシ)−tert.−ブチルジメチルシラン:
上記(1)の化合物(1.5g)を塩化メチレン(40mL)に溶解し、PPh(2.95g)を加え、続いてカーボンテトラブロミド(3.73g)を加え、室温で30分攪拌した。次いで、減圧下に溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:シクロヘキサン=1:4)にて精製して標記化合物(2.45g)をシロップとして得た。
H−NMR(CDCl)δ:0.13(s,6H),0.91(s,9H),3.96(s,2H),4.37(s,2H).
【実施例1】
(3aS,4R,7S,7aS)−5−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−7−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−ヘキサヒドロ−[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピリジン−4−カルボン酸メチルエステルの製造:
(1)(2R,4’R,4’’S,5’S)−(ベンジルオキシベンゼンスルホニルアミノ)−(2’,2’,2”,2”−テトラメチル−[4’,4”]ビス[[1,3]ジオキソラニル]−5’−イル)−酢酸メチルエステル:

公知化合物[(2R,4’R,4’’S,5’S)−アジド−(2’,2’,2”,2”−テトラメチル−[4’,4”]ビス[[1,3]ジオキソラニル]−5’−イル)−酢酸メチルエステル、49.5g]を酢酸エチル(300mL)に溶解し、10%Pd/C(4.7g)を加え、水素加圧下40℃で4時間攪拌した。次いで、触媒を濾去して、濾液を減圧下に濃縮した。得られた残渣をDMF(450mL)に溶解し、DMAP(19.2g)およびp−ベンジルオキシベンゼンスルホニルクロリド(44.4g)を加え、室温で一夜攪拌した。次いで、反応液に酢酸エチル(700mL)を加え、1規定塩酸、水および飽和食塩水で順次洗浄後有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:シクロヘキサン=1:2)にて精製して標記化合物(65g)を無色の結晶として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.29(s,3H),1.33(s,3H),1.37(s,3H),1.47(s,3H),3.52(s,3H),3.9−4.05(m,3H),4.1−4.2(m,3H),5.15(s,2H),5.57(d,1H,J=6.7Hz),7.04(d,2H,J=8.9z),7.35−7.45(m,5H),7.79(d,2H,J=8.9Hz).
(2)(1’’S,2R,4’S,5’R)−(4−ベンジルオキシベンゼンスルホニルアミノ)−[5’−(1”,2”−ジヒドロキシ−エチル)−2’,2’−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4’−イル]−酢酸メチルエステル:

上記(1)の化合物(65g)をアセトニトリル(500mL)に溶解し、CeCl3(90.4g)およびシュウ酸(545mg)を加え、室温で1時間攪拌した。次いで、炭酸ナトリウムを反応液が中性になるまで加えた後不溶物を濾去し、酢酸エチルで洗浄した。濾液と洗液をあわせ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:シクロヘキサン=1:1→3:2、続いてクロロホルム:メタノール=10:1)にて精製して標記化合物(29.9g)を得、原料(18.5g)を回収した。
H−NMR(CDCl)δ:1.32(s,3H),1.36(s,3H),2.55(bs,1H),3.32(bs,1H),3.50(s,3H),3.7−3.8(m,2H),3.85−3.9(m,1H),4.00(t,1H,J=7.0Hz),4.1−4.2(m,1H),4.25−4.3(m,1H),5.14(s,2H),6.12(d,1H,J=7.7Hz),7.05(d,2H,J=8.9Hz),7.3−7.5(m,5H),7.78(d,2H,J=8.9Hz).
(3)(1’’R,2R,4’S,5’R)−(4−ベンジルオキシベンゼンスルホニルアミノ)−[5’−(1”−ヒドロキシ−2”−メタンスルホニルオキシ−エチル)−2’,2’−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4’−イル]−酢酸メチルエステル:

上記(2)の化合物(38.9g)を塩化メチレン(320mL)に溶解し、トリエチルアミン(8.7g)を加え、−40℃に冷却後メシルクロリド(8.96g)/塩化メチレン(10mL)をすみやかに滴下して同温で30分間攪拌した。次いで、反応液を飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:シクロヘキサン=1:2→1:1→2:1→4:1)にて精製して標記化合物(19.8g)を得、原料(9.9g)を回収した。
H−NMR(CDCl)δ:1.31(s,3H),1.36(s,3H),3.12(s,3H),3.54(s,3H),3.85−3.95(m,1H),3.97(dd,1H,J=6.8,8.6Hz),4.17(dd,1H,J=4.8,8.4Hz),4.26(dd,1H,J=4.9,6.7Hz),4.30(dd,1H,J=6.1,11.1Hz),4.50(dd,1H,J=2.3,11.1Hz),5.15(s,2H),5.73(d,1H,J=8.4Hz),7.06(d,2H,J=9.0Hz),7.3−7.5(m,5H),7.78(d,2H,J=9.0Hz).
(4)(3aS,4R,7S,7aS)−5−(4’−ベンジルオキシベンゼンスルホニル)−7−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−ヘキサヒドロ−[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピリジン−4−カルボン酸メチルエステル:

上記(3)の化合物(24.1g)をDMF(200mL)に溶解し、炭酸カリウム(5.8g)を加え、50℃で1.5時間攪拌した。次いで、反応液に酢酸エチル(700mL)を加え、水(×2)および飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:シクロヘキサン=1:2→2:3)にて精製して標記化合物(12.8g)をシロップとして得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.44(s,3H),1.46(s,3H),2.27(bs,1H),3.21(dd,1H,J=5.8,14.7Hz),3.48(dd,1H,J=4.5,9.8Hz),3.72(s,3H),3.88(d,1H,J=7.2,14.7Hz),4.05−4.2(m,1H),4.35−4.4(m,1H),4.43(d,1H,J=9.0Hz),5.13(s,2H),7.05(d,2H,J=8.9Hz),7.3−7.45(m,5H),7.79(d,2H,J=8.9Hz).
(5)(3aS,4R,7S,7aS)−5−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−7−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−ヘキサヒドロ−[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピリジン−4−カルボン酸メチルエステル:

上記(4)の化合物(2.13g)を酢酸エチル(20mL)に溶解し、10%Pd/C(200mg)を加え、水素雰囲気下室温で4時間攪拌した。次いで、触媒を濾去して、濾液を減圧下に濃縮した後得られた残渣を塩化メチレン(30mL)に溶解し、1−ブロモ−2−ブチン(655mg)および酸化銀(1.35g)を加え、窒素雰囲気下一夜攪拌した。次いで、不溶物を濾去し濾液を減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:シクロヘキサン=1:2→2:3)にて精製して標記化合物(2.3g)をシロップとして得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.46(s,3H),1.48(s,3H),1.88(t,3H,J=2.3Hz),2.24(s,1H),3.23(dd,1H,J=5.8,14.7Hz),3.50(dd,1H,J=4.5,9.8Hz),3.76(s,3H),4.05−4.2(m,2H),4.4−4.45(m,1H),4.46(d,1H,J=9.0Hz),4.73(q,1H,J=2.3Hz),7.07(d,2H,J=9.0Hz),7.82(d,2H,J=9.0Hz).
【実施例2】
(2R,3S,4S,5S)−1−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−4,5−ジヒドロキシ−3−メトキシピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミドの製造:
(1)(3aS,6R,7S,7aR)−5−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−7−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−ヘキサヒドロ−[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸メチルエステル:

実施例1の化合物(4.3g)をメタノール(40mL)に溶解し、陽イオン交換樹脂(ムロマック、8.5g)を加え、室温で一夜攪拌した。次いで、不溶物を濾去した後、濾液を減圧下に濃縮した。得られた残渣をDMF(50mL)に溶解し、DMP(10g)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(150mg)を加え、室温で一夜攪拌後、50℃で4.5時間攪拌した。次いで、反応液を減圧下に留去し、得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=2:3→1:1)にて精製して標記化合物(3.48g)をシロップとして得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.39(s,3H),1.59(s,3H),1.88(t,3H,J=2.3Hz),2.50(d,1H,J=6.5Hz),3.23(dd,1H,J=9.2,13.6Hz),3.66(s,3H),3.87(dd,1H,J=7.3,13.6Hz),4.1−4.2(m,2H),4.35−4.45(m,1H),4.45−4.55(m,1H),4.73(q,2H,J=2.3Hz),7.05(d,2H,J=8.9Hz),7.81(d,2H,J=8.9Hz).
(2)(3aS,6R,7S,7aR)−5−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−7−メトキシ−2,2−ジメチル−ヘキサヒドロ−[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸メチルエステル:

上記(1)の化合物(960mg)を塩化メチレン(18mL)に溶解し、よう化メチル(3.1g)および酸化銀(1.51g)を加え、窒素雰囲気下室温で5日間攪拌した。次いで、不溶物を濾去し、濾液を減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:3→1:2)にて精製して標記化合物(775mg)をシロップとして得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.30(s,3H),1.39(s,3H),1.88(t,3H,J=2.3Hz),3.26(dd,1H,J=8.0,13.3Hz),3.48(s,3H),3.63(dd,1H,J=6.6,13.3Hz),3.69(s,3H),4.1−4.2(m,2H),4.25−4.35(m,1H),4.72(q,2H,J=2.3Hz),4.79(d,1H,J=3.0Hz),7.05(d,2H,J=9.0Hz),7.86(d,2H,J=9.0Hz).
(3)(3aS,6R,7S,7aR)−5−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−7−メトキシ−2,2−ジメチル−ヘキサヒドロ−[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸ヒドロキサミド:

上記(2)の化合物(730mg)をメタノール(12mL)に溶解し、50%ヒドロキシルアミン水溶液(3mL)およびシアン化ナトリウム(79mg)を加え、室温で4日間攪拌した。次いで、反応液を減圧下に留去し、得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=60:1→50:1→40:1)にて精製後凍結乾燥して標記化合物(356mg)をアモルファスとして得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:1.18(s,3H),1.36(s,3H),1.84(s,3H),3.25(s,3H),3.2−3.35(m,1H),3.6−3.75(m,3H),3.76(d,1H,J=7.1Hz),4.05−4.15(m,1H),4.87(d,2H,J=2.2Hz),7.12(d,2H,J=8.9Hz),7.75(d,2H,J=8.9Hz),9.05(s,1H),10.61(s,1H).
TOF−Mass:477(M+Na),493(M+K)
[α] 36°(c=0.1,MeOH)
(4)(2R,3S,4S,5S)−1−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−4,5−ジヒドロキシ−3−メトキシピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミド:

上記(3)の化合物(270mg)をメタノール(10mL)に溶解し、陽イオン交換樹脂(ムロマック、1.1g)を加え、室温で2日間攪拌した。次いで、不溶物を濾去した後、濾液を減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=50:1→30:1→10:1)にて精製後凍結乾燥して標記化合物(111mg)をアモルファスとして得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:1.84(t,3H,J=2.3Hz),3.16(s,3H),3.61(bs,1H),3.68(bs,1H),4.37(s,1H),4.74(bs,1H),4.84(q,2H,J=2.3Hz),4.91(bs,1H),7.05(d,2H,J=8.9Hz),7.72(d,2H,J=8.9Hz),8.87(bs,1H),10.63(s,1H).
TOF−Mass:437(M+Na),453(M+K)
[α] 45°(c=0.1,MeOH)
【実施例3】
(2R,3S,4S,5S)−3−ベンジルオキシ−1−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−4,5−ジヒドロキシピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミドの製造:
(1)(3aS,6R,7S,7aR)−7−ベンジルオキシ−5−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−2,2−ジメチル−ヘキサヒドロ−[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸メチルエステル:

実施例2の(1)の化合物(1.59g)を塩化メチレン(15mL)に溶解し、ベンジルブロミド(1.86g)および酸化銀(3.34g)を加え、窒素雰囲気下室温で6日間攪拌した。次いで、不溶物を濾去し、濾液を減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:3→1:2)にて精製して標記化合物(1.75g)をシロップとして得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.29(s,3H),1.39(s,3H),1.87(t,3H,J=2.3Hz),3.32(dd,1H,J=7.7,13.3Hz),3.63(dd,1H,J=6.3,13.3Hz),3.68(s,3H),4.19(dd,1H,J=3.4,5.9Hz),4.25−4.35(m,1H),4.37(t,1H,J=3.3Hz),4.58(d,1H,J=11.4Hz),4.68(q,2H,J=2.3Hz),4.76(d,1H,J=11.4Hz),4.85(d,1H,J=3.2Hz),6.97(d,2H,J=9.0Hz),7.3−7.4(m,5H),7.85(d,2H,J=9.0Hz).
(2)(3aS,6R,7S,7aR)−7−ベンジルオキシ−5−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−2,2−ジメチル−ヘキサヒドロ−[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸ヒドロキサミド:

上記(1)の化合物(1.75g)をメタノール(25mL)に溶解し、50%ヒドロキシルアミン水溶液(5mL)およびシアン化ナトリウム(162mg)を加え、室温で3日間攪拌した。次いで、反応液を減圧下に留去し、得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=30:1)にて精製後凍結乾燥して標記化合物(247mg)をアモルファスとして得、原料(252mg)を回収した。
H−NMR(DMSO−d)δ:1.20(s,3H),1.36(s,3H),1.81(t,3H,J=2.3Hz),3.63(dd,1H,J=5.7,13.6Hz),3.75−3.85(m,1H),3.9−3.95(m,2H),4.15−4.25(m,1H),4.43(d,1H,J=11.5Hz),4.56(d,1H,J=11.5Hz),4.83(q,2H,J=2.3Hz),7.11(d,2H,J=8.9Hz),7.2−7.4(m,5H),7.83(d,2H,J=8.9Hz),9.08(s,1H),10.56(s,1H).
TOF−Mass:553(M+Na),569(M+K)
[α] 13°(c=0.1,MeOH)
(3)(2R,3S,4S,5S)−3−ベンジルオキシ−1−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−4,5−ジヒドロキシピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミド:

上記(2)の化合物(180mg)をメタノール(15mL)に溶解し、陽イオン交換樹脂(ムロマック、1g)を加え、室温で一夜攪拌した後さらに50℃で3時間攪拌した。次いで、不溶物を濾去した後、濾液を減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=50:1→40:1→30:1→20:1→10:1)にて精製後凍結乾燥して標記化合物(59mg)をアモルファスとして得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:1.82(s,3H),3.67(s,1H),3.92(s,1H),4.48(d,1H,J=12.0Hz),4.56(d,1H,J=12.0Hz),4.77(bs,2H),6.92(d,2H,J=8.9Hz),7.2−7.4(m,5H),7.71(d,2H,J=8.9Hz),8.91(s,1H),10.65(s,1H).
TOF−Mass:513(M+Na),529(M+K)
[α] 11°(c=0.1,MeOH)
【実施例4】
(2R,3S,4R,5S)−1−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−3,4−ジヒドロキシ−5−メトキシピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミドの製造:
(1)(3aS,4R,7S,7aS)−5−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−7−メトキシ−2,2−ジメチル−ヘキサヒドロ−[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピリジン−4−カルボン酸メチルエステル:

実施例1の化合物(1.0g)を塩化メチレン(15mL)に溶解し、ヨウ化メチル(3.2g)および酸化銀(1.58g)を加え、窒素雰囲気下室温で4日間攪拌した。次いで、不溶物を濾去し、濾液を減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:シクロヘキサン=1:3→1:2)にて精製して標記化合物(852mg)をシロップとして得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.44(s,3H),1.47(s,3H),1.88(t,3H,J=2.3Hz),3.38(dd,1H,J=5.1,14.3Hz),3.45(s,3H),3.5−3.6(m,3H),3.79(s,3H),3.95−4.0(m,2H),4.73(q,2H,J=2.3Hz),7.08(d,2H,J=9.0Hz),7.83(d,2H,J=9.0Hz).
(2)(3aS,4R,7S,7aS)−5−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−7−メトキシ−2,2−ジメチル−ヘキサヒドロ−[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピリジン−4−カルボン酸ヒドロキサミド:

上記(1)の化合物(852mg)をメタノール(20mL)に溶解し、50%ヒドロキシルアミン水溶液(5mL)およびシアン化ナトリウム(92mg)を加え、室温で一夜攪拌した。次いで、反応液を減圧下に留去し、得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=30:1)にて精製後凍結乾燥して標記化合物(730mg)をアモルファスとして得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:1.23(s,3H),1.28(s,3H),1.84(t,3H,J=2.2Hz),2.96(dd,1H,J=4.0,10.0Hz),3.25−3.45(m,2H),3.72(d,1H,J=8.7Hz),3.75(d,1H,J=6.5Hz),4.02(t,1H,J=9.5Hz),4.88(t,2H,J=2.2Hz),7.17(d,2H,J=8.9Hz),7.83(d,2H,J=8.9Hz),9.10(s,1H),10.93(s,1H).
TOF−Mass:477(M+Na),493(M+K)
[α] 33°(c=0.1,MeOH)
(3)(2R,3S,4R,5S)−1−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−3,4−ジヒドロキシ−5−メトキシピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミド:

上記(2)の化合物(500mg)をメタノール(15mL)に溶解し、陽イオン交換樹脂(ムロマック、2g)を加え、室温で一夜攪拌した。次いで、不溶物を濾去した後、濾液を減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=50:1→40:1→30:1→20:1→10:1)にて精製後凍結乾燥して標記化合物(370mg)をアモルファスとして得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:1.84(t,3H,J=2.2Hz),3.14(s,3H),3.2−3.5(m,4H),3.48(s,1H),3.70(s,1H),3.78(s,1H),4.84(bs,2H),4.91(bs,1H),5.29(bs,1H),7.08(d,2H,J=8.9Hz),7.79(d,2H,J=8.9Hz),8.83(s,1H),10.55(s,1H).
TOF−Mass:437(M+Na),453(M+K)
[α] −4°(c=0.1,MeOH)
【実施例5】
(2R,3S,4S,5S)−1−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−3,4,5−トリヒドロキシ−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミドの製造:
(1)(3aS,4R,7S,7aS)−5−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−7−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−ヘキサヒドロ−[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピリジン−4−カルボン酸ヒドロキサミド:

実施例1の化合物(480mg)をメタノール(8mL)に溶解し、50%ヒドロキシルアミン水溶液(3mL)およびシアン化ナトリウム(54mg)を加え、室温で一夜攪拌した。次いで、反応液を減圧下に留去し、得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=50:1→40:1→30:1)にて精製後凍結乾燥して標記化合物(210mg)をアモルファスとして得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:1.22(s,3H),1.28(s,3H),1.83(t,3H,J=2.1Hz),2.76(dd,1H,J=4.5.10.0Hz),3.19(dd,1H,J=6.0,14.6Hz),3.74(d,1H,J=8.9Hz),3.80(dd,1H,J=6.9,14.5Hz),4.0−4.1(m,2H),4.8−4.95(m,2H),5.2(d,1H,J=3.7Hz),7.16(d,2H,J=8.9Hz),7.84(d,2H,J=8.9Hz),9.09(s,1H),10.93(s,1H).
TOF−Mass:463(M+Na),479(M+K)
[α] 52°(c=0.1,MeOH)
(2)(2R,3S,4S,5S)−1−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−3,4,5−トリヒドロキシ−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミド:

上記(1)の化合物(156mg)をメタノール(8mL)に溶解し、陽イオン交換樹脂(ムロマック、1g)を加え、室温で一夜攪拌した。次いで、不溶物を濾去した後、濾液を減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=30:1→10:1→5:1)にて精製後凍結乾燥して標記化合物(120mg)をアモルファスとして得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:1.84(s,3H),3.19(dd,1H,J=4.5,12.8Hz),3.4−3.6(m,2H),4.05(s,1H),4.26(s,1H),4.7(bs,1H),4.83(s,2H),5.27(s,1H),7.07(d,2H,J=8.7Hz),7.80(d,2H,J=8.7Hz),8.86(bs,1H),10.59(s,1H).
TOF−Mass:423(M+Na),439(M+K)
[α] 3°(c=0.1,MeOH)
【実施例6】
(3aS,6R,7S,7aR)−5−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−7−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−ヘキサヒドロ−[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸ヒドロキサミドの製造:

実施例2の(1)の化合物(642mg)をメタノール(30mL)に溶解し、50%ヒドロキシルアミン水溶液(6mL)およびシアン化ナトリウム(72mg)を加え、室温で一夜攪拌した。次いで、反応液を減圧下に留去し、得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=50:1→30:1)にて精製後凍結乾燥して標記化合物(350mg)をアモルファスとして得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:1.17(s,3H),1.34(s,3H),1.83(s,3H),3.16(d,1H,J=8.2Hz),3.74(dd,1H,J=6.3,13.8Hz),3.83(dd,1H,J=7.9,13.5Hz),4.0−4.1(m,1H),4.8−4.9(m,2H),5.76(d,1H,J=5.5Hz),7.14(d,2H,J=8.9Hz),7.83(d,2H,J=8.9Hz),8.98(s,1H),10.56(s,1H).
TOF−Mass:463(M+Na),479(M+K)
[α] 50°(c=0.1,MeOH)
【実施例7】
(2R,3S,4S,5S)−3,4,5−トリヒドロキシ−1−[4’−(4’’ヒドロキシ−ブチ−2’−イニルオキシ)ベンゼンスルホニル]−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミドの製造:
(1)(3aS,4R,7S,7aS)−5−[4’−[4’’−(tert,ブチルジメチルシラニルオキシ)−ブチ−2’−イニルオキシ]ベンゼンスルホニル]−7−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−ヘキサヒドロ−[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピリジン−4−カルボン酸メチルエステル:

実施例1の(4)の化合物(767mg)を酢酸エチル(20mL)に溶解し、10%Pd/C(92mg)を加え、水素雰囲気下40℃で2.5時間攪拌した。次いで、触媒を濾去して、濾液を減圧下に濃縮した後得られた残渣を塩化メチレン(12mL)に溶解し、(4−ブロモ−ブチ−2−イニルオキシ)−tert.ブチルジメチルシラン(550mg)および酸化銀(484mg)を加え、窒素雰囲気下一夜攪拌した。更に、(4−ブロモ−ブチ−2−イニルオキシ)−tert.ブチルジメチルシラン(366mg)および酸化銀(322mg)を加え、50℃で3時間攪拌した。次いで、不溶物を濾去し濾液を減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:シクロヘキサン=1:3→2:3)にて精製して標記化合物(393mg)をシロップとして得た。
H−NMR(CDCl)δ:0.09(s,6H),0.89(s,9H),1.45(s,3H),1.47(s,3H),2.26(s,1H),3.22(dd,1H,J=5.7,14.7Hz),3.49(dd,1H,J=4.3,9.7Hz),3.75(s,3H),3.85(dd,1H,J=7.1,14.7Hz),4.05−4.15(m,1H),4.35(s,2H),4.37−4.42(m,1H),4.43(d,1H,J=9.0Hz),4.80(s,2H),7.06(d,2H,J=8.9Hz),7.81(d,2H,J=8.9Hz).
TOF−Mass:592(M+Na),608(M+K)
(2)(3aS,4R,7S,7aS)−5−[4’−[4’’−(tert.ブチルジメチルシラニルオキシ)−ブチ−2’−イニルオキシ]ベンゼンスルホニル]−7−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−ヘキサヒドロ−[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピリジン−4−カルボン酸ヒドロキサミド:

上記(1)の化合物(378mg)をメタノール(15mL)に溶解し、50%ヒドロキシルアミン水溶液(3mL)およびシアン化ナトリウム(32mg)を加え、室温で一夜攪拌した。次いで、反応液を減圧下に留去し、得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=50:1→30:1)にて精製後凍結乾燥して標記化合物(227mg)をアモルファスとして得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:0.04(s,6H),0.84(s,9H),1.22(s,3H),1.28(s,3H),2.78(dd,1H,J=4.4,9.6Hz),3.19(dd,1H,J=5.8,14.5Hz),3.34(s,3H),3.7−3.8(m,2H),4.0−4.1(m,2H),4.35(s,2H),4.99(s,2H),5.23(d,1H,J=4.6Hz),7.17(d,2H,J=8.9Hz),7.82(d,2H,J=8.9Hz),9.11(s,1H),10.92(s,1H).
TOF−Mass:593(M+Na),609(M+K)
(3)(3aS,4R,7S,7aS)−7−ヒドロキシ−5−[4’−(4’’−ヒドロキシ−ブチ−2’−イニルオキシ)ベンゼンスルホニル]−2,2−ジメチル−ヘキサヒドロ−[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピリジン−4−カルボン酸ヒドロキサミド:

上記(2)の化合物(217mg)をTHF(5mL)に溶解し、酢酸(62mg)を加えた後、TBAF(1mL)を加え、室温で3時間攪拌した。次いで、反応液を減圧下に留去し、得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=50:1→25:1→10:1)にて精製後凍結乾燥して標記化合物(151mg)をアモルファスとして得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:1.22(s,3H),1.28(s,3H),2.79(dd,1H,J=4.4,10.0Hz),3.19(dd,1H,J=5.8,14.5Hz),3.7−3.85(m,2H),4.0−4.1(m,2H),4.10(d,1H,J=5.9Hz),4.97(s,2H),5.23(d,1H,J=4.5Hz),5.27(t,1H,J=5.9Hz),7.17(d,2H,J=8.9Hz),7.83(d,2H,J=8.9Hz),9.11(s,1H),10.92(s,1H).
TOF−Mass:479(M+Na),495(M+K)
(4)(2R,3S,4S,5S)−3,4,5−トリヒドロキシ−1−[4’−(4’’ヒドロキシ−ブチ−2’−イニルオキシ)ベンゼンスルホニル]−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミド:

上記(3)の化合物(120mg)をメタノール(10mL)に溶解し、陽イオン交換樹脂(ムロマック、2.4g)を加え、室温で一夜攪拌した。次いで、不溶物を濾去した後、濾液を減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1→5:1→4:1)にて精製後凍結乾燥して標記化合物(26mg)をアモルファスとして得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:3.19(dd,1H,J=4.7,12.4Hz),3.25−3.35(m,1H),3.4−3.6(m,2H),4.05(bs,1H),4.12(d,1H,J=5.9Hz),4.26(s,1H),4.67(d,1H,J=6.4Hz),4.89(bs,1H),4.93(s,1H),5.25−5.35(m,2H),7.09(d,2H,J=8.8Hz),7.79(d,2H,J=8.8Hz),8.86(s,1H),10.59(bs,1H).
TOF−Mass:(M+Na),(M+K)
【実施例8】
(2R,3S,4S,5S)−1−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−4,5−ジヒドロキシ−3−イソブトキシピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミドの製造:
(1)(3aS,6R,7S,7aR)−5−(4’−ベンジルオキシベンゼンスルホニル)−7−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−ヘキサヒドロ−[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸メチルエステル:

実施例1の(4)の化合物(4.8g)をメタノール(70mL)に溶解し、陽イオン交換樹脂(ムロマック、10.4g)を加え、室温で一夜攪拌した。次いで、不溶物を濾去した後、濾液を減圧下に濃縮した。得られた残渣をDMF(40mL)に溶解し、DMP(10.7mL)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(84mg)を加え、室温で一夜攪拌した。次いで、反応液に酢酸エチル(100mL)を加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後減圧下に溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:シクロヘキサン=2:3)にて精製して標記化合物(3.62g)をシロップとして得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.27(s,3H),1.37(s,3H),2.92(bs,1H),3.21(dd,1H,J=8.9,13.5Hz),3.62(s,3H),3.80(dd,1H,J=7.1,13.4Hz),4.05−4.15(m,1H),4.38(dt,1H,J=7.0,7.8Hz),4.52(bs,1H),4.58(d,1H,J=4.1Hz),7.04(d,2H,J=8.9Hz),7.30−7.45(m,5H),7.80(d,2H,J=8.9Hz).
(2)(3aS,6R,7S,7aR)−5−(4’−ベンジルオキシベンゼンスルホニル)−2,2−ジメチル−7−(2’’−メチルアリルオキシ)−ヘキサヒドロ−[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸メチルエステル:

上記(1)の化合物(800mg)を塩化メチレン(12mL)に溶解し、3−ブロモ−2−メチルペンテン(1.13g)および酸化銀(970mg)を加え、窒素雰囲気下室温で4日間攪拌した。次いで、不溶物を濾去し、濾液を減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:4→1:3)にて精製して標記化合物(754mg)をシロップとして得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.31(s,3H),1.39(s,3H),1.76(s,3H),3.29(dd,1H,J=7.6,13.6Hz),3.61(dd,1H,J=6.3,13.1Hz),3.97(d,1H,J=12.2Hz),4.09(d,1H,J=12.2Hz),4.18(dd,1H,J=3.3,5.9Hz),4.25−4.35(m,2H),4.76(d,1H,J=3.1Hz),4.95(s,1H),4.99(s,1H),5.13(s,1H),7.04(d,2H,J=8.9Hz),7.3−7.5(m,5H),7.86(d,2H,J=8.9Hz).
(3)(3aS,6R,7S,7aR)−5−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−7−イソブトキシ−2,2−ジメチル−ヘキサヒドロ−[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸メチルエステル:

上記(2)の化合物(750mg)を酢酸エチル(15mL)に溶解し、10%Pd/C(100mg)を加え、水素雰囲気下室温で3時間攪拌した。次いで、触媒を濾去して、濾液を減圧下に濃縮した後得られた残渣を塩化メチレン(15mL)に溶解し、1−ブロモ−2−ブチン(279mg)および酸化銀(487mg)を加え、窒素雰囲気下一夜攪拌した。次いで、不溶物を濾去し濾液を減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:4→1:3)にて精製して標記化合物(502mg)をシロップとして得た。
H−NMR(CDCl)δ:0.90(d,6H,J=6.7Hz),1.31(s,3H),1.40(s,3H),1.75−1.85(m,1H),1.88(t,3H,J=2.0Hz),3.25−3.35(m,2H),3.43(dd,1H,J=6.6,8.7Hz),3.57(dd,1H,J=6.2,13.2Hz),3.70(s,3H),4.17(dd,1H,J=3.3,6.0Hz),4.22(t,1H,J=3.2Hz),4.71(q,2H,J=2Hz),4.73(d,1H,J=3.1Hz),7.04(d,2H,J=8.8Hz),7.88(d,2H,J=8.8Hz).
(4)(3aS,6R,7S,7aR)−5−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−7−イソブトキシ−2,2−ジメチル−ヘキサヒドロ−[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸ヒドロキサミド:

上記(3)の化合物(500mg)をメタノール(15mL)に溶解し、50%ヒドロキシルアミン水溶液(3mL)およびシアン化ナトリウム(50mg)を加え、室温で一夜攪拌した。次いで、反応液を減圧下に留去し、得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=50:1→40:1→30:1)にて精製後凍結乾燥して標記化合物(317mg)をアモルファスとして得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:0.73(d,6H,J=6.6Hz),1.19(s,3H),1.36(s,3H),1.45−1.6(m,1H),1.83(s,3H),3.0−3.1(m,1H),3.2−3.35(m,2H),3.60(dd,1H,J=5.7,13.7Hz),3.65−3.8(m,2H),4.1−4.2(m,1H),4.87(s,2H),7.15(d,2H,J=8.0Hz),7.82(d,2H,J=8.0Hz),9.03(s,1H),10.50(s,1H).
(5)(2R,3S,4S,5S)−1−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−4,5−ジヒドロキシ−3−イソブトキシピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミド:

上記(4)の化合物(275mg)をメタノール(10mL)に溶解し、陽イオン交換樹脂(ムロマック、2g)を加え、室温で2日間攪拌した。次いで、不溶物を濾去した後、濾液を減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=50:1→40:1→30:1→10:1)にて精製後凍結乾燥して標記化合物(49mg)をアモルファスとして得、原料(157mg)を回収した。
H−NMR(DMSO−d)δ:0.75−0.85(m,6H),1.6−1.7(m,1H),1.84(t,1H,J=2.3Hz),3.12(dd,1H,J=7.0,8.9Hz),3.24(dd,1H,J=6.0,9.1Hz),3.63(bs,1H),3.75(bs,1H),4.34(bs,1H),4.79(bs,1H),4.83(q,2H,J=2.3Hz),4.92(bs,1H),7.08(d,2H,J=8.8Hz),7.74(d,2H,J=8.8Hz),8.92(s,1H),10.63(s,1H).
【実施例9】
(2R,3S,4S,5S)−1−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−4,5−ジヒドロキシ−3−エトキシピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミドの製造:
(1)(3aS,6R,7S,7aR)−5−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−7−エトキシ−2,2−ジメチル−ヘキサヒドロ−[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸メチルエステル:

実施例2の(1)の化合物(1.47g)を塩化メチレン(15mL)に溶解し、よう化エチル(5.2g)および酸化銀(2.3g)を加え、窒素雰囲気下室温で6日間攪拌した。次いで、不溶物を濾去して、濾液を減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:4→1:3)にて精製して標記化合物(485mg)をシロップとして得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.19(t,3H,J=7.0Hz),1.30(s,3H),1.39(s,3H),1.88(t,3H,J=2.2Hz),3.30(dd,1H,J=7.6,13.3Hz),3.55−3.65(m,2H),3.70(s,3H),3.7−3.8(m,1H),4.15−4.2(m,1H),4.24(t,1H,J=3.3Hz),4.29(q,1H,J=6.2Hz),4.72(q,2H,J=2.2Hz),4.73(d,1H,J=3.2Hz),7.04(d,2H,J=8.9Hz),7.86(d,2H,J=8.9Hz).
(2)(3aS,6R,7S,7aR)−5−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−7−エトキシ−2,2−ジメチル−ヘキサヒドロ−[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸ヒドロキサミド:

上記(1)の化合物(480mg)をメタノール(15mL)に溶解し、50%ヒドロキシルアミン水溶液(3mL)およびシアン化ナトリウム(50mg)を加え、室温で2日間攪拌した。次いで、反応液を減圧下に留去し、得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=60:1→40:1→30:1)にて精製後凍結乾燥して標記化合物(205mg)をアモルファスとして得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:0.93(t,3H,J=7.0Hz),1.18(s,3H),1.36(s,3H),1.83(t,3H,J=1.7Hz),3.29(dd,1H,J=8.3,13.4Hz),3.5−3.55(m,1H),3.6−3.75(m,4H),4.12(q,1H,J=7.7Hz),4.87(q,2H,J=2.2Hz),7.15(d,2H,J=8.9Hz),7.82(d,2H,J=8.9Hz),9.04(s,1H),10.54(s,1H).
TOF−Mass:491(M+Na),500(M+K)
(3)(2R,3S,4S,5S)−1−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−4,5−ジヒドロキシ−3−エトキシピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミド:

上記(2)の化合物(165mg)をメタノール(15mL)に溶解し、陽イオン交換樹脂(ムロマック、2.5g)を加え、室温で2日間攪拌した。次いで、不溶物を濾去した後、濾液を減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=50:1→30:1→10:1)にて精製後凍結乾燥して標記化合物(44mg)をアモルファスとして得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:1.01(t,3H,J=6.0Hz),1.84(t,3H,J=2.3Hz),3.45−3.55(m,1H),3.59(bs,1H),3.78(bs,1H),4.35(bs,1H),4.75(bs,1H),4.84(q,2H,J=2.3Hz),4.91(bs,1H),7.07(d,2H,J=8.7Hz),7.74(d,2H,J=8.7Hz),8.88(s,1H),10.62(s,1H).
TOF−Mass:451(M+Na),467(M+K)
【実施例10】
(2R,3S,4S,5S)−4,5−ジヒドロキシ−1−[4’−(4’’−ヒドロキシ−ブチ−2’−イニルオキシ)ベンゼンスルホニル]−3−メトキシ−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミドの製造:
(1)(3aS,6R,7S,7aR)−5−(4’−ベンジルオキシベンゼンスルホニル)−2,2−ジメチル−7−メトキシ−ヘキサヒドロ−[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸メチルエステル:

実施例8の(1)の化合物(1.03g)を塩化メチレン(10mL)に溶解し、ヨウ化メチル(1.35mL)および酸化銀(1.5g)を加え、窒素雰囲気下室温で5日間攪拌した。次いで、不溶物を濾去し、濾液を減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:シクロヘキサン=1:4→1:3)にて精製して標記化合物(765mg)をシロップとして得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.29(s,3H),1.37(s,3H),3.24(dd,1H,J=7.9,13.2Hz),3.46(s,3H),3.61(dd,1H,J=6.6,13.4Hz),3.66(s,3H),4.1−4.15(m,2H),4.27(q,1H,J=6.9Hz),4.78(bs,1H),5.12(s,2H),7.04(d,2H,J=8.5Hz),7.3−7.45(m,5H),7.83(d,2H,J=8.5Hz).
(2)(3aS,4R,7S,7aS)−5−[4’−[4’’−(tert.ブチルジメチルシラニルオキシ)−ブチ−2’−イニルオキシ]ベシゼンスルホニル]−7−メトキシ−2,2−ジメチル−ヘキサヒドロ−[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸メチルエステル:

上記(1)の化合物(870mg)を酢酸エチル(25mL)に溶解し、10%Pd/C(110mg)を加え、水素雰囲気下室温で3.5時間攪拌した。次いで、触媒を濾去して、濾液を減圧下に濃縮した後得られた残渣を塩化メチレン(8mL)に溶解し、(4−ブロモ−ブチ−2−イニルオキシ)−tert.ブチルジメチルシラン(700mg)および酸化銀(616mg)を加え、窒素雰囲気下50℃で一夜攪拌した。次いで、不溶物を濾去して、濾液を減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:シクロヘキサン=1:3)にて精製して標記化合物(490mg)をシロップとして得た。
H−NMR(CDCl)δ:0.093(s,6H),0.89(s,9H),1.29(s,3H),1.37(s,3H),3.24(dd,1H,J=7.9,13.2Hz),3.47(s,3H),3.60(dd,1H,J=6.5,13.2Hz),4.1−4.2(m,1H),4.27(q,1H,J=6.8Hz),4.35(s,2H),4.78(bs,3H),7.03(d,2H,J=8.5Hz),7.84(d,2H,J=8.5Hz).
(3)(3aS,4R,7S,7aS)−5−[4’−[4’’−(tert.ブチルジメチルシラニルオキシ)−ブチ−2’−イニルオキシ]ベンゼンスルホニル]−7−メトキシ−2,2−ジメチル−ヘキサヒドロ−[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸ヒドロキサミド:

上記(2)の化合物(487mg)をメタノール(20mL)に溶解し、50%ヒドロキシルアミン水溶液(4mL)およびシアン化ナトリウム(41mg)を加え、室温で2日間攪拌した。次いで、反応液を減圧下に留去し、得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=50:1→35:1)にて精製後凍結乾燥して標記化合物(122mg)をアモルファスとして得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:0.04(s,6H),0.84(s,9H),1.18(s,3H),1.36(s,3H),3.25(s,3H),3.2−3.3(m,1H),3.55−3.7(m,3H),3.76(d,1H,J=7.2Hz),4.09(q,1H,J=7.5Hz),4.35(s,2H),4.99(s,2H),7.16(d,2H,J=8.7Hz),7.82(d,2H,J=8.7Hz),9.05(s,1H),10.62(s,1H).
TOF−Mass:607(M+Na),623(M+K)
(4)(3aS,4R,7S,7aS)−5−[4’−(4’’−ヒドロキシ−ブチ−2’−イニルオキシ)ベンゼンスルホニル]−7−メトキシ−2,2−ジメチル−ヘキサヒドロ−[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸ヒドロキサミド:

上記(3)の化合物(121mg)をTHF(5mL)に溶解し、酢酸(34mg)を加えた後、TBAF(0.57mL)を加え、室温で3時間攪拌した。次いで、反応液を減圧下に留去し、得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=50:1→25:1→15:1)にて精製後凍結乾燥して標記化合物(70mg)をアモルファスとして得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:1.19(s,3H),1.36(s,3H),3.25(s,3H),3.2−3.3(m,1H),3.62(t,1H,J=7.1Hz),3.65−3.7(m,2H),3.76(d,1H,J=7.2Hz),4.05−4.15(m,3H),4.97(s,2H),5.26(t,1H,J=5.7Hz),7.16(d,2H,J=8.9Hz),7.82(d,2H,J=8.9Hz),9.05(s,1H),10.61(s,1H).
TOF−Mass:493(M+Na),509(M+K)
(5)(2R,3S,4S,5S)−4,5−ジヒドロキシ−1−[4’−(4’’ヒドロキシ−ブチ−2’−イニルオキシ)ベンゼンスルホニル]−3−メトキシ−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミド:

上記(4)の化合物(65mg)をメタノール(6mL)に溶解し、陽イオン交換樹脂(ムロマック、1.5g)を加え、室温で一夜攪拌した。次いで、不溶物を濾去した後、濾液を減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲル中圧カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1→6:1→5:1)にて精製後凍結乾燥して標記化合物(17mg)をアモルファスとして得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:3.21(s,3H),3.2−3.3(m,1H),3.43(bs,1H),3.61(bs,1H),4.11(d,1H,J=5.9Hz),4.27(s,1H),4.75(d,1H,J=4.8Hz),4.94(s,2H),5.27(t,1H,J=6.0Hz),7.10(d,2H,J=8.7Hz),7.73(d,2H,J=8.7Hz),8.86(s,1H),10.63(bs,1H).
TOF−Mass:453(M+Na),469(M+K)
【実施例11】
錠剤の製造
以下の通り、1錠中に、実施例4の(2R,3S,4R,5S)−1−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−3,4−ジヒドロキシ−5−メトキシピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミド(化合物c)100mgを含有する錠剤を得る。
[処方]
成 分 配 合 量
主薬(化合物c) 100重量部
コーンスターチ 46重量部
微結晶セルロース 98重量部
ヒドロキシプロピルセルロース 2重量部
ステアリン酸マグネシウム 4重量部
[操作]
主薬、コーンスターチ及び微結晶セルロースを混合し、これに水50重量部に溶解したヒドロキシプロピルセルロースを加えて充分練合する。この練合物を篩に通して顆粒上に造粒して乾燥した後、得られた顆粒にステアリン酸マグネシウムを混合し1錠250mgに打錠する。
【実施例12】
顆粒剤の製造
以下の通り、実施例4の(2R,3S,4R,5S)−1−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−3,4−ジヒドロキシ−5−メトキシピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミド(化合物c)を含有する顆粒剤を得る。
[処方]
成 分 配 合 量
主薬(化合物c) 200重量部
乳糖 185重量部
コーンスターチ 109重量部
ヒドロキシプロピルセルロース 6重量部
[操作]
主薬、乳糖及びコーンスターチを混合し、これに水120重量部に溶解したヒドロキシプロピルセルロースを加えて充分練合する。この練合物を20メッシュの篩に通して造粒し、乾燥して整粒を行い、500mg中に主薬200mgを含有する顆粒剤を得る。
【実施例13】
カプセル剤の製造
以下の通り、1カプセル中に、実施例4の(2R,3S,4R,5S)−1−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−3,4−ジヒドロキシ−5−メトキシピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミド(化合物c)100mgを含有するカプセル剤を得る。
[処方]
成 分 配 合 量
主薬(化合物c) 100重量部
乳糖 35重量部
コーンスターチ 60重量部
ステアリン酸マグネシウム 5重量部
[操作]
上記の各成分を充分混合して、この混合末200mgずつをカプセルに充填してカプセル剤を得る。
【実施例14】
注射剤の製造
実施例4の(2R,3S,4R,5S)−1−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−3,4−ジヒドロキシ−5−メトキシピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミド(化合物c)0.5重量部およびソルビット5重量部の混合物に注射用蒸留水を加えて溶解し、100重量部とし、この水溶液をメンブランフィルターで濾過する。濾液を窒素置換したアンプルに5gずつ充填し、溶閉後、120℃で15分間滅菌処理して1アンプル中に化合物c25mgを含有する注射剤を得る。
【実施例15】
軟膏剤の製造
実施例4の(2R,3S,4R,5S)−1−(4’−ブチ−2’−イニルオキシベンゼンスルホニル)−3,4−ジヒドロキシ−5−メトキシピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミド(化合物c)1.0重量部、ブチルパラベン0.1重量部を軽質流動パラフィン5.0重量部に分散し、乳鉢中で粉砕後200メッシュ篩で篩過した。これと、流動パラフィン5.0重量部と混合した後、約60℃で加温したゲル化炭化水素88.9重量部に添加し、均一に分散して油性軟膏剤を得る。
【産業上の利用可能性】
本発明の化合物はTACEに対して強力な阻害作用を示す一方、MMP1、MMP3およびMMP9に対しては殆ど阻害作用を示さない(試験例参照)。従って、本発明の化合物はTACE阻害剤として極めて有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)

(式中、RおよびRは水素原子、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基又はベンジル基を表すがRおよびRの少なくとも一方は水素原子であり、Rは水素原子又は水酸基を表す)
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物(I)またはその薬学的に許容される塩を有効成分とする薬剤。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物(I)またはその薬学的に許容される塩を有効成分とする、TACE阻害剤。
【請求項4】
下式(IIA)又は(IIB)

(式中、R′およびR′は水素原子、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基又はベンジル基を表し、Rは水素原子又は水酸基を表し、CO−Rはヒドロキサム酸等価体を表す)
で示される化合物。

【国際公開番号】WO2004/060875
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【発行日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−564467(P2004−564467)
【国際出願番号】PCT/JP2003/009845
【国際出願日】平成15年8月1日(2003.8.1)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成11年度,新エネルギー・産業技術総合開発機構「グリコクラスター制御生体分子合成技術」委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(503286424)カルナバイオサイエンス株式会社 (4)
【Fターム(参考)】