説明

アルキルスルホンアミド誘導体

アルキルスルホンアミド誘導体
本発明はNPY Y5受容体のリガンドであるアルキルスルホンアミドを対象とする。本発明は、治療的有効量の本発明化合物および薬学的に許容されるキャリアーを含む医薬調合物を提供する。本発明はまた、治療的有効量の本発明化合物および薬学的に許容されるキャリアーを混合することによって製造される医薬調合物を提供する。本発明はまた、ある量の本発明化合物を患者に投与することを含む、うつ病を患っている患者の治療法方を提供する。本発明はまた、ある量の本発明化合物を患者に投与することを含む、不安を患っている患者の治療法方を提供する。本発明はまた、ある量の本発明化合物を患者に投与することを含む、肥満を患っている患者の治療法方を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニューロペプチドY Y5受容体におけるリガンドである化合物に関するものであり、前記化合物はうつ病、不安および肥満のような障害を治療するのに有用である。
【0002】
本願を通しては、種々の刊行物が完全に引用される形で参照される。これらの刊行物は参照することにより本明細書に組み込まれ、これらによって本発明に関連する先行技術がより完全に示される。
【背景技術】
【0003】
ニューロペプチドY(NPY)は末梢および中枢神経系に発現する36アミノ酸のニューロペプチドである。このペプチドは、膵ポリペプチド(PP)およびペプチドYY(PYY)も含む膵ポリペプチドファミリーのメンバーである。さらに、NPYの生物学的作用は、Gタンパク質共役型受容体のスーパーファミリーに属する受容体との相互作用を通して調節される。
【0004】
現在、5つのNPY受容体サブタイプがクローニングされている:Y1(非特許文献1); Y2 (非特許文献2); Y4 (非特許文献3); Y5 (非特許文献2); およびy6 (非特許文献4)。y6サブタイプを除いたこれら全ての受容体サブタイプは様々な種で発現しており、y6サブタイプは、マウスおよびウサギでは発現しているがラットおよび霊長類では発現していないことが示されている。Y3サブタイプは薬理学的データに基づいて提示されている。しかし、Y3サブタイプはまだクローニングされておらず、その存在はまだ完全に立証されてはいない。
【0005】
NPYは非常に多くの生理学的効果を発揮する。動物実験に基づいて、NPYとその受容体の間には、うつ病、不安および肥満のような障害に寄与関係が存在することが明らかとなっている。例えば、NPYの発現はエネルギー状態に感受性があることが示されている上、NPYの投与はエネルギー消費を減少させ、そして、NPYのもう一つの重要な能力は摂食行動を強く刺激することである(非特許文献5)。NPY Y5受容体もまた、NPY誘導食物摂取に関与する受容体サブタイプであることが示されている(非特許文献6)。
【0006】
さらに、NPYとうつ病および不安のような気分障害との関連性が、文献において立証されている。例えば、慢性の軽いストレスにさらされたラットは、臨床的うつ病の特徴である無快感症を示す(非特許文献7);それらはまた、海馬におけるNPY mRNAの減少と同時に、視床下部において上昇したNPY mRNAレベルを示している(非特許文献8)。慢性の軽いストレスと関連する行動変化は、様々な抗うつ薬によって改善される(非特許文献7)。抗うつ薬治療の一つの研究において、シタロプラムで処理したラットは、NPY様免疫反応性における変化なしに、海馬のNPY受容体結合レベルの増加を示した(非特許文献9);反対に、電撃ショックは、NPY受容体結合における変化なしに、海馬のNPY様免疫反応性レベルの増加を引き起こした。これらの研究結果は、異常なレベルのNPYが抑うつ病において役割を果たし、特に辺縁系領域において、NPYおよび/またはNPY受容体の機能を調節することができる薬剤がうつ病の治療に有用であることを示唆している。Y5は辺縁系領域に発現するNPY受容体である(非特許文献10および非特許文献11)。従って、Y5受容体の機能を調節することができる薬剤は、うつ病の治療に有用であることが予測される。
【0007】
不安の動物モデルもまた、異常なレベルのNPYを示す。一例を挙げれば、母親の方から離されたラットは、成体期の間ずっと不安およびうつ病の表現型を示す(非特許文献12);それらはまた、海馬および皮質におけるNPY様免疫反応性レベルの減少と同時に、視床下部においてNPY様免疫反応性レベルの上昇を示している(非特許文献13;非特許文献14;および非特許文献15)。二つ目の例を挙げると、恐怖条件にさらされたラットは不安様の行動の増加を示す;それらはまた、前頭葉におけるNPYの減少と同時に、視床下部、扁桃体および側坐核においてNPYレベルの上昇を示している。恐怖条件によって起こる行動変化は、抗不安薬で処理することによって改善することができる。恐怖条件の一つの研究において、不安様の行動およびNPYの発現変化の両方ともが、ジアゼパムで処理することによって改善した(非特許文献16)。これらの研究結果は、NPYが不安において役割を果たしていること、および、特に辺縁系領域においてNPYおよび/または受容体機能を調節することができる薬剤が、不安の治療に有用であることをさらに示唆している。Y5は辺縁系領域に発現するNPY受容体である(非特許文献17および非特許文献18)。従って、Y5受容体機能を調節することができる薬剤は不安の治療に有用であることが予測される。
【0008】
われわれの研究室では、本発明の化合物が抗うつ剤活性の予測用動物モデルで評価されてきた。これらの化合物が既知の抗うつ剤によって観察されるものと同様の効果を起こすことが発見されている。
【0009】
多数のグループが、これらの障害の治療のための様々な選択的NPY Y5低分子リガンドを報告している。臨床で先に進むために適当な薬理学的要素を持っていることにくわえて、化合物は、例えば代謝安定性のような良好なADME特性を持っているべきである。薬物−薬物相互作用および毒性の問題も、取り組まれるべきである。薬物の代謝安定性は、肝ミクロソームでのそのクリアランス速度によって予測されうる。さらに、チトクロムP450(CYPs)は代謝において役割を果たしており、CYPの阻害を、薬物−薬物相互作用および/または毒性の潜在的危険性を予測するのに使用することができる。
【0010】
さらに、うつ病、不安および肥満の最新の治療が市場に出ている。しかし、多くの患者が現在の治療に反応しない。ゆえに、代わりとなる治療法が依然として必要である。
【非特許文献1】D. Larhammar, et al., J. Biol. Chem., 1992, 267, 10935-10938
【非特許文献2】C. Gerald, et al., J. Biol. Chem., 1995, 270, 26758-26761
【非特許文献3】J. Bard, et al., J. Biol. Chem., 1995, 270, 26762-26765
【非特許文献4】P. Gregor, et al., J. Biol. Chem., 1996, 271, 27776-27781
【非特許文献5】S. Kalra, et al., Endocr. Rev., 1999, 20, 68-100
【非特許文献6】C. Gerald, et al., Nature, 1996, 382, 168-171
【非特許文献7】P. Willner, et al., Eur. J. Pharmacol., 1997, 340, 121-132
【非特許文献8】V. Sergeyev, et al., Psychopharmacology, 2005, 178, 115-124
【非特許文献9】H. Husum, et al., Neuropsychopharmacology, 2001, 2, 183-191
【非特許文献10】M. Wolak, et al., J Comp. Neurol., 2003, 22, 285-311
【非特許文献11】K. Nichol, et al., J. Neurosci., 1999, 19, 10295-10304
【非特許文献12】R. Huot, Psychopharmacology, 2001, 158, 366-73
【非特許文献13】P. Jimenez-Vasquez, Brain Res. Dev., 2001, 26, 149-152
【非特許文献14】H. Husum and A. Mathe, Neuropsychopharmacology, 2002 27:756-64
【非特許文献15】H. Husum et al., Neurosci Lett., 2002, 333, 127-130
【非特許文献16】R. Krysiak, et al., Neuropeptides, 2000, 34, 148-57
【非特許文献17】M. Wolak, et al., J Comp. Neurol., 2003, 22, 285-311
【非特許文献18】K. Nichol, et al., J. Neurosci., 1999, 19, 10295-10304
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、NPY Y5受容体のリガンドである化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、式I
【0013】
【化1】

【0014】
で表される化合物であって、
式中、R1がHまたはC1〜C6 直鎖もしくは分岐アルキルであり;
R2がC1〜C6 直鎖もしくは分岐アルキルであり;
または、R1、R2およびこれらが連結する炭素が、C3〜C6シクロアルキルを形成し;
R3がHまたはメチルであり;
R4がメチルで置換されていてもよい2-ピリジル、3-ピリジルまたはピラジニルであり;
R5がHまたはメチルであり;
mが0〜2の整数であり;そして
nが0〜2の整数である、
前記の化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0015】
本発明の別の実施態様において、化合物は実施例に開示される特定の化合物のうちの1つから選択される。
【0016】
さらに、本発明は、治療的有効量の式Iの化合物および薬学的に許容されるキャリアーを含む医薬調合物を提供する。本発明はまた、治療的有効量の式Iの化合物および薬学的に許容されるキャリアーを混合することを含む、医薬調合物の製造方法を提供する。
【0017】
さらに、本発明は、治療的有効量の式Iの化合物を患者に投与することを含む、うつ病を患っている患者を治療する方法に関する。本発明はさらに、治療的有効量の式Iの化合物を患者に投与することを含む、不安を患っている患者を治療する方法に関する。本発明はさらに、治療的有効量の式Iの化合物を患者に投与することを含む、肥満を患っている患者を治療する方法に関する。
【0018】
<発明の詳細な説明>
<定義>
本発明において、「直鎖もしくは分岐C1〜C6アルキル」という語句は、1〜6個の炭素原子を有する飽和炭化水素を表す。このような置換基の例には、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2-ブチル、2-メチル-2-プロピル、2-メチル-1-プロピル、n-ペンチルおよびn-ヘキシルが含まれるが、これらに限定はされない。同様に、「直鎖もしくは分岐C1〜C4アルキル」という語句は、1〜4個の炭素原子を有する飽和炭化水素を表す。このような置換基の例には、メチル、エチルおよび1-プロピルが含まれるが、これらに限定はされない。
【0019】
さらに、「C3-C6シクロアルキル」という語句は、3〜6個の炭素原子を有する飽和シクロ炭化水素を表す。この語句には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが含まれる。
【0020】
本発明において開示される特定の化合物は、IUPAC名およびそれぞれの化学構造により特定される。化合物の名称は、プログラムChemistry 4-D Draw NomenclatorTMデータベース(Version 7.01c, ChemInnovation Software, Inc.製)を用いて命名した。ChemInnovation Software Inc.製のNomenclatorTMにより、IUPAC命名規則に従って、有機構造に系統名が自動的に付与される。さらに、式Iに記載されるように、1,4-シクロヘキシル環の立体化学はトランスであり、この表示が追加される。従って、本願は、IUPAC命名規則に従って、式Iに包含されるアルキルスルホンアミド誘導体を開示するものである。
【0021】
本発明を限定することなく例証すると、実施例2bの化合物は以下の構造を有する。
【0022】
【化2】

【0023】
この化合物は、式I(式中、R1、R2およびこれらが連結する炭素がシクロプロピルを形成し;R3はHであり;mは1であり;nは0であり;R4は2-ピリジルであり;そしてR5は Hである)から構成される。
【0024】
さらに、本発明は、以下に記載される本発明の特定の実施態様を提供する。
【0025】
別の実施態様において、R5はHである。
【0026】
別の実施態様において、R5はメチルである。
【0027】
1つの実施態様において、R3はHであり;R4はメチルで置換されていてもよい2-ピリジルまたはピラジニルであり;mは0または1であり;そしてnは0または1である。
【0028】
1つの実施態様において、R1はHまたはC1〜C4直鎖もしくは分岐アルキルであり;そしてR2はC1〜C4直鎖もしくは分岐アルキルである。
【0029】
1つの実施態様において、R1はH、メチルまたはエチルであり;R2はメチルまたはエチルであり;そしてR4はメチルで置換されていてもよい2-ピリジルである。
【0030】
1つの実施態様において、R1はメチルでありR2はメチルである。
【0031】
別の実施態様において、nは1である。
【0032】
1つの実施態様において、R1、R2およびこれらが連結する炭素は、C3〜C6シクロアルキルを形成する。
【0033】
1つの実施態様において、R4は2-ピリジルである。
【0034】
別の実施態様において、R1はHまたはC1〜C4直鎖もしくは分岐アルキルであり;R2はC1〜C4直鎖もしくは分岐アルキルであり;R3はHであり;R4はメチルで置換された3-ピリジルまたはピラジニルであり;mは0または1であり;そしてnは0または1である。
【0035】
1つの実施態様において、R1はHまたはC1〜C4直鎖もしくは分岐アルキルであり;R2はC1〜C4直鎖もしくは分岐アルキルであり;R3はHであり;R4はメチルで置換されていてもよい2-ピリジルであり;mは0または1であり;そしてnは0または1である。
【0036】
1つの実施態様において、R1はメチルであり;R2はメチルであり;そしてnは0である。
【0037】
1つの実施態様において、R1はメチルであり;R2はメチルであり;そしてmは0である。
【0038】
1つの実施態様において、R4はメチルで置換された3-ピリジルである。
【0039】
1つの実施態様において、R3はHであり;mは0または1であり;そしてnは0または1であり;そしてR4はメチルで置換されていてもよい2-ピリジルまたはピラジニルである。
【0040】
別の実施態様において、R1はHまたはC1〜C4直鎖もしくは分岐アルキルである。
【0041】
1つの実施態様において、R2はC1〜C4直鎖もしくは分岐アルキルである。
【0042】
さらに別の実施態様において、R1はH、メチルまたはエチルであり;R2はメチルまたはエチルであり;そしてR4は2-ピリジルである。
【0043】
別の実施態様において、mは1である。
【0044】
1つの実施態様において、R1、R2およびこれらが連結する炭素はシクロプロピルまたはシクロブチルを形成し;そしてnは0である。
【0045】
<薬学的に許容される塩>
本発明はまた、本発明化合物の塩、典型的には薬学的に許容される塩を含む。このような塩には、薬学的に許容される酸付加塩が含まれる。酸付加塩には無機酸ならびに有機酸の塩が含まれる。
【0046】
適当な無機酸の代表的な例には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硫酸、スルファミン酸、硝酸等が含まれる。適当な有機酸の代表的な例には、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、桂皮酸、クエン酸、フマル酸、グリコール酸、イタコン酸、乳酸、メタンスルホン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、シュウ酸、ピクリン酸、ピルビン酸、サリチル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酒石酸、アスコルビン酸、パモン酸(pamoic)、ビスメチレンサリチル酸、エタンジスルホン酸、グルコン酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、EDTA、グリコール酸、p-アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、テオフィリン酢酸ならびに8-ハロテオフィリン(例えば8-ブロモテオフィリン等)が含まれる。薬学的に許容される無機または有機酸付加塩のさらなる例には、参照することにより本明細書に組み込まれる「S. M. Berge, et al., J. Pharm. Sci. 1977,66,2」に記載される薬学的に許容される塩が含まれる。
【0047】
さらに、本発明の化合物は、例えば水、エタノールなどの薬学的に許容される溶剤に溶媒和された状態ならびに非溶媒和の状態で存在し得る。該して、本発明の目的においては溶媒和型は非溶媒型と同等であると考えられる。
【0048】
ラセミ体は公知の方法、例えば、光学活性な酸でそのジアステレオマー塩を分離し、塩基処理で光学活性なアミン化合物を遊離させることにより光学対掌体に分割できる。前記のジアステレオマー塩は、例えば分別結晶(fractional crystallization)によって分離することができる。このような目的に好適な光学活性酸には、d-酒石酸もしくはl-酒石酸、マンデル酸またはカンファースルホン酸が含まれるがこれらに限定はされない。ラセミ体を光学対掌体に分割するもう一つの方法は光学活性基質でのクロマトグラフィーに基づくものである。本発明の化合物は、キラル誘導体化試薬、例えばキラルアルキル化剤またはキラルアシル化剤からのジアステレオマー誘導体の形成およびクロマトグラフ分離、それに続いてのキラル補助基の切断によって分割することもできる。本発明化合物自体の光学対掌体を分割するために、または合成中間体の光学対掌体(その後、本発明化合物である光学的に分割された最終生成物に本明細書に記載される方法によって変換することができる)を分割するために、前記方法のいずれかを用いることができる。
【0049】
光学対掌体の分割に関する別の公知の方法を使用してもよい。このような方法には「Enantiomers, Racemates, and Resolutions, John Wiley and Sons, New York 1981」でJ. Jaques、A. ColletおよびS. Wilenにより論じられているものが含まれる。光学活性化合物は、光学活性な出発物質から製造することもできる。
【0050】
本発明はまた、投与において薬理的に活性な物質になる前に代謝過程による化学的変換を受ける、本発明化合物のプロドラッグも包含する。概して、前記プロドラッグは、式Iの所望の化合物にインビボで容易に変換できる式Iの化合物の機能的誘導体である。適当なプロドラッグ誘導体を選択し、製造するための慣用の方法は、「Design of Prodrugs, ed. H. Bundgaard, Elsevier, 1985」に記載されている。
【0051】
<医薬調合物>
本発明はさらに、治療的有効量の式Iの化合物および薬学的に許容されるキャリアーを含む医薬調合物を提供する。本発明はまた、実施例に開示される特定の化合物のうちの1種の治療的有効量および薬学的に許容されるキャリアーを含む医薬調合物も提供する。
【0052】
本発明化合物は、単回または複数回の投与において、単独でまたは薬学的に許容されるキャリアーまたは賦形剤と組み合わせて投与することができる。本発明の医薬調合物は、薬学的に許容されるキャリアーまたは希釈剤、およびその他の公知の佐剤および賦形剤とともに、「Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 19thEdition, Gennaro, Ed., Mack Publishing Co., Easton, PA, 1995」に開示されているような慣用の技術に従って製剤化することができる。
【0053】
医薬調合物は具体的には、経口、直腸、経鼻、肺、局所(口腔内および舌下腺(sublingual)を含む)、経皮、嚢内(intracisternal)、腹腔内、膣および非経口(皮下、筋肉内、髄腔内、静脈および皮内を含む)経路のような適当な経路による投与用に製剤化することができる。経路が、治療される対象の一般的な状態および年齢、治療される状態の性質および有効成分に依存することは認識されるだろう。
【0054】
固体剤形を含む経口投与用の医薬調合物には、例えばカプセル剤、錠剤、糖衣剤(dragees)、丸剤(pills)、ロゼンジ(lozenges)、散剤および顆粒剤が含まれる。適当な場合には、当業者に公知の方法により、調合物は腸溶コーティング(enteric coatings)のようなコーティングを施して製造することができ、またはそれらは有効成分を徐放もしくは持続放出のような制御放出(controlled release)をするように製剤化することもできる。経口投与のための液体の剤形には、液剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤が含まれる。
【0055】
非経口投与のための医薬調合物としては、使用する前に滅菌注射用溶液または分散剤で再構成される滅菌散剤と同様に、水系および非水系の滅菌された注射用溶液、分散剤、懸濁剤または乳剤が含まれる。
【0056】
その他の適当な投与形態には、坐剤、スプレー剤、軟膏、クリーム剤、ゲル剤、吸入剤、皮膚パッチ(dermal patches)およびインプラントが含まれる。
【0057】
代表的な経口用量は、1日につき体重1 kgあたり約0.001〜約100 mgの範囲内である。代表的な経口用量はまた、1日につき体重1 kgあたり約0.01〜約50 mgの範囲内でもある。代表的な経口用量はさらに、1日につき体重1 kgあたり約0.05〜約10 mgの範囲内である。経口での投与は、通常、1回またはそれ以上行われ、典型的には1日あたり1〜3回行われる。正確な用量は、投与の頻度や形態、治療される対象の性別、年齢、体重および一般的な状態、治療される状態の性質および重篤度および治療されるべき付随した疾患および当業者にとって明らかなその他の因子に依存する。
【0058】
製剤は、当業者に公知の方法により単位投薬形態(unit dosage form)で存在することができる。経口投与のための典型的な単位投与形態には、約0.01〜約1000 mg、約0.05〜約500 mg、または約0.5 mg〜約200 mgが含まれる。
【0059】
静脈内、髄腔内、筋肉内および類似の投与のような非経口経路のための用量は典型的には、経口投与で必要とされる用量のほぼ約半分である。
【0060】
本発明はまた、治療的有効量の式Iの化合物および薬学的に許容されるキャリアーを混合することを含む医薬調合物の製造方法を提供する。本発明の1つの実施態様において、前記方法に使用される化合物は、実施例に開示される具体的な化合物のうちの1つである。
【0061】
本発明の化合物は、通常、遊離物質としてまたはその薬学的に許容される塩として使用することができる。1つの実施例は、遊離塩基が有用性を有する化合物の酸付加塩である。式Iの化合物が遊離塩基を含む場合には、式Iの遊離塩基の溶液または懸濁液を当量モルの薬学的に許容される酸で処理することにより、このような塩を慣用の方法において製造する。好適な有機酸および無機酸の代表的な例は上述のとおりである。
【0062】
非経口投与においては、滅菌水溶液、プロピレングリコール水溶液、ビタミンE水溶液またはゴマもしくはピーナッツ油における式Iの化合物の溶液を用いることができる。前記水溶液は必要な場合には適当に緩衝され、そして十分な生理食塩水またはグルコースを用いて液体の希釈剤により、まず等張化される。前記水溶液は、静脈内、筋肉内、皮下および腹腔内投与のために特に適している。式Iの化合物は、当業者に公知の標準的な技術を用いて、公知の滅菌水系媒体に容易に組み込むことができる。
【0063】
適当な薬学的なキャリアーには、不活性な固体の希釈剤または増量剤、滅菌水溶液および種々の有機溶剤が含まれる。固体キャリアーの例には、ラクトース、石膏、ショ糖、シクロデキストリン、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア(acacia)、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、およびセルロースの低級アルキルエーテルが含まれる。液体のキャリアーの例には、シロップ剤、ピーナッツ油、オリーブ油、リン脂質、脂肪酸、脂肪酸アミン、ポリオキシエチレンおよび水が含まれるが、これらに限定はされない。同様に、前記キャリアーまたは希釈剤には、単独のまたはワックスと混合したモノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリンのような当業者に公知の除放性物質が含まれる。式Iの化合物と薬学的に許容されるキャリアーとを組み合わせることにより形成された医薬調合物は、その後、開示された投与経路に好適な種々の投薬形態において容易に投与される。該調合物は、都合よくは、本技術分野において公知の方法によって単位投薬形態で存在することができる。
【0064】
経口投与に適した本発明の調合物は、それぞれが所定の量の活性成分を含み、場合により適当な賦形剤を含む、個別の単位、例えばカプセル剤または錠剤として存在することができる。さらに、経口に利用できる調合物は、散剤または顆粒剤、水系または非水系液体における液剤または懸濁剤、または水中油もしくは油中水型の液体乳剤の形態でもよい。
【0065】
経口投与に固体のキャリアーが使用される場合には、調合物は、散剤または丸剤の形態で硬ゼラチンカプセルに収納されて錠剤化されるか、またはトローチ剤もしくはロゼンジの形態であってもよい。固体キャリアーの量は広く変化するが、投薬単位あたり約25 mg〜約1 gの範囲である。
【0066】
液体のキャリアーが使用される場合には、調合物は、シロップ剤、乳剤、軟ゼラチンカプセルまたは水系もしくは非水系液体の懸濁剤もしくは液剤のような滅菌された注射用液体の形態でよい。
【0067】
<障害の治療>
上述のように、式Iの化合物はNPY Y5受容体におけるリガンドである。本発明は、治療的有効量の本発明化合物を患者に投与することを含む、うつ病を患っている患者の治療方法を提供する。本発明は、治療的有効量の本発明化合物を患者に投与することを含む、不安を患っている患者の治療方法を提供する。本発明はさらに、治療的有効量の本発明化合物を患者に投与することを含む、肥満を患っている患者の治療方法を提供する。本発明の1つの実施態様において、患者はヒトである。
【0068】
さらに本発明は、うつ病を患っている患者を治療するための医薬調合物の製造に式Iの化合物を使用する方法に関する。本発明はさらに、不安を患っている患者を治療するための医薬調合物の製造に式Iの化合物を使用する方法を提供する。本発明はまた、うつ病を患っている患者を治療するための医薬調合物の製造に式Iの化合物を使用する方法を提供する。
【0069】
本発明は以下の実施例によってより詳細に理解されるものである。しかしながら、当業者には、本明細書において議論される特定の方法および結果が本発明を単に例示するものであり、本発明が特許請求の範囲においてより完全に記載されるものであることは理解されるものである。さらに、スキーム1〜7に示される可変基は本発明の概要において示される可変基と一致するものである。
【0070】
実施例においては、標準的な頭字語を使用する。このような頭字語の例には、DMF(N,N-ジメチルホルムアミド);TEA(トリエチルアミン);DPPA(ジフェニルホスホリルアジド);BzNCS(ベンゾイルイソチオシアネート);Et2O(ジエチルエーテル);MTBE(メチルt-ブチルエーテル);EtOAc(酢酸エチル);THF(テトラヒドロフラン);rt(室温);h(時間);およびmin(分)が含まれる。さらに、一定の例において、本発明化合物の製造方法は、通常、塩基または溶剤のような代表的な試薬を参照することにより説明する。特定される試薬は代表的なものであり包括的なものではなく、本発明を何ら限定するものではない。例えば、代表的な塩基には、K2CO3、TEAまたはDIEA(ジイソプロピルエチルアミン)が含まれるがこれらに限定はされない。
【0071】
さらに、「式XXIIのα-ハロケトン」という語句は、ハロゲン(クロロ、ブロモまたはヨードである)を有するケトンを表す。α-ハロケトンは市販のものを利用することができる。例えば、2-ブロモ-1-(2-ピリジル)エタン-1-オンおよび2-ブロモ-1-(3-ピリジル)エタン-1-オンはAldrich社から販売されている。
【0072】
あるいは、当業者は、本発明において参照されるα-ハロケトンをいくつかの経路により合成することもできる。例えば、臭素、塩素またはヨウ素を用いてケトンをα位でハロゲン化することによりα-ハロケトンを得ることができる(V. De Kimpe, The Chemistry of α-Haloketones, α-Haloaldehydes, and α-Haloimines; Wiley: New York, 1988)。さらに、α-ハロケトンは、酸のTMS-ジアゾメタンでの処理、それに続くCl2またはBr2処理によりカルボン酸から合成することができる。
【0073】
スキーム5において定義される「PG」という語句は、「保護基」を示すために使用される。当業者であれば、ある反応に対して適当な保護基を選択することができる。さらに、式Iの化合物を合成するための下記の合成方法においては、アミノ、アミド、カルボン酸およびヒドロキシル基のような置換基に関する保護および脱保護のストラテジーを組み入れることが必要である。このような基の保護および脱保護に関する方法は本技術分野においてよく知られており、「T. Green, et al., Protection Groups in Organic Synthesis, 1991, 2ndEdition, John Wiley & Sons, New York」にも記載されている。
【実施例】
【0074】
方法の全般:無水溶剤はAldrich Chemical社から購入し、受け取ったままの状態で使用した。NMRスペクトルは、特に定めのない限り、Bruker製Avance 400スペクトロメーターまたは300 MHz(Varian製)において、内部標準としてテトラメチルシランを用いて、溶剤としてCDCl3、DMSO-d6またはCD3ODを用いて測定した。化学シフト(δ)はppmで表し、結合定数(J)はHzで表し、分割パターンは以下のように記載する:s =シングレット(singlet); d =ダブレット(doublet); t =トリプレット(triplet);q = カルテット(quartet);br = ブロード;m = マルチプレット(multiplet);dd = ダブレットのダブレット(doublet of doublets);dt =トリプレットのダブレット(doublet of triplets);td = ダブレットのトリプレット(triplet of doublets);dq = カルテットのダブレット(doublet of quartet)。特に定めのない限り、エレクトロスプレーイオン化(ESMS、Micromass Platform IIまたはQuattro Micro)を用いてマススペクトルを採取した。LC-MSスペクトルに関しては以下の方法を使用した:方法A:Luna C18カラム、5%〜95%アセトニトリル/ 0.05%ギ酸を含むH2O;方法B:Luna C18カラム、15%〜85%アセトニトリル/ 0.05%ギ酸を含むH2O;方法C:Luna C8カラム、0.05%ギ酸アンモニウムを含む水における15%〜85%メタノール;方法D:C18カラム、中性pH、20%〜90%アセトニトリル/0.2%ギ酸アンモニウムを含むH2O;方法E:C18カラム、酸性pH、20%〜90%アセトニトリル/0.2%AcOHを含むH2O。薄層クロマトグラフィー(TLC)は、シリカゲル60 F254(0.25 mm, EM Separations Tech.製)でプレコートされたガラスプレート上で行った。分取TLCは、シリカゲルGF(2 mm, Analtech製)でプレコートされたガラスシート上で行った。シリカゲルカラムクロマトグラフィーは、Merck製シリカゲル60(230〜400メッシュ)において行った。
【0075】
<化学製品のリストおよび供給元>
シクロヘキシルスルホニルクロリド、シクロペンチルスルホニルクロリドおよびイソペンチルスルホニルクロリドは、Array Biopharma社から入手した。2-ブロモ-1-ピラジン-2-イル-エタノンはBeta pharma Inc.から入手した。sec-ブチルスルホニルクロリドおよび2-ペンチルスルホニルクロリドはOakwood Products Inc.から入手した。2-アセチル-3-メチルピラジンはAldrich社から入手した。
【0076】
<式Iの化合物の製造方法>
スキーム1
【0077】
【化3】

【0078】
(a) DPPA、TEA、トルエン、BnOH、還流。(b) 10 % Pd-C、H2、MeOH/ EtOAc。 (c) 1M NaOH、Et2O、(R1)(R2)(R3)CSO2Cl。(d) CH2Cl2における10 % TFA。 (e) BzNCS、THF、rt。 (f) K2CO3、MeOH/ H2O、還流。(g) 式XXIIのα-ハロケトン、DIEA、EtOH、還流。
【0079】
式Iの化合物はスキーム1に記載される手順により合成することができる。式IIの化合物は市販のものを使用することができ、または当業者が合成することもできる。要約すると、式IIのカルボン酸をCbzで保護されたアミンに転化することにより、式IIIの化合物が得られる。Cbz保護基が選択的に除去されて式IVの化合物が得られる。得られたアミンを(R1)(R2)(R3)CSO2Clと結合させることにより、式Vの中間体が得られる。Boc基を除去し、得られた式VIのアミンをベンゾイルイソチオシアネートで処理することにより、式VIIの化合物が得られる。式VIIの化合物を塩基性の加溶媒分解に付すことにより、式VIIIのチオウレア中間体が得られる。この中間体を適当な式XXIIのα-ハロケトンと結合させることにより、本発明化合物が得られる。
【0080】
スキーム2
【0081】
【化4】

【0082】
(a) 1M NaOH、Et2O、BOC2O。(b) 1M NaOH、Et2O、(R1)(R2)(R3)CSO2Cl。(c) DPPA、TEA、トルエン、BnOH、還流。(d) CH2Cl2における10 % TFA。(e) 1M NaOH、Et2O、(R1)(R2)(R3)CSO2Cl。(f) 10 % Pd-C、H2、EtOH、加熱またはHBr/ AcOH。
【0083】
あるいは、式VIの中間体はスキーム2に示される手順により合成することができる。式IXの出発物質は市販のものを使用することができ、または当業者が合成することもできる。式IXのアミノ酸を(R1)(R2)(R3)CSO2Clと結合させることにより、式Xの中間体が得られ、これをさらにCbzで保護された式XIIのアミンに転化する。それとは別に、式IXのアミノ酸はモノ-Cbzで保護された式XIの中間体に転化することもできる。式XIのアミンを(R1)(R2)(R3)CSO2Clと結合させることにより、式XIIの化合物が得られる。式XIIのCbz基を除去することにより、式VIの中間体が得られる。最後に、スキーム1に記載される手順を用いることにより、式VIの中間体を本発明化合物に転化することができる。
【0084】
さらに、式Xの中間体は、ベンジルアルコールの代わりにt-ブタノールを用いる場合には、スキーム1に記載される式Vの化合物に転化することができる。
【0085】
スキーム3
【0086】
【化5】

【0087】
(a) 10 % Pd-C、H2、EtOAc/ MeOH、rt。(b) BzNCS、THF、rt。(c) K2CO3、MeOH/ H2O、還流。(d) 式XXIIのα-ハロケトン、DIEA、EtOH、還流。(e) CH2Cl2における10 % TFA。(f) (R1)(R2)(R3)CSO2Cl、DIEA、CH2Cl2、rt。
【0088】
さらに、式Iの化合物はスキーム3に示される手順により合成することができる。要約すると、式IIIのCbz基を除去することにより式IVの中間体が得られる。この中間体を式XIIIのチオウレアに転化する。チアゾール環を形成させることにより式XIVの化合物が得られる。BOC基を除去することにより式XVのアミンが得られる。本発明の化合物は、該アミンを(R1)(R2)(R3)CSO2Clと結合させることにより合成される。
【0089】
スキーム4
手順A
【0090】
【化6】

【0091】
(a) 1M NaOH/ Et2O、BOC2O。(b) CH2Cl2、1-メチルモルホリン、イソブチルクロロホルメート、-20℃、NH(OMe)Me.HCl。(c) LAH、Et2O、-45℃。(d) NaCNBH3、MeOH、NH4OAc、rt。
【0092】
手順B
【0093】
【化7】

【0094】
(a) CH2Cl2、MsCl、TEA、0℃。(b) NaCN、DMF、80℃またはEt4NCN、トルエン、80℃。(c) LAH、THF。(d) 0.2 eq. (BOC)2O、ジオキサン、rt。
【0095】
式IVの化合物がスキーム1、2および3において中間体として使用される。これらの中間体であって、n=1およびm=1である中間体(手順A)またはn=2およびm=2である中間体(手順B)は、スキーム4に記載される手順により合成される。
【0096】
手順Bにおけるジアミンの合成に関する代表的な反応条件に関しては、「P. Garcia, et al., J. Org. Chem., 1961, 26, 4167-4168」を参照のこと。手順Bにおけるモノ-Bocで保護されたジアミンの合成に関する代表的な反応条件に関しては、「J. Hansen, et al., Synthesis, 1982, 5, 404-405」および「C. Dardonville, et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 2004, 14, 491-493」を参照のこと。
【0097】
スキーム5
【0098】
【化8】

【0099】
(a) TEA、CH2Cl2、(R1)(R2)(R3)CS(O)Cl。(b) NaIO4、RuCl3 (cat)またはmCPBA。(c) 脱保護。
【0100】
式VIのスルホンアミドはまた、スキーム5に示される手順によっても合成することができる。要約すると、式XVIの化合物を(R1)(R2)(R3)CS(O)Clと反応させることにより、式XVIIのスルフィンアミドが得られる。この化合物を式XVIIIの中間体に酸化させる。保護基を除去することにより式VIの中間体が形成する。最後に、式VIの中間体を、スキーム1に記載される手順を用いることにより、本発明化合物に転化することができる。
【0101】
代表的な反応条件に関しては、「S. Weinreb, J. Org. Chem., 1997, 62, 8604-8608」;「J. Ellman, Tetrahedron Lett., 2001, 42, 1433-1436」;「B. Sharpless, Org. Lett., 1999, 1, 783-786」および国際公開第01/37826号パンフレットを参照のこと。
【0102】
スキーム6
【0103】
【化9】

【0104】
(a) (COCl)2、cat. DMF、CH2Cl2、rt。(b) Et2Oにおける2M TMSCH2N2、ジオキサン、rt。 (c) ジオキサンにおける4M HCl、rt、またはAcOHにおけるHBr、rt。 (d) HNMe(OMe)、HCl、EDC、HOBt CH2Cl2、rt。(e) EtMgBr、THF、-78℃、(f) Br2、AcOHにおける33 %または48 % HBr、rt。
【0105】
式XXIIのα-ハロケトンは、スキーム6に記載される手順により合成することができる。式XIXの酸は市販のものを使用することができ、または当業者が合成することもできる。式XIXの酸は、対応する式XXの酸クロリドに転化することができる。該酸クロリドをトリメチルシリルジアゾメタンまたはエチルマグネシウムブロミドで処理することにより、それぞれ式XXI(R5がH)またはXXIV(R5がメチル)の中間体が得られる。これらの中間体は、R5がHまたはメチルである式XXIIのα-ハロケトンにそれぞれ転化することができる。あるいは、式XIXの酸は対応する式XXIIIのワインレブアミドに転化することができ、これはさらにエチルマグネシウムブロミドを用いて式XXIIのα-ハロケトンに転化される(R5はH)。同様に、メチルマグネシウムブロミドをエチルマグネシウムブロミドの代わりに用いる場合には、R5はHである。
【0106】
明確化のため、2-ピリジル、3-ピリジルまたはピラジニル基が場合によりメチルで置換されることを、部分R*を使用して示す。可変基XをCHまたはNを示すために使用する。
【0107】
トリメチルシリルジアゾメタンを用いるカルボン酸のブロモケトンへの変換に関する代表的な反応条件に関しては、「A. Gangjee, et al., Bioorg. Med. Chem., 2003, 11, 5155-5170」を参照のこと。Br2/ AcOHまたはスルフリルクロリドおよびMeOHを用いるケトンからのα-ハロケトンの変換に関する代表的な反応条件に関しては、「N. Ikemoto, et al., Tetrahedron, 2003, 59, 1317-1325」を;またはピリジン-Br3、HBr/ AcOHを用いる場合には「W.C. Patt and M.A. Massa, Tetrahedron Lett., 1997, 38, 1297-1300」を参照のこと。
スキーム7
【0108】
【化10】

【0109】
(a)EtMgBr、THF、-78℃。(b) Br2、AcOHにおける33%または48% HBr。
【0110】
あるいは、式XXIIのα-ハロケトンはスキーム7に記載される方法に従って、式XXVの出発物質から合成することができる。シアノ化合物をエチルマグネシウムブロミドで処理することにより、R5がメチルである式XXIVの中間体が得られる。同様に、エチルマグネシウムブロミドの代わりにメチルマグネシウムブロミドを使用する場合には、R5はHである。式XXIVの中間体は、さらに式XXIIのα-ハロケトンに変換される。
【0111】
明確化のため、2-ピリジル、3-ピリジルまたはピラジニル基が場合によりメチルで置換されることを、部分R*を使用して示す。可変基XはCHまたはNを示すために使用する。
【0112】
シアノ基の変換に関する代表的な反応条件に関しては、「N.B. Mehta, J. Clin. Psychiatry, 1983, 44, 56」;および「S. W. Baldwinand J. E. and Fredericks, Tetrahedron Lett., 1982, 23, 1235-1238」を参照のこと。
【0113】
<中間体の製造>
式II〜VIIIの代表的な化合物を以下のように合成した:
式IIで表される中間体
トランス-4-{[(tert-ブトキシ)カルボニルアミノ]メチル}シクロヘキサンカルボン酸:Boc2O(41.7 g、190 mmol)を、トランス-4-(アミノメチル)シクロヘキサンカルボン酸(25.0 g、159 mmol)、NaHCO3(20 g、238 mmol)、水(300 mL)およびEt2O(200 mL)を含有する二相性溶液に室温で撹拌しながら添加した。追加的な量の飽和NaHCO3水溶液を添加することによって、溶液のpHを9.0以下のpHに調節した。室温で24時間撹拌した後に、層を分離し、水性層を1M HCl水溶液でpH 4.0に酸性化した。水性層をEtOAcで抽出した。有機層を単離し、引き続いて水およびブライン(brine)で洗浄した。有機層を減圧下で濃縮し、高真空下で乾燥することにより、所望の生成物を無色固体として得た(23.3 g, 57 %)。1H NMR (CDCl3) δ 4.60 (br s, 1H), 2.99 (t, 2H, J=6.4 Hz), 2.29-2.23 (m, 3H), 2.05 (dd, 2H, J=13.6 and 3.2 Hz), 1.84 (dd, 2H, J=13.2 and 2.8 Hz), 1.44 (s, 9H), 1.42 (br m, 1H), 0.97 (dq, 2H, J=25.6, 12.4 and 3.2 Hz)。
【0114】
式IIIの中間体
(tert-ブトキシ)-N-({トランス-4-[(フェニルメトキシ)カルボニルアミノ]シクロヘキシル} メチル)カルボキサミド:
トランス-4-{[(tert-ブトキシ)カルボニルアミノ]メチル}シクロヘキサンカルボン酸(20.3 g、0.073 mol)をトルエン(420 mL)に懸濁し、ドライアイス浴で-10℃に冷却した。DPPA(15.8 mL、0.073 mol)を添加し、冷却を続けた。TEA(15.3 mL、0.11 mol)を10分かけて滴加した。溶液の色が乳白色から透明に変化した。混合物を氷浴から取り出し、10℃に温め、その後ゆっくりと70℃に加熱した。15時間後、窒素発生の終了が観察され、溶液の色が黄色に変化した。混合物を47℃に冷却し、ベンジルアルコール(22.8 mL、0.220 mol)を添加した。混合物を110℃に加熱し、一晩撹拌した。混合物を50℃に冷却し、減圧下で濃縮することにより、琥珀色の固体を得た。固体を脱イオン水(400 mL)およびEtOAc(150 mL)で処理した。混合物を10分間振とうし、層を単離した。水性層をEtOAcで数回抽出した。有機層を合わせ、乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた固体をMTBE中で粉砕することにより白色固体を所望の生成物として得た(17.8 g、67 %)。1H NMR (CDCl3) δ 7.34-7.286 (m, 3H), 7.13 (d, 2H, J=8.0 Hz), 6.78 (t, 1H, J=6.0 Hz), 4.97 (s, 2H), 3.3-3.14 (br, m, 1H), 2.73 (t, 1H, J=6.3 Hz), 1.78 (d, 2H, J=10.6 Hz), 1.64 (d, 2H, J=11.8 Hz), 1.35 (s, 6H), 1.35-1.00 (m, 3H), 0.87 (q, 2H, J=12.5 and 2.8 Hz)。
【0115】
式IVの中間体
N-[(トランス-4-アミノシクロヘキシル)メチル](tert-ブトキシ)カルボキサミド:10 % Pd-C(0.20 g)を、EtOAc/MeOH(1 : 1、50 mL)における(tert-ブトキシ)-N-({トランス-4-[(フェニルメトキシ) カルボニルアミノ]シクロヘキシル}メチル)カルボキサミド(2.0 g, 5.5 mmol)の溶液に室温で撹拌しながら添加した。混合物を脱気し、H2で2回パージし、さらにH2の静的雰囲気下において室温で2時間撹拌した。混合物をセライトによりろ過し、ろ過ケーキをEtOAcで洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮することにより、所望の化合物を無色固体として得た(1.3 g、91 %)。1H NMR (CDCl3) δ 4.59 (br, s, 1H), 2.97 (t, 2H, J=6.4 Hz), 2.63-2.58 (m, 1H), 1.87 (d, 2H, J=12.4 Hz), 1.75 (d, 2H, J=12.4 Hz), 1.44 (s, 9H), 1.37 (m, 1H), 1.12-0.96 (m, 4H). ESMS m/e: 173 ((M+H)-55)+
【0116】
式Vの中間体
(tert-ブトキシ)-N-[(トランス-4-{[(メチルエチル)スルホニル]アミノ}シクロヘキシル)メチル] カルボキサミド:イソプロピルスルホニルクロリド(6.2 mL、7.9 g、56 mmol)を、N-[(トランス-4-アミノシクロヘキシル)メチル](tert-ブトキシ)カルボキサミド(10 g、44 mmol)、1M NaOH水溶液(100 mL)およびEt2O(100 mL)を含有する二相性の溶液に室温で撹拌しながら滴加した。2時間撹拌した後、白色の沈殿物が見られた。該沈殿物をろ過により回収し、Et2Oで洗浄し、減圧下で乾燥することにより、所望の化合物を無色固体として得た(9.5 g、65 %)。1H NMR (CDCl3) δ 4.58 (br s, 1H), 3.89 (d, 1H, J=8.0 Hz), 3.23 (septet, 1H, J=4.4 Hz), 2.96 (t, 2H, J=6.4 Hz), 2.61 (m, 1H), 2.09 (d, 2H, J=11.6 Hz), 1.89-1.74 (m, 3H), 1.44 (s, 9H), 1.37 (d, 6H, J=6.8 Hz), 1.22 (dq, 1H, J=13.2 and 3.6 Hz), 1.09-1.00 (br m, 3H). ESMS m/e: 279 ((M+H)-55)+
【0117】
式VIの中間体
[トランス-4-(アミノメチル)シクロヘキシル][(メチルエチル)スルホニル]アミン:TFA(5 mL)を、(tert-ブトキシ)-N-[(トランス-4-{[(メチルエチル) スルホニル]アミノ}シクロヘキシル)メチル]カルボキサミド(1.3 g、3.9 mmol)およびCH2Cl2(45 mL)を含有する溶液に室温で撹拌しながら添加した。4時間後、溶液を減圧下で濃縮し、残渣をCHCl3に再溶解した。引き続き、CHCl3溶液を1M NaOH水溶液およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、その後減圧下で濃縮することにより、遊離塩基を無色固体として得た(0.88 g、97 %)。1H NMR (CDCl3) δ 3.19-3.09 (m, 2H), 2.82 (dd, 2H, J=13.6 and 7.2 Hz), 2.07 (d, 2H, J=13.6 Hz), 1.88 (d, 2H, J=6.0 Hz), 1.64-1.60 (br m, 2H), 1.51-1.30 (m, 2H), 1.34 (d, 6H, J=6.8 Hz), 1.23-1.08 (m, 3H). ESMS m/e: 235 (M+H)+
【0118】
式VIIの中間体
N-({[(トランス-4-{[(メチルエチル)スルホニル]アミノ}シクロヘキシル)メチル]アミノ}チオキソメチル) ベンズアミド:ベンゾイルイソチオシアネート(1.6 g、10 mmol)を、THF(100 mL)における[トランス-4-(アミノメチル)シクロヘキシル][(メチルエチル)スルホニル]アミン(2.3 g、10 mmol)の溶液にアルゴン雰囲気下で添加し、その後室温で一晩撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られたゴム様物質をヘキサンとともに粉砕することにより、淡黄色として生成物を得た(3.8 g、96 %)。1H NMR (CDCl3) δ 10.86 (s, 1H), 9.08 (s, 1H), 7.86 (d, 1H, J=4.0 Hz), 7.64 (dt, 1H, J=5.6 and 1.2 Hz), 7.54-7.49 (m, 3H), 4.18 (d, 1H, J=8.4 Hz), 3.59 (t, 2H, J=6.0 Hz), 3.25 (septet, 1H, J=4.0 Hz), 2.14 (dd, 2H, J=7.2 and 2.4 Hz), 1.91 (d, 2H, J=6.4 Hz), 1.74 (m, 1H), 1.29 (d, 6H, J=12.8 Hz), 1.25-1.12 (m, 2H). ESMS m/e: 398 (M+H)+
【0119】
式VIIIの中間体
(トランス-4-{[(アミノチオキソメチル)アミノ]メチル}シクロヘキシル)[(メチルエチル)スルホニル]アミン:K2CO3(2.00 g、14.5 mmol)を、N-({[(トランス-4-{[(メチルエチル)スルホニル]アミノ}シクロヘキシル)メチル]アミノ}チオキソメチル)ベンズアミド(3.80 g、9.57 mmol)、MeOH(75 mL)およびH2O(25 mL)を含有する溶液に添加した。
【0120】
得れらた不透明な混合物を16時間還流した。還流において、混合物が透明な均一の溶液に変わることに留意が必要である。溶液を冷却し、減圧下で濃縮することにより固体を得た。この固体をアセトンに溶解し、セライトパッドを通してろ過し、引き続いて、アセトンを用いてセライトをさらに洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮することにより、所望の生成物を淡黄色の固体として得た(2.20 g、79 %)。1H NMR (CDCl3) δ 6.98 (br s, 1H), 6.39-6.32 (br s, 2H), 3.50 (br s, 1H), 3.32 (m, 1H), 3.14 (m, 2H), 2.16-2.13 (br m, 1H), 1.94-1.92 (m, 2H), 1.82-1.79 (m, 2H), 1.52-1.36 (m, 2H), 1.38 (d, 6H, J=6.8 Hz), 1.26-1.10 (m, 2H). ESMS m/e: 294 (M+H)+
【0121】
式X〜XIIIおよびVIの代表的な化合物を以下のように合成した:
式Xの中間体
トランス-4-({[(メチルエチル)スルホニル]アミノ}メチル)シクロヘキサンカルボン酸:イソプロピルスルホニルクロリド(10.9 g、77.0 mmol)を、氷浴中で冷却した1M NaOH水溶液(150 mL、150 mmol)におけるトランス-4-(アミノメチル)シクロヘキサンカルボン酸(10.0 g、63.7 mmol)の溶液に滴加した。該溶液を24時間撹拌し、その後2M HCl水溶液でpHを4以下に酸性化した。固体をろ過により回収し、真空オーブンにおいて室温で乾燥することにより、所望の化合物を白色固体として得た(5.0 g、33 %)。1H NMR (CDCl3) δ 4.91 (br s, 1H), 3.20 (septet, 1H, J=6.8 Hz), 2.92 (d, 2H, J=6.8 Hz), 2.24 (tt, 1H, J=12.4 and 3.6 Hz), 2.03 (dd, 2H, J=10.4 and 3.2 Hz), 1.92 (dd, 2H, J=10.8 and 3.2 Hz), 1.48-1.41 (m, 3H), 1.34 (d, 6H, J=6.8 Hz), 1.01 (dq, 2H, J=25.2, 13.2 and 3.6 Hz). ESMS m/e: 264 (M+H)+
【0122】
式XIの中間体
N-[トランス-4-(アミノメチル)シクロヘキシル](フェニルメトキシ)カルボキサミド:(tert-ブトキシ)-N-({ トランス-4-[(フェニルメトキシ)カルボニルアミノ]シクロヘキシル}メチル)カルボキサミド (4 g、11 mmol)をCH2Cl2(50 mL)における25 % TFAで処理した。40℃で5時間撹拌した後、粗製生成物をNaHCO3水溶液で洗浄し、その後ブラインで洗浄した。溶液をNa2SO4で乾燥し、そして減圧下で乾燥することにより、所望の生成物を油状物として得た(定量可能な収量)。1H NMR (DMSO-d) δ 7.18-7.03 (m, 5H), 4.78 (s, 2H), 3.06-2.96 (m, 1H), 2.35 (d, 2H, J = 6.8 Hz), 1.62-1.48 (m, 4H), 1.20-1.11 (m, 1H), 0.97-0.69 (m, 4H). ESMS m/e: 263 (M+H)+
【0123】
式XIIの中間体
N-[トランス-4-({[(メチルエチル)スルホニル]アミノ}メチル)シクロヘキシル](フェニルメトキシ) カルボキサミド:イソプロピルスルホニルクロリド(6.6 g, 46 mmol)を、無水CH2Cl2(150 mL)中にN-[トランス-4-(アミノメチル)シクロヘキシル](フェニルメトキシ) カルボキサミド(11 g、42 mmol)、TEA(7.0 g、70 mmol)を含有する溶液に0℃で滴加した。反応を室温に温め、一晩撹拌した。該溶液を飽和NaHCO3水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮した。ヘキサン中においてEtOAcを増加させる勾配を用いて、粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。生成物を含む画分を合わせ、減圧下で濃縮した。EtOHからの再結晶化により所望の生成物を得た(5.0 g、32 %)。1H NMR (CDCl3) 7.38-7.31 (m, 5H), 5.08 (s, 2H), 4.66-4.57 (br m, 1H), 4.13-4.06 (br m, 1H), 3.49-3.4 (br m, 1H), 3.19-3.11 (m, 1H), 2.97 (t, 2H, J=6.7 Hz), 2.08-2.05 (br m, 2H), 1.86-1.83 (br m, 2H), 1.50-1.40 (m, 1H), 1.36 (d, 6H, J=0.9 Hz), 1.18-0.99 (m, 4H). ESMS m/e: 369 (M+H)+
【0124】
式XIIの中間体〜式VIの中間体
[(トランス-4-アミノシクロヘキシル)メチル][(メチルエチル)スルホニル]アミン:無水EtOH(600 mL)におけるN-[トランス-4-({[(メチルエチル)スルホニル]アミノ}メチル)シクロヘキシル](フェニルメトキシ)カルボキサミド(62 g、0.168モル)および10% Pd-C(12 g)をH2雰囲気下、60℃において55 psiで振とうした。溶液を6時間振とうした。白色固体が2時間以内に溶解した。触媒をろ過し、固体をEtOH(3 x 150 mL)で洗浄した。合わせたEtOHろ液を減圧下で濃縮した。トルエン(200 mL)を添加し、蒸発させることにより、所望の生成物を白色固体として得た(定量可能な量)。1H NMR (CDCl3) δ 3.60 (br s, 2H), 3.06 (quintet, 1H), 2.69 (d, 2H, J=11.2 Hz), 2.58 (m, 1H), 1.79 (d, 2H, J=11.2Hz), 1.68 (d, 2H, J=11.2Hz), 1.24 (br m, 1H), 1.14 (d, 6H, J=11.2 Hz), 1.09 (2H, q, J=22.5 and 9.0 Hz) and 0.86 (2H, q, J=22.5 and 9.0 Hz)。
【0125】
式XIIIの中間体
N-({トランス-4-[(アミノチオキソメチル)アミノ]シクロヘキシル}メチル)(tert-ブトキシ)カルボキサミド:
ベンゾイルイソチオシアネート(0.755 g、4.63 mmol)を、THF(50 mL)における(tert-ブトキシ)カルボキサミドメチルシクロヘキシル-トランス-4-アミン(1.2 g、4.6 mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下、室温で撹拌しながら添加した。24時間撹拌後、溶液を減圧下で濃縮することにより粘性物質を得た。粘性物質をヘキサンと一緒に粉砕することにより、N-({トランス-4-[(アミノチオキソメチル)アミノ]シクロヘキシル} メチル)(tert-ブトキシ)カルボキサミドベンズアミドを淡黄色固体として得た(1.71 g、収率90 %)。1H NMR (CDCl3) δ 10.61 (d, 1H, J=7.2 Hz), 8.89 (s, 1H), 7.82 (d, 1H, J=7.6 Hz), 7.63 (t, 1H, J=7.2 Hz), 7.54-7.49 (m, 3H), 4.61 (br s, 1H), 4.24-4.19 (m, 1H), 3.02 (t, 2H, J=6.0 Hz), 2.27 (dd, 2H, J=7.6 and 2.0 Hz), 1.86 (d, 2H, J=11.6 Hz), 1.45 (s, 10H), 1.32 (dq, 2H, J=24.8, 12.4 and 3.2 Hz), 1.28 (dq, 2H, J=25.6, 13.2 and 2.4 Hz). ESMS m/e: 336 ((M+H) - 55)+。 N-({トランス-4-[(アミノチオキソメチル)アミノ] シクロヘキシル}メチル)(tert-ブトキシ)カルボキサミドベンズアミド(1.65 g、4.0 mmol)をMeOH(25 mL)に溶解した。水(5 mL)を添加し、引き続きK2CO3(1.66 g、12.0 mmol)を添加した。得られた混合物を一晩還流した。16時間還流した後に、溶剤を減圧下で除去し、得られた固体を高真空下で乾燥した。固体をアセトンに再溶解し、セライトパッドを通してろ過した。減圧下でろ液を濃縮することにより、所望の生成物を淡黄色固体(1.1 g)として得た。1H NMR (CDCl3) δ 6.17 (br s, 1H), 4.85 (br s, 1H), 2.99 (t, 2H, J=7.2 Hz), 2.09 (d, 2H, J=12.0 Hz), 1.83 (d, 2H, J=12.0 Hz), 1.44 (s, 10H), 1.29-0.78 (m, 4H). ESMS m/e: 288 (M+H)+
【0126】
式XIVの中間体
(tert-ブトキシ)-N-({4-[(トランス-4-(2-ピリジル)(1,3-チアゾール-2-イル))アミノ]シクロヘキシル}メチル) カルボキサミド:無水EtOH(10 mL)における2-ブロモ-1-(2-ピリジル)エタン-1-オン(500 mg、1.8 mmol)の溶液に、DIEA(0.63 mL、3.6 mmol)をアルゴン雰囲気下で添加した。室温で5分間撹拌した後に、N-({トランス-4-[(アミノチオキソメチル)アミノ] シクロヘキシル}メチル)(tert-ブトキシ)カルボキサミド(520 mg、1.8 mmol)を添加し、反応を一晩還流した。EtOHを減圧下で除去し、残渣をCH2Cl2に再溶解した。有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮した。EtOAc中の2.5 %メタノール性アンモニアを用いて溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより粗製生成物を精製することによって、所望の生成物を得た(651 mg、93 %)。1H NMR (CD3OD) δ 8.40 (d, 1H, J=6Hz), 7.86 (d, 1H, J=10 Hz), 7.74 (t, 1H, J=9.8 Hz), 7.19 (t, 1H, J=8Hz), 7.11 (s, 1H), 6.56 (br s, 1H), 3.45 (t, 1H J=9.5 Hz), 2.84 (t, 2H, J=7.7 Hz), 2.11 (d, 2H, J=15 Hz), 1.75 (d, 2H, J=15.5 Hz), 1.35 (s, 9H), 1.20-1.13 (m, 2H), 1.08-0.96 (m, 2H). ESMS m/e: 389 (M+H)+
【0127】
(tert-ブトキシ)-N-[(トランス-4-{[4-(3-メチルピラジン-2-イル)(1,3-チアゾール-2-イル)]アミノ} シクロヘキシル)メチル]カルボキサミド:2-ブロモ-1-(3-メチルピラジン-2-イル)エタン-1-オン(3.0 g、14 mmol)、N-({トランス-4-[(アミノチオキソメチル)アミノ]シクロヘキシル}メチル)(tert-ブトキシ)カルボキサミド(3 g, 10 mmol)およびEtOH(10 mL)を含有する溶液にDIEA(2.0 g、16 mmol)を添加した。混合物を3時間還流し、室温に冷却し、そして減圧下で濃縮した。残渣をCH2Cl2中にとり、NaHCO3、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして減圧下で濃縮した。ヘキサン中においてEtOAcを増加させる勾配を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することによって、所望の生成物を得た(3.3 g、82 %)。1H NMR (CDCl3) δ 8.42-8.38 (m, 2H), 7.05 (s, 1H), 5.05 (d, 1H, J=7.5 Hz), 4.65-4.58 (m, 1H), 3.40-3.3 (br, m, 1H), 3.02 (t, 2H, J=6.4 Hz), 2.84 (s, 3H), 2.26 (d, 2H, J=12.7 Hz), 1.86 (d, 2H, J=12.6 Hz), 1.52-1.42 (m, 10H), 1.30-1.05 (m, 4H). ESMS m/e: 404 (M+H)+
【0128】
式XVの中間体
[トランス-4-(アミノメチル)シクロヘキシル](4-(2-ピリジル)(1,3-チアゾール-2-イル))アミン:(tert-ブトキシ)-N-({トランス-4-[(4-(2-ピリジル)(1,3-チアゾール-2-イル))アミノ]シクロヘキシル}メチル)カルボキサミド(651 mg、1.68 mmol)をアルゴン雰囲気下において、ジオキサン(8 mL)中の4M HClで処理した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、生成物を反応混合物から沈殿させた。得られた沈殿をろ過によって塩酸塩として回収した(507 mg)。1H NMR (CDCl3) δ 8.70 (d, 1H, J=6.5 Hz), 8.49 (t, 1H, J=10 Hz), 8.42 (d, 2H, J=10 Hz), 7.87 (s, 1H), 7.85 (d, 1H, J=8.5 Hz), 3.81 (m, 1H), 2.86 (d, 2H,J=8.5 Hz), 2.25 (d, 2H, J=15.5 Hz), 1.95 (d, 2H, J=15 Hz), 1.72 (m, 1H), 1.40 (q, 2H, J=15 Hz), 1.27 (q, 2H, J=16 Hz). ESMS m/e: 289 (M+H)+
【0129】
[トランス-4-(アミノメチル)シクロヘキシル](4-(3-メチルピラジン-2-イル)(1,3-チアゾール-2-イル))アミン:同様に、上記方法において記載されるようにN-Boc保護を行った。1H NMR (CD-3OD) δ 8.67-8.61 (m, 2H), 7.53 (s, 1H), 3.68-3.59 (br m, 1H), 2.89-2.84 (m, 5H), 2.27 (d, 2H, J=12.8 Hz), 2.02 (d, 2H,J=12.0 Hz), 1.82-1.72 (m, 2H), 1.63-1.54 (m, 1H), 1.34-1.24 (m, 4H). ESMS m/e: 304 (M+H)+
【0130】
式IV(式中、m=n=1)の中間体
スキーム4に記載されるような代表的な化合物を、以下のように合成した:
(トランス-4-{[(tert-ブトキシ)カルボニルアミノ]メチル}シクロヘキシル)-N-メトキシ-N-メチルカルボキサミド:1-メチルモルホリン(5.0 g、49.6 mmol)を、CH2Cl2(100 mL)におけるトランス-4-{[(tert-ブトキシ)カルボニルアミノ]メチル}シクロヘキサンカルボン酸(8.5 g、33 mmol)の溶液に撹拌しながら添加した。該溶液を-20℃に冷却し、イソブチルクロロホルメート(5.9 g、43.0 mmol)を10分間にわたって滴加した。得られた淡黄色溶液を室温に温め、その後さらに1時間撹拌した。該溶液を-20℃に冷却し、1-メチルモルホリン(5.0 g、50 mmol)を添加し、引き続き、CH2Cl2におけるN, O-ジメチルヒドロキシアミンの溶液(3.9 g、40 mmol)を添加した。添加の完了後、溶液を室温に温め、一晩撹拌した。反応を水でクエンチし、引き続き、クエン酸水溶液、水およびブラインで洗浄した。CH2Cl2層を減圧下で濃縮し、得られた物質をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサンにおいて30 % EtOAc)により精製することによって、所望の生成物を無色の粘性物質として得た(7.8 g、79 %)。1H NMR (CDCl3) δ 4.67 (br s, 1H), 3.69 (s, 3H), 3.18 (s, 3H), 2.99 (t, 2H, J=6.4 Hz), 2.65 (br m, 1H, J=9.6 Hz), 1.83 (d, 2H, J=10.0 Hz), 1.53-1.49 (m, 3H), 1.44 (s, 9H), 1.0-0.91 (m, 4H). ESMS m/e: 300 (M+H)+
【0131】
(tert-ブトキシ)-N-[(トランス-4-ホルミルシクロヘキシル)メチル]カルボキサミド:THF(24.7 mL、24.7 mmol)における1M LAHの溶液を、Et2O(200 mL)における(トランス-4-{[(tert-ブトキシ)カルボニルアミノ]メチル}シクロヘキシル)-N-メトキシ-N-メチルカルボキサミド(7.4 g、24.7 mmol)の溶液にアルゴン雰囲気下、-78℃で撹拌しながら15分間にわたって添加した。添加の完了後、反応をさらに15分間撹拌し、その後1時間0℃に温め、そして-78℃に再冷却した。反応を1N KHSO4水溶液でクエンチし、Na2SO4を含むセライトでろ過した。セライトをEt2Oで洗浄し、ろ液を減圧下で濃縮することにより、所望の生成物を粘性物質として得た(6.0 g)。1H NMR (CDCl3) δ 9.62 (s, 1H), 4.67 (br s, 1H), 3.00 (t, 2H, J=6.0 Hz), 2.19 (t, 1H, J=8.8 Hz), 2.03 (d, 2H, J=13.2 Hz), 1.89 (d, 2H, J=13.2 Hz), 1.44 (s, 9H), 1.27 (dq, 2H, J=25.6, 13.2 and 3.6 Hz), 1.05-0.95 (m, 2H). ESMS m/e: 186 ((M+H)-55)+
【0132】
N-{[トランス-4-(アミノメチル)シクロヘキシル]メチル}(tert-ブトキシ)カルボキサミド:NaCNBH3 (2.4 g、38 mmol)を、(tert-ブトキシ)-N-[(トランス-4-ホルミルシクロヘキシル)メチル]カルボキサミド(6.0 g、25 mmol)、酢酸アンモニウム(29 g、374 mmol)およびMeOH(100 mL)を含有する溶液に、アルゴン雰囲気下、室温で撹拌しながら添加した。溶液を室温で18時間撹拌し、その後減圧下で濃縮した。粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することによって所望のアミンを得た(1.5 g、26 %)。1H NMR (CDCl3) δ 4.64 (br s, 1H), 2.97 (t, 2H, J=6.4 Hz), 2.53 (d, 1H, J=6.4 Hz), 2.41 (d, 1H, J=6.4 Hz), 1.79 (q, 2H, J=19.6 and 9.2 Hz), 1.44 (s, 9H), 1.50-1.30 (br m, 4H), 1.0-0.81 (m, 4H). ESMS m/e: 242 (M+H)+
【0133】
式XXの中間体
2-メチル-ニコチノイルクロリド:オキサリルクロリド(2.78 g、21.75 mmol)を、CH2Cl2(50 mL)における2-メチル-ニコチン酸(2.0 g、14.5 mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下、室温で撹拌しながら添加した。反応を開始させるために少量のDMFを添加した。室温で24時間撹拌後、溶剤を減圧下で除去することにより、酸クロリドを固体として得た(2.85 g、>99 %)。ESMS m/e: 155 (M+H)+
【0134】
式XXIIの中間体
2-クロロ-1-(2-メチル-ピリジン-3-イル)-エタノン:トリメチルシリルジアゾメタン(15 mL、11.60 g、101.7 mmol)の2Mエーテル溶液を、ジオキサン(30 mL)における2-メチル-ニコチノイルクロリド(2.85 g、14.9 mmol)の溶液に0℃で滴加した。反応温度を室温に上昇させることにより、2-ジアゼニル-1-(2-メチル-ピリジン-3-イル)-エタノンが得られ、これをさらに精製することなく使用した。ジオキサン(10 mL)中の4M HClを粗製ジアゼニル誘導体に0℃で添加し、反応を室温で2時間撹拌した。溶液を減圧下で濃縮することにより、所望の化合物を褐色固体のHCl塩として得た(2.81 g、94 %)。ESMS m/e: 170 (M+H)+
【0135】
2-ブロモ-1-ピリジン-2-イル-プロパン-1-オン:酢酸中の33 % 臭化水素(7.8 mL、45.1 mmol)を、酢酸(50 mL)における1-ピリジン-2-イル-プロパン-1-オン(6.0 g、45.1 mmol)の溶液に激しく撹拌しながら添加した。該溶液に臭素(2.32 mL、45.1 mmol)を添加し、反応を室温で2時間撹拌した。橙色の溶液を減圧下で濃縮することにより、所望の化合物を半固体として得た(15.7 g、>99)。ESMS m/e: 213 (M+H)+
【0136】
以下の化合物を同様に製造した:
2-ブロモ-1-(3-メチル-ピリジン-2-イル)-プロパン-1-オン。ESMS m/e: 228 (M+H)+
2-ブロモ-1-(4-メチル-ピリジン-2-イル)-プロパン-1-オン。ESMS m/e: 228 (M+H)+
2-ブロモ-1-ピラジン-2-イル-エタノン。ESMS m/e: 201 (M+H)+
2-ブロモ-1-(6-メチル-ピリジン-2-イル)-プロパン-1-オン。ESMS m/e: 228 (M+H)+
【0137】
式XXIIIの中間体
6-メチル-ピリジン-2-カルボン酸N-メトキシ-N-メチル-アミド:DIEA(1.85 mL、1.37 g、10.62 mmol)を、CH2Cl2(30 mL)における6-メチル-ピリジン-2-カルボン酸(0.97 g、7.01 mmol)の溶液に、室温で撹拌しながら添加した。反応混合物を0℃に冷却し、イソブチルクロロホルメート(1.06 g、1.20 mL、7.79 mmol)を添加した。反応を0℃で30分間撹拌し、その後、CH2Cl2におけるN,O-ジメチル-ヒドロキシ-アミンヒドロクロリド(1.03 g、10.62 mmol)およびDIEA(1.85 mL、1.37 g、10.62 mmol)の溶液を添加した。室温で18時間撹拌した後に、有機層をCH2Cl2で希釈し、飽和NaHCO3水溶液で慎重に洗浄した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗製生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の50 % EtOAc)により精製することによって、生成物を油状物として得た(1.16 g、91 %)。ESMS m/e: 181 (M+H)+
【0138】
式XXIVの中間体
1-ピリジン-2-イル-プロパン-1-オン:臭化エチルマグネシウム(19.2 mL、57.6 mmol)の3M Et2O溶液を、THF(80 mL)におけるピリジン-2-カルボニトリル(5.0 g, 48.0 mmol)の溶液に、-78℃で撹拌しながら添加した。反応混合物を室温に温めた。反応混合物をクエン酸水溶液で酸性化した。THFを減圧下で除去し、生成物をEtOAcで抽出した。有機層を合わせ、NaHCO3水溶液およびブラインで洗浄した。減圧下での濃縮により、生成物を淡黄色液体として得た。ESMS m/e: 271 (2M+H)+
【0139】
以下の化合物を同様に製造した:
1-(3-メチル-ピリジン-2-イル)-プロパン-1-オン。ESMS m/e: 150 (M+H)+
1-(4-メチル-ピリジン-2-イル)-プロパン-1-オン。ESMS m/e: 150 (M+H)+
1-(6-メチル-ピリジン-2-イル)-プロパン-1-オン。ESMS m/e: 150 (M+H)+
【0140】
以下の本発明化合物を式VIで表される中間体から製造し、スキーム1および2に記載される方法に従って合成した:
実施例1a [(メチルエチル)スルホニル](トランス-4-{[(4-(2-ピリジル)(1,3-チアゾール-2-イル))アミノ]メチル}シクロヘキシル)アミン:
【0141】
【化11】

【0142】
N-({[(トランス-4-{[(メチルエチル)スルホニル]アミノ}シクロヘキシル)メチル]アミノ}チオキソメチル)アミド(0.60 g、2.0 mmol)を、EtOH(20 mL)における2-ブロモ-1-(2-ピリジル)エタン-1-オンヒドロブロミド(0.57 g、2.0 mmol)の溶液に、室温で撹拌しながら添加し、引き続いて、DIEA(1.05 mL, 6.0 mmol)を添加した。反応混合物を4時間加熱還流し、室温に冷却し、減圧下で濃縮した。残留した残渣をCHCl3に再溶解し、クエン酸水溶液、水およびブラインで順次洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中における60 % EtOAc)で精製することによって、所望の生成物を黄褐色の固体として得た(0.56 g、69 %)。1H NMR (CDCl3) δ 8.58 (d, 1H, J=4.8 Hz), 7.89 (dt, 1H, J=7.6 and 1.2 Hz), 7.71 (td, 1H, J=7.8 and 2.0 Hz), 7.17 (td. 1H, J=4.8 and 1.2Hz), 5.25 (br s, 1H), 3.85 (d, 1H, J=8.4 Hz), 3.25 (br m, 1H), 3.18 (t, 2H, J=6.4 Hz), 2.14 (dt, 2H, J=12.0 and 1.2 Hz), 2.19 (br, d, 2H, J=12.8 Hz), 1.62 (br m, 3H), 1.38 (d, 6H, J=6.8 Hz), 1.25 (dq, 2H, J=12.8 and 1.6 Hz). LC-MS m/e: 395 (M+H)+; tR = 2.14分(方法A)。
【0143】
以下の化合物を同様に製造した:
実施例1b [(メチルエチル)スルホニル]({トランス-4-[(4-(2-ピリジル)(1,3-チアゾール-2-イル))アミノ] シクロヘキシル}メチル)アミン:
【0144】
【化12】

【0145】
N-({[(トランス-4-{[(メチルエチル)スルホニル]メチルアミノ}シクロヘキシル]アミノ} チオキソメチル)アミドおよび2-ブロモ-1-(2-ピリジル)エタン-1-オンから製造した。
収率:76 %。 LC-MS: m/e 395 (M+H)+; tR= 5.28分 (方法B)。
【0146】
実施例1c [(メチルエチル)スルホニル](トランス-4-{[(4-(3-ピリジル)(1,3-チアゾール-2-イル))アミノ] メチル}シクロヘキシル)アミン:
【0147】
【化13】

【0148】
N-({[(トランス-4-{[(メチルエチル)スルホニル]アミノ}シクロヘキシル)メチル] アミノ}チオキソメチル)アミドおよび2-ブロモ-1-(3-ピリジル)エタン-1-オンから製造した。
収率: 31 %。LC-MS: m/e 395 (M+H)+; tR = 2.02分(方法A)。
【0149】
実施例1d [(メチルエチル)スルホニル]({トランス-4-[(4-(3-ピリジル)(1,3-チアゾール-2-イル))アミノ] シクロヘキシル}メチル)アミン:
【0150】
【化14】

【0151】
N-({[(トランス-4-{[(メチルエチル)スルホニル]メチルアミノ}シクロヘキシル]アミノ} チオキソメチル)アミドおよび2-ブロモ-1-(3-ピリジル)エタン-1-オンから製造した。
収率:27 %。LC-MS: m/e 395 (M+H)+; tR= 2.37分(方法C)。
【0152】
実施例1e [(メチルエチル)スルホニル][({トランス-4-{[4-(3-メチルピラジン-2-イル)(1,3-チアゾール-2-イル))]アミノ}シクロヘキシル)メチル]アミン:
【0153】
【化15】

【0154】
N-({[(トランス-4-{[(メチルエチル)スルホニル]メチルアミノ}シクロヘキシル]アミノ} チオキソメチル)アミドおよび2-ブロモ-1-(3-メチルピラジン-2-イル)エタン-1-オンから製造した。
収率:44 %。LC-MS: m/e 410 (M+H)+; tR = 2.05分(方法A)。
【0155】
実施例1f [(メチルエチル)スルホニル]({トランス-4-[(4-(2-ピリジル)(5-メチル-チアゾール-2-イル))アミノ] シクロヘキシル}メチル)アミン:
【0156】
【化16】

【0157】
N-({[(トランス-4-{[(メチルエチル)スルホニル]メチルアミノ}シクロヘキシル]アミノ} チオキソメチル)アミドおよび2-ブロモ-1-ピリジン-2-イル-プロパン-1-オンから製造した。
収率: 41 %。LC-MS m/e: 409 (M+H)+; tR = 0.70分(方法E)。
【0158】
実施例1g [(メチルエチル)スルホニル](トランス-4-{[(4-(2-メチル-ピリジン-3-イル)(1,3-チアゾール-2-イル))アミノ]メチル} シクロヘキシル)アミン:
【0159】
【化17】

【0160】
N-({[(トランス-4-{[(メチルエチル)スルホニル]アミノ}シクロヘキシル)メチル]アミノ} チオキソメチル)アミドおよび2-クロロ-1-(2-メチル-ピリジン-3-イル)-エタノンから製造した。
収率: 47 %。LC-MS m/e: 409 (M+H)+; tR = 0.52分(方法E)。
【0161】
実施例1h [(メチルエチル)スルホニル](トランス-4-{[(4-(2-ピラジニル)(1,3-チアゾール-2-イル))アミノ]メチル} シクロヘキシル)アミン:
【0162】
【化18】

【0163】
N-({[(トランス-4-{[(メチルエチル)スルホニル]アミノ}シクロヘキシル)メチル]アミノ} チオキソメチル)アミドおよび2-ブロモ-1-ピラジン-2-イル-エタノンから製造した。
収率: 37 %。 LC-MS m/e: 396 (M+H)+; tR= 0.95分(方法D)。
【0164】
実施例1i [(メチルエチル)スルホニル]({トランス-4-[(4-(6-メチル-ピリジン-2-イル)(5-メチル-チアゾール-2-イル))アミノ] シクロヘキシル}メチル)アミン:
【0165】
【化19】

【0166】
N-({[(トランス-4-{[(メチルエチル)スルホニル]メチルアミノ}シクロヘキシル]アミノ} チオキソメチル)アミドおよびブロモ-1-(6-メチル-ピリジン-2-イル)-プロパン-1-オンから製造した。
収率: 68 %。LC-MS m/e: 423 (M+H)+; tR= 0.74分(方法E)。
【0167】
実施例1j [(メチルエチル)スルホニル]({トランス-4-[(4-(4-メチル-ピリジン-2-イル)(5-メチル-チアゾール-2-イル))アミノ] シクロヘキシル}メチル)アミン:
【0168】
【化20】

【0169】
N-({[(トランス-4-{[(メチルエチル)スルホニル]メチルアミノ}シクロヘキシル]アミノ} チオキソメチル)アミドおよび2-ブロモ-1-(4-メチル-ピリジン-2-イル)-プロパン-1-オンから製造した。
収率: 72 %。LC-MS m/e: 423 (M+H)+; tR= 0.67 (方法E)。
【0170】
実施例1k [(メチルエチル)スルホニル]({トランス-4-[(4-(3-メチル-ピリジン-2-イル)(5-メチル-チアゾール-2-イル))アミノ]シクロヘキシル}メチル)アミン:
【0171】
【化21】

【0172】
N-({[(トランス-4-{[(メチルエチル)スルホニル]メチルアミノ}シクロヘキシル]アミノ} チオキソメチル)アミドおよびブロモ-1-(3-メチル-ピリジン-2-イル)-プロパン-1-オンから製造した。
収率: 79 %。 LC-MS m/e: 423 (M+H)+; tR= 0.66分(方法E)。
【0173】
以下の本発明化合物をスキーム3に記載される方法に従って合成した。
【0174】
実施例2a (エチルスルホニル)({トランス-4-[(4-(2-ピリジル)(1,3-チアゾール-2-イル))アミノ] シクロヘキシル}メチル)アミン:
【0175】
【化22】

【0176】
N,N-ジイソプロピル-N-エチルアミン(0.52 ml, 3.0 mmol)をCH2Cl2における[トランス-4-(アミノメチル)シクロヘキシル](4-(2-ピリジル)(1,3-チアゾール-2-イル))アミン(578 mg、2.00 mmol)の溶液に-78℃で添加した。その後、エタンスルホニルクロリド(0.19 mL、2.0 mmol)を該溶液にゆっくりと添加し、撹拌を45分間継続した。反応を室温に温め、その後、さらに3時間撹拌した。飽和NaHCO3水溶液を反応混合物に添加し、15分間撹拌した。層を分離し、水性層をCH2Cl2で抽出した。有機層を合わせ、Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮した。8/ 2/ 1/ 1: ヘキサン/ EtOAc/ MeOH/ TEAを溶離剤として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製によって、所望の生成物をベージュ色の固体として得た(655 mg、86 %)。冷CH2Cl2とともに粉砕することによって、さらに精製した。1H NMR (CDCl3-) δ 8.58 (ddd, 1H, J=0.8, 1.8 and 4.8 Hz), 7.90 (d, 1H, J=6.9 Hz), 7.71 (dt, 1H, J=1.9, 7.5 Hz), 7.28 (s, 1H), 7.19-7.14 (m, 1H), 5.00 (br d, 1H, J=8.0 Hz), 4.17 (br s, 1H), 3.35 (m, 1H), 3.05 (q, 2H, J=14.7 and 7.2 Hz) 3.04 (t, 2H, J = 8.3 Hz), 2.29 (br d, 2H, J=4.5 Hz), 1.92 (br d, 2H, J=6.6 Hz), 1.36 (m, 1H), 1.38 (t, 3H, J=7.4Hz), 1.17 (m, 4H). LCMS: m/e 381 (M+H)+
【0177】
実施例2b (シクロプロピルスルホニル)({トランス-4-[(4-(2-ピリジル)(1,3-チアゾール-2-イル))アミノ] シクロヘキシル}メチル)アミン:
【0178】
【化23】

【0179】
[トランス-4-(アミノメチル)シクロヘキシル](4-(2-ピリジル)(1,3-チアゾール-2-イル))アミンおよびシクロプロパンスルホニルクロリドから製造した。
収率:80 %。LCMS: m/e 393.2 (M+H)+; tR = 5.19分(方法B)。
【0180】
実施例2c (ブチルスルホニル)({トランス-4-[(4-(2-ピリジル)(1,3-チアゾール-2-イル))アミノ] シクロヘキシル}メチル)アミン:
【0181】
【化24】

【0182】
[トランス-4-(アミノメチル)シクロヘキシル](4-(2-ピリジル)(1,3-チアゾール-2-イル))アミンおよびブタンスルホニルクロリドから製造した。
収率:98 %。LCMS: m/e 409.2 (M+H)+;tR = 6.20分(方法B)。
【0183】
実施例2d (ブチルスルホニル)[({トランス-4-[4-(3-メチルピラジン-2-イル)(1,3-チアゾール-2-イル)]アミノ}シクロヘキシル)メチル]アミン:
【0184】
【化25】

【0185】
[トランス-4-(アミノメチル)シクロヘキシル](4-(3-メチルピラジン-2-イル)(1,3-チアゾール-2-イル))アミンおよびブタンスルホニルクロリドから製造した。
収率: 19 %。LCMS: m/e 424 (M+H)+; tR = 2.28分(方法A)。
【0186】
<製剤化>
本発明の医薬調合物は本技術分野において慣用の方法によって製造することができる。
【0187】
例えば、錠剤は、活性成分を通常の佐剤および/または希釈剤と混合し、引き続いて、錠剤を製造できる慣用の打錠機において該混合物を圧縮することにより製造することができる。佐剤または希釈剤の例には、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ゼラチン、ラクトース、増粘剤(gums)等が含まれる。前記目的のために通常使用される、着色剤(colourings)、フレーバー(flavourings)、防腐剤等のような佐剤または添加剤はいずれも、活性成分と適合することを条件として使用することができる。
1)遊離塩基として計算した場合に5.0mgの化合物2bを含む錠剤:
化合物 5.0 mg
ラクトース 60 mg
メイズスターチ 30 mg
ヒドロキシプロピルセルロース 2.4 mg
微結晶性セルロース 19.2 mg
クロスカルメロースナトリウムタイプA 2.4 mg
ステアリン酸マグネシウム 0.84 mg
2)遊離塩基として計算した場合に0.5mgの化合物2bを含む錠剤:
化合物 0.5 mg
ラクトース 46.9 mg
メイズスターチ 23.5 mg
ポビドン 1.8 mg
微結晶性セルロース 14.4 mg
クロスカルメロースナトリウムタイプA 1.8 mg
ステアリン酸マグネシウム 0.63 mg
3)1ミリリットルあたり25 mgの化合物2bを含むシロップ剤:
化合物 25 mg
ソルビトール 500 mg
ヒドロキシプロピルセルロース 15 mg
グリセロール 50 mg
メチル-パラベン 1 mg
プロピル-パラベン 0.1 mg
エタノール 0.005 mL
フレイバー 0.05 mg
サッカリン 0.5 mg
水で 1 mL
<インビトロに関する方法>
本発明化合物の薬理学的特性を、米国特許第6,124,331号明細書(参照することによりその内容が本明細書に組み込まれる)に開示されているプロトコールを用いて、クローニングされたヒトNPY Y5受容体で評価した。
【0188】
このプロトコールを用いることにより、COS-7細胞において発現させたクローニングヒトNPY Y5受容体の膜への化合物または放射性標識リガンド(125I-標識PYYまたは代替の放射性リガンド、例えば125I-標識NPY)による結合をインビトロで測定した。
【0189】
放射性リガンドの結合
アッセイにおいて膜による125I-PYY結合がサンプルに加えられる125I-PYYの10%未満となるように、膜懸濁液を0.1%ウシ血清アルブミンを添加した結合バッファーで希釈することにより、最適な膜蛋白質濃度を得た(100,000 dpm/サンプル = 競合結合アッセイにおいて0.08 nM)。125I-PYYおよび小分子リガンド競合物質もまた、血清添加結合バッファーにおいて所望の濃度に希釈した。その後、個々のサンプルを96ウェルのポリプロピレンマイクロタイタープレートに125I-PYYを混合することによって調製し、ペプチドまたは血清添加結合バッファー(25μL)を競合させ、最後に膜懸濁液(200μL)を競合させた。サンプルを30℃で120分間インキュベートした。インキュベーションをWhatman GF/Cフィルター(1%ポリエチレンイミンでプレコーティングが施され、使用前に風乾する)におけるろ過によって終了させ、引き続いて5 mLの氷冷結合バッファーで洗浄した。フィルターにトラップされた膜をMeltiLex solid scintillant(Wallac, Turku, Finland)に浸透させ、Wallac Betaプレートリーダーで125I-PYYを計測した。あるいは、インキュベーションをGF/Cフィルタープレート(1%ポリエチレンイミンでプレコーティングが施され、使用前に風乾する)において行い、引き続いて、真空ろ過および300μLの氷冷結合バッファーでの3回の洗浄を行った。50μLのUltimaGold(Packard)scintillantを添加し、Wallac MicroBeta Triluxにおいて125I-PYYを計測した。非特異的結合を300 nMのヒトPYYによって定義した。経時変化および競合試験における特異的結合は典型的には80%であり;ほとんどの非特異的結合はフィルターに結合していた。結合データを非線形回帰およびGraphPAD Prismパッケージ(サンディエゴ、カリフォルニア州)において利用できる統計的手法を用いて解析した。
【0190】
上述されるように、本発明の化合物に関して結合アフィニティーを測定すると、75 nM以下であった。大部分の化合物に関しては、Ki値が10 nM以下であり、一部の化合物に関してはKi値が5 nM以下であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造:
【化1】

を有する化合物であって、
式中、R1がHまたはC1〜C6直鎖または分岐アルキルであり;
R2がC1〜C6 直鎖または分岐アルキルであり;
または、R1、R2およびこれらが連結する炭素が、C3〜C6シクロアルキルを形成し;
R3がHまたはメチルであり;
R4がメチルで置換されていてもよい2-ピリジル、3-ピリジルまたはピラジニルであり;
R5がHまたはメチルであり;
mが0〜2の整数であり;そして
nが0〜2の整数である、
前記の化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。
【請求項2】
R5がHである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R5がメチルである、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
R3がHであり;R4がメチルで置換されていてもよい2-ピリジルまたはピラジニルであり;mが0または1であり;そしてnが0または1であ、請求項2記載の化合物。
【請求項5】
R1がHまたはC1〜C4直鎖もしくは分岐アルキルであり;そしてR2がC1〜C4直鎖もしくは分岐アルキルである、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
R1がH、メチルまたはエチルであり;R2がメチルまたはエチルであり;そしてR4がメチルで置換されていてもよい2-ピリジルである、請求項5記載の化合物。
【請求項7】
R1がメチルでありR2がメチルである、請求項6記載の化合物。
【請求項8】
nが1である、請求項7記載の化合物。
【請求項9】
R1、R2およびこれらが連結する炭素がC3〜C6シクロアルキルを形成する、請求項4記載の化合物。
【請求項10】
R4が2-ピリジルである、請求項9記載の化合物。
【請求項11】
R1がHまたはC1〜C4直鎖もしくは分岐アルキルであり;R2がC1〜C4直鎖もしくは分岐アルキルであり;R3がHであり;R4がメチルで置換されている3-ピリジルまたはピラジニルであり;mが0または1であり;そしてnが0または1である、請求項3記載の化合物。
【請求項12】
R1がHまたはC1〜C4直鎖もしくは分岐アルキルであり;R2がC1〜C4直鎖もしくは分岐アルキルであり;R3がHであり;R4がメチルで置換されていてもよい2-ピリジルであり;mが0または1であり;そしてnが0または1である、請求項3記載の化合物。
【請求項13】
R1がメチルであり;R2がメチルであり;そしてnが0である、請求項12記載の化合物。
【請求項14】
R1がメチルであり;R2がメチルであり;そしてmが0である、請求項11記載の化合物。
【請求項15】
R4がメチルで置換されている3-ピリジルである、請求項14記載の化合物。
【請求項16】
前記化合物が[(メチルエチル)スルホニル](トランス-4-{[(4-(2-ピリジル)(1,3-チアゾール-2-イル))アミノ]メチル}シクロヘキシル)アミン;[(メチルエチル)スルホニル]({トランス-4-[(4-(2-ピリジル)(1,3-チアゾール-2-イル))アミノ] シクロヘキシル}メチル)アミン;[(メチルエチル)スルホニル](トランス-4-{[(4-(3-ピリジル)(1,3-チアゾール-2-イル))アミノ] メチル}シクロヘキシル)アミン;[(メチルエチル)スルホニル]({トランス-4-[(4-(3-ピリジル)(1,3-チアゾール-2-イル))アミノ] シクロヘキシル}メチル)アミン;[(メチルエチル)スルホニル][({トランス-4-{[4-(3-メチルピラジン-2-イル)(1,3-チアゾール-2-イル))]アミノ}シクロヘキシル)メチル]アミン;[(メチルエチル)スルホニル]({トランス-4-[(4-(2-ピリジル)(5-メチル-チアゾール-2-イル))アミノ] シクロヘキシル}メチル)アミン;[(メチルエチル)スルホニル](トランス-4-{[(4-(2-メチル-ピリジン-3-イル)(1,3-チアゾール-2-イル))アミノ]メチル} シクロヘキシル)アミン;[(メチルエチル)スルホニル](トランス-4-{[(4-(2-ピラジニル)(1,3-チアゾール-2-イル))アミノ]メチル} シクロヘキシル)アミン;[(メチルエチル)スルホニル]({トランス-4-[(4-(6-メチル-ピリジン-2-イル)(5-メチル-チアゾール-2-イル))アミノ] シクロヘキシル}メチル)アミン;[(メチルエチル)スルホニル]({トランス-4-[(4-(4-メチル-ピリジン-2-イル)(5-メチル-チアゾール-2-イル))アミノ] シクロヘキシル}メチル)アミン;[(メチルエチル)スルホニル]({トランス-4-[(4-(3-メチル-ピリジン-2-イル)(5-メチル-チアゾール-2-イル))アミノ]シクロヘキシル}メチル)アミン;(エチルスルホニル)({トランス-4-[(4-(2-ピリジル)(1,3-チアゾール-2-イル))アミノ] シクロヘキシル}メチル)アミン;(シクロプロピルスルホニル)({トランス-4-[(4-(2-ピリジル)(1,3-チアゾール-2-イル))アミノ] シクロヘキシル}メチル)アミン;(ブチルスルホニル)({トランス-4-[(4-(2-ピリジル)(1,3-チアゾール-2-イル))アミノ] シクロヘキシル}メチル)アミン;および(ブチルスルホニル)[({トランス-4-[4-(3-メチルピラジン-2-イル)(1,3-チアゾール-2-イル)]アミノ}シクロヘキシル)メチル]アミンからなる群から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項17】
治療的有効量の式Iの化合物および薬学的に許容されるキャリアーを含む医薬調合物。
【請求項18】
うつ病を患っている患者を治療するための医薬調合物の製造に請求項1で定義される化合物を使用する方法。
【請求項19】
不安を患っている患者を治療するための医薬調合物の製造に請求項1で定義される化合物を使用する方法。
【請求項20】
肥満を患っている患者を治療するための医薬調合物の製造に請求項1で定義される化合物を使用する方法。

【公表番号】特表2008−546787(P2008−546787A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−518334(P2008−518334)
【出願日】平成18年6月21日(2006.6.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/024043
【国際公開番号】WO2007/002126
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(591143065)ハー・ルンドベック・アクチエゼルスカベット (129)
【Fターム(参考)】