説明

アルミニウムペースト及びこれを利用した太陽電池

【課題】本発明は酸化アンチモン(antimony oxide)を添加してボーイング(bowing)の減少、ビードの発生の抑制及び光電変換効率を向上させることができるアルミニウムペースト及びこれを利用した太陽電池を提供するものである。
【解決手段】本発明は、アルミニウム粉末、有機ビヒクル及び酸化アンチモンを含むと共に、前記酸化アンチモンが全体ペースト中0.001質量%以上1.0質量%未満含まれているアルミニウムペースト及びこれを利用した太陽電池に関するものであり、本発明のアルミニウムペーストを利用した太陽電池は、ボーイング現象が減少しビードが発生しなく、光電変換効率に優れた特性を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウムペースト及びこれを利用した太陽電池に関するものである。より具体的には、本発明は酸化アンチモン(antimony oxide)を添加してボーイング(bowing)の減少、ビードの発生の抑制及び光電変換効率を向上させることができるアルミニウムペースト及びこれを利用した太陽電池に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、石油や石炭のような化石燃料の枯渇が予測されていることに伴い、新たな代替エネルギー源として太陽光を活用する太陽電池が注目されている。
【0003】
一般的に、太陽電池は太陽光エネルギーを直接電気に変換する半導体素子を利用する。前記半導体素子は、主にシリコン素材を利用して製作される。このような太陽電池は、図1に示すように、基本的にp−n接合構造を成すシリコンウエハ10と、前記シリコンウエハ10の上面に形成され光が太陽電池の内部によく吸収されるように機能する反射防止膜20と、前記シリコンウエハ10の上面及び下面にそれぞれ印刷積層されシリコンウエハ10の内部で作られた電気を外部に引き出す前面電極30及び後面電極40からなる。
【0004】
前面電極30としては銀(Ag)ペーストが主に用いられ、後面電極40としては光電変換効率の向上のためにアルミニウム(Al)ペーストが主に用いられる。
【0005】
また、前記反射防止膜20をシリコンウエハ10に形成させる代わりに、表面を粗く処理し入射される太陽光の反射率が減少するように構成することもできる。
【0006】
このような構成を有する太陽電池は、太陽光が入射してシリコンウエハの内部に吸収されると、この吸収された光によってシリコンウエハ内部に電子(−)と正孔(+)が生成される。生成された電子(−)と正孔(+)は、シリコンウエハ内のp−領域とn−領域のp−n接合で作られた電位差によって分離されるため、電子はn−領域側に移動し正孔はp−領域側に移動するようになる。このように移動した電子(−)と正孔(+)は、前面電極及び後面電極に収集されて後面電極が陽極になり、前面電極が負極になって電気を供給できるようになる。
【0007】
太陽電池に用いられる後面電極は、一般的に、シリコンウエハ上に後面電極材料のアルミニウムペーストを印刷してから焼成しモジュール化する工程によって形成される。ところが、従来は太陽電池の製造のための焼成(sintering)処理時にウエハと後面電極間の熱膨脹係数の違いによって発生するストレスにより、焼成工程後にウエハが反ったり歪むボーイング(bowing)現象が発生したり光電変換効率が低下するという問題点があった。
【0008】
また、太陽電池の製造コストを節減するためには、シリコンウエハの厚みを薄くしなければならないが、シリコンウエハの厚みが薄くなるほどこのようなボーイング現象がより増加する。これが製品の不良発生、及びそれによる太陽電池製造時のコストの上昇を招く要因になっている。
【0009】
このような問題点を解決するために、特許文献1には無定形二酸化珪素を添加した厚膜伝導体組成物に関して開示しており、特許文献2には有機スズ化合物(tin−organic component)を含むアルミニウムペーストについて開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国登録特許第798258号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2009/0255583号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1、2に記載されたような添加剤によるボーイング現象の減少は微々であり、より画期的にボーイング現象を減少させることができるアルミニウムペーストが必要である。
【0012】
そこで、本発明の目的は、上記した既存の添加剤によるボーイング現象の減少の度合いに比べて、ボーイング現象を大幅に減少させることができるアルミニウムペーストおよびこれを利用した太陽電池を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の目的(観点)の一つは、アルミニウムペーストに関するものである。かかる目的を達成するために、前記アルミニウムペーストは、アルミニウム粉末;有機ビヒクル;及び酸化アンチモンを含み、前記酸化アンチモンは全体ペーストに対して0.001質量%以上1.0質量%未満含まれることを特徴とする。
【0014】
前記酸化アンチモンは、Sb、Sb及びSbのいずれか一つ以上を選択できる。
【0015】
前記酸化アンチモンの平均粒径は、0.01〜10μmであり得る。
【0016】
前記酸化アンチモンは、球形粉末であり得る。
【0017】
前記アルミニウム粉末は、全体ペーストに対して60質量%〜80質量%含まれ得る。
【0018】
前記アルミニウム粉末は、平均粒径が0.1〜10μmであり得る。
【0019】
前記有機ビヒクルは、全体ペーストに対して0.1〜40質量%含まれ得る。
【0020】
前記有機ビヒクルは、アクリレート系又はセルロース系バインダー樹脂を含み得る。
【0021】
前記有機ビヒクルは、ヘキサン、トルエン、エチルセロソルブ、シクロヘキサノン、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)、ジブチルカルビトール(ジエチレングリコールジブチルエーテル)、ブチルカルビトールアセテート(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート)、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ヘキシレングリコール、テルピネオール(Terpineol)、メチルエチルケトン、ベンジルアルコール、ガンマブチロラクトン及びエチルラクテートのいずれか一つ以上選択された溶媒を含み得る。
【0022】
前記アルミニウムペーストは、ガラスフリットを更に含み得る。
【0023】
前記ガラスフリットは、全体ペーストに対して0.01〜20質量%含まれ得る。
【0024】
前記ガラスフリットは、酸化亜鉛−酸化ケイ素系(ZnO−SiO)、酸化亜鉛−酸化ホウ素−酸化ケイ素系(ZnO−B−SiO)、酸化亜鉛−酸化ホウ素−酸化ケイ素−酸化アルミニウム系(ZnO−B−SiO−Al)、酸化ビスマス−酸化ケイ素系(Bi‐SiO)、酸化ビスマス−酸化ホウ素−酸化ケイ素系(Bi−B−SiO)、酸化ビスマス−酸化ホウ素−酸化ケイ素−酸化アルミニウム系(Bi−B−SiO−Al)、酸化ビスマス−酸化亜鉛−酸化ホウ素−酸化ケイ素系(Bi−ZnO−B−SiO)及び酸化ビスマス−酸化亜鉛−酸化ホウ素−酸化ケイ素−酸化アルミニウム系(Bi−ZnO−B−SiO−Al)のいずれか一つ以上を選択できる。
【0025】
前記アルミニウムペーストは、分散剤を更に含み得る。
【0026】
前記分散剤は、陰イオン(アニオン)系分散剤として、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン(myristin)酸、オレイン酸及びラウリン酸のいずれか一つ以上を選択できる。また陰イオン系分散剤として、上記ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、ラウリン酸等の脂肪酸のいずれか一つ以上を用いた脂肪酸塩(例えば、ステアリン酸ナトリウム塩やオレイン酸カリウム塩等)などが使用できる。
【0027】
本発明の別の目的(観点)は、太陽電池に関するものである。かかる目的を達成するために、前記太陽電池は、アルミニウム粉末;有機ビヒクル;及び全体ペーストに対して0.001質量%以上1.0質量%未満の酸化アンチモンを含むアルミニウムペーストで製造された後面電極を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、アルミニウム粉末、有機ビヒクル、及び全体ペースト中0.001質量%以上1.0質量%未満の酸化アンチモンを含むアルミニウムペーストに関するものであり、該アルミニウムペーストを利用した太陽電池は、ボーイング現象が減少しビードが発生しなく、光電変換効率に優れた特性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】従来技術による太陽電池の断面図である。
【図2】本発明の一実施形態(一実施例)にかかるアルミニウムペーストを後面電極として使用した太陽電池の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は、酸化アンチモンを含むアルミニウムペースト及びこれを利用した太陽電池に関するものである。アルミニウム粉末と酸化アンチモンと有機ビヒクル以外に、ガラスフリット(frit)、分散剤等を含むことができる。
【0031】
(1)アルミニウム粉末
前記アルミニウム粉末は、ナノサイズ又はマイクロサイズの粒径を有する粉末であり得る。例えば、数十ナノメーターから数百ナノメーターサイズのアルミニウム粉末、数マイクロメーターから数十マイクロメーターサイズのアルミニウム粉末であり得、2以上の相違する大きさを有するアルミニウム粉末を混合して使用することもできる。
【0032】
前記アルミニウム粉末は、ペースト全体に対して40質量%〜90質量%、好ましくは60質量%〜80質量%を含み得るが、本発明がこれに制限されるのではない。前記範囲内で電極の固有抵抗を低くしつつ、印刷性及び物理的な接着強度を向上させることができる。
【0033】
前記アルミニウム粉末は球形の粉末であり得る。しかし、必ずしも球形粉末である必要はなく、フレーク状、不定形状等の多様な形態の粉末が可能である。アルミニウム粉末が球形の粉末であれば、比表面積が広いので焼成温度を下げることができるなどの点で有利である。ここで、アルミニウム粉末が「球形」であるとは、SEM写真等から判断した際に、縦横比が1.0乃至1.5であれば、球形であると見做すことができる。
【0034】
前記アルミニウム粉末の平均粒径は、0.01〜20μm、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは1〜5μmのものを使用できるが、本発明がこれに制限されるものではない。アルミニウム粉末の平均粒径が0.01μm以上である場合には、粉末の比表面積が大きすぎてペーストの粘度を高めることなく焼成温度を下げることができる。特にアルミニウム粉末の平均粒径が0.1μm以上、なかでも1μm以上の場合に、上記効果がより顕著となる点で優れている。アルミニウム粉末の平均粒径が20μm以下である場合、スクリーンプリンティングの際にマスクの目詰り現象を招くことなく良好に行い得る点で優れており、特にアルミニウム粉末の平均粒径が10μm以下、なかでも5μm以下の場合に、より良好となる点で優れている。言い換えれば、アルミニウム粉末の平均粒径が0.01μm未満である場合、粉末の比表面積が大きすぎてペーストの粘度を高めるという短所があり、アルミニウム粉末の平均粒径が20μmを超える場合、スクリーンプリンティングの際にマスクの目詰り現象を招き得るおそれがある。
【0035】
前記アルミニウム粉末の粒径は、CILAS社の1064LDモデルを使用して測定した。粒径測定用溶媒(ソルベント)には、イソプロピルアルコール(IPA;isopropyl alcohol)を使用し、測定前にアルミニウム粉末を超音波により常温で3分間分散した後測定した。以下、酸化アンチモン粉末、ガラスフリット等の粒径測定方法も同様である。
【0036】
前記アルミニウム粉末は、他の金属成分を含むことができる。例えば、金、銀、銅等の成分を含むことができる。また別の例えとしては、アルミニウム粉末はアルミニウムを含む合金粉末であり得る。
【0037】
前記アルミニウム粉末は、大気又は不活性状態で噴霧されたアルミニウムを含むことができる。また、電気爆発法(Pulsed wire evaporation method)によって製造されたアルミニウム粉末を含むことができる。
【0038】
(2)酸化アンチモン(antimony oxide)
前記酸化アンチモンがペースト内に適切な含量で添加されると、ボーイング現象を効果的に除去できる。前記酸化アンチモンは、ペースト全体に対して0.001質量%以上1.0質量%未満含まれ得る。前記範囲でボーイング現象を画期的に防止でき、Hot water testでの気泡の発生を抑制できる。
【0039】
前記酸化アンチモンは、三酸化二アンチモン(Sb)、四酸化二アンチモン(Sb)及び五酸化二アンチモン(Sb)のいずれか一つ以上選択された酸化物であり得る。三酸化二アンチモンは、アンチモン又は硫化アンチモンを空気中で燃やして昇華させたり、アンチモンを硫酸又は硝酸に溶かして薄いアルカリ中で加熱、加水分解して製造できる。四酸化二アンチモンは、三酸化アンチモン又は五酸化二アンチモンを空気中で加熱して生成でき、天然ではセルバンタイトとして産出される。五酸化二アンチモンは、アンチモン又は他の酸化アンチモンを酸化させて生成できる。
【0040】
前記酸化アンチモンは、球形の粉末が好ましいが、必ずしも球形の粉末である必要はなく、多様な形態の粉末が可能である。前記酸化アンチモンが球形の粉末であれば、比表面積が広いので焼成温度を低くすることができ、ボーイングを効果的に抑制することができるなどの点で有利である。ここで、酸化アンチモンが「球形の粉末」であるとは、SEM写真等から判断した際に、縦横比が1.0乃至1.5であれば、球形であると見做すことができる。
【0041】
また、前記酸化アンチモンの平均粒径は、0.01〜10μmが好ましい。より好ましくは、前記酸化アンチモンは、平均粒径が0.01〜5μm、特に好ましくは0.1〜5μmである。更に好ましくは平均粒径が前記範囲で尚且つ球形の粉末であり得る。前記酸化アンチモンの平均粒径は、前記範囲でペーストの印刷性及び工程性が良く、粘度調節が容易であるという長所がある。
【0042】
(3)有機ビヒクル
有機ビヒクルは、本発明のアルミニウムペーストの無機成分と機械的混合を通じてペーストを印刷に適した粘度及び流動(rheologocal;流体力学的)特性を付与する。
【0043】
前記有機ビヒクルは、通常、太陽電池の電極ペーストに用いられる有機ビヒクルを使用できるが、通常、バインダー樹脂と溶媒等を含み、その他にチキソトロピック剤(thixotropic agent)等を含むことができる。
【0044】
前記バインダー樹脂としては、アクリレート系又はセルロース系樹脂等を使用でき、エチルセルロースが一般的に用いられる樹脂である。しかし、エチルヒドロキシエチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロースとフェノール樹脂の混合物、アルキド樹脂、フェノール系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、キシレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリエステル系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、木材ロジン(rosin)及びポリメタクリレートから選択されたいずれか一つ以上を含むこともできる。
【0045】
前記溶媒としては、例えば、ヘキサン、トルエン、エチルセロソルブ、シクロヘキサノン、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)、ジブチルカルビトール(ジエチレングリコールジブチルエーテル)、ブチルカルビトールアセテート(BCA;ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート)、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ヘキシレングリコール、テルピネオール(Terpineol)、メチルエチルケトン、ベンジルアルコール、ガンマブチロラクトン及びエチルラクテートから選択されたいずれか一つ以上が使用できる。
【0046】
前記有機ビヒクルの配合量は、ペースト全体に対して0.1〜40質量%、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは5〜30質量%であり得る。前記範囲内でペーストが十分な接着強度を確保でき、ペーストの印刷性が良好になり得る。
【0047】
(4)ガラスフリット(glass frit)
ガラスフリットは、有鉛ガラスフリット又は無鉛ガラスフリットのいずれか一つ以上を含むことができる。このうち、無鉛ガラスフリットとしては、例えば、酸化亜鉛−酸化ケイ素系(ZnO−SiO)、酸化亜鉛−酸化ホウ素−酸化ケイ素系(ZnO−B−SiO)、酸化亜鉛−酸化ホウ素−酸化ケイ素−酸化アルミニウム系(ZnO−B−SiO−Al)、酸化ビスマス−酸化ケイ素系(Bi−SiO)、酸化ビスマス−酸化ホウ素−酸化ケイ素系(Bi−B−SiO)、酸化ビスマス−酸化ホウ素−酸化ケイ素−酸化アルミニウム系(Bi−B−SiO−Al)、酸化ビスマス−酸化亜鉛−酸化ホウ素−酸化ケイ素系(Bi−ZnO−B−SiO)及び酸化ビスマス−酸化亜鉛−酸化ホウ素−酸化ケイ素−酸化アルミニウム系(Bi−ZnO−B−SiO−Al)から選択されたいずれか一つ以上のガラスフリットを含むことができる。また、有鉛ガラスフリットとしては、例えば、PbOにP、ZnO、BaO、Al、SiO、V、MnO、CuO、Nb、Bi、B、LiO、CaO、NaOのうちの何れか一つ以上が添加されたガラスフリットであり得るなど、上記した無鉛ガラスフリットに更に酸化鉛(PbO)成分が加えられたガラスフリットを例示できるものである。
【0048】
前記ガラスフリットの形状は球形でも不定形でも構わない。ここで、ガラスフリットの形状が「球形」であるとは、SEM写真等から判断した際に、縦横比が1.0乃至1.5であれば、球形であると見做すことができる。前記ガラスフリットは平均粒径が0.1〜10μmであるものを使用できるが、これに制限があるものではない。前記ガラスフリットの平均粒径が0.1μm以上である場合、ペーストの粘度を高めることなく、ガラスフリットの製造コストの低減を図ることができる。ガラスフリットの平均粒径が10μm以下である場合、ペースト製造の際にフィルターの詰り現象を招くことなく、ペーストの製造時間及び製造コストの低減を図ることができる点で優れている。言い換えれば、ガラスフリットの平均粒径が0.1μm未満である場合、ガラスフリットの製造コストが増加し、ペーストの粘度を高めるという短所があり得、ガラスフリットの平均粒径が10μmを超過する場合、ペースト製造の際にフィルターの詰り現象を招き、ペーストの製造時間及び製造コストが増加するという短所があり得るおそれがある。また、前記ガラスフリットは、ペースト全体に対して0.01〜20質量%、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%含まれ得る。前記範囲内で膜強度に優れ、電気伝導度の低下を防止することができるという長所がある。また、前記ガラスフリットは、任意成分であり、アルミニウムペーストに含まれない場合もある。
【0049】
前記ガラスフリットは、常用の製品を購入して使用したり、目的とする組成を得るために、例えば、二酸化珪素(SiO)、アルミニウム酸化物(Al)、ホウ素酸化物(B)、ビスマス酸化物(Bi)、ナトリウム酸化物(NaO)、酸化亜鉛(ZnO)、カドミウム酸化物(CdO)、バリウム酸化物(BaO)、リチウム酸化物(LiO)、鉛酸化物(PbO)、カルシウム酸化物(CaO)等を選択的に溶融し製造することもできる。つまり、前記酸化物を溶融した組成物を水に注いでガラスフリットを形成できる。
【0050】
(5)分散剤
本発明のペーストは、分散剤を更に含むことができる。前記分散剤としては、陰イオン(アニオン)系分散剤として、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン(myristin)酸、オレイン酸、ラウリン酸等が使用できるが、本発明がこれに制限されるのではない。また陰イオン系分散剤として、上記ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、ラウリン酸等の脂肪酸のいずれか一つ以上を用いた脂肪酸塩(例えば、ステアリン酸ナトリウム塩やオレイン酸カリウム塩等)などが使用できる。これらは、単独又は2種以上を混合して使用できる。これら分散剤は、ペースト全体に対して0.01〜5質量%、好ましくは0.1〜5質量%含まれ得る。前記範囲で優れた分散性と共に焼成によって発生する電極の固有抵抗の上昇を防止できる。
【0051】
(6)その他の添加剤
安定剤、酸化防止剤、シランカップリング剤、粘稠調節剤等の各種添加剤を本発明の効果を阻害(妨害)しない範囲内で適量配合できる。
【0052】
図2は、本発明の一実施形態(一実施例)に係るアルミニウムペーストを後面電極として使用した太陽電池の断面図である。本発明の一実施形態(一実施例)に係る太陽電池は、単結晶シリコン又は多結晶シリコンウエハを使用でき、薄膜シリコンもまた使用できる。
【0053】
単結晶シリコンウエハは引上げ法等によって形成され、多結晶シリコンウエハは鋳造法等によって形成できる。引上げ法や鋳造法によって形成されたシリコンインゴットを所定の厚み(例えば、100μm)にスライスした後、NaOH、KOH、弗酸等でその表面をエッチングして清浄化する。
【0054】
p−タイプシリコンウエハを使用する場合、n層102はリンのような5価元素を拡散させて形成でき、拡散層の深さは拡散温度及び時間等を調節して多様にできる。例えば、Pを塗布して熱拡散させる熱拡散法、ガス状態でPOClを拡散源とした気相熱拡散法、Pイオンを直接注入する方法等によって形成できる。
【0055】
n層102の上部には反射防止膜106が形成できる。反射防止膜106は入射光に対する太陽電池表面の反射率を減少させて光吸収量を増加させ、これによって電流の発生を増加させる役割をし得る。
【0056】
反射防止膜106としては、SiNx、TiO、SiO、MgO、ITO、SnO及びZnOのいずれか一つ以上を含む単層膜又は多層膜であり得る。前記反射防止膜106は、スパッタリング(sputtering)、化学気相蒸着(CVD:Chemical Vapor Deposition)等の薄膜蒸着工程によって形成できる。例えば、熱CVDによってSiNx膜をコーティングする場合、出発物質としてジクロロシラン(SiCl)及びアンモニア(NH)ガスを使用でき、通常、700℃以上で膜が形成される。
【0057】
反射防止膜106の上部には前面電極108が形成される。前記前面電極108は、銀(Ag)ペーストをスクリーンプリンティング等によって塗布して形成でき、銀ペースト塗布後、焼成する間に反射防止膜を貫通してn層102と接続し得る。
【0058】
太陽電池の後面、即ちp層104の下部には、本発明の一実施形態(一実施例)に係るアルミニウムペーストを使用した後面電極110が形成される。後面電極として使用されるアルミニウムペーストは、先ず樹脂溶液(有機ビヒクル)を製造し、アルミニウム粉末と酸化アンモニウム、更に必要に応じて、ガラスフリットや分散剤やその他の添加剤をプレミキシング(premixing)した後、分散(milling)して製造できる。
【0059】
このように製造されたアルミニウムペーストをp層104の下部に塗布(プリンティング)し、乾燥及び焼成段階を経て後面電極を完成する。
【0060】
後面電極を焼成する段階でBSF(Back Surface Field)層が形成でき、後面電極の形成前に別途のBSF層形成工程を経ることもできる。BSF層とは、シリコンウエハの後面側に一導電型半導体不純物が高濃度で拡散した領域を言い、キャリアの再結合による光電変換効率の低下を防ぐ役割をする。例えば、BBrを拡散源とした熱拡散法を利用して800〜1000℃程度でBSF層を別途形成できる。
【0061】
また、アルミニウム電極は、はんだ付けができないため電気接続のためにブスバー電極112が形成され得る。ブスバー電極112は、銀粉末、有機ビヒクル及びガラスフリット等を含む銀ペーストを塗布し、焼成して形成したり、或いは銀粉末、アルミニウム粉末、有機ビヒクル及びガラスフリット等を含む銀−アルミニウムペーストを塗布し、焼成して形成することもできる。
【実施例】
【0062】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、この実施例は単に説明の目的のためのものであり、本発明を制限するものと解釈してはならない。
【0063】
下記[表1]及び[表2]で、アルミニウム粉末1はGoldsky社の平均粒径が3μmの球形のアルミニウム粉末、アルミニウム粉末2はJinmao社の平均粒径が4μmの球形のアルミニウム粉末を使用し、各組成の比率はペースト全体に対する質量%である。
【0064】
【表1】

【0065】
【表2】

【0066】
(実施例1)
バインダー樹脂としてエチルセルロース(Dow chemical company、STD20(商品名))を、溶媒であるテルピネオール(Fujian QingLiu Minshan Chemical Co.,Ltd.)及びBCA(ブチルカルビトールアセテート;Samchun純薬工業(株))に十分に溶解させて製造(各成分の重量比 エチルセルロース:テルピネオール:BCA=1:4.5:4.5)した有機ビヒクル24質量%に、分散剤として陰イオン系分散剤(BYK−chemie社、BYK111(商品名))0.5質量%、ガラスフリットとして、平均粒径が0.9μmの球形の有鉛ガラスフリット((株)パーティクロジー、CI−05(商品名))1.0質量%、平均粒径が2.53μmの球形の酸化アンチモン(Sb、Samchun純薬工業(株)、Antimony(III)oxide、理論密度98.0%)0.5質量%、Goldsky社の平均粒径3μmのAl粉末74質量%を混合した後、分散機(Dispermat)を利用して3,000rpmの速度で3時間分散してペーストを製造した。
【0067】
(実施例2)
前記実施例1で使用した有機ビヒクル24.25質量%に、分散剤(BYK−chemie社、BYK111(商品名))0.5質量%、ガラスフリットとして、平均粒径が1.2μmの球形の無鉛ガラスフリット((株)パーティクロジー、BF−403D2(商品名))1.0質量%、酸化アンチモン(Sb、Samchun純薬工業(株)、Antimony(III)oxide、理論密度98.0%)0.25質量%、Jinmao社の平均粒径4μmのAl粉末74質量%を混合して前記実施例1と同様な方法でペーストを製造した。
【0068】
(実施例3)
前記実施例1で使用した有機ビヒクル23.75質量%に、分散剤(BYK−chemie社、BYK111(商品名))0.5質量%、無鉛ガラスフリット((株)パーティクロジー、BF−403D2(商品名))1.0質量%、酸化アンチモン(Sb、Samchun純薬工業(株)、Antimony(III)oxide、理論密度98.0%)0.75質量%、Jinmao社の平均粒径4μmのAl粉末74質量%を混合して前記実施例1と同様な方法でペーストを製造した。
【0069】
(実施例4)
前記実施例1で使用した有機ビヒクル23質量%に、分散剤(BYK−chemie社、BYK111(商品名))0.5質量%、有鉛ガラスフリット((株)パーティクロジー、CI−05(商品名))2質量%、酸化アンチモン(Sb、Samchun純薬工業(株)、Antimony(III)oxide、理論密度98.0%)0.5質量%、Goldsky社の平均粒径3μmのAl粉末74質量%を混合して前記実施例1と同様な方法でペーストを製造した。
【0070】
(実施例5)
前記実施例1で使用した有機ビヒクル23質量%に、分散剤(BYK−chemie社、BYK111(商品名))0.5質量%、無鉛ガラスフリット((株)パーティクロジー、BF−403D2(商品名))2質量%、酸化アンチモン(Sb、Samchun純薬工業(株)、Antimony(III)oxide、理論密度98.0%)0.5質量%、Jinmao社の平均粒径4μmのAl粉末74質量%を混合して前記実施例1と同様な方法でペーストを製造した。
【0071】
(比較例1)
前記実施例1で酸化アンチモン(Sb、Samchun純薬工業(株)、Antimony(III)oxide、理論密度98.0%)を使用せず、前記実施例1で使用した有機ビヒクル24.5質量%を使用したことを除いては、前記実施例1と同様な方法でペーストを製造した。
【0072】
(比較例2)
前記実施例1で酸化アンチモン(Sb、Samchun純薬工業(株)、Antimony(III)oxide、理論密度98.0%)を使用せず、前記実施例1で使用した有鉛ガラスフリット((株)パーティクロジー、CI−05(商品名))1.5質量%を使用したことを除いては、前記実施例1と同様な方法でペーストを製造した。
【0073】
(比較例3)
前記実施例2で酸化アンチモン(Sb、Samchun純薬工業(株)、Antimony(III)oxide、理論密度98.0%)を使用せず、前記実施例1で使用した有機ビヒクル24.5質量%を使用したことを除いては、前記実施例2と同様な方法でペーストを製造した。
【0074】
(比較例4)
前記実施例2で酸化アンチモン(Sb、Samchun純薬工業(株)、Antimony(III)oxide、理論密度98.0%)を使用せず、前記実施例2で使用した無鉛ガラスフリット((株)パーティクロジー、BF−403D2(商品名))1.5質量%を使用したことを除いては、前記実施例2と同様な方法でペーストを製造した。
【0075】
(比較例5)
前記実施例4で酸化アンチモン(Sb、Samchun純薬工業(株)、Antimony(III)oxide、理論密度98.0%)を使用せず、前記実施例1で使用した有機ビヒクル23.5質量%を使用したことを除いては、前記実施例1と同様な方法でペーストを製造した。
【0076】
(比較例6)
前記実施例5で酸化アンチモン(Sb、Samchun純薬工業(株)、Antimony(III)oxide、理論密度98.0%)を使用せず、前記実施例1で使用した有機ビヒクル23.5質量%を使用したことを除いては、前記実施例1と同様な方法でペーストを製造した。
【0077】
(比較例7)
前記実施例1で使用した有機ビヒクル22.5質量%に、分散剤(BYK−chemie社、BYK111(商品名))0.5質量%、有鉛ガラスフリット((株)パーティクロジー、CI−05(商品名))2.0質量%、酸化アンチモン(Sb、Samchun純薬工業(株)、Antimony(III)oxide、理論密度98.0%)1.0質量%、Goldsky社の平均粒径3μmのAl粉末74質量%を混合して前記実施例1と同様な方法でペーストを製造した。
【0078】
(比較例8)
前記実施例1で使用した有機ビヒクル22.0質量%に、分散剤(BYK−chemie社、BYK111(商品名))0.5質量%、有鉛ガラスフリット((株)パーティクロジー、CI−05(商品名))2.0質量%、酸化アンチモン(Sb、Samchun純薬工業(株)、Antimony(III)oxide、理論密度98.0%)1.5質量%、Goldsky社の平均粒径3μmのAl粉末74質量%を混合して前記実施例1と同様な方法でペーストを製造した。
【0079】
(太陽電池(のセル)の作製)
実施例1〜5及び比較例1〜8で得られたアルミニウムペーストを後面電極として使用して図2に示す太陽電池(のセル)を作製した。
【0080】
まず、p−タイプシリコンウエハを使用し、n層102は5価元素のリンを拡散させて形成した。詳しくは、ガス状態でPOClを拡散源とした気相熱拡散法によってn層102を形成した。
【0081】
n層102の上部には反射防止膜106を形成した。反射防止膜106としては、SiNx単層膜を用いた。前記反射防止膜106は、PECVDを用いた薄膜蒸着工程によって形成した。詳しくは、出発物質としてシラン(SiH)及びアンモニア(NH)ガスを使用し、PECVDによって500℃で1Torrの圧力で蒸着してコーティング厚さ80nmの膜を形成した。
【0082】
反射防止膜106の上部には厚さ20μm、電極幅100μmの前面電極108を形成した。前記前面電極108は、銀(Ag)ペースト(第一毛織社、PA−SF8100(商品名))をスクリーンプリンティングによって塗布し、300℃で乾燥させた。その後、電気接続のために厚さ12μmの後面ブスバー電極112を形成した。後面ブスバー電極112は、銀ペースト(第一毛織社、PA−SB7100F(商品名))を塗布し、300℃で乾燥して形成した。
【0083】
太陽電池の後面、即ちp層104の下部には、実施例1〜5ないし比較例1〜8で得られたアルミニウムペーストを使用した後面電極110をそれぞれ形成した。詳しくは、実施例1〜5ないし比較例1〜8で得られたアルミニウムペーストをp層104の下部に塗布(プリンティング)し、300℃で乾燥後、前面電極108と後面ブスバー電極112とを同時に、ベルト速度220ipm、帯域温度が帯域1=500℃、帯域2=550℃、帯域3=650℃、帯域4=730℃、帯域5=820℃、帯域6=910℃に設定されたBTU社の焼成炉(PV609)(商品名))を利用して焼成することで、厚さ50μmの後面電極110を完成した。
【0084】
以上により、図2に示す太陽電池(のセル)を得た。
【0085】
(特性評価)
(1)ボーイング(bowing):焼成された太陽電池を平らな床に置き、太陽電池の水平面上の中心(すなわち太陽電池の床に水平な中心ライン(水平ライン))から太陽電池の最も高い部分までの高さ(厚さ)方向の距離をボーイングと定義した。
【0086】
(2)ビード(bead):焼成された太陽電池の裏面を肉眼で観察してビード発生の有無を確認した。
【0087】
(3)光電変換効率:前面電極として銀(Ag)ペースト(第一毛織社、Ag Paste、PA−SF8100(商品名))を使用し、ベルト速度220ipm(インチ毎分)、帯域温度が帯域1=500℃、帯域2=550℃、帯域3=650℃、帯域4=730℃、帯域5=820℃、帯域6=910℃に設定されたBTU社の焼成炉(PV609)(商品名))を利用して製造された太陽電池を、PASAN社のセルテスター(Cell tester)を利用して測定した。
【0088】
(4)Hot water test:焼成前の太陽電池セルを70℃のHot waterに沈めてアルミニウムペーストに気泡が発生するかを観察し、気泡が発生した場合は×、気泡が発生しなかった場合は○を表示した。Hot water testでの気泡の発生は、電極が空気中の水分との反応性が高かったり、その他の安定性が低い可能性があることを意味し、これは太陽電池モジュールの信頼性を低下させ得るものである。
【0089】
前述の実施例及び比較例に従い製造されたペーストを後面電極として使用した太陽電池のボーイング、ビード、変換効率及びHot water testの結果を下記[表3]に示した。
【0090】
【表3】

【0091】
[表3]の通り、酸化アンチモンがペースト全体に対してそれぞれ0.25質量%、0.5質量%及び0.75質量%含まれているアルミニウムペーストを後面電極として使用した太陽電池のボーイングは1.5mm以下であり、酸化アンチモンを含まないアルミニウムペーストを使用した太陽電池のボーイング(4〜6.5mm)に比べてボーイングが大きく減少し、ビードの発生がなく、またHot water testでも気泡の発生が観察されず製造不良を画期的に減少させ得ることが確認できる。
【0092】
また、酸化アンチモンがペースト全体に対してそれぞれ0.25質量%、0.5質量%及び0.75質量%含まれているアルミニウムペーストを後面電極として使用した太陽電池の光電変換効率が、酸化アンチモンを含まない場合に比べてより優れることが確認できる。特に、酸化アンチモンを用いない比較例のアルミニウムペーストのうち、有機ビヒクルないしガラスフリットの一部を、実施例で用いた酸化アンチモンの質量分として用いた以外は同じ成分組成比となる比較例と実施例との間で対比した場合に、上記した光電変換効率の向上効果を確認することができる。
【0093】
一方、酸化アンチモンがペースト全体に対してそれぞれ1.0質量%、1.5質量%含まれているアルミニウムペーストを後面電極として使用した太陽電池は、ボーイング特性に優れ、ビードの発生がなく、且つ変換効率も優れる方だが、Hot water testの結果、電極の安定性が低いため太陽電池モジュールの信頼性を低下させ得ることが確認できる。
【0094】
本発明の単純な変形あるいは変更は、本分野の通常の知識を有する者によって容易に実施でき、このような変形や変更は共に本発明の領域に含まれると見なせる。
【符号の説明】
【0095】
10 p−n接合構造を成すシリコンウエハ、
20 反射防止膜、
30 前面電極、
40 後面電極、
102 p−タイプシリコンウエハに形成されたn層、
104 p−タイプシリコンウエハのp層、
106 反射防止膜、
108 前面電極、
110 後面電極、
112 ブスバー電極。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム粉末;
有機ビヒクル;及び
酸化アンチモンを含み、前記酸化アンチモンは全体ペーストに対して0.001質量%以上1.0質量%未満含まれるアルミニウムペースト。
【請求項2】
前記酸化アンチモンは、Sb、Sb及びSbのいずれか一つ以上選択された酸化物である請求項1に記載のアルミニウムペースト。
【請求項3】
前記酸化アンチモンの平均粒径は、0.01〜10μmである請求項1または2に記載のアルミニウムペースト。
【請求項4】
前記酸化アンチモンは、球形粉末である請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウムペースト。
【請求項5】
前記アルミニウム粉末は、全体ペーストに対して60質量%〜80質量%含まれる請求項1〜4のいずれかに記載のアルミニウムペースト。
【請求項6】
前記アルミニウム粉末は、平均粒径が0.1〜10μmである請求項1〜5のいずれかに記載のアルミニウムペースト。
【請求項7】
前記有機ビヒクルは、全体ペーストに対して0.1〜40質量%含まれる請求項1〜6のいずれかに記載のアルミニウムペースト。
【請求項8】
前記有機ビヒクルは、アクリレート系又はセルロース系バインダー樹脂を含む請求項1〜7のいずれかに記載のアルミニウムペースト。
【請求項9】
前記有機ビヒクルは、ヘキサン、トルエン、エチルセロソルブ、シクロヘキサノン、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)、ジブチルカルビトール(ジエチレングリコールジブチルエーテル)、ブチルカルビトールアセテート(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート)、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ヘキシレングリコール、テルピネオール、メチルエチルケトン、ベンジルアルコール、ガンマブチロラクトン及びエチルラクテートから選択されたいずれか一つ以上の溶媒を含む請求項1〜8のいずれかに記載のアルミニウムペースト。
【請求項10】
前記アルミニウムペーストは、ガラスフリットをさらに含む請求項1〜9のいずれかに記載のアルミニウムペースト。
【請求項11】
前記ガラスフリットは、全体ペーストに対して0.01〜20質量%含まれる請求項10に記載のアルミニウムペースト。
【請求項12】
前記ガラスフリットは、酸化亜鉛−酸化ケイ素系(ZnO−SiO)、酸化亜鉛−酸化ホウ素−酸化ケイ素系(ZnO−B−SiO)、酸化亜鉛−酸化ホウ素−酸化ケイ素−酸化アルミニウム系(ZnO−B−SiO−Al)、酸化ビスマス−酸化ケイ素系(Bi−SiO)、酸化ビスマス−酸化ホウ素−酸化ケイ素系(Bi−B−SiO)、酸化ビスマス−酸化ホウ素−酸化ケイ素−酸化アルミニウム系(Bi−B−SiO−Al)、酸化ビスマス−酸化亜鉛−酸化ホウ素−酸化ケイ素系(Bi−ZnO−B−SiO)及び酸化ビスマス−酸化亜鉛−酸化ホウ素−酸化ケイ素−酸化アルミニウム系(Bi−ZnO−B−SiO−Al)からいずれか一つ以上選択されたガラスフリットである請求項10または11に記載のアルミニウムペースト。
【請求項13】
前記アルミニウムペーストは、分散剤をさらに含む請求項1〜12のいずれかに記載のアルミニウムペースト。
【請求項14】
前記分散剤は、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン(myristin)酸、オレイン酸及びラウリン酸からいずれか一つ以上選択された分散剤である請求項13に記載のアルミニウムペースト。
【請求項15】
アルミニウム粉末と、有機ビヒクルと、そして全体ペーストに対して0.001質量%以上1.0質量%未満の酸化アンチモンを含むアルミニウムペーストから製造された後面電極を含む太陽電池。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれかに記載のアルミニウムペーストから製造された後面電極を含む太陽電池。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−44142(P2012−44142A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91053(P2011−91053)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(500005066)チェイル インダストリーズ インコーポレイテッド (263)
【Fターム(参考)】