説明

アレルギー性、炎症性及び感染性疾患治療用のプリン誘導体

式(I)の化合物


[式中、RはC1〜6アルキルアミノ又はC1〜6アルコキシであり;mは3、4又は5の値を有する整数であり;nは0〜3の値を有する整数であり;pは1又は2の値を有する整数である]及びその塩はヒトインターフェロンの誘導物質である。ヒトインターフェロンを誘導する化合物は、さまざまな疾患の治療、例えばアレルギー性疾患や他の炎症性疾患(例えば、アレルギー性鼻炎および喘息)の治療、感染性疾患および癌の治療に有用であり、また、ワクチンアジュバントとしても有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化合物、それらの製造方法、それらを含む組成物、さまざまな疾患、特にアレルギー性疾患や他の炎症性疾患(例えば、アレルギー性鼻炎及び喘息)、感染性疾患、及び癌の治療におけるそれらの使用、並びにワクチンアジュバントとしてのそれらの使用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
脊椎動物は微生物の侵入によって絶えず脅かされており、そのため感染性病原体を排除するための免疫防御機構を進化させてきた。哺乳類では、この免疫システムは2つの分岐からなり、すなわち、自然免疫(innate immunity)と獲得免疫(acquired immunity)である。生体防御の最前線は自然免疫システムであって、このシステムはマクロファージと樹状細胞によって媒介される。獲得免疫は感染の後期段階で病原体の排除に関与し、さらには免疫記憶を作り出すこともできる。獲得免疫は、遺伝子再構成を受けた抗原特異的受容体をもつリンパ球の膨大なレパートリーのため、非常に特異的である。
【0003】
自然免疫応答は当初は非特異的であると考えられたが、今では、自己と各種病原体を区別できることが知られている。自然免疫システムは、生殖細胞系によりコードされた、限られた数のパターン認識受容体(Pattern-Recognition Receptor:PRR)(これらの受容体はいくつかの重要な特徴を有する)を介して微生物を認識する。
【0004】
Toll様受容体(TLR)は、ヒトにおいて記述された10のパターン認識受容体の1ファミリーである。TLRは主に自然免疫細胞により発現され、そこでのそれらの役割は、感染の兆候について環境を監視して、活性化されると、侵入する病原体の排除に狙いを定めた防御機構を作動させることである。TLRによって誘発された初期の自然免疫応答は感染の広がりを制限する一方で、それらにより誘発された前炎症性サイトカインとケモカインが抗原提示細胞、B細胞及びT細胞の動員と活性化をもたらす。TLRは適応免疫応答の性質を調節して、樹状細胞活性化とサイトカイン放出による適切な保護を与えることができる(非特許文献1)。さまざまなTLRアゴニストから見られる応答の様相は、活性化される細胞のタイプによって異なる。
【0005】
TLR7はTLRサブグループ(TLR3、7、8及び9)のメンバーであって、非自己核酸の検出を専門に扱うようになったエンドソーム区画に局在する。TLR7はssRNAの認識による抗ウイルス防御において重要な役割を果たす(非特許文献2;及び非特許文献3)。TLR7はヒトでは制限された発現プロファイルを有し、主としてB細胞と形質細胞様樹状細胞(pDC)により発現され、それほど多くはないが単球によっても発現される。形質細胞様DCはリンパ球由来樹状細胞の特異な集団(末梢血単核細胞(PBMC)の0.2〜0.8%)であり、ウイルス感染に応答して高レベルのインターフェロンα(IFNα)とインターフェロンβ(IFNβ)を分泌する主要なI型インターフェロン産生細胞である(非特許文献4)。
【0006】
アレルギー性疾患は、アレルゲンに対するTh2に偏った免疫応答と関連している。Th2応答はIgEレベルの上昇を伴い、IgEが肥満細胞に作用することで、アレルゲンに対する過敏性が促進され、結果として、例えばアレルギー性鼻炎に見られる症状が生じる。健康な個体においては、アレルゲンに対する免疫応答はTh2/Th1が混在した調節性T細胞応答によってバランスがとれている。TLR7リガンドは、in vitroでTh2サイトカインを抑制してTh1サイトカイン放出を高めること、また、in vivoではアレルギー性肺モデルにおいてTh2型炎症反応を改善することが示されている(非特許文献5;非特許文献6;非特許文献7)。したがって、TLR7リガンドはアレルギー体質の個体に見られる免疫応答のバランスを取り戻して、疾患の改善をもたらす可能性がある。
【0007】
哺乳動物において有効な自然免疫応答の発生の中心となるものは、インターフェロンと他のサイトカインの誘導をもたらす機構であり、こうしたサイトカイン類は細胞に作用して多くの効果を引き出している。そのような効果として、抗感染性遺伝子発現の活性化、強力な抗原特異的免疫を推進するための細胞での抗原提示の活性化、及び食細胞における食作用の促進が挙げられる。
【0008】
最初、インターフェロンはウイルス感染から細胞を保護しうる物質として記載された(非特許文献8)。ヒトでは、I型インターフェロンは、インターフェロンα(IFNα)の少なくとも13のアイソフォームとインターフェロンβ(IFNβ)の1つのアイソフォームをコードする第9染色体上の遺伝子によりコードされた関連タンパク質のファミリーである。組換えIFNαは最初に承認された生物学的治療薬であり、ウイルス感染症と癌の重要な治療薬となっている。細胞への直接的な抗ウイルス活性はもちろんのこと、インターフェロンは免疫応答の強力なモジュレーターであって、免疫系の細胞に作用することも知られている。
【0009】
C型肝炎ウイルス(HCV)疾患の一次治療として、インターフェロンの組合せはウイルス量を減らす上で、また、一部の被験者ではウイルス複製を完全になくす上で、非常に有効である。しかしながら、多くの患者は持続的なウイルス応答を示すことに失敗しており、こうした患者ではウイルス量が抑制されない。さらに、インターフェロンの注射による治療は多くの望ましくない副作用を伴うことがあり、コンプライアンスに影響を与えることがわかっている(非特許文献9)。
【0010】
自然免疫応答(I型インターフェロンと他のサイトカインの活性化を含む)を刺激しうる小分子化合物の投与は、ウイルス感染症をはじめとするヒト疾患の治療又は予防のための重要な戦略になると考えられる。この種の免疫調節型戦略は、感染症だけでなく、癌(非特許文献10)、アレルギー性疾患(非特許文献6)、過敏性腸疾患のような他の炎症性疾患(非特許文献11)にも有用であり、さらにワクチンアジュバント(非特許文献12)としても有用でありうる化合物を同定する可能性を有している。
【0011】
動物モデルにおいて、イミキモド(imiquimod)は局所的(非特許文献13;非特許文献14)又は全身的(非特許文献15)のいずれにもアジュバント活性を示した。レシキモド(resiquimod)と他の関連TLR7/8アゴニストもまた、アジュバント活性を示すことがわかっている(非特許文献16;非特許文献17;Wille-Reece U. et alの特許文献1)。
【0012】
I型インターフェロンの誘導をもたらす作用機構は一部しか理解されていない。多くの細胞型においてインターフェロンの誘導につながる可能性がある1つの機構は、RNAヘリカーゼRIG−I及びMDA5による二本鎖ウイルスRNAの認識である。この機構は、細胞のセンダイウイルス感染によりインターフェロンが誘導される一次機構であると考えられる。
【0013】
インターフェロン誘導のさらなる機構はTLR依存性シグナル伝達事象を介するものである。ヒトでは、形質細胞様樹状細胞(pDC)が専門的なインターフェロン産生細胞であって、例えばウイルス感染に応答して、大量のインターフェロンを産生することができる。こうしたpDCはTLR7及びTLR9を優先的に発現することが示されており、これらの受容体がそれぞれウイルスRNA又はDNAで刺激されると、インターフェロンαの発現が誘導される。
【0014】
TLR7及びTLR9のオリゴヌクレオチドアゴニスト、並びにTLR7の小分子プリン系アゴニストは、動物及びヒトにおいてこれらの細胞型からインターフェロンαを誘導できることが記載されている(非特許文献18)。TLR7アゴニストとして、イミダゾキノリン化合物(例えば、イミキモド、レシキモド)、オキソアデニン類似体、さらにヌクレオシド類似体(例えば、ロキソリビン(loxoribine)、7−チア−8−オキソグアノシン)が挙げられ、これらはインターフェロンαを誘導することが久しく知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/045885号明細書
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】Akira S. et al, Nat. Immunol., 2001: 2, 675-680
【非特許文献2】Diebold S. S. et al, Science, 2004: 303, 1529-1531
【非特許文献3】Lund J. M. et al, PNAS, 2004: 101, 5598-5603
【非特許文献4】Liu Y-J, Annu. Rev. Immunol., 2005: 23, 275-306
【非特許文献5】Fili L. et al, J. All. Clin. Immunol., 2006: 118, 511-517
【非特許文献6】Moisan J. et al, Am. J. Physiol. Lung Cell Mol. Physiol., 2006: 290, L987-995
【非特許文献7】Tao et al, Chin. Med. J., 2006: 119, 640-648
【非特許文献8】Isaacs & Lindemann, J. Virus Interference. Proc. R. Soc. Lon. Ser. B. Biol. Sci. 1957: 147, 258-267
【非特許文献9】Dudley T, et al, Gut, 2006: 55(9), 1362-3
【非特許文献10】Krieg. Curr. Oncol. Rep., 2004: 6(2), 88-95
【非特許文献11】Rakoff-Nahoum S., Cell., 2004, 23, 118(2): 229-41
【非特許文献12】Persing et al. Trends Microbiol. 2002: 10(10 Suppl), S32-7
【非特許文献13】Adams S. et al, J. Immunol., 2008, 181:776-84
【非特許文献14】Johnston D. et al, Vaccine, 2006, 24:1958-65
【非特許文献15】Fransen F. et al, Infect. Immun., 2007, 75:5939-46
【非特許文献16】Ma R. et al, Biochem. Biophys. Res. Commun., 2007, 361: 537-42
【非特許文献17】Wille-Reece U. et al, Proc. Natl. Acad. Sci USA, 2005, 102: 15190-4
【非特許文献18】Takeda K. et al, Annu. Rev. Immunol., 2003: 21, 335-76
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
小分子プリン様化合物がI型インターフェロンと他のサイトカインをどのようにして誘導できるかは、これら既知の誘導物質の分子標的が確認されていないため、依然不明のままである。しかし、ヒトインターフェロンIFNαの小分子誘導物質を(作用機構にかかわりなく)特徴づけるために、ヒトドナー初代細胞を化合物で刺激することに基づくアッセイ戦略が開発されたので、それを本明細書において開示する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の特定の化合物はヒトインターフェロンの誘導物質であることが判明し、これらの化合物はヒトインターフェロンの既知の誘導物質に対して改善されたプロファイル(例えば、効力増強)を保持し、また、TNFαに対してIFNαへの増強された選択性を示すことができる。例えば、本発明の特定の化合物はTNFα誘導と比べてIFNα誘導について100倍を上回る選択性を示す。ヒトインターフェロンを誘導する化合物は、さまざまな疾患の治療に、例えばアレルギー性疾患や他の炎症性疾患(例えば、アレルギー性鼻炎、喘息)、感染性疾患及び癌の治療に有用であると考えられ、また、ワクチンアジュバントとしても役立つ可能性がある。
【0019】
本発明の特定の化合物は強力な免疫調節剤であり、したがって、それらの取り扱いには注意が必要である。
【0020】
第1の態様で、式(I):
【化1】

【0021】
[式中、
は、C1〜6アルキルアミノ、又はC1〜6アルコキシであり;
mは、3、4、又は5の値を有している整数であり;
nは、0〜3の値を有している整数であり;
pは、1又は2の値を有している整数である]
で表される化合物又はその塩が提供される。
【0022】
さらなる実施形態においては、Rは、n−ブチルオキシである。
【0023】
さらなる実施形態においては、Rは、(1S)−1−メチルブチルオキシである。
【0024】
さらなる実施形態においては、Rは、n−ブチルアミノである。
【0025】
さらなる実施形態においては、mは、3である。
【0026】
さらなる実施形態においては、mは、4である。
【0027】
さらなる実施形態においては、mは、5である。
【0028】
さらなる実施形態においては、nは、0である。
【0029】
さらなる実施形態においては、nは、1である。
【0030】
さらなる実施形態においては、nは、2である。
【0031】
さらなる実施形態においては、nが0である場合、
【化2】

【0032】
基への−(CH−NH−基の結合点における立体化学は、R配置にある。
【0033】
さらなる実施形態においては、nが0である場合、その
【化3】

【0034】
基への−(CH−NH−基の結合点における立体化学は、S配置にある。
【0035】
さらなる実施形態においては、pは、1である。
【0036】
さらなる実施形態においては、pは、2である。
【0037】
式(I)で表される化合物のサブセットが存在するが、それは式(I’)で表される化合物である。つまり、さらなる態様で、式(I’):
【化4】

【0038】
[式中、
’は、C1〜6アルキルアミノ、又はC1〜6アルコキシであり;
m’は、3の値を有している整数であり;
n’は、0〜3の値を有している整数であり;
p’は、1又は2の値を有している整数である]
で表される化合物及びその塩が提供される。
【0039】
さらなる実施形態においては、R’は、n−ブトキシである。
【0040】
さらなる実施形態においては、R’は、(1S)−1−メチルブチルオキシである。
【0041】
さらなる実施形態においては、R’は、n−ブチルアミノである。
【0042】
さらなる実施形態においては、n’は、0である。
【0043】
さらなる実施形態においては、n’は、1である。
【0044】
さらなる実施形態においては、n’は、2である。
【0045】
さらなる実施形態においては、p’は、1である。
【0046】
さらなる実施形態においては、p’は、2である。
【0047】
以下のリストには式(I)で表される化合物の例が提供されている:
6−アミノ−2−(ブチルオキシ)−9−{3−[(2R)−テトラヒドロ−2−フラニルアミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;
6−アミノ−2−(ブチルオキシ)−9−{3−[(2S)−テトラヒドロ−2−フラニルアミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;
6−アミノ−2−(ブチルオキシ)−9−{3−[(テトラヒドロ−2−フラニルメチル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;
6−アミノ−2−(ブチルオキシ)−9−{3−[(テトラヒドロ−3−フラニルメチル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;
6−アミノ−2−(ブチルオキシ)−9−(3−{[2−(テトラヒドロ−2−フラニル)エチル]アミノ}プロピル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;
6−アミノ−2−(ブチルオキシ)−9−{3−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルメチル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;
6−アミノ−2−(ブチルオキシ)−9−{3−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イルメチル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;
6−アミノ−2−(ブチルオキシ)−9−{3−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;
6−アミノ−2−(ブチルオキシ)−9−(3−{[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)エチル]アミノ}プロピル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;
6−アミノ−2−(ブチルオキシ)−9−(3−{[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)エチル]アミノ}プロピル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;
6−アミノ−2−(ブチルオキシ)−9−(3−{[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エチル]アミノ}プロピル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;
6−アミノ−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−9−{3−[(テトラヒドロ−2−フラニルメチル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;
6−アミノ−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−9−(3−{[2−(テトラヒドロ−2−フラニル)エチル]アミノ}プロピル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;
6−アミノ−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−9−{3−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;
6−アミノ−2−(ブチルアミノ)−9−{3−[(テトラヒドロ−2−フラニルメチル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;
6−アミノ−2−(ブチルアミノ)−9−(3−{[2−(テトラヒドロ−2−フラニル)エチル]アミノ}プロピル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;
6−アミノ−2−(ブチルアミノ)−9−{3−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;
6−アミノ−2−(ブチルアミノ)−9−(3−{[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)エチル]アミノ}プロピル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;
6−アミノ−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−9−[4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ブチル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;
6−アミノ−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−9−[5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ペンチル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;
6−アミノ−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−9−{4−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)アミノ]ブチル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;
6−アミノ−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−9−{5−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)アミノ]ペンチル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;
6−アミノ−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−9−{4−[(3R)−テトラヒドロ−3−フラニルアミノ]ブチル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;及び
6−アミノ−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−9−{4−[(3S)−テトラヒドロ−3−フラニルアミノ]ブチル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;
並びにこれらのものの塩。これらは、本発明のさらなる態様を形成するものである。
【0048】
つまり、本発明のさらなる態様として、治療等で使用するための式(I)で表される化合物(又はその薬学的に許容される塩)が提供される。
【0049】
式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩が治療で使用される場合、それは、活性治療剤として使用されることは、解ると思われる。
【0050】
つまりアレルギー疾患や他の炎症性病態、感染症、及びガンの治療で使用するための式(I)で表される化合物(又はその薬学的に許容される塩)も提供される。
【0051】
つまりアレルギー性鼻炎の治療で使用するための式(I)で表される化合物(又はその薬学的に許容される塩)も提供される。
【0052】
つまり喘息の治療で使用するための式(I)で表される化合物(又はその薬学的に許容される塩)も提供される。
【0053】
つまり式(I)で表される化合物(又はその薬学的に許容される塩)を含んでいるワクチンアジュバントも提供される。
【0054】
抗原又は抗原組成物と式(I)で表される化合物(又はその薬学的に許容される塩)とを含んでいる免疫原性組成物がさらに提供される。
【0055】
抗原又は抗原組成物と式(I)で表される化合物(又はその薬学的に許容される塩)とを含んでいるワクチン組成物がさらに提供される。
【0056】
抗原又は抗原組成物と式(I)で表される化合物(又はその薬学的に許容される塩)とを含んでいる免疫原性組成物を、病気に罹っている又は罹りやすいヒト対象に投与することを含む、病気の治療又は予防方法がさらに提供される。
【0057】
抗原又は抗原組成物と式(I)で表される化合物(又はその薬学的に許容される塩)とを含んでいるワクチン組成物を、病気に罹っている又は罹りやすい患者ヒト対象に投与することを含む、病気の治療又は予防方法がさらに提供される。
【0058】
抗原又は抗原組成物を含んでいる、病気の治療又は予防用免疫原性組成物を製造するための、式(I)で表される化合物(又はその薬学的に許容される塩)の使用がさらに提供される。
【0059】
抗原又は抗原組成物を含んでいる、病気の治療又は予防用ワクチン組成物を製造するための、式(I)で表される化合物(又はその薬学的に許容される塩)の使用がさらに提供される。
【0060】
アレルギー疾患や他の炎症性病態、感染症、及びガンの治療用医薬を製造するための、式(I)で表される化合物(又はその薬学的に許容される塩)の使用がさらに提供される。
【0061】
アレルギー性鼻炎の治療用医薬を製造するための、式(I)で表される化合物(又はその薬学的に許容される塩)の使用がさらに提供される。
【0062】
喘息の治療用医薬を製造するための、式(I)で表される化合物(又はその薬学的に許容される塩)の使用がさらに提供される。
【0063】
アレルギー性鼻炎の治療方法がさらに提供され、この方法には、投与を必要としているヒト対象に、式(I)で表される化合物(又はその薬学的に許容される塩)の治療有効量を投与することが含まれる。
【0064】
喘息の治療方法がさらに提供され、この方法には、投与を必要としているヒト対象に、式(I)で表される化合物(又はその薬学的に許容される塩)の治療有効量を投与することが含まれる。
【0065】
本発明は、さらなる態様で、少なくとも1種の他の治療活性剤と一緒に式(I)で表される化合物(又はその薬学的に許容される塩)を含んでいる組み合わせを提供する。
【0066】
式(I)で表される化合物(又はその薬学的に許容される塩)と1種又はそれ以上の薬学的に許容される希釈剤又は担体とを含んでいる医薬組成物がさらに提供される。
【0067】
式(I)で表される化合物(又はその薬学的に許容される塩)と1種又はそれ以上の薬学的に許容される希釈剤又は担体を混合することを含む、医薬組成物の調製方法も提供される。
【0068】
式(I)で表される化合物及びその塩は本明細書に記載する方法によって調製され得る。そしてこれは本発明のさらなる態様を形成するものである。
【0069】
つまり、式(I)で表される化合物を調製するための方法が提供され、その方法は、式(II):
【化5】

【0070】
[式中、R、m、n、及びpは、式(I)で表わされる化合物に対して本明細書中先に定義した通りであり、Rは、C1〜6アルキルである]で表される化合物を脱保護すること、及び、そのあと、必要なら、以下の場合による各工程:
(i).必要な保護基の除去;
(ii).そのようにして生成した化合物の塩の調製;
のうちの1つ又はそれ以上を行うこと、を含む。
【0071】
本発明には、本明細書に記載した各実施形態及び各態様のあらゆる組み合わせが、包含される。
【発明を実施するための形態】
【0072】
本発明は、当業者が知っている用語、また当業者が解る用語で記載される。引用しやすいように一部の用語が本明細書以下に定義される。一部の用語が定義されているという事実は、しかしながら、定義されている用語は、その通常の意味とは整合性がない意味で使われていると取るべきでなく、あるいは、別の言い方をすると、定義されていない用語は不定である又は通常の、認められている意味内では使われていないことを意味すると取るべきでない。むしろ、本明細書で使われている用語は、すべて、本発明の範囲を当業者が解ることができるように、本発明を記載していると、考えている。以下の各定義は、定義されている各用語を明確にしようとするものであって、それを限定しようとするものではない。
【0073】
「アルキル」への言及には、6個までの炭素原子(例えば4個までの炭素原子又は2個までの炭素原子)を含有しているその対応するアルキルの直鎖脂肪族異性体及び分枝鎖脂肪族異性体のいずれもへの言及が含まれる。「アルキル」へのそのような言及は、アルキル基が、別の基、例えばアルキルアミノ又はアルコキシ基の一部分である場合も、当てはまる。そのようなアルキル基及びアルキル基を含有している基の例は、C1〜6アルキル、C1〜6アルキルアミノ、及びC1〜6アルコキシである。
【0074】
「ヘテロ環」又は「ヘテロシクリル」への言及は、3〜6個の炭素原子及び1個の、窒素であるヘテロ原子を含有している単環式飽和へテロ環式脂肪族環のことを言っている。そのようなヘテロ環式環は、アゼチジン又はアゼチジニル、ピロリジン又はピロリジニル、ピペリジン又はピペリジニル、及びアゼピン又はアゼピニルである。
【0075】
「ハロゲン」への言及は、ヨウ素、臭素、塩素又はフッ素、典型的にはフッ素、臭素、又は塩素、のことを言っている。「ハロ」への言及は、ヨード、ブロモ、クロロ又はフルオロ、典型的にはフルオロ、ブロモ、又はクロロ、のことを言っている。
【0076】
本明細書において、本発明の化合物への言及は遊離塩基としての、又は塩(例えば、製薬上許容される塩)としての、式(I)の化合物を意味すると理解すべきである。
【0077】
式(I)の化合物の塩には、製薬上許容される塩と、製薬上許容されないが、式(I)の化合物及びその製薬上許容される塩の製造に有用でありうる塩が含まれる。塩は特定の無機もしくは有機酸、又は特定の無機もしくは有機塩基から誘導することができる。
【0078】
本発明は、その範囲内に、式(I)の化合物の塩のすべての可能な化学量論的及び非化学量論的形態を包含する。
【0079】
塩の例としては、製薬上許容される塩がある。製薬上許容される塩には酸付加塩と塩基付加塩が含まれる。適当な塩の概説については、Berge et al., J. Pharm. Sci., 66:1-19 (1977)を参照されたい。
【0080】
式(I)の化合物の製薬上許容される酸付加塩の例としては、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、及びフェニルスルホン酸塩が挙げられる。
【0081】
製薬上許容される塩基性塩の例としては、ナトリウム塩及びカリウム塩のようなアルカリ金属塩、及びカルシウム塩及びマグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩が挙げられる。
【0082】
塩の形成は、当技術分野でよく知られた手法を用いて、例えば、溶液からの沈殿とその後の濾過、又は溶媒の蒸発により、行うことができる。
【0083】
一般的には、製薬上許容される酸付加塩は、式(I)の化合物を適当な強酸(例えば、臭化水素酸、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、又はナフタレンスルホン酸)と、場合により有機溶媒のような適当な溶媒中で、反応させて塩を形成させることにより得られ、通常その塩は例えば結晶化と濾過により単離される。
【0084】
理解されるように、多くの有機化合物は、溶媒(その溶媒中でそれらが反応したり、その溶媒からそれらが沈殿したり、結晶化される)との複合体を形成することがある。こうした複合体は「溶媒和物」として知られている。例えば、水との複合体は「水和物」として公知である。沸点の高い溶媒及び/又は水素結合を形成しやすい溶媒(例えば、水、エタノール、イソプロピルアルコール、及びN−メチルピロリジノン)を用いて溶媒和物を形成することが可能である。溶媒和物の同定方法としては、限定するものではないが、NMR及び微量分析が挙げられる。式(I)の化合物の溶媒和物は本発明の範囲内である。本明細書中で用いる「溶媒和物」という用語は、遊離塩基化合物とその塩の双方の溶媒和物を包含する。
【0085】
本発明の化合物のいくつかはキラル原子及び/又は多重結合を含むことができ、それゆえ1以上の立体異性体として存在しうる。本発明は、個々の立体異性体であろうと、それらの混合物(ラセミ体を含む)であろうと、本発明の化合物のあらゆる立体異性体(光学異性体を含む)を包含する。どの立体異性体も10重量%未満(例えば、5重量%未満、又は0.5重量%未満)の他の立体異性体を含むことができる。例えば、どの光学異性体も10重量%未満(例えば、5重量%未満、又は0.5重量%未満)のその鏡像異性体を含んでよい。
【0086】
本発明の化合物のいくつかは互変異性体として存在することができる。当然のことながら、本発明は、個々の互変異性体であろうと、それらの混合物であろうと、本発明の化合物のあらゆる互変異性体を包含する。
【0087】
本発明の化合物は結晶形又は非晶形で存在することができる。さらに、本発明の化合物の一部の結晶形は多形として存在することができ、それらのすべてが本発明の範囲内に含まれる。本発明の化合物の最も熱力学的に安定した多形体が特に興味深いものである。
【0088】
本発明の化合物の多形体は、X線粉末回折(XRPD)、赤外分光法(IR)、ラマン分光法、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)、及び固体核磁気共鳴(ssNMR)を含むがこれらに限らない、いくつかの慣用分析技術を用いて特性解析し、区別することができる。
【0089】
前述のことから理解されるように、式(I)の化合物の溶媒和物、水和物、異性体及び多形体、並びにそれらの塩及び溶媒和物は本発明の範囲内に含まれる。
【0090】
式(I)の化合物及びその製薬上許容される塩が有益な効果を奏する可能性がある疾患の例としては、アレルギー性疾患や他の炎症性疾患(例えば、アレルギー性鼻炎及び喘息)、感染性疾患、及び癌が挙げられる。式(I)の化合物及びその製薬上許容される塩はワクチンアジュバントとしても使用できる可能性がある。
【0091】
免疫反応のモジュレーターとして、式(I)の化合物及びその製薬上許容される塩は、アジュバントとして単独で又は組み合わせて、以下のような炎症性もしくはアレルギー性疾患を含むがそれらに限らない免疫介在疾患の治療及び/又は予防にも有用でありうる:喘息、アレルギー性鼻炎及び鼻結膜炎、食物アレルギー、過敏性肺疾患、好酸球性肺炎、遅延型過敏性疾患、アテローム性動脈硬化症、膵炎、胃炎、大腸炎、変形性関節炎、乾癬、サルコイドーシス、肺線維症、呼吸窮迫症候群、細気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、副鼻腔炎、嚢胞性線維症、光線性角化症、皮膚異形成、慢性蕁麻疹、湿疹及びあらゆるタイプの皮膚炎。
【0092】
式(I)の化合物及びその製薬上許容される塩はさらに、気道ウイルス増悪及び扁桃腺炎を含むがこれらに限らない呼吸器感染症に対する反応の治療及び/又は予防にも有用でありうる。本化合物はまた、以下の疾患を含むがそれらに限らない自己免疫疾患の治療及び/又は予防にも有用でありうる:慢性関節リウマチ、乾癬性関節炎、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、強直性脊椎炎、強皮症、皮膚筋炎、糖尿病、移植片拒絶(移植片対宿主病を含む)、炎症性腸疾患(クローン病及び潰瘍性大腸炎を含むが、これらに限らない)。
【0093】
式(I)の化合物及びその製薬上許容される塩はさらに、以下のウイルスによって引き起こされる疾患を含むがそれらに限らない感染性疾患の治療に有用でありうる:肝炎ウイルス(例:B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス)、ヒト免疫不全ウイルス、パピローマウイルス、ヘルペスウイルス、呼吸器系ウイルス(例:インフルエンザウイルス、RSウイルス、ライノウイルス、メタ肺炎ウイルス、パラインフルエンザウイルス、SARS)、及び西ナイルウイルス。式(I)の化合物及びその製薬上許容される塩はさらに、例えば細菌、真菌又は原生動物によって引き起こされる微生物感染症の治療にも有用でありうる。これらには、限定するものではないが、結核、細菌性肺炎、アスペルギルス症、ヒストプラスマ症、カンジダ症、ニューモシスチス症、ハンセン病、クラミジア症、クリプトコッカス症、クリプトスポリジウム症、トキソプラズマ症、リーシュマニア症、マラリア、及びトリパノソーマ症が含まれる。
【0094】
式(I)の化合物及びその製薬上許容される塩はさらに、さまざまな癌の治療、特に免疫療法に応答することが知られている癌の治療にも有用でありうる。かかる癌としては、限定するものではないが、腎細胞癌、肺癌、乳癌、結腸直腸癌、膀胱癌、黒色腫、白血病、リンパ腫及び卵巣癌が挙げられる。
【0095】
当業者には理解されるように、本明細書での治療又は治療法への言及は、疾患に応じて、確立された疾患の治療だけでなく予防にも及ぶものである。
【0096】
本明細書中に記載する通り、式(I)の化合物とその製薬上許容される塩は治療薬として有用である。
【0097】
式(I)の化合物及びその製薬上許容される塩は、都合のよい方法で投与するために製剤化することができる。
【0098】
式(I)の化合物及びその製薬上許容される塩は、例えば、経口、局所、吸入、鼻腔内、口腔、非経口(例えば、静脈内、皮下、皮内、筋内)、又は直腸投与のために製剤化される。一態様において、式(I)の化合物とその製薬上許容される塩は経口投与用に製剤化される。さらなる態様では、式(I)の化合物とその製薬上許容される塩が局所投与、例えば鼻腔内又は吸入投与のために製剤化される。
【0099】
経口投与用の錠剤及びカプセル剤は、以下のような慣用添加剤を含むことができる:結合剤、例えばシロップ、アラビアビム、ゼラチン、ソルビトール、トラガカント、デンプン糊、セルロース、もしくはポリビニルピロリドン;充填剤、例えば乳糖、微結晶性セルロース、糖、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム、もしくはソルビトール;滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、ポリエチレングリコール、もしくはシリカ;崩壊剤、例えばジャガイモデンプン、クロスカルメロースナトリウム、もしくはグリコール酸デンプンナトリウム;又は湿潤剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム。当技術分野でよく知られた方法により錠剤をコーティングしてもよい。
【0100】
経口液体製剤は、例えば、水性もしくは油性の懸濁液剤、溶液剤、乳剤、シロップ剤又はエリキシル剤の形にすることができ、また、水や他の適当なビヒクルを用いて用時調製するための乾燥製品として提示することもできる。そのような液体製剤は以下のような慣用添加剤を含むことができる:懸濁化剤、例えばソルビトールシロップ、メチルセルロース、グルコース/糖シロップ、ゼラチン、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル、もしくは水添食用脂;乳化剤、例えばレシチン、ソルビタンモノオレエート、もしくはアラビアゴム;非水性ビヒクル(食用油を含む)、例えばアーモンド油、分留ヤシ油、油性エステル、プロピレングリコール、もしくはエチルアルコール;又は防腐剤、例えばp−ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはプロピル、もしくはソルビン酸。これらの製剤はさらに、緩衝塩類、香味剤、着色剤及び/又は甘味剤(例:マンニトール)を適宜含んでもよい。
【0101】
経鼻投与用の組成物には、点滴により又は加圧ポンプにより鼻に投与される水性組成物が含まれる。適当な組成物はそのために希釈剤又は担体として水を含む。肺又は鼻に投与するための組成物は1種以上の添加剤、例えば1種以上の懸濁化剤、1種以上の防腐剤、1種以上の界面活性剤、1種以上の等張化剤、1種以上の共溶媒を含むことができ、また、組成物のpHを調製するための成分、例えば緩衝剤系を含むことができる。さらに、これらの組成物は酸化防止剤(例えば、メタ重亜硫酸ナトリウム)及び矯味剤のような他の添加剤を含んでもよい。組成物はまた、鼻や他の気道領域にネブライゼーション(噴霧化)によって投与することもできる。
【0102】
経鼻投与用の組成物は、式(I)の化合物又はその製薬上許容される塩を鼻腔(標的組織)の全域に送達することを可能にし、さらに、式(I)の化合物又はその製薬上許容される塩が標的組織と接触したままで長期間とどまることを可能にするものである。経鼻投与用組成物の適当な投与方式は、患者が鼻腔をきれいにした後で鼻からゆっくり吸入することである。吸入中は、組成物を一方の鼻孔に投与して、その間他方の鼻孔を手で圧迫する。その後この手順を他方の鼻孔で繰り返す。一般には、上記の手順により鼻孔あたり1又は2回のスプレーを1日1、2又は3回、理想的には1日1回投与する。1日1回の投与に適する経鼻投与用組成物が特に興味深いものである。
【0103】
懸濁化剤は、もし含まれるならば、組成物の全重量に基づいて0.1〜5%(w/w)、例えば1.5%〜2.4%(w/w)の量で通常存在する。製薬上許容される懸濁化剤の例としては、限定するものではないが、Avicel(登録商標)(微結晶性セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウム)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ビーガム(veegum)、トラガカント、ベントナイト、メチルセルロース、キサンタンガム、カルボポール及びポリエチレングリコールが挙げられる。
【0104】
肺又は鼻に投与するための組成物は1種以上の添加剤を含むことができ、1種以上の防腐剤を含めることによって微生物又は真菌による汚染及び繁殖から保護される。製薬上許容される抗菌剤又は防腐剤の例としては、限定するものではないが、第4級アンモニウム化合物(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、塩化ラウラルコニウム、及び塩化ミリスチルピコリニウム)、水銀剤(例えば、硝酸フェニル水銀、酢酸フェニル水銀、及びチメロサール)、アルコール剤(例えば、クロロブタノール、フェニルエチルアルコール、及びベンジルアルコール)、抗菌エステル(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸のエステル)、キレート化剤(例えば、エデト酸ナトリウム(EDTA))、並びに他の抗菌剤(例えば、クロルヘキシジン、クロロクレゾール、ソルビン酸とその塩(例:ソルビン酸カリウム)、及びポリミキシンが挙げられる。製薬上許容される抗真菌剤又は防腐剤の例としては、限定するものではないが、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、プロピオン酸ナトリウム、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、及びブチルパラベンが挙げられる。防腐剤は、もし含まれるならば、組成物の全重量に基づいて0.001〜1%(w/w)、例えば0.015%〜0.5%(w/w)の量で存在する。
【0105】
組成物(例えば、少なくとも1種の化合物が懸濁状態で存在する組成物)は、その組成物の水相への医薬粒子の溶解を促進するように機能する1種以上の界面活性剤を含むことができる。例えば、用いる界面活性剤の量は混合中に起泡をおこさない量である。製薬上許容される界面活性剤の例としては、脂肪アルコール、エステル及びエーテル、例えばポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(ポリソルベート80)、マクロゴールエーテル、及びポロキサマーが挙げられる。界面活性剤は組成物の全重量に基づいて約0.01〜10%(w/w)、例えば0.01〜0.75%(w/w)、例えば約0.5%(w/w)の量で存在しうる。
【0106】
1種以上の等張化剤は体液(例えば、鼻腔内の液体)との等張性を達成するために加えられ、その結果、刺激性の程度が軽減される。製薬上許容される等張化剤の例として、限定するものではないが、塩化ナトリウム、デキストロース、キシリトール、塩化カルシウム、グルコース、グリセリン、及びソルビトールが挙げられる。等張化剤は、もし存在するのであれば、組成物の全重量に基づいて0.1〜10%(w/w)、例えば4.5〜5.5%(w/w)、例えば約5.0%(w/w)の量で含めることができる。
【0107】
本発明の組成物は適当な緩衝剤の添加により緩衝化することができ、かかる緩衝剤としては、例えばクエン酸ナトリウム、クエン酸、トロメタモール、リン酸塩、例えばリン酸二ナトリウム(例えば、12水和物、7水和物、2水和物及び無水物)、又はリン酸ナトリウム及びこれらの混合物がある。
【0108】
緩衝剤は、もし存在するのであれば、組成物の全重量に基づいて0.1〜5%(w/w)、例えば1〜3%(w/w)の量で含めることができる。
【0109】
矯味剤の例としては、スクラロース、スクロース、サッカリン又はその塩、フルクトース、デキストロース、グリセロール、コーンシロップ、アスパルテーム、アセスルファムK、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、グリチルリチン酸アンモニウム、タウマチン、ネオテーム(neotame)、マンニトール、メントール、ユーカリ油、ショウノウ、天然香味剤、人工香味剤、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0110】
1種以上の共溶媒は、医薬化合物及び/又は他の添加剤の溶解を助けるために加えられる。製薬上許容される共溶媒の例としては、限定するものではないが、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、グリセロール、エタノール、ポリエチレングリコール(例えば、PEG300又はPEG400)、及びメタノールが挙げられる。一実施形態では、共溶媒がプロピレングリコールである。
【0111】
共溶媒は、もし存在するのであれば、組成物の全重量に基づいて1〜25%(w/w)、例えば1〜10%(w/w)の量で含めることができる。
【0112】
吸入投与用の組成物には、水性、有機もしくは水性/有機混合物、乾燥粉末又は結晶性組成物が含まれ、これらは加圧ポンプ又は吸入器(例えば、貯蔵ドライパウダー吸入器、1回量ドライパウダー吸入器、前計量型複数回量ドライパウダー吸入器、鼻吸入器又は加圧エアロゾル吸入器、ネブライザ又はインサフレータ)によって気道に投与される。適当な組成物はそのために希釈剤又は担体として水を含み、また、緩衝剤、等張化剤といった慣用添加剤を含んでもよい。水性組成物はまた、ネブライゼーション(噴霧化)によって鼻や他の気道部位に投与することもできる。そうした組成物は、適当な液化噴射剤の使用により、加圧パック(例えば、定量噴霧器)から送達される水性溶液又は懸濁液又はエアロゾルでありうる。
【0113】
鼻に(例えば、鼻炎の治療のため)又は肺に局所投与するための組成物には、加圧エアロゾル組成物、及び加圧ポンプにより鼻腔に送達される水性組成物が含まれる。加圧せずに鼻腔への局所投与に適する組成物が特に興味深いものである。適当な組成物はそのために希釈剤又は担体として水を含む。肺又は鼻投与用の水性組成物には緩衝剤、等張化剤といった慣用添加剤を含めてもよい。水性組成物はまた、ネブライゼーション(噴霧化)によって鼻に投与することもできる。
【0114】
液体ディスペンサは一般に液体組成物を鼻腔に送達するために用いられる。液体組成物は水性でも非水性でもよいが、通常は水性である。そのような液体ディスペンサは分注ノズル又は分注オリフィスを備えており、液体ディスペンサのポンプ機構にユーザーの力が加わると、そこから定量の液体組成物が分注される。そうした液体ディスペンサは一般に複数回量の液体組成物の貯蔵容器を備えており、それらの用量が連続ポンプ作動時に分注可能である。分注ノズル又はオリフィスは、鼻腔への液体組成物の噴霧分注のためにユーザーの鼻孔に挿入するように構成することができる。上記タイプの液体ディスペンサは国際特許出願公開番号である国際公開第2005/044354号パンフレット(Glaxo Group Limited)に記載され、説明されている。そのディスペンサは、液体組成物を含むための容器に取り付けた圧縮ポンプを備えた液体排出装置を収容するハウジングを有する。そのハウジングは指で操作できる少なくとも1つのサイドレバーを有し、そのレバーはハウジングに対して内側に動くことができ、カムの手段によってハウジング内で上方に容器を動かしてポンプを圧縮させ、ポンプステムからハウジングの鼻ノズルを通って定量の組成物を送り出す。一実施形態では、その液体ディスペンサは国際公開第2005/044354号パンフレットの図30〜40に示された一般的なタイプのものである。
【0115】
式(I)の化合物又はその製薬上許容される塩を含む水性組成物はまた、国際特許出願公開番号である国際公開第2007/138084号パンフレット(Glaxo Group Limited)に例えばその図22〜46を参照して開示されるような、あるいは英国特許出願番号GB0723418.0(Glaxo Group Limited)に例えばその図7〜32を参照して開示されるような、ポンプによって送達することもできる。そのポンプはGB0723418.0の図1〜6に開示されるアクチュエータによって作動される。
【0116】
吸入により肺に局所送達するためのドライパウダー組成物は、例えば、吸入器又はインサフレータで用いるために、例えばゼラチンのカプセルもしくはカートリッジ、又は例えば積層アルミホイルのブリスターに入れて、提供することができる。パウダーブレンド組成物は一般に、式(I)の化合物又はその製薬上許容される塩と適当な粉末基剤(担体/希釈剤/賦形剤)、例えば単糖類、二糖類又は多糖類(例:乳糖、デンプン)との吸入用パウダーミックスを含む。ドライパウダー組成物はまた、薬物と担体のほかに、さらなる添加剤(例えば、3成分剤(ternary agent)、例えば糖エステル(例:セロビオースオクタアセテート)、ステアリン酸カルシウム、又はステアリン酸マグネシウム)を含んでもよい。
【0117】
一実施形態において、吸入投与に適する組成物は、適当な吸入器具の内側に取り付けた医薬パックに設けられた複数の密閉用量容器に取り込むことができる。それらの容器は一つずつ破れるか、剥がせるか、又は他のやり方で開くことができ、当技術分野で知られるように、その用量のドライパウダー組成物は吸入器具のマウスピースで吸い込むことにより投与される。医薬パックはさまざまな形状、例えば円板又は細長いストリップの形状をとることができる。代表的な吸入器具はGlaxoSmithKline社から販売されているDISKHALERTM及びDISKUSTMである。
【0118】
ドライパウダー吸入組成物はまた、吸入器具内のバルク貯蔵容器に入れて供給することができ、その器具には貯蔵容器から吸入チャネルに定量の組成物を計量するための計量機構が備わっており、計量された用量は患者が吸入器具のマウスピースで吸い込むことにより吸入可能である。このタイプの市販器具の例はTURBUHALERTM(AstraZeneca社)、TWISTHALERTM(Schering社)及びCLICKHALERTM(Innovata社)である。
【0119】
ドライパウダー吸入組成物のさらなる送達方法は、定量の組成物をカプセルに入れて(カプセルあたり1回量を)提供することであり、そのカプセルは、一般には必要に応じて患者によって、吸入器具に投入される。その器具はカプセルを破裂させるか、突き刺すか、又は他のやり方で開放する手段を備えており、結果として、患者が器具のマウスピースで吸い込むとき、定量を患者の肺に送り込むことができる。この種の器具の市販品の例として、ROTAHALERTM(GlaxoSmithKline社)及びHANDIHALERTM(Boehringer Ingelheim社)を挙げることができる。
【0120】
吸入に適する加圧エアロゾル組成物は、懸濁液又は溶液のいずれであってもよく、式(I)の化合物又はその製薬上許容される塩と適当な噴射剤を含むことができる。噴射剤は、例えば、フルオロカーボンもしくは水素含有クロロフルオロカーボン又はこれらの混合物、特に1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−n−プロパン又はこれらの混合物である。エアロゾル組成物は、場合により、当技術分野でよく知られた別の組成物用添加剤を含んでもよく、例えば、界面活性剤(例:オレイン酸、レシチン、又はオリゴ乳酸もしくはその誘導体、例えば国際公開第94/21229号パンフレット及び国際公開第98/34596号パンフレット(Minnesota Mining and Manufacturing Company)に記載されるもの)及び共溶媒(例:エタノール)を含むことができる。加圧組成物は一般にバルブ(例えば、定量バルブ)で閉じられたキャニスタ(例えば、アルミ製キャニスタ)内に保持され、そのキャニスタはマウスピースを備えたアクチュエータに内蔵される。
【0121】
軟膏剤、クリーム剤及びゲル剤は、例えば、適当な増粘剤及び/又はゲル化剤及び/又は溶媒を添加した水性又は油性基剤を用いて製剤化することができる。こうして、そのような基剤は、例えば、水及び/又は油(例えば、液状パラフィン又はラッカセイ油やヒマシ油のような植物油)、又は溶媒(例えば、ポリエチレングリコール)を含みうる。増粘剤及びゲル化剤は、基剤の性質に応じて使用され、軟パラフィン、ステアリン酸アルミニウム、セトステアリルアルコール、ポリエチレングリコール、羊毛脂、蜜蝋、カルボキシポリメチレン及びセルロース誘導体、及び/又はグリセリルモノステアレート及び/又は非イオン性乳化剤を含む。
【0122】
ローション剤は水性又は油性基剤を用いて製剤化することができ、一般には1種以上の乳化剤、安定化剤、分散剤、懸濁化剤、又は増粘剤をさらに含む。
【0123】
外用の粉剤は、適当な粉末基剤、例えばタルク、乳糖又はデンプンを用いて製剤化することができる。点滴剤は、1種以上の分散剤、可溶化剤、懸濁化剤又は防腐剤をも含む水性又は非水性基剤を用いて製剤化することができる。
【0124】
式(I)の化合物及びその製薬上許容される塩は、例えば、活性成分を皮膚に送達するパッチ剤や他の器具(例:加圧ガス器具)に構成することによって、経皮送達用に製剤化することができる。
【0125】
口腔投与用の組成物は従来の方法で製剤化される錠剤又はロゼンジ剤の形をとることができる。
【0126】
式(I)の化合物及びその製薬上許容される塩はさらに、例えばカカオ脂や他のグリセリドのような慣用の座薬用基剤を含む、座薬としても製剤化することができる。
【0127】
式(I)の化合物及びその製薬上許容される塩はさらに、ボーラス注射又は持続注入による非経口投与のために製剤化することができ、単位投薬形態で、例えばアンプル、バイアル、少量注入薬液、又はプレフィルドシリンジ(pre-filled syringes)として、あるいは防腐剤を添加した複数回使用容器(multidose containers)で提示される。かかる組成物は水性もしくは非水性ビヒクル中の溶液、懸濁液又はエマルションのような形態をとることができ、酸化防止剤、緩衝剤、抗菌剤及び/又は等張化剤といった処方用添加剤を含むことができる。あるいはまた、活性成分は適当なビヒクル(例えば、無菌の発熱物質フリーの水)を用いて用時調製される粉末形態であってもよい。乾燥固体提示形態は、無菌粉末を個々の滅菌容器に無菌的に充填するか、又は無菌溶液を各容器に無菌的に充填して凍結乾燥することにより調製することができる。
【0128】
式(I)の化合物及びその製薬上許容される塩はまた、ワクチンの活性を調節するためのアジュバントとしてワクチンと一緒に処方することができる。この種の組成物は、1種以上の抗体もしくは抗体フラグメント又は抗原成分(タンパク質、DNA、生きているもしくは死滅した細菌及び/又はウイルス、又はウイルス様粒子を含むが、これらに限らない)を、1種以上のアジュバント活性のある成分(アルミニウム塩、油性及び水性エマルション、熱ショックタンパク質、リピドA調製物及び誘導体、糖脂質、他のTLRアゴニスト(例えば、CpG DNA又は類似物質)、サイトカイン(例えば、GM−CSF、IL−12又は類似物質)を含むが、これらに限らない)とともに含むことができる。
【0129】
式(I)の化合物及びその製薬上許容される塩は単独で、又は他の治療薬と組み合わせて用いることができる。式(I)の化合物及びその製薬上許容される塩並びに他の活性薬剤は一緒に投与しても、別々に投与してもよく、別々に投与する場合は、投与を同時に行っても、任意の順序で連続して行ってもよい。式(I)の化合物又はその製薬上許容される塩及び他の活性薬剤の量並びに相対的な投与タイミングは、所望の複合的治療効果が得られるように選択される。式(I)の化合物又はその製薬上許容される塩と他の治療薬との組み合わせの投与は、両方の化合物を含む単一の医薬組成物で、又は各組成物がいずれか一方の化合物を含む別個の医薬組成物で同時に行うことができる。あるいはまた、その組み合わせを別々に連続して投与してもよく、その場合には一方の治療薬を最初に投与して、他方を後で投与するか、又はその逆にする。こうした連続投与は時間的に接近していても離れていてもよい。
【0130】
式(I)の化合物及びその製薬上許容される塩は、ウイルス感染の予防又は治療に有用な1種以上の薬剤と組み合わせて使用することができる。そのような薬剤の例には、限定するものではないが、以下が含まれる:ポリメラーゼ阻害剤、例えば国際公開第2004/037818号パンフレットに開示されるもの、並びに国際公開第2004/037818号パンフレット及び国際公開第2006/045613号パンフレットに開示されるもの;JTK−003、JTK−019、NM−283、HCV−796、R−803、R1728、R1626、並びに国際公開第2006/018725号パンフレット、国際公開第2004/074270号パンフレット、国際公開第2003/095441号パンフレット、米国特許出願公開第2005/0176701号明細書、国際公開第2006/020082号パンフレット、国際公開第2005/080388号パンフレット、国際公開第2004/064925号パンフレット、国際公開第2004/065367号パンフレット、国際公開第2003/007945号パンフレット、国際公開第02/04425号パンフレット、国際公開第2005/014543号パンフレット、国際公開第2003/000254号パンフレット、EP1065213、国際公開第01/47883号パンフレット、国際公開第2002/057287号パンフレット、国際公開第2002/057245号パンフレットに開示されるもの及び類似の薬剤;複製阻害剤、例えばアシクロビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル、シドフォビル、ラミブジン及び類似の薬剤;プロテアーゼ阻害剤、例えばHIVプロテアーゼ阻害剤のサキナビル、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、ホスアンプレナビル、ブレカナビル、アタザナビル、チプラナビル、パリナビル、ラシナビル、及びHCVプロテアーゼ阻害剤のBILN2061、VX−950、SCH503034;及び類似の薬剤;ヌクレオシド及びヌクレオチド逆転写酵素阻害剤、例えばジドブジン、ジダノシン、ラミブジン、ザルシタビン、アバカビル、スタビジン、アデホビル、アデホビルジピボキシル、ホジブジン(fozivudine)、トドキシル(todoxil)、エムトリシタビン(emtricitabine)、アロブジン(alovudine)、アムドキソビル(amdoxovir)、エルブシタビン(elvucitabine)、及び類似の薬剤;非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(イムノカル(immunocal)、オルチプラズ(oltipraz)等の抗酸化活性を有する薬剤を含む)、例えばネビラピン、デラビルジン、エファビレンツ(efavirenz)、ロビリデ(loviride)、イムノカル(immunocal)、オルチプラズ(oltipraz)、カプラビリン(capravirine)、TMC−278、TMC−125、エトラビリン(etravirine)、及び類似の薬剤;侵入阻害剤、例えばエンフュービルタイド(enfuvirtide)(T−20)、T−1249、PRO−542、PRO−140、TNX−355、BMS−806、5−Helix及び類似の薬剤;インテグラーゼ阻害剤、例えばL−870、180及び類似の薬剤;出芽阻害剤、例えばPA−344、PA−457、及び類似の薬剤;ケモカイン受容体阻害剤、例えばビクリビロック(vicriviroc)(Sch−C)、Sch−D、TAK779、マラビロック(maraviroc)(UK−427,857)、TAK449、並びに国際公開第02/74769号パンフレット、国際公開第2004/054974号パンフレット、国際公開第2004/055012号パンフレット、国際公開第2004/055010号パンフレット、国際公開第2004/055016号パンフレット、国際公開第2004/055011号パンフレット、及び国際公開第2004/054581号パンフレットに開示されるもの、及び類似の薬剤;ノイラミニダーゼ阻害剤、例えばCS−8958、ザナミビル、オセルタミビル、ペラミビル及び類似の薬剤;イオンチャネル阻害剤、例えばアマンタジン又はリマンタジン及び類似の薬剤;並びに干渉RNA及びアンチセンスオリゴヌクレオチド、例えばISIS−14803及び類似の薬剤;作用機序が確認されてない抗ウイルス剤、例えば国際公開2005/105761号パンフレット、国際公開第2003/085375号パンフレット、国際公開第2006/122011号パンフレットに開示されるもの、リバビリン、及び類似の薬剤。式(I)の化合物及びその製薬上許容される塩はさらに、ウイルス感染の予防又は治療に有用でありうる、例えば以下のような1種以上の他の薬剤と併用することもできる;免疫療法剤(例:インターフェロン又は他のサイトカイン/ケモカイン、サイトカイン/ケモカイン受容体モジュレーター、サイトカインアゴニスト又はアンタゴニスト、及び類似の薬剤);並びに治療用ワクチン、抗線維化剤、抗炎症剤、例えばコルチコステロイド又は非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)及び類似の薬剤。
【0131】
式(I)の化合物及びその製薬上許容される塩は、アレルギー性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患の予防又は治療に有用でありうる、例えば以下のような1種以上の他の薬剤と併用することができる;抗原免疫療法剤、抗ヒスタミン剤、ステロイド剤、NSAID、気管支拡張剤(例:β2アゴニスト、アドレナリン作動薬、抗コリン作動薬、テオフィリン)、メトトレキセート、ロイコトリエンモジュレーター及び類似の薬剤;モノクローナル抗体療法剤、例えば抗IgE、抗TNF、抗IL−5、抗IL−6、抗IL−12、抗IL−1及び類似の薬剤;受容体療法剤、例えばエタネルセプト及び類似の薬剤;抗原非特異的免疫療法剤(例:インターフェロン又は他のサイトカイン/ケモカイン、サイトカイン/ケモカイン受容体モジュレーター、サイトカインアゴニスト又はアンタゴニスト、TLRアゴニスト及び類似の薬剤)。
【0132】
式(I)の化合物及びその製薬上許容される塩は、癌の予防又は治療に有用でありうる例えば以下のような1種以上の他の薬剤と併用することができる;化学療法剤、例えばアルキル化剤、トポイソメラーゼ阻害剤、代謝拮抗剤、抗有糸分裂剤、キナーゼ阻害剤及び類似の薬剤;モノクローナル抗体療法剤、例えばトラスツズマブ(trastuzumab)、ゲムツズマブ(gemtuzumab)及び他の類似の薬剤;並びにホルモン療法剤、例えばタモキシフェン、ゴセレリン及び類似の薬剤。
【0133】
本発明による医薬組成物は単独で、又は他の治療領域(例えば、胃腸疾患)における少なくとも1種の治療薬と組み合わせて、使用することもできる。さらに、本発明による組成物は遺伝子置換療法と組み合わせて用いることもできる。
【0134】
本発明は、さらなる態様において、式(I)の化合物又はその製薬上許容される塩を少なくとも1種の他の治療薬とともに含む組合せを包含する。
【0135】
上記の組合せは使用のために医薬組成物の形で都合よく提示することができ、したがって、上記の組合せを少なくとも1種の製薬上許容される希釈剤又は担体とともに含む医薬組成物は本発明のさらなる態様を表す。
【0136】
式(I)の化合物又はその製薬上許容される塩の治療に有効な量はいくつかの要因に左右される。例えば、レシピエントの種、年齢及び体重、治療を必要とする正確な病状及びその重症度、組成物の性質、並びに投与経路が考慮される要因である。治療に有効な量は最終的に医師の判断により決定されるべきである。それでも、疾患にかかっているヒトを治療するための本発明の化合物の有効量は、一般的に、0.0001〜100mg/kg(レシピエントの体重)/日の範囲である。より一般的には、有効量は0.001〜10mg/kg(体重)/日の範囲である。こうして、70kgの成人について、1日あたりの実際の量は通常7〜700mgとなる。投与経路が経鼻及び吸入による場合、70kg成人の常用量は1μg〜1mg/日の範囲である。この量は1日1回で投与してもよいし、1日の合計量が同じになるように1日数回(例えば、2、3、4、5回又はそれ以上)に分けて投与してもよい。式(I)の化合物の製薬上許容される塩の有効量は、式(I)の化合物の有効量の比率として、又はその製薬上許容される塩それ自体として決定することができる。同様の用量が本明細書に記載の他の疾患の治療にも適している。
【0137】
式(I)の化合物及びその製薬上許容される塩は適切な頻度で(例えば、週に1〜7回)投与することもできる。正確な投与計画は、当然のことながら、治療適応症、患者の年齢及び状態、所定の投与経路等の要因によるだろう。
【0138】
医薬組成物は単位用量あたり予め決められた量の活性成分を含む単位投薬形態で提示することができる。そうした単位は、非限定的な例として、治療される疾患、投与経路、患者の年齢、体重及び状態に応じて、0.5mg〜1gの式(I)の化合物又はその製薬上許容される塩を含有する。好適な単位投薬組成物は、本明細書中で上記したように、1日量又は分割量(あるいはその適切な一部)の活性成分を含むものである。この種の医薬組成物は製薬分野でよく知られた方法により製造することができる。
【0139】
こうしてさらに、式(I)の化合物又はその製薬上許容される塩と、1種以上の製薬上許容される希釈剤又は担体とを含む医薬組成物が提供される。
【0140】
また、式(I)の化合物又はその製薬上許容される塩を、1種以上の製薬上許容される希釈剤又は担体と混合することを含んでなる、医薬組成物の調製方法が提供される。
【0141】
本明細書及び特許請求の範囲を通して、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、用語「含む」と、「含んでなる」や「含んでいる」等の変形語は、記載した整数もしくはステップ又は整数もしくはステップのグループを含むことを意味し、他の整数もしくはステップ又は整数もしくはステップのグループを除外することを意味するものでないことが理解されよう。
【0142】
式(I)の化合物及びその塩は以下に記載する方法によって製造することができ、こうした方法は本発明のさらなる態様を構成する。
【0143】
つまり、式(I)で表わされる化合物を調製するための方法が提供され、その方法は、式(II):
【化6】

【0144】
[式中、R、m、n、及びpは、式(I)で表わされる化合物に対して本明細書中先に定義した通りであり、Rは、C1〜6アルキルである]で表される化合物を脱保護すること、及び、そのあと、必要なら、以下の場合による各工程:
(i).必要保護基を除去する工程;
(ii).そのようにして生成された化合物の塩を調製する工程;
の1つ又はそれ以上を行うこと、を含む。
【0145】
例えば、式(II)で表わされる化合物を、適する酸の溶液(例えば塩化水素の1,4−ジオキサン中溶液)の存在下にある適する溶媒に溶解させ、適する温度(例えば35〜40℃)で適する時間期間(例えば2〜72時間)撹拌する。その溶媒を、例えば窒素流下で、除去し、その残留物を適する溶媒(例えばメタノール)に溶解させ、イオン交換カートリッジ(例えばアミノプロピルSPEカートリッジ)に負荷する。このカートリッジを適する溶媒(例えばメタノール)で溶離し、その溶媒を除去して、式(I)で表わされる化合物を得る。
【0146】
式(II)で表わされる化合物は、式(III):
【化7】

【0147】
[式中、Rは、式(I)で表される化合物に対して本明細書中先に定義した通りであり、Rは、式(II)で表される化合物に対して本明細書中先に定義した通りである]で表される化合物(例えば式(III)で表される化合物の塩例えばそのトリフルオロ酢酸塩)と、式(IV):
【化8】

【0148】
[式中、Xは、脱離基(例えばハロ基、例えばブロモ基)である]で表される化合物を反応させ、そのあと式(V):
【化9】

【0149】
[式中、n及びpは、式(I)で表される化合物に対して本明細書中先に定義した通りである]で表される化合物(又は式(V)で表される化合物の塩例えばその塩酸塩)と適する塩基(例えば水酸化ナトリウム水溶液)の存在下で反応させることによって、調製され得る。
【0150】
例えば、この式(III)で表される化合物のトリフルオロ酢酸塩を適する塩基(例えばKCO)と適する溶媒(例えばDMF)中で適する時間期間(例えば1〜2時間)適する温度(例えば45〜55℃)で撹拌する。この反応混合物を冷却させ、式(IV)で表される化合物を加える。この反応混合物を適する温度(例えば18〜25℃)で適する時間期間(例えば35〜45分)撹拌する。式(V)で表される化合物のその塩酸塩を適する塩基(例えばNaOH水溶液)と適する時間期間(例えば5〜10分)震盪する。適する有機溶媒(例えばDCM)を加え、この混合物を相分離カートリッジに通す。その溶媒を、例えばロータリーエバポレーターを用いることによって、緩い条件下で除去する。その式(V)で表される化合物のその遊離塩基をこの反応混合物に加え、そのあと適する塩基(例えばトリエチルアミン)を加え、この混合物を適する温度(18〜25℃)で適する時間期間(14〜18時間)撹拌する。水を加え、この混合物を適する溶媒(例えばDCM)で抽出する。その有機抽出液を疎水フリットを用いて分離させ、その溶媒を、そのあと、例えば窒素流下で、除去する。この粗製の生成物を、このあと、例えば、クロマトグラフィーによって、精製する。
【0151】
別法として、式(II)で表される化合物は、式(VI):
【化10】

【0152】
[式中、R及びmは、式(I)で表される化合物に対して本明細書中先に定義した通りであり、Rは、式(II)で表される化合物に対して本明細書中先に定義した通りであり、Xは、脱離基(例えばハロ基、例えばブロモ基)である]で表される化合物を式(V)で表される化合物(又は式(V)で表される化合物の塩例えばその塩酸塩)と反応させることによって、調製され得る。
【0153】
例えば、その塩酸塩としての式(V)で表される化合物を適する塩基(例えばNaOH水溶液)と適する温度(例えば周囲温度)で適する時間期間(例えば4〜6分)震盪する。この式(V)で表される化合物のその遊離塩基を適する溶媒(例えばDCM)で抽出し、その溶媒を、例えばロータリーエバポレーターを用いて、低温で除去する。この式(V)で表される化合物のその遊離塩基をこのあと適する溶媒(例えばDMF)中にある式(VI)で表される化合物に加え、適する塩基(例えばトリエチルアミン)を加える。この混合物を適する温度(例えば30〜40℃)で適する時間期間(例えば14〜18時間)撹拌し、そのあと式(V)で表される化合物のその塩酸塩を加え、この反応物を適する温度(例えば40〜50℃)で適する時間期間(例えば14〜18時間)撹拌し、そのあと式(V)で表される化合物のその遊離塩基のさらなる部分を加え、この反応物を適する温度(例えば30〜40℃)で適する時間期間(例えば14〜18時間)撹拌する。水を加え、この混合物を適する溶媒(例えばDCM)で疎水フリットに通して抽出する。その溶媒を、このあと、例えば窒素流下で除去する。この粗製生成物を、このあと、例えば、クロマトグラフィーによって、精製する。
【0154】
別法として、nが1〜3である、式(II)で表される化合物は、式(VII):
【化11】

【0155】
[式中、R及びmは、式(I)で表される化合物に対して本明細書中先に定義した通りであり、Rは、式(II)で表される化合物に対して本明細書中先に定義した通りである]で表される化合物を、式(VIII):
【化12】

【0156】
[式中、n及びpは、式(I)で表される化合物に対して本明細書中先に定義した通りである]で表される化合物を、還元的アミノ化条件下で反応させることによって、調製され得る。
【0157】
例えば、適する溶媒(例えばDCM)中にある式(VII)で表される化合物に式(VIII)で表される化合物を加える。適する還元剤(例えばNaBH(OAc))及び適する溶媒(例えばDCM)を加え、そのあと適するカルボン酸(例えば酢酸)を加える。この混合物を適する温度(例えば28〜25℃)にて適する雰囲気(例えば窒素の雰囲気)下で適する時間期間(例えば4〜6時間)撹拌する。この混合物を適する塩基(例えばNaHCO水溶液)でクエンチし、適する溶媒(例えばDCM)で希釈する。この有機層を、例えば疎水フリットを用いて、単離し、その溶媒を減圧下で除去する。この粗製生成物を、このあと、例えば、クロマトグラフィーによって、精製する。
【0158】
式(VI)で表される化合物は、式(III)で表される化合物(例えば式(III)で表される化合物の塩例えばそのトリフルオロ酢酸塩)と式(IV)で表される化合物と反応させることによって、調製され得る。
【0159】
例えば、適する溶媒(例えばDMF)中にある式(III)で表される化合物のそのトリフルオロ酢酸塩と適する塩基(例えば炭酸カリウム)の混合物を適する温度(例えば45〜55℃)で適する雰囲気(例えば窒素の雰囲気)下で適する時間期間(例えば1時間)加熱する。この混合物を適する温度(例えば周囲温度)まで冷却させ、式(IV)で表される化合物を加える。この混合物を適する温度(例えば45〜55℃)で適する時間期間(例えば14〜18時間)加熱する。この混合物を適する温度(例えば周囲温度)まで冷却させ、水で希釈し、適する溶媒(例えばDCM)で抽出する。この有機抽出液を合わせ、例えば疎水フリットに通すことにより、単離し、水で希釈し、適する溶媒(例えばDCM)で抽出する。この有機抽出液を合わせ、例えば疎水フリットに通すことにより、単離し、乾固まで蒸発させて、式(VI)で表される化合物を得る。
【0160】
式(VII)で表される化合物は、式(IX):
【化13】

【0161】
[式中、R及びmは、式(I)で表される化合物に対して本明細書中先に定義した通りであり、Rは、式(II)で表される化合物に対して本明細書中先に定義した通りである]で表される化合物を脱保護することによって、調製され得る。
【0162】
例えば、式(IX)で表される化合物を適する溶媒(例えばエタノール)に溶解させ、ヒドラジン一水和物を加え、この混合物を適する温度(例えば周囲温度)で適する時間期間(例えば8〜12時間)撹拌する。この反応混合物をこのあと減圧下で濃縮し、その残留物を適する溶媒(例えばDCM)に懸濁させ、適する時間期間(例えば1〜2時間)撹拌する。この懸濁液を濾過し、そしてその濾過された固形物を適する溶媒(例えばDCM)で洗浄する。この濾液及び洗浄液をこのあと水で洗浄し、乾燥させる。この溶液を減圧下で濃縮して、式(VII)で表される化合物を得る。
【0163】
式(IX)で表される化合物は、式(III)で表される化合物を式(X):
【化14】

【0164】
[式中、mは、式(I)で表される化合物に対して本明細書中先に定義した通りであり、Xは、脱離基(例えばハロ基、例えばブロモ基)である]で表される化合物と反応させることによって、調製され得る。
【0165】
例えば、式(III)で表される化合物を適する溶媒(例えばDMF)に溶解させ、適する塩基(例えば炭酸カリウム)を加える。この懸濁液を適する温度(例えば室温)で適する時間期間(例えば15分)撹拌する。式(X)で表される化合物を加え、この懸濁液を適する温度(例えば室温)で適する時間期間(例えば18〜12時間)激しく撹拌する。この反応混合物を適する溶媒(例えば酢酸エチル)で抽出し、水及びブラインで洗浄し、そして乾燥させる。その式(IX)で表される化合物は、この溶媒から、例えば、結晶化により、得られる。
【0166】
式(III)で表される化合物の塩は、式(XI):
【化15】

【0167】
[式中、Rは、式(I)で表される化合物に対して本明細書中先に定義した通りであり、Rは、式(II)で表される化合物に対して本明細書中先に定義した通りであり、Pは、保護基(例えばトリフルオロ酢酸)である]で表される化合物を脱保護することによって、調製され得る。
【0168】
例えば、適する酸(例えばトリフルオロ酢酸)を、適する溶媒(例えばメタノール)中にある式(XI)で表される化合物の溶液に加える。この混合物を適する温度(例えば周囲温度)で適する時間期間(例えば48〜72時間)撹拌して、懸濁液を得る。この反応混合物をこのあと減圧下で濃縮し、そのあと適する溶媒(例えば酢酸エチル)で希釈する。得られた混合物を濾過し、少量の適する溶媒(例えば酢酸エチル)でその濾液が無色になるまで洗浄する。この残留物を、空気中、そのあと減圧下で乾燥させて、式(III)で表される化合物のその塩を得る。その濾液は濃縮され得るもので、その濃縮物を少量の適する溶媒(例えば酢酸エチル)で希釈し、そのあと濾過し、乾燥させて、式(III)で表される化合物のその塩の第2の収穫物を得る。
【0169】
式(III)で表される化合物(例えば式(III)で表される化合物の塩例えばトリフルオロ酢酸塩)は、式(XII):
【化16】

【0170】
[式中、Rは、式(I)で表される化合物に対して本明細書中先に定義した通りであり、Pは、式(XI)で表される化合物に対して本明細書中先に定義した通りである]で表される化合物を、適するハロゲン化剤(例えばN−ブロモスクシンイミド)を反応させ、そのあとアルコキシドアニオン(例えばメトキシドアニオン)と反応させ、次いで適する酸(例えばトリフルオロ酢酸)の存在下に単離することによっても、調製され得る。
【0171】
例えば、適する乾燥溶媒(例えば乾燥クロロホルム)中適する温度(例えば周囲温度)にある式(XII)で表される粗製化合物の溶液に、適するハロゲン化剤(例えばN−ブロモスクシンイミド)を少しずつ適する時間期間(例えば5分)をかけて加える。この溶液を適する温度(例えば周囲温度)で適する時間期間(例えば25〜35分)撹拌する。この反応混合物をこのあと水で洗浄し、その有機相を、例えば、疎水フリットに通すことにより、乾燥させ、減圧下で濃縮する。得られた固形物を適する乾燥溶媒(例えば乾燥メタノール)に溶解させ、適するアルコキシド(例えば溶液ナトリウムメトキシド/メタノール)を、適する温度(例えば周囲温度)の不活性雰囲気(例えば窒素の雰囲気)下で加える。この反応混合物を、凝縮器を取り付けて、適する温度(例えば60〜70℃)で適する時間期間(例えば12〜18時間)加熱する。この反応混合物をこのあと冷却させ、減圧下で濃縮させる。この残留物をこのあと適する溶媒(例えば酢酸エチル)に取り込み、適切な媒体(例えば飽和塩化アンモニウム水溶液)に注ぎ入れる。この有機層を分離させ、水でさらに洗浄し、乾燥(例えば硫酸マグネシウムで)させ、濾過し、減圧下で濃縮する。適切な温度(例えば周囲温度)にある適切な乾燥溶媒(例えば乾燥メタノール)中この物質の溶液に、適する酸(例えばトリフルオロ酢酸)を加える。この反応物を適する時間期間(例えば25〜35時間)撹拌し、減圧下で濃縮する。
【0172】
式(XI)で表される化合物は、式(XIII):
【化17】

【0173】
[式中、Rは、式(I)で表される化合物に対して本明細書中先に定義した通りであり、Pは、式(XI)で表される化合物に対して本明細書中先に定義した通りであり、Qは、ハロゲン原子(例えば臭素原子)である]で表される化合物をアルコキシドアニオン(例えばメトキシドアニオン)と反応させることによって、調製され得る。
【0174】
例えば、適する溶媒(例えばメタノール)中式(XIII)で表される化合物の溶液を、適する溶媒(例えばメタノール)中の適切なアルコキシド(例えばナトリウムメトキシド)の溶液と適する時間期間(例えば4〜5時間)還流に加熱する。この反応混合物を減圧下で濃縮し、適する有機溶媒(例えば酢酸エチル)と適する水性媒体(例えば飽和塩化アンモニウム水溶液)とに分配させる。この有機相を分離させ、洗浄し(例えばブラインで)、例えば疎水フリットに通すことにより、乾燥させる。その溶媒をこのあと減圧下で除去する。
【0175】
式(XIII)で表される化合物は、式(XII)で表される化合物を適切なハロゲン化剤(例えばN−ブロモスクシンイミド)と反応させることによって、調製され得る。
【0176】
例えば、式(XII)で表される化合物を適する溶媒(例えばクロロホルム)に溶解させ、適する温度(例えば0〜0.5℃)まで冷却させる。この溶液に、その温度を約3℃以下に維持しながら、適するハロゲン化剤(例えばN−ブロモスクシンイミド)を加える。この溶液を適する温度(例えば2〜3℃で適する時間期間(例えば30〜45分)撹拌し、そのあと適する温度(例えば周囲温度)まで昇温させ、適する時間期間(例えば5〜7時間)撹拌する。この反応混合物をこのあと水で洗浄し、その有機相を乾燥させ、例えば、疎水フリットを用いてその水相から分離させる。その有機溶媒をこのあと除去し、その粗製生成物を、例えば、クロマトグラフィーによって、精製する。
【0177】
がC1〜6アルコキシである式(XII)で表される化合物は、式(XIV):
【化18】

【0178】
[式中、Pは、式(XI)で表される化合物に対して本明細書中先に定義した通りであり、Tは、適する脱離基(例えばハロゲン原子、例えばフッ素原子又は塩素原子)である]で表される化合物を、式(XV):
【化19】

【0179】
[式中、Rは、C1〜6アルコキシであり、Mは、適するアルカリ金属リガンド例えばナトリウムである]で表される化合物の、式(XVS):
【化20】

【0180】
[式中、その式(XV)で表される化合物中のそのR基は、この式(XVS)で表される溶媒のそのR基と同じである]で表される溶媒中に調製されている、溶液と反応させることによって、調製され得る。
【0181】
例えば、式(XV)で表される化合物例えばナトリウムt−ブトキシドを、式(XVS)で表される溶媒に加える。この混合物を均質になるまで撹拌し、そのあと式(XIV)で表される化合物を加える。この反応混合物を適する温度(例えば50〜100℃)に適する時間期間(例えば12〜18時間)加熱する。その溶媒を減圧下で十分除去し、適する溶媒(例えばジエチルエーテル)と水とに分配させる。この有機相を分離させ、その水相をさらなる溶媒で再抽出する。その有機層をこのあと単離し、合わせ、適する乾燥剤(例えば無水硫酸マグネシウム)を用いて乾燥させる。この乾燥剤を濾過により除去し、その溶媒をその生成物から減圧下で除去する。
【0182】
がC1〜6アルキルアミノである式(XII)で表される化合物は、式(XIV)で表される化合物を式(XVI):
【化21】

【0183】
[式中、Rは、C1〜6アルキルアミノである]で表される化合物と反応させることによって、調製され得る。
【0184】
例えば、式(XIV)で表される化合物を、適する不活性雰囲気(例えば窒素の雰囲気)下の適する温度(例えば周囲温度)にある適する乾燥溶媒(例えば乾燥エチレングリコール)中式(XVI)で表される化合物の溶液に加える。この反応混合物を適する温度(例えば110〜130℃)で適する時間期間(例えば12〜18時間)加熱する。この反応物をこのあと適する温度(例えば周囲温度)まで冷却させ、適する溶媒(例えば酢酸エチル)で希釈し、水で洗浄する。この有機層を適する乾燥剤(例えば無水硫酸マグネシウム)で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、RがC1〜6アルキルアミノである式(XII)で表される化合物を得る。
【0185】
式(XIV)で表される化合物は、式(XVII):
【化22】

【0186】
[式中、Pは、式(XI)で表される化合物に対して本明細書中先に定義した通りであり、Tは、式(XIV)で表される化合物に対して本明細書中先に定義した通りであり、Vは、適する脱離基(例えばハロゲン原子、例えば塩素原子)である]で表される化合物をアンモニアアルコール溶液(例えばアンモニアイソ−プロピルアルコール溶液)と反応させることによって、調製され得る。
【0187】
例えば、式(XVII)で表される化合物をアンモニアアルコール溶液(例えば2Mアンモニア/イソ−プロピルアルコール溶液)と適する温度(例えば50〜60℃)で適する時間期間(例えば5〜6時間)加熱する。この反応混合物をこのあと適する温度(例えば周囲温度)で適する時間期間(例えば12〜18時間)静置したままにしておく。そのアンモニアアルコール溶液(例えば2Mアンモニア/イソ−プロピルアルコール溶液)のさらなる量を加えて、その得られたケイキを崩壊させ、この反応混合物をさらなる時間期間(例えば8〜10時間)、その反応が完結するまで、加熱する。水をこの反応混合物に加え、その固形物を濾過により除去し、適する洗浄媒体(例えばイソプロピルアルコールと水の混合物)で洗浄し、そのあと、例えば吸引下の空気乾燥により、乾燥させて、式(XIV)で表される化合物の第1の収穫物を得る。その濾液をさらなる時間期間(例えば12〜18時間)静置させておき、濾過及び乾燥によりその得られた式(XIV)で表される化合物の第2の収穫物を単離する。
【0188】
式(XIV)で表される化合物は、式(XVIII):
【化23】

【0189】
[式中、Tは、式(XIV)で表される化合物に対して本明細書中先に定義した通りであり、Vは、式(XVII)で表される化合物に対して本明細書中先に定義した通りである]で表される化合物を、式(XIX):
【化24】

【0190】
[式中、Pは、その保護基Pの適する前駆体(例えば3,4−ジヒドロ−2H−ピラニル基)である]で表される化合物と反応させ、そのあとアンモニアアルコール溶液(例えばアンモニア/イソ−プロピルアルコール溶液)と反応させることによっても、調製され得る。
【0191】
例えば、p−トルエンスルホン酸一水和物を式(XVIII)で表される化合物/適する乾燥溶媒(例えば乾燥酢酸エチル)溶液に加える。この反応混合物を適する温度(例えば50〜60℃)に加熱し、式(XIX)で表される化合物を加える。この反応物を適する温度(例えば50〜60℃)で適する時間期間(例えば1〜2時間)加熱し、その溶媒を減圧下で除去する。この得られた固形物のアンモニアアルコール溶液(例えば2Mアンモニア/イソ−プロピルアルコール溶液)中懸濁液を、凝縮器を取り付けて、適する不活性雰囲気(例えば窒素雰囲気)下の適する温度(例えば60〜70℃)で適する時間期間(例えば4〜5時間)加熱する。この反応混合物を水に注ぎ入れ、適する時間期間(例えば12〜18時間)冷却させる。この得られた沈殿物を濾過により単離し、乾燥させる。
【0192】
式(XIV)で表される化合物は、式(XVIIIA):
【化25】

【0193】
[式中、Tは、フッ素原子である]で表される化合物を適する保護剤(例えばシリル化剤例えばN,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド)と反応させ、そのあとその式(XVIII)で表される保護された化合物を式(XIXE):
【化26】

【0194】
[式中、Pは、その保護基Pの適する前駆体(例えば3,4−ジヒドロ−2H−ピラニル基)であり、Eは、アセチルオキシ基(例えばアセタート基)である]で表される化合物と反応させることによっても、調製され得る。
【0195】
例えば、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミドを式(XVIII)で表される化合物の適する無水溶媒(例えば無水アセトニトリル)中懸濁液に加え、その得られる混合物を還流に加熱し、その温度に適する時間期間(例えば1〜3時間)保持する。この反応混合物をこのあと適する温度(例えば0〜5℃)まで冷却させる。式(XIXE)で表される化合物の適する無水溶媒(例えば無水アセトニトリル)中溶液をこのあとゆっくり加え、そのあとルイス酸(例えばトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホナート)を滴下で加える。この反応混合物を適する温度(例えば8〜15℃)まで昇温させ、さらなる時間期間(例えば1〜2時間)撹拌する。この混合物をこのあと適する塩基(例えば1M炭酸ナトリウム)を加えることによりクエンチする。さらなる水をこのあとこの懸濁液に加える。その水層及び無機固形物の大半を分離した。この有機層を、さらなる沈殿を促すために撹拌しながら0〜5℃まで冷却させる。その固形物をこのあと濾過により回収し、乾燥させた。
【0196】
略記号
以下のリストは、本明細書中で使われている一部の略記号の定義を提供するものである。このリストは網羅的ではないことは解ると思われるが、本明細書中以下に定義されていない略記号の意味は、当業者には、明らかであると思われる。
【0197】
DCM: ジクロロメタン
DME: 1,2−ジメトキシエタン
DMF: N,N−ジメチルホルムアミド
EtOAc: 酢酸エチル
EtO: ジエチルエーテル
h: 時間
HCl: 塩酸
HPLC: 高性能液体クロマトグラフィー
ISCO Companion: UV吸収フラクション分析器装着自動フラッシュクロマトグラフィー(Presearch Limited(Basingstoke,Hants.,RG24 8PZ,UK)から販売)
MDAP HPLC: 2溶媒勾配及びエレクトロスプレー質量分光法フラクション分析を用いるC18カラムでの逆相HPLC
MeOH: メタノール
min: 分
NBS: N−ブロモスクシンイミド
ストリッピング: 減圧下での溶媒の除去
TBME: 第三級ブチルメチルエーテル
TFA: トリフルオロ酢酸
iPr: イソ−プロピル
t−Bu: tert−ブチル
Ms: メシル
Ac: アセチル
n−Bu: n−ブチル
Ph: フェニル
【0198】
本明細書中先に記載した合成方法がスキーム1にまとめられている。
【0199】
(スキーム1)
【化27】

【0200】
スキーム1の各合成ステップのそれぞれについての典型的な反応条件が以下に提供されている:
A:ジヒドロピラン/パラトルエンスルホン酸、例えば50℃で3〜6時間;
A1:ジヒドロピラン/パラトルエンスルホン酸、例えば50℃で1時間、そのあとアンモニア/iPrOH、例えば60℃で4時間、そのあと水を加え、周囲温度まで12〜18時間かけて冷却させる;
A2:BSA/MeCN、還流、0℃まで冷却、そのあとTHPアセタート/MeCN、10℃まで昇温、そのあとNaHCO(aq.);
B:アンモニア/iPrOH、例えば50℃で5時間、そのあと周囲温度で12〜18時間、そのあと50℃で9時間;
C:
X=NH(R=C1〜6アルキル)に対しては、RNH/エチレングリコール例えば120℃で12〜18時間;
X=O.ROH(R=C1〜6アルキル)に対しては、NaOtBu/ジメトキシエタン例えば93〜110℃で12〜18時間;
C1:NBS/CHCl例えば0〜5℃で30分そのあと周囲温度で0.5〜1時間、NaOMe/MeOH、例えば65℃、12〜18時間、そのあとTFA/MeOH例えば周囲温度で18〜65時間;
D:NBS/CHCl例えば0〜5℃で30分そのあと周囲温度で36〜48時間;
E:NaOMe/MeOH例えば還流4〜6時間;
F:TFA/MeOH例えば周囲温度で18〜65時間;
G:
CO、DMF、50℃、1時間そのあと例えば1,3−ジブロモプロパン、20℃40min、そのあと室温で式(V)のアミン及びEtN;又は
CO、DMF、50℃、1時間そのあと例えば1,3−ジブロモプロパン、20℃40min、そのあと室温で式(V)のアミン及びバートン塩基;
G1:KCO/DMF、1,3−ジブロモプロパン、DMF、50℃一晩;
G2:式(V)のアミン、EtN、DMF、35〜45℃、一晩;
G3:KCO/DMF、そのあと式(X)の化合物、室温で10hr;
G4:NH.NH、HO、EtOH、室温10hr;
G5:式(VIII)の化合物、NaBH(OAc)、DCM、室温5hr;
H:HCl/ジオキサン、そのあと周囲温度で18時間。
【0201】
式(IV)、(V)、(VIII)、(X)、(XII)、(XIV)、(XV)、(XVI)、(XVII)、(XVIII)、及び(XVIIIA)で表される各化合物は市販されており(例えばSigma−Aldrich(UK)から)、また、公知の手順、例えば、J. March, Advanced Organic Chemistry, 6th Edition (2007), WileyBlackwellやComprehensive Organic Synthesis (Trost B.M. and Fleming I., (Eds.), Pergamon Press, 1991)(その手順に関連しているものとしてそれぞれを参照により本明細書に組み込む)のような合成方法についての標準的な参考書物に開示されている手順、と同じようにしても調製され得る。
【0202】
本明細書に記載されている合成経路に用いられ得る他の保護基の例及びその除去方法は、T. W. Greene 'Protective Groups/Organic Synthesis', 4th Edition, J. Wiley and Sons, 2006(そのような手順に関連しているものとして参照により本明細書に組み込む)中に見出され得る。
【0203】
本明細書中先に記載した反応又は方法のいずれに対しても、通常の加熱の方法及び冷却の方法が用いられ得、例えば温度調節されたオイルバス又はホットブロック、及びアイス/ソルト又はドライアイス/アセトンバスが、それぞれ、用いられ得る。通常の単離の方法、例えば水性又は非水性溶媒からの抽出又はそれへの抽出が、用いられ得る。無水硫酸マグネシウム(又は無水硫酸ナトリウム)と震盪、又は、疎水フリットに通過、のような、通常の有機溶媒、溶液、又は抽出液の乾燥方法が用いられ得る。通常の精製方法、例えば結晶化やクロマトグラフィー(例えばシリカゲルクロマトグラフィーや逆相クロマトグラフィー)が、必要に応じ、用いられ得る。結晶化は、通常の溶媒、例えば、酢酸エチル、メタノール、エタノール、又はブタノール、あるいはこれらのものの水性混合物、を用いて行われ得る。具体的な反応時間温度は、典型的には、反応追跡法、例えば薄層クロマトグラフィーやLC−MS、によって測定され得ることは解ると思われる。
【0204】
適切な場合には本発明の各化合物の個々の異性形は、通常の手順、例えば、ジアステレオ異性体誘導体の分別結晶化又はキラル高性能液体クロマトグラフィー(キラルHPLC)、を用いて、個々の異性体として調製され得る。
【0205】
化合物のその絶対立体化学は、通常の方法(例えばX線結晶学)を用いて測定され得る。
【0206】
以下の実施例を参照してもらうことで本発明の態様を例示するが、それらは、その実施例によって、決して限定されるものではない。
【実施例】
【0207】
一般実験詳細
Advanced Chemistry Developments Inc.(Toronto,Ontario,M5H2L3,Canada)製ACD/Name PRO 6.02化学物質命名ソフトウエアを用いて化合物は命名された。
【0208】
本明細書中で言及されているLCMS装置A〜Hの実験詳細は以下の通りである。
【0209】
装置A
カラム:50mm×2.1mm ID、1.7μm Acquity UPLC BEH C18
流量:1mL/min
温度:40℃
UV検出範囲:210〜350nm
質量スペクトル:交互スキャンポジティブ及びネガティブモードエレクトロスプレーイオン化を用いる質量分光計で記録
【0210】
溶媒: A:0.1%v/vギ酸/水
B:0.1%v/vギ酸アセトニトリル
【0211】
勾配: 時間(min) A% B%
0 97 3
1.5 0 100
1.9 0 100
2.0 97 3
【0212】
装置B
カラム:30mm×4.6mm ID、3.5μm Sunfire C18カラム
流量:3mL/min
温度:30℃
UV検出範囲:210〜350nm
質量スペクトル:交互スキャンポジティブ及びネガティブモードエレクトロスプレーイオン化を用いる質量分光計で記録
【0213】
溶媒: A:0.1%v/vギ酸/水溶液
B:0.1%v/vギ酸アセトニトリル
【0214】
勾配: 時間(min) A% B%
0 97 3
0.1 97 3
4.2 0 100
4.8 0 100
4.9 97 3
5.0 97 3
【0215】
装置C
カラム:50mm×2.1mm ID、1.7μm Acquity UPLC BEH C18
流量:1mL/min
温度:40℃
UV検出範囲:210〜350nm
質量スペクトル:交互スキャンポジティブ及びネガティブモードエレクトロスプレーイオン化を用いる質量分光計で記録
【0216】
溶媒: A:10mM重炭酸アンモニウム/水(アンモニア溶液でpH10に調整)
B:アセトニトリル
【0217】
勾配: 時間(min) A% B%
0 99 1
1.5 3 97
1.9 3 97
2.0 0 100
【0218】
装置D
カラム:50mm×4.6mm ID、3.5μm XBridge C18カラム
流量:3mL/min
温度:30℃
UV検出範囲:210〜350nm
質量スペクトル:交互スキャンポジティブ及びネガティブモードエレクトロスプレーイオン化を用いる質量分光計で記録
【0219】
溶媒: A:10mM重炭酸アンモニウム/水(アンモニア溶液でpH10に調整)
B:アセトニトリル
【0220】
勾配: 時間(min) A% B%
0 99 1
0.1 99 1
4.0 3 97
5.0 3 97
【0221】
クロマトグラフィー精製は、典型的には、充填シリカゲルカートリッジを用いて行われた。このFlashmaster IIは、Argonaut Technologies Ltdから販売されている自動式マルチユーザーフラッシュクロマトグラフィー装置であり、これには使い捨ての、順相、Solid Phase Extraction(SPE)カートリッジ(2g〜100g)が用いられている。これには勾配法で流すための四成分オンライン溶媒混合が設けられている。溶媒、流量、勾配プロファイル及びコレクション条件を管理する多機能オープンアクセスソフトウエアを用いてサンプルは列に並ばされる。この装置には、自動ピークカット、コレクション及びトラッキングを可能にするKnauer可変波長UV検出器及びGilson FC204フラクションコレクター2台が装着されている。
【0222】
窒素流を用いた溶媒除去は、Radleys Discovery Technologies(Saffron Walden,Essex,CB11 3AZ,UK)から販売のGreenHouse Blowdown装置で30〜40℃にて行われた。
【0223】
H NMRスペクトルは、Bruker DPX 400又はBruker Avance DRX又はVarian Unity 400スペクトルメーター(すべて400MHzで動作)でCDClかDMSO−d中で記録された。用いた内部標準は、テトラメチルシランか、又はCDClにとっては7.25ppmに、又は、DMSO−dにとっては2.50ppmにあるその残留のプロトン化された溶媒であった。
【0224】
質量直結自動分取HPLC(Mass Directed AutoPreparative HPLC)は、以下に書いてある条件下で行われた。そのUV検出は、波長210nm〜350nmから得られる平均されたシグナルであり、マススペクトルは、交互スキャンポジティブ及びネガティブモードエレクトロスプレーイオン化を用いる質量分光計で記録された。
【0225】
方法A
方法AはXBridge C18カラム(典型的には150mm×19mm i.d. 5μmパッキング直径)で周囲温度にて行われた。用いた溶媒は:
A=10mM重炭酸アンモニウム水溶液(アンモニア溶液でpH10に調整)
B=アセトニトリル
であった。
【0226】
方法B
方法BはSunfire C18カラム(典型的には150mm×30mm i.d. 5μmパッキング直径)で周囲温度にて行われた。用いた溶媒は:
A=0.1%v/vギ酸/水溶液
B=0.1%v/vギ酸/アセトニトリル溶液
であった。
【0227】
方法C
方法CはSunfire C18カラム(典型的には150mm×30mm i.d. 5μmパッキング直径)で周囲温度にて行われた。用いた溶媒は:
A=0.1%v/vトリフルオロ酢酸/水溶液
B=0.1%v/vトリフルオロ酢酸/アセトニトリル溶液
であった。
【0228】
方法D
方法DはAtlantis C18カラム(典型的には100mm×30mm i.d. 5μmパッキング直径)で周囲温度にて行われた。用いた溶媒は:
A=0.1%v/vギ酸/水溶液
B=0.1%v/vギ酸/アセトニトリル溶液
であった。
【0229】
実施例
中間体1:2,6−ジクロロ−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン
【化28】

【0230】
2,6−ジクロロプリン(25.0g)(例えば、Aldrich(UK)から販売)に酢酸エチル(260mL)、そのあとp−トルエンスルホン酸(0.253g)を加えた。この混合物を50℃まで加熱し、そのあと3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(16.8g)を加えた。この反応混合物をこのあと50℃で4時間加熱した。この反応混合物を真空で蒸発させて、その表題化合物を黄色の固形物(36.9g)として得た。
1H NMR (CDCl3):8.35 (1H, s), 5.77 (1H, dd), 4.20 (1H, m), 3.79 (1H, m), 2.20-1.65 (6H, m)。
【0231】
中間体2:2−クロロ−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン
【化29】

【0232】
2,6−ジクロロ−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン(36.9g)を2Mアンモニア/イソプロパノール(250mL)と50℃で5時間加熱した。周囲温度に一晩静置させた後、さらなる量の2Mアンモニア/イソプロパノール(100mL)を加えて、その得られたケイクを崩壊させ、この反応混合物をその反応が完結するまでさらに9時間加熱した。この反応混合物に水(70mL)を加え、その黄色の固形物を濾別した。この固形物をイソプロピルアルコール:水(5:1(v/v)、60mL)で洗浄し、そのあと吸引下で空気乾燥させて、最初の収穫物を得た。その濾液を一晩静置させた後再濾過して沈殿物を単離し、これと上記の固形物を真空で乾燥させた。最初の収穫物は純粋であったが、この2番目の収穫物質はきわめて微量の不純物(最初の収穫物には見られない孤立ブロードシグナル3.5ppm)を示したが、それ以外は同じであった。固形物第1の収穫物は(28.4g)、固形物第2の収穫物は(3.42g)。
1H NMR (CDCl3):8.01 (1H, s), 5.98 (2H, broad s), 5.70 (1H, dd), 4.16 (1H, m), 3.78 (1H, m), 2.15-1.60 (6H, mに重なる)。
【0233】
中間体2(別法):2−クロロ−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン
【化30】

【0234】
溶液2,6−ジクロロプリン(25g)(例えば、Aldrich(UK)から販売)/乾燥酢酸エチル(200mL)にp−トルエンスルホン酸一水和物(235mg)を加えた。この反応物を50℃まで加熱し、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(18.1mL)を1回で加えた。この反応物を50℃で1時間撹拌し、その溶媒を減圧下で除去した。これにより黄色の固形物がもたらされた。この固形物(およそ36g)の2.0Mアンモニア/イソプロパノール(460mL)中懸濁液を凝縮器が取り付けられた窒素下60℃で4時間加熱した。この反応物を水(50mL)に注ぎ入れ、一晩そのままにして冷却させた。この沈殿物を濾過し、ロータリーエバポレーター(60℃)で30分間乾燥させて、その表題化合物を白から外れた色の固形物(31g(93%、2ステップ))として得た。
MS計算(C1012ClNO)=254,256
MS実測(エレクトロスプレー):(M)=254,256(3:1)
1H NMR ((CD3)2SO):δ 8.43 (1H, s), 7.82 (2H, s), 5.55 (1H, dd), 4.00 (1H, m), 3.69 (1H, m), 2.21 (1H, m), 1.95 (2H, m), 1.74 (1H, m), 1.56 (2H, m)。
【0235】
中間体3:2−ブトキシ−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン
【化31】

【0236】
ブタン−1−オール(76mL)にナトリウムtert−ブトキシド(15.2g)を少しずつ加えた(注意:反応混合物は温かくなる)。これを均質になるまで撹拌(およそ15min)してから、2−クロロ−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン(10.0g)をそのあとこの得られた淡黄色溶液に加えた。この反応混合物を、このあと、一晩、100℃に加熱した。この反応混合物をストリッピングして、ブタン−1−オールを可能な限り除去し、そのあとジエチルエーテルと水とに分配させた。そのジエチルエーテル相を分離させ、その水相をジエチルエーテルでさらに再抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウム(無水)で乾燥させた。硫酸マグネシウムを濾別し、濾液をストリッピングして茶色の粘稠な油状物を得、これをトルエンと共沸させ(3回)、一晩高真空下に置いておき、ジクロロメタンが入った新しいフラスコに移し、ストリッピングし、高真空下に置いて、その表題化合物を茶色のガラス状物(9.45g)として得た。
1H NMR (CDCl3):7.85 (1H, s), 5.92 (2H, broad s), 5.64 (1H, d), 4.32 (2H, t), 4.14 (1H, m), 3.75 (1H, m), 2.10-1.95 (3H, mに重なる), 1.81-1.58 (5H, mに重なる), 1.50 (2H, m), 0.97 (3H, t)。
【0237】
中間体4:8−ブロモ−2−ブトキシ−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン
【化32】

【0238】
2−(ブトキシ)−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン(9.45g)をクロロホルム(50mL)に溶解させ、0℃まで冷却させた(アイス−バス)。この溶液に温度を3℃以下に保ちながらN−ブロモスクシンイミド(6.07g)を少しずつ加えた。これにより暗緑色の溶液が得られ、これを2.5℃で30分間撹拌し、そのあと室温まで昇温させて、6時間撹拌した。この反応混合物をこのあと水(100mL、2回)で洗浄した。疎水フリットを用いて有機相を乾燥/分離させ、蒸発させて、黒茶色のガム状物を得、これを、0→50%酢酸エチル:シクロヘキサンの勾配溶離を用いるシリカクロマトグラフィー(120g)(ISCO)により精製して、その表題化合物を淡黄色の固形物(8.37g)として得た。
1H NMR (CDCl3):5.61 (1H, dd), 5.49 (2H, broad s), 4.32 (2H, m), 4.17 (1H, m), 3.71 (1H, m), 3.04 (1H, m), 2.11 (1H, broad d), 1.89 -1.45 (6H, mに重なる), 1.50 (2H, m), 0.97 (3H, t)。
【0239】
中間体5:2−ブトキシ−8−メトキシ−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン
【化33】

【0240】
8−ブロモ−2−(ブトキシ)−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン(8.37g)を25%ナトリウムメトキシド/メタノール(14.4mL)及びメタノール(65mL)と4.5時間還流に加熱した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、酢酸エチルと飽和塩化アンモニウム溶液とに分配させた。有機相を分離し、酢酸エチルに繰り返し抽出させた。有機相を合わせ、ブラインで洗浄した(2回)。その水相を分離させた後その有機相を疎水フリットに通し、蒸発させて、淡茶色のガム状物を得、これを高真空下に置いて泡状物(7.52g)を得たが、これは周囲圧力でガム状物(7.34g)に崩壊し、一晩固化させて、その表題化合物を黄色の非晶質固形物として得た。
MS計算(C1523=321
MS実測(エレクトロスプレー):(M+H)=322
1H NMR (CDCl3):5.50 (1H, dd), 5.17 (2H, broad s), 4.29 (2H, t), 4.12 (3H, s and 1H, m), 3.70 (1H, m), 2.77 (1H, m), 2.05 (1H, m), 1.82-1.63 (6H, mに重なる), 1.50 (2H, m), 0.97 (3H, t)。
【0241】
中間体6:2−ブトキシ−8−メトキシ−9H−プリン−6−アミントリフルオロ酢酸塩
【化34】

【0242】
溶液2−(ブトキシ)−8−(メトキシ)−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン(7.34g)/メタノール(100mL)にトリフルオロ酢酸(10mL)を加えた。この混合物を周囲温度でその週末にかけて撹拌して、懸濁液を得た。この反応混合物を少しの量まで濃縮し(濃厚スラリー)、そのあと酢酸エチル(50mL)で希釈した。この得られたスラリーを濾過し、少量の酢酸エチルでその濾液が無色になるまで洗浄した。残っている固形物を、空気で、そのあと真空で乾燥させて、その表題化合物を白色の固形物(6.20g)として得た。前に得られた濾液を先と同じように濃縮してスラリーを得、これを少量の酢酸エチル(10mL)で希釈し、そのあと濾過し、乾燥させた。この第2の収穫物を白色の固形物(0.276g)として単離した。NMRによるとこの両者は同じであった。
MS計算(C1015=237
MS実測(エレクトロスプレー):(M+H)=238
1H NMR (CD3OD):4.47 (2H, t), 4.15 (3H, s), 1.80 (2H, m), 1.50 (2H, m), 0.99 (3H, t)(交換性NH、NH及びCOOHプロトンは認められず)。
【0243】
中間体7:N−ブチル−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−2,6−ジアミン
【化35】

【0244】
室温及び窒素下にある溶液2−クロロ−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン(10g)/乾燥エチレングリコール(50mL)にn−ブチルアミン(16mL)を1回で加えた。この反応物を120℃で一晩加熱した。この反応物を室温まで冷却させ、酢酸エチル(150mL)で希釈し、水(2×50mL)で洗浄した。この有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。これによりその表題化合物を粘稠な緑色の油状物(10.2g)として得、これを、次のステップで、さらに精製することなく用いた。
MS計算(C1422O)=290
MS実測(エレクトロスプレー):(M+H)=291
1H NMR ((CD3)2SO):δ 7.8 (1H, s), 6.6 (2H, s), 6.2 (1H, t), 5.4 (1H, dd), 4.0 (1H, m), 3.6 (1H, m), 3.2 (2H, m), 2.2 (1H, m), 1.9 (1H, m), 1.8 (1H, m), 1.7 (1H, m), 1.5 (2H, m), 1.4 (2H, m), 1.3 (2H, m), 0.9 (3H, t)。
【0245】
中間体8:N−ブチル−8−メトキシ−9H−プリン−2,6−ジアミントリフルオロ酢酸塩
【化36】

【0246】
室温にある溶液粗製N−ブチル−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−2,6−ジアミン(およそ10.2g)/乾燥クロロホルム(100mL)にN−ブロモスクシンイミド(6.3g)を少しずつ5分かけて加えた。この暗色溶液を室温で30分間撹拌した。この反応混合物を水(20mL)で洗浄した。その有機相を疎水フリットに通し、真空で濃縮した。これによりベージュ色の固形物を得、これを乾燥メタノール(100mL)に溶解させ、室温及び窒素下でナトリウムメトキシド溶液(25重量%/メタノール、24mL)を1回で加えた。この反応物を、凝縮器を取り付けて、一晩65℃で加熱した。この反応物を冷却させ、真空で濃縮した。この得られたオレンジ色の残留物を酢酸エチル(150mL)に取り込み、飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)に注ぎ入れた。その有機層を分離し、水(50mL)でさらに洗浄した。この有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。室温にあるこの物質/乾燥メタノール(70mL)にトリフルオロ酢酸(7mL)を1回で加えた。この反応物を30時間撹拌し、真空で濃縮して、暗褐色の固形物を得た。これをジエチルエーテル(20mL)に取り込み、粉砕した。この固形物を濾過して、その表題化合物をベージュ色の固形物(3.3g、35%、4ステップ)として得た。
MS計算(C1016O)=236
MS実測(エレクトロスプレー):(M+H)=237
1H NMR ((CD3)2SO):δ 13.3-12.3 (1H, br.m), 8.6-7.3 (2H, m), 4.05 (3H, s), 3.28 (2H, m), 1.52 (2H, m), 1.33 (2H, m), 0.89 (3H, t)(残っている交換性プロトンは透明でない)。
【0247】
中間体9:2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン
【化37】

【0248】
方法A
ナトリウムt−ブトキシド(48.5g、505mmol)を室温にある(S)−2−ペンタノール(例えば、Julich Chiral Solution(Germany)から販売)(185ml)に少しずつ加え、均質になるまで撹拌した(反応は発熱であることに注意)。2−クロロ−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン(32g、126mmol)を加え、この反応混合物を70℃で72時間加熱した。この反応物を室温まで冷却させ、酢酸エチル(500ml)と水(500ml)とに分配させた。その有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(100ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発させた。この残留物をエーテルで粉砕し、その固体物質を濾過した。この沈殿物をエーテルで再洗浄し、その濾液を合わせ、蒸発させた。この粗製物質(約30g)をDMSO:メタノール(1:1)に溶解させ、25→65%アセトニトリル(+0.1%TFA)−水(+0.1%TFA)/8カラム体積の勾配を用いる逆相(C18)カラム(330g)でのクロマトグラフィーにより精製し、そのフラクションを飽和炭酸ナトリウム水溶液で直ちに中和した。適切なフラクションを合わせ、ジクロロメタンと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液とに分配させた。この有機相を疎水フリットに通し、濾過し、蒸発させて、その表題化合物を淡いクリーム色の泡状物(14.97g)として得た。
LCMS(装置B):tRET=2.21min;MH306。
【0249】
方法B
ナトリウムt−ブトキシド(206g、2.144mol)を2L丸底フラスコ中の(S)−2−ペンタノール(例えば、Julich Chiral Solution(Germany)から販売)(720ml、6.58mol)に加えた。この混合物を50℃でそのナトリウムt−ブトキシドが全部溶解するまで加熱した。2−フルオロ−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン(130g、548mmol)をこのあと5分かけて少しずつ加えた。3時間後LCMS分析はその出発物質の完全消費を示したのでこの混合物を氷/水(3L)に注ぎ入れ、そのあとメチルt−ブチルエーテルで抽出した。これはエマルジョン形成をもたらしたのでこの混合物をセライトに通して濾過し、その有機相を分離した。この水層をこのあと固体NaClで処理し、そのあとメチルt−ブチルエーテルで再抽出した。この有機抽出物を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そのあと蒸発させて、その表題化合物を淡褐色のガム状物(158.59g)として得た。
LCMS(装置D):tRET=2.65min;MH306。
【0250】
中間体10:8−ブロモ−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン
【化38】

【0251】
N−ブロモスクシンイミド(12.16g、68.3mmol)を窒素雰囲気下の<5℃にある撹拌溶液2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン(14.9g、48.8mmol)/クロロホルム(80ml)に5minかけて少しずつ加えた。この反応混合物を<5℃で5時間撹拌し、そのあと飽和炭酸水素ナトリウム溶液(80ml)そのあと水(80ml)で洗浄し、その溶媒を除去した。この残留の泡状物をDCM(50ml)に溶解させ、水(50ml)そのあとブライン(50ml)で洗浄した。この合わせた水相をDCM(50ml)で洗浄した。この合わせた有機層を疎水フリットに通して乾燥させ、そしてその溶媒を真空で除去して、その表題化合物をオレンジ色の泡状物(18.5g)として得た。
LCMS(装置D):tRET=3.06min;MH384/386。
【0252】
中間体11:2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−8−(メチルオキシ)−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン
【化39】

【0253】
8−ブロモ−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン(7.1g、18.48mmol)を無水メタノール(70mL)に溶解させ、溶液ナトリウムメトキシド(25%)/メタノール(8ml)を窒素の雰囲気下で少しずつ加えた。この溶液を窒素雰囲気下の還流90℃で4時間加熱した。さらなるナトリウムメトキシド/メタノール(25%溶液、3ml)を加え、この反応物を60℃でさらに16時間撹拌した。さらなる量のナトリウムメトキシド/メタノール(25%溶液、5ml)を加え、この反応物を90℃でさらに7時間撹拌した。その溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、その粗製の生成物をEtOAc(75ml)と飽和塩化アンモニウム溶液(75ml)とに分配させた。その有機層をブライン(75ml)で洗浄した。その溶媒をロータリーエバポレーターで除去して、その表題化合物を淡いオレンジ色の泡状物(6g)として得た。
LCMS(装置D):tRET=3.08min;MH336。
【0254】
中間体12:2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−8−(メチルオキシ)−1H−プリン−6−アミントリフルオロアセタート
【化40】

【0255】
2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−8−(メチルオキシ)−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン(6g、17.89mmol)をメタノール(50mL)に溶解させた。トリフルオロ酢酸(20.67mL、268mmol)を滴下で加え、そしてこの混合物を窒素雰囲気下の20℃で72時間撹拌した。その溶媒を真空で除去し、そしてその得られた固形物を酢酸エチルで洗浄し、濾過した。その濾液をストリッピングし、その残留物を酢酸エチルで洗浄した。この合わせた固体残留物を真空オーブン中で2時間乾燥させて、その表題化合物を白から外れた色の固形物(5.3g)として得た。
LCMS(装置C):tRET=0.76min;MH252。
【0256】
中間体13:2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−9−{3−[(2R)−テトラヒドロ−2−フラニルアミノ]プロピル}−8,9−ジヒドロ−7H−プリン−6−アミン
【化41】

【0257】
2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−1H−プリン−6−アミントリフルオロアセタート(70mg、0.199mmol)をKCO(68.9mg、0.498mmol)/DMF(1ml)と50℃で1時間撹拌した。この反応混合物を冷却させ、1,3−ジブロモプロパン(0.020mL、0.199mmol)を加えた。この反応混合物を20℃で40min撹拌した。(3S)−テトラヒドロ−3−フランアミンヒドロクロリド(49.3mg、0.399mmol)をNaOH水溶液(0.996mL、1.993mmol)と5min間震盪し、DCM(2×3ml)を加え、この混合物を相分離カートリッジに通した。その溶媒をロータリーエバポレーターによる蒸発によりマイルドな条件下で除去した。この遊離塩基をその反応混合物に加え、そのあとトリエチルアミン(0.056mL、0.399mmol)を加え、この混合物を20℃で16時間撹拌した。(3S)−テトラヒドロ−3−フランアミンヒドロクロリド(49.3mg、0.399mmol)をNaOH(0.996mL、1.993mmol)と5min間震盪し、DCM(2×3ml)を加え、そしてこの混合物を相分離カートリッジに通し、直接その反応混合物に加えた。トリエチルアミン(0.056mL、0.399mmol)を加え、この混合物を20℃で16時間撹拌した。水を加え、この混合物を疎水フリットに通してDCM(2×5ml)で抽出した。その溶媒を窒素ブローダウンにより除去した。このサンプルを1:1MeOH:DMSO(1mL)に溶解させ、Mass Directed AutoPrep(方法A)により精製した。その溶媒を窒素流下で乾燥させて、その表題化合物を白色の固形物(3mg)として得た。
LCMS(装置D):tRET=2.14min;MH365。
【0258】
中間体14:2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−9−{3−[(2S)−テトラヒドロ−2−フラニルアミノ]プロピル}−9H−プリン−6−アミン
【化42】

【0259】
2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−1H−プリン−6−アミントリフルオロアセタート(100mg、0.285mmol)及びKCO(98mg、0.712mmol)をDMF(2mL)中50℃で1時間撹拌した。この反応物を冷却させ、1,3−ジブロモプロパン(0.029mL、0.285mmol)を加えた。この混合物を20℃で40min間撹拌した。(3R)−テトラヒドロ−3−フランアミンヒドロクロリド(35.2mg、0.285mmol)及びN’’−(1,1−ジメチルエチル)−N,N,N’,N’−テトラメチルグアニジン(146mg、0.854mmol)をDMF 1ml中20℃で40min間撹拌した。この得られた遊離塩基とされる混合物をその最初の反応容器に加え、この混合物を16時間20℃で撹拌した。水(2ml)及びブライン(2ml)をこの混合物に加えた。その生成物を疎水分離カートリッジを用いてDCM(2×5ml)で抽出し、その溶媒をNブローダウン装置で除去した。このサンプルを1:1MeOH:DMSO(1mL)に溶解させ、Mass Directed AutoPrep(方法A)により精製した。その溶媒を窒素流下で乾燥させて、その表題化合物を白色の固形物(7mg)として得た。
LCMS(装置D):tRET=2.15min;MH365。
【0260】
中間体15:2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−9−{3−[(テトラヒドロ−2−フラニルメチル)アミノ]プロピル}−9H−プリン−6−アミン
【化43】

【0261】
2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−1H−プリン−6−アミントリフルオロアセタート(70mg、0.2mmol)及びKCO(68.8mg、0.050mmol)をDMF(2ml)中50℃で1時間撹拌した。この反応物を冷却させ、1,3−ジブロモプロパン(0.020mL、0.2mmol)を加えた。この反応混合物を20℃で40min撹拌した。(テトラヒドロ−2−フラニルメチル)アミン(0.41ml、0.2mmol)及びトリエチルアミン(0.056ml、0.4mmol)/DMF(1ml)を加え、この反応混合物を室温で16時間撹拌した。水(2ml)及びブライン(2ml)をこの混合物に加えた。その生成物を疎水分離カートリッジを用いてDCM(2×5ml)で抽出し、その溶媒をNブローダウン装置で除去した。そのサンプルを1:1 MeOH:DMSO(1mL)に溶解させ、Mass Directed AutoPrep(方法A)により精製した。その溶媒を窒素流下で乾燥させて、その表題化合物を白色の固形物(20mg)として得た。
LCMS(装置D):tRET=2.35min;MH379。
【0262】
中間体16:2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−9−{3−[(テトラヒドロ−3−フラニルメチル)アミノ]プロピル}−9H−プリン−6−アミン
【化44】

【0263】
2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−1H−プリン−6−アミントリフルオロアセタート及び(テトラヒドロ−3−フラニルメチル)アミンヒドロクロリドから中間体14と同じようにして調製した。
LCMS(装置D):tRET=2.24min;MH379。
【0264】
中間体17:2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−9−(3−{[2−(テトラヒドロ−2−フラニル)エチル]アミノ}プロピル)−9H−プリン−6−アミン
【化45】

【0265】
2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−1H−プリン−6−アミントリフルオロアセタート及び2−(テトラヒドロ−2−フラニル)エタンアミンから中間体15と同じようにして調製した。
LCMS(装置C):tRET=0.85min;MH393。
【0266】
中間体18:2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−9−{3−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルメチル)アミノ]プロピル}−9H−プリン−6−アミン
【化46】

【0267】
2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−1H−プリン−6−アミントリフルオロアセタート及び(テトラヒドロ−2H−ピランl−2−イルメチル)アミンヒドロクロリドから中間体14と同じようにして調製した。
LCMS(装置D):tRET=2.55min;MH393。
【0268】
中間体19:2−{3−[6−アミノ−2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−9H−プリン−9−イル]プロピル}−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン
【化47】

【0269】
2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−9H−プリン−6−アミン(7.5g、31.6mmol)をDMF(100mL)に溶解させ、炭酸カリウム(4.37g、31.6mmol)を加えた。この懸濁液を室温で15min間撹拌した後、2−(3−ブロモプロピル)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(8.00g、29.8mmol)を加え、この懸濁液を室温で10時間激しく撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルで抽出し、水、ブラインで洗浄し、乾燥させた。この粗製の物質をEtOAc/ジエチルエーテルから再結晶させて、その表題化合物を3つの異なるバッチ(2.02g)、(2.44g)及び(1.60g)で得た。
LCMS(装置B):tRET=2.16min;MH425。
【0270】
中間体20:9−(3−アミノプロピル)−2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−9H−プリン−6−アミン
【化48】

【0271】
2−{3−[6−アミノ−2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−9H−プリン−9−イル]プロピル}−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(6.06g、14.28mmol)をエタノール(60mL)に溶解させ、ヒドラジン一水和物(6.00mL)を加え、周囲温度で10時間撹拌した。この得られた混合物を減圧下で濃縮し、その残留物をDCM(100ml)に懸濁させ、1時間撹拌した。この懸濁液を濾過し、そしてその濾過された固形物をDCM(10ml)で洗浄した。この濾液及び洗浄液を水(50ml)で洗浄し、乾燥させた。この有機溶液を減圧下で濃縮して、その表題化合物を白から外れた色の固形物(2.74g)として得た。
LCMS(装置B):tRET=1.10min;MH295。
【0272】
中間体21:2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−9−{3−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イルメチル)アミノ]プロピル}−9H−プリン−6−アミン
【化49】

【0273】
テトラヒドロ−2H−ピラン−3−カルバルデヒド(19.39mg、0.17mmol)を9−(3−アミノプロピル)−2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−9H−プリン−6−アミン(50mg、0.17mmol)/DCM(1ml)に加えた。ナトリウムトリアセトオキシボロヒドリド(72.0mg、0.34mmol)及びDCM(1ml)を加え、そのあと酢酸(0.024mL、0.425mmol)を加えた。この混合物を窒素下の20℃で5時間撹拌した。この混合物をNaHCO(5ml)でクエンチし、DCM(2ml)で希釈した。この有機層を疎水フリットを用いて分離し、その溶媒を真空で除去した。このサンプルを1:1MeOH:DMSO(1mL)に溶解させ、Mass Directed AutoPrep(方法A)により精製した。その溶媒を窒素流下で乾燥させて、その表題化合物を白色の固形物(47mg)として得た。
LCMS(装置D):tRET=2.40min;MH393。
【0274】
中間体22:2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−9−{3−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)アミノ]プロピル}−9H−プリン−6−アミン
【化50】

【0275】
2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−1H−プリン−6−アミントリフルオロアセタート及び(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)アミンから中間体15と同じようにして調製した。
LCMS(装置D):tRET=2.32min;MH393。
【0276】
中間体23:2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−9−(3−{[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)エチル]アミノ}プロピル)−9H−プリン−6−アミン
【化51】

【0277】
2−(2−ブロモエチル)テトラヒドロ−2H−ピラン(32.8mg、0.17mmol)及び9−(3−アミノプロピル)−2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−9H−プリン−6−アミン(50mg、0.17mmol)をDMF(2ml)に溶解させた。トリエチルアミン(0.024ml、0.17mmol)を加え、この反応物を室温で16時間撹拌した。さらなる2−(2−ブロモエチル)テトラヒドロ−2H−ピラン(32.8mg、0.17mmol)及びトリエチルアミン(0.024ml、0.17mmol)を加え、この混合物を50℃で3時間加熱した。この混合物をDCM(5ml)で希釈し、水(2ml)で洗浄した。この有機層を疎水フリットを用いて分離し、その溶媒を窒素ブローダウン装置で除去した。このサンプルを1:1MeOH:DMSO(1mL)に溶解させ、Mass Directed AutoPrep(方法A)で精製した。その溶媒を窒素流下で乾燥させて、その表題化合物を透明な油状物(18mg)として得た。
LCMS(装置D):tRET=2.55min;MH407。
【0278】
中間体24:2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−9−(3−{[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)エチル]アミノ}プロピル)−9H−プリン−6−アミン
【化52】

【0279】
9−(3−アミノプロピル)−2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−9H−プリン−6−アミン及び3−(2−ブロモエチル)テトラヒドロ−2H−ピランから中間体23と同じようにして調製した。
LCMS(装置D):tRET=2.42min;MH407。
【0280】
中間体25:2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−9−(3−{[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エチル]アミノ}プロピル)−9H−プリン−6−アミン
【化53】

【0281】
2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−1H−プリン−6−アミントリフルオロアセタート、1,3−ジブロモプロパン、及び2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルエチル)アミンから中間体15と同じようにして調製した。
LCMS(装置D):tRET=2.39min;MH407。
【0282】
中間体26:2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−8−(メチルオキシ)−9−{3−[(テトラヒドロ−2−フラニルメチル)アミノ]プロピル}−9H−プリン−6−アミン
【化54】

【0283】
2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−8−(メチルオキシ)−1H−プリン−6−アミントリフルオロアセタート、1,3−ジブロモプロパン、及び(テトラヒドロ−2−フラニルメチル)アミンから中間体15と同じようにして調製した。
LCMS(装置C):tRET=0.98min;MH393。
【0284】
中間体27:2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−8−(メチルオキシ)−9−(3−{[2−(テトラヒドロ−2−フラニル)エチル]アミノ}プロピル)−9H−プリン−6−アミン
【化55】

【0285】
2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−8−(メチルオキシ)−1H−プリン−6−アミントリフルオロアセタート、1,3−ジブロモプロパン、及び[2−(テトラヒドロ−2−フラニル)エチル]アミンから中間体15と同じようにして調製した。
LCMS(装置C):tRET=0.89min;MH407。
【0286】
中間体28:2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−8−(メチルオキシ)−9−{3−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)アミノ]プロピル}−9H−プリン−6−アミン
【化56】

【0287】
2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−8−(メチルオキシ)−1H−プリン−6−アミントリフルオロアセタート、1,3−ジブロモプロパン、及び(テトラヒドロ−2H−ピラン−4ylメチル)アミンから中間体15と同じようにして調製した。
LCMS(装置C):tRET=0.97min;MH407。
【0288】
中間体29:N−ブチル−8−(メチルオキシ)−9−{3−[(テトラヒドロ−2−フラニルメチル)アミノ]プロピル}−9H−プリン−2,6−ジアミン
【化57】

【0289】
−ブチル−8−メトキシ−9H−プリン−2,6−ジアミントリフルオロ酢酸塩、1,3−ジブロモプロパン、及び2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルエチル)アミンから中間体15と同じようにして調製した。
LCMS(装置C):tRET=0.91min;MH378。
【0290】
中間体30:N−ブチル−8−(メチルオキシ)−9−(3−{[2−(テトラヒドロ−2−フラニル)エチル]アミノ}プロピル)−9H−プリン−2,6−ジアミン
【化58】

【0291】
−ブチル−8−メトキシ−9H−プリン−2,6−ジアミントリフルオロ酢酸塩、1,3−ジブロモプロパン、及び[2−(テトラヒドロ−2−フラニル)エチル]アミンから中間体26と同じようにして調製した。
LCMS(装置C):tRET=0.9min;MH392。
【0292】
中間体31:N−ブチル−8−(メチルオキシ)−9−{3−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)アミノ]プロピル}−9H−プリン−2,6−ジアミン
【化59】

【0293】
−ブチル−8−メトキシ−9H−プリン−2,6−ジアミントリフルオロ酢酸塩、1,3−ジブロモプロパン、及び(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)アミンから中間体15と同じようにして調製した。
LCMS(装置C):tRET=0.89min;MH392。
【0294】
中間体32:N−ブチル−8−(メチルオキシ)−9−(3−{[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)エチル]アミノ}プロピル)−9H−プリン−2,6−ジアミン
【化60】

【0295】
−ブチル−8−メトキシ−9H−プリン−2,6−ジアミントリフルオロ酢酸塩、1,3−ジブロモプロパン、及び2−(テトラヒドロ−2H−ピラニル−2−イルエチル)アミンヒドロクロリドから中間体14と同じようにして調製した。
LCMS(装置C):tRET=0.98min;MH406。
【0296】
中間体33:2−フルオロ−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン
【化61】

【0297】
N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(975mL、3.988mol)を10L調節式実験室反応器中にある撹拌懸濁液2−フルオロ−1H−プリン−6−アミン(200g、1.306mmol)(例えば、AlliedSignal(US)から販売)/無水アセトニトリル(4L)に加え、この得られた混合物を還流まで加熱し、その温度に2時間維持した。そのサーキュレーターをこのあと再プログラムし、その反応混合物を0℃まで冷却させた。溶液テトラヒドロピラニルアセタート(Tetrahedron Letters 2006, 47(27), 4741に調製は記載)(282g、1.959mol)/無水アセトニトリル(500mL)をこのあと滴下漏斗を介してゆっくり加え、そのあとトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホナート(283mL、1.567mol)を滴下漏斗を介して滴下で加えた。有意な発熱は認められなかった。そのサーキュレーター温度を10℃に再調節し、撹拌をさらに1時間維持した。この混合物をこのあと1M炭酸ナトリウム(4L)を加えることによりクエンチした。固体沈殿物が認められ、そのpHをチェックすると塩基性であった。さらなる水をこの懸濁液に加え(1L)、静置しておくと各層が分かれ、その水層は有意な固体無機物を含有していた。この水性・無機固形物の大半を分離した。その有機層はなおかなりの固形物を含有していたので、さらなる沈殿を促進するために撹拌しながら0℃まで冷却させた。その固形物を濾過により回収し、そのパッドを十分よく水で洗浄し、そのあと40℃の真空で一晩乾燥させて、その表題化合物をクリーム色をした固形物(152.8g)として得た。
LCMS(装置D):tRET=1.71min;MH=238。
【0298】
中間体34:9−(4−クロロブチル)−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−8−(メチルオキシ)−9H−プリン−6−アミン
【化62】

【0299】
2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−8−(メチルオキシ)−1H−プリン−6−アミン(1g、2.74mmol)+炭酸カリウム(0.946g、6.84mmol)/DMF(12.5mL)を窒素下で撹拌し、50℃で1時間加熱した。この混合物を周囲温度まで冷却させ、1−ブロモ−4−クロロブタン(0.315mL、2.74mmol)を加え、周囲温度の窒素下で一晩撹拌を続けた。この混合物をこのあと酢酸エチルと水とに分配させた。この水層を酢酸エチルで洗浄し、その合わせた有機抽出物を飽和ブラインで洗浄し、疎水フリットに通し、真空で蒸発させた。この残留物(1.0322g)をジクロロメタンに溶解させ、アミノカートリッジ(70g)に負荷し、40分かけての0→100%酢酸エチル/シクロヘキサン勾配を用いて溶離した。生成物フラクションを合わせ、蒸発させて、その表題化合物を白から外れた色の固形物(667mg)として得た。
LCMS(装置D):tRET=3.01min;MH=342/344。
【0300】
中間体35:9−(5−クロロペンチル)−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−8−(メチルオキシ)−9H−プリン−6−アミン
【化63】

【0301】
2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−8−(メチルオキシ)−9H−プリン−6−アミントリフルオロアセタート(600mg、1.642mmol)及び炭酸カリウム(567mg、4.11mmol)をDMF(10ml)中60℃で1時間窒素下で撹拌した。この反応物を室温まで冷却させて1−ブロモ−5−クロロpentane(0.216ml、1.642mmol)及びトリエチルアミン(0.343ml、2.464mmol)を加え、この混合物を窒素下の20℃で16時間撹拌した。この混合物をこのあと水(10ml)及びブライン(10ml)で希釈し、DCM(2×10ml)で抽出した。この合わせた有機抽出物を蒸発させ、その残留物をDCMに溶解させ、40分かけての0→100%酢酸エチル/シクロヘキサン勾配のFlashmaster II(70gアミノプロピルカートリッジ)を用いるカラムクロマトグラフィーにより精製した。その適切なフラクションを合わせ、真空で蒸発させて、その表題化合物を黄色のガム状物(430mg)として得た。
LCMS(装置D):tRET=4.15min;MH=356/358。
【0302】
中間体36:2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−8−(メチルオキシ)−9−[4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ブチル]−9H−プリン−6−アミン
【化64】

【0303】
9−(4−クロロブチル)−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−8−(メチルオキシ)−9H−プリン−6−アミン(70mg、0.205mmol)をN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.179mL、1.024mmol)+ヨウ化ナトリウム(30.7mg、0.205mmol)+テトラヒドロ−2H−ピラン−4−アミン(62.1mg、0.614mmol)/アセトニトリル(1.5mL)と混合し、一晩窒素下70℃で加熱し、そのあと週末にかけて周囲温度に置いておいた。そのアセトニトリルを窒素下で蒸発させ、その残留物を重炭酸ナトリウム水溶液とジクロロメタンとに分配させた。その水相をジクロロメタンで再抽出し、その合わせた有機抽出物を疎水フリットに通し、窒素下で蒸発させて、アンバー色の油状物を得た。この物質を1:1DMSO:MeOH(2×1ml)に溶解させ、Mass Directed AutoPrep(方法A)により2回の注入で精製した。フラクション含有生成物を合わせ、ブローダウン装置で窒素下で蒸発させて、その表題化合物を無色の油状物(30.35mg)として得た。
LCMS(装置D):tRET=2.36min;MH407。
【0304】
中間体37:2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−8−(メチルオキシ)−9−[5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ペンチル]−9H−プリン−6−アミン
【化65】

【0305】
9−(5−クロロペンチル)−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−8−(メチルオキシ)−9H−プリン−6−アミン及びテトラヒドロ−2H−ピラン−4−アミンから中間体36と同じようにしてだが70℃でさらに20時間加熱して調製した。
LCMS(装置D):tRET=2.46min;MH421。
【0306】
中間体38:2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−8−(メチルオキシ)−9−{4−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)アミノ]ブチル}−9H−プリン−6−アミン
【化66】

【0307】
9−(4−クロロブチル)−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−8−(メチルオキシ)−9H−プリン−6−アミン及び(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)アミンから中間体36と同じようにして調製した。
LCMS(装置D):tRET=2.43min;MH421。
【0308】
中間体39:2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−8−(メチルオキシ)−9−{5−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)アミノ]ペンチル}−9H−プリン−6−アミン
【化67】

【0309】
9−(5−クロロペンチル)−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−8−(メチルオキシ)−9H−プリン−6−アミン及び(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)アミンから中間体36と同じようにしてだが70℃でさらに20時間加熱して調製した。
LCMS(装置D):tRET=2.53min;MH435。
【0310】
中間体40:2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−8−(メチルオキシ)−9−{4−[(3R)−テトラヒドロ−3−フラニルアミノ]ブチル}−9H−プリン−6−アミン
【化68】

【0311】
9−(4−クロロブチル)−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−8−(メチルオキシ)−9H−プリン−6−アミン及び(3R)−テトラヒドロ−3−フランアミンから中間体36と同じようにしてだが70℃でさらに20時間加熱して調製した。
LCMS(装置D):tRET=2.32min;MH393。
【0312】
中間体41:2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−8−(メチルオキシ)−9−{4−[(3S)−テトラヒドロ−3−フラニルアミノ]ブチル}−9H−プリン−6−アミン
【化69】

【0313】
9−(4−クロロブチル)−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−8−(メチルオキシ)−9H−プリン−6−アミン及び(3S)−テトラヒドロ−3−フランアミンから中間体40と同じようにして調製した。
LCMS(装置D):tRET=2.33min;MH393。
【0314】
実施例1:6−アミノ−2−(ブチルオキシ)−9−{3−[(2R)−テトラヒドロ−2−フラニルアミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化70】

【0315】
2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−9−{3−[(2R)−テトラヒドロ−2−フラニルアミノ]プロピル}−8,9−ジヒドロ−7H−プリン−6−アミン(3mg、8.23μmol)を4M HCl/1,4−ジオキサン(0.05mL、0.2mmol)とメタノール(2mL)中40℃で3時間撹拌した。その溶媒を窒素流下のRadleysブローダウン装置を用いてストリッピングした。このサンプルをメタノールに負荷し、メタノールを用いるアミノプロピル(NH)カートリッジでのSPE(2g)により精製した。その適切なフラクションを合わせ、窒素流下で乾燥させて、その表題化合物を白色の固形物(2.8mg)として得た。
LCMS(装置D):tRET=1.96min;MH+351。
【0316】
実施例2:6−アミノ−2−(ブチルオキシ)−9−{3−[(2S)−テトラヒドロ−2−フラニルアミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化71】

【0317】
2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−9−{3−[(2S)−テトラヒドロ−2−フラニルアミノ]プロピル}−8,9−ジヒドロ−7H−プリン−6−アミンから実施例1と同じようにして調製した。
LCMS(装置C):tRET=0.77min;MH351。
【0318】
実施例3:6−アミノ−2−(ブチルオキシ)−9−{3−[(テトラヒドロ−2−フラニルメチル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化72】

【0319】
2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−9−{3−[(テトラヒドロ−2−フラニルメチル)アミノ]プロピル}−9H−プリン−6−アミンから実施例1と同じようにして調製した。
LCMS(装置D):tRET=2.13min;MH365。
【0320】
実施例4:6−アミノ−2−(ブチルオキシ)−9−{3−[(テトラヒドロ−3−フラニルメチル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化73】

【0321】
2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−9−{3−[(テトラヒドロ−3−フラニルメチル)アミノ]プロピル}−9H−プリン−6−アミン(11mg、0.029mmol)及び4M HCl/1,4−ジオキサン(0.160mL、0.639mmol)を20℃で16時間メタノール(1mL)中で撹拌した。その溶媒をNブローダウンにより除去した。このサンプルをメタノールに負荷し、メタノールを用いるアミノプロピル(NH)カートリッジ(2g)でのSPEにより精製した。その適切なフラクションを合わせ、窒素流下で乾燥させて、その粗製生成物を白色の固形物として得た。このサンプルを1:1MeOH:DMSO(1mL)に溶解させ、Mass Directed AutoPrep(方法A)により精製した。その溶媒をRadleysブローダウン装置で窒素流下で乾燥させて、その表題化合物を白色の固形物(5.6mg)として得た。
LCMS(装置D):tRET=2.03min;MH365。
【0322】
実施例5:6−アミノ−2−(ブチルオキシ)−9−(3−{[2−(テトラヒドロ−2−フラニル)エチル]アミノ}プロピル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化74】

【0323】
2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−9−(3−{[2−(テトラヒドロ−2−フラニル)エチル]アミノ}プロピル)−9H−プリン−6−アミンから実施例1と同じようにして調製した。
LCMS(装置D):tRET=2.16min;MH379。
【0324】
実施例6:6−アミノ−2−(ブチルオキシ)−9−{3−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルメチル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化75】

【0325】
2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−9−{3−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルメチル)アミノ]プロピル}−9H−プリン−6−アミンから実施例4と同じようにして調製した。
LCMS(装置D):tRET=2.29min;MH379。
【0326】
実施例7:6−アミノ−2−(ブチルオキシ)−9−{3−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イルメチル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化76】

【0327】
2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−9−{3−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イルメチル)アミノ]プロピル}−9H−プリン−6−アミンから実施例1と同じようにして調製した。
LCMS(装置D):tRET=2.15min;MH379。
【0328】
実施例8:6−アミノ−2−(ブチルオキシ)−9−{3−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化77】

【0329】
2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−9−{3−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)アミノ]プロピル}−9H−プリン−6−アミンから実施例1と同じようにして調製した。
LCMS(装置D):tRET=2.08min;MH379。
【0330】
実施例9:6−アミノ−2−(ブチルオキシ)−9−(3−{[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)エチル]アミノ}プロピル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化78】

【0331】
2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−9−(3−{[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)エチル]アミノ}プロピル)−9H−プリン−6−アミンから実施例1と同じようにして調製した。
LCMS(装置D):tRET=2.33min;MH393。
【0332】
実施例10:6−アミノ−2−(ブチルオキシ)−9−(3−{[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)エチル]アミノ}プロピル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化79】

【0333】
2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−9−(3−{[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)エチル]アミノ}プロピル)−9H−プリン−6−アミンから実施例1と同じようにして調製した。
LCMS(装置D):tRET=2.19min;MH393。
【0334】
実施例11:6−アミノ−2−(ブチルオキシ)−9−(3−{[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エチル]アミノ}プロピル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化80】

【0335】
2−(ブチルオキシ)−8−(メチルオキシ)−9−(3−{[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エチル]アミノ}プロピル)−9H−プリン−6−アミンから実施例1と同じようにして調製した。
LCMS(装置D):tRET=2.15min;MH393。
【0336】
実施例12:6−アミノ−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−9−{3−[(テトラヒドロ−2−フラニルメチル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化81】

【0337】
2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−8−(メチルオキシ)−9−{3−[(テトラヒドロ−2−フラニルメチル)アミノ]プロピル}−9H−プリン−6−アミンから実施例4と同じようにして調製した。
LCMS(装置D):tRET=2.27min;MH379。
【0338】
実施例13:6−アミノ−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−9−(3−{[2−(テトラヒドロ−2−フラニル)エチル]アミノ}プロピル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化82】

【0339】
2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−8−(メチルオキシ)−9−(3−{[2−(テトラヒドロ−2−フラニル)エチル]アミノ}プロピル)−9H−プリン−6−アミンから実施例4と同じようにして調製した。
LCMS(装置C):tRET=0.9min;MH393。
【0340】
実施例14:6−アミノ−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−9−{3−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化83】

【0341】
2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−8−(メチルオキシ)−9−{3−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)アミノ]プロピル}−9H−プリン−6−アミンから実施例1と同じようにして調製した。
LCMS(装置D):tRET=2.22min;MH393。
【0342】
実施例15:6−アミノ−2−(ブチルアミノ)−9−{3−[(テトラヒドロ−2−フラニルメチル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化84】

【0343】
−ブチル−8−(メチルオキシ)−9−{3−[(テトラヒドロ−2−フラニルメチル)アミノ]プロピル}−9H−プリン−2,6−ジアミンから実施例1と同じようにして調製した。
LCMS(装置D):tRET=2.11min;MH364。
【0344】
実施例16:6−アミノ−2−(ブチルアミノ)−9−(3−{[2−(テトラヒドロ−2−フラニル)エチル]アミノ}プロピル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化85】

【0345】
−ブチル−8−(メチルオキシ)−9−(3−{[2−(テトラヒドロ−2−フラニル)エチル]アミノ}プロピル)−9H−プリン−2,6−ジアミンから実施例1と同じようにして調製した。
LCMS(装置D):tRET=2.14min;MH378。
【0346】
実施例17:6−アミノ−2−(ブチルアミノ)−9−{3−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化86】

【0347】
−ブチル−8−(メチルオキシ)−9−{3−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)アミノ]プロピル}−9H−プリン−2,6−ジアミンから実施例1と同じようにして調製した。
LCMS(装置D):tRET=2.06min;MH378。
【0348】
実施例18:6−アミノ−2−(ブチルアミノ)−9−(3−{[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)エチル]アミノ}プロピル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化87】

【0349】
−ブチル−8−(メチルオキシ)−9−(3−{[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)エチル]アミノ}プロピル)−9H−プリン−2,6−ジアミンから実施例4と同じようにして調製した。
LCMS(装置D):tRET=2.33min;MH392。
【0350】
実施例19:6−アミノ−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−9−[4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ブチル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化88】

【0351】
2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−8−(メチルオキシ)−9−[4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ブチル]−9H−プリン−6−アミン(30.35mg、0.075mmol)をメタノール(2.0mL)に溶解させ、4M HCl/1,4−ジオキサン(0.467mL、1.866mmol)で処理し、週末にかけて栓をしたバイアル中で撹拌した。その溶媒を窒素下で蒸発させ、その残留物をメタノールに溶解させ、アミノプロピルSPEカートリッジ(2g、2カラム体積のメタノールで前処理済み)に流し落とし、1カラム体積のメタノールで洗い落とした。この溶離液をブローダウン装置で窒素下で蒸発させて、その表題化合物を白から外れた色の固形物(28.34mg)として得た。
LCMS(装置D):tRET=2.16min;MH393。
【0352】
実施例20:6−アミノ−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−9−[5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ペンチル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化89】

【0353】
2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−8−(メチルオキシ)−9−[5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ペンチル]−9H−プリン−6−アミン(35.47mg、0.084mmol)をメタノール(2.3mL)中で撹拌し、4M HCl/1,4−ジオキサン(0.527mL、2.109mmol)で処理した。この反応物を栓をしたバイアル中で一晩撹拌し、そのあと窒素下で蒸発させ、その残留物を1:1DMSO:MeOH(1mL)に溶解させ、Mass Directed AutoPrep(方法A)により精製した。生成物含有フラクションを合わせ、窒素ブローダウン装置で蒸発させて、その表題化合物を白から外れた色のガム状物(23.28mg)として得た。
LCMS(装置D):tRET=2.25min;MH407。
【0354】
実施例21:6−アミノ−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−9−{4−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)アミノ]ブチル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化90】

【0355】
2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−8−(メチルオキシ)−9−{4−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)アミノ]ブチル}−9H−プリン−6−アミンから実施例19と同じようにして調製した。
LCMS(装置D):tRET=2.21min;MH407。
【0356】
実施例22:6−アミノ−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−9−{5−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)アミノ]ペンチル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化91】

【0357】
2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−8−(メチルオキシ)−9−{5−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)アミノ]ペンチル}−9H−プリン−6−アミンから実施例20と同じようにして調製した。
LCMS(装置D):tRET=2.29min;MH421。
【0358】
実施例23:6−アミノ−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−9−{4−[(3R)−テトラヒドロ−3−フラニルアミノ]ブチル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化92】

【0359】
2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−8−(メチルオキシ)−9−{4−[(3R)−テトラヒドロ−3−フラニルアミノ]ブチル}−9H−プリン−6−アミンから実施例20と同じようにして調製した。
LCMS(装置D):tRET=2.14min;MH379。
【0360】
実施例24:6−アミノ−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−9−{4−[(3S)−テトラヒドロ−3−フラニルアミノ]ブチル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化93】

【0361】
2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−8−(メチルオキシ)−9−{4−[(3S)−テトラヒドロ−3−フラニルアミノ]ブチル}−9H−プリン−6−アミンから実施例20と同じようにして調製した。
LCMS(装置D):tRET=2.14min;MH379。
【0362】
生物学的データ
本発明の化合物のin vitro生物学的活性を以下のアッセイ又は類似のアッセイに従って試験した:
凍結保存ヒト末梢血単核細胞(PBMC)を用いるインターフェロン−α誘導アッセイ
化合物の調製
化合物をDMSOに溶解した。DMSOを用いて連続2倍希釈液を調製し、0.25μlを384ウェルの透明Greinerポリプロピレンプレートに分注した。
【0363】
PBMCの調製
健康なヒト提供者から最大200mlの血液サンプルを採取した。Leucosepチューブに入れた15ml Ficollのグラジエントに25ml量の全血を重層し、1000gで20分遠心した。血漿/histopaque界面にあるバンドの細胞を慎重に分離し、PBSで2回洗浄した(400gで5分遠心して回収した)。最終ペレットを凍結用媒体(90%加熱不活化血清、10%DMSO)中に懸濁して4×10個/mlの細胞濃度とした。その後、懸濁した細胞を速度制御フリーザーで凍結保存(冷凍)し、−140℃で最大4ヶ月間貯蔵した。
【0364】
インキュベーション及びインターフェロン−αアッセイ
アッセイ直前に、凍結保存(冷凍)PBMCのバイアルを37℃の水浴で急速解凍した。細胞をトリパンブルーで1:10に希釈してカウントした。次にPBMCを増殖培地[10%ウシ胎仔血清(invitrogen社)、ペニシリン+ストレプトマイシン(Gibco社カタログ番号25030−024、1:50)、L−グルタミン2mM、及び1000単位/ml組換えヒトIFN−γ(Preprotech社カタログ番号300−02)を含有するRPMI1640]で1×10個/mlの密度に希釈し、50μl/ウェルを、0.25μlのDMSO又は0.25μlのDMSO中の試験化合物を加えた384ウェルの透明Greinerポリプロピレンプレートに分注した。化合物の最高最終濃度は(高活性化合物についてカーブフィット(曲線適合)を得るため)通常50μM又は5μMとした。プレートを5%CO、37℃で24時間インキュベートした。
【0365】
PBMC上清中のIFN−αを定量するためにマルチアイソフォーム・イムノアッセイを用いた。ヒトIFN−αに対するウサギポリクローナル抗体(カタログ番号31101、Stratech Scientific社)をアッセイ緩衝液(10%ウシ胎仔血清を含むRPMI1640、Invitrogen社)で1:10000に希釈し、20μlをMSD(Meso−Scale Discovery)社のシングルスモールスポット384ウェルGAR(ヤギ抗ウサギ抗体コーティング)プレートの各ウェルに加えた。そのプレートを激しく振とうしながら室温で1時間インキュベートした。PBSで3回洗浄した後、20μlの細胞上清をプレートの各ウェルに添加した。その後プレートを激しく振とうしながら室温で1時間インキュベートした。IFN−αに対するモノクローナル抗体のペア(カタログ番号21100及び21112、Stratech Scientific社)をsulfo−TAG(MSD社)で標識し、アッセイ緩衝液で1:1000に希釈して、20μlをプレートの各ウェルに加えた。プレートを激しく振とうしながら室温で1時間さらにインキュベートした。PBSで3回洗浄した後、30μlの×2T緩衝液(MSD社)を各ウェルに加えて、プレートをMSD Sector 6000プレートリーダーで読み取った。
【0366】
データは1μMのレシキモド(resiquimod)(n=16)及びDMSO(n=16)の内部プレート対照に対して標準化した。pEC50値は、試験化合物の2倍連続希釈11ポイントから、ActivityBaseのIRLSを用いて4パラメータ・カーブフィットにより誘導した。
【0367】
結果
実施例1〜24の化合物は、平均pEC50が>5であった。実施例12、13及び19は平均pEC50が>7.0であり、実施例20〜24はpEC50が>8.0であった。
【0368】
新鮮なヒト末梢血単核細胞(PBMC)を用いるインターフェロン−α及びTNF−α誘導アッセイ
化合物の調製
化合物をDMSOに溶解し、Biomek2000を用いてDMSOで連続希釈して100×所要濃度範囲を得た。BiomekFXを用いて、1μlの試験化合物を96ウェルの組織培養プレートに移した。提供者ごとに各化合物を2回反復してアッセイした。各プレートは標準としてTLR7/8アゴニストのレシキモド(resiquimod)の希釈系列を含み、11列は1μlの200μMレシキモドを含んでいた(2μMの最終濃度を与え、レシキモドに対する近似最大応答を定めるために用いた)。
【0369】
PBMCの調製
2人のヒト提供者から血液サンプルをヘパリンナトリウム(10U/ml)中に採取した。Leucosepチューブに入れた15ml Histopaqueの上に25ml量の全血を重層し、800gで20分遠心して、血漿/histopaque界面のバンドを慎重に分離した。回収した細胞を2500rpmで10分遠心し、ペレットを10mlの培地[10%v/vウシ胎仔血清(FCS、低エンドトキシン)、100U/mlペニシリンG、100μg/mlストレプトマイシン、10mM L−グルタミン及び1×非必須アミノ酸を添加したRPMI1640(低エンドトキシン)]に再懸濁した。トリパンブルー及び血球計でカウントした細胞を用いて細胞の1:20希釈液を調製した。PBMCを希釈して2×10個/mlの最終濃度とし、この細胞懸濁液100μlを、試験化合物の希釈液1μlを含むウェルに加えた。
【0370】
インキュベーション並びにインターフェロン−α及びTNF−αのアッセイ
細胞調製物を24時間(37℃、95%空気、5%CO)インキュベートし、その後Biomek FXを用いて上清のサンプルを取り出し、MSD(Mesoscale Discovery)社製の電気化学発光測定装置を用いてIFN−αとTNF−αの両方をアッセイした。IFN−αアッセイは上記の方法と同様にして実施した。TNF−αアッセイはキットの使用説明書(カタログ番号K111BHB)の通りに実施した。
【0371】
放出されたサイトカインは、2μMレシキモド対照(11列)に対するパーセントとして表した。このパーセントを化合物濃度に対してプロットして、応答に対するpEC50を非線形最小二乗カーブフィッティングにより求めた。IFN−α応答に関しては、一般に4パラメータ・ロジスティックモデル(4 parameter logistic model)を選択した。TNF応答に関しては、明確な最大応答が得られた(すなわち、その応答に明確なプラトーが認められた)場合には、通常4パラメータモデルを採用した。曲線の上方漸近線が明確に定まらなかった場合には、一般にカーブフィッティングを100%の最大応答(すなわち、2μMレシキモドに対する応答)に制限し、また、試験した最高濃度の応答がレシキモドの応答より大きかった場合にはその最高濃度の応答に制限した。一部の曲線は一方又は両方のサイトカインについて釣鐘形をしており、その釣鐘形応答の下り勾配上のサイトカインデータ(すなわち、最大応答を与える濃度より高い濃度)は、通常ピーク応答のすぐ上の濃度を除いて、ほとんどの場合フィットから除外した。したがって、カーブフィッティングは用量応答曲線の上り勾配に集中していた。
【0372】
結果
実施例3、5、8、9、及び16は、IFN−α及びTNF−αの誘導に対して>6及び<5の平均pEC50をそれぞれ示し、実施例12、13、及び14は、IFN−α及びTNF−αの誘導に対して>7及び<6の平均pEC50をそれぞれ示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
は、C1〜6アルキルアミノ、又はC1〜6アルコキシであり;
mは、3、4、又は5の値を有している整数であり;
nは、0〜3の値を有している整数であり;
pは、1又は2の値を有している整数である]
で表される化合物又はその塩。
【請求項2】
が、(1S)−1−メチルブチルオキシである、請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項3】
nが、0である、請求項1又は2に記載の化合物又はその塩。
【請求項4】
nが、1である、請求項1又は2に記載の化合物又はその塩。
【請求項5】
nが、2である、請求項1又は2に記載の化合物又はその塩。
【請求項6】
以下:
6−アミノ−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−9−{3−[(テトラヒドロ−2−フラニルメチル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;
6−アミノ−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−9−(3−{[2−(テトラヒドロ−2−フラニル)エチル]アミノ}プロピル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;
6−アミノ−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−9−[5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ペンチル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;
6−アミノ−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−9−{4−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)アミノ]ブチル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;
6−アミノ−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−9−{5−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)アミノ]ペンチル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;
6−アミノ−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−9−{4−[(3R)−テトラヒドロ−3−フラニルアミノ]ブチル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;及び
6−アミノ−2−{[(1S)−1−メチルブチル]オキシ}−9−{4−[(3S)−テトラヒドロ−3−フラニルアミノ]ブチル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;
並びにこれらの塩;
からなるリストから選択される化合物又はその塩。
【請求項7】
活性治療剤として使用するための、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
アレルギー疾患及びその他の炎症性病態、感染症、並びにガンの治療で使用するための、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
アレルギー疾患及びその他の炎症性病態、感染症、並びにガンの治療方法であって、投与を必要としているヒト対象に、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を投与することを含む、前記方法。
【請求項10】
請求項1〜6のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩と、1種又はそれ以上の薬学的に許容される希釈剤又は担体とを含んでいる医薬組成物。
【請求項11】
病気に罹っているか又は罹りやすい患者ヒト対象に、抗原又は抗原組成物と、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩とを含んでいるワクチン組成物を投与することを含む、病気の治療又は予防方法。

【公表番号】特表2011−530561(P2011−530561A)
【公表日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−522484(P2011−522484)
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【国際出願番号】PCT/EP2009/060262
【国際公開番号】WO2010/018130
【国際公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(509329523)グラクソスミスクライン エルエルシー (38)
【Fターム(参考)】