説明

イオン性液体を使用して不純物を抽出する方法

本発明は、式[K]n+[A]n-(n、[K]+およびAn-は説明において引用したのと同義である)のイオン性液体によって、非プロトン性溶媒から、フェノール、アルコール、アミン、ホスフィン、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、オキシム、イミン、水、カルボン酸、アミノ酸、ヒドロキサム酸、スルフィン酸、スルホン酸、ペルオキシカルボン酸、ホスホノ酸、ホスフィノ酸、ホスホン酸、ホスフィン酸またはリン酸を抽出する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式[K]n+[A]n-
(ここで、
nは1、2または3であり;
[K]+は、
・式[NR1, R2, R3, R4]+(Ia)の4級アンモニウムカチオン、
・式[PR1, R2, R3, R4]+(Ib)の4級ホスホニウムカチオン、
(ここで、R1, R2, R3, R4はそれぞれC1〜C12-アルキルまたはフェニル- C1〜C4-アルキルであり、脂肪族基は、ハロゲン、アミノ、シアノ、C1〜C4-アルコキシから成る群より選択される1〜4個の置換基を有していてもよく、フェニル環は、上記置換基およびまたC1〜C6-アルキル、カルボキシレートおよびスルホネート基を有していてもよく、R1およびR2は一緒になって、C1〜C4-アルキル、ハロゲン、シアノまたはC1〜C4-アルコキシで置換されていてもよいC4〜C5-アルケニレン基を形成してもよい)
・式
【化1】

【0002】
のイミダゾリウムカチオン、
・式
【化2】

【0003】
のピリジニウムカチオン、
・式
【化3】

【0004】
のピラゾリウムカチオン、
・式
【化4】

【0005】
のキノリニウムカチオン
・式
【化5】

【0006】
のチアゾリウムカチオン、
・式
【化6】

【0007】
のトリアジニウムカチオン
(ここで、指標nおよび置換基RおよびRXは以下の意味を有する:
nは0、1、2、3または4であり;
Rはハロゲン、C1〜C12-アルキルまたはフェニル- C1〜C4-アルキルであり、脂肪族基は、ハロゲン、アミノ、シアノ、C1〜C4-アルコキシから成る群より選択される1〜4個の置換基を有していてもよく、フェニル環は、上記置換基およびまたC1〜C6-アルキル、カルボキシレートおよびスルホネート基を有していてもよく、
RXはC1〜C6-アルキル、ハロゲン、アミノ、シアノ、C1〜C4-アルコキシ、カルボキシレートまたはスルホネートである)
から成る群より選択され;
[A]n-は、無機または有機プロトン酸(protic acid)HnA(III)[ここで、nは正の整数であり、アニオン上の電荷を示す]の一部または全部脱プロトン化されたアニオンである)
のイオン性液体を用いて、非プロトン性溶媒から、フェノール、アルコール、アミン、ホスフィン、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、オキシム、イミン、水、カルボン酸、アミノ酸、ヒドロキサム酸、スルフィン酸、スルホン酸、ペルオキシカルボン酸、ホスホノ酸(phosphonous acid)、ホスフィノ酸(phosphinous acid)、ホスホン酸、ホスフィン酸またはリン酸を抽出除去する方法に関する。
【背景技術】
【0008】
イオン性液体は、非常に新しい研究分野である。一般に、「イオン性液体(ionic liquids)」という語は、100℃より下の融点を有する塩をいう。そのような広い定義はまた、金属ハロゲン化物、例えば塩化アルミニウム、塩化亜鉛または塩化銅に基づくイオン性液体を含む。
【0009】
本発明の抽出プロセスの場合には、例えばWO 01/40150に記載されたような金属ハロゲン化物に基づくイオン性液体は適当でない。というのは、それらは、抽出されるべき分子のプロトン性の官能基と反応するからである。
【0010】
この理由で、イオン性液体は、本発明の目的のために上記よりもっと狭く定義される。
【0011】
最初に記載したイオン性液体を用いた、燃料からの硫黄不純物の抽出は、文献に記載されている(WO 01/40150, DE 101 55 281)。引用された研究は、硫黄不純物が容易に分極可能な化合物であるが、アルカン(燃料)は容易に分極可能でない化合物であるという仮定に基づく。
【発明の開示】
【0012】
驚くべきことに、プロトン基を有する化合物はまた、炭化水素から抽出することができることがここで見出された。この方法は、アルカンからの抽出に良好な結果を与えるだけでなく、驚くべきことにまた、芳香族炭化水素からの抽出に広げることができる。実施例は、(プロトン性の(protic))OH基を有するクレゾールが芳香族炭化水素クロロベンゼンから有効に抽出できることを印象的に証明する。
【0013】
イオン性液体は、例えばP. Wasserscheid および T. Welton 「合成におけるイオン性液体」(“Ionic liquids in synthesis”), Wiley-VCH 2003による論文に記載されているように、アルキル化および/またはイオン交換によって製造することができる。
【0014】
本発明の目的のためには、イオン性液体は、最初に定義された塩である。以下において、イオン性液体が、特にアニオンの性質によって、より詳細に記載される。
【0015】
好ましいカチオンは、アンモニウム塩(Ia)または1,3-置換イミダゾリウム塩(Ic)である。大いに特に好ましいのは、1,3-置換イミダゾリウムカチオンとして、1,3-ジメチルイミダゾリウム、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム、1-メチル-3-プロピルイミダゾリウム、1-イソプロピル-3-メチルイミダゾリウム、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム、1-メチル-3-ペンチルイミダゾリウム、1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウム、1-ヘプチル-3-メチルイミダゾリウム、1-メチル-3-オクチルイミダゾリウム、1-デシル-3-メチルイミダゾリウム、1-メチル-3-ベンジルイミダゾリウム、1-メチル-3-(3-フェニルプロピル) イミダゾリウム、1-(2-エチル)ヘキシル-3-メチルイミダゾリウム、1-メチル-3-ノニルイミダゾリウム、1-メチル-3-デシルイミダゾリウム、1,2,3-トリメチルイミダゾリウム、1-エチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムまたは1-ブチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムを含むイミダゾリウム塩(Ic)である。
【0016】
本発明の方法において使用されるイオン性液体は、無機または有機プロトン酸(protic acid)HnA(III)[ここで、nは正の整数であり、アニオン上の電荷を示す]の一部または全部脱プロトン化されたアニオンであるアニオンAn-を含む。
【0017】
本発明の目的のためには、一部脱プロトン化されたアニオンは、1個以上の脱プロトン可能な水素原子をなお含む多塩基酸のアニオンである。相応じて、全部脱プロトン化されたアニオンは、さらに脱プロトン可能な水素原子を含まないアニオンである。
【0018】
好ましいアニオンAn-は:
フッ化物、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、トリフルオロアルセネート、ナイトライト、ナイトレート、サルフェート、ハイドロゲンサルフェート、カーボネート、ハイドロゲンカーボネート、ホスフェート、ハイドロゲンホスフェート、ジハイドロゲンホスフェート、ビニルホスホネート、ジシアナミド、ビス(ペンタフルオロエチル)ホスフィネート、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、トリス(ペンタフルオロプロピル)トリフルオロホスフェート、ビス[オキサラト(2-)]ボレート、ビス[サリチラト(2-)]ボレート、ビス[1,2-ベンゼンジオラト(2-)-O,O’]ボレート、テトラシアノボレート;
式(IIa)[BRaRbRcRd]-(ここで、Ra〜Rdはそれぞれ互いに独立して、フッ素または、1〜30個の炭素原子を有し、かつ1個以上のヘテロ原子を含むか、および/または1個以上の官能基もしくはハロゲンで置換されていることができる、炭素を含有する有機、飽和もしくは不飽和の、非環状もしくは環状の、脂肪族、芳香族もしくは芳香脂肪族基である)の4置換されたボレート;
式(IIb)[Re-SO3]-(ここでReは、1〜30個の炭素原子を有し、かつ1個以上のヘテロ原子を含むか、および/または1個以上の官能基もしくはハロゲンで置換されていることができる、炭素を含有する有機、飽和もしくは不飽和の、非環状もしくは環状の、脂肪族、芳香族もしくは芳香脂肪族基である)の有機スルホネート;
式(IIc)[Rf-COO]-(ここでRfは、水素または、1〜30個の炭素原子を有し、かつ1個以上のヘテロ原子を含むか、および/または1個以上の官能基もしくはハロゲンで置換されていることができる、炭素を含有する有機、飽和もしくは不飽和の、非環状もしくは環状の、脂肪族、芳香族もしくは芳香脂肪族基である)のカルボキシレート;
式(IId)[PFx(CyF2y+1-zHz)6-x]-(ここで、1≦x≦6、1≦y≦8および0≦z≦2y+1)の(フルオロアルキル)フルオロホスフェート;
式(IIe)[Rg-SO2-N-SO2-Rh]-、(IIf)[ Ri-SO2-N-CO-Rj]-または(IIg)[Rk-CO-N-CO-Rl]-(ここで、Rg〜Rlはそれぞれ互いに独立して、水素または、1〜30個の炭素原子を有し、かつ1個以上のヘテロ原子を含むか、および/または1個以上の官能基もしくはハロゲンで置換されていることができる、炭素を含有する有機、飽和もしくは不飽和の、非環状もしくは環状の、脂肪族、芳香族もしくは芳香脂肪族基である)のイミド;
式(IIh)
【化7】

【0019】
(ここでRm〜Roはそれぞれ互いに独立して、水素または、1〜30個の炭素原子を有し、かつ1個以上のヘテロ原子を含むか、および/または1個以上の官能基もしくはハロゲンで置換されていることができる、炭素を含有する有機、飽和もしくは不飽和の、非環状もしくは環状の、脂肪族、芳香族もしくは芳香脂肪族基である)のメチド(methide);
式(IIi)[RpO-SO3]-(ここでRpは、1〜30個の炭素原子を有し、かつ1個以上のヘテロ原子を含むか、および/または1個以上の官能基もしくはハロゲンで置換されていることができる、炭素を含有する有機、飽和もしくは不飽和の、非環状もしくは環状の、脂肪族、芳香族もしくは芳香脂肪族基である)の有機サルフェート
である。
【0020】
アニオンAn-上の電荷「n-」は、「1-」、「2-」または「3-」である。二価に負に帯電したアニオンの例は、サルフェート、ハイドロゲンホスフェートおよびカーボネートである。3価に負に帯電したアニオンの例は、ホスフェートである。
【0021】
可能なヘテロ原子は、原則として、-CH2-、-CH=基、C≡基または=C=基を形式的に置き換えることができる全てのヘテロ原子である。炭素含有基がヘテロ原子を含むなら、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素が好ましい。好ましい基は特に、-O-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR-、-N=、-PR-、-PR2および-SiR2-であり、ここで基Rは、各場合に、炭素含有基の残りの部分である。
【0022】
可能な官能基は原則として、炭素原子またはヘテロ原子に結合することができる全ての官能基である。適当な基の例は、-OH(ヒドロキシル)、=O(特にカルボニル基として)、-NH2(アミノ)、=NH(イミノ)、-COOH(カルボキシル)、-CONH2(カルボキシアミド)および-CN(シアノ)である。官能基およびヘテロ原子はまた直接隣接することができ、よって複数の隣接原子の組合せ、例えば-O-(エーテル)、-S-(チオエーテル)、-COO-(エステル)、-CONH-(2級アミド)または-CONR-(3級アミド)がまた含まれる。
【0023】
4置換ボレート(IIa)における基Ra〜Rdとして、有機スルホネート(IIb)における基Reとして、カルボキシレート(IIc)における基Rfとして、ならびにイミド(IIe)、(IIf)および(IIg)における基Rg〜Rlとして好ましい、1〜30個の炭素原子を有する、炭素を含有する有機、飽和もしくは不飽和の、非環状もしくは環状の、脂肪族、芳香族もしくは芳香脂肪族基は、互いに独立して、
・ C1〜C30-アルキルおよびそれらのアリール-、ヘテロアリール-、シクロアルキル-、ハロゲン-、ヒドロキシ-、アミノ-、カルボキシ-、ホルミル-、-O-、-CO-、-CO-O-または-CO-N<置換誘導体、例えばメチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2-ブチル、2-メチル-1-プロピル(イソブチル)、2-メチル-2-プロピル(tert-ブチル)、1-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2-メチル-1-ブチル、3-メチル-1-ブチル、2-メチル-2-ブチル、3-メチル-2-ブチル、2,2-ジメチル-1-プロピル、1-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、2-メチル-1-ペンチル、3-メチル-1-ペンチル、4-メチル-1-ペンチル、2-メチル-2-ペンチル、3-メチル-2-ペンチル、4-メチル-2-ペンチル、2-メチル-3-ペンチル、3-メチル-3-ペンチル、2,2-ジメチル-1-ブチル、2,3-ジメチル-1-ブチル、3,3-ジメチル-1-ブチル、2-エチル-1-ブチル、2,3-ジメチル-2-ブチル、3,3-ジメチル-2-ブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル、ヘンイコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシル、トリアコンチル、フェニルメチル(ベンジル)、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、2-フェニルエチル、3-フェニルプロピル、シクロペンチルメチル、2-シクロペンチルエチル、3-シクロペンチルプロピル、シクロヘキシルメチル、2-シクロヘキシルエチル、3-シクロヘキシルプロピル、メトキシ、エトキシ、ホルミル、アセチルまたはCnF2(n-a)+(1-b)H2a+b(ここでn≦30、0≦a≦nかつb=0または1)(例えばCF3、C2F5、CH2CH2-C(n-2)F2(n-2)+1、C6F13、C8F17、C10F21、C12F25);
・ C3〜C12-シクロアルキルおよびそれらのアリール-、ヘテロアリール-、シクロアルキル-、ハロゲン-、ヒドロキシ-、アミノ-、カルボキシ-、ホルミル-、-O-、-CO-または-CO-O-置換誘導体、例えばシクロペンチル、2-メチル-1-シクロペンチル、3-メチル-1-シクロペンチル、シクロヘキシル、2-メチル-1-シクロヘキシル、3-メチル-1-シクロヘキシル、4-メチル-1-シクロヘキシルまたはCnF2(n-a)-(1-b)H2a-b(ここでn≦30、0≦a≦nかつb=0または1);
・ C2〜C30-アルケニルおよびそれらのアリール-、ヘテロアリール-、シクロアルキル-、ハロゲン-、ヒドロキシ-、アミノ-、カルボキシ-、ホルミル-、-O-、-CO-または-CO-O-置換誘導体、例えば2-プロペニル、3-ブテニル、cis-2-ブテニル、trans-2-ブテニルまたはCnF2(n-a)-(1-b)H2a-b(ここでn≦30、0≦a≦nかつb=0または1);
・ C3〜C12-シクロアルケニルおよびそれらのアリール-、ヘテロアリール-、シクロアルキル-、ハロゲン-、ヒドロキシ-、アミノ-、カルボキシ-、ホルミル-、-O-、-CO-または-CO-O-置換誘導体、例えば3-シクロペンテニル、2-シクロヘキセニル、3-シクロヘキセニル、2,5-シクロヘキサジエニルまたはCnF2(n-a)-3(1-b)H2a-3b(ここでn≦30、0≦a≦nかつb=0または1);ならびに
・ 2〜30個の炭素原子を有するアリールまたはヘテロアリールおよびそれらのアルキル、アリール、ヘテロアリール-、シクロアルキル-、ハロゲン-、ヒドロキシ-、アミノ-、カルボキシ-、ホルミル-、-O-、-CO-または-CO-O-置換誘導体、例えばフェニル、2-メチルフェニル(2-トリル)、3-メチルフェニル(3-トリル)、4-メチルフェニル、2-エチルフェニル、3-エチルフェニル、4-エチルフェニル、2,3-ジメチルフェニル、2,4-ジメチルフェニル、2,5-ジメチルフェニル、2,6-ジメチルフェニル、3,4-ジメチルフェニル、3,5-ジメチルフェニル、4-フェニルフェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、1-ピロリル、2-ピロリル、3-ピロリル、2-ピリジニル、3-ピリジニル、4-ピリジニルまたはC6F(5-a)Ha(0≦a≦5)
である。
【0024】
アニオンAn-が4置換ボレート(IIa)[BRaRbRcRd]-であるなら、全ての4つの基Ra〜Rdが同じであるのが好ましく、好ましくはフッ素、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、フェニル、3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニルである。特に好ましい4置換ボレート(IIa)は、テトラフルオロボレート、テトラフェニルボレートおよびテトラ[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレートである。
【0025】
アニオンAn-が有機スルホネート(IIb)[Re-SO3]-であるなら、基Reは好ましくはメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、p-トリルまたはC9F19である。特に好ましい有機スルホネート(IIb)は、トリフルオロメタンスルホネート(トリフレート)、メタンスルホネート、p-トルエンスルホネート、ノナデカフルオロノナンスルホネート(ノナフレート)、ジメチレングリコールモノメチルエーテルサルフェートおよびオクチルサルフェートである。
【0026】
アニオンAn-がカルボキシレート(IIc)[Rf-COO]-であるなら、基Rfは好ましくは水素、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、フェニル、ヒドロキシフェニルメチル、トリクロロメチル、ジクロロメチル、クロロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、エテニル(ビニル)、2-プロペニル、-CH=CH-COO-、cis-8-ヘプタデセニル、-CH2-C(OH)(COOH)-CH2-COO-または分岐していないかもしくは分岐したC1〜C18-アルキル、例えばメチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2-ブチル、2-メチル-1-プロピル(イソブチル)、2-メチル-2-プロピル(tert-ブチル)、1-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2-メチル-1-ブチル、3-メチル-1-ブチル、2-メチル-2-ブチル、3-メチル-2-ブチル、2,2-ジメチル-1-プロピル、1-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、2-メチル-1-ペンチル、3-メチル-1-ペンチル、4-メチル-1-ペンチル、2-メチル-2-ペンチル、3-メチル-2-ペンチル、4-メチル-2-ペンチル、2-メチル-3-ペンチル、3-メチル-3-ペンチル、2,2-ジメチル-1-ブチル、2,3-ジメチル-1-ブチル、3,3-ジメチル-1-ブチル、2-エチル-1-ブチル、2,3-ジメチル-2-ブチル、3,3-ジメチル-2-ブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、ヘプタデシルである。特に好ましいカルボキシレート(Vc)は、ホルメート、アセテート、プロピオネート、ブチレート、バレレート、ベンゾエート、マンデレート、トリクロロアセテート、ジクロロアセテート、クロロアセテート、トリフルオロアセテート、ジフルオロアセテート、フルオロアセテートである。
【0027】
アニオンAn-が(フルオロアルキル)フルオロホスフェート(IId)[PFx(CyF2y+1-zHz)6-x]-であるなら、zは好ましくは0である。特に好ましくは、z=0、x=3および1≦y≦4である(フルオロアルキル)フルオロホスフェート(IId)であり、特に[PF3(CF3)3]-、[PF3(C2F5)3]-、[PF3(C3F7)3]-および[PF3(C4F7)3]-である。
【0028】
アニオンAn-がイミド(IIe)[Rg-SO2-N-SO2-Rh]-、(IIf)[Ri-SO2-N-CO-Rj]-または(IIg)[Rk-CO-N-CO-Rl]-であるなら、基Rg〜Rlは好ましくはそれぞれ互いに独立して、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、フェニル、トリクロロメチル、ジクロロメチル、クロロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチルまたは分岐していないかもしくは分岐したC1〜C12-アルキル、例えばメチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2-ブチル、2-メチル-1-プロピル(イソブチル)、2-メチル-2-プロピル(tert-ブチル)、1-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2-メチル-1-ブチル、3-メチル-1-ブチル、2-メチル-2-ブチル、3-メチル-2-ブチル、2,2-ジメチル-1-プロピル、1-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、2-メチル-1-ペンチル、3-メチル-1-ペンチル、4-メチル-1-ペンチル、2-メチル-2-ペンチル、3-メチル-2-ペンチル、4-メチル-2-ペンチル、2-メチル-3-ペンチル、3-メチル-3-ペンチル、2,2-ジメチル-1-ブチル、2,3-ジメチル-1-ブチル、3,3-ジメチル-1-ブチル、2-エチル-1-ブチル、2,3-ジメチル-2-ブチル、3,3-ジメチル-2-ブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシルまたはドデシルである。特に好ましいイミド(IIe)、(IIf)および(IIg)は、[F3C-SO2-N-SO2-CF3]-(ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド)、[F5C2-SO2-N-SO2-C2F5]-(ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド)、[F3C-SO2-N-CO-CF3]-、[F3C-CO-N-CO-CF3]-および、基Rg〜Rlがそれぞれ互いに独立して、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、トリクロロメチル、ジクロロメチル、クロロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチルまたはフルオロメチルであるものである。
【0029】
アニオンAn-がメチド(IIh)
【化8】

【0030】
であるなら、基Rm〜Roは好ましくはそれぞれ互いに独立して、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、フェニル、トリクロロメチル、ジクロロメチル、クロロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチルまたは分岐していないかもしくは分岐したC1〜C12-アルキル、例えばメチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2-ブチル、2-メチル-1-プロピル(イソブチル)、2-メチル-2-プロピル(tert-ブチル)、1-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2-メチル-1-ブチル、3-メチル-1-ブチル、2-メチル-2-ブチル、3-メチル-2-ブチル、2,2-ジメチル-1-プロピル、1-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、2-メチル-1-ペンチル、3-メチル-1-ペンチル、4-メチル-1-ペンチル、2-メチル-2-ペンチル、3-メチル-2-ペンチル、4-メチル-2-ペンチル、2-メチル-3-ペンチル、3-メチル-3-ペンチル、2,2-ジメチル-1-ブチル、2,3-ジメチル-1-ブチル、3,3-ジメチル-1-ブチル、2-エチル-1-ブチル、2,3-ジメチル-2-ブチル、3,3-ジメチル-2-ブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシルまたはドデシルである。特に好ましいメチド(IIh)は、[(F3C-SO2)3C]-(トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド)、[(F5C2-SO2)3C]-(ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)メチド)および、基Rm〜Roがそれぞれ互いに独立して、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、トリクロロメチル、ジクロロメチル、クロロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチルまたはフルオロメチルであるものである。
【0031】
アニオンAn-が有機サルフェート式(IIi)[RpO-SO3]-であるなら、基Rpは好ましくは、分岐しているかもしくは分岐していないC1〜C30-アルキル基であり、特に好ましくはメチルサルフェート、エチルサルフェート、プロピルサルフェート、ブチルサルフェート、ペンチルサルフェート、ヘキシルサルフェート、ヘプチルサルフェートまたはオクチルサルフェートである。
【0032】
大いに特に好ましいアニオンAn-は:テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、トリフルオロメタンスルホネート、メタンスルホネート、ホルメート、アセテート、マンデレート、ナイトレート、ナイトライト、トリフルオロアセテート、サルフェート、ハイドロゲンサルフェート、メチルサルフェート、エチルサルフェート、プロピルサルフェート、ブチルサルフェート、ペンチルサルフェート、ヘキシルサルフェート、ヘプチルサルフェート、オクチルサルフェート、ホスフェート、ジハイドロゲンホスフェート、ハイドロゲンホスフェート、プロピオネート、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(トリフリミド)、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド(メチド)、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)メチド、p-トルエンスルホネート(トシレート)、ビス[サリチラト(2-)]ボレート、ジメチレングリコールモノメチルエーテルサルフェート、オレート、ステアレート、アクリレート、メタクリレート、マレート、ハイドロゲンシトレート、ビニルホスホネート、ビス(ペンタフルオロエチル)ホスフィネート、ビス[オキサラト(2-)]ボレート、ビス[1,2-ベンゼンジオラト(2-)-O,O’]ボレート、ジシアナミド、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、トリス(ヘプタフルオロプロピル)トリフルオロホスフェートおよびテトラシアノボレートである。
【0033】
本発明の目的のためには、抽出されるべきプロトン性官能基を有する有機化合物は一般に、式E-X-Hの化合物またはその種類の化合物であり、
ここで、Eは、水素または、場合によりハロゲン-、C1〜C4-アルコキシ-もしくはアミノ-置換されていてもよいC1〜C20-アルキル;場合によりハロゲン-、アルキル-もしくはメトキシ-置換されていてもよいフェニル、ナフチルまたはヘテロアリールであり、かつ
Xは、-N(R’)-, -O-, -P(R’)-, -N(R’)-O-, -N(R’)-N(R’’)-, -C(R’)=N-O-, -C(=O)-O-, -S(=O)2-O-, -S(=O)-O-, P (R’)-, P (=O)(R’)-, P (=O)(OR’)-, P (=O)2(R’)-である。
【0034】
特に、プロトン性官能基を有する以下の有機化合物は、本発明の方法を用いて抽出することができる:アルコール、例えばC1〜C20-アルカノール、ポリオール、ジェミナルジオール(水和物);シラノール;アミン、例えばアニリン、N- C1〜C20-アルキルアニリン、N- C1〜C20-アルキルアミン、N,N-ジ- C1〜C20-アルキルアミン;環状アミン、例えばピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、モルホリンおよびアンモニウム塩;ホスフィン;アミジン;ヒドラジンおよびヒドラジニウム塩、ヒドラゾン;ヒドロキシルアミンおよびヒドロキシルアンモニウム塩;カルバメート;尿素;シアノヒドリン;イミン、例えばイミダゾール、アルジミン(シッフ塩基)、ケチミンおよびイミニウム塩;エナミン、例えばピロール;ヒドラゾ化合物;ヒドロペルオキシド、例えばtert-ブチルヒドロペルオキシド;イミド、例えばフタルイミド;イミノエステル;オキシム;過酸化水素;水(「溶媒の乾燥」);フェノール、例えばヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ナフトール、ビナフトール;ホスフィノ酸(phosphinous acid);ホスフィン酸;ホスホン酸;ホスホン酸モノアルキル(またはアリール);リン酸;リン酸モノアルキル(またはアリール);リン酸ジアルキル(またはアリール);カルボン酸;アミノ酸;ヒドロキシカルボン酸;ケトカルボン酸;ヒドロキサム酸;ヒドロキサモスルホン酸;スルフィン酸;スルホン酸またはペルオキソカルボン酸。
【0035】
特に、E-X-Hは:非置換もしくは置換されたフェノール、例えばo,m,p-クレゾール、3-ヒドロキシピラゾール、2-ヒドロキシピリジン、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール;C1〜C20-アルコール、グリコール、グリセロール、場合により置換されていてもよいアニリン、例えばN- C1〜C20-アルキルアニリン、N- C1〜C20-アルキルアミン、N,N-ジ- C1〜C20-アルキルアミン、P- C1〜C20-アルキルホスフィン、P,P-ジ- C1〜C20-アルキルホスフィン、フェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン、スルホン酸、スルフィン酸、リン酸、カルボン酸またはアミノ酸である。
【0036】
E-X-Hは特に好ましくは:場合により置換されていてもよいフェノール、例えばo,m,p-クレゾール、3-ヒドロキシピラゾール、2-ヒドロキシピリジン、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコールまたはアルコール、例えばC1〜C20-アルコール、グリコール、グリセロールである。
【0037】
本発明の方法はまた、乾燥方法として有利に使用することができる。ここでは、プロトン性化合物である水は、非プロトン性溶媒から除去される。
【0038】
本発明の目的のためには、非プロトン性溶媒は、特に、定義された炭化水素に加えて、さらに以下のものである:
・ 塩素化されたアルカン、例えば塩化メチレン、クロロホルムまたは4塩化炭素;
・ 脂肪族および脂環式エーテル、例えばジエチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテルまたはテトラヒドロフラン;
・ ケトン、例えばアセトン、2-ブタノンまたは3-ブタノン;
・ カルボン酸エステル、例えば酢酸エチル、アセト酢酸エチル、酢酸ブチルまたは酢酸2-エチルヘキシル;ならびに
・ アミン、例えばN-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、テトラメチル尿素またはヘキサメチルホスホルアミド。
【0039】
本発明の目的のためには、炭化水素は、脂肪族化合物、例えばアルカンであることができる。好ましいアルカンは、分岐もしくは分岐していないプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナンまたはデカン、または溶媒として慣用的に使用されるアルカン混合物ならびにまたシクロアルカン、例えばシクロペンタンまたはシクロヘキサンである。種々の軽油画分、例えばSolvesso(商標)がここで可能である。
【0040】
オレフィン、例えばエチレン、プロペン、ブテン、ブタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘキセン、ヘキサジエン、ヘキセンまたはペンテンがまた、炭化水素として適当である。
【0041】
さらなる可能な炭化水素は、芳香族溶媒、例えばベンゼン、トルエン、o,m,p-キシレン、メシチレン、クメン、擬似クメン(pseudocumene)、ヘメリトール(hemellitol)、エチルベンゼン、アニソール、スチレン、スチルベン、tert-ブチルベンゼン、ジニトロベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼンまたはベンゾニトリルである。特に好ましくは、トルエンを使用し、特にクロロベンゼンを使用する。
【0042】
種々のアルカン、オレフィン、芳香族からなる炭化水素混合物、またはその他に、アルカンおよびオレフィンの混合物、アルカンおよび芳香族の混合物または、オレフィンおよび芳香族の混合物を使用することがまた可能である。
【0043】
以下の純正物を、本発明にしたがって、イオン性液体により脂肪族炭化水素から、有利に抽出することができる:アルコール、例えばC1〜C20-アルカノール、ポリオール、ジェミナルジオール(水和物);アミン、例えばアニリン、N- C1〜C20-アルキルアニリン、N- C1〜C20-アルキルアミン、N,N-ジ- C1〜C20-アルキルアミン;環状アミン、例えばピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、モルホリンおよびアンモニウム塩;ホスフィン;アミジン;ヒドラジンおよびヒドラジニウム塩、ヒドラゾン;ヒドロキシルアミンおよびヒドロキシルアンモニウム塩;カルバメート;尿素;イミン、例えばイミダゾール、アルジミン(シッフ塩基)、ケチミンおよびイミニウム塩;ヒドロペルオキシド、例えばtert-ブチルヒドロペルオキシド;イミド、例えばフタルイミド;オキシム;過酸化水素;水(「溶媒の乾燥」);フェノール、例えばヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ナフトール、ビナフトール;ホスフィノ酸(phosphinous acid);ホスフィン酸;ホスホン酸;ホスホン酸モノアルキル(またはアリール);リン酸;リン酸モノアルキル(またはアリール);リン酸ジアルキル(またはアリール);カルボン酸;アミノ酸;ヒドロキシカルボン酸;ケトカルボン酸;ヒドロキサム酸;ヒドロキサモスルホン酸;スルフィン酸;スルホン酸またはペルオキソカルボン酸。
【0044】
以下の不純物は、脂肪族炭化水素から特に好ましく抽出することができる:アルコール、ジオール、ポリオール;アミン;ホスフィン;イミン;アルジミン;ケチミン;尿素;ヒドラジン;ヒドロペルオキシド;ヒドロキシルアミン;イミド;オキシム;フェノール、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ナフトール、ビナフトール;ペルオキシカルボン酸;カルボン酸;アミノ酸;ホスフィノ酸(phosphinous acid);ホスフィン酸;ホスホン酸;ホスホン酸モノアルキル(またはアリール);スルフィン酸、スルホン酸。
【0045】
特に、以下のプロトン性化合物を、本発明の方法を用いて芳香族炭化水素から抽出することができる:
アルコール、例えばC1〜C20-アルカノール、ポリオール;アミン、例えばアニリン、N- C1〜C20-アルキルアニリン、N- C1〜C20-アルキルアミン、N,N-ジ- C1〜C20-アルキルアミン;環状アミン、例えばピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、モルホリンおよびアンモニウム塩;ホスフィン;アミジン;ヒドラジンおよびヒドラジニウム塩、ヒドラゾン;ヒドロキシルアミンおよびヒドロキシルアンモニウム塩;カルバメート;尿素;イミン、例えばイミダゾール、アルジミン(シッフ塩基)、ケチミンおよびイミニウム塩;ヒドロペルオキシド、例えばtert-ブチルヒドロペルオキシド;イミド、例えばフタルイミド;オキシム;過酸化水素;水(「溶媒の乾燥」);フェノール、例えばヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ナフトール、ビナフトール;ホスフィノ酸(phosphinous acid);ホスフィン酸;ホスホン酸;ホスホン酸モノアルキル(またはアリール);リン酸;リン酸モノアルキル(またはアリール);リン酸ジアルキル(またはアリール);カルボン酸;アミノ酸;ヒドロキシカルボン酸;ケトカルボン酸;ヒドロキサム酸;ヒドロキサモスルホン酸;スルフィン酸;スルホン酸またはペルオキソカルボン酸。
【0046】
以下の不純物を芳香族炭化水素から抽出するのが、特に好ましい:アルコール、ジオール、ポリオール;アミン;ホスフィン;イミン;アルジミン;ケチミン;尿素;カルバメート;ヒドラジン;ヒドロペルオキシド;ヒドロキシルアミン;イミド;オキシム;フェノール、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ナフトール、ビナフトール;ペルオキシカルボン酸;カルボン酸;アミノ酸;ホスフィノ酸(phosphinous acid);ホスフィン酸;ホスホン酸;ホスホン酸モノアルキル(またはアリール);スルフィン酸、スルホン酸。
【0047】
上記式における記号の定義では、以下の置換基を一般的に表す集合的用語を使用した:
ハロゲン:フッ素、塩素、臭素およびヨウ素;
アルキル:1〜4個または〜6個、〜12個、〜20個の炭化水素を有する、飽和、直鎖もしくは分岐した炭化水素基、例えばC1〜C6-アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルエチル、ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、ヘキシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピルおよび1-エチル-2-メチルプロピル;
ハロアルキル:水素原子が、上記したハロゲン原子で一部もしくは全部置換されていてもよい、(上記した)1〜12個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐したアルキル基、例えばC1〜C2-ハロアルキル、例えばクロロメチル、ブロモメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1-クロロエチル、1-ブロモエチル、1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-クロロ-2-フルオロエチル、2-クロロ-2,2-ジフルオロエチル、2,2-ジクロロ-2-フルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、ペンタフルオロエチルまたは1,1,1-トリフルオロプロプ-2-イル;
O、NおよびSからなる群からの1〜4個のヘテロ原子を含む、5-〜6-員環の飽和、一部飽和もしくは芳香族の複素環:
- 1〜3個の窒素原子および/または酸素もしくは硫黄原子または1個もしくは2個の酸素原子および/または硫黄原子を含む5-または6-員環の複素環、例えば2-テトラヒドロフラニル、3-テトラヒドロフラニル、2-テトラヒドロチエニル、3-テトラヒドロチエニル、2-ピロリジニル、3-ピロリジニル、3-イソキサゾリジニル、4-イソキサゾリジニル、5-イソキサゾリジニル、3-イソチアゾリジニル、4-イソチアゾリジニル、5-イソチアゾリジニル、3-ピラゾリジニル、4-ピラゾリジニル、5-ピラゾリジニル、2-オキサゾリジニル、4-オキサゾリジニル、5-オキサゾリジニル、2-チアゾリジニル、4-チアゾリジニル、5-チアゾリジニル、2-イミダゾリジニル、4-イミダゾリジニル、1,2,4-オキサジアゾリジン-3-イル、1,2,4-オキサジアゾリジン-5-イル、1,2,4-チアジアゾリジン-3-イル、1,2,4-チアジアゾリジン-5-イル、1,2,4-トリアゾリジン-3-イル、1,3,4-オキサジアゾリジン-2-イル、1,3,4-チアジアゾリジン-2-イル、1,3,4-トリアゾリジン-2-イル、2,3-ジヒドロフル-2-イル、2,3-ジヒドロフル-3-イル、2,4-ジヒドロフル-2-イル、2,4-ジヒドロフル-3-イル、2,3-ジヒドロチエン-2-イル、2,3-ジヒドロチエン-3-イル、2,4-ジヒドロチエン-2-イル、2,4-ジヒドロチエン-3-イル、2-ピロリン-2-イル、2-ピロリン-3-イル、3-ピロリン-2-イル、3-ピロリン-3-イル、2-イソキサゾリン-3-イル、3-イソキサゾリン-3-イル、4-イソキサゾリン-3-イル、2-イソキサゾリン-4-イル、3-イソキサゾリン-4-イル、4-イソキサゾリン-4-イル、2-イソキサゾリン-5-イル、3-イソキサゾリン-5-イル、4-イソキサゾリン-5-イル、2-イソチアゾリン-3-イル、3-イソチアゾリン-3-イル、4-イソチアゾリン-3-イル、2-イソチアゾリン-4-イル、3-イソチアゾリン-4-イル、4-イソチアゾリン-4-イル、2-イソチアゾリン-5-イル、3-イソチアゾリン-5-イル、4-イソチアゾリン-5-イル、2,3-ジヒドロピラゾール-1-イル、2,3-ジヒドロピラゾール-2-イル、2,3-ジヒドロピラゾール-3-イル、2,3-ジヒドロピラゾール-4-イル、2,3-ジヒドロピラゾール-5-イル、3,4-ジヒドロピラゾール-1-イル、3,4-ジヒドロピラゾール-3-イル、3,4-ジヒドロピラゾール-4-イル、3,4-ジヒドロピラゾール-5-イル、4,5-ジヒドロピラゾール-1-イル、4,5-ジヒドロピラゾール-3-イル、4,5-ジヒドロピラゾール-4-イル、4,5-ジヒドロピラゾール-5-イル、2,3-ジヒドロオキサゾール-2-イル、2,3-ジヒドロオキサゾール-3-イル、2,3-ジヒドロオキサゾール-4-イル、2,3-ジヒドロオキサゾール-5-イル、3,4-ジヒドロオキサゾール-2-イル、3,4-ジヒドロオキサゾール-3-イル、3,4-ジヒドロオキサゾール-4-イル、3,4-ジヒドロオキサゾール-5-イル、3,4-ジヒドロオキサゾール-2-イル、3,4-ジヒドロオキサゾール-3-イル、3,4-ジヒドロオキサゾール-4-イル、2-ピペリジニル、3-ピペリジニル、4-ピペリジニル、1,3-ジオキサン-5-イル、2-テトラヒドロピラニル、4-テトラヒドロピラニル、2-テトラヒドロチエニル、3-ヘキサヒドロピリダジニル、4-ヘキサヒドロピリダジニル、2-ヘキサヒドロピリミジニル、4-ヘキサヒドロピリミジニル、5-ヘキサヒドロピリミジニル、2-ピペラジニル、1,3,5-ヘキサヒドロトリアジン-2-イルおよび1,2,4-ヘキサヒドロトリアジン-3-イル;
- 1〜4個の窒素原子または1〜3個の窒素原子および硫黄もしくは酸素原子を含む5-員環のヘテロアリール:炭素原子の他に環構成原子として1〜4個の窒素原子または1〜3個の窒素原子および硫黄もしくは酸素原子を含むことができる5-員環のヘテロアリール基、例えば2-フリル、3-フリル、2-チエニル、3-チエニル、2-ピロリル、3-ピロリル、3-イソキサゾリル、4-イソキサゾリル、5-イソキサゾリル、3-イソチアゾリル、4-イソチアゾリル、5-イソチアゾリル、3-ピラゾリル、4-ピラゾリル、5-ピラゾリル、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、5-オキサゾリル、2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル、1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、1,2,4-オキサジアゾール-5-イル、1,2,4-チアジアゾール-3-イル、1,2,4-チアジアゾール-5-イル、1,2,4-トリアゾール-3-イル、1,3,4-オキサジアゾール-2-イル、1,3,4-チアジアゾール-2-イルおよび1,3,4-トリアゾール-2-イル;
- 1〜3個または1〜4個の窒素原子を含む6-員環ヘテロアリール:炭素原子の他に環構成原子として1〜3個または1〜4個の窒素原子を含むことができる6-員環ヘテロアリール基、例えば2-ピリジニル、3-ピリジニル、4-ピリジニル、3-ピリダジニル、4-ピリダジニル、2-ピリミジニル、4-ピリミジニル、5-ピリミジニル、2-ピラジニル、1,3,5-トリアジン-2-イルおよび1,2,4-トリアジン-3-イル。
【0048】
イオン性液体は一般に、室温で炭化水素と10%未満、好ましくは5%未満の混和性を有するように選択される。適当なイオン性液体は一般に、炭化水素と2つの分離相を形成するものである。
【0049】
概して、本発明の方法は、1抽出工程で、少なくとも5%、しばしば50%より上、好ましくは90%より上まで汚染を減らすことができる。抽出プロセスは通常、1つ以上の段階で、バッチ式で、または連続的に行なうことができる。所望なら、抽出プロセスは、不活性雰囲気(窒素、希ガス、二酸化炭素)下で行なわれる。
【0050】
通常の抽出時間は、1分未満〜2時間の範囲にわたる。2相の接触時間が1時間未満であるのが好ましい。
【0051】
イオン性液体の融点に依存して、100℃以下の温度が設定される。典型的な抽出温度は、10〜100℃、好ましくは25〜80℃である。
【0052】
抽出は、大気圧下または200atmまでの圧力下で行なうことができる。
【0053】
通常の抽出装置は、ミキサー-セットラー系、種々の構成のカラム、例えばトレーカラム、バブルカラム、順番または無作為の充填を含むカラム、回転盤カラムおよび震動板カラムおよびプレートセパレーターである。
【0054】
抽出終了後、文献から公知の方法によって、相分離を行なうことができる。
【0055】
イオン性液体の再循環
イオン性液体は、低い蒸気圧を有し、非常に熱的に安定である。イオン性液体は好ましくは、蒸留または再抽出によって不純物を分離することにより再循環される。蒸留による不純物の除去は好ましくは、薄膜エバポレーターで行なわれる。再抽出は、特に、同様にイオン性液体と混和性相違を有する媒体を用いて行なうことができる。再抽出のために適当な媒体は、例えば極性炭化水素、例えばハロゲン化炭化水素、超臨界二酸化炭素、ケトン、エステル、ニトリル、尿素、エーテル、ポリエーテルおよびポリオールである。
【0056】
プロセスが機能する方法を、実施例によって以下に説明する。これが基づく分離の問題は以下のとおりである。クロロベンゼン中塩化鉄(III)の存在下でのクレゾキシムメチルの開裂は、所望の2-クロロメチルフェニル酢酸α-O-メチルオキシム(CIMO)だけでなく、等モル量のo-クレゾールを形成する。
【化9】

【0057】
アルカリ、例えば希薄水性水酸化ナトリウムによるクレゾールの慣用の除去では、アルカリ性条件下で感受性であるCIMOは、一部分解される。
【0058】
したがって、酸性イオン性液体による抽出が可能であるかどうかを決定する試験が行なわれた。CIMOは、非水性の酸性媒体中で安定である。以下の実験は、抽出剤としての酸性イオン性液体である硫酸水素1-エチル-3-メチルイミダゾリウム(EMIM HSO4)が、o-クレゾールに関して優れた感度を示すことを示す。HPLCによれば、1回の抽出後でさえ、o-クレゾールは完全に除去することができる。抽出後のCIMOの回収率は、98%である。
【実施例】
【0059】
実施例1(EMIM HSO4によるクロロベンゼンからo-クレゾールの抽出)
イオン性液体の粘度を減らすために、抽出は80℃で行なった。抽出時間は、各場合15分間であった。相の最適分離を達成するために、分離前に遠心分離を行なった。相の境界は、非常に容易に認識することができ、相の分離は完全であった。抽出に使用したEMIM HSO4は溶媒(クロロベンゼン)で予備飽和させた。
【表1】

【0060】
質量バランス:
第1回抽出で使用した: 160.0g(全量)
第1回抽出後に得られた: 154.3g
損失(蒸発、フラスコ): 5.7g(3.6%)

第1回抽出で使用した: 80.0g(上相)
第1回抽出後に得られた: 72.5g
第1回抽出後に得られた(理論量):78.4g
損失(蒸発、フラスコ): 1.6g(2.0%)

第2回抽出で使用した: 146.5g(全量)
第2回抽出後に得られた: 137.5g
損失(蒸発、フラスコ): 9.0g(6.1%)

第2回抽出で使用した: 69.0g(上相)
第2回抽出後に得られた: 64.0g
第2回抽出後に得られた(理論量):68.9g
損失(蒸発、フラスコ): 4.9g(7.1%)
o-クレゾ−ルは、HPLCによれば、1回の抽出工程によって、有機相から完全に除去することができる。GCによるさらに正確な分析は、o-クレゾールの濃度を、2回の抽出後に<50ppmに減少することができることを示した。CLMOは、80℃でさえ、イオン性液体に対して安定である。
【0061】
実施例2(非プロトン性溶媒から水の除去)
a) 硫酸ビスメチルイミダゾリウム(MMIM SO4):
8.61g(0.12モル)のTHFを4.81g(0.27モル)の水と混合した。溶液の水分含量は、Karl-Fischer法によって決定した(36%)。4.24g(0.014モル)の硫酸ビスメチルイミダゾリウムを溶液に添加した。2相溶液を15分間撹拌した。上相の水分含量を決定した(3.5%)。次に別の6.11g(0.02モル)の硫酸ビスメチルイミダゾリウムを反応混合物に添加し、混合物を15分間撹拌し、相を分離した。上相の水分含量を決定した(1.2%)。0.07g(0.004モル)の水が有機相に存在した。したがって、1当量の硫酸ビスメチルイミダゾリウムが78当量の水を取り込んだ。減圧下(3mbar)でイオン性液体から水を完全に(水分含量<0.1%)除去することができた。
【0062】
b) 硫酸ビスメチルイミダゾリウム(MMIM SO4):
7.86g(0.13モル)のアセトンを4.93g(0.27モル)の水と混合した。溶液の水分含量はKarl-Fischer法によって決定した(39%)。5.03g(0.017モル)の硫酸ビスメチルイミダゾリウムを溶液に添加した。2相溶液を15分間撹拌した。上相の水分含量を決定した(6.85%)。次に別の5.82g(0.02モル)の硫酸ビスメチルイミダゾリウムを反応混合物に添加し、混合物を15分間撹拌した後、相を分離した。上相の水分含量を決定した(2.3%)。これは、有機相中0.12g(0.006モル)の水に相当した。全部で0.264モルの水が、0.037モルの硫酸ビスメチルイミダゾリウムによって除去された。減圧下(3mbar)でイオン性液体から水を完全に(水分含量<0.1%)除去することができた。
【0063】
c) 硫酸ビスメチルイミダゾリウム(MMIM SO4):
17.58g(0.24モル)のTHFを1.95g(0.1モル)の水と混合した。溶液の水分含量はKarl-Fischer法によって決定した(10.4%)。5.31g(0.018モル)の硫酸ビスメチルイミダゾリウムを溶液に添加した。2相溶液を15分間撹拌した。上相の水分含量を決定した(0.7%)。これは、有機相中0.11g(0.006モル)の水に相当した。全部で0.094モルの水が、0.018モルの硫酸ビスメチルイミダゾリウムによって除去された。減圧下(3mbar)でイオン性液体から水を完全に(水分含量<0.1%)除去することができた。
【0064】
d) 硫酸ビスメチルイミダゾリウム(MMIM SO4):
15.5g(0.26モル)のアセトンを1.87g(0.1モル)の水と混合した。溶液の水分含量はKarl-Fischer法によって決定した(11.1%)。5.6g(0.017モル)の硫酸ビスメチルイミダゾリウムを溶液に添加した。2相溶液を15分間撹拌した。上相の水分含量を決定した(1.4%)。これは、有機相中0.2g(0.01モル)の水に相当した。全部で0.09モルの水が、0.017モルの硫酸ビスメチルイミダゾリウムによって除去された。減圧下(3mbar)でイオン性液体から水を完全に(水分含量<0.1%)除去することができた。
【0065】
e) 硫酸ビスブチルメチルイミダゾリウム(BMIM SO4):
87.78g(1.2モル)のTHFを19.67g(1.1モル)の水と混合した。溶液の水分含量はKarl-Fischer法によって決定した(19%)。44.35g(0.12モル)の硫酸ビスブチルメチルイミダゾリウムを溶液に添加した。2相溶液を15分間撹拌した。上相の水分含量を決定した(1.9%)。これは、有機相中1.54g(0.08モル)の水に相当した。全部で1.02モルの水が、0.12モルの硫酸ビスブチルメチルイミダゾリウムによって除去された。減圧下(3mbar)でイオン性液体から水を完全に(水分含量<0.1%)除去することができた。
【0066】
f) 硫酸ビスブチルメチルイミダゾリウム(BMIM SO4):
77.42g(1.33モル)のアセトンを19.94g(1.1モル)の水と混合した。溶液の水分含量はKarl-Fischer法によって決定した(20.8%)。48.26g(0.13モル)の硫酸ビスブチルメチルイミダゾリウムを溶液に添加した。2相溶液を15分間撹拌した。上相の水分含量を決定した(3.3%)。これは、有機相中2.2g(0.12モル)の水に相当した。全部で0.98モルの水が、0.13モルの硫酸ビスブチルメチルイミダゾリウムによって除去された。減圧下(3mbar)でイオン性液体から水を完全に(水分含量<0.1%)除去することができた。
【0067】
g) 硫酸ビスブチルエチルイミダゾリウム(BEIM SO4):
87.52g(1.2モル)のTHFを21.45g(1.1モル)の水と混合した。溶液の水分含量はKarl-Fischer法によって決定した(20%)。49.2g(0.12モル)の硫酸ビスブチルエチルイミダゾリウムを溶液に添加した。2相溶液を15分間撹拌した。上相の水分含量を決定した(2.1%)。これは、有機相中1.62g(0.09モル)の水に相当した。全部で1.01モルの水が、0.12モルの硫酸ビスブチルメチルイミダゾリウムによって除去された。減圧下(3mbar)でイオン性液体から水を完全に(水分含量<0.1%)除去することができた。
【0068】
h) 硫酸ビスメチルイミダゾリウム(MMIM SO4):
8.61g(0.12モル)のTHFを4.81g(0.27モル)の水と混合した。溶液の水分含量はKarl-Fischer法によって決定した(36%)。4.24g(0.014モル)の硫酸ビスメチルイミダゾリウムを溶液に添加した。2相溶液を15分間撹拌した。上相の水分含量を決定した(3.5%)。次に別の6.11g(0.02モル)の硫酸ビスメチルイミダゾリウムを反応混合物に添加し、混合物を15分間撹拌した後、相を分離した。上相の水分含量を決定した(1.2%)。これは、有機相中0.07g(0.004モル)の水に相当した。全部で0.266モルの水が、0.034モルの硫酸ビスメチルイミダゾリウムによって除去された。減圧下(3mbar)でイオン性液体から水を完全に(水分含量<0.1%)除去することができた。
【0069】
i) 硫酸ビスメチルイミダゾリウム(MMIM SO4):
7.86g(0.13モル)のアセトンを4.93g(0.27モル)の水と混合した。溶液の水分含量はKarl-Fischer法によって決定した(39%)。5.03g(0.017モル)の硫酸ビスメチルイミダゾリウムを溶液に添加した。2相溶液を15分間撹拌した。上相の水分含量を決定した(6.85%)。次に別の5.82g(0.02モル)の硫酸ビスメチルイミダゾリウムを反応混合物に添加し、混合物を15分間撹拌した後、相を分離した。上相の水分含量を決定した(2.3%)。これは、有機相中0.12g(0.006モル)の水に相当した。全部で0.264モルの水が、0.037モルの硫酸ビスメチルイミダゾリウムによって除去された。減圧下(3mbar)でイオン性液体から水を完全に(水分含量<0.1%)除去することができた。
【0070】
j) 硫酸ビスメチルイミダゾリウム(MMIM SO4):
17.58g(0.24モル)のTHFを1.95g(0.1モル)の水と混合した。溶液の水分含量はKarl-Fischer法によって決定した(10.4%)。5.31g(0.018モル)の硫酸ビスメチルイミダゾリウムを溶液に添加した。2相溶液を15分間撹拌した。上相の水分含量を決定した(0.7%)。これは、有機相中0.11g(0.006モル)の水に相当した。全部で0.094モルの水が、0.018モルの硫酸ビスメチルイミダゾリウムによって除去された。減圧下(3mbar)でイオン性液体から水を完全に(水分含量<0.1%)除去することができた。
【0071】
k) 硫酸ビスメチルイミダゾリウム(MMIM SO4):
15.5g(0.26モル)のアセトンを1.87g(0.1モル)の水と混合した。溶液の水分含量はKarl-Fischer法によって決定した(11.1%)。5.6g(0.017モル)の硫酸ビスメチルイミダゾリウムを溶液に添加した。2相溶液を15分間撹拌した。上相の水分含量を決定した(1.4%)。これは、有機相中0.2g(0.01モル)の水に相当した。全部で0.09モルの水が、0.017モルの硫酸ビスメチルイミダゾリウムによって除去された。減圧下(3mbar)でイオン性液体から水を完全に(水分含量<0.1%)除去することができた。
【0072】
l) 硫酸ビスブチルメチルイミダゾリウム(BMIM SO4):
87.78g(1.2モル)のTHFを19.67g(1.1モル)の水と混合した。溶液の水分含量はKarl-Fischer法によって決定した(19%)。44.35g(0.12モル)の硫酸ビスブチルメチルイミダゾリウムを溶液に添加した。2相溶液を15分間撹拌した。上相の水分含量を決定した(1.9%)。これは、有機相中1.54g(0.08モル)の水に相当した。全部で1.02モルの水が、0.12モルの硫酸ビスブチルメチルイミダゾリウムによって除去された。減圧下(3mbar)でイオン性液体から水を完全に(水分含量<0.1%)除去することができた。
【0073】
m) 硫酸ビスブチルメチルイミダゾリウム(BMIM SO4):
77.42g(1.33モル)のアセトンを19.94g(1.1モル)の水と混合した。溶液の水分含量はKarl-Fischer法によって決定した(20.8%)。48.26g(0.13モル)の硫酸ビスブチルメチルイミダゾリウムを溶液に添加した。2相溶液を15分間撹拌した。上相の水分含量を決定した(3.3%)。これは、有機相中2.2g(0.12モル)の水に相当した。全部で0.98モルの水が、0.13モルの硫酸ビスブチルメチルイミダゾリウムによって除去された。減圧下(3mbar)でイオン性液体から水を完全に(水分含量<0.1%)除去することができた。
【0074】
n) 硫酸ビスブチルエチルイミダゾリウム(BEIM SO4):
87.52g(1.2モル)のTHFを21.45g(1.1モル)の水と混合した。溶液の水分含量はKarl-Fischer法によって決定した(20%)。49.2g(0.12モル)の硫酸ビスブチルエチルイミダゾリウムを溶液に添加した。2相溶液を15分間撹拌した。上相の水分含量を決定した(2.1%)。これは、有機相中1.62g(0.09モル)の水に相当した。全部で1.01モルの水が、0.12モルの硫酸ビスブチルメチルイミダゾリウムによって除去された。減圧下(3mbar)でイオン性液体から水を完全に(水分含量<0.1%)除去することができた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式[K]n+[A]n-
(ここで、
nは1、2または3であり;
[K]+は、
・式[NR1, R2, R3, R4]+(Ia)の4級アンモニウムカチオン、
・式[PR1, R2, R3, R4]+(Ib)の4級ホスホニウムカチオン、
(ここで、R1, R2, R3, R4はそれぞれC1〜C12-アルキルまたはフェニル- C1〜C4-アルキルであり、脂肪族基は、ハロゲン、アミノ、シアノ、C1〜C4-アルコキシから成る群より選択される1〜4個の置換基を有していてもよく、フェニル環は、上記置換基およびまたC1〜C6-アルキル、カルボキシレートおよびスルホネート基を有していてもよく、R1およびR2は一緒になって、C1〜C4-アルキル、ハロゲン、シアノまたはC1〜C4-アルコキシで置換されていてもよいC4〜C5-アルケニレン基を形成してもよい)
・式
【化1】

のイミダゾリウムカチオン、
・式
【化2】

のピリジニウムカチオン、
・式
【化3】

のピラゾリウムカチオン、
・式
【化4】

のキノリニウムカチオン
・式
【化5】

のチアゾリウムカチオン、
・式
【化6】

のトリアジニウムカチオン
(ここで、指標nおよび置換基RおよびRXは以下の意味を有する:
nは0、1、2、3または4であり;
Rはハロゲン、C1〜C12-アルキルまたはフェニル- C1〜C4-アルキルであり、脂肪族基は、ハロゲン、アミノ、シアノ、C1〜C4-アルコキシから成る群より選択される1〜4個の置換基を有していてもよく、フェニル環は、上記置換基およびまたC1〜C6-アルキル、カルボキシレートおよびスルホネート基を有していてもよく、
RXはC1〜C6-アルキル、ハロゲン、アミノ、シアノ、C1〜C4-アルコキシ、カルボキシレートまたはスルホネートである)
から成る群より選択され;
[A]n-は、無機または有機プロトン酸HnA(III)[ここで、nは正の整数であり、アニオン上の電荷を示す]の一部または全部脱プロトン化されたアニオンである)
のイオン性液体を用いて、非プロトン性溶媒から、フェノール、アルコール、アミン、ホスフィン、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、オキシム、イミン、水、カルボン酸、アミノ酸、ヒドロキサム酸、スルフィン酸、スルホン酸、ペルオキシカルボン酸、ホスホノ酸、ホスフィノ酸、ホスホン酸、ホスフィン酸またはリン酸を抽出除去する方法。
【請求項2】
抽出されるべき有機化合物が、フェノールまたはアルコールである請求項1記載の方法。
【請求項3】
非プロトン性溶媒が炭化水素である請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
炭化水素がアルカンまたはハロゲン化アルカンである請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
炭化水素が、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1-C3-アルキル、C1-C3-アルコキシまたはメトキシカルボニルで置換されていてもよいアレーンである請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
イオン性液体が、アンモニウム塩またはイミダゾリウム塩、またはこれらの塩の混合物である請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
イオン性液体が、硫酸塩または硫酸水素塩である請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
フェノールがクロロベンゼンから除去される請求項1、6または7のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
抽出された不純物が蒸留によってイオン性液体から分離される請求項1〜8のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
抽出された不純物が再抽出によってイオン性液体から分離される請求項1〜8のいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
水が、抽出によって非プロトン性溶媒から除去される請求項1記載の方法。


【公表番号】特表2006−528599(P2006−528599A)
【公表日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520705(P2006−520705)
【出願日】平成16年7月3日(2004.7.3)
【国際出願番号】PCT/EP2004/007254
【国際公開番号】WO2005/019137
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】