説明

イソシアネート三量化触媒系、前駆体配合物、イソシアネートを三量化する方法、それより作製された硬質ポリイソシアヌレート/ポリウレタンフォーム(発泡体)、及びそのようなフォームを作製する方法

本発明は、イソシアネート三量化触媒系、前駆体配合物、イソシアネートを三量化する方法、それより作製された硬質フォーム、及びそのようなフォームを作製する方法を提供する。三量化触媒系は、(a)ホスホニウムカチオン及び(b)イソシアネート−三量体誘導アニオンを含み、73℃以下の三量化活性化温度を有する。前駆体配合物は以下を含む:(1)前駆体配合物重量基準で少なくとも25重量%のポリオール;(2)前駆体配合物重量基準で15重量%未満の三量化触媒系であって、(a)ホスホニウムカチオンと、(c)イソシアネート−三量体誘導アニオンとを含み、73℃以下の三量化活性化温度を有する、三量化触媒系;及び(3)任意で、1つ以上の界面活性剤、1つ以上の難燃剤、水、1つ以上の酸化防止剤、1つ以上の補助発泡剤、1つ以上のウレタン触媒、1つ以上の補助三量化触媒、またはそれらの組合せ。イソシアネートを三量化する方法は、以下の工程を含む:(1)イソシアネート、ジイソシアネート、トリイソシアネート、オリゴマーイソシアネート、それらのいずれかの塩、及びそれらの任意の混合物からなる群から選択される1つ以上の単量体を提供する工程;(2)三量化触媒系であって、(a)ホスホニウムカチオンと、(b)イソシアネート−三量体誘導アニオンとを含み、(c)73℃以下の三量化活性化温度を有する三量化触媒系を提供する工程;(3)該三量化触媒の存在下、該1つ以上の単量体を三量化する工程;及び(4)それにより、イソシアヌレート三量体を形成する工程。PIRフォームを作製する方法は以下の工程を含む:(1)イソシアネート、ジイソシアネート、トリイソシアネート、オリゴマーイソシアネート、それらのいずれかの塩、及びそれらの任意の混合物からなる群から選択される1つ以上の単量体を提供する工程;(2)ポリオールを提供する工程;(3)三量化触媒系であって、(a)ホスホニウムカチオンと、(b)イソシアネート−三量体誘導アニオンとを含み、73℃以下の三量化活性化温度を有する三量化触媒系を提供する工程;(4)任意で、1つ以上の界面活性剤、1つ以上の難燃剤、水、1つ以上の酸化防止剤、1つ以上の補助発泡剤、1つ以上のウレタン触媒、1つ以上の補助三量化触媒、またはそれらの組合せを提供する工程;(5)該三量化触媒系、任意で1つ以上のウレタン触媒、及び任意で1つ以上の補助三量化触媒の存在下、該1つ以上の単量体、ポリオール、任意で1つ以上の界面活性剤、任意で1つ以上の難燃剤、任意で水、任意で1つ以上の酸化防止剤、及び任意で1つ以上の補助発泡剤を接触させる工程;及び(6)それにより硬質ポリイソシアヌレート/ポリウレタンフォームを形成する工程。PIRフォームは、ホスホニウムカチオンとイソシアネート−三量体誘導アニオンとを含む三量化触媒系と、任意で1つ以上の界面活性剤、任意で1つ以上の難燃剤、任意で水、任意で1つ以上の酸化防止剤、任意で1つ以上の補助発泡剤、任意で1つ以上の追加的ウレタン触媒及び任意で1つ以上の補助三量化触媒、または任意でそれらの組合せの存在下、イソシアネート、ジイソシアネート、トリイソシアネート、オリゴマーイソシアネート、それらのいずれかの塩、及びそれらの任意の混合物からなる群から選択される1つ以上の単量体とポリオールとの反応による反応生成物を含み、ここで、三量化触媒系は73℃以下の三量化活性化温度を有する。PIRフォームは、ホスホニウムカチオンとイソシアネート−三量体誘導アニオンとを含む三量化触媒系と、任意で1つ以上の界面活性剤、任意で1つ以上の難燃剤、任意で水、任意で1つ以上の酸化防止剤、任意で1つ以上の補助発泡剤、任意で1つ以上の追加的ポリウレタン触媒及び任意で1つ以上の補助三量化触媒、または任意でそれらの組合せの存在下、イソシアネート、ジイソシアネート、トリイソシアネート、オリゴマーイソシアネート、それらのいずれかの塩、及びそれらの任意の混合物からなる群から選択される1つ以上の単量体とポリオールとの反応による反応生成物を含み、ここで、該PIRフォームは、ATR−FTIR分光法により測定した、該硬質フォームの立ち上がり面(rising surface)から深さ12mmにおけるポリイソシアヌレート三量体の割合(Abs1410/Abs1595)が少なくとも5である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は非仮出願であり、2008年11月10日に出願した米国仮出願番号61/113,193(発明の名称:イソシアネート三量化触媒系、前駆体配合物、イソシアネートを三量化する方法、それより作製された硬質ポリイソシアヌレート/ポリウレタンフォーム、及びそのようなフォームを作製する方法)に対して優先権を主張する。その教示は、以下に完全に再現されるがごとく、引用することによって本明細書の一部をなす。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、イソシアネート三量化触媒系、前駆体配合物、イソシアネートを三量化する方法、それより作製された硬質ポリイソシアヌレート/ポリウレタンフォーム、及びそのようなフォームを作製する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
硬質ポリイソシアヌレート/ポリウレタン(PIR)フォームは広く知られており、数々の産業において使用される。PIRフォームはハイブリッド構造であり、ウレタン基(イソシアネートの−NCO基とポリオールのヒドロキシル基との反応により生じる)と、ヒドロキシル基に対して過剰な−NCO基の三量化に由来するイソシアヌレート環(イソシアネート指標は100より大きく、例えば180〜600)と、を有する。−NCO基の三量化は、典型的には特殊触媒、例えばトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、酢酸カリウム及びその他の触媒によって触媒される。PIRフォームの高度に架橋された構造は、過剰な−NCO基の三量化によって生成されたイソシアヌレート環に由来する。
【0004】
PIRフォームは、難燃性の特性及び発煙の低下に関し、継続的に調整が強化される。難燃性の特性及び発煙の低下は、典型的には、イソシアヌレート環の存在により改善される。しかし、このようなイソシアヌレート環を生成する既存の三量化触媒系は、高温でのみ活発である傾向があり、これはPIRフォームのコア部内で典型的である。よって、既存の三量化触媒系は、主にPIRフォームのコア部内でイソシアヌレート環の形成を促進する傾向にある。既存の三量化触媒系の使用により、PIRフォームのコア部の難燃性及び発煙の特性が改善されるが、そうした特性を、更にそのようなPIRフォームの外側部においても改善する必要がある。本発明は、PIRフォームの外側部内におけるイソシアヌレート環の形成を促進し、結果として、PIRフォームの外側部の難燃性及び発煙の特性の改善を促進する。本発明は、より低い活性化温度により、PIRフォームの外側部におけるイソシアヌレート環の三量化を促進し、増加させる。本発明は、例えば積層工程における改善された結合性、すなわち、PIRフォームパネルの二重スチールフェーサー(double steel facers)の引張接着強度を更に提供し得る。
【発明の開示】
【0005】
(発明の要旨)
本発明は、イソシアネート三量化触媒系、前駆体配合物、イソシアネートを三量化する方法、それより作製されたPIRフォーム、及びそのようなフォームを作製する方法を提供する。
【0006】
一つの実施形態において、本発明は、(a)ホスホニウムカチオン、及び(b)イソシアネート−三量体誘導アニオン(isocyanate-trimer inducing anion)を含む三量化触媒系を提供し、ここで、三量化触媒系は、73℃以下の三量化活性化温度を有する。
【0007】
別の実施形態において、本発明は更に前駆体配合物を提供し、該前駆体配合物は以下を含む:(1)前駆体配合物重量基準で少なくとも25重量%のポリオール;(2)前駆体配合物重量基準で15重量%未満の三量化触媒系であって、(a)ホスホニウムカチオンと、(c)イソシアネート−三量体誘導アニオンとを含み、73℃以下の三量化活性化温度を有する、三量化触媒系;及び(3)任意で、1つ以上の界面活性剤、1つ以上の難燃剤、水、1つ以上の酸化防止剤、1つ以上の補助発泡剤、1つ以上のウレタン触媒、1つ以上の補助三量化触媒(本明細書に記載の三量化触媒系以外)、またはそれらの組合せ。
【0008】
別の実施形態において、本発明は更にイソシアネートを三量化する方法を提供し、該方法は以下を含む:(1)イソシアネート、ジイソシアネート、トリイソシアネート、オリゴマーイソシアネート、それらのいずれかの塩、及びそれらの任意の混合物からなる群から選択される1つ以上の単量体を提供する工程;(2)三量化触媒系であって、(a)ホスホニウムカチオンと、(b)イソシアネート−三量体誘導アニオンとを含み、73℃以下の三量化活性化温度を有する三量化触媒系を提供する工程;(3)該三量化触媒の存在下、該1つ以上の単量体を三量化する工程;及び(4)それにより、イソシアヌレート三量体を形成する工程。
【0009】
別の実施形態において、本発明は更にPIRフォームを作製する方法を提供し、該方法は以下を含む:(1)イソシアネート、ジイソシアネート、トリイソシアネート、オリゴマーイソシアネート、それらのいずれかの塩、及びそれらの任意の混合物からなる群から選択される1つ以上の単量体を提供する工程;(2)ポリオールを提供する工程;(3)三量化触媒系であって、(a)ホスホニウムカチオンと、(b)イソシアネート−三量体誘導アニオンとを含み、73℃以下の三量化活性化温度を有する三量化触媒系を提供する工程;(4)任意で、1つ以上の界面活性剤、1つ以上の難燃剤、水、1つ以上の酸化防止剤、1つ以上の補助発泡剤、1つ以上のウレタン触媒、1つ以上の補助三量化触媒、またはそれらの組合せを提供する工程;(5)該三量化触媒系、任意で1つ以上のウレタン触媒、及び任意で1つ以上の補助三量化触媒の存在下、該1つ以上の単量体、ポリオール、任意で1つ以上の界面活性剤、任意で1つ以上の難燃剤、任意で水、任意で1つ以上の酸化防止剤、及び任意で1つ以上の補助発泡剤を接触させる工程;及び(6)それによりPIRフォームを形成する工程。
【0010】
別の実施形態において、本発明は更にPIRフォームを提供し、該PIRフォームは、ホスホニウムカチオンとイソシアネート−三量体誘導アニオンとを含む三量化触媒系と、任意で1つ以上の界面活性剤、任意で1つ以上の難燃剤、任意で水、任意で1つ以上の酸化防止剤、任意で1つ以上の補助発泡剤、任意で1つ以上の追加的ウレタン触媒及び任意で1つ以上の補助三量化触媒、または任意でそれらの組合せの存在下、イソシアネート、ジイソシアネート、トリイソシアネート、オリゴマーイソシアネート、それらのいずれかの塩、及びそれらの任意の混合物からなる群から選択される1つ以上の単量体とポリオールとの反応による反応生成物を含み、ここで、三量化触媒系は73℃以下の三量化活性化温度を有する。
【0011】
別の実施形態において、本発明は更にPIRフォームを提供し、該PIRフォームは、ホスホニウムカチオンとイソシアネート−三量体誘導アニオンとを含む三量化触媒系と、任意で1つ以上の界面活性剤、任意で1つ以上の難燃剤、任意で水、任意で1つ以上の酸化防止剤、任意で1つ以上の補助発泡剤、任意で1つ以上の追加的ポリウレタン触媒及び任意で1つ以上の補助三量化触媒、または任意でそれらの組合せの存在下、イソシアネート、ジイソシアネート、トリイソシアネート、オリゴマーイソシアネート、それらのいずれかの塩、及びそれらの任意の混合物からなる群から選択される1つ以上の単量体とポリオールとの反応による反応生成物を含み、ここで、該PIRフォームは、ATR−FTIR分光法により測定した、該硬質フォームの立ち上がり面(rising surface)から深さ12mmにおけるポリイソシアヌレート三量体の割合(Abs1410/Abs1595)が少なくとも5である。
【0012】
別の実施形態において、本発明は、先行する実施形態のいずれかに従ったイソシアネート三量化触媒、前駆体配合物、イソシアネートを三量化する方法、それより作製されたPIRフォーム、及びそのようなフォームを作製する方法を提供するが、ただし、ホスホニウムカチオンは以下の構造を有し:
【化1】

ここで、RはH、C〜C18、N、O及びそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
はH、C〜C18、N、O及びそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
はH、C〜C18、N、O及びそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
はH、C〜C18、N、O及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0013】
別の実施形態において、本発明は、先行する実施形態のいずれかに従ったイソシアネート三量化触媒、前駆体配合物、イソシアネートを三量化する方法、それより作製されたPIRフォーム、及びそのようなフォームを作製する方法を提供するが、ただし、RはC〜C18、RはC〜C18、RはC〜C18、RはC〜C18である。
【0014】
別の実施形態において、本発明は、先行する実施形態のいずれかに従ったイソシアネート三量化触媒、前駆体配合物、イソシアネートを三量化する方法、それより作製されたPIRフォーム、及びそのようなフォームを作製する方法を提供するが、ただし、Rはブチルまたは芳香族、Rはブチルまたは芳香族、Rはブチルまたは芳香族、Rはブチルまたは芳香族である。
【0015】
別の実施形態において、本発明は、先行する実施形態のいずれかに従ったイソシアネート三量化触媒、前駆体配合物、イソシアネートを三量化する方法、それより作製されたPIRフォーム、及びそのようなフォームを作製する方法を提供するが、ただし、ホスホニウムカチオンは、テトラエチルホスホニウムカチオンまたはテトラブチルホスホニウムカチオンである。
【0016】
別の実施形態において、本発明は、先行する実施形態のいずれかに従ったイソシアネート三量化触媒、前駆体配合物、イソシアネートを三量化する方法、それより作製されたPIRフォーム、及びそのようなフォームを作製する方法を提供するが、ただし、イソシアネート−三量体誘導アニオンが、カルボキシレート、炭酸塩、フェノキシド、アミド、アミジナート、イミド、ホスフィド、チオシアネート、チオイソシアネート、イソシアネート、シアネート及びフッ化物からなる群から選択される。
【0017】
別の実施形態において、本発明は、先行する実施形態のいずれかに従ったイソシアネート三量化触媒、前駆体配合物、イソシアネートを三量化する方法、それより作製されたPIRフォーム、及びそのようなフォームを作製する方法を提供するが、ただし、イソシアネート−三量体誘導アニオンが、カルボキシレート、炭酸塩、フェノキシド及びフッ化物からなる群から選択される。
【0018】
別の実施形態において、本発明は、先行する実施形態のいずれかに従ったイソシアネート三量化触媒、前駆体配合物、イソシアネートを三量化する方法、それより作製されたPIRフォーム、及びそのようなフォームを作製する方法を提供するが、ただし、イソシアネート−三量体誘導アニオンはカルボキシレートである。
【0019】
別の実施形態において、本発明は、先行する実施形態のいずれかに従ったイソシアネート三量化触媒、前駆体配合物、イソシアネートを三量化する方法、それより作製されたPIRフォーム、及びそのようなフォームを作製する方法を提供するが、ただし、カルボキシレートは以下の構造を有し:
【化2】

ここで、X’はH、C〜C18、脂肪族、芳香族、環状、非環状、アシル及びそれらの誘導体からなる群から選択される。
【0020】
別の実施形態において、本発明は、先行する実施形態のいずれかに従ったイソシアネート三量化触媒、前駆体配合物、イソシアネートを三量化する方法、それより作製されたPIRフォーム、及びそのようなフォームを作製する方法を提供するが、ただし、カルボキシレートは、ギ酸塩、酢酸塩、オクタン酸塩、2−エチルヘキサン酸塩、安息香酸塩及びそれらの置換誘導体からなる群から選択される。
【0021】
別の実施形態において、本発明は、先行する実施形態のいずれかに従ったイソシアネート三量化触媒、前駆体配合物、イソシアネートを三量化する方法、それより作製されたPIRフォーム、及びそのようなフォームを作製する方法を提供するが、ただし、イソシアネート−三量体誘導アニオンは酢酸塩である。
【0022】
別の実施形態において、本発明は、先行する実施形態のいずれかに従ったイソシアネート三量化触媒、前駆体配合物、イソシアネートを三量化する方法、それより作製されたフォーム、及びそのようなフォームを作製する方法を提供するが、ただし、三量化触媒系はテトラブチルホスホニウムまたはテトラフェニルホスホニウムの酢酸塩である。
【0023】
別の実施形態において、本発明は、先行する実施形態のいずれかに従ったPIRフォーム及びそのようなフォームを作製する方法を提供するが、ただし、該フォームは断熱材、例えば建築用断熱フォームや電気器具用断熱フォームとして使用される。
【0024】
本発明を説明するために、図面中に例となる形態を示す。しかし、本発明は示された厳密な手順及び手段に限定されないことが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明のフォームの一例と比較用フォームにおける三量体の含有量の比較を示す例示的なグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(発明の詳細な説明)
本発明は、イソシアネート三量化触媒系、前駆体配合物、イソシアネートを三量化する方法、それより作製されたPIRフォーム、及びそのようなフォームを作製する方法を提供する。
【0027】
イソシアネート三量化触媒系は、(a)ホスホニウムカチオン及び(b)イソシアネート−三量体誘導アニオンを含む。イソシアネート三量化触媒系は、73℃以下の三量化活性化温度を有する。73℃未満の全ての個々の数値及び副範囲が本明細書に含まれ、開示される。例えば、該活性化温度は、下限25、35、45または55℃から上限45、55、65、70または73℃までの範囲であり得る。例えば、イソシアネート三量化触媒系は、70℃以下、または68℃以下、または66℃以下、または65℃以下の三量化活性化温度を有する。一つの実施形態において、イソシアネート三量化触媒系は、いずれの高分子支持体(polymeric support)も有さない。
【0028】
イソシアネート三量化触媒系のホスホニウムカチオン成分は、以下の構造を有し:
【化3】

ここで、RはH、C〜C18、N、O及びそれらの任意の組合せからなる群から選択され、RはH、C〜C18、N、O及びそれらの任意の組合せからなる群から選択され、RはH、C〜C18、N、O及びそれらの任意の組合せからなる群から選択され、RはH、C〜C18、N、O及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0029】
一つの実施形態において、RはC〜C18、RはC〜C18、RはC〜C18、RはC〜C18である。一つの実施形態において、Rはブチルまたは芳香族、Rはブチルまたは芳香族、Rはブチルまたは芳香族、Rはブチルまたは芳香族である。ホスホニウムカチオンは、例えば、テトラエチルホスホニウムカチオンまたはテトラブチルホスホニウムカチオンであって良い。
【0030】
本明細書において、イソシアネート−三量体誘導アニオンとは、1つ以上のホスホニウムカチオンの存在下イソシアネートの三量化を促進するアニオンのことを言う。イソシアネート−三量体誘導アニオンは、例えば、カルボキシレート、炭酸塩、フェノキシド、アミド、アミジナート、イミド、ホスフィド、チオシアネート、チオイソシアネート、イソシアネート、シアネート及びフッ化物からなる群から選択されるアニオンである。あるいは、イソシアネート−三量体誘導アニオンは、カルボキシレート、炭酸塩、フェノキシド及びフッ化物からなる群から選択される。あるいは、イソシアネート−三量体誘導アニオンはカルボキシレートである。カルボキシレートは、例えば、以下の構造を有して良く:
【化4】

ここで、X’はH、C〜C18、脂肪族、芳香族、環状、非環状、アシル及びそれらの誘導体からなる群から選択される。カルボキシレートは、例えば、ギ酸塩、酢酸塩、オクタン酸塩、2−エチルヘキサン酸塩、安息香酸塩及びそれらの置換誘導体からなる群から選択されても良い。あるいは、イソシアネート−三量体誘導アニオンは酢酸塩である。
【0031】
一つの実施形態において、三量化触媒系は、酢酸テトラブチルホスホニウムまたは酢酸テトラフェニルホスホニウムである。
【0032】
本発明による前駆体配合物は、(a)1つ以上のポリオール、(b)上述の通りの本発明の三量化触媒系、及び(c)任意で、1つ以上の界面活性剤、1つ以上の難燃剤、水、1つ以上の酸化防止剤、1つ以上の補助発泡剤、1つ以上のウレタン触媒、1つ以上の補助三量化触媒、またはそれらの組合せ、を含む。前駆体配合物は、前駆体配合物重量基準で少なくとも25重量%の、以下に述べる通りの1つ以上のポリオールを含む。少なくとも25重量%の全ての個々の数値及び副範囲が本明細書に含まれ、開示される。例えば、1つ以上のポリオールの重量%は、下限25、30、35、40または45重量%から上限45、50、55、65、75、85、90、95または98重量%までの範囲であり得る。例えば、前駆体配合物は、前駆体配合物重量基準で25〜98重量%、または30〜98重量%、または35〜98重量%、または45〜95重量%の1つ以上のポリオールを含む。前駆体配合物は、前駆体配合物重量基準で15重量%以下の、上述の通りの本発明の三量化触媒系を含む。15重量%以下の全ての個々の数値及び副範囲が本明細書に含まれ、開示される。例えば、三量化触媒系の重量%は、下限0.1、1、2、4、5、7または10重量%から上限10、12、14または15重量%までの範囲であり得る。例えば、前駆体配合物は、前駆体配合物重量基準で2〜15重量%、または4〜15重量%、または5〜15重量%、または7〜15重量%、または10〜15重量%の本発明の三量化触媒系を含む。
【0033】
本発明の三量化触媒系は、例えば、イソシアネート、ジイソシアネート、トリイソシアネート、オリゴマーイソシアネート、それらのいずれかの塩、及びそれらの任意の混合物からなる群から選択される1つ以上の単量体を三量化して1つ以上のイソシアヌレート環を形成するために用いられ得る。
【0034】
本発明の三量化触媒系は、更に、PIRフォームを形成するために用いられ得る。PIRフォームを形成する方法は、以下に更に詳しく述べるが、一般的に以下の工程を含み得る:(1)イソシアネート、ジイソシアネート、トリイソシアネート、オリゴマーイソシアネート、それらのいずれかの塩、及びそれらの任意の混合物からなる群から選択される1つ以上の単量体を提供する工程;(2)ポリオールを提供する工程;(3)三量化触媒系であって、(a)ホスホニウムカチオンと、(b)イソシアネート−三量体誘導アニオンとを含み、73℃以下の三量化活性化温度を有する三量化触媒系を提供する工程;(4)任意で、1つ以上の界面活性剤、1つ以上の難燃剤、水、1つ以上の酸化防止剤、1つ以上の補助発泡剤、1つ以上のウレタン触媒、1つ以上の補助三量化触媒、またはそれらの組合せを提供する工程;(5)三量化触媒系、任意で1つ以上のウレタン触媒、及び任意で1つ以上の補助三量化触媒の存在下、1つ以上の単量体、ポリオール、任意で1つ以上の界面活性剤、任意で1つ以上の難燃剤、任意で水、任意で1つ以上の酸化防止剤、及び任意で1つ以上の補助発泡剤を接触させる工程;及び(6)それにより硬質ポリイソシアヌレート/ポリウレタンフォームを形成する工程。
【0035】
本発明によるPIRフォームは、好ましくは、ウレタン配合物中で上述の三量化触媒系を従来のウレタン触媒と組み合わせて用いることにより生成され得る。
【0036】
本明細書において、用語「イソシアネート」とは、少なくとも1つのイソシアネート基を含有する重合体、例えばモノイソシアネートや有機ポリイソシアネート等を含む任意の化合物のことを指す。好適に用いられる代表的な有機ポリイソシアネートは、例えば:芳香族ジイソシアネート、例えば2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、粗トルエンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、粗メチレンジフェニルジイソシアネート等;芳香族トリイソシアネート、例えばトリス−(4−イソシアナトフェニル)メタン;2,4,6−トルエントリス(イソシアネート);芳香族テトラ(イソシアネート)、例えば4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5’,5’−テトラ(イソシアネート)等;アルキルアリールポリイソシアネート、例えばキシレンジイソシアネート;脂肪族ポリイソシアネート、例えばヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート;エチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネート及びメタン−4,4’−ジイソシアネート、並びにそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。その他の有機ポリイソシアネートとして、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、水添メチレンジフェニルイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、1−メトキシフェニル−2,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス−(イソシアナトメチル)ベンゼン、クメン−2,4−ジイソシアネート、4−メトキシ−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−クロロ−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−ブロモ−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−エトキシ−1,3−フェニレンジイソシアネート、2,4’−ジイソシアナトジフェニルエーテル、5,6−ジメチル−1,3−フェニレンジイソシアネート、2,4−ジメチル−1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4−ジイソシアナトジフェニルエーテル、ベンジジンジイソシアネート、4,6−ジメチル−1,3−フェニレンジイソシアネート、9,10−アントラセンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトジベンジル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、2,6’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニル、及びそれらの混合物が含まれる。より高い官能性のポリイソシアネート類、例えば二量体や、特にイソシアネート環を含有するイソシアネート類のNCO末端オリゴマー類、並びにプレポリマー類及び前述のイソシアネート類の混合物もまた好適である。また、過剰のイソシアネートをポリオール等の活性水素化合物と反応させて調製する、そのようなイソシアネート類の、準プレポリマーと呼ばれることのあるもの、好ましくは、少なくとも2モルのイソシアネート基を1モルの活性水素を含有する化合物と反応させて作製されるものも好適である。
【0037】
これらのポリイソシアネート類は、当技術分野で周知の従来の方法、例えば対応する有機アミンのホスゲン化によって調製される。
【0038】
一つの実施形態において、PIRフォーム生成用の芳香族ポリイソシアネート類は、2,4’−異性体、2,2’−異性体、4,4’−異性体及びそれらの混合物の状態のジフェニルメタンジイソシアネート類(MDI)、並びに/または重合体MDIとして知られるMDIオリゴマー類の混合物を含むが、これらに限定されない。あるいは、ポリイソシアネートは、単量体MDIにおけるポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの混合物である、いわゆる重合体MDI生成物であっても良い。
【0039】
一つの実施形態において、PIRフォーム生成の際、モノイソシアネートの量は一般的に、イソシアネート総量の10重量%未満、イソシアネート総量の7重量%未満、イソシアネート総量の5重量%未満、イソシアネート総量の2重量%未満、またはゼロである。
【0040】
本発明の実施においてイソシアネートと好適に反応させる活性水素化合物には、少なくとも1つの活性水素部分を含有するポリマーを含む任意の化合物が含まれる。本発明において、活性水素部分とは、分子内の位置により、ツェレウィチノフ(Zerewitnoff)試験(Kohler, J. Am. Chem. Soc., Vol. 49, p. 3181(1927)に記載)により有意な活性を示す水素原子を含有する部分のことを指す。このような活性水素部分の例として、−COOH、−OH、−NH、−CONH、−SH及び−CONH−が挙げられる。以下、このような化合物を、モノール(1分子当たり1つの活性水素部分)及びポリオール(1分子当たり2つ以上の活性水素部分)と称することとする。本発明のPIRフォームの生成に好適なポリオールまたはポリオールブレンドは、例えば、2〜8あるいは3〜8の範囲の数平均官能基数、及び、60〜560あるいは90〜400の範囲のヒドロキシル当量を有していて良い。
【0041】
典型的な活性水素化合物は、モノールおよびポリオール、ポリアミンを含むアミン、ポリアミドを含むアミド、ポリメルカプタンを含むメルカプタン、ポリ酸を含む酸等を含む。好適なヒドロキシル化合物の例は以下の通りである(それらの混合物を含む):一価アルコール、例えばエタノール、プロパノール及びブタノール、並びに一価フェノール、例えばフェノール。特に興味深いのは、ポリオール、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ヒドロキシアルキルのアクリレート及びメタクリレートのホモポリマー及び共重合体、ポリエポキシド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリヒドロキシ末端ポリウレタンポリマー、ポリヒドロキシル含有リン化合物及び多価チオエーテルのアルキレンオキシド付加物、ポリアセタールを含むアセタール、ポリチオエーテルを含む脂肪族及び芳香族ポリオール及びチオール、アンモニウム及びポリアミンを含む芳香族、脂肪族及び複素環アミンを含むアミン、並びにそれらの混合物である。上記の定義された種類の範囲内の2つ以上の異なる基を含有する化合物のアルキレンオキシド付加物、例えばアミノ基及び水酸基を含有するアミノアルコールも使用され得る。また、1つの−SH基及び1つの−OH基を含有する化合物並びにアミノ基及び−SH基を含有する化合物のアルキレン付加物も使用され得る。本発明の実施においてポリオールとして用いられるポリエーテルポリオールの例には、ポリアルキレンポリエーテルポリオール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール等のジオールが含まれる。ポリエーテルポリオールの作製において開始剤として好都合に用いられるアルコールの例には、メタノール、エタノール、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、グリセロール、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,1,1−トリメチロールエタン、ヘキサン−1,2,6−トリオール、α−メチルグルコシド、ペンタエリスリトール及びソルビトールが含まれるが、これらに限定されない。また、用語「アルコール」には、一般にビスフェノールAとして知られている2,2−(4,4’−ヒドロキシフェニル)プロパン等のフェノール由来の化合物;スクロース、グルコース、フルクトース等の糖も含まれる。ポリエーテルポリオールの調製において好都合に用いられるアルキレンオキシドの例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、アミレンオキシド及び2つ以上のこれらのオキシドのランダム共重合体またはブロック共重合体;グリシドール;グリシジルエーテルまたはグリシジルチオエーテル、例えばメチルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテル及びフェニルグリシジルエーテル;が含まれる。
【0042】
ポリエステルポリオールは、ポリカルボン酸とアルコール、特に多価アルコールとの反応生成物である。好適なポリカルボン酸の例には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、タプシン酸、マレイン酸、フマル酸、グルタコン酸、α−ヒドロムコン酸、β−ヒドロムコン酸、α−ブチル−α−エチル−グルタル酸、α,β−ジエチルコハク酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘミメリト酸及び1,4−シクロヘキサン−ジカルボン酸が含まれる。脂肪族アルコール及び芳香族アルコールを含む任意の好適なアルコールが使用され得る。好適なアルコールの例は、先に述べた多価アルコールである。また、用語「多価アルコール」には、一般にビスフェノールAとして知られている2,2−(4,4’−ヒドロキシフェニル)プロパン等のフェノール由来の化合物;ポリアセトンポリオール等も含まれる。
【0043】
好適に用いられるその他のポリオールには、ポリアルキレンポリアミン、例えばエチレンジアミン;アミノアルコール、例えばアミノエタノール;リン酸、スルホン酸及びホウ酸のエステル;セルロース様ポリマー、例えばでんぷん及びメチルセルロース;ペプチド及びポリペプチド;メチロール樹脂、例えば尿素ホルムアルデヒド及びメラミンホルムアルデヒド;ラクトンを反応させて調製するラクトンポリオール、例えばε−カプロラクトンまたはε−カプロラクトンの混合物;並びに多官能性開始剤を有するアルキレンオキシド、例えば多価アルコール、アミンまたはアミノアルコールが含まれるが、これらに限定されない。
【0044】
一つの実施形態において、ポリアルキレンエーテルジオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エトキシ化グリセリン、エチレンオキシドのポリエーテルジオール及び/またはプロピレンオキシドであって良い。本発明の実施において用いられる特定のイソシアネート及び活性水素化合物並びにそれらの分量は、所望の特定の最終用途に依存する。そのような選択は、そのような最終用途に関する技術分野の技術の範囲内である。
【0045】
先に開示したイソシアネート、活性水素及び三量化触媒系に加え、界面活性剤及び発泡剤等のその他の材料が、しばしば好都合に含まれる。
【0046】
上述のPIRフォーム配合物の材料に加え、その他の物質、例えば界面活性剤、発泡剤、充填剤、染料、顔料、架橋剤、鎖延長剤、難燃剤、煙抑制剤等が用いられ得る。
【0047】
本発明による三量化触媒系は、通常高いイソシアネート指数を要する硬質で難燃性のフォーム製品の形成において有用である。本明細書において、イソシアネート指数とは、使用されるポリイソシアネートの実際の量を、反応混合物中の全ての活性水素と反応するのに必要なポリイソシアネートの理論上必要な化学量論量で割り、100を掛けた数値を指す。本発明において、イソシアネート指数は以下の等式で示される:イソシアネート指数=(NCO当量/活性水素の当量)×100。ここで、NCO当量は、ポリイソシアネート中のNCO官能基の数であり、活性水素の当量は、活性水素原子に等しい数である。
【0048】
イソシアネート指数が80〜800の範囲で生成されるフォーム製品は、本発明の範囲内である。本発明のその他の局面によれば、イソシアネート指数は、100〜700、150〜650、150〜600または180〜500である。
【0049】
発泡剤は、イソブテン、ジメチルエーテル、水、塩化メチレン、アセトン、クロロフルオロカーボン(CFC)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、及び炭化水素を含むが、これらに限定されない。HFCの例は、HFC−245fa、HFC−134a、HFC−152a、HFC−227ea及びHFC−365を含むが、これらに限定されない。HCFCの例には、HCFC−141b、HCFC−22及びHCFC−123が含まれる。炭化水素の例には、n−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン等、またはそれらの任意の組合せが含まれる。
【0050】
使用される発泡剤の量は、例えばフォーム製品の意図される使用及び適用、並びに所望のフォームの剛性及び密度により異なり得る。本発明のフォーム配合物及びPIRフォームを調製する方法において、発泡剤は、ポリオール100重量部当り1〜80重量部(pphp)、5〜60pphp、7〜60pphp、10〜60pphp、12〜60pphp、14〜40pphp、または16〜25pphpの量で存在する。発泡剤としての使用またはその他の目的で、配合物中に水が存在する場合、水は、最大で約15pphpの量で存在する。言い換えれば、水は0〜15pphpの範囲であり得る。別の局面において、水は0〜10pphp、0.1〜10pphp、0〜8pphp、0〜6pphp、0.3〜5または0.4〜4pphpの範囲であり得る。
【0051】
ウレタン触媒は、PIRフォームを作製する方法において、ポリウレタンを形成する反応を促進する。本明細書においての使用に好適なウレタン触媒は、金属塩触媒、例えば有機スズ、及びアミン化合物、例えばトリエチレンジアミン(TEDA)、N−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、トリエチルアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、1,3,5−トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロトリアジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N−メチルジシクロヘキシルアミン、ペンタメチルジプロピレントリアミン、N−メチル−N’−(2−ジメチルアミノ)−エチル−ピペラジン、トリブチルアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、ヘプタメチルテトラエチレンペンタミン、ジメチルアミノシクロヘキシルアミン、ペンタメチルジプロピレン−トリアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、トリス(3−ジメチルアミノ)プロピルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン(DBU)、またはその酸ブロック誘導体、並びにそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0052】
本発明のPIRフォームを調製するために、ウレタン触媒は、0〜15pphp、0〜10pphp、0〜8pphp、0〜6pphp、0〜4pphp、0〜2pphpまたは0〜1pphpの配合で存在し得る。別の局面において、前記ウレタン触媒は、0〜0.8pphp、0〜0.6pphp、0〜0.4pphpまたは0〜0.2pphpの範囲で存在する。
【0053】
本発明のPIRフォームを調製するために、任意の補助三量化触媒は、0〜15pphp、0〜10pphp、0〜8pphp、0〜6pphp、0〜4pphp、0〜2pphpまたは0〜1pphpの配合で存在し得る。別の局面において、前記ウレタン触媒は、0〜0.8pphp、0〜0.6pphp、0〜0.4pphpまたは0〜0.2pphpの範囲で存在する。
【0054】
フォーム製造中の要件やフォーム製品の最終用途に応じ、PIRフォームの配合において様々な添加剤を用いて、特定の特性を持たせることができる。これらには、気泡安定剤、難燃剤、鎖延長剤、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、充填剤、顔料、またはそれらの任意の組合せが含まれるが、これらに限定されない。当技術分野において公知のその他の混合物や材料が、フォーム配合物に含まれ得、そして本発明の範囲内であることが理解される。
【0055】
気泡安定剤は、界面活性剤、例えばオルガノポリシロキサンを含む。界面活性剤は、PIRフォーム配合物中、0.5〜10pphp、0.6〜9pphp、0.7〜8pphp、0.8〜7pphp、0.9〜6pphp、1〜5pphpまたは1.1〜4pphpの量で存在し得る。有用な難燃剤には、ハロゲン化有機リン化合物及び非ハロゲン化化合物が含まれる。例えば、トリクロロプロピルホスフェート(TCPP)はハロゲン化難燃剤であり、トリエチルホスフェートエステル(TEP)は非ハロゲン化難燃剤である。フォームの最終用途に応じ、難燃剤は、フォーム配合物中、0〜50pphp、0〜40pphp、0〜30pphpまたは0〜20pphpの量で存在し得る。別の局面において、難燃剤は、0〜15pphp、0〜10pphp、0〜7pphpまたは0〜5pphpの範囲で存在する。エチレングリコール及びブタンジオール等の鎖延長剤も、本発明において用い得る。
【0056】
本発明は更に、有効量の本発明の三量化触媒系の存在下、少なくとも1つのポリイソシアネートを少なくとも1つの活性水素含有化合物と接触させる工程を含む、PIRフォームを調製する方法を提供する。
【0057】
三量化触媒系は、フォーム配合物中、触媒的に有効な量で存在するべきである。本発明のPIRフォーム配合物において、三量化触媒系は、触媒系希釈剤、例えばジエチレングリコールの重量への寄与を含み、少なくとも1つの活性水素含有化合物100重量部当たり0.05〜15重量部の量で存在する。別の局面において、三量化触媒系は、少なくとも1つの活性水素含有化合物100重量部当たり0.4〜10重量部、0.4〜9重量部、または0.8〜8重量部の量で存在する。該少なくとも1つの活性水素含有化合物が、少なくとも1つのポリオールである場合、三量化触媒系は、ポリオール100重量部当たり0.05〜15重量部(pphp)の量で存在する。別の局面において、触媒組成物は、0.2〜10pphp、0.2〜9.5pphp、0.4〜9pphp、0.6〜8.5pphpまたは0.8〜8pphpの量で存在する。
【0058】
PIR配合物に含まれる成分の数を考えると、それらの成分を接触させる、または組み合わせる順番には多くの異なるものがあり、当業者であれば、それら成分の添加の順番を変えることが本発明の範囲内であることに気づくであろう。更に、PIRフォームを生成する方法は、少なくとも1つの気泡安定剤、少なくとも1つの難燃剤、少なくとも1つの鎖延長剤、少なくとも1つのエポキシ樹脂、少なくとも1つのアクリル樹脂、少なくとも1つの充填剤、少なくとも1つの顔料、またはそれらの任意の組合せから選択される少なくとも1つの添加剤の存在を更に含み得る。
【0059】
本発明の更なる局面において、少なくとも1つのポリイソシアネート以外の材料の予混合物を最初に接触させ、続いて少なくとも1つのポリイソシアネートを添加することができる。例えば、少なくとも1つの活性水素含有化合物、少なくとも1つの発泡剤及び本発明の三量化触媒系を最初に接触させて予混合物を形成する。次に、予混合物を少なくとも1つのポリイソシアネートと接触させ、本発明の方法に従ってPIRフォームを生成する。本発明の更なる局面においては、同じ方法を用いることができ、ここで、予混合物は少なくとも1つのウレタン触媒を更に含む。同様に、予混合物は、少なくとも1つの気泡安定剤、少なくとも1つの難燃剤、少なくとも1つの鎖延長剤、少なくとも1つのエポキシ樹脂、少なくとも1つのアクリル樹脂、少なくとも1つの充填剤、少なくとも1つの顔料、またはそれらの任意の組合せから選択される少なくとも1つの添加剤を更に含み得る。
【0060】
本発明の一つの局面は、以下の工程を含むPIRフォームを調製する方法を提供する:(a)(1)少なくとも1つの活性水素含有ポリオール、(2)ポリオール100重量部当り10〜80重量部(pphp)の発泡剤、(3)0.5〜10pphpの界面活性剤、(4)0〜10pphpの水、(5)0〜50pphpの難燃剤、(6)0〜10pphpのウレタン触媒、及び(7)0.05〜15pphpの本発明の三量化触媒系を含む予混合物を形成する工程;及び(b)イソシアネート指数80〜800で、予混合物を少なくとも1つのポリイソシアネートと接触させる工程。
【0061】
一つの実施形態において、本発明のPIRフォームは、断熱材、例えば建築用断熱フォームや電気器具用断熱フォームとして使用され得る。
【0062】
別の実施形態において、PIRフォームの作製に必要な上述の成分は、一緒に噴霧され、噴霧ノズルからの出発点(departure point)において混合されて、壁上に断熱フォームが形成される。
【0063】
実施例
以下の実施例により本発明を説明するが、本発明の範囲を限定することを意図しない。
【0064】
三量化触媒系の調製
酢酸テトラフェニルホスホニウム−本発明のTCS1
無水MeOH中、1.0MテトラフェニルホスホニウムBr(Tetraphenylphosphonium Br)溶液を調製した。これに、1.05当量の固体のKOAcを加えた。混合物を一晩攪拌した。反応混合物を、Mフリットを通してろ過し、ろ液を真空で乾燥させて、酢酸テトラフェニルホスホニウムを生成した。
【0065】
酢酸テトラブチルホスホニウム−本発明のTCS2
無水MeOH中、1.0MテトラブチルホスホニウムBF(Tetrabutylphosphonium BF)溶液を調製した。これに、1.05当量の固体のKOAcを加えた。混合物を一晩攪拌した。反応混合物を、Mフリットを通してろ過し、ろ液を真空で乾燥させて、酢酸テトラブチルホスホニウムを生成した。
【0066】
触媒活性化温度の決定
実施例1
本発明の三量化触媒系(TCS)1〜2のサンプルの各々を、ジエチレングリコールに溶解し、PMDI中、約25℃で45秒間混合し、DSCサンプルパン内に置く。各サンプルの触媒活性化温度を、以下に述べる通りにDSC方法により測定する。IRにより三量体の形成を確認する。結果を表1に示す。
【0067】
比較例1
上述の本発明のサンプル1〜2と同じ方法に従い、比較サンプル1〜3を調製する。各比較サンプルの触媒活性化温度を、以下に述べる通りにDSC方法により測定する。IRにより三量体の形成を確認する。結果を表1に示す。
【0068】
フォームの形成
実施例2
Cannon HP−60及びHi Tech Eco−RIM高圧装置により、本発明のフォームを生成する。装置の総スループットは、約200〜225g/秒であった。51.7℃まで予め加熱した型を用いてフォームのサンプルを生成したが、以下の配合のために、化学温度を21〜27℃の間で変化させた:ポリオール(芳香族ポリエステルポリオール、100phpp)、三量化触媒系(6phpp未満);難燃剤(TCPP、4.7phpp)、界面活性剤(1.7phpp)、ウレタン触媒(PolycatTM5触媒、0.15phpp)、発泡剤(n−ペンタン、17phpp)、及び水の予混合物。所望のイソシアネート指数(例えば270または500)を得るために、十分なイソシアネート(重合体MDI)及び予混合物を合わせる。本発明のフォーム1の三量体含有量を、ATR−FTIR分光法により測定する。結果を図1に示す。
【0069】
比較例2
Cannon HP−60及びHi Tech Eco−RIM高圧装置により、比較用フォームを生成する。装置の総スループットは、約200〜225g/秒であった。51.7℃まで予め加熱した型を用いてフォームのサンプルを生成したが、以下の配合のために、化学温度を21〜27℃の間で変化させた:ポリオール(芳香族ポリエステルポリオール、100phpp)、DABCO TMR−2媒系(6phpp未満);難燃剤(TCPP、4.7phpp)、界面活性剤(1.7phpp)、ウレタン触媒(PolycatTM5触媒、0.15phpp)、発泡剤(n−ペンタン、17phpp)、及び水の予混合物。所望のイソシアネート指数(例えば270または500)を得るために、十分なイソシアネート(重合体MDI)及び予混合物を合わせる。比較用フォーム1の三量体含有量を、ATR−FTIR分光法により測定する。結果を図1に示す。
【0070】
試験方法
試験方法は以下を含む。
示差走査熱量測定法
示差走査熱量測定(DSC)方法は、TA2920デュアルサンプルDSCを用いて実施する。ガスが抜けるように蓋に穴を開けた、密封されたアルミニウムのDSCパン内で、サンプルの試験を行う。触媒充填は、1グラムのPAPI20重合体MDI中、総イソシアネートに対して約1モルパーセントである。標準の操作では、触媒溶液中に存在するものを除き、追加の−OHを配合に加えない。サンプルは、以下の方法によって調製し、分析する。
1.20mlバイアルに触媒溶液を加え、質量を記録する。
2.約1.0gのPAPI20をバイアルに加え、混合物をテフロン加工のへらで約45秒間攪拌する。
3.2つのアリコートを取り出し(1〜10mg)、予め重さを量ったDSCパンの底に置き、密封する。
4.すぐに、対照として類似のパンを含有するTA2920DSCの中にサンプルを置く。
5.10℃/分の速度で190℃になるまで、シングルスキャンを実施する。
6.発熱の開始温度及びピーク最高温度、並びに発熱ピークの総熱量を計算する。計算された開始温度は、単一のスペクトル内でポイントの選択に依存して3℃も異なり得るので、触媒の比較/評価には、一般的にピーク最高温度が使用される。
7.次のサンプルの操作の前に、機器を35℃未満まで空冷する。反復サンプル(replicate sample)の操作を行い、全部で4つのスペクトルを得る(2つの反復サンプル各々について2つの複製)。触媒溶液中の−OHの量に応じ、「配合物」のイソシアネート指数は1000〜3500の範囲であり得る。指数が1000の配合物において、最初のイソシアネートのうちの90%が三量化反応に単独で利用でき、残りの10%が触媒溶媒の水酸基との反応に利用できる。これらのレベルにおいて、主な発熱は三量化反応のものであると推測される。
【0071】
三量体含有量のためのフーリエ変換赤外分光(FTIR)
各硬質フォームパネルの中心から、パネルの厚みにわたる1”×1”×3”のサンプルを取る。次に、各サンプルについて、3”の厚みに沿って5mmの厚さの薄片に切る。ただし、外縁(すなわち表皮(skin))は2〜3mmの厚さに切る。Durascope 1 Bounce ATRダイヤモンド結晶アクセサリを備えたNicolet Magna FTIR機器を用いてATR‐FTIR測定を実施する。典型的には、4000〜600cm−1のスペクトル領域において16のスキャンが得られる。分解能は4cm−1、速度0.6329、アパーチャー(aperture)138。6ヵ所の異なる位置(各向かい合うセクション(facing section)の所定の深さにおいて3ヵ所)における各深さにおいて、FTIRスペクトルが得られる。ただし、外層においては、それぞれ4ヵ所において測定する。
【0072】
三量体含有量
硬質PIRフォームの典型的な減衰全反射−フーリエ変換赤外分光法(ATR−FTIR)によるスペクトルを以下に示す。1410cm−1のピークは、三量体の6員環に特異的であり、一方で、多様なカルボニルの振動モードが、ウレタン、尿素、三量体及びエステル部分において見られ、全てが1700cm−1辺りの単一のピークとして現れる。2275cm−1における小さなピークは、遊離した未反応のイソシアネート基に対応し、一方で1595cm−1における芳香族ピークは、一般的にデータを正規化するための内部基準として使用される。
【化5】

【0073】
芳香族のピーク高さ(約1595cm−1)により正規化されたNCOのピーク高さ(約2275cm−1)は、典型的にはフォーム中の未反応イソシアネート基の量を示し、同じく芳香族のピーク高さにより正規化された三量体のピーク高さ(約1410cm−1)は、典型的にはフォームパネル中のイソシアヌレート三量体の量を示す。各パネルの深さ全体にわたる三量体含有量のプロファイルを決定するために、サンプルを取ってスライスし、上述の方法に従ってFTIRスペクトルを得る。所定の深さにおけるピーク率が平均され、標準偏差は、サンプルの所定の深さにおける様々な位置にわたるピーク率の数値の広がりを示す。これらの数は、パネルの深さ全体にわたる未反応イソシアネート基及びイソシアヌレート三量体の分布または深さのプロファイルを示す。
【0074】
本発明は、その精神及び本質的な特性から逸脱することなく、他の形態において具体化することができる。よって、先行する明細書よりもむしろ、本発明の範囲を示す添付の請求項を参照するべきである。
【0075】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホスホニウムカチオンと、イソシアネート−三量体誘導アニオンとを含む三量化触媒系であって、73℃以下の三量化活性化温度を有する、三量化触媒系。
【請求項2】
前駆体配合物であって、
前駆体配合物重量基準で少なくとも25重量%のポリオール;
前駆体配合物重量基準で15重量%以下の三量化触媒系であって、ホスホニウムカチオンと、イソシアネート−三量体誘導アニオンとを含み、73℃以下の三量化活性化温度を有する、三量化触媒系;及び
任意で、1つ以上の界面活性剤、1つ以上の難燃剤、水、1つ以上の酸化防止剤、1つ以上の補助発泡剤、1つ以上のウレタン触媒、1つ以上の補助三量化触媒、またはそれらの組合せ、を含む、前駆体配合物。
【請求項3】
イソシアネートを三量化する方法であって:
イソシアネート、ジイソシアネート、トリイソシアネート、オリゴマーイソシアネート、それらのいずれかの塩、及びそれらの任意の混合物からなる群から選択される1つ以上の単量体を提供する工程;
三量化触媒系であって、ホスホニウムカチオンと、イソシアネート−三量体誘導アニオンとを含み、73℃以下の三量化活性化温度を有する三量化触媒系を提供する工程;
該三量化触媒の存在下、該1つ以上の単量体を三量化する工程;及び
それにより、1つ以上のイソシアヌレート三量体を形成する工程、を含む、方法。
【請求項4】
ポリイソシアヌレート/ポリウレタン硬質フォームを形成する方法であって:
イソシアネート、ジイソシアネート、トリイソシアネート、オリゴマーイソシアネート、それらのいずれかの塩、及びそれらの任意の混合物からなる群から選択される1つ以上の単量体を提供する工程;
ポリオールを提供する工程;
三量化触媒系であって、ホスホニウムカチオンと、イソシアネート−三量体誘導アニオンとを含み、73℃以下の三量化活性化温度を有する三量化触媒系を提供する工程;
任意で、1つ以上の界面活性剤、1つ以上の難燃剤、水、1つ以上の酸化防止剤、1つ以上の補助発泡剤、1つ以上のウレタン触媒、1つ以上の補助三量化触媒、またはそれらの組合せを提供する工程;
該三量化触媒系、任意で1つ以上のウレタン触媒、及び任意で1つ以上の補助三量化触媒の存在下、該1つ以上の単量体、ポリオール、任意で1つ以上の界面活性剤、任意で1つ以上の難燃剤、任意で水、任意で1つ以上の酸化防止剤、及び任意で1つ以上の補助発泡剤を接触させる工程;及び
それにより該ポリイソシアヌレート/ポリウレタン硬質フォームを形成する工程、を含む、方法。
【請求項5】
ポリイソシアヌレート/ポリウレタン硬質フォームであって、ホスホニウムカチオンとイソシアネート−三量体誘導アニオンとを含む三量化触媒系と、任意で1つ以上の界面活性剤、任意で1つ以上の難燃剤、任意で水、任意で1つ以上の酸化防止剤、任意で1つ以上の補助発泡剤、任意で1つ以上の追加的ウレタン触媒及び任意で1つ以上の補助三量化触媒、または任意でそれらの組合せの存在下、イソシアネート、ジイソシアネート、トリイソシアネート、オリゴマーイソシアネート、それらのいずれかの塩、及びそれらの任意の混合物からなる群から選択される1つ以上の単量体とポリオールとの反応による反応生成物を含み、ここで、三量化触媒系が73℃以下の三量化活性化温度を有する、ポリイソシアヌレート/ポリウレタン硬質フォーム。
【請求項6】
ポリイソシアヌレート/ポリウレタン硬質フォームであって、ホスホニウムカチオンとイソシアネート−三量体誘導アニオンとを含む三量化触媒系と、任意で1つ以上の界面活性剤、任意で1つ以上の難燃剤、任意で水、任意で1つ以上の酸化防止剤、任意で1つ以上の補助発泡剤、任意で1つ以上の追加的ポリウレタン触媒及び任意で1つ以上の三量化触媒、または任意でそれらの組合せの存在下、イソシアネート、ジイソシアネート、トリイソシアネート、オリゴマーイソシアネート、それらのいずれかの塩、及びそれらの任意の混合物からなる群から選択される1つ以上の単量体とポリオールとの反応による反応生成物を含み、ここで、該ポリイソシアヌレート/ポリウレタンフォームは、ATR−FTIR分光法により測定した、該硬質フォームの立ち上がり面(rising surface)から深さ12mmにおけるポリイソシアヌレート三量体の割合(Abs1410/Abs1595)が少なくとも5である、ポリイソシアヌレート/ポリウレタン硬質フォーム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の三量化触媒系であって、前記ホスホニウムカチオンは以下の構造を有し:
【化6】

ここで、RはH、C〜C18、N、O及びそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
はH、C〜C18、N、O及びそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
はH、C〜C18、N、O及びそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
はH、C〜C18、N、O及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される、三量化触媒系。
【請求項8】
はC〜C18、RはC〜C18、RはC〜C18、RはC〜C18である、請求項7に記載の三量化触媒系。
【請求項9】
はブチルまたは芳香族、Rはブチルまたは芳香族、Rはブチルまたは芳香族、Rはブチルまたは芳香族である、請求項7に記載の三量化触媒系。
【請求項10】
前記ホスホニウムカチオンがテトラエチルホスホニウムカチオンまたはテトラブチルホスホニウムカチオンである、請求項1〜9のいずれかに記載の三量化触媒系。
【請求項11】
前記イソシアネート−三量体誘導アニオンが、カルボキシレート、炭酸塩、フェノキシド、アミド、アミジナート、イミド、ホスフィド、チオシアネート、チオイソシアネート、イソシアネート、シアネート及びフッ化物からなる群から選択される、請求項1〜9のいずれかに記載の三量化触媒系。
【請求項12】
請求項1〜9のいずれかに記載の三量化触媒系であって、前記イソシアネート−三量体誘導アニオンは、以下の構造を有するカルボキシレートであり:
【化7】

ここで、X’はH、C〜C18、脂肪族、芳香族、環状、非環状、アシル及びそれらの誘導体からなる群から選択される、三量化触媒系。
【請求項13】
前記カルボキシレートがギ酸塩、酢酸塩、オクタン酸塩、2−エチルヘキサン酸塩、安息香酸塩及びそれらの置換誘導体からなる群から選択される、請求項12に記載の三量化触媒系。
【請求項14】
テトラブチルホスホニウムまたはテトラフェニルホスホニウムの酢酸塩である、請求項1〜6のいずれかに記載の三量化触媒系。
【請求項15】
断熱材として使用される、請求項4〜6のいずれかに記載の硬質ポリイソシアヌレートフォーム。

【図1】
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【公表番号】特表2012−508301(P2012−508301A)
【公表日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535725(P2011−535725)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【国際出願番号】PCT/US2009/063728
【国際公開番号】WO2010/054313
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】