説明

インクジェット印刷プロセスによる織物繊維材料の印刷方法

織物繊維材料を印刷するインクジェット印刷プロセスであって、繊維材料を、(I)少なくとも1種の分散染料、及び(II)グリセロールを含む水性インクで印刷し、前記インクは25℃で5〜20mPa sの粘度を有し、前記インクを、外部インクレザバーからインクを受けとるインク供給層(b)を含むインクジェットプリントヘッドで繊維材料に適用し、前記インク供給層は、第1側面及び第2側面を有し、複数の内腔及びインクの通過を可能にするようにその中を通って延在する複数の孔を有する多孔質媒体を含むインクジェット印刷プロセスは、高速印刷を可能にし、かつ良好な堅牢性を持つプリントを生じる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット印刷プロセスに従い分散染料を使用して織物繊維材料を印刷する方法及び対応する印刷インクに関する。
【0002】
ロータリー及びフラットスクリーン印刷は、現在、織物印刷法として広く行われている。しかし、これらの従来の方法は、製品の量が十分に多くないと有利ではない。加えて、プリントパターンのファッションは急速に変わるので、生産がファッションの急速な変化に追いつくことができない場合、多量の印刷された製品が売れずに在庫品となる危険性がある。したがって、印刷版を必要とせず、少量多品種生産に適切であり、ファッションに素早く対応する、インクジェットのような電子織物印刷システムを確立する需要が存在する。
【0003】
インクジェット印刷技術は、色、パターン及び画像のまわりに新たなデザインの可能性を切り開く。色及びデザインを素早く変える能力は、伝統的なロータリースクリーン印刷法に勝るインクジェット印刷の主な利点の一つのである。デジタルシステムにおいて、デザインの変更は、ソフトウエアにより可能であり、スクリーンを彫る必要がない。色の変更もコンピューターで行われ、スクリーンを清浄し、インクを代えるプロセスが除かれる。新しいデザインの実際の布地サンプルは、以前に必要とされたほんの何分の一かのコスト及び時間で可能である。この方法により、デザイナー並びに織物及び衣料品会社は、協力し合ってほとんど瞬時に新製品を市場に出すことができる。世界的なインターネットによる瞬時のデータ移動及びローカルエリア・ネットワーク(LAN)を介した同様のデータ交換が、これまでになく速くアイデアの交換を可能にする。
【0004】
多くの利点にもかかわらず、インクジェットは、依然として幾つかの欠点に苦慮しており、それらのうちの幾つかは、印刷速度が増加するにつれてさらにより顕著になる。ハードウエアの信頼性(例えば、ノズルの詰まり)及び速度の制限が、主にサンプルの作成のためにインクジェット印刷を使用することを制限する技術的な障害である。技術の現状のインクジェット織物プリンターは、2〜8KHzの周波数で作動して2〜30m2/時で印刷することができる。短時間の稼働とサンプル作成の両方のための真の生産方法となるためには、高い印刷速度(例えば>200m2/時間)においてさえ信頼性のあるインクジェットプロセスが要求される。しかし、高速での印刷の場合、高い周波数に対する反応は損なわれる傾向にあり、インクが微小のノズルから高速及び高頻度で放出されなければならないということによって、インクはインクの物理的特性に応じて不安定になる傾向がある。更に、プリントの品質は、布地上の染みにより損なわれる傾向にあり、それは一部インクジェットプリンターが高い粘度を有するインクを使用できないためであり、一部布地が、通常、紙よりもきめが粗いためであり、それによって微細又は繊細なデザインのパターンを印刷することが困難となる。
【0005】
従って、高い印刷速度で稼働している場合でさえも高い信頼性で、感知可能な解像度で実施することができ、応用技術の観点から最適な特徴を有するインクジェット印刷プロセスの要求が存在する。これに関して、粘度、安定性、表面張力及び伝導性のような、使用されるインクの特性が決定的な役割を果たす。更に、得られるプリントの品質に関する高い要求、例えば色強度、繊維−染色結合安定性及び濡れに対する堅牢性についての高い要求が求められている。これらの要求は、全ての特性において既知のプロセスでは満たされず、そのため織物のインクジェット印刷の新たなプロセスの要求性が依然として存在する。
【0006】
本発明は、織物繊維材料を印刷するインクジェット印刷プロセスであって、
繊維材料を、
(I)少なくとも1種の分散染料、及び
(II)グリセロール
を含む水性インクで印刷し、
該インクは25℃で5〜20mPa sの粘度を有し、
該インクを、外部インクレザバーからインクを受けとるインク供給層(b)を含むインクジェットプリントヘッドで繊維材料に適用し、該インク供給層は、第1側面及び第2側面を有し、複数の細孔を中に有し、かつそれを通して延在する複数の孔を有し、それでインクの通過を可能にするようにした多孔質媒体を含む
インクジェット印刷プロセスに関する。
【0007】
インクは、好ましくは、インクの全重量に基づき、1〜35重量%、好ましくは1〜20重量%、特に1〜15重量%、一層特に1〜10重量%の染料の総含有量を有する。下限として、1.2重量%、好ましくは1.5重量%、特に2重量%の限界が好ましい。
【0008】
本発明のプロセスに適切な分散染料は、色指数(Colour Index)、3版における「分散染料(Disperse Dyes)」で記載されているものである(No.85までの追加及び修正を含む第3改訂版1987年)。例は、カルボキシル−及び/又はスルホ−フリーニトロ、アミノ、アミノケトン、ケトンイミン、メチン、ポリメチン、ジフェニルアミン、キノリン、ベンズイミダゾール、キサンテン、オキサジン又はクマリン染料、特にアントラキノン染料及びモノアゾ又はジアゾ染料のようなアゾ染料である。
【0009】
分散染料として、例えば下記式:
【0010】
【化13】

【0011】
〔式中、
1は、ハロゲン、ニトロ又はシアノであり、
2は、水素、ハロゲン、ニトロ又はシアノであり、
3は、水素、ハロゲン又はシアノであり、
4は、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル又はC1〜C4アルコキシであり、
5は、水素、ハロゲン又はC2〜C4アルカノイルアミノであり、そして
6及びR7は、互いに独立して、水素、アリル、非置換であるか又はヒドロキシ、シアノ、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルコキシ−C1〜C4アルコキシ、C2〜C4アルカノイルオキシ、C1〜C4アルコキシカルボニル、フェニル若しくはフェノキシで置換されているC1〜C4アルキルである〕、
【0012】
【化14】

【0013】
〔式中、
8は、水素、C1〜C4アルキル、フェニル又はフェニルスルホニルであり、フェニル及びフェニルスルホニルにおけるベンゼン環は、非置換であるか又はC1〜C4アルキル、スルホ若しくはC1〜C4アルキルスルホニルオキシで置換されており、
9は、ヒドロキシ、アミノ、N−モノ−若しくはN,N−ジ−C1〜C4アルキルアミノ、フェニルアミノであり、フェニルにおけるベンゼン環は、非置換であるか又はC1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、C2〜C4アルカノイルアミノ又はハロゲンで置換されており、
10は、水素、C1〜C4アルコキシ又はシアノであり、
11は、水素、C1〜C4アルコキシ、フェノキシ又は基−O−C65−SO2−NH−(CH23−O−C25であり、
12は、水素、ヒドロキシ又はニトロであり、そして
13は、水素、ヒドロキシ又はニトロである〕、
【0014】
【化15】

【0015】
〔式中、
14は、非置換であるか又はヒドロキシで置換されているC1〜C4アルキルであり、
15は、C1〜C4アルキルであり、
16は、シアノであり、
17は、式:−(CH23−O−(CH22−O−C65の基であり、
18は、ハロゲン、ニトロ又はシアノであり、そして
19は、水素、ハロゲン、ニトロ又はシアノである〕、
【0016】
【化16】

【0017】
〔式中、
20は、C1〜C4アルキルであり、
21は、非置換であるか又はC1〜C4アルコキシで置換されているC1〜C4アルキルであり、そして
22は、基−COOCH2CH2OC65であり、R23は、水素であるか、或いは
22は、水素であり、R23は、基−N=N−C65である〕、
【0018】
【化17】

【0019】
〔式中、環A及びBは、非置換であるか又はハロゲンで1回以上置換されている〕、
【0020】
【化18】

【0021】
〔式中、
24は、非置換であるか又はヒドロキシ、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルコキシ−C1〜C4アルコキシ、C2〜C4アルカノイルオキシ若しくはC1〜C4アルコキシカルボニルで置換されているC1〜C4アルキルである〕、
【0022】
【化19】

【0023】
〔式中、
25は、C1〜C4アルキルであり、
26は、非置換であるか又はC1〜C4アルコキシで置換されているC1〜C4アルキルであり、
27は、水素、C1〜C4アルコキシ又はハロゲンであり、そして
28は、水素、ニトロ、ハロゲン又はフェニルスルホニルオキシである〕、
【0024】
【化20】

【0025】
〔式中、
29、R30、R31及びR32は、互いに独立して、水素又はハロゲンであり、
33は、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル又はC1〜C4アルコキシであり、
34は、水素、ハロゲン又はC2〜C4アルカノイルアミノであり、そして
35及びR36は、互いに独立して、水素、非置換であるか又はヒドロキシ、シアノ、アセトキシ若しくはフェノキシで置換されているC1〜C4アルキルである〕、
【0026】
【化21】

【0027】
〔式中、
37は、水素又はハロゲンである〕、
【0028】
【化22】

【0029】
〔式中、
38は、水素、C1〜C4アルキル、テトラヒドロフラン−2−イル又は非置換であるか若しくはC1〜C4アルコキシでアルキルにおいて置換されているC1〜C4アルコキシカルボニルである〕、
【0030】
【化23】

【0031】
〔式中、
39は、水素、或いは非置換であるか又はC1〜C4アルキル若しくはC1〜C4アルコキシでフェニルにおいて置換されているチオフェニルであり、
40は、水素、ヒドロキシ又はアミノであり、
41は、水素、ハロゲン、シアノ、或いは非置換であるか又はC1〜C4アルキル若しくはC1〜C4アルコキシでフェニルにおいて置換されているチオフェニルか、フェノキシ又はフェニルであり、そして
42は、非置換であるか又はハロゲン、C1〜C4アルキル若しくはC1〜C4アルコキシで置換されているフェニルである〕、
【0032】
【化24】

【0033】
〔式中、
43は、水素又はC1〜C4アルキルであり、
44及びR45は、互いに独立して、水素、ハロゲン、ニトロ又はシアノであり、
46は、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル又はC1〜C4アルコキシであり、
47は、水素、ハロゲン又はC2〜C4アルカノイルアミノであり、そして
48及びR49は、互いに独立して、水素、或いは非置換であるか又はヒドロキシ、シアノ、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルコキシ−C1〜C4アルコキシ、C2〜C4アルカノイルオキシ、C1〜C4アルコキシカルボニル、フェニル若しくはフェノキシで置換されているC1〜C4アルキルである〕
で示される染料が考慮される。
【0034】
1〜C4アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル及びイソブチル、好ましくはメチル及びエチルが考慮される。
【0035】
1〜C4アルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ及びイソブトキシ、好ましくはメトキシ及びエトキシ、特にメトキシが考慮される。
【0036】
ハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素、好ましくは塩素及び臭素、特に塩素が考慮される。
【0037】
2〜C4アルカノイルアミノ基としては、例えば、アセチルアミノ及びプロピオニルアミノ、特にアセチルアミノが考慮される。
【0038】
1〜C4アルコキシ−C1〜C4アルコキシ基としては、例えば、メトキシ−メトキシ、メトキシ−エトキシ、エトキシ−メトキシ、エトキシ−エトキシ、エトキシ−n−プロポキシ、n−プロポキシ−メトキシ、n−プロポキシ−エトキシ、エトキシ−n−ブトキシ及びエトキシ−イソプロポキシ、好ましくはエトキシ−メトキシ及びエトキシ−エトキシが考慮される。
【0039】
N−モノ−又はN,N−ジ−C1〜C4アルキルアミノ基としては、例えば、N−メチルアミノ、N−エチルアミノ、N−プロピルアミノ、N−イソプロピルアミノ、N−ブチルアミノ、N−sec−ブチルアミノ、N-イソブチルアミノ、N,N−ジメチルアミノ及びN,N−ジエチルアミノ、好ましくはN−イソプロピルアミノが考慮される。
【0040】
2〜C4アルカノイルオキシ基としては、例えば、アセチルオキシ及びプロピオニルオキシ、特にアセチルオキシが考慮される。
【0041】
1〜C4アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル及びn−ブトキシカルボニル、好ましくはメトキシカルボニル及びエトキシカルボニルが考慮される。
【0042】
1〜C4アルキルスルホニルオキシ基としては、例えば、メチルスルホニルオキシ、エチルスルホニルオキシ、n−プロピルスルホニルオキシ、イソプロピルスルホニルオキシ及びn−ブチルスルホニルオキシ、好ましくはメチルスルホニルオキシ及びエチルスルホニルオキシが考慮される。
【0043】
本発明のプロセスにおいて、下記式の染料を使用するのが好ましい:
【0044】
【化25】













【0045】
本発明に従って使用する分散染料は、単独の化合物としてか又は2種以上の染料の混合物として使用してもよい。
【0046】
好ましくは、式(1c)、(1d)、(1e)、(1f)、(1g)、(1h)、(1i)、(1j)、(1k)、(1l)、(2f)、(2h)、(2g)、(2i)、(2j)、(2k)、(2l)、(4a)、(6b)、(8a)、(8b)、(8c)、(8d)、(10a)、(11b)、(13a)、(13b)、(13c)、(13d)、(13e)及び(13f)の分散染料、特に(1c)、(2f)、(2h)、(2g)、(2i)、(2j)、(2k)、(2l)、(8a)及び(10a)の染料である。
【0047】
式(1)〜(13)の分散染料は、既知であるか、又は例えば慣用のジアゾ化、カップリング、付加及び縮合反応により、既知の化合物に同様に得ることができる。
【0048】
本発明のインク内で、分散染料は、有利には微細分散形態である。このために、分散染料は、0.1〜10ミクロン、好ましくは1〜5ミクロン、特に好ましくは0.5〜2ミクロンの平均粒径に磨砕する。磨砕は、分散剤の存在下で実施できる。例えば、乾燥分散染料は、分散剤と共に磨砕するか、又は分散剤と共にペースト形態に混練し、所望であれば減圧下で又は噴霧により乾燥する。得られる調製物は、水の添加により、所望であれば更なる助剤の添加によって、本発明のインクを調製するために使用できる。
【0049】
例えば適切な分散剤は、
(aa)下記式:
【0050】
【化26】

【0051】
〔式中、
50は、C1〜C12アルキル、アリール又はアラルキルであり、「アルキレン」は、エチレン基又はプロピレン基であり、
51は、硫酸又は好ましくはリン酸のような無機酸素含有酸の酸性基であるか、そうでなければ有機酸の基であり、そして、
mは、1〜4であり、nは4〜50である〕
で示される、酸化アルキレン付加物の酸性エステル又はそれらの塩、
(ab)ポリスチレンスルホネート、
(ac)脂肪酸タウリド、
(ad)アルキル化ジフェニルオキシドモノ−又はジスルホネート、
(ae)ポリカルボン酸エステルのスルホネート、
(af)1〜60mol、好ましくは2〜30molのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドと、それぞれ8〜22個の炭素原子を有する脂肪アミン、脂肪酸アミド、脂肪酸又は脂肪アルコールとの付加物、或いは3〜6個の炭素原子を有する三価から六価のアルカノールとの付加物であって、前記付加物が、有機ジカルボン酸によるか又は無機多塩基酸により酸性エステルに変換されている付加物、
(ag)リグニンスルホネート、
(ah)ナフタレンスルホネート、及び
(ai)ホルムアルデヒド縮合物
の群からのアニオン性分散剤である。
【0052】
リグニンスルホネート(ag)としては、主にそれらのリグニンスルホネート、又はスルホ基の含有量が25重量%を超えないそれらのアルカリ金属塩を使用する。好ましいリグニンスルホネートは、5〜15重量%のスルホ基の含有量を有するものである。
【0053】
適切なホルムアルデヒド縮合物(ai)の例は、リグニンスルホネート及び/又はフェノールとホルムアルデヒドとの縮合物、ジトリルエーテルスルホネートとホルムアルデヒドとの縮合物のような、ホルムアルデヒドと芳香族スルホン酸との縮合物、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの、及び/又はナフトール−若しくはナフチルアミノスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物、フェノールスルホン酸及び/又はスルホン化ジヒドロキシジフェニルスルホン及びフェノール若しくはクレゾールとホルムアルデヒド及び/又は尿素との縮合物、並びにジフェニルオキシドジスルホン酸誘導体とホルムアルデヒドとの縮合物である。
【0054】
好ましい生成物(ai)は、
−例えば米国特許第4,386,037号に記載されている通りの、ジトリルエーテルスルホネートとホルムアルデヒドとの縮合物、
−例えば米国特許第3,931,072号に記載されている通りの、フェノール及びホルムアルデヒドと、リグニンスルホネートとの縮合物、
−2−ナフトール−6−スルホン酸、クレゾール、重亜硫酸ナトリウムと、ホルムアルデヒドとの縮合物〔FIAT Report 1013 (1946)を参照〕、及び
−例えば米国特許第4,202,838号に記載されている通りの、ジフェニル誘導体とホルムアルデヒドとの縮合物
である。
【0055】
特に好ましい化合物(ai)は、下記式:
【0056】
【化27】

【0057】
〔式中、
52は、直接結合又は酸素であり、
53は、芳香族化合物の基であり、環炭素原子によりメチレン基に結合しており、
Mは、水素又はアルカリ金属、アルカリ土類金属若しくはアンモニウムのような塩形成カチオンであり、そして
n及びpは、互いに独立して、1〜4の数である〕
で示される化合物である。
【0058】
極めて特別に好ましい化合物(ai)は、下記式:
【0059】
【化28】

【0060】
〔式中、(SO3Na)1,4-1,6は、1.4〜1.6の平均スルホン化度を示す〕
で示される、クロロメチルビフェニル異性体混合物とナフタレンとのスルホン化縮合物に基づく化合物である。
【0061】
上記の分散剤は、既知であるか、又は広く知られているプロセスにより既知の化合物に同様にして調製できる。
【0062】
本発明により適用されるインクは、アニオン性コポリマー、特にアクリル酸、メタクリル酸又はマレイン酸に基づくものを含有してもよい。それらのうち好ましいものは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸と、マレイン酸、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、アリルアミン及びジアリルアミン誘導体、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニル−N−エチルアセトアミド、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、並びにN−モノ/N,N−ジ−C1〜C10アルキル(メタ)アクリルアミドからなる群より選択される1種以上の共重合性単量体との重合により得られるものである。
【0063】
特に好ましいアニオン性コポリマーは、アクリル酸又はメタクリル酸とスチレンとの共重合により得られるものである。
【0064】
極めて特別に好ましいものは、3000〜16000、特に3000〜10000の分子量を有するアクリル酸及びメタクリル酸−スチレンコポリマーである。
【0065】
本発明により適用されるインクは、非イオン性ブロックポリマー、特に、エチレンオキシドとポリプロピレンオキシドとの付加物(EO−POブロックポリマーとして知られている)及びプロピレンオキシドとポリエチレンオキシドとの付加物(逆EO−POブロックポリマーとして知られている)のような酸化アルキレン縮合物を含有してもよく、スチレンをポリプロピレンオキシド及び/又はポリエチレンオキシドに付加することにより得られるブロックポリマーを含有してもよい。
【0066】
好ましいものは、2000〜20000、特に8000〜16000の分子量及び分子全体中に30〜80%、特に60〜80%のエチレンオキシド含有量を有する、エチレン−プロピレンオキシドブロックポリマーである。
【0067】
本発明のプロセスに好ましいインクは、アニオン性コポリマー及び非イオン性ブロックポリマーと又はアニオン性コポリマーと分散剤、或いは非イオン性ブロックポリマーと分散剤を含むものである。
【0068】
特に好ましいインクは、アニオン性コポリマー、非イオン性ブロックポリマー及び分散剤を含むものである。
【0069】
グリセロールは、例えば、インク全重量に基づき、5〜60重量%、好ましくは5〜50重量%、特に5〜35重量%の量で用いる。下限として、10重量%、好ましくは12重量%、特に15重量%の限界が好ましい。本発明の特に好ましい実施態様において、グリセロールは、インク全重量に基づき、12〜60重量%、好ましくは15〜50重量%の量で用いる。
【0070】
グリセロールは単独で使用するが、グリセロールは、代替的には1種以上の有機溶媒と組み合わせて使用してもよい。グリセロールと組み合わせて使用してもよい更なる有機溶媒は、水混和性有機溶媒であり、例はC1〜C4アルコール類、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール又はイソブタノール;アミド類、例えば、ジメチルホルムアミド又はジエチルアセトアミド;ケトン類又はケトンアルコール類、例えば、アセトン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール;エーテル類、例えば、テトラヒドロフラン又はジオキサン;窒素含有複素環式化合物、例えば、N−メチル−2−ピロリドン又は1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン;ポリアルキレングリコール類、例えば、ポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコール;C2〜C6アルキレングリコール類及びチオグリコール類、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、テトラエチレングリコール又はジエチレングリコールモノブチルエーテル;更なるポリオール類、例えば、1,2,6−ヘキサントリオール;並びに多価アルコール類のC1〜C4アルキルエーテル類、例えば、2−メトキシエタノール、1−メトキシプロパノール、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)−エタノール、2−〔2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ〕−エタノール又は2−〔2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ〕−エタノール;好ましくはジエチレングリコール又はジプロピレングリコール、特にジプロピレングリコールであり、慣用的には、インクの全重量に基づいて、2〜35重量%、好ましくは5〜25重量%、特に10〜25重量%の量である。
【0071】
本発明の好ましい実施態様において、グリセロールは、ジエチレングリコール又はジプロピレングリコール、特にジプロピレングリコールと、例えば、1:5〜10:1、好ましくは1:1〜6:1、特に1:1〜2:1の比率で組み合わせて使用する。本発明の興味深い実施態様において、それぞれインクの全重量に基づき、10〜35重量%のグリセロールを、10〜25重量%の量のジプロピレングリコールと組み合わせて使用する。
【0072】
上記で記述された化合物に加えて、本発明のプロセスのインクは、必要に応じて、界面活性剤、保湿剤、粘度調整剤、緩衝剤、消泡剤、又は防腐剤、真菌及び/若しくは細菌の成長を抑制する物質などのような種々の添加剤を含有することができる。
【0073】
防腐剤として、ホルムアルデヒド放出剤、例えばパラホルムアルデヒド及びトリオキサン、特に、例えば30〜40重量%のホルムアルデヒド水溶液、イミダゾール化合物、例えば2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、チアゾール化合物、例えば1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン又は2−n−オクチル−イソチアゾリン−3−オン、ヨウ素化合物、ニトリル、フェノール、ハロアルキルチオ化合物、及びピリジン誘導体、特に1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン又は2−n−オクチル−イソチアゾリン−3−オンが考慮される。そのような添加剤は、通常、インクの全重量に基づき、0.01〜1重量%の量で使用する。細菌、酵母菌及び真菌の腐敗に対して防腐するための殺生剤の幅広い観点からの例として、ジプロピレングリコール中の1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンの溶液20重量%(Proxel(商標)GXL)が使用できる。
【0074】
インクは、フッ素化ポリマー又はテロマー、例えばポリエトキシペルフルオロアルコール(Forafac(登録商標)又はZonyl(登録商標)製品)のような更なる成分を、インクの全重量に基づき0.01〜1重量%の量で含んでもよい。
【0075】
インクは、とりわけ粘性を調整するために、天然又は合成由来の増粘剤を含んでもよい。
【0076】
挙げることができる記述されてもよい増粘剤の例には、市販のアルギネート増粘剤、デンプンエーテル又はイナゴマメ粉エーテル、特にアルギン酸ナトリウムそれ自体又は修飾セルロース、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース又はヒドロキシプロピルメチルセルロースと、特に好ましくは20〜25重量%のカルボキシメチルセルロースとの混和物が含まれる。挙げることができる合成増粘剤は、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリルアミド又はポリビニルピロリドンに基づくものである。
【0077】
インクはそのような増粘剤を、例えば、インクの全重量に基づき0.01〜2重量%、特に0.01〜1.2重量%、より特別には0.02〜1重量%の量で含む。
【0078】
そのような粘度調整剤を使用して又は使用せずに、インクの粘度は、25℃で6〜14mPa s、特に25℃で7〜12mPa s、より特別には25℃で8〜11mPa sになるように調整する。
【0079】
特に他に指示しない場合には、本発明に従って適用するインクの粘度を表わす数字は、Brookfield and a Physica Rheolab MC 10 粘度計で測定する。
【0080】
インクは、また、緩衝物質、例えばホウ砂、ホウ酸塩、リン酸塩、ポリリン酸塩又はクエン酸塩を含んでもよい。挙げることができる例には、ホウ砂、ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ペンタポリリン酸ナトリウム及びクエン酸ナトリウムが含まれる。これらは、特に、インクの全重量に基づき0.1〜3重量%、好ましくは0.1〜1重量%の量で、例えば4〜10、特に5〜8のpH値を確立するために使用する。
【0081】
好適な界面活性剤には、市販のアニオン性又は非イオン性界面活性剤が含まれる。ベタイン一水和物が、再分散剤の例として挙げることができる。本発明のインク中の保湿剤として、例えば尿素又は乳酸ナトリウム(有利には、50%〜60%水溶液の形態)が考慮される。
【0082】
インクの表面張力は、25℃で20〜50ダイン/cm、特に25℃で20〜35ダイン/cm、より特別には25℃で25〜30ダイン/cmの範囲に調整することが好ましい。
【0083】
更に、インクの伝導率は、25℃で0.1〜6mS/cm、特に25℃で2〜5mS/cmの範囲に調整することが好ましい。
【0084】
インクは、好ましくは、1種以上の分散染料、例えば式(1)〜(13)の染料を、分散剤/コポリマー/ブロックポリマー混合物と共に例えば撹拌し、得られる混合物を湿式ミルで摩砕して、0.1〜1.0μmの平均粒径に対応する規定摩砕度にすることにより調製する。続いて、例えば適切な増粘剤、分散剤、コポリマー、界面活性剤、保湿剤、再分散剤、金属イオン封鎖剤及び/又は防腐剤、また水を使用するか又は使用しないで、濃縮練り顔料を所望の濃度に調整する。存在するあらゆる粗画分を除去するため、有利には、約1μmのマイクロシーブを通して、直ぐに使用できるインクの濾過を実施することが可能である。
【0085】
上記のインクは、
−複数の射出ノズルを画定するノズル層(a)、
−多数の小さい相互連結細孔を有する多孔質物質から形成し、それでインクが中を通って通過するのを可能にしたインク供給層(b)であって、インク供給層は、後部表面から前部表面への複数の接続内腔(穴)を特徴とし、各々の接続内腔を、射出ノズルのうちの対応するものの間を接続するように配列するインク供給層(b)、及び
−ノズルを通してインク滴を射出するために接続内腔に関連する複数の変換器を含む偏向層(c)
を含む少なくとも1個のインクジェットプリントヘッドを備えたインクジェット印刷デバイスを用いて、織物繊維材料に有利に適用できることを見出した。
【0086】
本発明に従って適用するインクジェットプリントヘッドは、追加的に、
−複数の開口部を有するインク供給層(b)の後部表面に結合するインク空洞層(d)であって、各開口部を、インク供給層の接続内腔のうちの1つと、対応するインク空洞を少なくとも一部に画定するように対応して位置させる、インク空洞層(d)
を含んでもよい。
【0087】
本発明に従って適用するインクジェットプリントヘッドは、層状構造を含み、その主要要素は、多孔質物質から作製されるインク供給層(b)である。インク供給層(b)は、インクレザバーと、対応する内腔(穴)の個別のインク空洞及び/又はインク空洞層(d)の個別のインク空洞の両方に直接連通しており、それにより主インク供給と個別のインク空洞との間の水圧結合として作用する。
【0088】
多孔質物質には、例えば焼結物質であり、最も好ましくは焼結ステンレススチールが含まれる。
【0089】
インク空洞層(d)は省いてもよい。この場合、偏向層は直接インク供給層に隣接する。
【0090】
本発明に従って使用するインクジェットプリントヘッドは、米国特許第5,940,099号に詳細に記載されており、その開示は本明細書中に援用する。
【0091】
本発明に従って適用するインクジェットプリントヘッドは、インク滴が必要に応じて選択的に射出されるドロップオンデマンドシステム(drop on demand system)の範疇に属する。
【0092】
変換器は、例えば、圧電結晶(圧電型)又は熱電素子(熱バブルジェット型)であり、好ましくは圧電結晶である。
【0093】
本発明の一つの実施態様に従うデバイスを使用するインク滴の射出は、下記のように実施する:
インク空洞の上に配置されている薄い偏向板又はダイアフラムの偏向により、インク空洞中のインクの容量に圧力パルスが伝えられる。電圧が電極であって、そのうちの1つが通常の金属偏向板と電気接触している電極を横切って付加される時はいつでも、圧電セラミック結晶の作用により板が下向きに偏向される。偏向板の下方屈曲により作り出された圧力パルスが、インクを、排出端に先細ノズルを有する排出口に向かわせ、その中を通して、特定サイズの液滴の射出を引き起こす。圧電結晶の電気が切られると、平衡位置に戻り、インク空洞中の圧力を低減し、排出端のメニスカスを収縮させる。収縮したメニスカスは、インクをインクレザバーからインク供給層(b)の多孔質物質を通してインク空洞に、そしてノズルに関連する接続内腔(穴)に引き込むように作用する毛細力を生じる。メニスカスがその平衡位置に戻ると、補充プロセスが終了する。
【0094】
インク空洞への流れ込みのために開放されている多孔質物質のミクロン度及び表面積は、インク空洞の補充時間に重大な影響を与え、従って、最大液滴射出速度及び頻度に重大な影響を与える。本発明のプロセスによるインクは、相互連結細孔及びインク供給層(b)の経路を適切な流動抵抗で通って移動して、例えば、5〜100kHz、好ましくは10〜50kHz、特に25〜40kHzの高射出周波数を可能にするシステム性能を実現する。更にインクは射出ノズルの目詰まりを起こさない。布地上のにじみ又はかすみ及び染みが省かれる。インクは貯蔵安定性があり、すなわち固体物質の沈殿が保存の過程に観察されない。
【0095】
多孔質物質で形成されるインク供給層を含む適切なインクジェットプリントヘッド構成の更なる実施態様は、米国特許第5,940,099号に記載されており、その全ては、本発明によるプロセスで使用できる。
【0096】
本発明の好ましい実施態様において、インクジェットプリントヘッドは、
−複数の射出ノズルを画定するノズル層(a)、
−ノズル層に結合する前部表面及び空洞層(d)に結合する後部表面を有するインク供給層(b)であって、インク供給層は、後部表面から前部表面への複数の接続内腔(穴)で形成され、各々の接続内腔は、インク空洞のうちの対応するものと、射出ノズルのうちの対応するものとを接続するように配列され、インク供給層は、追加的に、(i)前部表面に形成されたインク分配経路のパターン及び(ii)後部表面から前部表面に通り、インク分配経路パターンの少なくとも一部分と直接流体連結するように配置されている少なくとも1つのインク入口内腔であって、インク分配経路のパターンと少なくとも1つのインク入口内腔とは一緒になって、後部表面から少なくとも1つのインク入口内腔を経て前部表面上のインク分配経路のパターンへ通り、多孔質物質を経て複数のインク空洞へ通るインク流路の一部を画定する、こと、を特徴とするインク供給層(b)、
−ノズルを通してインク滴を外に射出するために接続内腔に関連する複数の変換器を含む偏向層(c)
を含む。
【0097】
前部表面上のインク分配経路の配置は、インク供給層の多孔質物質を通るインクの流れが、層の大部分を通って行われることを確実にする。好ましくは、インク分配経路は、各々の接続内腔が最も近いインク分配経路からの間隔がほぼ同じであるようなパターンで、前部表面にわたって分布している。典型的な場合において、接続内腔は、二列方向を有する前部表面上の配列を画定し、インク分配経路のパターンは、好ましくは、列方向のうちの一つと実質的に平行に配置され、接続内腔に隣接する列の間に置かれている、複数の経路を含む。インク流路は、十分な、全体に均一のインク供給をインク空洞の全列にわたって多孔質層に提供するのに特に有効である。
【0098】
本発明に従って使用するインクジェットプリントヘッドは、多数ノズルプリントヘッドであり、その個別のノズルは、有利には、例えば32×16列でねじれている512個のノズルを含む、互いに関して水平にれじれているか又は曲げられている水平列で作られている列として配列されている。
【0099】
本発明の好ましい実施態様に従って使用するインクジェットプリントヘッドは、米国特許第6,439,702号に詳細に記載されており、その開示を本明細書中に援用する。
【0100】
多孔質物質で形成されるインク供給層を含む適切なインクジェットプリントヘッド構成の更なる実施態様は、米国特許第6,439,702号に記載されており、それの全ては、本発明によるプロセスで使用できる。
【0101】
本発明に従って使用するインクジェット印刷デバイスは、上に記載したインクジェットプリントヘッドの少なくとも1つを含む。好ましくは、印刷デバイスは、少なくとも3つのプロセスカラー、例えば、3、4、5又は6つのプロセスカラー、好ましくは6つのプロセスカラーを使用し、カラーはそれぞれ少なくとも1個のプリントヘッドで処理され、例えば、1、2、3、4、5、6又は7個のプリントヘッド、好ましくは7個のプリントヘッドで処理される。
【0102】
本発明は、織物繊維材料を少なくとも50m2/時、好ましくは100〜250m2/時間、特に150〜250m2/時の速度で印刷することを可能にする。
【0103】
本発明に従って使用するインクは、木材、絹、セルロース、ポリビニル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、アラミド、ポリプロピレン、ポリエステル又はポリウレタンのような多様な種類の繊維材料に適用できる。
【0104】
好ましくは、ポリエステル含有繊維材料である。適切なポリエステル含有繊維材料は、全体的に又は一部にポリエステルからなるものである。例は、二次セルロースアセテート及びセルローストリアセテート繊維のようなセルロースエステル繊維、特に、例えばテレフタル酸とエチレングリコールとの縮合、又はイソフタル酸若しくはテレフタル酸と1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンとの縮合により得られる、酸による修飾を受けるか又は受けない線状ポリエステル繊維、また、テレフタル酸及びイソフタル酸とエチレングリコールとのコポリマーから作られている繊維である。適性は、ポリエステル含有混合繊維材料、すなわちポリエステルと他の繊維とのブレンドに及ぶ。
【0105】
印刷の後、繊維材料は、有利には、好ましくは150℃まで、特に80〜120℃の温度で乾燥させ、次に熱処理プロセスに付されて印刷を完了する、即ち、必要に応じて染料を固着させる。
【0106】
続く繊維材料の固着は、一般に、乾式加熱(熱固着)を用いるか、又は大気圧下での過熱蒸気(HT固着)を用いて行う。固着は、下記の条件下で実施する:
−熱固着:190〜230℃で1〜2分間;
−HT固着:170〜230℃で4〜9分間。
【0107】
熱処理は、例えば、熱浴プロセスか、サーモゾルプロセスを用いて、又は好ましくは蒸熱プロセスを用いて実施できる。
【0108】
蒸熱プロセスの場合では、印刷繊維材料は、例えば、場合により過熱され、有利には95〜180℃の温度の蒸気により、より好ましくは飽和蒸気で蒸し器において処理に付される。
【0109】
続いて印刷繊維材料は、未固着染料を除去するために、一般に慣用の方法で水により洗浄する。
【0110】
上記に示した印刷プロセスを使用して、繊維材料を単一色調か又は多様な色調のいずれかで印刷することが可能である。印刷が1つの色調の場合、繊維材料は、全面にわたってか又はパターンによって印刷できる。当然のことながら単一のインクの使用がこの目的のために十分であるが、所望の色調を、複数の異なる色調のインクによる印刷で作り出すこともできる。繊維状材料が複数の異なる色調を有するプリントを受ける場合、繊維状材料は、それぞれ所望の色調を有する複数のインクで印刷できるか、又は当該の色調を作り出すような方法(例えば、繊維状材料を異なる色調のインクで相互に上に重ねて印刷し、それにより所望の色調を生成する)のいずれかで印刷できる。
【0111】
本発明の範囲は、転写材料、例えば紙を、上に記載したインクジェットプリントヘッド又はインクジェットプリントヘッドを含むデバイスを用いて、上に記載したインクで印刷する実施態様を包含することは理解されるべきである。次に、転写材料の印刷面を織物繊維材料と接触させる。圧力及び熱を付加すると、プリントは、転写材料から織物繊維に転写される。転写プロセスは、当該技術において熱転写印刷プロセスとして知られている。当業者は、熱転写印刷の条件を十分承知している。
【0112】
作り出されたプリントは、特に、高い着色力及び高い色明度、並びに良好な光堅牢性及び濡れ堅牢性により区別される。
【0113】
本発明は、また、
(I)上に挙げた通りの式(1)〜(13)の染料の群から選択される少なくとも1種の分散染料、
(II)インクの全重量に基づいて10〜35重量%のグリセロール、及び
(III)インクの全重量に基づいて10〜25重量%のジプロピレングリコール
を含み、
該インクは25℃で5〜20mPa sの粘度を有する水性インクに関し、ここで、
変数は、上記に挙げた通りの意味及び選択を有する。
【0114】
本発明のインクは、紙、プラスチックフィルム又は織物繊維材料のような異なる種類の基材に印刷するインクジェット印刷プロセスに使用してもよい。特にインクは本発明に従うプロセスにおいて使用される。
【0115】
以下の例は本発明を説明する働きをする。特に指示のない限り、温度は摂氏度で示され、部は重量部であり、百分率は重量%に関する。重量部と容量部は、キログラムとリットルの比率の関係である。
【0116】
実施例1:
式(10a)の分散染料2.2重量部を、
クロロメチルビフェニル異性体混合物とナフタレンとのスルホン化縮合物に基づく分散剤0.3重量部、及び
アクリル酸とスチレンとのアニオン性コポリマー3.0重量部と共に撹拌し、
次に混合物を湿式ミルで0.1〜1.0μmの平均粒径に摩砕した。
その後、インクを十分に撹拌しながら、
市販の界面活性剤1.0重量部、
市販の再分散剤3.7重量部、
市販の防腐剤0.2重量部、
グリセロール(85%)28.0重量部、及び
水61.6重量部を加えることによって、
染料含有量2.2重量%に調整して、黄色インクを生じた。
【0117】
式(1c)の分散染料2.3重量部を、
クロロメチルビフェニル異性体混合物とナフタレンとのスルホン化縮合物に基づく分散剤0.3重量部、及び
アクリル酸とスチレンとのアニオン性コポリマー3.0重量部と撹拌し、
次に、混合物を湿式ミルで0.1〜1.0μmの平均粒径に摩砕した。
その後、インクを、十分に撹拌しながら、
市販の界面活性剤1.0重量部、
市販の再分散剤3.7重量部、
市販の防腐剤0.2重量部、
グリセロール(85%)26.0重量部、及び
水63.5重量部を加えることによって、
染料含有量2.3重量%に調整して、橙色インクを生じた。
【0118】
式(2g)の分散染料1.2重量部、及び
式(2f)の分散染料2.2重量部を、
クロロメチルビフェニル異性体混合物とナフタレンとのスルホン化縮合物に基づく分散剤1.0重量部と撹拌し、
次に、混合物を湿式ミルで0.1〜1.0μmの平均粒径に摩砕した。
その後、インクを、十分に撹拌しながら、
グリセロール(85%)22.0重量部、
ジエチレングリコール6.0重量部、
ベタイン一水和物3.0重量部、
N−ヒドロキシメチルクロロアセトアミド0.1重量部、及び
水64.5重量部を加えることによって、
全染料含有量3.4重量%に調整して、赤色インクを生じた。
【0119】
式(2i)の分散染料3重量部を、
クロロメチルビフェニル異性体混合物とナフタレンとのスルホン化縮合物に基づく分散剤2.0重量部、及び
アクリル酸とスチレンとのアニオン性コポリマー(National Starch & Chemical製(登録商標)Narlex DX2020)6.5重量部と撹拌し、
次に、混合物を湿式ミルで0.1〜1.0μmの平均粒径に摩砕した。
その後、インクを、十分に撹拌しながら、
グリセロール(85%)20.0重量部、
ジエチレングリコール5.0重量部、
ベタイン一水和物3.0重量部、
N−ヒドロキシメチルクロロアセトアミド0.1重量部、及び
水60.4重量部を加えることによって、
染料含有量3重量%に調整して、青色インクを生じた。
【0120】
式(2h)の分散染料3.2重量部を、
クロロメチルビフェニル異性体混合物とナフタレンとのスルホン化縮合物に基づく分散剤0.3重量部、及び
アクリル酸とスチレンとのアニオン性コポリマー3.0重量部と撹拌し、
次に、混合物を湿式ミルで0.1〜1.0μmの平均粒径に摩砕した。
その後、インクを、十分に撹拌しながら、
市販の界面活性剤1.0重量部、
市販の再分散剤3.7重量部、
市販の防腐剤0.2重量部、
グリセロール(85%)28.0重量部、及び
水60.6重量部を加えることによって、
染料含有量3.2重量%に調整して、青緑色インクを生じた。
【0121】
式(1c)の分散染料0.6重量部と、
式(2h)の分散染料0.9重量部と、
式(2i)の分散染料1.4重量部と、
式(2j)の分散染料1.4重量部と、
式(10a)の分散染料0.4重量部を、
クロロメチルビフェニル異性体混合物とナフタレンとのスルホン化縮合物に基づく分散剤0.3重量部、及び
アクリル酸とスチレンとのアニオン性コポリマー3.0重量部と撹拌し、
次に、混合物を湿式ミルで0.1〜1.0μmの平均粒径に摩砕した。
その後、インクを、十分に撹拌しながら、
市販の界面活性剤1.0重量部、
市販の再分散剤3.7重量部、
市販の防腐剤0.2重量部、
グリセロール(85%)26.0重量部、及び
水61.1重量部を加えることによって、
全染料含有量4.7重量%に調整して、黒色インクを生じた。
【0122】
実施例1で調製したインク(黄色、橙色、赤色、青色、青緑色及び黒色)を、産業用圧電式ドロップオンデマンド(drop on demand)インクジェット印刷デバイス(Reggiani DReAM)を150m2/時の速度で使用して、ポリエステル繊維に印刷した。デバイスは6つのカラー(6つのインク)を処理し、それぞれのプロセスカラーを、6個のプリントヘッド(Aprion)で印刷した。プリントをオンラインで一体配置されている熱風乾燥機により100℃で乾燥し、180℃の過熱蒸気で8分間固着させた。
結果は、良好な全体にわたる堅牢性、特に濡れ堅牢性及び光堅牢性を有する多色プリントであった。
【0123】
乾燥プリントを200℃の熱風で1分間固着した場合でも、同様に、良好な全体にわたる堅牢性、特に濡れ堅牢性及び光堅牢性を有する鮮やかな多色プリントを得た。
【0124】
実施例2:
実施例1を繰り返したが、赤色インクとして下記の通りにして調製したインクを使用した:
式(2g)の分散染料3.5重量部を、
クロロメチルビフェニル異性体混合物とナフタレンとのスルホン化縮合物に基づく分散剤1.0重量部と撹拌し、
次に、混合物を湿式ミルで0.1〜1.0μmの平均粒径に摩砕した。
その後、インクを、十分に撹拌しながら、
85%グリセロール21.0重量部、
ジエチレングリコール7.0重量部、
ベタイン一水和物3.0重量部、
N−ヒドロキシメチルクロロアセトアミド0.1重量部、及び
水64.5重量部を加えることによって、
染料含有量3.5重量%に調整して、赤色インクを生じた。
【0125】
良好な全体にわたる堅牢性、特に濡れ堅牢性及び光堅牢性を有する多色プリントを同様に得た。
【0126】
実施例3:
実施例1を繰り返したが、黒色インクとして下記の通りに調製したインクを使用した:
式(2g)の分散染料0.5重量部と、
式(2i)の分散染料1.1重量部と、
式(2k)の分散染料1.4重量部と、
式(2l)の分散染料1.4重量部と、
式(10a)の分散染料0.4重量部を、
クロロメチルビフェニル異性体混合物とナフタレンとのスルホン化縮合物に基づく分散剤0.3重量部、及び
アクリル酸とスチレンとのアニオン性コポリマー3.0重量部と撹拌し、
次に、混合物を湿式ミルで0.1〜1.0μmの平均粒径に摩砕した。
その後、インクを、十分に撹拌しながら、
市販の界面活性剤1.0重量部、
市販の再分散剤3.7重量部、
市販の防腐剤0.2重量部、
グリセロール(85%)29.0重量部、及び
水58重量部を加えることによって、
全染料含有量4.8重量%に調整して、黒色インクを生じた。
【0127】
良好な全体にわたる堅牢性、特に濡れ堅牢性及び光堅牢性を有する多色プリントを同様に得た。
【0128】
実施例4:
式(10a)の分散染料1.6重量部を、
リグニンスルホネート及びアクリル酸とスチレンとのアニオン性コポリマーに基づく分散剤混合物2.0重量部と撹拌し、
次に、混合物を湿式ミルで0.1〜1.0μmの平均粒径に摩砕した。
その後、インクを、十分に撹拌しながら、
市販の防腐剤0.1重量部、
グリセロール(85%)25.0重量部、及び
ジプロピレングリコール20.0重量部、及び
水51.3重量部を加えることによって、
染料含有量1.6重量%に調整して、黄色インクを生じた。
【0129】
式(1l)の分散染料3.0重量部を、
リグニンスルホネート及びアクリル酸とスチレンとのアニオン性コポリマーに基づく分散剤混合物3.0重量部と撹拌し、
次に、混合物を湿式ミルで0.1〜1.0μmの平均粒径に摩砕した。
その後、インクを、十分に撹拌しながら、
市販の防腐剤0.1重量部、
グリセロール(85%)25.0重量部、及び
ジプロピレングリコール20.0重量部、及び
水48.9重量部を加えることによって、
染料含有量3.0重量%に調整して、橙色インクを生じた。
【0130】
式(2g)の分散染料3.5重量部を、
リグニンスルホネート及びアクリル酸とスチレンとのアニオン性コポリマーに基づく分散剤混合物4.0重量部と撹拌し、
次に混合物を湿式ミルで0.1〜1.0μmの平均粒径に摩砕した。
その後、インクを、十分に撹拌しながら、
市販の防腐剤0.1重量部、
グリセロール(85%)25.0重量部、及び
ジプロピレングリコール20.0重量部、及び
水47.4重量部を加えることによって、
全染料含有量3.5重量%に調整して、赤色インクを生じた。
【0131】
式(2i)と(2l)との分散染料の混合物4.0重量部を、
リグニンスルホネート及びアクリル酸とスチレンとのアニオン性コポリマーに基づく分散剤混合物4.0重量部と撹拌し、
次に、混合物を湿式ミルで0.1〜1.0μmの平均粒径に摩砕した。
その後、インクを、十分に撹拌しながら、
市販の防腐剤0.1重量部、
グリセロール(85%)25.0重量部、及び
ジプロピレングリコール20.0重量部、及び
水46.9重量部を加えることによって、
染料含有量4重量%に調整して、青色インクを生じた。
【0132】
式(2l)の分散染料3.5重量部を、
リグニンスルホネート及びアクリル酸とスチレンとのアニオン性コポリマーに基づく分散剤混合物4.0重量部と撹拌し、
次に、混合物を湿式ミルで0.1〜1.0μmの平均粒径に摩砕した。
その後、インクを、十分に撹拌しながら、
市販の防腐剤0.1重量部、
グリセロール(85%)25.0重量部、及び
ジプロピレングリコール20.0重量部、及び
水47.4重量部を加えることによって、
染料含有量3.5重量%に調整して、シアンインクを生じた。
【0133】
式(2g)、(2i)、(2l)及び(10a)の分散染料の混合物4.5重量部を、
リグニンスルホネート及びアクリル酸とスチレンとのアニオン性コポリマーに基づく分散剤混合物5.0重量部と撹拌し、
次に、混合物を湿式ミルで0.1〜1.0μmの平均粒径に摩砕した。
その後、インクを、十分に撹拌しながら、
市販の防腐剤0.1重量部、
グリセロール(85%)25.0重量部、及び
ジプロピレングリコール20.0重量部、及び
水45.4重量部を加えることによって、
全染料含有量4.5重量%に調整して、黒色インクを生じた。
【0134】
実施例4で調製したインク(黄色、橙色、赤色、青色、シアン及び黒色)を、産業用圧電式ドロップオンデマンド(drop on demand)インクジェット印刷デバイス(Reggiani DReAM)を150m2/時の速度で使用して、ポリエステル繊維に印刷した。デバイスは6つのカラー(6つのインク)を処理し、それぞれのプロセスカラーを、6個のプリントヘッド(Aprion)で印刷した。プリントをオンラインで一体配置されている熱風乾燥機により100℃で乾燥し、180℃の過熱蒸気で8分間固着させた。
結果は、良好な全体にわたる堅牢性、特に濡れ堅牢性及び光堅牢性を有する多色プリントであった。
【0135】
乾燥プリントを200℃の熱風で1分間固着した場合でも、同様に、良好な全体にわたる堅牢性、特に濡れ堅牢性及び光堅牢性を有する鮮やかな多色プリントを得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
織物繊維材料を印刷するインクジェット印刷プロセスであって、
繊維材料を、
(I)少なくとも1種の分散染料、及び
(II)グリセロール
を含む水性インクで印刷し、
前記インクは25℃で5〜20mPa sの粘度を有し、
前記インクを、外部インクレザバーからインクを受けとるインク供給層(b)を含むインクジェットプリントヘッドで繊維材料に適用し、前記インク供給層は、第1側面及び第2側面を有し、複数の細孔及びその中を通って延在する複数の孔を有する多孔質媒質体を含み、それでインクの通過を可能にするようにした
インクジェット印刷プロセス。
【請求項2】
分散染料が、下記式:
【化1】


〔式中、
1は、ハロゲン、ニトロ又はシアノであり、
2は、水素、ハロゲン、ニトロ又はシアノであり、
3は、水素、ハロゲン又はシアノであり、
4は、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル又はC1〜C4アルコキシであり、
5は、水素、ハロゲン又はC2〜C4アルカノイルアミノであり、そして
6及びR7は、互いに独立して、水素、アリル、非置換であるか又はヒドロキシ、シアノ、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルコキシ−C1〜C4アルコキシ、C2〜C4アルカノイルオキシ、C1〜C4アルコキシカルボニル、フェニル若しくはフェノキシで置換されているC1〜C4アルキルである〕、
【化2】


〔式中、
8は、水素、C1〜C4アルキル、フェニル又はフェニルスルホニルであり、フェニル及びフェニルスルホニルにおけるベンゼン環は、非置換であるか又はC1〜C4アルキル、スルホ若しくはC1〜C4アルキルスルホニルオキシで置換されており、
9は、ヒドロキシ、アミノ、N−モノ−若しくはN,N−ジ−C1〜C4アルキルアミノ、フェニルアミノであり、フェニルにおけるベンゼン環は、非置換であるか又はC1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、C2〜C4アルカノイルアミノ若しくはハロゲンで置換されており、
10は、水素、C1〜C4アルコキシ又はシアノであり、
11は、水素、C1〜C4アルコキシ、フェノキシ又は基−O−C65−SO2−NH−(CH23−O−C25であり、
12は、水素、ヒドロキシ又はニトロであり、そして
13は、水素、ヒドロキシ又はニトロである〕、
【化3】


〔式中、
14は、非置換であるか又はヒドロキシで置換されているC1〜C4アルキルであり、
15は、C1〜C4アルキルであり、
16は、シアノであり、
17は、式:−(CH23−O−(CH22−O−C65の基であり、
18は、ハロゲン、ニトロ又はシアノであり、そして
19は、水素、ハロゲン、ニトロ又はシアノである〕、
【化4】


〔式中、
20は、C1〜C4アルキルであり、
21は、非置換であるか又はC1〜C4アルコキシで置換されているC1〜C4アルキルであり、そして
22は、基−COOCH2CH2OC65であり、R23は、水素であるか、或いは
22は、水素であり、R23は、基−N=N−C65である〕、
【化5】


〔式中、環A及びBは、非置換であるか又はハロゲンで1回以上置換されている〕、
【化6】


〔式中、
24は、非置換であるか又はヒドロキシ、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルコキシ−C1〜C4アルコキシ、C2〜C4アルカノイルオキシ若しくはC1〜C4アルコキシカルボニルで置換されているC1〜C4アルキルである〕、
【化7】


〔式中、
25は、C1〜C4アルキルであり、
26は、非置換であるか又はC1〜C4アルコキシで置換されているC1〜C4アルキルであり、
27は、水素、C1〜C4アルコキシ又はハロゲンであり、そして
28は、水素、ニトロ、ハロゲン又はフェニルスルホニルオキシである〕、
【化8】


〔式中、
29、R30、R31及びR32は、互いに独立して、水素又はハロゲンであり、
33は、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル又はC1〜C4アルコキシであり、
34は、水素、ハロゲン又はC2〜C4アルカノイルアミノであり、そして
35及びR36は、互いに独立して、水素、非置換であるか又はヒドロキシ、シアノ、アセトキシ若しくはフェノキシで置換されているC1〜C4アルキルである〕、
【化9】


〔式中、
37は、水素又はハロゲンである〕、
【化10】


〔式中、
38は、水素、C1〜C4アルキル、テトラヒドロフラン−2−イル又は非置換であるか若しくはC1〜C4アルコキシでアルキルにおいて置換されているC1〜C4アルコキシカルボニルである〕、
【化11】


〔式中、
39は、水素、或いは非置換であるか又はC1〜C4アルキル若しくはC1〜C4アルコキシでフェニルにおいて置換されているチオフェニルであり、
40は、水素、ヒドロキシ又はアミノであり、
41は、水素、ハロゲン、シアノ、或いは非置換であるか又はC1〜C4アルキル若しくはC1〜C4アルコキシでフェニルにおいて置換されているチオフェニルか、フェノキシ又はフェニルであり、そして
42は、非置換であるか又はハロゲン、C1〜C4アルキル若しくはC1〜C4アルコキシで置換されているフェニルである〕、
【化12】


〔式中、
43は、水素又はC1〜C4アルキルであり、
44及びR45は、互いに独立して、水素、ハロゲン、ニトロ又はシアノであり、
46は、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル又はC1〜C4アルコキシであり、
47は、水素、ハロゲン又はC2〜C4アルカノイルアミノであり、そして
48及びR49は、互いに独立して、水素、或いは非置換であるか又はヒドロキシ、シアノ、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルコキシ−C1〜C4アルコキシ、C2〜C4アルカノイルオキシ、C1〜C4アルコキシカルボニル、フェニル若しくはフェノキシで置換されているC1〜C4アルキルである〕
で示される染料である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
インクが、インクの全重量に基づき、5〜60重量%、好ましくは5〜50重量%の量でグリセロールを含む、
請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項4】
インクの粘度が、25℃で6〜14mPa・s、好ましくは25℃で8〜11mmPa・sである、
請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項5】
インクが、ジエチレングリコール又はジプロピレングリコール、特にジプロピレングリコールを更に含む、
請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項6】
印刷を、
−複数の射出ノズルを画定するノズル層(a)、
−多数の小さい相互連結細孔を有し、それでインクの通過を可能にするようにした多孔質物質から形成されているインク供給層(b)であって、該インク供給層は、後部表面から前部表面への複数の接続内腔を特徴として、前記接続内腔の各々は、該射出ノズルのうちの対応するものの間を接続するように配列されているインク供給層(b)、及び
−ノズルを通してインク滴を射出するために該接続内腔に関連する複数の変換器を含む偏向層(c)
を含む少なくとも1個のインクジェットプリントヘッドを備えたインクジェット印刷デバイスを用いて実施する、
請求項1〜5のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項7】
印刷を、
−複数の射出ノズルを画定するノズル層(a)、
−ノズル層に結合する前部表面及び空洞層(d)に結合する後部表面を有するインク供給層(b)であって、該インク供給層は、該後部表面から該前部表面への複数の接続内腔で形成され、各々の接続内腔は、該インク空洞のうちの対応するものと、該射出ノズルのうちの対応するものの間を接続するように配列され、該インク供給層は、追加的に、
(i)該前部表面上に形成されたインク分配経路パターン、及び
(ii)該後部表面から該前部表面に通り、該インク分配経路の該パターンの少なくとも一部分と直接流体連結するように配置されている少なくとも1つのインク入口内腔であって、該インク分配経路の該パターンと該少なくとも1つのインク入口内腔が一緒になって、該後部表面から該少なくとも1つのインク入口内腔を経て該前部表面上の該インク分配経路の該パターンへ通り、該多孔質物質を経て該複数のインク空洞へ通るインク流路の一部を画定する
ことを特徴とする、インク供給層(b)、
−ノズルを通してインク滴を射出するために該接続内腔に関連する複数の変換器を含む偏向層(c)
を含む、少なくとも1つのインクジェットプリントヘッドを備えたインクジェット印刷デバイスを用いて実施する、
請求項1〜6のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項8】
変換器が圧電素子である、
請求項1〜7のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項9】
ポリエステル含有繊維材料が印刷される、請求項1〜8のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項10】
インクジェット印刷プロセス用の水性印刷インクであって、
(I)請求項2に記載の式(1)〜(13)の染料の群から選択される少なくとも1種の分散染料、
(II)インクの全重量に基づいて10〜35重量%のグリセロール、及び
(III)インクの全重量に基づいて10〜25重量%のジプロピレングリコール
を含み、
該インクが25℃で5〜20mPa sの粘度を有する
水性印刷インク。

【公表番号】特表2007−514870(P2007−514870A)
【公表日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534752(P2006−534752)
【出願日】平成16年10月6日(2004.10.6)
【国際出願番号】PCT/EP2004/052451
【国際公開番号】WO2005/040492
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.バブルジェット
【出願人】(396023948)チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Specialty Chemicals Holding Inc.
【Fターム(参考)】