説明

インクジェット記録装置

【課題】 キャリッジ上にインクタンクと記録ヘッドとを搭載し、キャリッジを
走査して記録を行うインクジェット記録装置において、特別な機構や部品を必要
とすることなく、インクタンク内のインク残量を検出可能なインクジェット記録
装置及びインク残量検出方法を提供する。
【解決手段】 モーターの駆動によりキャリッジを移動させたときの速度を、キャリッジ位置を検出する機構を用いて測定し、その測定した速度により、キャリッジ上のインクタンク内のインク残量の低下を検出する。さらに、インクタンクの交換を検出したときに、インク消費量の演算値をリセットする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置、特には、インクジェット記録装置におけるインク残量検出に関する。
【背景技術】
【0002】
記録手段であるインクジェットヘッドを主走査方向へ走査して1走査に対応した記録を行う記録動作と、主走査方向とは異なる副走査方向へ記録媒体を搬送する搬送動作とを繰返して記録を行う、いわゆるシリアル方式のインクジェット記録装置が従来から知られている。このようなシリアル方式のインクジェット記録装置としては、インクジェットヘッドとインクタンクを一体化した印字カートリッジ(以下、インクジェットカートリッジとも称する)をキャリッジに搭載し、キャリッジを記録媒体に対して相対的に主走査方向へ走査して記録を行うものや、インクジェットヘッドとインクタンクとが別体として構成され、キャリッジ上にインクジェットヘッドとインクタンクとを搭載してキャリッジを走査して記録を行うものなどがある。
【0003】
このようなインクジェット方式により記録を行なう記録装置には、その装置に搭載されたインクタンク内のインクの残量を検出するために種々の技術が用いられている。このようなインクの残量を検出するための技術として、インクタンク内のインクの液面のレベルを光学的に検出する方法、インクタンク内に浮力を持ったフロートを入れ、そのフロートの位置を種々のセンサを用いて検出する方法、吐出されたインク滴を光学的に検知し、吐出の有無によりインクの有無を判断する方法などが知られている。
【0004】
また、他の残量検出手法として、インクタンク内に設けられた反射板と反射型光センサによってインク無しを検知する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。また、インク液面の動揺がインク残量検出の精度を低下させることがないように、その対策として、インク無しの検知後、一定時間経過後にインク無しを報知する技術が、例えは特許文献2に開示されている。
【0005】
また、インクタンク内のインク残量を検出する技術として、インク供給管の負圧を検出することにより、インク残量の低下に伴ってインクが供給されない場合となったことを判断する技術を開示する特許文献3や、インクに接触する位置に設けた2個の電極間の電気抵抗を検出する技術を開示する特許文献4、さらには、インクタンクに光を照射し反射光を検出し、その反射光に応じてインクタンク内のインク量の低下状態を検知する技術を開示する特許文献5など、種々の提案がなされている。
【0006】
また、特許文献6には、装置の小型化を保ち、またコストアップすることなくインク残量を検出することを目的として、キャリッジ上の重量によって変化する、キャリッジ駆動停止後の移動距離に従って、キャリッジ上のインクタンクに含まれるインク量を検出する構成が開示されている。
【特許文献1】特開平02−102061号公報
【特許文献2】特開昭56−144184号公報
【特許文献3】特開昭60−024954号公報
【特許文献4】特開昭60−127162号公報
【特許文献5】特開平07−164626号公報
【特許文献6】特開2002−137414号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように、インクタンク内のインク残量を検出する方法や、インクの有無を判断する方法が従来から知られている。しかしながら、インクタンク内の液面のレベルを検出する方式においては、キャリッジの移動による液面の揺れや表面張力により正確な検出結果が得られない場合があり、精度を高めるために複雑な制御を必要とする。また、光学的にインク滴を検出する方式においては、インク滴の吐出に伴う微小なインク滴がミスト状に発生する現象(以下、単にミストと称する)や、埃などの影響による誤検出が生じる可能性があり、検出結果が不安定なものとなる場合があった。
【0008】
特に、上述した従来の構成は、インク残量の検出を目的とした機構を加する必要があり、装置の大型化とコストアップが課題が課題となっていた。
【0009】
また、特許文献6の構成においては、一つのインクタンクがキャリッジ上に搭載されているプリンタにおいては有効であるが、例えば、ブラックインク用のタンクとカラーインク用のタンクとが独立してキャリッジ上に搭載されるプリンタの構成において、ブラックインクの残量が低下したのか、カラーインクの残量が低下したのか判断することは困難であった。
【0010】
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、従来の記録装置に新たに部品を追加することなく、かつ装置の小型化を保つとともにコストアップすることなく精度良くインク残量を検出可能なインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上述の目的を達成するために、インクを収容するインク収容部とインクを吐出する記録ヘッド部とを搭載可能なキャッリッジと、モーターの駆動によって前記キャリッジを主走査方向に沿って走査する走査手段と、前記記録ヘッド部からインクを吐出した量と吸引回復などにより減少したインク量とを算出するインク消費量算出手段と、前記インク消費量算出手段により算出された値を格納するメモリと、環境温度を検出できる温度センサと、を備えたインクジェット記録装置において、インクジェット記録装置のカバーを開けたときに、前記キャリッジが一定位置に停止するキャリッジ停止手段と、前記主走査手段により走査される前記キャリッジの位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段から前記キャリッジの主走査方向の速度を検出できる速度検出手段と、前記速度検出手段から検出した値を格納するメモリと、前記メモリに格納された値と前記速度検出手段から検出した別の値を演算する演算手段と、前記演算手段の演算値から前記インク収容部の交換したかどうか判断するインクタンク交換判断手段と、前記インクタンク交換判断手段からインクタンク交換と判断された場合に前記インク消費量演算手段から演算された値をリセットするリセット手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように本発明によれば、インクの残量を検出する機構を新たに付加することなく、すなわち、装置の大型化とコストアップをすること無く、検出可能なインク残量検出方法を提案した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【実施例1】
【0014】
図3は、本発明を適用可能なインクジェット記録装置であるプリンタの概略を示す斜視図である。記録装置100の給紙位置に挿入された記録媒体105は、送りローラ106によって矢印P方向に送られ、記録ヘッド104の記録可能領域へ搬送される。記録可能領域における記録媒体105の下部にはプラテン107が設けられている。キャリッジ101は、2つのガイド軸102と103によって、それらの軸方向に沿う方向に移動可能となっており、不図示のモーター駆動により、記録領域を含む走査領域を主走査方向である矢印Q1、Q2で示す方向に沿って往復走査する。
【0015】
図3においてキャリッジ101に搭載されたヘッド部104(以下記録ヘッド)は、インクを吐出可能な吐出口、インクを収容するインク収容部(以下インクタンク)を含む構成である。また、記録ヘッド104は下方に位置する記録媒体にインクを吐出して記録するようにキャリッジ上に搭載されており、吐出口が下側に位置する。図3において、記録ヘッド104が吐出するインクはBk(ブラック)であり、また128個の吐出口が360dpiの解像度で記録すべく1列に配列されている。
【0016】
また、図3に示す108はスイッチ部と表示部であり、スイッチ部は記録装置の電源のON/OFFの切り換えや各種記録モードの設定等に使用され、表示部は記録装置の状態を表示可能に構成されている。
【0017】
図3において、キャリッジ101の後部には300dpi周期のスリットを有したリニアエンコーダー109が設けられており、キャリッジ101の位置を1/300インチの精度で検出可能に構成されている。図3に示す機械コントロール部404は、機械部405のキャリッジモーターを動作させてキャリッジを主走査方向に沿って往復動作させる。本実施形態において、キャリッジモーターはDCモーターであり、通常の印字動作では図3に示すリニアエンコーダー109を利用し、エンコーダー109に所定間隔で設けられたスリットをキャリッジ後部に設けられた光学センサにより検知することでキャリッジの位置あるいは移動速度を検出し、DCサーボ制御によりキャリッジの走査速度を一定に保つことができる。この様なDCサーボ制御において、キャリッジ101の移動速度を制御したり、キャリッジ101の位置を管理する上ではリニアエンコーダーを用いることが有効である。
【0018】
また、記録ヘッド部104からインクを吐出した量と、吸引回復などにより減少したインク量とを算出した値(以下ドットカウント値)を格納する不図示のメモリを備えることで、プリンタ本体がインク残量を認識できる。
【0019】
また、本発明ではこのリニアエンコーダー109を用いて、プリンタ本体カバーのオープン時とカバークローズ時のキャッリッジの最大移動速度差からインク重量差を検出し、その差分からインクタンクを交換したまたは、しないことを判断してインクタンク交換が行われたと判断した場合にドットカウント値をリセットする。
【0020】
図1は、本実施形態におけるインク重量差を測定するためのキャリッジの動きを示す模式図であり、横軸は時間Tを示し、縦軸はキャリッジの移動速度Vを示すものである。キャリッジ制御モーターに一定の電圧を一定時間印加したとき、キャッリッジ移動速度Vがインク重量に応じて変化するため、移動速度Vをプリンタ本体カバーオープン時とカバークローズ時に検知して差分を演算することでインク重量差がわかり、カバーオープン中にインクタンクが交換されたかどうか判断できる。
【0021】
図2は、横軸にインク重量差を示し、縦軸にカバーオープン時のキャリッジ最大移動速度V0maxとカバークローズ時のキャリッジ最大移動速度V1maxの差分V1max−V0maxの関係を示す。カバーオープンしてもインクタンクを交換していなければ、インク重量は変わらないためキャリッジ最大速度差V1max−V0maxは0になる。しかし、インクタンクを新しいインクタンクに交換した場合は、インク重量が変わるためにインク重量差に応じてキャリッジ最大速度差V1max−V0maxは変化する。
【0022】
以下に、インク重量差の測定シーケンス(図4)を説明する。
【0023】
まず、STEP1としてプリンタ本体のカバーをオープンするとカバーオープン時間を測定開始し、また記録ヘッド104を搭載したキャリッジ101を図3に示す最右端に移動させて停止する。
【0024】
続くSTEP2において、キャリッジモーターを一定の電圧値で一定時間駆動させる。このとき、キャリッジの最大速度V0maxをリニアエンコーダー109の信号から検知し、記憶部Aに記憶する。
【0025】
STEP3としてインクタンク交換ポジションにキャリッジが移動する。
【0026】
STEP4として、プリンタ本体カバークローズ後、キャリッジはホームポジションに移動する。
【0027】
STEP5としてSTEP3〜STEP4でプリンタ本体カバーオープン時間がある一定(約3sec)時間内であった場合、キャリッジはそのままの状態で吸引は入らずにドットカウント値もクリアされない。しかし、プリンタ本体カバーオープン時間がある一定(約3sec)時間以上であると検知された場合、キャリッジはSTEP1同様に図3に示す最右端に移動させて停止し、STEP2と同じ条件でキャリッジを駆動させてキャリッジの最大速度V1maxをリニアエンコーダー109の信号から検知し、記憶部Aに記憶する。
【0028】
STEP6として記憶部Aに格納されたV0maxとV1maxの差が0に近い場合は、インクタンクは交換されていないと検知されるので吸引は入らず、ドットカウント値もクリアされない。しかし、V0maxとV1maxの差の絶対値が大きい場合は、インクタンクが交換されたと検知されるために吸引が入り、また記憶されていたドットカウント値がクリアされる。
【0029】
また、STEP1のキャリッジが図3に示す最右端に移動させて停止する条件は、インク消費量が新しいインクタンクのインク保持量に対してある任意の割合になった場合(例えば、60%使用した場合)にインク残量が少ないことを知らせるインクlow警告として不図示のLEDランプが点滅し、プリンタ本体カバーオープンしたときとしても良い。
【0030】
また、STEP1のキャリッジが図3に示す最右端に移動させて停止する条件をドライバーからPC画面上にインクlow警告が発生したし、プリンタ本体カバーオープンしたときとしても良い。
【0031】
また、STEP1でキャッリッジが移動する場所は任意の一定の場所であってもよい。
【0032】
また、STEP2とSTEP5でリニアエンコーダーからインク重量差を検知するために測定するのは、キャッリッジの最右端からの移動距離S0とS1であってもよい。
【0033】
また、STEP2とSTEP5でリニアエンコーダーからインク重量差を検知するために測定するのは、キャッリッジの最右端からの最大加速度a0maxとa1maxであってもよい。
【実施例2】
【0034】
本実施例は、キャリッジの移動走査に関する機械的機構の摩擦変動の影響を受けずに、高精度なインク重量差検知を可能にする構成に関するものである。
【0035】
印字耐久枚数が増加するに従い、キャリッジの反復移動回数が増加するため、キャリッジとシャフトとの接触部分に塗られたグリスがはがれ機械的磨耗を生じたり、インクのミスト状の小液滴(以下単にミストと呼ぶ)の付着などが原因でキャリッジの反復移動に対する抵抗(以下摺動負荷と呼ぶ)が増加する。
【0036】
図5は横軸が印字耐久枚数を示し、縦軸に摺動負荷を示している。
【0037】
実施例1に上述したSTEP2とSTEP5でキャリッジを最右端から移動させるためのキャリッジモーターの駆動条件は、印字耐久枚数に対して可変にしてもよい。これは、印字耐久枚数の増加により生じる摺動負荷の上昇に対し、インク重量差の検知精度を維持するために、DCモーターに投入するエネルギーを大きくすることを目的とする。
【0038】
この場合、DCモーターに印可する駆動電圧を印字耐久枚数に対して設定してもよい。
【0039】
また、DCモーターに電圧を印可する時間(以下駆動パルスと呼ぶ)を印字耐久枚数に対して設定してもよい。
【0040】
さらには、キャリッジモーターの駆動パルスと駆動電圧を組み合わせて印字耐久枚数に対して設定してもよい。
【0041】
例えば、初期状態ではDCモーターに電圧27.0Vを25msec印加したのに対し、印字耐久枚数20000の状態では電圧30.0Vを50msec印加してキャリッジ最大速度を検知する。
【0042】
印字耐久枚数に対してキャリッジモーターの駆動条件を変更あるいは、補正することにより、機械機構の摩擦の変動に対する影響を受けずに、正確なキャリッジ部の重量差の検出、すなわちインクタンクの交換が行われたかどうかを判別することを可能にするものである。
【実施例3】
【0043】
本実施例は、キャリッジの移動走査に関して温度変化により生じる機械的機構の摩擦の変動の影響を受けずに、高精度なインク重量差検知を可能にする構成に関するものである。
【0044】
機械機構の摩擦力は低温度ほど高くなる傾向がある。一方、モーターの巻線抵抗は低温ほど小さくなりトルクは大きくなる。
【0045】
図6は横軸が温度を示し、縦軸がキャリッジの摺動負荷を示す。
【0046】
この様な温度で摺動負荷が変化する要因から、前述の第1、及び第2の実施形態で説明した構成において、インク残量差検知の精度が影響を受ける可能性がある。ゆえに、上述した実施例1のSTEP2とSTEP5でキャリッジを最右端から移動させるためのキャリッジモーターの駆動条件は、環境温度に対して可変にしてもよい。
【0047】
この場合、インクタンク重量の変化が十分な精度で検知できるくらいのDCモーター駆動パルスを環境温度に対して設定する。また、この場合キャリッジモーターの駆動電圧を環境温度に対して設定してもよい。さらに、キャリッジモーターの駆動パルスと駆動電圧を組み合わせて環境温度に対して設定してもよい。
【0048】
例えば、25℃の場合にDCモーターに電圧27.0Vを25msec印加したのに対し、15℃の場合には、電圧30.0Vを50msec印加してキャリッジ最大速度を検知する。
【0049】
本実施例は、環境温度に対してキャリッジモーターの駆動条件を変更あるいは、補正することにより、機械機構の摩擦の変動による影響を受けずに正確なキャリッジ部の重量差の検出、すなわちインクタンクの交換が行われたかどうかを判別することを可能にするものである。
【実施例4】
【0050】
本実施例は、キャリッジの移動走査に関して印字耐久枚数と、及び温度変化により生じる機械的機構の摩擦の変動の影響を受けずに、高精度なインク重量差検知を可能にする構成に関するものである。
【0051】
実施例2、実施例3で述べたように印字耐久枚数と、及び温度変化により生じる機械的機構の摩擦の変動からキャリッジの主走査方向の摺動負荷が変動するため、印字耐久枚数と、及び温度変化に対してDCモーターの駆動条件を変更あるいは、補正することにより、機械機構の摩擦の変動による影響を受けずに正確なキャリッジ部の重量差の検出、すなわちインクタンクの交換が行われたかどうかを判別することを可能にするものである。
【0052】
具体例として、図10に環境温度と印字耐久枚数に対するDCモーターの駆動条件を示す。
【0053】
今、プリンタ使用環境が25℃で印字耐久枚数が10000枚の場合、DCモーターに印可する電圧は27.0V、駆動時間は25msecでキャリッジの最大移動速度を検知する。これに対し、プリンタ使用環境が15℃で印字耐久枚数が20000枚の場合、DCモーターに印可する電圧は40.0V、駆動時間は60msecでキャリッジの最大移動速度を検知する。
【0054】
本実施例は、印字耐久枚数と環境温度とに対してキャリッジモーターの駆動条件を変更あるいは、補正することにより、機械機構の摩擦の変動による影響を受けずに正確なキャリッジ部の重量差の検出、すなわちインクタンクの交換が行われたかどうかを判別することを可能にするものである。
【実施例5】
【0055】
本実施例は、ブラック、各色カラーインクのインクタンクが別個に搭載されたカラーインクジェットプリンタにおいて、どのインクタンクを交換したのかを判断することを可能にする構成に関するものである。
【0056】
ブラックインクタンクと各色カラーインクのタンクが別個に記録ヘッドに搭載されて、また記録ヘッドがキャリッジ部に搭載されて、キャリッジモーターを動作させてキャリッジを主走査方向に沿って往復動作させる。キャリッジの後部には300dpi周期のスリットを有したリニアエンコーダーが設けられており、キャリッジの位置を1/300インチの精度で検出可能に構成されている。また、記録ヘッド部からインクを吐出したインク量と、吸引回復などにより減少したインク量とを算出した値(以下ドットカウント値)を格納するメモリを備えることで、プリンタ本体がインク残量を認識できる。また、このドットカウント値は色毎(例えば、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色)に独立した値を持つことも可能である。このドットカウント値により、プリンタ本体はタンク内のインクがFullに対して、例えば50%使用した場合にインク残量が少ないことをユーザーに知らせるインクlow警告(LEDランプの点滅やドライバーからの警告)を行うことができる。
【0057】
また、実施例1で述べたように、リニアエンコーダーを用いて、プリンタ本体カバーのオープン時とカバークローズ時のキャッリッジの最大移動速度差からインク重量差を検出し、その差分からインクタンクを交換したまたは、しないことを判断してインクタンク交換が行われたと判断した場合にドットカウント値をリセットする。
【0058】
本発明では上記のドットカウントによるインクlow警告とインク重量検知から、複数のインクタンクを搭載するインクジェットプリンタにおいて、どのインクタンクを交換したのかを判断し、インクタンク交換が行われたインクタンクについてのドットカウント値をリセットすることが可能になる。
【0059】
具体例として、ブラックインクタンクとシアン、マゼンタ、イエローの3色1体カラーインクタンクの2つのインクタンクがキャリッジに搭載されたプリンタでのインクlow警告とインク重量検知によるインクタンク交換検出システムを詳細に説明する。
【0060】
図7は横軸にカラーインク重量(シアン、マゼンタ、イエローの総重量)、縦軸にブラックインク重量を示している。インクがFullの場合、カラーインクが12g(4g×3色)、ブラックインクが8gとしている。
【0061】
図7の太線は、インクFullの状態から、インクの消費量が50%に達した場合(インクlow警告タイミング)を示す。カラーインクのインクlow警告は、1色当りのインクFullが4gであるので、その50%(2g)消費した場合に発生する。
【0062】
図7の斜めに引かれた実線は、総インク重量(ブラックインク重量+カラーインク重量)が等しい状態を示している。図7の斜めに引かれた実線の間隔は1g単位である。
【0063】
今、ブラックインクのインクlow警告が発生したとする。ユーザーがインクタンクを交換するために、プリンタ本体のカバーをオープンする。このとき、キャリッジの最大到達速度からインク重量検知を行う。総インク重量が10gであった場合、図7の2重線で囲んだ領域にあることがわかる。また、ドットカウント値により各色のインク残量がわかるので、図7の2重線上のどの位置にいるか検知できる。今、ブラックインクの残量が2gであるとする(図7の×)。
【0064】
このとき、インクlow警告に従ってインクFullのブラックインクタンクに交換した場合、プリンタ本体のカバーをクローズしたときに、キャリッジ最大到達速度からインク重量検知により総インク重量が16gと検知される(図7の矢印(1))。この場合、インクlow警告に従いブラックインクタンクが交換されたと判断して、ブラックインクのドットカウント値はリセットされる。
【0065】
一方、インクlow警告されていないカラーインクタンクを間違って交換し、プリンタ本体のカバーをクローズしたときは、インク重量検知により総インク重量が14gと検知される(図7の矢印(2))。この場合、インクlow警告されていないカラーインクタンクを間違って交換したと判断されて、カラーインク(シアン、マゼンタ、イエロー)のドットカウント値はリセットされるが、ブラックインクのドットカウント値はリセットされずに保持され、再びブラックインクのインクlow警告が発生する。
【0066】
本実施例は、ブラック、各色カラーインクのインクタンクが別個に搭載されたカラーインクジェットプリンタにおいて、ドットカウントによるインクlow警告とインク重量検知とから、どのインクタンクを交換したのかを判断し、インクタンク交換が行われたインクタンクについてのドットカウント値をリセットすることが可能にする構成に関するものである。
【実施例6】
【0067】
本実施例は、実施例5において述べた複数色のインクタンクが別個に搭載されたカラーインクジェットプリンタにおいて、どのインクタンクを交換したのかを判断することを可能にする構成を、さらに高精度に判断することを可能にする構成に関するものである。
【0068】
実施例5に述べたように複数色のインクタンクが別個に搭載されたカラーインクジェットプリンタにおいて、ドットカウントによるインクlow警告とインク重量検知とから、どのインクタンクを交換したのかを判断し、インクタンク交換が行われたインクタンクについてのドットカウント値をリセットすることが可能であるが、極めてまれにどのインクタンクを交換したのかを判断できないことが発生する可能性がある。
【0069】
その具体例として、ブラックインクタンクとシアン、マゼンタ、イエローの3色1体カラーインクタンクの2つのインクタンクがキャリッジに搭載された場合のインクlow警告とインク重量検知によるインクタンク交換検出システムを詳細に説明する。
【0070】
今、ブラックインクのインクlow警告が発生したとする。インクタンクを交換するためにプリンタ本体のカバーをオープンする。このとき、インク重量検知から総インク重量が10gであった場合、図8の2重線で囲まれた領域にあることがわかる。また、ドットカウントにより各色のインク残量がわかるので、図8の2重線で囲まれた領域上のどの位置にいるか検知できる。今、ブラックインクの残量が3gであるとする(図8の◎)。このとき、インクlow警告に従ってインクFullのブラックインクタンクに交換しても(図8の矢印(1))、間違ってインクFullのカラーインクタンクに交換しても(図8の矢印(2))、プリンタ本体のカバーをクローズした場合にインク重量検知により検知される総インク重量が15gであり、どちらのインクタンクが交換されたか判断できない。これと同様の事象が図8の実線で囲まれた領域で生じる可能性がある。
【0071】
しかし、このようにブラックインクタンクとカラーインクタンクのうち、どちらのインクタンクを交換したか判断できない場合は極めて発生しずらく、また、インク重量差の測定精度、インクをインクタンクに注入する際のインク注入精度、ドットカウント精度が向上すれば、上記のようなどちらのインクタンクが交換されたか判断できないケースの発生確率は更に減少する。
【0072】
また、実施例5で述べたドットカウントによるインクlow警告とインク重量検知と、インクlow警告のあとにプリンタ本体のカバーオープンした場合にキャリッジがインクタンクlow警告の発生したインクタンクのみを交換可能なポジションへ移動する方法を組み合わせることで、どのインクタンクを交換したのかを高精度に判断することを可能にすることができる。
【0073】
具体例として、ブラックインクタンクとシアン、マゼンタ、イエローの3色1体のカラーインクタンクの2つのインクタンクを搭載するプリンタについて詳細に説明する。
【0074】
ブラックインクのインクlow警告が発生した場合、ユーザーがインクタンクを交換するためにプリンタ本体のカバーオープンする。このとき、インク重量検知から総インク重量が検出される。その後、図9aに示すように、キャリッジがブラックインクタンクだけを交換可能なポジションに移動する。一方、カラーインクタンクは本体の外装に隠れているため交換することは出来ない。プリンタ本体カバークローズ後にインク重量検知から総インク重量が検出され、インクタンクが交換されていたと判断された場合のみブラックインクのドットカウント値をリセットする。
【0075】
カラーインクのインクlow警告が発生した場合、ユーザーがインクタンクを交換するためにプリンタ本体のカバーオープンする。このとき、インク重量検知から総インク重量が検出される。その後、図9bに示すように、キャリッジがカラーインクタンクだけを交換可能なポジションに移動する。一方、ブラックインクタンクは本体の外装に隠れているため交換することは出来ない。プリンタ本体カバークローズ後にインク重量検知から総インク重量が検出され、インクタンクが交換されていたと判断された場合のみカラーインク各色のドットカウント値をリセットする。
【0076】
これによって、インクlow警告の発生したインクタンクを間違いなく交換することができるため、交換したインクのドットカウント値だけをリセットすることが可能である。
【0077】
一方、ブラックインクとカラーインクのインクlow警告が同時に発生した場合は、カバーオープンをしたあとに、第1段階としてキャリッジがブラックインクタンクだけを交換するためのポジション図9aに移動する。ユーザーが第1段階でブラックタンクを交換した後に、第2段階としてキャリッジがカラーインクタンクだけを交換するためのポジション図9bに移動する。ユーザーが第2段階でカラーインクタンクを交換して、プリンタ本体カバーをクローズしたあと、インク重量検知から総インク重量が検出されインクタンクが交換されていたと判断された場合のみ全てのドットカウント値をリセットする。
【0078】
本実施例は、実施例5で述べたドットカウントによるインクlow警告とインク重量検知と、インクlow警告のあとにプリンタ本体のカバーオープンした場合にキャリッジがインクタンクlow警告の発生したインクタンクのみを交換可能なポジションへ移動することを組み合わせることでどのインクタンクを交換したのかをさらに高精度に判断することを可能にする構成に関するものである。
【実施例7】
【0079】
これまでの実施例では、重量検知によりインクタンク交換が検出された場合、記録装置であるプリンタ側でドットカウントをリセットするように構成した場合について説明してきたが、重量検知によりインクタンク交換が検出された場合に、ホストコンピューター側に状態を通知し、表示装置上にダイアログ画面を表示させ、ユーザーに状況を知らしめた上でユーザーからドットカウントリセットを指示させることにより、ドットカウントリセットするように構成することも可能である。
【0080】
本実施例では、このように構成した場合について説明する。
【0081】
ホストコンピューターとプリンタとは、USBシリアルI/FあるいはIEEE1284準拠パラレルI/Fなどの双方向通信が可能なI/Fによってケーブルを通じて接続されており、パーソナルコンピューターからは、記録のための画像データ、プリンタに対する動作実行命令等が記録装置に対して送信され、プリンタ側からは、プリンタの動作状況、エラー発生状況を示すステータス情報や、プリンタ固有の識別情報(DeviceID)等がホストコンピューターに向けて送信されるように構成されている。
【0082】
ホストコンピューター上のOS(オペレーティングシステム)上で動作するアプリケーションソフトから、OS経由で印字する際に、同じくOS上で動作するプリンタードライバが、OS経由でアプリケーションソフトから印字対象となる描画データを取得し、取得したRGB画像表示用データを、LOG変換(RGB-CMY変換)、黒生成(CMY-CMYK変換)、出力マスキング、ガンマ変換、多値化(誤差拡散など)などの画像処理を行い、インクジェット記録用CMYKデータに変換し、記録装置が解釈可能な印字用ヘッダー情報等を付加して前記USBシリアルI/FあるいはIEEE1284準拠パラレルI/Fなどの双方向通信が可能なI/Fを経由してプリンタ側に送信する。また、プリンタで印字動作中も、周期的にプリンタ側のステータス情報を受信することにより、プリンタ側でのエラー発生状況(例えば、記録用紙無し、インク無し等)に応じて、CRT画面上にダイアログを表示させて、ユーザーにプリンタの動作状況を文字や絵、アイコンなどによって警告を促したり、表示させたダイアログ中のボタンをマウス等で選択して押下させることにより、エラー発生によって停止させて印字データの送信を再開させたりするように構成されている。
【0083】
図11は、本実施例における、ホストコンピューター側のプリンタドライバーからの印字開始前ステータス取得シーケンスを示すフローチャートである。印字開始前に発生している記録装置側の状態には様々なものがあるが、ここでは、重量差検知によるタンク交換が発生していた場合についてのみ詳説する。
【0084】
S1001で、双方向I/Fを受信側に切り替え、記録装置側のステータス情報を受信する。S1002で、受信した情報を解析し、S1003に進み、重量差検知によりインクタンクの交換が検知されたかどうか調べる。S1003でタンク交換検出ステータスが受信されていない場合は、次のS1004のその他のステータスが受信されたかどうか調べ、受信されていない場合、さらに他のステータスが受信されたかどうかというように逐次調べていって、すべての発生しうるステータスがなかった場合には、印字前ステータス取得処理を終了して、次の動作、すなわち、印字データ送信動作に移行する。
【0085】
S1003でタンク交換が検知されていた場合、S1005に進み、表示装置にダイアログを表示して、S1006でユーザーの操作待ち(イベント待ち)状態になる。
【0086】
すなわち、「インクタンクが交換されました。ドットカウントをリセットしますか」というメッセージとともに、黒とカラーの文字とそれぞれにチェックボックス(個別に選択可能)をつけて、「はい」「キャンセル」のボタンを表示する。
【0087】
ユーザーはメッセージの内容を見て、自分がインクタンクを交換していれば、交換した方のタンク(この場合、黒かカラーあるいは両方)のドットカウントリセットのチェックボックスをチェックして、「はい」のボタンを押下するとOS上でイベントが発生し、S1007で発生イベントのチェックを行い、「はい」が押下されたか、「キャンセル」が押下したかを調べ、「はい」だったら、S1008に進み、どのチェックボックスがチェックされていたかを調べ、チェックされていたタンク情報に基づいたドットカウントリセット命令をI/F経由でプリンタに送信する。プリンタは、I/F経由でドットカウントリセット命令を受信すると、プリンタ内部に記憶していたドットカウント値をリセットする。
【0088】
また、S1007で、発生イベント時に「キャンセル」が押下されていれば、何もせずにS1004に進み、その他のステータスが受信されたかどうか調べる。
【0089】
図12は、全図11のS1108ドットカウントリセット命令送信処理の詳細と、その際のプリンタ側の処理を並列して示した図である。
【0090】
図で、まず、S1201で黒ドットカウントのチェックがされているかどうか調べ、されていればS1202で、プリンタに対し、黒ドットカウントリセットの命令を送信する。
【0091】
S1201で、黒ドットカウントリセットのチェックがされていなかった場合、および、チェックされていてS1202の処理を実行した場合のどちらも、S1203に進み、同様に、カラーのドットカウントリセットのチェックがされているかどうか調べ、されていればS1204で、プリンタに対し、カラードットカウントリセットの命令を送信する。
【0092】
その際、プリンタ側では、S1205でI/F経由で受信したコマンドが、ドットカウントリセットかどうか調べ、そうでなければ、S1206でそれ以外の処理を行い、再びコマンドがあるかないかチェックする。
【0093】
ドットカウントリセットコマンドであれば、S1207で、黒のドットカウントリセットコマンドかどうか調べ、一致すれば、S1208で黒のドットカウントリセットを行い、同時に黒タンク交換情報フラグをリセットし、再び他のコマンドがあるかないかチェックする。
【0094】
黒タンク交換情報フラグは、重量検知処理により、黒タンク交換を検出された時に随時読み出し可能メモリーセットされ、その後黒ドットカウントリセットが実行された時にリセットされるように構成される。また、この黒タンク交換情報フラグは、パワーオフ処理が実行される際に、プリンタ内部の不揮発性メモリに記憶され、パワーオン処理時には不揮発性メモリから、随時読み出し可能メモリに読み出されるので、常に状態が保存される。このことにより、黒タンク交換を検知して、黒ドットカウントをリセットされるまでは、黒タンク交換情報フラグがセットされたままの状態になり、プリンタドライバー側からのステータス受信処理が行われた際には、この情報を元に黒タンク交換があった旨の情報を送信するので、ユーザーのドットカウントリセット忘れを防ぐことができるように構成されている。
【0095】
同様に、S1209で、カラーのドットカウントリセットコマンドかどうか調べ、一致すれば、S1210でカラーのドットカウントリセットを行い、再びコマンドがあるかないかチェックする。一致すれば、S1210でカラーのドットカウントリセットを行い、同時にカラータンク交換情報フラグをリセットし、再び他のコマンドがあるかないかチェックする。
【0096】
図13は、前図11のフローチャートにおけるS1105において表示されるダイアログを示す図である。前図11のフローチャートにおいて、S1105でタンク交換を認識した場合、どちらのタンクが交換されていたかの情報に基づいて、あらかじめ用意されたチェックボックスのON/OFFを変化させるように構成することにより、ユーザーの誤操作を防ぎ、簡単な操作(「はい」ボタン1303の押下のみ)でドットカウントのリセットができる。
【0097】
この図では、重量検知から、黒のタンクが交換されたことを検出できた場合に、黒のドットカウントリセットのチェックボックス1301にあらかじめチェックの印(X印)がついた状態でダイアログが表示されている様子を示している。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】実施例におけるインク重量差を測定するためのキャリッジの動きを示す模式図である。
【図2】キャリッジの移動速度を示すグラフである。
【図3】本発明を適用可能なインクジェット記録装置の概略斜視図である。
【図4】インク重量差を測定する処理を説明するフローチャートである。
【図5】印字耐久枚数と摺動負荷を示すグラフである。
【図6】環境温度に対する摺動負荷の変化を示すグラフである。
【図7】カラーインク残量とブラックインク残量と、インク重量の関係を説明するグラフである。
【図8】カラーインク残量とブラックインク残量と、インク重量の関係を説明するグラフである。
【図9】インクタンクの交換ポジションを説明する概略図である。
【図10】環境温度と印字耐久枚数に対するDCモーターの駆動条件を示す表である。
【図11】印字開始前のステータス取得シーケンスを示すフローチャートである。
【図12】ドットカウントのリセット処理を説明するフローチャートである。
【図13】表示されるダイアログの一例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを収容するインク収容部とインクを吐出する記録ヘッド部とを搭載可能なキャッリッジと、モーターの駆動によって前記キャリッジを主走査方向に沿って走査する走査手段と、前記記録ヘッド部からインクを吐出した量と吸引回復などにより減少したインク量とを算出するインク消費量算出手段と、前記インク消費量算出手段により算出された値を格納するメモリと、環境温度を検出できる温度センサと、を備えたインクジェット記録装置において、インクジェット記録装置のカバーを開けたときに、前記キャリッジが一定位置に停止するキャリッジ停止手段と、
前記主走査手段により走査される前記キャリッジの位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段から前記キャリッジの主走査方向の速度を検出できる速度検出手段と、
前記速度検出手段から検出した値を格納するメモリと、
前記メモリに格納された値と前記速度検出手段から検出した別の値を演算する演算手段と、
前記演算手段の演算値から前記インク収容部の交換したかどうか判断するインクタンク交換判断手段と、
前記インクタンク交換判断手段からインクタンク交換と判断された場合に前記インク消費量演算手段から演算された値をリセットするリセット手段と、
を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項2】
請求項1において、前記位置検出手段は、リニアエンコーダーと前記リニアエンコーダーのスリットを検知可能な前記キャリッジに設けられたセンサとにより、前記キャリッジの位置を検出することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項3】
請求項1において、前記位置検出手段はロータリエンコーダであることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項4】
請求項1において、前記位置検出手段はキャリッジ駆動モーターの起電力であることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項5】
請求項1において、前記インク消費量演算手段からインクの残量が少ないことをドライバーを介して、ユーザーに警告したあと、インクジェット記録装置のカバーを開けたときに、前記キャリッジが一定位置に停止するキャリッジ停止手段を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項6】
請求項1において、前記インク消費量演算手段からインクの残量が少ないことを記録装置本体のLEDランプの点滅により、ユーザーに警告したあと、インクジェット記録装置のカバーを開けたときに、前記キャリッジが一定位置に停止するキャリッジ停止手段を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項7】
請求項1において、前記位置検出手段から前記キャリッジの主走査方向の移動距離を検出できる検出手段と、前記移動距離検出手段から検出した値を格納するメモリと、
前記メモリに格納された値と前記移動距離検出手段から検出した別の値を演算する演算手段と、を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項8】
請求項1において、前記位置検出手段から前記キャリッジの主走査方向の加速度を検出できる検出手段と、前記加速度検出手段から検出した値を格納するメモリと、
前記メモリに格納された値と前記加速度検出手段から検出した別の値を演算する演算手段と、を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項9】
請求項1において、前記キャリッジの主走査方向に走査させるモーターの駆動が、印字耐久枚数に応じて印加電圧を可変にしたテーブルを参照することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項10】
請求項9において、前記キャリッジの主走査方向に走査させるモーターの駆動が、印字耐久枚数に応じて印加時間を可変にしたテーブルを参照することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項11】
請求項9において、前記キャリッジの主走査方向に走査させるモーターの駆動が、印字耐久枚数に応じて印加電圧と印加時間を組み合わせたテーブルを参照することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項12】
請求項1において、前記キャリッジの主走査方向に走査させるモーターの駆動が、環境温度に応じて印加電圧を可変にしたテーブルを参照することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項13】
請求項12において、前記キャリッジの主走査方向に走査させるモーターの駆動が、環境温度に応じて印加時間を可変にしたテーブルを参照することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項14】
請求項12において、前記キャリッジの主走査方向に走査させるモーターの駆動が、環境温度に応じて印加時間と印加時間とを組み合わせたテーブルを参照することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項15】
請求項1において、前記キャリッジの主走査方向に走査させるモーターの駆動が、印字耐久枚数と環境温度の組み合わせに応じて印加電圧を可変にしたテーブルを参照することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項16】
請求項15において、前記キャリッジの主走査方向に走査させるモーターの駆動が、印字耐久枚数と環境温度の組み合わせに応じて印加時間を可変にしたテーブルを参照することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項17】
請求項15において、前記キャリッジの主走査方向に走査させるモーターの駆動が、印字耐久枚数と環境温度の組み合わせに応じて印加時間と印加時間とを組み合わせたテーブルを参照することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項18】
請求項1〜17において、インクを収容するインク収容部が複数個搭載されたインクジェット記録装置において、
前記インク消費量演算手段からどのインクの残量が少ないかユーザーに警告する警告手段と、
前記警告後、インクジェット記録装置のカバーを開けたときに前記キャリッジが一定位置に停止するキャリッジ停止手段と、
前記主走査手段により走査される前記キャリッジの位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段から前記キャリッジの主走査方向の速度を検出できる速度検出手段と、
前記警告が発生したインクを収容するインク収容部を正常に交換したかどうか判断する判断手段と、
前記警告が発生したインクを収容するインク収容部を正常に交換した場合、そのインク収容部のインクの色のドットカウント値だけをリセットするリセット手段と、
前記警告が発生したインクを収容するインク収容部を間違えて交換した場合、交換したインク収容部のインクの色のドットカウント値だけをリセットするリセット手段と、
前記警告が発生したのにもかかわらず交換されなかった色を収容するインク収容部のドットカウント値を保持する保持手段と、
を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項19】
請求項18において、前記警告後、インクジェット記録装置のカバーを開けたときに前記キャリッジが一定位置に停止するキャリッジ停止手段と、前記停止手段による停止位置が前記警告の発生したインクを収容するインク収容部によって異なることを特徴とするインクジェット記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−168044(P2006−168044A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−361422(P2004−361422)
【出願日】平成16年12月14日(2004.12.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】