説明

インクジェット記録装置

【課題】記録ヘッドのクリーニング動作中に装置内へシートが挿入されても、シートが当該装置内で詰まることを防止することが可能なインクジェット記録装置を提供すること。
【解決手段】搬送用モータ76が正回転された場合に、シートが搬送方向の下流側へ搬送され、且つノズルからインクを吸引するためのポンプが駆動される。搬送用モータ76が逆回転された場合に、シートが搬送方向の上流側へ搬送される。ポンプの駆動中に、レジストセンサ110によってシートが検知された後にシートが検知されなくなると、制御部130は、搬送用モータ76の正回転を、記録用紙が排出されたことが確認されるまで継続する。このとき、ポンプによるインクの吸引を防止するために、キャップ46は、ノズル面48を覆う姿勢からノズル面48と離れた姿勢へ姿勢変化されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録ヘッドからシートにインク滴を吐出することによって画像記録を行うインクジェット記録装置に関し、より詳細には吸引ポンプによって記録ヘッドからインクを吸引排出するパージ機構を備えたインクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、入力信号に基づいてインクを吐出してシートに画像記録を行う画像記録装置が知られている。このような画像記録装置は、一般に「インクジェットプリンタ」と称される。インクジェットプリンタにおける画像記録は、記録ヘッドの吐出口からインクが選択的に吐出されることによって実現される。
【0003】
記録ヘッドにおいて、吐出口へ通ずるインク流路に気泡が生じたり異物が詰まったりすることが起こり得る。これらは、記録ヘッドからのインク滴の吐出に対して障害となり得る。このような障害を防止又は回復するために、記録ヘッドの吐出口から気泡や異物を除去する手法が知られている。このような手法は、一般に「パージ」と称される。パージはメンテナンスユニットによって実現される。メンテナンスユニットは、記録ヘッドの吐出口を覆うキャップや記録ヘッドの吐出口を覆ったキャップ内に吸引圧を発生させるポンプなどで構成される。キャップやポンプの駆動源としてモータが用いられる。インクジェットプリンタでは、パージの他に、記録ヘッド内の気泡や混色インクの除去などを行うフラッシングや、記録ヘッドに設けられインク滴が吐出されるノズルに付着したインクを拭い取るワイプも行われ、これらの処理は「クリーニング」と総称される。
【0004】
モータから各駆動部への駆動伝達を切り換える動力伝達切換手段を有する画像記録装置が知られている(特許文献1参照)。この動力伝達切換手段は、キャリッジの移動位置に応じて、各駆動部へ択一的に動力を伝達する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−90761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年のインクジェットプリンタの更なる小型化の要請に鑑みると、上述の動力伝達切換手段の構造は単純化されることが望ましい。例えば、以下のような構造が考えられる。メンテナンスユニットと搬送ローラに共通の駆動源が使用される。メンテナンスユニットは、記録ヘッドを搭載したキャリッジがメンテナンスユニットと対向する位置(パージを行うときの位置)にあるときに駆動伝達され、画像記録を行う位置にあるときに駆動伝達されない。搬送ローラは、キャリッジの移動位置に関わらず駆動伝達される。メンテナンスユニットにおいては、正転の駆動が伝達されたとき、ポンプの駆動が実行され、逆転の駆動が伝達されたとき、キャップとポンプの連通、遮断が切り換えられる。
【0007】
インクジェットプリンタの動力伝達切換手段が上述のような構造であるとき、クリーニングの処理過程において、正転及び逆転の駆動がメンテナンスユニットへ伝達される。すると、以下の問題が生じる。クリーニングの実行中に、インクジェットプリンタの手差しトレイなどにシートがセットされると、搬送ローラが駆動されているため、クリーニングの実行中にもかかわらず当該シートがプリンタ内へ搬送されてしまう。プリンタ内へ搬送されたシートは、プリンタ内を順搬送及び逆搬送され、シートが詰まるおそれがある。特に、プリンタ内で逆搬送が想定されていない位置で、シートが逆搬送されると、シートが詰まる可能性が高まる。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、記録ヘッドのクリーニング動作中に装置内へシートが挿入されても、シートが当該装置内で詰まることを防止することが可能なインクジェット記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1) 本発明のインクジェット記録装置は、搬送路に設けられており、シートを搬送する搬送手段と、上記搬送路に設けられており、シートの有無を検知するシート検知部と、正逆転可能な駆動源と、上記搬送路における上記搬送手段より搬送向きの下流側に設けられており、ノズルが形成されたノズル面を有し、上記ノズルからインク滴を吐出することによってシートに画像を記録する記録部と、上記ノズル面を覆う第1姿勢及び上記ノズル面から離間する第2姿勢に姿勢変化するキャップと、上記キャップに連通されて当該キャップ内から気体又は液体を吸引する吸引機構と、上記駆動源の正転又は逆転のいずれか一方の駆動を上記搬送手段のシートの一方向への搬送の駆動及び上記吸引機構へ伝達し、かつ他方の駆動を上記搬送手段のシートの他方向への搬送の駆動へ伝達する駆動伝達部と、上記吸引機構の駆動中に、上記シート検知部がシートを検知した後に、上記搬送手段のシートの一方向への搬送の駆動及び上記吸引機構へ駆動伝達される一方の向きに上記駆動源を駆動させてシートを排出する制御部と、を具備する。
【0010】
制御部は、シート検知部によってシートが検知されると、吸引機構が駆動中であっても、搬送手段のシートの一方向への搬送の駆動及び吸引機構へ駆動伝達される一方の向きに駆動源を駆動させる。その結果、搬送手段が正転又は逆転され、シートが搬送され装置外へ排出される。
【0011】
(2) 上記シート検知部は、上記搬送手段の上流側の搬送路に設けられており、上記制御部は、上記シート検知部がシートを検知した後、更にシートを検知しなくなった後に、シートを排出する。
【0012】
シート検知部によってシートが検知された後に、シートが検知されなくなったことは、シートが搬送手段を通過したことを意味する。このような状態で当該シートが逆搬送されると、当該シートは通過した搬送手段に適正に挿入されずに装置内で詰まってしまうおそれがある。上述の構成では、制御部が、シート検知部がシートを検知した後、更にシートを検知しなくなった後に、搬送手段のシートの一方向への搬送の駆動及び吸引機構へ駆動伝達される一方の向きに駆動源を駆動させてシートを排出するため、シートが装置内で逆搬送することによるシート詰まりを防止できる。
【0013】
(3) 上記キャップの姿勢を検知するキャップ検知部、を更に備え、上記制御部は、上記シート検知部がシートを検知した後に、上記キャップが第2姿勢であることが上記キャップ検知部によって検知されたことを条件として、シートを排出する。
【0014】
キャップが第1姿勢のとき、キャップとノズル面の間に密閉空間が形成される。この状態で吸引機構が駆動されると、ノズルからインクが吸引される。キャップが第2姿勢のとき、キャップとノズル面は離間されるため密閉空間は形成されない。そのため、吸引機構が駆動されても、ノズルからインクが吸引されることはない。上述の構成では、制御部は、キャップが第2姿勢であるときに、搬送手段及び吸引機構へ駆動伝達される一方の向きに駆動源を駆動させてシートを排出するため、インクが吸引されることはなく、無駄なインクの消費を防止することができる。
【0015】
(4) 上記制御部は、上記シート検知部がシートを検知した後に、上記吸引機構の駆動を停止させ、上記キャップを第2姿勢に姿勢変化させた後にシートを排出する。
【0016】
上述の構成では、吸引機構の駆動が停止されてからシートが排出されるため、インクが吸引されることはなく、無駄なインクの消費を防止することができる。
【0017】
(5) シートが当該装置から排出されたか否かを検知する排出検知部、を更に備える。上記制御部は、上記シート検知部がシートを検知した場合に、上記キャップ内の気体又は液体の吸引が完了するまで上記吸引機構による吸引を継続し、上記吸引機構による吸引の完了後に、上記排出検知部がシートの当該装置からの排出を検知していないことを条件として、上記搬送手段のシートの一方向への搬送の駆動及び上記吸引機構へ駆動伝達される一方の向きに上記駆動源を駆動させてシートを排出する。
【0018】
上述の構成では、制御部は、キャップ内の気体又は液体の吸引が完了するまで吸引機構による吸引を継続するため、インクの吸引が、中途で停止されることはない。また、制御部は、吸引機構による吸引の完了後に、排出検知部がシートの当該装置からの排出を検知していない場合、上記駆動源を駆動させてシートを排出する。したがって、インクの吸引完了後に、装置内に残存しているシートを装置外に確実に排出できる。
【0019】
(6) 上記記録部はシート搬送方向と直交する方向に往復移動可能であり、上記キャップは、上記記録部の往復移動範囲における退避位置に設けられており、上記記録部の位置を検知する位置検知部、を更に備え、上記制御部は、上記記録部が上記退避位置以外に配置されていることが上記位置検知部によって検知されたことを条件として、シートを排出する。
【0020】
記録部が退避位置以外の位置へ配置されていると、吸引機構が駆動されても、インクが吸引されることはない。したがって、無駄なインクの消費を防止することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、記録ヘッドのクリーニング動作中に装置内へシートが挿入されても、シートが当該装置内で詰まることを防止することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の実施形態の一例である複合機10の外観斜視図である。
【図2】図2は、プリンタ部11の内部構造を模式的に示す縦断面図である。
【図3】図3は、プリンタ部11の内部構造を示す部分平面図である。
【図4】図4は、パージ機構44の断面図であり、(A)にはキャップ46がリフトアップされていない状態が示されており、(B)にはキャップ46がリフトアップされた状態が示されている。
【図5】図5は、ポート切換機構59の平面図であり、(A)には吸気ポート93が他のポート94〜98の何れとも連通されていない状態が示されており、(B)には吸気ポート93とBkポート95が連通されている状態が示されており、(C)には吸気ポート93が他のポート94〜98の何れとも連通されていない状態が示されており、(D)には吸気ポート93とCoポート96が連通されている状態が示されている。
【図6】図6は、制御部130の構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、制御部130によって行われるシート排出制御の手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】図8は、制御部130によって行われるシート排出制御の手順の変形例を示すフローチャートである。
【図9】図9は、制御部130によって行われるシート排出制御の手順の変形例を示すフローチャートである。
【図10】図10は、制御部130によって行われるシート排出制御の手順の変形例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0024】
図1は、本発明の実施形態に係る画像記録装置の一例としての複合機10の外観を示す斜視図である。以下の説明においては、複合機10が使用可能に設置された状態(図1の状態)を基準として上下方向7を定義し、操作パネル121が設けられている側を手前側(正面)として前後方向8を定義し、複合機10を手前側(正面)から見て左右方向9を定義する。
【0025】
複合機10の上部に画像読取部12、上面の前方側に操作パネル121、下部にインクジェット記録方式のプリンタ部11が設けられている。複合機10は、ファクシミリ機能、プリンタ機能、スキャナ機能、及びコピー機能などの各種の機能を有している。なお、本実施形態では、プリンタ機能として片面画像記録機能のみ有している複合機10が説明されるが、複合機10は両面画像記録機能を有していてもよい。
【0026】
[画像読取部12の構成]
画像読取部12はプリンタ部11の上部に配設されており、スキャナ部122を備えている。スキャナ部122は、フラットベッドスキャナ(FBS:Flat Bed Scanner)及び自動原稿搬送装置(ADF:Automatic Document Feeder)として構成されているが、本発明においてスキャナ部122は、原稿に記録された画像を読み取るものであれば任意の構成であるので、本明細書においては、その詳細な説明が省略される。
【0027】
[操作パネル121の構成]
複合機10の上面の前方側であって、スキャナ部122の正面側の上面には、プリンタ部11やスキャナ部122を操作するための操作パネル121が設けられている。操作パネル121は、各種操作ボタンや液晶表示部から構成されている。複合機10は、操作パネル121からの指示入力によって動作する。
【0028】
[プリンタ部11の構成]
図1及び図2に示されるように、プリンタ部11は、正面及び背面に開口が形成されたケーシング(筐体)14を有する。ケーシング14内にプリンタ部11の各構成要素が配設されている。プリンタ部11の正面の開口(不図示)からケーシング14の内部側へ連続するように収容室が区画されている。収容室に給紙カセット78が装着されている。給紙カセット78は、正面の開口からケーシング14内に前後方向8に挿抜可能に構成されている。給紙カセット78は、各種サイズの記録用紙(本発明のシートの一例)を保持可能である。なお、本実施形態では、1つの給紙カセット78のみを装着可能な複合機10が説明されるが、複合機10は複数の給紙カセット78を装着可能であってもよい。
【0029】
プリンタ部11の背面14Aにおいて、スキャナ部122と給紙カセット78の間の高さには、手差しトレイ20が開閉可能に配置されている。図2において破線の矢印で示されるように、手差しトレイ20は、基軸21を回動中心軸として回転することで開閉される。図1には、手差しトレイ20が閉じられた状態が示されている。図2には、手差しトレイ20が開けられた状態が実線で、閉じられた状態が破線で示されている。手差しトレイ20には、開けられた状態において各種サイズの記録用紙を載置可能である。プリンタ部11の背面14Aにおいて、手差しトレイ20の基端部(下方側の端部)に対向する位置には、背面の開口13が設けられている。記録用紙は、複合機10のユーザによって、手差しトレイ20の用紙載置面に担持されつつ、背開口13から前方に向けて挿入される。
【0030】
次に、図2を参照しながら、プリンタ部11の構成を更に詳しく説明する。図2では、給紙カセット78の前方側(紙面右側)の図示が省略されている。プリンタ部11は、給紙カセット78に加えて、給紙カセット78から記録用紙をピックアップして給紙(給送)する給送部15と、給送部15によって給紙された記録用紙にインク滴を吐出して記録用紙に画像を形成するインクジェット記録方式の記録部24(本発明の記録部の一例)などを備えている。
【0031】
[搬送路65]
図2に示されるように、プリンタ部11の内部には、給紙カセット78及び手差しトレイ20から記録部24を経て排紙保持部79に至る搬送路65が形成されている。搬送路65は、給紙カセット78の先端(後方側の端部)から記録部24に至る間に形成された湾曲路65Aと、手差しトレイ20の先端(前方側の端部)から湾曲路65Aとの合流点65Dに至る間に形成された搬送経路65Bと、記録部24から排紙保持部79に至る間に形成された排紙路65Cとに区分される。なお、排紙保持部79は、給紙カセット78と一体に構成されていてもよく、或いはプリンタ部11のフレームなどに固定されたものであってもよい。
【0032】
湾曲路65Aは、給紙カセット78に設けられた分離傾斜板22の上端付近から記録部24に渡って延設された湾曲状の通路である。記録用紙は、給紙カセット78から後方に向けて搬送される。記録用紙は、装置の背面側において、湾曲路65Aによって装置の下方から上方へUターンされる。その後、記録用紙は、前方に向けて搬送される。湾曲路65Aは、所定間隔を隔てて互いに対向する外側ガイド部材18及び内側ガイド部材19によって区画されている。なお、外側ガイド部材18及び内側ガイド部材19、更に、後述する第1下側ガイド部材180、第1上側ガイド部材181、第2上側ガイド部材182、第2下側ガイド部材183、第3上側ガイド部材184は、いずれも、図2の紙面垂直方向(図1の左右方向9)へ延びている。
【0033】
搬送経路65Bは、プリンタ11の背開口13から湾曲路65Aとの合流点65Dに渡って延設された直線状の通路である。記録用紙は、背開口13及び搬送経路65Bを介して、第1搬送ローラ60とピンチローラ61(本発明の搬送手段の一例)のニップ位置60Aに当接するように挿入される。搬送経路65Bは、所定間隔を隔てて互いに対向する第1下側ガイド部材180及び第1上側ガイド部材181によって区画されている。第1上側ガイド部材181の搬送方向の下流側には、第2上側ガイド部材182が設けられている。ここで、搬送方向とは、記録用紙が搬送路65を搬送される向き(図2において矢印付きの二点鎖線で示される向き)を指す。第2上側ガイド部材182は、第1上側ガイド部材181の先端(前方側の端部)と合流点65Dの上側近傍を結ぶように延設されており、手差しトレイ20から挿入された記録用紙を、合流点65Dを介してニップ位置60Aへ導く。なお、本実施形態では、第1下側ガイド部材180と外側ガイド部材18は個別に形成されているが、両者は一体に形成されていてもよい。また、第1上側ガイド部材181と第2上側ガイド部材182は個別に形成されているが、両者は一体に形成されていてもよい。
【0034】
排紙路65Cは、記録部24よりも搬送方向の下流側に設けられた第2下側ガイド部材183と第3上側ガイド部材184とによって区画されている。排紙路65Cは、第2搬送ローラ62によって搬送された画像記録済の記録用紙の下面を支持しつつ、搬送方向の下流側へ案内する。第3上側ガイド部材184は、第2下側ガイド部材183よりも上方に配置されている。第3上側ガイド部材184と第2下側ガイド部材183とは、記録用紙が通過可能な所定間隔を隔てて互いに対向するように配置されている。
【0035】
[給送部15]
給送部15は、給紙カセット78に収容された記録用紙を湾曲路65Aへ向けて搬送するためのものであり、給紙ローラ25と、給紙アーム26と、給紙駆動伝達機構27とを備えている。給紙ローラ25は、給紙カセット78の上側に配置されている。給紙ローラ25は、給紙カセット78に収容された記録用紙をピックアップして湾曲路65Aへ給紙するものであり、給紙アーム26の先端に回転自在に軸支されている。給紙ローラ25は、給紙用モータ(不図示)の回転力が給紙駆動伝達機構27を介して伝達されると回転駆動される。なお、給紙駆動伝達機構27は、給紙アーム26に軸支されており、概ね給紙アーム26の延出方向に沿って直線状に並ぶ複数のギヤで構成されている。給紙ローラ25は、基軸28を回動中心軸として回動し、給紙カセット78に収容された記録用紙の上面に圧接可能である。
【0036】
[レジストセンサ110]
湾曲路65Aには、給紙カセット78から給紙され湾曲路65Aを搬送される記録用紙、又は、手差しトレイ20から搬送経路65Bを介して挿入される記録用紙の先端位置を検知するためのレジストセンサ110(本発明のシート検知部の一例)が設けられている。レジストセンサ110は、例えば、検出子112A,112Bを有する回転体と、発光素子(例えば発光ダイオード)及びこの発光素子から発光された光を受光する受光素子(例えばフォトトランジスタ)を有するフォトインタラプタ等の光センサ111とにより構成されている。回転体は、支軸113を中心に回転可能に設けられている。検出子112Aは支軸113から湾曲路65Aへ突出している。回転体112に外力が加えられていない状態で、検出子112Bは光センサ111の発光素子から受光素子に至る光路に進入して、この光路を通る光を遮断している。
【0037】
[記録部24]
図3は、プリンタ部11の内部構成を示す部分平面図である。図2に示されるように、記録部24は、給紙カセット78の上方に配置されている。図2及び図3に示されるように、記録部24は、記録ヘッド30を搭載して記録用紙の搬送方向と直交する方向(主走査方向)へ往復動するキャリッジ31を備えている。記録ヘッド30には、インクカートリッジ(不図示)からインクチューブ33を通じてシアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)・ブラック(Bk)の各色インクが供給される。キャリッジ31は主走査方向に延出されたガイドレール35、36に沿って往復動する。これにより、記録ヘッド30が記録用紙に対して走査され、記録部24の下方に設けられたプラテン34上を搬送される記録用紙に画像記録が行われる。
【0038】
図2に示されるように、記録ヘッド30は、キャリッジ31の下面側に露出されている。記録ヘッド30のノズル面48(本発明のノズル面の一例)には、複数のノズル(不図示、本発明のノズルの一例)が設けられている。各ノズルは、CMYBkの各色インクごとに設けられている。各ノズルから各色インクが微小なインク滴として吐出される。
【0039】
図3に示されるように、ガイドレール36には、端部37に沿ってリニアエンコーダのエンコーダストリップ42が配設されている。リニアエンコーダは、キャリッジ31に設けられたフォトインタラプタ43によりエンコーダストリップ42を検出する。リニアエンコーダの検出信号に基づいて、キャリッジ31の往復動が制御される。つまり、エンコーダストリップ42及びフォトインタラプタ43で構成されるリニアエンコーダは、本発明の位置検知部の一例であり、記録部24の位置を検知する。
【0040】
湾曲路65Aの終端と記録部24との間には、第1搬送ローラ60及びピンチローラ61が設けられている。これらは対をなしている。ピンチローラ61は、第1搬送ローラ60の下方に配置されており、図示しないバネなどの弾性部材によって第1搬送ローラ60のローラ面に圧接されている。第1搬送ローラ60及びピンチローラ61は、湾曲路65A及び搬送経路65Bを搬送してきた記録用紙を狭持してプラテン34上へ送る。また、記録部24と排紙路65Cの始端との間には、第2搬送ローラ62及び拍車ローラ63が設けられている。これらは対をなしている。第2搬送ローラ62及び拍車ローラ63は、記録済みの記録用紙を狭持してさらに搬送方向の下流側(排紙保持部79側)へ搬送する。
【0041】
第1搬送ローラ60及び第2搬送ローラ62は、搬送用モータ76(本発明の駆動源の一例、図6参照)から駆動伝達機構(本発明の駆動伝達部の一例、不図示)を介して回転駆動力が伝達されて回転される。第1搬送ローラ60及び第2搬送ローラ62は、画像記録時に間欠駆動される。そのため、記録用紙は、所定の改行幅で送られながら画像記録がなされる。
【0042】
[駆動伝達機構]
駆動伝達機構は、遊星ギヤなどから構成されており、搬送用モータ76の正回転又は逆回転の一方の回転駆動力を後述するポンプ(不図示、本発明の吸引機構の一例)に伝達し、一方の回転駆動力とは逆向きの他方の回転駆動力を後述するポート切換機構59に伝達する。なお、第1搬送ローラ60及び第2搬送ローラ62は、搬送用モータ76の一方の回転駆動力によって、記録用紙を搬送方向の下流側へ搬送させる向きに回転し、搬送用モータ76の他方の回転駆動力によって、記録用紙を搬送方向の上流側へ搬送させる向きに回転する。
【0043】
[メンテナンスユニット80]
図3に示されるように、プラテン34の左右方向9の両側の記録用紙が通過しない領域、つまり記録部24の往復移動範囲における退避位置には、メンテナンスユニット80が配設される。メンテナンスユニット80は、パージ機構44と廃液タンク(不図示)などを備えている。
【0044】
パージ機構44は、記録ヘッド30のノズル等からインクと共に気泡や異物を吸引除去する。図3及び図4に示されるように、パージ機構44は、記録ヘッド30のノズルを覆うキャップ46(本発明のキャップの一例)と、記録ヘッド30の排気孔を覆う排気キャップ53と、キャップ46または排気キャップ53に接続されて吸引を行うポンプと、キャップ46および排気キャップ53を記録ヘッド30に接離させるためのリフトアップ機構55と、ポンプ、廃液タンク及びノズル面48を拭うワイパーブレード56を接続するポンプチューブ82などを有する。
【0045】
キャップ46は、ゴムにより構成されている。キャップ46は、リフトアップ機構55によりノズル面48(図2参照)に密着し、ノズル面48との間に空間を形成すると共にノズルを囲繞する。キャップ46の内部は、カラーインク(CMY)のノズルと黒インク(Bk)のノズルとに応じて2つの空間に区画されており、カラーインク及び黒インクに対応してそれぞれノズル面48との間に空間が形成される。図示されていないが、キャップ46の各空間の底部には吸気口が設けられており、各吸気口は、ポート切換機構59を介してポンプに接続されている。ポート切換機構59については後述される。排気キャップ53もゴムにより構成されている。排気キャップ53も上記ノズル面48(図2参照)に密着し、記録ヘッド30の排気孔を囲繞する。
【0046】
ポンプは、ロータリー式のチューブポンプである。本実施形態では、ポンプは、内壁面を備えたケーシングと、この内壁面に沿って転動されるローラーとを有する。ポンプチューブ82が上記ローラーと上記内壁面との間に配置され、ローラーが駆動される。これにより、ポンプチューブ82が扱かれ、ポンプチューブ82内のインクが上流側(キャップ46及び排気キャップ53の吸気口など)から下流側(廃液タンク)へ押し出される。
【0047】
図4(A)に示されるように、リフトアップ機構55は、左右一対の等長リンク64を備えている。この等長リンク64が回動することによって、ホルダ90が平行移動し、待機位置と密着位置との間で変位する。図4(A)では、ホルダ90は待機位置にあり、図4(B)では、ホルダ90は密着位置にある。ホルダ90は、鉛直上方へ突出された当接レバー91を備えている。キャリッジ31が図4において当接レバー91を右方向に押圧することにより、ホルダ90が密着位置に移動される。キャップ46および排気キャップ53は、ホルダ90に搭載されている。キャップ46および排気キャップ53は、ホルダ90が密着位置に移動されることにより、記録ヘッド30のノズルの周囲および排気孔の周囲に密着され(本発明の第1姿勢に相当)、ホルダ90が待機位置に移動されることにより、記録ヘッド30から離間される(本発明の第2姿勢に相当)。なお、キャリッジ31の移動はモータ(例えば、キャリッジ(CR)駆動用モータ311、図6参照)によって行われる。また、キャップ46が第1姿勢及び第2姿勢へ姿勢変化されるのであれば、キャップ46を姿勢変化させる構造は、上述したようなリフトアップ機構55によって行われるものに限らない。
【0048】
キャップ46の近傍には、キャップ46の姿勢を検知する位置検出センサ461(本発明のキャップ検知部の一例、図6参照)が設けられている。位置検出センサ461は、例えば、キャップ46の姿勢変化に対応して上下に摺動する摺動体と、発光素子(例えば発光ダイオード)及び当該発光素子から発光された光を受光する受光素子(例えばフォトトランジスタ)を有するフォトインタラプタ等の光センサとにより構成されている。摺動体は、キャップ46が第1姿勢のときに、発光素子から受光素子に至る光路に位置して、当該光路を通る光を遮断する。当該遮断の有無によって、キャップ46の姿勢が検知される。
【0049】
ワイパーブレード56は、ワイパーホルダ68に嵌め込まれており、ワイパーホルダ68に対して出没可能に設けられている。ワイパーブレード56は、ゴムにより構成されている。ワイパーブレード56の長さ(図4において紙面に垂直な方向の寸法)は、ノズル面48の長さに対応している。ワイパーブレード56は、ワイパーホルダ68から突出されることにより、ノズル面48に当接する。ワイパーブレード56が記録ヘッド30の下面に当接した状態で、キャリッジ31がスライドすると、ワイパーブレード56は、ノズル面48に付着したインクを拭い取る。このインクの拭い取りはワイプと呼ばれる。ワイパーブレード56の出没は、図示されていないカム機構により制御されており、ワイパーブレード56は、パージが終了した後、記録ヘッド30が画像記録領域側にスライドされる際に突出される。
【0050】
図3に示されるように、キャリッジ31の画像記録領域の外側であってパージ機構44の反対側に廃インクトレイ45が配設されている。この廃インクトレイ45は、記録ヘッド30のインクの空吐出を受けるものである。この空吐出は、フラッシングと呼ばれる。このフラッシングは、上記パージとは別の動作として行われ、フラッシングによって記録ヘッド30内の気泡や混色インクの除去等のメンテナンスが行われる。なお、廃インクトレイ45内にはフェルトが敷設されており、フラッシングされたインクは、このフェルトに吸収されて保持される。
【0051】
[ポート切換機構59]
ポート切換機構59(図4参照)は、キャップ46及び排気キャップ53とポンプとを、接続状態または遮断状態に切り換える。図4及び図5に示されるように、ポート切換機構59は、6つのポート93〜98が設けられたカバー99と、カバー99の内部に配置された円盤状の切換部材92とを備えている。切換部材92は、搬送用モータ76(図6参照)により回転され、上記各ポート93〜98を後述のように接続する。カバー99は樹脂からなり、有底の円筒状に形成されている。カバー99の底壁の中心に吸気ポート93が形成されている。吸気ポート93にポンプチューブ82が接続されている。ポンプチューブ82は、ポンプを介して廃液タンクに接続されている。
【0052】
他の5つのポート94〜98は、カバー99の側壁に周方向に所定の間隔を空けて設けられている。排気ポート94は、ポンプチューブ82とは別のチューブ(不図示)によって排気キャップ53(図4参照)に連通している。Bkポート95は、上述のチューブとは別のチューブ(不図示)によってキャップ46(図4参照)に連通している。具体的には、Bkポート95は、キャップ46とノズル面48との間に形成された黒インク用の空間に連通している。Coポート96は、上述のチューブとは別のチューブ(不図示)によってキャップ46(図4参照)に連通している。具体的には、Coポート96は、キャップ46とノズル面48との間に形成されたカラーインク用の空間に連通している。大気ポート97、98は大気に開放されている。
【0053】
メンテナンスユニット80により記録ヘッド30から吸引されたインクは、次のようにして廃液タンクに送られる。以下、図5に基づいて、インク吸引の処理手順について説明する。
【0054】
キャリッジ31がスライドされて当接レバー91を右方向に押圧すると、図4(B)に示されるように、ホルダ90が密着位置に移動される。つまり、リフトアップ機構55によりキャップ46がノズル面48に密着して両者間に空間が形成される(第1姿勢)。切換部材92が駆動され、吸気ポート93とBkポート95が連通される状態となる(図5(B)、以下、この状態を第2状態と記す。)。つまり、キャップ46とノズル面48との間に形成される空間のうち黒インクに対応する部分がポンプに接続される。第2状態で、ポンプが駆動され、キャップ46とノズル面48との間に形成される空間のうち黒インクに対応する部分に負圧がかかり、貯留されていた黒インクがポンプ側へ吸引される。吸引されたインクは、ポンプチューブ82を経て廃液タンクに吸収される。インクの吸引を開始してから所定時間(例えばノズルなどからインクが十分に吸引される時間)の経過後、切換部材92が駆動され、吸気ポート93が他のポート94〜98の何れとも連通されていない第1状態となる(図5(A))。つまり、キャップ46とノズル面48との間に形成される空間は、大気から遮断されると共にポンプと非連通状態となる。これにより、ポンプによる吸引量が安定する。
【0055】
次に、切換部材92が駆動され、吸気ポート93とCoポート96が連通される状態となる(図5(D)、以下、この状態も図5(B)と同様に第2状態と記す。)。つまり、キャップ46とノズル面48との間に形成される空間のうちカラーインクに対応する部分がポンプに接続される。この状態で、ポンプが駆動され、キャップ46とノズル面48との間に形成される空間のうちカラーインクに対応する部分に負圧がかかり、貯留されていたカラーインクがポンプ側へ吸引される。吸引されたインクは、ポンプチューブ82を経て廃液タンクに吸収される。インクの吸引を開始してから所定時間(例えばノズルなどからインクが十分に吸引される時間)の経過後、切換部材92が駆動され、第1状態となる(図5(C))。つまり、キャップ46とノズル面48との間に形成される空間は、大気から遮断されると共にポンプと非連通状態となる。これにより、ポンプによる吸引量が安定する。その後、キャリッジ31がスライドされて当接レバー91から離れると、図4(A)に示されるように、ホルダ90が待機位置に移動される。つまり、リフトアップ機構55によりキャップ46はノズル面48から離間される(第2姿勢)。
【0056】
図5(A)に破線で示すように、切換部材92の上部又は下部には、切換部材92と一体に回転する回転体92Aが設けられている。回転体92Aには、径方向外側へ向かって突出する凸部92B、92C、92Dが設けられている。これら凸部92B、92C、92Dは、回転体92Aの回転に対して位相が異なる位置に配置されており、各凸部92B、92C、92Dの間は、回転体92Aの所定の回転角度だけ離間されている。また、回転体92Aの外周と対向する位置には、センサ92Eが配置されている。センサ92Eと凸部92B、92C、92Dが対向する場合、センサ92Eからオンの電気信号が出力され、センサ92Eと凸部92B、92C、92Dが対向しない場合、センサ92Eからオフの電気信号が出力される。センサ92Eの出力(オン/オフ)の周期によって、切換部材92の回転位相が把握される。
【0057】
[制御部130]
以下、図6を参照して、制御部130(本発明の制御部の一例)の概略構成を説明する。制御部130が後述するフローチャートにしたがってシート排出制御を行うことによって、本発明が制御部130によって実現される。
【0058】
制御部130は、複合機10の全体動作を制御するものである。制御部130は、CPU131、ROM132、RAM133、EEPROM134、ASIC135を主とするマイクロコンピュータとして構成されている。これらは内部バス137によって接続されている。
【0059】
ROM132には、CPU131が複合機10の各種動作を制御するためのプログラムや、後述する状態判定処理を実行するためのプログラムなどが格納されている。RAM133は、CPU131が上記プログラムを実行する際に用いるデータや信号等を一時的に記録する記憶領域、或いはデータ処理の作業領域として使用される。EEPROM134には、電源オフ後も保持すべき設定やフラグ等が格納される。
【0060】
ASIC135には、光センサ111及び搬送用モータ76などが接続されている。ASIC135には、搬送用モータ76を制御する駆動回路が組み込まれている。CPU131から上記駆動回路に搬送用モータ76を回転させるための駆動信号が入力されると、駆動信号に応じた駆動電流が駆動回路から搬送用モータ76へ出力され、これにより、搬送用モータ76が所定の回転速度で正回転又は逆回転する。搬送用モータ76の回転によって、切換部材92、第1搬送ローラ60及び第2搬送ローラ62が回転する。
【0061】
光センサ111は、受光素子で受けた光の強度に応じたアナログの電気信号(電圧信号又は電流信号)を出力する。出力された信号は、制御部130に入力されて、制御部130において、その電気的レベル(電圧値又は電流値)が所定の閾値以上であるかどうかが判断される。入力された信号が所定の閾値以上である場合にHIGHレベル信号と判定され、所定の閾値未満の場合にLOWレベル信号と判定される。
【0062】
[シート排出制御]
上述の如く構成されたプリンタ部11においては、メンテナンスユニット80によるクリーニング中に、レジストセンサ110によって検知された記録用紙を、排紙保持部79に排出するシート排出制御が、制御部130によって行われる。ここで、クリーニングとは、パージ、ワイプ及びフラッシングなどの総称である。以下、図7のフローチャートに基づいて、シート排出制御の処理手順について説明する。このシート排出制御は、例えば複合機10のユーザによる操作パネル121の操作によって、記録部24に対するクリーニング動作が指示された場合に実行される処理である。
【0063】
なお、以下の説明においては、説明の便宜上、搬送用モータ76が正回転された場合に、記録用紙が搬送方向の下流側へ搬送され、且つポンプが駆動されるものとし、搬送用モータ76が逆回転された場合に、記録用紙が搬送方向の上流側へ搬送され、且つポート切換機構59によってキャップ46とポンプとが接続状態または遮断状態に切り換えられるものとする。本発明においては、搬送用モータ76の正回転と逆回転による駆動の割り当てが、上記と逆であってもよいことは言うまでもない。また、以下の説明においては、説明の便宜上、レジストセンサ110によって記録用紙が検知された場合に、光センサ111からHIGHレベル信号が出力され、記録用紙が検知されない場合に、光センサ111からLOWレベル信号が出力されるとする。また、上述の説明においては、パージ機構44は、黒インクとカラーインクの吸引を個別に行っているが、以下の説明においては、説明の便宜上、黒インクとカラーインクの吸引がインクの吸引として一括で行われるものとして説明する。
【0064】
複合機10のユーザによる操作パネル121の操作によって、記録部24に対するクリーニング動作が指示されると、記録用紙が複合機10に挿入されているか否かが制御部130によって判断される(ステップ10、以下ステップをSと記す。)。制御部130は、光センサ111からHIGHレベル信号が入力されると、記録用紙が複合機10に挿入されていると判断し(S10:Yes)、搬送用モータ76を正回転させる。これにより、記録用紙が搬送方向の下流側へ搬送され、排紙保持部79へ排紙される(S20)。このとき、搬送用モータ76が正回転されることによってポンプが駆動されるが、キャリッジ31が退避位置にあり、キャップ46がノズル面を覆う第1姿勢の場合は、ステップS20の処理を実行する前に、制御部130によってキャリッジ31がスライドされて当接レバー91から離れ、キャップ46がノズル面48から離間された第2姿勢へ姿勢変化させる。したがって、ノズルなどからインクが吸引されることはない。また、既にキャリッジ31が画像記録領域に位置していた場合は、メンテナンスユニット80と対向する退避位置へ移動していない。したがって、ノズルなどからインクが吸引されることはない。
【0065】
その後、記録部24のクリーニングが開始され、ノズルなどからインクが吸引される(S30)。具体的には、制御部130によってキャリッジ31が退避位置へスライドされて当接レバー91を右方向に押圧する。これにより、キャップ46がノズル面48を覆う第1姿勢に姿勢変化する。制御部130によって、搬送用モータ76が逆回転され、切換部材92が駆動され、ポート切換機構59の状態が第2状態(図5(B)又は図5(D)の状態)とされる。これにより、キャップ46とノズル面48との間に形成される空間に対応する部分がポンプに接続される。制御部130によって、搬送用モータ76が正回転され、ポンプが駆動される。その結果、キャップ46とノズル面48との間に形成される空間に貯留されていたインクが、Bkポート95又はCoポート96を介してポンプ側へ吸引される。
【0066】
一方、ステップS10において、光センサ111から制御部130へLOWレベル信号が入力されると、制御部130は、記録用紙が複合機10に挿入されていないと判断する(S10:No)。この場合、記録用紙の排紙処理は実行されずに、記録部24のクリーニングが開始される(S30)。
【0067】
ステップS30におけるインクの吸引中に、光センサ111がHIGHレベルとなった後でLOWレベルとなったこと、つまり記録用紙の後端がレジストセンサ110よりも搬送方向の下流側へ到達したことが、制御部130によって確認されたとき(S40:Yes)、現在実行中のインクの吸引が完了するまで搬送用モータ76の正回転の駆動を継続し、その分のポンプの駆動が継続される(S170)。その分のポンプの駆動が終了すると、制御部130は、検知された記録用紙が排紙保持部79に排出されたか否かを判断する(S180)。記録用紙が排出されたか否かは、例えば、記録部24と排紙保持部79の間の搬送路上に設けられたシートセンサ(本発明の排出検知部の一例、不図示)の出力値に基づいて制御部130によって判断される。制御部130は、シートセンサが記録用紙を検知した後に記録用紙を検知しなくなったとき、記録用紙がシートセンサを通過して排紙保持部79に到達したと判断する。
【0068】
なお、本実施形態において、記録用紙が排出されたか否かの判断は、シートセンサの出力値に基づいて行われたが、レジストセンサ110によって記録用紙の後端が検知されてから、第1搬送ローラ60及び第2搬送ローラ62を記録用紙を搬送方向の下流側に搬送させる向きに回転させる搬送用モータ76の一方の回転が、所定回転量回転したかに基づいて判断してもよい。ここで、所定回転量は、記録用紙の後端がレジストセンサ110によって検知されてから、当該記録用紙が排紙保持部79へ到達するために十分な回転量が設定される。また、搬送用モータ76の回転量でなく、第1搬送ローラ60又は第2搬送ローラ62が所定回転量回転したかに基づいて判断されてもよい。第1搬送ローラ60及び第2搬送ローラ62の回転量は、例えば、第1搬送ローラ60及び第2搬送ローラ62に隣接して設けられたエンコーダによって検出される。以上の場合には、本発明の排出検知部は、レジストセンサ110及び搬送用モータ76(或いは第1搬送ローラ60又は第2搬送ローラ62)によって構成される。
【0069】
ステップS180において、シートが排出されたと判断された場合は(S180:Yes)、ステップS50に進み、シートが排出されていないと判断された場合は(S180:No)、制御部130によってキャリッジ31がスライドされて当接レバー91から離れる。これにより、キャップ46がノズル面48から離間された第2姿勢へ姿勢変化する(S110)。また、キャップ46が第2姿勢へ姿勢変化した状態で、ポンプが駆動される。キャップ46がノズル面48から離間されているために、インクは吸引されない。つまり、キャップ46内の清掃のための空吸引が実行される(S110)。なお、ステップS40における、インクの吸引中に光センサ111がHIGHレベルとなった後でLOWレベルとなったこと、つまり記録用紙の後端がレジストセンサ110よりも搬送方向の下流側へ到達したことの検知は、そのインクの吸引が完了するまで検知されている。
【0070】
位置検出センサ461によってキャップ46が第2姿勢であることが検知されると、制御部130は、検知された記録用紙が排紙保持部79に排出されるまで空吸引を継続する(S120〜S160)。
【0071】
記録用紙がシートセンサを通過したか否かは所定間隔で所定回数(図7では2回)判断される(S130、S150)。ここで、所定間隔としては、例えば記録用紙がレジストセンサ110の位置から排紙保持部79へ搬送されるのに十分な時間が設定される。ステップS130、S150の何れにおいても、制御部130によって記録用紙が排出されたと判断されないときには(S130:No、S150:No)、記録用紙の排出エラーと判断される。この場合、空吸引が中断され、排出エラーである旨が制御部130によってユーザーに通知される。例えば、その旨が操作パネル121の液晶表示部などに表示される(S160)。
【0072】
ステップS30におけるインクの吸引中に、光センサ111がHIGHレベルとなった後でLOWレベルとなったことが制御部130によって確認されないとき(S40:No)、制御部130によって、以下に記す通常のクリーニング動作が実行される。インクの吸引を開始してから所定時間(例えばノズルなどからインクが十分に吸引される時間)の経過後、制御部130によって、搬送用モータ76が逆回転され、切換部材92が駆動され、ポート切換機構59の状態が第2状態から第1状態へ移行される(S50)。よって、キャップ46とノズル面48との間に形成される空間は、大気から遮断されると共にポンプと非連通状態となる。これにより、ポンプによる吸引量が安定する。その後、制御部130によって、搬送用モータ76が逆回転され、切換部材92が駆動され、ポート切換機構59の状態が第1状態から第2状態へ移行される(S60)。また、制御部130によってキャリッジ31がスライドされて当接レバー91から離れ、キャップ46がノズル面48から離間された第2姿勢に姿勢変化する(S60)。これにより、搬送用モータ76が正回転され、空吸引が実行される(S70)。
【0073】
ステップS70における空吸引中に、光センサ111がHIGHレベルとなった後でLOWレベルとなったことが制御部130によって確認されると(S80:Yes)、用紙が排出されるまで或いは排出エラーと判断されるまで空吸引が継続される(S120〜S160)。なお、ステップS80における、空吸引中に光センサ111がHIGHレベルとなった後でLOWレベルとなったこと、つまり記録用紙の後端がレジストセンサ110よりも搬送方向の下流側へ到達したことの検知は、その空吸引が完了するまで検知されている。
【0074】
ステップS80における確認がされないまま(S80:No)、クリーニングが終了した後に、光センサ111から制御部130にHIGHレベル信号が入力されると(S90:Yes)、制御部130は、記録用紙が複合機10に挿入されていると判断し、搬送用モータ76を正回転させる。これにより、記録用紙が搬送方向の下流側へ搬送され、排紙保持部79へ排紙される(S100)。一方、クリーニング終了後に、光センサ111から制御部130にHIGHレベル信号が入力されないと(S90:No)、シート排出制御は終了する。
【0075】
なお、図7では、ステップS40、S90において、光センサ111がHIGHレベルとなった後でLOWレベルとなったこと、つまり記録用紙の後端がレジストセンサ110よりも搬送方向の下流側へ到達したことが、制御部130によって確認されたときに、ステップS120〜S160の記録用紙の排出処理が実行されると説明した。しかし、光センサ111がHIGHレベルとなったこと、つまり記録用紙の先端がレジストセンサ110に到達したことが、制御部130によって確認されたときに、ステップS120〜S160の記録用紙の排出処理が実行されてもよい。この場合は、ステップS170、S180の処理は実行されなくてもよい。つまり、ステップS30におけるインクの吸引中に、光センサ111がHIGHレベルとなった後でLOWレベルとなったことが、制御部130によって確認されたとき(S40:Yes)、図7において破線矢印で示されるように、キャップ46が第2姿勢へ姿勢変化されてもよい(S110)。
【0076】
[実施形態の効果]
レジストセンサ110によって記録用紙が検知された後に、記録用紙が検知されなくなったことは、記録用紙の後端が第1搬送ローラ60及びピンチローラ61を通過したことを意味する。このような状態で、クリーニングの実行によるポート切換機構59の状態の移行のために、搬送用モータ76が逆回転され、第2搬送ローラが逆回転すると、当該記録用紙が逆搬送され、当該記録用紙は搬送方向の下流側から第1搬送ローラ60及びピンチローラ61の間に適正に挿入されずに複合機10の内部で詰まってしまうおそれがある。上述の実施形態では、レジストセンサ110が記録用紙を検知した後、更に記録用紙を検知しなくなった後に、記録用紙が排紙保持部79へ排出される。つまり、制御部130によって搬送用モータ76が正回転され、第1搬送ローラ60、第2搬送ローラ62及びポンプへ駆動伝達される。これにより、記録用紙が搬送方向の下流側へ搬送され、排紙保持部79へ排出される。したがって、記録用紙が複合機10の内部で逆搬送することによる記録用紙の詰まりを防止できる。
【0077】
キャップ46が第1姿勢のとき、キャップ46とノズル面48の間に密閉空間が形成される。この状態でポンプが駆動されると、ノズルからインクが吸引される。キャップ46が第2姿勢のとき、キャップ46とノズル面48は離間されるため密閉空間は形成されない。そのため、ポンプが駆動されても、ノズルからインクが吸引されることはない。上述の実施形態では、制御部130は、キャップ46が第2姿勢であるときに、第1搬送ローラ60、第2搬送ローラ62及びポンプへ駆動伝達される向きに搬送用モータ76を駆動させて記録用紙を排出するため、インクが吸引されることはなく、無駄なインクの消費を防止することができる。
【0078】
上述したように、レジストセンサ110によって記録用紙の先端が検知されると、制御部130によって、搬送用モータ76が正回転されてもよい。これにより、第1搬送ローラ60、第2搬送ローラ62及びポンプへ駆動伝達され、記録用紙が搬送方向の下流側へ搬送され、排紙保持部79へ排出される。したがって、記録ヘッド30のクリーニング動作中に複合機10へ記録用紙が挿入されても、記録用紙が複合機10の内部で詰まることを防止することが可能である。
【0079】
制御部130は、キャップ46内の気体又は液体の吸引が完了するまでポンプによる吸引を継続するため、インクの吸引が、中途で停止されることはない。また、制御部130は、ポンプによる吸引の完了後に、記録用紙の複合機10からの排出がシートセンサによって検知していない場合、搬送用モータ76を正回転させて記録用紙を排出する。したがって、インクの吸引完了後に、複合機10の内部に残存している記録用紙を複合機10の外部に確実に排出できる。
【0080】
[実施形態の変形例1]
上述の実施形態においては、レジストセンサ110によって検知された記録用紙が排紙保持部79へ排出される際に、キャップ46が第2姿勢へ姿勢変化される形態について説明したが、キャップ46の姿勢に関わらず記録用紙の排紙が実行されてもよい。この場合のシート排出制御の処理手順を、図8のフローチャートに基づいて説明する。なお、図7に示される各手順と同じ手順については、その説明を省略する。
【0081】
ステップS210からS300の処理は、図7におけるステップS10からS100の処理と同様である。ステップS230における吸引中又はステップS270における空吸引中に、光センサ111がHIGHレベルとなった後でLOWレベルとなったことが制御部130によって確認されると(S240、S280)、用紙が排出されるまで或いは排出エラーと判断されるまで吸引又は空吸引が継続される(S310〜S350)。なお、ステップS310からS350の処理は、図7におけるステップS120からS160の処理と同様である。
【0082】
制御部130は、インクの吸引又は空吸引中にレジストセンサ110によって記録用紙が検知されても、キャップ46を姿勢変化させることなく、当該吸引又は空吸引を継続させて、つまり、第1搬送ローラ60及び第2搬送ローラ62の駆動を継続させて、記録用紙を搬送方向の下流側へ搬送する。したがって、記録用紙が迅速に排紙保持部79へ排出される。
【0083】
[実施形態の変形例2]
また、制御部130は、レジストセンサ110によって記録用紙が検知されたときに、ポンプの駆動を停止させてから記録用紙を排出してもよい。この場合のシート排出制御の処理手順を、図9のフローチャートに基づいて説明する。なお、図7に示される各手順と同じ手順については、その説明を省略する。
【0084】
ステップS410からS430の処理は、図7におけるステップS10からS30の処理と同様である。ステップS430におけるインクの吸引中に、光センサ111がHIGHレベルとなったこと、つまり記録用紙の先端がレジストセンサ110に到達したことが制御部130によって確認されたとき(S440:Yes)、制御部130は、メンテナンスユニットによる記録部24のクリーニングを停止してから、記録用紙の排出処理を実行する(S460)。具体的には、制御部130によって搬送用モータ76の駆動が停止されてポンプの駆動が停止される。これにより、インクの吸引が停止される。キャップ46が第2姿勢に姿勢変化される。制御部130によってキャリッジ31が画像記録領域へスライドされる。制御部130によって搬送用モータ76が正回転され、記録用紙の搬送方向の下流側への搬送が開始される。このとき、ポンプが駆動されていても、キャリッジ31が画像記録領域に位置しているため、インクが吸引されることはない。
【0085】
ステップS440における処理は、クリーニングが終了するか(S450)、排出エラーとなるまで繰り返される(S500)。ステップS470からS500までの処理は、図7におけるステップS130からS160の処理と同様である。但し、ステップS470、S490において、制御部130によって記録用紙が排出されたと判断されたときには、クリーニングが再開され(S510)、ステップS440における処理がクリーニングが終了するか(S450)、排出エラーとなるまで繰り返される(S500)。この実施形態においては、ポンプの駆動が停止され、キャップ46が第2姿勢に姿勢変化されてから記録用紙が排出されるため、インクが吸引されることはなく、無駄なインクの消費を防止することができる。
【0086】
[実施形態の変形例3]
また、制御部130は、記録部24が退避位置以外に配置されていることがリニアエンコーダによって検知されたときに、記録用紙の排出を実行してもよい。この場合のシート排出制御の処理手順を、図10のフローチャートに基づいて説明する。なお、図10において、記録部24が退避位置以外に配置されていることがリニアエンコーダによって検知されたときは、ワイプ又はフラッシングが実行されているときとする。上述したように、ワイプの際に使用されるワイパーブレード56は、記録ヘッド30が画像記録領域側、つまり退避位置以外にスライドされる際に突出し、フラッシングの際に記録ヘッド30と対向される廃インクトレイ45は、パージ機構44の反対側、つまり退避位置以外に配設されているからである。また、本実施形態では、CPUなどに設けられたレジスタ、又は、プログラムにおける変数として、用紙排出するか否かを示す排出フラグが設定されている。また、図7に示される各手順と同じ手順については、その説明を省略する。
【0087】
ステップS610及びS620の処理は、図7におけるステップS10及びS20の処理と同様である。次に、記録部24のクリーニングが開始され(S630)、排出フラグが後に用紙排出しないことを示すOFFに設定された後に(S640)、ノズルなどからインクが吸引される(S650)。次に、制御部130によって、図7におけるステップS40からS80と同様の処理が実行される(S660〜S710)。但し、ステップS660において、光センサ111がHIGHレベルとなった後でLOWレベルとなったことが制御部130によって確認されたとき(S660:Yes)、排出フラグが後に用紙排出することを示すONに設定され(S670)、キャップ46が第2姿勢に姿勢変化された後に(S720)、ステップS750における処理が実行される。また、ステップS710において、光センサ111がHIGHレベルとなった後でLOWレベルとなったことが制御部130によって確認されたとき(S710:Yes)、排出フラグがONに設定された後に(S730)、ステップS750における処理が実行される。
【0088】
ステップS750では、ワイプ及びフラッシングが実行される。この場合、ワイプ及びフラッシングの実行により、記録部24が退避位置以外に配置されていることがリニアエンコーダによって検出される。リニアエンコーダによって当該検出がされると、制御部130によって搬送用モータ76が正回転され、レジストセンサ110によって検知された記録用紙が排紙保持部79へ排出される(S750)。
【0089】
一方、ステップS660、S710の何れにおいても、光センサ111がHIGHレベルとなった後でLOWレベルとなったことが制御部130によって確認されないまま(S660:No、S710:No)、空吸引が終了すると、ワイプ及びフラッシングが実行される(S740)。
【0090】
この実施形態においては、記録部24が退避位置以外の位置へ配置されて、ワイプ及びフラッシングが実行されているときに、搬送用モータ76が正回転されポンプが駆動されるため、ノズルなどからインクが吸引されることはない。したがって、無駄なインクの消費を防止することができる。
【符号の説明】
【0091】
10・・・複合機
11・・・プリンタ部
24・・・記録部
59・・・ポート切換機構
60・・・第1搬送ローラ
76・・・搬送用モータ
110・・・レジストセンサ
130・・・制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送路に設けられており、シートを搬送する搬送手段と、
上記搬送路に設けられており、シートの有無を検知するシート検知部と、
正逆転可能な駆動源と、
上記搬送路における上記搬送手段より搬送向きの下流側に設けられており、ノズルが形成されたノズル面を有し、上記ノズルからインク滴を吐出することによってシートに画像を記録する記録部と、
上記ノズル面を覆う第1姿勢及び上記ノズル面から離間する第2姿勢に姿勢変化するキャップと、
上記キャップに連通されて当該キャップ内から気体又は液体を吸引する吸引機構と、
上記駆動源の正転又は逆転のいずれか一方の駆動を上記搬送手段のシートの一方向への搬送の駆動及び上記吸引機構へ伝達し、かつ他方の駆動を上記搬送手段のシートの他方向への搬送の駆動へ伝達する駆動伝達部と、
上記吸引機構の駆動中に、上記シート検知部がシートを検知した後に、上記搬送手段のシートの一方向への搬送の駆動及び上記吸引機構へ駆動伝達される一方の向きに上記駆動源を駆動させてシートを排出する制御部と、を具備するインクジェット記録装置。
【請求項2】
上記シート検知部は、上記搬送手段の上流側の搬送路に設けられており、
上記制御部は、上記シート検知部がシートを検知した後、更にシートを検知しなくなった後に、シートを排出する請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項3】
上記キャップの姿勢を検知するキャップ検知部、を更に備え、
上記制御部は、上記シート検知部がシートを検知した後に、上記キャップが第2姿勢であることが上記キャップ検知部によって検知されたことを条件として、シートを排出する請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
【請求項4】
上記制御部は、上記シート検知部がシートを検知した後に、上記吸引機構の駆動を停止させ、上記キャップを第2姿勢に姿勢変化させた後にシートを排出する請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
【請求項5】
シートが当該装置から排出されたか否かを検知する排出検知部、を更に備え、
上記制御部は、上記シート検知部がシートを検知した場合に、上記キャップ内の気体又は液体の吸引が完了するまで上記吸引機構による吸引を継続し、上記吸引機構による吸引の完了後に、上記排出検知部がシートの当該装置からの排出を検知していないことを条件として、上記搬送手段のシートの一方向への搬送の駆動及び上記吸引機構へ駆動伝達される一方の向きに上記駆動源を駆動させてシートを排出する請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
【請求項6】
上記記録部はシート搬送方向と直交する方向に往復移動可能であり、
上記キャップは、上記記録部の往復移動範囲における退避位置に設けられており、
上記記録部の位置を検知する位置検知部、を更に備え、
上記制御部は、上記記録部が上記退避位置以外に配置されていることが上記位置検知部によって検知されたことを条件として、シートを排出する請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−67983(P2011−67983A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−219361(P2009−219361)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】