説明

インク残量監視方法

【課題】インク室のインク液面に磁石が取り付けられたフロートを浮かべて、インクの液面高さを検出するに際し、液面高さの誤検出を防止したインク残量監視方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、磁石の高さを検出するステップ1と、インク消費量に基づいてインク残量を算出するステップ2と、磁石高さが最低基準高さ以下であり、かつ、インク残量がしきい値未満(例えば50%未満)である場合にのみ、インク室にインク送液するステップ3と、インク送液完了後、所定時間経過後に、磁石の高さを検出するステップ4と、を少なくとも順に備え、ステップ3において、磁石が充填基準高さとなるまで送液可能な量を算出し、該算出結果より算出されたポンプの最大回転時間だけポンプを回すことによりインク送液を行い、ステップ4において磁石が充填基準高さならば、インク残量を満充填状態(例えば100%)とすること、を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サブタンク内におけるインク残量監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンタは、多数のノズルが形成されたプリンタヘッドを印刷媒体に対して相対移動させながらノズルからインクの微粒子を吐出して印刷媒体に塗着させ、印刷面に文字や図形、模様、写真等の情報を描画する装置である。インクジェットプリンタでは、インクの吐出に応じてインクが消費されるため、用途に応じた容量のインクタンク(インクカートリッジ)がプリンタヘッドのキャリッジまたはプリンタ本体に設けられる。商業用の大判広告やのぼり等をプリントする大型のインクジェットプリンタでは、多量のインクが比較的短時間のうちに消費される。このため、このような商業用のインクジェットプリンタでは、一般的に、大容量のインクタンクがプリンタ本体に設けられ、インクタンクとプリンタヘッドとがチューブ等により接続されて、インクの吐出に応じてインクタンクからプリンタヘッドに供給されるように構成される。
【0003】
ここで、プリンタヘッドの内圧が大気圧よりも高くなると、インクがノズルから押し出されて印刷媒体上に滴下し、いわゆる「ぼだ落ち」の問題を生じる。そのため、インクジェットプリンタでは、プリンタヘッドの内圧が大気圧よりもわずかに低い微負圧になるようにインク供給装置が構成されている。従来のインク供給装置として、プリンタ本体に設けたインクタンク(メインタンク)と、キャリッジに設けたプリンタヘッドとの間に小容量のインク室を有したインク供給器(サブタンク)を設け、このインク供給器のインク室を減圧することによりプリンタヘッドを微負圧状態にする「負圧発生方式」のインク供給装置が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0004】
上記方式のインク供給装置においては、ノズルヘのインク供給が途絶えないように、ノズルからのインクの吐出量に応じて、インク供給器のインク室に所定量のインクが貯留されるように制御されている。この制御の一例として、インク室内におけるインクの液面高さを検出して、検出されたインクの液面高さに基づいて行う方法がある。具体的には、ノズルからインクが吐出されて、インクの液面高さが所定の下限高さまで低下したことを検出したとき、メインタンクからインク室にインクを供給させるように制御が行われる。このとき、インク室内におけるインクの液面高さを検出する手段として、例えば特許文献3には、磁石が取り付けられたフロートを上下移動可能にインク液面に浮かべ、対峙する磁石からの磁気を検出するセンサ(ホール素子)を所定の高さ位置(例えば、下限高さ)に配設する構成が開示されている。また上記構成において、センサは、磁石と対峙することで磁石からの磁気を検出できるようになっており、磁気検出の精度を向上させるために、磁石はインクの液面で自由に回転および揺動することを規制された状態で上下移動するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−284207号公報
【特許文献2】特開2006−62330号公報
【特許文献3】特開2001−141547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のようにインク液面に磁石が取り付けられたフロートを浮かべて、インク液面の変化に応じて真っ直ぐ上下移動させてインクの液面高さを検出する場合、前記磁石がタンク内壁面に張りついてしまうなど、何らかの理由により液面と追従しない場合、インクの液面高さを誤検出してしまう場合がある。
例えばフロートが下側に張り付いた場合、インクが満充填状態であっても、インク残量が不十分とみなされ(誤検出)、インク室にインクが補充されてしまう。すると、インク室にはインク供給口と空気経路とがあるが、インク供給口と空気経路とが直結している為、インク供給口からインク室に送液したインクが、そのまま空気経路に流入してしまうなどのおそれがあった。
【0007】
本発明は、このような従来の実情に鑑みて考案されたものであり、インク室のインク液面に磁石が取り付けられたフロートを浮かべて、インク液面の変化に応じて真っ直ぐ上下移動させてインクの液面高さを検出するに際し、何らかの理由によりフロートがインク液面と追従しない場合であっても、液面高さの誤検出を防止できるインク残量監視方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に記載のインク残量監視方法は、液体インクが貯留されるタンクおよび液体インクを吐出するプリンタヘッドにそれぞれ接続され、前記タンクから流入した液体インクを一時貯留した後に前記プリンタヘッドに流出させるインク室と、前記タンクからインク室へインクを送液する送液ポンプと、前記インク室内において上下移動自在に収容され、液体インク中で浮かぶフロート部材及び該フロート部材に取り付けられた液面指示部材と、を少なくとも備えたインク供給器において、前記インク室内において前記フロート部材及び前記液面指示部材が上下移動することにより、該インク室におけるインクの液面高さを検出するインク残量監視方法であって、インク室内の前記液面指示部材の高さを検出するステップ1と、インク消費量に基づいて、インク室内のインク残量を算出するステップ2と、前記ステップ1と前記ステップ2の結果に応じてインク室内にインク送液するステップ3と、インク送液完了後、所定時間経過後に、前記液面指示部材の高さを検出するステップ4と、を少なくとも順に備え、前記ステップ1において検出された前記液面指示部材の高さが最低基準高さ以下であり、かつ、前記ステップ2において算出されたインク残量がしきい値未満である場合にのみ、ステップ3でインクを送液開始し、前記ステップ3において、前記液面指示部材の高さが充填基準高さとなるまで送液可能な量を算出し、算出結果より、前記送液ポンプの最大回転時間を算出し、該算出時間だけ前記送液ポンプを回すことによりインク送液を行い、前記ステップ4において算出された前記液面指示部材の高さが充填基準高さならば、インク残量を満充填状態(例えば100%)と判断すること、を特徴とする。
本発明の請求項2に記載のインク残量監視方法は、請求項1において、前記ステップ1において検出された前記液面指示部材の高さが最低基準高さ以下であり、かつ、前記ステップ2において算出されたインク残量がしきい値以上である場合、又は、前記ステップ1において検出された前記液面指示部材の高さが充填基準高さであり、かつ、前記ステップ2において算出されたインク残量がしきい値未満である場合には、エラー判断すること、を特徴とする。
本発明の請求項3に記載のインク残量監視方法は、請求項1において、前記ステップ4において検出された前記液面指示部材の高さが最低基準高さ以下の場合には、エラー判断すること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のインク残量監視方法では、インク室(サブタンク)内のインク残量制御において、液面指示部材の高さの検出に加えて、インク消費量から算出されるインク残量を併せて監視を強化しているので、インク室内のフロートがタンク内壁面に張り付くなど、何らかの理由により、液面指示部材の高さがインク液面と追従しない場合であっても、液面高さの誤検出を防止することができる。これにより本発明では、送液したインクが空気経路に流入するなどの事態を未然に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】プリンタ装置の斜め前方からの外観斜視図である
【図2】上記プリンタ装置の斜め後方からの外観斜視図である。
【図3】上記プリンタ装置における装置本体の要部構成を示す正面図である。
【図4】インク供給装置の系統図である。
【図5】上記プリンタ装置におけるキャリッジ周辺の斜視図である。
【図6】キャリッジに設けられたサブタンクの概観斜視図である。
【図7】図6中のVII−VII部分を示した断面図である。
【図8】図6中のVIII−VIII部分を示した断面図である。
【図9】インク供給装置の概要ブロック図である。
【図10】本発明のインク残量監視方法の概要を示すフローチャートである。
【図11】本発明のインク残量監視方法のより詳細な工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について説明する。
まず、本発明のインク残量監視方法が適用されるインクジェットプリンタの一構成例について説明する。
なお、本明細書中では、インクジェットプリンタの一例として、印刷対象面に沿った直交二軸のうち、一軸を印刷媒体移動、他の一軸をプリンタヘッド移動としたタイプを採り上げ、紫外光の照射を受けて硬化する紫外線硬化型のインク(いわゆるUVインク)を使用するUV硬化インクジェットプリンタ(以下、プリンタ装置と称する)に適用した構成例について説明する。
このプリンタ装置Pを斜め前方から見た斜視図を図1に示し、斜め後方から見た斜視図を図2に示すとともに、このプリンタ装置Pにおける装置本体1の要部構成を図3に示しており、まず、これらの図面を参照してプリンタ装置Pの全体構成について概要説明する。なお、以降の説明では、図1中に付記する矢印F,R,Uの指す方向を、それぞれ前方、右方、上方と称して説明する。
【0012】
プリンタ装置Pは、大別的には、描画機能を果たす装置本体1、装置本体1を支持する支持部2の前後に設けられロール状に巻かれた未印刷の印刷媒体Mを送り出す送り出し機構3、描画が終了した印刷媒体Mを巻き取る巻き取り機構4などから構成される。
【0013】
装置本体1は、躯体を形成するフレーム10の上下中間部に印刷媒体Mを前後に挿通させる横長窓状のメディア挿通部15が形成され、このメディア挿通部15の下側に位置する下部フレーム10Lに、印刷媒体Mを支持するプラテン20、およびプラテン20に支持された印刷媒体Mを前後に移動させるメディア移動機構30が設けられ、メディア挿通部15の上側に位置する上部フレーム10Uに、プリンタヘッド60を保持するキャリッジ40、およびキャリッジ40を左右に移動させるキャリッジ移動機構50が設けられている。装置本体1には、メディア移動機構30による印刷媒体Mの前後移動、キャリッジ移動機構50によるキャリッジ40の左右移動、プリンタヘッド60によるインクの吐出、後述するインク供給装置100によるインクの供給など、プリンタ装置Pの各部の作動を制御するコントロールユニット80が設けられ、操作パネル88が装置本体1の前面に配設されている。
【0014】
プラテン20は、メディア挿通部15の下側を前後に延びて下部フレーム10Lに設けられており、プリンタヘッド60による左右帯状の描画領域には、印刷媒体Mを水平に支持するメディア支持部21が形成されている。メディア支持部21には、小径の吸着孔が多数開口形成されてその下側に設けられた減圧室(不図示)に繋がっており、真空発生器の作動等により減圧室を負圧に設定したときに、印刷媒体Mがメディア支持部21に吸着保持され、プリント中に印刷媒体Mの位置がずれないようになっている。
【0015】
メディア移動機構30は、上部周面がプラテン20に露出して配設され左右に延びる円筒状の送りローラ31と、この送りローラ31をタイミングベルト32を介して回転駆動するローラ駆動モータ33などからなり、送りローラ31の上方には、各々前後に回動自在なピンチローラ36を有するローラアッセンブリ35が左右に並んで複数設けられている。ローラアッセンブリ35は、ピンチローラ36を送りローラ31に押しつけるクランプ位置と、送りローラ31から離隔させたアンクランプ位置とに設定可能に構成されており、ローラアッセンブリ35をクランプ位置に設定して印刷媒体Mをピンチローラ36と送りローラ31との間に挟み込んだ状態でローラ駆動モータ33を回転駆動することにより、印刷媒体Mが送りローラ31の回転角度(コントロールユニット80から出力される駆動制御値)に応じた送り量で前後に搬送される。なお、図3では、ローラアッセンブリ35をクランプ位置に設定した状態とアンクランプ位置に設定した状態の両方を併記している。
【0016】
キャリッジ40は、送りローラ31と平行に延びて上部フレーム10Uに取り付けられたガイドレール45に、図示省略するスライドブロックを介して左右に移動自在に支持されており、次述するキャリッジ駆動機構50により駆動される。キャリッジ40には、UVインクを吐出するプリンタヘッド60が設けられ、ヘッド下端のノズル面がプラテン20のメディア支持部21と所定ギャップを隔てて対向配置される。
【0017】
プリンタヘッド60は、一般的には、プリンタ装置Pで用いるインクの数量に応じた数のプリンタヘッドが左右に並んで配設され、例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の基本4色のUVインクについて、各色1本ずつインクカートリッジを使用するプリンタ装置の場合には、図5にキャリッジ周辺の斜視図を示すように、各インクカートリッジに対応した4つのプリンタヘッド60(第1プリンタヘッド60C,第2プリンタヘッド60M,第3プリンタヘッド60Y,第4プリンタヘッド60K)が設けられる。キャリッジ40には、後に詳述するインク供給装置100のサブタンク120(第1サブタンク120C,第2サブタンク120M,第3サブタンク120Y,第4サブタンク120K)が各プリンタヘッド60C,60M,60Y,60Kに対応して設けられている。また、図6および図7に示すように、プリンタヘッド60の上面には、フィルタ61bとフィルタ61bを保持するフィルタ保持部材61aとからなるフィルタアッセンブリ61が取り付けられている。フィルタ61bは、サブタンク120から送られるUVインクを濾過するものであり、フィルタ61bにおいて濾過されたUVインクが、プリンタヘッド60のインク室へ送られる。なお、本実施形態におけるプリンタヘッド60は、ピエゾ方式によってインクを吐出させる構成を例示している。
【0018】
キャリッジ40の左右側部に、プリンタヘッド60から印刷媒体Mに吐出されたUVインクに紫外光を照射して硬化させるUV光源が設けられている。UV光源は、キャリッジ40の左側部に設けられた左UV光源70Lと、キャリッジ40の右側部に設けられた右UV光源70Rとからなり、これら左右のUV光源70L,70Rがキャリッジ40に設けられた第1〜第4プリンタヘッド60C,60M,60Y,60Kを左右外側から挟みこむように配設される。左UV光源70Lおよび右UV光源70Rは、波長λ=100〜380nm程度の紫外光を出射する光源、例えば、UVランプやUV−LED等を用いて構成される。左右のUV光源70L,70Rの点滅作動は、キャリッジ駆動機構50によるキャリッジ40の移動およびプリンタヘッド60からのインクの吐出に応じて、コントロールユニット80により制御される。
【0019】
キャリッジ移動機構50は、ガイドレール45を挟んでフレーム10の左右側部に設けられた駆動プーリ51および従動プーリ52と、駆動プーリ51を回転駆動するキャリッジ駆動モータ53、駆動プーリ51と従動プーリ52との間に巻き掛けられた無端ベルト状のタイミングベルト55などから構成される。キャリッジ40はタイミングベルト55に連結固定されており、キャリッジ駆動モータ53を回転駆動することにより、ガイドレールに支持されたキャリッジ40が、キャリッジ駆動モータ53の回転角度(コントロールユニット80から出力される駆動制御値)に応じた移動量でプラテン20の上方を左右に移動される。
【0020】
コントロールユニット80は、プリンタ装置の各部の作動を制御する制御プログラムが書き込まれたROM81、印刷媒体Mに描画する印刷プログラム等を一時記憶するRAM82、RAM82から読みこまれた印刷プログラムや操作パネル88から入力された操作信号等について演算処理を行い、制御プログラムに従って各部の作動を制御する演算処理部83、プリンタ装置Pの作動状態等を表示する表示パネルおよび各種操作スイッチが設けられた操作パネル88などを備え、メディア移動機構30による印刷媒体Mの前後移動、キャリッジ移動機構50によるキャリッジ40の左右移動、インク供給装置100によるインクの供給、プリンタヘッド60の各ノズルからのインク吐出、インク供給装置100によるインクの供給などを制御する。
【0021】
例えば、コントロールユニット80に読み込まれた印刷プログラムに基づいて印刷媒体Mに描画を行う場合において、メディア移動機構30による印刷媒体の前後移動Mと、キャリッジ移動機構50によるキャリッジ40の左右移動とを組み合わせて印刷媒体Mとプリンタヘッド60とを相対移動させ、各プリンタヘッド60から印刷媒体Mにインクを吐出させるとともに、キャリッジ40の移動方向後方に位置するUV光源(例えば、キャリッジ右動時には左UV光源70L)を点灯させて、印刷プログラムに応じた情報を描画する。
【0022】
このように、概要構成されるプリンタ装置Pにあって、キャリッジ40に設けられたプリンタヘッド60にインク供給装置100によりUVインクが供給される。ここで、図4はインク供給装置100の系統図、図6はサブタンク120の外観斜視図、図7は図6中のVII−VII部分における断面図、図8は図6中のVIII−VIII部分における断面図、図9はインク供給装置100の概要ブロック図を示す。
【0023】
インク供給装置100は、プリンタヘッド60に接続されたサブタンク120、このサブタンク120に接続されサブタンク120に供給するUVインクが貯留されたメインタンク110、サブタンク120の内圧を負圧状態に減圧するサブタンク減圧部140、サブタンク120の内圧を正圧状態に加圧するサブタンク加圧部150、メインタンク110に貯留されたUVインクをサブタンク120に移送するインク移送部115などからなり、サブタンク減圧部140およびサブタンク加圧部150が一台の気送ポンプ160により構成される。
【0024】
メインタンク110は、このプリンタ装置Pにおける単位時間当たりのインク消費量に応じた容量のUVインクを貯留し得るように設定される。本実施形態では、前述したC,M,Y,Kの4色について、各色500ml程度の容量のカートリッジ式のメインタンク110(第1メインタンク110C,第2メインタンク110M,第3メインタンク110Y,第4メインタンク110K)を用い、これらのメインタンク110を装置本体1の背面に着脱可能に配設した構成例を示す(図2を参照)。このように構成することにより、後述する液送ポンプ118の揚程の範囲内で大型のメインタンク110を装置本体1の任意の位置に配設することができ、プリンタPの小型化が可能となる。また、メインタンク110を例えば作業者の手の届き易い位置に配設することにより、メインタンク110交換作業の容易化が可能となる。なお、メインタンク110の形態は、円筒容器状や柔軟性のある袋状など他の形態であってもよく、インクタンクの配設位置は、装置本体1の前面側や上部、あるいは装置本体1と別置きなど、適宜に配設することができる。
【0025】
サブタンク120は、図6に示すように、―側方(右方)に開口し、側面視において上下に長い薄型矩形箱状の容体部材121と、この容体部材121の開口面を覆って閉止される蓋部材122とからなり、蓋部材122の閉止によって形成されるタンク内部に、UVインクを貯留するインク貯留室123が形成されている。また、このインク貯留室123と連通し、インク貯留室123の後部において上下に延びる溝状のフロート収容部124が形成されている。フロート収容部124には、中心部にマグネット134aが固着されUVインクに浮揚する円盤状のフロート134が上下移動自在に収容される。なお、本実施形態において、比重が例えば1.0程度のUVインクを使用する場合、フロート134として、このUVインク中で浮かぶ例えば比重が0.25程度のものを用いた構成が好ましい。
【0026】
サブタンク120は、容体部材121の開口縁面にシーラントまたは接着剤を塗布して蓋部材122を閉止することにより一体に接合されるとともに、図示省略するネジ等の締結手段により強固に結合され、インク貯留室123が密閉状態に保持される。蓋部材122および容体部材121の少なくともいずれか一方は、透明または半透明の材料を用いて形成され、インク貯留室123のUVインクの貯留状態、およびUVインク中のフロート134の浮遊状態等を外部から目視確認可能に構成される。なお、蓋部材122として、例えば透明なフィルムを用いることも可能であり、この場合、容体部材121に透明なフィルムを溶着させることにより、インク貯留室123が密閉状態に保持される。
【0027】
サブタンク120の下面側には、容体部材121の底壁121bから下方に突出した短円筒状のコネクタ部125が形成され、このコネクタ部125の内部には下方に向けて開口したコネクタ空間125aが形成されている。コネクタ部125の上方に、底壁121bからインク貯留室123内を上方に延びるブロック状のダクト部126が形成されている。そして、底壁121bを上下に貫通してインク貯留室123の底面とコネクタ空間125aとを繋ぐ第1導出路127aが形成され、ダクト部126および底壁121bを上下に貫通してダクト部126の上面126aとコネクタ空間125aとを繋ぐ第2導出路126bが形成されている。また、コネクタ部125とフィルタアッセンブリ61とが、チューブ69を用いて接続され、チューブ69の内部にはチューブ空間69aが形成されている。よって、サブタンク120のインク貯留室123とプリンタヘッド60のインク室とが、第1導出路127a、第2導出路126b、コネクタ空間125aおよびチューブ空間69aを介して接続される。ここで、第1導出路127aの断面積は、第2導出路126bの断面積よりも小さく形成されている。なお、キャリッジ40を非印刷時の基準位置(いわゆるホームポジション)に位置させた状態において、プリンタヘッド60(60C,60M,60Y,60K)の下方に、UVインクを受け止めるパット状のインクトレイ180が設けられている(図5を参照)。
【0028】
サブタンク120の後面側に、インク貯留室123のUVインクの貯留状態を検出するサブタンク貯留検出部130が設けられている。サブタンク貯留検出部130は、上下に延びて形成されたフロート収容部124に上下移動自在に収容されて、インク貯留室123のUVインクの液面とともに上下移動するフロート134と、このフロート134に固着されたマグネット134aの磁気を検出することにより、UVインクの液面高さを検出する液面検出センサ138から構成される。液面検出センサ138は、マグネット134aの磁気を検出可能なHi検出センサ136HおよびLo検出センサ136Lが取り付けられた液面検出基板135が、ケース部材137に収容されて構成される。ここで、Hi検出センサ136HおよびLo検出センサ136Lは、例えばファラデー素子および磁気インピーダンス素子等を用いて構成することが可能であり、ホール素子が好適に用いられる。なお、マグネット134aとして種々の磁石を用いることが可能であり、異方性フェライト磁石が好適に用いられる。
【0029】
容体部材121の後方壁121rには、上下に延びる溝状のセンサ装着部131が形成されており、このセンサ装着部131に液面検出センサ138が挿入されている。そして、図7に示すように、例えばケース部材137の取付孔137aに取付ネジ139を挿通させて締結することにより、液面検出センサ138が後方壁121rに装着固定される。液面検出センサ138が装着固定された状態において、Hi検出センサ136Hは、インク貯留室123におけるUVインクの液面が最高位置(充填基準高さ(Middle))に達したことを検出可能な機能を備えている。一方Lo検出センサ136Lは、インク貯留室123におけるUVインクの液面が最低位置(最低基準高さ(Low))に達したことを検出可能な機能を備えている。
【0030】
また、液面検出センサ138は図7に示すように、後方壁121rを挟んでフロート134と対向配置されており、フロート134に固着されたマグネット134aの磁気をHi検出センサ136HまたはLo検出センサ136Lで検出することにより、フロート134の高さ位置、すなわち、インク貯留室123に貯留されたUVインクの液面高さを検出可能になっている。また、図7から分かるように、フロート収容部124の内壁とフロート134(マグネット134a)の前後側面とは近接しており、そのため、フロート134がUVインクの液面高さに応じてフロート収容部124を略真っ直ぐに上下移動自在となっている。この構成から、インク貯留室123のUVインクの液面高さは、液面検出センサ138において検出されて、その検出結果はコントロールユニット80に出力される。
【0031】
本実施形態では、Hi検出センサ136HおよびLo検出センサ136Lを用いた構成を例示したが、例えば、液面検出基板135に3つ以上の検出センサを上下に並べた構成でも良い。このように構成すると、液面検出センサ138がインク貯留室123のUVインクの液面高さ位置を細かく検出可能となる。そして、検出された液面高さ位置に基づいて、例えばUVインクの残量の時間的推移を把握した上で、必要になると予測される次の処理をオペレータに報知する制御等が可能となる。
【0032】
サブタンク120の前面側には、図7に示すように上下中間の所定高さ位置に、容体部材121の前方壁121fを前後に貫通するインク導入路が形成され、このインク導入路に接続するチューブコネクタ128が設けられている。また、サブタンク120の上面側には、容体部材121の天井壁121tを上下に貫通する気体導入路が形成され、中心部に気体導入孔129aが形成されたチューブコネクタ129が、この気体導入路に接続されている。
【0033】
また、図7に示すように、チューブコネクタ129の下方のインク貯留室123には、逆流防止部132が形成されている。逆流防止部132は、フロート支持部132aおよび封止用フロート133を主体に構成される。フロート支持部132aは前後―対となっており、それぞれ天井壁121tの下面から下方に垂直部132eが延びており、その先端部が前後に折曲して係止リブ132bが形成されている。係止リブ132a,132bは、前後にリブ間隙132cを隔てて位置し、また、フロート支持部132aは、図8に示すように蓋部材122との間に左右間隙132dを有している。そして、封止用フロート133は、前後一対のフロート支持部132aによって囲まれて上下に延びた封止用フロート収容部132fに収容されて、上下移動自在となっている。また、封止用フロート133は、封止用フロート収容部132f内において上限位置まで上昇したとき、気体導入孔129aの下端開口部と当接して、気体導入孔129aを塞ぐことができる大きさに形成されている。なお、後述するサブタンク減圧部140によるインク貯留室123の圧力制御は、インク貯留室123の空気を主に左右間隙132dを通過させて気体導入孔129aに吸引することにより行われる。また、後述するサブタンク加圧部150によるインク貯留室123の圧力制御は、空気を気体導入孔129aから主に左右間隙132dを通過させてインク貯留室123に流入させることにより行われる。また、封止用フロート133として、例えば比重が0.25程度のものを用いた構成が好ましい。
【0034】
インク移送部115は、メインタンク110とサブタンク120との間を結ぶメイン供給回路116により形成される。メイン供給回路116は、メインタンク110と液送ポンプ118とに接続されたインク吸入ライン117a、液送ポンプ118とチューブコネクタ128とに接続されたインク送出ライン117b、装置本体1に設けられてメインタンク110に貯留されたUVインクをサブタンク120に供給する液送ポンプ118などから構成される。液送ポンプ118は、インク吸入ライン117aがUVインクで満たされず空気が混入した状態であっても、UVインクをサブタンク120に圧送し得るポンプであり、例えばチューブポンプやダイヤフラムポンプが好適に用いられる。
【0035】
サブタンク減圧部140は、サブタンク120と気送ポンブ160の吸入口161との間を結ぶ負圧回路141により形成される。負圧回路141は、その主要構成機器を図4中に枠Aで囲んで示すように、気密容器により構成されるエアチャンバー142、負圧回路141の圧力を検出する圧カセンサ144、負圧回路141を開閉する負圧制御弁145、およびこれらの機器を接続して気送ポンプの吸入口161とサブタンク120との間を結ぶチューブにより形成されるライン147(147a,147b,147c,147d)などから構成される。なお、図4中に枠Cで囲まれた部分がキャリッジ40に設けられ、枠外の部分が装置本体1に設けられる機器である。
【0036】
エアチャンバー142は、気送ポンプ160の吸入口161と接続されており、気送ポンプ160の作動によりチャンバー内の空気が排気されて負圧状態に減圧される。エアチャンバー142には、負圧状態に減圧されたチャンバー内に空気を導入する空気導入ライン147iが設けられている。この空気導入ライン147iには、空気の流量を調整する流量調整弁143aおよび除塵用のエアフィルタ143bが設けられている。流量調整弁143aは、気送ポンプ160とサブタンク120が負圧回路141を介して接続された状態において、エアチャンバー142に流入する空気の流量を調整することによりエアチャンバー142の内圧を定圧化させる。これにより、インク貯留室123の内圧が、ノズル部におけるメニスカス形成に適宜な−1〜−2kPa程度の所定の負圧(例えば−1.2kPaの負圧:以下「設定負圧」という)になるように設定される。
【0037】
負圧制御弁145は、エアチャンバー142とサブタンク120との間に位置してキャリッジ40に設けられており、ライン147cとライン147dとを連通状態と遮断状態とに切り替える電磁弁である。本実施形態においては、負圧制御弁145として三方弁を用いた構成を例示しており、負圧制御弁145のコモンポート(COM)にライン147c、ノーマルオープンポート(NO)にライン147dが接続され、ノーマルクローズポート(NC)はライン147xおよびサイレンサ148を介して大気に開放されている。
【0038】
このため、負圧制御弁145がオフのとき(印刷中や待機中など通常の稼働時、およびインク充填時)には、ライン147cとライン147dとが接続されて負圧回路141が連通状態に設定され、吸入口161とサブタンク120とが後述する合流回路171を介して接続される。一方、負圧制御弁145がオンのとき(クリーニング時等)には、ライン147cとライン147dの接続が切り離されて負圧回路141が遮断されるとともに、ライン147cがライン147xに繋がり、気送ポンプ160の吸入口側の回路が大気に開放される。負圧制御弁145はコントロールユニット80に接続されており、コントロールユニット80によりオン/オフ制御される。
【0039】
圧カセンサ144は、±5kPa程度の検出領域を有し、エアチャンバー142と負圧制御弁145の間に設けられたゲージ圧タイプの圧力センサであり、サブタンク近傍のライン147の圧力を検出する。圧カセンサ144の検出信号は、コントロールユニット80に入力されている。
【0040】
サブタンク加圧部150は、サブタンク120と気送ポンプ160の吐出口162との間を結ぶ正圧回路151により形成される。正圧回路151は、この回路を構成する主要構成機器を図4中に枠Bで囲んで示すように、空気の流量を調整する流量調整弁153a、除塵用のエアフィルタ153b、正圧回路151の圧力を検出する圧カセンサ154、正圧回路151を開閉する正圧制御弁155、およびこれらの機器を接続して気送ポンプ160の吐出口162とサブタンク120との間を結ぶチューブにより形成されるライン157(157a,157b,157c,157d)などから構成される。流量調整弁153aは、気送ポンプ160とサブタンク120とが正圧回路151により接続された状態において、正圧回路151を流れる空気流量を調整することによりインク貯留室123の内圧が所定以上に上昇しないように調整するバルブである。
【0041】
正圧制御弁155は、流量調整弁153aとサブタンク120との間に位置してキャリッジ40に設けられており、ライン157cとライン157dとを連通状態と遮断状態とに切り替える電磁弁である。本実施形態においては、正圧制御弁155として三方弁を用いた構成を例示しており、正圧制御弁155のコモンポート(COM)にライン157c、ノーマルクローズポート(NC)にライン157dが接続され、ノーマルオープンポート(NO)はライン157xおよびサイレンサ158を介して大気に開放されている。
【0042】
このため、正圧制御弁155がオフのとき(印刷中や待機中など通常の稼働時、およびインク充填時)には、ライン157cとライン157dの接続が切り離されて正圧回路151が遮断されるとともに、ライン157cがライン157xに繋がり、気送ポンプ160の吐出口側の正圧回路が大気に開放される。一方、正圧制御弁155がオンのとき(クリーニング時等)には、ライン157eとライン157dとが接続されて正圧回路151が連通状態に設定され、吐出口162とサブタンク120が合流回路171を介して接続される。正圧制御弁155はコントロールユニット80に接続されており、コントロールユニット80によりオン/オフ制御される。
【0043】
圧カセンサ154は、±50kPa程度の検出領域を有してキャリッジ40に設けられたゲージ圧タイプの圧力センサであり、サブタンク近傍のライン157の圧力を検出する。圧カセンサ154の検出信号は、コントロールユニット80に入力されている。
【0044】
気送ポンプ160は、吸入口161に接続された負圧回路141から空気を吸入し、吸入した空気を吐出口162に接続された正圧回路151に圧送するポンプであり、吐出口162および吸入口161に所定の正負圧力を発生する形態のポンプが用いられる。例えば、±40kPa程度の正負圧力を発生させるダイヤフラムポンプが好適に用いられる。
【0045】
負圧回路141と正圧回路151とは、サブタンク120に向かう途上で合流し、合流回路171が形成される。合流回路171は、ライン147dおよびライン157dが合流して形成されサブタンクに接続されるライン177と、合流回路171を開閉する合流回路開閉弁175とから構成される。合流回路開閉弁175は、サブタンク120の数量に対応して設けられており、本実施形態においては、この合流回路開閉弁175において合流回路171(ライン177)が4つに分岐され、分岐された各合流回路(ライン177C,177M,177Y,177K、一部符番を省略)を個々に開閉可能に構成される場合を例示している。合流回路開閉弁175の作動はコントロールユニット80により制御される。
【0046】
以上のように構成されるインク供給装置100にあって、液送ポンプ118、負圧制御弁145、正圧制御弁155、気送ポンプ160の作動がコントロールユニット80によって以下のように制御される。なお、これまでの説明から明らかなように、UVインクの供給系については4つの系統(C,M,Y,K)について同様であるため、各系統に共通する事項については、これらの添え宇を省略して説明する。
【0047】
(通常運転時の制御)
プリンタ装置Pのメイン電源がオンされると、コントロールユニット80はROM81に記憶された制御プログラムを読み出し、読み出された制御プログラムに基づいてプリンタ装置各部の作動を制御する。インク供給装置100については、気送ポンプ160に電力を供給して回転駆動状態とし、すべての合流回路開閉弁175をオンにする。このとき、サブタンクの内圧を負圧に維持(すなわち、負圧制御弁145および正圧制御弁155がともにオフの状態)した後に、すべての合流回路開閉弁175をオンにすることが好ましい。そして、合流回路開閉弁175をオンにした後、負圧制御弁145および正圧制御弁155は、ともにオフのままとする。これにより負圧回路141では、ライン147cとライン147dとが連通して吸入口161とインク貯留室123とが接続され、正圧回路151では、ライン157cとライン157xとが接続されて気送ポンプ160の吐出口側の回路が大気に開放される。このため、吸入口161に接続されたライン147内の空気が吸引されてエアチャンバー142が負圧に減圧され、流量調整弁143aにより調整された流入空気流量と気送ポンプ160により吸引される空気量とのバランスで定まる略一定の圧力で安定する。ここで、4つのサブタンクのインク貯留室123の内圧が、すべて同一の設定負圧に設定された状態で安定保持される。こうしてプリンタ装置Pが起動すると、以降、気送ポンプ160は継続運転され、印刷プログラムの実行中、待機中を問わずサブタンク120の内圧が常時設定負圧に保持される。
【0048】
通常運転時にあっては、サブタンク120のインク貯留室123にある程度UVインクが貯留されている。このUVインクの貯留量は、UVインクの液面とともに上下移動するフロート134に固着したマグネット134aの磁気が、Hi検出センサ136Hによって検出されて、インク貯留室123におけるUVインクの液面が最高位置(充填基準高さ)に達したことを検出できるようになっている(「Middle」状態)。一方、マグネット134aの磁気が、Lo検出センサ136Lによって検出されて、インク貯留室123におけるUVインクの被面が最低位置(最低基準高さ)に達したことを検出できるようになっている(「Low」状態)。
【0049】
インク貯留室123に貯留されたUVインクは、印刷プログラムの実行等によりプリンタヘッド60のノズルから吐出されて消費され、貯留されたUVインクが徐々に減少する。そして、インク貯留室123に貯留されたUVインクが所定量以下になったときに、メインタンク110に貯留されたUVインクがインク移送部115によりサブタンク120に供給されてUVインクが補充される。
【0050】
従来のインク残量監視方法においては、具体的に、インク貯留室123に貯留されたUVインクが減少すると、UVインクの液面高さは下がり、フロート134も液面高さに応じてフロート収容部124を下方に移動される。そして、UVインクの残留量が所定量以下となったときに、フロート134に固着されたマグネット134aの磁気が、最低位置のLo検出センサ136Lによって検出される。
液面検出センサ138から上記検出信号を受けたコントロールユニット80は、インク貯留室123が負圧状態に減圧された状態で液送ポンプ118を起動する。メインタンク110から液送ポンプ118により送り出されたUVインクは、ライン117bを通ってチューブコネクタ128からインク貯留室123に供給され、インク貯留室123の貯留インク量が増大する。
このとき、貯留インク量の増大とともにUVインクの液面高さは上がり、フロート134も液面高さに応じてフロート収容部124を上方に移動される。そして、フロート134に固着されたマグネット134aの磁気が、最高位置のHi検出センサ136Hによって検出されたとき液送ポンプ118を停止させることにより、インク貯留室123へのUVインクの補充が完了する。
【0051】
ところで、何らかの理由によりフロート134およびマグネット134aがUVインク液面と追従しなかったり、フロート134およびマグネット134aの高さより検出されるUVインク液面と、実際のUVインク残留量とが一致しない場合がある。
例えばフロート134およびマグネット134aが、フロート収容部124において何らかの原因によって、所定量以下の上下高さに位置したまま動かなくなった場合を想定する。上述のようにコントロールユニット80は、マグネット134aの磁気がHi検出センサ136Hによって検出されるまで液送ポンプ118を稼動させてしまう。このため、充填基準高さを超えた後もUVインクが供給され続け、UVインクが気体導入孔129aに流入して逆流してしまうおそれがある。
【0052】
その他にも、UVインク液面の誤検出の要因としては、例えばフロート部材134がサブタンク120(フロート収容部124)壁面に張り付く場合の他、ノズル抜け、インク漏れ、エージングによるUVインク流入、等が挙げられる。
ノズル抜けの場合、インク吐出動作しても、実際には吐出しておらず、FW(Firm Ware)ではインク吐出命令を出したことでインク消費したと判断するが、実際にはインクは消費していない。この場合の状態は、マグネット134aの高さが充填基準高さ(Middle)であり、UVインク残量は「少ない」である。
インク漏れは、サブタンク120(インク貯留室123)からUVインクが漏れている状態で、FWではインク消費していないが、実際にはインク消費している。この場合の状態は、マグネット134aの高さが最低基準高さ(Low)であり、UVインク残量が「変化なし」である。
エージングによるインク流入は、スライダーが左右に揺れることで、サブタンク120(インク貯留室123)内にUVインクが流入する。この場合、FWではポンプを回していないのでUVインクは流入しない。しかし実際には、UVインクが流入するおそれがある。この場合の状態は、マグネット134aの高さが充填基準高さである(Middle)であり、UVインク残量が「変化なし」である。
【0053】
そこで本発明では、サブタンク120内のインク残量制御において、フロートがサブタンク120(フロート収容部124)内壁面に張り付くなど、何らかの理由により、フロートがUVインク液面と追従しなかったり、マグネット134aの高さより検出されるUVインク液面と、実際のUVインク残留量とが一致しない場合であっても、送液したUVインクが空気経路に流入しないよう、FWでの監視を強化し、不測の事態に対応できるようにした。
すなわち、本発明では、印字中におけるインク補充制御において、(1)サブタンクへのインク送液開始条件を厳重化した。(2)サブタンクへのインク送液時間の計算を明確化した。(3)サブタンクへのインク送液後にインク消費量を更新し、インク補充実施後におけるエラー発生要件を明確化した。
なお、以下の説明において、「マグネット134a(液面指示部材)の高さが最低基準高さ(Low)である」とは、「フロート134に固着されたマグネット134a(液面指示部材)の磁気が、最低位置のLo検出センサ136Lによって検出されたこと」を意味するものとする。また、「マグネット134a(液面指示部材)の高さが充填基準高さ(Middle)である」とは、「フロート134に固着されたマグネット134aの磁気が、最高位置のHi検出センサ136Hによって検出されたこと」を意味するものとする。
【0054】
具体的には、まず、(1)サブタンク120へのインク送液開始条件について、従来は、マグネット監視は一定時間ごとに行っており、従来は、最低基準高さ(Low)を3回連続で検出したときに、インク送液を開始していた。また、インク送液後もなおマグネット134aの高さが最低基準高さ(Low)の場合、エラー判断していた。
これに対し、本発明では、上述した従来の検出方法、かつ、インク消費量に基づいて算出されるUVインク残量が所定量(例えば50%)以下となったときに、インク送液を開始する。このようにインク送液開始条件を厳重化することで、例えばフロートが下側に張り付いているような場合であってもインク送液されるのを防止することができる。
【0055】
また、(2)サブタンク120へのインク送液時間の計算についてであるが、従来は、マグネット134aの高さが充填基準高さ(Middle)となるまで、パラメータで指定した最大時間だけ液送ポンプを回していた。
これに対し、本発明では、マグネット134aの高さが充填基準高さ(Middle)となるまで送液可能な量を算出し、その算出結果より、液送ポンプ118の最大回転時間を算出し、該算出時間だけ液送ポンプ118を回す。これによりインク送液時間が明確化され、UVインクが過剰にサブタンク120へ送液されるのを防止することができる。
【0056】
また、(3)送液後のインク消費量の更新(インク補充実施後のエラー発生要件)について、従来は、補充でインク送液後においても最低基準高さ(Low)であればエラー判断していた。
これに対し本発明では、補充でインク送液後、マグネット134aの高さが充填基準高さ(Middle)ならば、UVインク残量を満充填状態(例えば100%)と判断する。加圧後の補充でインク送液後、マグネット134aの高さが最低基準高さ(Low)ならばエラー判断する。これにより、インク送液後におけるエラーの発生を見つけやすくなる。
【0057】
このように本発明では、サブタンク120内のインク残量制御において、フロート134に固着されたマグネット134aの高さによるUVインク液面の検出に加えて、インク消費量に基づくUVインク残量を併せて監視を強化しているので、サブタンク120内のフロートがタンク内壁面に張り付くなど、何らかの理由により、フロート134及びマグネット134aがUVインク液面と追従しなかったり、マグネット134aの高さより検出されるUVインク液面と、インク消費量に基づいて算出されるUVインク残量とが一致しない場合であっても、液面高さの誤検出を防止することができる。これにより本発明では、万が一フロート134に固着されたマグネット134aによるUVインクの液面高さの検出が正常に行えない事態に陥っても、送液したUVインクが気体導入孔129aに流入して逆流するなどの事態を未然に防止できる。
【0058】
図10は、本発明の、印字中におけるサブタンク内のインク残量監視の概要を示すフローチャートである。
このインク残量監視方法は、サブタンク120内のフロート134(及びマグネット134a)の高さを検出するステップ1(S1)と、サブタンク120内のUVインク残量を算出するステップ2(S2)と、前記ステップ1と前記ステップ2の結果に応じてサブタンク120内にインク送液するステップ3(S3)と、サブタンク120内のフロート134(及びマグネット134a)の高さを算出するステップ4(S4)と、を少なくとも順に備える。
以下、ステップ順に説明する。
【0059】
(1)サブタンク120内のフロート134に固着されたマグネット134aの高さを検出する(ステップ1)。
具体的には、サブタンク120のインク貯留室123に貯留されたUVインクが減少すると、UVインクの液面高さは下がり、フロート134も液面高さに応じてフロート収容部124を下方に移動される。そして、UVインクの液面高さが所定の最低基準高さ以下となったときに、フロート134に固着されたマグネット134aの磁気が、最低位置のLo検出センサ136Lによって検出される。
【0060】
(2)サブタンク120内のインク残量を算出する(ステップ2)。
次に、サブタンク120のUVインク残量を算出する。ここで、UVインク残量は、サブタンク120内のUVインク消費量から求める。
サブタンク120内のUVインク消費には、(a)作図・フラッシングによるインク吐出の場合と、(b)充填・クリーニングによるパージの場合とがある。その消費量は、(a)の場合、吐出ドット数×ドットボリュームであり、(b)の場合、パージ時間に依存する。
【0061】
(3)前記ステップ1と前記ステップ2の結果に応じてサブタンク120内にインク送液する(ステップ3)。
前記ステップ1において検出されたマグネット134aの高さと、前記ステップ2において算出されたUVインク残量の結果に応じて、サブタンク120にUVインク送液するか否か、或いはエラー発生か、を判断する。
具体的には、ステップ1で検出されたマグネット134aの高さが最低基準高さ(Low)であり、ステップ2で算出されたUVインク残量がしきい値未満の場合、UVインクを送液開始する。
ここで、前記しきい値は、その値になったときにインクの送液を開始すれば、インクの吐出する速度を考えても、インクの吐出が間に合わなくなることがないような数値ということができる。すなわち、そのしきい値は、ノズルからのインク消費スピードとサブタンク内のインク残量との関係、及び、サブタンクのインク収容可能量(容量)から決定される値である。しきい値の一例として、例えば50%という数値が挙げられるが、特に限定されるものではない。しきい値の他の例としては、例えば、40%、45%、55%、60%が挙げられる。
【0062】
ステップ1で検出されたマグネット134aの高さが最低基準高さ(Low)ではなく(Lo検出センサ136Lによる検出がなく)、かつ、ステップ2で算出されたUVインク残量がしきい値未満の場合、エラー判断する(S3−1)。この場合のエラー原因は、フロート上側張り付き、ノズル抜け、又は誤差(字際の吐出量と計算値とのズレ)と考えられる。このとき、UVインク残量条件を20%未満とすれば、より正確な判断ができる、
ステップ1で検出されたマグネット134aの高さが最低基準高さ(Low)であり、かつ、ステップ2で算出されたUVインク残量がしきい値以上の場合、エラー判断する(S3−2)。この場合のエラー原因は、フロート下側張り付き、又は送液ポンプの故障又は供給源のインク不足と考えられる。このとき、UVインク残量条件を80%以上とすれば、より正確な判断ができる。
ステップ1で検出されたマグネット134aの高さが最低基準高さ(Low)ではなく(Lo検出センサ136Lによる検出がなく)、かつ、ステップ2で算出されたUVインク残量がしきい値以上の場合、UVインク送液は行わない。
【0063】
そして、ステップ1で検出されたマグネット134aの高さが最低基準高さ(Low)であり、かつ、ステップ2で算出されたUVインク残量がしきい値未満である場合にのみ、サブタンク120へインク送液(補充)する。
このように、マグネット134aの高さ検出に加えて、インク消費量に基づくUVインク残量を併せてインク送液(補充)の必要の有無について判断しているので、マグネット134aの高さより検出されるUVインク液面と、インク消費量に基づいて算出されるUVインク残量とが一致しない場合であっても、液面高さの誤検出の可能性を大幅に減少させることができる。
【0064】
そして、コントロールユニット80は、フロート134(マグネット134a)の高さが充填基準高さとなるまで送液可能な量を算出し、該算出結果より、前記液送ポンプ118の最大回転時間を算出し、該算出時間だけ液送ポンプ118を回すことによりインク送液を行う。
送液時間(ポンプ回転時間)は、例えば(送液可能量)÷(単位時間当たりの送液量)により求められる。
コントロールユニット80は、インク貯留室123が負圧状態に減圧された状態で液送ポンプ118を起動する。メインタンク110から液送ポンプ118により送り出されたUVインクは、ライン117bを通ってチューブコネクタ128からインク貯留室123に供給され、インク貯留室123の貯留インク量が増大する。
このとき、貯留インク量の増大とともにUVインクの液面高さは上がり、フロート134及びマグネット134aも液面高さに応じてフロート収容部124を上方に移動される。
【0065】
(4)インク送液完了後、所定時間経過後に、サブタンク120内のマグネット134aの高さを検出する(ステップ4)。
液送ポンプ118の回転停止後、中間残量監視として、サブタンク120内のマグネット134aの高さを検出する。
そして、所定時間(例えば1秒間とする)連続で、検出されたマグネット134aの高さが最低基準高さ(Low)ではない場合(Lo検出センサ136Lによる検出がない場合)、或いは、検出されたマグネット134aの高さが充填基準高さ(Middle)の場合、インク補充成功としてUVインク残量を満充填状態(例えば100%)に変更する(S5)。その後、通常残量監視に戻る。
一方、検出されたマグネット134aの高さが所定時間(例えば1秒間とする)連続で最低基準高さ(Low)である場合、インク補充エラー(補充失敗)と判断する(S6)。
【0066】
このように、本発明のインク残量監視方法では、フロート134に固着されたマグネット134aの高さによるUVインク液面の検出に加えて、インク消費量に基づくインク残量を併せて監視を強化しているので、何らかの理由により、フロート134及びマグネット134aがインク液面と追従しなかったり、マグネット134aの高さより検出されるUVインク液面と、インク消費量に基づいて算出されるUVインク残量とが一致しない場合であっても、液面高さの誤検出を防止することができる。また、本発明では、マグネット134aの高さによるUVインク液面の検出と、インク消費量に基づくUVインク残量を併せて監視することで、何らかのエラーが発生したときに、その原因を容易に推察することが可能となる。
【0067】
図11は、本発明のインク残量制御のより詳細な工程を示すフローチャートである。
まず、インク送液、クリーニング・充填を行う(S10)。
次に、フロート134(及びマグネット134a)の高さを検出する(S11)。
S11において検出されたフロート134の高さが最低基準高さ(Low)の場合、インク消費量よりUVインク残量を算出する(S12)。
S12において算出されたUVインク残量がしきい値以上の場合、エラー判断する(S13)。この場合のエラー原因は、フロート張り付き、又はインク漏れと考えられる。
S12において算出されたUVインク残量がしきい値未満の場合、最大ポンプ回転時間を算出する(S14)。ここで、フロート134の高さが充填基準高さ(Middle)となるまで送液可能な量を算出し、該算出結果より液送ポンプ118の最大回転時間を算出する。
【0068】
その後、ポンプ回転を開始する(S15)。S14において算出した最大回転時間だけ液送ポンプ118を回し、インクを送液する。
所定時間待機(wait)する(S16)。
その後、フロート134の高さを確認する(S17)。
S17においてフロート134の高さが最低基準高さ(Low)の場合、一定時間(S14において算出されたポンプ回転時間)が経過したかどうかを確認する(S18)。そして時間オーバーの場合、ポンプ回転を停止する(S19)。
一方、S17においてフロート134の高さが充填基準高さ(Middle)の場合、一定時間(S14において算出されたポンプ回転時間)内であってもポンプを回転停止する(S19)。
【0069】
ポンプ回転停止後、フロート134の高さを確認する(S20)。
S20において検出されたフロート134の高さが充填基準高さ(Middle)の場合、インク補充成功と判断し、UVインク残量を満充填状態に変更する(S21)。その後、一定時間パージする(S22)
一方、S20において検出されたフロート134の高さが最低基準高さ(Low)検出の場合、一定時間パージする(S22)。
【0070】
また、S11において検出されたフロート134の高さが充填基準高さ(Middle)場合、UVインク残量を算出する(S23)。
S24においてUVインク残量がしきい値以上の場合、一定時間パージする(S22)。
一方、S23において算出されたUVインク残量がしきい値未満の場合、エラー判断する(S24)。この場合のエラー原因としては、例えばフロート張りつき又はノズル抜けが考えられる。
パージ(S22)後、所定時間待機し(S25)、その後、ワイプする(S26)。
そして、フロート134の高さを検出する(S27)。
S27において検出されたフロート134の高さが最低基準高さ(Low)の場合、ポンプ回転開始する(S28)
【0071】
所定時間待機した(S29)後、フロート134の高さを確認する(S30)。
S30において検出されたフロート134の高さが充填基準高さ(Middle)の場合、ポンプ回転停止する(S31)。
一方、S30において検出されたフロート134の高さが最低基準高さ(Low)の場合、一定時間経過したかどうかを確認する(S32)。そして時間内であれば再び待機する(S29)。
S32において時間オーバーであれば、ポンプ回転を停止する(S31)。
【0072】
ポンプ回転停止後、フロート134の高さを検出する(S33)。
S33において検出されたフロート134の高さが最低基準高さ(Low)の場合、エラー判断する(S34)。この場合のエラー原因としては、例えばフロートLow張り付き、送液ポンプの故障、供給源のインク不足が考えられる。
S33において検出されたフロート134の高さが充填基準高さ(Middle)の場合、または、S27において検出されたフロート134の高さが充填基準高さ(Middle)の場合、2秒間送液する(S35)。
以上により、終了となる。
【0073】
以上、本発明のインク残量監視方法について説明してきたが、本発明は上述した例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
例えば上述した説明では、プリンタ装置Pが備えるサブタンクにおいて、フロート(フロート部材)およびマグネット(液面指示部材)が、フロート収容部124に収容されている場合を例に挙げて説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、プリンタ装置Pがフロート収容部124を有さず、フロートおよびマグネットが、サブタンク120のインク貯留室123に収容されているような場合であっても本発明は適用可能である。
また、上述した説明では、UVインクを用いた場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の種類のインクを用いた場合であっても本発明は適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、サブタンク内において、フロートを用いたインク残量監視方法に広く適用可能である。
【符号の説明】
【0075】
P プリンタ装置(インクジェットプリンタ)、60 プリンタヘッド(60C:第1プリンタヘッド、60M:第2プリンタヘッド、60Y:第3プリンタヘッド、60K:第4プリンタヘッド)、110 メインタンク(110C : 第1メインタンク、110M : 第2メインタンク、110Y:第3メインタンク、110K : 第4メインタンク)、120 サブタンク(120C:第1サブタンク、120M: 第2サブタンク、120Y:第3サブタンク、120K:第4サブタンク)(インク供給器)、123 インク貯留室(供給用インク室)、124 フロート収容部(検出用インク室)、129a 気体導入孔、131 センサ装着部(装着部)、134 フロート(フロート部材)、134a マグネット(液面指示部材、磁石)、135 液面検出基板(基板)、136H Hi検出センサ(磁気センサ)、136L Lo検出センサ(磁気センサ)、138 液面検出センサ(液面検出部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体インクが貯留されるタンクおよび液体インクを吐出するプリンタヘッドにそれぞれ接続され、前記タンクから流入した液体インクを一時貯留した後に前記プリンタヘッドに流出させるインク室と、前記タンクからインク室へインクを送液する送液ポンプと、
前記インク室内において上下移動自在に収容され、液体インク中で浮かぶフロート部材及び該フロート部材に取り付けられた液面指示部材と、を少なくとも備えたインク供給器において、
前記インク室内において前記フロート部材及び前記液面指示部材が上下移動することにより、該インク室におけるインクの液面高さを検出するインク残量監視方法であって、
インク室内の液面指示部材の高さを検出するステップ1と、
インク消費量に基づいて、インク室内のインク残量を算出するステップ2と、
前記ステップ1と前記ステップ2の結果に応じてインク室内にインク送液するステップ3と、
インク送液完了後、所定時間経過後に、前記液面指示部材の高さを検出するステップ4と、を少なくとも順に備え、
前記ステップ1において検出された前記液面指示部材の高さが最低基準高さ以下であり、かつ、前記ステップ2において算出されたインク残量がしきい値未満である場合にのみ、ステップ3でインクを送液開始し、
前記ステップ3において、前記液面指示部材の高さが充填基準高さとなるまで送液可能な量を算出し、該算出結果より、前記送液ポンプの最大回転時間を算出し、該算出時間だけ前記送液ポンプを回すことによりインク送液を行い、
前記ステップ4において、前記液面指示部材の高さが充填基準高さならば、インク残量を満充填状態と判断すること、を特徴とするインク残量監視方法。
【請求項2】
前記ステップ1において検出された前記液面指示部材の高さが最低基準高さ以下であり、かつ、前記ステップ2において算出されたインク残量がしきい値以上である場合、又は、
前記ステップ1において検出された前記液面指示部材の高さが充填基準高さであり、かつ、前記ステップ2において算出されたインク残量がしきい値未満である場合には、エラー判断すること、を特徴とする請求項1に記載のインク残量監視方法。
【請求項3】
前記ステップ4において検出された前記液面指示部材の高さが最低基準高さ以下の場合には、エラー判断すること、を特徴とする請求項1に記載のインク残量監視方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−56741(P2011−56741A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−207914(P2009−207914)
【出願日】平成21年9月9日(2009.9.9)
【出願人】(000137823)株式会社ミマキエンジニアリング (437)
【Fターム(参考)】