説明

インサイチュで縮合することができる化合物を含む美容処理方法

本発明は、インサイチュで縮合することができる化合物又は化合物のセットを含む、皮膚の美容処理方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インサイチュで縮合することができる化合物又は化合物のセットを含む皮膚の美容処理のための方法に関する。
【0002】
化粧品は、皮膚に特定の特性(例えば、光学的、機械的及び/又は接触性)を付与する。しかし、化粧品における主要な問題の1つは、これらの特定の特性を迅速かつ持続的に付与することである。当業者は、特に、以下の問題に直面する可能性がある。
− 皮膚の外観を即座に変容させる成分(顔料、染料)を皮膚の表面に沈着させることができるが、皮膚にほとんどあるいは全く親和性を有しない成分は、しっかり保持されておらず、最初の洗浄で除去される。
− あるいは、皮膚の構成成分と反応し、それを改変する製品を皮膚に沈着させることができる。この場合には、付与された特性はしっかり保持されることであり、自然現象の落屑により徐々に失われるが、一方で、沈着される成分は、皮膚の様々な区画に拡散して、最終的に反応部位(タンパク質、皮膚脂質)に到達する必要があり、その特性の出現は遅れ、数時間かかる可能性がある。
【0003】
この問題の例としては、皮膚の異常変色を修正することを望み、この目的のために、均一性、輝き及び/又は健康的な外観を付与する美容又は皮膚科学組成物を使用する人の場合に見られる。
【0004】
これらの目的のために、カバーリング製品(covering product)を使用することが可能である。これらは皮膚の欠点を隠すが、皮膚の自然な外観をマスクするという大きな難点(マスクをした感覚)があり、しっかり保持されておらず、最初の洗浄で顔料が洗い落とされる。
【0005】
また、日焼けした外観を付与(又は、言い換えれば、「健康的な外観」を付与)することにより、皮膚の欠点を隠すことができるジヒドロキシアセトン(又は、DHA)を含有する製品を使用することが知られている。しかしながら、皮膚上のDHAの作用機序は比較的遅い。このため、皮膚の着色効果は、適用の4時間後まで見ることができない。従って、ほとんどの人が朝に製品を適用し、その時間内に目に見える結果を得たいことから、この方法の展開には限界がある。化粧品を使用して皮膚を着色したことを周りの人に見られたくない人にとって、出現に4時間を要するこの着色効果には問題がある。
【0006】
発色速度を上げるために、DHAをアミノ酸と併せて使用してきた。この場合では、皮膚上で着色を約1時間内に見ることができるが、この着色は粘稠ではなく最初の洗浄で消える。
【0007】
従って、今のところ、皮膚を素早く(約1時間内に)変色させ、そして、しっかり保持されている(例えば、2〜5日間持続する)化粧品組成物を提供することが不可能である。
【0008】
着色料の使用と関係するこの問題は、また、皮膚の化粧品適用全般にわたって、様々な程度で現れる。
【0009】
特許出願FR2929112は、ヘアカラーにおける、可溶化基を有するアルコキシシランと少なくとも1つのシクラノン誘導体の併用を記載している。しかしながら、出願人の知識の範囲では、先行技術は、皮膚に、局所的で、迅速で、且つしっかり保持された様式で特定の特性を付与することができる美容処理方法で、インサイチュ、即ち、皮膚内又は皮膚上で縮合することができる化合物の使用可能性を開示していない。
【0010】
驚くべきことに、本出願人は、皮膚の表層又は皮膚上に、美容上益(cosmetic interest)のある化合物を捕捉する特性を皮膚に付与する縮合物の形成が可能であることを示した。このいわゆる「捕捉」層は、後述する少なくとも1種の化合物A又は化合物Aのセットをインサイチュで縮合することにより形成される。
【0011】
特に驚くべきことに、本出願人は、また、美容上益のある化合物(以下、Cと呼ぶ)が、これらがAの縮合物(以下、「Aの縮合から得られる物質」とも呼ぶ)の水溶性を低下させるように選択される場合、非常に良好な美容効果を得ることができることを示すことができた。
【0012】
本発明の方法の結果として得られる有利な特性は、特に、以下である:
− 美容上益のある化合物の作用速度の加速、
− 成分の美容効果の持続性の改善、
− 皮膚における想定外の美容特性の出現。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例の条件a〜dを適用した場合の、1時間後に得られた結果である。
【0014】
従って、本発明は、皮膚の美容処理のための方法であって、
− インサイチュで縮合することができ、且つ、縮合後に少なくとも1つの遊離の反応性官能基Fを有することができる化合物A又は化合物Aのセット;及び
− 官能基Fとの反応により共有結合を形成することができる反応性官能基Fを含む美容上益のある化合物C
を皮膚に適用することを含む方法に関する。
【0015】
実際に、本出願人において、これら2種類の化合物を皮膚へ適用することにより、局所的に、迅速で、しっかり保持された様式で美容特性を付与することが可能になることを実証することができた。
【0016】
化合物A又は化合物Aのセットの縮合により、皮膚の表面層にインサイチュで捕捉層を形成する。
【0017】
本発明は、また、インサイチュで縮合することができ、且つ、縮合後に少なくとも1つの遊離の反応性官能基Fを有することができる化合物A又は化合物Aのセットの、皮膚上又は皮膚内で美容上益のある化合物を捕捉する薬剤としての使用に関する。
【0018】
従って、本発明は、また、インサイチュで縮合することができ、且つ、縮合後に少なくとも1つの遊離の反応性官能基Fを有することができる化合物A又は化合物Aのセットの、皮膚上又は皮膚内で、官能基Fとの反応により共有結合を形成することができる反応性官能基Fを含む美容又は皮膚科学上益のある化合物Cを捕捉するための使用に関する。
【0019】
本発明の方法、使用及びセットの特定の実施態様によれば、Aの縮合から得られる物質は水溶性であり、美容上益のある化合物Cは、Aの縮合から得られる物質上での前記化合物Cの反応によって前記物質の水溶解度が低下するように選択される。
【0020】
別の態様によれば、本発明は、皮膚上の縮合物を不溶化する方法であって、
− インサイチュで縮合することができ、且つ、縮合後に少なくとも1つの遊離の反応性官能基Fを有することができる化合物A又は化合物Aのセット;及び
− 官能基Fとの反応により共有結合を形成することができる反応性官能基Fを含む美容上益のある化合物C
を皮膚へ適用することを含む方法に関し、
ここで、Aの縮合から得られる物質は、水溶性であり、そして
Cは、Aの縮合から得られる物質上での前記化合物Cの反応によって前記物質の水溶解度が低下するように選択される。
【0021】
本発明は、また、皮膚上又は皮膚内で、インサイチュで縮合することができ、且つ、縮合後に少なくとも1つの遊離の反応性官能基Fを有することができる化合物A又は化合物Aのセットの縮合から得られる物質(前記物質は水溶性である)の溶解度を低下させる(又は、不溶性にさえもする)ための方法であって、官能基Fとの反応により、共有結合性又はイオン性であることができる化学結合を形成することができる反応性官能基Fを含む美容上益のある化合物C(Cは、Aの縮合から得られる物質上での前記化合物Cの反応によって前記物質の水溶解度が低下するように選択される)を前記物質上へ適用することを含む方法に関する。
【0022】
本発明は、また、皮膚上又は皮膚内で、美容特性を有する不溶性縮合物を得るための方法であって、
− インサイチュで縮合することができ、且つ、縮合後に少なくとも1つの遊離の反応性官能基Fを有することができる化合物A又は化合物Aのセット;及び
− 官能基Fとの反応により共有結合又はイオン結合を形成することができる反応性官能基Fを含む美容上益のある化合物C
を皮膚へ適用することを含む方法に関し、
Aの縮合から得られる物質は水溶性であり、そして
Cは、Aの縮合から得られる物質上での前記化合物Cの反応によって前記物質の水溶解度が低下するように選択される。
【0023】
本発明は、また、インサイチュで縮合することができ、且つ、縮合後に少なくとも1つの遊離の反応性官能基Fを有することができる化合物A又は化合物Aのセットの縮合から得られる物質の溶解度を低下させる(又は、不溶性にさえもする)ための化合物Cの使用に関し、前記物質は水溶性であり、Cは、官能基Fとの反応により共有結合又はイオン結合を形成することができる反応性官能基Fを含む美容上益のある化合物である。
【0024】
実際に、本出願人は、これら2種類の化合物を皮膚へ適用することにより、局所的で、迅速で、しっかり保持された様式で美容特性を付与することが可能になることが実証することができた。さらに、Aの縮合から得られる物質の溶解度の低下は、化合物Cにより付与される美容特性を維持、さらには増強しながら、皮膚上及び/又は皮膚内でのその耐久性(水、汗、皮脂などへの耐性)をさらに増加させることができる。
【0025】
本発明の各要素をここで詳細に説明する。
【0026】
本発明の内容において、用語「皮膚」は、皮膚又は頭皮を表す。
【0027】
第一の特定の実施態様によれば、インサイチュで縮合することができる化合物Aを使用する。この実施態様においては、化合物Aは、少なくとも2つの反応性官能基:化合物Aを自己縮合させることができる官能基、及び少なくとも1つのいわゆる捕捉反応性官能基F、又は縮合後に官能基Fの形成をもたらす官能基を含む必要がある。
【0028】
第二の実施態様によれば、化合物Aのセットを使用する。この実施態様は、互いに縮合することができる少なくとも2つの分子の導入を含む。この場合において、そして、本発明によれば、化合物のセットを構成する分子は、セットAの縮合を可能にする1つ以上の官能基、及び縮合した後に捕捉反応性官能基Fが存在できるようにする1つ以上の官能基を含む必要がある。特定の実施態様によれば、官能基Fは、化合物Aのセットのうち一つの化合物にのみ存在する。別の実施態様においては、反応性官能基は、化合物のセットの少なくとも2つの化合物に存在する。
【0029】
言い換えれば、分子A1及びA2からなる化合物Aのセットでは、A2は、捕捉官能基を含有する必要はない。この場合においては、A1が捕捉官能基を有するか、又はこれが縮合反応の完了時に出現するかである。あるいは、化合物A2は、捕捉官能基を含有することができる。この場合においては、化合物A1は、捕捉官能基を含有する必要はない。
【0030】
実例として、化合物Aのセットの縮合は、以下のように表すことができる。
【0031】
2種の化合物:A1及びA2を含む化合物Aのセット
− 第一の場合:A1が、捕捉官能基を含むが(化合物F−A1);A2は含まない場合、縮合生成物は以下:
【化1】


である。
− 第二の場合:A1及びA2が、捕捉官能基(同一又は異なる)を含む場合(化合物F−A1及び化合物F’−A1)、縮合生成物は以下:
【化2】


である。
【0032】
この特定の簡略化したスキームの例は単に説明を目的とするものであり、本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【0033】
好ましい実施態様によれば、本発明の方法は、
− インサイチュで縮合することができ、且つ、縮合後に少なくとも1つの遊離の反応性官能基Fを有することができる化合物Aを皮膚へ適用すること;及び
− 官能基Fとの反応により共有結合を形成することができる反応性官能基Fを含む美容上益のある化合物Cを適用すること
を含む。
【0034】
縮合及び捕捉官能基は、本明細書下記において、無作為に上述の化合物A又は化合物Aのセット(例えば、A1+A2)を意味するAを指すように記述される。
【0035】
捕捉官能基は、Aの縮合後、化合物Cと反応できるようにするために、少なくとも部分的に遊離である必要がある。あるいは、捕捉官能基は、化合物A又は化合物Aのセットに存在しないか、又は遊離形態ではないが、その縮合の完了時に出現するか、又は遊離になってもよい。これらは、例えば、皮膚に自然に存在する酵素の作用を受けて出現することができる第一級アミン官能基であってもよい。
【0036】
好ましくは、縮合後に遊離である捕捉官能基は、Fcapt/A>0.1、好ましくは、>0.5のような比率である必要があり、FcaptとAは、それぞれ、縮合した後の遊離捕捉官能基の数量とAの分子の総量を表す。言い換えれば、縮合した後に、分子A10個毎に少なくとも1つの遊離捕捉官能基、好ましくは、少なくとも5個の遊離捕捉官能基が存在する。
【0037】
化合物A又は化合物Aのセットの捕捉官能基Fは、典型的には、アミン及び他の求核性官能基、例えば、ヒドロキシル官能基、チオール、スルフェート及びホスフェートから選択される。好ましくは、これらは、アミン;好ましくは、第一級アミンである。
【0038】
Aの縮合は、求電子種上での求核種の反応により生じうる。第一の選択肢によれば、縮合官能基は、典型的には、以下の式:
【化3】


に従って水分子を除去することにより結合を生成することが可能な基である。
【0039】
特定の実施態様においては、使用される本化合物は、有機シランである。
【0040】
第二の選択肢によれば、縮合は、特に、以下の式:
【化4】


の1つに従って、1つの種が第二の種からプロトンを奪う反応により生じうる。
【0041】
上記式において、R及びR’は、互いに独立して、任意の原子の基を意味し、Aの縮合生成物が少なくとも1つの遊離官能基Fを含む必要があることを理解されたい。
【0042】
好ましくは、縮合は、上述の第一の選択肢に従って起こる。
【0043】
特定の実施態様においては、化合物Aは、1分子あたり、1〜3個のケイ素原子及び少なくとも2個のヒドロキシル基又は加水分解性基を含むケイ素の有機化合物である。従って、化合物Aは、1個のケイ素原子と、2又は3個のケイ素原子、好ましくは、2個のケイ素原子を有するオルガノシロキサンとを含む有機シランから選択される。
【0044】
好ましい実施態様によれば、化合物Aは、有機シランである。化合物Aは、特に、アルコキシシラン、好ましくは、官能基化アルコキシシランであることができる。
【0045】
化合物Aのセットは、上述の有機ケイ素化合物(化合物A1)と少なくとも1つの他の化合物(化合物A2)の混合物であることができ、これにより有機ケイ素化合物と化合物A2を含むセットは、インサイチュで縮合することができる。
【0046】
好ましくは、化合物A(又は、化合物Aのセットの少なくとも1つの分子)は、式:
【化5】


[式中、
は、ハロゲン、基OR’又はR’を表し;
は、ハロゲン、基OR''又はR’を表し;
は、ハロゲン、基OR'''又はR’を表し;
そして、R、R、R、R’、R''、R'''、R’、R’、R’は、互いに独立して、場合により、酸又はアミン基などの追加の化学基を有する、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖炭化水素基を表し、R、R、R’、R''及びR'''は、さらに水素を示すことができ、そして
基R、R及びRの少なくとも2つは、基R’、R’及びR’とは異なる]
に相当する。
【0047】
好ましくは、R、R、R’、R''及びR'''、R’、R’及びR’は、C−C12アルキル基、C−C14アリール基、(C−C)アルキル−(C−C14)アリール基、及び(C−C14)アリール−(C−C)アルキル基を表し;そして、Rは、好ましくは、C−C12アルキル、C−C14アリール、(C−C)アルキル−(C−C14)アリール及び(C−C14)アリール−(C−C)アルキル基である。
【0048】
本発明の組成物中の好ましいオルガノシロキサンは、式:
【化6】


[式中、
、R、R、R及びRは、上記で定義されるとおりであり;
R’は、ハロゲン(フッ素、臭素、塩素又はヨウ素)又は基OR11を表し;
は、ハロゲン、基OR10又はR''を表し;
は、ハロゲン、基OR、R''又はRNRを表し;
R''、R''、R、R10及びR11は、場合により、塩基性可溶化基のような追加の化学基を有する、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖炭化水素基を表し;
11、R10及びRは、さらに、水素を表すことができる]
により表すことができる。
【0049】
好ましくは、R''、R''、R又はR10及びR11は、C−C12アルキル基、C−C14アリール基、(C−C)アルキル−(C−C14)アリール基、及び(C−C14)アリール−(C−C)アルキル基を表す。
【0050】
基R、R及びRの少なくとも1つは、ハロゲン又は基OR'''、OR10又はORを意味する。
【0051】
好ましくは、ハロゲンは、塩素である。
【0052】
ケイ素有機化合物の特に好ましい種類は、式:
【化7】


[式中、基Rは、同一又は異なっていてもよく、メチル、エチル、プロピル、ブチルのようなC−Cアルキル基から選択され、nは、1〜6、好ましくは、2〜4の整数である]の化合物からなる。
【0053】
特に、化合物Aは、少なくとも1つの求核性捕捉官能基を含むアルコキシシラン、特に、本明細書以下でAPTESと呼ばれるγ−アミノプロピルトリエトキシシラン又はその誘導体である。
【0054】
本発明の方法に関与することができる化合物A2は、化合物Aのセットが皮膚に適用される場合、例えば、上記の化合物Aと同じ定義に相当することができる。化合物A2は、特に、Si−O−Si結合を形成する能力を有する分子から選択される。例示として、メチルトリエトキシシラン(MTES)を挙げることができる。
【0055】
縮合が起こる領域にAが到達したときにのみ前記縮合が起こるように、Aが選択される。例えば、化合物Aは強反応性であってもよく、その縮合は皮膚の表面で起こってもよい。あるいは、化合物Aが皮膚の特定の深さにまで浸透したときに縮合が起こってもよい。
【0056】
一般的に、化合物A又は化合物Aのセットは、反応性官能基を含むために水溶性である。これらの特性により、Aの縮合から得られる物質は、また、一般的に、水溶性である。
【0057】
美容上益のある化合物(化合物C)は、少なくとも1つの特定の性質を皮膚に付与することができる化合物、又はこのような化合物の混合物であり、化合物A又は化合物Aのセットの縮合から得られる物質の少なくとも1つの遊離捕捉官能基と反応することができる、少なくとも1つの化学官能基Fを含む。
【0058】
化合物Cは、また、自己で反応することができる。
【0059】
化合物A又は化合物Aのセットの縮合から得られる物質の少なくとも1つの遊離捕捉官能基と反応することができる化学官能基Fとしては、特に、ハロゲン原子ならびにカルボニル、カルボン酸、エステル、アミン及びヒドロキシル官能基を挙げることができる。
【0060】
特に、これらは、カルボニル基を含む官能基である。本発明の好ましい実施態様においては、化合物Cは、少なくとも1つのアルデヒド又はケトン官能基を含有し、以下:
【化8】


のように第一級アミン(化合物A又は化合物Aのセットの官能基Fを表す)と反応することができる。
【0061】
化合物Cは、単純アルデヒド、共役アルデヒド、ベンズアルデヒドのような芳香族アルデヒド、及び、特に、求引性基又は共役官能基により活性化されたケトンから選択することができる。
【0062】
カルボニル官能基は、エノール型であってもよい。カルボニル官能基には、また、例えば、アセタール、ヘミアセタール、ケタール及びこれらの硫黄含有等価体の場合も含まれうる。
【0063】
この内容において考えられる他のカルボニル官能基としては、例えば、エステル、酸ハロゲン化物、無水物、イソシアネートを挙げることができる。
【0064】
さらに一般的に、化合物Cの官能基Fは、典型的には、電子求引基であるため、以下:
− エポキシド、
− アジリジン、
− ビニル及び活性化ビニル官能基、特に、アクリロニトリル、アクリル酸及びメタクリル酸エステル官能基、
− クロトン酸及びエステル、ケイ皮酸及びエステル、スチレン及びその誘導体、ブタジエン、
− ビニルエーテル、ビニルケトン、マレイン酸エステル、ビニルスルホン、マレイミド、
− アミナール、ヘミアミナール、
− α−ヒドロキシケトン、α−ハロケトン、
− ラクトン、チオラクトン、
− チオシナネート、
− イミン、
− イミド、特に、スクシンイミド及びグルチミド、
− N−ヒドロキシスクシンイミドのエステル、
− イミダート、
− チオスルフェート、
− オキサジン及びオキサゾリン、
− オキサジニウム及びオキサゾリニウム、
− 式RX(式中、X=I、Br、Cl)で表されるハロゲン化アルキル又はアラルキル、
− 不飽和の炭素含有環又は複素環のハロゲン化物、特に、クロロトリアジン、クロロピリミジン、クロロキノキサリン及びクロロベンゾトリアゾール、
− ハロゲン化スルホニルRSOX(式中、X=Cl又はF、Rは、C−C30アルキルである)
から選択することができる。
【0065】
当業者であれば、化合物A又は化合物Aのセットにおいて、捕捉官能基(F)として使用され、前述のパラグラフで記載の各化学官能基と反応することができる化学官能基を十分に理解しているであろう。
【0066】
以下のスキームは、イミン官能基Fを含む化合物Cが、第一級アミン捕捉官能基と反応する場合を表している。
【化9】

【0067】
錯体形成、結晶化可能な塩の形成、不水溶性錯体もしくは塩の形成、又はイオン液体の形成などの物理化学作用により、Aの縮合後に遊離捕捉官能基と反応する化合物Cも、また、本発明の範囲内である。
【0068】
特定の実施態様においては、Aの縮合から得られる物質と2回以上反応することができる化合物Cが好ましい。例えば、以下:
− 2つ以上の反応性官能基を有する、化合物C(例えば、ジアルデヒド);
− Aの縮合から得られる物質と反応したときに変換される化合物Cであり、そして、その変換生成物が物質とさらに反応することができる、化合物C(例えば、無水物、A及び他のものの遊離官能基と結合しているその一部(カルボン酸官能基を含む)は、また、Aの遊離官能基、例えば、アミン官能基と反応することができる);
− Aの縮合から得られる物質と反応したときに変換され、そして、Aの縮合から得られる物質と反応することができる、又はできない別の分子Cとさらに反応することができる、化合物C(例えば、DHA);
− Aの縮合から得られる物質と反応したときに、分子C間で又は分子C及びA間で反応する化合物Dと反応することができる、化合物C
を挙げることができる。
【0069】
以下のセクションでは、本発明の方法を適用することにより皮膚に付与することができる特性の非限定例を記載する。
【0070】
本発明は、一般的に皮膚のトリートメントに関する。そこで、化合物A又は化合物Aのセット及び化合物Cは、下記:
− その色を変化させる。そこで、典型的には、上述の要件の他に、発色団を与える化合物A及びCを使用する。あるいは、着色した化合物A又は着色した化合物Aのセットを使用する。あるいは、無色であるが、徐々に着色する化合物A及び/又は化合物Cを使用する。また、漂白、脱色又は脱色素効果を有する化合物A及び/又はCを使用することも可能である。
− その明るさを変化させる。そこで、典型的には、上述の要件の他に、拡散物質、又は一方で非常に滑らかなものを与える化合物A及びCを使用する。例えば、Cは、Aの縮合から得られる物質と反応して不均一な沈着を与え、これが、光の拡散の効果により皮膚の明るさを減少させる。
− その滑らかさ及び/又は感触を変化させる。そこで、典型的には、上述の要件の他に、手触りが柔らかい物質又は吸湿性化合物などの水を補足もしくは保水する物質を与える、化合物A及びCを使用する。
− その物理化学的表面特性を変化させる。そこで、典型的には、上述の要件の他に、表面張力の特徴が皮膚のそれとは異なる物質を与える化合物A及びCを使用する。あるいは、上述の要件の他に、特定の分子の通過にバリアを形成する物質を与えるA及びCを使用する。
− 活性分子を保持する。
− 分子Cが、Aの縮合から得られる物質に固定されたとき活性である場合。これにより、活性分子の活性効果を延長することができる。従って、長期間にわたる光保護を付与するためにフィルター剤を使用することができる。
− あるいは、活性分子が、固定により不活性化されるが、時間とともに放出することができる場合。これは、また、長期活性化の利点を提供することができる。この場合において、生物学的有効成分又は香料を使用することができる。
の皮膚への所望の効果に従って選択される。
【0071】
本発明の特定の実施態様においては、活性分子は本発明を用いて固定することができる。化合物A及びCは、放出が、自然の作用(例えば、発汗により引き起こされる放出の場合)により、あるいは、ヒトの行為(特定の照射、例えば、光(特に、UV、可視光の場合)又は加熱など)により生じうるように選択される。従って、熱又は光開裂性などの弱い結合を有する化合物A及びCを使用することができる。
【0072】
本発明は、また、例えば、以下:
− 化合物A及びCは、ケア製品、メークアップ又は専用製品(special product)などの製品に組み込まれる。
− 化合物A及びCを、場合により、第三の化合物の適用前、間、後に、1回又は2回適用することができる。
− 化合物A及びCを1回適用する場合、その反応及び浸透速度ならびに機能は、CがAの自己の反応を妨害しないものである。特に、Aの反応性官能基上でのCの反応は、Aの浸透より遅く、且つ/あるいは、Aの自己の反応より遅い。
− これらの化合物の適用は、日常のケア又はメークアップに組み込まれる。例えば、化合物Aの適用は、日常の皮膚用品に組み込まれ、化合物Cの適用は、ファンデーションに組み込まれる。
のより正確な態様及び方法を包含する。
【0073】
上記より明らかなように、化合物A又は化合物Aのセットは、一般的に、水溶性の性質を有する。従って、化合物Aは輸送することができ、そして、皮膚の第一層に浸透させることができる。従って、しばしば、化合物A又は化合物Aのセットの縮合から得られる物質は、高い水溶性を保持する。これは、例えば、化合物Aが、APTESなどのアミノアルキルアルコキシシランである場合である(以下参照)。化合物Aから得られる物質のこの水溶性は、その捕捉効果、より具体的には、捕捉の持続性を低下させる。
【0074】
水溶性であり、且つ、十分に反応性で、縮合後に水不溶性である化合物を与える化合物Aを使用することも理論では想定される。しかしながら、これは以下:
− 捕捉を許す化合物Aの官能基は、好ましくは、求核性官能基、特に、アミンである。ここで、これらの官能基は、化合物A又は化合物Aの反応から得られる物質の水溶性に寄与する;
− 化合物Aの反応性は、好ましくは、化合物Aが皮膚により容易に浸透することができるように適切となるように選択される
の理由で実施が困難である。
【0075】
従って、本発明の特定の実施態様においては、化合物A及び化合物Cは、以下:
− 化合物Cは、Aの縮合から得られる物質と反応することができる
− 化合物Cの適用は、Aの縮合から得られる物質の水溶性を低下させる
のように選択される。
【0076】
この選択を行うために、当業者は、後述の適切な化合物A及びCを選択するために本方法を使用することができる。
【0077】
特定の実施態様によれば、化合物A及びCは、Aの縮合から得られる物質が水溶性であり、いったん、CがAの縮合から得られる物質と反応すると、前記物質が水不溶性であるように選択される。
【0078】
化合物A及びCは、以下:
a)Aを、ペトリディッシュの適切な水性媒体中に、Aが縮合することができる条件で適用する;
b)媒体を蒸発させた後、化合物Cを、Aの縮合から得られる物質と反応することができる条件で適用する;
c)Cと反応したAの縮合から得られる物質の重量を、次に測定する;
d)化合物Cと反応した縮合物の水溶性を、水中に30分間置き、次に、非溶解部分を回収し、そして、PPA+C値を決定することにより測定する(ここで、値PPA+Cは、パーセントとして表される物質の重量損失に相当し;値PP=0は、水中で試験された物質が完全に不溶解性であることを指し;値PP=100%は、水中で試験された物質が完全に溶解性であることを指す);
e)工程c)及びd)を、また、化合物Cの非存在下で、Aの縮合から得られる物質に適用する。このようにして、値PPを測定する。
f)値PPA+Cを、値PPと比較する。
のように選択される。
【0079】
この選択方法によれば、Cを添加することによりAが不溶性となるため、化合物A及びCを使用して、値PPよりも低い値PPA+Cを得ることができる。
【0080】
当業者であれば、下記式から本発明の方法で使用するための化合物を選択することができるであろう:PPA+C=PP−n、又はn=PP−PPA+C。ここで、PP−n>0であることを理解されたい。従って、より具体的には、n>15%、好ましくは、n>30%、さらにより好ましくは、n>50%の値を与える化合物A及びCの組み合わせを使用することができるであろう。
【0081】
本発明の特定の実施態様によれば、PPA+Cは15%未満であり、PPは50%超である。
【0082】
好ましくは、化合物Aは、その反応性が適度であるように選択される。化合物Aは、ほとんどモノマーの形態を維持し、さらなるモノマー+ダイマー+トリマーを形成しない。
【0083】
以下の試験はこの点を検証するために用いられる:
− 皮膚への適用時に用いられる条件と同じ条件下にAを置く;
− NMR、IRのような分析方法を使用して、これらの条件でのAの反応度を決定する。これから、反応したエンティティAのエンティティAのセットに対する比:Aを推測する;
− 本発明によれば、好ましくは、比:A/A(式中、mは、1、2、3)は、50%超であり、より好ましくは、75%超である;
− 本方法が、適用の前又は間にAへの作用を包含する場合では(例えば、使用時に混合する)、この作用の後に分析的決定を5分間実施する(例えば、使用時に混合を行い、5分後に分析を実施する)。
【0084】
化合物C及び/又は化合物Aにより皮膚に付与することができる特性

特定の実施態様においては、本発明の方法は、化合物Cが皮膚に色を付与することができる分子である、皮膚を着色する美容方法である。
【0085】
本発明においては、特性「着色」は、例えば、色を増加又は変化、色度を変更、蛍光、リン光、化学発光、明るさ又は退色を発生させることができる、皮膚への少なくとも1つの着色効果を意味する。
【0086】
色特性を付与するために、典型的には、上述の要件の他に、発色団を与える化合物A及びCを使用する。また、着色された化合物A、及び/又は着色された化合物C、又は無色であるが、徐々に着色される化合物A及び/又は化合物Cを使用することも可能である。また、漂白、脱色又は脱色素効果を有する化合物A及び/又はCを使用することも可能である。
【0087】
特に、最終色は、化合物Aの非存在下でもたらされる化合物Cよりも美しくてもよい。例えば、それは、顔色とより同調しているか、又はより自然な外観をもたらすことができる。本発明以外の適用において全く着色をもたらさない化合物Cは、本発明においては、興味深い着色効果をもたらす。
【0088】
化合物Cは着色されていてもよい。この場合において、本発明は、特に、色の持続性の改善に役に立つことができる。
【0089】
化合物Cは無色であってもよい。この場合において、本発明は、着色するために、場合により、この色に持続性を与えるために役立つ。
【0090】
最後に、化合物Cは無色で、化合物Aと反応した後に着色をもたらさないことができる。この場合において、化合物Cは、適用後、Aの縮合から得られる物質との反応の前に、同時に又は後の変化によって、着色種を与えることができるように選択される。特に、化合物Cは、酸化反応により着色種を与えることができる。Cは、この内容において、ポリフェノール、ジアミン化合物又はヒドロキシルアミノ化合物であることができる。化合物Cは自然に着色種に変化するか、又は、例えば、酸化剤、触媒又は酸化酵素を添加することにより変化を開始もしくは補助することが可能である。
【0091】
また、本発明の特定の驚くべき実施態様によれば、上述の方法を用いることにより、しばしば、非耐久性であってすら得ることが極めて困難な蛍光効果のような効果を得ることが可能である(以下の着色効果を付与するために使用することができる化合物Cの説明を参照)。
【0092】
本出願人は、また、皮膚へのAとCの適用間隔を調整することにより、長期にわたり着色効果の持続性を調節することが可能となったことを示すことができた。この特性を利用して、従来使用される着色方法では達成することができない、より高い又は中程度の持続性を得ることができる。例えば、タンニング効果は、2日間得ることができる。驚くことに、この持続性は、従来の方法を用いて通常得られるもの、特に、DHAを用いて得られる従来の着色に匹敵する。それは、例えば、一週間綺麗でありたい人に適しうる。
【0093】
本発明の皮膚へ着色効果を付与するための化合物Cは、特に、以下のリストから選択することができる。
【0094】
セルフタンニング剤:
セルフタンニング剤は、一般的に、特定のモノ又はポリカルボニル化合物、例えば、イサチン、アロキサン、ニンヒドリン、グリセルアルデヒド、メソ酒石酸アルデヒド、グルタルアルデヒド、エリスルロース、特許出願FR2466492及びWO97/35842に記載のピラゾリン−4,5−ジオン誘導体、ジヒドロキシアセトン(DHA)、特許出願EP903342に記載の4,4−ジヒドロキシピラゾリン−5−オン誘導体から選択される。DHAが好ましく使用されるだろう。
【0095】
DHAは、遊離形態及び/又は、例えば、特に、出願WO97/25970に記載のリポソームのような脂質小胞中に封入された形態で用いることができる。
【0096】
セルフタンニング剤は、一般的に、それらを含有する組成物の総重量に対して、0.1〜15重量%、好ましくは、0.2〜10重量%、より好ましくは、1〜8重量%の比率で存在する。
【0097】
着色効果の付与に有用な他の化合物C:
化合物Cは、また、特に、化合物AがAPTES(又は、ポリAPTES膜、APTESの縮合生成物)である場合において、無色であるが、本発明により使用された後に、着色化合物を生成することができる分子から選択することができる。特に、ケイ皮アルデヒド、シトロネラール及びシトラールを挙げることができる。
【0098】
【化10】

【0099】
化合物Cは、また、特に、化合物AがAPTESである場合において、本発明により適用された後に、UV下で蛍光化合物(オプティカルブライトナー)を生成することができる分子から選択することができる。特に、ノナナール及びヒドロキシシトロネラールを挙げることができる。
【0100】
【化11】

【0101】
実際に、本願では、本発明の方法が用いられた皮膚領域で、驚くべき蛍光の出現が観察された。
【0102】
皮膚に明るさ効果を付与するために、典型的には、上述の要件の他に、拡散物質、あるいは、一方で非常に滑らかなものを与える化合物A及びCを使用する。例えば、Cは、Aの縮合から得られる物質と反応して、粉末を与えることができる。
【0103】
皮膚のコンディショニング
特定の実施態様においては、本発明の方法は、化合物Cが皮膚の物理化学的特性を改変することができる分子である、皮膚コンディショニングの美容方法である。
【0104】
特に、皮膚の表面の物理化学的特性を改変するための薬剤を使用することが可能である。そこで、典型的には、上述の要件の他に、表面張力特性が皮膚のそれとは異なる物質を与える化合物A及びCを使用する。また、上述の要件の他に、特定の分子の通過にバリアを形成する物質を与える化合物A及びCを使用することも可能である。
【0105】
皮膚のコンディショニングは、コンディショニングポリマーから選択される化合物Cを使用して得ることができる。
【0106】
コンディショニングポリマー:
本発明の内容で使用することができるコンディショニングポリマーは、以下のリストから選択することができる:
【0107】
− 本発明により使用することができるアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)の疎水化ポリマーは、少なくとも1つの脂肪鎖を有し、親水性部分及び疎水性部分の両方を含むことができる(両親媒性ポリマー)。
【0108】
本発明のポリマー中に存在する脂肪鎖は、好ましくは、7〜30個の炭素原子、より好ましくは、7〜22個の炭素原子を有する。
【0109】
本発明の両親媒性ポリマーは、一般的に、重量平均分子量50000〜10000000、より好ましくは、100000〜8000000、さらにより好ましくは、100000〜7000000を有する。
【0110】
本発明の両親媒性AMPSポリマーは、架橋又は非架橋であってもよい。
【0111】
架橋剤は、特に、メチレン−ビス−アクリルアミド、メタクリル酸アリル及びトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)から選択することができる。架橋度は、ポリマーに対して、好ましくは、0.01〜10モル%、より具体的には、0.2〜2モル%で変化する。
【0112】
本発明の両親媒性AMPSポリマーは、特に、特許出願WO00/31154に記載のようなn−モノアルキルアミノ又はC−C22ジ−n−アルキルアミノとの反応により変性されたランダム両親媒性AMPSポリマーから選択することができる。これらのポリマーは、また、例えば、アクリル酸、メタクリル酸もしくはそのアルキル置換誘導体、又はモノもしくはポリアルキレングリコールとから得られるそのエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルピロリドン、イタコン酸もしくはマレイン酸、又はその混合物から選択されるエチレン性不飽和を有する他の親水性モノマーを含有することができる。
【0113】
本発明の好ましいAMPSポリマーは、両親媒性AMPSポリマーと、7〜30個の炭素原子、より好ましくは、7〜22個の炭素原子、さらにより好ましくは、12〜22個の炭素原子を有する少なくとも1つの疎水性部分を含有するエチレン不飽和を有する少なくとも1つのモノマーから選択される。
【0114】
この疎水性部分は、飽和又は不飽和の直鎖アルキル基(例えば、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、n−ドデシル、オレイル)、分岐鎖(例えば、イソステアリン酸)又は環状(例えば、シクロドデカン又はアダマンタン)であることができる。
【0115】
これらの同じポリマーは、アクリル酸、メタクリル酸もしくはそのアルキル置換誘導体、又はモノもしくはポリアルキレングリコールとから得られるそのエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルピロリドン、イタコン酸又はマレイン酸などのエチレン性不飽和を有する1つ以上の親水性コモノマーを追加で含有することができる。
【0116】
これらの同じポリマーは、例えば、以下:
− C−C18フッ素化又はアルキル−フッ素化基(例えば、式−(CH−(CF−CFの基);
− コレステリル基又はコレステロールから誘導される基(例えば、ヘキサン酸コレステリル);
− ナフタレン又はピレンなどの多環芳香族基;
− シリコーン又はアルキルシリコーン又はアルキルフルオロシリコーン基
を含むエチレン不飽和を有する1つ以上の疎水性コモノマーを追加で含有することができる。
【0117】
これらのコポリマーは、特に、特許出願(CLARIANT):EP1069142、WO02/44224、WO02/44225、WO02/44227、WO02/44229、WO02/44230、WO02/44231、WO02/44267、WO02/44268、WO02/44269、WO02/44270、WO02/44271、WO02/43677、WO02/43686、WO02/43687、WO02/43688、及びWO02/43689に記載される。
【0118】
本発明のエチレン不飽和を有する疎水性モノマーは、好ましくは、下記式(1):
【化12】


[式中、R27は、水素原子、直鎖又は分岐鎖C−Cアルキル基(好ましくは、メチル)を意味し;Yは、O又はNHを意味し;R28は、7〜30個、好ましくは、7〜22個、より具体的には、12〜22個の炭素原子を有する脂肪鎖を含む疎水性基を意味する]
で表されるアクリレート又はアクリルアミドから選択される。
【0119】
疎水性基R28は、好ましくは、飽和又は不飽和の直鎖C−C22アルキル基(例えば、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、n−ドデシル、オレイル)、分岐鎖(例えば、イソステアリン酸)又は環状(例えば、シクロドデカン又はアダマンタン);C−C18アルキル−ペルフルオロ化基(例えば、式−(CH−(CF−CFの基);コレステリル基又はヘキサン酸コレステリルのようなコレステロールエステル;ナフタレン又はピレンなどの多環芳香族基から選択される。これらの基の中で、直鎖及び分岐鎖アルキル基がより特に好ましい。
【0120】
本発明の特に好ましい実施態様によれば、疎水性基R28は、少なくとも1つのアルキレンオキシド単位、好ましくは、ポリアルコキシル化鎖をさらに含む。ポリアルコキシル化鎖は、好ましくは、エチレンオキシド単位及び/又はプロピレンオキシド単位からなり、さらにより具体的には、エチレンオキシド単位のみで構成される。アルコキシル化単位のモル数は、一般的に、1〜30モル、より好ましくは、1〜25モル、さらにより好ましくは、3〜20モルで変化する。
【0121】
これらのポリマーの中で、以下:
− 出願EP-A-750899に記載のような、ポリマーに対して、15〜60重量%のAMPS単位及び40〜85重量%の(C−C16)アルキル(メタ)アクリルアミド単位又は(C−C16)アルキル(メタ)アクリレート単位を有する架橋又は非架橋の、中和又は非中和コポリマー;
− 特許US-A-5,089,578に記載のような、ポリマーに対して、10〜90モル%のアクリルアミド単位、0.1〜10モル%のAMPS単位及び5〜80モル%のn−(C−C18)アルキルアクリルアミド単位を有するターポリマー
を挙げることができる。
【0122】
両親媒性ポリマーとしては、また、完全に中和したAMPSとメタクリル酸n−ドデシル、n−ヘキサデシル及び/又はn−オクタデシルのコポリマー、ならびにAMPSとn−ドデシルメタクリルアミドの非架橋及び架橋コポリマーを挙げることができる。
【0123】
より具体的には、以下:
(a)下記式(2):
【化13】


[式中、X+は、プロトン、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン又はアンモニウムイオンである]
で表される2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)単位;
(b)及び、下記式(3):
【化14】


[式中、n及びpは、互いに独立して、モル数を意味し、0〜30、好ましくは、1〜25、より好ましくは、3〜20で変化し、但し、ここで、n+pは、30以下であり、好ましくは、25未満、さらに好ましくは、20未満であり;R27は、上記式(1)で与えられた同じ意味を有し、R29は、m個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキルを意味し、mは、7〜22、好ましくは、12〜22の範囲である]
で表される単位
からなる架橋又は非架橋両親媒性コポリマーを挙げることができる。
【0124】
式(2)において、カチオンX+は、より具体的には、ナトリウム又はアンモニウムを意味する。
【0125】
式(3)で表されるモノマーの中で、以下:
− (メタ)アクリル酸と8個のOEを有するポリエトキシル化C10−C18脂肪族アルコールのエステル、例えば、CLARIANT社から販売されている製品GENAPOL C-080;
− (メタ)アクリル酸と8個のOEを有するポリエトキシル化C11脂肪族オキソアルコールのエステル、例えば、CLARIANT社から販売されている製品GENAPOL UD-080;
− (メタ)アクリル酸と7個のOEを有するポリエトキシル化C12−C14脂肪族アルコールのエステル、例えば、CLARIANT社から販売されている製品GENAPOL LA-070;
− (メタ)アクリル酸と11個のOEを有するポリエトキシル化C12−C14脂肪族アルコールのエステル、例えば、CLARIANT社から販売されている製品GENAPOL LA-110;
− (メタ)アクリル酸と8個のOEを有するポリエトキシル化C16−C18脂肪族アルコールのエステル、例えば、CLARIANT社から販売されている製品GENAPOL T-080;
− (メタ)アクリル酸と15個のOEを有するポリエトキシル化C16−C18脂肪族アルコールのエステル、例えば、CLARIANT社から販売されている製品GENAPOL T-150;
− (メタ)アクリル酸と11個のOEを有するポリエトキシル化C16−C18脂肪族アルコールのエステル、例えば、CLARIANT社から販売されている製品GENAPOL T-110;
− (メタ)アクリル酸と20個のOEを有するポリエトキシル化C16−C18脂肪族アルコールのエステル、例えば、CLARIANT社から販売されている製品GENAPOL T-200;
− (メタ)アクリル酸と25個のOEを有するポリエトキシル化C16−C18脂肪族アルコールのエステル、例えば、CLARIANT社から販売されている製品GENAPOL T-250;及び
− (メタ)アクリル酸と25個のOEを有するポリエトキシル化C18−C22脂肪族アルコール及び/又は25個のOEを有するポリエトキシル化C16−C18脂肪族イソアルコールのエステル
を挙げることができる。
【0126】
より具体的には、以下:
(i)p=0、n=7又は25であり、R27が、メチルを意味し、R29が、C12−C14又はC16−C18アルキルの混合物を表す、非架橋物、
(ii)p=0、n=8又は25であり、R27が、メチルを意味し、R29が、C16−C18アルキルの混合物を表す、架橋物
が選択される。
【0127】
これらのポリマーは、出願EP1069142に記載され、合成されている。これらの特定の両親媒性ポリマーは、1つ以上の開始剤、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスジメチルバレロニトリル、2,2−アゾ−ビス−[2−アミジノプロパン]塩酸塩(ABAH)、過酸化ジラウリル、過酸化ベンゾイル、及びtert−ブチルヒドロペルオキシドなどの有機過酸化物、過硫酸カリウムもしくはアンモニウムなどの無機過酸化化合物、又は過酸化水素Hの存在下、場合により、還元剤の存在下での従来のラジカル重合法に従って得ることができる。
【0128】
これらの両親媒性ポリマーは、特に、tert−ブタノール媒体中、ラジカル重合により得ることができ、沈殿する。tert−ブタノール中に沈殿させる重合を用いることにより、その使用に特に好ましいポリマーの粒径分布を得ることが可能である。
【0129】
反応は、温度0〜150℃、好ましくは、10〜100℃で、大気圧下又は減圧下のいずれかで行うことができる。反応は、また、不活性雰囲気下、好ましくは、窒素下で行うことができる。本発明のポリマーは、好ましくは、前述のような無機又は有機塩基により部分中和又は完全中和されている。
【0130】
本発明の両親媒性ポリマーの式(2)で表される単位及び式(3)で表される単位のモル濃度パーセントは、所望の美容適用、エマルジョンの性質(水中油型又は油中水型)及び形成に必要なレオロジー特性に応じて変化する。これは、0.1〜99.9モル%で変化することができる。
【0131】
低疎水性の本発明の両親媒性AMPSポリマーは、水中油型エマルジョンの増粘化及び/又は安定化により適切であろう。式(3)で表される単位のモル比は、好ましくは、0.1〜50%、より具体的には、1〜25%、さらにより具体的には、3〜10%で変化するであろう。
【0132】
より疎水性である本発明の両親媒性AMPSポリマーが、油中水型エマルジョンの増粘化及び/又は安定化により適切であろう。式(3)で表される単位のモル比は、好ましくは、50.1〜99.9%、より具体的には、60〜95%、さらにより具体的には、65〜90%で変化するであろう。
【0133】
本発明のポリマー中のモノマー分布は、例えば、交互、ブロック(マルチブロックを含む)、その他いかなるものでもよい。
【0134】
非限定的な指針としては、以下の市販の参考製品:Clariantより販売されているAristoflex HMS、Aristoflex LNC、Aristoflex SNC及びAristoflex HMBを挙げることができる。
【0135】
前述したように、記載のこれらの疎水化AMPSポリマーは、エマルジョン中、そして、この場合において、好ましくは、その水相に溶解させて、添加剤として使用するか、あるいは、乳化剤として使用することができる。この場合において、これらは、出願WO02/055039、WO02/055038、EP1353642、EP1353633、WO02/055052、FR2853544、EP1466587に記載のように、O/W型エマルジョンを形成することができる。
【0136】
− オキシエチレン化PDMS誘導体(又は、水溶性シリコーン)
本発明において使用可能な水溶性シリコーンは、好ましくは、一般式(I)及び(II):
【化15】


[式中、
− 基Rは、同一又は異なっていてもよく、10個以下の炭素原子を含有するアルキル、アリール、アラルキル基から選択され、好ましくは、メチル、エチル、ブチルなどのC−C低級アルキルから選択され、あるいは、フェニル及びベンジルから選択される一価の炭化水素基を意味し、さらにより好ましくは、全てがメチルを意味し;基Rのいくつかは、また、1+1のエチルシクロヘキシレンモノオキシド基を含有することができ、ポリシロキサン鎖に少ない割合で存在し;
− uは、値5〜59、好ましくは、10〜50、より好ましくは、12〜25を有し;
− vは、値3〜12、好ましくは、4〜10、より好ましくは、5〜8を有し;
− Eは、基−C2x−(OC−(OC−ORを意味し、式中:
− xは、値1〜8、好ましくは、2〜4、より好ましくは、3を有し;
− y>0及びz30;y及びzは、基Eの総分子量が、200〜10000g/mol、より好ましくは、350〜3000で変化するように選択され;好ましくは、zの数は、0に等しく、
− Rは、水素原子、直鎖又は分岐鎖C−Cアルキル基(好ましくは、メチルなどのC−C)又はC−Cアシル基(好ましくは、アセチルなどのC−C)を意味する]
で表される化合物から選択される。
【0137】
式Eにおいて、オキシエチレン及びオキシプロピレン単位は、ポリエーテル鎖Eにランダムに分布することができ、及び/又は、ブロックの形態であってもよい。
【0138】
本発明の水溶性シリコーンは公知であり、特に、特許US 5,338,352に記載されており、その調製方法は、特に、特許US 4,847,398に記載されている。
【0139】
このようなシリコーンは、例えば、OSI社よりSilwet L-720(登録商標)、Silwet L-7002(登録商標)、Silwet L-7600(登録商標)、Silwet L-7604(登録商標)、Silwet L-7605(登録商標)、Silwet L-7607(登録商標)、Silwet 1614、Silwet L-7657(登録商標)、Silwet L-7200(登録商標)、Silwet L7230、Silsoft 305、Silsoft 820、Silsoft 880、Tegowet 260、Tegowet 500、Tegowet 505、及びTegowet 510(登録商標)の商品名で販売されている。
【0140】
− 両親媒性ブロックポリマー
本発明の方法において使用されるブロックコポリマーは、特に、両親媒性ブロック、非イオン性、ジブロック又はトリブロックポリマーであり、これらは、水と接触すると、ミセル、小胞型(例えば、リポソーム)粒子、又は水との接触で、層状、立方晶系(直接又は反転)又は六方晶系(直接又は反転)型リオトロピック液晶相を形成することができる。これらは、特に、ジブロック(A−B)又はトリブロック(A−B−A)型であり、ここで、Aは、親水性非イオン性ポリマーブロックに相当し、Bは、疎水性ポリマーブロックに相当する。ポリマーの分子量は、1000〜100000であってもよく、A/B比は、1/100〜50/1であってもよい。
【0141】
使用されるブロックコポリマーは、特に、ポリスチレン系両親媒性ブロックポリマーから選択することができる。
【0142】
疎水性ポリマーブロックは、ポリスチレン及びポリ(tert−ブチルスチレン)から選択することができる。
【0143】
親水性非イオン性ポリマーブロックは、好ましくは、ポリ(エチレンオキシド)(PEO)及びポリビニルピロリドン(PVP)から選択される。
【0144】
例としては、Goldschmidt社のTegomer SE 1010及びSE 1030を挙げることができる(出願EP1555984及びEP1413290を参照、日焼け止めクリーム組成物中でのブロックポリマーの使用を記載)。
【0145】
使用されるブロックコポリマーは、また、両親媒性ポリエトキシル化ブロックポリマーから選択することができる。
【0146】
本発明の疎水性ポリマーブロックは、下記式(A):
【化16】


[式中、
− Rは、H、−CH、−C又は−Cから選択され、
− Xは、−OR’型のアルキルオキシド(式中、R’は、1〜22個の炭素原子を有する飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖炭化水素基である)から選択される]
で表される疎水性ビニルモノマーに相当することができる。
【0147】
化合物(A)は、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル及びアクリル酸イソボルニル及びアクリル酸2−ヘキシルエチルであることができる。
【0148】
親水性非イオン性ポリマーブロックは、好ましくは、ポリ(エチレンオキシド)(PEO)及びポリビニルピロリドン(PVP)から選択される。
【0149】
ブロックコポリマーは、好ましくは、以下のブロックコポリマー:
− ポリメタクリル酸メチル/ポリオキシエチレン
− ポリメタクリル酸ブチル/ポリオキシエチレン
から選択される。
【0150】
例としては、Goldschmidt社のTegomerBE 1010及びBE 1030、ならびにTegomer ME 1010及びME 1030を挙げることができる(出願EP1555984及びEP1413290を参照、日焼け止めクリーム組成物中でのブロックポリマーの使用を記載)。
【0151】
− 多糖:
A)セルロース誘導体
好ましい誘導体は、分子量50000〜2000000のヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、例えば、Aqualon社のBlanose LF7、ヒドロキシプロピルセルロース、疎水化C10−C30セルロース誘導体、例えば、Hercules社のNatrosol 330+及びAqualon社のPolysurf 67である;
B)キサンタンゴム、例えば、CP Kelco社のKeltrol T及びグアーガム、例えば、Rhodia社のJaguar HP 105;
C)エステル化されていてもよいアルギン酸エステル、例えば、CP Kelco社のKelcoloid O(エステル化度80〜85%);
D)酸化されケトン化された多糖誘導体、例えば、酸化インスリン;
E)フコース誘導体、例えば、Solabia社よりFucogelの名称で販売されているポリフコース;
F)フルクトース誘導体、例えば、Sochibo/Bioland社のFructan;
G)ラムノース誘導体、例えば、Solabia社のRhamnosoft;
H)プルラン誘導体、例えば、Hayashibara社のプルランPI-20;
ならびに、変性多糖、例えば、Jaguar C13S及びC 132などのカチオン化グアー
から選択される。
【0152】
− ポロキサマーなどのPEO−POP−PEOトリブロック誘導体、水溶性(室温において1%水溶液で透明な溶液)であり、分子量(MW)8000超を有する。例としては、Poloxamer 338(PEO-POP-PEO:128/54/128)、Poloxamer 407(PEO-POP-PEO:98/67/98)、Poloxamer 188(PEO-POP-PEO:75/30/75)、及びPoloxamer 238(PEO-POP-PEO:97/39/97)を挙げることができる。
【0153】
− ポリアミノ酸の誘導体、例えば、ポリグルタミン酸、例えば、Ishumaru Pharcos社のBio PGA溶液、ポリアスパラギン酸、例えば、Ajinomoto社のAquaDew SPA-30、ポリロイシン及びポリリシン、例えば、Chisso Corporation社のポリリシン、及びイプシロンポリリシン。
【0154】
− ガラクツロン酸の誘導体、例えば、Fluka社のDextran。
【0155】
− 無水マレイン酸又は無水コハク酸のコポリマー、例えば、Clariant社のLicocare PP207及びWacker Chimie社のWacker GF20。
【0156】
− メチルビニルエーテル/モノマレイン酸エチルコポリマー、例えば、ISP社のGantrez ES225。
【0157】
− ポリ(アルキルオキサゾリン)の誘導体:
本発明の方法において、化合物Cとして、式(I):
【化17】


[式中、Rは、C−C低級アルキル基、好ましくは、エチル基であり、nは、分子量が少なくとも10000に相当するような値を有する]
で表されるオキサゾリンのポリマーであるコンディショニングポリマーを使用することが可能である。
【0158】
式(I)で表されるオキサゾリンポリマーは、分子量10000超、一般的に、20000〜1000000、好ましくは、50000〜500000を有し、2−アルキル−2−オキサゾリンの重合により調製される。好ましいポリマーは、分子量20000〜1000000を有するエチルオキサゾリンのホモポリマーであり、より具体的には、分子量50000〜500000を有するDOW CHEMICAL社よりPEOXの名称で販売されているものである。
【0159】
本発明のより特に好ましいポリマーは、分子量50000のエチルオキサゾリンのホモポリマーで表される。
【0160】
非限定的な例としては、Dow Chemical社のPEOX(MW50000)、PEOX(MW200000)、PEOX(MW500000)又はPOLYMER XAS-10874.01の名称で販売されている製品、又はSigma-Aldrich社の、ポリ(2−エチルオキサゾリン)MW50000、ポリ(2−エチルオキサゾリン)MW200000及びポリ(2−エチルオキサゾリン)MW500000の名称で販売されている製品を挙げることができる。
【0161】
− ホスホリルコリンのアクリル誘導体
これらのポリマーは、出願EP1764078に記載されている。
【0162】
メタクリロイルオキシエチル−ホスホリルコリン(MPC)基を含むポリマーが、皮膚及び髪の表面の保湿性を改善するのに特に効果的である。化粧品分野におけるこれらの使用は、皮膚及び髪に潤いを与える手段として、Polaの出願、JP2832119(US5,468,475及びFR2698003に相当)の目的であり、本発明の内容においてコンディショニングポリマーとして使用することができる。
【0163】
ホスホリルコリン型の基を有するアクリルポリマーは、アクリル骨格を有し、下記式(I):
【化18】


[式中、R、R及びRは、独立して、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基を意味し;Rは、−(CH−CHRO)−(CH−CHR)−を指し、ここで、Rは、水素原子、基又はエチルメチルを指し、mは、0〜10の整数を指し;Rは、−(CH−を指し、ここで、gは、2〜10の整数である]
で表される基を含有するペンダント基(又は、側鎖)を含むポリマーを意味する。
【0164】
この種類のポリマーは、上述の式(I)の基を含むアクリルモノマーの重合により得ることができる(本明細書下記でアクリルモノマーPCと呼ぶ)。
【0165】
有利には、アクリルモノマーPCは、下記式(II):
【化19】


[式中、R、R及びRは、独立して、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基を指し;nは、2〜4の整数を表し;Rは、水素原子又はメチル基を指す]
に相当するモノマーである。
【0166】
アクリルモノマーPCとしては、以下のモノマーを挙げることができる:
リン酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチル、
リン酸3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチル、
リン酸4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチル、
リン酸5−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチル、
リン酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリエチルアンモニオ)エチル、
リン酸3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2’(トリエチルアンモニオ)エチル、
リン酸4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−2’−(トリエチルアンモニオ)エチル、
リン酸5−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−2’(トリエチルアンモニオ)エチル、
リン酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリプロピルアンモニオ)エチル、
リン酸3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2’(トリプロピルアンモニオ)エチル、
リン酸4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−2’−(トリプロピルアンモニオ)エチル、
リン酸5−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−2’−(トリプロピルアンモニオ)エチル、
リン酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリブチルアンモニオ)エチル、
リン酸3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2’−(トリブチルアンモニオ)エチル、
リン酸4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−2’−(トリプロピルアンモニオ)エチル、
リン酸5−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−2’−(トリブチルアンモニオ)エチル、
リン酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−3’−(トリメチルアンモニオ)プロピル、
リン酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−4’−(トリメチルアンモニオ)ブチルエチル、
リン酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−3’−(トリエチルアンモニオ)プロピル、
リン酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−4’(トリエチルアンモニオ)ブチル、
リン酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−3’−(トリプロピルアンモニオ)プロピル、
リン酸2(メタ)アクリロイルオキシエチル−4’−(トリプロピルアンモニオ)ブチル、
リン酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−3’−(トリブチルアンモニオ)プロピル、
リン酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−4’−(トリブチルアンモニオ)ブチル、
リン酸3−(メタ)アクリロイルオキシエチル−3’(トリメチルアンモニオ)プロピル、
リン酸3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−4’−(トリメチルアンモニオ)ブチル、
リン酸3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−3’(トリエチルアンモニオ)プロピル、
リン酸3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−4’−(トリエチルアンモニオ)ブチル、
リン酸3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−3’−(トリプロピルアンモニオ)プロピル、
リン酸3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−4’−(トリプロピルアンモニオ)ブチル、
リン酸3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−3’−(トリブチルアンモニオ)プロピル、
リン酸3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−4’−(トリブチルアンモニオ)ブチル、
リン酸4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−3’−(トリメチルアンモニオ)プロピル、
リン酸4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−4’−(トリメチルアンモニオ)ブチル、
リン酸4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−3’(トリエチルアンモニオ)プロピルエチル、
リン酸4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−4’−(トリエチルアンモニオ)ブチル、
リン酸4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−3’−(トリプロピルアンモニオ)プロピル、
リン酸4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−4’−(トリプロピルアンモニオ)ブチル、
リン酸4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−3’−(トリブチルアンモニオ)プロピル、及び
リン酸4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−4’(トリブチルアンモニオ)ブチル。
【0167】
好ましくは、2−(メタクリロイルオキシエチル)ホスホリルコリンとも呼ばれるリン酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルが、アクリルモノマーPCとして使用される。
【0168】
好ましくは、本発明により使用されるアクリルポリマーPCは、上述のアクリルモノマーPCの重合と、場合により、アクリルモノマーPCとは異なる1つ以上の追加のモノマーの重合により得られるポリマーである。
【0169】
追加のモノマーは、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、エチレン、イソブチレン、アクリロニトリル、スチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレンから選択することができる。
【0170】
アクリルポリマーPCは、40〜100モル%の上述のアクリルモノマーPCから誘導される単位及び0〜60モル%の追加のモノマーから誘導される単位を含むことができる。
【0171】
好ましくは、ホスホリルコリン型の基を有するポリマーは、2−(メタクリロイルオキシエチル)ホスホリルコリンホモポリマー、2−(メタクリロイルオキシエチル)ホスホリルコリン/メタクリル酸ブチルコポリマー、2−(メタクリロイルオキシエチル)ホスホリルコリン/2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル塩化トリメチルアンモニウムコポリマー、2−(メタクリロイルオキシエチル)ホスホリルコリン/メタクリル酸ブチル/メタクリル酸ナトリウムターポリマー、2−(メタクリロイルオキシエチル)ホスホリルコリン/メタクリル酸ステアリルコポリマーから選択される。
【0172】
好ましくは、2−(メタクリロイルオキシエチル)ホスホリルコリンホモポリマー又は2−(メタクリロイルオキシエチル)ホスホリルコリン/メタクリル酸ブチルコポリマー、より好ましくは、2−(メタクリロイルオキシエチル)ホスホリルコリンホモポリマーが使用される。
【0173】
これらのポリマーは、文献EP-A-1163905、EP-A-1095665、FR-A-2698003、EP-A6767212に記載されており、これらの内容は、参照することにより本願に組み込まれる。
【0174】
アクリルポリマーPCは、好ましくは、重量平均分子量50000〜1000000、好ましくは、80000〜800000を有する。
【0175】
以下:
− Nippon Oils and Fats社よりLIPIDURE HMの名称で販売されている、ポリ−2−(メタクリロイルオキシエチル)ホスホリルコリンの40%水/ブタンジオール混合物(5%ブタンジオール)(この製品のCTFA名は、アクリル酸ポリホスホリルコリングリコール(及び)ブチレングリコールである);
− Nippon Oils and Fats社よりLIPIDURE PMBの名称で販売されている、2−(メタクリロイルオキシエチル)ホスホリルコリン/メタクリル酸ブチル(90/10)のコポリマーの5%水溶液(この製品のCTFA名は、ポリクオタニウム−51である);
− Nippon Oils and Fats社よりLIPIDURE-Cの名称で販売されている、2−(メタクリロイルオキシエチル)ホスホリルコリン/2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル塩化トリメチルアンモニウムのコポリマーの5%水溶液;
− Nippon Oils and Fats社よりLIPIDURE-Aの名称で販売されている、2−(メタクリロイルオキシエチル)ホスホリルコリン/メタクリル酸ブチル/メタクリル酸ナトリウムのターポリマーの5%水溶液;及び
− Nippon Oils and Fats社よりLIPIDURE-S、LIPIDURE-NR、LIPIDURE-NAの名称で販売されている、2−(メタクリロイルオキシエチル)ホスホリルコリン/メタクリル酸ステアリルのコポリマー(これらの製品のCTFA名は、ポリクオタニウム−61である)
を、本発明のホスホリルコリン基を有するアクリルポリマーとして使用してもよい。
【0176】
− ポリビニルアルコールの誘導体
ポリ酢酸ビニルは、酢酸ビニルモノマーのラジカル重合より製造されるビニルポリマーであり、その後、この場合88%で加水分解して、ポリビニルアルコール(PVA)を得る;この研究の目的のポリマーは以下の単位:
【化20】


を有する。
【0177】
本発明においては、PVAは、その加水分解形態、即ち、88%まで加水分解されたポリビニルアルコールとして使用される。特に、CELANESE CHEMICALS社よりCELVOL 540 PV ALCOHOLの名称で販売されているPVAを使用することが可能である。
【0178】
生物学的活性
特定の実施態様においては、本発明の方法は、皮膚の生物学的活性を改変するための美容方法である。
【0179】
化合物Aは、Aの縮合から得られる物質が活性分子(化合物C)を保持できるようにするように選択される。
【0180】
該分子は、Aの縮合から得られる物質にいったん固定化されると活性であることができる。この場合において、活性分子の長期活性効果の利点を有することが可能である。
【0181】
あるいは、活性分子を固定により不活性化されうるが、Aの縮合物、場合により、Bから時間とともに放出することができる。この場合において、また、長期活性効果の利点を有することが可能である。
【0182】
従って、本発明は、また、官能基Fとの反応により共有結合を形成することができる反応性官能基Fを含む美容又は皮膚科学上益のある化合物Cの皮膚上での捕捉及び持続的放出のための、インサイチュで縮合することができ、且つ、縮合後に少なくとも1つの遊離反応性官能基Fを有することができる化合物A又は化合物Aのセットの使用に関する。本発明は、また、インサイチュで縮合することができ、且つ、縮合した後に少なくとも1つの遊離反応性官能基Fを有することができる化合物A又は化合物Aのセット、及びAの縮合から得られる物質から放出することができる、官能基Fとの反応により共有結合を形成することができる反応性官能基Fを含む美容又は皮膚科学上益のある化合物Cの皮膚へ適用する、長期活性を有する皮膚の美容又は皮膚科学処理の方法に関する。
【0183】
本発明の特定の実施態様においては、活性分子は本発明を用いて固定することができる。特定の実施態様においては、化合物A及びCは、放出が、自然の作用(例えば、発汗により引き起こされる放出の場合)、あるいは、ヒトの行為(特定の放射、例えば、光(特に、UV、可視光)又は加熱の場合)により生じうるように選択される。従って、熱又は光開裂性などの弱い結合を与えるように、化合物A及びCを使用することができる。
【0184】
皮膚トリートメント剤
化合物Cは、以下のリストから選択される皮膚トリートメント剤であることができる。
【0185】
− 水和剤又は保湿剤
保湿剤又は水和剤としては、特に、グリセロール及びその誘導体、ウレア及びその誘導体、特に、National Starch社より販売されているHydrovance(登録商標)、乳酸、ヒアルロン酸、AHA、BHA、ピドル酸ナトリウム、キシリトール、セリン、乳酸ナトリウム、エクトイン及びその誘導体、キトサン及びその誘導体、コラーゲン、プランクトン、Sederma社よりMoist24(登録商標)の名称で販売されている、インペラータシリンドリーカ抽出物、アクリル酸ホモポリマー、例えば、NOF Corporation社のLipidure-HM(登録商標)、β−グルカン、特に、Mibelle-AG-Biochemistry社のカルボキシメチルβ−グルカンナトリウム;Nestle社よりNutraLipids(登録商標)の名称で販売されている、パッションフラワー、アンズ、トウモロコシ、及びコメヌカ油の混合物;出願WO02/051828に記載のようなC−グリコシド誘導体、特に、水/プロピレングリコール混合物(60/40重量%)中に、活性物質30重量%を含有する溶液の形態のC−β−D−キシロピラノシド−2−ヒドロキシプロパン、例えば、CHIMEX社より「MEXORYL SBB(登録商標)」の商品名で製造される製品;Nestle社より販売されているジャコウバラの油;Vincience社よりAlgualane Zinc(登録商標)の名称で販売されている、亜鉛リッチの微細藻類プロフィリジウムクルエンタム(Prophyridium cruentum)抽出物;Engelhard Lyon社よりmarine filling beadsの名称で販売されている、海洋起源のコラーゲン及びコンドロイチン硫酸ビーズ(Ateocollagen);ヒアルロン酸ビーズ、例えば、Engelhard Lyon社より販売されているものを挙げることができる。
【0186】
− 落屑剤
「落屑剤」は、
− β−ヒドロキシ酸(BHA)、特に、サリチル酸及びその誘導体(n−オクタノイル−5−サリチル酸(別名カプリロイルサリチル酸とも呼ばれる)を含む);グリコール酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸及びマンデル酸などのα−ヒドロキシ酸(AHA);8−ヘキサデセン−1,16−ジカルボン酸又は9−オクタデセン二酸;ウレア及びその誘導体;ゲンチシン酸及びその誘導体;オリゴフコース;ケイ皮酸;Saphora japonica抽出物;レスベラトロール及びジャスモン酸の特定の誘導体などの、剥離を促進することにより落屑に直接的に作用することができるか;
− あるいは、コルネオデスモソーム、グリコシダーゼ、角質層キモトリプシン様酵素(SCCE)又は他のプロテアーゼ(トリプシン、キモトリプシン様)の落屑又は分解に関与する酵素に作用することができる任意の化合物を意味する。アミノスルホン酸化合物、特に、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸(HEPES);2−オキソチアゾリジン−4−カルボン酸(プロシステイン)及びその誘導体;グリシン型のα−アミノ酸誘導体(EP-0852949に記載、ならびにBASFよりTRILON Mの商品名で販売されている、メチルグリシン二酢酸ナトリウム);蜂蜜;O−オクタノイル−6−D−マルトース及びN−アセチルグルコサミンなどの糖誘導体を挙げることができる。
【0187】
本発明の組成物で有用な他の落屑剤としては、以下:
− オリゴフルクトース、EDTA及びその誘導体、コンブ抽出物、o−リノレイル−6D−グルコース、(3−ヒドロキシ−2−ペンチルシクロペンチル)酢酸、グリセロール三乳酸、O−オクタニル−6’−D−マルトース、S−カルボキシメチルシステイン、特許EP0796861に記載のようなサリチレートのケイ素含有誘導体、特許EP0218200に記載のようなオリゴフカーズ(oligofucase)、5−アシルサリチル酸塩、特許EP0899330のようなトランスグルタミナーゼに作用する有効成分、
− インディアンフィグ(Ficus opuntia indica)の花抽出物、例えば、Silab社のExfolactive(登録商標)、
− 8−ヘキサデセン−1,16−ジカルボン酸、
− グルコース及びビタミンFのエステル、及び
− その混合物
を挙げることができる。
【0188】
− バリア機能を向上させるための薬剤
バリア機能を向上させるための薬剤としては、特に、アルギニン、セリン、サーマスサーモフィルス(Thermus thermophilus)の抽出物、例えば、Sederma社のVenuceane(登録商標)、野生ヤマイモの根茎抽出物(Dioscorea villosa)、例えば、Active Organics社のActigen Y(登録商標)、プランクトン抽出物、例えば、Secma社のOmega plancton(登録商標)、酵母エキス、例えば、Coletica社のRelipidium(登録商標)、クリ抽出物、例えば、Silab社のRecoverine(登録商標)、ヒマラヤスギの芽抽出物、例えば、Gattefosse社のGatuline Zen(登録商標)、スフィンゴシン、例えば、Degussa社より「Phytosphingosine(登録商標)SLC」の名称で販売されている、サリチロイルスフィンゴシン、キシリトール、ポリキシリチルグリコシド及びキシリタンの混合物、例えば、Seppic社のAquaxyl(登録商標)、ナス抽出物、例えば、Coletica社のLipidessence(登録商標);ω−3不飽和油、例えば、ジャコウバラの油、ならびにその混合物を挙げることができる。
【0189】
また、特に、セラミド又はその誘導体、特に、2型(例えば、N−オレオイルジヒドロスフィンゴシン)、3型(例えば、INCI名としてステアロイル−4−ヒドロキシスフィンガニン)及び5型(例えば、ヒドロキシパルミトイルスフィンガニンのINCI名を有する、N−2−ヒドロキシパルミトイルジヒドロスフィンゴシン)セラミド、スフィンゴイド系化合物、グリコスフィンゴ脂質、リン脂質、コレステロール及びその誘導体、フィトステロール、必須脂肪酸、ジアシルグリセロール、4−クロマノン及びクロモン誘導体、ワセリン、ラノリン、シアバター、ココアバター、ラノリン、PCA塩を挙げることができる。
【0190】
− 抗酸化剤
特に、トコフェロール及びそのエステル、特に、酢酸トコフェロール;フェルラ酸;セリン;エラグ酸、フロレチン、ポリフェノール、タンニン、タンニン酸、エピガロカテキン及びそれを含有する天然抽出物、アントシアン、ローズマリー抽出物、例えば、Silab社のオリーブ葉抽出物、緑茶抽出物、レスベラトロール及びその誘導体、エルゴチオネイン、N−アセチルシステイン、褐藻Pelvetia canaliculata抽出物、例えば、Secma社のPelvetiane(登録商標)、クロロゲン酸、ビオチン、キレート化剤、例えば、BHT、BHA、N,N’−ビス(3,4,5−トリメトキシベンジル)エチレンジアミン及びその塩;イデベノン、植物抽出物、例えば、Provital社のPronalen Bioprotect(商標);コエンザイムQ10、バイオフラビノイド、SOD、フィタントリオール、リグナン、メラトニン、ピドリン酸塩、グルタチオン、カプリリルグリコール、フロレチン、Totarol(商標)又はトタロール(トタラ−8,11,13−トリエノール又は2−フェナントレノール,4b,5,6,7,8,8a,9,10−オクタヒドロ−4b,8,8−トリメチル−1(1−メチルエチル)を含有するPodocarpus totara抽出物;例えば、SILAB社よりのHelisun(登録商標)の名称で販売されている、ジャスミン抽出物;ラウリン酸ヘスペリチン、例えば、Engelhard Lyon社のFlavagrum PEG(登録商標);例えば、Ichimaru Pharcos社よりBotanpi Liquid B(登録商標)の名称で販売されている、Paeonia suffructicosaの根抽出物;ライチ抽出物、例えば、Cognis社よりLitchiderm LS 9704(登録商標)の名称で販売されている、ライチ果皮抽出物、例えば、Draco Natural Products社より販売されている、ザクロ果実抽出物(Punica granatum)を挙げることができる。
【0191】
他の老化防止剤としては、DHEA及びその誘導体、ボスウェル酸、ローズマリー抽出物、カロテノイド(β−カロテン、ゼアキサンチン、ルテイン)、システイン酸、銅誘導体及びジャスモン酸を挙げることができる。
【0192】
− 脱色剤
脱色剤としては、特に、α及びβ−アルブチン、フェルラ酸、ルシノール及びその誘導体、コウジ酸、レゾルシノール及びその誘導体、トラネキサム酸及びその誘導体、ゲンチシン酸、ホモゲンチシン酸塩、ゲンチシン酸メチル又はホモゲンチシン酸エステル、二酸(dioic acid)、D−パンテテインスルホン酸カルシウム、リポ酸、エラグ酸、ビタミンB3、リノール酸及びその誘導体、セラミド及びその同族体、植物誘導体、例えば、カモミール、ベアベリー、アロエ科(ベラ、フェロックス、バーバデンシス)、クワ、タツナミソウ;Gattefosseより販売されている、キウイフルーツ果汁(Actinidia chinensis)、例えば、Ichimaru Pharcos社よりBotanpi Liquid B(登録商標)の名称で販売されている、Paeonia suffructicosaの根抽出物、黒糖抽出物(Saccharum officinarum)、例えば、Taiyo Kagaku社よりMolasses Liquidの名称で販売されている、糖蜜抽出物を挙げることができるが、これらのリストに限定されない。
【0193】
− 皮膚弛緩剤又は皮膚脱収縮剤
例としては、グルコン酸マンガン及び他の塩、アデノシン、クエン酸アルベリン及びその塩、グリシン、Iris pallida抽出物、ヘキサペプチド(Lipotec社のArgeriline(登録商標))又はサポゲニン、例えば、野生ヤマイモ及び出願EP1484052に記載のカルボニル化アミンを挙げることができる。サポゲニンの例としては、特許出願WO02/47650に記載のもの、特に、野生ヤマイモ、とりわけ、長芋(Dioscorea opposita)から抽出されるジオスゲニン、又は天然にもしくは処理後に、1つ以上のサポゲニンを含有する任意の抽出物(野生ヤマイモの根茎、ヘコゲニン及びチゴゲニンを含有するリュウゼツラン葉、ユリ(Liliaceae)抽出物、より具体的には、スミラゲニン及びサルササポゲニンを含有するユッカ(Yucca)もしくはサルトリイバラ(smilax)、又はサルサパリラの根)、又はActive Organics社のActigen Y;あるいは、ショウガを挙げることができる。
【0194】
また、DMAE(ジメチルMEA)、サムファイア、モンペリエハンニチバナ、ヘリフリサム、アニス、オランダセンニチ(Para cress)の抽出物、キバナオランダセンニチ抽出物(Acmella oleracea)、例えば、Gattefosse社のGatuline(登録商標)を挙げることができる。
【0195】
− 抗糖化剤
「抗糖化剤」は、コラーゲンなどの、皮膚のタンパク質、特に、真皮のタンパク質の糖化を抑制及び/又は低下させる化合物を意味する。
【0196】
抗糖化剤としては、特に、ツツジ科(Ericaceae)の植物抽出物、例えば、COSMETOCHEM社より「BLUEBERRY HERBASOL EXTRACT PG」の名称で販売されている、ブルーベリー抽出物(ローブッシュブルーベリー(Vaccinium angustifolium)、ビルベリー(Vaccinium myrtillus))など、エルゴチオネイン及びその誘導体、ヒドロキシスチルベン及びその誘導体、例えば、レスベラトロール及び3,3’,5,5’−テトラヒドロキシスチルベン(これらの抗糖化剤は、それぞれ、出願FR2802425、FR2810548、FR2796278及びFR2802420に記載されている)、ジヒドロキシスチルベン及びその誘導体、アルギニン及びリシンのポリペプチド、例えば、SOLABIA社より「AMADORINE(登録商標)」の名称で販売されているもの、カルシニン塩酸塩(Exsymol社より「ALISTIN(登録商標)」の名称の販売されている)、ヒマワリ(Helianthus annuus)抽出物、例えば、Silab社のAntiglyskin(登録商標)、ワイン抽出物、例えば、Givaudan社より「Vin blanc deshydrate 2F」の名称で販売されている、マルトデキストリン担体上の粉末状白ワイン抽出物、チオクト酸(又は、α−リポ酸)、ベアベリーとマリングリコーゲン抽出物の混合物、例えば、Laboratoires Seriobiologiques社のAglycal LS 8777(登録商標)、紅茶抽出物、例えば、Sederma社のKombuchka(登録商標)ならびにその混合物を挙げることができる。
【0197】
− 真皮及び/又は表皮高分子の合成を刺激及び/又はその分解を抑制する薬剤
真皮の高分子を刺激又はその分解を抑制する有効成分の中で、以下:
− コラーゲンの合成に作用するもの、例えば、ツボクサ(Centella asiatica)抽出物、アシアチコシド及び誘導体;アスコルビン酸又はビタミンC及びその誘導体;SEDERMA社より販売されている、イアミン、バイオペプチドCL又はパルミトイルオリゴペプチドなどの合成ペプチド;植物から抽出されたペプチド、例えば、COLETICA社よりPhytokine(登録商標)の商品名で販売されている、大豆加水分解物;コメペプチド、例えば、SILAB社のNutripeptide(登録商標)、マヌロン酸メチルシラノール、例えば、Exsymol社より販売されているAlgisium C(登録商標);植物ホルモン、例えば、オーキシン及びリグナン;葉酸;及びムラサキウマゴヤシ(アルファルファ)抽出物、例えば、SILBA社よりVitanol(登録商標)の名称で販売されているもの;ヘーゼルナッツのペプチド抽出物、例えば、Solabia社よりNuteline C(登録商標)の名称で販売されているもの;ならびにアルギニン;
− コラーゲンの分解の阻害に作用するもの、特に、メタロプロテイナーゼ(MMP)、例えば、より具体的には、MMP1、2、3、9の阻害に作用する薬剤。レチノイド及び誘導体、ムラサキウマゴヤシ抽出物、例えば、Silab社のVitanol(登録商標)、Atrium Biotechnologies社よりLanablue(登録商標)の名称で販売されている、アファニゾメノンフロスアクアエ(Aphanizomenon flos-aquae)(藍藻類)抽出物、オリゴペプチド及びリポペプチド、リポアミノ酸、COLETICA社よりCollalift(登録商標)の商品名で販売されている、麦芽抽出物;ビルベリー又はローズマリー抽出物;リコピン;イソフラボン、その誘導体又はそれらを含有する植物抽出物、特に、大豆抽出物(例えば、ICHIMARU PHARCOS社よりFlavosterone SB(登録商標)の商品名で販売されている)、ムラサキツメクサ、亜麻繊維、カッコン抽出物;ライチ抽出物、例えば、Cognis社よりLitchiderm LS 9704(登録商標)の名称で販売されている、ライチ果皮抽出物;Seppic社よりSEPILIFT DPHP(登録商標)の名称で販売されている、ジパルミトイルヒドロキシプロリン、SILABより販売されている、バッカリスゲニステロイズ(Baccharis genistelloide)又はバッカリン(Baccharine)、モリンガ抽出物、例えば、Cognis社のArganyl LS 9781(登録商標);シソ科(Labiatae)の出願FR-A-2812544に記載のセージ抽出物(Flacksmann社のヤクヨウサルビア(Salvia officinalis))、ロードデンドロン抽出物、ブルーベリー抽出物、出願FR-A-2814950に記載のようなビルベリー抽出物を挙げることができる;
− あるいは、エラスチン類(エラスチン及びフィブリリン)に属する分子の合成に作用するもの、例えば、レチノール及び誘導体、特に、パルミチン酸レチノール;LSN社よりCytovitin(登録商標)の商品名で販売されている、サッカロマイセスセレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)抽出物;及びSECMA社よりKelpadelie(登録商標)の商品名で販売されている、藻類マクロシスティスピリフェラ(Macrocystis pyrifera)抽出物;例えば、Solabia社よりNuteline C(登録商標)の名称で販売されている、ヘーゼルナッツのペプチド抽出物;
− あるいは、エラスチン分解の阻害に作用するもの、例えば、LSN社よりParelastyl(登録商標)の名称で販売されている、エンドウ(Pisum sativum)の種ペプチド抽出物;ヘパリノイド;及び出願WO01/94381に記載のN−アシルアミノアミド化合物、例えば、{2−[アセチル−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミノ]−3−メチル−ブチリルアミノ}酢酸、別名、N−[N−アセチル,N’−(3−トリフルオロメチル)フェニルバリル]グリシン、もしくはN−アセチル−N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]バリル−グリシン、もしくはアセチルトリフルオロメチルフェニルバリルグリシン、又はC−Cアルコールとのそのエステル;コメペプチド抽出物、例えば、Pentapharm社のColhibin(登録商標)、あるいはユカン(Phyllanthus emblica)抽出物、例えば、Rona社のEmblica(登録商標);
− あるいは、グリコサミノグリカンの合成に作用するもの、例えば、BROOKS社よりBiomin yogourth(登録商標)の商品名で販売されている、ラクトバチルスブルガリス(Lactobacillus vulgaris)の乳汁の発酵産物;ALBAN MUELLER社よりHSP3(登録商標)の商品名で販売されている、褐藻パディナパボニカ(Padina pavonica)抽出物;特に、SILAB社よりFirmalift(登録商標)の商品名で又はLSN社よりCytovitin(登録商標)の商品名で市販されている、サッカロマイセスセレヴィシエ抽出物;ラミナリアオクロロイカ(Laminaria ochroleuca)抽出物、例えば、Secma社のLaminaine(登録商標);Lucas Meyer社のママク(Mamaku)エキス、クレス抽出物(Silab社のOdraline(登録商標));
− あるいは、フィブロネクチンの合成に作用するもの、例えば、SEPORGA社よりGP4G(登録商標)の商品名で販売されている、動物プランクトンサリナ(Salina)抽出物;特に、ALBAN MUELLER社よりDrieline(登録商標)の商品名で市販されている酵母抽出物;及びSEDERMA社よりMatrixil(登録商標)の商品名で販売されている、パルミトイルペンタペプチド
を挙げることができる。
【0198】
フィラグリン及びケラチンなどの表皮高分子を刺激する有効成分の中で、特に、SILAB社よりStructurine(登録商標)の商品名で販売されている、ルピナス抽出物;GATTEFOSSE社よりGatuline(登録商標)RCの商品名で販売されている、ヨーロッパブナ(Fagus sylvatica)の芽抽出物;及び、SEPORGA社よりGP4G(登録商標)の名称で販売されている動物プランクトンサリナ抽出物;PROCYTE社の銅トリペプチド;例えば、Laboratoires Serobiologiques社よりFilladyn LS 9397(登録商標)の商品名で販売されている、バンバラマメ(Voandzeia subterranea)のペプチド抽出物を挙げることができる。
【0199】
好ましい真皮及び/又は表皮高分子の合成を刺激及び/又はその分解を抑制する有効成分としては、合成ペプチド、例えば、SEDERMA社より販売されている、イアミン、バイオペプチドCL又はパルミトイルオリゴペプチド;植物から抽出されたペプチド、例えば、COLETICA社よりPhytokine(登録商標)の名称で販売されている、大豆加水分解物;コメペプチド、例えば、SILAB社のNutripeptide(登録商標)、マヌロン酸メチルシラノール、例えば、Exsymol社より販売されているAlgisium C(登録商標);葉酸;例えば、SILBA社よりVitanol(登録商標)の名称で販売されている、ムラサキウマゴヤシ(アルファルファ)抽出物;例えば、Solabia社よりNuteline C(登録商標)の名称で販売されている、ヘーゼルナッツのペプチド抽出物;アルギニン;Atrium Biotechnologies社よりLanablue(登録商標)の名称で販売されている、アファニゾメノンフロスアクアエ(藍藻類)抽出物、COLETICA社よりCollalift(登録商標)の名称で販売されている、麦芽抽出物;リコピン;ライチ抽出物;モリンガ抽出物、例えば、Cognis社のArganyl LS 9781(登録商標);出願FR-A-2814950に記載のような、ビルベリー抽出物;レチノール及び誘導体、特に、パルミチン酸レチニル;{2−[アセチル−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミノ]−3−メチル−ブチリルアミノ}酢酸、別名、N−[N−アセチル,N’−(3−トリフルオロメチル)フェニルバリル]グリシン、もしくはN−アセチル−N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]バリル−グリシン、もしくはアセチルトリフルオロメチルフェニルバリルグリシン、又はC−Cアルコールとのそのエステル;コメペプチド抽出物、例えば、Pentapharm社のColhibin(登録商標)、又はユカン抽出物、例えば、Rona社のEmblica(登録商標);ALBAN MUELLER社よりHSP3(登録商標)の商品名で販売されている、褐藻パディナパボニカ抽出物;特に、SILAB社よりFirmalift(登録商標)の商品名で又はLSN社よりCytovitin(登録商標)の商品名で市販されているサッカロマイセスセレヴィシエ抽出物;ラミナリアオクロロイカ抽出物、例えば、Secma社のLaminaine(登録商標);Lucas Meyer社のママクエキス、SILAB社よりStructurine(登録商標)の商品名で販売されているルピナス抽出物;GATTEFOSSE社よりGatuline(登録商標)RCの商品名で販売されているヨーロッパブナの芽抽出物を挙げることができる。
【0200】
− 線維芽細胞もしくはケラチノサイトの増殖及び/又はケラチノサイトの分化を刺激する薬剤
本発明の組成物で使用可能な線維芽細胞の増殖を刺激する薬剤は、例えば、特に、大豆から抽出された植物タンパク質又はポリペプチド(例えば、LSN社よりEleseryl SH-VEG 8(登録商標)の名称で販売されている、又はSILAB社よりRaffermine(登録商標)の商品名で販売されている大豆抽出物);加水分解大豆タンパク質の抽出物、例えば、SILAB社のRIDULISSE(登録商標);及び植物ホルモン、例えば、ジベレリン及びサイトカイニン;例えば、Solabia社よりNuteline C(登録商標)の名称で販売されている、ヘーゼルナッツのペプチド抽出物から選択することができる。
【0201】
ケラチノサイトの増殖及び/又は分化を促進する薬剤が好ましく使用されるだろう。
【0202】
本発明の組成物で使用可能なケラチノサイトの増殖を刺激する薬剤は、特に、アデノシン;フロログルシノール、アジサイ(Hydrangea macrophylla)の葉抽出物、例えば、Ichimaru Pharcos社のAmacha liquid E(登録商標)、酵母抽出物、例えば、CLR社のStimoderm(登録商標)、ラレアディバリカタ(Larrea divaricata)抽出物、例えば、Sederma社のCapislow(登録商標)、パパヤ、オリーブ葉及びレモンの抽出物混合物、例えば、Vincience社のXyleine(登録商標)、アジサイの葉抽出物、例えば、Ichimaru Pharcos社のAmacha liquid E(登録商標)、レチノール及びパルミチン酸レチニルを含むそのエステル、フロログルシノール、Gattefosse社より販売されているナッツケーキ(nut cake)抽出物及びジャガイモ(Solanum tuberosum)抽出物、例えば、Sederma社より販売されているDermolectin(登録商標)を含む。
【0203】
ケラチノサイトの分化を刺激する薬剤は、例えば、カルシウムなどのミネラル;サムファイア、例えば、SILAB社よりStructurine(登録商標)の商品名で販売されている、ルピナスのペプチド抽出物、例えば、SEPORGA社よりPhytocohesine(登録商標)の商品名で販売されている、β−シトステリル硫酸ナトリウム、例えば、SOLABIA社よりPhytovityl(登録商標)の商品名で販売されている、水溶性トウモロコシ抽出物;例えば、Laboratoires Serobiologiques社よりFilladyn LS 9397(登録商標)の商品名で販売されている、バンバラマメペプチド抽出物;及びセコイソラリシレシノールなどのリグナン、レチノール及びパルミチン酸レチニルを含むそのエステルを含む。
【0204】
ケラチノサイトの増殖及び/又は分化を刺激する薬剤としては、さらに、エストラジオール及び同族体などのエストロゲン;サイトカインを挙げることができる。
【0205】
線維芽細胞もしくはケラチノサイトの増殖及び/又はケラチノサイトの分化を刺激する有効成分としては、植物タンパク質又はポリペプチド、特に、大豆の抽出物(例えば、LSN社よりEleseryl SH-VEG 8(登録商標)の名称で販売されている、又はSILAB社よりRaffermine(登録商標)の商品名で販売されている大豆抽出物);加水分解大豆タンパク質の抽出物、例えば、SILAB社のRIDULISSE(登録商標);例えば、Solabia社よりNuteline C(登録商標)の名称で販売されている、ヘーゼルナッツのペプチド抽出物;アデノシン;フロログルシノール、酵母抽出物、例えば、CLR社のStimoderm(登録商標);例えば、SILAB社よりStructurine(登録商標)の商品名で販売されている、ルピナスのペプチド抽出物;例えば、SOLABIA社よりPhytovityl(登録商標)の商品名で販売されている、水溶性トウモロコシ抽出物;例えば、Laboratoires Serobiologiques社よりFilladyn LS 9397(登録商標)の商品名で販売されている、バンバラマメペプチド抽出物;レチノール及びパルミチン酸レチニルを含むそのエステルを挙げることができる。
【0206】
− 角化膜の成熟を促進する薬剤
年齢とともに変化し、トランスグルタミナーゼの活性を低下させる角化膜の成熟に影響を与える薬剤を、本発明の組成物において使用することができる。例えば、ウレア及びその誘導体、特に、National Starch社のHydrovance(登録商標)及びL'OREALの出願FR2877220(未公開)で言及されている他の有効成分を挙げることができる。
【0207】
− 一酸化窒素合成酵素の阻害剤
NOSに対して阻害作用を有する薬剤は、PCO(プロシアニドールオリゴマー);特に、Euromed社より「Leucocyanidines de raisins extra」の名称で、又はIndena社よりLeucoselect(登録商標)の名称で、又は最後にHansen社より「Extrait de marc de raisin」の名称で販売されているビニフェラ種(Vitis vinifera)の植物抽出物;好ましくは、オリーブ葉から得られる、特に、VINYALS社より乾燥抽出物の形態で、又はBiologia & Technologia社よりEurol(登録商標)BTの商品名で販売されている、オリーブ科(Olea europaea)の植物抽出物;イチョウ科(Ginkgo biloba)の植物抽出物、好ましくは、Beaufour社より「Ginkgo biloba extrait standard」の商品名で販売されているこの植物の乾燥水性抽出物、ならびにその混合物から選択することができる。
【0208】
− 末梢ベンゾジアゼピン受容体(PBR)のアンタゴニスト
例えば、1−(2−クロロフェニル)−N−(1−メチルプロピル)−3−イソキノリンカルボキシアミド;出願WO03/030937、WO03/068753に記載の化合物、文献WO00/44384に記載されるような、一般式(VII)で表されるピリダジノ[4,5−b]インドール−1−アセトアミドの誘導体を挙げることができる。
【0209】
− 脂腺活性を増加させる薬剤
例えば、デヒドロジャスモン酸メチル、ヘコゲニン、ヘジオン、O−リノレイル−6D−グルコース及びその混合物を挙げることができる。
【0210】
− 細胞のエネルギー代謝を刺激する薬剤
細胞のエネルギー代謝を刺激する有効成分は、例えば、ビオチン、サッカロマイセスセレヴィシエ抽出物、例えば、Sederma社のPhosphovital(登録商標)、ピロリドンカルボン酸のナトリウム、マンガン、亜鉛及びマグネシウム塩の混合物、例えば、Solabia社のPhysiogenyl(登録商標)、グルコン酸亜鉛、銅及びマグネシウムの混合物、例えば、Seppic社のSepitonic M3(登録商標)及びその混合物;例えば、Mibelle AG Biochemistry社より販売されている、サッカロマイセスセレヴィシエ由来のβ−グルカンから選択することができる。
【0211】
頭皮をトリートメントする薬剤
頭皮をトリートメントする薬剤は、特に、フケ防止剤、例えば、亜鉛ピリチオン水性分散液、例えば、Arch Personal Care社のZinc Omadine Pyrithione、又はオクトピロックス(octopyrox)、又はケトコナゾール、又は二硫化セレン、又はティーツリー油(Tea Tree Oil)であってもよい。
【0212】
本出願人は、亜鉛ピリチオン分散液のAPTES膜への接触が、亜鉛ピリチオン分散液がほぼ瞬間的に凝集することを伴うことを実証することができた。この凝集により、頭皮への有効成分の沈着を改善することができる。
【0213】
光保護剤及びフィルター剤
特定の実施態様においては、本発明の方法は、化合物Cが、光保護剤、特に、UVフィルター剤から選択される、照射から、特に、UV照射から保護する美容方法である。
【0214】
有機UVフィルター剤は、特に、ケイ皮酸誘導体;アントラニル酸;サリチル酸誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、カンファー誘導体;ベンゾフェノン誘導体;β,β−ジフェニルアクリル酸誘導体;トリアジン誘導体;ベンゾトリアゾール誘導体;特に、特許US5624663に挙げられるベンザルマロン酸誘導体;ベンズイミダゾール誘導体;イミダゾリン;特許EP669323及びUS2,463,264に記載のようなビス−ベンゾアゾリル(benzoazolyl)誘導体;p−アミノ安息香酸(PABA)誘導体;出願US5,237,071、US5,166,355、GB2303549、DE19726184及びEP893119に記載のようなメチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)誘導体;特許出願EP0832642、EP1027883、EP1300137及びDE10162844に記載のようなベンゾオキサゾール誘導体;特に、出願WO-93/04665に記載のようなポリマーフィルター剤及びシリコーンフィルター剤;特許出願DE19855649に記載のようなα−アルキルスチレンから誘導されるダイマー;出願EP0967200、DE19746654、DE19755649、EP-A-1008586、EP1133980及びEP133981に記載のような4,4−ジアリールブタジエン;出願WO04/006878、WO05/058269及びWO06/032741に記載のようなメロシアニン誘導体ならびにその混合物から選択される。
【0215】
有機光保護剤の追加例としては、INCI名で以下に示すものを挙げることができる:
ケイ皮酸誘導体:
特に、DSM NUTRITIONAL PRODUCTS社よりPARSOL MCXの商品名で販売されている、メトキシケイ皮酸エチルへキシル、
メトキシケイ皮酸イソプロピル、
Symrise社よりNEO HELIOPAN E 1000の商品名で販売されている、メトキシケイ皮酸イソアミル、
メトキシケイ皮酸DEA、
メチルケイ皮酸ジイソプロピル、
ジメトキシケイ皮酸エチルヘキサン酸グリセリル。
【0216】
ジベンゾイルメタン誘導体:
特に、DSM社よりPARSOL 1789の商品名で販売されている、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、
イソプロピルジベンゾイルメタン。
【0217】
パラ−アミノ安息香酸誘導体:
PABA、
エチルPABA、
エチルジヒドロキシプロピルPABA、
特に、ISP社より「ESCALOL 507」の名称で販売されている、エチルへキシルジメチルPABA、
グリセリルPABA、
BASF社より「UVINUL P25」の名称で販売されている、PEG−25 PABA。
【0218】
サリチル酸誘導体:
Rona/EM Industries社より「Eusolex HMS」の名称で販売されている、ホモサレート(Homosalate)、
Symrise社より「NEO HELIOPAN BONE」の名称で販売されている、サリチル酸エチルへキシル、
SCHER社より「DIPSAL」の名称で販売されている、サリチル酸ジプロピレングリコール、
Symrise社より「NEO HELIOPAN TS」の名称で販売されている、サリチル酸TEA。
【0219】
β,β−ジフェニルアクリル酸誘導体:
特に、BASF社より「UVINUL N539」の商品名で販売されている、オクトクリレン(Octocrylene)、
特に、BASF社より「UVINUL N35」の商品名で販売されている、エトクリレン(Etocrylene)。
【0220】
ベンゾフェノン誘導体:
BASF社より「UVINUL 400」の商品名で販売されている、ベンゾフェノン−1、
BASF社より「UVINUL D50」の商品名で販売されている、ベンゾフェノン−2、
BASF社より「UVINUL M40」の商品名で販売されている、ベンゾフェノン−3又はオキシベンゾン、
BASF社より「UVINUL MS40」の商品名で販売されている、ベンゾフェノン−4、
ベンゾフェノン−5、
Norquay社より「Helisorb 11」の商品名で販売されている、ベンゾフェノン−6、
American Cyanamid社より「Spectra-Sorb UV-24」の商品名で販売されている、ベンゾフェノン−8、
BASF社より「UVINUL DS-49」の商品名で販売されている、ベンゾフェノン−9、
ベンゾフェノン−12、
BASF社より「UVINUL A+」の商品名で販売されている、2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)−安息香酸n−へキシル、又は「UVINUL A+B」の商品名で販売されている、オクチルメトキシケイ皮酸との混合物。
【0221】
ベンジリデンカンファー誘導体:
CHIMEX社より「MEXORYL SD」の名称で製造されている、3−ベンジリデンカンファー、
MERCK社より「EUSOLEX 6300」の名称で販売されている、4−メチルベンジリデンカンファー、
CHIMEX社より「MEXORYL SL」の名称で製造されている、ベンジリデンカンファースルホン酸、
CHIMEX社より「MEXORYL SO」の名称で製造されている、カンファーメト硫酸ベンザルコニウム、
CHIMEX社より「メキソリルエスエックス(MEXORYL SX)」の名称で製造されている、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、
CHIMEX社より「MEXORYL SW」の名称で製造されている、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー。
【0222】
フェニルベンズイミダゾール誘導体:
特に、MERCK社より「EUSOLEX 232」の商品名で販売されている、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、
Symrise社より「NEO HELIOPAN AP」の商品名で販売されている、フェニルジベンズイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム。
【0223】
フェニルベンゾトリアゾール誘導体:
RHODIA CHIMIE社より「Silatrizole」の名称で販売されている、ドロメトリゾールトリシロキサン、
FAIRMOUNT CHEMICAL社より「MIXXIM BB/100」の商品名で固体の形態で、又はCIBA SPECIALTY CHEMICALS社より「TINOSORB M」の商品名で微粉化形態の水性分散液で販売されている、メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール。
【0224】
トリアジン誘導体:
−CIBA GEIGY社より「TINOSORB S」の商品名で販売されている、ビス−エチルへキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、
−特に、BASF社より「UVINUL T150」の商品名で販売されている、エチルへキシルトリアゾン、
−SIGMA 3V社より「UVASORB HEB」の商品名で販売されている、ジエチルへキシルブタミドトリアゾン、
−2,4,6−トリス(4’−アミノベンザルマロン酸ジネオペンチル)−s−トリアジン
−2,4,6−トリス−(4’−アミノベンザルマロン酸ジイソブチル)−s−トリアジン、
−2,4−ビス(4’−アミノベンザルマロン酸ジネオペンチル)−6−(4’−アミノ安息香酸n−ブチル)−s−トリアジン、
−特許US6,225,467、出願WO2004/085412(化合物6及び9参照)又は文献「Symmetrical Triazine Derivatives」IP.COM Journal, IP.COM INC WEST HENRIETTA, NY, US(2004年9月20日)に記載の対称トリアジンフィルター、特に、2,4,6−トリス−(ビフェニル)−1,3,5−トリアジン(特に、2,4,6−トリス(ビフェニル−4−イル−1,3,5−トリアジン)及び特許出願WO06/035000、WO06/034982、WO06/034991、WO06/035007、WO2006/034992、WO2006/034985に挙げられる2,4,6−トリス(テルフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0225】
アントラニル酸誘導体:
Symrise社より「NEO HELIOPAN MA」の商品名で販売されている、アントラニル酸メンチル。
【0226】
イミダゾリン誘導体:
プロピオン酸エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリン。
【0227】
ベンザルマロネート誘導体:
DSM NUTRITIONAL PRODUCTS社より「PARSOL SLX」の商品名で販売されているポリシリコーン−15などの、ベンザルマロネート官能基を有するポリオルガノシロキサン。
【0228】
4,4−ジアリールブタジエン誘導体:
−1,1−ジカルボキシ(2,2’−ジメチルプロピル)−4,4−ジフェニルブタジエン。
【0229】
ベンゾオキサゾール誘導体:
SIGMA 3V社よりUvasorb K2Aの名称で販売されている、2,4−ビス−[5−1(ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール−2−イル−(4−フェニル)−イミノ]−6−(2−エチルへキシル)−イミノ−1,3,5−トリアジン及びその混合物。
【0230】
好ましい有機フィルターは、以下:
メトキシケイ皮酸エチルへキシル、
サリチル酸エチルへキシル、
ホモサレート、
ブチルメトキシジベンゾイルメタン、
オクトクリレン、
フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、
ベンゾフェノン−3、
ベンゾフェノン−4、
ベンゾフェノン−5、
2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)−安息香酸n−へキシル、
4−メチルベンジリデンカンファー、
テレフタリリデンジカンファースルホン酸、
フェニルジベンズイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム、
メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、
ビス−エチルへキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、
エチルへキシルトリアゾン、
ジエチルへキシルブタミドトリアゾン、
2,4,6−トリス(4’−アミノベンザルマロン酸ジネオペンチル)−s−トリアジン、
2,4,6−トリス−(4’−アミノベンザルマロン酸ジイソブチル)−s−トリアジン、
2,4−ビス(4’−アミノベンザルマロン酸ジネオペンチル)−6−(4’−アミノ安息香酸n−ブチル)−s−トリアジン、
2,4,6−トリス(ビフェニル−4−イル)−1,3,5−トリアジン、
2,4,6−トリス(テルフェニル)−1,3,5−トリアジン、
ドロメトリゾールトリシロキサン、
ポリシリコーン−15、
1,1−ジカルボキシ−(2,2’−ジメチルプロピル)−4,4−ジフェニルブタジエン、
2,4−ビス−[5−1(ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール−2−イル−(4−フェニル)−イミノ]−6−(2−エチルへキシル)−イミノ−1,3,5−トリアジン
及びその混合物から選択される。
【0231】
本発明により使用される無機UVフィルターは、金属酸化物顔料である。より好ましくは、本発明の無機UVフィルターは、個々に500nm以下、より好ましくは、5nm〜500nm、さらにより好ましくは、10nm〜100nm、好ましくは、15〜50nmの個々の粒子の平均粒径を有する金属酸化物粒子である。
【0232】
これらは、特に、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化セリウム又はその混合物から選択することができる。
【0233】
この種類の被覆又は非被覆金属酸化物顔料は、特に、特許出願EP-A-0518773に記載されている。市販の顔料としては、Kemira社、Tayca社、Merck社及びDegussa社から販売されている製品を挙げることができる。
【0234】
金属酸化物顔料は、被覆されているか、又は非被覆であってもよい。
【0235】
被覆顔料は、アミノ酸、ミツロウ、脂肪酸、脂肪族アルコール、アニオン性界面活性剤、レシチン、脂肪酸のナトリウム、カリウム、亜鉛、鉄又はアルミニウム塩、(チタン又はアルミニウムの)金属アルコキシド、ポリエチレン、シリコーン、タンパク質(コラーゲン、エラスチン)、アルカノールアミン、酸化ケイ素、金属酸化物又はヘキサメタリン酸ナトリウムなどの化合物で、1つ以上の化学的、電気的、機械化学的及び/又は機械的性質の表面処理を行った顔料である。
【0236】
被覆顔料は、より具体的には、以下:
− シリカ、例えば、IKEDA社の製品「SUNVEIL」
− シリカ及び酸化鉄、例えば、IKEDA社の製品「SUNVEIL F」
− シリカ及びアルミナ、例えば、TAYCA社の製品「MICROTITANIUM DIOXIDE MT 500 SA」及び「MICROTITANIUM DIOXIDE MT 100 SA」、TIOXIDE社の製品「TIOVEIL」
− アルミナ、例えば、ISHIHARA社の製品「TIPAQUE TTO-55 (B)」及び「TIPAQUE TTO-55 (A)」、ならびにKEMIRA社の製品「UVT 14/4」
− アルミナ及びステアリン酸アルミニウム、例えば、TAYCA社の製品「MICROTITANIUM DIOXIDE MT 100 T、MT 100 TX、MT 100 Z、MT-01」、UNIQEMA社の製品「Solaveil CT-10 W」及び「Solaveil CT 100」、ならびにMERCK社の製品「Eusolex T-AVO」
− シリカ、アルミナ及びアルギン酸、例えば、TAYCA社の製品「MT-100 AQ」
− アルミナ及びラウリン酸アルミニウム、例えば、TAYCA社の製品「MICROTITANIUM DIOXIDE MT 100 S」
− 酸化鉄及びステアリン酸鉄、例えば、TAYCA社の製品「MICROTITANIUM DIOXIDE MT 100 F」
− 酸化亜鉛及びステアリン酸亜鉛、例えば、TAYCA社の製品「BR 351」
− シリカ及びアルミナのシリコーンで処理した、例えば、TAYCA社の製品「MICROTITANIUM DIOXIDE MT 600 SAS」、「MICROTITANIUM DIOXIDE MT 500 SAS」又は「MICROTITANIUM DIOXIDE MT 100 SAS」
− シリカ、アルミナ又はステアリン酸アルミニウムのシリコーンで処理した、例えば、TITAN KOGYO社の製品「STT-30-DS」
− シリカのシリコーンで処理した、例えば、KEMIRA社の製品「UV-TITAN X 195」
− アルミナのシリコーンで処理した、例えば、ISHIHARA社の製品「TIPAQUE TTO-55 (S)」、又はKEMIRA社の製品「UV TITAN M 262」
− トリエタノールアミン、例えば、TITAN KOGYO社の製品「STT-65-S」
− ステアリン酸、例えば、ISHIHARA社の製品「TIPAQUE TTO-55 (C)」
− ヘキサメタリン酸ナトリウム、例えば、TAYCA社の製品「MICROTITANIUM DIOXIDE MT 150 W」
− DEGUSSA SILICES社より「T 805」の商品名で販売されている、オクチルトリメチルシランで処理したTiO
− CARDRE社より「70250 Cardre UF TiO2SI3」の商品名で販売されている、ポリジメチルシロキサンで処理したTiO
− COLOR TECHNIQUES社より「MICRO TITANIUM DIOXIDE USP GRADE HYDROPHOBIC」の商品名で販売されている、ポリジメチルヒドロゲノシロキサンで処理したアナターゼ/ルチルTiO
の被覆酸化チタンである。
【0237】
非被覆酸化チタン顔料は、例えば、TAYCA社より「MICROTITANIUM DIOXIDE MT 500 B」又は「MICROTITANIUM DIOXIDE MT600 B」の商品名で、DEGUSSA社より「P 25」の名称で、WACKHER社より「Oxyde de titane transparent PW」の名称で、MIYOSHI KASEI社より「UFTR」の名称で、TOMEN社より「ITS」の名称で、そして、TIOXIDE社より「TIOVEIL AQ」の名称で販売されている。
【0238】
非被覆酸化亜鉛顔料は、例えば、以下:
− Sunsmart社より「Z-cote」の名称で販売されているもの;
− Elementis社より「Nanox」の名称で販売されているもの;
− Nanophase Technologies社より「Nanogard WCD 2025」の名称で販売されているもの
である。
【0239】
被覆酸化亜鉛顔料は、例えば、以下の:
− Toshibi社より「Oxide zinc CS-5」の名称で販売されているもの(ポリメチルハイドロジェンシロキサンで被覆したZnO);
− Nanophase Technologies社より「Nanogard Zinc Oxide FN」の名称で販売されているもの(Finsolv TN、即ち、安息香酸C12−C15アルコールの40%分散物);
− Daito社より「DAITOPERSION ZN-30」及び「DAITOPERSION Zn-50」の名称で販売されているもの(シリカ及びポリメチルハイドロジェンシロキサンで被覆した30%又は50%のナノ酸化亜鉛を含有する、シクロポリメチルシロキサン/エトキシ化ポリジメチルシロキサン分散物);
− Daikin社より「NFD Ultrafine ZnO」の名称で販売されているもの(リン酸ペルフルオロアルキル及びペルフルオロアルキルエチル系コポリマーで被覆したZnOのシクロペンタシロキサン分散物);
− Shin-Etsu社より「SPD-Z1」の名称で販売されているもの(シリコーングラフトアクリルポリマーで被覆したZnOのシクロジメチルシロキサン分散物);
− ISP社より「Escalol Z100」の名称で販売されているもの(アルミナで処理し、メトキシケイ皮酸エチルへキシル/PVP−ヘキサデセンコポリマー/メチコン混合物に分散したZnO);
− Fuji Pigment社より「Fuji ZnO-SMS-10」の名称で販売されているもの(シリカ及びポリメチルシルセスキオキサンで被覆したZnO);
− Elementis社より「Nanox Gel TN」の名称で販売されているもの(ヒドロキシステアリン酸重縮合体との安息香酸C12−C15アルコールの55%ZnO分散物)
である。
【0240】
非被覆酸化セリウム顔料は、例えば、RHONE POULENC社より「COLLOIDAL CERIUM OXIDE」の名称で販売されているものであってもよい。
【0241】
非被覆酸化鉄顔料は、例えば、ARNAUD社より「NANOGARD WCD 2002 (FE 45B)」、「NANOGARD IRON FE 45 BL AQ」、「NANOGARD FE 45R AQ」、「NANOGARD WCD 2006 (FE 45R)」の名称で、又はMITSUBISHI社より「TY-220」の名称で販売されているものである。
【0242】
被覆酸化鉄顔料は、例えば、ARNAUD社より「NANOGARD WCD 2008 (FE 45B FN)」、「NANOGARD WCD 2009 (FE 45B 556)」、「NANOGARD FE 45 BL 345」、「NANOGARD FE 45 BL」の名称で、又はBASF社より「OXYDE DE FER TRANSPARENT」の名称で販売されているものである。
【0243】
また、金属酸化物の混合物、特に、IKEDA社より「SUNVEIL A」の名称で販売されている、シリカで被覆した二酸化チタンと二酸化セリウムの当重量混合物を含む、二酸化チタン及び二酸化セリウムの混合物、ならびにKEMIRA社から販売されている製品「M 261」などのアルミナ、シリカ及びシリコーンで被覆した、又はKEMIRA社から販売されている製品「M 211」などのアルミナ、シリカ及びグリセリンで被覆した、二酸化チタン及び二酸化亜鉛の混合物を挙げることができる。
【0244】
本発明によれば、被覆又は非被覆酸化チタン顔料が特に好ましい。
【0245】
本発明の光保護系は、好ましくは、本発明の組成物中に、組成物の総重量に対して、0.1〜40重量%、特に、5〜25重量%の含量で存在する。
【0246】
匂い
皮膚に匂いを付与するために、その匂いの特性を固定により不活化することができるが、Aの縮合から得られる物質を時間とともに放出することができ、従って、その匂いの特性を再生する、匂いを放つ分子Cを使用することが可能である。放出が時間をかけて徐々に進むため、長期間の匂いの効果の利点を有することが可能である。
【0247】
化合物Cは、典型的には、テルペンアルデヒド誘導体などのアルデヒド化合物、又はケトン、例えば、メントン、シトロネラール又はシトラールから選択することができる。
【0248】
香料は、特に、S. Arctander, Perfume and Flavor Chemicals (Montclair, N.J., 1969)、S. Arctander, Perfume and Flavor Materials of Natural Origin (Elizabeth, N.J., 1960)、及び「Flavor and Fragrance Materials - 1991」, Allured Publishing Co. Wheaton,Illに記載の原料を含有する組成物である。
【0249】
これらは、より具体的には、飽和又は不飽和の、脂肪族又は環状の少なくとも1つのアルデヒド化合物及び/又はケトン化合物を含む、天然物(エッセンシャルオイル、アブソリュート、レジノイド、樹脂、凝集物及び/又は合成物)であることができる。
【0250】
国際標準ISO 9235で与えられ、欧州薬局方委員会で承認された規定によれば、エッセンシャルオイルは、蒸気を用いたエントレインメントにより、又は乾留により、又は加熱しない適切な機械的プロセス(冷圧搾)により、植物学的に定義された植物原料から得られる一般的に複雑な組成の匂いのある産物である。エッセンシャルオイルは、ほとんどの場合、大きな組成変化をもたらさない物理的プロセスにより水相から分離される。
【0251】
エッセンシャルオイルは、一般的に、いわゆる固定油とは区別される、室温で、揮発性の液体である。これらは様々な度合で着色され、その密度は、一般的に水よりも小さい。これらは高い屈折率を有し、そのほとんどは偏光を屈折させる。これらは脂溶性であり、一般的な有機溶媒に可溶で、蒸気により混入させることができ、そして、水溶性が極めて低い。
【0252】
本発明で使用可能なエッセンシャルオイルの中で、下記の植物種:
モミ科(Abietaceae)又はマツ科(Pinaceae):針葉樹
ヒガンバナ科(Amaryllidaceae)
ウルシ科(Anacardiaceae)
バンレイシ科(Annonaceae):イランイランノキ(ylang ylang)
セリ科(Apiaceae)(例えば、セリ科(umbelliferae)):ディル、アンゼリカ、コリアンダー、サムファイア、ニンジン、パセリ
サトイモ科(Araceae)
ウマノスズクサ科(Aristolochiaceae)
キク科(Asteraceae):ノコギリソウ、ヨモギ、カモミール、ムギワラギク
カバノキ科(Betulaceae)
アブラナ科(Brassicaceae)
カンラン科(Burseraceae):香(incense)
ナデシコ科(Caryophyllaceae)
カネラ科(Canellaceae)
ジャケツイバラ科(Caesalpiniaceae):コパイバ(コパイババルサム)
アカザ科(Chenopodiaceae)
ハンニチバナ科(Cistaceae):ハンニチバナ
カヤツリグサ科(Cyperaceae)
フタバガキ科(Dipterocarpaceae)
ツツジ科(Ericaceae):ウィンターグリーン
トウダイグサ科(Euphorbiaceae)
マメ科(Fabaceae)
フウロソウ科(Geraniaceae):ゼラニウム
オトギリソウ科(Guttiferae)
マンサク科(Hamamelidaceae)
ハスノハギリ科(Hernandiaceae)
オトギリソウ科(Hypericaceae):セントジョーンズワート
アヤメ科(Iridaceae)
クルミ科(Juglandaceae)
シソ科(Lamiaceae):タイム、オレガノ、ホースミント、サボリー、バジル、マージョラム、ミント、パチョリ、ラベンダー、セージ、キャットミント、ローズマリー、ヒソップ、レモンバーム、ローズマリー
クスノキ科(Lauraceae):ラベンサラ、月桂樹、シタン、シナモン、リツェア
ユリ科(Liliaceae):ニンニク
モクレン科(Magnoliaceae):モクレン
アオイ科(Malvaceae)
センダン科(Meliaceae)
モニミア科(Monimiaceae)
クワ科(Moraceae):大麻、ホップ
ヤマモモ科(Myricaceae)
ニクズク科(Myristicaceae):ナツメグ
フトモモ科(Myrtaceae):ユーカリ、ティーツリー、ニアウリ、カユプテ、レモンマートル(backousia)、クローブ、ギンバイカ
モクセイ科(Oleaceae)
コショウ科(Piperaceae):コショウ
トベラ科(Pittosporaceae)
イネ科(Poaceae):シトロネラ、レモングラス、ベチベル
タデ科(Polygonaceae)
キンポウゲ科(Ranunculaceae)
バラ科(Rosaceae):バラ
アカネ科(Rubiaceae)
ミカン科(Rutaceae):全ての柑橘系植物
ヤナギ科(Salicaceae)
ビャクダン科(Santalaceae):ビャクダン
ユキノシタ科(Saxifragaceae)
マツブサ科(Schisandraceae)
エゴノキ科(Styracaceae):ベンゾイン
ジンチョウゲ科(Thymelaeaceae):ジンコウ
シナノキ科(Tiliaceae)
オミナエシ科(Valerianaceae):カノコソウ、ナルド
クマツヅラ科(Verbenaceae):ランタナ、バーベナ
スミレ科(Violaceae)
ショウガ科(Zingiberaceae):ガランガ、クルクマ、カルダモン、ジンジャー
ハマビシ科(Zygophyllaceae)
に属する植物から得られるものを挙げることができる。
【0253】
また、花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、イランイランノキ、ネロリ)、茎及び葉(パチョリ、ゼラニウム、オレンジ葉油)、果実(コリアンダー、アニス、クミン、ジュニパー)、果実皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(アンゼリカ、セロリ、カルダモン、アヤメ、ショウブ、ジンジャー)、木(パインウッド、ビャクダン、ユソウボク、ピンクシダー、ショウノウ)、ハーブ及び草本(grass)(タラゴン、ローズマリー、バジル、レモングラス、セージ、タイム)、針葉及び枝(トウヒ、モミ、マツ、ドワーフパイン)、樹脂及びバルサム(ガルバナム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、オリバナム、オポパナクス)から抽出したエッセンシャルオイルを挙げることができる。
【0254】
賦香物質の例は、特に、α−へキシルケイ皮アルデヒド、2−メチル−3−(p−tert−ブチルフェニル)プロパナール、2−メチル−3−(p−イソプロピルフェニル)プロパナール、3−(p−tert−ブチルフェニル)−プロパナール、2,4−ジメチルシクロヘキサ−3−エニル−カルボキシアルデヒド、4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、4−(4−メチル−3−ペンテニル)−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、4−アセトキシ−3−ペンチル−テトラヒドロピラン、3−カルボキシメチル−2−ペンチルシクロペンタン、2−n−4−ヘプチルシクロペンタノン、3−メチル−2−ペンチル−2−シクロペンテノン、メントン、カルボン、タゲトン、ゲラニルアセトン、n−デカナール、n−ドデカナール、9−デセノール−1、フェニル−アセトアルデヒドジメチル−アセタール、フェニルアセトアルデヒドジエチルアセタール、シトラール、シトロネラール、ヒドロキシシトロネラール、ダマスコン、イオノン、メチルイオノン、イソメチルイオノン、ソラノン、イロン、大環状ケトン、大環状ラクトンムスク(macrolactone musks)、エチレンブラシレート、及びその混合物である。
【0255】
本発明の好ましい実施態様によれば、様々な賦香物質の混合物は、使用者に心地よいノート(pleasing note)を合わせて与えるように使用される。
【0256】
賦香物質は、好ましくは、これらが、以下の群のノート(トップ、ミドル及びベーシック):
シトラス(hesperide)、
アロマ(aromatic)、
フローラル(floral note)、
スパイシー(spicy)、
ウッディ(woody)、
グルマン(gourmand)、
シプレータイプ(chypre type)、
ファーン(fern)、
レザリー(leathery)、
ムスク(musk)
を与えるように選択されるであろう。
【0257】
化合物A(又は化合物Aのセット)及び化合物Cは、皮膚に付与することが望まれる特性との関連で選択される。
【0258】
本発明の特定の実施態様によれば、化合物Aは、第一級アミン捕捉官能基を有するアルコキシシランであり、化合物Cは、遊離アミンと反応することができる官能基を有する分子である。本発明の好ましい実施態様においては、化合物Aは、APTESであり、化合物Cは、DHA、ケイ皮アルデヒド(又はシンナムアルデヒド(cinammaldehyde))、メキソリルエスエックス(Mexoryl SX)(INCI:テレフタリリデンジカンファースルホン酸)、亜鉛ピリチオン、ビタミンC、シトロネラール、シトラール、ノナナール、ヒドロキシシトロネラール及び無水マレイン酸ポリマーからなる群より選択される。特に好ましい実施態様によれば、化合物Aは、APTESであり、化合物Cは、DHAである。
【0259】
本発明の方法は、特に、化合物A又は化合物Aのセットを含有する媒体を蒸発させることにより得られる濃度が増加する場合において、縮合可能な化合物A又は化合物Aのセットを皮膚へ適用することを含む。従って、化合物A又は化合物Aのセットは、前述したようにこの縮合を可能にする反応性官能基を含む。
【0260】
この縮合により、皮膚上及び/又は皮膚内に沈着が生じる。この沈着は、連続している必要はないが、多数のつながった領域からなっていてもよい。化合物Aは、その縮合から得られる物質が遊離「捕捉官能基」と呼ばれる反応性官能基を有するように選択される。
【0261】
美容上益のある化合物Cもまた、皮膚に適用される。
【0262】
化合物Cは、縮合後に遊離である捕捉官能基Fと化合物C上に存在する官能基Fとを介して、Aの縮合生成物と反応することができる。
【0263】
本発明の方法は、化合物A(又は化合物Aのセット)及び化合物Cの連続又は同時適用を含む。
【0264】
本発明の一実施態様において、最初に、化合物A(又は化合物Aのセット)を皮膚のある領域に適用する。次に、様々な時間(1分〜5時間であることができ、好ましくは、1分〜1時間、さらにより好ましくは、2〜10分間がよい)の経過後、化合物Cを皮膚の同じ領域に適用する。本実施態様の内容において、化合物A(又は化合物Aのセット)の縮合は、自然に起こるか、又は化合物Cの適用前に行うことができる。次に、化合物Cを、縮合物上の遊離捕捉官能基を介して縮合物上で反応させることができる。化合物Cは、また、捕捉官能基とは異なる1つ以上の反応性官能基、特に、Aの自己の反応に関与してもよいが反応することができない、反応性官能基と反応することができる。
【0265】
従って、特に、化合物Aが捕捉官能基を有する有機シランである場合、化合物Cが縮合物の捕捉官能基上の他に非縮合シラノール上でも反応することを理解されたい。
【0266】
次に、化学反応が起こり、Cと1つ以上の反応性官能基、より具体的には、化合物A又は化合物Aのセットの縮合物上に存在する捕捉官能基F間で共有結合が形成される。これは、皮膚上及び/又は皮膚内の物質を変化させる効果を有することができる。この反応は、特に、縮合物を不溶性にし、これにより、化合物Cにより付与される美容特性を維持、又はさらに増強しながら、皮膚上及び/又は皮膚内でのその耐久性(水、汗、皮脂などへの耐性)をさらに増加させることができる。
【0267】
本発明は、本発明で用いられる反応及び/又は皮膚内の分子の拡散を促進又は阻害する方法、例えば、加熱又は冷却、マイクロ波、pH剤又は触媒を使用して実施することができる。
【0268】
また、化合物Cと化合物A又は化合物Aのセットとの反応を、例えば、制御又はより速くするために、皮膚の表面から引き起こすことも可能である。
【0269】
本発明の方法の一変形によれば、最初に化合物Aを適用して、次に、Aの縮合反応が起こるのを待つ。縮合反応は、早くても遅くてもよく、皮膚の乾燥を行っても行わなくてもよく、例えば、熱源又は他のエネルギー源を使用して活性化してもしなくてもよい。この段階で、化合物Cを適用するか、又はリンスした後に化合物Cを適用することができる。化合物Cは、そのままAの縮合から得られる物質と反応させることができる。AとCとの反応は、また、活性化することもできる。AとCとを反応させた後に、リンスを行っても行わなくてもよい。
【0270】
特定の実施態様によれば、化合物Aは、縮合反応が起こらない形態又は条件で適用される。化合物Aが浸透するのを待つ。次に、補助剤(例えば、pH剤)を添加するか、又は条件を変更、例えば、温度を変更(特に、上昇)するかのいずれかにより反応を開始する。いったん縮合が始まると、場合により、リンス工程の後に、化合物Cを上述のように適用する。
【0271】
別の変形においては、化合物A又は化合物Aのセットを適用して、次に、化合物Cを捕捉反応が起こらない条件で適用する。縮合が起こる。いったん縮合が始まると、Aの縮合物上での化合物Cの反応が開始する。
【0272】
特定の実施態様においては、化合物A及びCは、皮膚へ適用する前に混合する(即時混合)。この混合は、皮膚への適用前又は適用中に行うことができる(処理する皮膚領域上での直接的な混合)。
【0273】
従って、化合物A(又は化合物Aのセット)及び化合物Cを同時に適用することができる。この場合、
− 化合物A及びCは、Cの存在がAの縮合を妨害しないように選択されるか;又は
− 化合物A及びC及び/又は使用の条件は、Aの縮合がCの反応よりも迅速であるように選択されるか;又は
− 化合物Aは縮合することができ、一方で、化合物Cは反応することができない。一定時間後、さらなる作用によるか、又は自然に、例えば、pHもしくは温度を変化させるか、又は光源を用いることにより、Cの反応を開始する。
【0274】
特定の実施態様においては、Aの縮合から得られたものを皮膚に適用する。例えば、ポリAPTESの膜を適用することができる。次に、化合物Cを適用する。
【0275】
別の実施態様においては、化合物Cを最初に適用し、次に、化合物Aを適用する。
【0276】
本発明の特定の実施態様においては、化合物A(又は化合物Aのセット)及び/又は化合物Cは、また、皮膚に注入してもよい。例えば、化合物A(又は化合物Aのセット)を注入してもよく、次に、化合物Cを適用するか、又は化合物A(又は化合物Aのセット)を適用して、次に、化合物Cを注入するか、又は化合物A(又は化合物Aのセット)及びCを注入する。
【0277】
この形態においては、本発明は、例えば、新たなタトゥー(tattooing)法の作成を提供する。化合物Aを注入する。次に、化合物Cを適用することができ、そして、捕捉官能基との反応によりある装飾パターンが生成する。
【0278】
後で、パターンが薄まるか、又は除去される場合でも、捕捉層が依然として皮膚上及び/又は皮膚内にトラップされているので、その操作を繰り返すことで同じ装飾パターンを再生するか、又は新しいパターンを作製することができる。
【0279】
一般的に、反応は、適切な触媒、例えば、pH剤、塩、金属及び/又は酵素を使用することにより促進することができる。
【0280】
本発明は、また、皮膚上でインサイチュで縮合することができる有効量の化合物Aを含有する化粧品組成物と化合物Aの縮合から得られる物質の1つ以上の遊離反応性官能基と反応する有効量の化合物Cを含有する化粧品組成物の併用に関する。本組成物は、例えば、美容液、ローション、正(O/W)、逆(W/O)又は複合(O/W/O及びW/O/W)エマルジョン、スティック又はコンパクトの形態である。これらは、コンパートメントシステム(2つの非相溶性溶媒、カプセル封入)を使用することができる。これらのシステムは、例えば、化合物A又は化合物Aのセット及び化合物Cを、1つにそして同じ製品内に、それらの相互作用を制限しながら導入することを可能にする。
【0281】
医薬品形態
化合物A又は化合物Aのセット及び化合物Cは、生理学的に許容しうる媒体を含有する組成物に処方することができる。これらの組成物は、想定される適用において従来使用される任意の医薬品形態に従うことができる。当然ながら、当業者であれば、構成成分、及び任意の追加の成分及び/もしくは活性物質、ならびに/又はその量を、化合物A(又は化合物Aのセット)及び化合物Cの有利な特性が、想定される添加により変化しないか、又はほとんど変化しないように留意して選択するであろう。
【0282】
特定の実施態様においては、本発明により使用される組成物は、水性組成物である。
【0283】
着色、特に、セルフタンニング効果のための処方
特に、セルフタンニング効果を得るために、皮膚の着色に使用される化合物Cを含有する組成物は、当業者によく知られた技術、特に、水中油型又は油中水型エマルジョンを調製することを意図する技術に従って調製することができる。
【0284】
本組成物は、特に、単一又は複合エマルジョン(O/W、W/O、O/W/O又はW/O/W)、例えば、クリーム、ミルクの形態又はゲルもしくはゲルクリームの形態、ローション、粉末、固体スティックの形態であってもよく、場合により、エアロゾルとして封入することができ、ムース又はスプレーの形態にすることができる。
【0285】
好ましくは、本発明の組成物は、水中油型又は油中水型エマルジョンの形態である。
【0286】
エマルジョンである場合、その水相は、公知の方法により調製される非イオン性小胞分散体を含むことができる(Bangham, Standish and Watkins, J. Mol. Biol. 13, 238 (1965), FR 2 315 991及びFR 2 416 008)。
【0287】
特定の実施態様においては、化合物CはDHAである。これは、遊離形態及び/又は、例えば、特に、出願WO97/25970に記載のリポソームのような脂質小胞中に封入された形態で用いることができる。
【0288】
本発明のセルフタンニング組成物は、クリーム、ミルク、ゲル、ゲル−クリーム、水中油型エマルジョン、小胞分散体、液体ローション、特に、蒸発性液体ローション、又は化粧品で一般的に使用される任意の他の形態、特に、セルフタンニング化粧品組成物に通常適切な形態にすることができる。
【0289】
本発明の組成物は、特に、脂肪、有機溶媒、イオン性又は非イオン性の増粘剤、軟化剤、抗酸化剤、抗フリーラジカル剤、乳白剤、安定剤、皮膚軟化剤、シリコーン、α−ヒドロキシ酸、消泡剤、水和剤、ビタミン、防虫剤、サブスタンスPのアンタゴニスト、抗炎症薬、香料、防腐剤、界面活性剤、充填剤、ポリマー、噴射剤、塩基性化又は酸性化剤、及び追加の着色剤(本発明で使用される化合物Cの他に)、あるいは、特に、エマルジョンの形態でセルフタンニング組成物を製造するための化粧品及び/又は皮膚科学分野で通常使用される任意の他の成分から選択される従来の化粧品補助剤をさらに含むことができる。これらの化粧品補助剤は、A含有組成物、化合物C含有組成物、又はその両方の組成物中に導入することができる。
【0290】
脂肪は、油もしくはワックス又はその混合物からなっていてもよい。「油」は、室温で液体である化合物を意味する。「ワックス」は、室温で固体又はほぼ固体であり、その融点が一般的に35℃超である化合物を意味する。
【0291】
油としては、鉱油(パラフィン);植物油(スイートアーモンド油、マカダミア油、ブラックカラント種子油、ホホバ油);合成油、例えば、ペルヒドロスクアラン、脂肪族アルコール、酸又はエステル、例えば、Finetex社より「Finsolv TN」の商品名で販売されている安息香酸C12−C15アルコール、パルミチン酸オクチル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、カプリン/カプリル酸トリグリセリドを含むトリグリセリド、エトキシ化又はプロポキシル化脂肪酸エステル及びエーテル;シリコーン油(シクロメチコン、ポリジメチルシロキサン又はPDMS)又はフッ素油;ポリアルキレン、及びその混合物を挙げることができる。
【0292】
ワックス化合物としては、パラフィン、カルナウバロウ、ミツロウ、硬化ヒマシ油を挙げることができる。
【0293】
有機溶媒の中で、最大8個の炭素原子を有する低級アルコール及びポリオールを挙げることができる。
【0294】
増粘剤は、特に、架橋ポリアクリル酸、グアーガム及び修飾又は非修飾セルロース、例えば、ヒドロキシプロピル化グアーガム、メチルヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースから選択することができる。
【0295】
また、セルフタンニング剤により生じる着色を修正することができる追加の染料を使用することも可能である。
【0296】
これらの追加の染料は、合成又は天然の直接染料から選択することができる。
【0297】
これらの追加の染料は、例えば、特許出願FR2840806に記載されるような、フルオラン型の赤色又は橙色染料から選択することができる。例えば、以下の染料:
− CTFA名:CI 45380又はレッド21で知られているテトラブロモフルオレセイン又はエオシン、
− CTFA名:CI 45410又はレッド27で知られているフロキシンB、
− CTFA名:CI 45425又はオレンジ10で知られているジヨードフルオレセイン;
− CTFA名:CI 45370又はオレンジ5で知られているジブロモフルオレセイン;
− CTFA名:CI 45380(Na塩)又はレッド22で知られているテトラブロモフルオレセインのナトリウム塩;
− CTFA名:CI 45410(Na塩)又はレッド28で知られているフロキシンBのナトリウム塩;
− CTFA名:CI 45425(Na塩)又はオレンジ11で知られているジヨードフルオレセインのナトリウム塩;
− CTFA名:CI 45430又はアシッドレッド51で知られているエリスロシン;
− CTFA名:CI 45405又はアシッドレッド98で知られているフロキシン
を挙げることができる。
【0298】
これらの追加の染料は、また、アントラキノン、カラメル、カルミン、カーボンブラック、アズレンブルー、メトキサレン、トリオキサレン、グアジャズレン、チャムズレン、ローズベンガル、エオシン10B、シアノシン、ダフィニンから選択することができる。
【0299】
これらの追加の染料は、また、インドール誘導体、例えば、特許FR2651126に記載のモノヒドロキシインドール(即ち、4−、5−、6−又は7−ヒドロキシインドール)又は特許EP-B-0425324に記載のジヒドロキシンドール(即ち、5,6−ジヒドロキシンドール、2−メチル−5,6−ジヒドロキシンドール、3−メチル−5,6−ジヒドロキシンドール、2,3−ジメチル−5,6−ジヒドロキシンドール)から選択することができる。
【0300】
追加の着色剤は、また、例えば、特許出願EP966953に記載のような、個々の粒子が100nm以下の平均径を有する酸化鉄顔料であってもよい。
【0301】
光保護剤(又はフィルター)を含有する組成物、ケア組成物
皮膚の光保護又はケアに使用される化合物Cを含む組成物は、当業者によく知られた技術に従って調製することができる。美容上の応用が必要とする場合はいつでも、後述する医薬品形態及び有効成分を、化合物Aを処方するために使用することができることに留意すべきである。
【0302】
本発明に従って使用される組成物は、特に、脂肪、有機溶媒、イオン性又は非イオン性、親水性又は脂溶性の増粘剤、軟化剤、保湿剤、乳白剤、安定剤、皮膚軟化剤、シリコーン、消泡剤、香料、防腐剤、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性イオン又は両性表面活性剤、活性剤、充填剤、ポリマー、噴射剤、塩基性化又は酸性化剤、あるいは、化粧品及び/又は皮膚科学分野で通常用いられる他の任意の成分から選択される従来の化粧品補助剤を含むことができる。これらの化粧品補助剤は、A含有組成物、化合物C含有組成物、又はその両方の組成物中に導入することができる。
【0303】
脂肪は、油もしくは上記で定義される無極性ワックス以外のワックス又はその混合物からなっていてもよい。油は、室温で液体である化合物を意味する。ワックスは、室温で固体又はほぼ固体であり、その融点が一般的に35℃超である化合物を意味する。
【0304】
油としては、鉱油(パラフィン);植物油(スイートアーモンド油、マカダミア油、ブラックカラント種子油、ホホバ油);合成油、例えば、ペルヒドロスクアラン、脂肪族アルコール、アミド(例えば、Ajinomoto社より「Eldew SL-205」の名称で販売されているサルコシン酸イソプロピルラウロイル)、脂肪酸又はエステル、例えば、WITCO社より「Finsolv TN」又は「Witconol TN」の商品名で販売されている安息香酸C12−C15アルコール、安息香酸2−エチルプロピル、例えば、ISP社よりX-TEND 226(登録商標)の名称で販売されている製品、パルミチン酸オクチル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、カプリン/カプリル酸トリグリセリドを含むトリグリセリド、Cognis社より「Cetiol CC」の名称で販売されている炭酸ジカプリリル、エトキシ化又はプロポキシル化脂肪酸エステル及びエーテル;シリコーン油(シクロメチコン、ポリジメチルシロキサン又はPDMS)又はフッ素油、ポリアルキレン、トリメリット酸トリデシルなどのトリメリット酸トリアルキルを挙げることができる。
【0305】
ワックス化合物の中で、カルナウバロウ、ミツロウ、硬化ヒマシ油、ポリエチレンワックス及びポリメチレンワックス、例えば、SASOL社よりCirebelle 303の名称で販売されている製品を挙げることができる。
【0306】
有機溶媒としては、低級アルコール及びポリオールを挙げることができる。これは、グリコール及びグリコールエーテル、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール又はジエチレングリコールから選択することができる。
【0307】
親水性増粘剤としては、Carbopol(Carbomer)及びPemulen(アクリレート/C10−C30−アルキルアクリレートコポリマー)などのカルボキシビニルポリマー;ポリアクリルアミド、例えば、Seppic社よりSepigel 305(CTFA名:ポリアクリルアミド/C1314イソパラフィン/Laureth 7)の名称で、又はSimulgel 600(CTFA名:アクリルアミド/アクリロイルジメチル酒石酸ナトリウムコポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルベート80)の名称で販売されている架橋コポリマー;場合により架橋及び/又は中和された2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のポリマー及びコポリマー、例えば、Hoechst社より「Hostacerin AMPS」(CTFA名:ポリアクリロイルジメチル酒石酸アンモニウム)の商品名で販売されているポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、又はSEPPIC社より販売されているSIMULGEL 800(CTFA名:ポリアクリロイルジメチル酒石酸ナトリウム/ポリソルベート80/オレイン酸ソルビタン);2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とアクリル酸ヒドロキシエチルのコポリマー、例えば、SEPPIC社より販売されているSIMULGEL NS及びSEPINOV EMT 10;ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体;多糖、特に、キサンタンゴムなどのゴム;アクリルシリコーン、ポリエーテルシリコーン及びカチオン性シリコーンなどの水溶性又は水分散性シリコーン誘導体ならびにその混合物を挙げることができる。
【0308】
親油性増粘剤としては、合成ポリマー、例えば、Landec社より「INTELIMER IPA 13-1」及び「INTELIMER IPA 13-6」の名称で販売されているポリC10−C30アルキルアクリル酸又はヘクトライト及びその誘導体などの修飾粘土、例えば、Bentoneの名称で販売されている製品を挙げることができる。
【0309】
当然ながら、当業者であれば、前述の任意の追加化合物及び/又はその量を、本発明により使用される組成物に本質的に関連する有利な特性が、想定される添加により変化しないか、又はほとんど変化しないように留意して選択するであろう。
【0310】
本発明の皮膚の光保護又はケアに使用される組成物及び化合物A又は化合物Aのセットを含有する組成物は、当業者によく知られた技術に従って調製することができる。これらは、特に、クリーム、ミルク又はゲル−クリームなどの単一又は複合エマルジョン(O/W、W/O、O/W/O又はW/O/W)の形態;水性ゲルの形態;ローションの形態であってもよい。これらは、場合により、エアロゾルとして封入することができ、ムース又はスプレーの形態にすることができる。
【0311】
好ましくは、本発明により使用される組成物は、水中油型又は油中水型エマルジョンの形態である。
【0312】
使用することができる乳化法は、回転翼又はプロペラ、ロータースターター及びHHPタイプである。
【0313】
また、HHP(50〜800b)により、100nmサイズまで小さくなった液滴の安定な分散体を得ることが可能である。
【0314】
エマルジョンは、一般的に、単独又は混合して使用される、両性、アニオン性、カチオン性又は非イオン性乳化剤から選択される少なくとも1つの乳化剤を含有する。乳化剤は、得られるエマルジョン(W/O又はO/W)に応じて適切に選択される。
【0315】
W/Oエマルジョンを調製するために使用可能な乳化界面活性剤は、例えば、ソルビタン、グリセロールもしくは糖のアルキルエステル又はエーテル;例えば、Dow Corning社より「DC 5225 C」の名称で販売されているシクロメチコンとジメチコンコポリオールの混合物である、ジメチコンコポリオールなどのシリコーン界面活性剤、及びDow Corning社より「Dow Corning 5200 Formulation Aid」の名称で販売されているラウリルメチコンコポリオールなどのアルキル−ジメチコンコポリオール;Goldschmidt社よりAbil EM 90Rの名称で販売されている製品などのセチルジメチコンコポリオール、及びGoldschmidt社よりABIL WE O9の名称で販売されている、イソステアリン酸ポリグリセロール(4モル)とラウリン酸ヘキシルのセチルジメチコンコポリオール混合物を挙げることができる。1つ以上の共乳化剤を添加してもよく、これらは、アルキル化ポリオールエステルからなる群より選択することが有利である。
【0316】
アルキル化ポリオールエステルとしては、特に、例えば、ICI社よりArlacel P135の名称で販売されている製品などの、PEG−30ジポリヒドロキシステアリン酸エステルなどのポリエチレングリコールエステルを挙げることができる。
【0317】
グリセロール及び/又はソルビタンエステルとしては、例えば、Goldschmidt社よりIsolan GI 34の名称で販売されている製品などのイソステアリン酸ポリグリセロール;ICI社よりArlacel 987の名称で販売されている製品などのイソステアリン酸ソルビタン;ICI社よりArlacel 986の名称で販売されている製品などのイソステアリン酸ソルビタン及びグリセロールならびにその混合物を挙げることができる。
【0318】
O/Wエマルジョンとしては、例えば、乳化剤として、非イオン性乳化剤、例えば、脂肪酸及びグリセロールのアルコキシル化(より具体的には、ポリエトキシル化)エステル;脂肪酸及びソルビタンのアルコキシル化エステル;脂肪酸のアルコキシル化(エトキシル化及び/又はプロポキシル化)エステル、例えば、ICI社よりArlacel 165の名称で販売されている混合PEG−100ステアリン酸エステル/ステアリン酸グリセリル;脂肪族アルコールのアルコキシル化(エトキシル化及び/又はプロポキシル化)エステル;ステアリン酸スクロースなどの糖のエステル;脂肪族アルコール及び糖のエステル、特に、例えば、Henkel社よりそれぞれ、Plantaren 2000及びPlantaren 1200の名称で販売されている、デシルグルコシド及びラウリルグルコシドなどのアルキルポリグルコシド(APG)、例えば、Seppic社よりMontanov 68の名称で、Goldschmidt社よりTegocare CG90の名称で、及びHenkel社よりEmulgade KE3302の名称で販売されている、場合によりセトステアリルアルコールと混合されたセトステアリルグルコシド、ならびにSeppic社よりMontanov 202の名称で販売されている、例えば、アラキジルアルコールとベヘニルアルコールとアラキジルグルコシドの混合物形態のアラキジルグルコシドを挙げることができる。本発明の特定の実施態様によれば、上記で定義されるアルキルポリグルコシドと対応する脂肪族アルコールとの混合物は、例えば、文献WO-A-92/06778に記載の自己乳化組成物の形態にすることができる。
【0319】
これがエマルジョンの場合、この水相は、公知の方法により調製される非イオン性小胞分散体を含むことができる(Bangham, Standish and Watkins. J. Mol. Biol. 13, 238 (1965), FR 2 315 991及びFR 2 416 008)。
【0320】
本発明により使用される化粧品組成物は、例えば、ミルク、多少油性のクリーム、ゲル−クリーム、ペーストなどの、液体〜半液体の粘稠度の顔及び/もしくは身体のケア、ならびに/又は太陽保護用製品として使用することができる。これらは、場合により、エアロゾルとして封入することができ、ムース又はスプレーの形態にすることができる。
【0321】
本発明の蒸発性液体ローションの形態の本発明の組成物は、加圧デバイスを用いて微粒子の形態で皮膚又は頭皮に適用される。本発明のデバイスは当業者によく知られており、非エアロゾルポンプ又は「噴霧器」、噴射剤を含むエアロゾル容器、ならびに噴射剤として加圧空気を使用するエアロゾルポンプを含む。これは、特許US 4,077,441及びUS 4,850,517(本明細書の内容の肝要な部分を構成する)に記載されている。
【0322】
エアロゾルとして封入される本発明の組成物は、一般的に、従来の噴射剤、例えば、ヒドロフルオロ化合物、ジクロロジフルオロメタン、ジフルオロメタン、ジメチルエーテル、イソブタン、n−ブタン、プロパン、トリクロロフルオロメタンを含有する。これらは、好ましくは、組成物の総重量に対して、15〜50重量%の量で存在する。
【0323】
本発明により使用される組成物は、また、追加の化粧品及び皮膚科学用有効成分をさらに含むことができる。
【0324】
有効成分の中で、以下:
− ビタミン(A、C、E、K、PPなど)及びその誘導体又は前駆体(単独又は混合して);
− 抗糖化剤;
− 緩和剤;
− 酸化窒素合成酵素の阻害剤;
− 真皮又は表皮高分子の合成を刺激及び/又はその分解を抑制する薬剤;
− 線維芽細胞の増殖を刺激する薬剤;
− ケラチノサイトの増殖を刺激する薬剤;
− 筋弛緩薬;
− リフティング剤;
− マット剤;
− 角質溶解薬;
− 落屑剤;
− 水和剤、例えば、グリセリン、ブチレングリコール、プロピレングリコールなどのポリオール;
− 抗炎症薬;
− 細胞のエネルギー代謝に作用する薬剤;
− 防虫剤;
− サブスタンスP又はCRGPのアンタゴニスト;
− 脱毛に対する薬剤及び/又は発毛剤;
− 皺取り剤
を挙げることができる。
【0325】
当然ながら、当業者であれば、前述の任意の追加化合物及び/又はその量を、本発明の組成物に本質的に関連する有利な特性が、想定される添加により変化しないか、又はほとんど変化しないように留意して選択するであろう。
【0326】
当業者であれば、前記有効成分又は皮膚への所望の効果に関連する成分を選択するであろう。
【0327】
本組成物は、有効成分の生物学的効果を達成するか、又はすぐ目で確認できるアンチエイジング効果を得ることを意図して、ぼかし効果のある充填剤又は皮膚の自然な着色を促進する薬剤などの少なくとも1つの成分をさらに含むことができる。
【0328】
脂性皮膚のケア及び/又は化粧のために、当業者であれば、好ましくは、落屑剤、皮脂調整又は抗脂漏薬、収斂剤から選択される少なくとも1つの有効成分を選択するであろう。
【0329】
本発明により使用される組成物は、有効成分の生物学的効果を達成するか、又はすぐ目で確認できる効果を得ることを意図する、少なくとも1つの追加の成分をさらに含むことができ、特に、マット剤、ぼかし効果のある充填剤、蛍光剤、皮膚の自然なピンクがかった着色を促進する薬剤及び研磨剤又はピーリング充填剤を挙げることができる。
【0330】
前述の化粧品及び/又は皮膚科学用有効成分によりケラチン物質に付与される効果を補完及び/又は最適化するために、本発明の組成物に他の追加成分を導入することが有利でありうる。
【0331】
特に、これらの追加成分は、前述の有効成分の生物学的効果により伝えられる、すぐ目で確認できる効果を付与することができる。これらは、また、機械的作用(例えば、研磨充填剤)を介して、前述の生物学的に活性な物質の効果を増幅することができる。
【0332】
マット剤
「マット剤」は、視覚的により艶がない、即ち、光沢の少ない皮膚にすることを意図する薬剤を意味する。
【0333】
薬剤及び/又は薬剤を含有する組成物の艶消し効果は、特に、ゴニオリフレクトメーターを用いて、鏡面反射と拡散反射の比率Rを測定することにより評価することができる。2以下のR値は、一般的に、艶消し効果を示す。
【0334】
マット剤は、特に、コメデンプン又はトウモロコシデンプン、INCI名:ZEA MAYS (CORN) STARCH、例えば、特に、National Starchにより「FARMAL CS 3650 PLUS 036500」の商品名で販売されている製品、カオリナイト、タルク、カボチャの種子抽出物、セルロースマイクロビーズ、植物繊維、合成繊維、特に、ポリアミド繊維、発泡アクリルコポリマーのマイクロスフェア、ポリアミド粉末、シリカ粉末、ポリテトラフルオロエチレン粉末、シリコーン樹脂粉末、アクリルポリマー粉末、ワックス粉末、ポリエチレン粉末、シリコーン樹脂で被覆されたエラストマー架橋有機ポリシロキサン粉末、タルク/二酸化チタン/アルミナ/シリカ複合粉末、非晶質混合シリケート粉末、シリケート粒子、特に、混合シリケート粒子、及びその混合物から選択することができる。
【0335】
マット剤の例としては、特に、以下:
− コメデンプン又はトウモロコシデンプン、特に、National Starch社よりDry Flo(登録商標)の名称で販売されているアルミニウムデンプンコハク酸オクテニル、
− カオリナイト;
− シリカ;
− タルク;
− Indena社よりCurbilene(登録商標)の名称で販売されているような、カボチャの種子抽出物;
− 特許出願EP1562562に記載のセルロースマイクロビーズ;
− 特許出願EP1151742に記載の繊維、例えば、絹繊維、綿繊維、羊毛繊維、亜麻繊維、特に、木材、植物又は藻類から抽出されたセルロース繊維、ポリアミド(Nylon(登録商標))繊維、変性セルロース繊維、ポリ−p−フェニレンテレフタミド繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ガラス繊維、シリカ繊維、アラミド繊維、炭素繊維、Teflon(登録商標)繊維、不溶性コラーゲン繊維、ポリエステル繊維、ポリ塩化ビニル又はビニリデン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアクリロニトリル繊維、キトサン繊維、ポリウレタン繊維、ポリフタル酸エチレン繊維、ポリマー混合物から形成された繊維、吸収性合成繊維及びその混合物;
− 例えば、EXPANCEL社よりEXPANCEL 551(登録商標)の名称で販売されている、発泡アクリルコポリマーのマイクロスフェア、
− 特に、特許出願FR2869796に記載の光学効果を有する充填剤:
− ポリアミド粉末(Nylon(登録商標))、例えば、平均径10ミクロン及び屈折率1.54を有する、Arkema社のOrgasol型のNylon 12粒子、
− シリカ粉末、例えば、平均径5ミクロン及び屈折率1.45を有する、Miyoshi社のSilica beads SB150、
− ポリテトラフルオロエチレン粉末、例えば、平均径8ミクロン及び屈折率1.36を有する、Clariant社のPTFE ceridust 9205F、
− シリコーン樹脂粉末、例えば、平均径4.5ミクロン及び屈折率1.41を有する、GE Silicone社のSilicon resin Tospearl 145A、
− アクリルコポリマー粉末、特に、ポリメチル(メタ)アクリレートコポリマー粉末、例えば、平均径を8ミクロン及び屈折率1.49有する、Nihon Junyoki社のPMMA Jurymer MBI粒子、又はMatsumoto Yushi-Seiyaku社のMicropearl M100(登録商標)及びF 80 ED(登録商標)粒子、
− ワックス粉末、例えば、平均径7ミクロン及び屈折率1.54を有する、マイクロパウダーのParaffin wax microease 114S粒子、
− 特に、少なくとも1つのエチレン/アクリル酸コポリマーを含み、そして、特に、エチレン/アクリル酸コポリマーからなるポリエチレン粉末、例えば、Sumitomo社のFlobeads EA 209粒子(平均径10ミクロン及び屈折率1.48を有する)、
− シリコーン樹脂、特に、例えば、特許US5538793に記載のシルセスキオキサン樹脂で被覆されたエラストマー架橋有機ポリシロキサン粉末(この種のエラストマー粉末は、SHIN ETSU社より「KSP-100」、「KSP-101」、「KSP-102」、「KSP-103」、「KSP-104」、「KSP-105」の名称で販売されている)、及び
− 例えば、Catalyst & chemicals社よりCoverleaf(登録商標)AR-80の名称で販売されている、タルク/二酸化チタン/アルミナ/シリカ複合粉末、
− その混合物、
− 特許出願FR2869796に記載の皮脂を吸収及び/又は吸着する化合物。特に、以下のものを挙げることができる:
− シリカ粉末、例えば、MIYOSHI社より「SILICA BEADS SB-700」の名称で販売されている、ASAHI GLASS社より「SUNSPHERE(登録商標)H51」、「SUNSPHERE(登録商標)H33」、「SUNSPHERE(登録商標)H53」の名称で販売されている多孔質シリカマイクロスフェア;ASAHI GLASS社より「SA SUNSPHERE(登録商標)H-33」及び「SA SUNSPHERE(登録商標)H-53」の名称で販売されている、ポリジメチルシロキサン被覆非晶質シリカマイクロスフェア;
− 例えば、Sumitomo社より「NEUSILIN UFL2」の名称で販売されている、特に、アルミニウム及びマグネシウムの非晶質混合シリケート粉末;
− ポリアミド粉末(Nylon(登録商標))、例えば、Arkema社より販売されている「ORGASOL(登録商標)4000」、及び
− 特に、ポリメタクリル酸メチルのアクリルポリマー粉末、例えば、WACKHERR社より販売されている「COVABEAD(登録商標)LH85」;ポリメタクリル酸メチル/ジメタクリル酸エチレングリコールのアクリルポリマー粉末、例えば、DOW CORNING社より販売されている「DOW CORNING 5640 MICROSPONGE(登録商標)SKIN OIL ADSORBER」、又はGANZ CHEMICAL社より販売されている「GANZPEARL(登録商標)GMP-0820」;ポリメタクリル酸アリル/ジメタクリル酸エチレングリコールのアクリルポリマー粉末、例えば、AMCOL社より販売されている「POLY-PORE(登録商標)L200」又は「POLY-PORE(登録商標)E200」;ジメタクリル酸エチレングリコール/メタクリル酸ラウリルコポリマーのアクリルポリマー粉末、例えば、DOW CORNING社より販売されている「POLYTRAP(登録商標)6603」;
− シリケート粒子、例えば、アルミナシリケート;
− 混合ケイ酸塩粒子、例えば:
− アルミニウムシリケート及びケイ酸マグネシウムシリケート粒子、例えば、Kunimine社よりSumecton(登録商標)の商品名で販売されている、硫酸ナトリウムを含むマグネシウム及びアルミニウムの水和サポナイト又はシリケート;
− 複合ケイ酸マグネシウム、ヒドロキシエチルセルロース、ブラッククミン油、ウリ油及びリン脂質又はLucas Meyer社のMatipure(登録商標)、及び
− その混合物
を挙げることができる。
【0336】
本発明の好ましいマット剤として、カボチャの種子抽出物、コメデンプン又はトウモロコシデンプン、カオリナイト、シリカ、タルク、ポリアミド粉末、ポリエチレン粉末、アクリルコポリマー粉末、発泡アクリルコポリマーのマイクロスフェア、シリコーン樹脂マイクロビーズ、混合ケイ酸塩粒子、及びその混合物を使用することができる。
【0337】
ぼかし効果のある充填剤
これらの充填剤は、その固有の物理的特性によりしわを修正し、しわを隠すことができる任意の物質であることができる。これらの充填剤は、特に、リフティング効果、カモフラージュ効果又はぼかし効果により、しわを修正することができる。
【0338】
充填剤の例としては、以下の化合物:
− 多孔質シリカ微粒子、例えば、平均径5μmを有するMyochi社のSilica Beads(登録商標)SB 150及びSB 700ならびにAsahi Glass社のSUNSPHERES(登録商標)シリーズH、例えば、それぞれ径3.5及び5μmを有するH33、H51、
− 中空半球状シリコーン樹脂粒子、例えば、特に、EP-A-1579849に記載の、Takemoto Oil and Fat社のNLK 500(登録商標)、NLK 506(登録商標)及びNLK 510(登録商標)、
− シリコーン樹脂粉末、例えば、平均径4.5μmを有するSILICON Resin Tospearl(登録商標)145 A DE GEシリコーン、
− 特に、ポリメチル(メタ)アクリレートのアクリルコポリマー粉末、例えば、平均径8μmを有するNihon Junyoki社のPMMA particles Jurimer MBI(登録商標)、Wackherr社よりCOVABEAD(登録商標)LH 85の名称で販売されているPMMA中空スフェア、及びExpancel(登録商標)の名称で販売されているビニリデン/アクリロニトリル/メチレンメタクリレート発泡マイクロスフェア、
− ワックス粉末、例えば、平均径7μmを有する、MicroPowders社のParaffin wax microloase(登録商標)114S粒子、
− 特に、少なくとも1つのエチレン/アクリル酸コポリマーを含むポリエチレン粉末、例えば、平均径10μmを有する、Sumimoto社のFLOBEADS(登録商標)EA 209 E、
− Shin Etsu社のKSP 100(登録商標)、KSP 101(登録商標)、KSP 102(登録商標)、KSP 103(登録商標)、KSP 104(登録商標)及びKSP 105(登録商標)の名称の、シリコーン樹脂、特に、シルセスキオキサン樹脂で被覆したエラストマー架橋有機ポリシロキサン粉末、
− タルク/二酸化チタン/アルミナ/シリカ複合粉末、例えば、Catalyst & Chemical社のCoverleaf AR 80(登録商標)、
− タルク、雲母、カオリン、ラウリルグリシン、コハク酸オクテニル無水物で架橋したデンプン粉末、窒化ホウ素、ポリテトラフルオロエチレン粉末、沈殿炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、硫酸バリウム、ヒドロキシアパタイト、ケイ酸カルシウム、二酸化セリウム及びガラス又はセラミックマイクロカプセル、
− 合成又は天然の、親水性又は疎水性の無機又は有機繊維、例えば、特許出願EP1151742に記載の、絹繊維、綿繊維、羊毛繊維、亜麻繊維、特に、木材、植物又は藻類から抽出されたセルロース繊維、ポリアミド繊維(Nylon(登録商標))、修飾セルロース繊維、ポリ−p−フェニレンテレフタミド繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ガラス繊維、シリカ繊維、アラミド繊維、炭素繊維、ポリテトラフルオロエチレン(Teflon(登録商標))繊維、不溶性コラーゲン繊維、ポリエステル繊維、ポリ塩化ビニル又はビニリデン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアクリロニトリル繊維、キトサン繊維、ポリウレタン繊維、ポリフタル酸エチレン繊維、ポリマー混合物から形成された繊維、吸収性合成繊維及びその混合物、
− 球状エラストマー架橋シリコーン、例えば、Dow Corning社のTrefil E-505C(登録商標)又はE-506 C(登録商標)、
−研磨シリカなどの機械的作用により皮膚の微細な起伏を伸ばす研磨充填剤、例えば、Semanez社のAbrasif SP(登録商標)又は堅果もしくは殻粉末(例えば、Cosmetochem社のアンズ、クルミ)
を挙げることができる。
【0339】
老化の徴候に対して効果を有する充填剤は、特に、多孔質シリカ微粒子、中空半球状シリコーン粒子、シリコーン樹脂粉末、アクリルコポリマー粉末、ポリエチレン粉末、シリコーン樹脂で被覆された架橋エラストマーオルガポリシロキサン粉末、タルク/二酸化チタン/アルミナ/シリカ複合粉末、沈殿炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、硫酸バリウム、ヒドロキシアパタイト、ケイ酸カルシウム、二酸化セリウム及びガラス又はセラミックマイクロカプセル、絹繊維、綿繊維ならびにその混合物から選択される。
【0340】
充填剤は、「ソフトフォーカス」充填剤であってもよい。
【0341】
「ソフトフォーカス」充填剤は、さらに顔の肌に透明さとぼかし効果を与える充填剤を意味する。好ましくは、「ソフトフォーカス」充填剤は、15ミクロン以下の平均粒径を有する。これらの粒子は、どんな形状であってもよく、特に、球状又は非球状であることができる。より好ましくは、これらの充填剤は、非球状である。
【0342】
「ソフトフォーカス」充填剤は、シリカ及びシリケート粉末、特に、アルミナ粉末、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)型粉末、タルク、シリカ/TiO又はシリカ/酸化亜鉛複合体、ポリエチレン粉末、デンプン粉末、ポリアミド粉末、スチレン/アクリルコポリマー粉末、シリコーンエラストマー、及びその混合物から選択することができる。
【0343】
特に、3ミクロン以下の数平均径を有するタルク、例えば、1.8ミクロンの数平均径を有するタルク、特に、Nippon Talc社よりTalc P3(登録商標)の商品名で販売されているもの、Nylon(登録商標)12粉末、特に、Atochem社よりOrgasol 2002 Extra D Nat Cos(登録商標)の名称で販売されているもの、ミネラルワックス1〜2%で表面処理されたシリカ粒子(INCI名:水和シリカ(及び)パラフィン)、例えば、Degussa社より販売されているもの、非晶質シリカマイクロスフェア、例えば、Asahi Glass社よりSunsphere、例えば、参照H-53(登録商標)の名称で販売されているもの、及びシリカマイクロビーズ、例えば、Miyoshi社よりSB-700(登録商標)又はSB-150(登録商標)の名称で販売されているものを挙げることができ、このリストは限定されない。
【0344】
老化の徴候に対して効果を有するこれらの充填剤の本発明の組成物中の濃度は、組成物の総重量に対して、0.1〜40%又は0.1〜20重量%であることができる。
【0345】
皮膚の自然なピンクがかった着色を促進する薬剤:
本発明により使用される組成物は、皮膚の自然なピンクがかった着色を促進する薬剤をさらに含むことができる。特に、以下:
− セルフタンニング剤、即ち、皮膚、特に、顔に適用した場合に、太陽(自然の日焼け)又はUVランプ下に長時間曝されたときに生じるものとほぼ同等の外観の日焼け効果をもたらすことができる薬剤;
− 追加の着色剤、即ち、皮膚に持続性で、非カバーリング性(即ち、皮膚を不透明にする傾向を有さない)の着色をもたらすことができ、水又は溶剤を用いて除去することができず、界面活性剤を含む溶液を用いたマッサージ及び洗浄の両方に耐える、皮膚に特定の親和性を有する任意の化合物(従って、この持続的着色は、例えば、メーキャップ顔料によりもたらされる表面的で一時的な着色とは異なる);
及びその混合物
を挙げることができる。
【0346】
セルフタンニング剤の例としては、特に、以下:
ジヒドロキシアセトン(DHA)(皮膚の光保護(又はフィルター)又はケアで化合物Cを補完するために使用される)、
エリスルロース、及び
以下:
マンガン及び/又は亜鉛の塩及び酸化物、及びアルカリ及び/又はアルカリ土類金属炭酸水素塩
から形成される触媒系の組合せを挙げることができる。
【0347】
セルフタンニング剤は、一般的に、モノ又はポリカルボニル化合物、例えば、イサチン、アロキサン、ニンヒドリン、グリセルアルデヒド、メソ酒石酸アルデヒド、グルタルアルデヒド、エリスルロース、特許出願FR2466492及びWO97/35842に記載のピラゾリン−4,5−ジオン誘導体、ジヒドロキシアセトン(DHA)、特許出願EP9033424に記載の4,4−ジヒドロキシピラゾリン−5−オン誘導体から選択される。DHAが好ましく使用されるだろう。
【0348】
DHAは、遊離形態及び/又は、例えば、特に、出願WO97/25970に記載のリポソームのような脂質小胞中に封入された形態で用いることができる。
【0349】
一般的に、セルフタンニング剤は、組成物の総重量の0.01〜20重量%の量、好ましくは、0.1〜10%の量で存在する。
【0350】
また、セルフタンニング剤により生じる着色を修正することができる他の染料を使用することも可能である。
【0351】
これらの染料は、合成又は天然の直接染料から選択することができる。
【0352】
これらの染料は、例えば、特許出願FR2840806に記載されるような、フルオラン型の赤色又は橙色染料から選択することができる。例えば、以下の染料:
− CTFA名:CI 45380又はレッド21で知られているテトラブロモフルオレセイン又はエオシン;
− CTFA名:CI 45410又はレッド27で知られているフロキシンB;
− CTFA名:CI 45425又はオレンジ10で知られているジヨードフルオレセイン;
− CTFA名:CI 45370又はオレンジ5で知られているジブロモフルオレセイン;
− CTFA名:CI 45380(Na塩)又はレッド22で知られているテトラブロモフルオレセインのナトリウム塩;
− CTFA名:CI 45410(Na塩)又はレッド28で知られているフロキシンBのナトリウム塩;
− CTFA名:CI 45425(Na塩)又はオレンジ11で知られているジヨードフルオレセインのナトリウム塩;
− CTFA名:CI 45430又はアシッドレッド51で知られているエリスロシン;
− CTFA名:CI 45405又はアシッドレッド98で知られているフロキシン
を挙げることができる。
【0353】
これらの染料は、また、アントラキノン、カラメル、カルミン、カーボンブラック、アズレンブルー、メトキサレン、トリオキサレン、グアジャズレン、チャムズレン、ローズベンガル、エオシン10B、シアノシン、ダフィニンから選択することができる。
【0354】
これらの染料は、また、インドール誘導体、例えば、特許FR2651126に記載のモノヒドロキシインドール(即ち、4−、5−、6−又は7−ヒドロキシインドール)又は特許EP-B-0425324に記載のジヒドロキシンドール(即ち、5,6−ジヒドロキシンドール、2−メチル−5,6−ジヒドロキシンドール、3−メチル−5,6−ジヒドロキシンドール、2,3−ジメチル−5,6−ジヒドロキシンドール)から選択することができる。
【0355】
研磨充填剤又はピーリング剤
【0356】
本発明のリンスされた組成物において使用可能なピーリング剤としては、例えば、鉱物、植物又は有機物由来のピーリング粒子を挙げることができる。従って、例えば、ポリエチレンビーズ又は粉末、ナイロン粉末、ポリ塩化ビニル粉末、軽石粉末、挽いたアンズ種子又はクルミ殻、オガクズ、ガラスビーズ、アルミナ、及びその混合物を使用することが可能である。また、Solabia社のExfogreen(登録商標)(竹抽出物)、イチゴ痩果抽出物(Greentech社のイチゴ痩果)、粉末桃種子、粉末アンズ種子を挙げることができ、最後に、研磨効果を有する植物粉末の分野では、粉末クランベリー種子を挙げることができる。
【0357】
本発明の好ましい研磨充填剤又はピーリング剤としては、粉末桃種子、粉末アンズ種子、粉末クランベリー種子、イチゴ痩果抽出物、竹抽出物を挙げることができる。
【0358】
本発明は、また、少なくとも、
− 生理学的に許容しうる媒体に、上述の少なくとも1つの化合物A又は化合物Aのセットを含む第一組成物;
− 生理学的に許容しうる媒体に、上述の少なくとも1つの化合物Cを含む第二組成物
を含む、化粧品キットに関する。
【0359】
従って、本発明のキットは、2つのコンパートメントシステムから構成することができる。また、これは、第一組成物を第一の医薬品形態(例えば、化合物A又は化合物Aのセットを含有するクリーム剤)で、そして、第二組成物を第二の医薬品形態(例えば、回転塗布式、スプレー剤など)で含む、キットに相当しうる。
【0360】
この種類の化粧品キットは、第一及び第二組成物の成分が、これらを混合したときに不安定(物理的又は化学的)である場合に、又は、皮膚に適用する前に、化合物A又は化合物Aのセットと化合物Cが相互作用するのを防ぐことを所望する場合に有用でありうる。このように組成物を調製することにより、DHAの安定性などを特に大きく改善することができる。
【0361】
従って、特定の実施態様によれば、化粧品キットは、以下:
− 官能基Fが第一級アミン官能基である、上記で定義される化合物A又は化合物Aのセットを含む第一組成物(化合物Aは、より具体的には、APTESである);及び
− DHAを含む第二組成物
を含む。
【0362】
下記実施例は、本発明の非限定的な例示として提供される。
【0363】
実施例
実施例1:処方の持続性改善の実証
試験原理:
以下の表1に記載の配合物約6mLをペトリディッシュに入れて、溶液を蒸発させることにより、ペトリディッシュ中にポリAPTESの膜を生成する。乾燥及びペトリディッシュ中に膜形成した後、表2の配合物を数滴沈着させる。
【0364】
数分後に、表2の配合物を数滴沈着させた所に褐色の着色が現れる。着色が継続して強まり、約1時間で最大に達する。
【0365】
実施例2:遊離アミン官能基(A)及びDHA(C)を有するアルコキシシランを含む配合物−改善した着色増加及び着色度の実証
【0366】
【表1】

【0367】
【表2】

【0368】
以下の条件:
a− 表2のDHA配合物の適用
b− 表1のAPTES配合物の適用;室温で10間乾燥;次に、APTESで覆われている領域への表2のDHA配合物の適用
c− 表1のAPTES配合物の適用;次に、中間体を乾燥することなく、APTESで覆われている領域への表2のDHA配合物の適用
d− 表1及び2の配合物の即時混合物の適用
に従って、使用者の腕に配合物を並べて(スポットの形態で)適用した。
【0369】
約30分後、条件b、c及びdの適用の場合では、条件aと比較してより顕著な褐色の着色が現れる。言い換えれば、皮膚にDHAとAPTESを一緒に適用すると、DHAのみを適用した場合と比較して、より速い着色増加を得ることができる。1時間後に得られた結果を、図1に示す。
【0370】
数時間後、特に、3時間後、DHAとAPTESを共に適用した場合では、非常に強く着色し、一方で、DHAを単独で適用した場合では、わずかに着色が見られるだけである。また、処理領域が不溶性になったことが観察される。
【0371】
DHA単独の適用と比較して、3つの適用条件b、c及びdでより満足な結果が得られたが、条件cからより強い着色増加及び着色度が観察された(APTESの適用、次に、中間体を乾燥することなく、DHAの適用)。
【0372】
実施例3:沈着により不溶性になることの実証
アルコキシシランと第一級アミン官能基から得られるポリAPTES膜上の遊離アミンと反応することができる官能基を有する分子を適用して、沈着物を不溶性にすることにより、必要な美容効果の耐久性及び持続性を改善することができる。
【0373】
実施例1で上述した手順を全体で用いる。次に、ポリAPTES膜へDHA溶液を適用した後の沈着物の不溶性を、ペトリディッシュに十分量の水を適用することにより実証する。数時間後、DHA溶液を1滴沈着させた所以外で、ポリAPTESの沈着物が溶解した。ここで、沈着物は不溶性のままであり、ペトリディッシュ中で浮遊している。
【0374】
実施例4:蛍光効果の獲得
表1のAPTES配合物を皮膚のある領域に適用する。次に、ヒドロキシシトロネラールの1%エタノール溶液を適用する。驚くべきことに、処理領域は、UV下で蛍光を示す。ノナナール(nonalal)を適用した後、同じ効果が観察された。
【0375】
実施例5:アルコキシシラン(A)及び賦香化合物(C)の配合物
遊離アミン官能基を有するアルコキシシランを含有する配合物は、上記表1から得られるものである。
【0376】
【表3】

【0377】
実施例6:アルコキシシラン(A)及びUVフィルター化合物(C)を含有する配合物
遊離アミン官能基を有するアルコキシシランを含有する配合物は、上記表1で得られるものである。
【0378】
【表4】

【0379】
実施例7:アルコキシシラン(A)及びフケ防止剤(C)を含有する配合物
遊離アミン官能基を有するアルコキシシランを含有する配合物は、上記表1で得られるものである。
【0380】
【表5】

【0381】
実施例8:アルコキシシラン(A)及びスキンケア有効成分(C)を含有する配合物
遊離アミン官能基を有するアルコキシシランを含有する配合物は、上記表1で得られるものである。
【0382】
【表6】

【0383】
実施例9:アルコキシシラン(A)及びコンディショニングポリマー(C)を含有する配合物
遊離アミン官能基を有するアルコキシシランを含有する配合物は、上記表1で得られるものである。
【0384】
【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚の美容処理のための方法であって、
− インサイチュで縮合することができ、且つ、縮合後に少なくとも1つの遊離の反応性官能基Fを有することができる化合物A又は化合物Aのセット;及び
− 官能基Fとの反応により共有結合を形成することができる反応性官能基Fを含む美容上益のある化合物C
を皮膚に適用することを含む、方法。
【請求項2】
Aの縮合から得られる物質が水溶性であり、化合物Cが、Aの縮合から得られる物質上での前記化合物Cの反応によって前記物質の水への溶解度が低下するように選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
化合物Aが、1〜3個のケイ素原子及び少なくとも2個のヒドロキシル基又は加水分解性基を含むケイ素の有機化合物を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
捕捉官能基が、アミンであり、好ましくは、第一級アミンである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
化合物Aが、式:
【化21】


[式中、
は、ハロゲン、OR’又はR’基を表し;
は、ハロゲン、OR''又はR’基を表し;
は、ハロゲン、OR'''又はR’基を表し;
そして、R、R、R、R’、R''、R'''、R’、R’、R’は、互いに独立して、場合により、酸又はアミン基のような追加の化学基を有する、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖炭化水素基を表し、R、R、R’、R''及びR'''は、さらに水素を示すことができ、そして
基R、R及びRの少なくとも2つは、基R’、R’及びR’とは異なる]
に相当する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
Aが、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)又はその誘導体である、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記方法が、皮膚の美容コンディショニングのための方法であり、前記化合物Cが、皮膚の物理化学的表面特性を改変することができる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
化合物Cが、コンディショニングポリマーから選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記方法が、皮膚の生物学的活性の美容的改変のための方法である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
− 第一に、化合物A又は化合物Aのセットを適用し、
− 第二に、場合によりリンスした後に、化合物Cを適用する、
化合物の連続適用を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも、
− 生理学的に許容しうる媒体に、前記請求項のいずれか一項に記載される少なくとも1種の化合物A又は化合物Aのセットを含む第一組成物;
− 生理学的に許容しうる媒体に、前記請求項のいずれか一項に記載される少なくとも1種の化合物Cを含む第二組成物
を含む美容キット。

【図1】
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【公表番号】特表2013−514316(P2013−514316A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543731(P2012−543731)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【国際出願番号】PCT/EP2010/069803
【国際公開番号】WO2011/073279
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】