説明

インタロゲータ/トランシーバユニットを含む患者管理システム

患者に埋め込まれた少なくとも1つの装置を含む高度患者管理システムであり、該装置は患者の生理学的状態を測定し、患者に処置を提供するよう構成されている。この高度患者管理システムは、該装置及びネットワークと通信するインタロゲータ/トランシーバユニットを含んでいてもよく、該ユニットは該装置とトランシーバとの間の通信を促進すべく該装置に対して配置される。該高度患者管理システムは、該ネットワークを介して該装置と通信して該装置からのデータを記憶し、来るべき事象の予想診断を行うためのホストを含んでいてもよい。該インタロゲータ/トランシーバユニットはコンピュータシステム又はリモートホストからのプログラマブルかつアップデート可能なソフトを含んでいてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概ね高度患者管理システムに関する。より詳細には本開示は一人以上の患者からデータを収集し、解析し、転送するインタロゲータ/トランシーバユニットを含む高度患者管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
慢性病をもつ患者の管理は米国における総合健康管理費用のかなりの部分を消費している。これらの病気の多くは広く蔓延し、年間発生率も著しい。心不全の蔓延だけでも2000年には550万人以上の患者に昇ると推定され、年間50万人以上の患者が追加されるという発生率を示し、その結果、200億ドルを超える総合健康管理負担を生じている。ぜんそく、COPD、慢性痛、及びてんかん等の多くの他の慢性病と同様に心不全は、急性代償不全が入院をもたらすというイベントドリブン型(event driven)である。患者と家族にかなりの物理的及び感情的トラウマを生じる他に、イベントドリブン型の入院は心不全の治療に割り当てられた総合健康管理費用の大部分を消費する。
【0003】
急性代償不全に対する入院と治療は典型的には代償不全事象が起こった後に生じる。しかしながら、大方の心不全患者は代償不全に先立つ数週間又は数日において、定常的な体重増加等の事前の非外傷性兆候を示す。健康管理者がこれらの兆候に気が付けば、事象前に患者と健康管理システムに対して著しく低コストで予防することが可能である。予防は通常は患者の薬剤カクテル(drug cocktail)の再滴定、患者の処方された薬剤療法の遵守の強制、又は患者のダイエット及び運動に対する急激な変更の形を取る。そのような予防は通常は代償不全事象を防止し、従って入院を回避することに有効である。
【0004】
慢性心臓病をもつ患者はペースメーカ、埋め込み型除細動器(ICD)、及び心不全心臓再同期療法(CRT)装置等の埋め込み型心臓装置を受容できる。現在、ペースメーカ及びICDを埋め込む電気生理学者は、彼等の移植された装置が正しく働いており、また最適にプログラムされているかどうかを確認するために、自分の患者が定期的に、通常は3、4ヶ月に一度、診察に訪れることを要求する。通常は装置メーカの販売店により支援された看護スタッフにより装置の事後点検が行われる。装置事後点検は労働集約的であり、典型的には患者が多数回診察に訪れることを必要とする。
【0005】
健康管理者が患者に関して受け取るデータは健康管理者がデータを解析し、データに基づいて予知及び発病後診断を行う必要がある。しかしながら、特定の患者に関して収集されたデータの量は増加し、健康管理者が全てのデータの有意義な解析を吸収及び提供することはより難しくなる。更に、健康管理者が特定の患者からの傾向及び他の情報を認識し、より大きな住民の治療に対するこの知識を利用することは困難である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、移植された装置からデータを収集するのと同様に、患者の心理状態に関するデータを収集する自動化されたシステムを開発し、データ解析プロセスを自動化することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は概ね高度患者管理システムに関する。より詳細には本開示は一人以上の患者からデータを収集、解析、及び転送するインタロゲータ/トランシーバユニットを含む高度患者管理システムに関する。
【0008】
1つの態様によれば、発明は高度患者管理システムにおけるインタロゲータ/トランシーバユニットに関し、ユニットは患者とホストに関連付けられた(アソシエイトされた)少なくとも1つの装置と通信するように設定される。ユニットはソフトウェア命令を処理する処理装置モジュール、リモートホストとのインターフェース、及びメモリモジュールを含み、メモリモジュールはスタートアップおいてユニットが装置をピング(ping)できるようにする基本ソフトウェアを含み、装置から応答があれば、装置専用のメモリモジュールにソフトウェアをダウンロードするためにインターフェースを介してリモートホストに接続するようにユニットが設定される。
【0009】
もう1つの態様によれば、発明は高度患者管理システムで使用するインタロゲータ/トランシーバユニットを設定するシステムに関し、前記ユニットは患者とホストに関連付けられた少なくとも1つの装置と通信するように設定される。システムは初期化においては空白であり、ソフトウェア命令を処理する処理装置、インターフェース、及びメモリモジュールを含むインタロゲータ/トランシーバユニットと、ユーザに複数の装置モデルの1つ以上を選択させ、選択したらユニット上の選択された装置モデルに関連するソフトウェアをインストールする、インターフェースを介してユニットに連結されたコンピュータシステムとを含む。
【0010】
なおもう1つの態様によれば、発明は高度患者管理システムの一部として、患者に関連する装置からデータをリモートホストに送信する方法に関し、前記方法は、前記装置と通信するように設定されたインタロゲータ/トランシーバユニットを設けるステップと、前記ユニットを初期化するステップと、前記ユニットから前記装置にピングを送るステップと、前記装置から前記ユニットに識別情報を応答するステップとを含む。
【0011】
もう1つの実施例によれば、発明は高度患者管理システムの一部として、患者に関連する装置からリモートホストにデータを送信する方法に関し、前記方法は空白のインタロゲータ/トランシーバユニットを設けるステップと、複数の装置モデルのリストから選択を可能にするためにコンピュータシステムを設けるステップと、複数の装置モデルのリストから装置を選択するステップと、前記ユニットが前記装置と通信できるように前記ユニットにソフトウェアをインストールするステップとを含む。
【0012】
上記の概要は開示された各実施例又は本発明のあらゆる実施例を述べることを意図していない。以下の図と詳細な説明はこれらの実施例をより詳細に例示する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
添付図と関連して発明の種々の実施例の以下の詳細な説明を考慮すれば、発明はより完全に理解されるであろう。
【0014】
発明は種々の変形と代わりの形を取る余地があるけれども、その詳細は図面では例として示し、詳細に述べられる。しかしながら、発明は記述された特定の実施例に発明を限定すべきではないことは言うまでもない。それと反対に、発明の精神と範囲内に入る全ての変形、均等物、及び代案を包含することがその意図である。
【0015】
本システム及び方法は患者特有情報を収集し、その情報を記憶及び照合し、患者の予知管理を可能にする処置可能な勧告を発生するように設定された高度患者管理システムに関して述べられる。高度患者管理システムはまたデータを収集し、療法を調整し、リモート装置が適切に機能しているかどうかを決定する自動的装置事後点検を行うリモート通信インフラストラクチャを利用するように設定される。「患者」という用語は本願では情報が収集される如何なる個人をも意味するために使用される。「健康管理者」という用語は本願では看護婦、医者、および他の健康管理提供スタッフを非限定的に含む健康管理提供者のような如何なるサービス提供者をも意味するために使用される。
【0016】
図1は本発明に従って作られた高度患者管理システム100の例を図解する。高度患者管理システム100は一般的に以下の構成要素を含む。即ち、1つ以上の装置102、104、及び106、1つ以上のインタロゲータ/トランシーバユニット108、通信システム110、1つ以上のリモート周辺装置109、及びホスト112である。
【0017】
高度患者管理システム100の各構成要素は通信システム110を用いて通信できる。いくつかの構成要素はまた互いに直接通信してもよい。例えば、装置102と104は互いに直接通信するように設定されてもよい。本願において図解される高度患者管理システム100の例の種々の構成要素は以下に述べる。
【0018】
I.埋め込み型/外部型装置
装置102、104、及び106は患者に対して1つ以上の以下の機能を提供可能な埋め込み型装置でも外部型装置でもよい。即ち、(1)感知、(2)データ解析、及び(3)療法である。例えば、1つの実施例において、装置102、104、及び106は電気的、機械的、及び/又は化学的手段を用いて種々の患者の生理学的、主観的、及び環境的状態を測定するために使用される埋め込み型又は外部型装置である。装置102、104、及び106は自動的にデータを収集するように設定されても、あるいは患者による手動介入を必要としてもよい。装置102、104、及び106は生理学的及び/または主観的測定値に関連するデータを記憶し、かつ/あるいは以下に詳細に述べる種々の方法を用いてそのデータを通信システム110に送信するように設定してもよい。三つの装置102、104、及び106は図示の実施例に図解されるけれども、与えられた患者に対してもっと多くの、あるいは少ない装置を使用してもよい。
【0019】
装置102、104、及び106は測定データを解析し、解析データに作用するように設定してもよい。例えば、装置102、104、及び106はデータの解析に基づいて療法を修正し、あるいは警告表示を出すように設定される。
【0020】
1つの実施例において、装置102、104、及び106はまた療法を提供する。療法は自動的に提供されても、外部通信に応じて提供されてもよい。装置102、104、及び106は、それらの感知、療法(例えば持続時間及び間隔)、又は通信の特性が装置102、104、及び106、及び高度患者管理システム100の他の構成要素の間の通信により変更される点においてプログラマブルである。装置102、104、及び106はまた自己点検を行ってもよく、あるいは装置が適切に機能していることを確認するために通信システム110により問い合わせされてもよい。装置102、104、及び106の種々の実施例が以下に提供される。
【0021】
体内に埋め込まれた装置は感知及び通信し、また療法を提供する能力を有する。埋め込み型装置は、患者従順性の必要性を最小にしながら、非限定的に電気的心活動(例えばペースメーカ、心臓再同期管理装置、除細動器等)、身体運動、体温、心拍数、運動、血圧、呼吸パターン、心拍出量、血液粘度、血液化学、血糖値、及び他の患者特有の臨床生理学的パラメータを含む身体特性の直接測定を提供することができる。導き出された測定値は埋め込み型装置のセンサ(例えば、患者の総体的健康と充足感を定量化する生活の質の指標を計算する睡眠センサ、機能能力指示器、自律トーン指示器、睡眠質指示器、咳指示器、不安指示器及び循環器健康指示器)から決定される。
【0022】
装置102、104、及び106はまた、生理学的データを測定するために使用される外部型装置、即ち人体に埋め込まれない装置(例えば体温計、血圧計、又は血圧特性、体重、身体強度、知力、ダイエット、心臓特性、及び相対的地理的位置を測定するのに使用される外部型装置)でもよい。装置102、104、及び106はまた環境条件(例えば温度、空気の質、湿度、一酸化炭素レベル、酸素レベル、大気圧、光強度及び音)を測定するのに使用される環境センサでもよい。
【0023】
1つ以上の装置102、104、及び106(例えば装置106)は客観的生理学的データに反する患者の感情、知覚、及び/又は意見に関連する、患者からの主観的又は知覚的データを測定する外部型装置でもよい。1つの実施例において、主観的装置は患者に対し、患者に提出された各質問に対する比較的少数の反応を提供する。患者に利用可能な反応は幸せ、中庸(nominalness)、及び悲しさの感情を表す三つの顔を含んでもよい。平均残業、患者の充足感の趨勢は少量の三つの反応より細かい分解能で現れる。
【0024】
高度患者管理システム100はまた通信システム110及び/又はホスト112と通信する有線又は無線技術を使用する1つ以上のリモート周辺装置109(例えば携帯電話、ポケベル、PDA装置、ファクシミリ、リモートコンピュータ、プリンタ、ビデオ及び/又はオーディオ装置)を含んでもよい。
【0025】
II.インタロゲータ/トランシーバユニット
さて、図2を参照すれば、高度患者管理システム100の例は例えばITU108等の1つ以上のインタロゲータ/トランシーバユニット(「ITU」)を含む。ITU108の例は装置102、104、及び106等の装置からデータを送受信するインタロゲータモジュール152と、データを記憶するメモリモジュール154と、APMシステム100の他の構成要素からデータを送受信するトランシーバモジュール156とを含む。トランシーバモジュールは装置102、104及び106のインタロゲータとして同様に動作してもよい。ITU108の例はまた電力を供給するパワーモジュール158を含む。ITU108には処理装置602、メモリー606、バッテリー610、入出力ポート614、ユーザインターフェース616、及びネットワークインターフェース618が更に含まれる。
【0026】
処理装置602はソフトウェアコードとして与えられた命令を処理する典型的な処理装置である。
【0027】
ユーザインターフェース616は患者又は他の人がITU108と通信できるようにする。例えば、ユーザインターフェースはマウス、キーボード、タッチスクリーン、マイクロフォン等のような1つ以上の入力装置と、液晶ディスプレー(LCD)又は発光ダイオード(LED)、CRTスクリーン、スピーカ、ライト、振動モータ等のような1つ以上の出力装置とを含む。ユーザインターフェース616は患者から主観的データを収集し(本願のI節参照)、患者に情報又は警報を与える(本願のIV節参照)ために使用してもよい。
【0028】
入出力ポート614はITU108が外部型装置に接続できるようにする典型的な通信ポートである。例えば、入出力ポート614はITU108がコンピュータに接続されるようにするパラレル、シリアル、又はユニバーサルシリアルバス(USB)ポートでもよい。その分野で一般的に知られている他のタイプのポートを使用してもよい。
【0029】
ネットワークインターフェース618はITU108がネットワークに接続されるようにする。例えば、ITU108は患者の家にあるLANに接続しても、通信システム110に直接接続してもよい。
【0030】
バッテリー610はパワーモジュール158の一部である。バッテリー610は充電式でも、非充電式でもよい。バッテリー610が充電式なら、バッテリーは標準バッテリー充電器を用いて充電でき、あるいはITU108を受けるように作られた受け台にそれを置くことにより充電してもよい。代わりの実施例において、バッテリーは除かれ、パワーモジュール158が標準のAC電源に直接接続されてもよい。
【0031】
メモリー154はデータ、ソフトウェアアプリケーション、及び他の電子情報を記憶するRAM、ROM等のような典型的な形式の如何なるメモリーでもよい。フラッシュメモリー、マイクロドライブ等を含むリムーバブルメモリーのような他のタイプのメモリーでもよい。
【0032】
ITU108は1つ以上の以下の機能を実行する。即ち、(1)データ記憶、(2)データ解析、(3)データ転送、(4)患者とのやり取り、(5)患者のフィードバック、及び(6)データ通信である。例えば、ITU108は装置102、104、及び106、及び通信システム110の間の通信を容易にする。ITU108は周期的又はリアルタイムに問い合わせ、装置102、104、及び/又は106からの臨床的に関係のある患者データをメモリーにダウロードできる。このデータは心臓センサ関係においては、例えば、P及びR波測定値、ペーシング、衝撃的事象、先頭インピーダンス、ペーシング閾値、バッテリー電圧、コンデンサ充電回数、電位図を用いたATR事象、電位図を用いた頻拍事象、ヒストグラム情報、及び患者の健康と適切な装置機能を保証するために必要な他のあらゆる臨床情報を含む。データは装置102、104、及び106によりリアルタイムにITU108に送られ、あるいは装置内のバッファから周期的にアップロードされる。
【0033】
ITU108は使用性と対応性を向上するためにカスタム化でき、また種々のソフトウェアパッケージを含んでもよい。ソフトウェアは各装置と通信するITU108の能力を制御したり、ITU108自身の機能性を制御してもよい。例えば、ソフトウェアはITU108が種々の装置(例えば、装置102、104、及び106)と通信し、装置からデータをダウンロードし、装置の設定をアップデートできるようにする。
【0034】
装置102、104、及び106等の種々の埋め込み型及び外部型装置がそれぞれ様々に機能及び通信することもあるのでこの機能をソフトウェアに設けると好都合かも知れない。例えば、埋め込まれた種々のモデルのペースメーカはインタロゲータと様々に通信し、ITU108は各モデルと通信でき、ITU108がペースメーカに問い合わせ、所望の情報を旨くダウンロードできるようにしなければならない。あらゆる装置のあらゆるモデルと通信するのに必要なソフトウェアを記憶できるほど十分なメモリーを含むことはコストとサイズのために非実用的であろう。
【0035】
図3に示す1つの実施例において、ITU108はホスト・ダウンロード・ソースシステム505からのソフトウェア・アップデートのダウンロードによりカスタム化可能である。(いくつかの実施例において、ホスト・ダウンロード・ソースシステム505はホスト112と同じシステムでもよい。)箱から最初に取り出されたときは、ITU108は「空白」であり、あるいは「基本ソフトウェア」のみを含む。「空白」という用語は、ITU108がブートのような初期機能を実行できることを指すために使用されるが、ITU108が装置と通信できるようにするソフトウェアは含まない。「基本ソフトウェア」という用語はITU108がブートアップしかつ装置との高レベル通信等の一般的な機能を実行できるために必要なソフトウェアを含むことを指すために使用される。これらの一般的な機能は、環境において何がITUを取り囲んでいるかをITUに決定させるためにITUの近辺にある装置にメッセージを送る(例えばピングする)能力や、(例えば通信ネットワーク300を介して)ホストシステムと通信する能力を含んでもよい。しかしながら、基本ソフトウェアを有するITU108は埋め込み型又は外部型装置の個々のモデルと機能上通信するソフトウェアは必ずしも含まない。
【0036】
ITU108が種々の装置と通信できるようにするのに必要なソフトウェアはホスト・ダウンロード・ソースシステム505に維持され、このソフトウェアはITU108が所望の装置と機能上通信できるようにITU108にダウンロード及びインストールしなければならない。
【0037】
ITU108が、1つ以上の与えられた装置と機能上通信するのに必要なソフトウェアをダウンロードできる方法がいくつかある。図4に図解される1つの方法例において、ITU108は、それがITU108のローカル範囲内の装置を「ピング(ping)」できるようにする基本ソフトウェアを含む。ピングとはモデル番号、シリアル番号、及び他の識別情報等の識別情報に応答するようにITU108から範囲内の何れかの装置に出される要求である。ITU108からのピングの範囲内のどの装置も装置のタイプに関連する情報をITUに送り返すことにより応答する。この情報に基づいて、ITU108はホスト505との通信を確立し、ITU108が装置と機能上通信できるようにするのに必要なソフトウェアをダウンロード/インストールする。これは必要なソフトウェアを識別及びインストールする自動化された方法であり、この方法はITU108の初期のスタートアップにおいて実行され、また所望によりITU108のリセット後に実行される。
【0038】
図6に図解されるもう1つの方法において、ITU108は空白であり、患者による使用に先立ち健康管理者又は患者によりプログラムされる。例えば、患者がモニタすべき三つの装置102、104、及び106を有するなら、健康管理者はITU108が装置102、104、及び106と通信するのに必要なソフトウェアを識別及びダウンロードするために(例えば通信ネットワーク300を介して)ホスト505にネットワークされるコンピュータシステム510を用いる(図3参照)。コンピュータシステム510はダウンロード及びインストール用の適当なソフトウェアの選択において健康管理者を援助する1つ以上のアプリケーションを含む。例えば、コンピュータシステム510上のアプリケーションは与えられた装置の全てのモデルのリストを含んでもよく、健康管理者が正しいモデルを選択し、必要な所望のソフトウェアの設定を行うことができる。モデルが選択されたら、アプリケーションはホスト505との接続を確立し、正しいソフトウェアをコンピュータシステム510にダウンロードする。コンピュータシステム510とITU108は、ソフトウェアが次いでアップロードされ、ITU108にインストールされるように接続される。
【0039】
代わりの実施例において、種々の装置と通信するソフトウェアはコンピュータシステム510又はコンパクトディスクのようなリムーバブルな記憶媒体にある。従って、健康管理者又は患者が適当な装置モデルを選択したら、ソフトウェアがコンピュータシステム510をホスト505に接続することを必要としないでインストールできる。
【0040】
更に、自動又は手動的方法を用いて、ITU108は所望通りに多数回再プログラムできる。例えば、ITU108が最初に第1の装置と通信するようにプログラムされ、その後に、第1の装置が除外され、第2の装置が追加され、ITU108が第2の装置と通信するように自動又は手動的に再プログラムできる。
【0041】
ソフトウェアは図4及び5に図解されるどちらかの方法によりダウンロードされると同時に、ITU108によりホストに送られたデータが患者に適切に合うようにするためにホストに患者情報を提供することも可能である(本願のIV節参照)。例えば、図4の自動化された方法において、装置はピングに応じて患者に関連する更なる情報を提供し、ITU108はこの情報をホストに転送する。図5の手動的方法においては、所望のソフトウェアが選択され、ホストからダウンロードされたときに健康管理者又は患者は患者情報を提供する。
【0042】
もう1つの実施例において、ITU108はホスト505との接続を周期的に確立し、ソフトウェア・アップデートが公開されたかどうかをチェックする。ソフトウェアの新バージョンが利用可能なら、ITU108はアップデートされたバージョンをインストールする。
【0043】
III.通信システム
通信システム110は装置102、104、及び106、ホスト112及びリモート周辺装置109等の高度患者管理システム100の種々の構成要素の間の通信に備える。図6は本発明に従って作られた通信システム110に対する1つの実施例を図解する。通信システム110は通信ネットワーク300により互いに接続された複数のコンピュータシステム304、306、308、310や、装置102、ホスト112、及びリモート周辺装置109を含む。通信ネットワーク300は例えばローカルエリアネットワーク(LAN)でも、ワイドエリアネットワーク(WAN)でも、インターネットでもよい。以下により詳細に述べるように、種々の通信は有線又は無線技術を用いて実施される。
【0044】
図解された実施例において、ホスト112は以下により詳細に述べる種々の通信プロトコルを用いてコンピュータ304、306、308、及び310と通信するサーバコンピュータ318及び322を含む。サーバコンピュータ318及び322はデータベース316及び320に情報を記憶する。この情報はまた1つ以上の更なるサーバへの配信により記憶される。
【0045】
種々の通信方法及びプロトコルは装置102、104、及び106、ITU108、通信システム110、ホスト112、及びリモート周辺装置109間の通信を容易にするために用いられる。例えば、有線及び無線通信方法が使用される。有線通信方法は例えば非限定的に、伝統的なDLS等の銅線通信、ISDN等のブロードバンド技術、ケーブルモデム、及び光ファイバーを含んでもよく、一方、無線通信は携帯電話、衛星、無線周波(RF)、赤外線等を含んでもよい。
【0046】
与えられた通信方法に対し、多数の標準及び/又は専用の通信プロトコルが用いられる。例えば、非限定的に無線数はパルスコーディング、スペクトル拡散、直接拡散、時間ホッピング、SMTP、FTP、及びTCP/IPが用いられる。他の専用の方法及びプロトコルを用いてもよい。更に、二つ以上の通信方法及びプロトコルの組み合わせを用いてもよい。
【0047】
高度患者管理システム100の構成要素間の種々の通信はいくつかの異なる技術を用いて確実にされる。例えば、暗号及び/又はトンネリング技術がデータ送信を保護するために使用される。あるいは、機密を保持する優先度データ交換フォーマット及びインターフェースを用いてもよい。例えば既知のキー構造(例えばPGP又はRSA)に基づいてデジタル署名を用いて認証が実施されてもよい。セキュリティーカード及びバイオメトリックセキュリティー装置(例えば虹彩スキャン、瞳スキャン、指紋スキャン、血管紋スキャン、音声、顔寸法認識等)のような他の物理的セキュリティー及び認証手段を用いてもよい。高度患者管理システム100の1つ以上の記憶媒体にある情報を保護するためにファイアウォールのような従来のセキュリティー方法を使用してもよい。データ送信エラーを検出及び訂正するために暗号、認証及び証明技術を用いてもよい。
【0048】
大量のデータが効率的に送信されるようにするために高度患者管理システム100の種々の構成要素間の通信は圧縮技術を用いて増強することもできる。例えば、装置102、104、及び106又はITU108は、情報をITU108に、あるいは直接通信システム110に送信する前に、記録された情報を圧縮してもよい。
【0049】
上記の通信方法及びプロトコルはデータの周期的及び/又はリアルタイム供給を容易にできる。
【0050】
IV.ホスト
ホスト505の例(図3参照)はITU108又はコンピュータシステム510からのソフトウェア要求を受信し、ソフトウェアをITU108又はコンピュータシステム510にアップロードするように設定される。具体的には、ホスト505は複数の異なる装置と通信するのに必要なソフトウェアを容れるために1つ以上のデータベースを備えてもよい。ITU108からのソフトウェア要求を受信したら、ホスト505は1つ以上のデータベースを照会し、選択された装置モデルに対する正しいソフトウェアを識別する。ソフトウェアは利用可能にされてITU108又はコンピュータシステム510がダウンロードする。ホスト505は必要なITU108にソフトウェア・アップデートを自動的に行う等の他の機能を実行してもよい。
【0051】
ホスト505はホスト112の例の一部である(図1参照)。ホスト112はデータベースモジュール114、解析モジュール116、及び供給モジュール118を含む。ホスト112は好ましくは患者から収集された大量のデータを解析及び処理し、また統計を処理し、大きな母集団に対する解析を実行する十分な処理能力を含む。例えば、ホスト112はメインフレームコンピュータ又はマルチプロセッサワークステーションを含んでもよい。ホスト112はまた十分な計算能力とメモリーを含む1つ以上のパーソナルコンピュータを含んでもよい。ホスト112は患者から収集され、解析された大量の高解像力データを記憶するのに十分な記憶媒体(例えばハードディスク、光学的データ記憶装置)を含む。
【0052】
ホスト112はまたITU108及び周辺装置109等のそれと通信する種々の装置に関する識別及び接触情報(例えば、IPアドレス、電話番号、又は製品シリアル番号)を含んでもよい。例えば、各ITU108はハードコードされあるいは静的識別子(例えば、IPアドレス、電話番号等)を割り当てられ、これはどの患者の情報をホスト112がある瞬間に受信しているかをホスト112が識別できるようにする。あるいは各装置102、104、及び106は特有の識別番号を割り当てられてもよく、特有の患者識別番号は患者データの各送信と共に送信してもよい。
【0053】
装置が先ず作動されると、高度患者管理システム100により受信されたデータをある患者に関連付けるためにいくつかの方法が使用される。例えば、各装置は特有の識別番号、及び患者、健康管理者、又は現場代表により書かれた登録用紙を含んでもよい。登録用紙は収集されたデータを患者に関連付けるために必要な情報を収集するために使用される。あるいは、ユーザは、登録情報を収集できるようにウェブサイトにログオンできる。もう1つの実施例において、記録されたデータを前記ある患者に関連付けるのに必要な情報を提供するために装置の展開に先立ち、あるいは展開に関連して走査されるバーコードが各装置に含まれる。
【0054】
図1を再び参照すれば、データベースモジュール114の例は患者データベース400、住民データベース402、医学データベース404、及び一般的なデータベース406を含み、これら全ては以下に更に説明する。患者データベース400は装置102、104、及び106により取得されたデータや、患者の医学的記録及び履歴情報を含む患者特有のデータを含む。住民データベース402は他の患者及び住民趨勢に関連するデータ等の患者特有でないデータを含む。医学的データベース404の例は、キー事象の記しと共に患者の病気の進行の記録の形式の多数の患者に対する履歴傾向データ等の病気の治療に関連する臨床データを含む。一般的なデータベース406は、ニュース、財政、買い物、技術、エンターテーメント、及び/又はスポーツ等の患者に関係する非医学データを含む。
【0055】
もう1つの実施例において、情報はまた外部データベース600等の外部ソースから提供される。例えば、外部データベース600は患者に処方された薬のタイプに関する情報を提供する、薬局により維持される薬剤処方記録等の第三者により維持される外部医学記録を含む。
【0056】
解析モジュール116の例は患者解析モジュール500、装置解析モジュール502、住民解析モジュール504、及び学習モジュール506を含む。患者解析モジュール500は高度患者管理システム100により収集された情報や、他の関係ソースに関する情報を利用して患者に関連するデータを解析し、タイムリーに患者の充足感の予知評価を提供してもよい。装置解析モジュール502は装置102、104、及び106及びITU108からのデータを解析して装置問題又は不良を予知及び決定する。住民解析モジュール504はデータベースモジュール114内に収集されたデータを使用して住民の健康を管理する。学習モジュール506は高度患者管理システム100及び外部ソースにより収集されたデータを含む、種々の情報源から提供されたデータを解析し、ニューラルネットワーク(又は均等物)システムを介して実行され、例えば確率計算を実行する。
【0057】
供給モジュール118はホスト112により実行された解析に基づいてフィードバックの供給を調整する。例えば、装置から収集され、ホスト112により解析されたデータに基づいて供給モジュール118は例えばITU108に設けられたディスプレーを用いて健康管理者又は患者に情報を供給することができる。
【0058】
本願に開示された種々の実施例の説明を助けるために1つ以上の表題が設けられた。表題の使用と生じた表題による分割は決して限定的に解釈すべきではない。1つの表題の下に説明された主題は1つ以上の他の表題の下に説明された主題と非限定的にかつ所望通りに組み合わせることができる。
【0059】
本開示のシステムと方法は種々の装置及び/又はプログラムや埋め込み型又は外部型装置を含む、本願に開示された種々の図に示されたシステムを用いて実行できる。従って、本開示の方法は(1)システム上で進行する、コンピュータで実行されるステップ列として、また(2)システム内の相互接続されたモジュールとして実行される。実施は本開示の方法を実施するシステムと、その方法のユーザにより選択又は利用される構成要素の性能要件による選択の問題である。従って、本願において説明された本開示の方法の実施例を作り上げる論理演算は動作、ステップ、又はモジュールと様々によばれる。動作、ステップ、及びモジュールが、本願に添付された特許請求の範囲に記載されるような本発明の精神と範囲から逸脱することなく、ソフトウェア、ファームウェア、特殊目的のデジタル論理、アナログ回路、及びその組み合わせとして実施されることは当業者には言うまでもない。
【0060】
本発明は上記の特定例に限定されると見なすべきではなく、むしろ添付の特許請求の範囲に公正に提示されるような発明の全ての態様を包含することは言うまでもない。本発明がめざす分野の当業者には、本明細書を検討すれば、本発明が適用可能な種々の変形、等価なプロセスや、無数の構造が直ちに明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明による高度患者管理システムを例示するブロック図。
【図2】本発明によるインタロゲータ/トランシーバユニットを例示するブロック図。
【図3】インタロゲータ/トランシーバユニット上のソフトウェアをアップデートするシステム例の概略図。
【図4】インタロゲータ/トランシーバユニット上のソフトウェアを自動的に初期アップデートする方法例のフロー図。
【図5】インタロゲータ/トランシーバユニット上のソフトウェアを手動で初期アップデートする方法例のフロー図。
【図6】本発明による通信システムを例示する概略図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に関連付けられた少なくとも1つの装置及びホストと通信するように設定された患者管理システムにおけるインタロゲータ/トランシーバユニットであって、
ソフトウェア命令を処理する処理モジュールと、
リモートホストとのインターフェースと、
メモリモジュールと、から成り、
前記メモリモジュールは、スタートアップ時、前記ユニットに前記装置をピングさせる基本ソフトウェアを含み、前記ユニットは、前記装置からの応答を受けたとき、前記インターフェースを介して前記リモートホストに接続されて前記装置に特有の前記メモリーモジュールにソフトウェアをダウンロードするよう設定されていることを特徴とするインタロゲータ/トランシーバユニット。
【請求項2】
患者と通信するユーザインターフェース手段を更に備える請求項1に記載のユニット。
【請求項3】
前記装置は移植されていることを特徴とする請求項1に記載のユニット。
【請求項4】
前記ユニットは前記リモートホストと自動的に通信して前記ソフトウェアをダウンロードすることを特徴とする請求項1に記載のユニット。
【請求項5】
前記ユニットは前記リモートホストと周期的に通信してアップデートされたソフトウェアをダウンロードすることを特徴とする請求項1に記載のユニット。
【請求項6】
前記ユニットは、リセットされると、前記装置を自動的にピングし、前記リモートホストからソフトウェアをダウンロードすることを特徴とする請求項1に記載のユニット。
【請求項7】
患者に関連付けられた少なくとも1つの装置及びホストと通信するように設定された患者管理システムに使用されるインタロゲータ/トランシーバユニットを設定するシステムであって、
ソフトウェア命令を処理する処理装置と、インターフェースと、メモリモジュールとを含み、初期化時に空白であるインタロゲータ/トランシーバユニットと、
前記インターフェースを介して前記ユニットに連結されたコンピュータシステムと、
から成り、前記コンピュータシステムは、ユーザが複数の装置モデルの1つ以上を選択することを許容し、かつ、選択時、前記選択された装置モデルに関連付けられたソフトウェアを前記ユニットにインストールすることを特徴とする、設定システム。
【請求項8】
前記複数の装置モデルに対するソフトウェアは前記コンピュータシステムのメモリー内に存することを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記複数の装置モデルに対するソフトウェアは前記コンピュータシステムによって読み取られるリムーバブル記憶媒体にあることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記複数の装置モデルに特有の前記ソフトウェアを含むリモートホストを更に備え、前記コンピュータシステムは、前記リモートホストと通信し、前記選択された装置モデルに関連付けられた前記ソフトウェアをダウンロードし、前記ソフトウェアを前記ユニットにインストールするように設定されていることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記装置は移植されていることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
患者に関連付けられた装置から患者管理システムの一部としてのリモートホストにデータを送信する方法であって、
前記装置と通信するように設定されたインタロゲータ/トランシーバユニットを設けるステップと、
前記ユニットを初期化するステップと、
前記ユニットから前記装置にピングを送るステップと、
前記装置から前記ユニットへの識別情報に応答するステップと、
から成る送信方法。
【請求項13】
前記ユニットと前記リモートホストの間の通信を確立して前記装置に関連付けられたソフトウェアを前記ユニットにダウンロードするステップと、
前記ソフトウェアを前記ユニットにインストールするステップと、
を更に備える請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ユニットの初期化前に、前記ユニットは基本ソフトウェアのみを含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記ユニットをリセットするステップと、
前記ユニットから第2の装置に第2のピングを送るステップと、
前記第2装置から前記ユニットへの識別情報に応答するステップと、
前記ユニットと前記リモートホストの間に通信を確立するステップと、
前記第2装置に関連付けられたソフトウェアを前記ユニットにダウンロードするステップと、
前記ソフトウェアを前記ユニットにインストールするステップと、
を更に含む請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記装置と前記第2装置が同一であることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記装置は移植されていることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項18】
患者に関連付けられた装置から患者管理システムの一部としてのリモートホストにデータを送信する方法であって、
空白のインタロゲータ/トランシーバユニットを設けるステップと、
複数の装置モデルのリストからの選択を許容するコンピュータシステムを設けるステップと、
前記複数の装置モデルのリストから前記装置を選択するステップと、
前記ユニットが前記装置と通信できるように前記ユニットにソフトウェアをインストールするステップと、
から成るデータ送信方法。
【請求項19】
前記コンピュータシステムと前記リモートホストの間に通信を確立するステップと、
前記装置に関連付けられたソフトウェアを前記コンピュータシステムにダウンロードするステップと、
を更に含む請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−512165(P2006−512165A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−565741(P2004−565741)
【出願日】平成15年12月23日(2003.12.23)
【国際出願番号】PCT/US2003/041374
【国際公開番号】WO2004/060043
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(505003528)カーディアック・ペースメーカーズ・インコーポレーテッド (466)
【Fターム(参考)】