説明

インターホンシステム

【課題】必要コストを増大させることなく電気使用情報の管理を行うことのできるインターホンシステムを提供する。
【解決手段】ドアホン子器2には、訪問者及び設置場所の周囲を撮像するためのカメラ22が設けられており、インターホン親機1には、カメラ22で撮像された映像及び電力計測装置3から送信される電力量に基づく電気使用情報を記憶する記憶部15と、メモリカードMCが着脱自在に接続される接続部16と、接続部16を介してメモリカードMCへのデータの書き込み及びメモリカードMCからのデータの読み出しを制御する外部記憶媒体制御部17とを備え、外部記憶媒体制御部17は、要求に応じて記憶部15に記憶された映像及び電気使用情報を接続部16を介してメモリカードMCに記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消費電力量を計測可能な電力計測装置との間で信号の送受信を行うインターホンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、住戸内に設置されて火災感知器や防犯センサ等のセキュリティセンサを接続したインターホン親機と、住戸外に設置されたドアホン子器との間で通話可能なインターホンシステムが知られている。このようなインターホンシステムの中には、戸建住宅や集合住宅の各住戸に設置された電力分電盤と住宅情報盤(インターホン親機)との間で信号を送受信可能としたシステムが知られており、例えば特許文献1に開示されている。この従来例は、住戸に供給される電力を監視し、負荷を接続した分岐回路に分配供給するための電力分電盤と、火災感知器などの各種セキュリティセンサを接続した住宅情報盤との間を信号送受信可能に構成されたものであって、電力分電盤には、主幹ブレーカを通じて供給される電流量を計測するコントローラが設けられている。当該コントローラによって計測された電流量に基づく電気使用情報は、住宅情報盤に信号送出され、住宅情報盤は、電気使用情報を受信して計測された電流量のレベルに応じて段階的に報知(例えば、「電気を使いすぎています」という音声メッセージを出力)する。而して、電気の使用情報を、住宅情報盤が設置されるリビングやダイニングなどの居住者の目に付き易い場所で把握することができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−296771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のようなシステムでは、各住戸における電気使用情報を管理するために有線又は無線を通じてサーバ等の解析装置に接続される場合がある。この場合、解析装置とインターホン親機との間で通信可能となるようにシステムを構成しなければならないため、システムが大掛かりとなり、必要コストが増大するという問題があった。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みて為されたもので、必要コストを増大させることなく電気使用情報の管理を行うことのできるインターホンシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、住戸内に設置されるインターホン親機と、住戸外に設置されてインターホン親機との間で通話を行うドアホン子器と、住戸内への不審者の侵入を検知するとともに不審者が侵入した旨を知らせる侵入検知信号をインターホン親機に送信する防犯センサと、住戸に供給される電力を監視し、負荷を接続した分岐回路に分岐供給する分電盤内の電流及び電圧を計測して負荷に供給される電力量を算出する電力計測装置とを備え、電力計測装置で算出された電力量に基づく電気使用情報をインターホン親機に送信するインターホンシステムであって、ドアホン子器には、訪問者及び設置場所の周囲を撮像するためのカメラが設けられており、インターホン親機には、カメラで撮像された映像及び電力計測装置から送信された電気使用情報を記憶する記憶部と、外部記憶媒体が着脱自在に接続される接続部と、接続部を介して外部記憶媒体へのデータの書き込み及び外部記憶媒体からのデータの読み出しを制御する外部記憶媒体制御部とを備え、外部記憶媒体制御部は、要求に応じて記憶部に記憶された映像及び電気使用情報を接続部を介して外部記憶媒体に記録することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、インターホン親機に記憶された訪問者等の映像のみならず電気使用情報も外部記憶媒体に記録することができるので、外部記憶媒体を持ち運ぶことで電気使用情報を外部の解析装置で管理することができる。したがって、解析装置とインターホン親機との間で通信可能となるようにシステムを構成する必要がないため、必要コストを増大させることなく電気使用情報の管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係るインターホンシステムの実施形態を示す図で、(a)は概略図で、(b)はブロック図である。
【図2】同上の主要な動作を説明するためのフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係るインターホンシステムの実施形態について図面を用いて説明する。本実施形態は、図1(a),(b)に示すように、住戸内に設置されるインターホン親機1と、住戸外に設置されてインターホン親機1との間で通話を行うドアホン子器2と、住戸に供給される電力を監視し、負荷(図示せず)を接続した分岐回路に分岐供給する分電盤DB内の電流及び電圧を計測して負荷に供給される電力量を算出する電力計測装置3とから構成される。
【0010】
インターホン親機1は、図1(b)に示すように、音声を入力するためのマイクロホン10a及び音声を出力するためのスピーカ10bと、ドアホン子器2から通信線L1を介して送信される呼出信号を検出するとともにドアホン子器2との間に通話路を形成する親機通話部10と、全体の制御を行う制御部11と、例えば液晶ディスプレイから成り不審者の侵入を知らせるためのピクトマークやドアホン子器2の後述するカメラ22で撮像された映像を表示する表示部12と、器体表面に露設される複数(図1(a)では4つ)の押釦から成り押操作されると各釦に対応した操作信号を制御部11に送信する操作入力受付部13と、電力計測装置3との間で通信線L2を介して信号の送受信を行う信号送受信部14と、電力計測装置3から送信される後述する電気使用情報を記憶する記憶部15と、外部記憶媒体であるメモリカードMCが着脱自在に接続される接続部16と、接続部16を介してメモリカードMCへのデータの書き込み及びメモリカードMCからのデータの読み出しを制御する外部記憶媒体制御部17とから構成される。
【0011】
操作入力受付部13には、押操作されると消費電力量の概略を表示部12に表示させるように指示する電力モニタ釦と、押操作されると記憶部15に記憶されたデータをメモリカードMCに記録させるように指示するメモリカード用記録釦とが設けられている。
【0012】
ドアホン子器2は、図1(b)に示すように、音声を入力するためのマイクロホン20a及び音声を出力するためのスピーカ20bと、インターホン親機1との間に通話路を形成する子器通話部20と、例えば押釦等から成り押操作に応じて信号を通信線L1を介してインターホン親機1に送信する操作入力受付部21とから構成される。尚、操作入力受付部21は、インターホン親機1を呼び出すための呼出信号をインターホン親機1に送信する指示を入力する呼出釦21aを少なくとも備える。また、ドアホン子器2には、図1(a)に示すように、訪問者の姿や外玄関の状況を撮影するためのカメラ22が設けられている。カメラ22で撮像された映像は、変調した後に図示しない映像信号送信部から映像信号として通信線L1を介してインターホン親機1に送信される。インターホン親機1では、図示しない映像信号受信部において映像信号を受信し、復調した後に表示部12に映像を表示するとともに、当該映像を記憶部15に記憶させる。
【0013】
分電盤DBは、例えば内玄関灯、換気扇、エアコン、トイレの温水弁座等の負荷を接続した分岐回路に電力を分配供給している。勿論、負荷は上記の機器に限定される必要はない。電力計測装置3は、電力線を介して負荷に供給される電圧及び電流に基づいて負荷に供給される電力量を算出する計測部30と、全体の制御を行う制御部31と、計測部30で算出された電力量に基づく電気使用情報を記憶する記憶部33と、インターホン親機1との間で通信線L2を介して信号の送受信を行う信号送受信部32とから構成される。制御部31は、計測部30においてカレントトランス(図示せず)を用いて検出する分電盤DBの主幹ブレーカ(図示せず)を流れる電流、及び電圧線(図示せず)の線間電圧を所定の間隔(例えば数分毎に)で計測させ、当該計測値に基づいて電気使用情報を作成して記憶部33に記憶させる。電気使用情報には、消費電力量、計測を行った日付及び時刻の情報が含まれる。尚、本実施形態では、電力計測装置3を分電盤DBの外側に設置しているが、分電盤DBの内側に設置しても構わない。
【0014】
以下、本実施形態の主要な動作について図2を用いて説明する。先ず、インターホン親機1の操作入力受付部13において電力モニタ釦を押操作すると、制御部11は、電気使用情報を送信するように要求する要求信号を信号送受信部14から電力計測装置3に送信させる。電力計測装置3の制御部31は、信号送受信部32において要求信号を受信すると、記憶部33から電気使用情報を読み出し、電気使用情報を含む応答信号を信号送受信部32からインターホン親機1に送信させる。インターホン親機1の制御部11は、信号送受信部14において応答信号を受信すると、応答信号に含まれる電気使用情報に統計処理を行い、処理結果を記憶部15に記憶させる。上記統計処理の処理結果は画像処理され、表示部12に出力される。例えば、本実施形態では、電力モニタ釦が押操作された日付における消費電力量を表示するようになっている。尚、表示部12に表示させる消費電力量の概略は上記に限定される必要はなく、例えば電力モニタ釦が押操作された週若しくは月、又は年間の消費電力量を表示させるようにしても構わない。消費電力量を確認した後は、電力モニタ釦を再度押操作することで上記表示をオフにして待機状態へと移行する。
【0015】
次に、メモリカードMCを接続部16に接続した状態で、インターホン親機1の操作入力受付部13においてメモリカード用記録釦を押操作すると、制御部11は、記憶部15から記憶された訪問者等の映像及び電気使用情報を読み出す。そして、外部記憶媒体制御部17では、記憶部15から読み出されたデータを接続部16を介してメモリカードMCに記録する。メモリカードMCにデータを記録した後は、メモリカードMCを接続部16から取り外すことで、訪問者等の映像及び電気使用情報のデータを外部に持ち運ぶことが可能になる。尚、本実施形態では、メモリカード用記録釦を押操作すると訪問者等の映像と電気使用情報とを纏めてメモリカードMCに記録するようになっているが、訪問者等の映像と電気使用情報とを個別にメモリカードMCに記録できるように構成しても構わない。
【0016】
上述のように、インターホン親機1に記憶された訪問者等の映像のみならず電気使用情報もメモリカードMCに記録することができるので、メモリカードMCを持ち運ぶことで電気使用情報を外部の解析装置で管理することができる。したがって、解析装置とインターホン親機1との間で通信可能となるようにシステムを構成する必要がないため、必要コストを増大させることなく電気使用情報の管理を行うことができる。
【符号の説明】
【0017】
1 インターホン親機
15 記憶部
16 接続部
17 外部記憶媒体制御部
2 ドアホン子器
22 カメラ
3 電力計測装置
DB 分電盤
MC メモリカード(外部記憶媒体)



【特許請求の範囲】
【請求項1】
住戸内に設置されるインターホン親機と、住戸外に設置されてインターホン親機との間で通話を行うドアホン子器と、住戸内への不審者の侵入を検知するとともに不審者が侵入した旨を知らせる侵入検知信号をインターホン親機に送信する防犯センサと、住戸に供給される電力を監視し、負荷を接続した分岐回路に分岐供給する分電盤内の電流及び電圧を計測して負荷に供給される電力量を算出する電力計測装置とを備え、電力計測装置で算出された電力量に基づく電気使用情報をインターホン親機に送信するインターホンシステムであって、ドアホン子器には、訪問者及び設置場所の周囲を撮像するためのカメラが設けられており、インターホン親機には、カメラで撮像された映像及び電力計測装置から送信された電気使用情報を記憶する記憶部と、外部記憶媒体が着脱自在に接続される接続部と、接続部を介して外部記憶媒体へのデータの書き込み及び外部記憶媒体からのデータの読み出しを制御する外部記憶媒体制御部とを備え、外部記憶媒体制御部は、要求に応じて記憶部に記憶された映像及び電気使用情報を接続部を介して外部記憶媒体に記録することを特徴とするインターホンシステム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−288226(P2010−288226A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−142543(P2009−142543)
【出願日】平成21年6月15日(2009.6.15)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】