説明

インターホンシステム

【課題】集合住宅内の他の住戸で異常が発生した際に、住人が在宅しているか不在であるかを住戸外で報知するとともに、ドアホン子器の光源部を有効に活用する。
【解決手段】インターホンシステム1は、住戸内に設置されるインターホン親機2と、住戸外に設置されるドアホン子器3と、複数戸の住戸を監視する警報監視盤5とを備える。ドアホン子器3は、カメラ341の撮像領域を照明する照明部351を有する。警報監視盤5は、各住戸で発生した異常を検知する異常検知部521と、異常が発生した住戸とは異なる他の住戸に設置されたインターホン親機2へ異常発生を通知する通知部522とを有する。インターホン親機2は、カメラ341で撮像された画像を表示する表示部242と、警報監視盤5から異常発生が通知されると、住人が在宅している場合と住人が不在である場合とで照明部351の点灯パターンを変更させる点灯制御部251とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合住宅に用いられるインターホンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターホンシステムの映像がカラー映像となってきたのに伴い、夜間でもカラー映像で来訪者の顔を判断したいという要望が高まっている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
ところが、カラー映像の場合、白色光を撮像領域に照射しなければ、撮像領域の照度が不足するため、鮮明なカラー映像を得ることができなかった。
【0004】
そこで、カラー映像用のインターホンシステムでは、撮像領域を照明する照明部として可視光を発する光源部がドアホン子器に設けられるようになってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−309362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のカラー映像用のインターホンシステムでは、ドアホン子器の光源部(照明部)が、撮像時に撮像領域を照明するために用いられるだけであるため、上記光源部のさらなる有効活用が望まれていた。
【0007】
また、従来のインターホンシステムは、来訪者が訪問した際に、住戸外の来訪者を住戸内の住人に知らせることができるが、集合住宅内の他の住戸で異常が発生した際に、住戸内に住人が在宅しているか不在であるかを住戸外の人に知らせることができなかった。各住戸において住人が在宅しているか不在であるかを表わす在宅情報は住人の行動によって随時変化するため、上記異常が発生した時点での在宅情報を住戸外の人に知らせる手段が求められている。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みて為され、本発明の目的は、集合住宅内の他の住戸で異常が発生した際に住人が在宅しているか不在であるかを住戸外で報知することができるとともにドアホン子器の光源部を有効に活用することができるインターホンシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のインターホンシステムは、集合住宅内の住戸ごとに住戸内に設置されるインターホン親機および住戸外に設置されるドアホン子器を備えるとともに、前記集合住宅内の複数戸の住戸を監視する警報監視盤とを備え、前記ドアホン子器は、前記住戸外の予め決められた領域内の人物を撮像する撮像部と、前記撮像部による撮像時に前記領域を照明するように点灯する光源部とを有し、前記警報監視盤は、前記複数戸の住戸の少なくともいずれかで発生した異常を検知する異常検知部と、前記異常が発生した住戸とは異なる他の住戸に設置された前記インターホン親機へ異常発生を通知する通知部とを有し、前記インターホン親機は、前記ドアホン子器の前記撮像部で撮像された画像を表示する表示部と、前記警報監視盤から前記異常発生が通知されると、住人が在宅している場合と当該住人が不在である場合とで前記ドアホン子器の前記光源部の点灯パターンを変更させる点灯制御部とを有することを特徴とする。
【0010】
このインターホンシステムにおいて、前記インターホン親機は、前記住人が在宅している在宅モードおよび前記住人が不在である留守モードのいずれかを選択して設定するモード設定部を有し、前記点灯制御部は、前記警報監視盤から前記異常発生が通知されると、前記在宅モードの場合と前記留守モードとの場合とで前記光源部の点灯パターンを変更させることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、集合住宅内の他の住戸で異常が発生した際に、住人が在宅している場合と住人が不在である場合とで、住戸外のドアホン子器の光源部が点灯パターンを変えて点灯する。これにより、上記異常が発生した際に、住人が在宅しているか不在であるかを住戸外で報知することができる。その結果、例えば管理人、消防隊員など住戸外の人が、各住戸の住人が在宅しているか不在であるかを住戸外から知ることができ、上記異常に対して住戸外の人が迅速に対応することができる。また、本発明では、撮像時に撮像領域を照明する場合と、上記異常が発生した際に住人が在宅しているか不在であるかを報知する場合とで、ドアホン子器の光源部を共用することができるので、ドアホン子器の光源部を有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態に係るインターホンシステムのブロック図である。
【図2】同上に係るインターホンシステムの構成図である。
【図3】同上に係るインターホンシステムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の実施形態では、集合住宅に用いられるインターホンシステムについて説明する。集合住宅は、例えばマンションなど、複数戸の住戸と共同スペースとを含んでいる建物である。共同スペースとしては、例えば共同玄関前のロビーなどがある。
【0014】
本実施形態に係るインターホンシステム1は、図2に示すように、集合住宅内の各住戸の住戸内に設置された複数台(図2では1台のみ図示)のインターホン親機2と、各住戸の住戸外に設置された複数台(図2では1台のみ図示)のドアホン子器3と、各住戸の住戸内に設置された複数台(図2では1台のみ図示)の感知器4とを備えている。ドアホン子器3が設置された住戸外としては、例えば住戸の玄関先などがある。また、本実施形態のインターホンシステム1は、集合住宅内の複数戸の住戸を監視する警報監視盤5と、集合住宅のロビーに設置されるロビーインターホン6とを備えている。本実施形態では、集合住宅内の住戸ごとにインターホン親機2とドアホン子器3と感知器4とが少なくとも1台ずつ設置されている。なお、住戸によっては、インターホン親機2、ドアホン子器3および感知器4の少なくともいずれかが2台以上設置されていてもよい。また、インターホン親機2、ドアホン子器3および感知器4は、集合住宅内の全ての住戸に設置されていなくてもよく、集合住宅内の少なくとも2以上の住戸に設置されていればよい。
【0015】
このような本実施形態のインターホンシステム1は、いずれかの住戸でセキュリティ異常が発生した際に、他の住戸において、住人が在宅している場合と住人が不在である場合とで異なる点灯パターンで、ドアホン子器3の照明部351(図1参照)が点灯する。
【0016】
本実施形態において、セキュリティ異常とは、例えば火災、地震、ガス漏れ、不審者の侵入など、緊急避難を要する異常をいう。
【0017】
次に、本実施形態のインターホンシステム1を構成する各機器の構成について図1を用いて説明する。
【0018】
まず、ドアホン子器3の構成について説明する。ドアホン子器3は、同じ住戸に設置されるインターホン親機2と通信する子器側通信部31と、来訪者がドアホン子器3を操作するときに用いられる子器側操作部32と、マイクロホン331およびスピーカ332と、音声信号を処理する通話部333とを備えている。また、ドアホン子器3は、来訪者を撮像するカメラ(撮像部)341と、映像信号を処理する映像部342と、カメラ341の撮像領域を照明する照明部(光源部)351と、照明部351を駆動する照明駆動部352とを備えている。さらに、ドアホン子器3は、ドアホン子器3の動作を制御する子器側制御部36を備えている。ドアホン子器3は、2線式の通話線および2線式の制御線からなる通信線91によってインターホン親機2に接続されている。
【0019】
子器側通信部31は、子器側制御部36の指示に従ってインターホン親機2と通信する機能を有している。具体的には、子器側通信部31は、後述の呼出釦321が操作された際に呼出信号をインターホン親機2へ送出する。また、子器側通信部31は、通話部333からの音声信号と映像部342からの映像信号とを多重化してインターホン親機2へ送出する。
【0020】
子器側操作部32は、住戸外の来訪者が住戸内の住人を呼び出すために操作する呼出釦321を備えている。
【0021】
通話部333は、マイクロホン331からの音声信号を増幅したり、インターホン親機2からの音声信号を増幅したりする。スピーカ332は、インターホン親機2からの音声信号に応じた音声を出力する。
【0022】
カメラ341は、例えばCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(ComplementaryMetal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどを用いたエリアセンサカメラであり、撮像領域内の来訪者を撮像する。カメラ341の撮像領域は、ドアホン子器3の設置場所の周辺であって、住戸外の予め決められた領域である。映像部342は、カメラ341で撮像された映像(画像)の映像信号を周波数変調する。
【0023】
照明部351は、カメラ341による撮像時に撮像領域すなわち来訪者を照明するように点灯する。本実施形態の照明部351は、例えばLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)などであり、撮像領域に可視光(白色光)を照射する。照明駆動部352は、子器側制御部36の制御に応じた光出力で照明部351を点灯させる点灯回路を備えている。これにより、撮像領域の照度を十分に高めることができ、鮮明なカラー映像を得ることができる。
【0024】
また、照明部351は、後述のようにセキュリティ異常が発生した際に、住人が在宅している場合と不在である場合とで異なるパターンで点灯する。
【0025】
子器側制御部36は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)を主構成要素とし、ドアホン子器3の動作を制御する。
【0026】
具体的には、子器側制御部36は、来訪者が呼出釦321を押操作した際に、子器側通信部31が通信線91の通話線の線間電圧を変化させるなどして呼出信号をインターホン親機2へ送出するように子器側通信部31を制御する。
【0027】
また、子器側制御部36は、マイクロホン331からの音声信号がインターホン親機2へ送出されるように通話部333および子器側通信部31を制御する。
【0028】
さらに、子器側制御部36は、呼出釦321が押操作されると、照明部351が撮像領域を照明するように照明駆動部352を制御するとともに、カメラ341が撮像を開始するように映像部342を制御する。カメラ341に撮像を開始させた子器側制御部36は、映像信号がインターホン親機2へ送出されるように映像部342および子器側通信部31を制御する。
【0029】
続いて、感知器4の構成について説明する。感知器4は、例えば住戸内の火災を検知する火災感知器、住戸内のガス漏れを検知するガス警報器、住戸内への不審者の侵入を検知する防犯センサなどである。感知器4は、セキュリティ異常を検知するセンサ41と、インターホン親機2と通信する感知器側通信部42と、感知器4の動作を制御する感知器側制御部43とを備えている。感知器4は、2線式の信号線92によってインターホン親機2に接続されている。
【0030】
センサ41は、住戸内のセキュリティ異常を検知する。例えば感知器4が火災感知器である場合、センサ41は、火災発生による熱および煙の少なくとも一方を検知する。
【0031】
感知器側通信部42は、信号線92に方形波のパルス電圧を印加することで後述のセキュリティ信号および復帰信号をインターホン親機2へ送出する。
【0032】
感知器側制御部43は、センサ41でセキュリティ異常が検知されると、感知器側通信部42がセキュリティ異常信号をインターホン親機2へ送出するように感知器側通信部42を制御する。一方、センサ41がセキュリティ異常を検知しなくなってから一定時間が経過すると、感知器側制御部43はセキュリティ異常なしと判断する。このとき、感知器側制御部43は、感知器側通信部42が復帰信号をインターホン親機2へ送出するように感知器側通信部42を制御する。
【0033】
続いて、インターホン親機2の構成について説明する。インターホン親機2は、ドアホン子器3、感知器4および警報監視盤5と通信するための親機側通信部21と、住人がインターホン親機2を操作するときに用いられる親機側操作部22と、マイクロホン231およびスピーカ232と、音声信号を処理する通話部233とを備えている。また、インターホン親機2は、映像信号を処理する映像部241と、映像部241で処理された映像信号に応じた映像を表示する表示部242と、インターホン親機2の動作を制御する親機側制御部25とを備えている。インターホン親機2は、2線式の通話線および2線式の制御線からなる通信線93によって警報監視盤5に接続されている。また、インターホン親機2は、通常、交流電源26(図2参照)から電力供給され、停電などの場合、非常電源27(図2参照)から電力供給される。
【0034】
親機側通信部21は、ドアホン子器3、感知器4および警報監視盤5と通信する機能と、警報監視盤5を介してロビーインターホン6と通信する機能とを有している。具体的には、親機側通信部21は、感知器4からセキュリティ異常信号を受け取り、セキュリティ異常信号を警報監視盤5へ送出する。また、親機側通信部21は、ドアホン子器3から多重化されて伝送されてくる音声信号と映像信号とを分離する。
【0035】
親機側操作部22は、操作釦221と、解錠釦222と、非常釦223とを備えている。解錠釦222は、共同玄関7の自動ドア71(図2参照)を解錠させる場合に操作される。
【0036】
スピーカ232は、来訪者がドアホン子器3の呼出釦321(またはロビーインターホン6の呼出釦622)を操作した際に、ドアホン子器3(またはロビーインターホン6)からの呼出を報知するための呼出音を出力する。また、親機側通信部21が感知器4からセキュリティ異常信号を受け取ると、スピーカ232は、セキュリティ異常を住人に知らせるための警報音を出力する。この警報音はブザー音に限定されるものではなく、音声メッセージであってもよい。本実施形態のスピーカ232は、警報音として、ブザー音および音声メッセージの両方を出力する。
【0037】
通話部233は、マイクロホン231からの音声信号(送話信号)の信号レベルとドアホン子器3(またはロビーインターホン6)からの音声信号(受話信号)の信号レベルとを比較し、信号レベルが低いほうの音声信号を減衰させることで通話方向を切り換える。すなわち、送話信号の信号レベルが受話信号の信号レベルより高い場合、通話部233は、通話方向をインターホン親機2からドアホン子器3(またはロビーインターホン6)への方向とする。反対に、受話信号の信号レベルが送話信号の信号レベルより高い場合、通話部233は、通話方向をドアホン子器3(またはロビーインターホン6)からインターホン親機2への方向とする。
【0038】
通話方向がドアホン子器3(またはロビーインターホン6)からインターホン親機2への方向である場合、スピーカ232は、ドアホン子器3(またはロビーインターホン6)からの音声信号に応じた音声を出力する。
【0039】
映像部241は、ドアホン子器3からの映像信号およびロビーインターホン6からの映像信号を周波数復調し、表示部242に出力する。表示部242は、例えば液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、CRT(Cathode-Ray Tube)ディスプレイなどの映像表示用モニタである。表示部242は、映像部241からの映像信号に応じて、ドアホン子器3のカメラ341で撮像された映像、ロビーインターホン6のカメラ641で撮像された映像を表示する。これにより、住戸内の住人が住戸外の来訪者を確認することができる。また、親機側通信部21が感知器4からセキュリティ異常信号を受け取ると、表示部242は、セキュリティ異常を住人に知らせるためのピクトグラムを表示する。
【0040】
親機側制御部25は、CPUを主構成要素とし、通信線(通話線)91に直流電圧を印加してドアホン子器3への給電を行う。また、親機側通信部21が感知器4からセキュリティ異常信号を受け取ると、親機側制御部25は、警報音の出力およびピクトグラムの表示を実行する。一方、親機側通信部21が感知器4から復帰信号を受け取ると、親機側制御部25は、警報音の出力およびピクトグラムの表示を停止して通常状態に復帰する。さらに、親機側操作部22の解錠釦222が操作されると、共同玄関7の自動ドア71(図2参照)を解錠させるための解錠信号を親機側通信部21がロビーインターホン6へ送出するように、親機側制御部25は親機側通信部21を制御する。
【0041】
また、親機側制御部25は、ドアホン子器3の照明部351の点灯パターンを制御する点灯制御部251を備えている。点灯制御部251は、他の住戸のセキュリティ異常発生が警報監視盤5から通知されると、住戸の住人が在宅している場合と住人が不在である場合とで、ドアホン子器3の照明部351の点灯パターンを変更させる。具体的には、他の住戸に関するセキュリティ異常信号を親機側通信部21が警報監視盤5から受け取ると、点灯制御部251は、上述のようにドアホン子器3の照明部351の点灯パターンを変更させる。
【0042】
ところで、本実施形態の親機側制御部25は、住人が在宅しているか不在であるかに応じてモードを設定するモード設定部252をさらに備えている。モード設定部252は、住人の親機側操作部22への操作に応じて、在宅モードおよび留守モードのいずれかを設定する。在宅モードは、住人が在宅している際に設定されるモードである。留守モードは、住人が不在である際に設定されるモードである。これにより、本実施形態の点灯制御部251は、警報監視盤5からセキュリティ異常発生が通知されると、モード設定部252で設定された設定モードが在宅モードの場合と留守モードとの場合とで、ドアホン子器3の照明部351の点灯パターンを変更させる。例えば、在宅モードが設定されている場合、点灯制御部251は、照明部351を点灯させたり、点滅させたりさせる。一方、留守モードが設定されている場合、点灯制御部251は、照明部351を不点灯にする。
【0043】
また、本実施形態の親機側制御部25は、表示許可設定部253をさらに備えている。表示許可設定部253は、住人の親機側操作部22への操作に応じて、警報監視盤5からセキュリティ異常発生が通知された際の住戸外表示(ドアホン子器3の照明部351の点灯)を許可するか否かを設定する。住戸外表示が許可されている場合、点灯制御部251は、上述したように、在宅モードの場合と留守モードとの場合とで照明部351の点灯パターンを変更させる。一方、住戸外表示が許可されていない場合、在宅モードが設定されていても留守モードが設定されていても、点灯制御部251は、照明部351を不点灯にする。
【0044】
続いて、警報監視盤5の構成について説明する。警報監視盤5は、集合住宅の管理人室などに設置され、ロビーインターホン6が接続されているとともに、分岐器8を介して各インターホン親機2が接続されている。警報監視盤5は、各住戸のインターホン親機2とロビーインターホン6との間のインターホン通話を制御するとともに、各住戸のセキュリティを監視している。このような警報監視盤5は、各インターホン親機2およびロビーインターホン6と通信する監視盤側通信部51と、警報監視盤5の動作を制御する監視盤側制御部52と、マイクロホン531およびスピーカ532と、音声信号を処理する通話部533と、管理人が警報監視盤5を操作するときに用いられる監視盤側操作部54とを備えている。警報監視盤5は、2線式の通話線および2線式の制御線からなる通信線94によってロビーインターホン6に接続されている。
【0045】
監視盤側通信部51は、監視盤側制御部52の指示に従って各インターホン親機2およびロビーインターホン6と通信する機能を有している。具体的には、監視盤側通信部51は、各インターホン親機2との間でセキュリティ異常信号および復帰信号を受け取ったり、送出したりする。また、監視盤側通信部51は、各インターホン親機2とロビーインターホン6との間で呼出信号、音声信号、映像信号および解錠信号を中継する。
【0046】
監視盤側制御部52は、CPUを主構成要素とし、異常検知部521と通知部522とを備えている。
【0047】
異常検知部521は、監視盤側通信部51で取得されたセキュリティ異常信号を用いて、各住戸で発生したセキュリティ異常を検知する。
【0048】
通知部522は、セキュリティ異常が発生した住戸とは異なる他の住戸に設置された全てのインターホン親機2へセキュリティ異常信号を送出するように監視盤側通信部51を制御する。これにより、通知部522は、セキュリティ異常が発生した住戸とは異なる他の住戸に設置されたインターホン親機2へセキュリティ異常発生を通知することができる。
【0049】
監視盤側操作部54は、操作釦541を備えている。管理人が操作釦541を操作してインターホン親機2を指定すれば、警報監視盤5は、指定されたインターホン親機2とのみ通話することができる。
【0050】
続いて、ロビーインターホン6の構成について説明する。ロビーインターホン6は、映像を撮像することができるカメラ付きのロビーインターホンである。ロビーインターホン6は、警報監視盤5および共同玄関7と通信するロビー側通信部61と、来訪者がロビーインターホン6を操作するときに用いられるロビー側操作部62と、マイクロホン631およびスピーカ632と、音声信号を処理する通話部633とを備えている。また、ロビーインターホン6は、来訪者を撮像するカメラ641と、映像信号を処理する映像部642と、ロビーインターホン6の動作を制御するロビー側制御部65とを備えている。ロビーインターホン6は、警報監視盤5によって、各住戸のインターホン親機2との間のインターホン通話が制御される。
【0051】
ロビー側通信部61は、ロビー側制御部65の指示に従ってインターホン親機2と通信する機能を有している。具体的には、ロビー側通信部61は、後述の番号キー621および呼出釦622が操作された際に呼出信号をインターホン親機2へ送出する。また、ロビー側通信部61は、通話部633からの音声信号と映像部642からの映像信号とを多重化して訪問先のインターホン親機2へ送出する。さらに、ロビー側通信部61は、インターホン親機2から解錠信号を取得すると、解錠信号を共同玄関7へ送出する。
【0052】
ロビー側操作部62は、来訪者が住戸番号を指定するための番号キー621および呼出釦622を備えている。来訪者が番号キー621を操作して訪問先の住戸の住戸番号を指定した後に呼出釦622を操作することによって、住戸番号に対応する住戸のインターホン親機2が選択されたことになる。住戸において、操作釦221が操作されると、インターホン親機2とロビーインターホン6との間で通話が可能になり、解錠釦222が操作されると、親機側通信部21が解錠信号をロビーインターホン6へ送出する。
【0053】
通話部633は、マイクロホン631からの音声信号を増幅したり、インターホン親機2からの音声信号を増幅したりする。スピーカ632は、インターホン親機2からの音声信号に応じた音声を出力する。
【0054】
カメラ641は、例えばCCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサなどを用いたエリアセンサカメラであり、撮像領域内の来訪者を撮像する。カメラ641の撮像領域は、ロビーインターホン6の設置場所の周辺であって、予め決められた領域である。映像部642は、カメラ641で撮像された映像の映像信号を周波数変調する。
【0055】
ロビー側制御部65は、CPUを主構成要素とし、ロビーインターホン6の動作を制御する。具体的には、ロビー側制御部65は、来訪者が番号キー621および呼出釦622を操作した際に、ロビー側通信部61が呼出信号をインターホン親機2へ送出するようにロビー側通信部61を制御する。また、ロビー側制御部65は、マイクロホン631からの音声信号がインターホン親機2へ送出されるように通話部633およびロビー側通信部61を制御する。さらに、ロビー側制御部65は、カメラ641が撮像を開始するように映像部642を制御する。カメラ641に撮像を開始させたロビー側制御部65は、映像信号が訪問先の住戸のインターホン親機2へ送出されるように映像部642およびロビー側通信部61を制御する。
【0056】
共同玄関7は、集合住宅の入口に設置された自動ドア71(図2参照)の電気錠(図示せず)を駆動するドア駆動部72と、ロビーインターホン6と通信する玄関側通信部73と、共同玄関7の動作を制御する玄関側制御部74とを備えている。玄関側通信部73がロビーインターホン6から解錠信号を受け取ると、玄関側制御部74は、自動ドア71が解錠するようにドア駆動部72を制御する。
【0057】
次に、本実施形態に係るインターホンシステム1において、インターホン親機2とドアホン子器3との間の動作について説明する。まず、来訪者がドアホン子器3の呼出釦321を押操作すると、子器側通信部31が呼出信号をインターホン親機2へ送出する。これとは別に、カメラ341および映像部342が起動し、子器側通信部31が映像信号をインターホン親機2へ送出する。
【0058】
インターホン親機2では、親機側通信部21を介して親機側制御部25がドアホン子器3から呼出信号を受け取り、親機側制御部25が通話部233を制御してスピーカ232から呼出音を出力させる。このとき、呼出信号を受け取った親機側制御部25は、ドアホン子器3からの映像信号を映像部241で周波数復調させて来訪者の映像を表示部242に表示させる。インターホン親機2における操作釦221を住戸内の住人が押操作し、親機側制御部25が通話部233と通信線(通話線)91との間に通話路が形成されると、インターホン親機2とドアホン子器3との間で通話が可能になる。
【0059】
次に、本実施形態に係るインターホンシステム1において、感知器4がセキュリティ異常を検知した場合の動作について図3を用いて説明する。
【0060】
まず、感知器4は、セキュリティ異常を検知すると、セキュリティ異常信号をインターホン親機2へ送出する。
【0061】
インターホン親機2は、感知器4からセキュリティ異常信号を受け取ると(S1)、セキュリティ異常の警報音を鳴動し、セキュリティ異常のピクトグラムを表示する(S2)。これにより、感知器4でセキュリティ異常が検知された際に、インターホン親機2が警報音を出力し、ピクトグラムを表示することによって、住人にセキュリティ異常の発生を速やかに知らせることができる。
【0062】
インターホン親機2は、セキュリティ異常信号を警報監視盤5へ転送する。警報監視盤5は、インターホン親機2からセキュリティ異常信号を受け取ると、セキュリティ異常が発生した住戸とは異なる他の住戸に設置された全てのインターホン親機2へセキュリティ異常信号を送出する。
【0063】
他の住戸に設置されたインターホン親機2は、警報監視盤5からセキュリティ異常信号を受け取ると、親機側制御部25は、設定モードが在宅モードであるか留守モードであるかによって、ドアホン子器3の照明部351の点灯パターンを変更させる。すなわち、他の住戸に設置されたインターホン親機2は、在宅モードを設定している場合(S3の「在宅モード」)、住戸外表示を許可していると(S4の「YES」)、ドアホン子器3の照明部351を点灯させる(または点滅させる)(S5)。ドアホン子器3では、インターホン親機2の指示に従って、照明部351が点灯する。
【0064】
一方、インターホン親機2が留守モードを設定している場合(S3の「留守モード」)、または、インターホン親機2が住戸外表示を許可していない場合(S4の「NO」)、インターホン親機2は、ドアホン子器3の照明部351を不点灯にする(S6)。
【0065】
以上の説明より、本実施形態のインターホンシステム1は、集合住宅内の他の住戸でセキュリティ異常が発生した際に、住人が在宅している場合と住人が不在である場合とで、住戸外のドアホン子器3の照明部(光源部)351が点灯パターンを変えて点灯する。これにより、上記異常が発生した際に、住人が在宅しているか不在であるかを住戸外で報知することができる。その結果、例えば管理人、消防隊員など住戸外の人が、各住戸の住人が在宅しているか不在であるかを住戸外から知ることができ、上記セキュリティ異常に対して住戸外の人が迅速に対応することができる。
【0066】
また、本実施形態のインターホンシステム1では、撮像時に撮像領域を照明する場合と、上記異常が発生した際に住人が在宅しているか不在であるかを報知する場合とで、ドアホン子器3の照明部351を共用することができるので、ドアホン子器3の照明部351を有効に活用することができる。
【0067】
特に、各住戸において住人が在宅しているか不在であるかを表わす在宅情報は、各住戸の住人の行動によって随時変化するため、インターホンシステム1に予め記憶させておくことができない情報である。このような在宅情報にもかかわらず、本実施形態のインターホンシステム1は、上記異常が発生した時点の在宅情報を住戸外で報知することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 インターホンシステム
2 インターホン親機
242 表示部
251 点灯制御部
252 モード設定部
3 ドアホン子器
341 カメラ(撮像部)
351 照明部(光源部)
5 警報監視盤
521 異常検知部
522 通知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合住宅内の住戸ごとに住戸内に設置されるインターホン親機および住戸外に設置されるドアホン子器を備えるとともに、前記集合住宅内の複数戸の住戸を監視する警報監視盤とを備え、
前記ドアホン子器は、
前記住戸外の予め決められた領域内の人物を撮像する撮像部と、
前記撮像部による撮像時に前記領域を照明するように点灯する光源部とを有し、
前記警報監視盤は、
前記複数戸の住戸の少なくともいずれかで発生した異常を検知する異常検知部と、
前記異常が発生した住戸とは異なる他の住戸に設置された前記インターホン親機へ異常発生を通知する通知部とを有し、
前記インターホン親機は、
前記ドアホン子器の前記撮像部で撮像された画像を表示する表示部と、
前記警報監視盤から前記異常発生が通知されると、住人が在宅している場合と当該住人が不在である場合とで前記ドアホン子器の前記光源部の点灯パターンを変更させる点灯制御部とを有する
ことを特徴とするインターホンシステム。
【請求項2】
前記インターホン親機は、
前記住人が在宅している在宅モードおよび前記住人が不在である留守モードのいずれかを選択して設定するモード設定部を有し、
前記点灯制御部は、前記警報監視盤から前記異常発生が通知されると、前記在宅モードの場合と前記留守モードとの場合とで前記光源部の点灯パターンを変更させる
ことを特徴とする請求項1記載のインターホンシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−42389(P2013−42389A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178371(P2011−178371)
【出願日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】