説明

インダゾール化合物およびCDC7の阻害方法

CDC7阻害剤として作用することができる新規化合物を提供する。当該化合物は、単独で、または少なくとも1種のさらなる治療薬剤との組合せにおいて、CDC7介在性疾患、例えばがんの予防または処置に有用である。化合物は式(I)または(II)
【化1】


(式中、可変部の値は本明細書に定義のとおりである)
を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は2006年4月19日に出願した米国仮出願第60/793,691号の利益を主張している。
【0002】
発明の分野
本発明は、CDC阻害剤に関し、新規化合物、新規化合物と薬学的に許容される担体の組成物、および新規化合物の単独または少なくとも1種のさらなる治療薬との組合せでの、CDC7介在性疾患、例えばがんの処置における使用を提供する。
【発明の背景】
【0003】
背景
真核生物において、DNA複製は細胞周期の間、厳密に制御されており、1回のみ、Sフェーズにのみ起こる(Bell and Dutta, “DNA replication in eukaryotic cells” Annu Rev Biochem 71:333-74 (2002)参照)。DNA複製は、G1の間に複製起点での前複製複合体(pre−RC)の形成によって開始される。複合体形成後、pre−RCは2つのSフェーズキナーゼ、Cdk2/サイクリンEおよびCDC7/Dbf4(Hsk1またはCDC7L1としても知られている)の共同的活性によって開始複合体に変換される。Hsk1はS.pombe CDC7ホモログである。CDC7およびHsk1のものと同様の配列についてESTデータベースを探査することによって、JiangとHunterは部分ヒトCDC7cDNAを同定した(Jiang and Hunter, “Identification and characterization of a human protein kinase related to budding yeast CDC7p” PNAS 23;94(26):14320-5 (1997))。彼らは部分cDNAを用いて全長cDNAをHeLa細胞ライブラリーから単離した。予想される574アミノ酸ヒトCDC7タンパク質は、全てのタンパク質セリン/スレオニンキナーゼにおいて見出される11個の保存サブドメインと、サブドメインIとII、VIIとVIII、そしてXとXIの間に3個のさらなる配列(キナーゼ挿入)を含む。ヒトとS. cerevisiae CDC7のキナーゼドメインは、44%のタンパク質配列同一性を有する。ヒトCDC7は64kDの分子量を有し、核に主として局在する。Hessらの“A human homolog of the yeast CDC7 gene is overexpressed in some tumors and transformed cell lines” Gene 211(1):133-40 (1998)によって、CDC7L1が多くの正常組織で発現されるが、試験した全ての形質転換細胞系およびある腫瘍タイプにおいて過剰発現していることが報告された。
【0004】
CDC7、セリン/スレオニンキナーゼは、真核細胞のDNA複製の開始に重要な役割を果たしている(Jiang et al., EMBO J 18:5703 (1999))。前複製複合体が複製起点に集合した後、CDC7キナーゼはMCM(小染色体維持)タンパク質をリン酸化し、CDC45およびDNAポリメラーゼを動員し、それによってDNA複製を開始する(Kim et al., Mutation Research 532:29(2003))。CDC7は、そのコファクター、ASK(DBF4とも知られている)またはASKL1(Drf1とも知られている)の1つとの結合を、キナーゼ活性化のために必要とする(Ogino et al., J Biol Chem 276:31376 (2001); Sato et al., Genes to Cells 8:451 (2003); Montagnoli et al., EMBO J 21:3171 (2002); Yoshizawa-Sugata et al., J Biol Chem 280, 13062 (2005))。CDC7欠損マウスは3.5〜6.5日で死に、このことはCDC7が初期胚発生に必要であることを示している(Kim et al., EMBO J 21:2168 (2002))。マウスES細胞系におけるCDC7のノックダウン状態(CDC7−/−tg)は、速やかに細胞増殖の阻害、DNA合成の速やかな中断およびSフェーズ進行の停止を示す(Kim et al. (2002))。CDC7は、エトポシド処置またはDNA1ストランド破壊に応答してシグナルを伝達するDNA損傷チェックポイントに関与している(Costanzo et al., J Mol Cell 11:203 (2003))。DNA損傷応答におけるCDC7の役割は、CDC7欠損マウスES細胞が核においてRAD51巣(foci)を集積させるという観察によって支持される(Kim et al. (2002))。酵母におけるCDC7の欠失は、ヒドロキシウレア処置に対する過敏症をもたらす(Weinreich et al., EMBO J 18:5334 (1999))。
【0005】
セリン/スレオニンキナーゼCDC7は、DNA複製の開始に重要な役割を果たしており、Sフェーズチェックポイントシグナル伝達に関与している(Kim, Yamada and Masai, “Functions of mammalian CDC7 kinase in initiation/monitoring of DNA replication and development” Mutat Res 532(1-2):29-40 (2003)参照)。CDC7キナーゼはDbf4との複合体を形成し、その制御サブユニットは活性Ser/Thrキナーゼを生成するためのASKとしても知られている。CDC7/Dbf4キナーゼ活性は、DNA複製の開始および続く細胞周期のSフェーズへの移行に必要である。Drf1またはASKL1と呼ばれるCDC7の第2のアクチベータータンパク質は、ヒト細胞において同定されており、SおよびMフェーズ進行に関与していると考えられている(Montagnoli et al., “Drf1, a novel regulatory subunit for human CDC7 kinase” EMBO J 21(12):3171-81 (2002); Yoshizawa-Sugata, “A second human Dbf4/ASK-related protein, Drf1/ASKL1, is required for efficient progression of S and M phases” Biol Chem 280(13):13062-70 (2005))。CDC7ノックアウトマウスはE3.5からE6.5の胚致死率である(Kim et al., “Inactivation of CDC7 kinase in mouse ES cells results in S-phase arrest and p53-dependent cell death” EMBO J 21(9):2168-79 (2002))しかし、条件付CDC7および条件付Dbf4ノックアウトES細胞系の分析によって、哺乳類細胞増殖およびDNA合成における両タンパク質の本質的な役割が示された(Kim et al., “Hypomorphic mutation in an essential cell-cycle kinase causes growth retardation and impaired spermatogenesis” EMBO J 22(19):5260-72 (2003); Yamashita et al, “Functional analyses of mouse ASK, an activation subunit for CDC7 kinase, using conditional ASK knockout ES cells” Genes Cells 10(6):551-63 (2005))。
【0006】
前複製複合体(pre−RC)が細胞周期のG1フェーズに6員起点認識複合体(ORC)によって標識される複製起点上に集合することによって、DNA複製が開始する。Cdc6とCdt1の結合が小染色体維持(MCM)複合体のORCへのローディングを促進する。MCM2−7ヘテロヘキサマー複合体は、Sフェーズで複製フォークのDNAアヘッド(ahead)を解きほぐすヘリカーゼとして機能する良好な候補であると考えられているが、今では精製MCM467複合体のみがインビトロヘリカーゼ活性を有することが示されている(Lei et al., “Initiating DNA synthesis: from recruiting to activating the MCM complex” Cell Sci 114(Pt 8):1447-54 (2001); Schechter et al., “DNA unwinding is an Mcm complex-dependent and ATP hydrolysis-dependent process” J Biol Chem 279(44):45586-93 (2004))。MCMタンパク質はCDC7の主要な生理的基質である。S. cerevisiaeにおいて、MCM5 bob−1の変異は、CDC7/Dbf4キナーゼ活性の要求の回避を示した(Hardy et al., “MCM5/cdc46-bob1 bypasses the requirement for the S phase activator CDC7p” PNAS 94(7):3151-5 (1997))。MCM2−7複合体を形成する6個のサブユニットの内、MCM2、MCM4およびMCM6はCDC7のインビトロおよび細胞における直接の基質であることが示されている。CDC7/Dbf4によってリン酸化されたMCM2の2次元トリプシン放射ラベル化ホスホペプチド−マッピング分析によって、7つのリン酸化部位がインビトロで示された(Jiang et al., “Mammalian CDC7-Dbf4 protein kinase complex is essential for initiation of DNA replication” EMBO J 18(20):5703-13 1999)。近年、MCM2のCDC7リン酸化部位がS40、S50およびS108残基を含むようにマッピングされた(Montagnoli et al., “Identification of Mcm2 phosphorylation sites by S-phase-regulating kinases” J Biol Chem 281(15):10281-90 (2006))。さらなる残基、例えばS53がインビトロおよびインビボでCDC7によってリン酸化されると同定された(Cho et al., “CDC7 kinase phosphorylates serine residues adjacent to acidic amino acids in the minichromosome maintenance 2 protein” PNAS 103(31):11521-6 (2006); Tsuji T et al., “Essential role of phosphorylation of MCM2 by CDC7/Dbf4 in the initiation of DNA replication in mammalian cells” Mol Biol Cell 17(10):4459-72 (2006))。さらに、MCM2はまた、DNA複製において他のSフェーズキナーゼ、Cdk2/CycEによって、そして遺伝毒性ストレスに応答してATMならびにATM−およびRad3−関連(ATR)チェックポイントキナーゼによってリン酸化される(Cortez et al, “Minichromosome maintenance proteins are direct targets of the ATM and ATR checkpoint kinases” PNAS 101(27):10078-83 (2004); Yoo et al., “Mcm2 is a direct substrate of ATM and ATR during DNA damage and DNA replication checkpoint responses” J Biol Chem 279(51):53353-64 (2004))。近年、CDC7がMCM4およびMCM6のリン酸化を介在することが報告されている(Sheu and Stillman, “CDC7-Dbf4 phosphorylates MCM proteins via a docking site-mediated mechanism to promote S phase progression” Mol Cell 24(1):101-13 (2006); Masai H et al., “Phosphorylation of MCM4 by CDC7 kinase facilitates its interaction with Cdc45 on the chromatin” J Biol Chem 281(51):39249-61 (2006))。リン酸化部位間での機能的関連性および冗長性は今なお不明であるが、MCMタンパク質のCDC7によるリン酸化は一般的にSフェーズ進行を促進する。
【0007】
近年、CDC7はがん治療の魅力的な標的として浮上している。siRNAオリゴヌクレオチドを用いたCDC7の欠失は、がん細胞系のアポトーシスを誘導するが、正常皮膚繊維芽細胞は免れる。(Montagnoli et al., Cancer Res 64, 7110 (2004))。さらに、腫瘍細胞のMCM2、MCM4およびMCM6に対するCDC7介在性リン酸化部位が同定されたが、これらの部位の機能的関連性は未だ決定されていない(Montagnoli et al., J of Biol Chem 281:10281 (2006); Tsuji et al., Mol Biol Cell 17:4459-4472 (2006); Masai et al., J Biol Chem 281:39249-39261 (2006); Sheu et al., Mol Cell 24:101-113 (2006))。CDC7/Dbf4複合体が遺伝毒性ストレスに応答するSチェックポイントの標的であるという証拠が存在する。HU処置S. cerevisiaeにおいて、Rad53はDbf4をリン酸化してクロマチンからキナーゼ複合体を除去し、そしてCDC7/Dbf4キナーゼ活性を阻害する。CDC7欠失はHU過敏症をもたらす(Weinreich M and Stillman B, 1999)。さらに、抗がん薬剤として臨床的に使用されているトポイソメラーゼII阻害剤である、エトポシドで処置したアフリカツメガエルのタマゴ抽出物は、ATRを要求し、CDC7/Dbf4キナーゼ活性を阻止するDNA損傷チェックポイントの活性化をもたらす(Costanzo 2003)。これはCDC7/Dbf4キナーゼが複製ストレス中活性であり、HUおよびエトポシド処置に応答するMCM2の過リン酸化に寄与することを示す近年のデータとは反対である(Tenca P et al., 2007)。これらの薬剤の存在下でのsiRNAを用いたCDC7のさらなる欠失は、細胞死を増加させる。
【0008】
腫瘍抑制遺伝子Men1における疾患関連変異は、メニンとCDC7キナーゼ活性に必要なコファクターであるDbf4の相互作用を阻止し、したがって疾患、多発性内分泌系新生物I型(MEN1)に寄与することが同定されている(Schnepp RW et al., 2004)。乳がん組織サンプル、とりわけERおよびPR陰性サンプルにおけるCDC7の発現レベルのさらなる上昇が、社内のマイクロアレイ分析に基づいて検出された。この情報を用いて、CDC7阻害に受容性の患者群を同定することができる。
【0009】
Sフェーズチェックポイント制御におけるCDC7の役割は完全に理解されていないが、CDC7阻害剤ががん患者に単独で、そしてDNA複製に作用する化学療法剤との組合せ治療として効果を示すことを示唆する証拠が存在する。しかし、今日までがんの処置に適用できる具体的なCDC7阻害剤は存在しない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、低分子量小分子であり、強力かつ特異的なCDC7の阻害剤、ならびにかかる化合物のスクリーニング方法が必要とされる。CDC7介在性疾患、例えばがんの処置方法が、とりわけ望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
要約
本発明は、低分子量小分子であるCDC7の強力かつ特異的阻害剤を提供する。したがって、本発明の1つの局面において、式(I):
【化1】

〔式中、XはNまたはCRであり;
YはNまたはCRであり;
ZはNまたはCRであり;
はH、ハロ、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノおよび置換アミノから成る群から選択され;
はアルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、アリールオキシ、置換アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、シクロアルキルオキシ、置換シクロアルキルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリルおよび置換ヘテロシクリルから成る群から選択され;
はH、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであり;
、R、RおよびRは独立して、H、ハロ、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノおよび置換アミノから成る群から選択され;
はH、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、アミノスルホニルオキシ、アミノスルホニルアミノ、アミジノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、(カルボキシルエステル)アミノ、(カルボキシルエステル)オキシ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、SOH、スルホニル、置換スルホニル、スルホニルオキシ、チオアシル、チオール、アルキルチオ、置換アルキルチオ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリルおよび置換ヘテロシクリルから成る群から選択される〕
の化合物、またはその立体異性体、互変異性体もしくは薬学的に許容される塩を提供する。
【0012】
他の態様において、式(II):
【化2】

〔式中、R、RおよびRは独立して、H、ハロ、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノおよび置換アミノから成る群から選択され;
はH、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、アミノスルホニルオキシ、アミノスルホニルアミノ、アミジノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、(カルボキシルエステル)アミノ、(カルボキシルエステル)オキシ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、SOH、スルホニル、置換スルホニル、スルホニルオキシ、チオアシル、チオール、アルキルチオ、置換アルキルチオ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリルおよび置換ヘテロシクリルから成る群から選択され;
10、R10、R11、R12およびR13は独立して、H、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、アミノスルホニルオキシ、アミノスルホニルアミノ、アミジノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、(カルボキシルエステル)アミノ、(カルボキシルエステル)オキシ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、SOH、スルホニル、置換スルホニル、スルホニルオキシ、チオアシル、チオール、アルキルチオ、置換アルキルチオ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリールオキシ、置換アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、シクロアルキルオキシ、置換シクロアルキルオキシ、ヘテロシクリルオキシおよび置換ヘテロシクリルオキシから成る群から選択される〕
の新規化合物、またはその立体異性体、互変異性体もしくは薬学的に許容される塩を提供する。
【発明の効果】
【0013】
他の局面において本発明は、処置を必要とするヒトまたは動物対象におけるCDC7関連障害を処置する方法であって、当該対象におけるCDC7活性を阻害するのに有用な量の式(I)または(II)の化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0014】
他の局面において、CDC7関連障害はがんであり、本発明は処置を必要とするヒトまたは動物対象におけるがんを処置する方法であって、当該対象における腫瘍増殖を減少または予防するのに有用な量の式(I)または(II)の化合物を投与することを含む方法を提供する。本発明によって処置し得る代表的ながんには、これらに限定されないが、癌腫、例えば膀胱がん、乳がん、結腸がん、腎臓がん、肝臓がん、小細胞肺がんを含む肺がん、食道がん、胆嚢がん、卵巣がん、膵臓がん、胃がん、頸部がん、甲状腺がん、前立腺がんおよび扁平上皮細胞がんを含む皮膚がん;リンパ系造血性腫瘍、例えば白血病、急性リンパ球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、有毛細胞リンパ腫およびブルスケットリンパ腫;骨髄系造血性腫瘍、例えば急性および慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群および前骨髄球性白血病;葉間細胞由来の腫瘍、例えば線維肉腫および横紋筋肉腫;中枢および末梢神経系の腫瘍、例えば星状細胞腫、神経芽腫、神経膠腫および神経鞘腫;ならびに他の腫瘍、例えば黒色腫、精上皮腫、奇形癌腫、骨肉腫、色素性乾皮症、角黄色腫、濾胞性甲状腺がんおよびカポジ肉腫が含まれる。
【0015】
さらに他の局面において、本発明は、処置を必要とする対象におけるCDC7関連障害を処置する方法であって、当該対象における腫瘍増殖を減少または予防するのに有効な量の式(I)または(II)の化合物を、少なくとも1種のがんの処置のためのさらなる薬剤との組合せで投与することを含む方法を提供する。
【0016】
さらに他の局面において、本発明は、少なくとも1種の式(I)または(II)の化合物を、1種以上のがん治療において一般的に使用されているがんの処置のためのさらなる薬剤との組合せで含む医薬組成物を提供する。
【0017】
さらに他の局面において、本発明は、医薬として用いるための式(I)または(II)の化合物を提供する。本発明はさらに、がんの処置用医薬の製造における式(I)または(II)の化合物の使用を提供する。
【0018】
他の態様は、化合物によるCDC7活性の阻害についてスクリーニングする方法であって、MCM2、CDC7およびATPを化合物に曝露し、MCM2のリン酸化をモニターすることを含んで成る方法を提供する。より具体的な態様において、当該方法は実施例80に記載のように、MCM2のSer108のリン酸化をモニターすることを含む。
【0019】
本発明の他の対象、特徴および利点は、下記詳細な説明から明らかとなるであろう。しかし、詳細な説明および具体的な実施例は、本発明の好ましい態様を示しているが、説明のためのみに開示しており、本発明の精神および範囲内の様々な変化および修正はこの詳細な説明から当業者に明らかとなることが理解されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
詳細な説明
本発明は、小分子CDC7調節剤の新規クラスに関する。これらの化合物は医薬組成物に製剤することができ、ヒトまたは動物対象におけるCDC7の阻害、およびCDC7介在性疾患、例えばがんの処置に有用である。
【0021】
本発明の1つの態様は、置換4−(1H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2(1H)−オンを含む新規化合物を提供する。より具体的な態様において、4−(1H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2(1H)−オンは置換または非置換4−(1H−インダゾール−5−イル)−6−フェニルピリミジン−2(1H)−オンである。他の態様において、化合物は式(I)または(II)を有する。より具体的な態様において、化合物はCDC7阻害剤である。その他の態様において化合物はCDC7阻害剤であり、患者、さらにとりわけがん、さらにとりわけCDC7を発現している細胞を含むがんを有する患者に投与される。
【0022】
本発明の他の態様は、式(I):
【化3】

〔式中、XはNまたはCRであり;
YはNまたはCRであり;
ZはNまたはCRであり;
はH、ハロ、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノおよび置換アミノから成る群から選択され;
はアルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、アリールオキシ、置換アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、シクロアルキルオキシ、置換シクロアルキルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリルおよび置換ヘテロシクリルから成る群から選択され;
はH、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであり;
、R、RおよびRは独立して、H、ハロ、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノおよび置換アミノから成る群から選択され;
はH、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、アミノスルホニルオキシ、アミノスルホニルアミノ、アミジノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、(カルボキシルエステル)アミノ、(カルボキシルエステル)オキシ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、SOH、スルホニル、置換スルホニル、スルホニルオキシ、チオアシル、チオール、アルキルチオ、置換アルキルチオ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリルおよび置換ヘテロシクリルから成る群から選択される〕
の化合物、またはその立体異性体、互変異性体もしくは薬学的に許容される塩を提供する。
【0023】
より具体的な態様において、XがCRであり、ZがCRである。さらにより具体的に、R、RおよびRがHまたはハロである。さらにとりわけ、R、RおよびRがHである。
【0024】
他のより具体的な態様において、RがH、ハロまたはアルキルである。さらにとりわけ、RがHである。
【0025】
他のより具体的な態様において、Rがアリールまたは置換アリールである。他のより具体的な態様においてRがヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他のより具体的な態様において、Rがシクロアルキルまたは置換シクロアルキルである。他のより具体的な態様において、Rがヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルである。他のより具体的な態様において、Rがフェニルまたは置換フェニルである。
【0026】
他のより具体的な態様において、RがHまたはアルキルである。さらにとりわけ、Rがメチルである。さらにとりわけ、RがHである。
【0027】
他のより具体的な態様において、RがH、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、置換アルキル、アミノ、置換アミノ、アルコキシおよび置換アルコキシから成る群から選択される。他のより具体的な態様において、RがHである。
【0028】
他のより具体的な態様において、YがNである。他のより具体的な態様において、ZがNである。他のより具体的な態様において、YがCRであり、XとZの一方のみがNである。
【0029】
本発明の他の態様は、式(II):
【化4】

〔式中、R、RおよびRは独立して、H、ハロ、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノおよび置換アミノから成る群から選択され;
はH、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、アミノスルホニルオキシ、アミノスルホニルアミノ、アミジノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、(カルボキシルエステル)アミノ、(カルボキシルエステル)オキシ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、SOH、スルホニル、置換スルホニル、スルホニルオキシ、チオアシル、チオール、アルキルチオ、置換アルキルチオ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリルおよび置換ヘテロシクリルから成る群から選択され;
10、R10、R11、R12およびR13は独立して、H、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、アミノスルホニルオキシ、アミノスルホニルアミノ、アミジノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、(カルボキシルエステル)アミノ、(カルボキシルエステル)オキシ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、SOH、スルホニル、置換スルホニル、スルホニルオキシ、チオアシル、チオール、アルキルチオ、置換アルキルチオ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリールオキシ、置換アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、シクロアルキルオキシ、置換シクロアルキルオキシ、ヘテロシクリルオキシおよび置換ヘテロシクリルオキシから成る群から選択される〕
の新規化合物、またはその立体異性体、互変異性体もしくは薬学的に許容される塩を提供する。
【0030】
他のより具体的な態様において、R10、R10、R11、R12およびR13の少なくとも1個がアルコキシである。他の態様において、R10、R10、R11、R12およびR13の少なくとも1個がハロ、アルキルまたは置換アルキルである。
【0031】
他のより具体的な態様において、R11がハロ、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリールオキシ、置換アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、シクロアルキルオキシ、置換シクロアルキルオキシ、ヘテロシクリルオキシおよび置換ヘテロシクリルオキシから成る群から選択される。
【0032】
他のより具体的な態様において、R、RおよびRがHまたはハロである。さらにとりわけ、R、RおよびRがHである。
【0033】
他のより具体的な態様において、RがH、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、置換アルキル、アミノ、置換アミノ、アルコキシおよび置換アルコキシから成る群から選択される。さらにとりわけ、RがHである。
【0034】
他のより具体的な態様において、化合物は6−(3−フルオロフェニル)−4−(1H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2(1H)−オン、6−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−4−(1H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2(1H)−オン、6−(2,5−ジメトキシフェニル)−4−(1H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2(1H)−オン、6−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−4−(1H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2(1H)−オン、6−(4−エチルフェニル)−4−(1H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2(1H)−オン、6−(3,4−ジメトキシフェニル)−4−(1H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2(1H)−オン、4−(1H−インダゾール−5−イル)−6−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−2(1H)−オン、6−(2−フルオロフェニル)−4−(1H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2(1H)−オン、6−(3−クロロフェニル)−4−(1H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2(1H)−オン、4−(1H−インダゾール−5−イル)−6−フェニルピリミジン−2(1H)−オン、6−[3−(ベンジルオキシ)フェニル]−4−(1H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2(1H)−オン、4−(1H−インダゾール−5−イル)−6−(4−モルホリン−4−イルフェニル)ピリミジン−2(1H)−オン、4−(1H−インダゾール−5−イル)−6−(4−フェノキシフェニル)ピリミジン−2(1H)−オン、6−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−4−(1H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2(1H)−オン、4−(1H−インダゾール−5−イル)−6−(4−ピペラジン−1−イルフェニル)ピリミジン−2(1H)−オン、またはその立体異性体、互変異性体もしくは薬学的に許容される塩から成る群から選択される。
【0035】
本発明の他の態様は、式(I)または(II)の化合物および薬学的に許容される賦形剤または担体を含む医薬組成物を提供する。
【0036】
本発明の他の態様は、cdc関連障害を有するヒトまたは動物対象を処置する方法であって、当該対象におけるCDC7活性の阻害に有効な量の本発明の化合物を投与することを含む方法を提供する。より具体的な態様において、cdc7関連障害はがん障害であり、本発明は処置を必要とするヒトまたは動物対象を処置する方法であって、当該対象に治療上有効量の式(I)または(II)の化合物を、単独または他の抗がん剤との組合せで投与することを含む方法を提供する。他の局面において本発明は、処置を必要とするヒトまたは動物対象におけるCDC7関連障害を処置する方法であって、当該対象における腫瘍増殖を減少または予防するのに有効な量の式(I)または(II)の化合物を投与することを含む方法を提供する。さらに他の局面において本発明は、処置を必要とするヒトまたは動物対象におけるCDC関連障害を処置する方法であって、当該対象における腫瘍増殖を減少または予防するのに有効な量の式(I)または(II)の化合物を、少なくとも1種のがんの処置のためのさらなる薬剤との組合せで投与することを含む方法を提供する。組合せ療法として使用する好適な多くの抗がん剤は、以下に詳細に説明する通り、本発明の方法における使用を意図する。さらにとりわけ、がんはCDC7を発現する細胞を含む。
【0037】
本発明の他の態様は、MCM、とりわけMCM2のリン酸化を阻害する方法であって、MCMまたはMCM2、CDC7およびATPを上記態様のいずれかの化合物に曝露することを含む方法を提供する。より具体的な態様において、Ser40および/またはSer108のリン酸化がMCM2で阻害される。
【0038】
本発明の他の態様は、医薬としての、とりわけがんの処置のための、式(I)または(II)の化合物の使用を提供する。他の態様において本発明は、がんの処置用医薬の製造における式(I)または(II)の化合物の使用を提供する。
【0039】
本発明の他の態様は、化合物によるCDC7活性の阻害についてスクリーニングする方法であって、MCM2、CDC7およびATPを化合物に曝露し、MCM2のSer108のリン酸化をモニターすることを含んでなる方法を提供する。
【0040】
他の態様は、CDC7のキナーゼ活性を同定する方法であって、MCM2のSer108のリン酸化(ここで、Ser108のリン酸化はCDC7の活性を示す)についてモニターすることを含んでなる方法を提供する。より具体的な態様は、さらにMCM2のSer40のリン酸化についてモニターすることを提供する。より具体的な態様において、CDC7の活性を同定する当該方法は、CDC7の阻害剤を同定するための方法である。より具体的な態様において、CDC7の活性を同定する当該方法は、CDC7の阻害剤を必要とする患者を同定するためである。さらにとりわけ、当該患者はがんを有する。
【0041】
他の態様は、CDC7の阻害剤をスクリーニングする方法であって:潜在的阻害剤をCDC7およびMCM2に曝露し、そしてMCM2のSer108のリン酸化についてモニターすることを含んで成る方法を提供し、ここで前記CDC7の阻害剤はMCM2のSer108のリン酸化の減少によって同定される。より具体的な態様は、潜在的阻害剤をCDC7、MCM2およびATPに曝露することを含む。より具体的な態様において、MCM2のSer108のリン酸化の減少をATP消費の減少によって同定する。
【0042】
本発明は少なくとも1種のCDC7阻害化合物(例えば式(I)または(II)の化合物)を、ヒトまたは動物対象に投与するのに適した薬学的に許容される担体と共に、単独でまたは他の抗がん剤と共に含む医薬組成物を提供する。
【0043】
1つの態様において本発明は、細胞増殖性疾患、例えばがんを有するヒトまたは動物対象を処置する方法を提供する。本発明によって処置し得る代表的ながんには、これらに限定されないが、癌腫、例えば膀胱がん、乳がん、結腸がん、腎臓がん、肝臓がん、小細胞肺がんを含む肺がん、食道がん、胆嚢がん、卵巣がん、膵臓がん、胃がん、頸部がん、甲状腺がん、前立腺がんおよび扁平上皮細胞がんを含む皮膚がん;リンパ系造血性腫瘍、例えば白血病、急性リンパ球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、有毛細胞リンパ腫およびブルスケットリンパ腫;骨髄系造血性腫瘍、例えば急性および慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群および前骨髄球性白血病;葉間細胞由来の腫瘍、例えば線維肉腫および横紋筋肉腫;中枢および末梢神経系の腫瘍、例えば星状細胞腫、神経芽腫、神経膠腫および神経鞘腫;ならびに他の腫瘍、例えば黒色腫、精上皮腫、奇形癌腫、骨肉腫、色素性乾皮症、角黄色腫、濾胞性甲状腺がんおよびカポジ肉腫が含まれる。本発明は、処置を必要とするヒトまたは動物対象を処置する方法であって、当該対象に治療上有効量の式(I)または(II)のCDC7阻害化合物を単独で、または他の抗がん剤との組合せで投与することを含む方法を提供する。
【0044】
とりわけ、組成物は組合せ療法として一体として製剤するか、または別個に投与する。本発明において使用する抗がん剤には、これらに限定されないが、1種以上の下記のものが含まれる:
【0045】
A.キナーゼ阻害剤
本発明の組成物において抗がん剤として使用するためのキナーゼ阻害剤には、上皮増殖因子受容体(EGFR)キナーゼの阻害剤、例えば小分子キナゾリン、例えばゲフィチニブ(US 5457105、US 5616582およびUS 5770599)、ZD−6474(WO 01/32651)、エルロチニブ(Tarceva(登録商標)、US 5,747,498およびWO 96/30347)およびラパチニブ(US 6,727,256およびWO 02/02552);血管上皮増殖因子受容体(VEGFR)キナーゼ阻害剤、例えばSU 11248(Sutent(登録商標)、WO 01/60814)、SU 5416(US 5,883,113およびWO 99/61422)、SU 6668(US 5,883,113およびWO 99/61422)、CHIR−258(US 6,605,617およびUS 6,774,237)、バタラニブまたはPTK−787(US 6,258,812)、VEGF−Trap(WO 02/57423)、B43−ゲニステイン(WO 09606116)、フェンレチニド(レチノイン酸p−ヒドロキシフェニルアミン)(US 4,323,581)、IM 862(WO 02/62826)、ベバシズマブまたはAvastin(登録商標)(WO 94/10202)、KRN−951、3−[5−(メチルスルホニルピペラジンメチル)−インドリル]−キノロン、AG−13736およびAG−13925、ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン、ZK−304709、Veglin(登録商標)、VMDA−3601、EG−004、CEP−701(US 5,621,100)、Cおよび5(WO 04/09769);Erb2チロシンキナーゼ阻害剤、例えばペルツズマブ(WO 01/00245)、トラスツズマブ、およびリツキシマブ;Aktプロテインキナーゼ阻害剤、例えばRX−0201;プロテインキナーゼC(PKC)阻害剤、例えばLY−317615(WO 95/17182)、およびペリフォシン(US 2003171303);Raf/Map/MEK/Rasキナーゼ阻害剤、例えばソラフェニブ(BAY 43−9006)、ARQ−350RP、LErafAON、BMS−354825 AMG−548、およびWO 03/82272に記載の他のもの;繊維芽増殖因子受容体(FGFR)キナーゼ阻害剤;細胞依存性キナーゼ(CDK)阻害剤、例えばCYC−202またはロスコビチン(WO 97/20842およびWO 99/02162);血小板由来増殖因子受容体(PGFR)キナーゼ阻害剤、例えばCHIR−258、3G3 mAb、AG−13736、SU−11248およびSU6668;およびBcr−Ablキナーゼ阻害剤および融合タンパク質、例えばSTI−571またはGleevec(登録商標)(イマチニブ)が含まれる。
【0046】
B.抗エストロゲン剤
本発明の組成物において抗がん療法において使用するためのエストロゲン標的薬剤には、選択的エストロゲン受容体調節剤(SERM)、例えばタモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン;アロマターゼインヒビター、例えばArimidex(登録商標)またはアナストロゾール;エストロゲン受容体ダウンレギュレーター(ERD)、例えばFaslodex(登録商標)またはフルベストラントが含まれる。
【0047】
C.抗アンドロゲン剤
本発明の組成物において抗がん療法において使用するためのアンドロゲン標的薬剤には、フルタミド、ビカルタミド、フィナステリド、アミノグルテタミド、ケトコナゾールおよびコルチコステロイドが含まれる。
【0048】
D.他の阻害剤
本発明の組成物において抗がん剤として使用するための他の阻害剤には、タンパク質ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、例えばチピファルニブまたはR−115777(US 2003134846およびWO 97/21701)、BMS−214662、AZD−3409、およびFTI−277;トポイソメラーゼ阻害剤、例えばメルバロンおよびジフロモテカン(BN−80915);有糸分裂キネシン紡錘体タンパク質(KSP)阻害剤、例えばSB 743921およびMKI−833;プロテアーゼインヒビター、例えばボルテゾミブまたはVelcade(登録商標)(US 5,780,454)、XL−784;およびシクロオキシゲナーゼ2(COX−2)阻害剤、例えば非ステロイド抗炎症剤I(NSAID)が含まれる。
【0049】
E.がん化学療法剤
本発明の組成物において抗がん剤として使用するための具体的ながん化学療法剤には、アナストロゾール(Arimidex(登録商標))、ビカルタミド(Casodex(登録商標))、ブレオマイシン硫酸塩(Blenoxane(登録商標))、ブスルファン(Myleran(登録商標))、ブスルファン注射液(Busulfex(登録商標))、カペシタビン(Xeloda(登録商標))、N4−ペントキシカルボニル−5−デオキシ−5−フルオロシチジン、カルボプラチン(Paraplatin(登録商標))、カルムスチン(BiCNU(登録商標))、クロラムブシル(Leukeran(登録商標))、シスプラチン(Platinol(登録商標))、クラドリビン(Leustatin(登録商標))、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標)またはNeosar(登録商標))、シタラビン、シトシンアラビノシド(Cytosar U(登録商標))、シタラビンリポソーム注射液(DepoCyt(登録商標))、ダカルバジン(DTIC−Dome(登録商標))、ダクチノマイシン(Actinomycin D、Cosmegan)、ダウノルビシン塩酸塩(Cerubidine(登録商標))、ダウノルビシンクエン酸塩リポソーム注射液(DaunoXome(登録商標))、デキサメタゾン、ドセタキセル(Taxotere(登録商標)、US 2004073044)、ドキソルビシン塩酸塩(Adriamycin(登録商標)、Rubex(登録商標))、エトポシド(Vepesid(登録商標))、フルダラビンリン酸塩(Fludara(登録商標))、5−フルオロウラシル(Adrucil(登録商標)、Efudex(登録商標))、フルタミド(Eulexin(登録商標))、テザシチビン、ゲムシタビン(ジフルオロデオキシシチジン)、ヒドロキシウレア(Hydrea(登録商標))、イダルビシン(Idamycin(登録商標))、イフォスファミド(IFEX(登録商標))、イリノテカン(Camptosar(登録商標))、L−アスパラギナーゼ(ELSPAR(登録商標))、ロイコボリンカルシウム、メルファラン(Alkeran(登録商標))、6−メルカプトプリン(Purinethol(登録商標))、メトトレキセート(Folex(登録商標))、ミトキサントロン(Novantrone(登録商標))、ミロタルグ、パクリタキセル(Taxol(登録商標))、フェニックス(phoenix)(Yttrium90/MX−DTPA)、ペントスタチン、カルムスチンインプラントを伴うポリフェプロサン20(Gliadel(登録商標))、タモキシフェンクエン酸塩(Nolvadex(登録商標))、テニポシド(Vumon(登録商標))、6−チオグアニン、チオテパ、チラパザミン(Tirazone(登録商標))、トポテカン塩酸塩注射液(Hycamptin(登録商標))、ビンブラスチン(Velban(登録商標))、ビンクリスチン(Oncovin(登録商標))、およびビノレルビン(Navelbine(登録商標))が含まれる。
【0050】
F.アルキル化剤
抗がん療法のための本発明の組成物において使用するためのアルキル化剤には、VNP−40101Mまたはクロレチジン、オキサリプラチン(US 4,169,846、WO 03/24978およびWO 03/04505)、グルフォスファミド、マフォスファミド、エトポフォス(US 5,041,424)、プレドニムスチン;トレオスルファン;ブスルファン;イロフルベン(アシルフルベン);ペンクロメジン;ピラゾロアクリジン(PD−115934);O6−ベンジルグアニン;デシタビン(5−アザ−2−デオキシシチジン);ブロスタリシン;ミトマイシンC(MitoExtra);TLK−286(Telcyta(登録商標));テモゾロミド;トラベクテジン(US 5,478,932);AP−5280(シスプラチンの白金酸塩製剤);ポルフィロマイシン;およびクレアラジド(メクロレタミン)が含まれる。
【0051】
G.キレート化剤
抗がん療法のための本発明の組成物において使用するためのキレート化剤には、テトラチオモリブデート(WO 01/60814);RP−697;キメラT84.66(cT84.66);ガドフォスベセット(Vasovist(登録商標));デフェロキサミン;および所望によりエレクトロポレーションとの組合せでの、ブレオマイシンが含まれる。
【0052】
H.生物学的応答調節剤
抗がん療法のための本発明の組成物において使用するための生物学的応答調節剤、例えば免疫調節剤には、スタウロスポリンおよびその大環状アナログ、例えばUCN−01、CEP−701およびミドスタウリン(WO 02/30941、WO 97/07081、WO 89/07105、US 5,621,100、WO 93/07153、WO 01/04125、WO 02/30941、WO 93/08809、WO 94/06799、WO 00/27422、WO 96/13506およびWO 88/07045参照);スクアラミン(WO 01/79255);DA−9601(WO 98/04541およびUS 6,025,387);アレムツズマブ;インターフェロン(例えばIFN−a、IFN−b等);インターロイキン、とりわけIL−2またはアルデスロイキンならびにIL−1、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、および天然ヒト配列の70%以上のアミノ酸配列を含むその活性生物学的変異体;アルトレタミン(Hexalen(登録商標));SU101またはレフルノミド(WO 04/06834およびUS 6,331,555);イミダゾキノリン、例えばレシクイモドおよびイミキモド(US 4,689,338、5,389,640、5,268,376、4,929,624、5,266,575、5,352,784、5,494,916、5,482,936、5,346,905、5,395,937、5,238,944、および5,525,612);およびSMIP、例えばベンザゾール、アントラキノン、チオセミカルバゾン、およびトリプタントリン(WO 04/87153、WO 04/64759、およびWO 04/60308)が含まれる。
【0053】
I.がんワクチン:
抗がん療法のための本発明の組成物において使用するための抗がんワクチンには、Avicine(登録商標)(Tetrahedron Letters 26, 1974 2269-70);オレゴボマブ(OvaRex(登録商標));Theratope(登録商標)(STn−KLH);黒色腫ワクチン;Rasタンパク質に5つの変異を指向するGI−4000シリーズ(GI−4014、GI−4015、およびGI−4016);GlioVax−1;MelaVax;Advexin(登録商標)またはINGN−201(WO 95/12660);HPV16E7をコード化するSig/E7/LAMP−1;MAGE−3ワクチンまたはM3TK(WO 94/05304);HER−2VAX;腫瘍に特異的なT細胞を刺激するACTIVE;GM−CSFがんワクチン;およびリステリアモノ単球発生−利用療法が含まれる。
【0054】
J.アンチセンス療法:
抗がん療法のための本発明の組成物において使用するための抗がん剤には、アンチセンス製剤、例えばAEG−35156(GEM−640);AP−12009およびAP−11014(TGF−ベータ2−特異的アンチセンスオリゴヌクレオチド);AVI−4126;AVI−4557;AVI−4472;オブリメルセン(Genasense(登録商標));JFS2;アプリノカルセン(WO 97/29780);GTI−2040(RリボヌクレオチドレダクターゼmRNAアンチセンスオリゴ)(WO 98/05769);GTI−2501(WO 98/05769);リポソームカプセル化c−Rafアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド(LErafAON)(WO 98/43095);およびSirna−027(VEGFR−1 mRNAを標的とするRNAi利用療法)が含まれる。
【0055】
本発明の化合物は、気管支拡張剤または抗ヒスタミン剤を含む医薬組成物と組み合わせることもできる。かかる気管支拡張剤には、抗コリン作動薬または抗ムスカリン薬、とりわけイプラトロピウムブロマイド、オキシトロピウムブロマイド、およびチオトロピウムブロマイド、およびβ−2アドレナリン受容体アゴニスト、例えばサルブタモール、テルブタリン、サルメテロールおよびとりわけ、フォルモテロールが含まれる。共治療抗ヒスタミン剤には、セチリジン塩酸塩、クレマスタチンフマル酸塩、プロメタジン、ロラタジン、デスロラタジンジフェンヒドラミンおよびフェキソフェナジン塩酸塩が含まれる。
【0056】
本発明の化合物は、血栓性疾患、心臓疾患、卒中等の処置に有用である化合物(例えばアスピリン、ストレプトキナーゼ、組織プラスミノーゲンアクチベーター、ウロキナーゼ、抗凝血剤、抗血小板剤(例えばPLAVIX;硫酸クロピドグレル)、スタチン(例えばLIPITORまたはAtorvastatinカルシウム)、ZOCOR(Simvastatin)、CRESTOR(Rosuvastatin)等、ベータブロッカー(例えばAtenolol)、NORVASC(ベシル酸アムロジピン)、およびACE阻害剤(例えばリシノプリル))を含む医薬組成物と組み合わせることもできる。
【0057】
本発明の化合物は、高血圧の処置に有用な化合物、抗高血圧薬、例えばACE阻害剤、脂質低下剤、例えばLIPITOR(アトルバスタチンカルシウム)、カルシウムチャネルブロッカー、例えばNORVASC(ベシル酸アムロジピン)を含む医薬組成物と組み合わせることができる。本発明の化合物は、フィブラート、ベータブロッカー、NEPI阻害剤、アンギオテンシン−2受容体アンタゴニストおよび血小板凝集阻害剤との組合せで使用することもできる。
【0058】
リウマチ性関節炎を含む炎症性疾患の処置のために、本発明の化合物を例えば、TNF−α阻害剤、例えば抗TNF−αモノクローナル抗体(例えばREMICADE、CDP−870)およびD2E7(HUMIRA)およびTNF受容体免疫グロブリン融合分子(例えばENBREL)、IL−1阻害剤、受容体アンタゴニストまたは溶解性IL−1Rα(例えばKINERETまたはICE阻害剤)、非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDS)、ピロキシカム、ジクロフェナク、ナプロキセン、フルビプロフェン、フェノプロフェン、ケトプロフェン、イブプロフェン、フェナメート、メフェナム酸、インドメタシン、スリンダク、アパゾン、ピラゾロン、フェニルブタゾン、アスピリン、COX−2阻害剤(例えばCELEBREX(セレコキシブ)、PREXIGE(ルミラコキシブ))、メタロプロテアーゼ阻害剤(好ましくはMMP−13選択性阻害剤)、p2x7阻害剤、α2δ阻害剤、NEUROTIN、プレガバリン、低用量メトトレキサート、レフルノミド、ヒドロキシクロロキン、d−ペニシラミン、アウラノフィンまたはパレンテラルまたは経口金と組み合わせることができる。
【0059】
本発明の化合物は、骨関節炎の処置のための既存の治療薬剤との組合せで使用することもできる。組合せに使用される適当な薬剤には、標準的非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDと称する)、例えばピロキシカム、ジクロフェナク、プロピオン酸、例えばナプロキセン、フルビプロフェン、フェノプロフェン、ケトプロフェン、およびイブプロフェン、フェナメート、例えばメフェナム酸、インドメタシン、スリンダク、アパゾン、ピラゾロン、例えばフェニルブタゾン、サリチル酸、例えばアスピリン、COX−2阻害剤、例えばセレコキシブ、バルデコキシブ、ルミラコキシブおよびエトリコキシブ、抗アレルギーおよび関節内療法、例えばコルチコステロイドおおびヒアルロン酸、例えばヒアルガンおよびシンビスクが含まれる。
【0060】
本発明の化合物は、抗ウイルス剤、例えばViracept、AZT、アシクロビルおよびファムシクロビル、ならびに抗敗血症化合物、例えばValantと組み合わせて使用することもできる。
【0061】
本発明の化合物は、CNS剤、例えば抗鬱剤(セルトラリン)、抗パーキンソン病薬(例えばデプレニル、L−ドーパ、Requip、Mirapex、MAOB阻害剤、例えばセレギンおよびラサギリン、comP阻害剤、例えばTasmar、A−2阻害剤、ドーパミン再取り込み阻害剤、NMDAアンタゴニスト、ニコチンアゴニスト、ドーパミンアゴニスト、およびニューロン酸化窒素シンターゼの阻害剤)、および抗アルツハイマー薬剤、例えばドネペジル、タクリン、α2β阻害剤、NEUROTIN、プレガバリン、COX−2阻害剤、プロペントフィリン、またはメトリフォネートと組み合わせて使用することもできる。
【0062】
本発明の化合物は、骨粗鬆症薬、例えばEVISTA(ラロキシフェン塩酸塩)、ドロロキシフェン、ラソフォキシフェンまたはフォソマックスおよび免疫抑制剤、例えばFK−506およびラパマイシンと組み合わせて使用することもできる。
【0063】
本発明の他の局面において、1種以上の本発明の化合物を含むキットを提供する。代表的なキットは、本発明のCDC7阻害剤化合物(例えば式(I)−(II)の化合物)と、CDC7阻害量の化合物を投与することによる細胞増殖性疾患を処置するための指示を含む添付文書または他のラベルを含む。
【0064】
本発明の他の局面は、MCM2の機能的に重要なCDC7リン酸化部位を提供する。一般的に、MCM複合体のCDC7−介在性リン酸化が複製起点活性化に寄与することによって、メカニズムが提供される。その目標に向かって、CDC7/Dbf4複合体によってリン酸化されるMCM2の具体的な部位の詳細な分析を、ペプチド分離およびタンデム質量分析を用いて行った。推定される特異的リン酸化部位の第1のパス「地図」を得るのに十分なペプチドを得るため、インビトロ分析を行った。続く確認によって、これらの同じ部位がインビボでリン酸化されることを、A549肺がん細胞におけるDbf4のRNAi介在性ノックダウンを用いて示した。インビトロからインビボへのワークフローおよび分析法は、興味のある他のキナーゼ物質をマッピングし、確認することができるように十分一般的である。
【0065】
プロテオミクスおよび質量分析を用いたリン酸化部位マッピングは、リンペプチドの存在量が比較的低いため、現在でも挑戦が続けられている。したがって、多くの研究が金属キレート化クロマトグラフィー、例えばIMAC−FeまたはIMAC−Gaを用いたリンペプチドの富化に狙いを定めている(Posewitz, Anal. Chem 71:2883-2892 (1999))。しかし、これらの方法は、酸ペプチドの非特異的結合のために、低キャパシティーに苦しんでいる。典型的には、「モデル」タンパク質、例えばカゼインまたはオブアルブミンのような最も大量に存在するリンペプチドのみが捕捉される。
【0066】
より最近では、Beausoleil et al., “Large-scale characterization of HeLa cell nuclear phosphoproteins” PNAS 101(33):12130-12135 (2004)は、リン酸化トリプシンペプチドと未修飾トリプシンペプチドの電位差に基づくリンペプチドを富化させる新たな方法を開示した。低pHで強カチオン交換クロマトグラフィーを用いると、リンペプチドを分離することができた。得られた分画をさらに逆相LCMSで分離した。このアプローチを用いて、HeLa細胞の核リンタンパク質を特徴づけ、そして967タンパク質から2002個のリン酸化部位を発見した。この大規模なアプローチは、HeLa細胞のMCM2の5つのリン酸化部位の自動的同定を可能とした。
【0067】
本発明のより具体的な局面は、質量分析、次に発見した部位のウェスタンブロッティングによる確認を用いた、1タンパク質のリン酸化部位の詳細かつ完全な特性解析を提供する。したがって、各HPLC分画のオフライン逆相HPLC、次にMALD−qTOFタンデム質量分析を用いる低スループット法を用いた(Krokhin et al., “MALDI QqTOF MS combined with off-line HPLC for characterization of protein primary structure and post-translational modifications” J Biomol Tech 16(4)429-440 (2005))。リンペプチドの富化は必要なく、したがってペプチドを分析から特異的に排除されない。この方法を用いた、CDC7/Dbf4キナーゼ複合体によって特異的に介在されるMCM2のインビボおよびインビトロでのリン酸化部位の同定を記載する。インビボ全長免疫精製MCM2の75%近い配列範囲を得た。他の研究によって予め発見された部位に加えて、CDC7/Dbf4によって介在される新たな部位を同定した(S108)。この部位はDNA損傷に応答してATRによってリン酸化されることが既に見出されていた。しかし、本発明者らの発見は、外因的DNA損傷なしに、MCM2のS108がCDC7/Dbf4ヘテロダイマーによってリン酸化されることを示している。
【0068】
下記用語の定義を本明細書および特許請求の範囲の全体で用いる。
【0069】
「アルキル」は、1〜10個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する1価飽和脂肪族ヒドロカルビル基を意味する。この用語には、例として、直鎖または分枝鎖ヒドロカルビル基、例えばメチル(CH)、エチル(CHCH)、n−プロピル(CHCHCH)、イソプロピル((CHCH)、n−ブチル(CHCHCHCH)、イソブチル((CHCHCH)、sec−ブチル((CH)(CHCH)CH)、t−ブチル((CHC)、n−ペンチル(CHCHCHCHCH)、およびネオペンチル((CHCCH)が含まれる。
【0070】
「置換アルキル」は、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、アミノスルホニルオキシ、アミノスルホニルアミノ、アミジノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、アリールチオ、置換アリールチオ、カルボキシル、カルボキシルエステル、(カルボキシルエステル)アミノ、(カルボキシルエステル)オキシ、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、置換シクロアルキルオキシ、シクロアルキルチオ、置換シクロアルキルチオ、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、シクロアルケニルオキシ、置換シクロアルケニルオキシ、シクロアルケニルチオ、置換シクロアルケニルチオ、グアニジノ、置換グアニジノ、ハロ、ヒドロキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールチオ、置換ヘテロアリールチオ、ヘテロ環式、置換ヘテロ環式、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルチオ、置換ヘテロシクリルチオ、ニトロ、SOH、置換スルホニル、スルホニルオキシ、チオアシル、チオール、アルキルチオおよび置換アルキルチオ(これらの置換基は本明細書に定義のとおりである)から成る群から選択される1〜5個、好ましくは1〜3個、より好ましくは1〜2個の置換基を有するアルキル基を意味する。
【0071】
「アルコキシ」は、−O−アルキル(アルキルは本明細書で定義のとおりである)の基を意味する。アルコキシには、例としてメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、t−ブトキシ、sec−ブトキシおよびn−ペントキシが含まれる。
【0072】
「置換アルコキシ」は、−O−(置換アルキル)(置換アルキルは本明細書で定義のとおりである)の基を意味する。
【0073】
「アシル」は、H−C(O)−、アルキル−C(O)−、置換アルキル−C(O)−、アルケニル−C(O)−、置換アルケニル−C(O)−、アルキニル−C(O)−、置換アルキニル−C(O)−、シクロアルキル−C(O)−、置換シクロアルキル−C(O)−、シクロアルケニル−C(O)−、置換シクロアルケニル−C(O)−、アリール−C(O)−、置換アリール−C(O)−、ヘテロアリール−C(O)−、置換ヘテロアリール−C(O)−、ヘテロ環式−C(O)−および置換ヘテロ環式−C(O)−(ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環式および置換ヘテロ環式は本明細書で定義のとおりである)の基を意味する。アシルには、「アセチル」基、CHC(O)−が含まれる。
【0074】
「アシルアミノ」は、−NRC(O)アルキル、−NRC(O)置換アルキル、−NRC(O)シクロアルキル、−NRC(O)置換シクロアルキル、−NRC(O)シクロアルケニル、−NRC(O)置換シクロアルケニル、−NRC(O)アルケニル、−NRC(O)置換アルケニル、−NRC(O)アルキニル、−NRC(O)置換アルキニル、−NRC(O)アリール、−NRC(O)置換アリール、−NRC(O)ヘテロアリール、−NRC(O)置換ヘテロアリール、−NRC(O)ヘテロ環式および−NRC(O)置換ヘテロ環式(ここで、Rは水素またはアルキルであり、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環式および置換ヘテロ環式は本明細書で定義のとおりである)の基を意味する。
【0075】
「アシルオキシ」は、アルキル−C(O)O−、置換アルキル−C(O)O−、アルケニル−C(O)O−、置換アルケニル−C(O)O−、アルキニル−C(O)O−、置換アルキニル−C(O)O−、アリール−C(O)O−、置換アリール−C(O)O−、シクロアルキル−C(O)O−、置換シクロアルキル−C(O)O−、シクロアルケニル−C(O)O−、置換シクロアルケニル−C(O)O−、ヘテロアリール−C(O)O−、置換ヘテロアリール−C(O)O−、ヘテロ環式−C(O)O−および置換ヘテロ環式−C(O)O−(ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環式および置換ヘテロ環式は本明細書で定義のとおりである)の基を意味する。
【0076】
「アミノ」は−NHの基を意味する。
【0077】
「置換アミノ」は、−NR’R”(ここで、R’およびR”は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環式、置換ヘテロ環式、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アルケニル、−SO−置換アルケニル、−SO−シクロアルキル、−SO−置換シクロアルキル、−SO−シクロアルケニル、−SO−置換シクロアルケニル、SO−アリール、−SO−置換アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO−置換ヘテロアリール、−SO−ヘテロ環式および−SO−置換ヘテロ環式から成る群から選択され、そしてR’とR”は所望により、それらが結合している窒素原子と一体となってヘテロ環式または置換ヘテロ環式基を形成する。ただし、R’およびR”のいずれもが水素ではない。そしてここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環式および置換ヘテロ環式は、本明細書で定義のとおりである)の基を提供する。R’が水素でありR”がアルキルであるとき、置換アミノ基は本明細書においてアルキルアミノと称することもある。R’およびR”がアルキルであるとき、置換アミノ基は本明細書においてジアルキルアミノと称することもある。モノ置換アミノと呼称するとき、これはR’またはR”のいずれかが水素であるが、いずれもが水素ではないことを意味する。ジ置換アミノと呼称するとき、これはR’とR”のいずれもが水素ではないことを意味する。
【0078】
「アミノカルボニル」は、−C(O)NR1011(ここで、R10およびR11は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環式および置換ヘテロ環式から成る群から選択され、そしてR10とR11は所望によりそれらが結合している窒素と一体となってヘテロ環式または置換ヘテロ環式基を形成し、そしてここでアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環式および置換ヘテロ環式は本明細書で定義のとおりである)の基を意味する。
【0079】
「アミノチオカルボニル」は、−C(S)NR1011(ここで、R10およびR11は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環式および置換ヘテロ環式から成る群から選択され、そしてR10とR11は所望によりそれらが結合している窒素と一体となってヘテロ環式または置換ヘテロ環式基を形成し、そしてここでアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環式および置換ヘテロ環式は本明細書で定義のとおりである)の基を意味する。
【0080】
「アミノカルボニルアミノ」は、−NRC(O)NR1011(ここで、Rは水素またはアルキルであり、そしてR10およびR11は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環式および置換ヘテロ環式から成る群から選択され、そしてR10とR11は所望によりそれらが結合している窒素と一体となってヘテロ環式または置換ヘテロ環式基を形成し、そしてここでアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環式および置換ヘテロ環式は本明細書で定義のとおりである)の基を意味する。
【0081】
「アミノチオカルボニルアミノ」は、−NRC(S)NR1011(ここで、Rは水素またはアルキルであり、そしてR10およびR11は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環式および置換ヘテロ環式から成る群から選択され、そしてR10とR11は所望によりそれらが結合している窒素と一体となってヘテロ環式または置換ヘテロ環式基を形成し、そしてここでアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環式および置換ヘテロ環式は本明細書で定義のとおりである)の基を意味する。
【0082】
「アミノカルボニルオキシ」は、−O−C(O)NR1011(ここで、R10およびR11は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環式および置換ヘテロ環式から成る群から選択され、そしてR10とR11は所望によりそれらが結合している窒素と一体となってヘテロ環式または置換ヘテロ環式基を形成し、そしてここでアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環式および置換ヘテロ環式は本明細書で定義のとおりである)の基を意味する。
【0083】
「アミノスルホニル」は、−SONR1011(ここで、R10およびR11は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環式および置換ヘテロ環式から成る群から選択され、そしてR10とR11は所望によりそれらが結合している窒素と一体となってヘテロ環式または置換ヘテロ環式基を形成し、そしてここでアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環式および置換ヘテロ環式は本明細書で定義のとおりである)の基を意味する。
【0084】
「アミノスルホニルオキシ」は、−O−SONR1011(ここで、R10およびR11は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環式および置換ヘテロ環式から成る群から選択され、そしてR10とR11は所望によりそれらが結合している窒素と一体となってヘテロ環式または置換ヘテロ環式基を形成し、そしてここでアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環式および置換ヘテロ環式は本明細書で定義のとおりである)の基を意味する。
【0085】
「アミノスルホニルアミノ」は、−NR−SONR1011(ここで、Rは水素またはアルキルであり、そしてR10およびR11は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環式および置換ヘテロ環式から成る群から選択され、そしてR10とR11は所望によりそれらが結合している窒素と一体となってヘテロ環式または置換ヘテロ環式基を形成し、そしてここでアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環式および置換ヘテロ環式は本明細書で定義のとおりである)の基を意味する。
【0086】
「アミジノ」は、−C(=NR12)R1011(ここで、R10、R11およびR12は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環式および置換ヘテロ環式から成る群から選択され、そしてR10とR11は所望によりそれらが結合している窒素と一体となってヘテロ環式または置換ヘテロ環式基を形成し、そしてここでアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環式および置換ヘテロ環式は本明細書で定義のとおりである)の基を意味する。
【0087】
「アリール」または「Ar」は、1個の環(例えばフェニル)または複数の縮合環(例えばナフチルまたはアントリル、ここで縮合環は芳香族性であり得るか、またはそうではない(例えば、2−ベンズオキサゾリノン、2H−1,4−ベンゾキサジン−3(4H)−オン−7−イルなど))を有する6〜14個の炭素原子の1価芳香族性炭素環式基を意味する。ただし、結合点は芳香族性炭素原子である。好ましいアリール基には、フェニルおよびナフチルが含まれる。
【0088】
「置換アリール」は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、アミノスルホニルオキシ、アミノスルホニルアミノ、アミジノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、アリールチオ、置換アリールチオ、カルボキシル、カルボキシルエステル、(カルボキシルエステル)アミノ、(カルボキシルエステル)オキシ、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、置換シクロアルキルオキシ、シクロアルキルチオ、置換シクロアルキルチオ、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、シクロアルケニルオキシ、置換シクロアルケニルオキシ、シクロアルケニルチオ、置換シクロアルケニルチオ、グアニジノ、置換グアニジノ、ハロ、ヒドロキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールチオ、置換ヘテロアリールチオ、ヘテロ環式、置換ヘテロ環式、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルチオ、置換ヘテロシクリルチオ、ニトロ、SOH、置換スルホニル、スルホニルオキシ、チオアシル、チオール、アルキルチオおよび置換アルキルチオ(これらの置換基は本明細書に定義のとおりである)から成る群から選択される1〜5個、好ましくは1〜3個、より好ましくは1〜2個の置換基を有するアリール基を意味する。
【0089】
「アリールオキシ」は、−O−アリール(ここで、アリールは本明細書で定義のとおりである)の基を意味し、例として、フェノキシおよびナフトキシを含む。
【0090】
「置換アリールオキシ」は、−O−(置換アリール)(ここで、置換アリールは本明細書で定義のとおりである)の基を意味する。
【0091】
「アリールチオ」は、−S−アリール(ここで、アリールは本明細書で定義のとおりである)の基を意味する。
【0092】
「置換アリールチオ」は、−S−(置換アリール)(ここで、置換アリールは本明細書で定義のとおりである)の基を意味する。
【0093】
「アルケニル」は、2〜6個の炭素原子、好ましくは2〜4個の炭素原子を有し、かつ少なくとも1個、好ましくは1〜2個のアルケニル不飽和部位を有するアルケニル基を意味する。かかる基は、例えばビニル、アリルおよびブト−3−エン−1−イルによって例示される。
【0094】
「置換アルケニル」は、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、アミノスルホニルオキシ、アミノスルホニルアミノ、アミジノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、アリールチオ、置換アリールチオ、カルボキシル、カルボキシルエステル、(カルボキシルエステル)アミノ、(カルボキシルエステル)オキシ、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、置換シクロアルキルオキシ、シクロアルキルチオ、置換シクロアルキルチオ、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、シクロアルケニルオキシ、置換シクロアルケニルオキシ、シクロアルケニルチオ、置換シクロアルケニルチオ、グアニジノ、置換グアニジノ、ハロ、ヒドロキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールチオ、置換ヘテロアリールチオ、ヘテロ環式、置換ヘテロ環式、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルチオ、置換ヘテロシクリルチオ、ニトロ、SOH、置換スルホニル、スルホニルオキシ、チオアシル、チオール、アルキルチオおよび置換アルキルチオ(これらの置換基は本明細書に定義のとおりである)から成る群から選択される1〜3個、より好ましくは1〜2個の置換基を有するアルケニル基を意味する。ただし、ヒドロキシ置換はビニル(不飽和)炭素原子に結合しない。
【0095】
「アルキニル」は、2〜6個の炭素原子、好ましくは2〜3個の炭素原子を有し、かつ少なくとも1個、好ましくは1〜2個のアルキニル不飽和部位を有するアルキニル基を意味する。
【0096】
「置換アルキニル」は、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、アミノスルホニルオキシ、アミノスルホニルアミノ、アミジノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、アリールチオ、置換アリールチオ、カルボキシル、カルボキシルエステル、(カルボキシルエステル)アミノ、(カルボキシルエステル)オキシ、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、置換シクロアルキルオキシ、シクロアルキルチオ、置換シクロアルキルチオ、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、シクロアルケニルオキシ、置換シクロアルケニルオキシ、シクロアルケニルチオ、置換シクロアルケニルチオ、グアニジノ、置換グアニジノ、ハロ、ヒドロキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールチオ、置換ヘテロアリールチオ、ヘテロ環式、置換ヘテロ環式、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルチオ、置換ヘテロシクリルチオ、ニトロ、SOH、置換スルホニル、スルホニルオキシ、チオアシル、チオール、アルキルチオおよび置換アルキルチオ(これらの置換基は本明細書に定義のとおりである)から成る群から選択される1〜3個、より好ましくは1〜2個の置換基を有するアルケニル基を意味する。ただし、ヒドロキシ置換はアセチレン炭素原子に結合しない。
【0097】
「カルボニル」は、−C(O)−の2価基を意味し、これは−C(=O)−と等しい。
【0098】
「カルボキシル」または「カルボキシ」は、−COOHまたはその塩を意味する。
【0099】
「カルボキシルエステル」または「カルボキシエステル」は、−C(O)O−アルキル、−C(O)O−置換アルキル、−C(O)O−アルケニル、−C(O)O−置換アルケニル、−C(O)O−アルキニル、−C(O)O−置換アルキニル、−C(O)O−アリール、−C(O)O−置換アリール、−C(O)O−シクロアルキル、−C(O)O−置換シクロアルキル、−C(O)O−シクロアルケニル、−C(O)O−置換シクロアルケニル、−C(O)O−ヘテロアリール、−C(O)O−置換ヘテロアリール、−C(O)O−ヘテロ環式および−C(O)O−置換ヘテロ環式(ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環式および置換ヘテロ環式は本明細書で定義のとおりである)の基を意味する。
【0100】
「(カルボキシルエステル)アミノ」は、−NR−C(O)O−アルキル、置換−NR−C(O)O−アルキル、−NR−C(O)O−アルケニル、−NR−C(O)O−置換アルケニル、−NR−C(O)O−アルキニル、−NR−C(O)O−置換アルキニル、−NR−C(O)O−アリール、−NR−C(O)O−置換アリール、−NR−C(O)O−シクロアルキル、−NR−C(O)O−置換シクロアルキル、−NR−C(O)O−シクロアルケニル、−NR−C(O)O−置換シクロアルケニル、−NR−C(O)O−ヘテロアリール、−NR−C(O)O−置換ヘテロアリール、−NR−C(O)O−ヘテロ環式および−NR−C(O)O−置換ヘテロ環式(ここで、Rはアルキルまたは水素であり、そしてアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環式および置換ヘテロ環式は本明細書で定義のとおりである)の基を意味する。
【0101】
「CDC7阻害剤」は、下記実施例79に示すとおり、CDC7/DBF4阻害のインビトロアッセイで測定したとき、約100μM以下、より典型的には50μM以下のCDC7活性についてのIC50を示す化合物を意味するものとして本明細書で使用される。「IC50」は、最大レベルの半分の酵素(例えばRafキナーゼ)活性を減少させる阻害剤の濃度である。代表的な本発明の化合物は、CDC7に対する阻害活性を示すことを見出した。本発明の化合物は好ましくは、本明細書に記載のCDC7アッセイで測定したとき、約10μM以下、より好ましくは約5μM以下、さらにより好ましくは約1μM以下、最も好ましくは、約200nM以下の、CDC7についてのIC50を示す。
【0102】
「(カルボキシルエステル)オキシ」は、−O−C(O)O−アルキル、置換−O−C(O)O−アルキル、−O−C(O)O−アルケニル、−O−C(O)O−置換アルケニル、−O−C(O)O−アルキニル、−O−C(O)O−置換アルキニル、−O−C(O)O−アリール、−O−C(O)O−置換アリール、−O−C(O)O−シクロアルキル、−O−C(O)O−置換シクロアルキル、−O−C(O)O−シクロアルケニル、−O−C(O)O−置換シクロアルケニル、−O−C(O)O−ヘテロアリール、−O−C(O)O−置換ヘテロアリール、−O−C(O)O−ヘテロ環式および−O−C(O)O−置換ヘテロ環式(ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環式および置換ヘテロ環式は本明細書で定義のとおりである)の基を意味する。
【0103】
「シアノ」は、−CNの基を意味する。
【0104】
「シクロアルキル」は、1個、または複数の環式環、例えば縮合、架橋およびスピロ環系を有する、3〜10個の炭素原子の環状アルキル基を意味する。置換シクロアルキル基の例には、例えばアダマンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロオクチルが含まれる。
【0105】
「シクロアルケニル」は、1個または複数の環式環を有し、かつ少なくとも1個の>C=C<環不飽和および好ましくは1〜2個の>C=C<環不飽和を有する、3〜10個の炭素原子の非芳香族性環状アルキル基を意味する。
【0106】
「置換シクロアルキル」および「置換シクロアルケニル」は、オキソ、チオン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、アミノスルホニルオキシ、アミノスルホニルアミノ、アミジノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、アリールチオ、置換アリールチオ、カルボキシル、カルボキシルエステル、(カルボキシルエステル)アミノ、(カルボキシルエステル)オキシ、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、置換シクロアルキルオキシ、シクロアルキルチオ、置換シクロアルキルチオ、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、シクロアルケニルオキシ、置換シクロアルケニルオキシ、シクロアルケニルチオ、置換シクロアルケニルチオ、グアニジノ、置換グアニジノ、ハロ、ヒドロキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールチオ、置換ヘテロアリールチオ、ヘテロ環式、置換ヘテロ環式、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルチオ、置換ヘテロシクリルチオ、ニトロ、SOH、置換スルホニル、スルホニルオキシ、チオアシル、チオール、アルキルチオおよび置換アルキルチオ(これらの置換基は本明細書に定義のとおりである)から成る群から選択される1〜5個、好ましくは1〜3個の置換基を有するシクロアルキルまたはシクロアルケニル基を意味する。
【0107】
「シクロアルキルオキシ」は、−O−シクロアルキルを意味する。
【0108】
「置換シクロアルキルオキシは、−O−(置換シクロアルキル)を意味する。
【0109】
「シクロアルキルチオ」は、−S−シクロアルキルを意味する。
【0110】
「置換シクロアルキルチオ」は、−S−(置換シクロアルキル)を意味する。
【0111】
「シクロアルケニルオキシ」は、−O−シクロアルケニルを意味する。
【0112】
「置換シクロアルケニルオキシは、−O−(置換シクロアルケニル)を意味する。
【0113】
「シクロアルケニルチオ」は、−S−シクロアルケニルを意味する。
【0114】
「置換シクロアルケニルチオ」は、−S−(置換シクロアルケニル)を意味する。
【0115】
「グアニジノ」は、−NHC(=NH)NHの基を意味する。
【0116】
「置換グアニジノ」は、−NR13C(=NR13)N(R13(ここで、各R13は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環式および置換ヘテロ環式から成る群から選択され、そして共通のグアニジノ窒素原子と結合している2個のR13が所望によりそれらが結合している窒素と一体となってヘテロ環式または置換ヘテロ環式基を形成する。ただし、少なくとも1個のR13は水素ではなく、ここでこれらの置換基は本明細書で定義のとおりである)を意味する。
【0117】
「ハロ」または「ハロゲン」はフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを意味する。
【0118】
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、−OHの基を意味する。
【0119】
「ヘテロアリール」は、環内に1〜10個の炭素原子と酸素、窒素および硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を有する芳香族性基を意味する。かかるヘテロアリール基は1個の環(例えばピリジニルまたはフリル)または複数の縮合環(例えばインドリジニルまたはベンゾチエニル)を有していてもよく、ここで縮合環は芳香族性であり得るか、またはそうではなく、および/またはヘテロ原子を含む。ただし、結合点は芳香族性ヘテロアリール基の原子である。1つの態様において、ヘテロアリール基の窒素および/または硫黄環原子(複数であってもよい)は、所望により、酸化されてN−オキシド(N→O)、スルフィニルまたはスルホニル基を提供する。好ましいヘテロアリールには、ピリジニル、ピロリル、インドリル、チオフェニルおよびフラニルが含まれる。
【0120】
「置換ヘテロアリール」は、置換アリールで定義した置換基と同じ群から成る群から選択される1〜5個、好ましくは1〜3個、より好ましくは1〜2個の置換基で置換されたヘテロアリール基を意味する。
【0121】
「ヘテロアリールオキシ」は、−O−ヘテロアリールを意味する。
【0122】
「置換ヘテロアリールオキシは、−O−(置換ヘテロアリール)の基を意味する。
【0123】
「ヘテロアリールチオ」は、−S−ヘテロアリールの基を意味する。
【0124】
「置換ヘテロアリールチオ」は、−S−(置換ヘテロアリール)の基を意味する。
【0125】
「ヘテロ環」または「ヘテロ環式」または「ヘテロシクロアルキル」または「ヘテロシクリル」は、1個の環または複数の縮合環、例えば縮合架橋およびスピロ環系を有し、環内に1〜10個の炭素原子と窒素、硫黄または酸素から選択される1〜4個のヘテロ原子を有する飽和または不飽和基(ここで、縮合環系において、1個以上の環がシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり得る。ただし、結合点は非芳香環である)を意味する。1つの態様において、ヘテロ環式基の窒素および/または硫黄環原子(複数であってもよい)は、所望により、酸化されてN−オキシド、スルフィニルまたはスルホニル基を提供する。
【0126】
「置換ヘテロ環式」または「置換ヘテロシクロアルキル」または「置換ヘテロシクリル」は、置換シクロアルキルで定義した置換基と同じ群から成る群から選択される1〜5個、好ましくは1〜3個の置換基で置換されたヘテロシクリル基を意味する。
【0127】
「ヘテロシクリルオキシ」は、−O−ヘテロ環の基を意味する。
【0128】
「置換ヘテロシクリルオキシ」は、−O−(置換ヘテロ環)の基を意味する。
【0129】
「ヘテロシクリルチオ」は、−S−ヘテロ環の基を意味する。
【0130】
「置換ヘテロシクリルチオ」は、−S−(置換ヘテロ環)の基を意味する。
【0131】
ヘテロ環およびヘテロアリールの例には、これらに限定されないが、アゼチジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、ジヒドロインドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチルピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、イソチアゾール、フェナジン、イソキサゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドリン、フタルイミド、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン、チアゾール、チアゾリジン、チオフェン、ベンゾ[b]チオフェン、モルホリニル、チオモルホリニル(チアモルホリニルとも称される)、1,1−ジオキソチオモルホリニル、ピペリジニル、ピロリジンおよびテトラヒドロフラニルが含まれる。
【0132】
「ニトロ」は、−NOの基を意味する。
【0133】
「オキソ」は、原子(=O)または(−O−)を意味する。
【0134】
「スピロ環」は、スピロ結合(結合は、これらの環の共通のメンバーのみである1個の原子によって形成される)を有するシクロアルキルまたはヘテロシクリルを有する、3〜10個の炭素原子を含む2価飽和環式基を意味し、下記構造
【化5】

によって例示される。
【0135】
「スルホニル」は、−S(O)−の2価基を意味する。
【0136】
「置換スルホニル」は、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アルケニル、−SO−置換アルケニル、−SO−シクロアルキル、−SO−置換シクロアルキル、−SO−シクロアルケニル、−SO−置換シクロアルケニル、−SO−アリール、−SO−置換アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO−置換ヘテロアリール、−SO−ヘテロ環式、−SO−置換ヘテロ環式(ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環式および置換ヘテロ環式は、本明細書で定義のとおりである)の基を意味する。置換スルホニルには、メチル−SO−、フェニル−SO−および4−メチルフェニル−SO−の基が含まれる。
【0137】
「スルホニルオキシ」は、−OSO−アルキル、−OSO−置換アルキル、−OSO−アルケニル、−OSO−置換アルケニル、−OSO−シクロアルキル、−OSO−置換シクロアルキル、−OSO−シクロアルケニル、−OSO−置換シクロアルケニル、OSO−アリール、−OSO−置換アリール、−OSO−ヘテロアリール、−OSO−置換ヘテロアリール、−OSO−ヘテロ環式、−OSO−置換ヘテロ環式(ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環式および置換ヘテロ環式は、本明細書で定義のとおりである)の基を意味する。
【0138】
「チオアシル」は、H−C(S)−、アルキル−C(S)−、置換アルキル−C(S)−、アルケニル−C(S)−、置換アルケニル−C(S)−、アルキニル−C(S)−、置換アルキニル−C(S)−、シクロアルキル−C(S)−、置換シクロアルキル−C(S)−、シクロアルケニル−C(S)−、置換シクロアルケニル−C(S)−、アリール−C(S)−、置換アリール−C(S)−、ヘテロアリール−C(S)−、置換ヘテロアリール−C(S)−、ヘテロ環式−C(S)−および置換ヘテロ環式−C(S)−(ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環式および置換ヘテロ環式は本明細書で定義のとおりである)の基を意味する。
【0139】
「チオール」は、−SHの基を意味する。
【0140】
「チオカルボニル」は、−C(S)−の2価基を意味し、−C(=S)−と等しい。
【0141】
「チオン」は、原子(=S)を意味する。
【0142】
「アルキルチオ」は、−S−アルキル(ここで、アルキルは本明細書で定義のとおりである)の基を意味する。
【0143】
「置換アルキルチオ」は、−S−(置換アルキル)(ここで、置換アルキルは本明細書で定義のとおりである)の基を意味する。
【0144】
「立体異性体」または「複数の立体異性体」は、1個以上の立体中心のキラリティーが異なる化合物を意味する。立体異性体には、エナンチオマーおよびジアステレオマーが含まれる。
【0145】
「互変異性体」は、プロトンの位置が異なる化合物の別の形態、例えばエノール−ケトおよびイミン−エナミン互変異性体、または環−NH基と環=N基のいずれもに結合している環原子を含むヘテロアリール基、例えばピラゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾールおよびテトラゾールの互変異性体を意味する。
【0146】
「ホモログ」は、参照配列に対して少なくとも50%相同性、または少なくとも60%相同性、または少なくとも70%相同性、または少なくとも80%相同性、または少なくとも85%相同性、または少なくとも90%相同性、または少なくとも95%相同性、または少なくとも96%相同性、または少なくとも97%相同性、または少なくとも98%相同性、または少なくとも99%相同性を有する配列を意味する。
【0147】
「患者」は、哺乳類を意味し、ヒトおよび非ヒト哺乳類を含む。
【0148】
「薬学的に許容される塩」は、化合物の薬学的に許容される塩を意味し、この塩は当該技術分野で周知の様々な有機または無機対イオンに由来し、例として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウムおよびテトラアルキルアンモニウム;分子が塩基性官能基を含むとき、有機酸または無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、酒石酸、メシル酸、酢酸、マレイン酸およびオキサル酸が含まれる。
【0149】
患者の疾患を「処置する」または「処置」は、1)素因を有するか、または疾患の症状を未だ示していない患者における疾患の発症からの予防;2)疾患の阻害またはその進行の停止;または3)疾患の改善または退行の発生を意味する。
【0150】
特に記載が無い限り、本明細書で明示的に定義されていない置換基の命名は、末端位置の官能基、次に隣接する官能基が続き、さらに結合点に至る命名によってなされる。例えば、置換基「アリールアルキルオキシカルボニル」は、(アリール)−(アルキル)−O−C(O)−を意味する。
【0151】
全ての上記定義の置換された基において、それ自体のさらなる置換基を有する置換基で定義されるポリマー(例えば、置換アリールを有する置換アリール基であって、置換基はそれ自体置換アリール基で置換されており、これはさらに置換アリール基等で置換されている)は、本明細書に含むことを意図していない。このような場合には、かかる置換基の最大数は3個である。例えば、2個の他の置換アリール基を有する置換アリール基の連続置換は、−置換アリール−(置換アリール)−置換アリールに限定される。
【0152】
本発明の化合物はインビトロまたはインビボで、がん細胞の増殖阻害に有用である。化合物を単独で、または薬学的に許容される担体または賦形剤と共に使用することもできる。本発明の医薬組成物は、1種以上の薬学的に許容される担体で製剤された治療上有効量の本明細書に記載のCDC7阻害剤化合物を含む。本明細書において使用するとき、「薬学的に許容される担体」なる用語は、非毒性、不活性固体、半固体または液体増量剤、希釈剤、カプセル化物質またはあらゆるタイプの製剤補助剤を意味する。薬学的に許容される担体として使用することができる物質の例は、糖、例えばラクトース、グルコースおよびショ糖;デンプン、例えばコーンスターチおよびポテトスターチ;セルロースおよびその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよびセルロースアセテート;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤、例えばココアバターおよび座薬ワックス;油、例えばピーナッツ油、綿実油;サフラワー油;ゴマ油;オリーブ油;コーン油およびダイズ油;グリコール;例えばプロピレングリコール;エステル、例えばオレイン酸エチルエステルおよびラウリン酸エチルエステル;寒天;緩衝化剤、例えば水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;アルギン酸;ピロゲンを含まない水;等張食塩水;リンゲル溶液;エチルアルコール、およびリン酸緩衝化溶液、ならびに他の非毒性適合性滑沢剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム、ならびに着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、芳香剤、保存剤および抗酸化剤であり、製剤者の判断によって組成物に存在していてもよい。他の適当な薬学的に許容される賦形剤は、“Remington’s Pharmaceutical Sciences,”Mack Pub. Co., New Jersey, 1991に記載されている(参照により本明細書の一部とする)。
【0153】
本発明の化合物を、ヒトおよび他の動物に、経口的に、非経腸的に、舌下で、エアロゾルもしくは吸入スプレーで、経直腸的に、経脳槽内に、経膣的に、腹腔内に、頬内に、または局所的に、常套の非毒性薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビークルを所望により含む単位投与製剤で、投与することができる。局所投与には、例えば経皮パッチまたはイオノフォアデバイスを用いた経皮投与の使用が含まれ得る。非経腸なる用語は、本明細書において使用するとき、皮下注射、静脈内、筋肉内、胸骨内注射または輸液技術を含む。
【0154】
製剤方法は当該技術分野において周知であり、例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy, Mack Publishing Company, Easton, Pa., 19th Edition (1995)に開示されている。本発明において使用するための医薬組成物は、滅菌、非プロゲン液体溶液もしくは懸濁液、コーティングカプセル剤、座薬、凍結乾燥粉末、経皮パッチまたは当該技術分野で知られている他の形態であり得る。
【0155】
注射製剤、例えば滅菌注射水性または油性懸濁液は、既知の技術によって、適当な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用いて製剤することができる。滅菌注射製剤は、非毒性非経腸的に許容される希釈剤または溶液の滅菌注射溶液、懸濁液またはエマルジョン、例えば1,3−プロパンジオールまたは1,3−ブタンジオールの溶液であってもよい。許容されるビークルおよび溶媒の内、使用し得るものは水、リンゲル溶液、U.S.P.および等張塩化ナトリウム溶液である。さらに、滅菌、固定油は、溶媒または懸濁媒体として通常使用される。このため、合成モノ−またはジ−グリセリドを含むあらゆる非刺激性固定油を使用することができる。さらに、脂肪酸、例えばオレイン酸は注射製剤に使用される。注射製剤は、例えば細菌保持フィルターで濾過して、または使用前に滅菌水または他の滅菌注射媒体に溶解または分散させることができる滅菌固体組成物の形態での滅菌薬剤を導入して、滅菌することができる。
【0156】
薬剤の効果を延長させるために、皮下または筋肉内注射から薬剤の吸収を遅延させることがしばしば望まれる。これは、水溶性の低い結晶性またはアモルファス物質を用いて達成し得る。薬剤の吸収速度は溶解速度に依存し、これは結晶サイズおよび結晶形に依存する。あるいは、非経腸投与薬剤の吸収遅延は、薬剤を油ビークルに溶解または懸濁させることによって達成され得る。注射デポ製剤を、生分解性ポリマー、例えばポリラクチドポリグリコリドに薬剤のマイクロカプセル化マトリックスを形成することによって製造する。薬剤対ポリマーの比、および使用する具体的なポリマーに依存して、薬剤放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例には、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が含まれる。デポ注射製剤は、薬剤を体組織に適合性であるリポソームまたはミクロエマルジョンにトラップすることによって製造することができる。
【0157】
経直腸または経膣投与組成物は座薬であってよく、これは1種以上の本発明の化合物を、室温では固体であるが体温では液体であり、したがって腸または膣腔内で融解して活性化合物を放出する1種以上の適当な非刺激性賦形剤または担体、例えばココアバター、ポリエチレングリコールまたは座薬ワックスを混合することによって製造することができる。
【0158】
経口投与のための本発明の個体投与形態は、カプセル剤、錠剤、ピル、粉末、および顆粒を含む。かかる固体投与形態において、有効成分は少なくとも1種の不活性な、薬学的に許容される担体、例えばクエン酸ナトリウムまたはリン酸2カルシウム、および/またはa)増量剤またはエクステンダー、例えばデンプン、ラクトース、ショ糖、グルコース、マンニトール、およびケイ酸;b)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖およびアカシアゴム;c)保湿剤、例えばグリセロール;d)崩壊剤、例えば寒天−寒天、炭酸カルシウム、ポテトデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩、および炭酸ナトリウム;e)溶解遅延剤、例えばパラフィン;f)吸収促進剤、例えば4級アンモニウム化合物;g)湿潤剤、例えばセチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロール;h)吸収剤、例えばカオリンおよびベントナイト;i)滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体のポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムおよびそれらの混合物;と組み合わせる。カプセル剤、錠剤およびピルの場合、医薬組成物は緩衝化剤を含んでいてもよい。
【0159】
同様のタイプの固体組成物は、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコール等のような賦形剤を用いて、軟および硬充填ゼラチンカプセルの増量剤として使用することもできる。
【0160】
錠剤、糖衣錠、カプセル剤、ピルおよび顆粒の固体投与形態は、コーティングおよびシェル、例えば腸溶コーティングおよび医薬製剤の分野で周知の他のコーティングで製造することができる。それらは、所望により乳白剤を含んでいてもよく、有効成分のみを、または好ましくは胃腸管の特定の部位で、所望により遅延形態で放出する組成物であり得る。使用することができる包埋組成物の例には、ポリマー物質およびワックスが含まれる。
【0161】
有効成分は、適当であるとき、1種以上の上記賦形剤と共にマイクロカプセル化形態であり得る。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、ピルおよび顆粒の固体投与形態は、コーティングおよびシェル、例えば腸溶コーティング、放出制御コーティングおよび医薬製剤の分野で周知の他のコーティングで製造することができる。かかる固体投与形態において、活性化合物を少なくとも1種の不活性希釈剤、例えばショ糖、ラクトースまたはデンプンと混合することができる。かかる投与形態は、通常の実施において、不活性希釈剤以外のさらなる物質、例えば打錠滑沢剤および他の打錠補助剤、例えばステアリン酸マグネシウムおよび微結晶セルロースを含み得る。カプセル剤、錠剤およびピルの場合、投与形態は緩衝化剤も含み得る。それらは所望により、乳白剤を含んでいてもよく、有効成分のみを、または好ましくは胃腸管の特定の部位で、所望により遅延形態で放出する組成物であり得る。使用することができる包埋組成物の例には、ポリマー物質およびワックスが含まれる。
【0162】
経口投与のための液体投与形態は、薬学的に許容されるエマルジョン、ミクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシル剤を含む。有効成分に加えて、液体投与形態は当該技術分野で一般的に用いられている不活性希釈剤、例えば水または他の溶媒、溶解剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカルボネート、EtOAc、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(とりわけ、綿実油、ラッカセイ油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタン脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物を含む。不活性希釈剤に加えて、経口組成物は湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤、芳香剤のようなアジュバントを含み得る。
【0163】
本発明の化合物の局所または経皮投与用投与形態には、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入剤およびパッチ剤が含まれる。活性化合物を滅菌条件下で薬学的に許容される担体と、および所望により任意の保存剤またはバッファーと混合することができる。眼用製剤、点耳薬等も本発明の範囲内であると理解される。
【0164】
軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、本発明の活性化合物に加えて、賦形剤、例えば動物脂質および植物脂質、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛、またはそれらの混合物を含み得る。
【0165】
本発明の組成物を、液体エアロゾルまたは吸入乾燥粉末として送達するために製剤することもできる。液体エアロゾル製剤は、末端および呼吸細気管支に送達することができる粒子サイズに主として噴霧され得る。
【0166】
本発明のエアロゾル化製剤を、好ましくは主として1〜5μmの質量空気動力学的中央径を有するエアロゾル粒子を形成させるように選択される、エアロゾル形成デバイス、例えばジェット、振動多孔性プレートまたは超音波噴霧器を用いて送達することができる。さらに、製剤は好ましくは、バランスのとれた浸透圧、イオン強度および塩化物濃度を有しており、最小エアロゾル化体積によって、感染部位に本発明の化合物の有効量を送達することができる。さらに、エアロゾル化製剤は好ましくは、気道機能に悪影響を及ぼさず、望ましくない副作用を引き起こさない。
【0167】
本発明の化合物はまた、本発明の化合物に加えて、賦形剤、例えばラクトース、タルク、ケイ素酸、水酸化アルミニウム、カルシウムシリケート、およびポリアミド粉末、ならびにそれらの物質の混合物を含んでいてもよい局所粉末およびスプレーとして使用するために製剤することができる。スプレーはさらに、クロロフルオロ炭化水素のような常套のプロペラントを含んでいてもよい。
【0168】
経皮パッチは、体に化合物を制御送達するのにさらなる利点を有する。かかる投与形態は、化合物を適当な媒体に溶解または分散させて製造することができる。吸収促進剤を使用して化合物の経皮流入量を増加させることもできる。速度を、速度制御膜を適用するか、または化合物をポリマーマトリックスもしくはゲルに溶解させて制御することができる。本発明の化合物はまた、リポソームの形態で投与してもよい。当業者に既知の通り、リポソームは一般的に、リン脂質または他の脂質物質に由来する。リポソームを水性媒体に分散させるモノ−もしくはマルチラメラ水和液体結晶によって形成される。あらゆる非毒性の、生理的に許容され、代謝可能なリポソームを形成することができる脂質を使用することができる。リポソーム形態の本組成物は、本発明の化合物に加えて、安定化剤、保存剤、賦形剤等を含み得る。好ましい脂質は天然および合成のいずれであってもよいリン脂質またはホスファチジルコリン(レシチン)である。リポソームを形成する方法は既知である。例えばPrescott (ed.), “Methods in Cell Biology,”Volume XIV, Academic Press, New York, 1976, p. 33 et seq参照。
【0169】
本発明の化合物の有効量は、一般的に、本明細書に記載のいずれかのアッセイ、当業者が既知の他のCDC7活性アッセイ、またはがんの症状の阻害または改善の検出によって、CDC7活性を検出可能なように阻害するのに十分な量を含む。単剤形態を製造するために担体物質と組み合わせることができる有効成分の量は、処置する宿主および具体的な投与形態に依存して変化する。しかし、特定の患者の具体的な投与レベルは様々な要因、例えば使用する特定の化合物の活性、年齢、体重、一般的な健康、性別、食事、投与時間、投与経路、排出速度、薬剤組合せ、および治療を行う疾患の重症度に依存することが理解される。一定の状況での治療的有効量は、反復実験によって容易に決定することができ、通常の臨床医の技量および判断の範囲内である。
【0170】
本発明の処置方法によって、ヒトまたは下等哺乳類のような患者において治療上有効量の本発明の化合物を当該患者に、所望の結果を得るのに必要な量および時間で投与することによって、腫瘍増殖が減少または予防される。本発明の化合物の「治療上有効量」は、あらゆる医学的処置に適用可能な合理的な利益/危険比で腫瘍増殖を処置するために十分な化合物の量を意味する。しかし、本発明の化合物および組成物の総1日使用量は、担当医師によって、合理的な医学的判断の範囲内で決定されることが理解される。任意の具体的な患者の具体的な治療上有効投与レベルは、処置する障害および障害の重症度;使用する具体的な化合物の活性;使用する具体的な組成物;患者の年齢、体重、一般的な健康、性別および食事、投与経路および使用する具体的な化合物の排出速度;処置機関、組合せまたは使用する具体的な化合物と同時に使用する薬剤;ならびに医学分野で周知の同様の因子を含む様々な因子に基づく。
【0171】
本発明の目的のために、治療上有効量は一般的1または複数投与で宿主に投与される総1日投与量であり、例えば0.001〜1000mg/kg体重/日、より好ましくは1.0〜30mg/kg体重/日であり得る。単位投与組成物は、1日用量を構成するためかかる量の約数を含む。一般に、本発明による処置レジメンはかかる処置を必要とする患者に、1日あたり約10mg〜約2000mgの本発明の化合物を1回または複数回投与で投与することを含む。
【0172】
本発明の他の局面において、本発明の1種以上の化合物を含むキットを提供する。代表的なキットは、式(I)−(II)のCDC7阻害剤化合物と、CDC7阻害量の化合物を投与することによる細胞増殖性疾患を処置するための指示を含む添付文書または他のラベルを含む。
【0173】
「キット」なる用語は、本明細書において使用するとき、医薬組成物を含む容器を含み、そして別個の容器、例えば別個のボトルまたは別個のフォイルパケットも含み得る。当該容器は、薬学的に許容される物質で製造されるあらゆる常套の形状または形態、例えば紙または段ボール箱、ガラスまたはプラスチックボトルまたはビン、再び閉じることができるバッグ(例えば異なる容器に入っている錠剤の「詰め替え」を行うため)、または治療スケジュールにしたがってパックを押すための個々の投与量を含むブリスターパックであり得る。使用する容器は関係する正確な投与形態に依存し、例えば常套の段ボール箱は一般的に液体懸濁液を固定するためには使用されない。1個以上の容器を、単剤形態を市販するための1個のパッケージと共に使用することが可能である。例えば、錠剤を箱に収めたボトルに収めることが可能である。
【0174】
かかるキットの例は、いわゆるブリスターパックである。ブリスターパックはパッケージ工業において周知であり、医薬単位投与形態(錠剤、カプセル剤等)の包装に広く用いられている。ブリスターパックは一般的に、好ましくは透明なプラスチック物質のフォイルで被覆された比較的硬い物質のシートからなる。パッケージング工程において、プラスチックフォイルに凹部が形成される。当該凹部は包装する錠剤またはカプセル剤1個の大きさおよび形状を有するか、あるいは包装する複数の錠剤またはカプセル剤に適合する大きさおよび形状を有していてもよい。次に、錠剤またはカプセル剤を前記凹部に入れ、比較的硬い物質のシートでプラスチックフォイルを、前記凹部が形成された芳香から逆であるフォイル面で封する。結果として、錠剤またはカプセル剤はプラスチックフォイルとシートの間の凹部に、所望の通り、個別に密封または集合的に密封される。好ましくは、シートの強度が、錠剤またはカプセル剤をブリスターパックから、人力で圧力を凹部に適用することによって開口部がシートに、凹部の位置で形成されることによって取り出すことが可能な程度である。錠剤またはカプセル剤を前記開口部から取り出すことができる。
【0175】
本発明のキットは、CDC7阻害剤に加えて、1種以上のさらなる薬学的に活性な化合物を含んでいてもよい。好ましくは、さらなる化合物は上記A−J群の1個の他の抗がん剤である。さらなる化合物をCDC7阻害剤と同じ投与形態で、または異なる投与形態で投与することができる。同様に、さらなる化合物をCDC7阻害剤と同時に、または異なる時点で投与することができる。
【0176】
本発明は、下記実施例を参照することによってより容易に理解されるが、これは説明のために提供し、本発明を限定する意図ではない。
【実施例】
【0177】
実施例
下記実施例において、本発明の化合物を本明細書に記載の方法、または当業者に既知の他の方法によって合成した。
【0178】
マススペクトル分析を、1または2個のLCMS装置で行った:Waters System (Alliance HT HPLC および Micromass ZQ質量分析機;カラム:Eclipse XDB C18, 2.1 × 50 mm;溶媒系:5−95%(または35−95%、または65−95%または95−95%)0.05%TFAを含む水中アセトニトリル;流速0.8mL/分;分子量200−1500;コーン電圧20V;カラム温度40℃)または Hewlett Packard System (Series 1100 HPLC;カラム:Eclipse XDB C18, 2.1 × 50 mm;溶媒系:0.05%TFAを含む水中1−95%アセトニトリル;流速0.8mL/分;分子量150−850;コーン電圧50V;カラム温度30℃)。全質量をプロトン化親イオンのものの通りに記載した。
【0179】
GCMS分析を、Hewlett Packard instrument (Mass Selective Detector 5973を備えたHP6890 Seriesガスクロマトグラフィー;注入体積:1μL;開始カラム温度:50℃;最終カラム温度:250℃;ランプ時間:20分;ガス流速:1mL/分;カラム:5%フェニルメチルシロキサン、Model No. HP 190915 443、寸法:30.0m×25m×0.25m)で行った。
【0180】
核磁気共鳴(NMR)分析を化合物について、Varian 300 MHz NMR (Palo Alto, CA, USA)で行う。スペクトル参照は、TMSまたは既知の溶媒のケミカルシフトである。化合物サンプルを高温(例えば75℃)で行って、サンプル溶解度の上昇を促進させる。
【0181】
本発明の化合物の純度を、元素分析(Desert Analytics, Tucson, AZ, USA)によって評価する。
【0182】
融点をLaboratory Devices Mel Temp装置(Holliston, MA, USA)を用いて測定する。
【0183】
Flash 40クロマトグラフィーシステムおよびKP Sil, 60A (Biotage, Charlottesville, VA, USA)を用いて、あるいはシリカゲル(230−400メッシュ)充填剤を用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー、Waters 2767 Sample Manager、C−18逆相カラム、30×50mm、流速75mL/分を用いてHPLCによって、予備的分離を行う。Flash 40 Biotageシステムおよびフラッシュカラムクロマトグラフィーについて用いる典型的な溶媒は、ジクロロメタン、メタノール、酢酸エチル、ヘキサン、アセトン、水性アンモニア(または水酸化アンモニウム)およびトリエチルアミンである。逆相HPLCについて用いる典型的な溶媒は、変化する濃度のアセトニトリルおよび0.1%トリフルオロ酢酸を含む水である。
【0184】
本発明の有機化合物は互変異性現象を示し得ることを理解すべきである。本明細書の化学構造は可能性のある互変異性型の1つの構造のみを代表しているので、本発明は図示した構造のあらゆる互変異性型を含むものと理解するべきである。
【0185】
本発明は説明のための本明細書に記載の態様に限定されないが、上記範囲内であるように、その全ての形態を含むことが理解される。
【0186】
カルコン合成の修飾を、スキーム1にしたがってジブロモカルコンを介して行うことができる(Dora et al., Journal of heterocyclic Chemistry 20:691-696 (1983))。
【化6】

【0187】
カルコンまたはBiginelliタイプ反応を用いるピリミジノンの合成法に加えて、ピリミジノンをアセチレンとウレアから、スキーム2に示すとおりに合成することもできる(Sasakura et al., Synthetic Communications 18:259-264 (1988), Lee et al., Tetrahedron 61:8705-8710 (2005); Dora et al., Journal of heterocyclic Chemistry 20:691-696 (1983) and Baddar et al., Journal of heterocyclic Chemistry 13:257-268 (1976))。
【化7】

【0188】
4−アリール−6−アルキルピリミジノンを、ジオンから、4,6−ジアリールピリミジノンの合成に用いたものと類似の方法で合成することができる(Scheme 3, Walker et al. WO 2003037896 (2003) p. 116; Carter et al. US 6,780,870 (2004) p 14; Cai et al. WO 05121106 (2005) p. 71; and Abdel-Rahman et al., Egyptian Journal of Chemistry 30:231-238 (1989))。
【化8】

【0189】
芳香族性ヘテロ環を、ヘテロ芳香族性メチルケトンとインダゾールアルデヒドを標準的酸条件を用いて組み合わせて結合させる(ウレア、HCl、i−PrOH、スキーム4(a), Bhendkar et al., W. Oriental Journal of Chemistry 19:731-732 (2003))。5員環ヘテロ環の結合のための他の方法も存在する(スキーム4(b)および4(c), Babu et al., Indian Journal of Pharmaceutical Sciences 66:647-652 (2004))。
【化9】

【0190】
N−アリール4,6−ジアルキルピリミジノン、N−アルキル4−アルキル−6−アリールピリミジノンおよびN−アルキル6−アルキル−4−アリールピリミジノンを、N−アリールまたはN−アルキルウレアと対応するジオンから、スキーム5に示すとおりに合成することもできる(George et al., New Journal of Chemistry 27:568-576 (2003))。
【化10】

【0191】
小アルキル基をピリミジノンのC−5でジオンの脱プロトン化およびアルキル化(スキーム6、Cai WO05121106 (2005), p. 71)またはWittig反応(スキーム7、Marzinzik et al., Journal of Organic Chemistry 63:723-727 (1998))によって導入して、対応するカルコンを得て、これをさらに官能化させて所望のピリミジノンを形成させることができる。
【化11】

【化12】

【0192】
アリール、アルキルおよびヘテロアリール置換基をピリドンのC−4およびC−6で、そしてメチルをC−3で導入する様々な方法が開発されている。スキーム8はこれらの方法の例示である(8(a) Katritzky et al., Journal of Organic Chemistry 62:6210-6214 (1997);8(b) Wang et al., Synthesis 487-490 (2003))。
【化13】

【0193】
さらに、N−アルキル化ピリドンおよびC3またはC5で置換されたピリドンは、スキーム9に示すアミノアザブタジエン化学を介して入手し得る(Hoberg et al., Synthesis No. 3, 142-144 (1970), Wittig et al., Justus Liebigs Annalen der Chemie 1075-1081 (1973), Barluenga et al., Tetrahedron Letters 29:4855-4858 (1988))。
【化14】

【0194】
アザインダゾール(または1H−ピラゾロピリジン)アナログを、ブロモメチルニトロピリジンから必要とされる5−ブロモアザインダゾールを合成して製造することができる(スキーム10、Xie et al. WO 05092890 (2005) p. 300)。ブロモアザインダゾールを合成すると、合成法は4−インダゾール−6−アリールピリミジノンシリーズのものと同じである。
【化15】

【0195】
インダゾールのC−3位を、アルキル基でスキーム11に示すとおりに置換することができる(Li et al. US 2003/0199511 (2003), p. 120)。メチルに加えて、他のGrignard試薬を用いて他のアルキルおよびアリール基、例えばエチル、プロピル、イソ−プロピル、フェニルならびに置換アルキルおよびアリール基を、インダゾールのC−3位に導入することが可能である。
【化16】

【0196】
C−3での他の置換基、例えばメトキシ、脂肪族ヘテロ環、例えばピペリジンおよびメチレン結合ヘテロ環、例えばモルホリンを、導入することもできる(スキーム12、Allen et al. WO 9749698 (1997) p. 84)。
【化17】

【0197】
長鎖脂肪族基をインダゾールのC−3で、スキーム13で示すとおりに導入することもできる(Sasakura et al., Synthetic Communications 18:259-264 (1988))。
【化18】

【0198】
実施例1
4−(1H−インダゾール−5−イル)−6−(4−フェノキシフェニル)ピリミジン−2(1H)−オンの合成
工程1:
【化19】

1H−インダゾール−5−カルボアルデヒド(2)。n−ブチルリチウム(35.0mL、87.5mmol)をTHF(60mL)中5−ブロモインダゾール(1、4.98g、25.3mmol)に−78℃でゆっくりと加えた。30分後、溶液を−40℃に30分間温め、次に−78℃に冷却した。DMF(3.1mL、77.5mmol)を加えた。15分後、反応フラスコを無水氷/アセトンバスから取り除き、室温で2.5時間攪拌した。溶液をHOでクエンチした。水層をEtOAcで抽出した。有機層をHOおよび塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して金色油状物とした。粗物質をカラムクロマトグラフィー(0−100%EtOAc/ヘキサン)で精製して2を明黄色固体として得た(1.91g、収率52%)。LCMS m/z 147.0 (MH+), Rt 1.53分.
【0199】
1H−インダゾール−5−カルボアルデヒドの合成についての参照:E. Piatnitski, WO 2005/000813 p 37。
工程2:
【化20】

【0200】
4−(1H−インダゾール−5−イル)−6−(4−フェノキシフェニル)ピリミジン−2(1H)−オン(3)。1H−インダゾール−5−カルボアルデヒド(2、0.27g、1.85mmol)およびウレア(0.33g、5.45mmol)を室温でi−PrOH(18mL)およびHCl(濃、1.8mL)中で一晩攪拌した。その時、粘稠溶液を9つの等量部に分割した。1つの部に4’−フェノキシアセトフェノン(0.0531g、0.25mmol)およびさらなるウレアを加えた。反応物を80℃に、密封バイアル中で一晩温めた。反応混合物を冷却し、濃縮し、逆相HPLCで精製して3をTFA塩として得た(9.6mg、純度99%)。LCMS m/z 381.1 (MH+), Rt 2.39分.
【0201】
酸触媒Biginelliについての参照:Sedova et al., Chem. Heterocyclic Compounds 40(2):194-202 (2004)。
【0202】
実施例2−16
下記表1の化合物を、上記方法および手段を用いて合成した。Advanced Chemistry Development, Inc., 110 Yonge Street 14th Floor, Toronto, Ontario, Canadaから入手可能なChemSketchバージョン10.00ソフトウェア(2006年8月31日)のACD Nameを用いて命名した。
表1
【表1】

【表2】

【0203】
表1の化合物を、上記実施例のとおりに合成した。化合物のCDC7阻害(IC50)値を、生物学的方法1の通りに測定した。
【0204】
実施例83(CDC7/DBF4阻害のインビトロアッセイ)に記載の通り、表1の各化合物はCDC7/DBF4の阻害について、1μM未満のIC50値を示した。表1の実施例の多くは、CDC7の阻害について、0.1μM未満、さらに0.01μM未満のIC50値を示した。このため、各化合物は、個別に好ましく、そしてグループのメンバーとして好ましい。
【0205】
実施例17−80
下記表2の化合物を、上記方法および手段を用いて合成した。Advanced Chemistry Development, Inc., 110 Yonge Street 14th Floor, Toronto, Ontario, Canadaから入手可能なChemSketchバージョン10.00ソフトウェア(2006年8月31日)のACD Nameを用いて命名した。
表2
【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【0206】
実施例79
CDC7/DBF4阻害のインビトロアッセイ
20.5μLキナーゼ反応を、OptiPlate-384プレート(PerkinElmer, 6007290)上で、0.5μLのDMSO中本発明の試験化合物、10μLの反応バッファー中0.5μM ATP、10μLの2.2nM cdc7/dbf4(バキュロウイルス由来)、反応バッファー中4.4nM MCM−2を加えて行った。反応を1時間、室温で振盪機で進行させた。Streptavidin被覆ドナービーズおよびProtein A結合アクセプタービーズ(54μg/ml)を含む10μLの検出バッファー、ならびに1:4000希釈したホスホセリン108−MCM−2に対するウサギ抗体(Bethyl Labs)を加えて反応を終了させた。混合物を室温で4時間、暗所でインキュベートした。プレートをPerkinElmer Fusion instrumentで読み込んだ。反応バッファーは50mM Hepes(pH7.2−7.5)、10mM MgCl、1mM ジチオスレイトール(DTT)、ロイペプチン(10μg/ml)、およびウシ血清アルブミン(BSA)(0.2mg/ml)を含む。検出バッファーは25mM Tris(pH7.5)、400mM NaCl、100mM EDTA、0.3% BSA、および0.05% ツイーン20を含む。
【0207】
上記cdc7/db4アッセイにおけるキナーゼ反応を>70%阻害する代表的な本発明の化合物を、さらなる分析および確認のために選択した。試験化合物をDMSOで0.93μMまたは1.39μMの濃度に希釈し、各試験溶液0.5μLを、上記アッセイ条件および方法を用いたアッセイのために各ウェルに加えた。実施例2−16の試験化合物の阻害率を測定して、表3に示した。
表3
【表13】

【0208】
実施例80
CDC7 pS108 MCM2標的調節アッセイ
細胞を細胞増殖培地100μl中で96ウェル組織培養プレートに播種し、37℃、5% COで一晩インキュベートした。翌日、濃度の異なる化合物を加えて、最終DMSO濃度 0.5%とした。細胞を化合物と共に4時間、37℃、5% COでインキュベートした。細胞をPBSバッファーで洗浄し、100μL細胞溶解バッファーに溶解させ、細胞溶解物25μLを高結合性、1スポットMSD96ウェルプレート(Meso Scale Discovery, MSD, Gaithersburg, Maryland, USA)に加えて分離し、4℃で1時間インキュベートした。1つのプレートを用いて、Bethylウサギ抗−MCM2(BL248)抗体を用いて総MCM2を検出し、そして他のプレートを用いてBethylウサギ抗−pSer108 MCM2(BL1539)抗体を用いてリン酸化MCM2を検出する。
【0209】
ウェルを洗浄し、1次抗体で一晩インキュベートする。洗浄工程後、2次抗体(ルテニウムで標識したMSD Sulfo-Tag IgG抗体)を加え、1時間4℃でインキュベートする。プレートを1× MSD Tris洗浄バッファーで4回洗浄し、MSD Readバッファー(界面活性剤を含むMSD Read バッファーT(4×)、水で1.5×に希釈)を各ウェルに加える。プレートをMSD(Meso Scale Discovery) ElectroChemiLuminescent (ECL)プレートリーダーで読み込む。読み込み結果によって、細胞のCDCキナーゼ活性に作用する薬剤の存在下または非存在下におけるMCM2のSer108におけるリン酸化のレベルを測定することができる。
【0210】
説明的態様を例示および記載しているが、本発明の精神および範囲から離れることなく種々の変化を行うことができることが理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

〔式中、XはNまたはCRであり;
YはNまたはCRであり;
ZはNまたはCRであり;
はH、ハロ、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノおよび置換アミノから成る群から選択され;
はアルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、アリールオキシ、置換アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、シクロアルキルオキシ、置換シクロアルキルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリルおよび置換ヘテロシクリルから成る群から選択され;
はH、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであり;
、R、RおよびRは独立して、H、ハロ、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノおよび置換アミノから成る群から選択され;
はH、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、アミノスルホニルオキシ、アミノスルホニルアミノ、アミジノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、(カルボキシルエステル)アミノ、(カルボキシルエステル)オキシ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、SOH、スルホニル、置換スルホニル、スルホニルオキシ、チオアシル、チオール、アルキルチオ、置換アルキルチオ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリルおよび置換ヘテロシクリルから成る群から選択される〕
の化合物、またはその立体異性体、互変異性体もしくは薬学的に許容される塩。
【請求項2】
XがCRであり、ZがCRである請求項1の化合物。
【請求項3】
がHである、請求項1の化合物。
【請求項4】
がアリールまたは置換アリールである、請求項1の化合物。
【請求項5】
がHである、請求項1の化合物。
【請求項6】
、RおよびRがHまたはハロである、請求項2の化合物。
【請求項7】
、RおよびRがHである、請求項2の化合物。
【請求項8】
がH、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、置換アルキル、アミノ、置換アミノ、アルコキシおよび置換アルコキシから成る群から選択される、請求項1の化合物。
【請求項9】
がHである、請求項1の化合物。
【請求項10】
がフェニルまたは置換フェニルである、請求項1の化合物。
【請求項11】
YがNである、請求項1の化合物。
【請求項12】
YがCRであり、そしてXとZの一方のみがNである、請求項1の化合物。
【請求項13】
式(II):
【化2】

〔式中、R、RおよびRは独立して、H、ハロ、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノおよび置換アミノから成る群から選択され;
はH、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、アミノスルホニルオキシ、アミノスルホニルアミノ、アミジノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、(カルボキシルエステル)アミノ、(カルボキシルエステル)オキシ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、SOH、スルホニル、置換スルホニル、スルホニルオキシ、チオアシル、チオール、アルキルチオ、置換アルキルチオ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリルおよび置換ヘテロシクリルから成る群から選択され;
10、R10、R11、R12およびR13は独立して、H、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、アミノスルホニルオキシ、アミノスルホニルアミノ、アミジノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、(カルボキシルエステル)アミノ、(カルボキシルエステル)オキシ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、SOH、スルホニル、置換スルホニル、スルホニルオキシ、チオアシル、チオール、アルキルチオ、置換アルキルチオ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリールオキシ、置換アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、シクロアルキルオキシ、置換シクロアルキルオキシ、ヘテロシクリルオキシおよび置換ヘテロシクリルオキシから成る群から選択される〕
の化合物、またはその立体異性体、互変異性体もしくは薬学的に許容される塩。
【請求項14】
10、R10、R11、R12およびR13の少なくとも1個がアルコキシである、請求項13の化合物。
【請求項15】
10、R10、R11、R12およびR13の少なくとも1個がハロ、アルキルまたは置換アルキルである、請求項13の化合物。
【請求項16】
10がハロ、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリールオキシ、置換アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、シクロアルキルオキシ、置換シクロアルキルオキシ、ヘテロシクリルオキシおよび置換ヘテロシクリルオキシから成る群から選択される、請求項13の化合物。
【請求項17】
、RおよびRがHまたはハロである、請求項13の化合物。
【請求項18】
、RおよびRがHである、請求項13の化合物。
【請求項19】
がH、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、置換アルキル、アミノ、置換アミノ、アルコキシおよび置換アルコキシから成る群から選択される、請求項13の化合物。
【請求項20】
がHである、請求項13の化合物。
【請求項21】
6−(3−フルオロフェニル)−4−(1H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2(1H)−オン、6−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−4−(1H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2(1H)−オン、6−(2,5−ジメトキシフェニル)−4−(1H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2(1H)−オン、6−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−4−(1H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2(1H)−オン、6−(4−エチルフェニル)−4−(1H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2(1H)−オン、6−(3,4−ジメトキシフェニル)−4−(1H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2(1H)−オン、4−(1H−インダゾール−5−イル)−6−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−2(1H)−オン、6−(2−フルオロフェニル)−4−(1H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2(1H)−オン、6−(3−クロロフェニル)−4−(1H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2(1H)−オン、4−(1H−インダゾール−5−イル)−6−フェニルピリミジン−2(1H)−オン、6−[3−(ベンジルオキシ)フェニル]−4−(1H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2(1H)−オン、4−(1H−インダゾール−5−イル)−6−(4−モルホリン−4−イルフェニル)ピリミジン−2(1H)−オン、4−(1H−インダゾール−5−イル)−6−(4−フェノキシフェニル)ピリミジン−2(1H)−オン、6−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−4−(1H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2(1H)−オンおよび4−(1H−インダゾール−5−イル)−6−(4−ピペラジン−1−イルフェニル)ピリミジン−2(1H)−オンから成る群から選択される、請求項1の化合物、またはその立体異性体、互変異性体もしくは薬学的に許容される塩。
【請求項22】
XとZの一方のみがNである、請求項1の化合物。
【請求項23】
請求項1〜22のいずれかの化合物と薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項24】
CDC7活性の阻害によって状態を処置する方法であって、かかる処置を必要とする対象に治療上有効量の請求項1〜22のいずれかの化合物を投与することを含む方法。
【請求項25】
状態ががんである、請求項24の方法。
【請求項26】
がんがCDC7を発現する細胞を含む、請求項25の方法。
【請求項27】
MCM2のリン酸化を阻害する方法であって、MCM2、CDC7およびATPを請求項1〜22のいずれかの化合物に曝露することを含む方法。
【請求項28】
医薬としての請求項1〜22のいずれかの化合物の使用。
【請求項29】
(請求項28)
がんの処置のための請求項1〜22のいずれかの化合物の使用。
【請求項30】
(請求項29)
がんの処置用医薬の製造における請求項1〜22のいずれかの化合物の使用。

【公表番号】特表2009−534400(P2009−534400A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−506696(P2009−506696)
【出願日】平成19年4月13日(2007.4.13)
【国際出願番号】PCT/US2007/066641
【国際公開番号】WO2007/124288
【国際公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】