説明

インプリントリソグラフィのための方法および装置

【課題】eビームリソグラフィの際に非伝導性基板を用いるテンプレートのに電子を消散することができるインプリントリソグラフィの方法および装置を提供する。
【解決手段】インプリントリソグラフィ方法は材料を伝導性基板のパターン化面上に生成するステップと、透明基板および伝導性基板を互いに押し付け、押し付けにより材料はパターン化面に整合するステップとを含む。エネルギは材料に与えられて、材料からパターン化された材料を形成する。透明基板および伝導性基板は分離され、パターン化された材料は透明基板に貼り付く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明
関連出願の相互参照
本願は、2009年12月9日に出願され、「初期テンプレートとしてシリコンウェハを用いたテンプレート製造」と題される米国特許仮出願第61/283,823号の優先権を主張し、この仮出願は引用によりその全体を援用する。
【0002】
分野
本発明に従う実施例は、一般にインプリントリソグラフィに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
微細加工は、非常に小さな構造、たとえばマイクロメートル以下の位の特徴的形状を有する構造の製造を含む。リソグラフィは、超微細(サブ−25nm)パターンを基板上の薄膜に作成するために用いられる微細加工技術である。リソグラフィの際、少なくとも1つの突出部を有する型が薄膜に押し付けられる。型の突出部は薄膜に凹所を作成し、それにより型の画像が作られる。薄膜は、型が取除かれると、その画像を保持する。型は、異なる基板上で複数の薄膜にインプリントするために用いることができる。
【0004】
本発明は、添付する図面による例示によって示されるが、限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】本発明の実施例に従う、製造の初期段階でのインプリント加工システムの簡略断面図である。
【図2】本発明の実施例に従う、レジスト層をインプリントしている際の、インプリント加工システムの簡略断面図である。
【図3】本発明の実施例に従う、レジスト層を硬化している際の、インプリント加工システムの簡略断面図である。
【図4】本発明の実施例に従う、パターン化されたレジスト層を基板から分離する際の、インプリント加工システムの簡略断面図である。
【図5】本発明の実施例に従う、パターン化されたレジスト層のエッチングの後の、インプリント加工システムの簡略断面図である。
【図6】本発明の実施例に従う、透明基板のエッチングの後の、インプリント加工システムの簡略断面図である。
【図7】本発明の実施例に従う、透明基板のエッチングされた表面のクリーンアップの後の、インプリント加工システムの簡略断面図である。
【図8】本発明の実施例に従う、インプリントリソグラフィのプロセスのフローチャート図である。
【図9】本発明の別の実施例に従う、インプリントリソグラフィのプロセスのフローチャート図である。
【図10】ビットパターン化された媒体を形成するために、本発明の実施例を行なうことができるデータ記憶装置を示す図である。
【図11】データ記憶ディスク用に用いることができる、垂直磁気記録媒体の簡略断面図である。
【図12】ヘッドユニットとともに、垂直磁気記録媒体の一部の簡略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
詳細な説明
実施の形態は以下に詳細に説明されるが、実施例は添付の図面に示される。実施例は図面に関連して記載されるが、これらに限定されない。むしろ、実施例は代替物、変形、および均等物を網羅することが意図される。さらに、以下の詳細な説明において、いくつかの具体的詳細が理解を完全にするために順序付けられて示される。しかし、当業者なら実施例はこれらの詳細な説明がなくても実施できることは認識される。他の例では、実施例の局面を不必要に曖昧にしないために、周知の方法、プロシージャ、コンポーネントおよび回路は詳細には説明されていない。
【0007】
説明のために、ここで用いられる「水平」は、その配向にかかわらず、基板の面または表面に対して平行な面として定義される。「縦」は上記の水平に対して垂直な方向を指す。「上」、「下」、「底」、「上面」、「側面」、「高い」、「低い」、「上部」、「上の」および「下の」などの用語は水平面に対して定義されるものである。
【0008】
図1は、本発明の実施例に従う、製造の初期段階でのインプリント加工システム100の簡略断面図である。インプリント加工システム100は、伝導性の基板、たとえば熱的に伝導の、電子的に伝導の基板などから、透明な基板にパターンを形成する。たとえば、eビームリソグラフィを用いて、高い解像度のパターンをシリコン基板に形成することができる。シリコン基板のパターンは、透明基板に移される。一実施例において、透明基板はインプリントリソグラフィ用のテンプレートとして用いられる。
【0009】
図1において、パターン化面104が基板102に形成されている。パターン化面104はいくつかの周知の技術、たとえばeビームリソグラフィ、ブロックコポリマー自己アセンブリ、エッチングなどにより形成されている。たとえば、基板102は塩素含有ガス、たとえばCL2やHCL、臭素含有ガス、たとえばHBr、またはフッ素含有ガス、たとえばCF4、CHFやSFを用いてエッチングすることができる。
【0010】
一実施例において、基板102は伝導性材、たとえばシリコンである。たとえば、eビームリソグラフィの際、伝導性の基板は、基板に移動する電子を消散することを促す。しかし、たとえば石英ガラスのような非伝導性の基板は、電子を消散することができないかもしれない。したがって、伝導性材の付加的層を、非伝導性基板に加えることができる。さらに、伝導性基板は熱エネルギを与えるプロセスの際に、熱を消散させ得る。
【0011】
一部の実施例において、パターン化面104は剥離材106で被覆されてもよい。剥離材106は、たとえば、テキサス州、オースチンにある、Molecular Imprints社によって商業的に入手可能であるRelmat(登録商標)のような剥離促進剤であり得る。剥離材106はレジスト層116を基板102から分離(図4参照)するのに役立ち、これはレジスト層116が基板102から分離することを促す。一実施例において、剥離材106は非金属および/または非伝導性であり得る。
【0012】
さまざまな実施例において、レジスト層116は紫外レジスト層であってもよい。レジスト層116は、パターン化面104の上、または設けられている場合は剥離材106の上に生成することができる。一実施例において、剥離層116は滴下またはスピンコーティングにより、生成することができる。
【0013】
たとえば石英ガラスのような、実質的に透明な基板110が、レジスト層116上にあり、基板102とともに押し付けられるよう使用可能である。一実施例において、実質的に透明な基板110は、レジスト層116に対向する、実質的に平坦な面108を含む。
【0014】
一部の実施例において、実質的に透明な基板110は、接着材112で被覆されてもよい。接着材112は、たとえば、テキサス州、オースチンにある、Molecular Imprints社によって商業的に入手可能であるValmat(登録商標)のような接着促進剤であり得る。接着材112は、レジスト層116を基板102から分離(図4参照)するのに役立ち、これはレジスト層116が透明基板110に貼り付くのを促進する。一実施例において、接着材112は非金属および/または非導電性であり得る。
【0015】
図2は、本発明の実施例に従う、レジスト層116をインプリントしている際の、インプリント加工システム100の簡略断面図である。透明基板110および基板102は、互いに強く押し付けられる。
【0016】
一実施例において、押し付けの間、透明基板110および基板102は、接触することなく、近接するよう押し付けられてもよい。代替の実施例において、押し付けの際、透明基板110および基板102は互いに接触してもよい(図示されていない)。透明基板110および基板102を互いに押し付けることにより、レジスト層116はパターン化面104に整合する。
【0017】
図3は本発明の実施例に従う、レジスト層116を硬化している際の、インプリント加工システム100の簡略断面図である。光源(図示されていない)は、エネルギ118をレジスト層116に送る。たとえば、エネルギ118は紫外線光でありうる。エネルギ118は透明基板110および接着材112を透過する。レジスト層116はエネルギ118を吸収し、それによりレジスト層116が硬化して、パターン化されたレジスト層114を形成する(図4参照)。一部の実施例において、エネルギ118は熱エネルギであってもよい。
【0018】
図4は本発明の実施例に従う、パターン化されたレジスト層114を基板102から分離する際の、インプリント加工システム100の簡略断面図である。透明基板110および基板102は互いに離され、それによりパターン化されたレジスト層114は基板102から分離される。一部の実施例において、剥離材106および接着材112は、パターン化されたレジスト層114が透明基板110に接着し、基板102には接着しないようにすることにより、分離に役立つ。
【0019】
図5は本発明の実施例に従う、パターン化されたレジスト層114のエッチングの後の、インプリント加工システム100の簡略断面図である。パターン化されたレジスト層114および接着材112の一部をエッチングして、透明基板110の下にある面領域120を露出させる。たとえば、パターン化されたレジスト層114は、O2反応性イオンエッチング処理を用いる、残渣でエッチングされてもよい。
【0020】
図6は本発明の実施例に従う、透明基板110のエッチングの後の、インプリント加工システム100の簡略断面図である。表面領域120は、透明基板110に特徴的形状を作成するようエッチングされてもよい。たとえば、透明基板110は石英ガラスであってもよい。表面領域120の石英ガラスは、フッ素含有ガス、たとえばCF4、CHF3、SF6などを用いてエッチングすることができる。
【0021】
図7は本発明の実施例に従う、透明基板110のエッチングされた表面のクリーンアップの後の、インプリント加工システム100の簡略断面図である。残っているパターン化されたレジスト層114(図6参照)および接着材112(図6参照)は、たとえばO2反応性イオンエッチング処理を用いて、除去された。透明基板110は、パターン化された面104(図1参照)の陰画像である地形的にパターン化された面124を有する。一部の実施例において(図示されていない)、透明基板110は、パターン化面104(図1参照)の陽画像である地形的にパターン化された面124を有する。
【0022】
ある実施例において、透明基板110の地形的にパターン化された面124は、さらなる処理、たとえばインプリンティングにおいて、テンプレートとして用いることができる。たとえば、透明基板110の地形的にパターン化された面124は、サーボがパターン化された磁気または光磁気媒体、トラックがパターンされた磁気媒体、ビットがパターン化された磁気媒体、パターン化されたリードオンリー媒体、ウォブル溝がパターン化された読取可能コンパクトディスク媒体、読取可能−書込可能コンパクトディスク媒体、デジタルビデオディスク媒体などを形成するために用いることができる。
【0023】
図8は、本発明の一実施例に従い、インプリントリソグラフィのプロセスのフローチャート800を示す。ブロック802において、材料は伝導性基板のパターン化面上に生成される。一実施例において、伝導性基板はシリコン基板である。たとえば、図1において、伝導性シリコン基板と実質的に透明な基板との間に、レジスト層が生成される。一実施例において、実質的に透明な基板は石英基板である。
【0024】
ブロック804において、透明基板および伝導性基板は互いに押し付けられ、その押し付けにより材料がパターン化面に整合する。一実施例において、パターン化面は剥離材を含み、透明基板は接着材を含む。たとえば、図2において、透明基板および基板は互いに押し付けられて、レジスト層はパターン化面に整合する。したがって、図2において、シリコン基板および実質的に透明な基板は、互いに押し付けられるよう使用可能である。
【0025】
図8のブロック806において、エネルギは材料に与えられて、材料からパターン化された材料を形成する。一実施例において、エネルギは熱エネルギまたは光エネルギである。たとえば、図3において、光は光源から送られて透明基板を通過する。光エネルギはレジストによって吸収される。一部の実施例において、光エネルギは紫外線エネルギである。したがって、図3において、実質的に透明な基板は、エネルギが中を透過できるよう使用可能である。
【0026】
図8のブロック808において、透明基板および伝導性基板は分離され、パターン化された材料は透明基板に貼り付く。たとえば、図4において、透明基板および基板は互いに分離され、それによりレジスト層のパターン化された材料は基板から離れる。さまざまな実施例において、パターン化された材料および透明基板はエッチングされて、パターン化された面の陰画像を形成する。一部の実施例において、パターン化された材料および透明基板はエッチングされて、パターン化された面の陽画像を形成する。
【0027】
図9は、本発明の別の実施例に従い、インプリントリソグラフィのプロセスのフローチャート900を示す。ブロック902において、レジスト層は、シリコン基板の地形的にパターン化された面上に生成される。たとえば、図1において、レジスト層は、導電性シリコン基板と実質的に透明な基板との間に生成される。一実施例において、実質的に透明な基板は石英ガラス基板である。したがって、図1において、レジスト層は、実質的に透明な基板に貼り付くよう使用可能である。
【0028】
ブロック904において、実質的に透明な基板の実質的に平坦な面とシリコン基板とが互いに押し付けられ、その押し付けによりレジスト層が地形的にパターン化された面に整合する。一実施例において、地形的にパターン化された面は、非接着材を含み、実質的に透明な基板は接着材を含む。たとえば、図2において、実質的に透明な基板および基板は互いに押し付けられ、レジスト層は地形的にパターン化された面に整合する。
【0029】
図9のブロック906において、エネルギは実質的に透明な基板を通って材料に与えられてレジスト層を硬化させ、シリコン基板はエネルギの一部を吸収する。一実施例において、エネルギは熱エネルギまたは紫外線光エネルギである。たとえば、図3において、光は光源から送られて、透明基板を通る。光エネルギはレジストによって吸収される。
【0030】
ブロック908において、実質的に透明な基板およびシリコン基板は分離され、レジスト層は実質的に透明な基板の実質的に平坦な面に貼り付く。たとえば、図4において、透明基板および基板は互いに離れ、それによりレジスト層のパターン化された材料は基板から分離される。
【0031】
さまざまな実施例において、レジスト層および実質的に透明な基板の一部は除去されて、実質的に透明な基板にパターン化された面を形成する。たとえば、図5、図6および図7において、レジスト層、接着材、および実質的に透明な基板の部分は取除かれて、実質的に透明な基板にパターンを形成する。こうして、実質的に透明な基板は、エッチングされて地形的にパターン化された面の陰画像を形成するよう使用可能である。一部の実施例において、実質的に透明な基板は、エッチングされて地形的にパターン化された面の陽画像を形成するよう使用可能である。
【0032】
磁気記憶媒体は、さまざまな用途、特にコンピュータ業界においてデータ記憶および引き出し用に、ならびにオーディオおよびビデオ信号を記憶するため、広く用いられる。垂直磁気記録媒体、たとえばハードディスクドライブ記憶装置は、磁気層に垂直異方性を有する記録媒体を含む。垂直磁気記録媒体において、磁気媒体の面に対して垂直な方向に、残留磁化が形成され、これは典型的には、基板上の磁気材層による。
【0033】
垂直記録ディスクドライブヘッドは典型的には後縁書込極、および書込極に磁気的に結合される前縁戻りまたは対向極を含む。さらに、電気的に導電性の励磁コイルが書込極のヨークを取囲む。動作の際、記録ヘッドは、浮動高さと呼ばれる距離だけ磁気記録媒体上を浮動する。磁気記録媒体に書込むために、磁気記録媒体は記録ヘッドを通り、記録ヘッドは磁気記録媒体のトラックを辿り、磁気記録媒体はまず戻り極下を通過し、次に書込極の下を通過する。電流がコイルを通り、書込極内に磁束を発生させる。磁束は書込極の先端から、硬質磁性記録トラックを通り、軟性下地層に入り、戻り極にかかる。磁束に対する戻り経路を与えることに加え、軟性下地層は、磁気記録層の磁荷画像をもたらし、磁束を増加させ、再生信号を強化させる。電流を逆向きにし、それにより磁界を反転させて、磁気ダイポールを再配向する。
【0034】
垂直記録媒体は、別個の隣接する磁気結晶またはドメインの連続層である。連続する磁気層内において、別個の情報が個々のビットとして記憶される。個々のビットは、バイナリ情報を記憶するために、磁気的に正または負に配向される。記録媒体の個々のビット数は、面密度と相関関係がある。面密度が増加すると、記録媒体に記憶される情報量も増える。メーカーは、面密度を増加させることにより、より大きい容量のハードドライブに対する消費者のニーズを満たすよう努めている。
【0035】
高密度の垂直記録媒体は、慎重に均衡の取られた磁気特性を用いる。これらの慎重に均衡の取られた磁気特性は、熱的安定性、耐消去性を確実にするために、および現代のディスクドライブヘッドデザインで有効に機能するよう十分に高い異方性(垂直磁化配向);ならびに熱的安定性および最小のスイッチング磁界分散(SFD)を維持するために十分な磁気特性の粒子間均一性を含む。
【0036】
記録密度が増えると、より小さい粒子構造は、同じ値でのビットにおける磁性粒子の数を維持するのに役立つ。粒子構造が小さいほうが消去されやすく、熱的安定性を維持するためにより高い異方性を必要とし、書込性を悪化させる。さらに、磁気記録媒体の磁気層内の個々の記憶ビットのサイズが小さくなると、蓄積するエネルギは少なくなり、ビットが情報を失いやすくする。さらに、個々のより弱いビットが近くに置かれるので、連続する読出/書込処理および動作環境により、ビット内およびビット間で干渉が起こりやすくなる。この干渉は読出/書込動作を損ない、データ損失をもたらす。
【0037】
磁気層は均一なアイランドの順序付けられたアレイとして設計され、各アイランドは1個のビットを記憶する。これは、ビットパターン化媒体として呼ばれる。連続する磁気層をなくし、ビットを別個の磁気アイランドに制限することにより、干渉を減少させ、面密度を増加させる。
【0038】
しかし、高い面密度のビットパターン媒体(たとえば、>500Gbpsi)は、アイランド内において磁気材の高い異方性を必要とする。
【0039】
方法および媒体構造がここに記載され、本発明の実施例は上記のように、ビットパターン化磁気記録媒体のための異方性を最適し得る。ここに記載される磁気記録媒体は、ディスクドライブメモリシステムなどを含むさまざまなシステムで用いられ得ることは理解される。
【0040】
図10はビットパターン化された媒体を形成するために、本発明の実施例を行なうことができるデータ記憶装置を示す図である。図10はディスクドライブ1000の平面図である。ディスクドライブ1000は、一般にベースプレート1002と、ベースプレート1002上に配置され得るカバー(図示されていない)とを含んで、さまざまなディスクドライブコンポーネント用の囲い込まれたハウジングを規定する。ディスクドライブ1000は、コンピュータ読取可能データ記憶媒体の1つ以上のデータ記憶ディスク1004を含む。典型的には、各データ記憶ディスク1004の両主表面は、データ記憶目的のための複数の同心円的に配置されるトラックを含む。各データ記憶ディスク1004は、ハブまたはスピンドル1006に取付けられ、ハブまたはスピンドル1006はベースプレート1002および/またはカバーと回転可能に相互接続される。複数のデータ記憶ディスク1004は、スピンドル1006に対して典型的には縦に間隔をあけられており、かつ平行な態様で取付けられる。スピンドルモータ1008は、データ記憶ディスク1004を適切な速度で回転させる。
【0041】
ディスクドライブ1000はさらにアクチュエータアームアセンブリ1010を含み、これはピボットベアリング1012を中心として回動し、ベースプレート1002および/またはカバーによって回転可能に支持される。アクチュエータアームアセンブリ1010は1つ以上の個々の剛性アクチュエータアーム1014を含み、アーム1014はピボットベアリング1012近くから外に延在する。複数のアクチュエータアーム1014は典型的に縦方向に間隔があけられている関係で配置され、1つのアクチュエータアーム1014は、ディスクドライブ1000の各データ記憶ディスク1004の各主要データ記憶面に対して設けられる。他の種類のアクチュエータアームアセンブリ構成を用いることもできる。たとえば、共通の構造体から一端が出ている、1つ以上の剛性のアクチュエータアーム先端を有するEブロックのような種類を用いることができる。アクチュエータアームアセンブリ1010の運動は、ボイスコイルモータ1016などのような、アクチュエータアームドライブアセンブリによって行なわれる。ボイスコイルモータ1016は、制御エレクトロニクス1018の指示により、アクチュエータアームアセンブリ1010の動作を制御する磁気アセンブリである。
【0042】
ロードビームまたはサスペンション1020は、各アクチュエータアーム1014の自由端に取付けられ、そこから一端が出ている。典型的に、サスペンション1020は、ばね状の力によって、対応するデータ記憶ディスク1004に一般に偏倚される。スライダ1022は、各サスペンション1020の自由端部に、またはその近くに配置される。一般に読出/書込ヘッド(たとえばトランスデューサ)と呼ばれるものは、スライダ1022の下で、ヘッドユニット(図示されていない)として適切に取付けられ、ディスクドライブの読出/書込動作に用いられる。スライダ1022下のヘッドユニットは、たとえば異方性磁気抵抗(AMR)、巨大磁気抵抗(GMR)、トンネル磁気抵抗(TuMR)や他の磁気抵抗技術、または他の適する技術のようなさまざまな種類のリードセンサ技術を用い得る。
【0043】
スライダ1022下のヘッドユニットは、プリアンプリファイア1026に接続され、アクチュエータアームアセンブリ1010に典型的に取付けられるフレックスケーブル1028により、ディスクドライブ1000の制御エレクトロニクス1018に相互接続される。信号は、ディスクドライブ読出/書込動作のために、ヘッドユニットとその対応するデータ記憶ディスク1004との間でやり取りされる。この点について、ボイスコイルモータ1016を用いてアクチュエータアームアセンブリ1010が回動し、同時にスライダ1022が経路1030に沿って、対応するデータ記憶ディスク1004を移動して、ヘッドユニットをディスクドライブ読出/書込動作のために、データ記憶ディスク1004上に適切に配置する。
【0044】
ディスクドライブ1000が動作していない場合、アクチュエータアームアセンブリ1010は「停留位置」に回動し、各スライダ1022はその対応するデータ記憶ディスク1004の外周あたりまたはその外側に配置されるが、いずれにしてもその対応するデータ記憶ディスク1004に対して縦方向に間隔があけられている。この点について、ディスクドライブ1000はランプアセンブリ1032を含み、ランプアセンブリ1032はデータ記憶ディスク1004の外周の外側に配置されて、対応するスライダ1022をその対応するデータ記憶ディスク1004から縦方向に離れる方向に移動させ、かつアクチュエータアームアセンブリ1010に何らかの保持力を与える。
【0045】
図11は、データ記憶ディスク1004(図10)に用いることができる、垂直磁気記録媒体1100の簡略断面図である。垂直磁気記録媒体1100は、基板1102上に設けられた複数層を含む装置である。シード層1108は、基板に重ねられて形成される層である。ベース層1110は、シード層1108上に重ねられる層である。垂直磁気記録アイランド1112は、ベース層1110内に、かつシード層1108上に形成される記録領域である。
【0046】
基板1102は、当業者にとってハードディスク記憶装置用の磁気記録媒体に有用であると知られている材料から製造することができる。たとえば、基板1102は、リン酸ニッケル(NiP)の層で被覆されたアルミニウム(Al)から製造することができる。しかし、基板1102はガラスや、ガラスセラミックを含むガラス含有材のような他の材料から製造できることは理解されるであろう。基板1102は、平滑な面を有することができ、その上に残りの層を生成することができる。
【0047】
さらなる実施例において、バッファ層1104は基板1102上に重ねられて形成され、軟性下地層1106はバッファ層1104上に重ねられて形成され、シード層1108は軟性下地層1106上に重ねられる。バッファ層1104はタンタル(Ta)のような元素から形成することができる。軟性下地層1106は、たとえばCoZrNb、CoZrTa、FeCoBおよびFeTaCのような軟磁性材から形成することができる。軟性下地層1106は高い透磁率および低い保磁力を有して形成することができる。たとえば、ある実施例において、軟性下地層1106は約10エルステッド(Oe)未満の保磁力および約50以上の透磁率を有する。軟性下地層1106は単一の軟性下地層、または複数の軟性下地層を含むことができ、スペーサによって分離されてもよい。複数の軟性下地層がある場合、軟性下地層は同じまたは異なる軟磁性材から製造され得る。
【0048】
示される実施例において、シード層1108は軟性下地層1106上に配置される。シード層1108は、たとえば物理的気相成長(PVD)、または化学蒸着(CVD)により、たとえばRu、Ir、Pd、Pt、Os、Rh、Au、Agのような貴金属材や他の合金から形成できる。このような材料を用いることにより、垂直磁気記録アイランド1112に所望の成長特性がもたらされる。
【0049】
ここに記載される垂直磁気記録アイランド1112は、本発明の実施例を用いて、ベース層1110内に、およびシード層1108上に形成することができる。たとえば、透明基板110(図7参照)の地形的にパターン化された面124(図7)は、垂直磁気記録アイランド1112の形成の際に用いることができる。垂直磁気記録アイランド1112は、垂直磁気記録媒体1100の面に対して垂直に配向される磁化安易軸(たとえばC軸)を有するよう形成することができる。垂直磁気記録アイランド1112の有用な材料は、六方重密構造(hcp)を有するコバルト系合金を含む。コバルトは、クロム(Cr)、白金(Pt)、ボロン(B)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)およびタンタル(Ta)のような元素で合金することができる。
【0050】
垂直磁気記録媒体1100は、垂直磁気記録アイランド1112および/またはベース層1110の上面上に、たとえば保護炭化層のような保護層(図示されていない)と、保護層上に配置される滑剤層とを含むことができる。これらの層は、開始/停止動作の際に、記録媒体に対するリード/ライトヘッドの相互作用による損傷を減らすよう適合される。
【0051】
図12は、ヘッドユニット1200とともに、垂直磁気記録媒体1100の一部の簡略断面図である。書込処理の際、垂直書込ヘッド1202は、垂直磁気記録媒体1100上を浮動または浮遊する。垂直書込ヘッド1202は、補助極1206に結合される書込極1204を含む。矢印は、磁束1208の経路を示し、磁束は垂直書込ヘッド1202の書込極1204から発せられ、書込極1204下の領域にある少なくとも1つの垂直磁気記録アイランド1112に入って通過し、さらに軟性下地層1106に入ってある距離進む。磁気的に軟性の下地層1106は、ヘッドユニット1200から生じる磁束を記録アイランド1112を通って案内する働きをし、それにより書込性を強化させる。磁束1208が補助極1206に向かって戻ると、磁束1208は消散する。
【0052】
磁束1208は書込極1204に集まり、書込極1204下の垂直磁気記録アイランド1112を、書込極1204からの入力に従い、磁気的に整列させる。磁束1208が補助極1206に戻って消散すると、磁束1208は再び1つ以上の垂直磁気記録アイランド1112に当たり得る。しかし、磁束1208は集まっておらず、垂直磁気記録アイランド1112の磁気的配列を不当に影響することなく、アイランド1112を通過する。
【0053】
説明するために、上記は特定の実施例に基づき記載されている。しかし、示されている説明は本発明を開示されているものに限定または制限する意図はない。上記の教示に鑑み、多くの変形および変更が可能である。実施例は本発明の原理およびその実際の用途を最もよく説明するために選択および記載されており、それにより当業者が企図される特定の使用に適するよう、本発明やさまざまな変形によるさまざまな実施例を使用することが可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インプリントリソグラフィのための方法であって、
材料を伝導性基板のパターン化面上に生成するステップと、
透明基板および前記伝導性基板を互いに押し付け、前記押し付けにより前記材料が前記パターン化面に整合するステップと、
透明基板を通ってエネルギを前記材料に与えて、前記材料からパターン化された材料を形成するステップと、
前記透明基板および前記伝導性基板を分離し、前記パターン化された材料は前記透明基板に貼り付くステップとを備える、方法。
【請求項2】
前記パターン化された材料および前記透明基板をエッチングして、前記パターン化面の陰画像を形成するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パターン化面は剥離材を含み、前記透明基板は接着材を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記伝導性基板はシリコン基板である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記透明基板は石英ガラス基板である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記エネルギを与えることは、熱エネルギを与えることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記エネルギを与えることは、光エネルギを与えることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
インプリントリソグラフィのための方法であって、
レジスト層をシリコン基板の地形的にパターン化された面上に生成するステップと、
実質的に透明な基板の実質的に平坦な面および前記シリコン基板を互いに押し付け、前記押し付けにより前記レジスト層が前記地形的にパターン化された面に整合するステップと、
エネルギを前記実質的に透明な基板を介して前記材料に与えることにより前記レジスト層を硬化させ、前記シリコン基板は前記エネルギの一部を吸収するステップと、
前記実質的に透明な基板および前記シリコン基板を分離し、前記レジスト層は前記実質的に透明な基板の前記実質的に平坦な面に貼り付くステップとを備える、方法。
【請求項9】
前記レジスト層および前記実質的に透明な基板の一部を除去して、前記実質的に透明な基板にパターン化された面を形成するステップをさらに備える、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
非接着材を前記地形的にパターン化された面に与えるステップをさらに備える、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
接着材を前記実質的に透明な基板に与えるステップをさらに備える、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記実質的に透明な基板は石英ガラス基板である、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記エネルギを与えることは、熱エネルギを与えることを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記エネルギを与えることは、紫外線エネルギを与えることを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
インプリントリソグラフィのための装置であって、
シリコン基板の地形的にパターン化された面と、
実質的に透明な基板と、
前記シリコン基板および前記実質的に透明な基板間に配置されるレジスト層とを備え、
前記シリコン基板および前記実質的に透明な基板は、互いに押し付けられるよう使用可能であり、
前記実質的に透明な基板は、エネルギが中を透過できるように使用可能であり、さらに
前記レジスト層は前記実質的に透明な基板に貼り付くよう使用可能である、装置。
【請求項16】
前記実質的に透明な基板はエッチングされて、前記地形的にパターン化された面の陰画像を形成するよう使用可能である、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記地形的にパターン化された面上に配置される剥離材と、前記実質的に透明な基板上に配置される接着材とをさらに備える、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記実質的に透明な基板は石英ガラス基板である、請求項15に記載の装置。
【請求項19】
前記エネルギは熱エネルギである、請求項15に記載の装置。
【請求項20】
前記エネルギは紫外線エネルギである、請求項15に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−151371(P2011−151371A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−273503(P2010−273503)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(500373758)シーゲイト テクノロジー エルエルシー (278)
【Fターム(参考)】