説明

インプリントリソグラフィー方法及びインプリントリソグラフィー装置

【課題】低い圧力で型の凹凸パターンをレジスト層に転写することができ、また正確な形状で転写した凹凸パターンをレジスト層に形成することができるインプリントリソグラフィー方法を提供する。
【解決手段】 RSi(OH)4−n (1)
(式(1)中、RはH又はアルキル基、nは0〜3の整数)
被加工材の表面上の上記一般式(1)のシロキサン成分と有機溶剤との混合溶液1に、この混合溶液1が液体状態を維持している状態で、凹凸パターン3を形成した型4を押圧する。型4を押圧した状態で混合溶液1から有機溶剤を揮発させて、凹凸パターン5が転写されたレジスト層6を被加工材2の表面に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の凹凸パターンを形成した型を押し付けて、凹凸パターンを転写したレジスト層を被加工材の表面に形成するインプリントリソグラフィー方法及びインプリントリソグラフィー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図9は露光法で被加工材2の表面に微細な凹凸12を加工するようにした例を示すものであり、まず図9(a)のように被加工材2の表面にレジスト10を塗布し、次に図9(b)のように露光マスク11を通して露光した後に、現像することによって図9(c)のようにレジスト10を部分的に除去すると共に被加工材2の表面を部分的に露出させ、この後に金属蒸着を行なう。このように金属蒸着を行なうことによって、図9(d)のようにレジスト10の表面と被加工材2の露出された表面に金属13が蒸着される。そしてレジスト10を溶解等して被加工材2の表面から除去することによって、図9(e)のように被加工材2の表面に金属13を部分的にマスクとして残すことができる。この後に、金属13をマスクとしてドライエッチングすることによって、図9(f)のように金属13で被覆されていない被加工材2の表面をエッチングすることができるものであり、被加工材2から金属13を除去することによって、図9(g)のように被加工材2の表面に微細な凹凸12を形成することができるものである。
【0003】
一方、図10はインプリントリソグラフィーによる加工の例を示すものであり、図10(a)のようにレジスト形成材料14を被加工材2の表面に塗布した後、凹凸パターン3を形成した型4を図10(b)のようにレジスト形成材料14に押圧し、レジスト形成材料14を硬化等させた後に型4を取り去ることによって、図10(c)のようにレジスト層6を被加工材2の表面に形成することができるものであり、レジスト層6には型4の凹凸パターン3が転写された凹凸パターン5が形成されている。この後に、凹凸パターン5を形成したレジスト層6をマスクとしてドライエッチングすることによって、図10(d)のように被加工材2の表面に微細な凹凸12を形成することができるものである。
【0004】
上記のようにインプリントリソグラフィーを用いることによって、露光法よりも大幅な工数低減が可能になるものであり、またインプリントリソグラフィーでは非常に微細な凹凸加工が可能になるので、ナノインプリントリソグラフィーとして知られている。
【0005】
このインプリントリソグラフィーにおいて、従来は、レジスト形成材料14として熱可塑性ポリマー、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)が用いられていた(例えば、特許文献1参照)。しかしPMMAをレジスト形成材料14として用いる場合、PMMAを変形可能な温度に加熱しながら型4の押圧を行なう必要があり、またPMMAはエッチング耐性が低いので、PMMAで形成したレジスト層6をマスクとしてドライエッチングする場合、所望の深さや高いアスペクト比の凹凸12をエッチング加工することは困難である。
【0006】
そこで、室温で型4の凹凸パターン3を転写して、耐エッチング性の高いSOG(Spin−On−Glass)でレジスト層6を形成することができるナノインプリントリソグラフィーが提案されている(特許文献2参照)。
【0007】
この特許文献2は、シロキサン成分[RSi(OH)4−n(式中、RはH又はアルキル基、nは0〜3の整数)]と有機溶剤との混合溶液1をレジスト形成材料14として被加工材2の表面にスピンコートし(後述の図8(a)参照)、この混合溶液1からなるレジスト形成材料14に室温で、凹凸パターン3を形成した型4を押圧し(後述の図8(b)参照)、レジスト形成材料14を硬化させた後に型4を取り除くことによって、凹凸パターン5が転写形成されたレジスト層6を被加工材2の表面に形成するようにしたものである(後述の図8(c)参照)。
【特許文献1】米国特許第5772905号明細書
【特許文献2】特開2003−100609号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし特許文献2のものでは、シロキサン成分と有機溶剤との混合溶液1を被加工材2の表面にスピンコートした後に型4を押圧するようにしているので、混合溶液1中の有機溶剤が殆ど揮発して固化状態になっている。このために、型4を押圧して型4の凹凸パターン3を転写させるためには、数十MPa以上の高い転写圧が必要であり、数インチ以上の大面積で形状転写するためには通常のプレス装置(2トンクラスのナノインプリンターやホットエンボス装置)では対応が困難であり、実用性に問題があった。また型4の凹凸パターン3をレジスト層6に正確に転写させることは困難であり、例えば深いピラミッドアレイ形状の凹凸パターン5をレジスト層6に転写して形成することは特に困難であるという問題があった。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、低い圧力で型の凹凸パターンを転写することができ、また正確な形状で転写した凹凸パターンをレジスト層に形成することができるインプリントリソグラフィー方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の請求項1に係るインプリントリソグラフィー方法は、
Si(OH)4−n (1)
(式(1)中、RはH又はアルキル基、nは0〜3の整数)
被加工材2の表面上の上記一般式(1)のシロキサン成分と有機溶剤との混合溶液1に、この混合溶液1が液体状態を維持している状態で、凹凸パターン3を形成した型4を押圧し、型4を押圧した状態で混合溶液1から有機溶剤を揮発させて、凹凸パターン5が転写されたレジスト層6を被加工材2の表面に形成することを特徴とするものである。
【0011】
この発明によれば、シロキサン成分と有機溶剤との混合溶液1が液体状態を維持している状態で型4を押圧して凹凸パターン3を転写するようにしているために、液体状態の混合溶液1は型4の凹凸パターン3に良好に馴染み、低い圧力で型4の凹凸パターン3を転写することができるものであり、また正確な形状で転写した凹凸パターン5をレジスト層6に形成することができるものである。
【0012】
また、請求項2の発明は、請求項1において、上記一般式(1)のシロキサン成分と有機溶剤との混合溶液1を被加工材2の表面に供給し、被加工材2の表面の混合溶液1が液体状態である間に、凹凸パターン3を形成した型4を混合溶液1に押圧し、型4を押圧した状態で混合溶液1から有機溶剤を揮発させて、凹凸パターン5が転写されたレジスト層6を被加工材2の表面に形成することを特徴とするものである。
【0013】
この発明によれば、シロキサン成分と有機溶剤との混合溶液1が液体状態の間に型4を押圧して凹凸パターン3を転写するようにしているために、液体状態の混合溶液1は型4の凹凸パターン3に良好に馴染み、低い圧力で型4の凹凸パターン3を転写することができるものであり、また正確な形状で転写した凹凸パターン5をレジスト層6に形成することができるものである。
【0014】
また、請求項3の発明は、請求項2において、上記一般式(1)のシロキサン成分と有機溶剤との混合溶液1を被加工材2の表面に供給した後、この混合溶液1に有機溶剤17を加えて液体状態を維持させた状態で、凹凸パターン3を形成した型4を混合溶液1に押圧し、型4を押圧した状態で混合溶液1から有機溶剤を揮発させて、凹凸パターン5が転写されたレジスト層6を被加工材2の表面に形成することを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、混合溶液1を被加工材2の表面に供給した後、型4を押圧するまでの間の混合溶液1からの有機溶剤の揮発量が多くなっても、この混合溶液1に有機溶剤17を加えることで液体状態を維持することができ、特に被加工材2における混合溶液1を供給する領域の面積が大面積である場合などにスピンコートを採用することで混合溶液1からの有機溶剤の揮発量が多くなってしまう場合であっても、シロキサン成分と有機溶剤との混合溶液1を液体状態にして型4を押圧して凹凸パターン3を転写することができて、液体状態の混合溶液1は型4の凹凸パターン3に良好に馴染み、低い圧力で型4の凹凸パターン3を転写することができるものであり、また正確な形状で転写した凹凸パターン5をレジスト層6に形成することができるものである。
【0016】
また、請求項4の発明は、請求項3において、上記一般式(1)のシロキサン成分と有機溶剤との混合溶液1を被加工材2の表面に供給し、凹凸パターン3を形成した型4に有機溶剤17を塗布した後、この型4を混合溶液1に押圧することで、混合溶液1に有機溶剤17を加えた状態で凹凸パターン3を形成した型4により混合溶液1を押圧することを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、型4に散布した有機溶剤17を型の押圧の際に混合溶液1に加えることができるものである。
【0018】
また請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項において、型4を押圧した状態で加熱することによって、混合溶液1から有機溶剤を揮発させることを特徴とするものである。
【0019】
この発明によれば、有機溶剤を短時間で揮発させることができ、生産性を向上することができるものである。
【0020】
また請求項6の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項において、型4を押圧した状態で、型押しをする雰囲気を減圧することによって、混合溶液1から有機溶剤を揮発させることを特徴とするものである。
【0021】
この発明によれば、有機溶剤を短時間で揮発させることができ、生産性を向上することができるものである。
【0022】
また請求項7の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項において、型4を押圧した状態で、型押しをする雰囲気を減圧しながら加熱することによって、混合溶液1から有機溶剤を揮発させることを特徴とするものである。
【0023】
この発明によれば、有機溶剤を短時間で揮発させることができ、生産性を向上することができるものである。
【0024】
また請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれか一項において、被加工材2が、半導体発光素子7の基板8であることを特徴とするものである。
【0025】
本発明によれば、上記のように低い圧力の転写でレジスト層6に凹凸パターン5を形成することができるので、半導体発光素子7に与えるダメージを低減することができるものである。
【0026】
請求項9に係るインプリントリソグラフィー装置は、請求項2又は3に記載の方法にて凹凸パターン5が転写されたレジスト層6を被加工材2の表面に形成するためのインプリントリソグラフィー装置であって、
Si(OH)4−n (1)
(式(1)中、RはH又はアルキル基、nは0〜3の整数)
被加工材の表面に供給された上記一般式(1)のシロキサン成分と有機溶剤との混合溶液1と、凹凸パターン3を形成した型4のうち、少なくとも一方に対して有機溶剤17を散布する溶剤散布手段と、前記混合溶液1に凹凸パターン3を形成した型4を押圧する型押圧手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、液体状態の混合溶液1に対して低い圧力で型4の凹凸パターン3を転写することができるものであり、また正確な形状で転写した凹凸パターン5をレジスト層6に形成することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0029】
本発明はレジスト形成材料14として、一般式が
Si(OH)4−n (1)
のシロキサン成分と有機溶剤との混合溶液1を用いるものである。一般式(1)においてRはH又はアルキル基を示すものであり、アルキル基は特に限定されるものではないが炭素数が1〜4のものであることが望ましい。また一般式(1)においてnは0〜3の整数である。このシロキサン成分としては、例えば水素化シルセスキオキサンポリマーを用いることができる。
【0030】
また有機溶剤としては、アルコール、エステル、ケトンあるいはこれらの混合物を主成分とするものを用いることができる。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノールなどを、エステルとしては、例えば、RCOOR(R,Rは炭素数4以下の低級アルキル基)で表されるエステル類、ケトンとしては、例えばアセチルアセトンなどを挙げることができる。
【0031】
本発明において混合溶液1中のシロキサン成分と有機溶剤との混合比率は特に限定されるものではないが、シロキサン成分の濃度が5〜20質量%の範囲になるように調整するのが好ましい。
【0032】
図1は本発明におけるインプリントリソグラフィーの工法を示すものであり、まず図1(a)のように被加工材2の表面に混合溶液1を供給する。被加工材2の表面への混合溶液1の供給は、混合溶液1を被加工材2の表面に滴下したり、混合溶液1を被加工材2の表面にフローコートなど任意の方法で塗布したりすることによって行なうことができる。このようにレジスト形成材料14として混合溶液1を被加工材2の表面に供給した後、混合溶液1から有機溶剤が揮発する前の液体状態である間に、図1(b)のように凹凸パターン3を形成した型4を、凹凸パターン3の側の面で混合溶液1からなるレジスト形成材料14の表面に押圧する。レジスト形成材料14は液体状態であって流動性を有するので、型4を型押することによって、レジスト形成材料14は被加工材2の表面に均一な厚みに押し広げられると共に型4の凹凸パターン3がレジスト形成材料14に深く入り込み、レジスト形成材料14の表面部に凹凸パターン3が転写される。次に、このように型4で型押しした状態を保持したまま、レジスト形成材料14である混合溶液1から有機溶剤を揮発させて固化させる。
【0033】
このように型4で型押しした状態で混合溶液1から有機溶剤を揮発させるにあたっては、型4を押した状態のままで加熱することによって行なうことができる。例えば、型4を押した状態で室温から数十℃〜100℃程度まで徐々に型4を加熱し、この状態を数分から十数分程度保持することによって、有機溶剤を揮発させることができるものである。このように加熱によって有機溶剤を短時間で揮発させることができ、生産性を向上することができるものである。
【0034】
また、型4を押圧した状態で、型押しをする雰囲気を減圧することによって、有機溶剤を短時間で揮発させるようにすることもできる。この場合には、加熱することなく有機溶剤を揮発させることができ、加熱を行なうことによる型4の熱膨張で転写に形状誤差が生じることを低減することができるものである。
【0035】
さらに、型4を押圧した状態で、型押しをする雰囲気を減圧しながら加熱することによって、有機溶剤を揮発させることもできる。この場合には減圧と加熱の併用によって、有機溶剤をより短時間で揮発させることができるものであり、生産性をより向上することができるものである。
【0036】
そして必要に応じて加熱処理してシロキサン成分を硬化させた後に、型4を外すことによって、図1(c)のような、型4の凹凸パターン3の転写によって形成された凹凸パターン5を有する、SiOからなるレジスト層6を被加工材2の表面に形成することができるものである。
【0037】
ここで上記のように、型4による型押しは、混合溶液1からなるレジスト形成材料14が液体状態であって流動性を有する間に行なうので、数MPaから20MPa程度以下の低い圧力で加圧することによって型4の凹凸パターン3を転写することが可能になるものである。また型4の凹凸パターン3は液体状態のレジスト形成材料14に深く入り込むので、数μm程度の深い凹凸であっても転写することができるものであり、正確な形状の凹凸パターン3をレジスト層6に形成することができるものである。さらにこのように型4の凹凸パターン3が液体状態のレジスト形成材料14に深く入り込むので、型4の凹凸パターン3がレジスト形成材料14に入り込まないで凹凸パターン5が形成されない部分としてレジスト層6の被加工材2の側に残る残査Rの厚みを小さくすることができるものである。
【0038】
図2は本発明におけるインプリントリソグラフィーの他の工法を示す。被加工材2の表面への混合溶液1の供給は、図1の場合と同様に滴下、フローコートなど任意の方法を適用することができるが、特に被加工材2上の大面積の領域に対して混合溶液1を供給する場合には、スピンコートを採用することが好ましい。
【0039】
この被加工材2に供給された混合溶液1に対し、型4を押圧する前に、有機溶剤17を加える。この有機溶剤17は、混合溶液1を調製するために用いたものと同一のものを使用する。有機溶剤17を加える方法は特に制限されないが、例えば被加工材2上の混合溶液1の表面に有機溶剤17をスプレー等により散布することができる。有機溶剤17を加える量は特に制限されないが、混合溶液1を塗布する間における混合溶液1からの有機溶剤の揮発量に応じて、被加工材2上の混合溶液1におけるシロキサン成分の濃度が5〜20質量%の範囲になるようにすることが好ましい。
【0040】
その後は、図1に示す場合と同様に型4の押圧及び混合溶液1からの有機溶剤の揮発を行い、また必要に応じて加熱処理してシロキサン成分を硬化させて、型4の凹凸パターン3の転写によって形成された凹凸パターン5を有する、SiOからなるレジスト層6を被加工材2の表面に形成することができるものである。
【0041】
このようにすると、被加工材2に混合溶液1を供給した後、型4を押圧するまでの間の混合溶液1からの有機溶剤の揮発量が多い場合であっても、型4を押圧する前に混合溶液1に有機溶剤17を補給することによって混合溶液1を液体状態に維持することができ、このように液体状態であって流動性を有する状態で型4を型押しすることができる。このため、特に被加工材2における混合溶液1を供給する領域の面積が大面積である場合などにスピンコートを採用することで混合溶液1からの有機溶剤の揮発量が多くなってしまう場合であっても、混合溶液1を液体状態として型4を押圧して凹凸パターン3を転写することができるものである。
【0042】
図3は本発明におけるインプリントリソグラフィーの更に他の工法を示す。被加工材2の表面への混合溶液1の供給は、図1の場合と同様に滴下、フローコートなど任意の方法を適用することができるが、図2に示す場合と同様に特に被加工材2上の大面積の領域に対して混合溶液1を供給する場合には、スピンコートを採用することが好ましい。
【0043】
一方、型4には、混合溶液1を押圧する面、すなわち凹凸パターン3を有する面に、有機溶剤17を塗布しておく。この有機溶剤17は、混合溶液1を調製するために用いたものと同一のものを使用する。有機溶剤17を塗布する方法は特に制限されないが、例えば型4の凹凸パターン3を有する面に有機溶剤17をスプレー等により散布することができる。有機溶剤17の塗布量は特に制限されないが、混合溶液1を塗布する間における混合溶液1からの有機溶剤の揮発量に応じて、型4に塗布された有機溶剤17が被加工材2上の混合溶液1に加えられた場合にこの混合溶液1におけるシロキサン成分の濃度が5〜20質量%の範囲になるようにすることが好ましい。
【0044】
また、有機溶剤17を型4だけでなく、図2に示す工法と同様にして混合溶液1にも散布しても良い。この場合、有機溶媒が散布された混合溶液1に更に、型4に塗布された有機溶剤17が加えられた場合にこの混合溶液1におけるシロキサン成分の濃度が5〜20質量%の範囲になるようにすることが好ましい。
【0045】
そして、有機溶剤17が塗布された型4を、凹凸パターン3の側の面で混合溶液1からなるレジスト形成材料14の表面に押圧する。このとき、型4は混合溶液1側に向けて徐々に加圧されるようにすることで、型4に塗布された有機溶剤17が混合溶液1へ浸透するようにして、混合溶液1に有機溶剤17が加えられるようにする。そして、このように混合溶液1に有機溶剤17が加えられることでレジスト形成材料14が液体状態であって流動性を有することとなり、この状態で型4を型押しすることとなる。このため、レジスト形成材料14は被加工材2の表面に均一な厚みに押し広げられると共に型4の凹凸パターン3がレジスト形成材料14に深く入り込み、レジスト形成材料14の表面部に凹凸パターン3が転写される。次に、図1に示す場合と同様に、型4で型押しした状態を保持したまま、レジスト形成材料14である混合溶液1から有機溶剤を揮発させて固化させる。
【0046】
このようにすると、図2に示す場合と同様に、被加工材2に混合溶液1を供給した後、型4を押圧するまでの間の混合溶液1からの有機溶剤の揮発量が多い場合であっても、型4を押圧する際に混合溶液1に有機溶剤17を補給することによって混合溶液1を液体状態に維持することができ、このように液体状態であって流動性を有する状態で型4を型押しすることができる。このため、特に被加工材2における混合溶液1を供給する領域の面積が大面積である場合などにスピンコートを採用することで混合溶液1からの有機溶剤の揮発量が多くなってしまう場合であっても、混合溶液1を液体状態として型4を押圧して凹凸パターン3を転写することができるものである。
【0047】
図4は、被加工材2として半導体発光素子7の基板8を用い、本発明のインプリントリソグラフィーで凹凸パターン5を設けたレジスト層6を基板8の表面に形成し、この凹凸パターン5を設けたレジスト層6をマスクとして、基板8の表面に微細な凹凸12をエッチング加工するようにした例を示すものである。半導体発光素子7は例えば、サファイア基板等の基板8の片面にGaN系等の発光部16を設けたGaN系青色LEDチップとして形成されるものであり、半導体発光素子7の発光効率を向上するために、基板8の発光部16と反対側の光取り出し面に微細な凹凸12を形成するようにしたものである。
【0048】
すなわちまず図4(a)のように、基板8の発光部16と反対側の表面を上にして、基板8のこの表面に図1に示す場合と同様にしてシロキサン成分と有機溶剤との混合溶液1を供給し、基板8に形成する微細凹凸12に応じて設計した凹凸パターン3を下面に形成した型4を図4(b)のように位置合わせして配置し、混合溶液1から有機溶剤が揮発する前の液体状態である間に、図4(c)のようにこの型4を凹凸パターン3の側の面で混合溶液1からなるレジスト形成材料14の表面に押圧する。次に型4で型押しした状態を保持したまま、レジスト形成材料14である混合溶液1から有機溶剤を揮発させて固化させた後に、型4を外すことによって、図4(d)のように、型4の凹凸パターン3の転写によって形成された凹凸パターン5を有するレジスト層6を基板8の表面に形成することができるものである。そして、この凹凸パターン5を有するレジスト層6をマスクとして異方性ドライエッチングをすることによって、図4(e)のような、微細な凹凸12を基板8の表面に形成することができるものである。
【0049】
このようにして半導体発光素子7の基板8に微細な凹凸12をエッチング形成するために、基板8の表面にインプリントリソグラフィーで凹凸パターン5を設けたレジスト層6を形成するにあたって、型4による型押しは、上記のように数MPaから20MPa程度以下の低い圧力での加圧で行なうことができるので、型4による型押しをする際の加圧で、発光部16がダメージを受けることを低減することができるものであり、半導体発光素子7の発光効率が低下することを防ぐことができるものである。
【0050】
また、この図4に示す例においては、図2に示す場合と同様にしてシロキサン成分と有機溶剤との混合溶液1を基板8に供給した後、この混合溶液1に有機溶剤17を加え、更に型4を図4(b)のように位置合わせして配置し、有機溶剤17が補給されて混合溶液1が液体状態となっている状態で、図4(c)のようにこの型4を凹凸パターン3の側の面で混合溶液1からなるレジスト形成材料14の表面に押圧することもできる。
【0051】
また、この図4に示す例においては、図3に示す場合と同様にしてシロキサン成分と有機溶剤との混合溶液1を基板8に供給し、一方、型4の凹凸パターン3を形成した面に有機溶剤17を塗布し、型4を図4(b)のように位置合わせして配置し、この型4を凹凸パターン3の側の面で混合溶液1からなるレジスト形成材料14の表面に押圧することで、この押圧の際に混合溶液1に有機溶剤17を補給することができ、混合溶液1が液体状態となっている状態で、図4(c)のようにこの型4を凹凸パターン3の側の面で混合溶液1からなるレジスト形成材料14の表面に押圧することもできる。
【0052】
図5は、図2に示すようなインプリントリソグラフィーの工法を用いて凹凸パターンが転写されたレジスト層を被加工材2の表面に形成するためのインプリントリソグラフィー装置の概略構成を示す。図示の装置では、吸引ポンプ等に接続されるなどして内部を減圧可能な容器18内に、型押圧手段としてプレス装置が設けられている。プレス装置は互いに対向する一対の支持盤19により構成されており、少なくとも一方の支持盤19は他方の支持盤19に向けて進退駆動可能に形成されている。各支持盤19には、被加工材2と型4とがそれぞれ取着されて支持される。型4を支持する支持盤19には、この型4を加熱するためのヒータ等の加熱手段を設けても良い。また、溶剤散布手段として、有機溶剤17を貯留するタンク20と、このタンク20内の有機溶剤17を噴射するノズル21とが設けられている。ノズル21は容器18内に配設され、有機溶剤17を支持盤19に支持された被加工材2上における混合溶液1に向けて噴射して散布する。ノズル21は適宜のアクチュエータ等により駆動可能に形成され、駆動することで混合溶液1の全面に亘って有機溶剤17を散布することができるようになっている。
【0053】
このように構成される装置では、混合溶液1が供給された被加工材2と、型4とをそれぞれ被加工材2の混合溶液1が供給されている面と型4の凹凸パターン3が形成されている面とが間隔をあけて対向するようにそれぞれ各支持盤19に取着して支持する。この状態で、まず溶剤散布手段のノズル21から有機溶剤17を噴射して散布すると共にこのノズル21を駆動することで有機溶剤17を被加工材2上の混合溶液1の全面に亘って散布する。次いで、プレス装置を各支持盤19同士が近接する方向に駆動して型4の凹凸パターン3の側の面で混合溶液1からなるレジスト形成材料14の表面を押圧する。また、このように型4で型押しした状態で加熱手段であるヒータにて型4を加熱することで、型4を例えば室温から数十℃〜100℃程度まで徐々に加熱し、この状態を数分から十数分程度保持することによって、混合溶液1から有機溶剤を揮発させることができる。また、型4を押圧した状態で容器18に接続された吸引ポンプ等を作動させるなどして容器18内部の雰囲気を雰囲気を減圧することによって、有機溶剤を短時間で揮発させるようにすることもできる。この場合には、加熱手段を作動させることなく有機溶剤を揮発させることができ、或いは同時に加熱手段を作動させて加熱を行うことにより減圧と加熱の併用によって、有機溶剤をより短時間で揮発させることもできる。
【0054】
このようにして、図2に示すような工法にて凹凸パターンが転写されたレジスト層を被加工材2の表面に形成することができる。
【0055】
また、このインプリントリソグラフィー装置においては、溶剤散布手段として、支持盤19に支持された型4の凹凸パターン3が形成された面に向けて有機溶剤17を散布するものを設けることで、図3に示すようなインプリントリソグラフィーの工法を用いて凹凸パターンが転写されたレジスト層を被加工材2の表面に形成するためのインプリントリソグラフィー装置として構成しても良い。このとき、例えば溶剤散布手段のノズル21を容器18内に配設し、このノズル21を適宜のアクチュエータ等により駆動可能に形成し、このノズル21が駆動することで型4の凹凸パターン3が形成された面の全面に亘って有機溶剤17を散布することができるようにする。また、この溶剤散布手段としては、更にノズル21を駆動することにより被加工材2上の混合溶液1の全面に亘って有機溶剤17を散布することができるものを設けても良い。
【0056】
この場合、混合溶液1が供給された被加工材2と、型4とをそれぞれ被加工材2の混合溶液1が供給されている面と型4の凹凸パターン3が形成されている面とが間隔をあけて対向するようにそれぞれ各支持盤19に取着して支持する。この状態で、まず溶剤散布手段のノズル21から有機溶剤17を噴射して散布すると共にこのノズル21を駆動することで有機溶剤17を型4の凹凸パターン3が形成された面の全面に亘って散布する。また、更にこの溶剤散布手段にて被加工材2上の混合溶液1の全面に亘って有機溶剤17を散布しても良い。
【0057】
その後は、上記と同様の動作をすることにより、図3に示す様な工法にて、凹凸パターンが転写されたレジスト層を被加工材2の表面に形成することができる。
【実施例】
【0058】
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0059】
(実施例1)
式(1)のシロキサン成分と有機溶剤との混合溶液1として、水素化シルセルキオキサンポリマー(HSQ)をメチルイソブチルケトン(MIBK)に溶解したダウコーニング社の商品名「FOX」(密度1.5g/cm)を用い、この混合溶液1をSi基板からなる被加工材2の表面に滴下した(図1(a)参照)。次に、この混合溶液1が流動性を有する液体状態のうちに、3.5μmピッチのピラミッドアレイ状の凹凸パターン3を形成したSi(Niでもよい)からなる型4を、10MPaの圧力で型押しした(図1(b)参照)。そしてこのように型4で型押しした状態で100℃まで型4を昇温させ、この状態を30分間保持した後、型4を外すことによって、凹凸パターン5が転写して形成されたレジスト層6を被加工材2の表面に形成した(図1(c)参照)。
【0060】
このようにして得られたレジスト層6を顕微鏡で観察したところ、レジスト層6の凹凸パターン4は図6(a)の顕微鏡写真に示すように、頂部が四角錐状に尖ったシャープなピラミッド形状の凸部が並んだピラミッドアレイとして形成されており、型4の凹凸パターン3が正確に転写された形状であった。またレジスト層6の残査Rの厚みは10nmであった。
【0061】
(比較例1)
実施例1と同じ組成の混合溶液1を用い、Si基板からなる被加工材2の表面にスピンコートした(図8(a)参照)。このようにスピンコートすることによって、混合溶液1から有機溶剤が揮散し、混合溶液1からなるレジスト形成材料14の膜は固化して流動性を有しない状態になっていた。次に実施例1と同様に3.5μmピッチのピラミッドアレイ状の凹凸パターン3を形成した型4を150MPaの圧力で型押しした(図8(b)参照)。そしてこのように型4で型押しした後に、型4を外すことによって、凹凸パターン4が転写して形成されたレジスト層6を被加工材2の表面に形成した(図8(c)参照)。
【0062】
このようにして得られたレジスト層6を顕微鏡で観察したところ、レジスト層6の凹凸パターン5は図6(b)の顕微鏡写真に示すように、頂部が球面状となった断面台形状の凸部が並んだ形状として形成されており、型4の凹凸パターン3のピラミッドアレイは正確に転写されていないものであった。
【0063】
(実施例2)
実施例1と同じ混合溶液1をSi基板からなる被加工材2の表面に滴下し、この混合溶液1が流動性を有する液体状態のうちに、矩形断面の突条を平行に複数列設した形状の凹凸パターン3を形成した型4を1MPaの圧力で型押しした。そしてこのように型4で型押しした状態で90℃まで型4を昇温させ、この状態を30分間保持した後、型4を離型することによって、矩形断面の突条を平行に複数列設した形状の凹凸パターン5が転写して形成されたレジスト層6を被加工材2の表面に形成した。
【0064】
このようにして得られたレジスト層6の顕微鏡写真を図7(a)(b)に示す。図7(a)は凹凸パターン5の突条5aを線幅150nm、ピッチ300nmで形成するようにしたものであり、残査は10nm以下であった。また図7(b)は凹凸パターン5の突条5aを線幅25nm、ピッチ75nmの微細パターンとして形成するようにしたものであるが、このものでも残査なく凹凸パターン5を形成することができた。
【0065】
(比較例2)
実施例1と同じ組成の混合溶液1を用い、Si基板からなる被加工材2の表面にスピンコートした。このようにスピンコートすることによって、混合溶液1から有機溶剤が揮散し、混合溶液1からなるレジスト形成材料14の膜は固化して流動性を有しない状態になっていた。次に実施例2と同様に矩形断面の突条を平行に複数列設した形状の凹凸パターン3を形成した型4を15MPaの圧力で型押しした後に、型4を離型することによって、凹凸パターン5が転写して形成されたレジスト層6を被加工材2の表面に形成した。
【0066】
このようにして得られたレジスト層6の顕微鏡写真を図7(c)に示す。図7(c)は凹凸パターン5の突条5aを線幅150nm、ピッチ300nmで形成するようにしたものであり、残査Rは200nmと大きく生じるものであった。
【0067】
(実施例3)
実施例1と同じ混合溶液1を、実施例1と同じ被加工材2の表面にスピンコートにより塗布した(図2(a)参照)。次に、この被加工材2上の混合溶液1の表面に全面に亘って、有機溶剤17としてメチルイソブチルケトン(MIBK)をスプレー噴射し、この混合溶液1を流動性を有する液体状態とした(図2(b)参照)。この状態で、実施例1と同一の型4を、10MPaの圧力で型押しした(図2(c)参照)。そしてこのように型4で型押しした状態で100℃まで型4を昇温させ、この状態を30分間保持した後、型4を外すことによって、凹凸パターン5が転写して形成されたレジスト層6を被加工材2の表面に形成した(図2(d)参照)。
【0068】
このようにして得られたレジスト層6を顕微鏡で観察したところ、レジスト層6の凹凸パターン4は図6(a)の顕微鏡写真に示すものと同様に、頂部が四角錐状に尖ったシャープなピラミッド形状の凸部が並んだピラミッドアレイとして形成されており、型4の凹凸パターン3が正確に転写された形状であった。またレジスト層6の残査Rの厚みは約20nmであった。
【0069】
(実施例4)
実施例1と同じ混合溶液1をSi基板からなる被加工材2の表面にスピンコートにより塗布し、この被加工材2上の混合溶液1の表面に全面に亘って、有機溶剤17としてメチルイソブチルケトン(MIBK)をスプレー噴射し、この混合溶液1を流動性を有する液体状態とした。この状態で、実施例2と同じ型4を1MPaの圧力で型押しした。そしてこのように型4で型押しした状態で90℃まで型4を昇温させ、この状態を30分間保持した後、型4を離型することによって、矩形断面の突条を平行に複数列設した形状の凹凸パターン5が転写して形成されたレジスト層6を被加工材2の表面に形成した。
【0070】
このようにして得られたレジスト層6は、図7(a)(b)に示すものと同様に凹凸パターン5の突条5aを微細パターンとして形成すると共にこの凹凸パターン5を残査なく形成することができた。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)乃至(c)はそれぞれ概略断面図である。
【図2】本発明の実施の形態の他例を示すものであり、(a)乃至(d)はそれぞれ概略断面図である。
【図3】本発明の実施の形態の更に他例を示すものであり、(a)乃至(d)はそれぞれ概略断面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態の一例を示すものであり、(a)乃至(e)はそれぞれ概略断面図である。
【図5】本発明の更に他の実施の形態の一例を示す概略断面図である。
【図6】(a)(b)はそれぞれ顕微鏡写真である。
【図7】(a)乃至(c)はそれぞれ顕微鏡写真である。
【図8】比較例1の工法を示すものであり、(a)乃至(c)はそれぞれ概略断面図である。
【図9】露光法による工法を示すものであり、(a)乃至(g)はそれぞれ概略断面図である。
【図10】インプリントリソグラフィーによる工法を示すものであり、(a)乃至(d)はそれぞれ概略断面図である。
【符号の説明】
【0072】
1 混合溶液
2 被加工材
3 凹凸パターン
4 型
5 凹凸パターン
6 レジスト層
7 半導体発光素子
8 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Si(OH)4−n (1)
(式(1)中、RはH又はアルキル基、nは0〜3の整数)
被加工材の表面上の上記一般式(1)のシロキサン成分と有機溶剤との混合溶液に、この混合溶液が液体状態を維持している状態で、凹凸パターンを形成した型を押圧し、型を押圧した状態で混合溶液から有機溶剤を揮発させて、凹凸パターンが転写されたレジスト層を被加工材の表面に形成することを特徴とするインプリントリソグラフィー方法。
【請求項2】
上記一般式(1)のシロキサン成分と有機溶剤との混合溶液を被加工材の表面に供給し、被加工材の表面の混合溶液が液体状態である間に、凹凸パターンを形成した型を混合溶液に押圧し、型を押圧した状態で混合溶液から有機溶剤を揮発させて、凹凸パターンが転写されたレジスト層を被加工材の表面に形成することを特徴とする請求項1に記載のインプリントリソグラフィー方法。
【請求項3】
上記一般式(1)のシロキサン成分と有機溶剤との混合溶液を被加工材の表面に供給した後、この混合溶液に有機溶剤を加えて液体状態を維持させた状態で、凹凸パターンを形成した型を混合溶液に押圧し、型を押圧した状態で混合溶液から有機溶剤を揮発させて、凹凸パターンが転写されたレジスト層を被加工材の表面に形成することを特徴とする請求項1に記載のインプリントリソグラフィー方法。
【請求項4】
上記一般式(1)のシロキサン成分と有機溶剤との混合溶液を被加工材の表面に供給し、凹凸パターンを形成した型に有機溶剤を塗布した後、この型を混合溶液に押圧することで、混合溶液に有機溶剤を加えた状態で凹凸パターンを形成した型により混合溶液を押圧することを特徴とする請求項3に記載のインプリントリソグラフィー方法。
【請求項5】
型を押圧した状態で加熱することによって、混合溶液から有機溶剤を揮発させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のインプリントリソグラフィー方法。
【請求項6】
型を押圧した状態で、型押しをする雰囲気を減圧することによって、混合溶液から有機溶剤を揮発させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに一項に記載のインプリントリソグラフィー方法。
【請求項7】
型を押圧した状態で、型押しをする雰囲気を減圧しながら加熱することによって、混合溶液から有機溶剤を揮発させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のインプリントリソグラフィー方法。
【請求項8】
被加工材が、半導体発光素子の基板であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のインプリントリソグラフィー方法。
【請求項9】
請求項2又は3に記載の方法にて凹凸パターンが転写されたレジスト層を被加工材の表面に形成するためのインプリントリソグラフィー装置であって、
Si(OH)4−n (1)
(式(1)中、RはH又はアルキル基、nは0〜3の整数)
被加工材の表面に供給された上記一般式(1)のシロキサン成分と有機溶剤との混合溶液と、凹凸パターンを形成した型のうち、少なくとも一方に対して有機溶剤を散布する溶剤散布手段と、前記混合溶液に凹凸パターンを形成した型を押圧する型押圧手段とを備えることを特徴とするインプリントリソグラフィー装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2007−258669(P2007−258669A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−291762(P2006−291762)
【出願日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】