説明

インプリント用モールド及びその製造方法並びに樹脂成形品またはガラス成形品の製造方法。

【課題】モールドにおける剥離層の形成やモールド表面のメンテナンスが不要であるインプリント用モールド及びその製造方法並びに樹脂成形品またはガラス成形品の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】表面に凹部2と凸部3とを有するインプリント用モールド1であって、凸部3または凹部2の側面5には凸部3の頂面4側から凹部2の底面6側へ向けて溝7が設けられているインプリント用モールド1とする。また、インプリント用モールド1の製造方法については、乾式エッチング方法、湿式エッチング方法、乾式エッチング方法と湿式エッチング方法とを併用する混合エッチング方法のいずれか一の方法によりインプリント用モールド1母材をエッチングする第1の工程と、第1の工程の後にガスクラスターイオンビームをインプリント用モールド1母材へ照射する第2の工程と、を含むインプリント用モールド1の製造方法とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インプリント法によるパターン形成に利用されるインプリント用モールド及びその製造方法並びに樹脂成形品またはガラス成形品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造分野において注目されている次世代リソグラフィ技術の一つとして、インプリント(リソグラフィ)法が挙げられる。インプリント法とは、最終的に転写すべきパターンの凹凸反転像に対応するパターンが形成されたモールドと呼ばれる型(金型、原版、スタンパ)を、レジスト等のパターン形成したい樹脂を塗布した基板の型押しを行い、その状態で熱あるいは紫外線などによって材料を硬化させることでパターン転写する方法である。その種類には、樹脂の硬化を熱により行う熱インプリント法や紫外線により樹脂の硬化を行う光インプリント法などがある。最近では、非常に簡易なプロセスで微細なパターンを大量に製造できることから、バイオテクノロジー分野でも注目されており、細胞スクリーニングチップの製造にも使用されている。
【0003】
しかし、インプリント法を利用した転写を行う場合には、モールドまたは型押しされる樹脂の表面エネルギーが大きいためにモールドと樹脂との間で付着や摩擦が発生して、通常のインプリント工程であってもモールドと基板上に生成したレジスト等の樹脂パターンとの離型性が低下するために樹脂がモールドと共に剥離したり、変形したりするという問題があった。
【0004】
そこで、特許文献1ではモールドと樹脂との離型性を向上させるためにフッ素原子を含むプラズマ処理によりフッ素ポリマーを表面に堆積させる疎水化処理やアルゴンガスによるモールドの表面非平滑化処理よる離型性に優れた方法が開示されている。
【0005】
また、特許文献2ではモールド側に樹脂を塗布して、ガラス転移温度以下の状態でモールドと転写基板とを圧着させて、引き離すことによりモールドの凸部の樹脂を選択的に基板に転写するRIL(リバーサルインプリントリソグラフィー)法において、選択的に離型性を高める方法が開示されている。
【0006】
さらに、特許文献3では凹凸パターンから形成されるインプリント用モールドの凸部表面に基板表面と平行な溝を形成して、凹凸パターンをほぼ垂直な方向や傾斜方向に離型することのできるインプリント用モールドの製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−77807号公報
【特許文献2】特開2008−179034号公報
【特許文献3】特開2009−101671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1および2に開示された方法では剥離層の再形成が煩雑であり、再形成の時期を誤ると再度剥離層を形成する必要があり、連続した成形が困難となるので、モールドの製作工数および製作費用が増加するという問題があった。また、特許文献3に開示された方法ではモールドを成形品から垂直に離型できず、もし強引に離型しようとすると樹脂層の面粗度(表面粗さ)が得られないという問題があった。
そこで、本発明においては、モールドの離型性を損なうことなく、モールドの製作費が低減できるインプリント用モールド及びその製造方法並びに樹脂成形品またはガラス成形品の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した課題を解決するため、本発明においては、表面に凹部と凸部とを有するインプリント用モールドであって、凸部または凹部の側面には凸部の頂面側から凹部の底面側へ向けて溝が設けられているインプリント用モールドとした。すなわち、本発明に係るインプリント用モールドの表面は凹部と凸部とから形成されており、凸部または凹部の側面に沿うように凸部の頂面から凹部の底面へ向けて溝が設けられている。これにより、樹脂成形品の場合には樹脂層に凸部または凹部の側面の溝形状が転写されて、樹脂層の表面積が拡大する。ここで凸部または凹部の側面とは、インプリント用モールドの表面を形成している凸部と凹部とを結ぶ壁面を言い、基板面に対して垂直である場合と傾斜している場合とがある。また、凸部の頂面とは、凸部を形成している最上面(インプリント用モールドを用いた転写を行う場合には成形品の最下面に当たる)を言い、基板面に対して平行である場合と傾斜している場合とがある。さらに、凹部の底面とは、凹部を形成している最下面(インプリント用モールドを用いた転写を行う場合には成形品の最上面に当たる)を言い、基板面に対して平行である場合と傾斜している場合とがある。
また、請求項2に係る発明においては、凹部と凸部とから構成される形成パターンが、凹部と凸部とが平行に規則的に配列されているラインアンドスペースパターン、凸部が互いに独立して規則的に配列されているドットパターン、凹部が互いに独立して規則的に配列されているホールパターンのうちのいずれか一のパターンであるインプリント用モールドとした。すなわち、インプリント用モールドの表面が凹部と凸部とが互いに平行に規則的に配列されている、いわゆるラインアンドスペースパターンにより形成されている場合には、凸部の側面に凸部の頂面側から凹部の底面側へ向けて溝が設けられているインプリント用モールドとした。また、インプリント用モールドの表面に凸部が互いに独立して規則的に配列されている、いわゆるドットパターンにより形成されている場合には凸部を除く全ての部分が凹部になり、ラインアンドスペースパターンの場合と同様に凸部の側面に凸部の頂面側から凹部の底面側へ向けて溝が設けられているインプリント用モールドとした。さらに、インプリント用モールドの表面に凹部が互いに独立して規則的に配列されている、いわゆるホールパターンにより形成されている場合には凹部を除く全ての部分が凸部になり、凹部の側面に凸部の頂面側から凹部の底面側へ向けて溝が設けられているインプリント用モールドとした。これにより、規則的な転写を行う場合のインプリント用モールドと樹脂層との離型性が確保できる。
さらに、請求項3に係る発明において、溝の長さは凸部の頂面から凹部の底面までの距離の0.2倍以上であって、隣り合う溝同士の間隔は最も近接している凸部同士または凹部同士の間隔である凹凸距離の0.001倍以上0.1倍以下であるインプリント用モールドとした。すなわち、溝の長さおよび隣り合う溝同士の間隔を所定の大きさに限定することで成形材料とモールドとの濡れ性が向上する。
また、請求項4に係る発明においては、凸部の頂面と凸部の側面とで形成される稜線に、凹凸距離の0.05倍以上0.5倍以下の大きさの面取り(C面取りまたはR面取り)が施されているインプリント用モールドとした。すなわち、凸部の頂面と凸部の側面とで形成される稜線に所定の大きさの面取りを施すことで、成形品をモールドから離型する際に生じる稜線との接触による成形品の損傷を防止できる。
さらに、請求項5に係る発明においては、面取りの角度は凹部の底面の法線に対して30°以上45°以下であるインプリント用モールドとした。すなわち、凸部の頂面と凸部の側面とで形成される稜線に凹部の底面の法線に対して30°以上45°以下の面取り(C面取り)を施すことで、凸部先端(角部)への応力集中が緩和される。これら面取りの角度は、後述のガスクラスターイオンビーム装置によるビームの照射エネルギーや加工時間などを調節することで自在に設定することができる。
インプリント用モールドの製造方法については、請求項6に係る発明において乾式エッチング方法、湿式エッチング方法、乾式エッチング方法と湿式エッチング方法とを併用する混合エッチング方法のいずれか一の方法によりインプリント用モールド母材をエッチングする第1の工程と、第1の工程の後にガスクラスターイオンビームをインプリント用モールド母材へ照射する第2の工程を含むインプリント用モールドの製造方法とした。すなわち、本発明に係るインプリント用モールドの製造方法は、インプリント用モールド母材を乾式エッチング方法、湿式エッチング方法、乾式エッチング方法と湿式エッチング方法とを併用する混合エッチング方法のいずれか一の方法によりエッチングする第1の工程、その後にエッチングされたインプリント用モールド母材の表面(凸部または凹部の側面)にガスクラスターイオンビームを照射する第2の工程を含むインプリント用モールドの製造方法とした。本発明に係る第1の工程によりインプリント用モールド母材の表面に凹部と凸部とが形成されて、それに続く第2の工程では凸部形成の際に生じた凸部または凹部の側面にある筋目(スキャロップ)を除去して、凸部または凹部の側面に凸部の頂面から凹部の底面に向けて新たに溝を形成する。ここでインプリント用モールド母材とは、インプリント用モールドが完成するまでの当該モールド材料自体をいうものとする。つまり、インプリント用モールド母材は、本発明に係るインプリント用モールドの製造方法の第1工程および第2工程を経て、最終的にインプリント用モールドとなる。
【0010】
また、請求項7に係る発明においては、ガスクラスターイオンビームに用いるクラスターガスが、アルゴンガス、窒素ガス、六フッ化硫黄ガス、二酸化炭素ガスのうちのいずれか一のガス、またはこれらいずれかのガスを含む混合ガスであるインプリント用モールドの製造方法とした。すなわち、ガスクラスターイオンビームに用いるクラスターガスとして、アルゴンガス、窒素ガス、六フッ化硫黄ガス、二酸化炭素ガスのうちのいずれかのガスを用いるか、またはこれらのガスの組み合わせから成る混合ガスやこれらのガスにヘリウムガスやメタンなどの炭化水素系ガス等の他のガスを加えた混合ガスを用いることができる。これによりインプリント用モールド表面の酸化膜形成を防止する。
【0011】
さらに、請求項8に係る発明においては、請求項1ないし5のいずれか一に記載のインプリント用モールドの表面と、紫外線硬化樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれか一の樹脂またはガラスの表面と、を互いに圧着させながら当該樹脂またはガラスを硬化させた後、インプリント用モールドと当該樹脂またはガラスとを互いに分離する樹脂成形品またはガラス成形品の製造方法とした。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るインプリント用モールドは、表面に凹部と凸部とを有するインプリント用モールドであって、凸部または凹部の側面には凸部の頂面側から凹部の底面側へ向けて溝が設けられているインプリント用モールドとすることで、転写対象が樹脂成形品である場合には当該樹脂層がインプリント用モールドの凸部側面の溝内へ転写されて、樹脂層の表面積が拡大するので、離型性を損なうことなく、樹脂層の放熱性が向上するという効果を奏する。また、インプリント用モールド母材と成形品材料との組み合わせによっては上述のプラズマ処理によるフッ素ポリマーの疎水化処理やアルゴンガスによるモールドの表面非平滑化処理が不要になるため、インプリント用モールドの製作費が低減するという効果も奏する。
また、本発明に係るインプリント用モールドの製造方法は、乾式エッチング方法、湿式エッチング方法、乾式エッチング方法と湿式エッチング方法とを併用する混合エッチング方法のいずれか一の方法によりインプリント用モールド母材をエッチングする第1の工程と、第1の工程の後にガスクラスターイオンビームをインプリント用モールド母材へ照射する第2の工程を含むインプリント用モールドの製造方法とすることで第1の工程によりインプリント用モールド母材の表面に凹部と凸部とが形成されて、それに続く第2の工程では凸部形成の際に生じた凸部または凹部の側面にある筋目を除去して、凸部または凹部の側面に凸部の頂面から凹部の底面に向けて新たに溝が形成されるので、凸部または凹部の側面には離型方向と同一方向の溝のみが形成されたインプリント用モールドを効率良く製作できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】インプリント用モールド1表面の模式図(ラインアンドスペースパターン)である。
【図2】ドットパターンの場合のインプリント用モールド1表面の模式図である。
【図3】ホールパターンの場合のインプリント用モールド1表面の模式図である。
【図4】(a)はラインアンドスペースパターンの場合における側面5に形成される溝7形態が頂面4から開始されているインプリント用モールド1表面の模式図、(b)は側面5に形成される溝7形態が底面6から開始されているインプリント用モールド1表面の模式図、(c)は側面5に形成される溝7形態が断続的であるインプリント用モールド1表面の模式図、(d)は側面5に形成される溝7形態が頂面4および底面6に対して傾斜しているインプリント用モールド1表面の模式図である。
【図5】本発明に係るインプリント用モールドの表面へ照射する際に用いるガスクラスターイオンビーム装置10(横断面図)の一例である。
【図6】(a)は従来のインプリント用モールドの製造方法によるシリコン製インプリント用モールドの表面の電子顕微鏡写真(倍率:1000倍)、(b)は(a)の部分拡大写真(倍率:5000倍)である。
【図7】(a)は本発明に係るインプリント用モールドの製造方法により作製したシリコン製インプリント用モールドの表面の電子顕微鏡写真(倍率:1000倍)、(b)は(a)の部分拡大写真(倍率:5000倍)、(c)は凸部の頂面および側面とで形成される稜線における面取り角度の説明図である。
【図8】(a)は従来のインプリント用モールドの製造方法によるシリコン製インプリント用モールドの表面の電子顕微鏡写真(倍率:5000倍)、(b)は(a)の部分拡大写真(倍率:20000倍)である。
【図9】(a)は本発明に係るインプリント用モールドの製造方法により作製したシリコン製インプリント用モールドの表面の電子顕微鏡写真(倍率:5000倍)、(b)は(a)の部分拡大写真(倍率:20000倍)である。
【図10】(a)は従来のインプリント用モールドの製造方法によるダイヤモンド製インプリント用モールドの表面の電子顕微鏡写真(倍率:500倍)、(b)は同インプリント用モールドの別部分の電子顕微鏡写真(倍率:5000倍)である。
【図11】(a)および(b)は本発明に係るインプリント用モールドの製造方法によるダイヤモンド製インプリント用モールドの表面の電子顕微鏡写真(倍率:5000倍)である。
【図12】本発明に係るインプリント用モールド(本発明品)および従来のインプリント用モールド(従来品)において各インプリント用モールドに負荷される引張荷重の経時変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のインプリント用モールドの実施の形態について、図面を参照して説明する。図1はインプリント用モールド1表面の模式図(ラインアンドスペースパターン)、図2はドットパターンの場合のインプリント用モールド1表面の模式図、図3はホールパターンの場合のインプリント用モールド1表面の模式図である。
【0015】
インプリント用モールド1表面がラインアンドスペースの場合には、図1に示すようにインプリント用モールド1の表面は凹部2と凸部3とから形成されている。凸部3は頂面4と側面5とから構成されており、凹部2は側面5と底面6とから構成されている。また、側面5には溝7が頂面4から底面6の方向に向けて形成されている。したがって、側面5は凹部2の一部を構成すると共に、凸部3の一部を構成する部分でもある。
【0016】
また、インプリント用モールド1表面がドットパターンの場合には、図2に示すようにモールド1表面上に凸部3が互いに独立して規則的に配列されることで形成されている。凸部3は図1に示したラインアンドスペースパターンの場合と同様に、頂面4と側面5とから構成されており、モールド1表面の凸部3以外の部分が凹部2となる。また、側面5にはラインアンドスペースパターンの場合と同様に溝7が頂面4から底面6の方向に向けて形成されている。したがって、側面5は凹部2の一部を構成すると共に、凸部3の一部を構成する部分でもある。
【0017】
さらに、インプリント用モールド1表面がホールパターンの場合には、図3に示すようにモールド1表面上に凹部2が互いに独立して規則的に配列されることで形成されている。凹部2は底面6と側面5とから構成されており、モールド1表面の凹部2以外の部分が凸部3となる。また、側面5にはラインアンドスペースパターンの場合と同様に溝7が頂面4から底面6の方向に向けて形成されている。したがって、側面5は凹部2の一部を構成すると共に、凸部3の一部を構成する部分でもある。
ここで、側面5に形成される溝7の様々な形態についてインプリント用モールド1表面がラインアンドスペースの場合を例として、図面を参照して説明する。図4(a)はラインアンドスペースパターンの場合における側面5に形成される溝7形態が頂面4から開始されているインプリント用モールド1表面の模式図、同図(b)は側面5に形成される溝7形態が底面6から開始されているインプリント用モールド1表面の模式図、同図(c)は側面5に形成される溝7形態が断続的であるインプリント用モールド1表面の模式図、同図(d)は側面5に形成される溝7形態が頂面4および底面6に対して傾斜しているインプリント用モールド1表面の模式図である。
本発明に係るインプリント用モールド1表面に形成される溝7には、図4(a)に示すように、溝7が凸部3の頂面4から開始して、凹部2の底面6まで届かずに途中で終了している形態や、同図(b)に示すように溝が凹部2の底面6から開始して、凸部3の頂面4まで届かずに途中で終了している形態の溝7も含むものとする。また、同図(c)に示すように側面5の溝7が凸部3の側面5上に断続的に形成されている形態や、同図(d)に示すように溝7形態が凸部3の頂面4および凹部2の底面6に対して一定の角度θを成す形態の溝7も含むものとする。なお、同図(d)に示す溝7形態のインプリント用モールド1を用いる場合、成形品とインプリント用モールド1との離型方向は底面6に対して角度θの方向になる。
次に、本発明のインプリント用モールドの製造方法について、図面を参照して説明する。本発明に係るインプリント用モールドの製造方法は、インプリント用モールド母材をエッチングする第1の工程と、第1の工程後にガスクラスターイオンビームをインプリント用モールド母材へ照射する第2の工程と、を有している。以下、第1および第2の工程について詳述する。
まず、第1の工程について説明する。第1の工程はインプリント用モールド母材に対してエッチングすることで、当該母材表面に凹部および凸部とから構成されるパターンを形成する工程である。インプリント用モールド母材としては、例えばシリコン、酸化シリコン、炭化シリコン、ニッケル、アルミニウム、酸化アルミニウム、チタン、クロム、石英(ガラス)、珪ホウ酸ガラス、ダイヤモンドなどの中から用途に応じて適宜選択して用いることができる。また、インプリント法については、特定のインプリント法に限定するものではなく、熱可塑性樹脂表面または熱硬化性樹脂表面にパターン転写する熱インプリント法、光硬化性樹脂表面にパターン転写する光インプリント法、熱や光を必要としないHSQ(HydrogenSilsesQuioxane:水素シルセスキオキサン)にパターン転写する室温インプリント法、金属表面やガラス表面へ直接パターン転写する直接インプリント法などの方法からインプリント用モールド母材に応じた最適なインプリント法を選択できる。さらに、エッチング方法としては、乾式エッチング方法、湿式エッチング方法、前記乾式エッチング方法と湿式エッチング方法とを併用する混合エッチング方法のいずれか一の方法を用いることができる。
【0018】
凹部および凸部とから構成されるパターンの形成については、所望するパターンの形状や寸法にあわせて、適宜公知のパターン形成方法により形成することができる。例えば、インプリント用モールドにレジスト樹脂を塗布し、パターン露光を行い、エッチングすることでパターン形成する方法や深掘り反応性イオンエッチング(DRIE工程)を利用してインプリント用モールド表面にパターン形成する方法などがある。
【0019】
次に、第2の工程について説明する。第2の工程はガスクラスターイオンビームをインプリント用モールド母材表面へ照射することで、凸部や凹部の形成の際に生じた凸部または凹部の側面にある筋目を除去すると同時に、凸部または凹部の側面に新たな溝を形成する工程である。ここで、インプリント用モールドの表面へガスクラスターイオンビームを照射する装置(ガスクラスターイオンビーム装置)について図面を参照して説明する。図5は、本発明に係るインプリント用モールドの表面へ照射する際に用いるガスクラスターイオンビーム装置10(横断面図)の一例である。当該ガスクラスターイオンビーム装置10は、ガスクラスターを発生するためのガスクラスター発生装置20と、ガスクラスターをイオン化するイオン化装置30と、ガスクラスターイオンを加速してビームにするビーム化装置40と、ガスクラスターイオンを照射する試料100(インプリント用モールド)を固定するための試料固定機構50と、を備える装置である。以下、ガスクラスターイオンビーム装置10の各構成について詳述する。
【0020】
ガスクラスター発生装置20は、図示しない0.5〜1.5MPaの高圧ガスボンベ、内径0.05〜0.2mmのコニカルノズル(またはラバールノズル)21と、内径0.5mm〜3.0mmのスキマー22、ノズルとスキマーを格納する真空容器23および真空容器内を排気する図示しない真空ポンプと、から構成される。高圧ガスボンベ内の高圧ガスにはアルゴン、窒素、酸素、二酸化炭素、ヘリウム、六フッ化硫黄やこれらのガスを含む混合ガスが用いられる。コニカルノズル21およびスキマー22は高圧ガスの流れに沿って高圧側からコニカルノズル21、スキマー22の順に同一直線状に配置される。高圧ガスは、コニカルノズル21を通って真空容器23内に噴出した際、断熱膨張によって急激に冷却されてクラスターを形成する。こうして形成されたガスクラスターはコニカルノズル21からスキマー22に向かう運動エネルギーを持っており、スキマー22に向けて直進する。スキマー22はガスクラスターの進行方向に現れるマッハディスクの影響を排除し、同時に真空容器内のクラスター以外の単原子分子を後述のイオン化装置30から隔離する役割を担っている。
イオン化装置30は、熱電子を発生するフィラメント31と、複数個の電極32と、電極に電位を与える図示しない電源と、これらを格納する真空容器23と、容器内を排気する図示しない真空ポンプから構成されている。フィラメント31から放出された熱電子は電極32により引き出しおよび加速を受けてガスクラスターと衝突し、ガスクラスターから電子を剥ぎ取ってイオン化する。この時の加速エネルギーは一般に数百Vである。イオン化の方法は熱電子に限らず、電子銃など他の方法を用いることもできる。また、磁石をイオン化装置30内へ取り付けることもできる。
ビーム化装置40は、ガスクラスターイオンを加速するための電極41および図示しない電源と、電極41を格納する真空容器23と、真空容器23内を排気する図示しない真空ポンプとからなるが、ビーム化装置40がイオン化装置30に隣接している場合には、真空容器23および真空ポンプはイオン化装置30と共有して使用することもできる。ビーム化装置40には加速されたクラスターイオンを集束または拡散する為のレンズ電極や、進行方向を変えるための電極、特定の質量のガスクラスターを選別する質量分析機構などを併設することも可能である。
試料固定機構50は、試料100を固定すると同時に、試料の目的の部位に目的の角度でガスクラスターイオンビームを照射するために試料を移動、回転させる構造を有している。試料固定機構50もそれを格納する真空容器23と、真空容器内を排気する図示しない真空ポンプとを有するが、イオン化装置30やビーム化装置40と共有することもできる。また、試料100の交換時に真空破壊(大気圧への復圧)する領域を最小限にして真空排気に要する時間を短縮するため、別途試料交換室を設けることも可能である。
【0021】
上述の試料固定機構50にインプリント用モールドを固定した後、ガスクラスターイオンビームをモールドの表面へ照射することで第2の工程を行う。モールドへの照射はモールドの特定部分へ選択的に照射する場合とモールド全体に照射する場合があり、全体へ照射する場合にはマスクなど特定部位の照射を避ける被覆手段は不要である。照射量は、モールドの材質、パターンサイズやスキャロップ(筋目)の大きさ、目的とする面取りの大きさなどによって最適値を選択できる。例えば、0.5μmピッチのスキャロップが形成されたシリコン製モールドの場合であれば、5×1015ions/cmの照射量でスキャロップの先端が丸みを帯びて、モールドを成形品から離型する際に必要な力が減少する。また、5×1016ions/cmの照射量ではスキャロップが完全に消滅して、2〜5μmの面取り形状が形成される。しかし、これ以上照射量を増加してもモールド表面に形成される凸部や凹部の側面には何ら変化は見られない。但し、照射量の増加に伴って面取り量が大きくなるので、形状効果によりモールドを成形品から離型する際に必要な力が減少する。同時に、樹脂成形製品の形状も変化するので、樹脂成形品の形状変化をどこまで許容できるか、および照射にかかるコストと、離型する際に必要な力(引張荷重)との関係により最適な照射量を決定する。
【0022】
なお、第1の工程および第2の工程は、各々同一の装置内で連続して行なうこともできると共に、別々の装置で行なうこともできる。
【実施例1】
【0023】
インプリント用モールド表面の凸部の状態を確認するために、従来のインプリント用モールドの製造方法と本発明のインプリント用モールドの製造方法とを比較した結果について図6および図7を用いて説明する。図6(a)は従来のインプリント用モールドの製造方法によるシリコン製インプリント用モールドの表面の電子顕微鏡写真(倍率:1000倍)、同図(b)は(a)の部分拡大写真(倍率:5000倍)、図7(a)は本発明に係るインプリント用モールドの製造方法により作製したインプリント用モールドの表面の電子顕微鏡写真(倍率:1000倍)、同図(b)は(a)の部分拡大写真(倍率:5000倍)、(c)は凸部の頂面および側面とで形成される稜線における面取り角度の説明図である。
【0024】
従来のインプリント用モールドは、20mm×20mmのシリコン製インプリント用モールドをボッシュプロセス(DRIE工程)によりモールド表面に凸部が互いに独立して構成されるドットパターンを形成する。ここでボッシュプロセスとは、反応性ガスとして例えばCとSFとの混合ガスを用いてエッチングを行うプロセスを言い、基板(モールド)に対して深くエッチングできることから深堀り反応性イオンエッチング(DeepReactiveIonEtching:DRIE)とも言う。
これに対して、本発明に係るインプリント用モールドは、上述した従来のインプリント用モールドを図5に示す試料固定器具にて装着した後、以下の条件でモールド表面全体にガスクラスターイオンビームを照射して形成した。
・クラスターガス種:アルゴンガス
・クラスターサイズ(平均値):約1000個
・加速電圧:30kV
・ビーム電流:3.4μA/cm
・照射量(ドーズ量):7.6×1016ions/cm
・照射時間:60分
従来のインプリント用モールドの表面には、図6(a)に示すように六角柱形状の凸部(内接円直径10μm、高さ14μm)が25μmピッチ(各凸部間の距離)で6.5mm四方に62500個が規則的に配列されたドットパターンが形成されており、同図(b)に示すように凸部の側面には約0.5μm周期でスキャロップ(筋目)が発生している。このことから従来のインプリント用モールドを用いると、モールドと成形品との間にスキャロップによる大きな離型抵抗が生じるので、離型性に問題がある。
これに対して、本発明に係るインプリント用モールドは図7(a)に示すように、従来のインプリント用モールド表面の法線方向からガスクラスターイオンビームを照射したことでドットパターンの凸部を形成する稜線が丸みを帯びており、その面取り量は約2.5μmであった。また、この時の凸部の頂面と凸部の側面とで形成される稜線の面取り角度は、同図(c)に示す面取り角度では凹部の底面の法線に対しては40°であった。さらに、同図(b)に示すように図6(b)に示したスキャロップは消滅しており、凸部の側面には凸部の頂面から凹部の底面に向けて溝が形成される。この溝によってモールドと成形品との間にはスキャロップによる抵抗は大幅に減少して、離型性が向上する。
以上より、表面に凸部が互いに独立して規則的に配列されているドットパターンのインプリント用モールドにおいて、凸部の側面に凸部の頂面側から凹部の底面側へ向けて溝を設けることで、モールドと成形品との間の離型時の抵抗が減少して、離型性を向上できる。
【実施例2】
【0025】
次に、インプリント用モールド表面の凹部の状態を確認するために、従来のインプリント用モールドの製造方法と本発明のインプリント用モールドの製造方法とを比較した結果について図8および図9を用いて説明する。図8(a)は従来のインプリント用モールドの製造方法によるシリコン製インプリント用モールドの表面の電子顕微鏡写真(倍率:5000倍)、同図(b)は(a)の部分拡大写真(倍率:20000倍)、図9(a)は本発明に係るインプリント用モールドの製造方法により作製したインプリント用モールドの表面の電子顕微鏡写真(倍率:5000倍)、同図(b)は(a)の部分拡大写真(倍率:20000倍)である。
【0026】
従来のインプリント用モールドは、20mm×20mmのシリコン製インプリント用モールドをボッシュプロセスによりモールド表面に凹部が互いに独立して構成されるホールパターンを形成する。これに対して、本発明に係るインプリント用モールドは、上述した従来のインプリント用モールドを図5に示す試料固定器具にて装着した後、以下の条件でモールド表面全体にガスクラスターイオンビームを照射して形成した。
・クラスターガス種:アルゴンガス
・クラスターサイズ(平均値):約1000個
・加速電圧:30kV
・照射量(ドーズ量):3.4×1016ions/cm
従来のインプリント用モールドの表面には、図8(a)に示すように円孔状の凹部(直径約10μm、深さ約15μm)が規則的に配列されたホールパターンが形成されており、同図(b)に示すように凹部の側面には約0.5μm周期でスキャロップが発生している。このことから従来のインプリント用モールドを用いると、モールドと成形品との間にスキャロップによる大きな抵抗が生じるので、離型性に問題がある。
これに対して、本発明に係るインプリント用モールドは図9(a)に示すように、従来のインプリント用モールド表面の法線方向からガスクラスターイオンビームを照射したことでホールパターンの凹部を形成する稜線が丸みを帯びている。また、同図(b)に示すように図6(b)に示したスキャロップは消滅しており、凹部の側面には凹部の底面から凸部の頂面へ向けて溝が形成される。この溝によってモールドと成形品との間にはスキャロップによる離型時の抵抗が大幅に減少して、離型性が向上する。
以上より、表面に凹部が互いに独立して規則的に配列されているホールパターンのインプリント用モールドにおいて、凹部の側面に凹部の底面側から凸部の頂面側へ向けて溝を設けることで、モールドと成形品との間の抵抗が減少して、離型性を向上できる。
【実施例3】
【0027】
次に、インプリント用モールド表面の凸部の状態を確認するために、従来のインプリント用モールドの製造方法と本発明のインプリント用モールドの製造方法とを比較した結果について図10および図11を用いて説明する。図10(a)は従来のインプリント用モールドの製造方法によるダイヤモンド製インプリント用モールドの表面の電子顕微鏡写真(倍率:500倍)、同図(b)は同インプリント用モールドの別部分の電子顕微鏡写真(倍率:5000倍)、図11(a)および(b)は本発明に係るインプリント用モールドの製造方法により作製したインプリント用モールドの表面の電子顕微鏡写真(倍率:5000倍)である。ここで図11(a)に示す凸部と、図10(b)に示す従来のインプリント用モールドの凸部とは、同一の凸部である。
【0028】
従来のインプリント用モールドは、20mm×20mmのダイヤモンド製インプリント用モールド表面に凹部と凸部とから構成されるラインアンドスペースパターンを形成する。これに対して、本発明に係るインプリント用モールドは、上述した従来のインプリント用モールドを図5に示す試料固定器具にて装着した後、以下の条件でモールド表面全体にガスクラスターイオンビームを照射して形成した。
・クラスターガス種:アルゴンガス(50%)と二酸化炭素ガス(50%)の混合ガ

・クラスターサイズ(平均値):約800個
・加速電圧:30kV
・照射量(ドーズ量):5.9×1017ions/cm
従来のインプリント用モールドの表面には、図10(b)に示すように凸部の側面には縞模様が発生している。このことから従来のインプリント用モールドを用いると、モールドと成形品との間にスキャロップによる大きな抵抗が生じるので、離型性に問題がある。
これに対して、本発明に係るインプリント用モールドは図11(a)に示すように、従来のインプリント用モールド表面の法線方向からガスクラスターイオンビームを照射したことで凸部の側面にあった縞模様が消滅して、凸部の側面には凹部の底面から凸部の頂面へ向けて溝が形成される。この溝によってモールドと成形品との間にはスキャロップによる抵抗は大幅に減少して、離型性が向上する。
以上より、表面に凹部と凸部とを有しているラインアンドスペースパターンのインプリント用モールドにおいて、凸部の側面に凹部の底面側から凸部の頂面側へ向けて溝を設けることで、モールドと成形品との間の抵抗が減少して、離型性を向上できる。
【実施例4】
【0029】
次に、本発明に係るインプリント用モールドと従来品との離型性の差異を定量評価するため、樹脂製品の成形開始から成形終了後に至る間にインプリント用モールドに負荷される引張荷重の測定試験(以下、本試験という)を行ったので、その試験結果について図12を用いて説明する。本試験に使用したインプリント用モールドは、本発明品は実施例1の図7(a)に示すインプリント用モールド(ドットパターンで凸部の側面に溝が形成されたもの)であり、従来品は同実施例の図6(a)に示すインプリント用モールド(ドットパターンで凸部の側面にスキャロップ(筋目)が形成されたもの)とした。
本試験は、これらのインプリント用モールド表面に予め離型剤を塗布した上で、インプリント法により当該モールド表面を紫外線硬化樹脂(UV硬化樹脂)に圧着させながら、当該樹脂を硬化させることで成形を行った後、モールドを樹脂から分離する(離型する)際に必要な力(引張荷重)を測定した。なお、試験条件は以下の通りである。
・使用樹脂:NICT系紫外線硬化樹脂(ダイセル化学工業製)
・使用基板:合成石英
・成形面積:φ4.5mm
・紫外線光源出力:250W
・紫外線照射時間:30秒
・離型剤:フルオロアルキルシランSIT8176.0(Gelest社製)
図12は、本発明に係るインプリント用モールド(本発明品)および従来のインプリント用モールド(従来品)において各インプリント用モールドに負荷される引張荷重の経時変化を示すグラフである。図12に示すように、従来品の場合(同図中の実線で示す部分)には、試験開始12秒後から紫外線硬化樹脂に対して紫外線を照射しながら、インプリント用モールドに荷重を負荷して紫外線硬化樹脂側へ押し込む。このとき、モールドには負の引張荷重(つまり圧縮荷重)が発生する。その後、モールドを紫外線硬化樹脂側へ30秒間押し込み続けて、試験開始42秒後に紫外線の照射を止めた後、モールドと樹脂との分離(離型)を行った。その際にモールドと樹脂との間に発生する引張荷重を測定したところ86Nの力が必要であった。
これに対して、本発明に係るインプリント用モールドの場合(図12中の破線で示す部分)には試験開始から42秒経過までは従来品と同様の工程であり、その後に紫外線の照射を止めて、インプリント用モールドと樹脂との分離を行った。その際にモールドと樹脂との間に発生する引張荷重を測定したところ、34Nの力が必要であった。これは従来品の引張荷重の約40%である。以上の結果より、本発明に係るインプリント用モールド、すなわち表面に凹部と凸部とを有するインプリント用モールドであって、凸部の側面に凸部の頂面側から凹部の底面側へ向けて溝が設けられているインプリント用モールドは、従来のインプリント用モールドに比べて成型品との分離に必要な力を大幅に低減できることがわかった。
【符号の説明】
【0030】
1 インプリント用モールド
2 凹部
3 凸部
4 頂面
5 側面
6 底面
7 溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に凹部と凸部とを有するインプリント用モールドであって、前記凸部または凹部の側面には、前記凸部の頂面側から前記凹部の底面側へ向けて溝が設けられていることを特徴とするインプリント用モールド。
【請求項2】
前記凹部と前記凸部とから構成される形成パターンが、前記凹部と前記凸部とが平行に規則的に配列されているラインアンドスペースパターン、前記凸部が互いに独立して規則的に配列されているドットパターン、前記凹部が互いに独立して規則的に配列されているホールパターンのうちのいずれか一のパターンであることを特徴とする請求項1に記載のインプリント用モールド。
【請求項3】
前記溝の長さは前記凸部の頂面から前記凹部の底面までの距離の0.2倍以上であって、隣り合う前記溝同士の間隔は最も近接している前記凸部同士または前記凹部同士の間隔である凹凸距離の0.001倍以上0.1倍以下であることを特徴とする請求項1また2に記載のインプリント用モールド。
【請求項4】
前記凸部の頂面と前記凸部または凹部の側面とで形成される稜線に、前記凹凸距離の0.05倍以上0.5倍以下の大きさの面取りが施されていることを特徴とする請求項3に記載のインプリント用モールド。
【請求項5】
前記面取りの角度は、前記凹部の底面の法線に対して30°以上45°以下であることを特徴とする請求項4に記載のインプリント用モールド。
【請求項6】
乾式エッチング方法、湿式エッチング方法、前記乾式エッチング方法と湿式エッチング方法とを併用する混合エッチング方法のいずれか一の方法によりインプリント用モールド母材をエッチングする第1の工程と、前記第1の工程の後にガスクラスターイオンビームを前記インプリント用モールド母材へ照射する第2の工程と、を含むことを特徴とするインプリント用モールドの製造方法。
【請求項7】
前記ガスクラスターイオンビームに用いるクラスターガスは、アルゴンガス、窒素ガス、六フッ化硫黄ガス、二酸化炭素ガスのうちのいずれか一のガス、またはこれらいずれかのガスを含む混合ガスであることを特徴とする請求項6に記載のインプリント用モールドの製造方法。
【請求項8】
請求項1ないし5のいずれか一に記載のインプリント用モールドの表面と、紫外線硬化樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のうちのいずれか一の樹脂またはガラスの表面と、を互いに圧着させながら前記樹脂またはガラスを硬化させた後、前記インプリント用モールドと、前記樹脂またはガラスと、を互いに分離させることを特徴とする樹脂成形品またはガラス成形品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−35228(P2013−35228A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−173961(P2011−173961)
【出願日】平成23年8月9日(2011.8.9)
【出願人】(000005197)株式会社不二越 (625)
【出願人】(000236920)富山県 (197)
【Fターム(参考)】