説明

インモールドデコレーションのための耐久層組成物

本発明はインモールドデコレーションのための耐久層組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインモールドデコレーション(IMD)プロセスに使用される耐久層に適した組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
インモールドデコレーションプロセスは、加熱されたプラスチック材料を型穴内に射出して成る物品を、型内(即ちインモールド)で成形しながら加飾することを伴うものである。通常、装飾または保護材料のテープまたはストリップを自動または手動でモールディングサイクル毎に型穴内へと前進さえ、予め供給および配置し、その内部で、型穴にプラスチック材料を供給するときにこれと熱および圧力下にて接する。物品が成形されると、インモールドデコレーションプロセスでの熱転写により、装飾材料が物品の表面にあらわれて、物品と一体を成す永久的な部分となる。また、他のモールディング(または成形)プロセス、例えば熱成形、ブロー成形および圧縮成形またはスタンピング(またはプレス成形)も装飾または保護材料の転写に使用できる。このプロセスはしばしばインモールドラベリングまたはインモールドコーティングとも呼ばれ、転写可能な保護材料は熱転写オーバーコートまたは耐久コート層と呼ばれ得る。
【0003】
デコレーション(または装飾)テープまたはストリップは、通常、キャリア層、リリース層、耐久層、接着またはタイコート層、およびまた装飾デザイン(金属またはインク)層を含んで成る。射出成形転写後、キャリア層およびリリース層を除去し、耐久層を最外層として残す。よって、耐久層は、引掻き耐性、傷もしくは摩耗耐性および溶媒耐性を有する保護層として機能して装飾デザインおよびまた成形物品を保護するので、装飾テープまたはストリップに不可欠な部分である。
【0004】
効果的な耐久層は、所定の基準を満たすものでなければならない。例えば、巻き取り可能で、かつその後の画像形成条件に耐え得るように、非粘着性(non-tacky or non-blocking)コーティングであることが必要である。第二に、成形物品の3D形状に適応するように、射出成形プロセスの間に形状にならうことができる必要がある。加えて、効果的な耐久層は、射出成形プロセスにおける高剪断力および高温のポリマーメルトに耐え得る必要がある。更に、これは使用中、装飾画像を保護するように優れた溶媒および摩耗耐性を有する必要がある。
【0005】
米国特許第5,795,527号は、ハードコート層として知られている保護層がUVまたは電子線硬化性樹脂から形成されるインモールドデコレーションプロセスを開示している。米国特許第5,955,204号は、保護層であるUV吸収層を有する転写材料を開示している。UV吸収層は、UV吸収特性を有する骨格が分子鎖に導入されたアクリルポリマーを含んでいる。しかしながら、これら耐久層は、層を成形前に完全に硬化させるとクラックが入ったり欠陥を生じたりする傾向がある。このことは、鋭い湾曲や急な段差が成形物品の重要な特徴である場合に顕著である。他方、部分硬化または硬化不足の耐久層は、その後の処理工程(例えば、殆どの用途に極めて望ましい特徴である金属デコレーション層のスパッタリングまたは蒸着およびパターニング)に対して十分な硬さを有しないことが多い。
【0006】
米国特許第5,993,588号および同第6,527,898号は、熱エネルギーにより部分硬化し、次いで、成形プロセス後にUV後硬化させた保護層を開示している。これら文献は、そこに開示されている組成物が保護層の進歩を示し、摩耗および薬品耐性が改善され、かつ成形物品表面の湾曲部でクラックを生じる傾向が低減された保護層を提供い得るものであると述べている。しかしながら、そのような保護層にはいくらかの不都合がある。まず第一に、熱架橋のための反応性ヒドロキシル基を有する高度にアクリル化されたポリマーの合成および精製は高価で時間がかかる。アクリル化アクリルポリマーは2段階反応:アクリルポリマー骨格の形成とアクリル官能基のグラフティングを経て合成する必要がある。副反応、例えばゲル化が2段階目のグラフティング段階の間に起こり得、合成法の制御を困難なものとし、得られるポリマーは保管期間が限られたものとなる。加えて、高光沢の金属装飾層を得るには、部分熱硬化した耐久層が、高い加熱たわみ温度を有し、そして依然として(1)許容可能な引掻き耐性、溶媒耐性および硬さを得るための高速でのUV後硬化に対する高い光反応性、および(2)3D外形の成形に対する高いフレキシビリティ(または柔軟性)を有していることが好ましい。残念なことに、これらの要求は相容れないことが多く、このため、耐久層組成物のプロセスウィンドウ(または処理条件の許容範囲)は、最適な金属蒸着および成形/後硬化のプロセスに対して狭いものになりがちである。これら方法のいずれかによって得られる耐久/保護層およびインモールドデコレーション箔は脆く、また、取扱いおよびコンバージョン(または改造もしくは加工)の間にクラックや塵埃粒子などの欠陥を生じがちである。更に、製造コーター(coater)における耐久層組成物の熱部分硬化は制御が難しい傾向にある。低コストでの製造に求められる高速架橋は、コーティング流体の短い保管安定性またはグリーンタイムをしばしば招くことになる。より安定な組成物を用いて、より広いプロセスウィンドウにより、コーターにて高速(または高割合)の架橋が実現されることが非常に望ましい。
【発明の要旨】
【0007】
本発明の第1の要旨は、インモールドコーティング、デコレーションまたはラベリングプロセスに使用される耐久層を形成するのに好都合な組成物を指向したものである。この組成物は、(i)アミノ架橋剤、(ii)アミノ架橋剤と反応する少なくとも1つの官能基を有するUV硬化性モノマーまたはオリゴマー、(iii)酸触媒、および(iv)光開始剤を含んで成る。
【0008】
本発明の耐久層の形成において、アミノ架橋剤は、自己架橋により、およびUV硬化性モノマーまたはオリゴマーにある官能基とアミノ架橋剤にあるアミノ基との反応により、ネットワークを形成し得る。ネットワークの形成は、酸性および熱硬化条件下にて行われる。射出成形プロセス後、熱硬化により既に形成されたネットワークが、UV硬化性モノマーまたはオリゴマーのUV硬化により更に強化され得る。この後UV露光により追加の架橋が効果的に提供され、成形物品のための高耐久性の保護層として十分に相互貫入したネットワークが形成される。
【0009】
本発明の耐久層組成物は、次の成分の1つまたは2つ以上を更に含んでいてよい:バインダー、アミノ架橋剤と反応できる多官能性ポリマーまたはオリゴマー、フィラー、接着促進剤、または抗酸化剤。
【0010】
加えて、本発明の耐久層組成物は添加剤、例えば光増感剤、酸素スカベンジャー(または脱酸素剤)、UV吸収剤もしくは光安定剤、潤滑剤または着色剤などを更に含んでいてよい。
【0011】
本発明の第2の要旨は、本発明の耐久層を有する物品を製造するためのインモールドデコレーションプロセスを指向したものである。
【0012】
本発明の第3の要旨は、本発明の耐久層を最表面(または頂面)に有するプラスチック物品を指向したものである。
【0013】
本発明の第4の要旨は、本発明の耐久層と、装飾的な金属層および/またはインク層とを含んで成るプラスチック物品を指向したものである。
【0014】
本発明により、優れた表面品質(例えば硬さ、摩耗耐性、薬品耐性、および熱安定性など)を有するインモールドデコレーションのための耐久層を、より広い形状許容性を持って、低コストで提供するという目的が達成される。加えて、本発明の耐久層は、その後の画像形成工程に対してより簡単でより広いプロセスウィンドウを可能にするものでもある。
【0015】
図1はインモールドデコレーションテープまたはストリップ(10)の断面図であり、これはキャリア層(15)、リリース層(11)、耐久層(12)、装飾(decorative:装飾的な)デザイン層(13)、および接着層(14)を含んで成る。
【0016】
インモールドデコレーションプロセスでは、図2に示すように、テープまたはストリップ(10)を型穴(16)内に自動または手動で、キャリア層(15)が型表面と接触するようにして供給する。テープまたはストリップは、供給工程の前に、所望の形状へと熱的に形成できる。
【0017】
キャリア層(15)、リリース層(11)および接着層(14)は当該技術分野で知られている方法により形成でき、既知のキャリア層、リリース層および接着層の全部が本発明に組み込まれ得る。
【0018】
例えば、キャリア層(15)は通常、厚さ約3.5〜約100ミクロン、好ましくは約10〜約50ミクロンの薄いプラスチックフィルムである。プリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフテート(PEN)またはポリカーボネート(PC)のフィルムは、低コストで、透明度が高く、熱機械的に安定であるので、特に好ましい。
【0019】
リリース層(11)により、耐久層(12)および装飾層(13)へのダメージを最小限にし、また成形の間のロール転写プロセスの完全自動化を実現するようにして、インモールドデコレーションテープまたはストリップをキャリア層からリリースすることができる。リリース層は通常、例えばワックス、パラフィンまたはシリコーンなどの材料から作製された低表面張力コーティング、あるいはメラミンホルムアルデヒド、AlまたはSnなどの金属薄膜、架橋ポリアクリレート、シリコーンアクリレート、エポキシド、ビニルエステル、ビニルエーテル、アリルおよびビニル、不飽和ポリエステルまたはそれらのブレンド(または混合物)からなる群より選択される材料から作製された高平滑性および不透過性コーティングである。リリース層は、エポキシ、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド、メラミンホルムアルデヒド、ウレアホルムアルデヒド、およびフェノールホルムアルデヒドなどからなる群より選択される縮合重合体、コポリマー(または共重合体)、ブレンドまたはコンポジットを含み得る。
【0020】
2004年4月20日に出願された米国特許出願第60/564,018号(その内容は参照することにより本明細書に全体が組み込まれる)に開示されるようなリリース層も適切である。そのようなリリース層組成物は、アミンアルデヒド縮合物およびラジカル阻害剤または抑制剤(quencher)を含んで成る。
【0021】
いくつかのキャリアはリリース層として使用するのに十分なリリース(または切り離しもしくは分離)特性を有し得る。
【0022】
成形物品の最表面に対して装飾層を最適に付着させるために、インモールドデコレーションテープまたはストリップに接着層(14)が組み込まれる。接着層は、例えばポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹脂、エチレンビニルアセテートコポリマー(EVA)、熱可塑性エラストマーなど、またはそれらのコポリマー、ブレンドもしくはコンポジットなどの材料から形成され得る。ホットメルトまたは熱で活性化する接着剤、例えばポリウレタンおよびポリアミドなどが特に好ましい。接着層の厚さは、約1〜約20ミクロンの範囲、好ましくは約2〜約6ミクロンの範囲にある。
【0023】
2004年7月20日に出願された米国特許出願第60/589,708号(その内容は参照することにより本明細書に全体が組み込まれる)に開示されるような接着層も適切である。そのような接着層組成物は、接着バインダーおよびポリマー粒状材料を含んで成る。
【0024】
装飾層(13)は、蒸着またはスパッタリング、場合により次いでパターニングプロセスなどの方法により形成された金属層またはインク層であってよい。インクパターンは、例えばグラビア、フレキソ、スクリーンまたは昇華熱転写などの印刷法によって基材(または基体)層上に形成できる。基材層は、プラスチック層、あるいは炭素鋼、ステンレス鋼、Al、Sn、Ni、Cu、Zn、Mgまたはそれらの合金もしくは酸化物から形成される絶縁体被覆金属または金属酸化物箔であってよい。
【0025】
装飾デザインは、熱成形により予め形作ることもできる。この場合、キャリア層(15)は成形物品の一部となる。隆起したまたは窪んだパターンを有する装飾層は、典型的には厚さ約0.2〜約1mmの範囲、好ましくは約0.3〜約0.7mmの範囲にある。これは、通常、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)、ポリカーボネート、アクリル、ポリスチレンまたはPVCシートから型内で熱成形される。
【0026】
あるいは、装飾層は、フィルムに装飾デザインを形成するように高圧空気を用いることを含む高圧成形により予め形作ることもできる。また、装飾層は空気でなく静水嚢(hydrostatic bladder)が成形機構として機能するハイドロフォーミングによって成形することもできる。
【0027】
本明細書に開示する耐久層(12)は本発明を構成する。耐久層は、(i)アミノ架橋剤、(ii)アミノ架橋剤と反応する少なくとも1つの官能基を有するUV硬化性モノマーまたはオリゴマー、(iii)酸触媒、および(iv)光開始剤を含んで成る組成物から形成される。
【0028】
本発明に適切なアミノ架橋剤には、アミン−アルデヒド縮合物、カルボキシル基修飾(carboxyl modified)アミノ樹脂および他のアミノ化合物が含まれ得るが、これらに限定されるものではない。アミン−アルデヒド縮合物の例として、多官能性アミン(即ち、メラミンまたは尿素)のホルムアルデヒド縮合物、例えばメラミン−ホルムアルデヒド、ベンゾグアナミン−アルデヒドまたはグリコールウリル−ホルムアルデヒドなどが挙げられる。
【0029】
乾燥した耐久層中のアミノ架橋剤の濃度は、約10重量%〜約80重量%、好ましくは約20重量%〜約60重量%、およびより好ましくは約40重量%〜約50重量%の範囲である。
【0030】
市販されているアミン−アルデヒド縮合物の例として、サイテック(Cytec)製品、例えばCymel(登録商標)(メラミン−ホルムアルデヒド)、Melurac(登録商標)(メラミン尿素ホルムアルデヒド)またはUrac(登録商標)(尿素ホルムアルデヒド)など、およびサーフェス・スペシャルティ・ユーシービー(Surface Specialty UCB)製品、例えばResimene(登録商標)(メラミン−ホルムアルデヒド、HMもしくはBMシリーズ、または尿素−ホルムアルデヒド、Uシリーズ)、Maprenal(登録商標)(メラミン−ホルムアルデヒドまたはベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド)、Viamin(登録商標)(高反応性尿素−ホルムアルデヒド、アルキルまたはニトロセルロース樹脂を含む)またはModacure(登録商標)(高反応性メチル化メラミン−ホルムアルデヒド修飾スチレンアリルアルコール樹脂)などを挙げることができる。
【0031】
本発明に適切なUV硬化性モノマーまたはオリゴマーは、アミノ架橋剤と反応する(またはアミノ架橋剤に対して反応性である)少なくとも1つの官能基と、また、少なくとも1つのUV架橋性官能性(またはUV架橋可能な官能性)も有する必要がある。アミノ架橋剤と反応する官能基は、ヒドロキシル、カルボキシル、チオール、アミン、アミドまたはウレタンなどであってよく、ヒドロキシルおよびカルボキシルがより好ましい。
【0032】
UV架橋性官能性は、アクリレート、メタクリレート、アリル、ビニルエーテル、エポキシドまたはそれらの組合せであってよく、アクリレート、メタクリレートまたはビニルエーテルがより好ましい。
【0033】
アミノ架橋剤と反応する官能基の当量は、好ましくは約300g/eq.以下、より好ましくは約200g/eq.以下である。UV架橋性官能性の当量は、好ましくは約500g/eq.以下、より好ましくは約200g/eq.以下である。用語「当量」は、モノマーまたはオリゴマーの分子量を官能性の数で割ったものとして定義される。
【0034】
乾燥した耐久層中のUV硬化性モノマーまたはオリゴマーの濃度は、約10重量%〜約60重量%、好ましくは約20重量%〜約55重量%、およびより好ましくは約20重量%〜約40重量%の範囲であってよい。
【0035】
本発明に適切な具体的なUV硬化性モノマーまたはオリゴマーには、ヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレート、ヒドロキシルエポキシド、カルボキシルアクリレートおよびカルボキシルメタクリレートが含まれ得、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレートおよびヒドロキシプロピルアクリレートがより好ましい。
【0036】
耐久層組成物に使用されるアミノ架橋剤およびUV硬化性モノマーまたはオリゴマーは一体に結合してプレポリマーを形成していてよい。例えば、アミノ架橋剤は、まずUV硬化性モノマーまたはオリゴマーと高温の反応器内で予め反応してプレポリマーを形成してよい。この反応はゲル化を開始する前に停止させることができる。その後、プレポリマーを耐久層組成物に使用すると、熱硬化プロセスがスピードアップする。本発明の範囲は、アミノ架橋剤とUV硬化性モノマーまたはオリゴマーとを個々の成分として含む耐久層組成物、およびアミノ架橋剤とUV硬化性モノマーまたはオリゴマーとをプレポリマーの形態で一体に結合させて含む耐久層組成物も包含するものとして理解される。
【0037】
熱硬化反応を容易にするために酸触媒が必要とされる。この目的に対し、通常、p−トルエンスルホン酸が推奨される。触媒は他の成分と共に添加してよく、また、これは組成物全体の約0.5重量%〜約8重量%、好ましくは約1重量%〜約3重量%の量で存在する。
【0038】
熱硬化を容易にするのに適切な他の酸触媒には、無機酸、例えば塩酸または硫酸など、および有機酸、例えばリン酸誘導体または多くの特許硫酸誘導体、例えばDDBSA(ドデシルベンゼンスルホン酸)およびDNNDSA(ジノニルナフタレンジスルホン酸)などが含まれ得る。
【0039】
UV硬化を容易にするために、本発明の耐久層組成物は光開始剤(例えばノリッシュ1型、2型および3型光開始剤、例えばITX(イソプロピルチオキサントン)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)製のIrgacure 651、907、369、または184)も含む。
【0040】
光開始剤は組成物全体の約1重量%〜約5重量%、好ましくは約2重量%〜約3重量%の量で組成物中に存在し得る。
【0041】
アミノ架橋剤、UV硬化性モノマーまたはオリゴマー、酸触媒および光開始剤に加えて、本発明の耐久層組成物は、次の成分の1つまたは2つ以上を更に含んでいてよい:バインダー、アミノ架橋剤と反応する多官能性ポリマーまたはオリゴマー、フィラー、接着促進剤、または抗酸化剤。
【0042】
1つの態様において、耐久層のコーティングプロセスウインドウを広げるために組成物にバインダーが添加される。適切なバインダーには、セルロース誘導体、例えばCAB(セルロースアセテートブチレート)、CAP(セルロースアセテートプロピオネート)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシブチルセルロース(HBC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、メチルセルロース(MC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシメチルセルロースアセテートブチレート(CMCAB)またはそれらのコポリマーなど、スチレン−アクリル酸コポリマー(Joncrylポリマー)、ポリビニルアルコール誘導体、例えばポリビニルアセタール、ポリビニルブチラールまたはそれらのコポリマーなど、あるいはポリメチルメタクリレート(PMMA)が含まれ得るが、これらに限定されるものではない。特に好ましいポリマーには、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロールアセテートプロピオネート、ポリビニルアセタール、PMMAおよびそれらのコポリマーが含まれる。
【0043】
バインダーは組成物全体の約5重量%〜約20重量%、好ましくは約5重量%〜約10重量%の量で組成物中に存在し得る。
【0044】
別の態様において、耐久層の柔軟性を増大させるために組成物は多官能性ポリマーまたはオリゴマーを更に含み得る。この目的のため、多官能性ポリマーまたはオリゴマーは、架橋によるネットワーク形成に加わることのできる官能基(例えばヒドロキシル、カルボキシル、チオール、アミン、アミドまたはウレタン)を有する必要がある。いくつかの場合には、アミノ架橋剤がそのような多官能性ポリマーまたはオリゴマーを含むように修飾され得る。例えば、Resimene 797は、約20%のスチレンアリルアルコールを含む修飾メラミン−ホルムアルデヒドであり、また、Resimene 2040は、約40%のスチレンアリルアルコールを含む修飾メラミン−ホルムアルデヒドである。あるいは、多官能性ポリマーまたはオリゴマーを別個に添加してよい。適切な多官能性ポリマーの例として、ヒドロキシルポリエステル樹脂、スチレン−アリルアルコールコポリマーポリオール、アクリルポリオールおよびポリ酸(polyacid)が挙げられ、ポリオール樹脂、スチレンアリルアルコールコポリマーポリオールおよびアクリルポリオールがより好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0045】
市販されている多官能性ポリマーまたはオリゴマーにはSAA(登録商標)(スチレン−アリルアルコールコポリマーポリオール)、Acryflow(登録商標)(アクリルポリオール)およびJoncryl(登録商標)(スチレン−アクリルコポリマーポリオール)が含まれ得る。
【0046】
多官能性ポリマーまたはオリゴマーは組成物全体の約1重量%〜約50重量%、好ましくは約5重量%〜約20重量%の量で組成物中に存在し得る。
【0047】
更なる態様において、コーティングの硬さおよび摩耗耐性を増加させるために組成物はフィラーを更に含んでいてよい。適切なフィラーには、シリカ、CaCO、ミクロゲル粒子またはマイカ、なかでも特にシリカが含まれ得る。
【0048】
フィラーは組成物全体の約3重量%〜約20重量%、好ましくは約5重量%〜約10重量%の量で組成物中に存在し得る。
【0049】
更なる態様において、組成物は接着促進剤を更に含んでいてよい。適切な接着促進剤には、アクリル酸エステル、アクリル酸金属塩、有機キレート、有機チタン酸塩もしくはジルコン酸塩、リン酸チタン錯体(titanium phosphate complex)およびシランカップリング剤が含まれ得、アクリル酸エステルがより好ましいが、これらに限定されるものではない。市販されている接着促進剤の例として、CD90050、CD9051およびCD9052(サートマー(Sartomer)社より供給されているアクリル酸エステル)が挙げられる。
【0050】
接着促進剤は組成物全体の約3重量%〜約12重量%、好ましくは約3重量%〜約5重量%の量で組成物中に存在し得る。
【0051】
また更なる態様において、抗酸化剤(例えばBHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)、MEHQ(ヒドロキノンモノメチルエーテル)またはテトラキス[メチレン−3(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなど)が添加され得る。
【0052】
抗酸化剤は組成物全体の約0.1重量%〜約2重量%、好ましくは約0.2重量%〜約0.4重量%の量で組成物中に存在し得る。
【0053】
好ましい態様において、本発明の耐久層はアミノ架橋剤、アミノ架橋剤と反応する少なくとも1つの官能基を有するUV硬化性モノマーまたはオリゴマー、酸触媒、光開始剤およびオプションとして(または場合により)抗酸化剤を含んで成り得る。
【0054】
上述の成分に加えて、組成物は添加剤、例えば光増感剤(例えばITX)、酸素スカベンジャー(例えばトリエチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、アルキルN,N−ジメチルアミノベンゾエートまたは2,6−ジイソプロピル−N,N−ジメチルアニリン)、UV吸収剤(例えばトリアジンまたはベンゾトリアゾール誘導体)もしくは光安定剤(例えばヒンダードアミン光安定剤)、潤滑剤(例えばシリコーンアクリレート、ステアリン酸亜鉛またはマイクロクリスタリンワックス)または着色剤などを更に含み得る。
【0055】
光増感剤の代表的な濃度範囲は、存在する場合、組成物全体の約1重量%〜約5重量%であり得る。酸素スカベンジャーの代表的な濃度範囲は、存在する場合、組成物全体の約1重量%〜約5重量%であり得る。UV吸収剤の代表的な濃度範囲は、存在する場合、組成物全体の約0.5重量%〜約4重量%であり得る。光安定剤の代表的な濃度範囲は、存在する場合、組成物全体の約0.1重量%〜約3重量%であり得る。潤滑剤の代表的な濃度範囲は、存在する場合、組成物全体の約0.5重量%〜約5重量%であり得る。
【0056】
耐久層の形成のため、4つの主要成分(i)アミノ架橋剤、(ii)UV硬化性モノマーまたはオリゴマー、(iii)酸触媒、および(iv)光開始剤を、オプションの成分および添加剤と共に、適切な溶媒(例えばケトン、エステル、エーテル、グリコールエーテル、グリコールエーテルエステル、ピロリドンなどであり、ケトンおよびエステル、例えばメチルエチルケトン(MEK)、メチルプロピルケトン(MPK)、シクロヘキサノン、エチルアセテート、プロピルアセテートおよびブチルアセテートがより好ましい)に分散または溶解させる。
【0057】
インモールド装飾テープまたはストリップ(10)の形成において、リリース層(11)、耐久層(12)、装飾デザイン層(13)および接着層(14)をキャリア層(15)上に順次コートする。このコーティングは、例えばスロットコーティング、ドクターブレードコーティング、グラビアコーティング、ロールコーティング、コンマコーティングおよびリップコーティングなどのコーティング法や、例えばグラビア印刷およびスクリーン印刷などの印刷法によって実施できる。
【0058】
装飾テープまたはストリップを形成した後、耐久層コーティング工程の乾燥の間に熱硬化を実施し、オプションとしてコーティング後に後硬化工程を実施する。熱硬化は硬化条件および組成物に応じて約80℃〜約150℃でさまざまな長さの時間、例えば数秒〜数時間で実施できる。保護層を成形物品の表面に転写した場合、射出成形プロセス後にUV硬化を実施する。成形物品を、例えば0.6フィート/分〜10フィート/分で走行するUVコンベヤに配置する。必要なUV硬化エネルギーは通常、約0.1〜約5J/cm、好ましくは約0.3〜約1.2J/cmの範囲にある。
【0059】
本発明の耐久層は、プラスチック物品を製造するためのあらゆるインモールドデコレーションプロセスに適する。物品に適切な材料の例として、熱可塑性材料、例えばポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル、ポリスルホン、ポリアリールエステル、ポリプロピレンオキシド、ポリオレフィン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS)、メタクリレート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(MABS)、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリウレタンおよび他の熱可塑性エラストマーまたはそれらのブレンドなど、ならびに熱硬化性材料、例えば反応射出成形グレードのポリウレタン、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、ビニルエステルまたはそれらのコンポジット、プリプレグおよびブレンドなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0060】
物品は、携帯電話またはポケットベルのプラスチックカバーであってよい。実際、耐久層はインモールドデコレーションプロセスより製造されるあらゆるプラスチック物品、例えばパーソナルアクセサリ(または個人の装身具もしくは身の回り品)、玩具または教育(または知育)機器、携帯情報端末(PDA)または電子書籍(e-book)のプラスチックカバー、クレジットまたはスマート・カード、身分証明書または名刺、アルバム、時計(腕時計、掛時計または置時計)、ラジオまたはカメラのフェイス(face:または表紙、文字盤もしくは操作盤などの外面)、自動車のダッシュボード、家庭用品、ラップトップ型コンピュータ・ハウジング、およびあらゆる消費者向け電子機器のキャリングケースまたはフロントコントロールパネルなどに好都合である。これで網羅されていないことは明らかである。他の適切なプラスチック物品は当業者に明らかであり、よって、それらは全て本発明の範囲に包含される。また、本発明の耐久層は、感熱印刷またはインクジェット印刷用の熱転写保護コーティングなどの用途、ならびにパスポートおよび他の身分証明(または識別)の用途にも好都合である。
【0061】
本発明により、優れた表面品質を有するインモールドデコレーションのための耐久層または保護コーティングを、より広い形状許容性を持って、低コストで提供するという目的が達成される。
【実施例】
【0062】
本発明を当業者がより明確に理解し、および実施することができるように以下の例を示す。これら例は本発明の範囲を限定するものとして考慮されてはならず、本発明を単に例示および代表するものとして考慮されるべきである。
【0063】
例1
リリース層と接着層との間に耐久層を有するIMDテープの作製
51.4gのMEK中の51.4gのCymel M/F 303(メラミンホルムアルデヒド樹脂;サイテック・インダストリーズ・インコーポレイテッド(Cytec Industries Inc.)製)の102.8gの溶液と、33.5gの4−ヒドロキシブチルアクリレート(TCI製)と、90gのMEK中の10gのCAB−531−1(セルロースアセテートブチレート;イーストマン・ケミカル・カンパニー(Eastman Chemical Co.)製)とを丸底フラスコ内で十分に混合した。この溶液を撹拌しながら80℃に加熱し、この混合物に、4.5gの2−プロピルアルコール中の3gのp−トルエンスルホン酸(アルドリッチ(Aldrich)製)を添加した。溶液を80℃にて20分間撹拌し続け、その後、室温まで冷却した。1.43gのBMS(4−(4−メチルフェニルチオフェニル)−フェニルメタノン;ビドル・ソーヤ・インコーポレイテッド(Biddle Sawyer, Inc.)製)、0.76gのIrgacure 651(2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)製)、0.14gのITX(イソプロピルチオキサントン;ビドル・ソーヤ・インコーポレイテッド製)、0.095gのIrganox 1035(チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート];チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)および0.19gのTinuvin 123(デカン二酸、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンとの反応生成物;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)を9gのMEKと共に、得られた溶液に添加した。その後、耐久層組成物を、市販のリリース層であるBOPP(二軸延伸ポリプロピレン;ユーシービー・サーフェス・スペシャルティズ(UCB Surface Specialties)製)上に♯2ドクターブレードでコートした。コートした組成物フィルムを空気乾燥させ、120℃で5分間硬化させた。
【0064】
その後、1部のSancure 2710(脂肪族ポリウレタン;ノベオン・インコーポレイテッド(Noveon Inc.、オハイオ州クリーブランド)製)および3部の脱イオン(DI)水からなる接着剤を、硬化した耐久層上に、♯16マイヤーバーを用いて、目標厚さ約3μmでオーバーコートした。得られたフィルムを射出成形型に挿入した。PMMA(ポリメチルメタクリレート)とポリカーボネートとの混合物を型穴にそれぞれ490°Fと550°Fで、接着層がプラスチック混合物に面するようにして射出した。リリースフィルムを剥離した後、耐久層および接着層は成形物品に完全に転写された。その後、成形物品を、フュージョン(Fusion)コンベヤ硬化システムを用いたUV露光(1J/cm)により後硬化させた。耐久層の溶媒耐性および摩耗耐性を評価した。この結果を表1にまとめる。
【0065】
溶媒耐性について、MEK滴下試験によりサンプルを試験した。摩耗耐性は、ノーマン(Norman)摩耗試験器を用いて、175gおよび50サイクルの負荷で試験した。鉛筆硬度を500gの負荷で試験した。
【0066】
例2
39.0gのMEK中の39.0gのResimene 745(メラミン−ホルムアルデヒド樹脂;ユーシービー・サーフェス・スペシャルティズ・インコーポレイテッド(UCB Surface Specialties, Inc.)製)の78.0gの溶液と、10.0gのMEK中の10.0gのAcryflow A140(アクリルポリオール;リオンデル(Lyondell)製)の20.gの溶液と、26gの4−ヒドロキシブチルアクリレート(TCI製)と、90.0gのMEK中の10.0gのCAB−531−1(セルロースアセテートブチレート;イーストマン・ケミカル・カンパニー製)と、10.0gのCD9052(接着促進剤;サートマー製)と、3.0gの2−プロピルアルコール中の2.0gのp−トルエンスルホン酸(アルドリッチ製)の5.0gの溶液とを3本ロールミルで約20分間十分に混合した。この混合物に、1.43gのBMS、0.76gのIrgacure 651、0.14gのITX、0.1gのIrganox 1035および0.19gのTinuvin 123を9gのMEKと共に添加した。残りの手順は例1と同様とした。試験結果を表1にまとめる。
【0067】
例3
10.4gのMEK中の10.4gのCymel M/F 303の20.8gの溶液と、4.4gの4−ヒドロキシブチルアクリレートと、2.9gのMEK−STと、0.6gのCD9051(三官能性酸エステル接着促進剤;サートマー製)と、0.6gのMEK中の0.6gのAcryflow A140と、14.4gのMEK中の1.6gのCAB−531−1と、1.2gの2−プロピルアルコール中の0.8gのp−トルエンスルホン酸の2gの溶液とを十分に混合した。この混合物に、0.29gのBMS、0.15gのIrgacure 651、0.03gのITX、0.02gのIrganox 1035および0.038gのTinuvin 123を1.8gのMEKと共に添加した。残りの手順は例1と同様とした。試験結果を表1にまとめる。
【0068】
例4
10.4gのMEK中の10.4gのCymel 303の20.8gの溶液と、4.4gの4−ヒドロキシブチルアクリレートと、2.9gのMEK−STと、0.8gのMEK中の0.8gのAcryflow A140と、8gのMEK中の2.0gのJPX−197T114−3(スチレン−アクリル酸コポリマー;Joncrylポリマーより)と、1.2gの2−プロピルアルコール中の0.8gのp−トルエンスルホン酸の2gの溶液とを十分に混合した。この混合物に、0.29gのBMS、0.15gのIrgacure 651、0.03gのITX、0.02gのIrganox 1035および0.038gのTinuvin 123を1.8gのMEKと共に添加した。残りの手順は例1と同様とした。試験結果を表1にまとめる。
【0069】
例5
7.8gのMEK中の7.8gのResimene 745の15.6gの溶液と、10.2gのCD570(エトキシル化ヒドロキシエチルメタクリレート;サートマー製)と、18gのMEK中の2gのCAB−531−1と、0.9gの2−プロピルアルコール中の0.6gのp−トルエンスルホン酸の1.5gの溶液とを十分に混合した。この混合物に、0.29gのBMS、0.15gのIrgacure 651、0.03gのITX、0.02gのIrganox 1035および0.038gのTinuvin 123を1.8gのMEKと共に添加した。残りの手順は例1と同様とした。試験結果を表1にまとめる。
【0070】
例6(比較例)
38gのMEK中の38gのResimene 745の76gの溶液と、90gのMEK中の10gのCAB−531−1と、3gの2−プロピルアルコール中の2gのp−トルエンスルホン酸の5gの溶液とを十分に混合した。この混合物に、1.43gのBMS、0.76gのIrgacure 651、0.14gのITX、0.095gのIrganox 1035および0.19gのTinuvin 123を9gのMEKと共に添加した。残りの手順は例1と同様とした。試験結果を表1にまとめる。
【0071】
【表1】

【0072】
以上、本発明ならびにこれを製造および使用する方法およびプロセスを、本発明の属する技術における当業者がこれを製造および使用することができるようように十分、明確、簡潔、正確に記載した。上記は本発明の好ましい態様を説明するものであり、特許請求の範囲に述べられる本発明の範囲を逸脱することなく改変がなされ得ることが理解される。発明とみなされる主題を特に指摘し、明瞭に主張するため、添付の特許請求の範囲が本明細書の結びとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】インモールドデコレーションテープまたはストリップの断面図である。
【図2】インモールドデコレーションテープまたはストリップがどのようにして型穴に供給されるかを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)アミノ架橋剤、
(ii)アミノ架橋剤と反応する少なくとも1つの官能基を有するUV硬化性モノマーまたはオリゴマー、
(iii)酸触媒、および
(iv)光開始剤
を含んで成る、インモールドデコレーションのための耐久層組成物。
【請求項2】
(v)バインダー、
(vi)アミノ架橋剤と反応する多官能性ポリマーまたはオリゴマー、
(vii)フィラー、
(viii)接着促進剤、または
(ix)抗酸化剤
の1つまたは2つ以上を更に含んで成る、請求項1に記載の耐久層組成物。
【請求項3】
前記アミノ架橋剤がアミン−アルデヒド縮合物またはカルボキシル基修飾アミノ樹脂である、請求項1に記載の耐久層組成物。
【請求項4】
前記アミン−アルデヒド縮合物は多官能性アミンのホルムアルデヒド縮合物である、請求項1に記載の耐久層組成物。
【請求項5】
前記多官能性アミンがメラミンまたは尿素である、請求項4に記載の耐久層組成物。
【請求項6】
前記アミノ架橋剤がメラミン−ホルムアルデヒド、ベンゾグアナミン−アルデヒド、またはグリコールウリル−ホルムアルデヒドである、請求項1に記載の耐久層組成物。
【請求項7】
前記UV硬化性モノマーまたはオリゴマーにおける前記官能基がヒドロキシル、カルボキシル、チオール、アミン、アミドまたはウレタンである、請求項1に記載の耐久層組成物。
【請求項8】
前記UV硬化性モノマーまたはオリゴマーがアクリレート、メタクリレート、アリル、ビニルエーテル、エポキシド、およびそれらの組合せからなる群より選択されるUV架橋性官能性を含む、請求項1に記載の耐久層組成物。
【請求項9】
前記UV硬化性モノマーまたはオリゴマーがヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレート、ヒドロキシルエポキシド、カルボキシルアクリレート、またはカルボキシルメタクリレートである、請求項1に記載の耐久層組成物。
【請求項10】
前記UV硬化性モノマーまたはオリゴマーが4−ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、またはヒドロキシプロピルアクリレートである、請求項1に記載の耐久層組成物。
【請求項11】
前記酸触媒が無機または有機酸触媒である、請求項1に記載の耐久層組成物。
【請求項12】
前記無機酸触媒が塩酸または硫酸である、請求項11に記載の耐久層組成物。
【請求項13】
前記有機酸触媒がp−トルエンスルホン酸、リン酸誘導体、ドデシルベンゼンスルホン酸、またはジノニルナフタレンジスルホン酸である、請求項11に記載の耐久層組成物。
【請求項14】
前記光開始剤がノリッシュ1型、2型、または3型光開始剤である、請求項1に記載の耐久層組成物。
【請求項15】
前記バインダーがセルロース誘導体もしくはそのコポリマー、ポリビニルアルコール誘導体もしくはそのコポリマー、またはポリメチルメタクリレートである、請求項2に記載の耐久層組成物。
【請求項16】
前記バインダーがセルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、ポリビニルアセタール、またはポリメチルメタクリレートである、請求項2に記載の耐久層組成物。
【請求項17】
前記多官能性ポリマーまたはオリゴマーがヒドロキシル、カルボキシル、チオール、アミン、アミド、およびウレタンからなる群より選択される官能基を含む、請求項2に記載の耐久層組成物。
【請求項18】
前記アミノ架橋剤が多官能性ポリマーまたはオリゴマーを含むように修飾されている、請求項2に記載の耐久層組成物。
【請求項19】
前記多官能性ポリマーまたはオリゴマーがヒドロキシル−ポリエステル樹脂、スチレン−アリルアルコールコポリマーポリオール、アクリルポリオール、またはポリ酸である、請求項2に記載の耐久層組成物。
【請求項20】
前記多官能性ポリマーまたはオリゴマーがポリオール樹脂、スチレン−アリルアルコールコポリマーポリオール、またはアクリルポリオールである、請求項2に記載の耐久層組成物。
【請求項21】
前記接着促進剤がアクリル酸エステル、アクリル酸金属塩、有機キレート、有機チタン酸塩もしくはジルコン酸塩、リン酸チタン錯体、またはシランカップリング剤である、請求項2に記載の耐久層組成物。
【請求項22】
前記接着促進剤がアクリル酸エステルである、請求項2に記載の耐久層組成物。
【請求項23】
前記フィラーがシリカ、CaCO、ミクロゲル粒子、またはマイカである、請求項2に記載の耐久層組成物。
【請求項24】
前記抗酸化剤がブチル化ヒドロキシトルエン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、またはテトラキス[メチレン−3(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンである、請求項2に記載の耐久層組成物。
【請求項25】
アミノ架橋剤、アミノ架橋剤と反応する少なくとも1つの官能基を有するUV硬化性モノマーまたはオリゴマー、酸触媒、光開始剤、および抗酸化剤を含んで成る、請求項2に記載の耐久層組成物。
【請求項26】
前記アミノ架橋剤と反応する多官能性ポリマーまたはオリゴマーを更に含んで成る、請求項25に記載の耐久層組成物。
【請求項27】
バインダーを更に含んで成る、請求項25に記載の耐久層組成物。
【請求項28】
接着促進剤を更に含んで成る、請求項25に記載の耐久層組成物。
【請求項29】
(i)アミノ架橋剤、
(ii)該アミノ架橋剤と反応する官能基を有するUV硬化性モノマーまたはオリゴマー、
(iii)酸触媒、
(iv)光開始剤、および
オプションとして、次の1つまたは2つ以上:バインダー、アミノ架橋剤と反応する多官能性ポリマーまたはオリゴマー、フィラー、接着促進剤、または抗酸化剤
を含んで成る組成物から形成される、インモールドデコレーションのための耐久層。
【請求項30】
(i)アミノ架橋剤、
(ii)該アミノ架橋剤と反応する官能基を有するUV硬化性モノマーまたはオリゴマー、
(iii)酸触媒、
(iv)光開始剤、および
オプションとして、次の1つまたは2つ以上:バインダー、アミノ架橋剤と反応する多官能性ポリマーまたはオリゴマー、フィラー、接着促進剤、または抗酸化剤
を含んで成る組成物から形成された耐久層を有するプラスチック物品。
【請求項31】
携帯電話またはポケットベルのプラスチックカバー、パーソナルアクセサリ、玩具または教育機器、携帯情報端末または電子書籍のプラスチックカバー、クレジットまたはスマート・カード、身分証明書または名刺、アルバム、時計、ラジオまたはカメラのフェイス、自動車のダッシュボード、家庭用品、ラップトップ型コンピュータ・ハウジング、および消費者向け電子機器のキャリングケースまたはフロントコントロールパネル、身分証明書、パスポートまたはインクジェット印刷もしくは感熱印刷された画像の熱転写保護コーティングである、請求項30に記載の物品。
【請求項32】
a)キャリア層、
b)リリース層、
c)(i)アミノ架橋剤、
(ii)アミノ架橋剤と反応する官能基を有するUV硬化性モノマーまたはオリゴマー、
(iii)酸触媒、
(iv)光開始剤、およびオプションとして、
次の1つまたは2つ以上:バインダー、アミノ架橋剤と反応する多官能性ポリマーまたはオリゴマー、フィラー、接着促進剤、または抗酸化剤
を含んで成る組成物から形成された耐久層、
d)装飾層、および
e)接着層
を含んで成る、インモールドデコレーションのための装飾テープまたはストリップ。
【請求項33】
前記装飾層が金属層またはインク層である、請求項32に記載の装飾テープまたはストリップ。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−518804(P2008−518804A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−539113(P2007−539113)
【出願日】平成17年10月25日(2005.10.25)
【国際出願番号】PCT/US2005/038775
【国際公開番号】WO2006/055207
【国際公開日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(500327016)シピックス・イメージング・インコーポレーテッド (27)
【氏名又は名称原語表記】SiPix Imaging,Inc
【住所又は居所原語表記】1075 Montague Expressway,Milpitas,California95035,United States of America
【Fターム(参考)】