ウェアラブル装置、認証方法、およびプログラム
【課題】ユーザを特定することが可能なウェアラブル装置、認証方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】ユーザの身体に装着されて使用されるウェアラブル装置であって、ユーザから生体情報を取得し、生体認証を行う生体情報認証部を備えるウェアラブル装置が提供され、ウェアラブル装置は、ユーザの身体に接する部分から、または、ユーザの身体に近接する部分から生体情報を取得することにより、ユーザに対して生体認証のための動作を要求することなく認証を行う。
【解決手段】ユーザの身体に装着されて使用されるウェアラブル装置であって、ユーザから生体情報を取得し、生体認証を行う生体情報認証部を備えるウェアラブル装置が提供され、ウェアラブル装置は、ユーザの身体に接する部分から、または、ユーザの身体に近接する部分から生体情報を取得することにより、ユーザに対して生体認証のための動作を要求することなく認証を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェアラブル装置、認証方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、ヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display)やヘッドフォン(headphone)、手首に巻きつけて用いる手首式血圧計、腕時計など、ユーザの装着を前提とした様々な装着型の装置(ウェアラブル装置)が普及している。
【0003】
このような中、例えば、装着型の装置(ウェアラブル装置)にセンサを設けて装着の有無を検出し、検出結果に応じて装置の動作を制御する技術が開発されている。ヘッドマウントディスプレイなどの頭部に装着される装置に頭部の動きを検出するセンサを設け、頭部の動きを検出することにより電源の制御を行う技術としては、例えば、特許文献1が挙げられる。
【0004】
【特許文献1】特開2004−96224号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、装着型の装置(ウェアラブル装置)にセンサを設けて装着の有無を検出し、検出結果に応じて装置の動作を制御する従来の技術は、単に装着の有無を検出しているに過ぎない。したがって、従来の装着型の装置(ウェアラブル装置)では、装着された状態さえ検出されれば、装着型の装置(ウェアラブル装置)を装着したユーザが、たとえ「者」でなくとも機能してしまう場合があった。また、従来の装着型の装置では、装着型の装置(ウェアラブル装置)を使用するユーザを特定することはできないため、ユーザごとに使用可能な機能を制御することもできない。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ユーザを特定することが可能な、新規かつ改良されたウェアラブル装置、認証方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点によれば、ユーザの身体に装着されて使用されるウェアラブル装置であって、前記ユーザから生体情報を取得し、生体認証を行う生体情報認証部を備えるウェアラブル装置が提供される。
【0008】
上記ウェアラブル装置は、ユーザの身体に装着されて使用されることが前提の装着型の装置である。上記ウェアラブル装置は、少なくとも生体情報認証部を備える。生体情報認証部は、ユーザの身体から生体情報を取得し、当該取得した生体情報を用いて認証を行うことができる。また、生体情報認証部は、ウェアラブル装置に備わることにより、ユーザの身体に接する部分から生体情報を取得することができ、また、ユーザの身体に近接する部分から生体情報を取得することもできる。さらに、生体情報認証部は、ユーザの特定の部位からではなく、ユーザの身体の動きを生体情報として取得することもできる。ここで、生体情報とはユーザの生体に係る情報であり、生体情報としては、例えば、脈、虹彩、指紋、顔、歩行パターンなどが挙げられる。かかる構成により、ユーザによる認証のための操作や動作を必要とせずに生体認証を行い、ユーザを特定することが可能となる。
【0009】
また、装着の有無を検出する装着検出部をさらに備え、前記生体情報認証部は、前記装着検出部において装着が検出された場合に生体認証を行い、前記装着検出部において装着が検出されない場合には生体認証を行わないとしてもよい。
【0010】
かかる構成により、装着が検出された場合にのみ生体認証部は生体認証を行うことができるので、生体認証の実行に係る電力消費を低減することができる。
【0011】
また、前記生体認証部は、前記ユーザに対して最初に生体認証が行われてから所定の時間経過後に、再度生体認証を行うとしてもよい。
【0012】
かかる構成により、装着後に最初に行われた生体認証後にユーザが変更された場合であっても、フレキシブル(flexible)にユーザを特定することができる。
【0013】
また、前記生体認証部は、定期的に生体認証を行うとしてもよい。
【0014】
かかる構成により、生体認証後にユーザが複数回変更された場合であっても、フレキシブルにユーザを特定することができる。
【0015】
また、1以上の機能の実行を制御する機能部と、前記機能部に対する操作を行う操作部とをさらに備え、前記生体認証部は、前記操作部において操作が行われたときに生体認証を行うとしてもよい。
【0016】
かかる構成により、生体認証後にユーザが複数回変更された場合であっても、機能の実行ごとにフレキシブルにユーザを特定することができる。
【0017】
また、ユーザごとの生体情報を含むプロファイルデータを保持する記憶部をさらに備え、前記生体情報認証部は、ユーザの身体から取得する生体情報と、前記記憶部に保持されたプロファイルデータとに基づいて生体認証を行うとしてもよい。
【0018】
かかる構成により、ウェアラブル装置を複数のユーザで共有して用いることができ、かつユーザを特定することができる。
【0019】
また、1以上の機能の実行を制御する機能部をさらに備え、前記プロファイルデータは、前記1以上の機能の有効化、または無効化が、機能ごとに設定可能な機能情報をさらに含み、前記機能部は、前記プロファイルデータの機能情報を用いて、前記1以上の機能を機能ごとに有効化、または無効化するとしてもよい。
【0020】
かかる構成により、ユーザごとに使用可能な機能を制御することができる。
【0021】
また、1以上の機能の実行を制御する機能部をさらに備え、前記記憶部は、前記機能部により実行される1以上のコンテンツデータを保持し、前記プロファイルデータは、前記コンテンツデータの実行に係るコンテンツデータ権限情報をさらに含み、前記機能部は、前記プロファイルデータが含むコンテンツ情報を用いて、前記1以上の機能を、前記コンテンツデータごと、および機能ごとに有効化、または無効化するとしてもよい。
【0022】
かかる構成により、ユーザごとに使用可能なコンテンツデータおよび機能を制御することができる。
【0023】
また、1以上の機能の実行を制御する機能部をさらに備え、前記記憶部は、前記機能部により実行される1以上のコンテンツデータを保持し、前記コンテンツデータそれぞれは、前記コンテンツデータを使用可能なユーザを規定するユーザ情報を含み、前記機能部は、前記プロファイルデータと、前記ユーザ情報とに基づいて、前記1以上の機能を、前記コンテンツデータごと、および機能ごとに有効化、または無効化するとしてもよい。
【0024】
かかる構成により、ユーザごとに使用可能なコンテンツデータおよび機能を制御することができる。
【0025】
また、少なくとも1以上の外部装置と通信を行う通信部をさらに備え、前記プロファイルデータは、通信を行う所定の外部装置を規定する通信情報をさらに有し、前記通信部は、前記プロファイルデータの通信情報に基づいて、所定の外部装置と通信を行うとしてもよい。
【0026】
かかる構成により、外部装置との連携が可能となる。
【0027】
また、前記通信部は、前記生体情報認証部において生体認証が行われた場合に前記所定の外部装置と通信を行い、生体認証が行われたことを通知するとしてもよい。
【0028】
かかる構成により、外部装置に対して生体認証が行われたことが通知されるので、外部装置においてウェアラブル装置の使用状況を把握することができる。
【0029】
また、上記目的を達成するために、本発明の第2の観点によれば、ユーザの身体に装着されて使用されるウェアラブル装置における認証方法であって、装着の有無を検出するステップと、前記検出するステップにおいて装着が検出された場合には、前記ユーザから生体情報を取得して生体認証を行い、装着が検出されない場合には、前記ユーザから生体情報を取得しないステップとを有する認証方法が提供される。
【0030】
かかる方法を用いることにより、ユーザによる認証のための操作を必要とせずに生体認証を行い、ユーザを特定することが可能となる。
【0031】
また、上記目的を達成するために、本発明の第3の観点によれば、ユーザの身体に装着されて使用されるウェアラブル装置に用いられるプログラムであって、装着の有無を検出する手段、前記検出する手段において装着が検出された場合には、前記ユーザから生体情報を取得し、生体認証を行い、装着が検出されない場合には、前記ユーザから生体情報を取得しない手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムが提供される。
【0032】
かかるプログラムを用いることにより、ユーザによる認証のための操作、動作を必要とせずに生体認証を行い、ユーザを特定することが可能となる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、ユーザによる認証のための操作を必要とせずに生体認証が行え、ユーザを特定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0035】
(本発明の実施形態に係るウェアラブル装置の一例)
まず、本発明の実施形態に係るウェアラブル装置について例示する。図1〜3は、本発明の実施形態に係るウェアラブル装置の一例を示す説明図である。
【0036】
ウェアラブル装置は、ユーザの身体に装着されて使用されることが前提の装着型の装置である。本発明の実施形態に係るウェアラブル装置としては、例えば、図1に示すヘッドマウントディスプレイ、図2に示すウェアラブルカメラ、図3に示す手首装着型のウェアラブルディスプレイなどが挙げられる。なお、本発明の実施形態に係るウェアラブル装置は、図1、図2に示す頭部に装着するものや、図3に示す手首に装着するものへの適用に限られず、例えば、グローブなどの手に装着するもの、衣服などの身体の一部を覆うものなどに適用することができる。以下、本発明の実施形態に係るウェアラブル装置について説明する。
【0037】
(第1の実施形態)
図4は、本発明の第1の実施形態に係るウェアラブル装置100を示すブロック図である。
【0038】
図4を参照すると、ウェアラブル装置100は、装着検出部102と、生体情報認証部104と、記憶部106と、機能部108と、操作部110とを備える。また、ウェアラブル装置100は、ウェアラブル装置100全体を制御する、例えば、MPU(Micro Processing Unit)などの制御部(図示せず)、各構成要素に電力を供給する、例えば、リチウムイオン二次電池(Lithium ion Secondary Battery)などの電源部(図示せず)、文字や画像などを表示する表示部(図示せず)を備えてもよい。
【0039】
装着検出部102は、ユーザがウェアラブル装置100を装着したか否かを検出することができる。装着検出部102における装着の検出手段としては、例えば、温度の変化の検出、湿度変化の検出、または、インピーダンスの変化の検出などが挙げられる。
【0040】
また、装着検出部102は、装着が検出された場合には、時刻などを含むログファイル(図示せず)を生成し、生成したログファイル(図示せず)を記憶部106(後述する)に保持させることができる。また、例えば、装着検出部102は、常時装着を検出し、装着が検出された後に装着が検出されなくなった場合(例えば、ユーザがウェアラブル装置100の使用を中止した場合)にログファイル(図示せず)を記憶部106(後述する)に保持させてもよい。
【0041】
生体情報認証部104は、装着検出部102において装着が検出されると、ユーザから生体情報を取得し、記憶部106(後述する)に保持されている生体情報を用いて、例えば、パターン・マッチングにより生体認証(biometrics authentication)を行う。ここで、本発明の実施形態に係る生体情報としては、例えば、ユーザの静脈パターン、虹彩、指紋、顔などの身体の情報や、歩行パターンなどの動作に係る情報などが挙げられるが、上記に限られないことは、言うまでもない。
【0042】
また、生体情報認証部104は、装着検出部102において装着が検出されない場合は、認証に係る動作を行わないとすることができる。装着検出部102において装着が検出されない場合、すなわち、ユーザが装着していない場合には認証を行わないことにより、ウェアラブル装置100は、認証の実行に係る余分な消費電力を削減することができる。
【0043】
さらに、生体情報認証部104は、生体認証が行われた場合には、生体認証が行われた旨、生体認証の認証結果、認証時刻などを含むログファイル(図示せず)を生成し、生成したログファイル(図示せず)を記憶部106(後述する)に保持させることもできる。例えば記憶部106にログファイル(図示せず)が保持されることにより、ウェアラブル装置100を「何時」「どのユーザが」使用したか、または使用しようとしたかを、ユーザ(例えば、ウェアラブル装置100の所有者など、特定のユーザであってもよい。)が把握することができる。
【0044】
記憶部106は、ウェアラブル装置100が有する記憶手段であり、プロファイルデータ、コンテンツデータなどを保持することができる。ここで、記憶部106が有する記憶手段としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記録媒体、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)やFeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)およびPRAM(Phase change Random Access Memory)などの不揮発性メモリ(nonvolatile memory)、記録型DVD(Digital Versatile Disk)や記録型CD(Compact Disk)などの光記録媒体、光磁気ディスク(Magneto Optical Disk)などが挙げられるが、上記に限られないことは、言うまでもない。
【0045】
プロファイルデータは、ウェアラブル装置100の使用可能な機能の設定などの各種設定がユーザごとに定められるデータであり、ユーザ単位に保持される。例えば、図4では、記憶部106はプロファイルデータA112、プロファイルデータB114など複数のプロファイルデータを保持している。したがって、ウェアラブル装置100は、複数のユーザでの共有が可能となっている。
【0046】
[本発明の実施形態に係るプロファイルデータ]
図5は、本発明の実施形態に係るプロファイルデータの概略を示す説明図である。ここで、図5は、図4に示すプロファイルデータA112を例示している。なお、図5は、本発明の実施形態に係るプロファイルデータの一例を模式的に示したものであり、本発明の実施形態に係るプロファイルデータは、図5に限定されるものではない。
【0047】
図5を参照すると、本発明の実施形態に係るプロファイルデータA112は、ユーザAに関するデータであり、生体情報120と、有効機能情報122と、無効機能情報124と、コンテンツ情報126を含む。
【0048】
生体情報120は、生体情報認証部104が認証に用いるデータである。生体情報120としては、例えば、ユーザAの静脈パターン、虹彩、指紋、顔などの身体の情報や、歩行パターンなどのユーザAの動作に係る情報などが挙げられる。
【0049】
有効機能情報122は、ウェアラブル装置100が有する機能のうち、ユーザAが使用可能な機能を規定する情報である。例えば、図5では、機能Aおよび機能Bが使用可能な機能として設定されている。ここで、ウェアラブル装置100が有する機能としては、例えば、コンテンツデータ(後述する)の閲覧・再生機能、コンテンツデータの修正・編集機能、コンテンツデータの削除機能、コンテンツデータのコピー機能、コンテンツデータの作成機能、コンテンツデータの保存機能などが挙げられる。なお、ウェアラブル装置100が有する機能は、コンテンツデータに係る機能に限られないことは、言うまでもない。また、有効機能情報122は、図5に示すように機能ごとに設定されることに限られず、例えば、「全ての機能を使用可能」ということを示す情報であってもよい。
【0050】
無効機能情報124は、ウェアラブル装置100が有する機能のうち、ユーザAが使用不能な機能を規定する情報である。例えば、図5では、機能Cが使用可能な機能として設定されている。
【0051】
有効機能情報122および無効機能情報124が設定されることにより、ユーザごとに使用可能な機能を制御することができる。
【0052】
コンテンツ情報126は、ウェアラブル装置100が有する機能のうち、ユーザAが使用可能な機能を、記憶部106が保持するコンテンツデータ(後述する)ごとに規定する情報である。例えば、図5では、コンテンツA(コンテンツデータA116に相当)について閲覧可能に設定されており、また、コンテンツデータB(コンテンツデータB118に相当)について、閲覧可能および修正可能に設定されている。したがって、ユーザAは、コンテンツBについては修正を行うことができるが、コンテンツAについては修正を行うことができない。
【0053】
したがって、図5に示すようなプロファイルデータを用いることにより、ユーザごとに使用可能な機能の設定などの各種設定を行うことができるので、ウェアラブル装置100を複数のユーザでの共有し、ユーザごとに使用可能な機能や利用可能なコンテンツデータを制御することが可能となる。
【0054】
また、プロファイルデータでは、ユーザごとに使用可能な機能を制御できるので、ウェアラブル装置100を実際に使用しているユーザが使用可能な機能にしか電源を供給しないことが可能となる。したがって、ウェアラブル装置100では、電力消費を低減することができる。なお、ウェアラブル装置100を使用しようとするユーザに対応するプロファイルデータが存在しない場合(すなわち、登録されたユーザではない場合)には、主電源(ここで、主電源とは、生体情報認証部104以外の構成要素に供給される電源をいう。以下、同様。)をONとすることさえ許可しないことが可能であることは、言うまでもない。
【0055】
記憶部106に保持されるコンテンツデータは、ユーザが利用可能なコンテンツ(contents)に係るデータであり、コンテンツデータとしては、例えば、MP3(Moving Picture experts group phase-1 audio layer-3)やATRAC(Adaptive TRansform Acoustic Coding)などの音声フォーマットで記録された音声ファイル、もしくは、WMV(Windows Media Video)やH.264/MPEG−4 AVC(H.264/Moving Picture Experts Group phase-4 Advanced Video Coding)などの動画フォーマットで記録された動画ファイル、もしくは、JPEG(Joint Photographic Experts Group)などの静止画フォーマットで記録された画像ファイルなどのマルチメディアファイル、または、テキスト形式のデータなどの文書ファイルなどが挙げられるが、上記に限られない。
【0056】
また、上述した図5に示すプロファイルデータでは、プロファイルデータがコンテンツ情報126を有し、ユーザAが使用可能な機能をコンテンツデータごとに規定する構成について説明したが、本発明の実施形態は、上記に限られない。そこで、次に、コンテンツデータ側にユーザが使用可能な機能を規定する構成について説明する。
【0057】
[本発明の実施形態に係るコンテンツデータ]
図6は、本発明の実施形態に係るコンテンツデータの概略を示す説明図である。ここで、図6(a)は、図4に示すコンテンツデータA116を示し、また、図6(b)は、図4に示すコンテンツデータB118を示している。なお、図6は、本発明の実施形態に係るコンテンツデータの一例を模式的に示したものであり、本発明の実施形態に係るコンテンツデータは、図6に限定されるものではない。
【0058】
図6(a)を参照すると、本発明の実施形態に係るコンテンツデータA116は、コンテンツAに関するデータであり、ユーザ情報128を含む。ユーザ情報128には、ユーザA、ユーザB、ユーザDの3つのユーザについて、ユーザAには「閲覧可能」、ユーザBには「閲覧可能」、「修正可能」という情報が設定されており、また、ユーザDには条件は設定されていない。したがって、コンテンツデータA116を利用するユーザが、例えば、ユーザAである場合には、コンテンツデータA116を閲覧のみ行うことができ、また、コンテンツデータA116を利用するユーザがユーザDである場合には、コンテンツデータA116をコピーすることも削除することもできる。
【0059】
また、図6(b)を参照すると、本発明の実施形態に係るコンテンツデータB118は、コンテンツBに関するデータであり、コンテンツデータA116と同様に、ユーザ情報130を含む。ユーザ情報130には、ユーザA、ユーザCの2つのユーザについて、ユーザAには「閲覧可能」、「修正可能」という情報が設定されており、また、ユーザCには条件は設定されていない。したがって、コンテンツデータB118を利用するユーザが、例えば、ユーザAである場合には、コンテンツデータB118の閲覧、修正を行うことができ、また、情報が設定されていないユーザBである場合には、コンテンツデータB118を何ら利用することができない。
【0060】
したがって、図6に示すようなコンテンツデータを用いることにより、コンテンツデータごとに、当該コンテンツデータを利用可能なユーザを設定し、さらにユーザごとに使用可能な機能を制限することができる。よって、ウェアラブル装置100を複数のユーザでの共有し、ユーザごとに使用可能な機能や、利用可能なコンテンツデータを制御することが可能となる。なお、コンテンツデータに設定されるユーザ情報は、例えば、コンテンツデータのタグ情報として記録することができるが、上記に限られず、例えば、電子すかしの形でコンテンツデータに埋め込まれていてもよい。また、コンテンツデータに設定されるユーザ情報は、例えば、ウェアラブルカメラによる撮像時など、コンテンツデータの生成時に付与することもでき、また、操作部110(後述する)を用いて付与、編集することもできる。
【0061】
機能部108は、ウェアラブル装置100が有する機能の実行を制御する部である。ウェアラブル装置100が有する機能としては、例えば、コンテンツデータの閲覧・再生機能、コンテンツデータの修正・編集機能、コンテンツデータの削除機能、コンテンツデータのコピー機能などが挙げられる。ここで、コンテンツデータが、例えば、テキスト形式のデータである場合には、機能部108はテキスト・エディタ機能(text editor)を有し、また、コンテンツデータが、例えば、マルチメディアファイルである場合には、動画編集機能や静止画編集機能を有することができる。
【0062】
操作部110は、ユーザが操作可能なデバイスであり、操作部110において所定の操作がなされることにより、例えば、機能部108に対して機能の実行に係る命令を伝えることができる。ここで、操作部110としては、例えば、ボタン、方向キー、ジョグダイヤルなどの回転型セレクター、あるいは、これらの組み合わせなどが挙げられるが、上記に限られない。
【0063】
また、操作部110は、プロファイルデータを編集するためのデバイスとしても利用することができる。ここで、プロファイルデータの編集とは、例えば、有効化機能情報、無効機能情報への機能の追加、修正、削除などが挙げられるが、上記に限られない。操作部110を用いてプロファイルデータの編集を可能とすることにより、ウェアラブル装置100は、ユーザごとに使用可能な機能の制御をよりフレキシブルに行うことができる。
【0064】
本発明の第1の実施形態に係るウェアラブル装置100は、上記のような構成をとることにより、ユーザの装着を検出して装着の有無に基づいて認証を行うことができる。また、認証は、ユーザごとに設定されたプロファイルデータを用いて行われ、当該プロファイルデータには、ユーザごとに使用可能な機能などの各種情報が設定されている。したがって、ウェアラブル装置100を複数のユーザで共有することができ、また、ユーザごとに使用可能な機能や、利用可能なコンテンツデータを制御することが可能となる。
【0065】
さらに、ウェアラブル装置100は装着が前提となる装置である。よって、ウェアラブル装置100は、ユーザの身体に接する部分から、または、ユーザの身体に近接する部分から容易に生体情報を取得することができる。したがって、ウェアラブル装置100は、ユーザに対して生体認証のための動作を要求することなくユーザから生体情報を取得し、認証を行うことができる。
【0066】
次に、本発明の実施形態に係る認証方法について説明する。なお、以下に示す認証方法では、図4に示す本発明の第1の実施形態に係るウェアラブル装置100における認証方法として示すが、本発明の実施形態に係る認証方法がウェアラブル装置100に適用されることに限られないことは、言うまでもない。
【0067】
[本発明の実施形態に係る第1の認証方法]
図7は、本発明の実施形態に係る第1の認証方法を示す流れ図である。
【0068】
まず、ウェアラブル装置100が装着されたか否かを検出する(S100)。ステップS100における装着の有無の検出は、例えば、温度の変化の検出、湿度変化の検出、または、インピーダンスの変化の検出などにより行うことができる。
【0069】
ステップS100において装着が検出されない場合には、装着が検出されるまでウェアラブル装置100は何らの動作も行わない。したがって、ウェアラブル装置100における電力消費を抑制することができる。
【0070】
また、ステップS100において装着が検出されると、ユーザから生体情報を取得し読み取る(S102)。ここで、ユーザから取得する生体情報としては、例えば、ユーザの静脈パターン、虹彩、指紋、顔などの身体の情報や、歩行パターンなどの動作に係る情報などが挙げられるが、上記に限られない。なお、ステップS100において装着が検出されているので、ウェアラブル装置100がユーザから生体情報を取得できない可能性は低くなる。また、ウェアラブル装置100は装着が前提となる装置であり、ウェアラブル装置100は、ユーザの身体に接する部分から、または、ユーザの身体に近接する部分から容易に生体情報を取得することができる。
【0071】
ステップS102においてユーザから取得した生体情報を用いて生体認証を行い、認証が成功したか否かを判定する(S104)。ステップS104における生体認証は、ステップS102においてユーザから取得した生体情報と、ウェアラブル装置100の記憶部106に保持されるプロファイルデータに含まれる生体情報とをマッチングさせ、合致するか否かで判定することができる。ここで、ステップS104における生体認証の成功とは、「ステップS102においてユーザから取得した生体情報と、プロファイルデータに含まれる生体情報とが合致すること」とすることができるが、上記合致が「完全な合致ではなくてもよい」とすることができることは、言うまでもない。
【0072】
ステップS104において認証が成功しない場合には、所定の回数認証が行われたか否かを判定する(S112)。ステップS112における判定は、例えば、ステップS112の処理回数と、上記所定の回数との大きさを比較することにより行え、また、ステップS112における処理回数は処理が行われてから一定時間後にリセットさせることができる。ここで、ステップS112における判定は、例えば、生体情報認証部104が行うことができるが、上記に限られず、ウェアラブル装置100全体を制御する制御部(図示せず)が行うこともできる。また、上記所定の回数に係る情報は、記憶部106に記憶されていてもよいし、また、生体情報認証部104が記憶手段を有し、当該記憶手段が記憶することもできる。なお、生体情報認証部104が有する記憶手段としては、例えば、ハードディスクなどの磁気記録媒体や、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリなどが挙げられるが、上記に限られない。
【0073】
ステップS112において所定の回数認証が行われていないと判定された場合には、ステップS102からの処理を再度繰り返す。したがって、ステップS104における生体認証で誤認証(ここでの誤認証とは、プロファイルデータが存在するユーザ(以下、「登録ユーザ」という。)であるにもかかわらず、認証が成功しなかった場合をいう。)が発生した場合であっても、再度認証を行うことにより、認証が成功する可能性を高めることができる。
【0074】
また、ステップS112において所定の回数認証が行われたと判定された場合には、ユーザにウェアラブル装置100を使用する使用権限がない旨を通知し(S114)、ウェアラブル装置100の使用を不能とする(S116)。ここで、ステップS114における通知は、例えば、表示による視覚情報の提示、音声などによる聴覚情報の提示などが挙げられるが、上記に限られない。また、ステップS116におけるウェアラブル装置100の使用の不能とは、例えば、主電源をONとしないことなどが挙げられる。
【0075】
ステップS104において認証が成功した場合には、ウェアラブル装置100の主電源をONとし(S106)、プロファイルデータを読み込む(S108)。そして、ステップS108において読み込まれたプロファイルデータに設定された有効機能情報、無効機能情報、コンテンツ情報などの各種設定情報を用いて、使用するユーザごとのウェアラブル装置100の使用を可能とする(S110)。なお、ステップS104において、生体認証を行う際に使用したプロファイルデータを保持したままの状態である場合には、ステップS108は必ずしも必要ではないことは、言うまでもない。
【0076】
以上のように、本発明の実施形態に係る第1の認証方法は、装着の有無を検出し、装着が検出された場合に生体認証を行い、装着が検出されない場合には生体認証を行わない。したがって、ウェアラブル装置100は、装着が検出されない場合には生体認証に係る機能を有効としないので、生体認証に係る電力消費を抑制することができる。
【0077】
また、第1の認証方法は、生体認証が成功した場合にウェアラブル装置100の主電源をONとし、生体認証が所定の回数成功しない場合にはウェアラブル装置100の使用を不能とすることができる。したがって、ウェアラブル装置100は、生体認証が成功しない場合には、生体認証に係る機能以外の機能を動かすための電源を供給しないので、電力消費を抑制することができる。
【0078】
また、第1の認証方法は、生体認証が成功した場合にのみウェアラブル装置100の使用を可能とする、すなわち、登録ユーザのみがウェアラブル装置100を使用することができるので、ウェアラブル装置100を使用するユーザ、および使用可能な機能を厳密に制御することができる。
【0079】
さらに、ウェアラブル装置100は装着が前提となる装置である。よって、ウェアラブル装置100は、ユーザの身体に接する部分から、または、ユーザの身体に近接する部分から容易に生体情報を取得することができる。したがって、第1の認証方法は、ユーザに対して生体認証のための動作を要求することなくユーザから生体情報を取得し、認証を行うことができる。
【0080】
[本発明の実施形態に係る第2の認証方法]
図7に示す第1の認証方法では、生体認証が成功しない場合にはウェアラブル装置100の使用を不能とする認証方法について示した。しかしながら、本発明の実施形態に係る認証方法は、生体認証が成功しない場合にはウェアラブル装置100の使用を不能とすることに限られない。そこで次に、本発明の実施形態に係る第2の認証方法について説明する。図8は、本発明の実施形態に係る第2の認証方法を示す流れ図である。
【0081】
まず、第1の認証方法と同様に、ウェアラブル装置100が装着されたか否かを検出する(S200)。ここで、ステップS200において装着が検出されない場合には、装着が検出されるまでウェアラブル装置100は何らの動作も行わない。したがって、ウェアラブル装置100における電力消費を抑制することができる。
【0082】
ステップS200において装着が検出されると、第1の認証方法と同様に、ユーザから生体情報を取得して読み取り(S202)、ステップS202においてユーザから取得した生体情報を用いて生体認証を行って認証が成功したか否かを判定する(S204)。
【0083】
ステップS204において認証が成功しない場合には、第1の認証方法と同様に、所定の回数認証が行われたか否かを判定し(S212)、ステップS212において所定の回数認証が行われていないと判定された場合には、ステップS202からの処理を再度繰り返す。
【0084】
また、ステップS212において所定の回数認証が行われた場合には、プロファイルデータを新規に作成し(S214)、ステップS202からの処理を再度繰り返す。ステップS214におけるプロファイルデータの作成は、例えば、生体情報認証部104が行うことができるが、上記に限られず、ウェアラブル装置100全体を制御する制御部(図示せず)が行うこともできる。また、作成されるプロファイルデータに設定される生体情報は、ユーザから取得した生体情報とすることができ、有効機能情報、無効機能情報、コンテンツ情報は、例えば、予め決められた設定とすることができる。ここで、上記予め決められた設定に係る情報は、例えば、記憶部106に記憶されていてもよいし、また、生体情報認証部104が記憶手段を有し、当該記憶手段が記憶することもできる。なお、ステップS214において作成されたプロファイルデータは、例えば、操作部110を用いて編集することができる。
【0085】
ステップS204において認証が成功した場合には、第1の認証方法と同様に、ウェアラブル装置100の主電源をONとし(S206)、プロファイルデータを読み込む(S208)。そして、ステップS208において読み込まれたプロファイルデータに設定された有効機能情報、無効機能情報、コンテンツ情報などの各種設定情報を用いて、使用するユーザごとのウェアラブル装置100の使用を可能とする(S210)。
【0086】
以上のように、本発明の実施形態に係る第2の認証方法は、装着の有無を検出し、装着が検出された場合に生体認証を行い、装着が検出されない場合には生体認証を行わない。したがって、ウェアラブル装置100は、第1の認証方法と同様に、装着が検出されない場合には生体認証に係る機能を有効としないので、生体認証に係る電力消費を抑制することができる。
【0087】
また、ウェアラブル装置100は装着が前提となる装置である。よって、ウェアラブル装置100は、ユーザの身体に接する部分から、または、ユーザの身体に近接する部分から容易に生体情報を取得することができる。したがって、第2の認証方法は、ユーザに対して生体認証のための動作を要求することなくユーザから生体情報を取得し、認証を行うことができる。
【0088】
さらに、第2の認証方法は、生体認証が成功した場合にウェアラブル装置100の主電源をONとし、プロファイルデータに基づいて機能が制御される。また、第2の認証方法は、生体認証が所定の回数成功しない場合には、新規にプロファイルデータを作成して認証を行う。したがって、ウェアラブル装置100は、使用可能なユーザを自動的に増やすことができる。またウェアラブル装置100は、作成されるプロファイルデータに設定される有効機能情報、無効機能情報、コンテンツ情報を予め決められた設定とすることにより、ユーザごとに使用可能な機能を制御することができる。
【0089】
[本発明の実施形態に係る第3の認証方法]
図7に示す第1の認証方法では、生体認証が成功しない場合にはウェアラブル装置100の使用を不能とする認証方法について示し、また、図8に示す第2の認証方法では、生体認証が成功しない場合にプロファイルデータを新規に作成してウェアラブル装置100を使用可能なユーザを自動的に増やす認証方法を示した。しかしながら、本発明の実施形態に係る認証方法は、第1、第2の認証方法に限られない。そこで次に、本発明の実施形態に係る第3の認証方法について説明する。図9は、本発明の実施形態に係る第3の認証方法を示す流れ図である。
【0090】
まず、第1の認証方法と同様に、ウェアラブル装置100が装着されたか否かを検出する(S300)。ここで、ステップS300において装着が検出されない場合には、装着が検出されるまでウェアラブル装置100は何らの動作も行わない。したがって、ウェアラブル装置100における電力消費を抑制することができる。
【0091】
ステップS300において装着が検出されると、第1の認証方法と同様に、ユーザから生体情報を取得して読み取り(S302)、ステップS302においてユーザから取得した生体情報を用いて生体認証を行って認証が成功したか否かを判定する(S304)。
【0092】
ステップS304において認証が成功しない場合には、第1の認証方法と同様に、所定の回数認証が行われたか否かを判定し(S312)、ステップS312において所定の回数認証が行われていないと判定された場合には、ステップS302からの処理を再度繰り返す。
【0093】
また、ステップS312において所定の回数認証が行われた場合には、制限ユーザとしてウェアラブル装置100の使用を可能とする(S314)。ここで、上記制限ユーザとは、ウェアラブル装置100を一時的に使用可能なユーザ(いわゆる、ゲストユーザ)である。ウェアラブル装置100が第3の認証方法を用いる場合には、例えば、記憶部106に制限ユーザ用のプロファイルデータが保持し、記憶部106から当該制限ユーザ用のプロファイルデータを読み込めばよい。なお、制限ユーザ用のプロファイルデータは、一時的にウェアラブル装置100を使用させるために使用されるものであり、操作部110を用いた編集を不能とすることができる(この場合、制限ユーザが使用可能な機能は固定となる。)。
【0094】
ステップS304において認証が成功した場合には、第1の認証方法と同様に、ウェアラブル装置100の主電源をONとし(S306)、プロファイルデータを読み込む(S308)。そして、ステップS308において読み込まれたプロファイルデータに設定された有効機能情報、無効機能情報、コンテンツ情報などの各種設定情報を用いて、使用するユーザごとのウェアラブル装置100の使用を可能とする(S310)。
【0095】
以上のように、本発明の実施形態に係る第3の認証方法は、装着の有無を検出し、装着が検出された場合に生体認証を行い、装着が検出されない場合には生体認証を行わない。したがって、ウェアラブル装置100は、第1の認証方法と同様に、装着が検出されない場合には生体認証に係る機能を有効としないので、生体認証に係る電力消費を抑制することができる。
【0096】
また、ウェアラブル装置100は装着が前提となる装置である。よって、ウェアラブル装置100は、ユーザの身体に接する部分から、または、ユーザの身体に近接する部分から容易に生体情報を取得することができる。したがって、第3の認証方法は、ユーザに対して生体認証のための動作を要求することなくユーザから生体情報を取得し、認証を行うことができる。
【0097】
さらに、第3の認証方法は、生体認証が成功した場合にウェアラブル装置100の主電源をONとし、プロファイルデータに基づいて機能が制御される。また、第3の認証方法は、生体認証が成功しない場合には、いわゆるゲストユーザとして一時的にウェアラブル装置100の使用を可能とすることができる。よって、第3の認証方法が適用されたウェアラブル装置100は、登録ユーザに対してはユーザごとに使用可能な機能などを制御し、また制限ユーザに対しては一律の制御を行うことができる。したがって、第3の認証方法は、ユーザごとに使用可能な機能をよりフレキシブルに制御することができる。
【0098】
上述した図7〜9に示す本発明の実施形態に係る第1〜第3の認証方法は、ユーザがウェアラブル装置100を装着した場合において最初に行われる認証に係る認証方法である。しかしながら、本発明の実施形態に係る認証方法は、ユーザがウェアラブル装置100を装着した場合に認証が行われることに限られない。そこで次に、ウェアラブル装置100の装着中(使用中)に再度ユーザの認証を行うことを可能とする本発明の実施形態に係る第4〜第7の認証方法について説明する。なお、以下に示す第4〜第7の認証方法は、一度行われれば終了という類の認証方法ではなく、それぞれの処理条件に基づいて何度も行われるものである。
【0099】
[本発明の実施形態に係る第4の認証方法]
図10は、本発明の実施形態に係る第4の認証方法を示す流れ図である。
【0100】
まず、前回の認証から所定の時間が経過したか否かを判定する(S400)。ここで、ステップS400における判定は、例えば、生体情報認証部104が記憶手段を有して認証が行われる度に認証時刻を上書きして保持し、認証時刻に所定の時間を加えた時刻と、判定時の時刻とを比較することにより行うことができる。ここで、所定の時間に係る情報は、記憶部106に記憶されていてもよいし、また、生体情報認証部104が有する記憶手段が記憶することもできる。また、上記所定の時間は、例えば、生体情報認証部104が、水晶などのクロック生成手段と、クロックをカウントするカウント手段を有して計測することもできる。なお、ステップS400における判定は、生体情報認証部104で行われることに限られず、例えば、ウェアラブル装置100全体を制御する制御部(図示せず)が行ってもよい。
【0101】
ステップS400において所定の時間が経過していない場合には、ウェアラブル装置100は、所定の時間が経過するまで認証に係る動作を行わない。
【0102】
また、ステップS400において所定の時間が経過した場合には、第1の認証方法と同様に、ユーザから生体情報を取得して読み取り(S402)、ステップS402においてユーザから取得した生体情報を用いて生体認証を行って認証が成功したか否かを判定する(S404)。
【0103】
ステップS404において認証が成功しない場合には、第1の認証方法と同様に、ウェアラブル装置100の使用を不能とする(S408)。ここで、図10では示していないが、例えば、図7〜図9に示す第1〜第3の認証方法のように所定の回数認証を行ってもよいし、また、図7に示す第1の認証方法のように、ユーザにウェアラブル装置100を使用する使用権限がない旨を通知することもできる。
【0104】
ステップS404において認証が成功した場合には、ウェアラブル装置100を使用しているユーザは、当該ユーザに対応するプロファイルデータに基づいてウェアラブル装置100を引き続き使用することができる(S406)。
【0105】
以上のように、本発明の実施形態に係る第4の認証方法は、ウェアラブル装置100を使用しているユーザに対して定期的に認証を行う。また、定期的な認証により認証が成功しない場合には、ウェアラブル装置100の使用を不能とすることができる。したがって、第4の認証方法を適用することにより、ウェアラブル装置100は、例えば、(1)一の登録ユーザに対する認証が行われた後に、一の登録ユーザと他の登録されていないユーザとが入れ替わった場合、または、(2)ウェアラブル装置100の不正使用を意図する不正ユーザが、ウェアラブル装置100を装着した場合に行われる認証をすり抜けた場合など、プロファイルデータ示すユーザと、ウェアラブル装置100を使用しているユーザとが異なっている場合においても、ウェアラブル装置100を使用するユーザ、および使用可能な機能を厳密に制御することができる。
【0106】
また、ウェアラブル装置100は装着が前提となる装置である。よって、ウェアラブル装置100は、ユーザの身体に接する部分から、または、ユーザの身体に近接する部分から容易に生体情報を取得することができる。したがって、第4の認証方法は、ユーザに対して生体認証のための動作を要求することなくユーザから生体情報を取得し、認証を行うことができる。
【0107】
[本発明の実施形態に係る第5の認証方法]
図10に示す第4の認証方法では、生体認証が成功しない場合にはウェアラブル装置100の使用を不能とする認証方法について示した。しかしながら、ウェアラブル装置100の装着中(使用中)にユーザの認証を行うことを可能とする本発明の実施形態に係る認証方法は、生体認証が成功しない場合にはウェアラブル装置100の使用を不能とすることに限られない。そこで次に、本発明の実施形態に係る第5の認証方法について説明する。図11は、本発明の実施形態に係る第5の認証方法を示す流れ図である。
【0108】
まず、第4の認証方法と同様に、前回の認証から所定の時間が経過したか否かを判定する(S500)。ここで、ステップS500において所定の時間が経過していない場合には、ウェアラブル装置100は、所定の時間が経過するまで認証に係る動作を行わない。
【0109】
また、ステップS500において所定の時間が経過した場合には、第4の認証方法と同様に、ユーザから生体情報を取得して読み取り(S502)、ステップS502においてユーザから取得した生体情報を用いて生体認証を行って認証が成功したか否かを判定する(S504)。
【0110】
ステップS504において認証が成功しない場合には、ウェアラブル装置100を使用しているユーザを制限ユーザに変更し、第3の認証方法と同様に、制限ユーザとしてウェアラブル装置100の使用を可能とする(S508)。ここで、図11では示していないが、例えば、図7〜図9に示す第1〜第3の認証方法のように所定の回数認証を行ってもよい。
【0111】
ステップS504において認証が成功した場合には、第4の認証方法と同様に、ウェアラブル装置100を使用しているユーザは、当該ユーザに対応するプロファイルデータに基づいてウェアラブル装置100を引き続き使用することができる(S506)。
【0112】
以上のように、本発明の実施形態に係る第5の認証方法は、ウェアラブル装置100を使用しているユーザに対して定期的に認証を行い、認証が成功しない場合には制限ユーザに切り替える。したがって、第5の認証方法を適用することにより、ウェアラブル装置100は、たとえ、プロファイルデータ示すユーザと、ウェアラブル装置100を使用しているユーザとが異なった場合においても、ウェアラブル装置100を使用しているユーザに応じて使用可能な機能などを制御することができる。
【0113】
また、ウェアラブル装置100は装着が前提となる装置である。よって、ウェアラブル装置100は、ユーザの身体に接する部分から、または、ユーザの身体に近接する部分から容易に生体情報を取得することができる。したがって、第5の認証方法は、ユーザに対して生体認証のための動作を要求することなくユーザから生体情報を取得し、認証を行うことができる。
【0114】
[本発明の実施形態に係る第6の認証方法]
図10、図11に示す第4、第5の認証方法では、ウェアラブル装置100を使用しているユーザに対して定期的に認証を行う認証方法について示した。しかしながら、ウェアラブル装置100の装着中にユーザの認証を行うことを可能とする本発明の実施形態に係る認証方法は、定期的に認証を行うことに限られない。そこで次に、本発明の実施形態に係る第6の認証方法について説明する。図12は、本発明の実施形態に係る第6の認証方法を示す流れ図である。
【0115】
まず、実行中の機能以外の他の機能が選択されたか否かを判定する(S600)。ここで、上記実行中の機能とは、例えば、コンテンツデータの閲覧・再生機能、編集機能、コピー機能、削除機能、などが挙げられるが、上記に限られない。また、上記実行中の機能には、特別な機能が実行されていない場合、すなわち、ウェアラブル装置100が待機状態の場合も含むことができる。
【0116】
また、ステップS600における判定は、例えば、操作部110の操作をトリガ(trigger)とすることができるし、または、機能部108が、例えば、力、加速度、角速度、光、磁気などのセンサ(sensor)を有して物理量を検出して判定することもできる。したがって、ステップS600における「他の機能の選択」は、例えば、「操作部110における操作」と置き換えることもできる。
【0117】
ステップS600において他の機能が選択されたと判定されない場合には、ウェアラブル装置100は、他の機能が選択されたと判定されるまで認証に係る動作を行わない。
【0118】
また、ステップS600において他の機能が選択されたと判定された場合には、第4の認証方法と同様に、ユーザから生体情報を取得して読み取り(S602)、ステップS602においてユーザから取得した生体情報を用いて生体認証を行って認証が成功したか否かを判定する(S604)。
【0119】
ステップS604において認証が成功しない場合には、第4の認証方法と同様に、ウェアラブル装置100の使用を不能とする(S608)。ここで、図12では示していないが、例えば、図7〜図9に示す第1〜第3の認証方法のように所定の回数認証を行ってもよいし、また、図7に示す第1の認証方法のように、ユーザにウェアラブル装置100を使用する使用権限がない旨を通知することもできる。
【0120】
ステップS604において認証が成功した場合には、第4の認証方法と同様に、ウェアラブル装置100を使用しているユーザは、当該ユーザに対応するプロファイルデータに基づいてウェアラブル装置100を引き続き使用することができる(S606)。
【0121】
以上のように、本発明の実施形態に係る第6の認証方法は、ウェアラブル装置100を使用しているユーザに対して、例えば、当該ユーザが操作部110を操作した場合に認証を行う。また、例えば、当該ユーザが操作部110を操作した場合の認証により認証が成功しない場合には、ウェアラブル装置100の使用を不能とする。したがって、第6の認証方法を適用することにより、ウェアラブル装置100は、プロファイルデータ示すユーザと、ウェアラブル装置100を使用しているユーザとが異なっている場合においても、ウェアラブル装置100を使用するユーザ、および使用可能な機能を厳密に制御することができる。
【0122】
また、ウェアラブル装置100は装着が前提となる装置である。よって、ウェアラブル装置100は、ユーザの身体に接する部分から、または、ユーザの身体に近接する部分から容易に生体情報を取得することができる。したがって、第6の認証方法は、ユーザに対して生体認証のための動作を要求することなくユーザから生体情報を取得し、認証を行うことができる。
【0123】
[本発明の実施形態に係る第7の認証方法]
図12に示す第6の認証方法では、第4の認証方法と同様に、生体認証が成功しない場合にはウェアラブル装置100の使用を不能とする認証方法について示した。しかしながら、第5の認証方法において示したように、ウェアラブル装置100の装着中にユーザの認証を行うことを可能とする本発明の実施形態に係る認証方法は、生体認証が成功しない場合にはウェアラブル装置100の使用を不能とすることに限られない。そこで次に、本発明の実施形態に係る第7の認証方法について説明する。図13は、本発明の実施形態に係る第7の認証方法を示す流れ図である。
【0124】
まず、第6の認証方法と同様に、実行中の機能以外の他の機能が選択されたか否かを判定する(S700)。ここで、ステップS700において他の機能が選択されたと判定されない場合には、ウェアラブル装置100は、他の機能が選択されたと判定されるまで認証に係る動作を行わない。なお、ステップ700における「他の機能の選択」は、例えば、「操作部110における操作」と置き換えることもできる。
【0125】
また、ステップS700において他の機能が選択されたと判定された場合には、第6の認証方法と同様に、ユーザから生体情報を取得して読み取り(S702)、ステップS702においてユーザから取得した生体情報を用いて生体認証を行って認証が成功したか否かを判定する(S704)。
【0126】
ステップS704において認証が成功しない場合には、ウェアラブル装置100を使用しているユーザを制限ユーザに変更し、第3の認証方法と同様に、制限ユーザとしてウェアラブル装置100の使用を可能とする(S708)。ここで、図13では示していないが、例えば、図7〜図9に示す第1〜第3の認証方法のように所定の回数認証を行ってもよい。
【0127】
ステップS704において認証が成功した場合には、第4の認証方法と同様に、ウェアラブル装置100を使用しているユーザは、当該ユーザに対応するプロファイルデータに基づいてウェアラブル装置100を引き続き使用することができる(S706)。
【0128】
以上のように、本発明の実施形態に係る第7の認証方法は、ウェアラブル装置100を使用しているユーザに対して、例えば、当該ユーザが操作部110を操作した場合に認証を行う。また、例えば、当該ユーザが操作部110を操作した場合の認証により認証が成功しない場合には、制限ユーザに切り替える。したがって、第7の認証方法を適用することにより、ウェアラブル装置100は、たとえ、プロファイルデータ示すユーザと、ウェアラブル装置100を使用しているユーザとが異なった場合においても、ウェアラブル装置100を使用しているユーザに応じて使用可能な機能などを制御することができる。
【0129】
また、ウェアラブル装置100は装着が前提となる装置である。よって、ウェアラブル装置100は、ユーザの身体に接する部分から、または、ユーザの身体に近接する部分から容易に生体情報を取得することができる。したがって、第7の認証方法は、ユーザに対して生体認証のための動作を要求することなくユーザから生体情報を取得し、認証を行うことができる。
【0130】
以上のように、本発明の第1の実施形態に係るウェアラブル装置100は、装着の有無を検出し、装着が検出された場合に生体認証を行い、装着が検出されない場合には生体認証を行わないとすることができる。したがって、ウェアラブル装置100は、装着が検出されない場合には生体認証に係る機能を有効としないので、生体認証に係る電力消費を抑制することができる。
【0131】
また、ウェアラブル装置100は、ユーザごとに使用可能な機能などが設定されたプロファイルデータを用いて生体認証を行うことができるので、ウェアラブル装置100を複数のユーザで共有することができる。
【0132】
また、ウェアラブル装置100は、生体認証の認証結果に基づいて、認証が成功しない場合には機能の無効、または制限を行うことができる。したがって、ウェアラブル装置100は、消費電力の制御や、使用可能な機能、利用可能なコンテンツデータの制御をユーザごとに行うことができる
【0133】
また、ウェアラブル装置100は、ユーザがウェアラブル装置100を装着した場合において認証を行うだけでなく、ウェアラブル装置100の装着中(使用中)にユーザの認証を行うこともできる。したがって、ウェアラブル装置100は、プロファイルデータ示すユーザと、ウェアラブル装置100を使用しているユーザとが異なった場合においても、ウェアラブル装置100を使用しているユーザに応じて使用可能な機能などを制御することができる。
【0134】
さらに、ウェアラブル装置100は装着が前提となる装置である。よって、ウェアラブル装置100は、ユーザの身体に接する部分から、または、ユーザの身体に近接する部分から容易に生体情報を取得することができる。したがって、ウェアラブル装置100は、ユーザに対して生体認証のための動作を要求することなくユーザから生体情報を取得し、認証を行うことができるので、認証に係る煩わしさからユーザを解放することができる。
【0135】
(第1〜第3の認証方法に係るプログラム)
ウェアラブル装置をコンピュータとして機能させるためのプログラムにより、ウェアラブル装置は、ユーザがウェアラブル装置を装着した場合において、ユーザに対して生体認証のための動作を要求することなくユーザから生体情報を取得し、認証を行うことができる。
【0136】
(第4〜第7の認証方法に係るプログラム)
ウェアラブル装置をコンピュータとして機能させるためのプログラムにより、ウェアラブル装置は、ウェアラブル装置の装着中(使用中)にユーザの認証を行うことができ、また、ユーザに対して生体認証のための動作を要求することなくユーザから生体情報を取得し、認証を行うことができる。
【0137】
(第2の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係るウェアラブル装置100では、ウェアラブル装置単体、すなわち、スタンドアロン(stand-alone)状態で機能する装置について説明した。しかしながら、本発明の実施形態に係るウェアラブル装置は、スタンドアロン状態の装置に限られない。そこで次に、外部装置と通信を行うことが可能な第2の実施形態に係るウェアラブル装置について説明する。
【0138】
図14は、本発明の第2の実施形態に係るウェアラブル装置200を含む通信システムを示すブロック図である。
【0139】
図14を参照すると、本発明の実施形態に係る通信システムは、ウェアラブル装置200と、外部装置300、400、…とを有し、ウェアラブル装置200と外部装置300、400、…とは、ネットワーク回線500で結ばれる。ここで、ネットワーク回線500は、例えば、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)など有線ネットワークであってもよいし、または、MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)を用いたWLAN(Wireless Local Area Network)などの無線ネットワーク、あるいは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などの通信プロトコルを用いたインターネット(Internet)であってもよいが、上記に限られない。
【0140】
ウェアラブル装置200は、基本的に本発明の第1の実施形態に係るウェアラブル装置100と同様の構成を有しており、ウェアラブル装置100と比較すると、通信部202を新たに有している。したがって、ウェアラブル装置200における認証は、上述したウェアラブル装置100と同様に行うことができる。そこで、以下では、ウェアラブル装置200が有する通信機能について説明する。
【0141】
通信部202は、ネットワーク回線500を介して外部装置と通信を行う機能を有する部であり、ウェアラブル装置200と外部装置との間のデータの送受信を行うことができる。
【0142】
ウェアラブル装置200から特定の外部装置への接続は、例えば、記憶部106に保持されているプロファイルデータがIPアドレス(Internet Protocol Adress)などの接続先を規定する通信情報を含み、当該通信情報を参照することにより行うことができる。また、上記通信情報には、例えば、外部装置においてユーザを特定するために用いられる「ID」や「パスワード」が含まれていてもよい。ここで、ウェアラブル装置200が保持するプロファイルデータは、第1の実施形態に係るウェアラブル装置100と同様に、ユーザごとのデータとすることができる。したがって、ウェアラブル装置200は、ユーザごとに設定された通信情報を用いて、ユーザごとに異なる外部装置へと接続することが可能となる。上記のように、ウェアラブル装置200は、外部装置へと接続することができるので、本発明の実施形態に係る通信システムでは、例えば、以下のようなことが実現できる。
【0143】
[第1の応用例:外部装置へのログの保存]
ウェアラブル装置200は、第1の実施形態に係るウェアラブル装置100と同様に、生体認証が行われた場合には、生体認証が行われた旨、生体認証の認証結果、認証時刻などを含むログファイルを生成することができる。ここで、生成したログファイルは、記憶部106に保持させるだけでなく、外部装置に送信し外部装置へ保持させることもできる。上記の構成により、例えば、プロファイルデータの接続情報に含まれる接続先を全ての登録ユーザ(制限ユーザも含む。)で同一とすることにより、サーバ(Server)などの管理装置においてウェアラブル装置200を監視し、ウェアラブル装置200の不正使用を発見することが可能となる。
【0144】
[第2の応用例:ユーザごとのサブスクリプションサービスの切り替え]
また、ウェアラブル装置200は、プロファイルデータが有する通信情報に「接続先」、サービスを利用するための「ID」、「パスワード」などの情報を含むことにより、例えば、雑誌データの購読などのサブスクリプションサービス(subscription service)をユーザごとに切り替えることができる。したがって、サービス提供側は、ウェアラブル装置200を介して、多様なサービスをユーザごとに提供することが可能となる。
【0145】
[第3の応用例:コンテンツデータの共有]
さらに、ウェアラブル装置200は、ウェアラブル装置200が有するコンテンツデータ、および/または、外部装置が有するコンテンツデータを、ウェアラブル装置200と外部装置との間で共有することもできる。上記の構成により、例えば、文書作成やプログラムコードの作成などを複数の装置を用いて共同で行うことが可能となり、また、ウェアラブル装置200と外部装置との間におけるコンテンツデータの同期も可能となる。
【0146】
なお、上記に示した第1〜第3の応用例は、本発明の実施形態に係る通信システムの一例であり、本発明の実施形態に係る通信システムが上記に限られないことは、言うまでもない。
【0147】
以上のように、本発明の第2の実施形態に係るウェアラブル装置200は、基本的に第1の実施形態に係るウェアラブル装置100と同様の構成を有している。したがって、ウェアラブル装置200は、装着の有無を検出し、装着が検出された場合に生体認証を行い、装着が検出されない場合には生体認証を行わないとすることができる。したがって、ウェアラブル装置200は、装着が検出されない場合には生体認証に係る機能を有効としないので、生体認証に係る電力消費を抑制することができる。
【0148】
また、ウェアラブル装置200は、第1の実施形態に係るウェアラブル装置100と同様に、ユーザごとに使用可能な機能などが設定されたプロファイルデータを用いて生体認証を行うことができるので、ウェアラブル装置200を複数のユーザで共有することができる。
【0149】
また、ウェアラブル装置200は、第1の実施形態に係るウェアラブル装置100と同様に、生体認証の認証結果に基づいて、認証が成功しない場合には機能の無効、または制限を行うことができる。したがって、ウェアラブル装置200は、消費電力の制御や、使用可能な機能、利用可能なコンテンツデータの制御をユーザごとに行うことができる
【0150】
また、ウェアラブル装置200は、第1の実施形態に係るウェアラブル装置100と同様に、ユーザがウェアラブル装置200を装着した場合において認証を行うだけでなく、ウェアラブル装置200の装着中(使用中)にユーザの認証を行うこともできる。したがって、ウェアラブル装置200は、プロファイルデータ示すユーザと、ウェアラブル装置100を使用しているユーザとが異なった場合においても、ウェアラブル装置200を使用しているユーザに応じて使用可能な機能などを制御することができる。
【0151】
また、ウェアラブル装置200は装着が前提となる装置である。よって、ウェアラブル装置200は、ユーザの身体に接する部分から、または、ユーザの身体に近接する部分から容易に生体情報を取得することができる。したがって、ウェアラブル装置200は、ユーザに対して生体認証のための動作を要求することなくユーザから生体情報を取得し、認証を行うことができるので、認証に係る煩わしさからユーザを解放することができる。
【0152】
さらに、ウェアラブル装置200は、外部装置と通信を行うことが可能であるため、例えば、外部装置へのログの保存、サブスクリプションサービスの切り替え、コンテンツデータの共有など、外部装置との連携により可能となる様々な機能を有することができる。
【0153】
また、図14に示す本発明の実施形態に係る通信システムを構成する要素として、外部装置300、400、…を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、係る形態に限られず、例えば、PC(Personal Computer)やサーバなどのコンピュータ、または、携帯電話やPHS(Personal Handy-phone System)などの携帯型通信装置、あるいは、ヘッドマウントディスプレイやウェアラブルカメラなどのウェアラブル装置などに適用することができる。
【0154】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0155】
例えば、図4および図14に示すウェアラブル装置では、生体情報認証部と、機能部とが別体として示されているが、かかる形態に限られず、生体情報認証部と機能部とを一体の構成要素とすることができる。
【0156】
また、図4および図14に示すウェアラブル装置では、装置の内部に固有の記憶部を設けているが、かかる形態に限られず、記憶部をウェアラブル装置から着脱可能とし、ユーザが記憶部を任意に交換可能とすることもできる。
【0157】
上述した構成は、当業者が容易に変更し得る程度のことであり、本発明の等価範囲に属するものと理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0158】
【図1】本発明の実施形態に係るウェアラブル装置の第1の例を示す説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係るウェアラブル装置の第2の例を示す説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係るウェアラブル装置の第3の例を示す説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るウェアラブル装置を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態に係るプロファイルデータの概略を示す説明図である。
【図6】本発明の実施形態に係るコンテンツデータの概略を示す説明図である。
【図7】本発明の実施形態に係る第1の認証方法を示す流れ図である。
【図8】本発明の実施形態に係る第2の認証方法を示す流れ図である。
【図9】本発明の実施形態に係る第3の認証方法を示す流れ図である。
【図10】本発明の実施形態に係る第4の認証方法を示す流れ図である。
【図11】本発明の実施形態に係る第5の認証方法を示す流れ図である。
【図12】本発明の実施形態に係る第6の認証方法を示す流れ図である。
【図13】本発明の実施形態に係る第7の認証方法を示す流れ図である。
【図14】本発明の第2の実施形態に係るウェアラブル装置を含む通信システムを示すブロック図である。
【符号の説明】
【0159】
100、200 ウェアラブル装置
102 装着検出部
104 生体情報認証部
106 記憶部
108 機能部
110 操作部
112、114 プロファイルデータ
116、118 コンテンツデータ
202 通信部
300、400 外部装置
500 ネットワーク回線
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェアラブル装置、認証方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、ヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display)やヘッドフォン(headphone)、手首に巻きつけて用いる手首式血圧計、腕時計など、ユーザの装着を前提とした様々な装着型の装置(ウェアラブル装置)が普及している。
【0003】
このような中、例えば、装着型の装置(ウェアラブル装置)にセンサを設けて装着の有無を検出し、検出結果に応じて装置の動作を制御する技術が開発されている。ヘッドマウントディスプレイなどの頭部に装着される装置に頭部の動きを検出するセンサを設け、頭部の動きを検出することにより電源の制御を行う技術としては、例えば、特許文献1が挙げられる。
【0004】
【特許文献1】特開2004−96224号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、装着型の装置(ウェアラブル装置)にセンサを設けて装着の有無を検出し、検出結果に応じて装置の動作を制御する従来の技術は、単に装着の有無を検出しているに過ぎない。したがって、従来の装着型の装置(ウェアラブル装置)では、装着された状態さえ検出されれば、装着型の装置(ウェアラブル装置)を装着したユーザが、たとえ「者」でなくとも機能してしまう場合があった。また、従来の装着型の装置では、装着型の装置(ウェアラブル装置)を使用するユーザを特定することはできないため、ユーザごとに使用可能な機能を制御することもできない。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ユーザを特定することが可能な、新規かつ改良されたウェアラブル装置、認証方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点によれば、ユーザの身体に装着されて使用されるウェアラブル装置であって、前記ユーザから生体情報を取得し、生体認証を行う生体情報認証部を備えるウェアラブル装置が提供される。
【0008】
上記ウェアラブル装置は、ユーザの身体に装着されて使用されることが前提の装着型の装置である。上記ウェアラブル装置は、少なくとも生体情報認証部を備える。生体情報認証部は、ユーザの身体から生体情報を取得し、当該取得した生体情報を用いて認証を行うことができる。また、生体情報認証部は、ウェアラブル装置に備わることにより、ユーザの身体に接する部分から生体情報を取得することができ、また、ユーザの身体に近接する部分から生体情報を取得することもできる。さらに、生体情報認証部は、ユーザの特定の部位からではなく、ユーザの身体の動きを生体情報として取得することもできる。ここで、生体情報とはユーザの生体に係る情報であり、生体情報としては、例えば、脈、虹彩、指紋、顔、歩行パターンなどが挙げられる。かかる構成により、ユーザによる認証のための操作や動作を必要とせずに生体認証を行い、ユーザを特定することが可能となる。
【0009】
また、装着の有無を検出する装着検出部をさらに備え、前記生体情報認証部は、前記装着検出部において装着が検出された場合に生体認証を行い、前記装着検出部において装着が検出されない場合には生体認証を行わないとしてもよい。
【0010】
かかる構成により、装着が検出された場合にのみ生体認証部は生体認証を行うことができるので、生体認証の実行に係る電力消費を低減することができる。
【0011】
また、前記生体認証部は、前記ユーザに対して最初に生体認証が行われてから所定の時間経過後に、再度生体認証を行うとしてもよい。
【0012】
かかる構成により、装着後に最初に行われた生体認証後にユーザが変更された場合であっても、フレキシブル(flexible)にユーザを特定することができる。
【0013】
また、前記生体認証部は、定期的に生体認証を行うとしてもよい。
【0014】
かかる構成により、生体認証後にユーザが複数回変更された場合であっても、フレキシブルにユーザを特定することができる。
【0015】
また、1以上の機能の実行を制御する機能部と、前記機能部に対する操作を行う操作部とをさらに備え、前記生体認証部は、前記操作部において操作が行われたときに生体認証を行うとしてもよい。
【0016】
かかる構成により、生体認証後にユーザが複数回変更された場合であっても、機能の実行ごとにフレキシブルにユーザを特定することができる。
【0017】
また、ユーザごとの生体情報を含むプロファイルデータを保持する記憶部をさらに備え、前記生体情報認証部は、ユーザの身体から取得する生体情報と、前記記憶部に保持されたプロファイルデータとに基づいて生体認証を行うとしてもよい。
【0018】
かかる構成により、ウェアラブル装置を複数のユーザで共有して用いることができ、かつユーザを特定することができる。
【0019】
また、1以上の機能の実行を制御する機能部をさらに備え、前記プロファイルデータは、前記1以上の機能の有効化、または無効化が、機能ごとに設定可能な機能情報をさらに含み、前記機能部は、前記プロファイルデータの機能情報を用いて、前記1以上の機能を機能ごとに有効化、または無効化するとしてもよい。
【0020】
かかる構成により、ユーザごとに使用可能な機能を制御することができる。
【0021】
また、1以上の機能の実行を制御する機能部をさらに備え、前記記憶部は、前記機能部により実行される1以上のコンテンツデータを保持し、前記プロファイルデータは、前記コンテンツデータの実行に係るコンテンツデータ権限情報をさらに含み、前記機能部は、前記プロファイルデータが含むコンテンツ情報を用いて、前記1以上の機能を、前記コンテンツデータごと、および機能ごとに有効化、または無効化するとしてもよい。
【0022】
かかる構成により、ユーザごとに使用可能なコンテンツデータおよび機能を制御することができる。
【0023】
また、1以上の機能の実行を制御する機能部をさらに備え、前記記憶部は、前記機能部により実行される1以上のコンテンツデータを保持し、前記コンテンツデータそれぞれは、前記コンテンツデータを使用可能なユーザを規定するユーザ情報を含み、前記機能部は、前記プロファイルデータと、前記ユーザ情報とに基づいて、前記1以上の機能を、前記コンテンツデータごと、および機能ごとに有効化、または無効化するとしてもよい。
【0024】
かかる構成により、ユーザごとに使用可能なコンテンツデータおよび機能を制御することができる。
【0025】
また、少なくとも1以上の外部装置と通信を行う通信部をさらに備え、前記プロファイルデータは、通信を行う所定の外部装置を規定する通信情報をさらに有し、前記通信部は、前記プロファイルデータの通信情報に基づいて、所定の外部装置と通信を行うとしてもよい。
【0026】
かかる構成により、外部装置との連携が可能となる。
【0027】
また、前記通信部は、前記生体情報認証部において生体認証が行われた場合に前記所定の外部装置と通信を行い、生体認証が行われたことを通知するとしてもよい。
【0028】
かかる構成により、外部装置に対して生体認証が行われたことが通知されるので、外部装置においてウェアラブル装置の使用状況を把握することができる。
【0029】
また、上記目的を達成するために、本発明の第2の観点によれば、ユーザの身体に装着されて使用されるウェアラブル装置における認証方法であって、装着の有無を検出するステップと、前記検出するステップにおいて装着が検出された場合には、前記ユーザから生体情報を取得して生体認証を行い、装着が検出されない場合には、前記ユーザから生体情報を取得しないステップとを有する認証方法が提供される。
【0030】
かかる方法を用いることにより、ユーザによる認証のための操作を必要とせずに生体認証を行い、ユーザを特定することが可能となる。
【0031】
また、上記目的を達成するために、本発明の第3の観点によれば、ユーザの身体に装着されて使用されるウェアラブル装置に用いられるプログラムであって、装着の有無を検出する手段、前記検出する手段において装着が検出された場合には、前記ユーザから生体情報を取得し、生体認証を行い、装着が検出されない場合には、前記ユーザから生体情報を取得しない手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムが提供される。
【0032】
かかるプログラムを用いることにより、ユーザによる認証のための操作、動作を必要とせずに生体認証を行い、ユーザを特定することが可能となる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、ユーザによる認証のための操作を必要とせずに生体認証が行え、ユーザを特定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0035】
(本発明の実施形態に係るウェアラブル装置の一例)
まず、本発明の実施形態に係るウェアラブル装置について例示する。図1〜3は、本発明の実施形態に係るウェアラブル装置の一例を示す説明図である。
【0036】
ウェアラブル装置は、ユーザの身体に装着されて使用されることが前提の装着型の装置である。本発明の実施形態に係るウェアラブル装置としては、例えば、図1に示すヘッドマウントディスプレイ、図2に示すウェアラブルカメラ、図3に示す手首装着型のウェアラブルディスプレイなどが挙げられる。なお、本発明の実施形態に係るウェアラブル装置は、図1、図2に示す頭部に装着するものや、図3に示す手首に装着するものへの適用に限られず、例えば、グローブなどの手に装着するもの、衣服などの身体の一部を覆うものなどに適用することができる。以下、本発明の実施形態に係るウェアラブル装置について説明する。
【0037】
(第1の実施形態)
図4は、本発明の第1の実施形態に係るウェアラブル装置100を示すブロック図である。
【0038】
図4を参照すると、ウェアラブル装置100は、装着検出部102と、生体情報認証部104と、記憶部106と、機能部108と、操作部110とを備える。また、ウェアラブル装置100は、ウェアラブル装置100全体を制御する、例えば、MPU(Micro Processing Unit)などの制御部(図示せず)、各構成要素に電力を供給する、例えば、リチウムイオン二次電池(Lithium ion Secondary Battery)などの電源部(図示せず)、文字や画像などを表示する表示部(図示せず)を備えてもよい。
【0039】
装着検出部102は、ユーザがウェアラブル装置100を装着したか否かを検出することができる。装着検出部102における装着の検出手段としては、例えば、温度の変化の検出、湿度変化の検出、または、インピーダンスの変化の検出などが挙げられる。
【0040】
また、装着検出部102は、装着が検出された場合には、時刻などを含むログファイル(図示せず)を生成し、生成したログファイル(図示せず)を記憶部106(後述する)に保持させることができる。また、例えば、装着検出部102は、常時装着を検出し、装着が検出された後に装着が検出されなくなった場合(例えば、ユーザがウェアラブル装置100の使用を中止した場合)にログファイル(図示せず)を記憶部106(後述する)に保持させてもよい。
【0041】
生体情報認証部104は、装着検出部102において装着が検出されると、ユーザから生体情報を取得し、記憶部106(後述する)に保持されている生体情報を用いて、例えば、パターン・マッチングにより生体認証(biometrics authentication)を行う。ここで、本発明の実施形態に係る生体情報としては、例えば、ユーザの静脈パターン、虹彩、指紋、顔などの身体の情報や、歩行パターンなどの動作に係る情報などが挙げられるが、上記に限られないことは、言うまでもない。
【0042】
また、生体情報認証部104は、装着検出部102において装着が検出されない場合は、認証に係る動作を行わないとすることができる。装着検出部102において装着が検出されない場合、すなわち、ユーザが装着していない場合には認証を行わないことにより、ウェアラブル装置100は、認証の実行に係る余分な消費電力を削減することができる。
【0043】
さらに、生体情報認証部104は、生体認証が行われた場合には、生体認証が行われた旨、生体認証の認証結果、認証時刻などを含むログファイル(図示せず)を生成し、生成したログファイル(図示せず)を記憶部106(後述する)に保持させることもできる。例えば記憶部106にログファイル(図示せず)が保持されることにより、ウェアラブル装置100を「何時」「どのユーザが」使用したか、または使用しようとしたかを、ユーザ(例えば、ウェアラブル装置100の所有者など、特定のユーザであってもよい。)が把握することができる。
【0044】
記憶部106は、ウェアラブル装置100が有する記憶手段であり、プロファイルデータ、コンテンツデータなどを保持することができる。ここで、記憶部106が有する記憶手段としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記録媒体、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)やFeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)およびPRAM(Phase change Random Access Memory)などの不揮発性メモリ(nonvolatile memory)、記録型DVD(Digital Versatile Disk)や記録型CD(Compact Disk)などの光記録媒体、光磁気ディスク(Magneto Optical Disk)などが挙げられるが、上記に限られないことは、言うまでもない。
【0045】
プロファイルデータは、ウェアラブル装置100の使用可能な機能の設定などの各種設定がユーザごとに定められるデータであり、ユーザ単位に保持される。例えば、図4では、記憶部106はプロファイルデータA112、プロファイルデータB114など複数のプロファイルデータを保持している。したがって、ウェアラブル装置100は、複数のユーザでの共有が可能となっている。
【0046】
[本発明の実施形態に係るプロファイルデータ]
図5は、本発明の実施形態に係るプロファイルデータの概略を示す説明図である。ここで、図5は、図4に示すプロファイルデータA112を例示している。なお、図5は、本発明の実施形態に係るプロファイルデータの一例を模式的に示したものであり、本発明の実施形態に係るプロファイルデータは、図5に限定されるものではない。
【0047】
図5を参照すると、本発明の実施形態に係るプロファイルデータA112は、ユーザAに関するデータであり、生体情報120と、有効機能情報122と、無効機能情報124と、コンテンツ情報126を含む。
【0048】
生体情報120は、生体情報認証部104が認証に用いるデータである。生体情報120としては、例えば、ユーザAの静脈パターン、虹彩、指紋、顔などの身体の情報や、歩行パターンなどのユーザAの動作に係る情報などが挙げられる。
【0049】
有効機能情報122は、ウェアラブル装置100が有する機能のうち、ユーザAが使用可能な機能を規定する情報である。例えば、図5では、機能Aおよび機能Bが使用可能な機能として設定されている。ここで、ウェアラブル装置100が有する機能としては、例えば、コンテンツデータ(後述する)の閲覧・再生機能、コンテンツデータの修正・編集機能、コンテンツデータの削除機能、コンテンツデータのコピー機能、コンテンツデータの作成機能、コンテンツデータの保存機能などが挙げられる。なお、ウェアラブル装置100が有する機能は、コンテンツデータに係る機能に限られないことは、言うまでもない。また、有効機能情報122は、図5に示すように機能ごとに設定されることに限られず、例えば、「全ての機能を使用可能」ということを示す情報であってもよい。
【0050】
無効機能情報124は、ウェアラブル装置100が有する機能のうち、ユーザAが使用不能な機能を規定する情報である。例えば、図5では、機能Cが使用可能な機能として設定されている。
【0051】
有効機能情報122および無効機能情報124が設定されることにより、ユーザごとに使用可能な機能を制御することができる。
【0052】
コンテンツ情報126は、ウェアラブル装置100が有する機能のうち、ユーザAが使用可能な機能を、記憶部106が保持するコンテンツデータ(後述する)ごとに規定する情報である。例えば、図5では、コンテンツA(コンテンツデータA116に相当)について閲覧可能に設定されており、また、コンテンツデータB(コンテンツデータB118に相当)について、閲覧可能および修正可能に設定されている。したがって、ユーザAは、コンテンツBについては修正を行うことができるが、コンテンツAについては修正を行うことができない。
【0053】
したがって、図5に示すようなプロファイルデータを用いることにより、ユーザごとに使用可能な機能の設定などの各種設定を行うことができるので、ウェアラブル装置100を複数のユーザでの共有し、ユーザごとに使用可能な機能や利用可能なコンテンツデータを制御することが可能となる。
【0054】
また、プロファイルデータでは、ユーザごとに使用可能な機能を制御できるので、ウェアラブル装置100を実際に使用しているユーザが使用可能な機能にしか電源を供給しないことが可能となる。したがって、ウェアラブル装置100では、電力消費を低減することができる。なお、ウェアラブル装置100を使用しようとするユーザに対応するプロファイルデータが存在しない場合(すなわち、登録されたユーザではない場合)には、主電源(ここで、主電源とは、生体情報認証部104以外の構成要素に供給される電源をいう。以下、同様。)をONとすることさえ許可しないことが可能であることは、言うまでもない。
【0055】
記憶部106に保持されるコンテンツデータは、ユーザが利用可能なコンテンツ(contents)に係るデータであり、コンテンツデータとしては、例えば、MP3(Moving Picture experts group phase-1 audio layer-3)やATRAC(Adaptive TRansform Acoustic Coding)などの音声フォーマットで記録された音声ファイル、もしくは、WMV(Windows Media Video)やH.264/MPEG−4 AVC(H.264/Moving Picture Experts Group phase-4 Advanced Video Coding)などの動画フォーマットで記録された動画ファイル、もしくは、JPEG(Joint Photographic Experts Group)などの静止画フォーマットで記録された画像ファイルなどのマルチメディアファイル、または、テキスト形式のデータなどの文書ファイルなどが挙げられるが、上記に限られない。
【0056】
また、上述した図5に示すプロファイルデータでは、プロファイルデータがコンテンツ情報126を有し、ユーザAが使用可能な機能をコンテンツデータごとに規定する構成について説明したが、本発明の実施形態は、上記に限られない。そこで、次に、コンテンツデータ側にユーザが使用可能な機能を規定する構成について説明する。
【0057】
[本発明の実施形態に係るコンテンツデータ]
図6は、本発明の実施形態に係るコンテンツデータの概略を示す説明図である。ここで、図6(a)は、図4に示すコンテンツデータA116を示し、また、図6(b)は、図4に示すコンテンツデータB118を示している。なお、図6は、本発明の実施形態に係るコンテンツデータの一例を模式的に示したものであり、本発明の実施形態に係るコンテンツデータは、図6に限定されるものではない。
【0058】
図6(a)を参照すると、本発明の実施形態に係るコンテンツデータA116は、コンテンツAに関するデータであり、ユーザ情報128を含む。ユーザ情報128には、ユーザA、ユーザB、ユーザDの3つのユーザについて、ユーザAには「閲覧可能」、ユーザBには「閲覧可能」、「修正可能」という情報が設定されており、また、ユーザDには条件は設定されていない。したがって、コンテンツデータA116を利用するユーザが、例えば、ユーザAである場合には、コンテンツデータA116を閲覧のみ行うことができ、また、コンテンツデータA116を利用するユーザがユーザDである場合には、コンテンツデータA116をコピーすることも削除することもできる。
【0059】
また、図6(b)を参照すると、本発明の実施形態に係るコンテンツデータB118は、コンテンツBに関するデータであり、コンテンツデータA116と同様に、ユーザ情報130を含む。ユーザ情報130には、ユーザA、ユーザCの2つのユーザについて、ユーザAには「閲覧可能」、「修正可能」という情報が設定されており、また、ユーザCには条件は設定されていない。したがって、コンテンツデータB118を利用するユーザが、例えば、ユーザAである場合には、コンテンツデータB118の閲覧、修正を行うことができ、また、情報が設定されていないユーザBである場合には、コンテンツデータB118を何ら利用することができない。
【0060】
したがって、図6に示すようなコンテンツデータを用いることにより、コンテンツデータごとに、当該コンテンツデータを利用可能なユーザを設定し、さらにユーザごとに使用可能な機能を制限することができる。よって、ウェアラブル装置100を複数のユーザでの共有し、ユーザごとに使用可能な機能や、利用可能なコンテンツデータを制御することが可能となる。なお、コンテンツデータに設定されるユーザ情報は、例えば、コンテンツデータのタグ情報として記録することができるが、上記に限られず、例えば、電子すかしの形でコンテンツデータに埋め込まれていてもよい。また、コンテンツデータに設定されるユーザ情報は、例えば、ウェアラブルカメラによる撮像時など、コンテンツデータの生成時に付与することもでき、また、操作部110(後述する)を用いて付与、編集することもできる。
【0061】
機能部108は、ウェアラブル装置100が有する機能の実行を制御する部である。ウェアラブル装置100が有する機能としては、例えば、コンテンツデータの閲覧・再生機能、コンテンツデータの修正・編集機能、コンテンツデータの削除機能、コンテンツデータのコピー機能などが挙げられる。ここで、コンテンツデータが、例えば、テキスト形式のデータである場合には、機能部108はテキスト・エディタ機能(text editor)を有し、また、コンテンツデータが、例えば、マルチメディアファイルである場合には、動画編集機能や静止画編集機能を有することができる。
【0062】
操作部110は、ユーザが操作可能なデバイスであり、操作部110において所定の操作がなされることにより、例えば、機能部108に対して機能の実行に係る命令を伝えることができる。ここで、操作部110としては、例えば、ボタン、方向キー、ジョグダイヤルなどの回転型セレクター、あるいは、これらの組み合わせなどが挙げられるが、上記に限られない。
【0063】
また、操作部110は、プロファイルデータを編集するためのデバイスとしても利用することができる。ここで、プロファイルデータの編集とは、例えば、有効化機能情報、無効機能情報への機能の追加、修正、削除などが挙げられるが、上記に限られない。操作部110を用いてプロファイルデータの編集を可能とすることにより、ウェアラブル装置100は、ユーザごとに使用可能な機能の制御をよりフレキシブルに行うことができる。
【0064】
本発明の第1の実施形態に係るウェアラブル装置100は、上記のような構成をとることにより、ユーザの装着を検出して装着の有無に基づいて認証を行うことができる。また、認証は、ユーザごとに設定されたプロファイルデータを用いて行われ、当該プロファイルデータには、ユーザごとに使用可能な機能などの各種情報が設定されている。したがって、ウェアラブル装置100を複数のユーザで共有することができ、また、ユーザごとに使用可能な機能や、利用可能なコンテンツデータを制御することが可能となる。
【0065】
さらに、ウェアラブル装置100は装着が前提となる装置である。よって、ウェアラブル装置100は、ユーザの身体に接する部分から、または、ユーザの身体に近接する部分から容易に生体情報を取得することができる。したがって、ウェアラブル装置100は、ユーザに対して生体認証のための動作を要求することなくユーザから生体情報を取得し、認証を行うことができる。
【0066】
次に、本発明の実施形態に係る認証方法について説明する。なお、以下に示す認証方法では、図4に示す本発明の第1の実施形態に係るウェアラブル装置100における認証方法として示すが、本発明の実施形態に係る認証方法がウェアラブル装置100に適用されることに限られないことは、言うまでもない。
【0067】
[本発明の実施形態に係る第1の認証方法]
図7は、本発明の実施形態に係る第1の認証方法を示す流れ図である。
【0068】
まず、ウェアラブル装置100が装着されたか否かを検出する(S100)。ステップS100における装着の有無の検出は、例えば、温度の変化の検出、湿度変化の検出、または、インピーダンスの変化の検出などにより行うことができる。
【0069】
ステップS100において装着が検出されない場合には、装着が検出されるまでウェアラブル装置100は何らの動作も行わない。したがって、ウェアラブル装置100における電力消費を抑制することができる。
【0070】
また、ステップS100において装着が検出されると、ユーザから生体情報を取得し読み取る(S102)。ここで、ユーザから取得する生体情報としては、例えば、ユーザの静脈パターン、虹彩、指紋、顔などの身体の情報や、歩行パターンなどの動作に係る情報などが挙げられるが、上記に限られない。なお、ステップS100において装着が検出されているので、ウェアラブル装置100がユーザから生体情報を取得できない可能性は低くなる。また、ウェアラブル装置100は装着が前提となる装置であり、ウェアラブル装置100は、ユーザの身体に接する部分から、または、ユーザの身体に近接する部分から容易に生体情報を取得することができる。
【0071】
ステップS102においてユーザから取得した生体情報を用いて生体認証を行い、認証が成功したか否かを判定する(S104)。ステップS104における生体認証は、ステップS102においてユーザから取得した生体情報と、ウェアラブル装置100の記憶部106に保持されるプロファイルデータに含まれる生体情報とをマッチングさせ、合致するか否かで判定することができる。ここで、ステップS104における生体認証の成功とは、「ステップS102においてユーザから取得した生体情報と、プロファイルデータに含まれる生体情報とが合致すること」とすることができるが、上記合致が「完全な合致ではなくてもよい」とすることができることは、言うまでもない。
【0072】
ステップS104において認証が成功しない場合には、所定の回数認証が行われたか否かを判定する(S112)。ステップS112における判定は、例えば、ステップS112の処理回数と、上記所定の回数との大きさを比較することにより行え、また、ステップS112における処理回数は処理が行われてから一定時間後にリセットさせることができる。ここで、ステップS112における判定は、例えば、生体情報認証部104が行うことができるが、上記に限られず、ウェアラブル装置100全体を制御する制御部(図示せず)が行うこともできる。また、上記所定の回数に係る情報は、記憶部106に記憶されていてもよいし、また、生体情報認証部104が記憶手段を有し、当該記憶手段が記憶することもできる。なお、生体情報認証部104が有する記憶手段としては、例えば、ハードディスクなどの磁気記録媒体や、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリなどが挙げられるが、上記に限られない。
【0073】
ステップS112において所定の回数認証が行われていないと判定された場合には、ステップS102からの処理を再度繰り返す。したがって、ステップS104における生体認証で誤認証(ここでの誤認証とは、プロファイルデータが存在するユーザ(以下、「登録ユーザ」という。)であるにもかかわらず、認証が成功しなかった場合をいう。)が発生した場合であっても、再度認証を行うことにより、認証が成功する可能性を高めることができる。
【0074】
また、ステップS112において所定の回数認証が行われたと判定された場合には、ユーザにウェアラブル装置100を使用する使用権限がない旨を通知し(S114)、ウェアラブル装置100の使用を不能とする(S116)。ここで、ステップS114における通知は、例えば、表示による視覚情報の提示、音声などによる聴覚情報の提示などが挙げられるが、上記に限られない。また、ステップS116におけるウェアラブル装置100の使用の不能とは、例えば、主電源をONとしないことなどが挙げられる。
【0075】
ステップS104において認証が成功した場合には、ウェアラブル装置100の主電源をONとし(S106)、プロファイルデータを読み込む(S108)。そして、ステップS108において読み込まれたプロファイルデータに設定された有効機能情報、無効機能情報、コンテンツ情報などの各種設定情報を用いて、使用するユーザごとのウェアラブル装置100の使用を可能とする(S110)。なお、ステップS104において、生体認証を行う際に使用したプロファイルデータを保持したままの状態である場合には、ステップS108は必ずしも必要ではないことは、言うまでもない。
【0076】
以上のように、本発明の実施形態に係る第1の認証方法は、装着の有無を検出し、装着が検出された場合に生体認証を行い、装着が検出されない場合には生体認証を行わない。したがって、ウェアラブル装置100は、装着が検出されない場合には生体認証に係る機能を有効としないので、生体認証に係る電力消費を抑制することができる。
【0077】
また、第1の認証方法は、生体認証が成功した場合にウェアラブル装置100の主電源をONとし、生体認証が所定の回数成功しない場合にはウェアラブル装置100の使用を不能とすることができる。したがって、ウェアラブル装置100は、生体認証が成功しない場合には、生体認証に係る機能以外の機能を動かすための電源を供給しないので、電力消費を抑制することができる。
【0078】
また、第1の認証方法は、生体認証が成功した場合にのみウェアラブル装置100の使用を可能とする、すなわち、登録ユーザのみがウェアラブル装置100を使用することができるので、ウェアラブル装置100を使用するユーザ、および使用可能な機能を厳密に制御することができる。
【0079】
さらに、ウェアラブル装置100は装着が前提となる装置である。よって、ウェアラブル装置100は、ユーザの身体に接する部分から、または、ユーザの身体に近接する部分から容易に生体情報を取得することができる。したがって、第1の認証方法は、ユーザに対して生体認証のための動作を要求することなくユーザから生体情報を取得し、認証を行うことができる。
【0080】
[本発明の実施形態に係る第2の認証方法]
図7に示す第1の認証方法では、生体認証が成功しない場合にはウェアラブル装置100の使用を不能とする認証方法について示した。しかしながら、本発明の実施形態に係る認証方法は、生体認証が成功しない場合にはウェアラブル装置100の使用を不能とすることに限られない。そこで次に、本発明の実施形態に係る第2の認証方法について説明する。図8は、本発明の実施形態に係る第2の認証方法を示す流れ図である。
【0081】
まず、第1の認証方法と同様に、ウェアラブル装置100が装着されたか否かを検出する(S200)。ここで、ステップS200において装着が検出されない場合には、装着が検出されるまでウェアラブル装置100は何らの動作も行わない。したがって、ウェアラブル装置100における電力消費を抑制することができる。
【0082】
ステップS200において装着が検出されると、第1の認証方法と同様に、ユーザから生体情報を取得して読み取り(S202)、ステップS202においてユーザから取得した生体情報を用いて生体認証を行って認証が成功したか否かを判定する(S204)。
【0083】
ステップS204において認証が成功しない場合には、第1の認証方法と同様に、所定の回数認証が行われたか否かを判定し(S212)、ステップS212において所定の回数認証が行われていないと判定された場合には、ステップS202からの処理を再度繰り返す。
【0084】
また、ステップS212において所定の回数認証が行われた場合には、プロファイルデータを新規に作成し(S214)、ステップS202からの処理を再度繰り返す。ステップS214におけるプロファイルデータの作成は、例えば、生体情報認証部104が行うことができるが、上記に限られず、ウェアラブル装置100全体を制御する制御部(図示せず)が行うこともできる。また、作成されるプロファイルデータに設定される生体情報は、ユーザから取得した生体情報とすることができ、有効機能情報、無効機能情報、コンテンツ情報は、例えば、予め決められた設定とすることができる。ここで、上記予め決められた設定に係る情報は、例えば、記憶部106に記憶されていてもよいし、また、生体情報認証部104が記憶手段を有し、当該記憶手段が記憶することもできる。なお、ステップS214において作成されたプロファイルデータは、例えば、操作部110を用いて編集することができる。
【0085】
ステップS204において認証が成功した場合には、第1の認証方法と同様に、ウェアラブル装置100の主電源をONとし(S206)、プロファイルデータを読み込む(S208)。そして、ステップS208において読み込まれたプロファイルデータに設定された有効機能情報、無効機能情報、コンテンツ情報などの各種設定情報を用いて、使用するユーザごとのウェアラブル装置100の使用を可能とする(S210)。
【0086】
以上のように、本発明の実施形態に係る第2の認証方法は、装着の有無を検出し、装着が検出された場合に生体認証を行い、装着が検出されない場合には生体認証を行わない。したがって、ウェアラブル装置100は、第1の認証方法と同様に、装着が検出されない場合には生体認証に係る機能を有効としないので、生体認証に係る電力消費を抑制することができる。
【0087】
また、ウェアラブル装置100は装着が前提となる装置である。よって、ウェアラブル装置100は、ユーザの身体に接する部分から、または、ユーザの身体に近接する部分から容易に生体情報を取得することができる。したがって、第2の認証方法は、ユーザに対して生体認証のための動作を要求することなくユーザから生体情報を取得し、認証を行うことができる。
【0088】
さらに、第2の認証方法は、生体認証が成功した場合にウェアラブル装置100の主電源をONとし、プロファイルデータに基づいて機能が制御される。また、第2の認証方法は、生体認証が所定の回数成功しない場合には、新規にプロファイルデータを作成して認証を行う。したがって、ウェアラブル装置100は、使用可能なユーザを自動的に増やすことができる。またウェアラブル装置100は、作成されるプロファイルデータに設定される有効機能情報、無効機能情報、コンテンツ情報を予め決められた設定とすることにより、ユーザごとに使用可能な機能を制御することができる。
【0089】
[本発明の実施形態に係る第3の認証方法]
図7に示す第1の認証方法では、生体認証が成功しない場合にはウェアラブル装置100の使用を不能とする認証方法について示し、また、図8に示す第2の認証方法では、生体認証が成功しない場合にプロファイルデータを新規に作成してウェアラブル装置100を使用可能なユーザを自動的に増やす認証方法を示した。しかしながら、本発明の実施形態に係る認証方法は、第1、第2の認証方法に限られない。そこで次に、本発明の実施形態に係る第3の認証方法について説明する。図9は、本発明の実施形態に係る第3の認証方法を示す流れ図である。
【0090】
まず、第1の認証方法と同様に、ウェアラブル装置100が装着されたか否かを検出する(S300)。ここで、ステップS300において装着が検出されない場合には、装着が検出されるまでウェアラブル装置100は何らの動作も行わない。したがって、ウェアラブル装置100における電力消費を抑制することができる。
【0091】
ステップS300において装着が検出されると、第1の認証方法と同様に、ユーザから生体情報を取得して読み取り(S302)、ステップS302においてユーザから取得した生体情報を用いて生体認証を行って認証が成功したか否かを判定する(S304)。
【0092】
ステップS304において認証が成功しない場合には、第1の認証方法と同様に、所定の回数認証が行われたか否かを判定し(S312)、ステップS312において所定の回数認証が行われていないと判定された場合には、ステップS302からの処理を再度繰り返す。
【0093】
また、ステップS312において所定の回数認証が行われた場合には、制限ユーザとしてウェアラブル装置100の使用を可能とする(S314)。ここで、上記制限ユーザとは、ウェアラブル装置100を一時的に使用可能なユーザ(いわゆる、ゲストユーザ)である。ウェアラブル装置100が第3の認証方法を用いる場合には、例えば、記憶部106に制限ユーザ用のプロファイルデータが保持し、記憶部106から当該制限ユーザ用のプロファイルデータを読み込めばよい。なお、制限ユーザ用のプロファイルデータは、一時的にウェアラブル装置100を使用させるために使用されるものであり、操作部110を用いた編集を不能とすることができる(この場合、制限ユーザが使用可能な機能は固定となる。)。
【0094】
ステップS304において認証が成功した場合には、第1の認証方法と同様に、ウェアラブル装置100の主電源をONとし(S306)、プロファイルデータを読み込む(S308)。そして、ステップS308において読み込まれたプロファイルデータに設定された有効機能情報、無効機能情報、コンテンツ情報などの各種設定情報を用いて、使用するユーザごとのウェアラブル装置100の使用を可能とする(S310)。
【0095】
以上のように、本発明の実施形態に係る第3の認証方法は、装着の有無を検出し、装着が検出された場合に生体認証を行い、装着が検出されない場合には生体認証を行わない。したがって、ウェアラブル装置100は、第1の認証方法と同様に、装着が検出されない場合には生体認証に係る機能を有効としないので、生体認証に係る電力消費を抑制することができる。
【0096】
また、ウェアラブル装置100は装着が前提となる装置である。よって、ウェアラブル装置100は、ユーザの身体に接する部分から、または、ユーザの身体に近接する部分から容易に生体情報を取得することができる。したがって、第3の認証方法は、ユーザに対して生体認証のための動作を要求することなくユーザから生体情報を取得し、認証を行うことができる。
【0097】
さらに、第3の認証方法は、生体認証が成功した場合にウェアラブル装置100の主電源をONとし、プロファイルデータに基づいて機能が制御される。また、第3の認証方法は、生体認証が成功しない場合には、いわゆるゲストユーザとして一時的にウェアラブル装置100の使用を可能とすることができる。よって、第3の認証方法が適用されたウェアラブル装置100は、登録ユーザに対してはユーザごとに使用可能な機能などを制御し、また制限ユーザに対しては一律の制御を行うことができる。したがって、第3の認証方法は、ユーザごとに使用可能な機能をよりフレキシブルに制御することができる。
【0098】
上述した図7〜9に示す本発明の実施形態に係る第1〜第3の認証方法は、ユーザがウェアラブル装置100を装着した場合において最初に行われる認証に係る認証方法である。しかしながら、本発明の実施形態に係る認証方法は、ユーザがウェアラブル装置100を装着した場合に認証が行われることに限られない。そこで次に、ウェアラブル装置100の装着中(使用中)に再度ユーザの認証を行うことを可能とする本発明の実施形態に係る第4〜第7の認証方法について説明する。なお、以下に示す第4〜第7の認証方法は、一度行われれば終了という類の認証方法ではなく、それぞれの処理条件に基づいて何度も行われるものである。
【0099】
[本発明の実施形態に係る第4の認証方法]
図10は、本発明の実施形態に係る第4の認証方法を示す流れ図である。
【0100】
まず、前回の認証から所定の時間が経過したか否かを判定する(S400)。ここで、ステップS400における判定は、例えば、生体情報認証部104が記憶手段を有して認証が行われる度に認証時刻を上書きして保持し、認証時刻に所定の時間を加えた時刻と、判定時の時刻とを比較することにより行うことができる。ここで、所定の時間に係る情報は、記憶部106に記憶されていてもよいし、また、生体情報認証部104が有する記憶手段が記憶することもできる。また、上記所定の時間は、例えば、生体情報認証部104が、水晶などのクロック生成手段と、クロックをカウントするカウント手段を有して計測することもできる。なお、ステップS400における判定は、生体情報認証部104で行われることに限られず、例えば、ウェアラブル装置100全体を制御する制御部(図示せず)が行ってもよい。
【0101】
ステップS400において所定の時間が経過していない場合には、ウェアラブル装置100は、所定の時間が経過するまで認証に係る動作を行わない。
【0102】
また、ステップS400において所定の時間が経過した場合には、第1の認証方法と同様に、ユーザから生体情報を取得して読み取り(S402)、ステップS402においてユーザから取得した生体情報を用いて生体認証を行って認証が成功したか否かを判定する(S404)。
【0103】
ステップS404において認証が成功しない場合には、第1の認証方法と同様に、ウェアラブル装置100の使用を不能とする(S408)。ここで、図10では示していないが、例えば、図7〜図9に示す第1〜第3の認証方法のように所定の回数認証を行ってもよいし、また、図7に示す第1の認証方法のように、ユーザにウェアラブル装置100を使用する使用権限がない旨を通知することもできる。
【0104】
ステップS404において認証が成功した場合には、ウェアラブル装置100を使用しているユーザは、当該ユーザに対応するプロファイルデータに基づいてウェアラブル装置100を引き続き使用することができる(S406)。
【0105】
以上のように、本発明の実施形態に係る第4の認証方法は、ウェアラブル装置100を使用しているユーザに対して定期的に認証を行う。また、定期的な認証により認証が成功しない場合には、ウェアラブル装置100の使用を不能とすることができる。したがって、第4の認証方法を適用することにより、ウェアラブル装置100は、例えば、(1)一の登録ユーザに対する認証が行われた後に、一の登録ユーザと他の登録されていないユーザとが入れ替わった場合、または、(2)ウェアラブル装置100の不正使用を意図する不正ユーザが、ウェアラブル装置100を装着した場合に行われる認証をすり抜けた場合など、プロファイルデータ示すユーザと、ウェアラブル装置100を使用しているユーザとが異なっている場合においても、ウェアラブル装置100を使用するユーザ、および使用可能な機能を厳密に制御することができる。
【0106】
また、ウェアラブル装置100は装着が前提となる装置である。よって、ウェアラブル装置100は、ユーザの身体に接する部分から、または、ユーザの身体に近接する部分から容易に生体情報を取得することができる。したがって、第4の認証方法は、ユーザに対して生体認証のための動作を要求することなくユーザから生体情報を取得し、認証を行うことができる。
【0107】
[本発明の実施形態に係る第5の認証方法]
図10に示す第4の認証方法では、生体認証が成功しない場合にはウェアラブル装置100の使用を不能とする認証方法について示した。しかしながら、ウェアラブル装置100の装着中(使用中)にユーザの認証を行うことを可能とする本発明の実施形態に係る認証方法は、生体認証が成功しない場合にはウェアラブル装置100の使用を不能とすることに限られない。そこで次に、本発明の実施形態に係る第5の認証方法について説明する。図11は、本発明の実施形態に係る第5の認証方法を示す流れ図である。
【0108】
まず、第4の認証方法と同様に、前回の認証から所定の時間が経過したか否かを判定する(S500)。ここで、ステップS500において所定の時間が経過していない場合には、ウェアラブル装置100は、所定の時間が経過するまで認証に係る動作を行わない。
【0109】
また、ステップS500において所定の時間が経過した場合には、第4の認証方法と同様に、ユーザから生体情報を取得して読み取り(S502)、ステップS502においてユーザから取得した生体情報を用いて生体認証を行って認証が成功したか否かを判定する(S504)。
【0110】
ステップS504において認証が成功しない場合には、ウェアラブル装置100を使用しているユーザを制限ユーザに変更し、第3の認証方法と同様に、制限ユーザとしてウェアラブル装置100の使用を可能とする(S508)。ここで、図11では示していないが、例えば、図7〜図9に示す第1〜第3の認証方法のように所定の回数認証を行ってもよい。
【0111】
ステップS504において認証が成功した場合には、第4の認証方法と同様に、ウェアラブル装置100を使用しているユーザは、当該ユーザに対応するプロファイルデータに基づいてウェアラブル装置100を引き続き使用することができる(S506)。
【0112】
以上のように、本発明の実施形態に係る第5の認証方法は、ウェアラブル装置100を使用しているユーザに対して定期的に認証を行い、認証が成功しない場合には制限ユーザに切り替える。したがって、第5の認証方法を適用することにより、ウェアラブル装置100は、たとえ、プロファイルデータ示すユーザと、ウェアラブル装置100を使用しているユーザとが異なった場合においても、ウェアラブル装置100を使用しているユーザに応じて使用可能な機能などを制御することができる。
【0113】
また、ウェアラブル装置100は装着が前提となる装置である。よって、ウェアラブル装置100は、ユーザの身体に接する部分から、または、ユーザの身体に近接する部分から容易に生体情報を取得することができる。したがって、第5の認証方法は、ユーザに対して生体認証のための動作を要求することなくユーザから生体情報を取得し、認証を行うことができる。
【0114】
[本発明の実施形態に係る第6の認証方法]
図10、図11に示す第4、第5の認証方法では、ウェアラブル装置100を使用しているユーザに対して定期的に認証を行う認証方法について示した。しかしながら、ウェアラブル装置100の装着中にユーザの認証を行うことを可能とする本発明の実施形態に係る認証方法は、定期的に認証を行うことに限られない。そこで次に、本発明の実施形態に係る第6の認証方法について説明する。図12は、本発明の実施形態に係る第6の認証方法を示す流れ図である。
【0115】
まず、実行中の機能以外の他の機能が選択されたか否かを判定する(S600)。ここで、上記実行中の機能とは、例えば、コンテンツデータの閲覧・再生機能、編集機能、コピー機能、削除機能、などが挙げられるが、上記に限られない。また、上記実行中の機能には、特別な機能が実行されていない場合、すなわち、ウェアラブル装置100が待機状態の場合も含むことができる。
【0116】
また、ステップS600における判定は、例えば、操作部110の操作をトリガ(trigger)とすることができるし、または、機能部108が、例えば、力、加速度、角速度、光、磁気などのセンサ(sensor)を有して物理量を検出して判定することもできる。したがって、ステップS600における「他の機能の選択」は、例えば、「操作部110における操作」と置き換えることもできる。
【0117】
ステップS600において他の機能が選択されたと判定されない場合には、ウェアラブル装置100は、他の機能が選択されたと判定されるまで認証に係る動作を行わない。
【0118】
また、ステップS600において他の機能が選択されたと判定された場合には、第4の認証方法と同様に、ユーザから生体情報を取得して読み取り(S602)、ステップS602においてユーザから取得した生体情報を用いて生体認証を行って認証が成功したか否かを判定する(S604)。
【0119】
ステップS604において認証が成功しない場合には、第4の認証方法と同様に、ウェアラブル装置100の使用を不能とする(S608)。ここで、図12では示していないが、例えば、図7〜図9に示す第1〜第3の認証方法のように所定の回数認証を行ってもよいし、また、図7に示す第1の認証方法のように、ユーザにウェアラブル装置100を使用する使用権限がない旨を通知することもできる。
【0120】
ステップS604において認証が成功した場合には、第4の認証方法と同様に、ウェアラブル装置100を使用しているユーザは、当該ユーザに対応するプロファイルデータに基づいてウェアラブル装置100を引き続き使用することができる(S606)。
【0121】
以上のように、本発明の実施形態に係る第6の認証方法は、ウェアラブル装置100を使用しているユーザに対して、例えば、当該ユーザが操作部110を操作した場合に認証を行う。また、例えば、当該ユーザが操作部110を操作した場合の認証により認証が成功しない場合には、ウェアラブル装置100の使用を不能とする。したがって、第6の認証方法を適用することにより、ウェアラブル装置100は、プロファイルデータ示すユーザと、ウェアラブル装置100を使用しているユーザとが異なっている場合においても、ウェアラブル装置100を使用するユーザ、および使用可能な機能を厳密に制御することができる。
【0122】
また、ウェアラブル装置100は装着が前提となる装置である。よって、ウェアラブル装置100は、ユーザの身体に接する部分から、または、ユーザの身体に近接する部分から容易に生体情報を取得することができる。したがって、第6の認証方法は、ユーザに対して生体認証のための動作を要求することなくユーザから生体情報を取得し、認証を行うことができる。
【0123】
[本発明の実施形態に係る第7の認証方法]
図12に示す第6の認証方法では、第4の認証方法と同様に、生体認証が成功しない場合にはウェアラブル装置100の使用を不能とする認証方法について示した。しかしながら、第5の認証方法において示したように、ウェアラブル装置100の装着中にユーザの認証を行うことを可能とする本発明の実施形態に係る認証方法は、生体認証が成功しない場合にはウェアラブル装置100の使用を不能とすることに限られない。そこで次に、本発明の実施形態に係る第7の認証方法について説明する。図13は、本発明の実施形態に係る第7の認証方法を示す流れ図である。
【0124】
まず、第6の認証方法と同様に、実行中の機能以外の他の機能が選択されたか否かを判定する(S700)。ここで、ステップS700において他の機能が選択されたと判定されない場合には、ウェアラブル装置100は、他の機能が選択されたと判定されるまで認証に係る動作を行わない。なお、ステップ700における「他の機能の選択」は、例えば、「操作部110における操作」と置き換えることもできる。
【0125】
また、ステップS700において他の機能が選択されたと判定された場合には、第6の認証方法と同様に、ユーザから生体情報を取得して読み取り(S702)、ステップS702においてユーザから取得した生体情報を用いて生体認証を行って認証が成功したか否かを判定する(S704)。
【0126】
ステップS704において認証が成功しない場合には、ウェアラブル装置100を使用しているユーザを制限ユーザに変更し、第3の認証方法と同様に、制限ユーザとしてウェアラブル装置100の使用を可能とする(S708)。ここで、図13では示していないが、例えば、図7〜図9に示す第1〜第3の認証方法のように所定の回数認証を行ってもよい。
【0127】
ステップS704において認証が成功した場合には、第4の認証方法と同様に、ウェアラブル装置100を使用しているユーザは、当該ユーザに対応するプロファイルデータに基づいてウェアラブル装置100を引き続き使用することができる(S706)。
【0128】
以上のように、本発明の実施形態に係る第7の認証方法は、ウェアラブル装置100を使用しているユーザに対して、例えば、当該ユーザが操作部110を操作した場合に認証を行う。また、例えば、当該ユーザが操作部110を操作した場合の認証により認証が成功しない場合には、制限ユーザに切り替える。したがって、第7の認証方法を適用することにより、ウェアラブル装置100は、たとえ、プロファイルデータ示すユーザと、ウェアラブル装置100を使用しているユーザとが異なった場合においても、ウェアラブル装置100を使用しているユーザに応じて使用可能な機能などを制御することができる。
【0129】
また、ウェアラブル装置100は装着が前提となる装置である。よって、ウェアラブル装置100は、ユーザの身体に接する部分から、または、ユーザの身体に近接する部分から容易に生体情報を取得することができる。したがって、第7の認証方法は、ユーザに対して生体認証のための動作を要求することなくユーザから生体情報を取得し、認証を行うことができる。
【0130】
以上のように、本発明の第1の実施形態に係るウェアラブル装置100は、装着の有無を検出し、装着が検出された場合に生体認証を行い、装着が検出されない場合には生体認証を行わないとすることができる。したがって、ウェアラブル装置100は、装着が検出されない場合には生体認証に係る機能を有効としないので、生体認証に係る電力消費を抑制することができる。
【0131】
また、ウェアラブル装置100は、ユーザごとに使用可能な機能などが設定されたプロファイルデータを用いて生体認証を行うことができるので、ウェアラブル装置100を複数のユーザで共有することができる。
【0132】
また、ウェアラブル装置100は、生体認証の認証結果に基づいて、認証が成功しない場合には機能の無効、または制限を行うことができる。したがって、ウェアラブル装置100は、消費電力の制御や、使用可能な機能、利用可能なコンテンツデータの制御をユーザごとに行うことができる
【0133】
また、ウェアラブル装置100は、ユーザがウェアラブル装置100を装着した場合において認証を行うだけでなく、ウェアラブル装置100の装着中(使用中)にユーザの認証を行うこともできる。したがって、ウェアラブル装置100は、プロファイルデータ示すユーザと、ウェアラブル装置100を使用しているユーザとが異なった場合においても、ウェアラブル装置100を使用しているユーザに応じて使用可能な機能などを制御することができる。
【0134】
さらに、ウェアラブル装置100は装着が前提となる装置である。よって、ウェアラブル装置100は、ユーザの身体に接する部分から、または、ユーザの身体に近接する部分から容易に生体情報を取得することができる。したがって、ウェアラブル装置100は、ユーザに対して生体認証のための動作を要求することなくユーザから生体情報を取得し、認証を行うことができるので、認証に係る煩わしさからユーザを解放することができる。
【0135】
(第1〜第3の認証方法に係るプログラム)
ウェアラブル装置をコンピュータとして機能させるためのプログラムにより、ウェアラブル装置は、ユーザがウェアラブル装置を装着した場合において、ユーザに対して生体認証のための動作を要求することなくユーザから生体情報を取得し、認証を行うことができる。
【0136】
(第4〜第7の認証方法に係るプログラム)
ウェアラブル装置をコンピュータとして機能させるためのプログラムにより、ウェアラブル装置は、ウェアラブル装置の装着中(使用中)にユーザの認証を行うことができ、また、ユーザに対して生体認証のための動作を要求することなくユーザから生体情報を取得し、認証を行うことができる。
【0137】
(第2の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係るウェアラブル装置100では、ウェアラブル装置単体、すなわち、スタンドアロン(stand-alone)状態で機能する装置について説明した。しかしながら、本発明の実施形態に係るウェアラブル装置は、スタンドアロン状態の装置に限られない。そこで次に、外部装置と通信を行うことが可能な第2の実施形態に係るウェアラブル装置について説明する。
【0138】
図14は、本発明の第2の実施形態に係るウェアラブル装置200を含む通信システムを示すブロック図である。
【0139】
図14を参照すると、本発明の実施形態に係る通信システムは、ウェアラブル装置200と、外部装置300、400、…とを有し、ウェアラブル装置200と外部装置300、400、…とは、ネットワーク回線500で結ばれる。ここで、ネットワーク回線500は、例えば、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)など有線ネットワークであってもよいし、または、MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)を用いたWLAN(Wireless Local Area Network)などの無線ネットワーク、あるいは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などの通信プロトコルを用いたインターネット(Internet)であってもよいが、上記に限られない。
【0140】
ウェアラブル装置200は、基本的に本発明の第1の実施形態に係るウェアラブル装置100と同様の構成を有しており、ウェアラブル装置100と比較すると、通信部202を新たに有している。したがって、ウェアラブル装置200における認証は、上述したウェアラブル装置100と同様に行うことができる。そこで、以下では、ウェアラブル装置200が有する通信機能について説明する。
【0141】
通信部202は、ネットワーク回線500を介して外部装置と通信を行う機能を有する部であり、ウェアラブル装置200と外部装置との間のデータの送受信を行うことができる。
【0142】
ウェアラブル装置200から特定の外部装置への接続は、例えば、記憶部106に保持されているプロファイルデータがIPアドレス(Internet Protocol Adress)などの接続先を規定する通信情報を含み、当該通信情報を参照することにより行うことができる。また、上記通信情報には、例えば、外部装置においてユーザを特定するために用いられる「ID」や「パスワード」が含まれていてもよい。ここで、ウェアラブル装置200が保持するプロファイルデータは、第1の実施形態に係るウェアラブル装置100と同様に、ユーザごとのデータとすることができる。したがって、ウェアラブル装置200は、ユーザごとに設定された通信情報を用いて、ユーザごとに異なる外部装置へと接続することが可能となる。上記のように、ウェアラブル装置200は、外部装置へと接続することができるので、本発明の実施形態に係る通信システムでは、例えば、以下のようなことが実現できる。
【0143】
[第1の応用例:外部装置へのログの保存]
ウェアラブル装置200は、第1の実施形態に係るウェアラブル装置100と同様に、生体認証が行われた場合には、生体認証が行われた旨、生体認証の認証結果、認証時刻などを含むログファイルを生成することができる。ここで、生成したログファイルは、記憶部106に保持させるだけでなく、外部装置に送信し外部装置へ保持させることもできる。上記の構成により、例えば、プロファイルデータの接続情報に含まれる接続先を全ての登録ユーザ(制限ユーザも含む。)で同一とすることにより、サーバ(Server)などの管理装置においてウェアラブル装置200を監視し、ウェアラブル装置200の不正使用を発見することが可能となる。
【0144】
[第2の応用例:ユーザごとのサブスクリプションサービスの切り替え]
また、ウェアラブル装置200は、プロファイルデータが有する通信情報に「接続先」、サービスを利用するための「ID」、「パスワード」などの情報を含むことにより、例えば、雑誌データの購読などのサブスクリプションサービス(subscription service)をユーザごとに切り替えることができる。したがって、サービス提供側は、ウェアラブル装置200を介して、多様なサービスをユーザごとに提供することが可能となる。
【0145】
[第3の応用例:コンテンツデータの共有]
さらに、ウェアラブル装置200は、ウェアラブル装置200が有するコンテンツデータ、および/または、外部装置が有するコンテンツデータを、ウェアラブル装置200と外部装置との間で共有することもできる。上記の構成により、例えば、文書作成やプログラムコードの作成などを複数の装置を用いて共同で行うことが可能となり、また、ウェアラブル装置200と外部装置との間におけるコンテンツデータの同期も可能となる。
【0146】
なお、上記に示した第1〜第3の応用例は、本発明の実施形態に係る通信システムの一例であり、本発明の実施形態に係る通信システムが上記に限られないことは、言うまでもない。
【0147】
以上のように、本発明の第2の実施形態に係るウェアラブル装置200は、基本的に第1の実施形態に係るウェアラブル装置100と同様の構成を有している。したがって、ウェアラブル装置200は、装着の有無を検出し、装着が検出された場合に生体認証を行い、装着が検出されない場合には生体認証を行わないとすることができる。したがって、ウェアラブル装置200は、装着が検出されない場合には生体認証に係る機能を有効としないので、生体認証に係る電力消費を抑制することができる。
【0148】
また、ウェアラブル装置200は、第1の実施形態に係るウェアラブル装置100と同様に、ユーザごとに使用可能な機能などが設定されたプロファイルデータを用いて生体認証を行うことができるので、ウェアラブル装置200を複数のユーザで共有することができる。
【0149】
また、ウェアラブル装置200は、第1の実施形態に係るウェアラブル装置100と同様に、生体認証の認証結果に基づいて、認証が成功しない場合には機能の無効、または制限を行うことができる。したがって、ウェアラブル装置200は、消費電力の制御や、使用可能な機能、利用可能なコンテンツデータの制御をユーザごとに行うことができる
【0150】
また、ウェアラブル装置200は、第1の実施形態に係るウェアラブル装置100と同様に、ユーザがウェアラブル装置200を装着した場合において認証を行うだけでなく、ウェアラブル装置200の装着中(使用中)にユーザの認証を行うこともできる。したがって、ウェアラブル装置200は、プロファイルデータ示すユーザと、ウェアラブル装置100を使用しているユーザとが異なった場合においても、ウェアラブル装置200を使用しているユーザに応じて使用可能な機能などを制御することができる。
【0151】
また、ウェアラブル装置200は装着が前提となる装置である。よって、ウェアラブル装置200は、ユーザの身体に接する部分から、または、ユーザの身体に近接する部分から容易に生体情報を取得することができる。したがって、ウェアラブル装置200は、ユーザに対して生体認証のための動作を要求することなくユーザから生体情報を取得し、認証を行うことができるので、認証に係る煩わしさからユーザを解放することができる。
【0152】
さらに、ウェアラブル装置200は、外部装置と通信を行うことが可能であるため、例えば、外部装置へのログの保存、サブスクリプションサービスの切り替え、コンテンツデータの共有など、外部装置との連携により可能となる様々な機能を有することができる。
【0153】
また、図14に示す本発明の実施形態に係る通信システムを構成する要素として、外部装置300、400、…を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、係る形態に限られず、例えば、PC(Personal Computer)やサーバなどのコンピュータ、または、携帯電話やPHS(Personal Handy-phone System)などの携帯型通信装置、あるいは、ヘッドマウントディスプレイやウェアラブルカメラなどのウェアラブル装置などに適用することができる。
【0154】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0155】
例えば、図4および図14に示すウェアラブル装置では、生体情報認証部と、機能部とが別体として示されているが、かかる形態に限られず、生体情報認証部と機能部とを一体の構成要素とすることができる。
【0156】
また、図4および図14に示すウェアラブル装置では、装置の内部に固有の記憶部を設けているが、かかる形態に限られず、記憶部をウェアラブル装置から着脱可能とし、ユーザが記憶部を任意に交換可能とすることもできる。
【0157】
上述した構成は、当業者が容易に変更し得る程度のことであり、本発明の等価範囲に属するものと理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0158】
【図1】本発明の実施形態に係るウェアラブル装置の第1の例を示す説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係るウェアラブル装置の第2の例を示す説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係るウェアラブル装置の第3の例を示す説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るウェアラブル装置を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態に係るプロファイルデータの概略を示す説明図である。
【図6】本発明の実施形態に係るコンテンツデータの概略を示す説明図である。
【図7】本発明の実施形態に係る第1の認証方法を示す流れ図である。
【図8】本発明の実施形態に係る第2の認証方法を示す流れ図である。
【図9】本発明の実施形態に係る第3の認証方法を示す流れ図である。
【図10】本発明の実施形態に係る第4の認証方法を示す流れ図である。
【図11】本発明の実施形態に係る第5の認証方法を示す流れ図である。
【図12】本発明の実施形態に係る第6の認証方法を示す流れ図である。
【図13】本発明の実施形態に係る第7の認証方法を示す流れ図である。
【図14】本発明の第2の実施形態に係るウェアラブル装置を含む通信システムを示すブロック図である。
【符号の説明】
【0159】
100、200 ウェアラブル装置
102 装着検出部
104 生体情報認証部
106 記憶部
108 機能部
110 操作部
112、114 プロファイルデータ
116、118 コンテンツデータ
202 通信部
300、400 外部装置
500 ネットワーク回線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの身体に装着されて使用されるウェアラブル装置であって:
前記ユーザから生体情報を取得し、生体認証を行う生体情報認証部を備えることを特徴とする、ウェアラブル装置。
【請求項2】
装着の有無を検出する装着検出部をさらに備え、
前記生体情報認証部は、
前記装着検出部において装着が検出された場合に生体認証を行い、
前記装着検出部において装着が検出されない場合には生体認証を行わないことを特徴とする、請求項1に記載のウェアラブル装置。
【請求項3】
前記生体認証部は、前記ユーザに対して最初に生体認証が行われてから所定の時間経過後に、再度生体認証を行うことを特徴とする、請求項1に記載のウェアラブル装置。
【請求項4】
前記生体認証部は、定期的に生体認証を行うことを特徴とする、請求項3に記載のウェアラブル装置。
【請求項5】
1以上の機能の実行を制御する機能部と;
前記機能部に対する操作を行う操作部とをさらに備え、
前記生体認証部は、前記操作部において操作が行われたときに生体認証を行うことを特徴とする、請求項1に記載のウェアラブル装置。
【請求項6】
ユーザごとの生体情報を含むプロファイルデータを保持する記憶部をさらに備え、
前記生体情報認証部は、ユーザの身体から取得する生体情報と、前記記憶部に保持されたプロファイルデータとに基づいて生体認証を行うことを特徴とする、請求項1に記載のウェアラブル装置。
【請求項7】
1以上の機能の実行を制御する機能部をさらに備え、
前記プロファイルデータは、前記1以上の機能の有効化、または無効化が、機能ごとに設定可能な機能情報をさらに含み、
前記機能部は、前記プロファイルデータの機能情報を用いて、前記1以上の機能を機能ごとに有効化、または無効化することを特徴とする、請求項6に記載のウェアラブル装置。
【請求項8】
1以上の機能の実行を制御する機能部をさらに備え、
前記記憶部は、前記機能部により実行される1以上のコンテンツデータを保持し、
前記プロファイルデータは、前記コンテンツデータの実行に係るコンテンツデータ権限情報をさらに含み、
前記機能部は、前記プロファイルデータが含むコンテンツ情報を用いて、前記1以上の機能を、前記コンテンツデータごと、および機能ごとに有効化、または無効化することを特徴とする、請求項6に記載のウェアラブル装置。
【請求項9】
1以上の機能の実行を制御する機能部をさらに備え、
前記記憶部は、前記機能部により実行される1以上のコンテンツデータを保持し、
前記コンテンツデータそれぞれは、前記コンテンツデータを使用可能なユーザを規定するユーザ情報を含み、
前記機能部は、前記プロファイルデータと、前記ユーザ情報とに基づいて、前記1以上の機能を、前記コンテンツデータごと、および機能ごとに有効化、または無効化することを特徴とする、請求項6に記載のウェアラブル装置。
【請求項10】
少なくとも1以上の外部装置と通信を行う通信部をさらに備え、
前記プロファイルデータは、通信を行う所定の外部装置を規定する通信情報をさらに有し、
前記通信部は、前記プロファイルデータの通信情報に基づいて、所定の外部装置と通信を行うことを特徴とする、請求項6に記載のウェアラブル装置。
【請求項11】
前記通信部は、前記生体情報認証部において生体認証が行われた場合に前記所定の外部装置と通信を行い、生体認証が行われたことを通知することを特徴とする、請求項10に記載のウェアラブル装置。
【請求項12】
ユーザの身体に装着されて使用されるウェアラブル装置における認証方法であって:
装着の有無を検出するステップと;
前記検出するステップにおいて装着が検出された場合には、前記ユーザから生体情報を取得して生体認証を行い、装着が検出されない場合には、前記ユーザから生体情報を取得しないステップと;
を有することを特徴とする、認証方法。
【請求項13】
ユーザの身体に装着されて使用されるウェアラブル装置に用いられるプログラムであって:
装着の有無を検出する手段;
前記検出する手段において装着が検出された場合には、前記ユーザから生体情報を取得し、生体認証を行い、装着が検出されない場合には、前記ユーザから生体情報を取得しない手段;
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項1】
ユーザの身体に装着されて使用されるウェアラブル装置であって:
前記ユーザから生体情報を取得し、生体認証を行う生体情報認証部を備えることを特徴とする、ウェアラブル装置。
【請求項2】
装着の有無を検出する装着検出部をさらに備え、
前記生体情報認証部は、
前記装着検出部において装着が検出された場合に生体認証を行い、
前記装着検出部において装着が検出されない場合には生体認証を行わないことを特徴とする、請求項1に記載のウェアラブル装置。
【請求項3】
前記生体認証部は、前記ユーザに対して最初に生体認証が行われてから所定の時間経過後に、再度生体認証を行うことを特徴とする、請求項1に記載のウェアラブル装置。
【請求項4】
前記生体認証部は、定期的に生体認証を行うことを特徴とする、請求項3に記載のウェアラブル装置。
【請求項5】
1以上の機能の実行を制御する機能部と;
前記機能部に対する操作を行う操作部とをさらに備え、
前記生体認証部は、前記操作部において操作が行われたときに生体認証を行うことを特徴とする、請求項1に記載のウェアラブル装置。
【請求項6】
ユーザごとの生体情報を含むプロファイルデータを保持する記憶部をさらに備え、
前記生体情報認証部は、ユーザの身体から取得する生体情報と、前記記憶部に保持されたプロファイルデータとに基づいて生体認証を行うことを特徴とする、請求項1に記載のウェアラブル装置。
【請求項7】
1以上の機能の実行を制御する機能部をさらに備え、
前記プロファイルデータは、前記1以上の機能の有効化、または無効化が、機能ごとに設定可能な機能情報をさらに含み、
前記機能部は、前記プロファイルデータの機能情報を用いて、前記1以上の機能を機能ごとに有効化、または無効化することを特徴とする、請求項6に記載のウェアラブル装置。
【請求項8】
1以上の機能の実行を制御する機能部をさらに備え、
前記記憶部は、前記機能部により実行される1以上のコンテンツデータを保持し、
前記プロファイルデータは、前記コンテンツデータの実行に係るコンテンツデータ権限情報をさらに含み、
前記機能部は、前記プロファイルデータが含むコンテンツ情報を用いて、前記1以上の機能を、前記コンテンツデータごと、および機能ごとに有効化、または無効化することを特徴とする、請求項6に記載のウェアラブル装置。
【請求項9】
1以上の機能の実行を制御する機能部をさらに備え、
前記記憶部は、前記機能部により実行される1以上のコンテンツデータを保持し、
前記コンテンツデータそれぞれは、前記コンテンツデータを使用可能なユーザを規定するユーザ情報を含み、
前記機能部は、前記プロファイルデータと、前記ユーザ情報とに基づいて、前記1以上の機能を、前記コンテンツデータごと、および機能ごとに有効化、または無効化することを特徴とする、請求項6に記載のウェアラブル装置。
【請求項10】
少なくとも1以上の外部装置と通信を行う通信部をさらに備え、
前記プロファイルデータは、通信を行う所定の外部装置を規定する通信情報をさらに有し、
前記通信部は、前記プロファイルデータの通信情報に基づいて、所定の外部装置と通信を行うことを特徴とする、請求項6に記載のウェアラブル装置。
【請求項11】
前記通信部は、前記生体情報認証部において生体認証が行われた場合に前記所定の外部装置と通信を行い、生体認証が行われたことを通知することを特徴とする、請求項10に記載のウェアラブル装置。
【請求項12】
ユーザの身体に装着されて使用されるウェアラブル装置における認証方法であって:
装着の有無を検出するステップと;
前記検出するステップにおいて装着が検出された場合には、前記ユーザから生体情報を取得して生体認証を行い、装着が検出されない場合には、前記ユーザから生体情報を取得しないステップと;
を有することを特徴とする、認証方法。
【請求項13】
ユーザの身体に装着されて使用されるウェアラブル装置に用いられるプログラムであって:
装着の有無を検出する手段;
前記検出する手段において装着が検出された場合には、前記ユーザから生体情報を取得し、生体認証を行い、装着が検出されない場合には、前記ユーザから生体情報を取得しない手段;
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−198028(P2008−198028A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−33990(P2007−33990)
【出願日】平成19年2月14日(2007.2.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月14日(2007.2.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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