説明

ウエハ搬送方法およびウエハ搬送装置

【課題】 たとえばワイヤソーによる切断の後に、人手を介することなく半導体ウエハを1枚ずつ分離することが可能なウエハ搬送方法およびウエハ搬送装置を提供すること。
【解決手段】 積層された複数枚のウエハWfを搬送するウエハ搬送方法であって、液体Lq中に位置する複数枚のウエハWfどうしの間のいずれかに隙間を生じさせるべく、置台81に載置された複数枚のウエハWfの端面に向けて液体Lqを噴出する工程と、上記隙間を生じさせた状態で、複数枚のウエハWfのうち少なくとも最上位に位置するウエハWfを取り上げる工程と、を備え、置台81には、液体Lqが噴出される方向において貫通し且つ複数枚のウエハWfが載置される側に向かって露出している空間が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば太陽電池の材料に用いられる半導体ウエハを1枚ずつ搬送するウエハ搬送方法およびウエハ搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図15は、半導体ウエハの製造におけるワイヤソー装置を用いた切断工程を示している(たとえば特許文献1参照)。同図に示されたワイヤソー装置Xは、4つのガイドローラ93およびワイヤ94を備えており、半導体材料92をウエハ状に切断する装置である。ワイヤ94は、たとえばメッキが施されたピアノ線であり、4つのガイドローラ93に掛け回されており、図示された矢印の方向に送られる。半導体材料92は、たとえばガラスからなる保持部材91に接着剤によって接合された状態で、ワイヤ94に押し付けられる。ワイヤ94が半導体材料92を超えて保持部材91に到達すると、半導体材料92の切断が完了する。この切断により、保持部材91に各々の端縁が接合された状態で、複数枚のウエハが得られる。
【0003】
しかしながら、切断を終えた後には、最終的に上記ウエハを1枚1枚分離した状態にする必要がある。この分離作業に先立って、切断粉の洗浄や、保持部材91からの剥離を目的として、上記ウエハは、洗浄液や接着剤を溶解する溶液に漬けられる。これらの液体によって上記ウエハがウエットの状態になると、となり合う上記ウエハどうしが張り付いてしまいやすい。このようなことでは、上記ウエハを1枚1枚分離した状態とすることは容易ではなく、たとえば作業者が手作業によって上記半導体ウエハを1枚ずつ取り上げるといった作業が強いられていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−160431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、たとえばワイヤソーによる切断の後に、人手を介することなく半導体ウエハを1枚ずつ分離することが可能なウエハ搬送方法およびウエハ搬送装置を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の側面によって提供されるウエハ搬送方法は、積層された複数枚のウエハを搬送するウエハ搬送方法であって、液体中に位置する上記複数枚のウエハどうしの間のいずれかに隙間を生じさせるべく、置台に載置された上記複数枚のウエハの端面に向けて上記液体を噴出する工程と、上記隙間を生じさせた状態で、上記複数枚のウエハのうち少なくとも最上位に位置するウエハを取り上げる工程と、を備え、上記置台には、上記液体が噴出される方向において貫通し且つ上記複数枚のウエハが載置される側に向かって露出している空間が形成されたことを特徴としている。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記置台は、上記複数枚のウエハを支持し且つ上記液体が噴出される方向に沿って延びる一対の板状部材を備え、上記空間は、上記一対の板状部材に挟まれた領域に位置する。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記一対の板状部材は互いに平行である。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記置台は、上記複数枚のウエハを支持し且つ上記一対の板状部材の間に配置された補助支持部材をさらに備える。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記補助支持部材は、上記液体が噴出される方向に沿って延びる板状である。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記複数枚のウエハのうち最上位にあったものを吸着した状態でこのウエハをその面内方向にスライドさせる吸着スライド手段によって、上記最上位のウエハから順に上記ウエハを搬送する工程をさらに備える。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記吸着スライド手段は、互いに離間した一対のローラと、上記一対のローラにかけまわされた無端ベルトとを備え、上記無端ベルトには、上記無端ベルトに囲まれ且つ減圧されうる空間とつながる複数の孔が設けられている。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記液体を噴出する工程においては、上記複数枚のウエハに対して上記ウエハのスライド方向前方側から上記液体を噴出する。
【0014】
本発明の第2の側面によって提供されるウエハ搬送装置は、積層された複数枚のウエハを搬送するウエハ搬送装置であって、置台と、液体中に位置し且つ上記置台に載置された上記複数枚のウエハの端面に向けて上記液体を噴出することにより、上記複数枚のウエハどうしの間のいずれかに隙間を生じさせる少なくとも1つの液体噴出手段と、上記隙間を生じさせた状態において、上記複数枚のウエハのうち少なくとも最上位に位置するウエハを受け取り可能なウエハ受け取り手段と、を備え、上記置台には、上記液体が噴出される方向において貫通し且つ上記複数枚のウエハが載置される側に向かって露出している空間が形成されたことを特徴としている。
【0015】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記置台は、上記複数枚のウエハを支持し且つ上記液体が噴出される方向に沿って延びる一対の板状部材を備え、上記空間は、上記一対の板状部材に挟まれた領域に位置する。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記一対の板状部材は互いに平行である。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記置台は、上記複数枚のウエハを支持し且つ上記一対の板状部材の間に配置された補助支持部材をさらに備える。
【0018】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記補助支持部材は、上記液体が噴出される方向に沿って延びる板状である。
【0019】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ウエハ受け取り手段は、上記複数枚のウエハのうち最上位にあるものを吸着した状態で、このウエハをその面内方向にスライドさせる吸着スライド手段を含む。
【0020】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記吸着スライド手段は、互いに離間した一対のローラと、上記一対のローラにかけまわされた無端ベルトとを備え、上記無端ベルトには、上記無端ベルトに囲まれ且つ減圧されうる空間とつながる複数の孔が設けられている。
【0021】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記少なくとも1つの液体噴出手段は、上記複数のウエハに対して上記ウエハのスライド方向前方側に配置されている。
【0022】
このような構成によれば、液体中に積み上げられた上記複数枚のウエハにおいては、これらのウエハの端面に液体を噴出することにより、上記複数枚のウエハの間どうしのいずれかに隙間が生じさせられる。そのため、上記複数枚のウエハのうち最上位に位置するウエハは、上記液体を噴出する前と比べてより上方に位置することとなる。これにより、上記最上位に位置するウエハを適切に取り上げることができる。また、上記置台に上記空間が形成されていると、上記複数枚のウエハが数枚程度となった場合であっても、これらのウエハどうしの間に隙間を生じさせやすい。
【0023】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係るウエハ搬送装置の一例を示す全体概略図である。
【図2】図1に示すウエハ搬送装置を示す要部断面図である。
【図3】図1に示したウエハ搬送装置の一部の構成のみを示す斜視図である。
【図4】図1のIV−IV線に沿う要部断面図である。
【図5】図4の上側からみた平面図である。
【図6】図1に示すウエハ搬送装置の吸着コンベアを斜め下方から見た要部斜視図である。
【図7】本発明に係るウエハ搬送方法において、ウエハを浮上させる工程を示す要部断面図である。
【図8】本発明に係るウエハ搬送方法において、ウエハを浮上させる工程を示す、図6と同様の要部斜視図である。
【図9】本発明に係るウエハ搬送方法において、ウエハを吸着する工程を示す、図6と同様の要部斜視図である。
【図10】本発明に係るウエハ搬送方法において、ウエハを吸着する工程を示す要部断面図である。
【図11】本発明に係るウエハ搬送方法において、ウエハをスライドさせる工程を示す要部断面図である。
【図12】本発明に係るウエハ搬送方法において、ウエハをスライドさせる工程を示す、図6と同様の要部斜視図である。
【図13】本発明に係るウエハ搬送方法において、ウエハを中継コンベアに受け渡す工程を示す要部断面図である。
【図14】本発明にかかるウエハ搬送方法における最終工程を示す要部断面図である。
【図15】ワイヤソー装置を用いた半導体材料の切断工程を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0026】
図1は、本発明に係るウエハ搬送装置の一例を示している。本実施形態のウエハ搬送装置Aは、ウエハ槽1、吸着コンベア2、複数のノズル31、スポンジローラ32、ヒータ41、温度センサ42、ヒータ制御部43、中継コンベア5、装填コンベア6、スタッカ7、置台81、およびサポート部材82を備えている。
【0027】
ウエハ槽1は、鉛直方向上方が開口する容器状とされており、複数枚のウエハWfを、所定の液体Lqに浸した状態で収容するためのものである。複数枚のウエハWfは、後述する置台81に載置され、且つ、サポート部材82にガイドされている。複数枚のウエハWfは、上下に積み上げられた状態で液体Lq内につけられており、液体Lqの液面Lsに対して所定の角度傾斜した姿勢とされている。液体Lqは、たとえば水に適量の界面活性剤が混入されたものである。これらウエハWfの枚数は、たとえば1000枚程度である。ウエハWfの寸法の一例を挙げると、外形が156mm角であって、厚さが0.14〜0.18mmである。複数枚のウエハWfは、その最上位に位置するものの上面が後述する吸着コンベア2のウエハ吸着面22cと平行となるように積み上げられている。最上位のウエハWfの上面と吸着コンベア2のウエハ吸着面22cとの距離は、たとえば15〜35mmとされる。
【0028】
図3は、置台81およびサポート部材82のみを一部透視化して示す斜視図である。図4は、図1のIV−IV線に沿う要部断面図である。図5は、図4の上側からみた平面図を示している。
【0029】
置台81は、複数枚のウエハWfを載置するためのものである。置台81は、たとえば塩化ビニル樹脂、またはガラスエポキシ樹脂からなる。図3、図4に示すように、置台81は、底台部811と、一対の板状部材812,813と、補助支持部材814とを備える。底台部811は、正方形状の平板状である。底台部811の外形はウエハWfとほぼ同程度の大きさであって、厚さがたとえば10mmである。
【0030】
一対の板状部材812,813、および補助支持部材814はいずれも、底台部811から図3、図4の上方に向かって起立している。一対の板状部材812,813、および補助支持部材814は互いに平行に配置されており、且つ、x1−x2方向に沿って延びる長板状である。一対の板状部材812,813、および補助支持部材814はいずれもウエハWfを支持するためのものである。一対の板状部材812,813のみを配置しても複数枚のウエハWfを支持できるが、補助支持部材814をさらに配置することによって、ウエハWfが下方にたわむことを抑制できる。一対の板状部材812,813、および補助支持部材814の寸法はたとえば、長辺が156mm、短辺が15〜35mm、厚さが2〜10mmである。
【0031】
置台81においては、底台部811、一対の板状部材812,813、および補助支持部材814に挟まれることにより、2つの空間815が形成されている。空間815は、x1−x2方向において貫通している。また、空間815は、底台部811と反対側、すなわちウエハWfが載置される側に向かって露出している。
【0032】
サポート部材82は、複数枚のウエハWfが位置ずれを起こさないように複数枚のウエハWfをガイドするためのものである。本実施形態では、サポート部材82は、置台81に連結されている。
【0033】
サポート部材82は、たとえばガラスエポキシ樹脂、またはステンレススチールからなる。図3〜図5に示すように、サポート部材82は、一対の移動規制部821,822、および移動規制部823,824を備える。移動規制部821,822はいずれも、複数枚のウエハWfに対して方向x1側に配置されている。このように移動規制部821,822が配置されていることによって、複数枚のウエハWfが方向x1に移動することが規制される。移動規制部821,822はウエハWfの積層方向に沿って延びる長板状である。移動規制部821,822どうしは、互いに離間しており、その離間距離L1はたとえば101〜140mmである。また、当該離間距離はウエハWfの幅より小さい。
【0034】
移動規制部823は、複数枚のウエハWfに対して方向y1側に配置されており、移動規制部824は、複数枚のウエハWfに対して方向y2側に配置されている。このように移動規制部823,824が配置されていることによって、複数枚のウエハWfがy1−y2方向に移動することが規制される。移動規制部823,824は、ウエハWfの積層方向に沿って延びる長板状である。移動規制部823は移動規制部821と一体成型されており、移動規制部824は移動規制部824と一体成型されている。
【0035】
複数枚のウエハWfは、たとえばウエハ槽1の図1の左方において置台81上に積み上げられ且つサポート部材82にガイドされた状態で、コンベア11によってウエハ槽1の図中右方部分に送られてハンドリングされる。リフタ12は、たとえばサーボモータ(図示略)によって、少なくともウエハWfの1枚分の厚さに相当する精度で昇降自在とされている。リフタ12の昇降にしたがって、置台81、サポート部材82、およびウエハWfが昇降する。
【0036】
吸着コンベア2は、本発明で言う吸着スライド手段の一例に相当し、ウエハ槽1内においてその下方部分が液体Lqに漬かる位置に設けられている。図5に示すように、吸着コンベア2のy1−y2方向における大きさL2は、移動規制部821,822どうしの離間距離L1より小さく、たとえば100mmである。図2に示すように、吸着コンベア2は、1対のローラ21、1対の無端ベルト22、およびバキュームボックス23を備えている。
【0037】
1対のローラ21は、互いに離間して平行配置されており、少なくともいずれかがサーボモータ(図示略)などの駆動源に連結されている。本実施形態では、図2に示されたローラ21は、図中の反時計回りに回転させられる。
【0038】
1対の無端ベルト22は、環状とされたたとえばゴム製の帯状ベルトであり、1対のローラ21に掛け回されている。図6に示すように、1対の無端ベルト22は、互いに平行に離間配置されている。図2および図6に示すように、各無端ベルト22のうちその周回方向の一部分である吸着区間22aには、複数の孔22bが形成されている。各孔22bは、無端ベルト22をその厚さ方向に貫通しており、液体Lqや空気が通過可能となっている。本実施形態においては、吸着区間22aの周回方向寸法は、ウエハWfの周回方向寸法とほぼ同じとされている。
【0039】
図2に示すように、バキュームボックス23は、無端ベルト22の内側空間に配置されており、断面矩形状のたとえばSUS製の箱である。バキュームボックス23の高さ方向寸法は、無端ベルト22の内側どうしの間隔とほぼ同じとなっている。このため、バキュームボックス23の上下面に沿って、無端ベルト22が摺動する。各無端ベルト22は、ローラ21の駆動によって、図2における矢印方向(反時計回り)に周回させられる。すなわち、ローラ21が回転駆動すると、無端ベルト22のうちバキュームボックス23に対して下側に位置する部分(ウエハ吸着面22c)は、図中左方から右方に向けてスライドする。
【0040】
バキュームボックス23は、3つの区画室231,232,233を有する。これらの区画室231,232,233は、1対のローラ21が離間する方向に沿って並べられている。バキュームボックス23には、複数の孔23bが形成されている。複数の孔23bは、バキュームボックス23の下側部分に設けられており、本実施形態においては、バキュームボックス23の下側部分のほぼ全面に設けられている。区画室231,232,233には、それぞれ吸気口23aが設けられている。
【0041】
図2によく表れているように、吸着コンベア2は、液体Lqの液面Lsに対して若干傾いた姿勢とされている。より具体的には、吸着コンベア2の右端が左端よりも上位となるように傾斜している。
【0042】
吸気口23aには、ホース24、バルブユニット27、脱水槽25を介してポンプ26が接続されている。ホース24は、たとえば樹脂からなる可撓性を有する配管部品である。バルブユニット27は、区画室231,232,233ののうちいずれをポンプ26と接続するかを切替可能とされている。脱水槽25は、バキュームボックス23を介して吸引した空気から液体Lqを分離するためのものである。ポンプ26は、吸着コンベア2によってウエハWfを吸着することが可能な程度に、無端ベルト22に収容された格好となっているバキュームボックス23内の空間を減圧するための減圧源である。
【0043】
複数のノズル31は、液体Lqを吐出する部品であり、液体Lqの噴流を生じさせる。これらのノズル31にはそれぞれ、配管(図示略)を介して吐出ポンプ(図示略)が接続されている。本実施形態においては、図2に示すように、ノズル31は、積み上げられた複数枚のウエハWfに対して図中右方に配置されており、複数枚のウエハWfの端面Wfaに向けて液体Lqを噴出させる姿勢で設けられている。ノズル31はいずれも、ウエハWfの積層方向において扁平な形状の液体Lqを噴出可能である(図示略)。ノズル31から吐出される液体Lqの流量は、たとえば9L/min程度である。
【0044】
図4、図5を用いて、複数のノズル31の詳細な配置状態について説明する。これらの図において、y1−y2方向における中央に配置されたものをノズル311とし、ノズル311と隣り合うものをノズル312とし、y1−y2方向における最外側に配置されたものをノズル313としている。
【0045】
ノズル311は、y1−y2方向(ウエハWfの端面Wfaの延びる方向)におけるウエハWfの端面Wfaの中央に向けて液体Lqを噴出する。ノズル311からの噴流がウエハWfの端面Wfaに当たる位置としては、複数のウエハWfの最上位のものから数枚分(5〜6枚程度)の位置である。ノズル311が液体Lqを噴出する方向は、方向x1に一致する。ノズル312は、y1−y2方向においてウエハWfの端面Wfaと重なる位置に配置されている。また、図4に示すように、ノズル312は、ウエハWfの積層方向においてノズル311と同位に配置されている。ノズル312は、ウエハWfの端面Wfaの一端寄りの部分に向けて、液体Lqを噴出する。ノズル312からの噴流がウエハWfの端面Wfaに当たる位置としては、複数のウエハWfの最上位のものから数枚分(5〜6枚程度)の位置である。ノズル312が液体Lqを噴出する方向も、方向x1に一致する。
【0046】
図4、図5に示すように、ノズル313は、y1−y2方向においてウエハWfの端面Wfaの外側に配置されている。図4に示すように、ノズル313は、ウエハWfの積層方向において、ノズル311,312に比べて、上位に配置されている。ノズル313は、ウエハWfの端面Wfaの一端近傍に向けてやや上向きに液体Lqを噴出する。好ましくは、ノズル313は、複数枚のウエハWfの最上位のものよりも上側に向けて、且つ、ノズル313からの噴流が吸着コンベア2に至るように、液体Lqを噴出するとよい。ノズル313による液体Lqの噴出方向は、ウエハWfの面内方向に対して、たとえば15〜20度の角度をなしている。
【0047】
スポンジローラ32は、表面部分がスポンジからなるローラである。スポンジローラ32は、吸着コンベア2の直下において、積み上げられた複数枚のウエハWfに対して図中右方に配置されている。スポンジローラ32は、図示しないたとえばモータに連結されており、回転可能とされている。本実施形態においては、スポンジローラ32は、ブラケットによって吸着コンベア2に対して固定されている。
【0048】
図1に示すように、ヒータ41は、液体Lqに漬かっており、たとえばウエハ槽1の壁面付近に配置されている。このヒータ41としては、液体加熱用のものが用いられる。ヒータ41が駆動すると、液体Lqが加熱されて当該液体Lqの温度が上昇する。ヒータ41は、ケーブルを介してヒータ制御部43につながっており、ヒータ制御部43からの電気信号によってその駆動が制御される。
【0049】
温度センサ42は、液体Lqに漬かっており、たとえばウエハ槽1の壁面付近に配置されている。温度センサ42としては、たとえば液温測定用のサーミスタを採用することができる。温度センサ42からの出力信号は、ケーブルを介してヒータ制御部43に伝送される。
【0050】
ヒータ制御部43は、ヒータ41に駆動電力を供給するためのものであり、ウエハ槽1の外部に設けられている。ヒータ制御部43は、温度センサ42からの電気信号に応じてヒータ41の駆動を制御する制御回路を備える。ヒータ制御部43による制御としては、たとえば温度センサ42での測定温度が所定の温度範囲となるようにヒータ41の駆動を制御する、いわゆるフィードバック制御が挙げられる。
【0051】
中継コンベア5は、吸着コンベア2の下流側において、液面Lsの上方に配置されている。中継コンベア5は、後述する手順によって吸着されたウエハWfを吸着コンベア2から受け渡される。
【0052】
装填コンベア6は、中継コンベア5の下流側に配置されている。装填コンベア6は、中継コンベア5から受け取ったウエハWfを、スタッカ7へと装填するのに用いられる。
【0053】
スタッカ7は、複数枚のウエハWfを1枚ずつ格納するためのものであり、鉛直方向に互いに平行に配列された複数のポケット71を有している。装填コンベア6からウエハWfが送られてくると、このウエハWfがあるポケット71に装填される。すると、図示しない昇降手段によってスタッカ7はポケット71の一段分だけ上昇される。これにより、次のウエハWfを装填可能な状態となる。
【0054】
次に、本発明に係るウエハ搬送方法の一例について、図7〜図14を参照しつつ以下に説明する。図7〜図13においては、理解の便宜上、置台81、サポート部材82の記載を省略しているが、実際には、複数枚のウエハWfは置台81に載置され、かつサポート部材82にガイドされたまま以下の工程が行われる。
【0055】
まず、図7に示すように、無端ベルト22の吸着区間22aを、積み上げられたウエハWfの直上に位置させる。この時、最上位のウエハWfの上面と吸着コンベア2のウエハ吸着面22cとの距離は、たとえば15〜35mmである。吸着区間22aがこの位置にあるときは、バキュームボックス23の複数の孔23bのうち区画室231,232に設けられたものが、吸着区間22aと重なっている。また、このときバルブユニット27を切り替えることにより、区画室231,232とポンプ26とを接続し、区画室233とポンプ26とを遮断する。これとともに、ポンプ26を駆動させ、区画室231,232の内圧を負圧とする。ここで、ヒータ41を駆動することにより、あらかじめ液体Lqの温度を30℃以上にしておく。
【0056】
次いで、複数のノズル31からウエハWfの端面Wfaに向けて所定の吐出圧力で液体Lqを噴出する(図4〜図6参照)。ノズル31からの吐出圧力によって、液体Lqが噴き付けられる部位において、ウエハWfどうしの間や、ウエハWfの最上部の上側に液体Lqが侵入する。そうすると、図8に示すように、最上位のウエハWfを含む複数枚のウエハWfは、互いの間に隙間が生じるように浮き上がる。そして、最上位のウエハWfは、無端ベルト22の吸着区間22a(ウエハ吸着面22c)に近接する。
【0057】
吸着コンベア2において、区画室231,232の内圧が負圧であることから、吸着区間22aの直下近傍にある最上位のウエハWfが上方に引き寄せられる。そして、図9および図10に示すように、最上位のウエハWfが吸着区間22aに吸着される。
【0058】
次いで、ノズル31からの液体Lqの噴出を停止する。そして図11および図12に示すように、ローラ21を駆動することにより無端ベルト22を反時計回りに周回させる。これにより、吸着されたウエハWfが図中右方にスライドされる。このとき、スポンジローラ32を反時計回りに回転させておく。すると、スライドするウエハWfは、その先端から順にスポンジローラ32の上方をこれに接しながら通過する。これにより、ウエハWfにはスライド方向と反対方向に向けて抵抗力が付与される。仮に、最上位に位置していたウエハWfとその直下にあったウエハWfとが、誤って2枚取りされた場合、この抵抗力によって下方のウエハWfを取り除くことができる。さらに、液体Lqに混入された界面活性剤は、2枚のウエハWfどうしの間に液体Lqが侵入することを好適に促進する。なお、本記載ではノズル31からの液体Lqの噴出を停止しているが、ノズル31からの液体Lqの噴出を停止させずに以下の一連の工程を続けて行ってもよい。
【0059】
無端ベルト22が周回すると、吸着区間22aが区画室231,232と重なる位置から区画室232,233と重なる位置へと移動する。このときには、図11によく表れているように、バルブユニット27を切り替えることにより、区画室232,233とポンプ26とを接続し、区画室231とポンプ26とを遮断する。これにより、区画室232,233の内圧が負圧となり、区画室231はその内圧が強い負圧となる状態から解除される。
【0060】
次いで、図13に示すように、さらに無端ベルト22を周回させる。すると、吸着されたウエハWfは、さらに右方へとスライドし、中継コンベア5へと受け渡される。図示された状態においては、吸着区間22aは区画室233のみと重なっている。このときには、バルブユニット27を切り替えることにより、区画室233とポンプ26とを接続し、区画室231,232とポンプ26とを遮断する。
【0061】
この後は、中継コンベア5、装填コンベア6を経由して、ウエハWfがスタッカ7に装填される。一方、吸着コンベア2は、無端ベルト22をさらに周回させるとともに、バルブユニット27を切り替えることにより、再び図7に示す状態となる。そして、リフタ12が、積み上げられた複数枚のウエハWfをその一枚分の厚さに相当する高さだけ上昇させることにより、次のウエハWfを吸着可能な状態となる。以上に述べた工程を順次繰り返すことにより、積み上げられた複数枚のウエハWfを1枚ずつ搬送し、スタッカ7へと装填できる。
【0062】
そして上記の工程を順次繰り返した結果、最終的に図14に示すように、置台81に載置されたウエハWfの数が数枚程度となる。ウエハWfの数が数枚程度となった場合、ウエハWfの端面Wfaに向けてノズル31から噴出された液体Lqは、ウエハWfを載置している置台81の空間815にも侵入する。そのため、ウエハWfは数枚であっても、互いの間に隙間が生じるように浮き上がる。その後、上記と同様の工程を経ることにより、置台81に載置されたウエハWfをほぼ全てスタッカ7へと装填できる。
【0063】
次に、本実施形態のウエハ搬送方法およびウエハ搬送装置Aの作用について説明する。
【0064】
複数枚のウエハWfは、たとえばワイヤソーを用いた切断工程の後に、洗浄工程や接着剤の溶解工程を経るために濡れた状態となる。これらの濡れたウエハWfを大気中におくと、互いに張り付いてしまい、1枚ずつに分離することは困難である。本実施形態によれば、液体Lq中に積み上げられた複数枚のウエハWfにおいては、これらウエハWfの端面Wfaに液体Lqを噴出することにより、最上位にあるウエハWfを含む複数枚のウエハWfの間に隙間が生じさせられる。すなわち、最上位のウエハWfとこれに隣接する直下のウエハWfとの間に隙間があるため、ウエハWfどうしが張り付いた状態は解消されて、最上位に位置するウエハWfを適切に吸着コンベア2に吸着させることができる。
【0065】
さらに本実施形態においては、ノズル31を、図4、図5のように配置し、且つ、ノズル31から噴出される液体Lqの方向を調整したことで、複数枚のウエハWfどうしの間に隙間を生じさせやすくなっている。
【0066】
発明者らの試験によると、本実施形態によれば、ノズル311を設けない場合と比べて、より多くのウエハWfどうしの間に隙間を生じさせやすくっており、ウエハWfをより早く浮上させることができた。また、ノズル312もしくはノズル313を設けない場合と比べて、複数枚のウエハWfをより確実に浮上させることができた。
【0067】
なお同図に示すように、必ずしも、ノズル31としてノズル311,312,313のいずれをも配置する必要はない。たとえば、ノズル31として、ノズル311,312のみを配置したり、ノズル311,313のみを配置したり、ノズル312,313のみを配置したりしてもよい。もしくは、ノズル31として、ノズル311のみを配置したり、ノズル312のみを配置したり、ノズル313のみを配置したりしてもよい。
【0068】
ノズル31はいずれも、ウエハWfの積層方向において扁平な形状の液体Lqを噴出可能である。これによっても、複数枚のウエハWfどうしの間に隙間を生じさせやすくなっている。
【0069】
図4、図5に示したように、複数枚のウエハWfは、サポート部材82にガイドされている。特に、複数枚のウエハWfは、一対の移動規制部821,822により、方向x1における移動が規制されている。そのため、ウエハWfに対し方向x1に向かってノズル31から液体Lqが噴出されても、当該液体Lqによる力を受けてウエハWfは方向x1において位置ずれをしてしまうといったおそれが少ない。このような構成は、最上位にあるウエハWfを的確に吸着するのに適している。また、一対の移動規制部823,824によって、方向y1および方向y2に向かうウエハWfの移動が規制されている。このような構成も、最上位にあるウエハWfを的確に吸着するのに適している。なお、上記実施形態では一対の移動規制部821,822はそれぞれ、別個の板状の部材である例を示したが、一対の移動規制部821,822は、一体の部材における2つの部位であってもかまわない。
【0070】
吸着コンベア2のy1−y2方向における大きさL2は、移動規制部821,822どうしの離間距離L1より小さい。そのため、図14に示したように、移動規制部821,822に妨げられることなく、吸着コンベア2は複数枚のウエハWfの積層方向において移動することが可能となっている。これは、吸着コンベア2を複数枚のウエハWfの最上位のものにより接近させるのに適している。そのため、吸着コンベア2により、当該最上位のウエハWfをより吸着しやすくなっている。
【0071】
ウエハWfをスライドさせる吸着コンベア2を用いれば、吸着したウエハWfを積み上げられた複数枚のウエハWfの直上からスムーズに退避させることができる。このとき、複数枚のウエハWfが大きく乱されるおそれが少ない。
【0072】
複数枚のウエハWfは、最上位に位置するものの上面が吸着コンベア2のウエハ吸着面22cと平行となるように積み上げられている。このため、ノズル31からの液体噴出により浮上してきた最上位のウエハWfの全面に対して、吸着コンベア2による吸着力が略均等に作用する。このような構成は、最上位にあるウエハWfを的確に吸着するのに適している。また、ウエハ吸着面22cは、ウエハWfのスライド方向前方側(図中右方)が上位となるように傾斜しているため、ウエハWfを短い移動行程で効率よく搬送するのに適している。
【0073】
ノズル31は、複数枚のウエハWfに対してウエハWfのスライド方向前方側(図中右方)に配置されており、積み上げられたウエハWfの端面Wfaに向けて液体Lqを噴出する。すなわち、ノズル31からはウエハWfのスライド方向とは逆方向に液体Lqが噴出される。そのため、最上位に位置していたウエハWfは、吸着コンベア2からスライド方向前方に移動する力を受けるものの、最上位に位置していたウエハWfの直下にあるウエハWfは、ノズル31から噴出される液体Lqにより、上記スライド方向と逆方向に向かう力を受ける。これにより、最上位に位置していたウエハWfの直下にあるウエハWfが誤って運ばれるのを抑制することができる。
【0074】
複数枚のウエハWfが漬かる液体Lqは、ヒータ41により加熱され、常温よりも高温とされている。当該液体Lqは加熱されると粘度が低下する性質を有するため、隣り合うウエハWfどうしの間に液体Lqが侵入することが促進される。その結果、複数枚のウエハWfのうち最上位に位置するウエハWfを、これの直下に隣接するウエハWfから分離しやすくなり、最上位のウエハWfを適切に取り上げることができる。
【0075】
区画室231,232,233のうち吸着区間22aと重ならないものを、順次ポンプ26に対して遮断することにより、吸着区間22a以外の部分によって吸着したいウエハWf以外のウエハWfを誤って吸着してしまうことを防止することができる。
【0076】
置台81には、空間815が形成されている。置台81をこのような構成にすることで、図14に示したように置台81に載置された複数枚のウエハWfの枚数が少なくなっても、より確実にこれらのウエハWfどうしの間に隙間を生じさせることができる。これにより、複数枚のウエハWfのうち下方に位置するものを、吸着コンベア2により吸着し、搬送することが可能となる。これにより、吸着コンベア2により吸着されずに置台81に載置されたままとなるウエハWfを、より少なくすることができる。
【0077】
また、上記の工程において、ウエハWfを取り上げる度にノズル31からの液体Lqの噴出を停止することなく、ノズル31からの液体Lqの噴出を継続した場合には、最上位に位置するウエハWfが浮上している状態を維持できる。そのため、ウエハWfが浮上していない状態に戻った後に、再びウエハWfを浮上させることが必要なくなる。その結果、上記ウエハの搬送工程の効率化を図りうる。
【0078】
本発明に係るウエハ搬送方法およびウエハ搬送装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るウエハ搬送方法およびウエハ搬送装置の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0079】
A ウエハ搬送装置
Lq 液体
Ls 液面
Wf ウエハ
Wfa 端面
1 ウエハ槽
2 吸着コンベア(ウエハ受け取り手段)
5 中継コンベア
6 装填コンベア
7 スタッカ
11 コンベア
12 リフタ
21 ローラ
22 無端ベルト
22a 吸着区間
22b 孔
22c ウエハ吸着面
23 バキュームボックス
231,232,233 区画室
23a 吸気口
23b 孔
24 ホース
25 脱水槽
26 ポンプ
27 バルブユニット
31,311,312,313 ノズル(液体噴出手段)
32 スポンジローラ
41 ヒータ
42 温度センサ
43 ヒータ制御部
71 ポケット
81 置台
811 底台部
812,813 板状部材
814 補助支持部材
815 空間
82 サポート部材
821〜824 移動規制部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層された複数枚のウエハを搬送するウエハ搬送方法であって、
液体中に位置する上記複数枚のウエハどうしの間のいずれかに隙間を生じさせるべく、置台に載置された上記複数枚のウエハの端面に向けて上記液体を噴出する工程と、
上記隙間を生じさせた状態で、上記複数枚のウエハのうち少なくとも最上位に位置するウエハを取り上げる工程と、を備え、
上記置台には、上記液体が噴出される方向において貫通し且つ上記複数枚のウエハが載置される側に向かって露出している空間が形成されたことを特徴とする、ウエハ搬送方法。
【請求項2】
上記置台は、上記複数枚のウエハを支持し且つ上記液体が噴出される方向に沿って延びる一対の板状部材を備え、
上記空間は、上記一対の板状部材に挟まれた領域に位置する、請求項1に記載のウエハ搬送方法。
【請求項3】
上記一対の板状部材は互いに平行である、請求項2に記載のウエハ搬送方法。
【請求項4】
上記置台は、上記複数枚のウエハを支持し且つ上記一対の板状部材の間に配置された補助支持部材をさらに備える、請求項2または3に記載のウエハ搬送方法。
【請求項5】
上記補助支持部材は、上記液体が噴出される方向に沿って延びる板状である、請求項4に記載のウエハ搬送方法。
【請求項6】
上記複数枚のウエハのうち最上位にあったものを吸着した状態でこのウエハをその面内方向にスライドさせる吸着スライド手段によって、上記最上位のウエハから順に上記ウエハを搬送する工程をさらに備える、請求項1ないし5のいずれかに記載のウエハ搬送方法。
【請求項7】
上記吸着スライド手段は、互いに離間した一対のローラと、上記一対のローラにかけまわされた無端ベルトとを備え、
上記無端ベルトには、上記無端ベルトに囲まれ且つ減圧されうる空間とつながる複数の孔が設けられている、請求項6に記載のウエハ搬送方法。
【請求項8】
上記液体を噴出する工程においては、上記複数枚のウエハに対して上記ウエハのスライド方向前方側から上記液体を噴出する、請求項6または7に記載のウエハ搬送方法。
【請求項9】
積層された複数枚のウエハを搬送するウエハ搬送装置であって、
置台と、
液体中に位置し且つ上記置台に載置された上記複数枚のウエハの端面に向けて上記液体を噴出することにより、上記複数枚のウエハどうしの間のいずれかに隙間を生じさせる少なくとも1つの液体噴出手段と、
上記隙間を生じさせた状態において、上記複数枚のウエハのうち少なくとも最上位に位置するウエハを受け取り可能なウエハ受け取り手段と、を備え、
上記置台には、上記液体が噴出される方向において貫通し且つ上記複数枚のウエハが載置される側に向かって露出している空間が形成されたことを特徴とする、ウエハ搬送装置。
【請求項10】
上記置台は、上記複数枚のウエハを支持し且つ上記液体が噴出される方向に沿って延びる一対の板状部材を備え、
上記空間は、上記一対の板状部材に挟まれた領域に位置する、請求項9に記載のウエハ搬送装置。
【請求項11】
上記一対の板状部材は互いに平行である、請求項10に記載のウエハ搬送装置。
【請求項12】
上記置台は、上記複数枚のウエハを支持し且つ上記一対の板状部材の間に配置された補助支持部材をさらに備える、請求項10または11に記載のウエハ搬送装置。
【請求項13】
上記補助支持部材は、上記液体が噴出される方向に沿って延びる板状である、請求項12に記載のウエハ搬送装置。
【請求項14】
上記ウエハ受け取り手段は、上記複数枚のウエハのうち最上位にあるものを吸着した状態で、このウエハをその面内方向にスライドさせる吸着スライド手段を含む、請求項9ないし13に記載のウエハ搬送装置。
【請求項15】
上記吸着スライド手段は、互いに離間した一対のローラと、上記一対のローラにかけまわされた無端ベルトとを備え、
上記無端ベルトには、上記無端ベルトに囲まれ且つ減圧されうる空間とつながる複数の孔が設けられている、請求項14に記載のウエハ搬送装置。
【請求項16】
上記少なくとも1つの液体噴出手段は、上記複数のウエハに対して上記ウエハのスライド方向前方側に配置されている、請求項14または15に記載のウエハ搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−61122(P2011−61122A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−211486(P2009−211486)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【出願人】(000153672)株式会社住友金属ファインテック (35)
【Fターム(参考)】