説明

エアゾールボンベの高所噴霧装置

【課題】エアゾールボンベの使用は、手で直接エアゾールボンベを掴みノズル頭を指で押して噴霧するもので、使用できる範囲は手の届く範囲に限られ、高所で使用するには脚立やハシゴに登っての操作になる。また、用いられる殺虫剤、殺菌剤等によっては悪臭や噴霧液に触れると危険性の高いものがあり、取り扱いに注意し慎重に行動しなければならない。
【解決手段】伸縮する筒の先端にエアゾールボンベを装着するセット装置を接合し、筒の手元に操作レバーを設け遠距離から高所噴霧する機能を設けることである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エアゾールボンベの使用を遠距離で操作する高所噴霧機能に関する。
【背景技術】
【0002】
エアゾールボンベの使用は、手で直接ボンベを掴みノズルの頭を指で押す(プッシュ式)。または、レバーを握って(レバー式)噴霧する方法が用いられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、以上の技術によれば、使用できる範囲は手の届く距離に限られ、高所で使用するには脚立やハシゴに登っての操作になる。また、用いられる殺虫剤、殺菌剤等によっては悪臭や液に触れると危険性の高いものもあり、取り扱いに注意しなければならない。殊に、木々の上部で蛾や蝶の幼虫である毛虫が集団発生する時期に殺虫剤を用いるのが、もっとも効果的である。そのためには長いハシゴに登ったり、時には木に登っての作業になり危険性もより高くなる。木々の奥や軒下の蜂の巣の駆除はもっと大変である。
そこで、この発明は、エアゾールボンベの使用を遠距離操作することで安全性を高め、危険性をも避けた高所噴霧装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上の課題を解決するために、第一発明は、伸縮する筒の先端にエアゾールボンベ(以下ボンベ)を装着するセット装置を接合し、筒の手元に設けたレバーを操作すると噴霧する機能を設けたことを特徴とする高所噴霧装である。
また、第二発明は、セット装置に装着したボンベが安全かつ安定した状態で機能するために、セット装置の支柱を二段伸縮式にし、外側の支柱にはボンベの首下肩部分を押さえ固定するための金具と、上部にアーム部分を設けている。アーム部分の可動式アームには、ノズル頭を押すノズルバーを設け、ノズル頭の高さに合わせ調整し固定する。ボンベの噴霧形式(プッシュ式、レバー式)の違いにより、アーム部分を倒しノズルバーを調整し固定する。内支柱の下側はL状になっており、先端部分にボンベを置く台座を設け、ボンベの高さに合わせ上下に調整し固定でき、台座の三〜四ヶ所にボンベを挟む板を設けボンベの径に合わせ調整し固定する。
上記のようにセット装置には、ボンベの形状に合わせ調整し固定する機能を三ヶ所と、ボンベの首下肩部分を押さえ固定する金具を設けて安全かつ安定性を求めている。第三発明は、セット装置を伸縮する筒から取り外すことを容易にし、別途準備した遠距離操作用の枝切りバサミを接合することで高所枝切りバサミに変えられることを特徴とする高所噴霧装置である。
【発明の効果】
【0005】
第一発明によれば、伸縮する筒の先端にエアゾールボンベを装着するセット装置を接合し、筒の手元にあるレバーを操作すると噴霧することができる。第二発明によれば、形状の異なるエアゾールボンベも調整機能をもつた三ヶ所で固定することで、安全かつ安定した状態で、遠距離から的確に噴霧できることを可能にした。第三発明によれば、セット装置の取り外しが容易にでき、高所枝切りバサミにも変えられることから園芸用具として利用範囲が広がる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
この発明の一実施形態を、図に示す。
図1は、高所噴霧装置の横視図と斜視図である。
図1−1は横視図で、エアゾールボンベ(以下ボンベ)(1)を装着するセット装置と伸縮する筒(19)を接合し、筒の手元に操作レバー(20)を設けている。セット装置は、装着したボンベを安定に固定するために、二段伸縮式支柱を設けている。外側の支柱(11)にはボンベの首部分を押さえるC形の金具(12)と、上部にアーム部分(4.5.6.7.8.9)を設けている。ボンベの種類により、異なるノズルの頭(3)にも、安定かつ正確に押すために、ノズルバー(4)を上下に調整し固定する。内支柱(14)の下側はL状になっており、その先端に台座(16)を設け、各種ボンベの高さ合わせ上下に移動し固定する。台座にはボンベを挟む板(17)を三〜四ヶ所に設け、ボンベの径に合わせ謌整固定する。アーム部分の可動式アーム(7)と筒の手元にある操作レバー(20)は、支柱と筒の中の導線(13.23.22)でつながっている。手元のレバーを操作すると可動式アーム(7)が連動し、ノズルバーがノズルの頭を押さえ、ノズル(2)から液体が噴霧される仕組みになっている。図1−2は、斜視図で、ボンベの形状に合わせ三ヶ所(4.14.17)で調整し固定する機能と、ボンベの首部分をC形の金具(12)で押さえる機能を設けている。
図2は、形状の異なるボンベを装置したものである。
図2−1は、一般的に使用されているプッシュ式ボンベで容量450ml前後入りのものである。図2−2は、その上視図である。図2−3は、径が小さく容量も少ないボンベで、台座の挟み板(17)を縮め内支柱も縮めた状態図である。図2−4は、そのボンベを装着した状態を上から見たもので、三つの挟み板は台座の中心部に移動し固定している。図2−5は、一般的に使用されているレバー式ボンベで容量450ml前後入りのものである。このレバー式ボンベを使用する場合は、アーム部分(9)を倒しボンベのノズル口を横向きにして台座におく必要がある。図2−6は、そのボンベを装着した状態を上から見たもので、アーム部分を倒した後、ネジ(10)で固定する。次にセット装置を支えている回転板(25)を回転して伸縮筒(19)の角度を変え噴霧口(2)を前方に向けた状態になる。
図3は、ボンベの装着から噴霧までの操作手順である。
図3−1は、内支柱(14)の固定ネジ(15)を緩め内支柱を下までおろし、台座の裏側にある三つの固定ネジ(18)を緩め各挟み板(17)を広げる。次にノズル頭を押さえるノズルバー(4)を固定するネジ(6)を緩め、ノズルバーを上にあげておく。ボンベ(1)を台座の中心部に乗せ内支柱をもち上げ、ボンベの頭部分をC形リング状のアーム(12)内を通し、首下肩部分を押さえる位置に達したら内支柱を固定し、三つの挟み板をボンベの径に合わせ固定する(図3−2)。次に、ノズルの頭を押すノズルバー(4)をノズルの頭に接するまで下ろし固定する(図3−3)。筒の取っ手(27)を握り、一方の手でレバー(20)を引いて噴霧口(2)から液が噴霧することを確認する。最後に、噴霧する場所(高・低所、遠・近距離)に合わせセット装置の上下角度、筒の長さを決め固定ネジ(26)を締めて準備完了(図3−4)。
図4は、エアゾールボンベを装着するセット装置・枝切りバサミと伸縮筒の接合、分解図である。図4−1は、セット装置側の差し込む筒(33)の外側には凹(31)の溝があり、伸縮筒の内側には凸(32)が付いており、筒を差し込む位置が限定され回転しない。セット装置、枝切りバサミ側の筒を、それぞれ伸縮筒に差し込むとネジ止め(30)の位置が合致しドライバーを差し込む穴(24)も重なり合い、導線(13.23)と伸縮筒側の導線(22)をドライバーでネジ止めした後、セット装置側にあるネジ付き外筒(34)で伸縮筒を締め固定する。図4−2は、セット装置側の筒を伸縮筒から外した状態図である。図4−3は、枝切りバサミ側の筒を伸縮筒から外した状態図である。図4−4は、伸縮筒側を外した状態図である。
【0007】
「実施形態の効果」
この実施形態によれば、図1に示すようにエアゾールボンベをセット装置に装着し遠距離操作で噴霧できることから、安全性を高め危険性をも避けられる。
【0008】
「他の実施形態」
図1の実施形態では、エアゾールボンベを対象にしているが、他の実施形態では、セット装置のボンベ首部分を押さえるC形金具の大きさ、台座の形を変えることにより、エアゾールスプレーにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の一実施形態を示す横視図と斜視図である。
【図2】形状の異なるエアゾールボンベを装置したものである。
【図3】エアゾールボンベの装着、操作手順である。
【図4】エアゾールボンベを装着するセット装置・枝切りバサミと伸縮筒の接合・分解図である。
【符号の説明】
【0010】
1 プッシュ式エアゾールボンベ
2 エアゾールボンベのノズル
3 ノズルの頭
4 ノズル頭を押すノズルバー(移動固定式)
5 ノズルバーの滑り止めパット
6 ノズルバーを固定するネジ
7 ノズルバーを支える可動アーム
8 可動アームの上下運動を支えるスプリングバネ
9 可動アームを支えるアーム(倒すことができる)
10 アームを固定するネジ
11 アームを支える外側支柱
12 外側支柱に固定されているボンベの首下肩部分を押さえる金具
13 可動アームと噴霧操作レバーをつなぐ導線ワイヤー
14 外側支柱内から伸びる内側支柱(移動固定式)
15 内側支柱を固定するネジ
16 ボンベを乗せる台座
17 ボンベを挟む板(移動固定式)
18 挟む板を固定するネジ
19 セット装置を支える伸縮筒
20 伸縮筒の手元の噴霧操作レバー
21 噴霧操作レバーを支えるスプリングバネ
22 可動アームと操作レバーをつなぐ導線棒
23 導線棒とつなぐ導線ワイヤーの先端棒
24 ドライバーを差し込む口
25 外側支柱付いている伸縮筒を横に回転板
26 伸縮筒の回転・上下移動を固定するネジ
27 伸縮筒を支える取っ手
28 レバー式エアゾールボンベ
29 レバー式エアゾールボンベの噴霧操作レバー
30 導線ワイヤーと導線棒をつなぐネジ穴
31 セット装置、枝切りバサミ側の筒の外側にある凹形の溝
32 伸縮筒の内側にある凸形の膨らみ
33 セット装置、枝切りバサミ側の筒
34 セット装置、枝切りバサミ側の筒と伸縮筒を固定するネジ付き外筒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアゾールボンベ(以下ボンベ)を装着するセット装置を伸縮する筒の先端部に接合し、筒の手元側に遠距離操作用レバーを設け、レバーの操作に連動してボンベのノズルから液体が噴霧することを設けたことを特徴とする高所噴霧装置。
【請求項2】
前記セット装置は、支柱部分とノズルを操作するアーム部分、ボンベを支える台座部分から成り立っている。
支柱は二段伸縮式になっており、外側の支柱には、ボンベの首下肩部分を固定するためのC形の金具と、上部にアーム部分を設けている。アーム部分は、ボンベのノズル頭を押すノズルバーとノズルバーを操作する可動式アームから成り立っている。ノズルバーはノズルの高さに合わせ調整し固定できる。また、ボンベの噴霧形式(プッシュ式、レバー式)に合わせアーム部分の角度(レバー式ボンベの場合は倒す)を調整することで対応できる。内側支柱の下部L形先端部分には、ボンベを支える台座を設けボンベの高さに合わせ調整し固定できる。台座にはボンベを挟む板を三〜四ヶ所に設け、ボンベの径に合わせ調整し固定できる。
【請求項3】
前記セット装置は、伸縮する筒から容易に取り外すことができ、別途準備した枝切りバサミを接合すると、高所枝切りバサミに変えられることを特徴とする請求項1記載の高所噴霧装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−89125(P2006−89125A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−307435(P2004−307435)
【出願日】平成16年9月21日(2004.9.21)
【出願人】(504194177)
【Fターム(参考)】