説明

エアバッグ用ポリエチレンテレフタレート繊維及びこれを利用した織物

本発明は、固有粘度が0.8〜1.3のポリエチレンテレフタレートチップを放射して製造されたポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントに関し、ポリエチレンテレフタレートエアバッグ織物のエネルギー吸収性能を改善するためにポリエチレンテレフタレートの繊維の力−変形曲線を調節し、ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントが常温で1.0g/dの初期応力に与えられたとき、4%未満伸長し、4.5g/dの中期応力に与えられたとき、12%未満伸長し、最小7.0g/dの引張強度から繊維が切断するまで3%以上伸長する力−変形曲線を有し、切断伸度が15%以上、末端カルボキシル基(CEG)の含量が35mmol/kg以下、単糸繊度が5デニール以下であるポリエチレンテレフタレート繊維を使用してエアバッグクッション展開試験で縁部裂け現象が改善したエアバッグ用織物を製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアバッグ用ポリエチレンテレフタレート繊維及びこれを利用したエアバッグ用織物に関し、詳細には、固有粘度が0.8〜1.3のポリエチレンテレフタレートチップを放射して製造されたポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントの力−変形曲線を調節し、エアバッグ用織物に適用することによって、エアバッグクッション展開試験で裂けないように縁部の縫製部分の裂け現象を改善したエアバッグ用織物を提供する。
【背景技術】
【0002】
エアバッグ織物は、衝突時に円滑に展開するための低通気性、エアバッグ自体の損傷・破裂を防止するための高いエネルギー吸収能力及び収納性向上のための織物自体の折曲性などさまざまな特性が要求される。このようなエアバッグ織物の要求特性に適した繊維としては、ナイロン66素材が主に使用されてきたが、最近、費用節減など経済性の観点でナイロン66以外の繊維素材に対する関心が高くなっている。
【0003】
ポリエチレンテレフタレート原糸をエアバッグに使用するためには、エアバッグクッションモジュール展開試験で裂ける問題を解決しなければならないが、ポリエチレンテレフタレートエアバッグのエネルギー吸収性能を改善するための努力とエアバッグの縁部の縫製部分がエアバッグ膨脹時に裂けないようにするための努力が行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ポリエチレンテレフタレート繊維を使用したエアバッグ用織物において、ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントの力−変形曲線を調節し、エアバッグクッション展開試験で裂けないように縁部の縫製部分の裂け現象を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の一態様によるエアバッグ用ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントは、固有粘度が0.8〜1.3のポリエチレンテレフタレートチップを放射して製造されたエアバッグ用ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントにおいて、常温で1.0g/dの初期応力に与えられたとき、4%未満伸長し、4.5g/dの中期応力に与えられたとき、12%未満伸長し、最小7.0g/dの引張強度から繊維が切断するまで3%以上伸長する力−変形曲線を有し、切断伸度が15%以上であり、単糸繊度が5デニール以下である。
【0006】
また、本発明の好ましい実施形態によれば、上記ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントは、原糸のF/F静摩擦係数をF/M静摩擦係数で分けた値が1.5以上である。
【0007】
また、本発明の好ましい実施形態によれば、上記ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントは、末端カルボキシル基(CEG)の含量が35mmol/kg以下である。
【0008】
また、本発明の好ましい実施形態によれば、上記ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントは、最大熱応力が0.2〜0.5g/dである。
【0009】
また、本発明の好ましい実施形態によれば、上記ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントは、総繊度が150〜1000デニールである。
【0010】
また、本発明の他の態様によるエアバッグ用織物は、上記ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントを使用して製織されたエアバッグ用織物であって、上記エアバッグ用織物にシリコン系、ポリウレタン系、アクリル系、ネオプレン及びクロロプレン系よりなる群から選択された1種のコーティング剤を使用して15〜60g/m重量でコーティングして製造する。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、常温で1.0g/dの初期応力に与えられたとき、4%未満伸長し、4.5g/dの中期応力に与えられたとき、12%未満伸長し、最小7.0g/dの引張強度から繊維が切断するまで3%以上伸長する力−変形曲線を有し、切断伸度が15%以上、原糸のF/F静摩擦係数をF/M静摩擦係数で分けた値が1.5以上、末端カルボキシル基(CEG)の含量が35mmol/kg以下、単糸繊度が5デニール以下であるポリエチレンテレフタレートフィラメントを使用することによって、エアバッグクッション展開試験で縁部の縫製部分の裂け現象が改善したエアバッグ用織物を製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、固有粘度が0.8〜1.3のポリエチレンテレフタレートチップを放射して製造されたポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントの力−変形曲線を調節し、エアバッグ用織物に適用することによって、エアバッグクッション展開試験で裂けないように縁部の縫製部分の裂け現象を改善したエアバッグ用織物を提供する。
【0013】
本発明は、エアバッグ内部の火薬爆発によって発生する排出ガスの瞬間的な衝撃エネルギーをエアバッグ織物が安全に吸収するために、固有粘度(IV)が0.8〜1.3のポリエチレンテレフタレートチップを放射して得たポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントを使用する。樹脂の固有粘度が0.8dl/g未満のポリエステル原糸は、十分な靭性を有する原糸を提供しないので、適当なものではない。
【0014】
本発明のエアバッグ用マルチフィラメントを生成するための樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート以外にも、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレン−1、2−ビス(フェノキシ)エタン−4、4’−ジカルボキシレート、ポリ(1、4−シクロヘキシレン−ジメチレンテレフタレート)及び上記重合体の1種以上の繰り返し単位を含む共重合体が好ましい。具体例として、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレートコポリエステル、ポリブチレンテレフタレート/ナフタレートコポリエステル、ポリブチレンテレフタレート/デカンジカルボキシレートコポリエステル、及び上記重合体及び共重合体のうち2つ以上の混合物よりなる群から選択されることができる。これらのうち、本発明では、ポリエチレンテレフタレート樹脂が機械的性質及び繊維形成の観点で特に好ましい。
【0015】
本発明のポリエチレンテレフタレート繊維の末端カルボキシル基(CEG)の含量は、35mmol/kg以下であることが好ましい。ポリエチレンテレフタレート原糸の末端カルボキシル基(CEG)の含量が35mmol/kgを超過すれば、原糸の耐加水分解性能が低下し、高温多湿の環境条件では、エアバッグ織物の性能維持が難しくなる。
【0016】
本発明のエアバッグ用ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントに適した繊維は、力−変形曲線が1.0g/dの初期応力に与えられたとき、4%未満伸長することが好ましい。ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントが1.0g/dの初期応力に4%以上伸長する場合、織物の急激な変形によって初期に織物の損傷をもたらす。
【0017】
また、4.5g/dの中期応力に与えられたとき、糸が12%未満伸長することが好ましいが、これは、糸が4.5g/dの中期応力に12%以上伸長する場合、織物の通気性が急激に増加し、排出ガスによる人体の火傷などをもたらす。
【0018】
また、ポリエチレンテレフタレート原糸を使用した織物がエアバッグ用途として適した引張強度及び引裂強度を有するためには、最小7.0g/dの引張強度から糸が切断するまで3%以上伸長することが好ましい。これは、最小7.0g/dの引張強度から糸が切断するまで3%未満伸長する場合、糸の最大引張荷重吸収力が不足し、低い重量の織物で製織する場合、引張強度及び引裂張強度が不足になる問題がある。
【0019】
本発明においてエアバッグ用ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントの切断伸度は、15%以上が好ましい。切断伸度が15%未満である場合、エアバッグクッションが急膨張するときのエネルギー吸収能力が劣化し、クッションが裂けるようになり、好ましくない。
【0020】
本発明においてエアバッグ用 ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントの最大熱応力は、0.2〜0.6g/dであることが好ましい。最大熱応力が0.2g/d未満の原糸生産条件では、原糸強度が十分ではなく、最大熱応力が0.6g/dを超過する生産条件では、原糸の伸び率が低くなり、エアバッグクッション展開試験でよく裂ける問題がある。
【0021】
本発明においてエアバッグ用ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントの総繊度は、150〜1000デニールであることが好ましく、さらに好ましくは、200〜700デニールである。総繊度が150デニール未満の原糸を使用する場合、エアバッグ用織物は、収納性の点では満足するが、強度が不足し、展開時及び展開後の乗客衝突時にバックが裂けるおそれがあるので、好ましくない。反対に、総繊度が1000デニールを超過する場合、エアバッグとして十分な強度が得られ、安全性の面では満足することができるが、織物が厚くなり、収納性が悪くなる。
【0022】
エアバッグ用織物を構成するマルチフィラメントの単糸繊度については、5デニール以下であることが好ましく、より好ましくは、4.5デニール以下である。通常、単糸繊度が小さい繊維を利用するほど、得られる織物は、柔軟であり、折り曲げ性に優れていて、収納性が良好になる。また、単糸繊度が小さくなると同時に、カバーリング性が向上し、その結果、織物の通気性を抑制することができる。単糸繊度が5デニールを超過する場合、織物の折り曲げ性及び収納性の低下、そして低通気性の悪化をもたらし、エアバッグ織物として十分な機能を発揮しないので、好ましくない。
【0023】
本発明においてF/F摩擦係数相対比値は、ポリエチレンテレフタレート原糸の繊維間の静摩擦係数F/F μsを繊維と金属間の静摩擦係数F/M μsで分けた値を意味する。F/F摩擦係数相対比値は、1.5以上であることが好ましく、さらに好ましくは、2.0以上の特徴を示す原糸がエアバッグ用織物として好ましい。F/F摩擦係数相対比値が1.5未満なら、繊維間の摩擦係数が充分ではないため、エアバッグクッション展開試験で縁部の縫製部分が裂ける現象が増加し、好ましくない。
【0024】
F/F摩擦係数相対比値を1.5以上に充分に高めながら良好な放射作業性を確保するためには、適切な放射乳剤の選定が重要である。放射乳剤のタイプは、エマルジョンタイプとソルベントタイプのうちいずれも使用することができるが、F/M摩擦係数に比べてF/F摩擦係数が相対的に高い特性を有する乳剤を使用することが好ましい。本発明の実施例では、エマルジョンタイプの放射乳剤のうち選定した放射乳剤をOPU 0.6%付着量で放射し、エアバッグ用ポリエチレンテレフタレート原糸を製造した。
【0025】
本発明の製造方法によって製造されたポリエチレンテレフタレート繊維は、エアジェットまたはウォータージェットルーム織機を利用することができるが、織物の残留油分が0.1重量%以下であることが好ましいので、繊維に付着している乳剤の脱落性を考慮すれば、ウォータージェットルームで製織することが好ましい。また、製織後、精練処理及び160〜190℃のヒートセット処理を行うことが好ましい。
【0026】
本発明の製造方法によって製造されたポリエチレンテレフタレート繊維で織物を製織するとき、対称構造を有する平織りを製織することが好ましいが、選択的に魅力的な織物を得るために、さらに細い線密度を有する糸を対称構造の2/2パナマ織で製織することもできる。
【0027】
製織された織物は、エアバッグ織物に適した低通気性を確保するために、シリコン系、ポリウレタン系、アクリル系、ネオプレン系、クロロプレン系のうち選択されたコーティング剤を使用して15〜60g/m重量でコーティングして使用することができる。
【実施例】
【0028】
本発明において実施例及び比較例の物性評価は、下記のように測定または評価した。
1)固有粘度(I.V.)
フェノールと1、1、2、2−テトラクロロエタノール6:4(重量比)で混合した試薬(90℃)に試料0.1gを90分間溶解させた後、ウベロデ(Ubbelohde)粘度計に移し、30℃恒温槽で10分間維持させ、粘度計とアスピレータ(Aspirator)を利用して溶液の落下秒数を求める。ソルベントの落下秒数も、上記のような方法で求めた下記数式によってR.V.値及びI.V.値を計算した。
【0029】
R.V.=試料の落下秒数/ソルベント落下秒数
I.V.=1/4×[(R.V.−1)/C]+3/4×(In R.V./C)
上記式中、Cは、溶液中の試料の濃度(g/100mL)を示す。
【0030】
2) 原糸の熱応力測定
カネボ(KANEBO)社の熱応力テスト機(モデル名、KE−3LS)を利用して、原糸を10cmのループ状態で製造し、上下端のフックに係合し、試料に0.05g/denの初期荷重を印加し、2.2℃/秒の速度で加熱し、試料に発生した応力を図表に記録し、測定する。
【0031】
3)原糸の末端カルボキシル基(CEG)の含量測定
GRI(GeosyntheticResearch Institute)のTest Method“GG7”方法で末端カルボキシル基の含量を分析し、mmol/kg単位で表示する。
【0032】
4)原糸の強伸度測定方法
原糸を標準状態である条件、すなわち25℃温度と相対湿度65%の状態である恒温恒湿室で24時間放置した後、ASTM 2256方法で試料を引張試験機を用いて測定する。
【0033】
5)原糸の摩擦堅牢度
TORAY社で製作した摩擦試験機(モデルYF−850)を使用して繊維間の静摩擦係数F/F μsは、原糸同士、3cm/min速度で摩擦させながら測定し、繊維と金属間の静摩擦係数F/M μsは、Niコーティングされた金属に原糸を200m/min速度で摩擦させながら測定した。F/F摩擦係数相対比は、F/F μs値をF/M μsで分けて計算した。
【0034】
6)織物の引張強度
インストロン(Instron)4465(インストロン社製、米国)を利用して、ASTM D 5034の規定によって標準状態(20℃、65%相対湿度)下で24時間以上放置した後、織物の幅10cm、長さ15cmで織物の引張強度を測定した。
【0035】
7)織物の引裂強度
インストロン(Instron)4465(インストロン社製、米国)を利用して、ASDM D 2261法によるタング法の規定によって標準状態(20℃、65%相対湿度)下で24時間以上放置した後、織物の引裂強度を測定した。
【0036】
8)織物の空気透過度
Frazier空気透過度測定器を利用して、ASDM 737法の規定によって125Pa圧力の下で織物の空気透過度を測定した。
【0037】
9)エアバッグクッションの展開試験
エアバッグ生地でモジュールを製作し、85℃で4時間放置後、3分以内展開テストを進行し、裂け有無を観察し、PASSとFAILを評価した。
【0038】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明の権利範囲が下記実施例に限定されるものではない。
【0039】
(実施例1)
表1に記載された特性のポリエチレンテレフタレート原糸を使用してウォータージェットルーム織機でインチ当たり50×50個織物となるように平織りし、エアバッグ用生地を製造した。この際、使用された放射乳剤は、Takemoto社のエマルジョンタイプ放射乳剤のうちF/F摩擦係数が相対的に高い特性を有する乳剤(製品名:TNX−021)を選択し、OPU 0.6%付着量で放射した。
【0040】
(比較例1)
表1に記載された特性のポリエチレンテレフタレート原糸を使用して実施例1と同一の方法でエアバッグ用生地を製造した。
この際、使用された放射乳剤は、Croda-Woobang社のソルベントタイプ放射乳剤のうちF/F摩擦係数が相対的に低い特性を有する乳剤(製品名:TN−0071T)を選択し、OPU 0.6%付着量で放射した。
【0041】
【表1】

【0042】
(実施例2)
実施例1で製造された生地を95℃の水性浴を通過させて、生地を精練及び熱収縮させた後、185℃で2分間熱固定する。そして、シリコン系コーティング剤を使用して25g/m重量でコーティングし、エアバッグ用コーティング織物を製造した。
このように製造された織物の物性の評価と、エアバッグクッション展開試験結果を下記表2に示した。
【0043】
(比較例2)
比較例1で製造された生地を実施例2と同一の方法で処理して製造した織物の物性の評価と、エアバッグクッション展開試験結果を下記表2に示した。
【0044】
【表2】

【0045】
(実施例3)
放射時、GR4温度250℃、GR5温度170℃、弛緩率(Relax ratio)9.2%条件で生産し、下記表3に記載された特性を有するポリエチレンテレフタレート原糸を使用してウォータージェットルーム織機でインチ当たり50×50個織物となるように平織りし、エアバッグ用生地を製造した。
【0046】
(比較例3)
放射時、GR4温度175℃、GR5温度110℃、弛緩率(Relax ratio)1.9%条件以外には、実施例3と同一の条件で生産し、下記表3に記載された特性を有するポリエチレンテレフタレート原糸を使用して実施例3と同一の方法でエアバッグ用生地を製造した。
【0047】
【表3】

【0048】
(実施例4)
実施例3で製造された生地を95℃の水性浴を通過させて、生地を精練及び熱収縮させた後、185℃で2分間熱固定する。そして、シリコン系コーティング剤を使用して25g/m重量でコーティングする。
このように製造された織物の物性の評価と、エアバッグクッション展開試験結果を下記表4に示した。
【0049】
(比較例4)
比較例3で製造された生地を実施例4と同一の方法で処理して製造した織物の物性の評価と、エアバッグクッション展開試験結果を下記表4に示した。
【0050】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
固有粘度が0.8〜1.3のポリエチレンテレフタレートチップを放射して製造されたエアバッグ用ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントにおいて、
常温で1.0g/dの初期応力に与えられたとき、4%未満伸長し、4.5g/dの中期応力に与えられたとき、12%未満伸長し、最小7.0g/dの引張強度から繊維が切断するまで3%以上伸長する力−変形曲線を有し、切断伸度が15%以上であり、単糸繊度が5デニール以下であることを特徴とするエアバッグ用ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント。
【請求項2】
上記ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントは、原糸のF/F静摩擦係数をF/M静摩擦係数で分けた値が1.5以上であることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ用ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント。
【請求項3】
上記ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントは、末端カルボキシル基(CEG)の含量が35mmol/kg以下であることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ用ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント。
【請求項4】
上記ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントは、最大熱応力が0.2〜0.5g/dであることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ用ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント。
【請求項5】
上記ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントは、総繊度が150〜1000デニールであることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ用ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント。
【請求項6】
請求項1に記載のポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントを使用して製織されたエアバッグ用織物。
【請求項7】
請求項6に記載のエアバッグ用織物にシリコン系、ポリウレタン系、アクリル系、ネオプレン及びクロロプレン系よりなる群から選択された1種のコーティング剤を使用して15〜60g/m重量でコーティングして製造され、下記の物性を満足するエアバッグ用コーティング織物:
(1)引張強度190〜300kgf、(2)引裂強度25〜40kgf、(3)空気透過度0.5CFM(Cubic Feet per Minute)以下。

【公表番号】特表2013−514465(P2013−514465A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544379(P2012−544379)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【国際出願番号】PCT/KR2010/008942
【国際公開番号】WO2011/078513
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(510053444)ヒョスン コーポレーション (6)
【Fターム(参考)】