説明

エアフィルタ用濾材

【課題】 メルトブロー法によって形成された極細有機繊維と、熱融着性繊維とを混合した繊維ウェブが、熱融着性繊維により結合されている濾材において、高い塵埃捕集効率を有しながら、従来と比較してより長い濾過寿命を有するエアフィルタ用濾材を提供する。
【解決手段】 メルトブロー法によって形成された第1の極細繊維と、短繊維からなる第1の熱融着性繊維とが混合された第1の繊維ウェブと、
メルトブロー法によって形成された第2の極細繊維と、短繊維からなる第2の熱融着性繊維とが混合された第2の繊維ウェブと、が積層されており、
第1の熱融着性繊維と第2の熱融着性繊維によって構成繊維が結合されており、
第1の極細繊維の平均繊維径が第2の極細繊維の平均繊維径よりも小さい、又は/及び第1の熱融着性繊維の平均繊維径が第2の熱融着性繊維の平均繊維径よりも小さいことを特徴とするエアフィルタ用濾材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般ビルの空調設備、工場空調設備、電算室や病院の空調設備などに使用される中・高性能フィルタ、またはマスクなどの用途に好適な極細繊維が用いられたエアフィルタ用濾材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、一般ビルの空調設備、工場空調設備、電算室や病院の空調設備などに使用される中・高性能フィルタ、またはマスクなどに使用されるエアフィルタ用濾材として、メルトブロー法によって形成された極細繊維からなる濾材が知られており、例えば特許文献1に、メルトブロー法によって形成された平均繊維径1μm未満の極細有機繊維と、平均繊維径5〜100μmの熱融着性繊維とを混合した繊維ウェブが、熱融着性繊維により結合されている濾材が提案されている。この濾材にあっては、低い圧力損失を維持した状態で高い塵埃捕集効率を得ることができるという利点を有している。すなわち、高い塵埃捕集効率を有しながら濾過寿命を長くすることが可能であるという利点を有している。しかし、当該濾材を実際に使用した場合、濾材の流入側に多くの塵埃が付着するのに対して流出側には塵埃の付着が少ない現象が見られ、濾材全体が有効に利用されておらず、高い塵埃捕集効率を有しながら、より長い濾過寿命を得ることが求められていた。
【0003】
【特許文献1】特開平11−104417号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記要求に対して、メルトブロー法によって形成された極細有機繊維と、熱融着性繊維とを混合した繊維ウェブが、熱融着性繊維により結合されている濾材において、高い塵埃捕集効率を有しながら、従来と比較してより長い濾過寿命を有するエアフィルタ用濾材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための手段は、請求項1に係る発明では、メルトブロー法によって形成された第1の極細繊維と、短繊維からなる第1の熱融着性繊維とが混合された第1の繊維ウェブと、メルトブロー法によって形成された第2の極細繊維と、短繊維からなる第2の熱融着性繊維とが混合された第2の繊維ウェブと、が積層されており、第1の熱融着性繊維と第2の熱融着性繊維によって構成繊維が結合されており、第1の極細繊維の平均繊維径が第2の極細繊維の平均繊維径よりも小さい、又は/及び第1の熱融着性繊維の平均繊維径が第2の熱融着性繊維の平均繊維径よりも小さいことを特徴とするエアフィルタ用濾材である。このエアフィルタ用濾材によって、高い塵埃捕集効率を有しながら、従来と比較してより長い濾過寿命のエアフィルタ用濾材を提供することが可能となる。
なお、本発明に関して、第1の極細繊維の平均繊維径が第2の極細繊維の平均繊維径よりも小さく、且つ第1の熱融着性繊維の平均繊維径が第2の熱融着性繊維の平均繊維径よりも大きい場合は、本発明の範囲外である。また、第1の極細繊維の平均繊維径が第2の極細繊維の平均繊維径よりも大きく、且つ第1の熱融着性繊維の平均繊維径が第2の熱融着性繊維の平均繊維径よりも小さい場合も、本発明の範囲外である。
【0006】
請求項2に係る発明では、第1の熱融着性繊維の平均繊維径が10〜50μmであり、第2の熱融着性繊維の平均繊維径が15〜100μmであることを特徴とする請求項1に記載のエアフィルタ用濾材であり、高い塵埃捕集効率を有しながら、従来と比較して特に長い濾過寿命が可能であるという利点を有している。
【0007】
請求項3に係る発明では、第1の極細繊維の平均繊維径が0.1〜3μmであり、第2の極細繊維の平均繊維径が0.5〜10μmであることを特徴とする請求項1または2に記載のエアフィルタ用濾材であり、特に高い塵埃捕集効率が可能であるという利点を有している。
【0008】
請求項4に係る発明では、第1の極細繊維と第1の熱融着性繊維の配合割合(質量比)が、35:65〜2:98であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のエアフィルタ用濾材であり、圧力損失が低く、高効率でありながら濾過寿命が長いという利点を有している。
【0009】
請求項5に係る発明では、第2の極細繊維と第2の熱融着性繊維の配合割合(質量比)が、35:65〜2:98であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のエアフィルタ用濾材であり、圧力損失が低く、高効率でありながら濾過寿命が長いという利点を有している。
【0010】
請求項6に係る発明では、第1の繊維ウェブ及び/又は第2の繊維ウェブが密度勾配を有していることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のエアフィルタ用濾材であり、高い塵埃捕集効率を有しながら、従来と比較して特に長い濾過寿命が可能であるという利点を有している。
【0011】
請求項7に係る発明では、請求項1〜6の何れかに記載のエアフィルタ用濾材にプリーツ加工を施し、更に取付け枠を取付けてなることを特徴とするエアフィルタユニットである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によって、メルトブロー法によって形成された極細有機繊維と、熱融着性繊維とを混合した繊維ウェブが、熱融着性繊維により結合されている濾材において、高い塵埃捕集効率を有しながら、従来と比較してより長い濾過寿命を有するエアフィルタ用濾材を提供することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係る不織布の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
本発明のエアフィルタ用濾材は、メルトブロー法によって形成された第1の極細繊維と、短繊維からなる第1の熱融着性繊維とが混合された第1の繊維ウェブと、メルトブロー法によって形成された第2の極細繊維と、短繊維からなる第2の熱融着性繊維とが混合された第2の繊維ウェブと、が積層されている。
【0015】
メルトブロー法により第1の極細繊維及び第2の極細繊維(以下、第1の極細繊維及び第2の極細繊維を総称して単に極細繊維と称することがある。)を形成する条件は特に限定するものではないが、例えば、次のような条件で形成することができる。例えば、ノズル孔径0.1〜0.5mmで、ピッチ0.3〜1.2mmで配置されたノズルダイを温度180〜370℃に加熱し、1つのノズル孔あたり0.02〜1.5g/分の割合で繊維を吐出する。この吐出した繊維に対して、温度180〜400℃、かつ質量比で繊維吐出量の5〜2,000倍量の空気を作用させて、極細繊維を形成することができる。極細繊維の繊維径はノズル孔径、繊維の吐出する量、及び繊維に作用する空気の量などに大きく依存するので、これらの条件を調整して目的とする繊維の径を得ることができる。
【0016】
このメルトブロー法により形成される極細繊維を構成する樹脂成分としては、例えば、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ウレタン系樹脂など1種類以上からなることができる。これらの中でも、極細繊維を形成しやすく、しかもエレクトレット化しやすいポリオレフィン系樹脂を極細繊維表面に含んでいるのが好ましく、ポリプロピレン系樹脂を極細繊維表面に含んでいるのがより好ましい。
【0017】
また、前記第1の極細繊維を構成する樹脂成分は、MFR100(g/10分)以上であることが好ましく、MFR500(g/10分)以上であることがより好ましく、MFR1000(g/10分)以上であることが更に好ましい。MFR100(g/10分)以上であることにより、紡糸時に樹脂の流動性を高めることができるので、紡糸時の極細繊維の劣化を防ぎ、糸切れによるショットの発生を少なくすることができる。つまり、より安定した極細繊維を紡糸することが可能であり、ショットのより少ないエアフィルタ用濾材が得られるという利点がある。
【0018】
また、前記極細繊維を構成する樹脂成分が、熱安定剤を含むことが好ましく、このような熱安定剤としては、特に限定されるものではないが、ヒンダードアミン系、含窒素ヒンダードフェノール系、金属塩ヒンダードフェノール系、フェノール系、硫黄系、燐系のなどの化合物があり、これらの内から選択される1種または2種以上の熱安定剤を用いることが好ましい。
【0019】
次いで、第1の熱融着性繊維および第2の熱融着性繊維(以下、第1の熱融着性繊維および第2の熱融着性繊維を総称して、単に熱融着性繊維と称することがある。)について説明する。この熱融着性繊維は、前記極細繊維を熱融着することができる繊維である限り、特に限定されることはなく、例えば、繊維ウェブ中に含まれる他の繊維よりも融点が低い樹脂成分が1種類のみから形成された全溶融型の熱融着性繊維であることが可能である。また、低融点成分と高融点成分とからなり、低融点成分が繊維の表面の少なくとも一部に露出している複合繊維からなる熱融着性繊維であることが可能である。このような複合繊維としては、例えば、芯鞘型、サイドバイサイド型、断面が2成分以上の樹脂で分割されたオレンジ型、海島型の複合繊維などがある。複合繊維は融着後も高融点成分の骨格が残り、濾材の空隙を保持できるのでより好ましい。
【0020】
また、前記熱融着性繊維の材質としても、特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリアクリロニトリルなどのアクリル系樹脂およびポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂などを挙げることができる。また、複合繊維の場合、これらの樹脂の中から同じ種類の樹脂成分を選んで構成することも可能であり、異なる樹脂成分を選んで構成することも可能である。
【0021】
本発明では、前記熱融着性繊維が1種類の樹脂成分からなる全溶融型の熱融着性繊維の場合は、繊維ウェブ中に含まれる他の繊維の中で最も低い融点を有する繊維の融点よりも融点が低いことが必要である。このような、全溶融型の熱融着性繊維または低融点成分と高融点成分とからなり、低融点成分が繊維の表面の少なくとも一部に露出している複合繊維からなる熱融着性繊維を繊維ウェブに含むことによって、当該熱融着性繊維の融点以上の温度で加熱処理することで、熱融着性繊維の低融点成分により他の繊維と接着する際に、極細繊維が溶融したり、フィルム化が生じないため、極細繊維による微細な空隙を有する構造となる。なお、前記熱融着性繊維は他の繊維の融点よりも5℃以上低いことが好ましく、10℃以上低いことがより好ましく、15℃以上低いことが更に好ましい。5℃未満であると、加熱温度にばらつきがあると、構成繊維全体が溶融してしまい、極細繊維による微細な空隙を有することができなくなる場合がある。
【0022】
本発明では、第1の熱融着性繊維と第2の熱融着性繊維によって構成繊維が結合されており、第1の極細繊維の平均繊維径が第2の極細繊維の平均繊維径よりも小さい、又は/及び第1の熱融着性繊維の平均繊維径が第2の熱融着性繊維の平均繊維径よりも小さいことを必要とする。第1の繊維ウェブに含まれる第1の極細繊維の平均繊維径が第2の繊維ウェブに含まれる第2の極細繊維の平均繊維径よりも小さいか、または第1の繊維ウェブに含まれる第1の熱融着性繊維の平均繊維径が、第2の繊維ウェブに含まれる第2の熱融着性繊維の平均繊維径よりも小さいことによって、第1の繊維ウェブ中の空隙の大きさが、第2の繊維ウェブ中の空隙の大きさよりも小さくなり、第2の繊維ウェブ側から第1の繊維ウェブ側へと空気を流入すると、第2の繊維ウェブで比較的粒径の大きい塵埃が除去された後、第2の繊維ウェブで除去し得なかった比較的粒径の小さい塵埃が第1の繊維ウェブで除去されるという作用が生じる。そして、小さな空隙を有する第1の繊維ウェブが濾材全体の塵埃捕集効率に大きな影響を及ぼすことになる。その一方で、第2の繊維ウェブ中の空隙の大きさが、第1の繊維ウェブ中の空隙の大きさよりも大きいので、第2の繊維ウェブによって多量の塵埃を抱え込むことが可能となり、塵埃保持容量を高くすることが可能となるので、濾過寿命を長くすることが可能となる。その結果、本発明のエアフィルタ用濾材は、高い塵埃捕集効率を保持しながら、濾過寿命が長いという利点を有することが可能となっている。これに対して、仮に第1の繊維ウェブ中の空隙の大きさと第2の繊維ウェブ中の空隙の大きさが等しい場合は、第2の繊維ウェブが早く目詰まりを起こしてしまい、濾過寿命の短い濾材となってしまう。
【0023】
なお、第1の極細繊維の平均繊維径が第2の極細繊維の平均繊維径よりも小さい場合は、上述の効果に加えて、より高い塵埃捕集効率を得ることができるという利点がある。また、第1の熱融着性繊維の平均繊維径が第2の熱融着性繊維の平均繊維径よりも小さい場合は、第2の熱融着性繊維によって大きな空隙を確保し易く塵埃保持容量を大きくすることが容易であるので、上述の効果に加えて、特に濾過寿命を長くすることができるという利点がある。また、本発明では第1の極細繊維の平均繊維径が第2の極細繊維の平均繊維径よりも小さく、且つ第1の熱融着性繊維の平均繊維径が第2の熱融着性繊維の平均繊維径よりも小さいことがより好ましく、高い塵埃捕集効率を有しながら、従来と比較してより長い濾過寿命を有するという効果を、更に顕著に得ることができる。
【0024】
このような優れた効果を顕著に得るには、第1の極細繊維の平均繊維径が0.1〜3μmであり、第2の極細繊維の平均繊維径が0.5〜10μmであることが好ましい。第1の極細繊維の平均繊維径が上述の範囲を超えて小さい場合は、紡糸時にノズルが詰まったり、ショットを生じたりする場合がある。また、圧力損失が高くなり、濾過寿命が短くなる場合がある。他方、平均繊維径がこれらの範囲を超えて大きい場合は、計数法で評価しうる大気塵に対して高い塵埃捕集効率が得られなくなる場合がある。また、第2の極細繊維の平均繊維径が上述の範囲を超えて小さい場合は、第2の繊維ウェブへの負担が大きくなり、濾過寿命が長くなる効果が得られない場合がある。他方、平均繊維径がこれらの範囲を超えて大きい場合は、塵埃捕集効率が低下し、第1の繊維ウェブへの負担が大きくなり、濾過寿命が長くなる効果が得られない場合がある。また、第1の極細繊維の平均繊維径が0.3〜1.0μmであり、第2の極細繊維の平均繊維径が1〜5μmであることがより好ましい。
【0025】
また、このような優れた効果を顕著に得るには、第1の熱融着性繊維の平均繊維径が10〜50μmであり、第2の熱融着性繊維の平均繊維径が15〜100μmであることが好ましい。第1の熱融着性繊維の平均繊維径が上述の範囲を超えて小さい場合は、空隙が小さくなるため、塵埃保持容量が小さくなり、濾過寿命が短くなる場合がある。他方、平均繊維径がこれらの範囲を超えて大きい場合は、高い塵埃捕集効率が得られなくなる場合がある。また、第2の熱融着性繊維の平均繊維径が上述の範囲を超えて小さい場合は、空隙が小さくなるため、塵埃保持容量が小さくなり、濾過寿命が長くなる効果が得られない場合がある。他方、平均繊維径がこれらの範囲を超えて大きい場合は、空隙が大きくなり、塵埃捕集効率が低下し、第1の繊維ウェブへの負担が大きくなり、濾過寿命が長くなる効果が得られなくなる場合がある。また、第1の熱融着性繊維の平均繊維径が10〜25μmであり、第2の熱融着性繊維の平均繊維径が20〜50μmであることがより好ましい。
【0026】
なお、本発明における平均繊維径とは、繊維(例えば、熱融着性繊維または極細繊維)200点における繊維径の平均値をいう。この繊維径は、例えば、エアフィルタ用濾材の電子顕微鏡写真から容易に計測することができる。
【0027】
本発明では、第1の極細繊維の平均繊維径が第2の極細繊維の平均繊維径よりも小さい、又は/及び第1の熱融着性繊維の平均繊維径が第2の熱融着性繊維の平均繊維径よりも小さい構成となっているが、このような構成を得る方法としては、第1の繊維ウェブを形成する第1の装置と、第1の繊維ウェブよりも製造し易く且つ生産速度を早く設定可能な第2の繊維ウェブを形成する第2の装置とを直列に配置して製造する方法を採用する方法がある。このような方法によって、計数法で評価しうる0.3〜0.5μmの大気塵に対しても、高い塵埃捕集効率を有する濾材を、生産速度を高めながら製造することが可能となり、製造コストを低く抑えることが可能になるという利点がある。
【0028】
本発明では、前記極細繊維と前記熱融着性繊維の配合割合(質量比)は、35:65〜2:98であることが好ましく、25:75〜3:97であることがより好ましく、15:75〜3:97であることが更に好ましい。極細繊維が2質量%より少ない場合には、塵埃捕集効率が低くなることがあり、一方、熱融着性繊維が65質量%より少ない場合には、圧力損失が上昇したり、得られる濾材の表面耐性や強度が不足することがある。
【0029】
本発明では、第1の繊維ウェブ及び第2の繊維ウェブ(以下、第1の繊維ウェブ及び第2の繊維ウェブを総称して、単に繊維ウェブと称することがある。)は、前記極細繊維と前記熱融着性繊維とが混合されて形成されている。このように、極細繊維と熱融着性繊維とを混合して繊維ウェブを形成する方法としては、例えば、メルトブロー法により形成された加熱気体流中の紡糸された繊維流に、開繊された熱融着性繊維を供給して両者を混合し、捕集体上に捕集して繊維ウェブを形成することにより形成することが好ましい。
【0030】
また、本発明では、第1の繊維ウェブ及び/又は第2の繊維ウェブが密度勾配を有していることが好ましい。ここでいう密度勾配とは、エアフィルタ用濾材の厚さ方向において、繊維によって囲まれる空隙の大きさが徐々に小さくなっている状態を意味する。具体的には、エアフィルタ用濾材を厚さ方向に裁断した裁断面における電子顕微鏡写真において、繊維の中心間距離が空気の流出側方向に徐々に短くなっている状態によって確認することができる。密度勾配を有することによって、高い塵埃捕集効率を有しながら、従来と比較して特に長い濾過寿命が可能であるという利点を有している。このような密度勾配を形成するには、例えばメルトブロー法により形成された加熱気体流中の紡糸された繊維流に、開繊された熱融着性繊維を繊維流の片側に偏在するようにして供給して両者を混合し、捕集体上に捕集して繊維ウェブを形成することにより形成する方法を採用することができる。
【0031】
本発明では、第1の繊維ウェブと第2の繊維ウェブとが積層されている。このような積層の形態は目的とするエアフィルタ用途に支障が無い限り特に限定されず、例えば、メルトブロー法により形成された加熱気体流中の紡糸された第1の繊維流に、開繊された第1の熱融着性繊維を供給して両者を混合し、移動する捕集体上に捕集して第1の繊維ウェブを形成した後、この第1の繊維ウェブが載置された捕集体を移動させ、次いで、メルトブロー法により形成された加熱気体流中の紡糸された第2の繊維流に、開繊された第2の熱融着性繊維を供給して両者を混合し、第1の繊維ウェブが載置された捕集体上に捕集して第2の繊維ウェブを形成する方法を採用することができる。また、例えば第1の繊維ウェブと第2の繊維ウェブとを別個に形成しておき、その後加熱した凹凸のあるロールによって部分的に熱融着させて積層一体化させた形態がある。また、第1の繊維ウェブと第2の繊維ウェブとの間でホットメルト樹脂をスプレーして直ちに重ね合わせて両層を接着させ積層一体化させた形態がある。
【0032】
なお、本発明のエアフィルタ用濾材は、第1の極細繊維と第2の極細繊維とを2台のメルトブローダイによって形成することも可能であり、この場合、生産効率が約2倍となり、生産コストを下げることができるので好ましい。
【0033】
本発明では、第1の繊維ウェブと第2の繊維ウェブとが積層されているが、更にそれ以外の1以上の他の繊維ウェブと積層されていることも可能である。この場合、他の繊維ウェブは第1の繊維ウェブの前後、または第2の繊維ウェブの前後の何れの場所に配置されていることも可能であるが、各繊維ウェブに含まれる極細繊維の平均繊維径又は/及び熱融着性繊維の平均繊維径が順次増加または減少するように配置されていることが好ましい。
【0034】
本発明のエアフィルタ用濾材はエレクトレット加工されていることも可能である。エレクトレット加工した後に、このエアフィルタ用濾材を中・高性能フィルタとして用いると粉じんの除去効率が非常に優れるという利点がある。エレクトレット加工の方法としては、例えばコロナ放電によってエレクトレット加工する方法や、水などの極性液体を噴霧してエレクトレット加工する方法や、水などの極性液体を介して超音波振動を作用させることによってエレクトレット化させる方法がある。コロナ放電によるエレクトレット加工の場合はエアフィルタ用濾材の表面に表面電荷を有するものとなり、上述の極性液体を用いたエレクトレット加工の場合はエアフィルタ用濾材の表面には表面電荷が生じないという相違がある。
【0035】
本発明のエアフィルタ用濾材の面密度は30〜300g/m2であるのが好ましい。面密度が30g/m2未満であると、繊維の密度が低くなり過ぎてエアフィルタ用濾材の形態を維持することが困難になる恐れがあり、他方、300g/m2を超えると、繊維の密度が高くなり過ぎて、例えば粗大な塵埃によりすぐに目詰まりを生じ、長期間使用できなくなる恐れがある。エアフィルタ用濾材の面密度は、50〜200g/m2であるのがより好ましく、70〜150g/m2であるのが更に好ましい。
【0036】
また、本発明のエアフィルタ用濾材の厚さは0.3〜3mmであるのが好ましい。厚さが0.3mm未満であるとエアフィルタ用濾材の形態を維持することが困難になる恐れがある。他方、3mmを超えると、このエアフィルタ用濾材にプリーツ加工を施してエレメントを形成する際に、エアフィルタ用濾材の折り山部分の面積が大きくなり、その結果フィルタエレメントの間口面積が少なくなるという問題や、プリーツ加工によりエアフィルタ用濾材同士が接触する面積が大きくなりデッドスペースが生じるという問題が生じ、結果として圧力損失が大きくなり、長期間使用できなくなる恐れがある。エアフィルタ用濾材の厚さは、0.5〜2mmであるのがより好ましく、0.7〜1.5mmであるのが更に好ましい。なお、この厚さは単位面積1cm2あたり20g荷重時の値をいう。
【0037】
本発明のエアフィルタ用濾材は補強などを目的として、例えば不織布、織物、編物またはネットなどの他の素材と積層された複合基材であることも可能である。また、脱臭粒子やガス除去粒子を保持した層を有するガス除去フィルタと積層された複合基材であることも可能である。
【0038】
本発明のエアフィルタ用濾材の濾過性能は、具体的には、JIS B−9908形式1に規定される試験方法において、試験風速10cm/secにて、計数法により評価すると、0.3〜0.5μmの粒子に対する粒子捕集効率を10〜90%とすることが可能であり、中性能用としては10〜60%とすることが可能である。また、本発明の不織布にエレクトレット加工が施されている場合は、40〜98%とすることが可能である。また、JIS B−9908形式3に規定される試験方法において、質量法により評価すると、試験風速10cm/secの時に、最終の圧力損失300Paとした場合、粉じん保持容量を100〜250g/mとすることが可能である。なお、エアフィルタ用濾材の粒子捕集効率の値を高くしようとすると濾過寿命が短くなり(粉塵捕集量が少なくなり)、濾過寿命を長くしようとすると(粉塵捕集量を多くしようとすると)粒子捕集効率の値が低下することとなるので、上記好ましい範囲の不織布であれば、プリーツ加工やダブルプリーツ加工を施すことにより、中高性能フィルタとしてより好適に用いることができる。
【0039】
前記プリーツ加工の例を挙げると、例えば、本発明のエアフィルタ用濾材にプリーツ加工を施して、図1に例示するようなフィルタエレメントを形成することができる。図1では、前記エアフィルタ用濾材(11)がプリーツ加工されており、保形部材(12a)によってプリーツ形状が保持されることによりフィルタエレメント(10)が形成されている。なお、図1では、プリーツ加工された不織布基材(11)の、プリーツの峰線方向と交叉する端面に、保形部材(12b)が矢印Aの方向に装着する態様も例示している。前記不織布基材のプリーツ加工は、ジグザグ形状に折られている限り限定されず、この折り加工方法としてはレシプロ式やロータリー式などのプリーツ加工機による方法や、ジグザグ形状に成形された押型でプレスする方法などがある。
【0040】
また、前記ダブルプリーツ加工の例を挙げると、例えば、本発明のエアフィルタ用濾材にダブルプリーツ加工を施して、図2及び図3に例示するようなエアフィルタユニットを形成することができる。図2では、多数のひだ(21)と、当該ひだのうち一定数ごとのひだ(22)の折り角度を180度とすることによって形成されたV字型が複数連結した形状のダブルプリーツ型の濾材に、剛性のある取付け枠(23)を取付けることによりエアフィルタユニット(20)が形成されている。図2のフィルタユニットでは、例えば、前記ひだのピッチPを3〜13mm、ひだの高さhを15〜60mmとすることが可能である。また、取付け枠の外形寸法は、縦H610mm×横W610mm×奥行D290mmを標準として、縦H×横Wを、例えば500×500等やこれらの半サイズである250×250等のように縦H、横Wを設置場所などに応じて適宜調整することができる。また、奥行Dも設置場所などに応じて適宜調整することができる。
【0041】
前記エアフィルタユニットの濾過性能は、具体的には、JIS B−9908形式2に規定される試験方法において、比色法により評価すると、空気の流入面の寸法を610mm角の場合、試験条件が風量56m/minの時に、平均粒子捕集率を80〜98%とすることが可能であり、中性能用としては60〜95%とすることが可能である。また、本発明の不織布にエレクトレット加工が施されている場合は、80〜99%とすることが可能である。また、最終の圧力損失300Paとした場合、ユニット当たりの粉じん保持容量を600〜1200gとすることが可能である。
【0042】
本発明のエアフィルタ用濾材、このエアフィルタ用濾材を用いたフィルタエレメント及びこのエアフィルタ用濾材を用いたエアフィルタユニットは、一般ビルの空調設備、工場空調設備、電算室や病院の空調設備などに使用される中・高性能フィルタとして、好適に使用される。
【0043】
以下、本発明の実施例につき説明するが、これは発明の理解を容易とするための好適例に過ぎず、本発明はこれら実施例の内容に限定されるものではない。
【実施例】
【0044】
(エアフィルタ用濾材の濾過性能試験方法−計数法)
JIS B9908形式1に規定される試験方法において、第2の繊維ウェブ側を上流側に配置して、風速10cm/secにて、0.3μmの大気塵を供給して、粒子捕集効率(%)を求める。
【0045】
(エアフィルタ用濾材の濾過性能試験方法−質量法)
JIS B9908形式3に規定される試験方法において、第2の繊維ウェブ側を上流側に配置して、風速10cm/secの時に、最終の圧力損失300Paとした場合、粉じん保持容量(粉塵捕集量)(g/m)を求める。また、初期の圧力損失(Pa)は風速10cm/secにて測定した値を用いる。
【0046】
(エアフィルタユニットの濾過性能試験方法−比色法)
JIS B9908形式2に規定される試験方法において、第2の繊維ウェブ側を上流側に配置して、空気の流入面の寸法を610mm角として、試験条件が風量56m/minにおける平均粒子捕集率(%)を求める。また、最終の圧力損失300Paとした場合、ユニット当たりの粉じん保持容量(粉塵捕集量)(g/ユニット)を求める。また、初期の圧力損失(Pa)は風量56m/minにて測定した値を用いる。
【0047】
(実施例1)
ノズル孔径0.2mm、ピッチ0.8mmで配置されたメルトブロー用のノズルダイを温度350℃に加熱し、ポリプロピレン樹脂(MFR:500g/10分)を溶融させた状態で、ポリプロピレン繊維を吐出した。この吐出したポリプロピレン繊維に対して、温度360℃の加熱気流を作用させて、重力の働く方向と同じ方向に繊維径0.3〜5μm(平均繊維径1.0μm)の第1の極細繊維の流れを形成した。次いで第1の熱融着性繊維として芯鞘型の複合繊維(繊度:17μm、繊維長:38mm、芯の樹脂成分はポリプロピレン樹脂、鞘の樹脂成分はポリエチレン繊維)を開繊機により開繊して、第1の極細繊維の流れに供給して両者を混合し、移動する金網コンベア上に捕集して、面密度が52.5g/mの第1の繊維ウェブ(第1の極細繊維の面密度3.5g/m)を形成した。
なお、金網コンベアの捕集面とは反対側から空気を吸引除去し、第1の繊維ウェブの乱れを防いだ。なお、この工程中、ノズルの詰まりや、糸切れの発生などのトラブルはなく、またショットも極めて少なく、安定した第1の極細繊維を形成することができた。
次いで、ノズル孔径0.2mm、ピッチ0.8mmで配置されたメルトブロー用のノズルダイを温度290℃に加熱し、ポリプロピレン樹脂(MFR:500g/10分)を溶融させた状態で、ポリプロピレン繊維を吐出した。この吐出したポリプロピレン繊維に対して、温度310℃の加熱気流を作用させて、重力の働く方向と同じ方向に繊維径0.7〜8.5μm(平均繊維径2.7μm)の第2の極細繊維の流れを形成した。次いで第2の熱融着性繊維として芯鞘型の複合繊維(繊度:30μm、繊維長:64mm、芯の樹脂成分はポリプロピレン樹脂、鞘の樹脂成分はポリエチレン繊維)を開繊機により開繊して、第2の極細繊維の流れに供給して両者を混合し、移動する金網コンベア上に捕集して、面密度が52.5g/mの第2の繊維ウェブ(第2の極細繊維の面密度5.0g/m)を形成した。
なお、金網コンベアの捕集面とは反対側から空気を吸引除去し、第2の繊維ウェブの乱れを防いだ。なお、この工程中、ノズルの詰まりや、糸切れの発生などのトラブルはなく、またショットも極めて少なく、安定した第2の極細繊維を形成することができた。
次いで、第1の繊維ウェブの上に第2の繊維ウェブを重ねるようにして積層し、この積層物を一対のベルトの間に挟みながら132℃の加熱ゾーンに移動し、熱融着性繊維によって構成繊維を結合して、面密度が105g/mで、厚さが1.1mmのエアフィルタ用濾材を得た。このエアフィルタ用濾材の物性の評価結果を表1に示す。
次いで、このエアフィルタ用濾材にダブルプリーツ加工を施し、更に取付け枠に取付けて図2及び図3に示すようなエアフィルタユニットを形成した。このエアフィルタユニットは、ひだのピッチPが6.5mm、ひだの高さhが30mmであり、V字型が4個連結した形状のダブルプリーツ型の形状をしており、取付け枠の外形寸法は、縦H610mm×横W610mm×奥行D290mmであった。このエアフィルタユニットの物性の評価結果を表1に示す。
【0048】
(実施例2及び3)
金網コンベアーの速度を調整することにより、第1の極細繊維の面密度及び第1の熱融着性繊維の面密度を変えたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2及び3のエアフィルタ用濾材を得た。これらのエアフィルタ用濾材の物性の評価結果を表1に示す。
【0049】
(実施例4及び5)
第1の極細繊維の流れを形成するにあたり、メルトブロー用のノズルダイの温度を5〜20℃の範囲で調整したこと、及び金網コンベアーの速度を調整することにより、第1の極細繊維の面密度及び第1の熱融着性繊維の面密度を変えたこと以外は実施例1と同様にして、実施例4及び5のエアフィルタ用濾材を得た。これらのエアフィルタ用濾材の物性の評価結果を表1に示す。
【0050】
(実施例6)
第2の熱融着性繊維として芯鞘型の複合繊維(繊度:17μm、繊維長:38mm、芯の樹脂成分はポリプロピレン樹脂、鞘の樹脂成分はポリエチレン繊維)を開繊機により開繊して、第2の極細繊維の流れに供給して両者を混合し、移動する金網コンベア上に捕集して、面密度が51g/mの第2の繊維ウェブ(第2の極細繊維の面密度3.5g/m)を形成したこと以外は実施例1と同様にして、実施例6のエアフィルタ用濾材を得た。これらのエアフィルタ用濾材の物性の評価結果を表1に示す。
【0051】
(実施例7)
第2の極細繊維の流れを形成するにあたり、ノズル孔径0.2mm、ピッチ0.8mmで配置されたメルトブロー用のノズルダイを温度350℃に加熱し、ポリプロピレン樹脂(MFR:500g/10分)を溶融させた状態で、ポリプロピレン繊維を吐出した。次いで、この吐出したポリプロピレン繊維に対して、温度360℃の加熱気流を作用させて、重力の働く方向と同じ方向に繊維径0.3〜5μm(平均繊維径1.0μm)の第2の極細繊維の流れを形成した。次いで第2の熱融着性繊維として芯鞘型の複合繊維(繊度:30μm、繊維長:64mm、芯の樹脂成分はポリプロピレン樹脂、鞘の樹脂成分はポリエチレン繊維)を開繊機により開繊して、第2の極細繊維の流れに供給して両者を混合し、移動する金網コンベア上に捕集して、面密度が51g/mの第2の繊維ウェブ(第2の極細繊維の面密度3.5g/m)を形成したこと以外は実施例1と同様にして、実施例7のエアフィルタ用濾材を得た。これらのエアフィルタ用濾材の物性の評価結果を表1に示す。
【0052】
(比較例1及び2)
(1)第1の極細繊維の流れを形成するにあたり、メルトブロー用のノズルダイの温度を実施例1の温度に対して5〜20℃の範囲で上下に調整したこと、(2)金網コンベアーの速度を調整することにより、第1の極細繊維の面密度及び第1の熱融着性繊維の面密度を変えたこと、及び(3)第2繊維ウェブを形成しなかったこと以外は実施例1と同様にして、比較例1及び2のエアフィルタ用濾材を得た。このエアフィルタ用濾材の物性の評価結果を表1に示す。
【0053】
(表1)

【0054】
実施例1〜7のエアフィルタ用濾材及びエアフィルタユニットは、比較例1及び2と比較して、粒子捕集効率がやや低下するものはあるものの遜色なく、粉じん保持容量は極めて大きくなっていることが分かる。
【0055】
以上の説明から明らかなように、本発明によって、メルトブロー法によって形成された極細有機繊維と、熱融着性繊維とを混合した繊維ウェブが、熱融着性繊維により結合されている濾材において、高い塵埃捕集効率を有しながら、従来と比較してより長い濾過寿命を有するエアフィルタ用濾材を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明のエアフィルタ用濾材を用いて形成したフィルタエレメントの一例を示す斜視図である。また、保形部材を矢印Aの方向に装着する態様を例示する図である。
【図2】本発明のエアフィルタ用濾材を用いて形成したエアフィルタユニット一例を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は正面図である。
【図3】エアフィルタ用濾材の要部拡大図である。
【符号の説明】
【0057】
10 フィルタエレメント
11 不織布基材
12a 保形部材
12b 保形部材
13 ひだ
14 セパレータ
20 エアフィルタユニット
21 ひだ
22 濾材の表面(折り角度180度の面)
23 取付け枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メルトブロー法によって形成された第1の極細繊維と、短繊維からなる第1の熱融着性繊維とが混合された第1の繊維ウェブと、
メルトブロー法によって形成された第2の極細繊維と、短繊維からなる第2の熱融着性繊維とが混合された第2の繊維ウェブと、が積層されており、
第1の熱融着性繊維と第2の熱融着性繊維によって構成繊維が結合されており、
第1の極細繊維の平均繊維径が第2の極細繊維の平均繊維径よりも小さい、又は/及び第1の熱融着性繊維の平均繊維径が第2の熱融着性繊維の平均繊維径よりも小さいことを特徴とするエアフィルタ用濾材。
【請求項2】
第1の熱融着性繊維の平均繊維径が10〜50μmであり、第2の熱融着性繊維の平均繊維径が15〜100μmであることを特徴とする請求項1に記載のエアフィルタ用濾材。
【請求項3】
第1の極細繊維の平均繊維径が0.1〜3μmであり、第2の極細繊維の平均繊維径が0.5〜10μmであることを特徴とする請求項1または2に記載のエアフィルタ用濾材。
【請求項4】
第1の極細繊維と第1の熱融着性繊維の配合割合(質量比)が、35:65〜2:98であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のエアフィルタ用濾材。
【請求項5】
第2の極細繊維と第2の熱融着性繊維の配合割合(質量比)が、35:65〜2:98であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のエアフィルタ用濾材。
【請求項6】
第1の繊維ウェブ及び/又は第2の繊維ウェブが密度勾配を有していることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のエアフィルタ用濾材。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかに記載のエアフィルタ用濾材にプリーツ加工を施し、更に取付け枠を取付けてなることを特徴とするエアフィルタユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−64010(P2010−64010A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−232966(P2008−232966)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(000229542)日本バイリーン株式会社 (378)
【Fターム(参考)】