説明

エスカレータシステム

【課題】エスカレータ降り場における乗客の滞留を確実に防止でき、且つ乗客の利便性を向上させることが可能なエスカレータシステムを提供することである。
【解決手段】エスカレータシステム10は、乗客を誘導する所定の方向に沿って延出する延出部19及び降り口14から乗客を誘導する所定の方向に沿って所定長さに亘って設置され延出部19を支持する支持部20から構成される誘導柵18と、誘導柵18の延出部19を延出させる駆動アクチュエータと、降り場12の画像を所定の間隔で取得する画像センサ35と、画像センサ35により検知された混雑状況に応じて、駆動アクチュエータを制御して誘導柵18の延出長さを調整する誘導制御装置37と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エスカレータシステムに係り、特にエスカレータ降り場における乗客の滞留を防止できるエスカレータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
駅や空港、ショッピングセンター、オフィスビル等複数階床を有するあらゆる施設において、その複数階床間を移動するための昇降機としてエスカレータやエレベータが広く設置されている。連続的にステップが移動するエスカレータは、エレベータのようにかご待ち時間が無いため近接した階床間を迅速に移動することができるが、エスカレータの混雑時には乗降場において乗客の滞留が発生して、乗り降りに支障をきたす場合がある。特に、エスカレータの降り場における乗客の滞留は問題であり、エスカレータのステップからスムーズに降りることが困難になる場合がある。そこで、エスカレータの乗降場における乗客の滞留を防止すべく、エスカレータの乗降場には乗客を乗降場から離れる所定の方向に誘導するための誘導柵が設置される。エスカレータ乗降場における乗客の滞留は、降り場と乗り場とが隣接するエスカレータにおいて特に起こり易く、誘導柵は、そのようなエスカレータの降り場と乗り場との間に設置され、降り場から乗り場への乗客の動線距離を長くすることにより乗客の滞留を防止する機能を有している。しかし、長さの長い誘導柵が常時設置されていれば、閑散時にも乗客は無用な距離を歩かされることになり乗客の利便性向上の観点から改善の余地がある。このような状況に鑑みて、幾つかの装置が開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、エスカレータの乗り場近傍に配設された一対のポールと、この一対のポールを収納するために床面に形成されたポール収納穴と、一対のポールと乗り場との間に配設された一対の誘導柵と、この一対の誘導柵を収納するために床面に形成された誘導柵収納穴と、一対のポールに取り付けられ乗り場に向かう乗客を検出する検出手段と、この検出によって乗客を検出したときのみ一定時間だけ自動運転させる自動運転モードと連続して運転させる連続運転モードとに切り換えることができる切換手段とを備え、自動運転モード時にはポールおよび誘導柵を床面に立設し、連続運転モード時にはこのポールおよび誘導柵をポール収納穴および誘導柵収納穴に収納するようにした自動運転式エスカレータが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、乗降場の混雑具合に応じて、そのステップ速度を、自動的に調節する可変速度エスカレータであって、乗降場の利用者を撮影して、その撮影画像データを得る撮影手段と、撮影手段により得られた撮影画像データを、画像処理することにより、乗降場の混雑具合を判断する混雑具合情報を得る画像処理部と、該画像処理部により得られた、乗降場の混雑具合情報に対応し、所定のステップ速度への変更を選択する速度変更選択部と、速度変更選択部により選択されたステップ速度に、制御して速度変更する速度制御部と、を備えている可変速度エスカレータが開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開平9−77448号公報
【特許文献2】特開2007−55727号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のエスカレータは、エスカレータ乗り場に適用される構成であるため、エスカレータ降り場での乗客の滞留を防止することができない。また、このシステムをエスカレータ降り場に適用したとしても、多くの乗客が利用する混雑時において誘導柵を収納するため乗客を誘導することができず、エスカレータ降り場における乗客の滞留を防止することはできない。
【0007】
また、特許文献2のエスカレータによっても、エスカレータから降りた乗客の進路を誘導柵により特定して乗客をスムーズに降り場から誘導することはできないため、乗客の滞留防止機能には未だ改良の余地がある。なお、このエスカレータによれば、混雑時にステップ速度を遅くするため、エスカレータの乗客搬送能力が低下して、エスカレータの混雑が多くの階床に伝搬することになる。
【0008】
本発明の目的は、エスカレータ降り場における乗客の滞留を確実に防止でき、且つ乗客の利便性を向上させることが可能なエスカレータシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るエスカレータシステムは、エスカレータ降り場に設置され、エスカレータ降り口から乗客を誘導する所定の方向に沿って所定の長さを有し、少なくとも一部が延出する誘導柵と、誘導柵を延出させる駆動アクチュエータと、エスカレータ降り場における乗客の混雑状況を検知する混雑状況検知部と、混雑状況検知部により検知された混雑状況に応じて、駆動アクチュエータを制御して誘導柵の延出長さを調整する誘導制御装置と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、誘導柵は、乗客を誘導する所定の方向に沿って延出する延出部と、エスカレータ降り口から乗客を誘導する所定の方向に沿って所定長さに亘って設置され延出部を支持する支持部と、から構成され、支持部は支持部の全長に亘って横向きに設けられた支持アームを、延出部は延出部の全長に亘って横向きに設けられ支持アームに移動可能に結合された延出アームを、それぞれ有し、支持アームは、内部に延出アームを格納する内部空洞を含み、延出アームが支持アームの内部空洞から出入りすることにより誘導柵の延出長さが変化することが好ましい。
【0011】
また、延出部は、支持アームに移動可能に結合された第一延出アームを有する第一延出部と、第一延出アームに移動可能に結合された第二延出部と、から構成され、支持アームは、内部に第一延出アームを格納する内部空洞を含み、第一延出アームが支持アームの内部空洞から出入りすると共に、第一延出アームは、内部に第二延出アームを格納する第一延出アーム内部空洞を含み、第二延出アームが第一延出アームの第一延出アーム内部空洞から出入りすることにより誘導柵の延出長さが変化することが好ましい。
【0012】
また、混雑状況検知部は、エスカレータ降り場の床部に作用する重量を測定する重量センサであり、誘導制御装置は、重量センサにより測定された重量が予め設定された閾値を超えたとき、又は予め設定された閾値を超えた状態が所定時間以上継続したときには、所定長さまで延出部を延出させることが好ましい。
【0013】
また、混雑状況検知部は、エスカレータ降り場の画像を所定の間隔で取得する画像センサであり、誘導制御部は、画像センサにより取得された画像における乗客の人数が予め設定された閾値を超えたとき、又は予め設定された閾値を超えた状態が所定時間以上継続したときには、所定長さまで延出部を延出させることが好ましい。
【0014】
また、誘導制御装置は、混雑状況検知部により検知された混雑状況に応じて、乗客の滞留を抑制するための所定のアナウンスを発報する警告手段を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るエスカレータシステムによれば、エスカレータ降り口から乗客を誘導する所定の方向に沿って所定の長さを有する誘導柵を備えるので、エスカレータ降り場において乗客を所定の方向に誘導して、乗客の滞留を防止することができる。
【0016】
また、誘導柵は少なくとも一部が延出し、誘導柵を延出させる駆動アクチュエータと、エスカレータ降り場における乗客の混雑状況を検知する混雑状況検知部と、混雑状況検知部により検知された混雑状況に応じて、駆動アクチュエータを制御して誘導柵の延出長さを調整する誘導制御装置とを備えるので、人為的な作業によらず自動的に乗客の滞留を防止することができる。閑散時には誘導柵の長さを短くして、乗客に無用な距離を歩かせることを防止でき、混雑時には誘導柵の長さを長くして、乗客の滞留を確実に防止することができる。即ち、エスカレータ降り場における乗客の滞留を確実に防止でき、且つ乗客の利便性を向上させることが可能になる。
【0017】
また、誘導柵は、乗客を誘導する所定の方向に沿って延出する延出部と、エスカレータ降り口から乗客を誘導する所定の方向に沿って所定長さに亘って設置され延出部を支持する支持部と、から構成され、支持部は支持部の全長に亘って横向きに設けられた支持アームを、延出部は延出部の全長に亘って横向きに設けられ支持アームに移動可能に結合された延出アームを、それぞれ有し、支持アームは、内部に延出アームを格納する内部空洞を含み、延出アームが支持アームの内部空洞から出入りすることにより誘導柵の延出長さが変化する構成とすれば、誘導柵の構造がシンプルであり、デザイン面(スッキリとしたデザイン)やコスト面から好ましい。例えば、所謂伸縮やっとこ構造からなる誘導柵も適用することはできるが、伸縮やっとこ構造よりも外観形状がシンプルであり、アームが手摺としても機能し、また、乗降場における占有面積が小さいので乗客の滞留防止機能をさらに向上させることができる。
【0018】
また、延出部は、支持アームに移動可能に結合された第一延出アームを有する第一延出部と、第一延出アームに移動可能に結合された第二延出部と、から構成され、支持アームは、内部に第一延出アームを格納する内部空洞を含み、第一延出アームが支持アームの内部空洞から出入りすると共に、第一延出アームは、内部に第二延出アームを格納する第一延出アーム内部空洞を含み、第二延出アームが第一延出アームの第一延出アーム内部空洞から出入りすることにより誘導柵の延出長さが変化する構成とすれば、誘導柵の延出長さの調整幅が広がるので、乗客の滞留防止機能、及び乗客の利便性をさらに向上させることが可能になる。
【0019】
また、混雑状況検知部は、エスカレータ降り場床に作用する重量を測定する重量センサであり、誘導制御装置は、重量センサにより測定された重量が予め設定された閾値を超えたとき、又は予め設定された閾値を超えた状態が所定時間以上継続したときには、所定長さまで延出部を延出させる構成とすれば、簡易且つ安価な構成により、エスカレータ降り場における乗客の滞留を確実に防止でき、且つ乗客の利便性を向上させることが可能になる。
【0020】
また、混雑状況検知部は、エスカレータ降り場の画像を所定の間隔で取得する画像センサであり、誘導制御部は、画像センサにより取得された画像における乗客の人数が予め設定された閾値を超えたとき、又は予め設定された閾値を超えた状態が所定時間以上継続したときには、所定長さまで延出部を延出させる構成とすれば、滞留状況の判定精度がさらに向上して、乗客の滞留防止性能と乗客の利便性との両立が大幅に向上する。
【0021】
また、誘導制御装置は、混雑状況検知部により検知された混雑状況に応じて、乗客の滞留を抑制するための所定のアナウンスを発報する警告手段を備える構成とすれば、乗客の注意を喚起することができ、さらに乗客の滞留防止性能を向上させることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、以下詳細に説明する。図1は、混雑状況検出部として画像センサを適用したエスカレータシステムの構成を示す概略図である。図2は、第一延出部及び第二延出部を有する誘導柵を示す図である。
【0023】
エスカレータシステム10は、上記のように、エスカレータ11のエスカレータ降り場12(以下、降り場12とする)における乗客の滞留を防止するためのシステムである。図1では、上方に向かってステップ13が移動する左側のエスカレータ11(以下、第一エスカレータとして説明する)のエスカレータ降り口14(以下、降り口14とする)と、上方に向かってステップ13が移動する右側のエスカレータ11(以下、第二エスカレータとして説明する)のエスカレータ乗り口15(以下、乗り口15とする)とが隣接して設置されたエスカレータに適用されたエスカレータシステム10を示している。エスカレータシステム10は、降り口14と乗り口15とが隣接するエスカレータ11において、後述するように、特に優れた乗客の滞留防止機能を発揮する。以下では、エスカレータシステム10は、図1に示すように降り口14と乗り口15とが隣接して、且つ第一エスカレータ及び第二エスカレータの向きが逆(ジグザグ)に設置されたエスカレータ11に適用するものとして説明するが、降り口14同士が隣接するエスカレータや降り口14と乗り口15とが隣接しないエスカレータ11にも適用することができる。ここで、降り口14とは、乗客がエスカレータ11のステップ13から降りるところを、降り場12とは、降り口14を含みランディングプレート16及びその周辺領域を意味する。なお、乗り口15及びエスカレータ乗り場17(以下、乗り場17とする)についても同様に定義する。
【0024】
図1に示すように、エスカレータシステム10は、混雑時には降り口14と乗り口15との動線距離を長くして降り場12での乗客の滞留を防止する誘導柵18を主要構成要素として備える。混雑度が高い状態としては、例えば、第一エスカレータの乗客、及びA階(図1に示す降り場12と乗り場17が存在する階床をA階とする。以下同様)から第二エスカレータに乗車する乗客が多く、且つ第一エスカレータから第二エスカレータに乗車する乗客も多い場合が挙げられる。混雑度が高いときには、第二エスカレータの乗り場17にて乗客の滞留が発生し、誘導柵18が存在しない或いは誘導柵18の長さが短い場合、乗り場17における乗客の滞留に起因して、第一エスカレータの降り場12で第二エスカレータの乗車待ちが起こり、降り場12でも乗客の滞留が発生することになる。エスカレータシステム10の誘導柵18は、降り口14と乗り口15との動線距離を長くすることにより、第一エスカレータの降り場12で第二エスカレータの乗車待ちが起こることを防止する機能を有する。
【0025】
誘導柵18は、降り口14と乗り口15との動線距離を長くするために、降り場12に設置され、降り口14から乗客を誘導する所定の方向に沿って所定の長さを有し、少なくとも一部が延出する構造を備える。少なくとも一部が延出する構造としては、例えば、所謂伸縮やっとこ構造(レージトング)や図1等に示す伸縮構造などが挙げられる。誘導柵18は、シンプルな形状を有し後述するアームが手摺としても機能する図1等に示す伸縮構造であることが好ましく、乗客を誘導する所定の方向に沿って延出する延出部19と、降り口14から乗客を誘導する所定の方向に沿って所定長さに亘って設置され延出部19を支持する支持部20と、から構成される。図1等に示す誘導柵18は、混雑時にはその延出長さが長くなる、即ち、延出部19が支持部20から延出し、閑散時にはその延出長さが短くなる、即ち、延出部19が支持部20に格納される。なお、誘導柵18は、一端部をA階の床や壁などに設置した延出部19のみから構成することもできる(この場合、例えば、伸縮やっとこ構造を適用する)。
【0026】
図1に示すように、誘導柵18は、降り場12と乗り場17との間であって、第一エスカレータ(及び第二エスカレータ)の進行方向に沿って設置されることが好ましい。また、誘導柵18の支持部20は、侵入防止用仕切り板21と第一エスカレータの移動手摺22の端部との間を始点として、第一エスカレータの進行方向に沿って、所定の長さに亘って設置されることが好ましい。支持部20の始点を、少なくとも進入防止用仕切り板21と第一エスカレータの移動手摺22の端部との間に設定することにより、誘導柵18と進入防止用仕切り板21との間の乗客の通行を防止して、降り口14と乗り口15との動線距離を長くするという誘導柵18の機能を確保することができる。ここで、支持部20の始点とは、降り口14側に位置する支持部20の一端部を意味する。
【0027】
誘導柵18の延出部19が延出する方向及び支持部20が設置される方向である乗客を誘導する所定の方向とは、降り場12における乗客の滞留を防止するために設定される方向であり、エスカレータ11が設置される施設の特性や降り場12の特性等を考慮して適宜決定することが望ましい。具体的には、降り口14と乗り口15との動線距離を長くする方向であり、図1に示すように、第一エスカレータの進行方向に沿った方向であって降り口12から離れる方向である。なお、エスカレータ11の設置状態等によっては、エスカレータ11の進行方向と交差する方向に沿って支持部20等を設置することもできる。
【0028】
図1に示すように、支持部20は、第一エスカレータの移動手摺22の端部付近から所定長さに亘って設置される。支持部20の長さ(所定の長さ)は、設置される方向と同様に、エスカレータ11が設置される施設の特性や降り場12の特性等を考慮して適宜決定することが望ましい。例えば、常時混雑度合いの高いエスカレータ11の場合には、支持部20の長さを長く設定することが好ましい。一方、常時混雑度合いが低いエスカレータ11については、支持部20の長さを短く設定することができる。延出部19の長さについても、支持部20と同様にエスカレータ11の混雑度合いを考慮して決定することが好ましい。混雑度合いの差が大きいエスカレータ11(混雑状態と閑散状態が繰り返されるエスカレータ)の場合には、乗客の滞留防止及び乗客の利便性向上を両立すべく、支持部20の長さを短くして、延出部19の長さを長くすることが好ましく、誘導柵18は、図2に示すような多段(二段)伸縮構造を適用することができる。
【0029】
図1に示すように、支持部20は、支持部20の全長に亘って横向きに設けられた支持アーム23と、支持アーム23を支持して支持部20をA階の床に固定する支柱24と、から構成される。支持アーム23は、第一エスカレータの移動手摺22と同程度の高さに、移動手摺22を伸ばすように横向きに設置され、その高さは支柱24の長さによって決定される。支持アーム23の設置高さを移動手摺22と同程度とすることにより、乗客が誘導柵18を跨いで移動することを防止して、降り口14と乗り口15との動線距離を長くするという誘導柵18の機能を確保することができる。また、支持アーム20を手摺として使用することもできる。
【0030】
また、乗客(子供)が誘導柵18をくぐることを防止するためや誘導柵18の構造強度を高めるため等の観点から、複数(2本)の支持アーム23を設けることができ、同様の理由から、図2に示す誘導柵18のように、2本の支柱24の間に支柱の機能を補助する補助支柱25を設けることもできる。延出部19の長さが長い多段伸縮構造を適用する場合には、誘導柵18の強度を高めるために、延出部19の先端部等に可動式の支柱(先端に車輪を設置する)を設けることもできる。
【0031】
支持部20を構成する支持アーム23及び支柱24、後述する延出アーム26の形状としては、種々の形状を適用することができ、図1等に示すように円筒パイプ形状とすることができる。以下では、支持部20及び延出部19(支持アーム23等)は、円筒パイプ形状を呈するものとして説明する。
【0032】
図1に示すように、延出部19は、延出部19の全長に亘って横向きに設けられ、支持アーム23に移動可能に結合された延出アーム26を備える。延出アーム26も支持アーム23と同様に、乗客が誘導柵18を跨ぐ等することを防止する機能を有する。2本の延出アーム26の一端は、支持アーム23と結合され、他端には2本の延出アーム26を連結して延出部19の強度を高めるための延出部補助支柱49を備える。
【0033】
図2に示すように、延出部19は、第一延出部19aと、第二延出部19bと、から構成することもできる。このような多段伸縮構成とすれば、誘導柵18の延出長さの調整幅が広がるので、乗客の滞留防止機能、及び乗客の利便性をさらに向上させることが可能になる。特に、混雑度合いの差が大きいエスカレータ11(混雑状態と閑散状態が繰り返されるエスカレータ)に好適である。なお、図1及び図2は、延出部19が延出した状態を示している。
【0034】
支持アーム23は、延出アーム26を移動可能に結合しており、内部に延出アーム26を格納する内部空洞27を備え、延出アーム26が支持アーム23の内部空洞27から出入りする構造を有する。即ち、円筒パイプ形状である延出アーム26の断面の直径は、支持アーム23の断面の内径よりも小さくなるように設定されている。延出アーム26が支持アーム23の内部空洞27から出入りすることにより誘導柵18の延出長さを調整することが可能になる。なお、図2に示す誘導柵18においては、支持アーム23の内部空洞27と同様に、第二延出部19bに、第一延出部19aを格納する第一延出部内部空洞41(以下、第一内部空洞41)が設けられる。
【0035】
図2(一部断面図)に示すように、誘導柵18には、延出部19を延出させる駆動アクチュエータである電動モータ28が設置される。電動モータ28aは、第一延出部19aの下方側の第一延出アーム26aであって、第一内部空洞41の支持部20側端部に設置される(第一延出部19aを延出させる電動モータ28を電動モータ28aとする。以下同様)。第二延出部19bの下方側の第二延出アーム26bには、少なくとも電動モータ28bの設置面積分の内部空洞を有し、電動モータ28bは、その内部空洞の第一延出部19a側端部に設置される。
【0036】
図3は図2のA−A線断面図であり、図3に示すように、電動モータ28aの回転軸29aには、平歯車30aが取り付けられる。平歯車30aの歯は、下方側支持アーム23の内部空洞27に設けられた支持部ラック31の歯と嵌合する。所謂ラック及びピニオンから構成される駆動系により、緩やかな延出部19(第一延出アーム26a)の延出が可能となり、また、延出長さの微調整も可能となる。また、延出長さの微調整をさらに行い易くするために、複数の歯車(ギア)を組み込んだ減速機構を設けることもできる。第二延出部19bを延出させる電動モータ28b及びその駆動系についても、第一延出部19aと同様の構成を適用することができる。なお、第一延出部ラック32は、電動モータ28aが設置面積を確保して、支持部20側端部から所定の距離を開けて設置される。この所定の距離は、電動モータ28aの設置面積や第二延出部19bの伸縮幅等を考慮して決定される。
【0037】
図3等に示すように、支持部ラック31及び第一延出部ラック32は、支持アーム23の内部空洞27の底部に形成された凸部の上面部に設置される。その凸部の側面には支持部レール33、同様に形成された第一延出アーム26aの凸部の側面には第一延出部レール34aが形成され、支持部レール33及び第一延出部レール34aは嵌合している。このようなレール構造を有することにより、第一延出部19aをスムーズに延出することができる。第二延出部19bについても、同様のレール構造を適用することができる。なお、上記においては、駆動アクチュエータを電動モータ、駆動系をラック及びピニオンとして説明したが、本発明の構成上、これに限定されるものではない。
【0038】
図1に示すエレベータシステム10は、降り場12における混雑状況を検知する混雑状況検知部として、画像センサ35を備える。混雑状況検知部は、混雑状況を検知するための測定装置(センサ)であり、例えば、光電センサ、画像センサ35、重量センサ36など各種センサを適用することができる。これらのうち、混雑度合いの判定精度向上等の観点から、画像センサ35及び重量センサ36を使用することが好ましい。
【0039】
画像センサ35は、カメラ(CCDカメラ)で撮影した画像をデジタル信号に変換して演算処理を実行することにより対象物のサイズや個数、位置などを測定するセンサであり、降り場12における乗客の人数をカウントすることができる。画像センサ35としては、公知の画像センサを使用することができる。カメラは、降り場12の画像を撮影し易い位置(乗客の人数が判定できる位置)に設置する必要があり、図1に示すように、A階の天井部や上階のエスカレータの底部に設置することが好ましい。なお、後述する誘導制御部37により、画像センサ35により取得された画像(画像処理後のデータ)における乗客の人数が予め設定された閾値(人数)を超えたとき、又は予め設定された閾値を超えた状態が所定時間以上継続したときには、所定長さまで延出部19が延出される。
【0040】
重量センサ36は、降り場12の床部に作用する重量を測定するセンサであり、後述する誘導制御装置37は、重量センサ36により測定された重量が予め設定された閾値(重量)を超えたとき、又は予め設定された閾値を超えた状態が所定時間以上継続したときには、所定長さまで延出部19が延出される。ここで、作用する重量を測定する降り場12の床部としては、第一エスカレータのランディングプレート16であることが好ましい。
【0041】
図4(a)は、重量センサの構成を示す概略図であり、第一エスカレータの降り場12の床部を上方から見た平面図、図4(b)は、図4(a)におけるA−A線断面図である。降り場12の床部に設置されたランディングプレート16は、ステンレス等の金属からなる長方形状の中空プレートで構成することができ、ランディングプレート16は、下面に当接する6つのコイルばね(付勢部材)43によって下方から支持されている。コイルばね43は、矩形状をなすランディングプレート16の周縁部近傍に配置されており、具体的には四隅と各長辺部中央とに配置されている。
【0042】
図4(b)に示すように、ランディングプレート16においてコムプレート44側の長辺部に沿って配置される3つのコイルばね43は、上部トラス部(上部機械室)45の両側壁面に長手方向両端部がそれぞれ固定された略コ字状断面のブラケット46によって支持されている。一方、ランディングプレート16において他方の長辺部に沿って配置される3つのコイルばね43は、A階の床に形成された段部上に載置されて支持されている。
【0043】
ランディングプレート16の中央部寄りに位置する2つのコイルばね43の内側には、上方に突出する検知ピン47を有する検知スイッチ48がそれぞれ配置されている。検知スイッチ48は、ランディングプレート16上に立つ乗客の重量Wの作用によって、ランディングプレート16がコイルばね43の付勢力に抗して下降して、検知ピン47に当接するとオン信号を出力する機能を有する。
【0044】
ここで、コイルばね43のばね定数、および、検知スイッチ48の検知ピン47とランディングプレート16との間の隙間距離は、ランディングプレート16上にいる乗客の重量Wが予め設定される閾値、例えば300kg以上になったときに検知スイッチ48がオンするように設定される。上記において例示される閾値重量300kgは、大人1人当たりの体重を65kgと仮定して5人以上の大人がランディングプレート16上に乗っている又は滞留している状態を想定して算出されたものである。
【0045】
図1に示すように、エスカレータシステム10は、誘導制御装置37を備えている。誘導制御装置37は、画像センサ35等の混雑状況検知部により検知された混雑状況に応じて、電動モータ28等の駆動アクチュエータの駆動を制御して誘導柵18の延出長さを調整する機能を有し、エスカレータシステム10の各構成要素の作動を統一的に制御する機能を有する装置である。統一的に制御される各構成要素とは、画像センサ35等の混雑状況検知部や電動モータ28等の駆動アクチュエータなどの装置であり、誘導制御装置37によって、これらの装置は指令を受けて所定の操作を行うため、誘導制御装置37は、これらの装置と接続される。
【0046】
誘導制御装置37は、画像センサ35に降り場12の画像を所定の間隔で取得させる混雑状況測定手段38を備えている。混雑状況測定手段38は、画像センサ35に取得させた画像を解析する、即ち画像に基いて降り場12の混雑度合いを判定する機能も有する。具体的には、混雑状況測定手段38は、予め設定された閾値と画像センサにより取得された画像における乗客の人数とを比較して、その閾値を超えているか否かを判定する。また、閾値を超えた状態が所定時間以上継続したことを判定する設定とすることもできる。
【0047】
ここで、画像を取得する所定の間隔としては、5秒〜10分程度であることが好ましく、後述する混雑状況を判定する所定の時間以下であることが好ましい。混雑する時間帯がある程度特定される場合には、その時間帯のみ取得間隔を短く設定することもできる。また、閾値は、画像センサ35の場合、人数で規定され、例えば、降り場12のランディングプレート16上の人数で規定される。閾値は、混雑状況を判定するために予め設定された指標であり、乗客の滞留防止及び乗客の利便性をさらに向上させるべく、複数設定されることが好ましい。閾値を超えた状態が継続する所定の時間としては、5秒〜10分程度であることが好ましく、さらに好ましくは10秒〜3分、特に好ましくは15秒〜1分である。このような所定の時間を規定することにより、滞留が問題とならないような瞬間的な混雑において、誘導柵18の長さが長くなることを防止することができる。なお、所定の時間についても複数の設定を設けることができる。以下では、誘導制御装置37は、閾値を1設定(例えば、降り場12のランディングプレート16上の人数が6人)、所定の時間を3設定(例えば、降り場12のランディングプレート16上の人数が6人以上である状態が継続する時間が、5秒、10秒、15秒の3つの設定)有するものとして説明するが、この設定に限定されるものではない。
【0048】
誘導制御装置37は、混雑状況測定手段38の機能によって判定された混雑状況に基いて、電動モータ28を駆動させて、延出部19を延出又は格納させる延出長さ調整手段39を備えている。具体的には、混雑状況測定手段38により混雑度合いが判定され、延出長さ調整手段39は、その混雑度合いに応じて予め設定された所定の長さとなるように、延出長さを調整する。混雑状況測定手段38により判定される混雑度合いは、例えば、閾値を超えた状態が継続する所定の時間が、5秒未満の場合は混雑度合いが「低」、5秒以上10秒未満の場合は混雑度合いが「中」、10秒以上15秒未満の場合は混雑度合いが「高」、15秒以上の場合は混雑度合いが「極高」のように判定され、それぞれの混雑度合いに応じた誘導柵18の長さが設定されている。具体的には、混雑度合いが「低」「中」「高」の順に、延出部19は格納状態、第一延出部19aのみ延出、第二延出部19bも延出の如く設定される。実際の誘導柵18の長さとしては、エスカレータ11によっても異なるが、混雑度合いが「低」「中」「高」の順に、50cm(支持部20のみの長さ)、100cm(支持部20+第一延出部19a)、150cm(支持部20+第一延出部19a+第二延出部19b)を具体例として挙げることができる。なお、混雑度合いが「極高」と判定された場合には、後述するアナウンスを発報する、或いはステップ13の移動速度を遅くする等の制御を実行することもできる。
【0049】
誘導制御装置37は、混雑状況測定手段38の機能によって判定された混雑度合いに基いて、乗客の滞留を抑制するためのアナウンスを発報する警告手段40を備えている。具体的には、警告手段40は、混雑度合いに応じて予め設定された所定のアナウンスを警告出力装置42から発報する。所定のアナウンスとしては、「エスカレータの降り口に立ち止まらず速やかに移動して下さい」等が挙げられ、混雑度合いに応じた適切な内容とすることが好ましい。
【0050】
誘導制御装置37は、CPUと、上記各手段の機能を実行する際に使用される制御パラメータ等の入力に用いられる入力装置と、入力した制御パラメータ、制御プログラムなどを記憶する記録装置と、入出力ポートなどを備える装置であって、コンピュータによって構成することができる。上記各手段の機能は、ソフトウェアを実行することで実現でき、具体的には、記憶装置に記憶された制御プログラムを実行することにより実現できる。なお、誘導制御装置37は、図示しない上部機械室等に設置されるエスカレータ11の運転を制御する制御装置の一部として構成することもできる。
【0051】
上記構成のエスカレータシステム10の作用、特に誘導制御装置37の機能について、図5のフローチャートを用いて詳細に説明する。図5は、図1に示すエスカレータシステム10の制御手順を示すフローチャートであり、STARTは混雑度合いが低く延出アーム26が支持アーム23の内部空洞27に格納された状態、即ち混雑度合いが「低」の状態である。なお、誘導柵18は、図2に示す2つの延出部19を有するものとして説明する。
【0052】
まず初めに、誘導制御装置37は、画像センサ35に降り場12の画像を所定の間隔で取得させる(S10)。画像を取得する所定の間隔は、上記のように、混雑度合いを判定する所定の時間以下であることが好ましい。また、混雑度合いを考慮して混雑度合いが高い場合には、取得間隔を短くする(例えば、1秒間隔)設定を設けることもできる。
【0053】
画像センサ35により取得された画像における乗客の人数が予め設定された閾値を超えた状態が所定時間以上継続したか否かを判定する(S11)。取得された画像における乗客の人数が閾値(例えば、降り場12のランディングプレート16上の人数が5人以下)を超えないとき、又は閾値を超えた状態が所定時間以上継続しないとき(例えば、上記閾値を超えた状態の継続時間が5秒未満)には、誘導柵18の延出部19は延出されず、エスカレータシステム10の制御手順が終了する。S10及びS11の手順は、混雑状況測定手段38の機能によって実行される。
【0054】
一方、S11において取得された画像における乗客の人数が閾値を超えた状態が所定時間以上継続したと判定されたときには、判定された混雑度合いに応じて予め設定された所定の長さとなるように、延出長さを調整する(S12)。具体的には、上記のように、混雑度合いが「低」の場合は、延出部19は格納状態であり、混雑度合いが「中」の場合は、第一延出部19bのみが延出して、混雑度合いが「大」の場合は、第二延出部19aも延出することにより、乗客の滞留防止と乗客の利便性向上を両立することができる。なお、閾値等をさらに細かく設定して多数の混雑度合いを判定することにより、誘導柵18の延出長さの調整幅をさらに細かく設定することもできる。この手順は、延出長さ調整手段39の機能により実行される。
【0055】
さらに、延出部19が延出されるときには、延出動作と同時或いは延出動作に先行して、判定された混雑度合いに応じて予め設定された所定のアナウンスを警告出力装置42から発報する(S13)。このアナウンスにより、乗客の注意を喚起することができ、さらに乗客の滞留防止性能を向上させることが可能になる。なお、上記のように、混雑度合いが「極高」と判定された場合にのみ、「エスカレータの降り口に立ち止まらず速やかに移動して下さい」等のアナウンスを発報することもできる。この手順は、警告手段40の機能により実行される。
【0056】
以上の制御手順(図5のフローチャート)は、混雑度合いが「低」の状態をSTARTとして説明したが、混雑度合いが「高」から「低」となった場合には、当然に、延出長さ調整手段39の機能等によって誘導柵18の延出長さが短くなるように制御される。また、延出部19の延出速度は、緩やかであることが好ましく、上記のように、延出部19の駆動系には減速機構を設けることが好ましい。
【0057】
以上のように、エスカレータシステム10によれば、誘導柵18を備えるので、降り場12において乗客を所定の方向に誘導して、乗客の滞留を防止することができる。誘導柵18は、乗客を誘導する所定の方向に沿って延出する延出部19と、降り口14から乗客を誘導する所定の方向に沿って所定長さに亘って設置され延出部19を支持する支持部20と、から構成され、電動モータ28等の延出部19を延出させる駆動アクチュエータと、画像センサ35等の降り場における乗客の混雑状況を検知する混雑状況検知部と、混雑状況検知部により検知された混雑状況に応じて、駆動アクチュエータを制御して延出部19の延出長さを調整する誘導制御装置37と、を備えるので、人為的な作業によらず自動的に誘導柵18の長さを変化させることができる。閑散時には延出部19を格納して、乗客に無用な距離を歩かせることを防止でき、降り場12の混雑度合いが高い場合(上記の閾値を超える場合)には延出部19を延出させて、乗客の滞留を確実に防止することができる。即ち、エスカレータ降り場における乗客の滞留を確実に防止でき、且つ乗客の利便性を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】混雑状況検出部として画像センサを適用したエスカレータシステムの構成を示す概略図である。
【図2】第一延出部及び第二延出部を有する誘導柵を示す図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】重量センサの構成を示す概略図である。
【図5】図1に示すエスカレータシステムの制御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
10 エスカレータシステム、11 エスカレータ、12 エスカレータ降り場、13 ステップ、14 エスカレータ降り口、15 エスカレータ乗り口、16 ランディングプレート、17 エスカレータ乗り場、18 誘導柵、19 延出部、20 支持部、21 進入防止用仕切り板、22 移動手摺、23 支持アーム、24 支柱、25 補助支柱、26 延出アーム、27 内部空洞、28 電動モータ、29 回転軸、30平歯車、31 支持部ラック、32 第一延出部ラック、33 支持部レール、34 延出部レール、35 画像センサ、36 重量センサ、37 誘導制御装置、38 混雑状況測定手段、39 延出長さ調整手段、40 警告手段、41 第一延出部内部空洞、42 警告出力装置、43 コイルばね、44 コムプレート、45 上部トラス部、46 ブラケット、47 検知ピン、48 検知スイッチ、49 延出部補助支柱。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エスカレータ降り場に設置され、エスカレータ降り口から乗客を誘導する所定の方向に沿って所定の長さを有し、少なくとも一部が延出する誘導柵と、
誘導柵を延出させる駆動アクチュエータと、
エスカレータ降り場における乗客の混雑状況を検知する混雑状況検知部と、
混雑状況検知部により検知された混雑状況に応じて、駆動アクチュエータを制御して誘導柵の延出長さを調整する誘導制御装置と、
を備えることを特徴とするエスカレータシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のエスカレータシステムにおいて、
誘導柵は、乗客を誘導する所定の方向に沿って延出する延出部と、エスカレータ降り口から乗客を誘導する所定の方向に沿って所定長さに亘って設置され延出部を支持する支持部と、から構成され、
支持部は支持部の全長に亘って横向きに設けられた支持アームを、延出部は延出部の全長に亘って横向きに設けられ支持アームに移動可能に結合された延出アームを、それぞれ有し、
支持アームは、内部に延出アームを格納する内部空洞を含み、延出アームが支持アームの内部空洞から出入りすることにより誘導柵の延出長さが変化することを特徴とするエスカレータシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のエスカレータシステムにおいて、
延出部は、支持アームに移動可能に結合された第一延出アームを有する第一延出部と、第一延出アームに移動可能に結合された第二延出部と、から構成され、
支持アームは、内部に第一延出アームを格納する内部空洞を含み、第一延出アームが支持アームの内部空洞から出入りすると共に、第一延出アームは、内部に第二延出アームを格納する第一延出アーム内部空洞を含み、第二延出アームが第一延出アームの第一延出アーム内部空洞から出入りすることにより誘導柵の延出長さが変化することを特徴とするエスカレータシステム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1に記載のエスカレータシステムにおいて、
混雑状況検知部は、エスカレータ降り場の床部に作用する重量を測定する重量センサであり、
誘導制御装置は、重量センサにより測定された重量が予め設定された閾値を超えたとき、又は予め設定された閾値を超えた状態が所定時間以上継続したときには、所定長さまで延出部を延出させることを特徴とするエスカレータシステム。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1に記載のエスカレータシステムにおいて、
混雑状況検知部は、エスカレータ降り場の画像を所定の間隔で取得する画像センサであり、
誘導制御部は、画像センサにより取得された画像における乗客の人数が予め設定された閾値を超えたとき、又は予め設定された閾値を超えた状態が所定時間以上継続したときには、所定長さまで延出部を延出させることを特徴とするエスカレータシステム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1に記載のエスカレータシステムにおいて、
誘導制御装置は、混雑状況検知部により検知された混雑状況に応じて、乗客の滞留を抑制するための所定のアナウンスを発報する警告手段を備えることを特徴とするエスカレータシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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