エネルギーステーション
【課題】乗物に燃料を供給する装置、さらには、車両のような乗物のための水素を生成したり、家や建物のための電気や熱を生成するエネルギーステーションを提供する。
【解決手段】エネルギーステーション10は、生成部12と、分離して遠隔に配置された供給部14とを備える。第1態様において、生成部12は、燃料流から改質物を生成する改質器20と、改質物を貯蔵する貯蔵部52とを有する筐体で構成される。供給部14は、生成部からの改質物を供給するための筐体で構成される。生成部は第1の場所に配置され、供給部は第1の場所から離れた第2の場所に配置される。例えば、生成部は建物外に配置され、供給部はガレージ内に配置される。また、電気化学セルを有する生成部が開示されている。この電気化学セルは、建物に電気を供給するための燃料セルとして、又は改質物を精製するための水素ポンプとして動作する。
【解決手段】エネルギーステーション10は、生成部12と、分離して遠隔に配置された供給部14とを備える。第1態様において、生成部12は、燃料流から改質物を生成する改質器20と、改質物を貯蔵する貯蔵部52とを有する筐体で構成される。供給部14は、生成部からの改質物を供給するための筐体で構成される。生成部は第1の場所に配置され、供給部は第1の場所から離れた第2の場所に配置される。例えば、生成部は建物外に配置され、供給部はガレージ内に配置される。また、電気化学セルを有する生成部が開示されている。この電気化学セルは、建物に電気を供給するための燃料セルとして、又は改質物を精製するための水素ポンプとして動作する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗物に燃料を供給する装置全般に関し、さらには、車両のような乗物のための水素を生成したり、家や建物のための電気や熱を生成するエネルギーステーションに関する。
【背景技術】
【0002】
水素は、排出物がゼロの燃料として重要である。近年、水素の燃料としての使用を支援するために、水素燃料の基盤(インフラストラクチャー)システムの開発が、より重要なものとなっている。
【0003】
水素燃料の基盤システムの重要な部分は、水素の生成である。一般に、2つの方法が水素の生成に用いられる。1つの水素生成方法は、電気エネルギーを用いて水分子を水素と酸素に分解する電解工程を含むものである。もう1つの水素生成方法は、改質工程、すなわち、天然ガス又はプロパンのような炭化水素燃料を水素リッチなガスに変換する工程を含むものである。いずれの方法においても、水素はしばしば精製及び/又は圧縮されて、後述の用途のために貯蔵される。水素リッチなガスの水素の精製及び/又は圧縮のためには、電気化学的な水素ポンプが用いられる。
【0004】
水素燃料と電力との同時生成を特徴とする産業的な水素エネルギーステーションが、ネバダ州のラスベガスにおいて、ラスベガス・フリート・トランスポーテーション・サービスセンターで稼動された。そのステーションは、水素と圧縮天然ガス(又は圧縮水素)との両方を車両に供給した。そのステーションは、改質器、燃料セル、貯蔵タンク及びガスポンプのそれぞれについて、分離した独立型の装置を備えていた。他の水素燃料の補給システムやエネルギー供給ネットワークは、下記特許文献1及び2に開示されている。
【特許文献1】米国特許第6432283号公報
【特許文献2】米国特許第6745105号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車両のための水素を生成したり家や建物のための電気や熱を生成するエネルギーステーションにおいては、さらなる改良が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1態様において、生成部及び供給部を備えるエネルギーステーションを提供する。生成部は、燃料流から改質物を生成する改質器、及び改質物を貯蔵する貯蔵部を有する筐体で構成される。供給部は、生成部からの改質物を供給するための筐体で構成される。生成部は第1の場所に配置され、供給部は第1の場所から離れた第2の場所に配置される。
【0007】
本発明は、第2の態様において、生成部及び供給部を備える建物のためのエネルギーステーションを提供する。生成部は、燃料流から改質物を生成する改質器、改質物を圧縮する第1の圧縮機、圧縮機からの改質物を精製する精製器、精製器からの精製改質物を圧縮する高圧圧縮機、高圧圧縮機からの改質物を貯蔵する貯蔵部、建物へ熱を供給するための熱交換器、改質物と精製改質物のうち少なくとも1つから電気を生成する燃料セル、及び燃料セルから建物へ電気を供給するためのインバータを有する筐体で構成される。供給部は、生成部からの改質物と精製改質物のうち少なくとも1つを供給するための筐体とノズルとで構成される。生成部と供給部のうち少なくとも1つは、該生成部と該供給部を制御するコントローラを備える。生成部は第1の場所に配置され、供給部は第1の場所と離れた第2の場所に配置される。
【0008】
本発明は、第3の態様において、生成部及び供給部を備える建物のためのエネルギーステーションを提供する。生成部は、燃料流から改質物を生成する改質器、電気を生成すると共に改質物を精製する電気化学セル、及び電気化学セルからの精製改質物を貯蔵する貯蔵部を有する筐体を備える。供給部は、生成部からの改質物と精製改質物のうち少なくとも1つを供給するための筐体を備える。コントローラは、電気化学セルが電気を生成する燃料セルとして動作するように、建物から電気化学セルへの電気的負荷を制御すると共に、電気化学セルが改質器からの改質物を精製する水素ポンプとして動作するように、電気化学セルへの電位を制御する。生成部は第1の場所に配置され、供給部は第1の場所と離れた第2の場所に配置される。
【0009】
本発明は、第4の態様において、車両のための水素を生成する方法を提供する。この方法は、上述のような、水素を生成する生成部と水素を供給する供給部とを有するエネルギーステーションを用意すること、生成部を建物外で第1の場所に配置すること、車両に関わる供給部を第1の場所と離れた第2の場所に配置することを含む。また、この方法は、水素から電気を生成し、建物へ電気を供給するための生成部を用意することを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本発明の一実施形態であるエネルギーステーション10を例示する。このエネルギーステーション10は、筐体13を有する生成部12と、筐体15を有する分離した供給部14とを備えている。エネルギーステーション10は、車両用の燃料(例えば、改質物又は水素ガス)を生成し、家や建物のための電気を生成し、家や建物で用いる水や空気を暖める(又は吸着式冷却装置を介して冷やす)ための熱を生成するために使用可能である。
【0011】
以下に記述するように、生成部12と供給部14とは分離して構成されており、供給部14は生成部12から離れて配置されているので、生成部と供給部とが同じ場所に配置されている場合に生じる多くの問題が克服される。例えば、本発明は生成部より小さい供給部を提供する。したがって、供給部が家や建物のガレージの近くに設置されるとき、供給部による視覚的な圧迫感がずっと小さいものとなる。生成部は、たいてい供給部より大きく、家や建物の一側部や背後のような目立たない場所に設置される。生成部は、しばしば空調装置や他の外部装置に用いられるような場所に設置される。
【0012】
また、供給部は燃料を貯蔵しないように構成される。したがって、適用される法定基準や公定基準は、供給部を家や建物のガレージ内部のような建物内に設置することを許容し得る。貯蔵ユニットは、ガレージ外部に配置される生成部に内蔵される。
【0013】
さらに、例えばベントを介してエネルギーステーションから排出される、可燃性の混合ガスを含む排気は、生成部の設置場所で排出される。生成部は、家や建物の一側部や背後のような異なる場所に設置されるので、供給部が車両と接触する場所に配置されることを認めても法定基準や公定基準が満たされる。例えば、生成部は建物の扉や窓から離れて設置されるので、水素ガスのような燃料が建物に入ることが抑制される。
【0014】
また、供給部は、例えば典型的な大人が使用できる高さのような、高い外形を有するように設計される。分離した生成部は、より低い高さや外形を有するように形成されるので、圧迫感のある構造とはならず、窓や視界を遮らない。
【0015】
図2は、生成部12を含むエネルギーステーション10全体を示す。この生成部12は、一般に、天然ガス、メタン、メタノール等の炭化水素、又は他の燃料(例えば、燃料会社から供給される)を水素リッチなガス流に変換するための、触媒部分酸化(Catalytic Partial Oxidation,CPO)による改質器や、水蒸気改質器や、自己熱改質器といった改質器20と、電気を生成するための燃料セル30と、改質物を圧縮する第1の圧縮機40(例えば、ピストン圧縮、ダイアフラム圧縮機、スクロール圧縮機、又は他の方式の圧縮機)と、不純物を除去するための洗浄用デバイス又は精製器42(例えば、圧力振動吸収器、拡散膜精製器、熱振動吸収器、電気化学的な水素ポンプ、又は他の方式の精製器)と、改質物を貯蔵する水素貯蔵部50と、家や建物を暖める(又は吸着式冷却装置を介して冷やす)ために使用される熱を燃料セルから移動するための熱交換器60と、コントローラ70とを有する。これらの種々の構成要素は、流体の搬送に適した導管により接続されている。
【0016】
コントローラ70は、インバータ35を介して家や建物への給電の流れを制御するための1又は複数の機械的なスイッチを備えると共に、自動化されてマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラを備えている。コントローラは、貯蔵部の上又は中に貯蔵部内の改質物の高さ又は量を決定するために設けられたセンサ52からの信号を受け取るように、貯蔵部に動作可能に接続されている。また、コントローラは、供給部や車両への水素ガスの供給後の、供給部への導管の内部を減圧するように、ベント54を制御する。また、コントローラは、燃料セル、改質器、圧縮機、及び熱交換器に動作可能に接続されている。コントローラはこれらの種々の構成要素やセンサに1又は複数の線、又は好適な無線を用いて接続されて、動作可能に連結されている。また、このコントローラは、「エネルギー供給ネットワーク(Energy Distribution Network)」に関する米国特許6745105号及び「水素燃料補給システム(Hydrogen Fuel Replenishment Systems)」に関する米国特許第6432283号に開示されたコントローラの特徴を適切に用いている。以下、これらの特許の全体的な主内容を引用して説明する。
【0017】
供給部14は、ユーザインタフェース又は入力/出力デバイス90と、(図1に最も良く示された)ノズル又はコネクタのようなディスペンサ95とを備えている。入力/出力デバイス90は、(図1に最も良く示された)タッチスクリーンディスプレイを備えている。1又は複数のワイヤ又はケーブルと好適なパイプが、供給部14を生成部12のコントローラ70に動作可能に接続している。
【0018】
また、燃料セル70は、貯蔵部50に貯蔵された改質物により燃料が供給され、コントローラ70によりバルブ22を介して制御される。
【0019】
図3は、本発明における燃料セル70の一実施形態を示す。燃料セル70は、改質物等の水素を含む燃料の供給、空気等の酸素の供給から電気を生成する。燃料セル70は、アノード分離板又は分離部72と、カソード分離板又は分離部74とを備えている。アノード分離板又は分離部72は、燃料の供給を受け取るアノード入口に装着されており、燃料の供給を分配するための流量チャンネル73を有する。また、カソード分離板又は分離部74は、酸素の供給を受け取るカソード入口に装着されており、酸素の供給を分配するための流量チャンネル75を有する。また、燃料セル70は、アノード分離板72とカソード分離板74とを挟んで設けられた、プロトン伝導性電気化学セルを備えている。
【0020】
プロトン伝導性電気化学セルは、アノード分離板72に隣接して配置されたアノードのガス拡散層76及びアノード電極77と、カソード分離板74に隣接して配置されたカソードガス拡散層78と及びカソード電極79と、アノード電極77とカソード電極79との間に配置されたプロトン伝導媒体80とを備えている。
【0021】
また、アノード電極は、プラチナ又はプラチナ−ルテニウム合金触媒層から構成される。プロトン伝導媒体は、NAFION(登録商標)共重合フルオロスルホン酸(perfluorosulfonic acid)高分子膜(米国のE. I. DuPont de Nemours and Co.社から提供されている)のようなプロトン交換膜(PEM)を備えている。
【0022】
燃料セルが駆動されるとき、アノード側に燃料が供給され、カソード側に酸素が供給されると共に、両電極に負荷が印加される。水素は、燃料流から多孔質の水素透過性アノード電極へ移動し、ここで水素ガスはプロトン(H+)と電子を形成する。そして、プロトンはプロトン伝導媒体を通って移動し、非多孔質の水素透過性カソード電極を通って伝導される。プロトンは酸素及び電子と結合して水を形成する。アノード側の不純物及び/又は不純物の生成物(例えば、一酸化炭素、窒素等)は、すぐにアノード出口から排出される。
【0023】
燃料セルは、1つのプロトン伝導性電気化学セルを備えるように図示されているが、当業者には認識されるように、本発明による燃料セルは、電気を生成するための複数又は多重構造のプロトン伝導性電気化学セルを備えてもよい。
【0024】
図4は、他の実施形態であるエネルギーステーション100を示す。このエネルギーステーション100は、次の点を除いて、図1のエネルギーステーション10と同様である。すなわち、コントローラ170が、生成部112ではなく供給部114に配置されて、生成部の種々の構成要素に動作可能に接続されている。かかる供給部とコントローラは、ガレージや他の建造物の内部に設置される。
【0025】
図5は、本発明のさらに別の実施形態であるエネルギーステーション200を示す。このエネルギーステーション200は、電気を生成するための燃料セルモード、又は水素を精製及び/又は圧縮するための水素ポンプモードで駆動される、電気化学セル又はスタックを備えている。電気を生成するための燃料セルと、水素を精製及び/又は圧縮するための水素ポンプといった、2つの分離したデバイスを備える場合に対して、図示した構成によれば、2つの分離したデバイスを備える場合に比べてコストや必要なスペースを削減することができる。
【0026】
エネルギーステーション200は生成部212を備えている。この生成部212は、一般に、天然ガス、メタン、メタノール等炭化水素、又は他の燃料を水素リッチなガス流に変換するための、触媒部分酸化(Catalytic Partial Oxidation,CPO)による改質器や、水蒸気改質器や、自己熱改質器といった改質器220と、燃料セル又はスタック230(後述の、水素リッチなガス流を精製するための水素ポンプや、電気を生成するための燃料セルのような)と、改質物を圧縮する圧縮機240と、精製された水素ガスや改質物を貯蔵する水素貯蔵部250と、家や建物を暖める(又は吸着式冷却装置を介して冷やす)ために使用される熱を、燃料セルから移動するための熱交換器260と、コントローラ270とを備えている。コントローラ270は、家や建物への給電の流れを制御するための、1又は複数の機械的なスイッチとインバータ35を備えると共に、自動化されてマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラを備えている。
【0027】
コントローラは、貯蔵部の上又は中に貯蔵部内の改質物や水素の高さ又は量を決定するために設けられたセンサ252からの信号を受け取るように、貯蔵部に動作可能に接続されている。また、コントローラは、供給部や車両への改質物や水素ガスの搬送後の、供給部への導管の内部を減圧するために、ベント254を制御する。コントローラ270とバルブ256は、スタック230からの圧縮された精製水素ガスや、改質器220からの改質物による貯蔵部250の充填を動作可能に制御する。さらに、コントローラ270とバルブ265とバルブ258は、貯蔵部250に貯蔵された改質物又は水素を許容して、電気を生成するためにスタック230に燃料供給するように使用される。また、コントローラは、燃料セル、改質器、圧縮機、及び熱交換器に動作可能に接続されている。
【0028】
供給部214は、ユーザインタフェース又は入力/出力デバイスと、ノズルのようなディスペンサとを備えている。入力/出力デバイスは、タッチスクリーンディスプレイを備えている。1又は複数のワイヤ又はケーブルや好適なパイプが、供給部214を生成部212のコントローラ270に動作可能に接続している。
【0029】
スタック230は、一般に、少なくとも1つの電気化学セル(例えば、図3に示したような)を備えている。この電気化学セルは、例えば改質物又は精製水素ガス等の燃料を受け取るアノード入口322と、燃料を排出するアノード出口324と、空気等の酸素を受け取るカソード入口326と、空気等の酸素や精製水素を排出するためのカソード出口328とを備えている。さらに、電気化学セルは、電気的負荷又は電位をスタック230に印加するための第1の電気コネクタ332と第2の電気コネクタ334とを備えている。
【0030】
第1のバルブ346は、カソード入口326に装着されており、スタック230への酸素を制御する。第2のバルブ348は、例えば三分岐弁であり、カソード出口328に装着されて、スタック230から排出された酸素を第1の方向へ排出するか、又は精製水素を第1の方向と異なる第2の方向へ排出する。
【0031】
コントローラ270は、第1の電気コネクタ332及び第2の電気コネクタ334に装着され、電気的負荷をスタック230へ印加して電気を生成するか、又は電位をスタック230へ印加して水素を精製する。コントローラ270は、電気的負荷をスタック230に印加するための出力端子362と364とを備えている。また、コントローラ270は、電位をスタック230に印加するための入力端子372と374とを備えている。コントローラ270は、1又は複数の機械的スイッチを備えているか、又は自動化されてマイクロプロセッサ若しくはマイクロコントローラを備えている。
【0032】
図6は、エネルギーステーション200の生成部212のうちの、精製水素の供給を生成する動作に係る構成を示す。この実施形態で、スタックは、改質物等の水素を含む入力供給から、純粋な水素を分離し、移動し、及び/又は圧縮するための水素ポンプとして動作する。
【0033】
例えば、改質物等の燃料は、アノード入口322へ供給され、アノード出口324を介して排出され、第1のバルブ346は、カソード入口326への酸素の供給を閉鎖又は阻止するように駆動され、第2のバルブ348は、精製水素を第2の方向へ導くように駆動される(例えば、図6に示すように、酸素排気を導く第1の方向は閉鎖又は阻止される)。コントローラ270の入力端子372と374は、電気コネクタ332と334を介してスタック230に電位を印加する電源に接続されている。
【0034】
水素ポンプモードの構成において、燃料は電気化学セルのアノードへ流れ、電気エネルギーは、電気化学セルの内部抵抗を超えるように電極間に印加され、処理中のガス内の水素をプロトンに分離し、プロトンを膜を通して反対側へ駆動し、精製及び/又は減圧された水素をアノード出口で復元する。水素流はそのまま、又は水の導入により加湿されてから貯蔵される。また、加湿された精製水素は、水素と同様に水の移動を許容するNAFION膜を有する電気化学セルを用いて生成される。
【0035】
図7は、エネルギーステーション200の生成部212のうちの、電気を生成する動作に係る構成を示す。この実施形態で、スタックは、電気を生成するための燃料セルとして動作する。
【0036】
例えば、燃料はアノード入口322へ供給され、アノード出口324を介して排出され、第1のバルブ346は、カソード出口326への酸素の供給を許容するように駆動され、第2のバルブ348は、酸素をカソード出口328から第1の方向、例えばベントへ排出するように駆動される。コントローラ270の出力端子362と364は、電気コネクタ332と334とを介してスタック230の全域に印加される電気的負荷に接続されている。
【0037】
燃料セルモードの構成において、改質物等の燃料は電気化学セルのアノードへ流れ、アノード上の触媒被膜が、ガスをプロトン(水素イオン)に分離する反応を促進する。中央部の電解膜は、プロトンのみが膜を電気化学セルのカソード側へ透過することを許容する。電子はこの膜を透過できず、電流を形成して外部回路を通って流れる。酸素(例えば空気中の酸素)は燃料セルのカソードへ流れ、カソード上の触媒被膜が、酸素、プロトン、電子が結合して純粋な水と熱とを生成する反応を促進する。
【0038】
本発明で使用可能な、燃料セルと水素ポンプとの好適な構成は、米国特許出願番号10/658,123に開示されている。この出願は、米国特許公開公報第20050053813号に公示されている。この公報の全体的な主内容が上述で引用して説明されている。
【0039】
図8は、他の実施形態であるエネルギーステーション400を示す。このエネルギーステーション400は、次の点を除いて、図5のエネルギーステーション200と同様である。すなわち、コントローラ470が、生成部412ではなく供給部414に配置されて、生成部の種々の構成要素に動作可能に接続されている。かかる供給部とコントローラは、ガレージや他の建造物の内部に設置される。
【0040】
図9は、他の実施形態であるエネルギーステーション500を示す。このエネルギーステーション500は、生成部512と及びこれと分離された供給部514を備えている。この実施形態では、生成部において、改質器520からの改質物が燃料セル530へ供給され、燃料セルからの改質物の排出が水素ポンプスタック等の水素ポンプにより処理され、精製器542により精製され、さらに圧縮機544により圧縮され、貯蔵部550に貯蔵される。
【0041】
図10は、他の実施形態であるエネルギーーステーション600を示す。このエネルギーステーション600は、生成部612及びこれと分離した供給部614を備えている。エネルギーステーション600は、水素を生成するが電気は生成しない。この実施形態では、生成部において、改質器620からの改質物は、圧縮機640に供給され、精製器642により精製され、さらに圧縮機644により圧縮されて、貯蔵部650に貯蔵される。
【0042】
図11は、他の実施形態であるエネルギーステーション700を示す。このエネルギーステーション700は、改質器720からの改質物が、水素ポンプスタック等の水素ポンプ740に供給される以外は、図10のエネルギーステーション600と同じである。そして、水素ポンプからの水素は、精製器742により精製され、さらに、圧縮機744により圧縮されて、貯蔵部750に貯蔵される。
【0043】
図12は、他の実施形態であるエネルギーステーション800を示す。このエネルギーステーション800は、水(例えば、水道供給から)が電解槽820に供給される以外は、図2のエネルギーステーション10と同じである。直流電源入力等の電力が電解槽に供給され、電解槽で生成された水素が精製器842に供給され、さらに、圧縮機844により圧縮されて、貯蔵部850に貯蔵される。
【0044】
図13は、他の実施形態であるエネルギーステーション900を示す。このエネルギーステーション900は、水(例えば、水道供給から)が電解槽920へ供給される以外は、図10のエネルギーステーションのものと同様に、生成部912及びこれと分離した供給部914を備えている。エネルギーステーション900は、水素を生成するが電気は生成しない。この実施形態において、生成部では、電解槽からの水素は精製器942へ供給され、さらに圧縮機944により圧縮されて、貯蔵部950に貯蔵される。
【0045】
本発明のさらなる実施形態として、貯蔵容量をシステムモジュール化するようにしてもよい。これは、燃料在庫の貯蔵(fuel inventory storage)を分離したエンクロージャーに置くか、或いは生成部内のエンクロージャーでモジュール化することによって実現される。貯蔵容量をモジュール化することにより、エネルギーステーションの使用者は、家族や仕事の必要に応じて、異なる量の水素貯蔵容量を選択することができる。例えば、使用者は、2台の車両を所有する場合には、標準の2倍の燃料貯蔵容量を選択できる。或いは、使用者は、大家族を有する場合には、使用量のピーク期間の電力より大きな電力を生成可能なように、より大きな貯蔵容量を選択できる。或いは、使用者は、送電網が特に信頼性の低い地域に住んでいる場合には、送電網の停電時に大きな在庫燃料を確実に使用可能とするために、通常の貯蔵容量の5倍ないし10倍の貯蔵容量を選択することができる。
【0046】
燃料セル又はスタック、更には供給部からの水素供給を制御するために、図では単一のコントローラが示されているが、2又はそれ以上のコントローラで、エネルギーステーションの2又はそれ以上の異なる状態を制御するようにしてもよい。例えば、1つのコントローラで、燃料セル又はスタックを制御し、他のコントローラで、車両への水素供給を制御するものとする。
【0047】
また、上述から、プロトン伝導媒体は、無水固体(すなわち、水を有しない)プロトン伝導媒体を含む。例えば、無機物基材やセラミックス基材(inorganic and ceramic based stations)のような固相導電体、ペロブスカイト構造セラミックスや、リン酸二水素セシウム(CsH2PO4)のような固体酸や、その他好適な無水固体プロトン伝導媒体が挙げられる。さらに、プロトン伝導媒体として、ポリベンゾイミダゾール(polybenzimidazole,PBI)高分子膜、ポリエーテルケトン(polyetheretherketones,PEEK)、スルホン化ポリスルホン(sulfonated polysulfones)膜、ポリイミド、炭化水素膜、3−フルオロ−スチレンスルホン酸(polytrifluoro-styrenesulfonic acid)、共重合フルオロスルホン酸(perfluorosulfonic acid)膜の変形物、又は何らかの強酸を含む他の高分子又は非高分子プロトン伝導体が挙げられる。
【0048】
本発明の様々な実施形態が記述されているが、当業者には認識されるように、本発明の趣旨や範囲から離れずに、さらに多くの変更と修正が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は、本発明の一実施形態であるエネルギーステーションの外観図である。
【図2】図2は、図1のエネルギーステーションのブロック図である。
【図3】図3は、図1及び2のエネルギーステーションの燃料セルにおける電気化学セルの一実施形態の断面図である。
【図4】図4は、本発明の他の実施形態であるエネルギーステーションのブロック図である。
【図5】図5は、本発明の他の実施形態であるエネルギーステーションのブロック図である。
【図6】図6は、図5のエネルギーステーションの水素生成に関する説明図である。
【図7】図7は、図5のエネルギーステーションの電気生成に関する説明図である。
【図8】図8は、本発明の他の実施形態であるエネルギーステーションのブロック図である。
【図9】図9は、本発明の他の実施形態であるエネルギーステーションのブロック図である。
【図10】図10は、本発明の他の実施形態であるエネルギーステーションのブロック図である。
【図11】図11は、本発明の他の実施形態であるエネルギーステーションのブロック図である。
【図12】図12は、本発明の他の実施形態であるエネルギーステーションのブロック図である。
【図13】図13は、本発明の他の実施形態であるエネルギーステーションのブロック図である。
【符号の説明】
【0050】
10…エネルギーステーション、12…生成部、13…筐体、14…分離した供給部、15…筐体。
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗物に燃料を供給する装置全般に関し、さらには、車両のような乗物のための水素を生成したり、家や建物のための電気や熱を生成するエネルギーステーションに関する。
【背景技術】
【0002】
水素は、排出物がゼロの燃料として重要である。近年、水素の燃料としての使用を支援するために、水素燃料の基盤(インフラストラクチャー)システムの開発が、より重要なものとなっている。
【0003】
水素燃料の基盤システムの重要な部分は、水素の生成である。一般に、2つの方法が水素の生成に用いられる。1つの水素生成方法は、電気エネルギーを用いて水分子を水素と酸素に分解する電解工程を含むものである。もう1つの水素生成方法は、改質工程、すなわち、天然ガス又はプロパンのような炭化水素燃料を水素リッチなガスに変換する工程を含むものである。いずれの方法においても、水素はしばしば精製及び/又は圧縮されて、後述の用途のために貯蔵される。水素リッチなガスの水素の精製及び/又は圧縮のためには、電気化学的な水素ポンプが用いられる。
【0004】
水素燃料と電力との同時生成を特徴とする産業的な水素エネルギーステーションが、ネバダ州のラスベガスにおいて、ラスベガス・フリート・トランスポーテーション・サービスセンターで稼動された。そのステーションは、水素と圧縮天然ガス(又は圧縮水素)との両方を車両に供給した。そのステーションは、改質器、燃料セル、貯蔵タンク及びガスポンプのそれぞれについて、分離した独立型の装置を備えていた。他の水素燃料の補給システムやエネルギー供給ネットワークは、下記特許文献1及び2に開示されている。
【特許文献1】米国特許第6432283号公報
【特許文献2】米国特許第6745105号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車両のための水素を生成したり家や建物のための電気や熱を生成するエネルギーステーションにおいては、さらなる改良が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1態様において、生成部及び供給部を備えるエネルギーステーションを提供する。生成部は、燃料流から改質物を生成する改質器、及び改質物を貯蔵する貯蔵部を有する筐体で構成される。供給部は、生成部からの改質物を供給するための筐体で構成される。生成部は第1の場所に配置され、供給部は第1の場所から離れた第2の場所に配置される。
【0007】
本発明は、第2の態様において、生成部及び供給部を備える建物のためのエネルギーステーションを提供する。生成部は、燃料流から改質物を生成する改質器、改質物を圧縮する第1の圧縮機、圧縮機からの改質物を精製する精製器、精製器からの精製改質物を圧縮する高圧圧縮機、高圧圧縮機からの改質物を貯蔵する貯蔵部、建物へ熱を供給するための熱交換器、改質物と精製改質物のうち少なくとも1つから電気を生成する燃料セル、及び燃料セルから建物へ電気を供給するためのインバータを有する筐体で構成される。供給部は、生成部からの改質物と精製改質物のうち少なくとも1つを供給するための筐体とノズルとで構成される。生成部と供給部のうち少なくとも1つは、該生成部と該供給部を制御するコントローラを備える。生成部は第1の場所に配置され、供給部は第1の場所と離れた第2の場所に配置される。
【0008】
本発明は、第3の態様において、生成部及び供給部を備える建物のためのエネルギーステーションを提供する。生成部は、燃料流から改質物を生成する改質器、電気を生成すると共に改質物を精製する電気化学セル、及び電気化学セルからの精製改質物を貯蔵する貯蔵部を有する筐体を備える。供給部は、生成部からの改質物と精製改質物のうち少なくとも1つを供給するための筐体を備える。コントローラは、電気化学セルが電気を生成する燃料セルとして動作するように、建物から電気化学セルへの電気的負荷を制御すると共に、電気化学セルが改質器からの改質物を精製する水素ポンプとして動作するように、電気化学セルへの電位を制御する。生成部は第1の場所に配置され、供給部は第1の場所と離れた第2の場所に配置される。
【0009】
本発明は、第4の態様において、車両のための水素を生成する方法を提供する。この方法は、上述のような、水素を生成する生成部と水素を供給する供給部とを有するエネルギーステーションを用意すること、生成部を建物外で第1の場所に配置すること、車両に関わる供給部を第1の場所と離れた第2の場所に配置することを含む。また、この方法は、水素から電気を生成し、建物へ電気を供給するための生成部を用意することを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本発明の一実施形態であるエネルギーステーション10を例示する。このエネルギーステーション10は、筐体13を有する生成部12と、筐体15を有する分離した供給部14とを備えている。エネルギーステーション10は、車両用の燃料(例えば、改質物又は水素ガス)を生成し、家や建物のための電気を生成し、家や建物で用いる水や空気を暖める(又は吸着式冷却装置を介して冷やす)ための熱を生成するために使用可能である。
【0011】
以下に記述するように、生成部12と供給部14とは分離して構成されており、供給部14は生成部12から離れて配置されているので、生成部と供給部とが同じ場所に配置されている場合に生じる多くの問題が克服される。例えば、本発明は生成部より小さい供給部を提供する。したがって、供給部が家や建物のガレージの近くに設置されるとき、供給部による視覚的な圧迫感がずっと小さいものとなる。生成部は、たいてい供給部より大きく、家や建物の一側部や背後のような目立たない場所に設置される。生成部は、しばしば空調装置や他の外部装置に用いられるような場所に設置される。
【0012】
また、供給部は燃料を貯蔵しないように構成される。したがって、適用される法定基準や公定基準は、供給部を家や建物のガレージ内部のような建物内に設置することを許容し得る。貯蔵ユニットは、ガレージ外部に配置される生成部に内蔵される。
【0013】
さらに、例えばベントを介してエネルギーステーションから排出される、可燃性の混合ガスを含む排気は、生成部の設置場所で排出される。生成部は、家や建物の一側部や背後のような異なる場所に設置されるので、供給部が車両と接触する場所に配置されることを認めても法定基準や公定基準が満たされる。例えば、生成部は建物の扉や窓から離れて設置されるので、水素ガスのような燃料が建物に入ることが抑制される。
【0014】
また、供給部は、例えば典型的な大人が使用できる高さのような、高い外形を有するように設計される。分離した生成部は、より低い高さや外形を有するように形成されるので、圧迫感のある構造とはならず、窓や視界を遮らない。
【0015】
図2は、生成部12を含むエネルギーステーション10全体を示す。この生成部12は、一般に、天然ガス、メタン、メタノール等の炭化水素、又は他の燃料(例えば、燃料会社から供給される)を水素リッチなガス流に変換するための、触媒部分酸化(Catalytic Partial Oxidation,CPO)による改質器や、水蒸気改質器や、自己熱改質器といった改質器20と、電気を生成するための燃料セル30と、改質物を圧縮する第1の圧縮機40(例えば、ピストン圧縮、ダイアフラム圧縮機、スクロール圧縮機、又は他の方式の圧縮機)と、不純物を除去するための洗浄用デバイス又は精製器42(例えば、圧力振動吸収器、拡散膜精製器、熱振動吸収器、電気化学的な水素ポンプ、又は他の方式の精製器)と、改質物を貯蔵する水素貯蔵部50と、家や建物を暖める(又は吸着式冷却装置を介して冷やす)ために使用される熱を燃料セルから移動するための熱交換器60と、コントローラ70とを有する。これらの種々の構成要素は、流体の搬送に適した導管により接続されている。
【0016】
コントローラ70は、インバータ35を介して家や建物への給電の流れを制御するための1又は複数の機械的なスイッチを備えると共に、自動化されてマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラを備えている。コントローラは、貯蔵部の上又は中に貯蔵部内の改質物の高さ又は量を決定するために設けられたセンサ52からの信号を受け取るように、貯蔵部に動作可能に接続されている。また、コントローラは、供給部や車両への水素ガスの供給後の、供給部への導管の内部を減圧するように、ベント54を制御する。また、コントローラは、燃料セル、改質器、圧縮機、及び熱交換器に動作可能に接続されている。コントローラはこれらの種々の構成要素やセンサに1又は複数の線、又は好適な無線を用いて接続されて、動作可能に連結されている。また、このコントローラは、「エネルギー供給ネットワーク(Energy Distribution Network)」に関する米国特許6745105号及び「水素燃料補給システム(Hydrogen Fuel Replenishment Systems)」に関する米国特許第6432283号に開示されたコントローラの特徴を適切に用いている。以下、これらの特許の全体的な主内容を引用して説明する。
【0017】
供給部14は、ユーザインタフェース又は入力/出力デバイス90と、(図1に最も良く示された)ノズル又はコネクタのようなディスペンサ95とを備えている。入力/出力デバイス90は、(図1に最も良く示された)タッチスクリーンディスプレイを備えている。1又は複数のワイヤ又はケーブルと好適なパイプが、供給部14を生成部12のコントローラ70に動作可能に接続している。
【0018】
また、燃料セル70は、貯蔵部50に貯蔵された改質物により燃料が供給され、コントローラ70によりバルブ22を介して制御される。
【0019】
図3は、本発明における燃料セル70の一実施形態を示す。燃料セル70は、改質物等の水素を含む燃料の供給、空気等の酸素の供給から電気を生成する。燃料セル70は、アノード分離板又は分離部72と、カソード分離板又は分離部74とを備えている。アノード分離板又は分離部72は、燃料の供給を受け取るアノード入口に装着されており、燃料の供給を分配するための流量チャンネル73を有する。また、カソード分離板又は分離部74は、酸素の供給を受け取るカソード入口に装着されており、酸素の供給を分配するための流量チャンネル75を有する。また、燃料セル70は、アノード分離板72とカソード分離板74とを挟んで設けられた、プロトン伝導性電気化学セルを備えている。
【0020】
プロトン伝導性電気化学セルは、アノード分離板72に隣接して配置されたアノードのガス拡散層76及びアノード電極77と、カソード分離板74に隣接して配置されたカソードガス拡散層78と及びカソード電極79と、アノード電極77とカソード電極79との間に配置されたプロトン伝導媒体80とを備えている。
【0021】
また、アノード電極は、プラチナ又はプラチナ−ルテニウム合金触媒層から構成される。プロトン伝導媒体は、NAFION(登録商標)共重合フルオロスルホン酸(perfluorosulfonic acid)高分子膜(米国のE. I. DuPont de Nemours and Co.社から提供されている)のようなプロトン交換膜(PEM)を備えている。
【0022】
燃料セルが駆動されるとき、アノード側に燃料が供給され、カソード側に酸素が供給されると共に、両電極に負荷が印加される。水素は、燃料流から多孔質の水素透過性アノード電極へ移動し、ここで水素ガスはプロトン(H+)と電子を形成する。そして、プロトンはプロトン伝導媒体を通って移動し、非多孔質の水素透過性カソード電極を通って伝導される。プロトンは酸素及び電子と結合して水を形成する。アノード側の不純物及び/又は不純物の生成物(例えば、一酸化炭素、窒素等)は、すぐにアノード出口から排出される。
【0023】
燃料セルは、1つのプロトン伝導性電気化学セルを備えるように図示されているが、当業者には認識されるように、本発明による燃料セルは、電気を生成するための複数又は多重構造のプロトン伝導性電気化学セルを備えてもよい。
【0024】
図4は、他の実施形態であるエネルギーステーション100を示す。このエネルギーステーション100は、次の点を除いて、図1のエネルギーステーション10と同様である。すなわち、コントローラ170が、生成部112ではなく供給部114に配置されて、生成部の種々の構成要素に動作可能に接続されている。かかる供給部とコントローラは、ガレージや他の建造物の内部に設置される。
【0025】
図5は、本発明のさらに別の実施形態であるエネルギーステーション200を示す。このエネルギーステーション200は、電気を生成するための燃料セルモード、又は水素を精製及び/又は圧縮するための水素ポンプモードで駆動される、電気化学セル又はスタックを備えている。電気を生成するための燃料セルと、水素を精製及び/又は圧縮するための水素ポンプといった、2つの分離したデバイスを備える場合に対して、図示した構成によれば、2つの分離したデバイスを備える場合に比べてコストや必要なスペースを削減することができる。
【0026】
エネルギーステーション200は生成部212を備えている。この生成部212は、一般に、天然ガス、メタン、メタノール等炭化水素、又は他の燃料を水素リッチなガス流に変換するための、触媒部分酸化(Catalytic Partial Oxidation,CPO)による改質器や、水蒸気改質器や、自己熱改質器といった改質器220と、燃料セル又はスタック230(後述の、水素リッチなガス流を精製するための水素ポンプや、電気を生成するための燃料セルのような)と、改質物を圧縮する圧縮機240と、精製された水素ガスや改質物を貯蔵する水素貯蔵部250と、家や建物を暖める(又は吸着式冷却装置を介して冷やす)ために使用される熱を、燃料セルから移動するための熱交換器260と、コントローラ270とを備えている。コントローラ270は、家や建物への給電の流れを制御するための、1又は複数の機械的なスイッチとインバータ35を備えると共に、自動化されてマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラを備えている。
【0027】
コントローラは、貯蔵部の上又は中に貯蔵部内の改質物や水素の高さ又は量を決定するために設けられたセンサ252からの信号を受け取るように、貯蔵部に動作可能に接続されている。また、コントローラは、供給部や車両への改質物や水素ガスの搬送後の、供給部への導管の内部を減圧するために、ベント254を制御する。コントローラ270とバルブ256は、スタック230からの圧縮された精製水素ガスや、改質器220からの改質物による貯蔵部250の充填を動作可能に制御する。さらに、コントローラ270とバルブ265とバルブ258は、貯蔵部250に貯蔵された改質物又は水素を許容して、電気を生成するためにスタック230に燃料供給するように使用される。また、コントローラは、燃料セル、改質器、圧縮機、及び熱交換器に動作可能に接続されている。
【0028】
供給部214は、ユーザインタフェース又は入力/出力デバイスと、ノズルのようなディスペンサとを備えている。入力/出力デバイスは、タッチスクリーンディスプレイを備えている。1又は複数のワイヤ又はケーブルや好適なパイプが、供給部214を生成部212のコントローラ270に動作可能に接続している。
【0029】
スタック230は、一般に、少なくとも1つの電気化学セル(例えば、図3に示したような)を備えている。この電気化学セルは、例えば改質物又は精製水素ガス等の燃料を受け取るアノード入口322と、燃料を排出するアノード出口324と、空気等の酸素を受け取るカソード入口326と、空気等の酸素や精製水素を排出するためのカソード出口328とを備えている。さらに、電気化学セルは、電気的負荷又は電位をスタック230に印加するための第1の電気コネクタ332と第2の電気コネクタ334とを備えている。
【0030】
第1のバルブ346は、カソード入口326に装着されており、スタック230への酸素を制御する。第2のバルブ348は、例えば三分岐弁であり、カソード出口328に装着されて、スタック230から排出された酸素を第1の方向へ排出するか、又は精製水素を第1の方向と異なる第2の方向へ排出する。
【0031】
コントローラ270は、第1の電気コネクタ332及び第2の電気コネクタ334に装着され、電気的負荷をスタック230へ印加して電気を生成するか、又は電位をスタック230へ印加して水素を精製する。コントローラ270は、電気的負荷をスタック230に印加するための出力端子362と364とを備えている。また、コントローラ270は、電位をスタック230に印加するための入力端子372と374とを備えている。コントローラ270は、1又は複数の機械的スイッチを備えているか、又は自動化されてマイクロプロセッサ若しくはマイクロコントローラを備えている。
【0032】
図6は、エネルギーステーション200の生成部212のうちの、精製水素の供給を生成する動作に係る構成を示す。この実施形態で、スタックは、改質物等の水素を含む入力供給から、純粋な水素を分離し、移動し、及び/又は圧縮するための水素ポンプとして動作する。
【0033】
例えば、改質物等の燃料は、アノード入口322へ供給され、アノード出口324を介して排出され、第1のバルブ346は、カソード入口326への酸素の供給を閉鎖又は阻止するように駆動され、第2のバルブ348は、精製水素を第2の方向へ導くように駆動される(例えば、図6に示すように、酸素排気を導く第1の方向は閉鎖又は阻止される)。コントローラ270の入力端子372と374は、電気コネクタ332と334を介してスタック230に電位を印加する電源に接続されている。
【0034】
水素ポンプモードの構成において、燃料は電気化学セルのアノードへ流れ、電気エネルギーは、電気化学セルの内部抵抗を超えるように電極間に印加され、処理中のガス内の水素をプロトンに分離し、プロトンを膜を通して反対側へ駆動し、精製及び/又は減圧された水素をアノード出口で復元する。水素流はそのまま、又は水の導入により加湿されてから貯蔵される。また、加湿された精製水素は、水素と同様に水の移動を許容するNAFION膜を有する電気化学セルを用いて生成される。
【0035】
図7は、エネルギーステーション200の生成部212のうちの、電気を生成する動作に係る構成を示す。この実施形態で、スタックは、電気を生成するための燃料セルとして動作する。
【0036】
例えば、燃料はアノード入口322へ供給され、アノード出口324を介して排出され、第1のバルブ346は、カソード出口326への酸素の供給を許容するように駆動され、第2のバルブ348は、酸素をカソード出口328から第1の方向、例えばベントへ排出するように駆動される。コントローラ270の出力端子362と364は、電気コネクタ332と334とを介してスタック230の全域に印加される電気的負荷に接続されている。
【0037】
燃料セルモードの構成において、改質物等の燃料は電気化学セルのアノードへ流れ、アノード上の触媒被膜が、ガスをプロトン(水素イオン)に分離する反応を促進する。中央部の電解膜は、プロトンのみが膜を電気化学セルのカソード側へ透過することを許容する。電子はこの膜を透過できず、電流を形成して外部回路を通って流れる。酸素(例えば空気中の酸素)は燃料セルのカソードへ流れ、カソード上の触媒被膜が、酸素、プロトン、電子が結合して純粋な水と熱とを生成する反応を促進する。
【0038】
本発明で使用可能な、燃料セルと水素ポンプとの好適な構成は、米国特許出願番号10/658,123に開示されている。この出願は、米国特許公開公報第20050053813号に公示されている。この公報の全体的な主内容が上述で引用して説明されている。
【0039】
図8は、他の実施形態であるエネルギーステーション400を示す。このエネルギーステーション400は、次の点を除いて、図5のエネルギーステーション200と同様である。すなわち、コントローラ470が、生成部412ではなく供給部414に配置されて、生成部の種々の構成要素に動作可能に接続されている。かかる供給部とコントローラは、ガレージや他の建造物の内部に設置される。
【0040】
図9は、他の実施形態であるエネルギーステーション500を示す。このエネルギーステーション500は、生成部512と及びこれと分離された供給部514を備えている。この実施形態では、生成部において、改質器520からの改質物が燃料セル530へ供給され、燃料セルからの改質物の排出が水素ポンプスタック等の水素ポンプにより処理され、精製器542により精製され、さらに圧縮機544により圧縮され、貯蔵部550に貯蔵される。
【0041】
図10は、他の実施形態であるエネルギーーステーション600を示す。このエネルギーステーション600は、生成部612及びこれと分離した供給部614を備えている。エネルギーステーション600は、水素を生成するが電気は生成しない。この実施形態では、生成部において、改質器620からの改質物は、圧縮機640に供給され、精製器642により精製され、さらに圧縮機644により圧縮されて、貯蔵部650に貯蔵される。
【0042】
図11は、他の実施形態であるエネルギーステーション700を示す。このエネルギーステーション700は、改質器720からの改質物が、水素ポンプスタック等の水素ポンプ740に供給される以外は、図10のエネルギーステーション600と同じである。そして、水素ポンプからの水素は、精製器742により精製され、さらに、圧縮機744により圧縮されて、貯蔵部750に貯蔵される。
【0043】
図12は、他の実施形態であるエネルギーステーション800を示す。このエネルギーステーション800は、水(例えば、水道供給から)が電解槽820に供給される以外は、図2のエネルギーステーション10と同じである。直流電源入力等の電力が電解槽に供給され、電解槽で生成された水素が精製器842に供給され、さらに、圧縮機844により圧縮されて、貯蔵部850に貯蔵される。
【0044】
図13は、他の実施形態であるエネルギーステーション900を示す。このエネルギーステーション900は、水(例えば、水道供給から)が電解槽920へ供給される以外は、図10のエネルギーステーションのものと同様に、生成部912及びこれと分離した供給部914を備えている。エネルギーステーション900は、水素を生成するが電気は生成しない。この実施形態において、生成部では、電解槽からの水素は精製器942へ供給され、さらに圧縮機944により圧縮されて、貯蔵部950に貯蔵される。
【0045】
本発明のさらなる実施形態として、貯蔵容量をシステムモジュール化するようにしてもよい。これは、燃料在庫の貯蔵(fuel inventory storage)を分離したエンクロージャーに置くか、或いは生成部内のエンクロージャーでモジュール化することによって実現される。貯蔵容量をモジュール化することにより、エネルギーステーションの使用者は、家族や仕事の必要に応じて、異なる量の水素貯蔵容量を選択することができる。例えば、使用者は、2台の車両を所有する場合には、標準の2倍の燃料貯蔵容量を選択できる。或いは、使用者は、大家族を有する場合には、使用量のピーク期間の電力より大きな電力を生成可能なように、より大きな貯蔵容量を選択できる。或いは、使用者は、送電網が特に信頼性の低い地域に住んでいる場合には、送電網の停電時に大きな在庫燃料を確実に使用可能とするために、通常の貯蔵容量の5倍ないし10倍の貯蔵容量を選択することができる。
【0046】
燃料セル又はスタック、更には供給部からの水素供給を制御するために、図では単一のコントローラが示されているが、2又はそれ以上のコントローラで、エネルギーステーションの2又はそれ以上の異なる状態を制御するようにしてもよい。例えば、1つのコントローラで、燃料セル又はスタックを制御し、他のコントローラで、車両への水素供給を制御するものとする。
【0047】
また、上述から、プロトン伝導媒体は、無水固体(すなわち、水を有しない)プロトン伝導媒体を含む。例えば、無機物基材やセラミックス基材(inorganic and ceramic based stations)のような固相導電体、ペロブスカイト構造セラミックスや、リン酸二水素セシウム(CsH2PO4)のような固体酸や、その他好適な無水固体プロトン伝導媒体が挙げられる。さらに、プロトン伝導媒体として、ポリベンゾイミダゾール(polybenzimidazole,PBI)高分子膜、ポリエーテルケトン(polyetheretherketones,PEEK)、スルホン化ポリスルホン(sulfonated polysulfones)膜、ポリイミド、炭化水素膜、3−フルオロ−スチレンスルホン酸(polytrifluoro-styrenesulfonic acid)、共重合フルオロスルホン酸(perfluorosulfonic acid)膜の変形物、又は何らかの強酸を含む他の高分子又は非高分子プロトン伝導体が挙げられる。
【0048】
本発明の様々な実施形態が記述されているが、当業者には認識されるように、本発明の趣旨や範囲から離れずに、さらに多くの変更と修正が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は、本発明の一実施形態であるエネルギーステーションの外観図である。
【図2】図2は、図1のエネルギーステーションのブロック図である。
【図3】図3は、図1及び2のエネルギーステーションの燃料セルにおける電気化学セルの一実施形態の断面図である。
【図4】図4は、本発明の他の実施形態であるエネルギーステーションのブロック図である。
【図5】図5は、本発明の他の実施形態であるエネルギーステーションのブロック図である。
【図6】図6は、図5のエネルギーステーションの水素生成に関する説明図である。
【図7】図7は、図5のエネルギーステーションの電気生成に関する説明図である。
【図8】図8は、本発明の他の実施形態であるエネルギーステーションのブロック図である。
【図9】図9は、本発明の他の実施形態であるエネルギーステーションのブロック図である。
【図10】図10は、本発明の他の実施形態であるエネルギーステーションのブロック図である。
【図11】図11は、本発明の他の実施形態であるエネルギーステーションのブロック図である。
【図12】図12は、本発明の他の実施形態であるエネルギーステーションのブロック図である。
【図13】図13は、本発明の他の実施形態であるエネルギーステーションのブロック図である。
【符号の説明】
【0050】
10…エネルギーステーション、12…生成部、13…筐体、14…分離した供給部、15…筐体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料流から改質物を生成する改質器、及び該改質物を貯蔵する貯蔵部を有する筐体で構成される生成部と、
前記生成部からの改質物を供給するための筐体で構成される供給部とを備え、
前記生成部は第1の場所に配置され、前記供給部は該第1の場所から離れた第2の場所に配置されることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項2】
請求項1記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部の筐体は第1の高さを有し、前記供給部の筐体は、該第1の高さよりも大きい第2の高さを有することを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項3】
請求項1記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部は、圧縮された改質物を前記貯蔵部に供給するための、圧縮機と水素ポンプのうち少なくとも1つをさらに備えることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項4】
請求項1記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部は、改質物を圧縮するための第1の圧縮機と水素ポンプのうち少なくとも1つ、該圧縮機からの改質物を精製する精製器、及び圧縮された精製改質物を前記貯蔵部に供給する高圧圧縮機をさらに備えることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項5】
請求項1記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部と前記供給部のうち少なくとも1つは、該生成部と該供給部を制御するコントローラをさらに備えることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項6】
請求項1記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部は、車両に改質物を供給した後に前記供給部からの改質物を逃がすためのベントをさらに備えることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項7】
請求項1記載のエネルギーステーションにおいて、
前記供給部は、改質物を車両に供給するためのノズルを備えることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項8】
請求項1記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部は、建物へ熱を供給するための熱交換器をさらに備えることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項9】
請求項1記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部は、改質物から電気を生成するための燃料セルをさらに備えることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項10】
請求項9記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部は、前記貯蔵部に貯蔵された改質物を前記燃料セルに供給するためのバルブをさらに備えることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項11】
請求項9記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部と前記供給部のうち少なくとも1つは、前記改質器、前記燃料セル及び該供給部を制御するコントローラをさらに備えることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項12】
請求項9記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部は、前記燃料セルから建物へ電気を供給するためのインバータをさらに備えることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項13】
建物のためのエネルギーステーションであって、
燃料流から改質物を生成する改質器、該改質物を圧縮するための第1の圧縮機と水素ポンプのうち少なくとも1つ、該圧縮機からの改質物を精製する精製器、該精製器からの精製改質物を圧縮する高圧圧縮機、該高圧圧縮機からの改質物を貯蔵する貯蔵部、建物へ熱を供給するための熱交換器、改質物と精製改質物のうち少なくとも1つから電気を生成するための燃料セル、及び該燃料セルから建物へ電気を供給するためのインバータを有する筐体で構成される生成部と、
前記生成部からの前記改質物と精製改質物のうち少なくとも1つを供給するための筐体とノズルで構成される供給部とを備え、
前記生成部と前記供給部のうち少なくとも1つは、該生成部と該供給部を制御するコントローラをさらに備え、
前記生成部は第1の場所に配置され、前記供給部は該第1の場所から離れた第2の場所に配置されることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項14】
請求項13記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部の筐体は第1の高さを有し、前記供給部の筐体は、該第1の高さよりも大きい第2の高さを有することを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項15】
建物のためのエネルギーステーションであって、
燃料流から改質物を生成する改質器、電気を生成すると共に改質物を精製するための電気化学セル、及び該電気化学セルからの精製改質物を貯蔵する貯蔵部とを有する筐体で構成される生成部と、
生成部からの改質物と精製改質物のうち少なくとも1つを供給するための筐体で構成される供給部と、
前記電気化学セルが電気を生成するための燃料セルとして動作するように、建物から該電気化学セルへの電気的負荷を制御すると共に、該電気化学セルが改質器からの改質物を精製するための水素ポンプとして動作するように、該電気化学セルへの電位を制御するコントローラとを備え、
前記生成部は第1の場所に配置され、前記供給部は該第1の場所から離れた第2の場所に配置されることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項16】
請求項15記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部の筐体は第1の高さを有し、前記供給部の筐体は、該第1の高さよりも大きい第2の高さを有することを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項17】
請求項15記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部は、圧縮された精製改質物を前記貯蔵部に供給するための圧縮機をさらに備えることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項18】
請求項15記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部は、改質物を圧縮する第1の圧縮機と、該圧縮機からの改質物を精製する精製器と、圧縮された精製改質物を前記貯蔵部に供給するための高圧圧縮機とをさらに備えることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項19】
請求項15記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部は、車両に改質物を供給した後に前記供給部からの改質物を逃がすためのベントをさらに備えることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項20】
請求項15記載のエネルギーステーションにおいて、
前記供給部は、改質物を車両に供給するためのノズルを備えることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項21】
請求項15記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部は、建物へ熱を供給するための熱交換器をさらに備えることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項22】
請求項15記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部は、前記貯蔵部に貯蔵された改質物と精製改質物のうち少なくとも1つを前記電気化学セルに供給するためのバルブをさらに備えることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項23】
請求項15記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部は、前記電気化学セルから建物へ電気を供給するためのインバータをさらに備えることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項24】
車両のための水素を生成する方法であって、
水素を生成する生成部と水素を供給する供給部とを有する請求項1記載のエネルギーステーションを用意すること、
前記生成部を建物外で第1の場所に配置すること、
車両と関わる前記供給部を前記第1の場所から離れた第2の場所に配置することを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項24記載の方法において、
前記第1の場所は建物の一側部又は背後にあることを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項24記載の方法において、
前記第2の場所は屋内であることを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項24記載の方法において、
前記生成部から建物へ熱を供給することをさらに備える方法。
【請求項28】
車両のための改質物と水素のうち少なくとも1つと、建物のためのエネルギーとを生成する方法であって、
水素及び電気を生成する生成部と水素を供給する供給部とを有する、請求項13記載のエネルギーステーションを用意すること、
前記生成部を建物外で第1の場所に配置すること、
車両と関わる前記供給部を前記第1の場所から離れた第2の場所に配置することを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項28記載の方法において、
前記第1の場所は建物の一側部又は背後にあることを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項28記載の方法において、
前記第2の場所は屋内にあることを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項28記載の方法において、
前記生成部から建物へ熱を供給することをさらに備える方法。
【請求項32】
車両のための改質物と水素のうち少なくとも1つと、建物のためのエネルギーを生成する方法であって、
水素及び電気を生成する生成部と水素を供給する供給部とを有する、請求項15記載のエネルギーステーションを用意すること、
前記生成部を建物外で第1の場所に配置すること、
車両に関わる前記供給部を前記第1の場所と離れた第2の場所に配置することを特徴とする方法。
【請求項33】
請求項32記載の方法において、
前記第1の場所は建物の一側部又は背後にあることを特徴とする方法。
【請求項34】
請求項32記載の方法において、
前記第2の場所は屋内にあることを特徴とする方法。
【請求項35】
請求項32記載の方法において、
前記生成部から建物へ熱を供給することをさらに備える方法。
【請求項1】
燃料流から改質物を生成する改質器、及び該改質物を貯蔵する貯蔵部を有する筐体で構成される生成部と、
前記生成部からの改質物を供給するための筐体で構成される供給部とを備え、
前記生成部は第1の場所に配置され、前記供給部は該第1の場所から離れた第2の場所に配置されることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項2】
請求項1記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部の筐体は第1の高さを有し、前記供給部の筐体は、該第1の高さよりも大きい第2の高さを有することを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項3】
請求項1記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部は、圧縮された改質物を前記貯蔵部に供給するための、圧縮機と水素ポンプのうち少なくとも1つをさらに備えることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項4】
請求項1記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部は、改質物を圧縮するための第1の圧縮機と水素ポンプのうち少なくとも1つ、該圧縮機からの改質物を精製する精製器、及び圧縮された精製改質物を前記貯蔵部に供給する高圧圧縮機をさらに備えることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項5】
請求項1記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部と前記供給部のうち少なくとも1つは、該生成部と該供給部を制御するコントローラをさらに備えることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項6】
請求項1記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部は、車両に改質物を供給した後に前記供給部からの改質物を逃がすためのベントをさらに備えることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項7】
請求項1記載のエネルギーステーションにおいて、
前記供給部は、改質物を車両に供給するためのノズルを備えることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項8】
請求項1記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部は、建物へ熱を供給するための熱交換器をさらに備えることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項9】
請求項1記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部は、改質物から電気を生成するための燃料セルをさらに備えることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項10】
請求項9記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部は、前記貯蔵部に貯蔵された改質物を前記燃料セルに供給するためのバルブをさらに備えることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項11】
請求項9記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部と前記供給部のうち少なくとも1つは、前記改質器、前記燃料セル及び該供給部を制御するコントローラをさらに備えることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項12】
請求項9記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部は、前記燃料セルから建物へ電気を供給するためのインバータをさらに備えることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項13】
建物のためのエネルギーステーションであって、
燃料流から改質物を生成する改質器、該改質物を圧縮するための第1の圧縮機と水素ポンプのうち少なくとも1つ、該圧縮機からの改質物を精製する精製器、該精製器からの精製改質物を圧縮する高圧圧縮機、該高圧圧縮機からの改質物を貯蔵する貯蔵部、建物へ熱を供給するための熱交換器、改質物と精製改質物のうち少なくとも1つから電気を生成するための燃料セル、及び該燃料セルから建物へ電気を供給するためのインバータを有する筐体で構成される生成部と、
前記生成部からの前記改質物と精製改質物のうち少なくとも1つを供給するための筐体とノズルで構成される供給部とを備え、
前記生成部と前記供給部のうち少なくとも1つは、該生成部と該供給部を制御するコントローラをさらに備え、
前記生成部は第1の場所に配置され、前記供給部は該第1の場所から離れた第2の場所に配置されることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項14】
請求項13記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部の筐体は第1の高さを有し、前記供給部の筐体は、該第1の高さよりも大きい第2の高さを有することを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項15】
建物のためのエネルギーステーションであって、
燃料流から改質物を生成する改質器、電気を生成すると共に改質物を精製するための電気化学セル、及び該電気化学セルからの精製改質物を貯蔵する貯蔵部とを有する筐体で構成される生成部と、
生成部からの改質物と精製改質物のうち少なくとも1つを供給するための筐体で構成される供給部と、
前記電気化学セルが電気を生成するための燃料セルとして動作するように、建物から該電気化学セルへの電気的負荷を制御すると共に、該電気化学セルが改質器からの改質物を精製するための水素ポンプとして動作するように、該電気化学セルへの電位を制御するコントローラとを備え、
前記生成部は第1の場所に配置され、前記供給部は該第1の場所から離れた第2の場所に配置されることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項16】
請求項15記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部の筐体は第1の高さを有し、前記供給部の筐体は、該第1の高さよりも大きい第2の高さを有することを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項17】
請求項15記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部は、圧縮された精製改質物を前記貯蔵部に供給するための圧縮機をさらに備えることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項18】
請求項15記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部は、改質物を圧縮する第1の圧縮機と、該圧縮機からの改質物を精製する精製器と、圧縮された精製改質物を前記貯蔵部に供給するための高圧圧縮機とをさらに備えることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項19】
請求項15記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部は、車両に改質物を供給した後に前記供給部からの改質物を逃がすためのベントをさらに備えることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項20】
請求項15記載のエネルギーステーションにおいて、
前記供給部は、改質物を車両に供給するためのノズルを備えることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項21】
請求項15記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部は、建物へ熱を供給するための熱交換器をさらに備えることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項22】
請求項15記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部は、前記貯蔵部に貯蔵された改質物と精製改質物のうち少なくとも1つを前記電気化学セルに供給するためのバルブをさらに備えることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項23】
請求項15記載のエネルギーステーションにおいて、
前記生成部は、前記電気化学セルから建物へ電気を供給するためのインバータをさらに備えることを特徴とするエネルギーステーション。
【請求項24】
車両のための水素を生成する方法であって、
水素を生成する生成部と水素を供給する供給部とを有する請求項1記載のエネルギーステーションを用意すること、
前記生成部を建物外で第1の場所に配置すること、
車両と関わる前記供給部を前記第1の場所から離れた第2の場所に配置することを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項24記載の方法において、
前記第1の場所は建物の一側部又は背後にあることを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項24記載の方法において、
前記第2の場所は屋内であることを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項24記載の方法において、
前記生成部から建物へ熱を供給することをさらに備える方法。
【請求項28】
車両のための改質物と水素のうち少なくとも1つと、建物のためのエネルギーとを生成する方法であって、
水素及び電気を生成する生成部と水素を供給する供給部とを有する、請求項13記載のエネルギーステーションを用意すること、
前記生成部を建物外で第1の場所に配置すること、
車両と関わる前記供給部を前記第1の場所から離れた第2の場所に配置することを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項28記載の方法において、
前記第1の場所は建物の一側部又は背後にあることを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項28記載の方法において、
前記第2の場所は屋内にあることを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項28記載の方法において、
前記生成部から建物へ熱を供給することをさらに備える方法。
【請求項32】
車両のための改質物と水素のうち少なくとも1つと、建物のためのエネルギーを生成する方法であって、
水素及び電気を生成する生成部と水素を供給する供給部とを有する、請求項15記載のエネルギーステーションを用意すること、
前記生成部を建物外で第1の場所に配置すること、
車両に関わる前記供給部を前記第1の場所と離れた第2の場所に配置することを特徴とする方法。
【請求項33】
請求項32記載の方法において、
前記第1の場所は建物の一側部又は背後にあることを特徴とする方法。
【請求項34】
請求項32記載の方法において、
前記第2の場所は屋内にあることを特徴とする方法。
【請求項35】
請求項32記載の方法において、
前記生成部から建物へ熱を供給することをさらに備える方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−126351(P2007−126351A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−222619(P2006−222619)
【出願日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−222619(P2006−222619)
【出願日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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