説明

エピタキシャルに配向された厚膜を調製するための調製システムおよび方法

開示される内容は、エピタキシャルに配向された結晶性厚膜を生成するための、薄膜のレーザー結晶化の利用に関する。1つ以上の実施形態において、厚い結晶性膜を調製する方法は、結晶化のための膜を基板上に提供する工程であって、前記基板の少なくとも一部はレーザー照射に対して実質的に透過性であり、前記膜は、支配的な表面結晶配向性を有するシード層と、前記シード層の上方に配置された最上層とを含む、工程と、パルス状レーザーを用いて前記膜を前記基板の後側から照射して、前記最上層の第2の部位が固形のままの状態で、前記最上層の第1の部位を前記シード層との界面において溶融させる工程と、前記最上層の前記第1の部位を再度固化させて、前記シード層とエピタキシャルな結晶性レーザーを形成して、これにより、熱を解放して前記最上層の隣接部位を溶融する工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許法119条(e)項の下で以下の出願における権利を主張し、各出願の内容の全ては、参照することにより本明細書に組み込まれる:。2007年11月21日に出願された、「Methods and Systems for Backside Laser Induced Epitaxial Growth of Thick Film」という名称の米国仮出願第60/989,729号、2007年12月7日に出願された「Methods and Systems for Backside Laser Induced Epitaxial Growth of Thick Film」という名称の米国仮出願第61/012,229号。
【0002】
本明細書中で引用される全ての特許、特許出願および特許公開文献は、その全てを参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0003】
本出願は、本出願と同日付けで出願された、「Systems and Methods for Preparing Epitaxially Textured Polycrystalline Films」という名称の同一所有者による出願および同時係属中の出願に関連する。同文献の全内容は、参照することにより組み込まれる。
【背景技術】
【0004】
本明細書中記載される内容は、エピタキシャルに成長した配向厚膜の調製調製のためのシステムおよび方法に関する。
【0005】
厚膜は、太陽電池における用途において、特に有用である。なぜならば、より厚みが大きな膜の方がより多くの光子を吸収でき、これにより、より多くの電気を生成することができるからである。太陽電池または光電池は、光エネルギーを電気エネルギーに変換するデバイスである。太陽電池または光電池は、光吸収物質が光に晒された際に、前記物質中に電気を発生させる。光エネルギーが太陽電池に衝突すると、光起電力効果により電気が生成される。
【0006】
光吸収物質は典型的には半導体材料である。現在、太陽電池および一般的材料において用いられるいくつかの異なる半導体材料として、シリコンがある。(例えば、入射光から最大量のエネルギーを捕獲するための)シリコンの最も高効率の形態として、単結晶シリコンがある。しかし、単結晶シリコンウェハは、高コストである。多くの光起電における用途において用いられるシリコンは、比較的厚みのある多結晶またはアモルファスシリコンの膜である。例えば、厚さが約1μm〜20μmの膜を用いることができる。製造コストを低減するために、多結晶シリコンまたはアモルファスシリコンを用いることができる。しかし、その結果得られる電池は、単結晶シリコンを用いた電池ほど高効率ではない。
【0007】
シリコン薄膜は、例えばシランガスおよび水素ガスから化学蒸着(CVD)(例えば、プラズマ化学気相成長法(PE−CVD))を通じて調製することができる。蒸着パラメータに応じて、その結果、アモルファスシリコン(a−Si)または多結晶シリコン(ポリSi)を得ることができる。これらの材料から調製された太陽電池は、バルクシリコンよりもエネルギー変換効率が低い傾向があるが、製造コストがより低く、大型表面上に生産することが可能である。
【発明の概要】
【0008】
開示される内容は、エピタキシャルに配向された結晶性厚膜を生成するための、薄膜のレーザー結晶化の利用に関する。
【0009】
1つ以上の実施形態において、厚い結晶性膜を調製調製する方法は、結晶化のための膜を基板上に提供する工程を含む。前記工程において、前記基板の少なくとも一部は、レーザー照射に対して実質的に透過性であり、前記膜は、支配的な表面結晶配向性を有するシード層と、前記シード層の上方に配置された最上層とを含む。前記方法は、パルス状レーザーを用いて前記基板の後側から前記膜を照射して、前記最上層の第2の部位が固形のままの状態で、前記シード層との界面において前記最上層の第1の部位を溶融させる工程と、前記最上層の前記第1の部位を再度固化させて、前記シード層とエピタキシャルな結晶性レーザーを形成して、これにより、熱を解放して前記最上層の隣接部位を溶融する工程とを含む。
【0010】
1つ以上の実施形態において、前記シード層は、多結晶シリコンを含む。
【0011】
1つ以上の実施形態において、前記最上層はアモルファスシリコンを含む。
【0012】
1つ以上の実施形態において、前記最上層は、支配的な表面結晶配向性の{111}配向を有する。
【0013】
1つ以上の実施形態において、前記最上層は、{100}配向の支配的な表面結晶配向性を有する。
【0014】
1つ以上の実施形態において、前記最上層の厚さは、前記シード層よりも厚い。
【0015】
1つ以上の実施形態において、前記シード層は、ゾーン溶融再結晶化(ZMR)、固相再結晶化、化学蒸着(CVD)、スパッタリング、蒸発、表面エネルギー駆動型二次結晶粒成長(SEDSGG)、位相混合固化およびパルス状レーザー結晶化方法からなる群から選択された技術を用いて、堆積される。
【0016】
1つ以上の実施形態において、前記方法は、パルス状照射を用いて前記シード層を後側から照射して、前記シード層の厚さを通じて前記シード層の配向を増加させる工程を含む。
【0017】
1つ以上の実施形態において、前記最上層は、低圧化学蒸着(CVD)、プラズマCVD、物理的蒸着技術およびスパッタ蒸着からなる群から選択された方法を用いて堆積される。
【0018】
1つ以上の実施形態において、前記膜は、金属材料および半導体材料からなる群から選択された材料を含む。
【0019】
1つ以上の実施形態において、前記最上層の厚さは、1μm〜約20μmの範囲である。
【0020】
1つ以上の実施形態において、前記シード層の厚さは、50nm〜約1μmの範囲である。
【0021】
1つ以上の実施形態において、前記膜を照射する工程は、連続波またはエキシマーレーザーで照射する工程を含む。
【0022】
1つ以上の実施形態において、前記方法は、前記膜を前記膜の上側表面から加熱する工程を含む。
【0023】
1つ以上の実施形態において、加熱は、膜の前側からの共放射線照射を含む。
【0024】
1つ以上の実施形態において、加熱は、加熱された表面との接触を含む。
【0025】
1つ以上の実施形態において、前記照射は、最上層全体を溶融させる。
【0026】
1つ以上の実施形態において、厚い結晶性膜を調製調製する方法は、結晶化のための膜を基板上に提供する工程であって、前記基板の少なくとも一部は、レーザー照射に対して透過性であり、前記膜は、支配的な表面結晶配向性を有するシード層と、前記シード層の上方に配置された最上層と、前記シード層の下側に配置された金属層とを含む、工程と、パルス状レーザーを用いて前記金属によって吸収可能な波長において前記膜を照射して前記金属層を加熱する工程であって、前記熱は前記最上層へと伝達されて、前記最上層の第2の部位が固形のままの状態で、前記最上層の第1の部位を前記シード層との界面において溶融させる、工程と、前記最上層の前記第1の部位を再度固化させて、前記シード層とエピタキシャルな結晶性層を形成して、これにより熱を解放して、前記最上層の隣接部位を溶融させる工程とを含む。
【0027】
1つ以上の実施形態において、前記照射工程は、前記膜の前側を通って方向付けられる。
【0028】
1つ以上の実施形態において、前記光の一部は、前記膜によって吸収される。
【0029】
1つ以上の実施形態において、前記照射工程は、前記膜の後側を通って方向付けられる。
【0030】
1つ以上の実施形態において、前記方法は、前記シード層と前記金属膜との間に緩衝層を設ける工程を含む。
【0031】
1つ以上の実施形態において、太陽電池を製調製する方法は、結晶化のための膜を基板上に提供することにより結晶性シリコン層を調製する工程であって、前記基板の少なくとも一部は、レーザー照射に対して透過性であり、前記膜は、表面配向を有する結晶粒を含むシード層と、前記低欠陥密度シード層の上方に配置された最上層とを含み、前記最上層の厚さは、前記シード層よりも大きくい、工程と、パルス状レーザーを用いて前記膜を前記基板の後側から照射して、前記低欠陥層の一部を前記シード層との界面において溶融させる工程であって、結晶は前記シード層からエピタキシャルに成長する、工程と、2つの電極の間に前記多結晶シリコン層を配置する工程とを含む。
【0032】
1つ以上の実施形態において、前記最上層の厚さは、前記シード層よりも大きい。
【0033】
1つ以上の実施形態において、厚い結晶性膜を調製するためのシステムは、基板であって、前記基板の少なくとも一部は、レーザー照射に対して透過性であり、前記膜は、前記基板上に配置された結晶化のための膜を含み、前記膜は、表面配向を有する結晶粒を含むシード層と、前記シード層の上方に配置された最上層とを含む、基板と、パルス状レーザーを用いて前記膜を前記基板の後側から照射して、前記最上層の第2の部位が固形のままの状態で、前記シード層との界面において前記最上層の第1の部位を溶融させる手段と、前記最上層の前記第1の部位を再度固化させて、結晶性材料の第1の部位を成長させて前記シード層上にエピタキシャル層を形成し、これにより前記最上層の隣接部位を溶融させるのに十分な熱を解放させる手段とを含む。
【0034】
1つ以上の実施形態において、前記最上層の厚さは、前記シード層よりも大きい。
【0035】
本明細書中で記載される実施形態において、上述および他の特徴は、添付図面中に示されるような、以下のより詳細な説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は、本明細書中記載される1つ以上の実施形態によるレーザー照射方法を模式的に示す。
【図2】図2は、本明細書中記載される1つ以上の実施形態による後側照射プロセスの模式図である。
【図3】図3は、本明細書中記載される1つ以上の実施形態による、基板とシード層との間に金属膜が設けられた厚膜の断面である。
【図4】図4aは、本明細書中記載される1つ以上の実施形態による、基板とシード層との間に金属膜が設けられた厚膜の前側照射プロセスの模式図である。図4bは、本明細書中記載される1つ以上の実施形態による、基板とシード層との間に金属膜が設けられた厚膜の前側照射プロセスの模式図である。図4cは、本明細書中記載される1つ以上の実施形態による、基板とシード層との間に金属膜が設けられた厚膜の前側照射プロセスの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
従来から、薄膜のエピタキシャル成長は、シード層の格子配向性高品質再現を保証するために、高温において行われる化学蒸着(CVD)プロセスを用いて行われている。しかし、このようなプロセスの場合、高温に耐えることが可能な基板を用いることが必要となる。太陽電池の場合のように基板の透明度も必要または所望される場合、当該基板を石英または特殊な高温ガラスで調製する必要が出てくる。これらの基板は高コストであり得、また、大型のものは入手不可能である場合がある。加えて、CVDを介したエピタキシーの場合、蒸着速度が極めて遅いことが多い。
【0038】
以前から、エピタキシャル膜の調製は、薄い結晶性シード層(c−Si)上に厚い欠陥層(本明細書中「最上層」とも呼ぶ)(例えば、アモルファスシリコン(a−Si)層または多結晶シリコン膜(p−Si))を堆積する工程と、前記a−Si層を溶融させて、溶融媒介エピタキシーを用いて前記結晶性シード層からエピタキシャルに成長した層を提供する工程とにより、行われている。前記シリコン層をエピタキシャルに成長させるために、前側(すなわち、膜の非基板側)から前記膜を照射して、下層のc−Si層を実質的に溶融させること無く前記Si層を完全に溶融させる。よって、前記結晶性層は、前記シード層と前記溶融物との間の液固界面の界面から成長する。しかし、このプロセスを制御するのは困難な場合がある。a−Si層の所望の厚さは典型的にはシード層の厚さよりも大きいことが多いため、前記蒸着されたa−Si層のみを溶融させるのは困難である。この困難の原因は、照射プロセスにおける不均一性(パルス毎のエネルギー変動を含む)であり得る。シード層がa−Si層に沿って望ましくない様態で溶融すること自体を回避するためには、かなりの注意が必要となる。さらに、前記溶融および成長プロセスは、複数回行う必要がある場合がある。典型的には、a−Si層の厚さは、20nm〜80nm以上の範囲(例えば、500nm)であり得る。これらの膜は熱伝導性である結晶性Siシード層上に堆積されるため、前記膜を完全に溶融させるためには、伝導性がより低い基板(例えば、二酸化シリコン)上に堆積させる場合よりも、放射においてより高いエネルギー密度が必要となり得る。このように、前記欠陥膜を完全に溶融させるための十分な熱を蓄積するために高エネルギー密度が必要になると、(例えば蒸発または凝集を通じて)表面の損傷に繋がり得る。その結果、損傷を誘発させること無く完全溶融させることが可能な欠陥層の最大厚さが限定される。これは、光子吸収層が十分な厚さになるまでに複数回の蒸着および放射が必要な別の理由である。薄膜の太陽電池は典型的には、約1μm〜約20μm以上のオーダーのシリコン層を持ち得る。そのため、所望の厚さを得るためには、a−Si蒸着および液相エピタキシャル成長を多数回繰り返す必要がある。このプロセスは、時間がかかり、高コストでありかつ低効率である。
【0039】
本明細書中記載されるようなレーザー照射エピタキシャルプロセスは、高品質のエピタキシーを提供し、低温基板(例えば、低温ガラス)と適合する。前記方法は、前記膜中に限られた程度の溶融を誘発する工程と、爆発結晶化として知られる自立プロセスをトリガする工程とを含む。爆発結晶化は、アモルファス材料と結晶性材料との間の溶融温度の差に起因して発生し得る。アモルファスシリコンは結晶性シリコン(Ta-Si<Tc-Si)よりも溶融温度が低いため、シード結晶性層の溶融の抑制およびアモルファスシリコン層の好ましい溶融の促進において有用である。さらに、アモルファスシリコンは準安定状態にあり、より高い自由エネルギーを有する。(溶融照射後に結晶化を行った結果)準安定材料(例えば、アモルファスシリコン)をより安定した材料(例えば、結晶性シリコン)に変換すると、エネルギーが純減し、そのため、結晶化時に潜在エネルギーが解放される。結晶化プロセスにおいて、これは、熱に変わり得る。アモルファス材料の結晶化を行うとエネルギー解放が発生するため、この解放されたエネルギーを用いて、隣接アモルファス領域の溶融およびさらなる結晶化の発生が可能となる。多くの場合、前記結晶化プロセスは自立型であり得、前記結晶化プロセスを開始するだけで、アモルファス体全体において結晶化が発生する。
【0040】
前記方法の態様について、図1を参照して説明する。説明を分かり易くするため、前記方法について、シリコン膜と関連して説明する。しかし、前記方法は他の材料にも適用可能であることが明らかである。例えば、前記膜は、金属合金または半導体膜であってもよい。金属合金としては、ニッケルチタンがある。半導体膜としては、従来の半導体材料(例えば、シリコン、ゲルマニウム、およびシリコンゲルマニウム)がある。いくつかの実施形態において、前記欠陥材料はa−Siである。
【0041】
第1の工程は、基板上にシード層を提供する工程(図1中の105)を含む。この例において、105は、図1のフローチャート中のブロックのラベルを指す。前記シード層は、所望の結晶配向性を有する。
【0042】
低欠陥密度シード層からは良好な基板が得られ、このような良好な基板から、低欠陥密度(エピタキシャル)厚膜がエピタキシャルに成長する。そのため、大粒の結晶学的に方向付けられたSi膜を低欠陥密度と共に生成することができる。低欠陥密度膜は、粒界数が低く、粒子内欠陥が少ない(例えば、欠陥数が109個/μm2よりもずっと低い)点において、特徴付けられる。前記シード層は、比較的肉薄(例えば、約50〜1,000nmまたは約100〜200nm)でよい。
【0043】
前駆体配向膜を入手するための従来の方法(前駆体配向膜をその後処理して、大型結晶粒膜を形成することができる)を挙げると、ゾーン溶融再結晶化(ZMR)、固相結晶化、直接的蒸着技術(CVD、スパッタリング、蒸発)、表面エネルギー駆動型二次結晶粒成長(SEDSGG)、およびパルス状レーザー結晶化(多パルスELA)方法がある。放射熱源を用いたゾーン溶融照射の場合、以下の文献に記載されているような{100}表面配向性を有するシリコン膜を生成することができる(M.W.Geisら、「Zone−Melting recrystallization of Si films with a moveable−strip−heater oven」、J.Electro−Chem.Soc.129、2812(1982))。他の(100)配向膜を生成する方法を挙げると、CVDおよび低圧CVDがある(例えば、J.Electrochem.Soc.Vol.134、NO.134、pp.2541−2545(1987年10月);J.Appl.Phys.、Vol.73、No.12、pp.8402〜8411(1993年6月)、およびJ.Matl.Sci.Lett.、Vol.7、pp.247〜250(1988)を参照)またはアルミニウム誘起結晶化(例えば、O.Nast、Appl.Phys.Lett.73、No22、pp.3214〜6(1998年11月)を参照)。他の配向誘起方法を同様に用いて前記配向前駆体を生成することも可能であることが予測される。
【0044】
配向膜をシード層として用いられる、粒界数が少ない(例えば大型結晶粒および低欠陥密度の)配向膜の形成については、James Imによる、2004年11月18日に出願された「System and Methods for Creating Crystallographic Controlled Orientation Controlled PolySilicon Films」という名称の米国出願シリアル番号第10/994,205号(本明細書中、同文献の内容の全ては、参照することにより組み込まれる)中に以前から記載されている。このプロセスにおいて、膜を前処理して前記膜内に所望の配向を導入した後、順次横方向固化(SLS)レーザー照射を用いて結晶化させ、向上した粒成長を形成する。この向上した粒成長は、1981年11月18日に出願された「Method and Tool for Generating Countersunk Holes in Composite Materials」という名称のSLS.米国特許第6,322,625号、2000年3月16日に出願された「Method and System for Providing a Continuous Motion Sequential Lateral Solidification」という名称の米国特許第6,368,945号、1999年9月3日に出願された「Methods for Producing Uniform Large−Grained and Grain Boundary Location Manipulated Polycrystalline Thin Film Semiconductors Using Sequential Lateral Solidification」という名称の米国特許第6,555,449号、1999年9月3日に出願された「Systems and Methods Using Sequential Lateral Solidification for Producing Single or Polycrystalline Silicon Thin Filmsat Low Temperatures」という名称の米国特許第6,573,531号、および2008年11月5日に出願された「Flash Light Annealing for Thin Films」という名称の、James Im博士に発行された米国仮特許出願第61/111,518号において典型的である。本明細書中、同文献の開示内容の全ては、参考することで組み込まれ、これらの文献は、本出願の共同譲受人に譲渡されている。これらの文献において、このようなSLSシステムおよびプロセスが記載されている。1つ以上の実施形態において、前記膜を前処理するプロセスは位相混合固化(MPS)プロセスである。これは、結晶性構造中の結晶粒内欠陥密度が極めて低くなるプロセスである。
【0045】
所望の結晶粒内欠陥密度および粒界密度を有するシード層を得た後、アモルファスまたは他の低欠陥結晶性膜を前記シード層上に堆積させる(図1中の110)。この例において、110は、図1のフローチャート中のブロックのラベルを指す。この膜は、従来の方法(例えば、低圧CVD、プラズマCVD、物理的蒸着技術(例えば、スパッタ蒸着)などを用いて堆積される。
【0046】
前記アモルファス層は、前記シード層よりも何倍も肉厚であり得、かつ、例えば約1μm〜約20μmの厚さまたは約2〜6μmの厚さまたは10〜20μmもの厚さであり得る。前記アモルファス層は、最終生産物(例えば、ソーラーパネル)において望まれる厚さにすることができる。
【0047】
高欠陥または最上層はシード層よりも肉厚であることが多いが、高欠陥または最上層をより肉厚にする必要は無い。例えば、シード層を極めて肉厚(1μm)にし、複数工程において処理して、低欠陥密度膜を提供することができる。例えば、1μmの欠陥シリコン層(すなわち、最上層)をシード層上に堆積させた後に後側照射を行って、前記膜中にエピタキシーを誘発させることができる。
【0048】
これらのシード層および最上層は、基板上で支持される。この基板は、その面積のうち少なくとも一部においてレーザーエネルギーに対して透過性である。「レーザーエネルギーに対して透過性である」という表現は、本明細書中記載される膜処理において用いられるレーザーエネルギーが前記基板によって実質的に吸収されないことを意味する。そのため、レーザーエネルギーは前記膜によって選択的に吸収され、それと同時に前記膜の少なくとも一部が加熱され溶融する。基板を後側から照射すると、アモルファス層の溶融範囲を制御することが可能になる。シード層の結晶性材料はより高温で溶融するため、シード層を完全に溶融させること無く欠陥層の溶融を誘発するための熱をシード層を通じて送るための十分なエネルギーを蓄積することが可能となる。
【0049】
本明細書中開示される実施形態によれば、結晶性シード層の上方に堆積されたアモルファス層の初期領域を放射を介して加熱する。最上層の溶融が、aSiの残り部分は固形のままの状態で、cSiと接触しているaSiの側部から、誘発される。シード層は典型的には前記基板上で直接堆積されるかまたは成長させられるため、前記照射は典型的には、図2に示すように、基板側からかまたは膜の後側から発生することが多い。そのため、図1中110で示すように、照射は基板の後側から発生し、これにより、照射源に最も近くかつシード層に隣接する領域のみが溶融する。シード層および欠陥厚膜双方が照射されている間、欠陥層の融点はより低いため、先ず最初に欠陥層が溶融するかまたは少なくとも溶融し始めた後、過剰な量の結晶性シード層が溶融する(すなわち、シード層がほとんど完全に溶融して、不連続となる)かまたは完全溶融の直前の状態になる。前記放射は、両方の層によって、欠陥層によって支配的にまたはシード層によって支配的に吸収され得る。前記放射はc−Si膜内において(支配的に)吸収され得、これにより、aSi層は加熱されて伝導を通じて(支配的に)溶融する。アモルファス層の第1の区域が溶融し結晶性シリコンとして再形成すると、シリコンがより熱力学的に安定した結晶性形態を形成するにつれて、シリコンからの熱として放散されているエネルギーによって発熱が発生する。アモルファス材料は結晶性材料の存在下において溶融するが、液体の温度は依然として結晶性材料の融点を下回っており、前記結晶化材料はシード層からエピタキシャルに成長する。この発熱は隣接するアモルファスシリコンを溶融させるのに十分であり、その後、このアモルファスシリコンそのものは結晶性シリコンとして再結晶化し、さらなる量のエネルギーを解放する。そのため、発熱が前記材料を通じて前記基板に最も近い領域から上側表面への波として伝播する。
【0050】
一般的に、前記爆発結晶化プロセスは、急冷されるまでまたは全てのアモルファス材料が結晶性材料に変わるまで、継続する。急冷が発生すると、成長面の温度の低下および欠陥の形成が発生し、最終的に前記プロセスが停止することが知られている。急冷は、近隣の伝導性材料および/または近隣基板に起因することが多い。しかし、現在の構成では、膜の顕著な急冷は期待できない。なぜならば、成長面において解放された熱のうちごく一部および残りの欠陥シリコン内に向かって「上方に」拡散するものがその内部において捕捉されるからである。また、欠陥シリコンは典型的には熱伝導率が低いため、熱が膜上で迅速に広がらず、溶融界面の近隣にとどまることが多い。
【0051】
シード層と欠陥最上層との間の初期界面は、例えばMPSを介して得られた膜と同様に粗いことがあるが、前記爆発結晶化プロセスを行うことで、溶融界面および固化界面が次第に平滑化されることが期待される。シード層が欠陥層内に突出している領域は、爆発結晶化面(すなわち、緊密に間隔を空けて配置された溶融面および固化面)が先ず欠陥層内に突出するため、面が平面であるかまたは負方向に曲面付けられている箇所よりも急速に冷却される。その結果、前記面は他の領域に対して冷却することが期待され、前記面全体は平坦化/平滑化することが期待される。
【0052】
前記溶融プロセスをトリガする際に用いられるレーザー源は、当該レーザー源から出射される光が基板に対して実質的に透過性でありかつ積層膜によって吸収することが可能な任意のパルス状レーザー源または断続レーザー源でよい。例えば、レーザーは、CWレーザーまたはエキシマーレーザーであり得る。さらに、吸収深度が前駆体膜の厚さ以上のオーダーである波長を有する光を用いて、アモルファス層中の熱吸収を促進し、シード層内に吸収された熱を低減することもできる。その結果、実質的に連続する液体膜がアモルファス層内に生成されておりかつ実質的に連続する固形膜が結晶性前駆体内に留まっているプロセスウィンドウが、増加し得る。このような波長は、例えば周波数倍増Nd:YVO4またはNd:YAGレーザー(532nm)あるいはさらに長い波長によって出射されるような、例えば500nm以上であり得る。レーザーエネルギーおよびパルス継続時間は、いくつかの実施形態において、シード層に隣接するアモルファス層の一部を単一のレーザーパルスで溶融するのに十分である。
【0053】
1つ以上の実施形態において、レーザーパルスは、1回のレーザーパルスだけで、アモルファス層の一部を溶融させ、爆発結晶化を誘発して、厚いSi層を結晶性の層に変化させる。本明細書中開示される実施形態は好適には、フラッド照射を用いる。フラッド照射において用いられるビームに起因して、膜のエッジ領域においては横方向爆発結晶化も発生するため、前記エッジ領域は低品質化し得る。爆発面の横方向部分は、温度プロファイルの二次元性に起因して、より急速に急冷する。そのため、欠陥形成および欠陥成長が発生する。この欠陥領域は、第2の放射パルスを受ける際には、(欠陥的にではあるが)すでに結晶性となっており、再度溶融することは無い。そのため、少数キャリア寿命の短い欠陥結晶性領域は残留する。
【0054】
これらの懸念のうちいくつかを軽減するため、エッジが鋭くかつ実質的に均一のエネルギー密度を有するフラッド照射ビームを用いる。このようなビームは、SLS機器またはラインビームELA機器を用いて得ることができる。パルスが膜領域よりも小さい実施形態の場合、膜を後で除去する領域に欠陥領域を配置することで、1つのセルの前面接触部と隣接セルの後面接触との間にビアを生成することができる。これらのビアを用いて、セルを連続的に的に生成することができる。いくつかの実施形態では、放射領域がパネル(またはパネルの大部分)と同じくらい大きなフラッド照射(例えば、閃光電球またはダイオードレーザーを配列したもの)が用いられる。Si膜が長波長を十分に吸収しない場合、以下により詳細に説明するように、シード層の下側および基板上に金属層を用いればよい。さらに、これらの金属層を用いて、膜の上側から長波長フラッド照射を行うことができる。
【0055】
いくつかの実施形態において、後側放射を受けた際に膜が完全に溶融し得る。実験研究によれば、薄いa−Si膜(すなわち、MPSを介して得られた100nmシード層上で200nm)の場合、後側放射を受けると、Siが完全に溶融する一方シード層は少なくとも部分的に無傷のままの状態であることが分かっている。配向再現は良好であり、欠陥形成はほとんど認められない。前記a−Siの完全な溶融は、太陽電池調製用途のために十分な肉厚を有するSi膜において、誘発され得る。吸収長さがシード層厚さを越えるようにより波長が長い放射を用いた場合も、これが当てはまる。また、事前加熱を行った場合も、完全溶融を誘発することができる。さらに、緩やかに吸収される光を上側放射し、この光を(以下により詳細に説明する)シード層と基板との間に配置された金属層においてほとんど吸収させるようにした場合も、完全溶融を誘発することが可能である。
【0056】
上述したように、厚膜全体ではなく肉薄領域の一部のみが溶融されるため、膜照射に用いられるエネルギー量は、従来の溶融媒介エピタキシープロセスにおいて用いられるエネルギー量よりも少ない。そのため、低温ガラスなどのより広範囲の基板の利用が可能となる。例えば、本明細書中開示される方法は、例えばガラス基板と共に用いることもできるし、非透過性基板(例えば、金属箔(例えば、ステンレス鋼)基板またはセラミック基板)と共に用いることもできる。
【0057】
他の実施形態において、前記プロセスを維持するために、さらなる熱を付加する。加熱は、基板の事前加熱または前側からの共放射線照射により、達成可能である。熱は、例えば照射、炉の事前加熱、ホットプレートまたは他の任意の従来のソースにより、最上層に導入することができる。加熱により、照射に必要なエネルギー量を低減し、損傷発生レベルの熱への基板の露出を低減することができる。加熱を用いて、アモルファス最上層を通じた伝播からの液体速度を変更または制御することも可能である。例えば、膜加熱によって、結晶化速度を低減することが可能である。
【0058】
図2は、開示される内容の1つ以上の実施形態による前記後側照射および結晶化の模式図である。膜(図2中、その一部のみを図示する)は、基板230を含む。基板230上に、薄い結晶性シード層220および厚いアモルファスシリコン層200が堆積される。一般的に、本出願と同日付で出願された「Systems and Methods for Preparing Epitaxially Textured Polycrystalline Films」という名称の同時係属中の出願中の薄膜に関連して、後側照射について説明する。同文献の開示内容の全ては、参考することで組み込まれる。薄膜の後側照射方法は、配向前駆体膜を生成する工程と、前記膜の後側を通じて(すなわち、基板から前記膜へと)前記膜を照射して、膜厚さ全体にわたる配向を向上させる工程とを含む。前記後側照射はSLS照射であり得、これにより、均一の配向および微細構造を同時生成することができる。いくつかの実施形態において、前記後側照射はフラッド照射であり得る。非SLS後側照射方法を実行した場合、前側から(すなわち、結晶性膜の上側表面を通じて)必要な微細構造を生成することができ、後側照射後にSLS照射を行っている。薄膜の後側照射の原理は、本明細書中開示される薄膜に適用することができる。a−Si層200は、低圧CVDによって調製可能である。その後、矢印240によって示すようにこの膜を後側から照射し、その結果、少量の液体シリコン210がシード層220とアモルファスシリコン200との間の界面に形成される。液相210は、爆発プロセスにおいて、アモルファスシリコン層200を通じた方向において矢印250に沿って結晶化および伝播する。
【0059】
この照射方法の場合、熱を膜中に捕捉するというさらなる恩恵がある。結晶化は膜内において上方に進むため、膜の上方において解放された熱は、熱量が低減しつつ捕捉されるため、温度が上昇する。この温度上昇に起因してより緩やかな爆発結晶化が発生し(例えば、結晶化速度が低減し)、その結果、欠陥形成が抑制される。例えば上記したように膜の上側表面からさらなる熱を導入することにより、結晶化速度をさらに低減することができる。
【0060】
いくつかの実施形態において、シリコンシード層の下側に薄い金属膜を堆積することができる。図3は、厚膜300の断面図である。厚膜300は、基板302と、金属膜304と、オプションの緩衝層306と、シード層308と、厚い最上層310とを含む。前記薄い金属膜は、例えばモリブデンで構成され得る。前記緩衝層は、例えば二酸化シリコンで構成され得る。いくつかの実施形態において、金属基板(例えば、金属箔)において金属吸収が発生する。いくつかの実施形態において、緩衝層は用いられず、金属層をa−Si膜と間接的に接触させて、太陽電池スタックとの後側接触部として機能させることができる。
【0061】
前記薄い金属膜層を有する実施形態において、図4a〜図4cに示すように、前記膜の上部から前記シリコン膜を照射することができる。図4aにおいて、放射400は、最上層310の上部を照射し、前記膜の厚さを貫通して前記金属層へと到達する。前記放射は、最上層310およびシード層308中のシリコンが入来光の一部のみを吸収しつつ、前記光の大部分は薄い金属膜(405として示す)によって吸収されるような種類の放射である。図4bに示すように、この吸収により金属薄膜304が加熱され、これにより、前記シード層に隣接する最上層の底部から前記シリコン膜へと熱が送られ、最上層410のこの部位が溶融される。前述したように、加熱工程および溶融工程は、図4cに示すように爆発結晶化を通じて最上層全体を伝播し、先行して溶融されている層420は結晶化し、最上層420の次の部位を加熱する。そのため、この方法は、後側放射の実施形態と同様の加熱を前記シリコン膜に提供する。光源は、レーザー(例えば、ダイオードレーザー)であり得る。例えば、ダイオードレーザーは、808nmレーザーであり得る。
【0062】
前記開示される内容の例について図示および説明してきたが、多様な変更および改変が当業者にとって容易に明らかであり得、添付請求項によって規定されるような開示内容の範囲から逸脱することなく改変が可能であることが、当業者にとって容易に明らかである。従って、前記開示される内容は、以下の請求項およびその均等物のみによって限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚い結晶性膜を調製する方法であって、
結晶化のための膜を基板上に提供する工程であって、前記基板の少なくとも一部は、レーザー照射に対して実質的に透過性であり、前記膜は、
(a)支配的な表面結晶配向性を有するシード層と、
(b)前記シード層の上方に配置された最上層と、
を含む、工程と、
パルス状レーザーを用いて前記膜を前記基板の後側から照射して、前記最上層の第2の部位が固形のままの状態で、前記最上層の第1の部位を前記シード層との界面において溶融させる工程と、
前記最上層の前記第1の部位を再度固化させて、前記シード層とエピタキシャルな結晶性レーザーを形成して、これにより、熱を解放して前記最上層の隣接部位を溶融する工程と、
を含む、方法。
【請求項2】
前記シード層は多結晶シリコンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記最上層はアモルファスシリコンを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記最上層は、支配的な表面結晶配向性の{111}配向を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記最上層は、支配的な表面結晶配向性の{100}配向を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記最上層の厚さは前記シード層を大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記シード層は、ゾーン溶融再結晶化(ZMR)、固相再結晶化、化学蒸着(CVD)、スパッタリング、蒸発、表面エネルギー駆動型二次結晶粒成長(SEDSGG)、位相混合固化およびパルス状レーザー結晶化方法からなる群から選択される技術を用いて堆積される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
パルス状照射を用いて前記シード層を後側照射して、前記シード層の厚さを通じて前記シード層の配向を増加させる工程をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記最上層は、低圧化学蒸着(CVD)、プラズマCVD、物理的蒸着技術およびスパッタ蒸着からなる群から選択される技術を用いて堆積される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記膜は、金属材料および半導体材料からなる群から選択される材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記最上層の厚さは、1μm〜約20μmの範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記シード層の厚さは、50nm〜約1μmの範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記膜を照射する工程は、連続波またはエキシマーレーザーで照射する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記膜を前記膜の上側表面から加熱する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
加熱は、膜の前側からの共放射線照射を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
加熱は、加熱された表面との接触を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記照射は、前記最上層全体を溶融させる、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
厚い結晶性膜を調製する方法であって、
結晶化のための膜を基板上に提供する工程であって、前記基板の少なくとも一部はレーザー照射に対して透過性であり、前記膜は、
(a)支配的な表面結晶配向性を有するシード層と、
(b)前記シード層の上方に配置された最上層と、
(c)前記シード層の下側に配置された金属層と、
を含む、工程と、
パルス状レーザーを前記金属によって吸収可能な波長において用いて前記膜を照射して前記金属層を加熱する工程であって、前記熱は、前記最上層に伝達されて、前記最上層の第2の部位が固形のままの状態で、前記最上層の第1の部位を前記シード層との界面において溶融させる、工程と、
前記最上層の前記第1の部位を再度固化させて、前記シード層とエピタキシャルな結晶性レーザーを形成して、これにより、熱を解放して前記最上層の隣接部位を溶融する工程と、
を含む、方法。
【請求項19】
前記照射工程は、前記膜の前側を通じて方向付けられる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記光の一部は前記膜によって吸収される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記照射工程は、前記膜の後側を通じて方向付けられる、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記シード層と前記金属膜との間に緩衝層を設ける工程、
をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
太陽電池を製作する方法であって、
結晶性シリコン層を調製する工程であって、前記工程は、
結晶化のための膜を基板上に提供する工程であって、前記基板の少なくとも一部は、レーザー照射に対して透過性であり、前記膜は、
(a)表面配向を有する結晶粒を含むシード層と、
(b)前記低欠陥密度シード層の上方に配置された最上層であって、前記最上層の厚さは前記シード層よりも大きい、最上層と、
含む、工程と、
パルス状レーザーを用いて前記膜を前記基板の後側から照射して前記低欠陥層の一部を前記シード層との界面とを溶融させる工程であって、前記シード層から結晶がエピタキシャルに成長する、工程と、
2つの電極間に前記多結晶シリコン層を堆積させる工程と、
を行うことにより行われる、方法。
【請求項24】
前記最上層の厚さは前記シード層よりも大きい、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
厚い結晶性膜を調製するためのシステムであって、
基板であって、前記基板の少なくとも一部はレーザー照射に対して透過性であり、前記膜は、
前記基板上に配置された結晶化のための膜であって、前記膜は、
(a)表面配向を有する結晶粒を含むシード層と、
(b)前記シード層の上方に配置された最上層と、
を含む、基板と、
パルス状レーザーを用いて前記膜を前記基板の後側から照射して、前記最上層の第2の部位が固形のままの状態で、前記最上層の第1の部位を前記シード層との界面において溶融させる手段と、
結晶性材料の前記第1の部位を成長させて前記シード層上にエピタキシャル層を形成し、これにより前記最上層の隣接部位を溶融させるのに十分な熱を解放させる手段と、
を含む、システム。
【請求項26】
前記最上層の厚さは前記シード層よりも大きい、請求項25に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−504661(P2011−504661A)
【公表日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−535101(P2010−535101)
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【国際出願番号】PCT/US2008/084387
【国際公開番号】WO2009/067687
【国際公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(506118526)ザ トラスティーズ オブ コロンビア ユニヴァーシティ イン ザ シティ オブ ニューヨーク (25)
【Fターム(参考)】