説明

エポキシ化合物の精製方法

【課題】4級アンモニウム塩や、鉱酸共存下で過酸化物により二重結合を有する有機化合物(オレフィン)の二重結合を酸化してエポキシ化合物を合成した系で、安定的に蒸留精製を行えるエポキシ化合物の精製方法を提供すること。
【解決手段】過酸化物を用いて二重結合を有する有機化合物の二重結合をエポキシ化反応させて得られた反応物を含むエポキシ化反応粗液に、炭素数が8〜26である長鎖アルキル基及び/又は炭素数が8〜26であるアルケニル基を1つのみ有する3級アミンを共存させて蒸留を行うことを特徴とするエポキシ化合物の精製方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過酸化物を用いて二重結合を有する有機化合物(オレフィン)の二重結合をエポキシ化反応させて得られた反応物(エポキシ化合物を含む)の精製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エポキシ化合物は、単独で熱や紫外線の存在下で、また酸無水物やフェノール、アミン化合物を硬化剤として、さらに硬化促進剤を必要に応じて添加して、熱により容易に重合することが可能であり、電子絶縁材料、塗料などの中間原料として有用な化合物として多用されている。
【0003】
このエポキシ化合物の製造方法としては、エピクロルヒドリンを用いてグリシジルエーテル化する方法が一般的ではあるが、大量の有機塩素系廃液が副生し環境への負荷が大きい。
【0004】
一方で、過酸化水素水は、安価で腐食性がなく、反応後の副生物は水であるために環境負荷が小さく、工業的に利用するには優れた酸化剤であるが、この過酸化水素を利用してエポキシ化を行う場合には、4級アンモニウム塩のような相間移動触媒が必須となるために、反応液中に4級アンモニウム塩が残存してしまう。そのために、蒸留精製等を行う際に熱がかかると4級アンモニウム塩の分解生成物が反応系内に発生してエポキシ基の開環重合等を引き起こしてしまう。
【0005】
また、有機過酸も有用な酸化剤であり、シクロヘキセン環の酸化等に工業的に利用されているが、有機過酸自体が重合開始剤としての性質を持つために、エポキシ化合物の製造段階において重合し易く、製造の安定化が妨げられると共に、収率の低下を招く。
【0006】
有機過酸を用いて二重結合を有する有機化合物(オレフィン)をエポキシ化した反応物を含む反応粗液は精製段階においても重合し易く、例えば、エポキシ化反応粗液を蒸留する場合に反応粗液中に有機過酸や有機酸が存在すると、蒸留塔の塔底でエポキシ化合物の重合や副反応がおこり、エポキシ化合物の収率や品質が低下する。また、有機過酸や有機酸が塔底に存在しないような運転をするために塔底の温度を上昇させるとエポキシ化合物は熱的に不安定な物質が多く、エポキシ化合物の収率や品質が低下する。
【0007】
このような問題を解決するため、蒸留による精製前に有機過酸や有機酸を水洗あるいは中和によって除去する必要があるが、中和を行うと有機酸のアルカリ塩が生成するため排水のCODが高くなり、工業的に製造する際には改善が望まれている。
【0008】
また、有機過酸として最も一般的な過酢酸は、一般にアセトアルデヒドの空気酸化により製造されるが、ここで副生するアセトアルデヒドモノパーアセテートが極めて安定性の低い化合物であり、爆発等の事故を起こすことがある。そのために比較的安全な有機過酸の製造方法として、鉱酸の存在下に有機酸及び/又は有機酸無水物と過酸化水素を反応させる方法が知られているが、ここで用いる鉱酸が前記有機過酸、有機酸の残存以上に反応粗液の安定性に悪影響を及ぼす。特にエポキシ基を複数有するものは、カチオン重合の転化率が低くてもゲル化等を直ぐに引き起こすので深刻な問題になっている。
【0009】
このように4級アンモニウム塩や過酢酸の製造触媒由来の鉱酸が、反応粗液に混入してくると、これら自体及びその分解生成物によりエポキシ基のカチオン重合が引き起こされる。
【0010】
反応粗液の精製方法として、以下の特許文献1(特開平5−155872号公報)では、接触時間の短い装置を用いてエポキシ化合物の反応粗液を水洗する方法が記載されているが、水洗後の粗液を精製工程に持ち込む前に添加する安定剤については何等示されていない。
【0011】
また、以下の特許文献2(特開平2−262574号公報)には、エポキシ化されたアクリレ−ト化合物の製造方法として、中和水洗後にラジカル重合禁止剤と金属キレ−ト剤を共存させる方法が開示されているが、これは、アクリル基のラジカル重合を防止して良好な品質の製品を提供するための方法であり、エポキシ化合物の安定な製造に関するものではない。
【0012】
また、以下の特許文献3(特開平9−67356号公報)には、ポリリン酸化合物を添加する方法も開示されているが、主に金属によりエポキシ化合物の重合を阻止するためのキレート剤であり、4級アンモニウム塩や鉱酸由来の強酸によるカチオン重合を防ぎ安定的に製造を行う方法に関するものではない。
【特許文献1】特開平5−155872号公報
【特許文献2】特開平2−262574号公報
【特許文献3】特開平9−67356号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、4級アンモニウム塩や、鉱酸共存下で過酸化物により二重結合を有する有機化合物(オレフィン)の二重結合を酸化してエポキシ化合物を合成した系で、安定的に蒸留精製を行えるエポキシ化合物の精製方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究の結果、特定のアミン化合物を4級アンモニウム塩や、鉱酸共存下で過酸化物により二重結合を有する有機化合物(オレフィン)の二重結合を酸化してエポキシ化合物を合成したエポキシ化反応粗液に共存させることにより、エポキシ化合物、特にジエポキシ化合物の蒸留が安定的に行えることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
本発明は、具体的には以下の[1]〜[6]の実施態様を有する。
[1]過酸化物を用いて二重結合を有する有機化合物の二重結合をエポキシ化反応させて得られた反応物を含むエポキシ化反応粗液に、炭素数が8〜26である長鎖アルキル基及び/又は炭素数が8〜26であるアルケニル基を1つのみ有する3級アミンを共存させて蒸留を行うことを特徴とするエポキシ化合物の精製方法。
【0016】
[2]前記エポキシ化反応粗液は4級アンモニウム塩及び/又は鉱酸を含む、前記[1]に記載のエポキシ化合物の精製方法。
【0017】
[3]前記3級アミンは、炭素数が8〜26である長鎖モノアルキルN,N-ジメチルアミン及び/又は炭素数が8〜26である長鎖モノアルケニルN,N-ジメチルアミンである、前記[1]又は[2]に記載のエポキシ化合物の精製方法。
【0018】
[4]前記長鎖アルキル基及び/又はアルケニル基の炭素数が12〜18である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載のエポキシ化合物の精製方法。
【0019】
[5]前記過酸化物は、過酢酸及び/又は過酸化水素である、前記[1]〜[4]のいずれかに記載のエポキシ化合物の精製方法。
【0020】
[6]前記過酸化物で酸化させる二重結合を有する有機化合物が、3−シクロヘキセニルメチル−3−シクロヘキセンカルボキシレート、ビスフェノール−Aジアリルエーテル又はビスフェノール−Fジアリルエーテルである、前記[1]〜[5]のいずれかに記載のエポキシ化合物の精製方法。
【発明の効果】
【0021】
本発明の方法によれば、相間移動触媒を用いて過酸化水素によりエポキシ化を行った系や、鉱酸を含んだ有機過酸によりエポキシ化を行った系において、蒸留時に特に特殊な操作を行わなくても収率よく目的とするエポキシ化合物を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の精製方法において精製される反応粗液としては過酸化水素を酸化剤としてタングステンやモリブデン触媒を用い、リン化合物等の助触媒と4級アンモニウム塩のような相間移動触媒を用い、無溶媒又は必要に応じて水と相溶しない有機溶媒を用いて、二重結合を有する有機化合物の二重結合をエポキシ化させた反応物を含むものを用いることができる。
【0023】
タングステンやモリブデン触媒としては、例えばタングステン酸、三酸化タングステン、三硫化タングステン、六塩化タングステン、ケイタングステン酸、リンタングステン酸、タングステン酸アンモニウム、タングステン酸カリウム二水和物、タングステン酸ナトリウム二水和物、モリブテン酸、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸等が挙げられるが、タングステン酸、リンタングステン酸、タングステン酸ナトリウム二水和物等が好ましい。これらタングステン化合物類は単独で使用しても2種以上を混合使用してもよい。その使用量は基質のオレフィン類に対して二重結合数を基準として0.0001〜20モル%、好ましくは0.01〜20モル%の範囲から選ばれる。
【0024】
助触媒としては、硫酸、リン酸、硝酸、ホウ酸、リン酸エステル、アルキルホスホン酸またはアルキルホスホン酸エステルを用いることが活性を向上させるために効果的である。
【0025】
リン酸エステルとしては、メチルリン酸、エチルリン酸、ブチル燐酸、ヘキシルリン酸、オクチルリン酸、デシルリン酸、ウンデシルリン酸、ドデシルリン酸、テトラデシルリン酸、ヘキサデシルリン酸、ジメチルリン酸、ジエチルリン酸、ジブチル燐酸、ジヘキシルリン酸、ジオクチルリン酸、ジデシルリン酸、ジウンデシルリン酸、ジドデシルリン酸、ジテトラデシルリン酸、ジヘキサデシルリン酸などが挙げられる。
【0026】
アルキルホスホン酸としては、α−アミノメチルホスホン酸、α−アミノエチルホスホン酸、α−アミノプロピルホスホン酸、α−アミノブチルホスホン酸、α−アミノペンチルホスホン酸、α−アミノへプチルホスホン酸、α−アミノヘキシルホスホン酸、α−アミノヘプチルホスホン酸、α−アミノオクチルホスホン酸、α−アミノノニルホスホン酸、α−アミノ−α−フェニルメチルホスホン酸、N−アセチル−α−アミノメチルホスホン酸、N−プロピオニル−α−アミノメチルホスホン酸、N−ベンゾイル−α−アミノメチルホスホン酸、N−(4−メトキシベンゾイル)−α−アミノメチルホスホン酸などが挙げられる。
【0027】
また、これらの助触媒として用いられる化合物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機アミン等の塩基性化合物によって、部分的に中和されていてもよい。
【0028】
これらの助触媒は単独で使用しても2種以上を混合使用してもよい。使用する場合にはその使用量は基質のオレフィン類に対して二重結合数を基準として0.0001〜5モル%、好ましくは0.01〜5モル%の範囲から選ばれる。
【0029】
4級アンモニウム塩としては、例えば塩化トリオクチルメチルアンモニウム、塩化トリオクチルエチルアンモニウム、塩化トリオクチルブチルアンモニウム、塩化テトラオクチルアンモニウム、塩化トリ(デシル)メチルアンモニウム、塩化トリ(デシル)エチルアンモニウム、塩化トリ(デシル)ブチルアンモニウム、塩化テトラ(デシル)アンモニウム、塩化トリ(ドデシル)メチルアンモニウム、塩化トリ(ドデシル)エチルアンモニウム、塩化トリ(ドデシル)ブチルアンモニウム、塩化テトラ(ドデシル)アンモニウム、塩化トリ(テトラデシル)メチルアンモニウム、塩化トリ(テトラデシル)エチルアンモニウム、塩化トリ(テトラデシル)ブチルアンモニウム、塩化テトラ(テトラデシル)アンモニウム、塩化トリ(ヘキサデシル)メチルアンモニウム、塩化トリ(ヘキサデシル)エチルアンモニウム、塩化トリ(ヘキサデシル)ブチルアンモニウム、塩化テトラ(ヘキサデシル)アンモニウム、塩化トリ(オクタデシル)メチルアンモニウム、塩化トリ(オクタデシル)エチルアンモニウム、塩化トリ(オクタデシル)ブチルアンモニウム、塩化テトラ(オクタデシル)アンモニウム、塩化トリヘキシルメチルアンモニウム、塩化トリヘキシルエチルアンモニウム、塩化トリヘキシルブチルアンモニウム、塩化テトラヘキシルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラプロピルアンモニウム、塩化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化N−ラウリルピリジニウム、塩化N−セチルピリジニウム、塩化N−ラウリルピコリニウム、硫酸水素トリオクチルメチルアンモニウム、硫酸水素トリオクチルエチルアンモニウム、硫酸水素トリオクチルブチルアンモニウム、硫酸水素テトラオクチルアンモニウム、硫酸水素トリ(デシル)メチルアンモニウム、硫酸水素トリ(デシル)エチルアンモニウム、硫酸水素トリ(デシル)ブチルアンモニウム、硫酸水素テトラ(デシル)アンモニウム、硫酸水素トリ(ドデシル)メチルアンモニウム、硫酸水素トリ(ドデシル)エチルアンモニウム、硫酸水素トリ(ドデシル)ブチルアンモニウム、硫酸水素テトラ(ドデシル)アンモニウム、硫酸水素トリ(テトラデシル)メチルアンモニウム、硫酸水素トリ(テトラデシル)エチルアンモニウム、硫酸水素トリ(テトラデシル)ブチルアンモニウム、硫酸水素テトラ(テトラデシル)アンモニウム、硫酸水素トリ(ヘキサデシル)メチルアンモニウム、硫酸水素トリ(ヘキサデシル)エチルアンモニウム、硫酸水素トリ(ヘキサデシル)ブチルアンモニウム、硫酸水素テトラ(ヘキサデシル)アンモニウム、硫酸水素トリ(オクタデシル)メチルアンモニウム、硫酸水素トリ(オクタデシル)エチルアンモニウム、硫酸水素トリ(オクタデシル)ブチルアンモニウム、硫酸水素テトラ(オクタデシル)アンモニウム、硫酸水素トリヘキシルメチルアンモニウム、硫酸水素トリヘキシルエチルアンモニウム、硫酸水素トリヘキシルブチルアンモニウム、硫酸水素テトラヘキシルアンモニウム、硫酸水素テトラブチルアンモニウム、硫酸水素テトラメチルアンモニウム、硫酸水素テトラエチルアンモニウム、硫酸水素テトラプロピルアンモニウム、硫酸水素ラウリルジメチルベンジルアンモニウム、硫酸水素ベンジルトリメチルアンモニウム、硫酸水素ベンジルトリエチルアンモニウム、硫酸水素N−ラウリルピリジニウム、硫酸水素N−セチルピリジニウム、硫酸水素N−ラウリルピコリニウムなどが挙げられる。
【0030】
これらの4級アンモニウム塩の使用量は、基質のオレフィン類に対して二重結合数を基準として0.0001〜10モル%、好ましくは0.01〜10モル%の範囲から選ばれる。
【0031】
過酸化水素水溶液の使用量は、特に制限はないが、エポキシ化合物の転化率を上げるために過剰の過酸化水素を用い反応時間を長くすると、反応系が酸性のためにエポキシ基の加水分解が進行しやすくなる。また、過酸化水素の使用量をあまりに過剰に用いると、反応後の過酸化水素の処理も問題になるので、エポキシ化しようとするオレフィン類に対して二重結合数を基準として0.5〜5当量、好ましくは0.7〜1.5当量の範囲である。
【0032】
また、エポキシ化を行う方法としては工業的に安定に生産を行うことを考えると、触媒と基質を最初に反応器に仕込み、反応温度を極力一定に保ちつつ、過酸化水素については反応で消費されているのを確認しながら、徐々に加えていったほうがよい。このような方法をとれば、反応器内で過酸化水素が異常分解して酸素ガスが発生したとしても、過酸化水素の蓄積量が少なく圧力上昇を最小限に留めることができる。
【0033】
反応温度としては用いる基質及び触媒に依存するが、エポキシ化がある程度の反応速度で進行し、副反応や過酸化水素の分解が起きない温度以下で反応することが望ましく、このような温度としては0℃〜140℃、より好ましくは20℃〜120℃の範囲から選択される。
【0034】
エポキシ化反応後には、必要により酢酸エチル、トルエン、シクロヘキサンやヘキサンのような有機溶媒を用いて抽出し、有機層をチオ硫酸ナトリウムのような還元剤により処理して、過酸化水素を分解した後、更に溶媒を留去、濃縮後、再結晶や蒸留、昇華等の通常の方法によって目的物を取り出すことができる。
【0035】
一方、オレフィンを有機過酸によってエポキシ化するために用いられる有機過酸としては、過蟻酸、過酢酸、過プロピオン酸、m−クロロ過安息香酸、トリフルオロ過酢酸、過安息香酸等を例示できる。エポキシ化には有機過酸と触媒を併用してもよく、例えば炭酸ソ−ダ等のアルカリや硫酸などの酸を触媒として用いることができる。
【0036】
有機過酸とオレフィンの二重結合とのモル比は、理論的には1/1であるが、通常は後者に対して有機過酸を0.5〜3モル当量、特には1〜1.5モル当量使用することが好ましい。後者の方が有機過酸よりも価格が高いこと、原料のリサイクルにも手間がかかることが多いこと、反応中に有機過酸が少量ではあるが分解することから、有機過酸を理論量より少し多めに使用することが好ましい。
【0037】
反応は溶媒存在下でもよい。むしろ、溶媒を添加することにより、有機過酸を希釈して反応暴走を防いだり、さらには有機酸とエポキシ基との副反応速度を遅くし、選択性を向上する等の効果がある。
【0038】
使用できる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ジエチルベンゼン、p−シメン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、デカリン等の脂肪族炭化水素や脂環族炭化水素、シクロヘキサノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、フルフリルアルコール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン、酢酸エチル、酢酸n−アミル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸イソアミル、安息香酸メチル等のエステル類、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールとその誘導体、クロロホルム、ジメチルクロライド、四塩化炭素、クロルベンゼン等のハロゲン化合物、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル化合物等が、挙げられる。
【0039】
溶媒の使用量は、原料の0.1〜10倍質量であり、特に0.5〜3倍質量であることが好ましい。0.1倍質量より少ない場合には、反応暴走回避の効果が少なく、逆に3倍質量より多い場合には、反応速度がいたずらに遅くなり、溶媒の回収に多大の費用を要してしまう。
【0040】
エポキシ化反応を行う際、必要に応じて重合禁止剤を添加することもできる。重合防止剤としてはハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエ−テル、P−ベンゾキノン、クレゾ−ル、t−ブチルカテコ−ル、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノ−ル、2−t−ブチル−4−メトキシフェノ−ル、3−t−ブチル−4−メトキシフェノ−ル、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ−ル、2,5−ジヒドロキシ−p−キノン、ピペリジン、エタノ−ルアミン、α−ニトロソ−β−ナフト−ル、ジフェニルアミン、フェノチアジン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン等を用いることができる。これらは、単独で使用してもよいし2種以上を併用してもよい。
【0041】
有機過酸には、必要に応じて安定剤を添加することができる。このようなものとしてリン酸水素アンモニウム、ピロリン酸カリウム、ピロリン酸−2−エチルヘキシルエステル、ピロリン酸カリウム−2−エチルヘキシルエステル、ピロリン酸ナトリウム−2−エチルヘキシルエステル、トリポリリン酸、トリポリリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸−2−エチルヘキシルエステル、トリポリリン酸カリウム−2−エチルヘキシルエステル、テトラポリリン酸、テトラポリリン酸カリウム、テトラポリリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸−2−エチルヘキシルエステル、テトラポリリン酸カリウム−2−エチルヘキシルエステル、テトラポリリン酸ナトリウム−2−エチルヘキシルエステル、ヘキサメタリン酸カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等を用いることができる。これらは、単独で使用してもよいし2種以上を併用してもよい。
【0042】
有機過酸を用いたエポキシ化の反応温度は、エポキシ化反応がある程度以上の速度で進行する温度以上、有機過酸の分解反応を起こさない温度以下で行うことが望ましく、例えば有機過酸として過酢酸を用いる場合には−10〜100℃以下、より好ましくは0℃から70℃であることが好ましい。反応温度が−10℃より低いと反応の完結までに長時間を要するし、過酢酸を用いる場合には100℃以上では過酢酸の分解が優先するので好ましくない。
【0043】
反応圧力は、一般的には常圧下で操作されるが、加圧又は低圧下でも実施できる。また反応は連続方式又はバッチ方式で行い、連続方式の場合はピストンフロー型式が好ましい。またバッチ方式の場合は、有機過酸は逐次的に仕込むセミバッチ方式であることが好ましい。セミバッチ方式で有機過酸を逐次的に仕込むには、反応容器内に原料のオレフィン化合物と反応溶媒を所定量仕込み、この中に必要に応じて触媒や有機過酸の安定剤を溶解させ、この中に前記有機過酸を滴下して行う。反応の終点の確認は残存する有機過酸の濃度等の測定をガスクロ等により分析して行う。
【0044】
エポキシ化を行う基質としては、エポキシ化しうる二重結合を持つものが対象となる。このような化合物としては、具体的には、例えば、3-シクロヘキセン-1-カルボン酸メチル、3-シクロヘキセン-1-カルボン酸エチル、3-シクロヘキセン-1-カルボン酸フェニル、3-シクロヘキセン-1-カルボン酸ベンジル、3-シクロヘキセン-1-カルボン酸シクロヘキシル、3-シクロヘキセン-1-カルボン酸アリル、3-シクロヘキセン-1-カルボン酸-2’-アリロキシエチル、3-シクロヘキセン-1-カルボン酸-2’-メチル-2’-プロペニル、3-シクロヘキセン-1-カルボン酸-1’-メチル-2’-プロペニル、3-シクロヘキセン-1-カルボン酸-1’-エチル-2’-プロペニル、3-シクロヘキセン-1-カルボン酸-1’-フェニル-2’-プロペニル、1-メチル-3-シクロヘキセン-1-カルボン酸メチル、1-メチル-3-シクロヘキセン-1-カルボン酸エチル、1-メチル-3-シクロヘキセン-1-カルボン酸フェニル、1-メチル-3-シクロヘキセン-1-カルボン酸ベンジル、1-メチル-3-シクロヘキセン-1-カルボン酸シクロヘキシル、1-メチル-3-シクロヘキセン-1-カルボン酸アリル、1-メチル-3-シクロヘキセン-1-カルボン酸-2’-アリロシキエチル、3-シクロヘキセン-6-フェニル-1-カルボン酸メチル、3-シクロヘキセン-6-フェニル-1-カルボン酸エチル、3-シクロヘキセン-6-フェニル-1-カルボン酸フェニル、3-シクロヘキセン-6-フェニル-1-カルボン酸ベンジル、3-シクロヘキセン-6-フェニル-1-カルボン酸アリル、3-シクロヘキセン-3-メチル-1-カルボン酸メチル、3-シクロヘキセン-3-メチル-1-カルボン酸エチル、3-シクロヘキセン-3-メチル-1-カルボン酸フェニル、3-シクロヘキセン-3-メチル-1-カルボン酸ベンジル、3-シクロヘキセン-3-メチル-1-カルボン酸アリル、3-シクロヘキセン-4-メチル-1-カルボン酸メチル、3-シクロヘキセン-4-メチル-1-カルボン酸エチル、3-シクロヘキセン-4-メチル-1-カルボン酸フェニル、3-シクロヘキセン-4-メチル-1-カルボン酸ベンジル、3-シクロヘキセン-4-メチル-1-カルボン酸アリル、3-シクロヘキセン-1,6-ジカルボン酸ジメチル、3-シクロヘキセン-1,6-ジカルボン酸ジエチル、3-シクロヘキセン-1,6-ジカルボン酸ジフェニル、3-シクロヘキセン-1,6-ジカルボン酸ジベンジル、3-シクロヘキセン-1,6-ジカルボン酸ジアリル、3-シクロヘキセン-1-カルボン酸-3-シクロヘキセニル、3-シクロヘキセン-1-メチル-1-カルボン酸-3-シクロヘキセニル、4-シクロヘキセン-2-メチル-1-カルボン酸-4-シクロヘキセニル、4-シクロヘキセン-2-フェニル-1-カルボン酸-4-シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニルメチル−3−シクロヘキセンカルボキシレート、1-メチル-3-シクロヘキセニルメチル-1-メチル-3-シクロヘキセンカルボキシレート、2-メチル-4-シクロヘキセニルメチル-2-メチル-4-シクロヘキセンカルボキシレート、2-フェニル-4-シクロヘキセニルメチル-2-フェニル-4-シクロヘキセンカルボキシレート、3-シクロヘキセニルメチル(メタ)アクリレート、2-(3-シクロヘキセニルメトキシ)エチル(メタ)アクリレート、4−ビニルシクロヘキセン、リモネン、ビスフェノール−Aジアリルエーテル、ビスフェノール−Fジアリルエーテル、ノボラック樹脂ポリアリルエーテルなどが挙げられる。
【0045】
これらの中でも特に、効果があるものは二重結合を二つ以上持つ化合物をエポキシ化する系であり、このようなものとして、3−シクロヘキセニルメチル−3−シクロヘキセンカルボキシレート、ビスフェノール-Aジアリルエーテル、ビスフェノール−Fジアリルエーテルが挙げられる。
【0046】
これらのエポキシ化反応粗液に添加して、蒸留時の安定性を確保できる添加剤としては、1級、2級アミンでは、エポキシ基と反応するので却って悪影響があり、3級アミンである必要がある。3級アミンの中でも沸点が低いものは蒸留中にエポキシ化合物の留出が始まる前に留出してしまうので、ある程度沸点の高い3級アミンから選択する必要がある。また、長鎖トリアルキルアミン、長鎖ジアルキルメチルアミンでは、立体障害のためか反応粗液に添加してもカチオン重合を阻害する効果がほとんどなく、炭素数8から26の長鎖モノアルキル3級アミン及び/又は長鎖モノアルケニル3級が望ましい。炭素数が7以下では、沸点が低く炭素数が26以上では固形状で添加するとゼリー状になるものが多く、好ましくない。なお、1つの長鎖アルキル基以外の2つのアルキル基は、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
【0047】
このようなアミンとしては、具体的にはN,N-ジメチルオクチルアミン、N,N-(ビス)2-エチルへキシルアミン、N,N-ジメチルノニルアミン、N,N-ジメチルデシルアミン、N,N-ジメチルウンデシルアミン、N,N-ジメチルラウリルアミン、N,N-ジメチルミリスチルアミン、N,N-ジメチルパルミチルアミン、N,N-ジメチルステアリルアミン、N.N-ジメチルベヘニルアミン、N,N-ジメチルココアルキルアミン、N,N-ジメチル牛脂アルキルアミン、N,N-ジメチル硬化牛脂アルキルアミン、N,N-ジメチルオレイルアミンが挙げられる。これらの中でも長鎖モノアルキルN,N-ジメチルアミン及び/又は長鎖モノアルケニルN,N-ジメチルアミンが好ましく、炭素数が12〜18である長鎖モノアルキルN,N-ジメチルアミン及び/又は炭素数が12〜18である長鎖モノアルケニルN,N-ジメチルアミンが特に好ましい。
【0048】
アミンの添加量は、少ないと添加する効果がなく、多い場合には長鎖アルキルジメチルアミンを分離する必要があるので、粗液100質量部に対して0.1から20質量部、より好ましくは1質量部から10質量部である。
【0049】
反応粗液を蒸留により精製する際には、通常の蒸留塔を用いた蒸留装置や、薄膜蒸発装置や分子蒸留装置を用いることができる。特に滞留時間や到達真空度の観点から、薄膜蒸発装置や分子蒸留装置がより有効な手法である。
【0050】
ここで、薄膜蒸発装置とは処理液を薄膜にして、真空下でより低い温度で熱影響を及ぼさずに蒸発させる装置のことで、流下膜式薄膜蒸発装置、攪拌式薄膜蒸発装置、遠心薄膜蒸発装置等が知られている。目的化合物によって操作条件は異なるが、一般には圧力0.01kPa〜10kPaで、温度50℃〜250℃で操作される。
【0051】
分子蒸発装置とは、極めて高真空に維持され蒸発面から極めて静かな蒸発が起こるように蒸発面での液膜はできる限り薄く、蒸発面と凝縮面の距離が分子の平均自由行動路以下とし、蒸発面と凝縮面との温度差を十分保つことによって、分子が凝縮面に戻ることを極力抑制するようにした装置であり、ポット分子蒸留装置、流下膜式分子蒸留装置、遠心式分子蒸留装置、実験遠心式分子蒸留装置等が知られている。一般には圧力2kPa以下、通常は0.0001〜1kPa、温度50℃〜250℃で操作され、分子量1000近くのものでも蒸発させることが可能である。
【0052】
蒸留が終了した後は、過剰に用いたアミンが留出したエポキシ化合物に混入することがあるが、これをそのまま使用することもできるし、アミンの残存が問題となる場合には、留出したエポキシ化合物からカラムクロマトや蒸留等により残存アミンを分離して得られたエポキシ化合物を使用することもできる。
【実施例】
【0053】
以下実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに制限されるものではない。
【0054】
過酢酸によるエポキシ化例
滴下ロート、ジムロート冷却管を備えた1リットルの三ツ口フラスコに、3−シクロヘキセニルメチル−3−シクロヘキセンカルボキシレート50g(0.224mol)、酢酸エチル324gを仕込み、40℃まで昇温した後、酢酸ナトリウム3.67gを溶解した40%過酢酸酢酸溶液128g(過酢酸として0.671mol)を反応温度が45℃を超えないように注意しながら、5時間かけて滴下した。滴下終了後1時間45℃で攪拌し、3',4'-エポキシシクロヘキサンカルボン酸3,4-エポキシシクロヘキシルメチルを89%の収率で得ることができた。残り5%がモノエポキシで、それ以外はエポキシ化合物に酢酸が付加したものや他の副生物であった。
【0055】
この反応液に、飽和食塩水300gを加え、有機層と水層を分離し、更に有機層を0.1mol%の水酸化ナトリウム水溶液300gを二回用いて洗浄し、更に飽和食塩水300gで洗浄した後、エバポレーターによる酢酸エチルを留去し、反応粗液-A59gを得た。
なお、この中には過酢酸を合成する際に触媒として用いた硫酸根由来の硫黄元素が800ppm含まれていた。
【0056】
過酸化水素によるエポキシ化例
滴下ロート、ジムロート冷却管を備えた2リットルの三ツ口フラスコに、3−シクロヘキセニルメチル−3−シクロヘキセンカルボキシレート400g(1.79mol)、タングステン酸ナトリウム2水和物11.8g(35.8mmol)、アミノメチルホスホン酸1.99g(17.9mmol)、メチルトリオクチルアンモニウムハイドロジェンサルフェート33.5g(71.6mmol)を入れ、反応液を70℃に調節し、撹拌しながら35%過酸化水素水溶液348g(3.58mol)を反応温度が75℃を超えないように注意しながら、4時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間、攪拌を継続し、反応液を室温まで冷却し3',4'-エポキシシクロヘキサンカルボン酸3,4-エポキシシクロヘキシルメチルを69%の収率で得ることができた。残りは、原料の3−シクロヘキセニルメチル−3−シクロヘキセンカルボキシレートが3%、モノエポキシが28%で、それ以外はエポキシ化合物に水が付加したものや他の副生物であった。
【0057】
反応液に酢酸エチル400gを添加し、有機層と水層を分離し、更に有機層を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液200gで2回洗浄した後、エバポレーターによる酢酸エチルを留去し、反応粗液-B601gを得た。
なお、この中には4級アンモニウム塩由来の硫黄元素が2200ppm含まれていた。
【0058】
実施例1
反応粗液-B 100gにアーミンDM12D(ライオンアクゾー(株)製N,N-ジメチルラウリルアミン)5gを入れ、減圧蒸留を行った。バス温度を200℃に設定し、0.2kPaの減圧度で留出温度が155℃までの43gの初留を取得し、155℃から163℃の留出範囲で本留を41g得ることができた。なお、本留の3',4'-エポキシシクロヘキサンカルボン酸3,4-エポキシシクロヘキシルメチルの純度は91%であった。
【0059】
比較例1
反応粗液-B 100gを、バス温度を200℃に設定し0.2kPaの減圧度で減圧蒸留を試みたが、蒸留フラスコ中でゲル化した。
【0060】
比較例2
反応粗液-B 100gにトリ-n-オクチルアミン5gを入れ、減圧蒸留を行った。バス温度を200℃に設定し、0.2kPaの減圧度で126℃の留出温度で5g留出したところで、蒸留フラスコ中でゲル化した。
【0061】
実施例2
蒸留時の安定性を比較するために、反応粗液-Aに種々のアミンその他塩基性化合物(比較例4)を添加し、DSCにより昇温時の発熱挙動を検討した。結果を以下の表1に示す。なお、DSCの昇温条件は、窒素気流下に50℃から300℃まで、10℃/minで昇温した。
【0062】
【表1】

【0063】
表1に示すように、長鎖モノアルキルN,N-ジメチルアミンを添加した実施例2及び3では、DSC昇温時の発熱ピークは観察されなかったが、添加剤なし又は長鎖モノアルキルN,N-ジメチルアミン以外を添加した比較例3〜8では、いずれもDSC昇温時の発熱ピークが観察された。DSCによる加熱時の発熱ピークがあるということはカチオン重合等によりエポキシ樹脂が重合していることを示唆する。すなわち、このような発熱ピークが観察される反応液を蒸留すると、蒸留中の加熱により重合が生起しゲル化を起こす。したがって、表1に示す実験結果から、ジメチル長鎖アルキルアミンを添加することにより安定した蒸留を行うことができることが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
過酸化物を用いて二重結合を有する有機化合物の二重結合をエポキシ化反応させて得られた反応物を含むエポキシ化反応粗液に、炭素数が8〜26である長鎖アルキル基及び/又は炭素数が8〜26であるアルケニル基を1つのみ有する3級アミンを共存させて蒸留を行うことを特徴とするエポキシ化合物の精製方法。
【請求項2】
前記エポキシ化反応粗液は4級アンモニウム塩及び/又は鉱酸を含む、請求項1に記載のエポキシ化合物の精製方法。
【請求項3】
前記3級アミンは、炭素数が8〜26である長鎖モノアルキルN,N-ジメチルアミン及び/又は炭素数が8〜26である長鎖モノアルケニルN,N-ジメチルアミンである、請求項1又は2に記載のエポキシ化合物の精製方法。
【請求項4】
前記長鎖アルキル基及び/又はアルケニル基の炭素数が12〜18である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエポキシ化合物の精製方法。
【請求項5】
前記過酸化物は、過酢酸及び/又は過酸化水素である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のエポキシ化合物の精製方法。
【請求項6】
前記過酸化物で酸化させる二重結合を有する有機化合物が、3−シクロヘキセニルメチル−3−シクロヘキセンカルボキシレート、ビスフェノール−Aジアリルエーテル又はビスフェノール−Fジアリルエーテルである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のエポキシ化合物の精製方法。

【公開番号】特開2010−155804(P2010−155804A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−335089(P2008−335089)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成20年度戦略的技術開発委託費(グリーン・サステイナブルケミカルプロセス基盤技術開発<革新的酸化プロセス基盤技術開発>に係るもの)に係る委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】