説明

エポキシ樹脂系の組成物

【課題】鉄筋等の錆の発生を効果的に防止ないし抑制できるのみならずクラックの再発を防止できる錆転換型のエポキシ樹脂系組成物として、一液常温(室温)湿気硬化型のエポキシ樹脂系組成物を提供する。
【解決手段】ビスフェノールA型エポキシ樹脂からなる主剤と、エポキシ樹脂用硬化剤であるケチミンと、添加剤とを含有し、主剤とケチミンとの割合が重量比で2〜6:1であり、主剤とケチミンとの合計含有量が80〜95重量%であり、添加剤の含有量は5〜20重量%であり、添加剤には、タンニン酸と、リン酸イオンと、アルコール系溶剤とが含まれている構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば鉄筋コンクリート構造物等におけるクラック部や各種鋼構造物どうしの接合間隙部等を補修あるいはシールする際に使用されるエポキシ樹脂系の組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、鉄筋コンクリート製の建物等においては種々の原因でコンクリート(モルタルを含む)にクラックが発生することがある。このようなクラックを放置しておくと、その部分から空気や水が浸透してコンクリート内にある鉄筋等の鋼材の腐食が進行するおそれがあるため、早期に補修しておくことが望ましい。
【0003】
この種のクラックに対する補修は、従来、例えば次のような方法で行われている。
(1) クラックの発生部に沿って表面を例えばV字状にカット(いわゆるカット処理ないしハツリ処理)して、その部分に樹脂を注入する。その場合、注入樹脂として通常はエポキシ樹脂を使用する。
(2) クラックの発生部の周囲を全体的にハツリ処理し、次いで鉄筋の腐食部分に対してケレン処理を施した上で防錆処理を行い、最後に穴埋処理をする。
【0004】
上記(1)の方法は、クラック部分に対して樹脂を注入・充填することにより空気・水分等を遮断し、それ以後のクラックの拡大を防止ないし抑制しようとするものである。しかし、この方法では、コンクリート内の鉄筋がすでに腐食していれば、その腐食を抑制することができず、また鋼材部分に対する防錆効果も期待できないため、時間が経つと鉄筋の腐食が増大する。その結果、錆による体積膨張でコンクリートに再度クラックが発生するという問題が生じる。
【0005】
これに対して、上記(2)の方法によれば、その後のクラックの発生に加えて錆の発生をも防止ないし抑制することができる。しかし、この方法では、クラック部の周囲を大がかりにハツリ処理する必要があるとともに、腐食している鉄筋等に対してケレン処理や防錆処理(塗装)を施さなければならないため、補修工事が大がかりになり、時間および経費がかかるという問題がある。このように上記従来の方法においては、防錆効果が十分でない、クラックの再発防止効果が薄い、工事が大がかりになる、時間や費用がかかる等の問題があった。
【0006】
そこで、本願出願人は、鉄筋等の錆の発生を効果的に防止ないし抑制できるのみならずクラックの再発を防止できる組成物として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(主剤)とアミン系硬化剤とからなる系に、タンニン酸とリン酸イオンなどを含有した添加剤を所定の割合で配合してなる錆転換型のエポキシ樹脂系組成物を提案した(特許文献1)。これによれば、当該組成物に含まれているリン酸イオンが鉄筋等の表面に作用して、腐食抑制効果のあるリン酸塩系無機皮膜を作るのみならず、同組成物中の有機酸が腐食部分の錆(赤錆:Fe23 )中に浸透して、その錆を黒錆(マグネタイト:Fe34 )等の化学的に安定な化合物に変えてしまうので、大がかりな工事を行わなくても、鋼材の腐食の進行による錆膨張及びこれに伴うコンクリート部におけるクラックの再発を抑制ないし防止でき、しかも鋼材とコンクリート等との密着性を高めて両者を強固に結合させることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−182796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記錆転換型のエポキシ樹脂系組成物は、非使用時には主剤であるビスフェノールA型エポキシ樹脂とアミン系硬化剤とは非混合状態で保管され、現場で使用する際に前もって混合されて塗料として調整される二液硬化型のエポキシ樹脂系組成物であるため、その可使時間(ポットライフ)を考慮して適切な時期に所定比率のもとに混練しなければならないという煩わしさがある。具体的には、例えば、塗料として調整した後の組成物を補修の対象部分に塗布して塗膜を形成した際に、薄い塗膜部分では硬化時の反応熱が塗膜内にこもりにくい(外部に逃げやすい)ので比較的硬化が遅くなる一方、厚い塗膜部分では当該塗膜の深部に反応熱がこもりやすい(外部に逃げにくい)ので、その反応熱で硬化が速くなるが、現場において塗料として調整する際には、これらの点を十分に考慮して混合のタイミング等を決定しなければならないといった煩わしさがある。また、主剤と硬化剤との混練作業において撹拌が不十分であると、塗布後において硬化不良が生じて塗膜に欠陥部分ができやすくなる。
【0009】
本発明は、上記のような問題に対処するもので、大がかりな工事を行わなくても、鋼材の腐食の進行による錆膨張及びこれに伴うコンクリート部におけるクラックの再発を抑制ないし防止でき、しかも鋼材とコンクリート等との密着性を高めて両者を強固に結合させることができるエポキシ樹脂系の組成物として、現場において使用する際に主剤と硬化剤との混練作業を行うことなく一液のまま塗布・使用できる常温(室温)湿気硬化型のエポキシ樹脂系組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的達成のため、本発明は、鉄鋼−コンクリート系もしくは鉄鋼−モルタル系もしくは鉄鋼−アスファルト系またはこれらの複合系におけるクラック部、接合間隙部または欠損部等を補修ないしシールする際に用いられるエポキシ樹脂系の組成物において、次の(1)〜(5)の要件を具備してなることを特徴とする。
【0011】
(1) ビスフェノールA型エポキシ樹脂からなる主剤と、エポキシ樹脂用硬化剤であるケチミンと、添加剤とを含有すること。
(2) 主剤とケチミンとの割合が、重量比で2〜6:1(好ましくは2.0:0.8〜1.2)、または当量比(エポキシ当量と活性水素当量との比)で1.0:0.8〜1.2であること。
(3) 主剤とケチミンとの合計含有量が80〜95%(重量%、以下単に%というときは重量%を意味する)であること。
(4) 添加剤の含有量が5〜20%であること。
(5) 添加剤には、タンニン酸と、リン酸イオンと、アルコール系溶剤とが含まれていること。
【0012】
添加剤には、その全量に対して、10〜50重量%のタンニン酸と、5〜30重量%のリン酸イオンと、20〜80重量%のアルコール系溶剤とが含まれていること。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、鉄筋コンクリート製構造物などにおけるクラックの補修を行う場合等において、面倒な防錆処理等を行わなくても、鋼材表面に対する防食と同時にクラック部や欠損部に対する注入・充填作業あるいはシール作業を行うことができる。これにより、大がかりな工事を行わなくても、鋼材の腐食の進行による錆膨張及びこれに伴うコンクリート部におけるクラックの再発を抑制ないし防止できる。また、仕上げ後においては、本発明組成物によって形成された補修部分が鋼材およびコンクリートの双方に密着して一体化されるから、その補修部分を介して鋼材とコンクリート等の両者が強固に結合することとなる。
【0014】
加えて、本発明に係るエポキシ樹脂系の組成物によれば、従来の二液硬化型エポキシ樹脂系組成物のように使用直前に短い可使時間(ポットライフ)を考慮して手早く主剤と硬化剤とを所定比率で均一に混練するという煩わしい作業を行わなくて済むから、その分だけ作業効率が上がることとなる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を特定する事項等について更に具体的に説明する。
〈1〉主剤
主剤には、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの縮合生成物であるビスフェノールA型エポキシ樹脂を使用する。金属やコンクリートなどの他物質への接着性に優れていること、硬化の際に水その他の揮発物を副生せず、体積収縮率が少ない(つまり寸法安定性に優れている)こと、耐薬品性に優れており、多くの酸やアルカリ類、塩類に対して安定であること、含浸性、耐熱性、耐水性に優れていること等による。本発明で使用可能な主剤およびケチミンを含有した組成物としては、例えばユニエポ01(登録商標:コニシ株式会社)を用いることができる。
【0016】
〈2〉ケチミン
ケチミンは、主剤であるエポキシ樹脂の硬化剤として使用する。ケチミンは、一般に、一級又は二級アミノ基を有するアミン化合物と、ケトン又はアルデヒドとの脱水縮合によって得られるもので、空気中の水分が与えられると、下式(1)に示す平衡反応が同式中の左方向に進むことによってアミンを生成し、これによりエポキシ樹脂を常温で硬化させる機能を発揮する。すなわち、ケチミンは、これをエポキシ樹脂に混合しても直ぐには硬化せず、塗布後に空気中の水分を吸収することによって常温硬化する潜在性硬化剤としての役割を果たす。
−NH2 + C=O ⇔ C=N− + H2 O ・・・(1)
【0017】
本発明で使用するケチミンとしては、例えば、特開2000−44773号公報の[0011]〜[0014]に記載されているような親水性ケチミン(第一アミン又は第二アミンとカルボニル化合物とが脱水縮合して生成したケチミンのうち、オキシアルキレン構造を含む化合物)、具体的には、オキシアルキレン構造を有する第一アミン又は第二アミンと、アルキルケトンとが脱水縮合して生成する化合物を挙げることができる。より具体的には例えば化1に示されるような化合物を挙げることができる。
【0018】
【化1】

【0019】
〈3〉添加剤
本発明において、添加剤は、鋼材腐食部の錆の成長を止めるべく、赤錆を安定な黒錆に転換する機能をもつという意味で特に重要である。
【0020】
a)リン酸イオン
リン酸イオンは、鋼材表面をエッチングするためのもので、例えば正リン酸や重合リン酸として、あるいはリン酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸亜鉛等のリン酸塩の状態で添加することができる。リン酸イオンと鋼材との反応は次の通りである。Fe+2H3 PO4 →Fe(H2 PO42 +H2 ↑この反応により、鋼材表面と本発明組成物との界面におけるpHが上昇し、鋼材表面にリン酸塩系無機皮膜が形成される。リン酸イオンの含有量は、当該添加剤の全量を100%とした場合に、5〜30%とするのが良い。これよりも含有量が多すぎると臭いが強くなって作業性が損なわれるおそれがあり、少なすぎると金属表面に対する反応性が低下する。好ましくは、10〜20%、更に好ましくは10〜15%である。
【0021】
b) タンニン酸
タンニン酸は、鋼材表面と反応してタンニン酸−鉄系の皮膜を形成する機能がある。タンニン酸の含有量は、当該添加剤の全量を100%とした場合に、10〜50%とするのが良い。これよりも含有量が多いと溶解しにくくなるとともにコストアップとなり、少ないと鋼材表面に対する反応性が低下する。好ましくは、20〜40%、更に好ましくは30〜35%である。
【0022】
c) アルコール系溶剤
アルコール系溶剤は、主として、添加剤がエポキシ樹脂に対して良好に混ざるようにする目的で使用する。アルコール系溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール等を用いることができる。アルコール系溶剤の含有量は、当該添加剤の全量を100%とした場合に、20〜80%とするのが良い。これよりも含有量が多いとリン酸、タンニン酸の添加量が少なくなり、少ないとリン酸、タンニン酸が溶解しにくくなる。好ましくは、40〜60%、更に好ましくは50〜55%である。
【0023】
〈4〉
本発明に係るエポキシ樹脂系の組成物(以下、適宜、本発明組成物という。)の用途次に本発明組成物の主な用途を列挙する。
a)鉄筋コンクリート構造物等のクラック部への注入用
b)各種鋼構造物どうしの接合間隙部等への注入用
c)橋梁合成桁部で鋼材とコンクリート部の間隙部等への充填注入用
d)ベランダ手摺部とスラブ部との取合い部等への注入用
e)コンクリート、モルタル部等の欠損部への充填用
f)天井の欠損部の充填、不陸調整、ジャンカ、巣穴、その他空隙部などへの充填用
g)各種プラント等の新設・塗り替え時の下塗り用
h)各種鉄鋼構造物等の新設・塗り替え時の下塗り用
【0024】
〔作用〕
例えば、本発明組成物を用いて鉄筋コンクリート構造物のクラックを補修する場合には、まずクラックに沿って存在するコンクリート部分を電動カッター等で所要形状に斫り取った後、斫り屑やほこり等を除去し、強固なコンクリート下地を出す。この状態において、鉄筋が露出している場合には、従来はワイヤーブラシ等で鉄筋表面の錆を完全に除去した上で、下地面および鉄部に刷毛等でプライマーおよび防錆剤を順次塗布し、その後に樹脂や樹脂モルタル等を注入・充填していた。
【0025】
しかし、本発明によれば、その必要がなく、上記コンクリート下地を出した状態(鉄筋表面が腐食している場合には、その腐食部分の浮き錆を軽く除いた程度)で、斫り取られた部分に本発明組成物を注入・充填するだけでよい。このようにすると、注入・充填された本発明組成物に含まれているリン酸イオンが鉄筋の表面に作用して、腐食抑制効果のあるリン酸塩系無機皮膜を作る。また、同組成物中の他の成分であるタンニン酸が鉄部および/または鉄錆と反応してタンニン酸−鉄系の腐食抑制皮膜を形成する。このとき、タンニン酸は、腐食部分の錆(赤錆:Fe23 )中に浸透して、その錆を黒錆(マグネタイト:Fe34 )等の化学的に安定な化合物に変えてしまう。これにより、鉄筋部分の腐食が抑制ないし防止される。そして、この状態で本発明組成物が硬化して、主成分であるエポキシ樹脂のもつ優れた接着力によりコンクリート部分および鉄筋部分に対して強固に結合する。その結果、当初クラックのあった部分は、内部に空気や水分が浸透しないように補修されることになる。
【0026】
このようにして本発明組成物によれば、クラック部を補修する際に、樹脂注入前の防錆処理等を特に行わなくても、組成物を注入・充填するだけで鉄筋部分の腐食を抑制ないし防止しうると同時にクラック部を修復することができる。
【0027】
しかも、本発明組成物は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂からなる主剤と、エポキシ樹脂用硬化剤であるケチミンとを含有する一液常温湿気硬化型のエポキシ樹脂系組成物であるから、従来の二液硬化型エポキシ樹脂系組成物のように使用直前に短い可使時間(ポットライフ)を考慮して手早く主剤と硬化剤とを所定比率で均一に混練するという煩わしい作業を行わなくて済み、その分だけ作業効率が上がることとなる。
【0028】
以上はクラック部において鉄筋が露出している場合の説明であるが、鉄筋がクラックの奥にあって露出していない場合でも、クラック部に本発明組成物を注入・充填するだけで鉄筋部分の腐食を抑制ないし防止できる点は同じである。その場合、クラック部内に注入された本発明組成物がクラック内奥に容易に浸透して鉄筋の表面に至ることにより、上記と同様にして腐食を抑制ないし防止する。
【0029】
(実施例) 本発明の実施例および比較例として、表1に示す組成を有するエポキシ樹脂系の組成物を作成した。表1中の各成分の数字は重量%を示す。
【0030】
【表1】

【0031】
表1に示したケチミンとしては、下記[化2]に示すような親水性ケチミンを使用した。
【0032】
【化2】

【0033】
上記各組成物について、硬化後の圧縮強度等を測定したところ、表2に示すような結果が得られた。なお、圧縮強度、曲げ強度、引張剪断接着強度の各測定方法は、JISK7208、JISK7203、JISK6850にそれぞれ準ずる。
【0034】
【表2】

【0035】
次に、表面が腐食した鋼材に対する上記各組成物の接着性能と腐食抑制効果とを調べるため、錆面鋼板(表面に錆の層を有する鋼板)を使用して表3に示した試験を行ったところ、表3の中欄に示す結果が得られた。なお、接着強度の測定は建研式により行い、錆面外観は目視により調べた。
【0036】
【表3】

【0037】
〔性能評価〕
上記表2に示したように、本発明の各実施例に係る組成物は硬化後において十分な機械的強度を有することが確認された。また、表3に示したように、本発明の各実施例に係る組成物は、比較例に係る組成物に比べて錆面鋼板との接着性も良好であり、しかも鋼材と接触した状態では相手側の鋼材表面に生じていた赤錆を化学的に安定な黒錆に転換しうることも確認された。これらのことから、鉄筋コンクリート製構造物等におけるクラックの補修等に本発明組成物を用いれば、大がかりな工事や面倒な防錆処理等を行わなくても、鋼材表面に対する防食と同時にクラック部や欠損部に対する充填作業あるいはシール作業を簡単に行うことができ、また仕上げ後においては、本発明組成物によって形成された補修部分が鋼材およびコンクリートの双方に強固に結合一体化されることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄鋼−コンクリート系もしくは鉄鋼−モルタル系もしくは鉄鋼−アスファルト系またはこれらの複合系におけるクラック部、接合間隙部または欠損部を補修あるいはシールする際に用いられるエポキシ樹脂系の組成物であって、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂からなる主剤と、エポキシ樹脂用硬化剤であるケチミンと、添加剤とを含有し、
主剤とケチミンとの割合が重量比で2〜6:1であり、
主剤とケチミンとの合計含有量が80〜95重量%であり、
添加剤の含有量は5〜20重量%であり、
添加剤には、タンニン酸と、リン酸イオンと、アルコール系溶剤とが含まれていることを特徴とするエポキシ樹脂系の組成物。
【請求項2】
鉄鋼−コンクリート系もしくは鉄鋼−モルタル系もしくは鉄鋼−アスファルト系またはこれらの複合系におけるクラック部、接合間隙部または欠損部を補修あるいはシールする際に用いられるエポキシ樹脂系の組成物であって、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂からなる主剤と、エポキシ樹脂用硬化剤であるケチミンと、添加剤とを含有し、
主剤とケチミンとの割合が重量比で2.0:0.8〜1.2であり、
主剤とケチミンとの合計含有量が80〜95重量%であり、
添加剤の含有量は5〜20重量%であり、
添加剤には、タンニン酸と、リン酸イオンと、アルコール系溶剤とが含まれていることを特徴とするエポキシ樹脂系の組成物。
【請求項3】
鉄鋼−コンクリート系もしくは鉄鋼−モルタル系もしくは鉄鋼−アスファルト系またはこれらの複合系におけるクラック部、接合間隙部または欠損部を補修あるいはシールする際に用いられるエポキシ樹脂系の組成物であって、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂からなる主剤と、エポキシ樹脂用硬化剤であるケチミンと、添加剤とを含有し、
主剤とケチミンとの割合が当量比(エポキシ当量と活性水素当量との比)で1.0:0.8〜1.2であり、
主剤とケチミンとの合計含有量が80〜95重量%であり、
添加剤の含有量は5〜20重量%であり、
添加剤には、タンニン酸と、リン酸イオンと、アルコール系溶剤とが含まれていることを特徴とするエポキシ樹脂系の組成物。
【請求項4】
添加剤には、その全量に対して、10〜50重量%のタンニン酸と、5〜30重量%のリン酸イオンと、20〜80重量%のアルコール系溶剤とが含まれている請求項1ないし3のいずれかに記載のエポキシ樹脂系の組成物。

【公開番号】特開2012−251055(P2012−251055A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123764(P2011−123764)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(591074390)
【出願人】(505179018)
【Fターム(参考)】