エレベーター
【課題】本発明の目的は、昇降路の平面寸法および昇降路頂部方向の高さ寸法を小さく抑えることのできる機械室のないトラクション式のエレベーターを提供することにある。
【解決手段】本発明は、乗りかご1および釣合いおもり2をトラクションシーブ10を介して吊りロープ11により昇降駆動させるエレベーターであって、釣合いおもり2の上方の昇降路頂部に駆動装置7を設け、この駆動装置によって回転駆動されるトラクションシーブ10を備え、このトラクションシーブ10を、昇降路壁の釣合いおもり2が対向する対向壁面と隣接する隣接壁面に寄せて設け、かつ乗りかご1の水平投影断面外に配置したエレベーターを提供する。
【解決手段】本発明は、乗りかご1および釣合いおもり2をトラクションシーブ10を介して吊りロープ11により昇降駆動させるエレベーターであって、釣合いおもり2の上方の昇降路頂部に駆動装置7を設け、この駆動装置によって回転駆動されるトラクションシーブ10を備え、このトラクションシーブ10を、昇降路壁の釣合いおもり2が対向する対向壁面と隣接する隣接壁面に寄せて設け、かつ乗りかご1の水平投影断面外に配置したエレベーターを提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は駆動装置を設置する機械室を不要にしたトラクション式エレベーターに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、日照権の問題から昇降路頂部に設けられたロープ式エレベーターの機械室をなくす目的で、リニアモーターエレベーター、かごと昇降路壁の隙間に巻上機を設置したエレベーター等が考案されている。
【0003】
図16は、例えば特開平2−23492号公報に記載されているような、釣合い重り50に円筒型リニアモータ51の電機子を組み込んだエレベーターの概要を示したものである。この例ではエレベーターの駆動機構を釣合い重り50に組み込むことにより、かご52をロープを介して昇降駆動し、従来のロープ式エレベーターの機械室を不要にしている。
【0004】
図17および図18は、実公平4−50297号公報および特許第2593288号公報に記載されているような、巻上機53を昇降路54頂部の昇降路壁とかご55横面との隙間に設置したエレベーターの概要を示したものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図16で説明したリニアモータエレベーターでは従来の機械室を不要とするメリットを持つが、昇降路かご上部にかごを吊るためのオーバーヘッドシーブを設置する必要がある。このため昇降路の高さそれ自体が高くなり、建物の屋上から突出することになり、十分な効果を上げているとは言えない。また釣合い重りに駆動装置を取り付けるため、釣合い重りの平面寸法が大きくなり、昇降路の平面寸法が大きくなることにより建物の有効利用面積が小さくなるという問題があった。
【0006】
また図17で説明した昇降路内頂部の昇降路壁とかご横面との隙間に駆動装置を設置した例では、駆動シーブの回転面がかご横面に直交する形で配置されているため、かごと壁の隙間の寸法をその分通常のエレベーターより大きくとらなければならず、リニアモータエレベーターの例と同様に建物の有効利用面積が小さくなるという問題があった。
【0007】
また図18に示したもう一つの例ではかごの定格の積載量が大きくなった場合、巻上モータやトラクションシーブの厚さが大きくなり乗りかごと昇降路壁の隙間に収まらず、エレベーターの大型化に対応できないことが考えられる。また乗りかごに返し車を設けた構成となるため、構成が複雑で、部品数も増え、コストや据付け保守の手間という点で問題がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、昇降路の平面寸法および昇降路頂部方向の高さ寸法を小さく抑えることのできる機械室のないトラクション式のエレベーターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の目的を達成するために、請求項1対応の発明は、ガイドレールに沿って昇降する乗りかごと、ガイドレールに沿って昇降する釣合いおもりと、乗りかごおよび釣合いおもりを懸架する吊りロープと、吊りロープと係合するトラクションシーブを備えた駆動装置とからなるエレベーターにおいて、釣合いおもりの上方の昇降路頂部に設けられた駆動装置と、この駆動装置によって回転駆動されるトラクションシーブとを備え、このトラクションシーブを、昇降路壁の釣合いおもりが対向する対向壁面と隣接する隣接壁面に寄せて設け、かつ前記乗りかごの水平投影断面外に配置したエレベーターを提供する。
【0010】
これにより、乗りかごが昇降路頂部付近まで上昇した場合でも、乗りかごがトラクションシーブと干渉することがなく、その分駆動装置の昇降路頂部の寸法を低く抑えることができ、かつ昇降路の水平断面寸法を小さく抑えることができる。
【0011】
請求項2対応の発明は、請求項1の発明のエレベーターにおいて、前記釣合いおもりを乗りかごの出入口部からみて背面側に設けたエレベーターを提供する。これにより、出入口幅方向の寸法を大きく取れない昇降路の場合でも昇降路寸法を大きくすることなくエレベーターを設置することができる。
【0012】
請求項3対応の発明は、請求項1の発明のエレベーターにおいて、前記駆動装置が複数のトラクションシーブを有するエレベーターを提供する。これにより、乗りかごを吊る位置の自由度が増し、安定して乗りかごを昇降させることができる。
【0013】
請求項4対応の発明は、請求項1の発明のエレベーターにおいて、前記駆動装置のフレーム外径が前記トラクションシーブの直径よりも小さいエレベーターを提供する。
【0014】
これにより、昇降路頂部の寸法を低く抑えることができる。請求項5対応の発明は、請求項1の発明のエレベーターにおいて、前記駆動装置に減速機を用いないエレベーターを提供する。
【0015】
これにより、静かで良好な走行特性を得ることができる。請求項6対応の発明は、請求項1の発明のエレベーターにおいて、前記駆動装置に減速機を備えたエレベーターを提供する。
【0016】
これにより、駆動装置の小形化を図ることができる。請求項7対応の発明は、請求項1の発明のエレベーターにおいて、吊りロープのヒッチ部を前記乗りかごの天井面より下方に設けたエレベーターを提供する。
【0017】
これにより、昇降路頂部方向の寸法を低く抑えることができるとともに、かご枠の構造の簡素化および軽量化を図ることができる。請求項8対応の発明は、請求項1の発明のエレベーターにおいて、吊りロープのヒッチ部を前記乗りかごの下部に設けたエレベーターを提供する。
【0018】
これにより、昇降路頂部方向の寸法を低く抑えることができるとともに、かご枠の構造の簡素化および軽量化を図ることができる。請求項9対応の発明は、請求項1の発明のエレベーターにおいて、前記駆動装置を前記乗りかごの水平投影断面外に配置したエレベーターを提供する。
【0019】
これにより、昇降路頂部方向の寸法を低く抑えることができ、かつ昇降路の平面寸法も小さく抑えることができる。請求項10対応の発明は、請求項4の発明のエレベーターにおいて、複数のトラクションシーブから懸垂された吊りロープによる前記乗りかごの吊り位置を、乗りかご重心から見てほぼ対称となるように配置したエレベーターを提供する。
【0020】
これにより、ガイドレール、案内装置、かご枠等の簡素化および軽量化を図ることができ、乗りかごの走行特性も向上する。請求項11対応の発明は、請求項10の発明のエレベーターにおいて、吊りロープによる乗りかごの吊り位置を、昇降路上部に設けられたそらせシーブにより移動させたエレベーターを提供する。
【0021】
これにより、ガイドレール、案内装置、かご枠等の簡素化および軽量化を図ることができ、乗りかごの走行特性も向上する。請求項12対応の発明は、ガイドレールに沿って昇降する乗りかごと、ガイドレールに沿って昇降する釣合いおもりと、乗りかごおよび釣合いおもりを懸架する吊りロープと、吊りロープと係合するトラクションシーブを備えた駆動装置とからなるエレベーターにおいて、前記駆動装置を昇降路内上部に設け、かつこの駆動装置の出力軸の両端にトラクションシーブを備えたエレベーターを提供する。
【0022】
請求項13対応の発明は、請求項12の発明のエレベーターにおいて、前記駆動装置は減速機を用いないギヤレスタイプを採用したエレベーターを提供する。請求項14対応の発明は、請求項12の発明のエレベーターにおいて、前記駆動装置は、出力軸に連結された中空構造の減速機と、この減速機に駆動力を与える駆動モータとを備えたエレベーターを提供する。
【0023】
請求項15対応の発明は、請求項12の発明のエレベーターにおいて、前記駆動装置のフレームの外径が前記トラクションシーブの直径よりも小さくしたエレベーターを提供する。
【0024】
請求項16対応の発明は、請求項12の発明のエレベーターにおいて、前記駆動装置の支持脚が前記トラクションシーブの鉛直方向の中心線を結ぶ面に対して前記乗りかごから離れる方向にオフセットされたエレベーターを提供する。
【0025】
請求項17対応の発明は、請求項12の発明のエレベーターにおいて、前記駆動装置は、前記出力軸に設けられた歯車と、この歯車と噛み合う小歯車を有する減速機と、この減速機に駆動力を与える駆動モータとを備えたエレベーターを提供する。
【0026】
請求項18対応の発明は、請求項12の発明のエレベーターにおいて、前記駆動装置は、前記トラクションシーブに出力軸が固着された減速機と、この減速機に伝動手段を介して接続された駆動モータとを備えたエレベーターを提供する。
【0027】
請求項19対応の発明は、請求項12の発明のエレベーターにおいて、前記駆動装置は、駆動モータのフレームに固定された減速機と、この減速機の出力軸に固定されたトラクションシーブとを備えたエレベーターを提供する。
【0028】
請求項20対応の発明は、請求項12の発明のエレベーターにおいて、前記駆動装置の出力軸の少なくとも一部に継ぎ手を設けたエレベーターを提供する。請求項21対応の発明は、請求項12の発明のエレベーターにおいて、前記駆動装置の出力軸に複数の継ぎ手を設け、かつ前記複数の継ぎ手間を継ぎシャフトにて連結したエレベーターを提供する。
【0029】
請求項22対応の発明は、請求項12の発明のエレベーターにおいて、前記トラクションシーブを締結部材を介して前記出力軸に着脱自在に取り付けたエレベーターを提供する。
【発明の効果】
【0030】
以上請求項1の発明によれば、乗りかごが昇降路頂部付近まで上昇した場合でも、乗りかごがトラクションシーブと干渉することがなく、その分駆動装置の昇降路頂部の寸法を低く抑えることができ、かつ昇降路の平面寸法を小さく抑えることができる。
【0031】
請求項2の発明によれば、出入口幅方向の寸法を大きく取れない昇降路の場合でも昇降路寸法を大きくすることなくエレベーターを設置することができる。請求項3の発明によれば、乗りかごを吊る位置の自由度が増し、安定して乗りかごを昇降させることができる。
【0032】
請求項4の発明によれば、昇降路頂部の寸法を低く抑えることができる。請求項5の発明によれば、静かで良好な走行特性を得ることができる。請求項6の発明によれば、駆動装置の小形化を図ることができる。
【0033】
請求項7の発明によれば、昇降路頂部方向の寸法を低く抑えることができるとともに、かご枠の構造の簡素化および軽量化を図ることができる。請求項8の発明によれば、昇降路頂部方向の寸法を低く抑えることができるとともに、かご枠の構造の簡素化および軽量化を図ることができる。
【0034】
請求項9の発明によれば、昇降路頂部方向の寸法を低く抑えることができ、かつ昇降路の平面寸法も小さく抑えることができる。請求項10および11の発明によれば、ガイドレール、案内装置、かご枠等の簡素化および軽量化を図ることができ、乗りかごの走行特性も向上する。
【0035】
請求項12の発明によれば、トラクションシーブを駆動装置の両端に設けているので、駆動モータを小径長軸に構成でき、高出力が得られるとともにスペース効率に優れたエレベーターを提供することができる。
【0036】
請求項13の発明によれば、駆動装置を単純な構成で、低騒音かつ高い動力伝達効率のものとすることができる。請求項14の発明によれば、駆動装置に減速機を用いた構成でありながら小型、軽量化を図ることができる。
【0037】
請求項15及び16の発明によれば、駆動装置のスペース効率が向上し、エレベーター乗りかごの上昇最高点の範囲を拡大することができる。請求項17の発明によれば、エレベーターの多種多様な速度、容量への対応が容易となる。請求項18乃至22の発明によれば、昇降路や乗りかごの寸法に対して駆動装置の寸法を自由な対応が容易となり、組立てや取り付け作業も容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
(第1の実施形態)(請求項1,2,3,4,5,8に対応)
まず、本発明の第1の実施形態であるエレベーターの概要を図1乃至図4に示す。本実施形態のエレベーターは、乗りかご1および釣合いおもり2が昇降するための昇降路3に、乗りかご1および釣合いおもり2の昇降をそれぞれ案内するための一対のかご用ガイドレール4および一対の釣合いおもり用ガイドレール5が設置されている。
【0039】
乗りかご1は、利用客が乗るかご室1aと、かご室1aを支持するかご枠1bとで構成され、出入口部1cを備えている。かご用ガイドレール4と釣合いおもり用ガイドレール5の頂部には、それぞれのガイドレールに亘って設けられた連結ビーム6が一対設けられている。そして、駆動装置7を載置するための支持ビーム8が連結ビーム6間に跨がって取り付けられている。
【0040】
支持ビーム8に載置された駆動装置7は、図4に示すような、巻上機16(巻上モータ)、ブレーキ装置18およびこれらを支持するフレーム19と、支持ビーム8に固定するための支持脚20から構成される減速機を用いないギヤレスの駆動装置であり、巻上機の両端の出力軸25には駆動用のトラクションシーブ10が設けられている。尚、トラクションシーブ10は駆動装置7の片端のみに取り付けた方式でも可能である。
【0041】
これらのトラクションシーブ10には吊りロープ11がそれぞれつるべ状に巻き掛けられ、吊りロープ11の一端は釣合いおもり2上部のロープヒッチ部12に接続され、他端は乗りかご1の下部のかご枠1bに設けられたヒッチ部13にシャックルロッド11aを介して取り付けられている。このヒッチ部13は、乗りかご1の出入口部1cからみて後方(釣合いおもり2側)に、かつほぼ左右対称の位置に計2カ所設けられている。尚、トラクションシーブ10が駆動装置7の片端のみに取り付けられた場合には、ヒッチ部は一つで済む。
【0042】
釣合いおもり2は、乗りかご1の出入口部1cから見て背面に配置され、駆動装置7は釣合いおもり2の昇降方向上部の延長上の昇降路3頂部に位置している。
【0043】
図3は、第1の実施形態のエレベーターの水平断面図である。図3に示されるように、駆動装置7は出入口からみて幅方向に長尺な構造をしており、駆動装置7の巻上機の両端に設けられたトラクションシーブ10は、昇降路3の釣合いおもり2が対向する対向壁面3aと隣接する隣接壁面3bに寄せて設けられ、乗りかご1の側面14a,14b(かごが釣合いおもり2と対向する面と隣接する側の面)と昇降路3の隣接壁面3bとの間の空間に、それぞれ乗りかごの水平投影断面外に配置されている。また、図2に示すとおり、駆動装置7のフレーム19の外径B(巻上げモータの外径)は、トラクションシーブ10の直径Aよりも小さくしている。
【0044】
次に、このように構成された第1の実施形態のエレベーターの動作について説明する。まず、駆動装置7の巻上機が駆動されると、この両端に直結したトラクションシーブ10が回転し、このトラクションシーブ10と吊りロープ11との間の静止摩擦力(トラクション)により吊りロープ11が駆動される。これにより、吊りロープ11に連結された乗りかご1および釣合いおもり2がそれぞれのガイドレール4,5に沿って昇降駆動される。
【0045】
以上、第1の実施形態のエレベータによれば、駆動装置7の巻上機の両端に設けられたトラクションシーブ10を隣接壁面3bに寄せて、乗りかご1の側面14a,14bと昇降路壁との間に、それぞれ乗りかごの水平投影断面外に配置しているので、乗りかご1が昇降路頂部付近まで上昇した場合でも、乗りかご1と干渉することがなく、その分駆動装置7の昇降路頂部の寸法を低く抑えることができ、かつ昇降路の水平断面寸法を小さく抑えることができる。
【0046】
また、釣合いおもり2が、乗りかご1の出入口の背面側に設置されるため、出入口幅方向の寸法を大きく取れない昇降路の場合でも昇降路寸法を大きくすることなくエレベーターを設置することができる。
【0047】
また、駆動装置7の巻上機の両端にそれぞれトラクションシーブ10を設けるようにしたので、乗りかご1を吊る位置の自由度が増し、安定して乗りかご1を昇降させることができる。
【0048】
さらに、トラクションシーブ10の直径より小径の巻上モータを用いるようにしたので、駆動装置7の昇降路頂部の寸法を低く抑えることができる。また、駆動装置7は減速機を用いないため静かで良好な走行特性を得ることができる。
【0049】
また、かご枠1bのヒッチ部13が、乗りかご1の下部に設けられているため、昇降路頂部方向の寸法を低く抑えることができるとともに、かご枠1bの構造の簡素化および軽量化を図ることができる。
【0050】
また、ヒッチ部13は、乗りかご1の出入口部1cからみてほぼ左右対称の位置に設けられているため、バランスが良く、良好な走行特性を得ることができる。
【0051】
(第2の実施形態)(請求項6,請求項12乃至22に対応)
図5は、本発明の第2の実施形態のエレベーターの駆動装置の構成を示したものであり、駆動装置以外の構成は第1の実施形態と同様の構成である。
【0052】
第2の実施形態のエレベーターの駆動装置15は、駆動モータ26の中空出力軸27は左右両側に伸びた構造になっていて軸受29に支持されている。駆動モータ26の中空出力軸27と同軸上に中空構造の減速機17及び駆動モータ26の回転を制動するブレーキ18が取付けられている。中空構造の減速機17の出力側には出力軸25が軸受28を介して取付けられており、出力軸25の両端にはトラクションシーブ10が取付けられている。トラクションシーブ10には図示しない乗りかご1と釣合い重り2を懸架する吊りロープ11が巻き掛けられている。
【0053】
次に、本実施形態の動作を説明すると、駆動モータ26が回転して中空出力軸27に直結した中空構造の減速機17に動力が入力されて、中空構造の減速機17の出力側に取付けられた出力軸25に乗りかご1の昇降に必要な回転数と駆動力が伝達される。その出力軸25に取付けられたトラクションシーブ10、吊りロープ11を介して乗りかご6が昇降する。
【0054】
本実施形態によれば第1の実施態様の効果に加え、中空構造の駆動モータ26、減速機17、ブレーキ18を用いることにより、これらを出力軸25と同軸上に配置することが可能となり、小型且つ軽量な駆動装置15が実現できるとともに、減速機17を介して出力軸25を駆動する為、エレベータに要求される様々な容量、速度に対して減速機17の減速比と駆動モータ26の容量を変えると言った簡単な変更で対応する事が出来る。
【0055】
また、図6に示すように、支持脚20は、トラクションシーブ10の鉛直方向の中心線を結ぶ面Zより対向壁面3a側、即ち乗りかご1より離れる方向にオフセットしているため、昇降路高さ寸法を変えずに乗りかご1の昇降行程高さの幅を広げることができる。尚、この支持脚20は、第1の実施形態の駆動装置7に適用しても同様の効果が得られる。
【0056】
次に、第2の実施形態の駆動装置15の変形例を図7を用いて説明する。駆動モータ30の出力軸30aは遊星歯車減速機31の入力軸31aと直結しており、遊星歯車減速機31の出力軸31bは小歯車32に連結されている。トラクションシーブ10は出力軸25に直結されており、出力軸25には小歯車32と噛み合う歯車33が設けられている。また、出力軸25の一端は支持軸受34aを介して駆動モータ30、遊星歯車減速機31等によって構成される駆動ユニット36を持つ取付け脚35aに支持され、他の一端は同じく支持軸受34bを介して取付け脚35bに支持されている。
【0057】
次に、この実施形態の動作を説明すると、駆動モータ30の回転は遊星歯車減速機31へ伝達され、増幅されたトルクが遊星歯車減速機31の出力軸31bより小歯車32に伝達する。小歯車32に伝達した動力は大歯車33を通して、さらに減速され出力軸25を回転させる。大歯車33とトラクションシーブ10は同一出力軸25に固着されており、大歯車33に伝達されたトルクは直接トラクションシーブ10の駆動力となる。
【0058】
本実施形態によれば第1の実施形態の効果に加え、歯車を用いた減速機構を採用しているので、歯車の歯数比と減速段数を組み合わせることにより幅広く減速比を設定することができる。従って、様々なエレベータの走行速度及び駆動力に対応することが可能となる。また、昇降路内のスペースが十分ある場合はエレベータ駆動装置を設置する為に機械室を設ける必要がなく、乗かご1と昇降路壁3a及び天井の間の空間に収めることも可能となる。また、昇降路内にスペースが無い場合も駆動装置が小型化されたことにより機械室を小さくすることができる。
【0059】
次に、第2の実施形態の駆動装置15の第2の変形例を図8乃至図9を参照して説明する。図8において図示しないブレーキを備えた駆動モータ38の両端に出力軸38aが出ており、歯車や継ぎ手などの伝動手段39a,39bを介して取付脚40a,40bを外周に備えた減速機41a,41bに接続されている。これら減速機41a,41bの出力側にはトラクションシーブ10が固着されている。一方、図9において駆動モータ38の両端の出力軸38aが直接減速機41a,41bの入力軸となり、駆動モータ38のフレーム38bが減速機41a,41bの固定部に結合されている。
【0060】
次に本変形例の動作を説明すると、駆動モータ38を回転すると伝動手段39a,39bを介して、或いはこれらを介さずに直接減速機41a,41bが駆動され,減速機41a,41bの出力側に取付けられたトラクションシーブ10に乗りかご1の昇降に必要な回転数と駆動力が伝達される。
【0061】
本変形例によれば先の駆動装置の効果に加え、乗りかご1を幅方向に跨ぐ長尺の伝動経路を高速低トルクの伝達とすることが出来、トラクションシーブ10の間の機構部分を小形に構成することが出来るほか、乗りかご1や昇降路3の様々な寸法に対しこの伝動経路の長さを変えるだけで容易に対応出来るという利点もある。
【0062】
次に、第2の実施形態の駆動装置15の第3の変形例を図10乃至図13により説明する。図10において図示しないブレーキを備えた駆動モータ42には減速機43が接続され、その出力軸44の両端にはトラクションシーブ10が設けられている。この出力軸44を図示しない軸受けを介して支持する取付脚の一方45aは減速機43の外周に設けられ、他方の取付脚45bは反対側のトラクションシーブ近傍に設けられる。この取付脚45bに至る出力軸44にトルク伝達を行う継ぎ手46,或いは図11のように両端に継ぎ手46を持つ継ぎシャフト47を設けた。また、図12においては少なくとも一方のトラクションシーブと出力軸44の間に着脱自在な締結部材48を設けた。
【0063】
本変形例によれば、乗りかご1や昇降路3の寸法に応じて容易にエレベータ駆動装置15の組立寸法を変更できるばかりでなく、据付時の搬入や組立調整が容易になるという利点がある。特に、図12の例では、トラクションシーブ10のみの交換、取付が可能となり作業効率が向上する。
【0064】
(第3の実施形態)(請求項7に対応)
図13は、本発明の第3の実施形態のエレベーターの吊りロープのヒッチ部21の構成を示したものであり、ヒッチ部21以外の構成は第1の実施形態と同様の構成である。
【0065】
第3の実施形態のエレベーターの吊りロープのヒッチ部21は、乗かご1の天井面より少し低い位置のかご枠1bに設けられている。このように、吊りロープ11のヒッチ部21は、ロープ端部に設けられたシャックルロッド11aが駆動装置7に干渉しない十分低い位置に設けられているので、乗りかご1が昇降路の頂部付近まで上昇しても駆動装置7と干渉することはなく、昇降路頂部方向の寸法を低く抑えることができるとともに、かご枠1bの構造の簡素化および軽量化を図ることができる。
【0066】
(第4の実施形態)(請求項9に対応)
図14は、本発明の第4の実施形態のエレベーターの構成を示したものである。
【0067】
第4の実施形態のエレベーターは、駆動装置7の配置を変更した以外には第1の実施形態と同様の構成である。第4の実施形態のエレベーターの駆動装置7は、釣合いおもり2の昇降方向上部の延長上の昇降路3頂部に位置しており、かつ乗りかご1の水平投影断面外に配置されている。また、トラクションシーブ10は、乗りかご1の側面14a,14bと昇降路壁との間に、それぞれ乗りかご1の水平投影断面外に配置されている。
【0068】
このように第4の実施形態のエレベーターでは、乗りかご1の背面側に駆動装置7を配置し、かつ乗りかご1の側面14a,14bの側、即ち昇降路3の隣接壁面3b側にトラクションシーブ10を配置し、それぞれを乗りかご1の水平投影断面外に配置するようにしたので、乗りかご1が駆動装置7付近まで或いは駆動装置7を越えて上昇しても駆動装置7と干渉することがなく、さらに昇降路頂部方向の寸法を低く抑えることができ、かつ昇降路の平面寸法も小さく抑えることができる。
【0069】
(第5の実施形態)(請求項10,11に対応)
図15は、本発明の第5の実施形態のエレベーターの構成を示したものである。
【0070】
第5の実施形態のエレベーターは、第1の実施形態のエレベーターのヒッチ部の位置を変更すると共に、ロープ吊り位置を移動させるためのそらせシーブを設けたこと以外は第1の実施形態の構成と同様である。
【0071】
第5の実施形態のエレベーターは、2本の吊りロープ11の内、一方の吊りロープ11のヒッチ部22を乗りかご1の出入口部1cからみて後方(釣合いおもり2側)に設け、他方の吊りロープ11のヒッチ部23を乗りかご1の出入口近傍に重心Gに対してヒッチ部22と対称位置に設けている。ヒッチ部23に固定される吊りロープ11は、乗りかご1上方のかご用ガイドレール4に固定されたそらせシーブ24によりその懸垂位置が移動されている。
【0072】
このように、乗りかご1の吊りロープ11のヒッチ部22,23をそれぞれ重心Gと対称位置としたことにより、乗りかご1を案内するガイドレールおよび案内装置(ガイドローラ)に偏荷重が加わり難くなり、これによりガイドレール、案内装置、かご枠等の簡素化および軽量化を図ることができ、乗りかご1の走行特性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の第1の実施形態のエレベーターの全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態のエレベーターの平面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態のエレベーターの水平断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態のエレベーターの駆動装置の構成を示す平面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態のエレベーターの駆動装置の構成を示す平面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態のエレベーターの駆動装置の構成を示す側面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態のエレベーターの駆動装置の変形例を示す正面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態のエレベーターの駆動装置の変形例を示す正面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態のエレベーターの駆動装置の変形例を示す正面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態のエレベーターの駆動装置の変形例を示す正面図である。
【図11】本発明の第2の実施形態のエレベーターの駆動装置の変形例を示す正面図である。
【図12】本発明の第2の実施形態のエレベーターの駆動装置の変形例を示す正面図である。
【図13】本発明の第3の実施形態のエレベーターの全体構成図である。
【図14】本発明の第4の実施形態のエレベーターの全体構成図である。
【図15】本発明の第5の実施形態のエレベーターの全体構成図である。
【図16】従来のつるべ式リニアモーターエレベーターの概要を示す図である。
【図17】従来の機械室レス型エレベーターの概要を示す図である。
【図18】従来の機械室レス型エレベーターの概要を示す図である。
【符号の説明】
【0074】
1…乗りかご
2…釣合いおもり
3…昇降路
4…かご用ガイドレール
5…釣合いおもり用ガイドレール
7…駆動装置
10…トラクションシーブ
11…吊りロープ
13…ヒッチ部
17…減速機
18…ブレーキ装置
19…フレーム
20…支持脚
24…そらせシーブ
25…出力軸
46…継ぎ手
47…継ぎシャフト
48…締結部材
【技術分野】
【0001】
本発明は駆動装置を設置する機械室を不要にしたトラクション式エレベーターに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、日照権の問題から昇降路頂部に設けられたロープ式エレベーターの機械室をなくす目的で、リニアモーターエレベーター、かごと昇降路壁の隙間に巻上機を設置したエレベーター等が考案されている。
【0003】
図16は、例えば特開平2−23492号公報に記載されているような、釣合い重り50に円筒型リニアモータ51の電機子を組み込んだエレベーターの概要を示したものである。この例ではエレベーターの駆動機構を釣合い重り50に組み込むことにより、かご52をロープを介して昇降駆動し、従来のロープ式エレベーターの機械室を不要にしている。
【0004】
図17および図18は、実公平4−50297号公報および特許第2593288号公報に記載されているような、巻上機53を昇降路54頂部の昇降路壁とかご55横面との隙間に設置したエレベーターの概要を示したものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図16で説明したリニアモータエレベーターでは従来の機械室を不要とするメリットを持つが、昇降路かご上部にかごを吊るためのオーバーヘッドシーブを設置する必要がある。このため昇降路の高さそれ自体が高くなり、建物の屋上から突出することになり、十分な効果を上げているとは言えない。また釣合い重りに駆動装置を取り付けるため、釣合い重りの平面寸法が大きくなり、昇降路の平面寸法が大きくなることにより建物の有効利用面積が小さくなるという問題があった。
【0006】
また図17で説明した昇降路内頂部の昇降路壁とかご横面との隙間に駆動装置を設置した例では、駆動シーブの回転面がかご横面に直交する形で配置されているため、かごと壁の隙間の寸法をその分通常のエレベーターより大きくとらなければならず、リニアモータエレベーターの例と同様に建物の有効利用面積が小さくなるという問題があった。
【0007】
また図18に示したもう一つの例ではかごの定格の積載量が大きくなった場合、巻上モータやトラクションシーブの厚さが大きくなり乗りかごと昇降路壁の隙間に収まらず、エレベーターの大型化に対応できないことが考えられる。また乗りかごに返し車を設けた構成となるため、構成が複雑で、部品数も増え、コストや据付け保守の手間という点で問題がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、昇降路の平面寸法および昇降路頂部方向の高さ寸法を小さく抑えることのできる機械室のないトラクション式のエレベーターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の目的を達成するために、請求項1対応の発明は、ガイドレールに沿って昇降する乗りかごと、ガイドレールに沿って昇降する釣合いおもりと、乗りかごおよび釣合いおもりを懸架する吊りロープと、吊りロープと係合するトラクションシーブを備えた駆動装置とからなるエレベーターにおいて、釣合いおもりの上方の昇降路頂部に設けられた駆動装置と、この駆動装置によって回転駆動されるトラクションシーブとを備え、このトラクションシーブを、昇降路壁の釣合いおもりが対向する対向壁面と隣接する隣接壁面に寄せて設け、かつ前記乗りかごの水平投影断面外に配置したエレベーターを提供する。
【0010】
これにより、乗りかごが昇降路頂部付近まで上昇した場合でも、乗りかごがトラクションシーブと干渉することがなく、その分駆動装置の昇降路頂部の寸法を低く抑えることができ、かつ昇降路の水平断面寸法を小さく抑えることができる。
【0011】
請求項2対応の発明は、請求項1の発明のエレベーターにおいて、前記釣合いおもりを乗りかごの出入口部からみて背面側に設けたエレベーターを提供する。これにより、出入口幅方向の寸法を大きく取れない昇降路の場合でも昇降路寸法を大きくすることなくエレベーターを設置することができる。
【0012】
請求項3対応の発明は、請求項1の発明のエレベーターにおいて、前記駆動装置が複数のトラクションシーブを有するエレベーターを提供する。これにより、乗りかごを吊る位置の自由度が増し、安定して乗りかごを昇降させることができる。
【0013】
請求項4対応の発明は、請求項1の発明のエレベーターにおいて、前記駆動装置のフレーム外径が前記トラクションシーブの直径よりも小さいエレベーターを提供する。
【0014】
これにより、昇降路頂部の寸法を低く抑えることができる。請求項5対応の発明は、請求項1の発明のエレベーターにおいて、前記駆動装置に減速機を用いないエレベーターを提供する。
【0015】
これにより、静かで良好な走行特性を得ることができる。請求項6対応の発明は、請求項1の発明のエレベーターにおいて、前記駆動装置に減速機を備えたエレベーターを提供する。
【0016】
これにより、駆動装置の小形化を図ることができる。請求項7対応の発明は、請求項1の発明のエレベーターにおいて、吊りロープのヒッチ部を前記乗りかごの天井面より下方に設けたエレベーターを提供する。
【0017】
これにより、昇降路頂部方向の寸法を低く抑えることができるとともに、かご枠の構造の簡素化および軽量化を図ることができる。請求項8対応の発明は、請求項1の発明のエレベーターにおいて、吊りロープのヒッチ部を前記乗りかごの下部に設けたエレベーターを提供する。
【0018】
これにより、昇降路頂部方向の寸法を低く抑えることができるとともに、かご枠の構造の簡素化および軽量化を図ることができる。請求項9対応の発明は、請求項1の発明のエレベーターにおいて、前記駆動装置を前記乗りかごの水平投影断面外に配置したエレベーターを提供する。
【0019】
これにより、昇降路頂部方向の寸法を低く抑えることができ、かつ昇降路の平面寸法も小さく抑えることができる。請求項10対応の発明は、請求項4の発明のエレベーターにおいて、複数のトラクションシーブから懸垂された吊りロープによる前記乗りかごの吊り位置を、乗りかご重心から見てほぼ対称となるように配置したエレベーターを提供する。
【0020】
これにより、ガイドレール、案内装置、かご枠等の簡素化および軽量化を図ることができ、乗りかごの走行特性も向上する。請求項11対応の発明は、請求項10の発明のエレベーターにおいて、吊りロープによる乗りかごの吊り位置を、昇降路上部に設けられたそらせシーブにより移動させたエレベーターを提供する。
【0021】
これにより、ガイドレール、案内装置、かご枠等の簡素化および軽量化を図ることができ、乗りかごの走行特性も向上する。請求項12対応の発明は、ガイドレールに沿って昇降する乗りかごと、ガイドレールに沿って昇降する釣合いおもりと、乗りかごおよび釣合いおもりを懸架する吊りロープと、吊りロープと係合するトラクションシーブを備えた駆動装置とからなるエレベーターにおいて、前記駆動装置を昇降路内上部に設け、かつこの駆動装置の出力軸の両端にトラクションシーブを備えたエレベーターを提供する。
【0022】
請求項13対応の発明は、請求項12の発明のエレベーターにおいて、前記駆動装置は減速機を用いないギヤレスタイプを採用したエレベーターを提供する。請求項14対応の発明は、請求項12の発明のエレベーターにおいて、前記駆動装置は、出力軸に連結された中空構造の減速機と、この減速機に駆動力を与える駆動モータとを備えたエレベーターを提供する。
【0023】
請求項15対応の発明は、請求項12の発明のエレベーターにおいて、前記駆動装置のフレームの外径が前記トラクションシーブの直径よりも小さくしたエレベーターを提供する。
【0024】
請求項16対応の発明は、請求項12の発明のエレベーターにおいて、前記駆動装置の支持脚が前記トラクションシーブの鉛直方向の中心線を結ぶ面に対して前記乗りかごから離れる方向にオフセットされたエレベーターを提供する。
【0025】
請求項17対応の発明は、請求項12の発明のエレベーターにおいて、前記駆動装置は、前記出力軸に設けられた歯車と、この歯車と噛み合う小歯車を有する減速機と、この減速機に駆動力を与える駆動モータとを備えたエレベーターを提供する。
【0026】
請求項18対応の発明は、請求項12の発明のエレベーターにおいて、前記駆動装置は、前記トラクションシーブに出力軸が固着された減速機と、この減速機に伝動手段を介して接続された駆動モータとを備えたエレベーターを提供する。
【0027】
請求項19対応の発明は、請求項12の発明のエレベーターにおいて、前記駆動装置は、駆動モータのフレームに固定された減速機と、この減速機の出力軸に固定されたトラクションシーブとを備えたエレベーターを提供する。
【0028】
請求項20対応の発明は、請求項12の発明のエレベーターにおいて、前記駆動装置の出力軸の少なくとも一部に継ぎ手を設けたエレベーターを提供する。請求項21対応の発明は、請求項12の発明のエレベーターにおいて、前記駆動装置の出力軸に複数の継ぎ手を設け、かつ前記複数の継ぎ手間を継ぎシャフトにて連結したエレベーターを提供する。
【0029】
請求項22対応の発明は、請求項12の発明のエレベーターにおいて、前記トラクションシーブを締結部材を介して前記出力軸に着脱自在に取り付けたエレベーターを提供する。
【発明の効果】
【0030】
以上請求項1の発明によれば、乗りかごが昇降路頂部付近まで上昇した場合でも、乗りかごがトラクションシーブと干渉することがなく、その分駆動装置の昇降路頂部の寸法を低く抑えることができ、かつ昇降路の平面寸法を小さく抑えることができる。
【0031】
請求項2の発明によれば、出入口幅方向の寸法を大きく取れない昇降路の場合でも昇降路寸法を大きくすることなくエレベーターを設置することができる。請求項3の発明によれば、乗りかごを吊る位置の自由度が増し、安定して乗りかごを昇降させることができる。
【0032】
請求項4の発明によれば、昇降路頂部の寸法を低く抑えることができる。請求項5の発明によれば、静かで良好な走行特性を得ることができる。請求項6の発明によれば、駆動装置の小形化を図ることができる。
【0033】
請求項7の発明によれば、昇降路頂部方向の寸法を低く抑えることができるとともに、かご枠の構造の簡素化および軽量化を図ることができる。請求項8の発明によれば、昇降路頂部方向の寸法を低く抑えることができるとともに、かご枠の構造の簡素化および軽量化を図ることができる。
【0034】
請求項9の発明によれば、昇降路頂部方向の寸法を低く抑えることができ、かつ昇降路の平面寸法も小さく抑えることができる。請求項10および11の発明によれば、ガイドレール、案内装置、かご枠等の簡素化および軽量化を図ることができ、乗りかごの走行特性も向上する。
【0035】
請求項12の発明によれば、トラクションシーブを駆動装置の両端に設けているので、駆動モータを小径長軸に構成でき、高出力が得られるとともにスペース効率に優れたエレベーターを提供することができる。
【0036】
請求項13の発明によれば、駆動装置を単純な構成で、低騒音かつ高い動力伝達効率のものとすることができる。請求項14の発明によれば、駆動装置に減速機を用いた構成でありながら小型、軽量化を図ることができる。
【0037】
請求項15及び16の発明によれば、駆動装置のスペース効率が向上し、エレベーター乗りかごの上昇最高点の範囲を拡大することができる。請求項17の発明によれば、エレベーターの多種多様な速度、容量への対応が容易となる。請求項18乃至22の発明によれば、昇降路や乗りかごの寸法に対して駆動装置の寸法を自由な対応が容易となり、組立てや取り付け作業も容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
(第1の実施形態)(請求項1,2,3,4,5,8に対応)
まず、本発明の第1の実施形態であるエレベーターの概要を図1乃至図4に示す。本実施形態のエレベーターは、乗りかご1および釣合いおもり2が昇降するための昇降路3に、乗りかご1および釣合いおもり2の昇降をそれぞれ案内するための一対のかご用ガイドレール4および一対の釣合いおもり用ガイドレール5が設置されている。
【0039】
乗りかご1は、利用客が乗るかご室1aと、かご室1aを支持するかご枠1bとで構成され、出入口部1cを備えている。かご用ガイドレール4と釣合いおもり用ガイドレール5の頂部には、それぞれのガイドレールに亘って設けられた連結ビーム6が一対設けられている。そして、駆動装置7を載置するための支持ビーム8が連結ビーム6間に跨がって取り付けられている。
【0040】
支持ビーム8に載置された駆動装置7は、図4に示すような、巻上機16(巻上モータ)、ブレーキ装置18およびこれらを支持するフレーム19と、支持ビーム8に固定するための支持脚20から構成される減速機を用いないギヤレスの駆動装置であり、巻上機の両端の出力軸25には駆動用のトラクションシーブ10が設けられている。尚、トラクションシーブ10は駆動装置7の片端のみに取り付けた方式でも可能である。
【0041】
これらのトラクションシーブ10には吊りロープ11がそれぞれつるべ状に巻き掛けられ、吊りロープ11の一端は釣合いおもり2上部のロープヒッチ部12に接続され、他端は乗りかご1の下部のかご枠1bに設けられたヒッチ部13にシャックルロッド11aを介して取り付けられている。このヒッチ部13は、乗りかご1の出入口部1cからみて後方(釣合いおもり2側)に、かつほぼ左右対称の位置に計2カ所設けられている。尚、トラクションシーブ10が駆動装置7の片端のみに取り付けられた場合には、ヒッチ部は一つで済む。
【0042】
釣合いおもり2は、乗りかご1の出入口部1cから見て背面に配置され、駆動装置7は釣合いおもり2の昇降方向上部の延長上の昇降路3頂部に位置している。
【0043】
図3は、第1の実施形態のエレベーターの水平断面図である。図3に示されるように、駆動装置7は出入口からみて幅方向に長尺な構造をしており、駆動装置7の巻上機の両端に設けられたトラクションシーブ10は、昇降路3の釣合いおもり2が対向する対向壁面3aと隣接する隣接壁面3bに寄せて設けられ、乗りかご1の側面14a,14b(かごが釣合いおもり2と対向する面と隣接する側の面)と昇降路3の隣接壁面3bとの間の空間に、それぞれ乗りかごの水平投影断面外に配置されている。また、図2に示すとおり、駆動装置7のフレーム19の外径B(巻上げモータの外径)は、トラクションシーブ10の直径Aよりも小さくしている。
【0044】
次に、このように構成された第1の実施形態のエレベーターの動作について説明する。まず、駆動装置7の巻上機が駆動されると、この両端に直結したトラクションシーブ10が回転し、このトラクションシーブ10と吊りロープ11との間の静止摩擦力(トラクション)により吊りロープ11が駆動される。これにより、吊りロープ11に連結された乗りかご1および釣合いおもり2がそれぞれのガイドレール4,5に沿って昇降駆動される。
【0045】
以上、第1の実施形態のエレベータによれば、駆動装置7の巻上機の両端に設けられたトラクションシーブ10を隣接壁面3bに寄せて、乗りかご1の側面14a,14bと昇降路壁との間に、それぞれ乗りかごの水平投影断面外に配置しているので、乗りかご1が昇降路頂部付近まで上昇した場合でも、乗りかご1と干渉することがなく、その分駆動装置7の昇降路頂部の寸法を低く抑えることができ、かつ昇降路の水平断面寸法を小さく抑えることができる。
【0046】
また、釣合いおもり2が、乗りかご1の出入口の背面側に設置されるため、出入口幅方向の寸法を大きく取れない昇降路の場合でも昇降路寸法を大きくすることなくエレベーターを設置することができる。
【0047】
また、駆動装置7の巻上機の両端にそれぞれトラクションシーブ10を設けるようにしたので、乗りかご1を吊る位置の自由度が増し、安定して乗りかご1を昇降させることができる。
【0048】
さらに、トラクションシーブ10の直径より小径の巻上モータを用いるようにしたので、駆動装置7の昇降路頂部の寸法を低く抑えることができる。また、駆動装置7は減速機を用いないため静かで良好な走行特性を得ることができる。
【0049】
また、かご枠1bのヒッチ部13が、乗りかご1の下部に設けられているため、昇降路頂部方向の寸法を低く抑えることができるとともに、かご枠1bの構造の簡素化および軽量化を図ることができる。
【0050】
また、ヒッチ部13は、乗りかご1の出入口部1cからみてほぼ左右対称の位置に設けられているため、バランスが良く、良好な走行特性を得ることができる。
【0051】
(第2の実施形態)(請求項6,請求項12乃至22に対応)
図5は、本発明の第2の実施形態のエレベーターの駆動装置の構成を示したものであり、駆動装置以外の構成は第1の実施形態と同様の構成である。
【0052】
第2の実施形態のエレベーターの駆動装置15は、駆動モータ26の中空出力軸27は左右両側に伸びた構造になっていて軸受29に支持されている。駆動モータ26の中空出力軸27と同軸上に中空構造の減速機17及び駆動モータ26の回転を制動するブレーキ18が取付けられている。中空構造の減速機17の出力側には出力軸25が軸受28を介して取付けられており、出力軸25の両端にはトラクションシーブ10が取付けられている。トラクションシーブ10には図示しない乗りかご1と釣合い重り2を懸架する吊りロープ11が巻き掛けられている。
【0053】
次に、本実施形態の動作を説明すると、駆動モータ26が回転して中空出力軸27に直結した中空構造の減速機17に動力が入力されて、中空構造の減速機17の出力側に取付けられた出力軸25に乗りかご1の昇降に必要な回転数と駆動力が伝達される。その出力軸25に取付けられたトラクションシーブ10、吊りロープ11を介して乗りかご6が昇降する。
【0054】
本実施形態によれば第1の実施態様の効果に加え、中空構造の駆動モータ26、減速機17、ブレーキ18を用いることにより、これらを出力軸25と同軸上に配置することが可能となり、小型且つ軽量な駆動装置15が実現できるとともに、減速機17を介して出力軸25を駆動する為、エレベータに要求される様々な容量、速度に対して減速機17の減速比と駆動モータ26の容量を変えると言った簡単な変更で対応する事が出来る。
【0055】
また、図6に示すように、支持脚20は、トラクションシーブ10の鉛直方向の中心線を結ぶ面Zより対向壁面3a側、即ち乗りかご1より離れる方向にオフセットしているため、昇降路高さ寸法を変えずに乗りかご1の昇降行程高さの幅を広げることができる。尚、この支持脚20は、第1の実施形態の駆動装置7に適用しても同様の効果が得られる。
【0056】
次に、第2の実施形態の駆動装置15の変形例を図7を用いて説明する。駆動モータ30の出力軸30aは遊星歯車減速機31の入力軸31aと直結しており、遊星歯車減速機31の出力軸31bは小歯車32に連結されている。トラクションシーブ10は出力軸25に直結されており、出力軸25には小歯車32と噛み合う歯車33が設けられている。また、出力軸25の一端は支持軸受34aを介して駆動モータ30、遊星歯車減速機31等によって構成される駆動ユニット36を持つ取付け脚35aに支持され、他の一端は同じく支持軸受34bを介して取付け脚35bに支持されている。
【0057】
次に、この実施形態の動作を説明すると、駆動モータ30の回転は遊星歯車減速機31へ伝達され、増幅されたトルクが遊星歯車減速機31の出力軸31bより小歯車32に伝達する。小歯車32に伝達した動力は大歯車33を通して、さらに減速され出力軸25を回転させる。大歯車33とトラクションシーブ10は同一出力軸25に固着されており、大歯車33に伝達されたトルクは直接トラクションシーブ10の駆動力となる。
【0058】
本実施形態によれば第1の実施形態の効果に加え、歯車を用いた減速機構を採用しているので、歯車の歯数比と減速段数を組み合わせることにより幅広く減速比を設定することができる。従って、様々なエレベータの走行速度及び駆動力に対応することが可能となる。また、昇降路内のスペースが十分ある場合はエレベータ駆動装置を設置する為に機械室を設ける必要がなく、乗かご1と昇降路壁3a及び天井の間の空間に収めることも可能となる。また、昇降路内にスペースが無い場合も駆動装置が小型化されたことにより機械室を小さくすることができる。
【0059】
次に、第2の実施形態の駆動装置15の第2の変形例を図8乃至図9を参照して説明する。図8において図示しないブレーキを備えた駆動モータ38の両端に出力軸38aが出ており、歯車や継ぎ手などの伝動手段39a,39bを介して取付脚40a,40bを外周に備えた減速機41a,41bに接続されている。これら減速機41a,41bの出力側にはトラクションシーブ10が固着されている。一方、図9において駆動モータ38の両端の出力軸38aが直接減速機41a,41bの入力軸となり、駆動モータ38のフレーム38bが減速機41a,41bの固定部に結合されている。
【0060】
次に本変形例の動作を説明すると、駆動モータ38を回転すると伝動手段39a,39bを介して、或いはこれらを介さずに直接減速機41a,41bが駆動され,減速機41a,41bの出力側に取付けられたトラクションシーブ10に乗りかご1の昇降に必要な回転数と駆動力が伝達される。
【0061】
本変形例によれば先の駆動装置の効果に加え、乗りかご1を幅方向に跨ぐ長尺の伝動経路を高速低トルクの伝達とすることが出来、トラクションシーブ10の間の機構部分を小形に構成することが出来るほか、乗りかご1や昇降路3の様々な寸法に対しこの伝動経路の長さを変えるだけで容易に対応出来るという利点もある。
【0062】
次に、第2の実施形態の駆動装置15の第3の変形例を図10乃至図13により説明する。図10において図示しないブレーキを備えた駆動モータ42には減速機43が接続され、その出力軸44の両端にはトラクションシーブ10が設けられている。この出力軸44を図示しない軸受けを介して支持する取付脚の一方45aは減速機43の外周に設けられ、他方の取付脚45bは反対側のトラクションシーブ近傍に設けられる。この取付脚45bに至る出力軸44にトルク伝達を行う継ぎ手46,或いは図11のように両端に継ぎ手46を持つ継ぎシャフト47を設けた。また、図12においては少なくとも一方のトラクションシーブと出力軸44の間に着脱自在な締結部材48を設けた。
【0063】
本変形例によれば、乗りかご1や昇降路3の寸法に応じて容易にエレベータ駆動装置15の組立寸法を変更できるばかりでなく、据付時の搬入や組立調整が容易になるという利点がある。特に、図12の例では、トラクションシーブ10のみの交換、取付が可能となり作業効率が向上する。
【0064】
(第3の実施形態)(請求項7に対応)
図13は、本発明の第3の実施形態のエレベーターの吊りロープのヒッチ部21の構成を示したものであり、ヒッチ部21以外の構成は第1の実施形態と同様の構成である。
【0065】
第3の実施形態のエレベーターの吊りロープのヒッチ部21は、乗かご1の天井面より少し低い位置のかご枠1bに設けられている。このように、吊りロープ11のヒッチ部21は、ロープ端部に設けられたシャックルロッド11aが駆動装置7に干渉しない十分低い位置に設けられているので、乗りかご1が昇降路の頂部付近まで上昇しても駆動装置7と干渉することはなく、昇降路頂部方向の寸法を低く抑えることができるとともに、かご枠1bの構造の簡素化および軽量化を図ることができる。
【0066】
(第4の実施形態)(請求項9に対応)
図14は、本発明の第4の実施形態のエレベーターの構成を示したものである。
【0067】
第4の実施形態のエレベーターは、駆動装置7の配置を変更した以外には第1の実施形態と同様の構成である。第4の実施形態のエレベーターの駆動装置7は、釣合いおもり2の昇降方向上部の延長上の昇降路3頂部に位置しており、かつ乗りかご1の水平投影断面外に配置されている。また、トラクションシーブ10は、乗りかご1の側面14a,14bと昇降路壁との間に、それぞれ乗りかご1の水平投影断面外に配置されている。
【0068】
このように第4の実施形態のエレベーターでは、乗りかご1の背面側に駆動装置7を配置し、かつ乗りかご1の側面14a,14bの側、即ち昇降路3の隣接壁面3b側にトラクションシーブ10を配置し、それぞれを乗りかご1の水平投影断面外に配置するようにしたので、乗りかご1が駆動装置7付近まで或いは駆動装置7を越えて上昇しても駆動装置7と干渉することがなく、さらに昇降路頂部方向の寸法を低く抑えることができ、かつ昇降路の平面寸法も小さく抑えることができる。
【0069】
(第5の実施形態)(請求項10,11に対応)
図15は、本発明の第5の実施形態のエレベーターの構成を示したものである。
【0070】
第5の実施形態のエレベーターは、第1の実施形態のエレベーターのヒッチ部の位置を変更すると共に、ロープ吊り位置を移動させるためのそらせシーブを設けたこと以外は第1の実施形態の構成と同様である。
【0071】
第5の実施形態のエレベーターは、2本の吊りロープ11の内、一方の吊りロープ11のヒッチ部22を乗りかご1の出入口部1cからみて後方(釣合いおもり2側)に設け、他方の吊りロープ11のヒッチ部23を乗りかご1の出入口近傍に重心Gに対してヒッチ部22と対称位置に設けている。ヒッチ部23に固定される吊りロープ11は、乗りかご1上方のかご用ガイドレール4に固定されたそらせシーブ24によりその懸垂位置が移動されている。
【0072】
このように、乗りかご1の吊りロープ11のヒッチ部22,23をそれぞれ重心Gと対称位置としたことにより、乗りかご1を案内するガイドレールおよび案内装置(ガイドローラ)に偏荷重が加わり難くなり、これによりガイドレール、案内装置、かご枠等の簡素化および軽量化を図ることができ、乗りかご1の走行特性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の第1の実施形態のエレベーターの全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態のエレベーターの平面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態のエレベーターの水平断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態のエレベーターの駆動装置の構成を示す平面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態のエレベーターの駆動装置の構成を示す平面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態のエレベーターの駆動装置の構成を示す側面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態のエレベーターの駆動装置の変形例を示す正面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態のエレベーターの駆動装置の変形例を示す正面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態のエレベーターの駆動装置の変形例を示す正面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態のエレベーターの駆動装置の変形例を示す正面図である。
【図11】本発明の第2の実施形態のエレベーターの駆動装置の変形例を示す正面図である。
【図12】本発明の第2の実施形態のエレベーターの駆動装置の変形例を示す正面図である。
【図13】本発明の第3の実施形態のエレベーターの全体構成図である。
【図14】本発明の第4の実施形態のエレベーターの全体構成図である。
【図15】本発明の第5の実施形態のエレベーターの全体構成図である。
【図16】従来のつるべ式リニアモーターエレベーターの概要を示す図である。
【図17】従来の機械室レス型エレベーターの概要を示す図である。
【図18】従来の機械室レス型エレベーターの概要を示す図である。
【符号の説明】
【0074】
1…乗りかご
2…釣合いおもり
3…昇降路
4…かご用ガイドレール
5…釣合いおもり用ガイドレール
7…駆動装置
10…トラクションシーブ
11…吊りロープ
13…ヒッチ部
17…減速機
18…ブレーキ装置
19…フレーム
20…支持脚
24…そらせシーブ
25…出力軸
46…継ぎ手
47…継ぎシャフト
48…締結部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドレールに沿って昇降する乗りかごと、
ガイドレールに沿って昇降する釣合いおもりと、
乗りかごおよび釣合いおもりを懸架する吊りロープと、
吊りロープと係合するトラクションシーブを備えた駆動装置とからなるエレベーターにおいて、
釣合いおもりの上方の昇降路頂部に設けられた駆動装置と、
この駆動装置によって回転駆動されるトラクションシーブとを備え、
このトラクションシーブを、昇降路壁の釣合いおもりが対向する対向壁面と隣接する隣接壁面に寄せて設け、
かつ前記乗りかごの水平投影断面外に配置したことを特徴とするエレベーター。
【請求項2】
請求項1に記載のエレベーターにおいて、前記釣合いおもりを乗りかごの出入口部からみて背面側に設けたことを特徴とするエレベーター。
【請求項3】
請求項1に記載のエレベーターにおいて、前記駆動装置が複数のトラクションシーブを有することを特徴とするエレベーター。
【請求項4】
請求項1に記載のエレベーターにおいて、前記駆動装置のフレーム外径が前記トラクションシーブの直径よりも小さいことを特徴とするエレベーター。
【請求項5】
請求項1に記載のエレベーターにおいて、前記駆動装置に減速機を用いないことを特徴とするエレベーター。
【請求項6】
請求項1に記載のエレベーターにおいて、前記駆動装置に減速機を備えたことを特徴とするエレベーター。
【請求項7】
請求項1に記載のエレベーターにおいて、吊りロープのヒッチ部を前記乗りかごの天井面より下方に設けたことを特徴とするエレベーター。
【請求項8】
請求項1に記載のエレベーターにおいて、吊りロープのヒッチ部を前記乗りかごの下部に設けたことを特徴とするエレベーター。
【請求項9】
請求項1に記載のエレベーターにおいて、前記駆動装置を前記乗りかごの水平投影断面外に配置したことを特徴とするエレベーター。
【請求項10】
請求項4に記載のエレベーターにおいて、複数のトラクションシーブから懸垂された吊りロープによる前記乗りかごの吊り位置を、乗りかご重心から見てほぼ対称となるように配置したことを特徴とするエレベーター。
【請求項11】
請求項10に記載のエレベーターにおいて、吊りロープによる乗りかごの吊り位置を、昇降路上部に設けられたそらせシーブにより移動させたことを特徴とするエレベーター。
【請求項12】
ガイドレールに沿って昇降する乗りかごと、ガイドレールに沿って昇降する釣合いおもりと、乗りかごおよび釣合いおもりを懸架する吊りロープと、吊りロープと係合するトラクションシーブを備えた駆動装置とからなるエレベーターにおいて、前記駆動装置を昇降路内上部に設け、かつこの駆動装置の出力軸の両端にトラクションシーブを備えたことを特徴とするエレベーター。
【請求項13】
請求項12に記載のエレベーターにおいて、前記駆動装置は減速機を用いないギヤレスタイプであることを特徴とするエレベーター。
【請求項14】
請求項12に記載のエレベーターにおいて、前記駆動装置は、出力軸に連結された中空構造の減速機と、この減速機に駆動力を与える駆動モータとを備えたことを特徴とするエレベーター。
【請求項15】
請求項12に記載のエレベーターにおいて、前記駆動装置のフレームの外径が前記トラクションシーブの直径よりも小さいことを特徴とするエレベーター。
【請求項16】
請求項12に記載のエレベーターにおいて、前記駆動装置の支持脚が前記トラクションシーブの鉛直方向の中心線を結ぶ面に対して前記乗りかごから離れる方向にオフセットしていることを特徴とするエレベーター。
【請求項17】
請求項12に記載のエレベーターにおいて、前記駆動装置は、前記出力軸に設けられた歯車と、この歯車と噛み合う小歯車を有する減速機と、この減速機に駆動力を与える駆動モータとを備えたことを特徴とするエレベーター。
【請求項18】
請求項12に記載のエレベーターにおいて、前記駆動装置は、前記トラクションシーブに出力軸が固着された減速機と、この減速機に伝動手段を介して接続された駆動モータとを備えたことを特徴とするエレベーター。
【請求項19】
請求項12に記載のエレベーターにおいて、前記駆動装置は、駆動モータのフレームに固定された減速機と、この減速機の出力軸に固定されたトラクションシーブとを備えたことを特徴とするエレベーター。
【請求項20】
請求項12に記載のエレベーターにおいて、前記駆動装置の出力軸の少なくとも一部に継ぎ手を設けたことを特徴とするエレベーター。
【請求項21】
請求項12に記載のエレベーターにおいて、前記駆動装置の出力軸に複数の継ぎ手を設け、かつ前記複数の継ぎ手間を継ぎシャフトにて連結したことを特徴とするエレベーター。
【請求項22】
請求項12に記載のエレベーターにおいて、前記トラクションシーブを締結部材を介して前記出力軸に着脱自在に取り付けたことを特徴とするエレベーター。
【請求項1】
ガイドレールに沿って昇降する乗りかごと、
ガイドレールに沿って昇降する釣合いおもりと、
乗りかごおよび釣合いおもりを懸架する吊りロープと、
吊りロープと係合するトラクションシーブを備えた駆動装置とからなるエレベーターにおいて、
釣合いおもりの上方の昇降路頂部に設けられた駆動装置と、
この駆動装置によって回転駆動されるトラクションシーブとを備え、
このトラクションシーブを、昇降路壁の釣合いおもりが対向する対向壁面と隣接する隣接壁面に寄せて設け、
かつ前記乗りかごの水平投影断面外に配置したことを特徴とするエレベーター。
【請求項2】
請求項1に記載のエレベーターにおいて、前記釣合いおもりを乗りかごの出入口部からみて背面側に設けたことを特徴とするエレベーター。
【請求項3】
請求項1に記載のエレベーターにおいて、前記駆動装置が複数のトラクションシーブを有することを特徴とするエレベーター。
【請求項4】
請求項1に記載のエレベーターにおいて、前記駆動装置のフレーム外径が前記トラクションシーブの直径よりも小さいことを特徴とするエレベーター。
【請求項5】
請求項1に記載のエレベーターにおいて、前記駆動装置に減速機を用いないことを特徴とするエレベーター。
【請求項6】
請求項1に記載のエレベーターにおいて、前記駆動装置に減速機を備えたことを特徴とするエレベーター。
【請求項7】
請求項1に記載のエレベーターにおいて、吊りロープのヒッチ部を前記乗りかごの天井面より下方に設けたことを特徴とするエレベーター。
【請求項8】
請求項1に記載のエレベーターにおいて、吊りロープのヒッチ部を前記乗りかごの下部に設けたことを特徴とするエレベーター。
【請求項9】
請求項1に記載のエレベーターにおいて、前記駆動装置を前記乗りかごの水平投影断面外に配置したことを特徴とするエレベーター。
【請求項10】
請求項4に記載のエレベーターにおいて、複数のトラクションシーブから懸垂された吊りロープによる前記乗りかごの吊り位置を、乗りかご重心から見てほぼ対称となるように配置したことを特徴とするエレベーター。
【請求項11】
請求項10に記載のエレベーターにおいて、吊りロープによる乗りかごの吊り位置を、昇降路上部に設けられたそらせシーブにより移動させたことを特徴とするエレベーター。
【請求項12】
ガイドレールに沿って昇降する乗りかごと、ガイドレールに沿って昇降する釣合いおもりと、乗りかごおよび釣合いおもりを懸架する吊りロープと、吊りロープと係合するトラクションシーブを備えた駆動装置とからなるエレベーターにおいて、前記駆動装置を昇降路内上部に設け、かつこの駆動装置の出力軸の両端にトラクションシーブを備えたことを特徴とするエレベーター。
【請求項13】
請求項12に記載のエレベーターにおいて、前記駆動装置は減速機を用いないギヤレスタイプであることを特徴とするエレベーター。
【請求項14】
請求項12に記載のエレベーターにおいて、前記駆動装置は、出力軸に連結された中空構造の減速機と、この減速機に駆動力を与える駆動モータとを備えたことを特徴とするエレベーター。
【請求項15】
請求項12に記載のエレベーターにおいて、前記駆動装置のフレームの外径が前記トラクションシーブの直径よりも小さいことを特徴とするエレベーター。
【請求項16】
請求項12に記載のエレベーターにおいて、前記駆動装置の支持脚が前記トラクションシーブの鉛直方向の中心線を結ぶ面に対して前記乗りかごから離れる方向にオフセットしていることを特徴とするエレベーター。
【請求項17】
請求項12に記載のエレベーターにおいて、前記駆動装置は、前記出力軸に設けられた歯車と、この歯車と噛み合う小歯車を有する減速機と、この減速機に駆動力を与える駆動モータとを備えたことを特徴とするエレベーター。
【請求項18】
請求項12に記載のエレベーターにおいて、前記駆動装置は、前記トラクションシーブに出力軸が固着された減速機と、この減速機に伝動手段を介して接続された駆動モータとを備えたことを特徴とするエレベーター。
【請求項19】
請求項12に記載のエレベーターにおいて、前記駆動装置は、駆動モータのフレームに固定された減速機と、この減速機の出力軸に固定されたトラクションシーブとを備えたことを特徴とするエレベーター。
【請求項20】
請求項12に記載のエレベーターにおいて、前記駆動装置の出力軸の少なくとも一部に継ぎ手を設けたことを特徴とするエレベーター。
【請求項21】
請求項12に記載のエレベーターにおいて、前記駆動装置の出力軸に複数の継ぎ手を設け、かつ前記複数の継ぎ手間を継ぎシャフトにて連結したことを特徴とするエレベーター。
【請求項22】
請求項12に記載のエレベーターにおいて、前記トラクションシーブを締結部材を介して前記出力軸に着脱自在に取り付けたことを特徴とするエレベーター。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2008−63147(P2008−63147A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−306411(P2007−306411)
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【分割の表示】特願平9−301738の分割
【原出願日】平成9年11月4日(1997.11.4)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【分割の表示】特願平9−301738の分割
【原出願日】平成9年11月4日(1997.11.4)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】
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