説明

エレベータ用セキュリティシステム及びリーダ装置

【課題】カードリーダとエレベータ操作盤とを連携させたエレベータ用セキュリティシステムにおいて、リーダ番号から操作盤を特定するエレベータ制御盤用のテーブルを不要にすると共にカード操作から操作盤への情報反映を迅速化する。
【解決手段】エレベータ用セキュリティシステム1000aはエレベータ操作盤7とこのエレベータ操作盤7に対応するカードリーダ3を備える。リーダ側セキュリティ通信部33は識別情報読取部33の読み取ったカードIDをビルセキュリティシステム制御部12に送信する。ビルセキュリティシステム制御部12はカードIDからテーブル12−1を参照して利用可能な階床番号を特定し利用階情報としてカードリーダ3に返信する。リーダ側通信インターフェース31は、利用階情報を、通信可能に接続された操作盤側通信インターフェース71に送信する。エレベータ操作盤7は利用階情報の示す階床番号の階床のみを入力可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、カードリーダ等のリーダ装置とエレベータ操作盤とを連携させたエレベータ用セキュリティシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のエレベータのセキュリティシステム(特許文献1)は、図6に示すような構成である。以下に図6の構成を簡単に説明する。従来のエレベータのセキュリティシステムを示す図6では、
(a)例えばユーザが1F(1階)乗場のカードリーダ3にカード情報を読み取らせると、カードリーダ3は、読み取った情報(例えばカードID)と自身のカードリーダ番号とをビルセキュリティシステム制御部12に送信する。なお図6に示すように、それぞれの「かご(又は乗場)操作盤」には、対応するカードリーダが配置されている。
(b)ビルセキュリティシステム制御部12は、受信したカードIDをキーとしてテーブル12−1(カードIDと、利用可能な階床を示す階床番号とが対応づけられているテーブル)を参照することにより、階床番号を特定する。ビルセキュリティシステム制御部12は階床番号を特定すると、受信したカードリーダ番号と、受信したカードIDに基づき特定した階床番号とを、エレベータ制御盤11に送信する。
(c)エレベータ制御盤11は、後述のテーブル11−1を用いることにより、受信したカードリーダ番号から該当するエレベータのかご(又は乗場)操作盤を判定し、そのかご(又は乗場)操作盤に対して許可された階床番号を配信する。これにより、そのかご(又は乗場)操作盤には、許可された階床(階床番号の示す階床)を行き先として入力できるようになる。
【0003】
(d)また、カードリーダの故障時には、ビルセキュリティシステム制御部12から該当するカードリーダ番号とカードリーダ故障情報とをエレベータ制御盤11へ送付する。
(e)エレベータ制御盤11は、テーブル11−1を参照して、カードリーダ番号から該当するかご(又は乗場)操作盤を特定し、該当操作盤に操作盤禁止の解除信号を配信する。これにより、カードリーダが故障したときに、当該かご(又は乗場)操作盤が使用できるようになる。テーブル11−1には、操作盤と操作盤に対応するカードリーダとの対応関係が記載されている、
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−280117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような構成の場合、エレベータ制御盤11は、カードリーダ番号から該当するかご(又は乗場)操作盤を判定するための「テーブル11−1」(カードリーダ番号と、かご(又は乗場)操作盤とを対応関係を示すテーブル)が必要になる。つまり、エレベータ制御盤11に対して、ビルセキュリティシステムとエレベータシステムとの関係を入力(設定)する業務(個々のビル用の設定業務(オーダー処理業務))が必要になるという課題があった。
【0006】
また、「カード操作→カードリーダ→ビルセキュリティシステム制御部12→エレベータ制御盤11→かご(又は乗場)操作盤」のルートで通信を行うことで、エレベータ制御盤11を経由して所定の通信をおこわなければならない。このため、カード操作からかご(又は乗場)操作盤へ所定の情報が反映されるまでに時間がかかるという課題があった。
【0007】
この発明は、エレベータ制御盤11にカードリーダ番号から該当する操作盤を判定するためのテーブルを必要とせず、また、カード操作から操作盤へ所定の情報が反映されるまでの過程を迅速化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明のエレベータ用セキュリティシステムは、
所定の種別の識別情報を読み取る識別情報読取部と、
前記識別情報読取部によって読み取られた識別情報を、前記所定の種別の識別情報とエレベータの利用が許可される階床の階床番号とが対応づけられた階床番号対応情報を保有すると共に前記所定の識別情報を受信すると前記階床番号対応情報を検索することにより受信された前記識別情報に対応する階床番号を特定してこの特定された階床番号を利用階情報として返信するセキュリティ制御装置に送信し、送信された前記識別情報に対応する前記利用階情報を前記セキュリティ制御装置から受信し、受信された前記利用階情報を通信可能に接続された所定のエレベータ操作盤に送信する読取側通信部と
を有するリーダ装置と、
前記所定のエレベータ操作盤であって、前記リーダ装置の前記読取側通信部によって送信された前記利用階情報を受信する操作盤側通信部と、
前記操作盤側通信部によって受信された前記利用階情報の示す階床番号に従って、行先階を受け付ける操作盤側制御部と
を有するエレベータ操作盤と
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明により、エレベータ制御盤11にカードリーダ番号から該当する操作盤を判定するためのテーブル11−1を必要とせず、また、カード操作から操作盤へ所定の情報が反映されるまでの過程を迅速化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態1におけるエレベータ用セキュリティシステム1000aの構成図。
【図2】実施の形態1におけるカードリーダ3等の構成図。
【図3】実施の形態1におけるカードリーダ3の動作を示すフローチャート。
【図4】実施の形態2におけるリーダ装置等の構成図。
【図5】実施の形態3におけるリーダ装置のハードウェア構成を示す図。
【図6】従来技術を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1〜図3を参照して実施の形態1を説明する。以下では、「かご(又は乗場)操作盤」を、エレベータ操作盤という。すなわちエレベータ操作盤というときは、かご内に設置された「かご操作盤」と、乗場に設置された「乗場操作盤」との両者を含むものとする。
【0012】
図1は、実施の形態1におけるエレベータ用セキュリティシステム1000aの構成を示す。図1と、従来技術を示す図6との相違は次の点である。すなわち、図1では、エレベータ操作盤と、エレベータ操作盤に対応して配置されたカードリーダとが直接通信を行うことである。図1では、対応するカードリーダとエレベータ操作盤との通信を矢印9で示している。この通信により、後述のようにエレベータ制御盤11は、図6に示したテーブル11−1を持たなくてよい。
【0013】
また、図1では、カードリーダから対応するエレベータ操作盤に許可された階床番号とヘルシーチェック(生死監視信号)が送信される。
【0014】
図1を簡単に説明する。図1は建屋1に設置されたエレベータ用セキュリティシステム1000aを示している。エレベータ用セキュリティシステム1000aは、複数のカードリーダ3(リーダ装置)、複数のエレベータ操作盤、エレベータ制御盤11、ビルセキュリティシステム制御部12(セキュリティ制御装置)を備えている。複数のカードリーダ3は、建屋1内のビル扉6ごと、及びエレベータ操作盤ごとに対応して設置されており、ビルセキュリティシステム制御部12に接続している。また、複数のエレベータ操作盤は、エレベータ制御盤11と接続している。また、矢印9として説明したようにエレベータ操作盤と、各エレベータ操作盤に対応して設置されたカードリーダとは、通信可能である。
【0015】
図2は、カードリーダとエレベータ操作盤との主要構成要素を示した構成図である。カードリーダとエレベータ操作盤とは、通信インターフェースが追加されており、お互いに送信、受信を行うことができる。後述のように、カード操作に応じて判定された利用階情報(後述するが、利用を許可する階床番号を意味する。)をカードリーダからエレベータ操作盤へ通信インターフェースを介して直接送信する。
【0016】
(エレベータ操作盤7の構成)
エレベータ操作盤7は、カードリーダと通信を行う操作盤側通信インターフェース71(操作盤側通信部)、行先階の入力受付等の処理を行う操作盤側制御部72、情報を表示する操作盤側表示部73を備えている。
【0017】
(カードリーダ3の構成)
カードリーダ3は、ユーザ20の持つカード21に格納されたカードID(識別情報)を読み取る識別情報読取部32、操作盤側通信インターフェース71と通信を行うリーダ側通信インターフェース31(読取側通信部の一例)、ビルセキュリティシステム制御部12と通信を行うリーダ側セキュリティ通信部33(読取側通信部の一例)を備えている。
【0018】
(ビルセキュリティシステム制御部12の構成)
ビルセキュリティシステム制御部12は、図6で説明したテーブル12−1(カードIDと、利用可能な階床を示す階床番号とが対応づけられているテーブル:階床番号対応情報)を持つ。
【0019】
図2の構成ではユーザ20によるカード操作後、「カード操作→カードリーダ3→ビルセキュリティシステム制御部12→カードリーダ3→このカードリーダ3に対応するエレベータ操作盤」のルートで通信をおこなうことで、エレベータ制御盤11を経由せずに所定の通信をおこなうことができる。このため、エレベータ側の信号処理が少なくなり、レスポンスが早くなる。
【0020】
(動作の明)
図3は、実施の形態1のカードリーダ3の動作フローチャートを示す。図3を参照して、カードリーダ3の動作を説明する。
【0021】
S11において識別情報読取部32がカードの情報(カードIDとする)を読み取ると、カードリーダのリーダ側セキュリティ通信部33は、ビルセキュリティシステム制御部12にカードID(ID=001とする)と、自身のリーダ番号とを送信する(S12)。
【0022】
ビルセキュリティシステム制御部12はテーブル12−1を参照し、「ID=001」から階床番号「1、3、5」を特定し、特定した階床番号「1、3、5」を利用階情報としてカードリーダ3に返信する。このように利用階情報とは利用可能な階床番号からなる情報である。
【0023】
リーダ側セキュリティ通信部33は、ビルセキュリティシステム制御部12から利用階情報を受信する(S13)。そして、カードリーダ3は、リーダ側通信インターフェース31からエレベータ操作盤7の操作盤側通信インターフェース71へ、ビルセキュリティシステム制御部12から受信した利用階情報を送信する(S14)。操作盤側通信インターフェース71が利用階情報を受信すると、エレベータ操作盤7の操作盤側制御部72は、一定時間、利用階情報の示す階床番号のみの入力を受け付け可能な状態となる。この例では、操作盤側制御部72は、階床番号「1、3、5」のみを行先階として受け付け可能となる。
【0024】
(ヘルシーチェック信号)
リーダ側通信インターフェース31は、自己が正常であることを示すヘルシーチェック信号を操作盤側通信インターフェース71に継続して送信している。この場合、カードリーダ3のリーダ側セキュリティ通信部33は、ビルセキュリティシステム制御部12との通信状態を監視しており(S15)、ビルセキュリティシステム制御部12との通信が異常と判断すると、リーダ側通信インターフェース31によるエレベータ操作盤(操作盤側通信インターフェース71)へのヘルシーチェック(生死監視)信号の送信を停止し(S16)、正常になった場合にヘルシーチェック通信を再開する(S17)。操作盤側制御部72は、操作盤側通信インターフェース71によってヘルシーチェック信号を受信中の場合には利用階情報が受信された場合に限りその利用階情報の示す階床番号の階床を行先階として受け付けるが、操作盤側通信インターフェース71によってヘルシーチェック信号が受信できなくなった場合(S16)には操作盤禁止状態を解除し、階床が入力されれば、入力された階床を行先階として受け付ける。
【0025】
(操作盤側通信インターフェース71)
図示しないが、カードリーダ3から操作盤側通信インターフェース71を介して直接送信される利用階情報を、エレベータ制御盤11からの同情報と互換性を持たせるように構成する。こうすれば、エレベータ操作盤におけるエレベータ制御盤11との通信装置(図示していない)に、エレベータ制御盤11との通信と並列で動作する入出力端子を追加して、この入出力端子に操作盤側通信インターフェース71を接続するだけで、カードリーダ3から操作盤側通信インターフェース71を介して直接送信される利用階情報をあたかもエレベータ制御盤11から制御される手段と同等に扱うことができる。このようにして、エレベータ操作盤は、単独で、この利用階情報を行先階登録用の押しボタン機能に反映させる判断及び登録手段を備えることができ、この利用階情報に合わせて行先階登録用の押しボタンを有効/無効とする機能を設定することが可能となる。
【0026】
なお、以上の実施の形態1では、ビルセキュリティシステム制御部12の持つテーブル12−1は、個人毎に通行できる扉およびエレベータの利用階を記憶するテーブルでも良いし、個人毎ではなく、課、部門などのグループ毎に通行できる扉およびエレベータの利用階を記憶するテーブルをでも良い。
【0027】
(故障の場合)
また、以上の実施の形態1では、ビルセキュリティシステムの異常を検出すると(すなわちヘルシーチェック信号が受信できなくなると)、エレベータ操作盤は操作盤禁止の解除(エレベータ操作盤を使えるようにする)を行う(予め設定された所定の動作の一例)こととした。これはビルセキュリティシステムが故障するとエレベータが使えなくなることを防ぐためである。しかし、ビルのセキュリティを高めるため、ビルセキュリティシステムが故障したときにはエレベータを使えなくするというニーズも存在する。そのような場合、エレベータ操作盤は、「カードリーダとの通信状態を確認してエレベータ操作盤の操作を禁止し、かつ、エレベータ操作盤の操作盤側表示部73ビルセキュリティシステムの故障状態を表示」(予め設定された所定の動作の一例)することもできる。
【0028】
以上の実施の形態1では、カードリーダ3がカード21からカードに格納された情報を読み取る場合を例に説明したが、カードリーダとカード情報との組み合わせに限らず、リーダ装置が生体情報を読み取っても構わない。例えば、カードリーダに相当するリーダ装置がユーザの指紋を読み取り、ビルセキュリティシステム制御部12へ送信する。ビルセキュリティシステム制御部12は、カードIDと利用可能な階床番号との対応に代えて、真正な指紋と利用可能な階床番号との対応情報を保有する。これにより、ビルセキュリティシステム制御部12は、受信した指紋から、利用可能な階床番号を特定できる。
【0029】
以上の実施の形態1では、エレベータ操作盤7は、エレベータ制御盤11から制御情報の配信を受けることなく、カードリーダ3から直接受信した利用階情報を自らの押しボタン機能に反映するので、エレベータ制御盤11のテーブルが不要となり、個々のビル用の設定業務(オーダー処理業務)が不要となる。
【0030】
以上の実施の形態1では、カードリーダ3はビルセキュリティシステムの異常を検出すると、エレベータ操作盤7との通信を停止する様にしたので、エレベータ操作盤7は、カードリーダ3と通信状態を確認するだけで、操作盤禁止の解除(エレベータ操作盤を使えるようにする)を行うかを判断することができる。これにより、ビルセキュリティシステムの故障の監視においても、エレベータ制御盤11の前記テーブル処理が不要となり、個別ビル用の設定業務(オーダー処理業務)が不要となる。
【0031】
以上の実施の形態1では、個人毎に通行できる扉およびエレベータの利用階を記憶するテーブル12−1を持ち、カードリーダ3の操作により前記テーブル12−1を利用して判定を行い、ビル内の扉の通行やエレベータの利用を許可するビルセキュリティシステムにおいて、カードリーダ3にエレベータ操作盤7と通信を行う通信インターフェースを備え、カードリーダ3からカードリーダ3の操作に応じて判定された利用階情報(利用を許可する階床情報)をエレベータ操作盤7へ送信するエレベータ用セキュリティシステムを説明した。
【0032】
以上の実施の形態1では、カードリーダはビルセキュリティシステムの異常を検出すると、エレベータ操作盤との通信を停止するエレベータ用セキュリティシステムを説明した。
【0033】
実施の形態2.
図4を参照して実施の形態2を説明する。実施の形態1のエレベータ用セキュリティシステム1000aでは、カードリーダ3は、カード21から読み取ったカードIDをそのままビルセキュリティシステム制御部12に送信した。これに対して、実施の形態2のエレベータ用セキュリティシステム1000bでは、実施の形態1のカードリーダ3の代わりに所定の種別の識別情報を読み取るリーダ装置30を備えた構成である。ここで「所定の種別の識別情報」とは、例えばユーザの指紋などの生体情報、あるいは、冗長な英数字からなる正規のパスワードの一部の連続した部分など、カードに格納された情報以外の情報である。
【0034】
識別情報読取部32は、前記のような所定の種別の識別情報を読み取る。また、識別子対応情報記憶部34は、真正であるとして登録された所定の種別の識別情報とこの識別情報に一意に対応づけられた識別子である対応識別子との対応関係を示す識別子対応情報を記憶している。すなわち、識別情報読取部32が読み取る「所定の種別の識別情報」は、例えば、指紋(以下、指紋を想定する)と、予め種別が決められている。識別子対応情報記憶部34は、真正であるとして登録された複数人ぶんの指紋と、各指紋に一意に対応づけられた対応識別子との対応関係(例えば、あるユーザの真正な指紋とそのユーザ固有のIDとの対応)を識別子対応情報として記憶している。
【0035】
(動作の説明)
検索部35は、識別情報読取部32によって指紋が読み取られると、読み取られた指紋に基づいて識別子対応情報の対応識別子を検索する。「読み取られた指紋に基づいて〜検索する」とは、具体的には、検索部35は、読み取られた指紋に一致すると認められる登録指紋があるかどうかを判定し、あると存在した場合はその登録指紋に対応する対応識別子を特定することである。そして、リーダ側通信インターフェース31は、検索部35の検索によって対応識別子(例えばID001)が特定された場合には、その対応識別子をテーブル12−1aを有するビルセキュリティシステム制御部12に送信する。
【0036】
以降の動作は実施の形態1と同様である。
【0037】
実施の形態2のエレベータ用セキュリティシステム1000bでは、リーダ装置がカードに格納された情報以外の情報を読み取るので、利便性の高いエレベータ用セキュリティシステムを提供できる。
【0038】
実施の形態3.
図5は、コンピュータで実現される実施の形態1あるいは実施の形態2のリーダ装置のハードウェア資源の一例を示す図である。図5において、リーダ装置は、プログラムを実行するCPU810(Central Processing Unit)を備えている。CPU810は、バス825を介してROM(Read Only Memory)811、RAM(Random Access Memory)812、表示装置813、操作キー814、ビルセキュリティシステム制御部12と通信する第1通信部815、エレベータ操作盤と通信する第2通信部816、識別情報を読み取るリード部817、及び磁気ディスク装置820などと接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。磁気ディスク装置820の代わりに、フラッシュメモリなどの記憶装置でもよい。
【0039】
RAM812は、揮発性メモリの一例である。ROM811、磁気ディスク装置820等の記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶装置あるいは記憶部、格納部、バッファの一例である。操作キー814、第1通信部815、第2通信部816、リード部817などは、入力部、入力装置の一例である。また、表示装置813、第1通信部815、第2通信部816などは、出力部、出力装置の一例である。
【0040】
磁気ディスク装置820には、オペレーティングシステム821(OS)、プログラム群823、ファイル群824が記憶されている。プログラム群823のプログラムは、CPU810、オペレーティングシステム821により実行される。
【0041】
上記プログラム群823には、以上の実施の形態の説明において「〜部」として説明した機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU810により読み出され実行される。
【0042】
ファイル群824には、以上の実施の形態の説明において、「〜の判定結果」、「〜の算出結果」、「〜の抽出結果」、「〜の生成結果」、「〜の処理結果」として説明した情報や、データや信号値や変数値やパラメータなどが、「〜ファイル」や「〜データベース」の各項目として記憶されている。「〜ファイル」や「〜データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU810によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・表示などのCPUの動作に用いられる。抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・表示のCPUの動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。
【0043】
また、以上に述べた実施の形態の説明において、データや信号値は、RAM812のメモリ、磁気ディスク装置820の磁気ディスク等の記録媒体に記録される。また、データや信号は、バス825や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
【0044】
また、以上の実施の形態の説明において、「〜部」として説明したものは、「〜手段」、「〜回路」、「〜機器」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」として説明したものは、ROM811に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。すなわちプログラムは、以上に述べた「〜部」としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、以上に述べた「〜部」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【0045】
以上の実施の形態1、2では、カードリーダ(リーダ装置)として装置を説明したが、リーダ装置の動作を、コンピュータに実行させるプログラムとして把握することも可能である。あるいは、プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として把握することも可能である。さらに、リーダ装置の動作をリーダ装置が行う通信方法として把握することも可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 建屋、2 昇降路、3 カードリーダ、5 かご操作盤、6 ビル扉、7 エレベータ操作盤、9 矢印、11 エレベータ制御盤、12 ビルセキュリティシステム制御部、30 リーダ装置、31 リーダ側通信インターフェース、32 識別情報読取部、33 リーダ側セキュリティ通信部、34 識別子対応情報記憶部、71 操作盤側通信インターフェース、72 操作盤側制御部、73 操作盤側表示部、1000a,1000b エレベータ用セキュリティシステム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の種別の識別情報を読み取る識別情報読取部と、
前記識別情報読取部によって読み取られた識別情報を、前記所定の種別の識別情報とエレベータの利用が許可される階床の階床番号とが対応づけられた階床番号対応情報を保有すると共に前記所定の識別情報を受信すると前記階床番号対応情報を検索することにより受信された前記識別情報に対応する階床番号を特定してこの特定された階床番号を利用階情報として返信するセキュリティ制御装置に送信し、送信された前記識別情報に対応する前記利用階情報を前記セキュリティ制御装置から受信し、受信された前記利用階情報を通信可能に接続された所定のエレベータ操作盤に送信する読取側通信部と
を有するリーダ装置と、
前記所定のエレベータ操作盤であって、前記読取側通信部によって送信された前記利用階情報を受信する操作盤側通信部と、
前記操作盤側通信部によって受信された前記利用階情報の示す階床番号に従って、行先階を受け付ける操作盤側制御部と
を有するエレベータ操作盤と
を備えたことを特徴とするエレベータ用セキュリティシステム。
【請求項2】
前記読取側通信部は、
前記リーダ装置が正常であることを示すヘルシーチェック信号を前記操作盤側通信部に継続して送信し、
前記操作盤側制御部は、
前記操作盤側通信部によって前記ヘルシーチェック信号を受信中の場合には前記操作盤側通信部によって前記利用階情報が受信された場合に限り前記利用階情報の示す階床番号の階床を行先階として受け付け、前記操作盤側通信部によって前記ヘルシーチェック信号が受信できなくなった場合には予め設定された所定の処理を実行することを特徴とする請求項1記載のエレベータ用セキュリティシステム。
【請求項3】
前記操作盤制御部に対する前記予め設定された処理は、
入力された階床を行先階として受け付ける処理と、入力された階床を行先階として受け付け禁止とする処理とのいずれかであることを特徴とする請求項2記載のエレベータ用セキュリティシステム。
【請求項4】
所定の種別の識別情報を読み取る識別情報読取部と、
前記識別情報読取部によって読み取られた識別情報を、前記所定の種別の識別情報とエレベータの利用が許可される階床の階床番号とが対応づけられた階床番号対応情報を保有すると共に前記所定の識別情報を受信すると前記階床番号対応情報を検索することにより受信された前記識別情報に対応する階床番号を特定してこの特定された階床番号を利用階情報として返信するセキュリティ制御装置に送信し、送信された前記識別情報に対応する前記利用階情報を前記セキュリティ制御装置から受信し、受信された前記利用階情報を通信可能に接続された所定のエレベータ操作盤に送信する読取側通信部と
を備えたことを特徴とするリーダ装置。
【請求項5】
前記読取側通信部は、
前記リーダ装置が正常であることを示すヘルシーチェック信号を前記所定のエレベータ操作盤に継続して送信することを特徴とする請求項4記載のリーダ装置。
【請求項6】
前記識別情報読取部は、
前記所定の種別の識別情報として、カードに格納された識別情報を前記カードから読み取ることを特徴とする請求項4または5のいずれかに記載のリーダ装置。
【請求項7】
前記識別情報読取部は、
前記所定の種別の識別情報として、前記エレベータを利用するユーザから、読み取るべき生体情報として予め定められた種別の生体情報を読み取ることを特徴とする請求項4または5のいずれかに記載のリーダ装置。
【請求項8】
所定の種別の識別情報を読み取る識別情報読取部と、
真正であるとして登録された前記所定の種別の識別情報とこの識別情報に一意に対応づけられた識別子である対応識別子との対応関係を示す識別子対応情報を記憶する識別子対応情報記憶部と、
前記識別情報読取部によって前記識別情報が読み取られると、読み取られた前記識別情報に基づいて前記識別子対応情報の前記対応識別子を検索する検索部と、
前記検索部の検索によって前記対応識別子がヒットした場合には、ヒットした前記対応識別子を、対応識別子とエレベータの利用が許可される階床の階床番号とが対応づけられた階床番号対応情報を保有すると共に対応識別子を受信すると前記階床番号対応情報を検索することにより受信された前記対応識別子に対応する階床番号を特定してこの特定された階床番号を利用階情報として返信するセキュリティ制御装置に送信し、送信された前記対応識別子に対応する前記利用階情報を前記セキュリティ制御装置から受信し、受信された前記利用階情報を通信可能に接続された所定のエレベータ操作盤に送信する読取側通信部と
を有するリーダ装置と、
前記所定のエレベータ操作盤であって、前記読取側通信部によって送信された前記利用階情報を受信する操作盤側通信部と、
前記操作盤側通信部によって受信された前記利用階情報の示す階床番号に従って、行先階を受け付ける操作盤側制御部と
を有するエレベータ操作盤と
を備えたことを特徴とするエレベータ用セキュリティシステム。
【請求項9】
所定の種別の識別情報を読み取る識別情報読取部と、
真正であるとして登録された前記所定の種別の識別情報とこの識別情報に一意に対応づけられた識別子である対応識別子との対応関係を示す識別子対応情報を記憶する識別子対応情報記憶部と、
前記識別情報読取部によって前記識別情報が読み取られると、読み取られた前記識別情報に基づいて前記識別子対応情報の前記対応識別子を検索する検索部と、
前記検索部の検索によって前記対応識別子がヒットした場合には、ヒットした前記対応識別子を、対応識別子とエレベータの利用が許可される階床の階床番号とが対応づけられた階床番号対応情報を保有すると共に対応識別子を受信すると前記階床番号対応情報を検索することにより受信された前記対応識別子に対応する階床番号を特定してこの特定された階床番号を利用階情報として返信するセキュリティ制御装置に送信し、送信された前記対応識別子に対応する前記利用階情報を前記セキュリティ制御装置から受信し、受信された前記利用階情報を通信可能に接続された所定のエレベータ操作盤に送信する読取側通信部と
を備えたリーダ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−285232(P2010−285232A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−138368(P2009−138368)
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】