説明

エンジンの点火時期検出装置

【課題】エンジンの始動時に安定性、確実性を保持し、通常運転時にはエンジン効率を向上するとともに、低コスト化されたエンジンの点火時期検出装置を提供する。
【解決手段】回転駆動体に取り付けた突起に、静止部材に固定されたセンサを対応させて、該突起により該センサにセンシング信号を発生させてエンジンの点火時期を検出するエンジンの点火時期検出装置において、前記複数個の突起を前記回転駆動体の円周方向に角度非対称に配置し、エンジンの上死点に近い方の突起を前記センサに対応させてエンジンの始動時の点火位置とし、該始動位置よりも進角した位置の突起を前記センサに対応させてエンジンの通常運転時の基準点火位置としたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として小型単シリンダエンジンの点火時期検出装置に設けられ、回転駆動体に取り付けた突起に、静止部材に固定されたセンサを対応させて、該突起により該センサにセンシング信号を発生させてエンジンの点火時期を検出するエンジンの点火時期検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
単シリンダエンジンの点火時期制御は、フライホイールマグネットでの発電を電源とし、トランジスタをスイッチング素子として利用したトランジスタ点火装置や、バッテリ電源を使用しコンデンサに充電した電気をパルサコイルの信号(1パルス/rev)を用いて放電させるCDI式点火時期制御装置等がある。
このような電気式点火時期制御装置は、自動車用多シリンダエンジンに多く用いられ、例えば特許文献(特開昭60−169674号公報)がある。
【0003】
かかる技術においては、クランク角センサ、エンジンの点火時期調整電圧を設定する点火時期調整電圧設定手段、該点火時期調整電圧を用いて補正クランク角を演算する補正クランク角演算手段、前記クランク角度信号の所定タイミングごとにエンジンの所定の運転状態パラメータに応じてエンジンの基本点火時期を演算する基本点火時期演算手段、該基本点火時期に前記補正クランク角を加算して該基本点火時期を調整する基本点火時期調整手段、および該調整された基本点火時期をエンジンの所定の運転状態パラメータに応じて補正する点火時期補正手段を備えている。
これにより、クランク角センサのイニシャル点火時期の設定ずれの機械的調整が不要となり、クランク角センサの各部品の取付精度を緩和できる。
【0004】
【特許文献1】特開昭60−169674号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
小型単シリンダエンジンにおいては、始動時の点火時期は上死点近傍で点火させ安定始動されたいが、定格運転時はエンジン効率向上を狙って、より進角した位置で点火する必要性がある。
点火時期の基準パルス位置を進角側に設定すると、定格運転時の点火時期制御は精度が出るが、始動時の点火時期は精度が悪化する。
始動時は回転数が低く(100〜800RPM)、回転変動も大きいため、進角側の基準パルス信号位置からの遅角側の点火時期をソフトウェアで演算するのは精度が出ないため困難を伴う。従って、エンジンの始動時には、ソフトウェア演算でなく、機械的にセンサの基準パルス信号を点火信号とする必要がある。
【0006】
前記の観点からみて、特許文献(特開昭60−169674号公報)の技術は、自動車用多シリンダエンジンに適用される電気式点火時期制御装置であり、始動時の設定も電子制御を原則としており、また、クランクセンサとカムセンサの両方を必要とするため高コストであり、より低コストを意識した汎用小型単シリンダエンジンには適用するのは不適である。
【0007】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、エンジンの始動時に安定性、確実性を保持し、通常運転時にはエンジン効率を向上するとともに、点火時期制御にカムセンサ及びクランクセンサのどちらか一つを用いることで低コスト化されたエンジンの点火時期検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はかかる目的を達成するもので、回転駆動体に取り付けた突起に、静止部材に固定されたセンサを対応させて、該突起により該センサにセンシング信号を発生させてエンジンの点火時期を検出するエンジンの点火時期検出装置において、前記複数個の突起を前記回転駆動体の円周方向に角度非対称に配置し、エンジンの上死点に近い方の突起を前記センサに対応させてエンジンの始動時の点火位置とし、該始動位置よりも進角した位置の突起を前記センサに対応させてエンジンの通常運転時の基準点火位置としたことを特徴とする(請求項1)。
【0009】
かかる発明において、具体的には、前記回転駆動体を、エンジンのカム軸に設けた円板体としエンジンの上死点に近い方の突起を前記センサに対応させてエンジンの始動時の点火位置とし、該始動位置よりも進角した位置の突起と前記センサとの前記基準点火位置に基づき通常運転時の点火時期を算出する手段を設ける(請求項2)。
【0010】
また、かかる発明において、好ましくは、エンジンの始動時の突起を設けた回転駆動体と、通常運転時の点火時期の突起を設けた回転駆動体と、前記回転駆動体のそれぞれに対応して前記センサを設ける(請求項3)。
【0011】
また、本発明は、次のように構成できる。
エンジンのクランク軸に固定された回転駆動体に取り付けた突起に、静止部材に固定されたセンサを対応させて、該突起により該センサにセンシング信号を発生させてエンジンの点火時期を検出するエンジンの点火時期検出装置において、前記の突起を2個前記回転駆動体の円周方向に角度非対称に配置し、エンジンの上死点に近い方の突起を前記センサに対応させてエンジンの始動時の点火位置とし、該始動位置よりも進角した位置の突起を前記センサに対応させてエンジンの通常運転時の基準点火位置としたことを特徴とする(請求項4)。
【0012】
かかる発明において、具体的には次のように構成する。
(1)クランク軸に固定されたフライホイールを前記回転駆動体とし、該回転駆動体に始動時の点火位置設定用の突起と、エンジンの通常運転時の基準点火位置設定用の突起とを設ける(請求項5)。
【0013】
(2)クランク軸に直結駆動される発電機を備えたエンジンにおいて、前記発電機のローターを前記回転駆動体とし、該回転駆動体に始動時の点火位置設定用の突起と、エンジンの通常運転時の基準点火位置設定用の突起とを設ける(請求項6)。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数個の突起を回転駆動体の円周方向に角度非対称に配置し、エンジンの上死点に近い方の突起をセンサに対応させてエンジンの始動時の点火位置とし、該始動位置よりも進角した位置の突起を前記センサに対応させてエンジンの通常運転時の基準点火位置とし(請求項1)、また前記回転駆動体をカム軸に設けた円板体としエンジンの上死点に近い方の突起をセンサに対応させてエンジンの始動時の点火位置とし、該始動位置よりも進角した位置の突起とセンサとの前記基準点火位置に基づき通常運転時の点火時期を算出する手段も設けたので(請求項2)、一つのセンサで始動時と通常運転時との点火時期制御値を切り替え可能であり、また始動時は上死点始動時近傍のパルス信号を点火信号をして利用できるため、始動時の回転変動の大きい状態でも安定した始動が可能となる。
【0015】
また、通常運転時は前記始動位置よりも進角した位置、つまり最大進角位置のパルス信号を基準とすることで、点火時期を高精度に進角側に制御することができるので、エンジン効率向上を目的とした制御が可能となる。
従って、始動時の安定性と通常運転時の効率向上を同時に実現可能な点火時期制御位置を、得ることができる。
【0016】
また、エンジンの始動時の点火位置を機械的に設定し、通常運転時との点火時期制御は基準点火位置に基づき算出する手段で制御するので、低コストで以って始動時と通常運転時との点火時期制御ができる。
【0017】
また、エンジンの始動時の突起を設けた回転駆動体と、通常運転時の点火時期の突起を設けた回転駆動体と、前記回転駆動体のそれぞれに対応して前記センサを設けるように構成すれば(請求項3)、ノイズの影響で、パルス信号を読み飛ばした場合でも、他の突起及びセンサで制御できる。
【0018】
エンジンのクランク軸に固定された回転駆動体に取り付けた突起に、静止部材に固定されたセンサを対応させて、前記と同一構成でもって設け(請求項4)、またクランク軸に固定されたフライホイールを回転駆動体とし、該回転駆動体に始動時の点火位置設定用の突起と、エンジンの通常運転時の基準点火位置設定用の突起とを設ければ(請求項5)、4サイクルエンジンの場合、カム軸1回転でクランク軸2回転なので、始動用、通常運転用の突起の角度ピッチを2倍に取ることができるので、突起の機械加工が容易になる。
また、フライホイールを回転駆動体に兼用して突起を加工することにより、部品点数が低減される。
【0019】
また、発電機を備えたエンジンにおいて、発電機のローターを回転駆動体とし、該回転駆動体に始動時の点火位置設定用の突起と、エンジンの通常運転時の基準点火位置設定用の突起とを設ければ(請求項6)、発電機の回転軸を突起を設けた回転駆動体と兼用するので、部品の共通化ができ、低コストとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
(第1実施例)
【0021】
図1は本発明の第1実施例に係る単シリンダエンジンの点火時期検出装置の概略側面図である。
図1において、100は単シリンダ4サイクルエンジンで、クランク軸6、該クランク軸6に直結駆動される発電機8、前記クランク軸6に直結駆動され該クランク軸6の1/2回転で回転するカム2が形成されたカム軸1等を備えている。8aは前記発電機8の回転軸である。
【0022】
前記カム軸1の軸端部には回転円板3が固定され、該回転円板3の外周には2個の突起5a、5bが固定されている。前記突起5a、5bにはエンジン本体に固定された固定部材9に支持されたカムセンサ4が対応して設けられている。
該突起5a、5bは、図3に示すように、エンジンの上死点に対して回転円板3の円周方向に角度非対称に配置している。
尚、図3は前記突起5a、5bの円周方向の配置を示すものである。
該突起5a、5bの配置は、図1の実線のように、回転円板3の外周に設ける場合と、図1に破線で示すように、クランク軸(図示省略)に駆動されるカムギア50の側部に突起5a、5bを設け、これにカムセンサ4が対応するようにしてもよい
そして、前記何れの場合も、突起5a、5bにより該カムセンサ4にセンシング信号4sを発生させてコントローラ11に送り、該コントローラ11は前記カムセンサ4からのセンシング信号4sに基づき、エンジンの点火プラグ(図示省略)に点火信号11aを送るようになっている。
【0023】
そして、図3に示すように、前記突起の1つは始動時の点火位置を設定する始動時点火位置設定の突起5aで、該突起5aはエンジンの上死点前T1に設定されている。また前記突起の他の1つはエンジンの通常運転時に対応する通常運転時設定の突起5bであり、該突起5bは前記突起5aよりも進角した位置T2に設定されている。
そして、前記始動時点火位置設定の突起5aは、上死点前の角度T1=20°±5°程度が好適で、また通常運転時設定の突起5bはその最大基準点火位置T2をT2=40°±5°程度が好適である。
【0024】
そして、前記エンジンの回転数を回転数検出器12で検出して前記コントローラ11に入力し、該コントローラ11はエンジンの回転数の検出値に基づき、前記通常運転時設定の突起5bの位置を、前記エンジン100の最大基準点火位置T2からの遅らせる量を算出する。
【0025】
即ち具体的には、図5に示すように、スタータ等によって、エンジンが外部から回転駆動されたときに、カムセンサ4のパルス信号のΔT1とΔT2を計測し、ΔT1<ΔT2として始動時点火位置設定の突起5aと通常運転時設定の突起5bとを認識する。
この場合、例えば次のような方法がある。
(エンジン始動前)
1)前記カムの角度10回連続してΔT1<ΔT2となれば、前記基準位置認識を確定する。
2)別のエンジン回転数検出用のセンサのパルス数をカウントして比較する。
3)カム信号の入力と回転信号の入力で、自動判別する論理回路を作成する。
(エンジン始動時)
エンジン始動時には、始動用の点火基準位置で点火信号を出力し点火する。
(エンジン通常運転時)
エンジン通常運転時は、最大基準点火位置T2から所望の点火時期までの時間を、現在のエンジン回転数から演算して算出し、点火信号を出力し点火する。
【0026】
前記のような、エンジンの点火時期検出手段のフローを図6に示す。
図6において、絶対カム角度設定アルゴリズム(1)においては、スタータでエンジン回転中のカムパルス信号の間隔時間を計測して、時間の長い、短いを判別することで各パルスの絶対カム角度を確定する。
始動用点火制御(2)では、始動用のカムパルス位置(前記T1)で点火制御する。
通常用点火制御(3)では、通常用カムパルス位置が前記最大基準点火位置T2に設定されている。この最大基準点火位置T2を基準として、前記エンジンの回転数の検出値から目標点火時期までの遅延時間を算出して、この算出値によって点火する。
【0027】
以上の実施例によれば、2個の突起を回転円板3の円周方向に角度非対称に配置し、エンジンの上死点に近い方の突起5aをカムセンサ4に対応させてエンジンの始動時の点火位置(T1)とし、該始動位置よりも進角した位置の突起5bを前記カムセンサ4に対応させてエンジンの通常運転時の基準点火位置(T2)とし、該始動位置(T1)よりも進角した位置の突起5bとカムセンサ4との前記基準点火位置に基づき通常運転時の点火時期を算出する手段も設けたので、一組の回転円板3付きのカムセンサ4で始動時と通常運転時との点火時期制御値を切り替え可能であり、また始動時は上死点始動時近傍のパルス信号を点火信号(T1)をして利用できるため、始動時の回転変動の大きい状態でも安定した始動が可能となる。
【0028】
また、通常運転時は前記始動位置よりも進角した位置、つまり最大進角位置(T2)のパルス信号を基準とすることで、点火時期を高精度に進角側に制御することができるので、エンジン効率向上を目的とした制御が可能となる。
従って、始動時の安定性と通常運転時の効率向上を同時に実現可能な点火時期制御位置を、得ることができる。
【0029】
また、エンジンの始動時の点火位置(T1)を機械的に設定し、通常運転時との点火時期制御は基準点火位置(T2)に基づき算出する手段で制御するので、低コストで以って始動時と通常運転時との点火時期制御ができる。
(第2実施例)
【0030】
また、図7は本発明の第2実施例に係る単シリンダエンジンの点火時期検出装置の概略側面図である。
この第2実施例においては、エンジン100のクランク軸6に固定されたフライホイール7に前記第1実施例と同様に取り付けた、始動時の点火位置設定用の突起5aと、エンジンの通常運転時の基準点火位置設定用の突起5bとに、固定部材9に固定されたカムセンサ4が対応して設けられている。該突起5a,5bによりカムセンサ4にセンシング信号4aを発生させてエンジンの点火時期を検出している。
その他の構成は、前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0031】
4サイクルエンジンの場合、カム軸1回転でクランク軸6が2回転なので、始動用(T1)、通常運転用(T2)の突起5a、5bの角度ピッチを2倍に取ることができるので、突起の機械加工が容易になる。
また、フライホイール7を回転駆動体に兼用して突起5a、5bを加工することにより、部品点数が低減される。
(第3実施例)
【0032】
この第3実施例においては、図1に2点鎖線で示すように、クランク軸6に直結駆動される発電機8を備えたエンジン100において、前記発電機8のロータ8aに始動時の点火位置設定用の突起5aと、エンジンの通常運転時の基準点火位置設定用の突起5bとを設ける。前記突起5a、5bには固定部材に支持されたカムセンサ4が取付られている
この場合も、カム軸1回転でクランク軸6が2回転であり、始動用(T1)、通常運転用(T2)の突起5a、5bの角度ピッチを2倍に取ることができるので、突起の機械加工が容易になる。尚、前記カムセンサ4は前記コントローラ11に接続されている
そしてこの場合は、発電機8のロータ8aを突起5a、5bを設けた回転円板と兼用するので、部品の共通化ができ、低コストとなる。
その他の構成は、前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
(第4実施例)
【0033】
図2は本発明の第4実施例に係る単シリンダエンジンの点火時期検出装置の概略部分側面図である。この第4実施例においては、支持部材9に支持された回転円板3a,3bをカム軸1の軸端部に設け、該回転円板3a,3bのそれぞれに対応してカムセンサ4a、4bを設けている。
この場合は、ノイズの影響で、パルス信号を読み飛ばした場合でも、他の突起5a、5b及びセンサで制御できる。及びセンサで制御できる。
その他の構成は、前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
(その他の実施例)
【0034】
図8〜図10は点火時期検出装置の突起とカムセンサの関係図である。
図8の場合は突起5aを回転円板3から突出させた場合で、カムセンサ4は回転円板3と直角に向いている。
図9の場合は、突起5aを回転円板3から上方に突出させた場合で、カムセンサ4は回転円板3と直上にある。
図10の場合は、突起5aを回転円板3から側面に突出させた場合で、カムセンサ4は回転円板3と直角に向いている。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明によれば、エンジンの始動時に安定性、確実性を保持し、通常運転時にはエンジン効率を向上するとともに、低コスト化されたエンジンの点火時期検出装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1実施例、第3実施例に係る単シリンダエンジンの点火時期検出装置の概略側面図である。
【図2】第1実施例における図1のA矢視図である。
【図3】第1実施例における突起のタイミング線図である(その1)。
【図4】第1実施例における突起のタイミング線図である(その2)。
【図5】第1実施例におけるエンジンの点火時期検出手段のフローを示す。
【図6】本発明の第2実施例に係る単シリンダエンジンの点火時期検出装置の概略側面図である。
【図7】本発明の第4実施例に係る単シリンダエンジンの点火時期検出装置の概略部分側面図である。
【図8】点火時期検出装置の突起とカムセンサの関係図(その1)である。
【図9】点火時期検出装置の突起とカムセンサの関係図(その2)である。
【図10】点火時期検出装置の突起とカムセンサの関係図(その3)である。
【符号の説明】
【0037】
1 カム軸
2 カム
3、3a、3b、3s 回転円板
4、4a、4b カムセンサ
4s センシング信号
5a、5b 突起
6 クランク軸
7 フライホイー
8 発電機
8a 発電機のローター
9 固定部材
11 コントローラ
12 回転数検出器
100 エンジン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動体に取り付けた突起に、静止部材に固定されたセンサを対応させて、該突起により該センサにセンシング信号を発生させてエンジンの点火時期を検出するエンジンの点火時期検出装置において、前記複数個の突起を前記回転駆動体の円周方向に角度非対称に配置し、エンジンの上死点に近い方の突起を前記センサに対応させてエンジンの始動時の点火位置とし、該始動位置よりも進角した位置の突起を前記センサに対応させてエンジンの通常運転時の基準点火位置としたことを特徴とするエンジンの点火時期検出装置。
【請求項2】
前記回転駆動体を、エンジンのカム軸に設けた円板体としエンジンの上死点に近い方の突起を前記センサに対応させてエンジンの始動時の点火位置とし、該始動位置よりも進角した位置の突起と前記センサとの前記基準点火位置に基づき通常運転時の点火時期を算出する手段を設けたことを特徴とする請求項1記載のエンジンの点火時期検出装置。
【請求項3】
エンジンの始動時の突起を設けた回転駆動体と、通常運転時の点火時期の突起を設けた回転駆動体と、前記回転駆動体のそれぞれに対応して前記センサを設けたことを特徴とする請求項1記載のエンジンの点火時期検出装置。
【請求項4】
エンジンのクランク軸に固定された回転駆動体に取り付けた突起に、静止部材に固定されたセンサを対応させて、該突起により該センサにセンシング信号を発生させてエンジンの点火時期を検出するエンジンの点火時期検出装置において、前記の突起を2個前記回転駆動体の円周方向に角度非対称に配置し、エンジンの上死点に近い方の突起を前記センサに対応させてエンジンの始動時の点火位置とし、該始動位置よりも進角した位置の突起を前記センサに対応させてエンジンの通常運転時の基準点火位置としたことを特徴とするエンジンの点火時期検出装置。
【請求項5】
クランク軸に固定されたフライホイールを前記回転駆動体とし、該回転駆動体に始動時の点火位置設定用の突起と、エンジンの通常運転時の基準点火位置設定用の突起とを設けたことを特徴とする請求項4記載のエンジンの点火時期検出装置。
【請求項6】
クランク軸に直結駆動される発電機を備えたエンジンにおいて、前記発電機のローターを前記回転駆動体とし、該回転駆動体に始動時の点火位置設定用の突起と、エンジンの通常運転時の基準点火位置設定用の突起とを設けたことを特徴とする請求項4記載のエンジンの点火時期検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−180153(P2009−180153A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−20052(P2008−20052)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】