説明

エンドセリアーゼ−2リガンド

本開示は、とりわけ、エンドセリアーゼ−2(ET2)に結合するタンパク質、例えば、高い親和性および選択性でET2を阻害する免疫グロブリンを提供する。ET2結合タンパク質は、血管新生関連障害を含む種々の障害を治療するために使用され得る。1つの態様において、本発明は、ET2(本明細書ではET2リガンドまたはET2−結合リガンドともいう)に結合するタンパク質リガンドを特徴とする。典型的には、このリガンドは、天然には存在していない。1つの実施形態において、このタンパク質リガンドは、重鎖可変ドメイン配列および軽鎖可変ドメイン配列を含む。例えば、このリガンドは、抗体または全長抗体の抗原結合フラグメント(本明細書では抗ET2抗体ともいう)である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列および軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含む単離されたタンパク質であって、ここで、
(1)該第1の免疫グロブリン可変ドメイン配列および第2の免疫グロブリン可変ドメイン配列が、ヒトエンドセリアーゼ−2(ET2)に特異的に結合する抗原結合部位を形成し;かつ
(2)該タンパク質が以下の特徴:
(a)該タンパク質が300nM未満の阻害定数(Ki)でET2を阻害する;
(b)該HC免疫グロブリン可変ドメイン配列が、A10、G3、A6、A7、C8、H9、G10−R2、F3−R2、C6−R2、A4−R3、C1−R3、A2、B5、D2、D5、F8、H10、またはC9のLC可変ドメインのCDRと少なくとも85%同一である1つ以上のCDRを含む;
(c)該LC免疫グロブリン可変ドメイン配列が、A10、G3、A6、A7、C8、H9、G10−R2、F3−R2、C6−R2、A4−R3、C1−R3、A2、B5、D2、D5、F8、H10、またはC9のHC可変ドメインのCDRと少なくとも85%同一である1つ以上のCDRを含む;
(d)該LC免疫グロブリン可変ドメイン配列が、A10、G3、A6、A7、C8、H9、G10−R2、F3−R2、C6−R2、A4−R3、C1−R3、A2、B5、D2、D5、F8、H10、またはC9のLC可変ドメインと少なくとも85%同一である;
(e)該HC免疫グロブリン可変ドメイン配列が、A10、G3、A6、A7、C8、H9、G10−R2、F3−R2、C6−R2、A4−R3、C1−R3、A2、B5、D2、D5、F8、H10、またはC9のHC可変ドメインと少なくとも85%同一である;および
(f)該タンパク質が、A10、G3、A6、A7、C8、H9、G10−R2、F3−R2、C6−R2、A4−R3、C1−R3、A2、B5、D2、D5、F8、H10、またはC9によって結合されるエピトープと重複するエピトープに結合する、
のうちの1つ以上を有する、タンパク質。
【請求項2】
前記タンパク質が、ET2活性部位に結合する、請求項1に記載のタンパク質。
【請求項3】
前記タンパク質が、ET2酵素活性を阻害する、請求項1に記載のタンパク質。
【請求項4】
前記タンパク質が、インビボで血管新生の部位に蓄積する、請求項1に記載のタンパク質。
【請求項5】
前記タンパク質が、血管基底膜のタンパク質分解を阻害する、請求項1に記載のタンパク質。
【請求項6】
前記タンパク質が、インビトロまたはインビボで血管新生を阻害する、請求項1に記載のタンパク質。
【請求項7】
前記HC可変ドメイン配列およびLC可変ドメイン配列が、同じポリペプチド鎖の成分である、請求項1に記載のタンパク質。
【請求項8】
前記HC可変ドメイン配列およびLC可変ドメイン配列が、異なるポリペプチド鎖の成分である、請求項1に記載のタンパク質。
【請求項9】
前記タンパク質が、全長抗体である、請求項1に記載のタンパク質。
【請求項10】
前記抗体がヒト抗体またはヒト化抗体である、請求項1に記載のタンパク質。
【請求項11】
前記タンパク質が、ヒト抗体フレームワーク領域を含む、請求項1に記載のタンパク質。
【請求項12】
前記タンパク質が、Fcドメインを含む、請求項1に記載のタンパク質。
【請求項13】
前記HC可変ドメイン配列が配列番号89を含み、前記LC可変ドメイン配列が配列番号90を含む、請求項1に記載のタンパク質。
【請求項14】
前記タンパク質が、SCIDマウスモデルにおいて腫瘍増殖を減少する、請求項1に記載のタンパク質。
【請求項15】
請求項1に記載のタンパク質および薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物。
【請求項16】
ET2に特異的に結合するタンパク質を同定する方法であって、該方法は:
ET2抗原を提供する工程;
ディスプレイライブラリーを提供する工程;
ET2抗原に特異的に結合する、該ライブラリー中に存在するメンバーを同定する工程であって、ここで該ライブラリーの各メンバーは、その表面上に異種タンパク質成分を提示し、各メンバーは該異種タンパク質成分をコードする核酸を含み、該異種タンパク質成分は多様なタンパク質成分のセットのメンバーである、工程;および
該同定されたメンバーから核酸分子を単離する工程であって、ここで、該核酸分子がET2抗原に特異的に結合するポリペプチドをコードする、工程
を包含する、方法。
【請求項17】
前記ライブラリーがファージライブラリーである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記同定されたファージが、ET2に結合する競合リガンドを使用して溶出される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
サンプル中のエンドセリアーゼまたはエンドセリアーゼ活性を検出する方法であって、該方法は、請求項1に記載のタンパク質とサンプルを接触させる工程、および標識を検出する工程を包含する、方法。
【請求項20】
ET2発現細胞の活性を調節する方法であって、該方法は、請求項1に記載のタンパク質とET2発現細胞を接触させ、それによってET2発現細胞の活性を調節する工程を包含する、方法。
【請求項21】
前記ET2発現細胞は、ヒト被験体におけるものである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記タンパク質が、ET2発現細胞の基質への結合を妨害する、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記細胞が癌細胞である、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
タンパク質分解を調節する方法であって、該方法は、基質のタンパク質分解を阻害するために十分な量で請求項1に記載のタンパク質を与える工程を包含する、方法。
【請求項25】
前記基質が、増殖促進因子(pro−growth factor)または血管新生促進因子(pro−angiogenic factor)である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記タンパク質分解の調節が、血管新生および/または細胞増殖を減少する、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
細胞を死滅させるかまたは細胞の増殖を阻害する方法であって、該方法は、該細胞を死滅させるかまたは該細胞の増殖を阻害するために十分な量で、該細胞を請求項1に記載のタンパク質と接触させる工程を包含する、方法。
【請求項28】
前記細胞が癌細胞である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
被験体においてエンドセリアーゼを検出する方法であって、該方法は、検出可能な標識をさらに含む請求項1に記載のタンパク質を被験体に投与する工程;および該被験体において該標識を検出する工程を包含する、方法。
【請求項30】
被験体においてエンドセリアーゼの活性を調節する方法であって、該方法は、エンドセリアーゼ活性の減少の必要がある被験体を同定する工程;および該被験体においてET2活性を調節するために有効な量で、請求項1に記載のタンパク質を該被験体に投与する工程を包含する、方法。
【請求項31】
前記被験体がヒトである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記タンパク質が、別の処置、または抗癌剤および/もしくは抗血管新生剤から選択される薬剤と組み合わせて投与される、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
被験体における望ましくない血管新生によって特徴付けられる障害を処置または予防する方法であって、該方法は、該障害を有するかまたは該障害に対する素因を有する被験体に、請求項1に記載されるタンパク質を投与する工程を包含する、方法。
【請求項34】
前記障害が、関節リウマチ、乾癬、糖尿病網膜症、翼状片の再発のような眼の障害、瘢痕エキシマレーザー手術および緑内障濾過手術、心臓血管障害、慢性炎症性障害、創傷修復、循環障害、クレスト症候群、皮膚科学的障害、および癌からなる群より選択される障害である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、または配列番号24に対して少なくとも80%同一である配列を含むポリペプチドをコードする配列を含む、単離された核酸。
【請求項36】
請求項1に記載の第1の免疫グロブリンドメイン含有タンパク質および/または第2の免疫グロブリンドメイン含有タンパク質を含むポリペプチドをコードする配列を含む、単離された核酸。
【請求項37】
請求項36に記載の核酸配列を含む、ベクター。
【請求項38】
請求項36に記載の核酸を含む、宿主細胞。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−528721(P2007−528721A)
【公表日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523367(P2006−523367)
【出願日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/026148
【国際公開番号】WO2005/019270
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(504326804)ダイアックス コーポレイション (8)
【Fターム(参考)】