説明

オイルセパレータ、及び、オイルセパレータを備えた圧縮機

【課題】冷媒ガス中のオイルを遠心力で分離する分離効率の良いオイルセパレータ及び圧縮機を提供する。
【解決手段】冷媒圧縮機の圧縮機構部より吐出するオイル混入の冷媒から、オイルを遠心分離して、分離したオイルを前記冷媒圧縮機に再循環させるとともに、分離後の冷媒を外部に吐出するようにしたオイルセパレータであって、吐出部と吸入部から構成された分離パイプ部に対して、セパレータハウジングの内壁面に吐出部を嵌合し、セパレータハウジングの内壁面内径が、吸入孔中心軸位置から、吸入部端部に対応した部位までの範囲で拡大することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷媒ガス中のオイルを遠心力で分離するオイルセパレータ、及び、オイルセパレータを備えた圧縮機に関する。特に、冷媒圧縮機の圧縮機構部より吐出するオイル混入の冷媒から、オイルを遠心分離して、分離したオイルを前記冷媒圧縮機に再循環させるとともに、分離後の冷媒を外部に吐出するようにしたオイルセパレータ、及び、オイルセパレータを備えた圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
冷凍サイクルで使用される圧縮機は、冷媒ガスにオイルを混入して圧縮機の潤滑を行っているが、この潤滑用オイルの一部は冷媒ガスとともに冷凍サイクルに吐出されてしまう。この冷凍サイクルに吐出される潤滑用オイルが多ければ多いほど、冷凍サイクルのシステム効率(COP、又は、成績係数ともいう)は低下する。そこで、冷凍サイクル中へのオイルの吐出を抑制するため、圧縮機の吐出側に冷媒ガスから潤滑用オイルを分離する遠心分離式オイルセパレータを設けることが知られている。
【0003】
このような従来技術として特許文献1がある。これは圧縮機から吐出されたオイルを含む冷媒から遠心力でオイルを分離するものであるが、遠心力でセパレータハウジングの円筒状内壁面に付着したオイルが、分離パイプ付近のガスの流れで巻き上げられ冷媒と供に吐き出される問題が生じていた。
【0004】
近年、環境問題を考慮して冷媒としてCO2(二酸化炭素)が使用されるようになってきている。ところが、このCO2冷媒は従来の134a冷媒などと比較してオイルとの密度差が小さいため、従来のオイルセパレータでは遠心分離が充分に行われずオイル分離効率が低下する。このため、冷凍サイクル中のオイルレートが増加し、ガスクーラや蒸発器での熱交換性能が損なわれCOPが低下するという問題があった。CO2冷媒サイクル固有の特徴として、従来冷媒に比して、オイルレートの低い環境下での熱交換器効率の上昇が大きく、更なる分離効率向上によるオイルレート低減が求められてきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4381458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題に鑑み、遠心力が必要な遠心分離部は、冷媒の旋回流速が高まるように、円筒状のセパレータハウジングの内径を小さくし、分離後ターン流となった冷媒を吸入する冷媒吸入部(分離パイプ部端部)は、壁面に付着したオイルの巻き上げが小さくなるように、セパレータハウジングの内径を大きくして冷媒の流速を落とすようにした、オイルセパレータ、及び、当該オイルセパレータを備えた圧縮機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、冷媒圧縮機の圧縮機構部(57)より吐出するオイル混入の冷媒から、オイルを遠心分離して、分離したオイルを前記冷媒圧縮機に再循環させるとともに、分離後の冷媒を外部に吐出するようにしたオイルセパレータであって、該オイルセパレータは、前記冷媒圧縮機に再循環させるための送油口(87)を持つ貯油室(93)と、前記圧縮機構部(57)から吐出した冷媒を、セパレータハウジング(17)の円筒状の内壁面の接線方向から流入させる吸入孔(23)、外部に冷媒を吐出するガス吐出口(18)、及び、前記貯油室(93)に連通する開口部(17b)を有するセパレータハウジング(17)と、吐出部(19a)と吸入部(19b)から構成された分離パイプ部(19)であって、該吐出部(19a)がセパレータハウジング(17)の前記内壁面に嵌合又は設置されて、ガス吐出口(18)に連通し、前記吸入部(19b)の外径がセパレータハウジングの内壁面内径より小さい筒状で、前記吸入部(19b)端部がセパレータハウジング内で前記吸入孔(23)より貯油室側に開口した分離パイプ部(19)と、を具備し、セパレータハウジングの内壁面内径が、吸入孔(23)中心軸位置から、前記吸入部(19b)端部に対応した部位までの範囲で拡大することを特徴とするオイルセパレータである。
【0008】
吸入部の端部付近での壁面からのオイルの再飛散を抑えるために、吸入部の端部付近のセパレータハウジングの内壁面の内径を拡大し、流速を下げるようにした。これにより、セパレータハウジングの円筒内壁面に付着したオイルが、反転して外部に吐出する際にガスの流れで巻き上げられ、冷媒とともに吐き出されることがないので、旋回流によるオイルの剥離が小さくなり、オイルレートの低減を行うことができる。また、オイルレートの低減により、熱交換器の熱交換効率が改善されるため、システム効率COPを向上させることができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記セパレータハウジングの内壁面内径は、前記吸入孔(23)中心軸位置と、前記吸入部(19b)端部に対応した部位までの範囲で、2段階の内径を持つことを特徴とする。これにより、分離効率を向上させることができる。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記セパレータハウジングの内壁面内径において、前記吸入孔(23)中心軸を含む断面における内径D1と、前記吸入孔(23)中心軸位置から前記吸入部(19b)端部に対応した部位までの範囲で変化した断面の内径D2との関係が、1.1≦D2/D1≦1.5の範囲にあることを特徴とする。これにより、分離効率を向上させることができる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記内径D1、前記内径D2、及び、前記内径D1から前記内径D2に変化した位置から、前記吸入部(19b)端部に対応した部位までの前記内壁面の中心軸方向の距離L2との関係が、
7≦L2/((D2−D1)/2)≦22の範囲にあることを特徴とする。これにより、分離効率を向上させることができる。
【0012】
請求項5の発明は、前記吸入孔(23)の流路断面積A0、前記吸入部(19b)の外径と、前記吸入孔(23)中心軸を含む断面における前記内壁面内径(D1)との間の環状空間の流路断面積A1、前記吸入孔(23)中心軸位置から、拡大した内壁面内径(D2)に変化した位置までの前記内壁面の中心軸方向の距離L1との関係が、7<L1×(A1/A0)<110の範囲にあることを特徴とする。これにより、内壁面内径が2段階に変化しないD1の場合に比べて、分離効率比が向上する。
【0013】
請求項6の発明は、請求項2から5のいずれか1項記載の発明において、前記セパレータハウジングの内壁面内径において、前記内壁面の中心軸方向に、前記吸入孔(23)中心軸位置から、前記吸入部(19b)端部に対応した部位までの範囲で、徐々に拡大することを特徴とする。この場合2段の段差をもちながら内壁面内径が徐々に拡大するので、一層分離効率を向上させることができる。
【0014】
請求項7の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載のオイルセパレータを具備した圧縮機。
【0015】
なお、上記に付した符号は、後述する実施形態に記載の具体的実施態様との対応関係を示す一例である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】(a)は、本発明の一実施形態のオイルセパレータ及びそれを適用した圧縮機を示す断面図であり、(b)は、(a)のA−A線に関する横断面図である。
【図2】(a)は、従来技術の遠心分離式オイルセパレータの説明図であり、(b)は、本発明の一実施形態のオイルセパレータの説明図である。
【図3】本発明の一実施形態のオイルセパレータの円筒内壁面の内径比や、段違い位置に対する分離効率の効果を表したグラフであり、(a)は、寸法諸元の説明図、(b)は、内径比D2/D1と分離効率の関係を示すものであり、(c)は、内径比と段違い位置と分離効率の関係を示すものである。
【図4】本発明の他の実施形態を示すオイルセパレータの説明図である。
【図5】従来技術と本発明の一実施形態とを比較した分離効率比を表わしたグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を説明する。各実施態様について、同一構成の部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。従来技術に対する各実施態様の同一構成の部分には、同様に同一の符号を付してその説明を省略する。
【0018】
本発明の一実施形態のオイルセパレータは、冷媒圧縮機の圧縮機構部より吐出するオイル混入の冷媒から、オイルを遠心分離して、分離したオイルを前記冷媒圧縮機に再循環させるとともに、分離後の冷媒を外部に吐出するようにしたオイルセパレータである。
このような本実施形態のオイルセパレータは、従来、冷凍サイクルに用いられる冷媒中から潤滑油を分離する気液分離器(タンク)とは、機能として異なるものである。従来の冷凍サイクルにおける気液分離器では、あくまでタンクとしての機能が求められるので、タンク内では断面積が大きく、0.1〜1m/sec程度の低い流速のもとでの気液分離がなされる。
【0019】
本実施形態のオイルセパレータは、高い分離効率を追求するため、5〜10m/sec程度の高速旋回して遠心分離をおこなうものである。このため、セパレータハウジングの円筒内壁面に付着したオイルが、反転して外部に吐出する際にガスの流れで巻き上げられ、冷媒とともに吐き出される点を改善することを課題とするものである。すなわち、高速旋回流によるオイル分離部のオイルの剥離を小さくすることを課題としている。
【0020】
図1(a)は、本発明の一実施形態のオイルセパレータ及びそれを適用した圧縮機を示す断面図であり、(b)は、(a)のA−A線に関する横断面図である。
本発明の一実施形態のオイルセパレータは、図1の冷媒圧縮機に適用を限定されるものではなく、スクロール型圧縮機のみならず、その他の形式の圧縮機(ローリングピストン型、スライドベーン型、往復動型)のオイルセパレータに広く適用しても良い。本発明の一実施形態のオイルセパレータは、縦型に限らず横型の配置の圧縮機であっても良い。貯油部85は、密閉容器53の外部に限らず、内部に設置したタイプに適用しても良い。なお、本発明の一実施形態のオイルセパレータは、CO2冷媒を用いた圧縮機に適用されるオイルセパレータのみならず、それ以外の冷媒を使用した場合にあっても、分離効率が向上する。本発明は、フロン冷媒CO2等のヒートポンプユニット(給湯器)、車両用空調装置などの圧縮機用オイルセパレータに適用することができる。
【0021】
以下、本発明の一実施形態のオイルセパレータが適用された冷媒圧縮機を、一例として説明する。
冷媒圧縮機の密閉容器53は円筒状の第1ハウジング59と、第2ハウジング61と、第3ハウジング63とから形成されている。圧縮機構部57は、主軸受65によって支持されたクランク機構67により公転する可動スクロール69と、可動スクロール69に対向配置された固定スクロール71とを具備しており、クランク機構67及び可動スクロール69は、主軸受65と副軸受73によって垂直に支持された電動機部55のシャフト75によって回転される。電動機のロータモータ55’はシャフト75に取り付けられ、ステータモータ55’’は第1ハウジング59に取り付けられている。
【0022】
固定スクロール71と可動スクロール69は渦巻状の溝をそれぞれ有しており、この溝の噛み合いによって形成される複数の作動室77が体積を縮小することによって固定スクロール71の渦巻状の溝の最外周側に連通する吸入室(吸入室は図示せず)に供給された冷媒を圧縮するように構成されている。圧縮機構部57の作動室77には吐出孔79を介して吐出室81が連通しており、この吐出室81にオイルセパレータの吸入管25の一端が接続されている(図示せず)。そして、この吸入管25の他端が、オイルセパレータのセパレータハウジング17に設けられた吸入孔23に接続されている。セパレータハウジング17は、筒状形成されている。このセパレータハウジング17の上部開口にはガス吐出口18が設けられている。分離パイプ部19は、セパレータハウジング17の上部開口に嵌合する吐出部である大径部(ガス吐出口18を構成している)19aと、この大径部19aの下部に形成された吸入部である小径部19bとを有している。大径部19aをセパレータハウジング17自体に形成しても良い。この場合には、小径部19bが嵌合されたパイプとなる。
【0023】
送油管33の一端は貯油室93の底部に設けられた送油口87に接続されている。冷媒は圧縮機構部57から吐出室81に吐出し、流入管25を通してオイルセパレータに供給される。吸入口23がセパレータハウジング17の円筒状の内壁面に設けられ、この円筒状の内壁面の接線方向から、オイルが混入された冷媒が流入される。セパレータハウジング17の円筒状の内壁面と、小径部19bの間の空間(環状空間)で旋回させてオイル1を分離し、冷媒をガス吐出口18から外部の冷媒回路に送り出す一方で、オイルを、貯油室93に流下させる。貯油室93に貯留したオイルは送油口87から送油管33を通して冷媒圧縮機に戻され、固定及び回転スクロールの摺動面等の摺動部に供給される。
セパレータハウジング17の円筒状の内壁面と小径部19bとの間の空間において旋回オイル1が分離された冷媒は小径部19bを介して分離パイプ部19に吸入され、ガス吐出口18から配管(図示せず)へと流出する。
【0024】
次に、本発明の一実施形態のオイルセパレータの主な特徴を説明する。
図2(a)は、従来技術の遠心分離式オイルセパレータの説明図であり、(b)は、本発明の一実施形態のオイルセパレータの説明図である。
図2(a)の従来技術は、圧縮機から吐出されたオイルを含む冷媒から遠心力でオイルを分離するものである。比重の重いオイルは、遠心力でセパレータハウジングの円筒内壁面に付着するが、小径部19bの端部S付近のガス流れにより油膜がせん断され、オイルを再飛散させる。遠心力でセパレータハウジングの内壁面Kに付着したオイルが、分離パイプ部19の小径部端部S付近のガスの流れで巻き上げられ、冷媒と供に外部に吐き出されてしまう。また、ガスの旋回流速を下げるために遠心分離部(内壁面K)の円筒内壁面内径を大きくすると遠心力が不足し分離効率が低下してしまう。
【0025】
これに対して、図2(b)の本発明の一実施形態のオイルセパレータにおいては、小径部19bの端部S付近での壁面からのオイルの再飛散に着目し、小径部19bの端部S付近のみ円筒内壁面の内径を拡大し、流速を下げる。具体的には、図2(b)に示すように、遠心分離部17’と流速減速部17’’の円筒内壁面内径を段違いに構成したものである。
【0026】
図3は、本発明の一実施形態のオイルセパレータの円筒内壁面の内径比や、段違い位置に対する分離効率の効果を表したグラフであり、(a)は、寸法諸元の説明図、(b)は、内径比D2/D1と分離効率の関係を示す実験データであり、(c)は、内径比と段違い位置と分離効率の関係を示す実験データである。
ここで、D1は、セパレータハウジング17の内壁面内径において、吸入孔23中心を含む断面における内径である。D2は、吸入孔23中心から小径部19b端部に対応した部位Sまでの範囲で変化した断面の内径、すなわち、図3(a)の場合は拡大した流速減速部17’’の円筒内壁面内径である。図3のグラフは、CO2冷媒の場合の分離効率を示しているが、その他の場合の冷媒であっても、概ね同様の結果が得られる。なお、分離パイプ部の小径部19bの外径は、0.6〜0.7D1程度としている。
【0027】
図3の結果が示すように、セパレータハウジング17の内壁面内径において、吸入孔23中心を含む断面における内径D1と、吸入孔23中心から小径部19b端部に対応した部位までの範囲で変化した断面の内径D2との関係が、1.1≦D2/D1≦1.5の範囲において、極めて良好な分離効率が示されている。
また、内径D1、内径D2、及び、内径D1から内径D2に変化した位置から、小径部19b端部に対応した部位までの内壁面の中心軸方向の距離L2との関係が、
7≦L2/((D2−D1)/2)≦22の範囲において、極めて良好な分離効率が示されている。本実験結果から、オイル分離効率の目標値を99%とすると、D2/D1は1.1〜1.5の範囲である必要があり、L2/((D2−D1)/2)は7〜22の範囲である必要がある(なお、図3(b)、(c)のハッチング部は99%の領域を示している)。
【0028】
さらに、吸入孔23の流路断面積A0とし、小径部19bの外径と、吸入孔23中心軸を含む断面における、内壁面内径D1との間の流路断面積A1とし、吸入孔23中心軸位置から、拡大した内壁面内径D2に変化した位置までの内壁面の中心軸方向の距離L1としたとき、それらの関係が、7<L1×(A1/A0)<110の範囲において、図4に示すように、分離効率比が向上する。ここで、図4の分離効率比とは、内壁面内径が2段階に変化しないD1の場合に比べた本実施形態の比率のことである。なお、分離効率とは、吸入孔23からの流入オイル量をMinとして、ガス吐出口18からの流出オイル量をMoutとしたとき、(Min−Mout)/Minの百分率である。
【0029】
図2(a)の従来技術に対して、本発明の一実施形態のオイルセパレータを効果は、上述したように、極めて良好な分離効率が得られるものである(内径D1は両者とも同じ)。従来技術の形状では、オイル分離効率97.5%であるのに対して、本発明の一実施形態では99.5%に向上した。これをオイル吐出量でみれば2.5%から0.5%に減少したことになり、吐出量が80%低減されたことになる。本発明の一実施形態のオイルセパレータを搭載するCO2ヒートポンプユニット(CO2給湯機)においてシステムオイルレートの低減を行うことができる。システムオイルレートの低減により、熱交換器の熱交換効率が改善されるため、システムCOP(成績係数)を向上させることができる。
【0030】
本発明の他の実施形態としては、セパレータハウジングの内壁面内径において、内壁面の中心軸方向に、吸入孔23中心から、小径部19b端部に対応した部位までの範囲で、全体的に徐々に拡大するようにしても良い。あるいは、2段の段差を持ちながらそれぞれにおいて内径を徐々に拡大するようにしても良い。また、上記本発明の実施形態のオイルセパレータを様々な圧縮機に適用することができる。
また、本発明の他の実施形態として、図4に示すように、オイルセパレータの分離パイプ部として、一定の径を有するパイプ部を用いてもよい。
【符号の説明】
【0031】
17 セパレータハウジング
17b 開口部
18 ガス吐出口
19 分離パイプ部
19a 吐出部、大径部
19b 吸入部、小径部
23 吸入孔
57 圧縮機構部
87 送油口
93 貯油室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒圧縮機の圧縮機構部(57)より吐出するオイル混入の冷媒から、オイルを遠心分離して、分離したオイルを前記冷媒圧縮機に再循環させるとともに、分離後の冷媒を外部に吐出するようにしたオイルセパレータであって、該オイルセパレータは、
前記冷媒圧縮機に再循環させるための送油口(87)を持つ貯油室(93)と、
前記圧縮機構部(57)から吐出した冷媒を、セパレータハウジング(17)の円筒状の内壁面の接線方向から流入させる吸入孔(23)、外部に冷媒を吐出するガス吐出口(18)、及び、前記貯油室(93)に連通する開口部(17b)を有するセパレータハウジング(17)と、
吐出部(19a)と吸入部(19b)から構成された分離パイプ部(19)であって、該吐出部(19a)がセパレータハウジング(17)の前記内壁面に嵌合又は設置されて、ガス吐出口(18)に連通し、前記吸入部(19b)の外径がセパレータハウジングの内壁面内径より小さい筒状で、前記吸入部(19b)端部がセパレータハウジング内で前記吸入孔(23)より貯油室側に開口した分離パイプ部(19)と、を具備し、
セパレータハウジングの内壁面内径が、吸入孔(23)中心軸位置から、前記吸入部(19b)端部に対応した部位までの範囲で拡大することを特徴とするオイルセパレータ。
【請求項2】
前記セパレータハウジングの内壁面内径は、前記吸入孔(23)中心軸位置と、前記吸入部(19b)端部に対応した部位までの範囲で、2段階の内径を持つことを特徴とする請求項1記載のオイルセパレータ。
【請求項3】
前記セパレータハウジングの内壁面内径において、前記吸入孔(23)中心軸を含む断面における内径D1と、前記吸入孔(23)中心軸位置から前記吸入部(19b)端部に対応した部位までの範囲で変化した断面の内径D2との関係が、
1.1≦D2/D1≦1.5
の範囲にあることを特徴とする請求項2に記載のオイルセパレータ。
【請求項4】
前記内径D1、前記内径D2、及び、前記内径D1から前記内径D2に変化した位置から、前記吸入部(19b)端部に対応した部位までの前記内壁面の中心軸方向の距離L2との関係が、
7≦L2/((D2−D1)/2)≦22
の範囲にあることを特徴とする請求項3に記載のオイルセパレータ。
【請求項5】
前記吸入孔(23)の流路断面積A0、
前記吸入部(19b)の外径と、前記吸入孔(23)中心軸を含む断面における前記内壁面内径(D1)との間の環状空間の流路断面積A1、
前記吸入孔(23)中心軸位置から、拡大した内壁面内径(D2)に変化した位置までの前記内壁面の中心軸方向の距離L1との関係が、
7<L1×(A1/A0)<110
の範囲にあることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載のオイルセパレータ。
【請求項6】
前記セパレータハウジングの内壁面内径が、前記内壁面の中心軸方向に、前記吸入孔(23)中心軸位置から、前記吸入部(19b)端部に対応した部位までの範囲で、徐々に拡大することを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載のオイルセパレータ。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載のオイルセパレータを具備した圧縮機。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−53568(P2013−53568A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192729(P2011−192729)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(000004695)株式会社日本自動車部品総合研究所 (1,981)
【Fターム(参考)】