説明

オピオイド受容体拮抗薬の使用

本発明はオピオイド受容体拮抗薬の新規使用に関する。より詳しくは、本発明は、特に毛髪の白髪化の防止および/または自然な髪の色の再生および/または維持のためのヘアケアにおけるオピオイド受容体拮抗薬の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明はオピオイド受容体拮抗薬の新規使用に関する。より詳しくは、本発明は、特に毛髪の白髪化の防止および/または自然な髪の色の再生および/または維持のためのヘアケアにおけるオピオイド受容体拮抗薬の使用、ならびに特に毛髪の白髪化の防止および/または自然な髪の色の再生および/または維持のためのヘアケア組成物であって、オピオイド受容体拮抗薬とヘアケア組成物中で従来から用いられているキャリアとを含むヘアケア組成物に関する。更に、本発明は、毛髪の白髪化の防止および/または自然な髪の色の再生および/または維持の方法であって、有効量のオピオイド受容体拮抗薬を含む組成物を処置を必要とする人の頭皮または毛髪に塗布することを含む方法に関する。
【0002】
意外にも、オピオイド受容体、特にμ−オピオイド受容体の拮抗薬が、表皮メラニン細胞(EM)(例えば、国際公開第07039058号パンフレット)に及ぼすオピオイド受容体の作用とは異なり、毛嚢メラニン細胞(HFM)において細胞間メラニン生産を増加させ、従って、それぞれ毛髪の望ましくない白髪化および自然な髪の色の損失に抗して用いることが可能であることが見出された。
【0003】
μ−オピオイド受容体拮抗薬が本発明のすべての実施形態において好ましい一方で、κ−オピオイド受容体またはδ−オピオイド受容体に選択的に結合する拮抗薬あるいはμ−オピオイド受容体および/またはκ−オピオイド受容体および/またはδ−オピオイド受容体に非選択的に結合する拮抗薬の使用も見出し得る。
【0004】
更なる態様において、本発明は、ヒト毛嚢におけるメラニン形成を促進するために用いることが可能である薬剤を特定する方法であって、オピオイド受容体シグナルを下方制御する前記薬剤の活性を決定することを含む方法に関する。従って、本発明は、頭皮または毛髪に塗布すると毛嚢中のメラニン生産を促進するとともに、上述した効果を達成するために局所組成物中で用いることが可能である薬剤を特定するツールを提供する。オピオイド受容体シグナルを抑制する際の薬剤の活性を決定するいかなる方法も本発明の当該態様の目的のために用いることが可能であるが、当該態様に限定されない。こうした方法は、例えば、J.Invest.Dermatol.111:297−311、1988;国際公開第2004/051264号パンフレット、国際公開第2004/038005号パンフレット、国際公開第2004/014310号パンフレット、国際公開第2004/005294号パンフレット、国際公開第03/101963号パンフレットおよび国際公開第02/098422号パンフレットで開示されている。
【0005】
本明細書で用いられる「オピオイド受容体の拮抗薬」という用語は、オピオイド受容体シグナルを抑制するか、またはヒトの皮膚細胞、特にメラニン細胞に限定されないが、それら細胞の中のオピオイド受容体の発現を下方制御するあらゆる化合物を表す。オピオイド受容体拮抗薬は、オピオイド類似体、例えば、(相応する場合、括弧内にCAS番号を示す)、ナロキソン(465−65−6);ナロキソナジン(82824−01−9);シプロダイム(118111−54−9);β−フナルトレキサミン(72782−05−9);ナルブフィン(20594−83−6):、RX8008M(40994−80−7);SZD210−096(109026−86−0);クロシンナモックス(117332−69−1);NIH10236(88167−37−7);BU165(173321−27−2);BU164(173429−52−2);BU158(173429−53−3);BU160(173429−56−6);BU161(173429−57−7);BU162(173429−58−8);ブプレノルフィン(52485−79−7);IOXY(141392−28−1);NPC168(115160−07−1);ナロキサゾン(73674−85−8);N−メチルナロキソニウムヨージド(93302−47−7);3−メトキシナルトレキソン塩酸塩;7−ベンジリデンナルトレキソン129468−28−6);ナルトリンドールイソチオシアネート(126876−64−0);BNTX(153611−34−8);ナルトリベン(111555−58−9);ナルトレキソン(16590−41−3);ナルメフェン(55096−26−9);β−クロルナルトレキサミン(67025−94−9);ジプレノルフィン(14357−78−9);ノルビナルトルフィミン(105618−27−7);ナルトリンドール(111555−53−4);または(ポリ)ペプチド、例えば、CTAP(103429−32−9);TCTOP(115981−70−9);TCTAP(115981−71−0);CTOP(103429−31−8);Tyr MIF−1(77133−61−0);CCK−8(25126−32−3);CG3703(90243−66−6);Peptide Research 1995、8(3)、124−37で開示された化合物、National Academy of Sciences of the United States of Americaの議事録(1993)、90(22)、10811−15、Regulatory Peptides(1994)、(Suppl.1)、S53−S54;SMS201−995(83150−76−9);Medicinal Chemistry Research(1994)、4(4)、245〜53で開示されたe−PMTC;CTP(103335−28−0);TIPP(146369−65−5);ICI154129(83420−94−4)、ICI174864(89352−67−0);またはピペリジン誘導体、例えば、J.Med.Chem.1993、36(20)で開示された化合物;2833−41、EP第657428号明細書およびEP第506478号明細書;であってもよいか、またはクアダゾシン(71276−43−2);フルマゼニル(78755−81−4);BIT(85951−65−1);デゾシン(53648−55−8);シラマドール(63269−31−8);Journal of Ethnopharmacology(1994)、42(1)、45−51のような人参根エキス;リムカゾール(75859−04−0);MR2266(56649−76−4);およびWIN44441−3(71276−44−3)などの異なる構造に属してもよい。
【0006】
更なるオピオイド受容体拮抗薬、特にμ−受容体、および受容体に結合する際の拮抗薬の効力を決定するための検定は、例えば、国際公開第02/098422号パンフレット、米国特許第5,270,328号明細書、米国特許出願第2001/0036951A号明細書、国際公開第01/42207号パンフレット、国際公開第01/37785号パンフレット、国際公開第01/41705号パンフレット、国際公開第03/101963号パンフレット、国際公開第2004/005294号パンフレット、国際公開第2004/014310号パンフレット、国際公開第2004/038005号パンフレットおよび国際公開第2004/051264号パンフレットで開示されている。
【0007】
本明細書で用いるための典型的なμ−オピオイド受容体拮抗薬には、ナロキソン、ナロキソナジン;上記のようなピペリジン誘導体;シプロダイム;β−フナルトレキサミン、ナルブフィン、CTAP、TCTOP、TCTAP、CTOP、クアダゾシン、フルマゼニル、RX8008M、SDZ210−096、Tyr MIF−1、CCK−8、CG3703、クロシンナモックス、Peptide Research 1995、8(3)、124〜37で開示されたようなペプチド、National Academy of Sciences of the United States of Americaの議事録(1993)、90(22)、10811−15、Regulatory Peptide(1994)、(Suppl.1)、S53−S54;Medicinal Chemistry Research(1994)、4(4)、245〜53で開示されたNIH10236、BU165、BU164、BU158、BU160、BU161、BU162、ブプレノルフィン、IOXY、SMS201−955、e−PMTC;CTP、BIT、NPC168、ナロキサゾン、デゾシンおよびシラマドールが挙げられるが、それらに限定されない。本明細書において用いるための他の典型的なκ−受容体拮抗薬またはδ−受容体拮抗薬あるいは非選択的な(μ−受容体にもやはり結合する)拮抗薬には、N−メチルナロキソニウムヨージド、3−メトキシナルトレキソン塩酸塩;7−ベンジリデンナルトレキソン;Journal of Ethnopharmacology(1994)、42(1)、45〜51で開示された人参根エキス;リムカゾール、ナルトリンドールイソチオシアネート、BNTX、TIPP、ナルトリベン、ナルトレキソン、ICI154129、MR2266、WIN44441−3、ナルメフェン、β−クロルナルトレキサミン、ICI174864、ジプレノルフィリン、ノルビナルトルフィミンおよびナルトリンドールが挙げられるが、それらに限定されない。
【0008】
実施例において概説する判別検査中に検出され、本発明の目的のために用いることが可能な更なるオピオイド受容体拮抗薬は、エピガロカテキン3,5−ジガレート(37484−73−4)、イリゲノールヘキサアセテート(103652−04−6)、イリゲノールex iris spp(4935−93−7)、ベルバミン塩酸塩(5956−76−3)、クエルセタゲチン(90−18−6)、アセチルシコニン(24502−78−1)、2’,3’,4’,3,4−ペンタヒドロキシカルコン(484−76−4)、ベータ,ベータ−ジメチルアクリルシコニン(24502−79−2)、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン(605−94−7)、2,3−ジメトキシ−5−メチルヒドロキノン(3066−90−8)、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン(3117−02−0)、2,3−ジメトキシヒドロキノン(52643−52−4)、デルフィニジンクロリド(528−53−0)、アウレウシジン(38216−54−5)、イソセンブロール(25269−17−4)およびロビネチン(490−31−3)をそれらに限定されずに含む。
【0009】
本発明の目的のために用いることが可能な更なるオピオイド受容体拮抗薬は、JP第63290897号明細書、米国特許第4,906,655号明細書、国際公開第9302707号パンフレット、CA第2064373号明細書、米国特許第5,270,220号明細書、米国特許第5,352,680号明細書、国際公開第9504734号パンフレット、国際公開第9513071号パンフレット、EP第657428号明細書、国際公開第9606855号パンフレット、国際公開第9640208号パンフレット、米国特許第5,641,861号明細書、国際公開第9733174号パンフレット、DE第19622866号明細書、米国特許第5,919,897号明細書、米国特許第5,948,807号明細書、国際公開第9945925号パンフレット、国際公開第2000008027号パンフレット、国際公開第2001037785号パンフレット、国際公開第2001041705号パンフレット、国際公開第2001042207号パンフレット、国際公開第2001046198号パンフレット、国際公開第2001068080号パンフレット、米国特許出願第2001036951号明細書、国際公開第2002053533号パンフレット、国際公開第2003020277号パンフレット、国際公開第2003035622号パンフレット、国際公開第2003035645号パンフレット、国際公開第2003066050号パンフレット、国際公開第2003101963号パンフレット、国際公開第2004014310号パンフレット、国際公開第2004026305号パンフレット、国際公開第2004033458号パンフレット、米国特許出願第2004186135号明細書、国際公開第2004080968号パンフレット、国際公開第2004080996号パンフレット、米国特許出願第2004204445号明細書、国際公開第2004091593号パンフレット、国際公開第2004099194号パンフレット、米国特許出願第2004254156号明細書、国際公開第2005003131号パンフレット、国際公開第2005030722号パンフレットで開示されている。それらの内容は本明細書に参照により援用する。
【0010】
上で特定されたオピオイド受容体拮抗薬は、無機酸との生理的に許容できる塩、例えば、塩酸塩、臭素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、あるいは有機酸との生理的に許容できる塩、例えば、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、炭酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩、または適宜水和物の形態を取って適切に用いることが可能である。
【0011】
上で特定されたオピオイド受容体拮抗薬またはそれらの塩は、ラセミ化合物として、または純粋な鏡像異性体あるいはジアステレオマーまたはそれらの混合物として用いてもよい。好ましくは、純粋な鏡像異性体が用いられる。1つのキラル中心が存在する場合、混合物の光学的純度は、好ましくは80%ee以上、より好ましくは90%ee以上、最も好ましくは95%ee以上である。2つ以上のキラル中心が存在する場合、混合物の純度は、好ましくは80%de以上、より好ましくは90%de以上、最も好ましくは95de以上である。
【0012】
更に、エステル、アミド、ニトリル、オキシム、イミン、ヒドラゾン、エーテル、アセタール、セミアセタールなど、適宜これらの化合物の誘導体の使用も見出され得る。
【0013】
本発明のすべての実施形態において、オピオイド受容体拮抗薬は、好ましくは、オピオイド類似体、ペプチドまたはポリペプチドあるいはピペリジン、特にオピオイド類似体から選択される。
【0014】
本発明のすべての実施形態において、オピオイド受容体拮抗薬は、ナロキソン、ナロキソナジンなどのオピオイド類似体から最も好ましくは選択される、好ましくはμ−オピオイド受容体拮抗薬である。更に好ましいμ−オピオイド受容体拮抗薬は、イソセンブロール、2’,3’,4’,3,4−ペンタヒドロキシカルコン、アウレウシジンまたは2,3−ジメトキシ−5−メチルヒドロキノンである。本発明のすべての実施形態において、μ−オピオイド受容体拮抗薬、ナロキソン、イソセンブロール、2’,3’,4’,3,4−ペンタヒドロキシカルコン、アウレウシジンおよび2,3−ジメトキシ−5−メチルヒドロキノンは特に好ましい。
【0015】
特に、オピオイド受容体を遮断する際の薬剤の活性は、ヒトの原始毛嚢メラニン細胞における全細胞間メラニン生産の実質的な増加を引き起こす薬剤の効力を測定することにより更に決定することが可能である。少なくとも20%の全細胞間メラニン生産の増加は、局所組成物として塗布された時にメラニン形成を刺激するとともに毛髪の着色を増加させるための薬剤の有用性に関する表示であると考えられる。
【0016】
毛嚢メラニン細胞におけるメラニン生産に及ぼすオピオイド拮抗薬の効果は、細胞ベースの試験管内検定において測定することが可能である。
【0017】
メラニン細胞を単離し、標準成人頭皮の生検から得られた毛嚢から培養する。毛嚢メラニン細胞をT25プラスチック培養瓶内で最大4回目まで培養して、生体内様挙動を最大化させる。細胞を瓶に接種し、2日後に、細胞成長媒体に添加された試験物質と共に培養する。実験構成は、細胞を中で処理しない(対照)か、または中で適切な量のオピオイド拮抗薬と共に4日にわたり培養してメラニン生産に及ぼす効果を評価する瓶を含む。
【0018】
4日にわたる培養後、対照細胞と処理した細胞を集め、溶解した細胞からメラニンを抽出した。メラニンは475nmで分光光度分析ODを測定し、標準化曲線に照らして計算することにより定量化される。得られた値は1回の処理当たりに数えられる細胞の数に対して標準化され、百万個の細胞当たりのメラニン(マイクログラム)として得られる。
【0019】
本発明によると、上記の定義および選択によるオピオイド受容体の拮抗薬は、オピオイド受容体の少なくとも1種の拮抗薬およびヘアケア組成物中で従来から用いられているキャリアおよび/または賦形剤または希釈剤を含有するヘアケア組成物中で用いることが可能である。
【0020】
本明細書で用いられる「ヘアケア組成物」という用語は、シャンプー、コンディショナー、トリートメント、トニック、スタイリングジェル、ムース、ヘアスプレー、ポマード、セットローション、着色組成物およびパーマネントウェーブ組成物などの従来のあらゆるヘアケア製品を表す。ジェル、ローション、チンキ剤、スプレー、ムース、クレンジング組成物またはフォームの形態を取ってもよく、そして個々のニーズにより、例えば、ローション、チンキ剤、ムースまたはスプレーとして毎日一回、シャンプー、コンディショナーまたはトリートメントとして毎週一回または二回塗布してもよいシャンプー、トニック、コンディショナー、トリートメントは本発明の目的のために特に関心が高い。
【0021】
本発明によると、オピオイド受容体拮抗薬はヘアケア組成物の製造において用いてもよく、ヘアケア組成物中で、オピオイド受容体拮抗薬は、組成物の全重量を基準にして約20重量%以下のオピオイド受容体拮抗薬の量で、好ましくは少なくとも約0.0005重量%、または約0.001重量%または約0.005重量%オピオイド受容体拮抗薬の量で存在する。所定のオピオイド受容体拮抗薬の有効量は本明細書に記載されたような試験手順で決定してもよい。
【0022】
本発明のヘアケア組成物は、オピオイド受容体拮抗薬を含む他に、5,6−ジヒドロキシインドリンHBr、2−メチルレゾルシノールおよび/またはアルギニンと組み合わせた5,6−ジヒドロキシインドリンHBrなどの毛髪の白髪化の防止および/または自然な髪の色の再生または維持のためにヘアケア組成物中で従来から用いられている成分を含有してもよい。
【0023】
自然な髪の色の再生における本発明によるヘアケア組成物の効力は、例えば、以下に記載された手順によって示すことが可能である。
【0024】
参照(対照)として、約100の毛髪を含有する髪一房を頭皮の上で整然とカットする。一房内の毛髪の色は近根部分から先端まで測定される。これは、1)目視で(採点)、2)高密度光文書化および分析、3)顔料分析、およびa)光度分析手段、またはb)化学反応(すなわち、ユーメラニンに関するピロール−2,3,5トリカルボン酸およびフェオメラニンに関するアミノヒドロキシフェニルアラニン異性体の形成)およびクロマトグラフ法、分光分析法、分光光度分析法による分析によるメラニン含有率の決定のいずれかで行うことができよう。メラニン含有率を測定するために、毛髪は分解されなければならない。
【0025】
オピオイド受容体拮抗薬(活性化合物)の好ましい量を含有するヘアケア組成物のサンプル(配合物のタイプに応じて2〜10mLまたはmg/cm、好ましくは、ヘアトニック、ヘアローションまたはヘアクリームなどの洗い流し不要タイプ(leave−on)製品)を頭皮上に1日当たり少なくとも一回、典型的には、少なくとも3ヶ月、特に6ヶ月(標準毛髪成長速度が約1cm/月であるので)にわたって毎日1〜4回塗布し、頭皮上でのマッサージにより等しく分配する。塗布後に製品を洗い流してはならない。処置が終わった時、第2の毛髪サンプルを頭皮上の同じ場所から取り、上述したように分析する。
【0026】
メラニン含有率、ヘアカラーまたは白髪化度の比較を個々間で塗布の前後に行う。
【0027】
毛髪着色が毛髪サイクルにつながっていることは知られている。記載された再着色プロセスが毛髪成長サイクルに関連しているか、または多少相関していると仮定する場合、以下のパラメータ:毛髪密度、テロゲン%、毛髪の直径、再着色を表し得る追加のパラメータを得るための成長速度の測定と平行してフォトトリコグラム(デジタルイメージング)を行うことができよう。
【0028】
本発明のヘアケア組成物は、ウルマンの工業化学百科辞典(Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry(1989)、Vol A12「毛髪配合物(Hair Preparations)」、およびより詳しくは、例えば、国際公開第00/06094号パンフレット、国際公開第00/07550号パンフレットおよび国際公開第01/06994号パンフレットにおいて、一般用語で開示されたようなヘアケア組成物中で従来から用いられている補助剤を適切に含有する。
【0029】
従って、本発明のヘアケア組成物は、有害な環境の影響に対して毛髪を保護するとともに毛髪の健康を改善するために更なる成分を含有してもよい。
【0030】
本発明によるヘアケア組成物は、追加の化粧補助剤および/または添加剤(化粧キャリア)または皮膚補助剤および/または添加剤を含み、それらは
1.)水、
2.)水溶性有機溶媒、好ましくはC〜Cアルカノール、
3.)油、脂肪物質、ワックス、
4.)1価アルコール、2価アルコールまたは3価アルコールによるC〜C30モノカルボン酸の3)とは異なる種々のエステル、
5.)飽和アクリル炭化水素および飽和環式炭化水素、
6.)脂肪酸、
7.)脂肪アルコール、
8.)シリコーン油、
9.)表面活性成分
およびそれらの混合物。
【0031】
本発明によるヘアケア組成物は、保存剤/酸化防止剤、脂肪物質/油、水、有機溶媒、シリコーン、増粘剤、柔軟剤、アニオン乳化剤、カチオン乳化剤、非イオン乳化剤または両性乳化剤、光遮断剤、消泡剤、モイスチャライザ、香料、界面活性剤、充填剤、金属イオン封鎖剤、アニオンポリマー、カチオンポリマー、非イオンポリマーまたは両性ポリマーあるいはそれらの混合物、噴射剤、酸性化剤、塩基化剤、染料、着色剤、顔料またはナノ顔料、光安定剤、防虫剤、抗菌物質、保存剤またはヘアケア組成物に通常配合される他のあらゆる成分などの補助剤および添加剤を更に含有することが可能である。補助剤および添加剤の必要な量は所望の製品に基づくことが可能であり、当業者によって容易に選択されることが可能であり、限定されずに例において例示する。
【0032】
[光遮断剤]
光遮断剤は、UV−Aフィルタ、UV−Bフィルタ、UV−Cフィルタおよび/または広帯域フィルタおよび赤外光から有利に選択される。UV−B遮断剤または広域遮断剤、すなわち、約290〜340nmの間の吸収極大を有する物質の例は、有機化合物または無機化合物である場合がある。有機UV−B遮断剤または広帯域遮断剤は、例えば、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(オクトクリレン、「パーソル(PARSOL)」(登録商標)340)およびエチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートなどのアクリレート、4−メチルベンジリデン樟脳(「パーソル(PARSOL)」(登録商標)5000)、3−ベンジリデン樟脳、樟脳ベンズアルコニウムメトスルフェート、ポリアクリルアミドメチルベンジリデン樟脳、スルホベンジリデン樟脳、スルホメチルベンジリデン樟脳およびテレフタリデン二樟脳スルホン酸などの樟脳誘導体、エチルヘキシルメトキシシンナメート(「パーソル(PARSOL)」(登録商標)MCX)、エトキシエチルメトキシシンナメート、ジエタノールアミンメトキシシンナメート(「パーソル(PARSOL)」(登録商標)Hydro)およびイソアミルメトキシシンナメートなどのシンナメート誘導体、ならびにシロキサンに結合された桂皮酸誘導体、p−アミノ安息香酸、2−エチルヘキシルp−ジメチルアミノベンゾエート、N−オキシプロピレン化エチルp−アミノベンゾエート、グリセリルp−アミノベンゾエートなどのp−アミノ安息香酸誘導体、ベンゾフェノン−3、ベンゾフェノン−4、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノンおよび2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン、ジ−(2−エチルヘキシル)4−メトキシベンザルマロネートなどのベンザルマロン酸のエステル、欧州特許公報EP第0895776号明細書に記載された2−(4−エトキシアニリノメチレン)プロパン二酸ジエチルエステルなどの2−(4−エトキシ−アニリノメチレン)プロパン二酸のエステル、ポリシリコーン−15(「パーソル(PARSOL)」(登録商標)SLX)などの欧州特許公報EP第0358584B1号明細書、EP第0538431B1号明細書およびEP第0709080A1号明細書に記載されたベンズマロネート基を含むオルガノシロキサン化合物、ドロメトリゾールトリシロキサン(「メゾリル(Mexoryl)」XL)、例えば、2−フェニルベンズイミダゾールスルホン酸およびその塩(「パーソル(PARSOL)」(登録商標)HS)などのイミダゾール誘導体である。2−フェニルベンズイミダゾールスルホン酸の塩は、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、モルホリン塩などのアルカリ塩、モノエタノールアミン塩およびジエタノールアミン塩などのような第一アミン、第二アミンおよび第三アミンの塩、イシプロピルベンジルサリチレート、ベンジルサリチレート、ブチルサリチレート、エチルヘキシルサリチレート(「パーソル(PARSOL)」(登録商標)EHS、NEO Heliopan OS)およびイソオクチルサリチレートまたはホモメンチルサリチレート(ホモサレート、「パーソル(PARSOL)」(登録商標)HMS NEO Heliopan OS))などのサリチレート誘導体、エチルヘキシルトリアゾン(「ウビナル(Uvinul)」T−150)、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン(「ウバソーブ(Uvasorb)」HEB)などのトリアジン誘導体である。封入エチルヘキシルメトキシシンナメート(「ユーソレックス(Eusolex)」UV−pearls)または例えば、EP第1471995号明細書で開示されたUVフィルタが装填されたマイクロカプセルなどの封入UVフィルタ。無機化合物は、ミクロ粒状化されたTiOおよびZnOなどの顔料である。「ミクロ粒状化された」という用語は、約5nm〜約200nm、特に約15nm〜約100nmの粒度を意味する。TiO粒子は、例えば、酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムなどの金属酸化物によって、または例えば、ポリオール、メチコーン、ステアリン酸アルミニウム、アルキルシランなどの有機塗料によって被覆してもよい。こうした塗料は技術上周知されている。
【0033】
広域遮断剤またはUVA遮断剤、すなわち、約320〜400nmの間の吸収極大を有する物質の例は、有機化合物または無機化合物、例えば、4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイル−メタン「パーソル(PARSOL)」(登録商標)1789)、ジメトキシジベンゾイルメタンおよびイソプロピルジベンゾイルメタンなどのジベンゾイルメタン誘導体;2,2’−メチレンビス(6−(2H−ベンゾトリアゾール)−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノール(「チノソーブ(TINOSORB)」M)などのベンゾトリアゾール誘導体;ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(「チノソーブ(TINOSORB)」S)など;2,2−(1,4−フェニレン)ビス−(1H−ベンズイミダゾール−4,6−ジスルホン酸(「ネオヘリオパン(Neoheliopan)」AP)などのフェニレン−1,4−ビス−ベンズイミダゾールスルホン酸または塩;欧州特許公報EP第1046391号明細書に記載された2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)安息香酸ヘキシルエステル(「ウビナル(Uvinul)」Aプラス)などのアミノ置換ヒドロキシベンゾフェノン;国際公開第2005080341A1号パンフレットに記載されたイオン性UV−Aフィルタ;ミクロ粒状化されたZnOまたはTiOなどの顔料であってもよい。「ミクロ粒状化された」という用語は、約5nm〜約200nm、特に約15nm〜約100nmの粒度を意味する。粒子は、例えば、酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムなどの他の金属酸化物によって、または例えば、ポリオール、メチコーン、ステアリン酸アルミニウム、アルキルシランなどの有機塗料によって被覆してもよい。こうした塗料は技術上周知されている。
【0034】
ジベンゾイルメタン誘導体が限定的な光安定性しかもたないので、これらのUV−A遮断剤を光安定化させることが望ましい場合がある。従って、「従来のUV−A遮断剤」という用語は、例えば、欧州特許公報EP第0514491B1号明細書およびEP第0780119A1号明細書に記載された3,3−ジフェニルアクリレート誘導体、米国特許第5,605,680号明細書に記載されたベンジリデン樟脳誘導体、欧州特許公報EP第0358584B1号明細書、EP第0538431B1号明細書およびEP第0709080A1号明細書に記載されたベンズマロネート基を含むオルガノシロキサンによって安定化された例えば、「パーソル(PARSOL)」(登録商標)1789などのジベンゾイルメタン誘導体も意味する。
【0035】
[酸化防止剤]
本発明に基づいて、ヘアケア組成物に通常配合される既知のすべての酸化防止剤を用いることが可能である。アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびアミノ酸誘導体、イミダゾール(例えば、ウロカニン酸)および誘導体、D,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンなどのペプチドおよび誘導体(例えば、アンセリン)、カロチノイド、カロチン(例えば、α−カロチン、β−カロチン、リコペン)および誘導体、クロロゲン酸および誘導体、リポ酸および誘導体(例えば、ジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(例えば、チオレドクシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンおよびそのグリコシルエステル、N−アセチルエステル、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、アミルエステル、ブチルエステル、ラウリルエステル、パルミトイルエステル、オレイルエステル、イリンオレイルエステル、コレステリルエステルおよびグリセリルエステル)およびそれらの塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、リピド、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)ならびに非常に低い適合性薬用量(例えば、pモル〜μモル/kg)のスルホキシミン化合物(ブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタチオニンスルホキシミン、ヘキサチオニンスルホキシミン、ヘプタチオニンスルホキシミンなど)、更に、(金属)キレート化剤(α−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリンなど)、β−ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミニック酸、没食子酸、ガリック抽出物(gallic extract)、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびその誘導体、不飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸誘導体(γ−リノール酸、リノール酸、オレイン酸など)、葉酸およびその誘導体、ユビキノンおよびユビキノールおよびそれらの誘導体、ビタミンCおよび誘導体(アスコルビルパルミテート、アスコルビルテトライソパルミテート、Mg−アスコルビルホスフェート、Na−アスコルビルホスフェート、アスコルビル−アセテートなど)、トコフェロールおよび誘導体(ビタミンE−アセテートなど)、天然ビタミンEの混合物、ビタミンAおよび誘導体(ビタミンA−パルミテートおよびビタミンA−アセテート)、ならびにコニフェリルベンゾエート、ルチン酸(rutinic acid)および誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、トリヒドロキシブチロフェノン、ウレアおよびその誘導体、マンノースおよび誘導体、亜鉛および誘導体(例えば、ZnO、ZnSO)、セレンおよび誘導体(例えば、セレノメチオニン)、スチルベンおよび誘導体(スチルベンオキシド、トランス−スチルベンオキシドなど)、および挙げられた活性成分の適する誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよびリピド)からなる群から選択された酸化防止剤は特に好ましい。1種以上の保存剤/酸化防止剤は、組成物の全重量の少なくとも0.01重量%の量で存在してもよい。本発明の組成物の全重量の好ましくは約0.01重量%〜約10重量%が存在する。1種以上の保存剤/酸化防止剤が約0.1重量%〜約1重量%の量で存在するのが最も好ましい。
【0036】
[表面活性成分]
典型的には、ヘアケア組成物は、乳化剤および可溶化剤などのような表面活性成分も含有する。乳化剤は、2種以上の不混和性成分を均質に組み合わせることを可能にする。更に、乳化剤は組成物を安定化させるように作用する。O/W、W/O、O/W/OまたはW/O/Wエマルジョン/ミクロエマルジョンを形成させるために本発明において用いてもよい乳化剤には、ソルビタンオレェート、ソルビタンセスキオレェート、ソルビタンイソステアレート、ソルビタントリオレェート、ポリグリセリル−3−ジイソステアレート、オレイン酸/イソステアリン酸のポリグリセロールエステル、ポリグリセリル−6ヘキサリシノレート、ポリグリセリル−4−オレェート、ポリグリセリル−4−オレェート/PEG−8プロピレングリコールココエート、オレアミドDEA、TEAミリステート、TEAステアレート、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、リシノール酸カリウム、ナトリウムココエート、ナトリウムタローウェート、ナトリウムカストレート、オレイン酸ナトリウムおよびそれらの混合物が挙げられる。例示的な更なる乳化剤は、セチルホスフェート(「アンフィソール(Amphisol)」(登録商標)A)、ジエタノールアミンセチルホスフェート(「アンフィソール(Amphisol)」(登録商標))、セチルリン酸カリウム(「アンフィソール(Amphisol)」(登録商標)K)、ナトリウムグリセリルオレェートホスフェート、水素添加植物グリセリドホスフェートおよびそれらの混合物などのホスフェートエステルおよびそれらの塩である。更に、例えば、PVPエイコセンコポリマー、アクリレート/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマー、アクリレート/ステアレス−20メタクリレートコポリマー、PPG−22/ドデシルグリコールコポリマー、PEG−45/ドデシルグリコールコポリマーおよびそれらの混合物などの1種以上の合成ポリマーを乳化剤として用いてもよい。例示的な更なる乳化剤は、脂肪アルコール、例えば、セテアリールアルコール(「ラネッテ(Lanette)」O、コグニス・コーポレーション(Cognis Cooperation))、セチルアルコール(「ラネッテ(Lanette)」16、コグニス・コーポレーション(Cognis Cooperation))、ステアリルアルコール(「ラネッテ(Lanette)」18、コグニス・コーポレーション(Cognis Cooperation))、ラネス−5(「ポリコール(Polychol)」5、クロダ・ケミカルズ(Croda Chemicals))、更にスクロースおよびグルコース誘導体、例えば、スクロースジステアレート(「クロデスタ(Crodesta)」F−10、クロダ・ケミカルズ(Croda Chemicals))、メチルグルコースイソステアレート(「イソラン(Isolan)」IS、デグッサ・ケア・ケミカルズ(Degussa Care Chemicals))、更にエトキシル化カルボン酸またはポリエチレングリコールエステルおよびポリエチレングリコールエーテル、例えば、ステアレス−2(「ブリジ(Brij)」72、ユニケマ(Uniqema))、ステアレス−21(「ブリジ(Brij)」721、ユニケマ(Uniqema))、セテアレス−25(「クレモホール(Cremophor)」A25、バスフ・コーポレーション(BASF Cooperation))、PEG−40水素添加ヒマシ油(「クレモホール(Cremophor)」RH−40、バスフ・コーポレーション(BASF Cooperation))、PEG−7水素添加ヒマシ油(「クレモホール(Cremophor)」WO7、バスフ・コーポレーション(BASF Cooperation))、PEG−30ジポリヒドロキシステアレート(「アーラセル(Arlacel)」P135、ユニケマ(Uniqema))、更にグリセリルエステルおよびポリグリセリルエステル、例えば、ポリグリセリル−3−ジイソステアレート(「ホスタセリン(Hostacerin)」TGI、クラリアント・コーポレーション(Clariant Cooperation))、ポリグリセリル−2ジポリヒドロキシステアレート(「デヒムルス(Dehymuls)」PGPH、コグニス・コーポレーション(Cognis Cooperation))、ポリグリセリル−3メチルグルコースジステアレート(「テゴケア(Tego Care)」450、デグッサ・ケア・ケミカルズ(Degussa Care Chemicals))である。好ましい乳化剤は、セチルホスフェート(「アンフィソール(Amphisol)」(登録商標)A)、ジエタノールアミンセチルホスフェート(「アンフィソール(Amphisol)」(登録商標))、セチルリン酸カリウム(「アンフィソール(Amphisol)」(登録商標)K)、PVPエイコセンコポリマー、アクリレート/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマー、PEG−20ソルビタンイソステアレート、ソルビタンイソステアレートおよびそれらの混合物である。1種以上の乳化剤は、組成物の全重量の少なくとも0.01重量%の全量で存在する。本発明の組成物の全重量の好ましくは約0.01重量%〜約20重量%が用いられる。約0.1重量%〜約10重量%の乳化剤を用いるのが最も好ましい。
【0037】
典型的には、ヘアケア組成物は、アニオン界面活性剤、中性界面活性剤、両性界面活性剤またはカチオン界面活性剤も含有する。
【0038】
例示的なアニオン界面活性剤は、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルスクシネート、アルキルスルホスクシネート、N−アルキルサルコシネート、アシルタウレート、アシルイセチオネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、アルキルエーテルカルボキシレート、アルファ−オレフィンスルホネート、特にアルカリ塩およびアルカリ土類塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩ならびにアンモニウム塩およびトリエタノールアミン塩を含む。アルキルエーテルスルフェート、アルキルエーテルホスフェートおよびアルキルエーテルカルボキシレートは、分子当たり1〜10個の間のエチレンオキシド単位またはプロピレンオキシド単位、好ましくは1〜3個のエチレンオキシド単位を含んでもよい。
【0039】
例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ナトリウムラウロイルサルコニセート、オレイルコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸アンモニウム、ナトリウムドデシルベンゾールスルホネート(sodium dodecylbenzolsulfonate)、トリエタノールアミンドデシルベンゾールスルホネートは適する。
【0040】
適する両性界面活性剤は、例えば、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルグリシネート、アルキルカルボキシグリシネート;ココジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタインまたはナトリウムコカンホプロピオネート(sodium cocamphopropionate)などのアルキルアンホアセテート、アルキルアンホプロピオネート、アルキルアンホジアセテートまたはアルキルアンホジプロピオネートである。
【0041】
非イオン界面活性剤の例は、例えば、直鎖または分岐のアルキル鎖の6〜20炭素原子を有する脂肪族アルコールまたはアルキルフェノールとエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの反応生成物である。アルキレンオキシドの量は、アルコール1モルに対して約6〜60モルである。更に、アルキルアミノキシド、モノアルキルアルカノールアミドまたはジアルキルアルカノールアミド、ポリエチレングリコールの脂肪エステル、アルキルポリグリコシドまたはソルビタンエーテルエステルは、本発明によるヘアケア組成物に含有させるために適する。
【0042】
更に、ヘアケア組成物は、第四化アンモニウム化合物などの普通のカチオン界面活性剤、例えば、セチルトリメチルアンモニウムクロリドまたはブロミド(INCI:セトリモニウムクロリドまたはブロミド)、ヒドロキシエチルセチルジモニウムホスフェート(INCI:クアテルニウム−44)、「ルビカット(Luviquat)」(登録商標)Mono LS(INCI:ココトリモニウムメトスルフェート)、ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)、(オクタデシルニトリロ(Octadecylnitrilio))トリ−2,1−エタンジイル)トリス−(ヒドロキシ)−ホスフェート(INCI:クアテルニウム−52)を含有してもよい。
【0043】
特殊効果のために、ポリクアテルニウム(INCI)と呼ばれる前述したカチオンポリマー、特にビニルピロリドン/N−ビニルイミダゾリウム塩のコポリマー(「ルビカット(Luviquat)」(登録商標)FC、「ルビカット(Luviquat)」(登録商標)HM、「ルビカット(Luviquat)」(登録商標)MS、「ルビカット(Luviquat)」(登録商標)Ultracare)、ジエチルスルフェートにより第四化されたN−ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー(「ルビカット(Luviquat)」(登録商標)PQ−11)、N−カチオンセルロース誘導体のコポリマー(ポリクアテルニウム−4および−10)、アクリルアミドコポリマー(ポリクアテルニウム−7)などの典型的なコンディショニング剤をヘアケア配合物内でオピオイド受容体拮抗薬と組み合わせてもよい。更に、ポリアリールシロキサン、ポリアリールアルキルシロキサン、ポリエーテルシロキサンまたはシリコーン樹脂などのシリコーンに基づくコンディショニング剤と同様に蛋白水解物も用いてもよい。適する他のシリコーン化合物は、ジメチコーンコポリオール(CTFA)、およびアモジメチコーン(CTFA)などのアミノ官能化シリコーン誘導体である。
【0044】
更に、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(INCI)などのカチオングアー誘導体を用いてもよい。
【0045】
1種以上のアニオン界面活性剤、中性界面活性剤、両性界面活性剤またはカチオン界面活性剤は、任意に、組成物の全重量の少なくとも0.01重量%の全量で存在する。本発明の組成物の全重量の好ましくは約0.01重量%〜約50重量%が用いられる。約0.1重量%〜約40重量%の1種以上の界面活性剤を用いるのが最も好ましい。
【0046】
[油成分および脂肪成分]
脂質相は、鉱油およびミネラルワックス;カプリン酸および/またはカプリル酸またはヒマシ油のトリグリセリドなどの油;好ましい実施形態において油またはワックスおよび他の天然油または合成油;脂肪酸とアルコール、例えば、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセリンのエステル、脂肪アルコールと炭酸または脂肪酸のエステル、アルキルベンゾエート、および/またはシリコーン油から有利に選択することが可能である。
【0047】
本発明のエマルジョン、ミクロエマルジョン、油ジェル、水分散液または脂肪分散液の油相に含有され得る例示的な脂肪物質は、3〜30個の炭素原子を有する飽和および/または不飽和、直鎖または分岐のアルキルカルボン酸と3〜30個の炭素原子を有する飽和および/または不飽和、直鎖または分岐のアルコールのエステル、および芳香族カルボン酸と3〜30個の炭素原子を有する飽和および/または不飽和、直鎖または分岐のアルコールのエステルから有利に選択される。こうしたエステルは、オクチルパルミテート、オクチルココエート、オクチルイソステアレート、オクチルドデシルミリステート、セテアリールイソノナノエート、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルステアレート、イソプロピルオレェート、n−ブチルステアレート、n−ヘキシルラウレート、n−デシルオレェート、イソオクチルステアレート、イソノニルステアレート、イソノニルイソノナノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、2−エチルヘキシルラウレート、2−ヘキシルデシルステアレート、2−オクチルドデシルパルミテート、ステアリルヘプタノエート、オレイルオレェート、オレイルエルケート、エルシルオレェート、エルシルエルケート、トリデシルステアレート、トリデシルトリメリテート、およびこうしたエステルの合成混合物、半合成混合物または天然混合物、例えば、ホホバ油から有利に選択することが可能である。
【0048】
本発明のヘアケア組成物のために適する他の脂肪成分には、レシチンなどの極性油、および脂肪酸トリグリセリド、すなわち、8〜24個の炭素原子、好ましくは12〜18個の炭素原子を有する飽和および/または不飽和、直鎖または分岐のカルボン酸のトリグリセロールエステル(但し、脂肪酸トリグリセリドは、好ましくは、合成油、半合成油または天然油(例えば、ココグリセリド、オリーブ油、ヒマワリ油、大豆油、落花生油、菜種油、スイートアーモンド油、パーム油、椰子油、ヒマシ油、水素添加ヒマシ油、麦油、グレープ種子油、マカダミアナッツ油およびその他)から選択される)、直鎖および/または分岐の炭化水素およびワックスなどの無極油、例えば、鉱油、ワセリン(ペトロラタム);パラフィン、スクアラン、スクアレン、ポリオレフィン、水素添加ポリイソブテンおよびイソヘキサデカン(但し、好都合なポリオレフィンはポリデセンである);ジカプリルイルエーテルなどのジアルキルエーテル;好ましくはシクロメチコーン(オクタメチルシクロテトラシロキサン)、セチルジメチコーン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリ(メチルフェニルシロキサン)などの直鎖または環式のシリコーン油およびそれらの混合物が挙げられる。
【0049】
本発明のヘアケア組成物に有利に含有され得る他の脂肪成分は、イソエイコサン、ネオペンチルグリコールジヘプタノエート、プロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート、カプリル/カプリン/ジグリセリルスクシネート、ブチレングリコールカプリレート/カプレート、C12〜13アルキルラクテート、ジ−C12〜13アルキルタルトレート、トリイソステアリン、ジペンタエリトリチルヘキサカプリレート/ヘキサカプレート、プロピレングリコールモノイソステアレート、トリカプリリン、ジメチルイソソルビドである。C12〜15アルキルベンゾエートと2−エチルヘキシルイソステアレートの混合物、C12〜15アルキルベンゾエートとイソトリデシルイソノナノエートの混合物、およびC12〜15アルキルベンゾエート、2−エチルヘキシルイソステアレートおよびイソトリデシルイソノナノエートの混合物の使用は特に有益である。
【0050】
本発明の配合物の油相は、天然植物、または蜜蝋、チャイナワックス、マルハナバチ蝋および昆虫の他の蝋などの動物蝋、ならびにシアバターおよびカカオ脂も含有することが可能である。
【0051】
[シリコーン油]
適するシリコーン油は、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、環式シロキサン、ポリ(メチルフェニルシロキサン)、ならびに室温で液体または固体であるアミノ変性シリコーン化合物、脂肪酸変性シリコーン化合物、アルコール変性シリコーン化合物、ポリエーテル変性シリコーン化合物、エポキシ変性シリコーン化合物、フルオロ変性シリコーン化合物、グリコシド変性シリコーン化合物および/またはアルキル変性シリコーン化合物およびそれらの混合物である。ジメチコーンおよびポリ(メチルフェニルシロキサン)の数平均分子量は、好ましくは100〜150000g/モルの範囲内である。好ましい環式シロキサンは4〜8員環を含み、それは例えばシクロメチコーンとして市販されている。
【0052】
油成分または脂肪成分は、任意に、製品の全重量の約0重量%〜約50重量の量で存在する。油成分または脂肪成分の好ましい量は、約1重量%〜約25重量%、最も好ましくは約3重量%〜約20重量%である。
【0053】
[モイスチャライジング剤]
モイスチャライジング剤は水和を維持するか、または毛髪に水を加えて毛髪を元にもどすために本発明の製品に含有させてもよい。保護被膜を与えることにより水が皮膚または毛髪から蒸発しないようにするモイスチャライザは緩和薬と呼ばれる。更に、緩和薬は、皮膚または毛髪表面上に軟化効果または鎮静効果を提供する。好ましい緩和薬には、鉱油、ラノリン、ペトロラタム、カプリル/カプリントリグリセリド、コレステロール;ジメチコーン、シクロメチコーンなどのシリコーン、扁桃油、ホホバ油、アボカード油、ヒマシ油、胡麻油、ヒマワリ油、椰子油およびグレープ種子油、カカオ脂、オリーブ油、アロエエキス;オレイン酸およびステアリン酸などの脂肪酸、セチルおよびヘキサデシル(ENJAY)などの脂肪アルコール、C9〜15アルコールのジイソプロピルアジぺート、ヒドロキシベンゾエートエステル、安息香酸エステル;イソノニルイソノナノエート;ポリオキシプロピレンブチルエーテルおよびポリオキシプロピレンセチルエーテルなどのエーテル、およびC12〜15アルキルベンゾエートならびにそれらの混合物が挙げられる。最も好ましい緩和薬は、ヒドロキシベンゾエートエステル、C12〜15アルキルベンゾエートおよびそれらの混合物である。緩和薬は、任意に、製品の全重量の約1重量%〜約50重量%の量で存在する。緩和薬の好ましい量は、約2重量%〜約25重量%、最も好ましくは約3重量%〜約20重量%である。
【0054】
水を結合し、よって水を皮膚または毛髪表面上に保持するモイスチャライザは保湿剤と呼ばれる。本発明の製品に含有させ得る保湿剤の例は、グリセリン、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、乳酸、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸、ウレア、ホスホリピド、コラーゲン、エラスチン、セラミド、レシチンソルビトール、PEG−4およびそれらの混合物である。適する追加のモイスチャライザは、水溶性および/または膨潤性の系統の高分子モイスチャライザおよび/またはヒアルロン酸、キトサンおよび/または例えばソラビア・エス(SOLABIA S.)によって「フコゲル(Fucogel)」(登録商標)1000(CAS番号:178463−23−5)として入手できるフコースリッチな多糖などの水ジェル化性多糖を有する系統の高分子モイスチャライザである。1種以上の保湿剤は、任意に、本発明の製品に約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約0.5重量%〜約6重量%で存在する。
【0055】
本発明の製品の水相は、アルコール、特により低級のアルコール、好ましくはエタノールおよび/またはイソプロパノール、低級のジオールまたはエチレングリコールモノエチルエーテルまたはエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルまたはプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルまたはジエチレングリコールモノエチルエーテルおよび類似製品、ポリマー、泡安定剤、電解質および特に1種以上の増粘剤などの普通の化粧添加剤を含有することが可能である。
【0056】
[増粘剤]
製品の粘性度を適切にするのを助けるために本発明の配合物中で用いてもよい増粘剤には、カルボマー、二酸化珪素、珪酸マグネシウムおよび/または珪酸アルミニウム、脂質増粘剤、例えば、セチルアルコール、セチルパルミテート(「クチナ(Cutina)」CP、コグニス・コーポレーション(Cognis Cooperation))、グリセリルミリステート(「エストル(Estol)」3650、ユニケマ(Uniqema))、微結晶ワックス(A&Eコノック(A&E Connock))、ミリスチルアルコール(「ラネッテ(Lanette)」14、コグニス・コーポレーション(Cognis Cooperation))、ミリスチルラクテート(「クロダモル(Crodamol)」ML、クロダ・ケミカルズ(Croda Chemicals))、蜜蝋(A&Eコノック(A&E Connock))、ステアリン酸(リポ・ケミカルズ(Lipo Chemicals))、ステアリルアルコール(「ラネッテ(Lanette)」18、コグニス・コーポレーション(Cognis Cooperation))、キサンタンガム(「ケルトロール(Keltrol)」、シーピー・ケルコ(CP Kelco))などの多糖および誘導体、ヒドロキシプロピルセルロース(「クルセル(Klucel)」、ハーキュレス(Hercules Incorporated))、ヒドロキシエチルセルロース(「チロセ(Tylose)」H、クラリアント・コーポレーション(Clariant Corporation))、ポリアクリルアミド、自己乳化性ポリアクリルアミド、例えば、「サルケア(Salcare)」SC91、「サルケア(Salcare)」SC96(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals))、「セピゲル(Sepigel)」305(セピック(Seppic))、アクリレートクロスポリマー、好ましくは、タイプ980、981、1382、2984、5984、ETD2001、ETD2050、Ultrez10、Ultrez21の「カルボポール(Carbopole)」(登録商標)(ノベオン(Noveon Inc.))などのカルボマー、単独でまたはそれらの混合物が挙げられる。増粘剤は、本発明の製品に約0.01重量%〜約8重量%、好ましくは0.05重量%〜約5重量%の量で存在することが可能である。
【0057】
[中和剤]
例えば、乳化剤または泡ビルダ/安定剤などの成分を中和するために本発明の製品中に含めてもよい中和剤の例には、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどのアルカリ水酸化物;ジエタノールアミン(DEA)、トリエタノールアミン(TEA)、アミノメチルプロパノールおよびそれらの混合物などの有機塩基;アルギニンおよびリシンなどのアミノ酸ならびにいずれかの前述したもののあらゆる組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。中和剤は、本発明の製品に約0.01重量%〜約8重量%、好ましくは0.1重量%〜約5重量%の量で存在することが可能である。
【0058】
[電解質]
本発明の製品に電解質を添加するのは、疎水性乳化剤の挙動を変えるために必要な場合がある。従って、本発明のエマルジョン/ミクロエマルジョンは、好ましくは、塩化物、硫酸塩、炭酸塩、硼酸塩およびアルミン酸塩などのアニオンをそれに制限されることなく含む1種または数種の塩の電解質を含有してもよい。適する他の電解質は、ラクテート、アセテート、ベンゾエート、プロピオネート、タルトレートおよびシトレートに限定されないが、それらなどの有機アニオンに基づくことが可能である。カチオンとして、好ましくは、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカリ金属またはアルカリ土類金属、マグネシウムイオン、鉄イオンまたは亜鉛イオンが選択される。特に好ましい塩は、塩化カリウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛およびそれらの混合物である。電解質は、本発明の製品に約0.01重量%〜約8重量%の量で存在することが可能である。
【0059】
[防虫剤]
本発明によるヘアケア組成物中で用いられ得る防虫剤の例は、例えば、N,N−ジメチル−m−トルアミド、1,2−ペンタンジオールまたは防虫剤3535である。
【0060】
[ふけ防止剤]
用いてもよいふけ防止剤の例は、クリムバゾール、オクロピロックスおよび亜鉛ピリチオンである。
【0061】
[膜形成剤]
通例の膜形成剤には、例えば、キトサン、微結晶キトサン、第四化キトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、高比率のアクリル酸を含有する第四セルロース誘導体のポリマー、コラーゲン、ヒアルロン酸およびその塩ならびに類似化合物が挙げられる。1種以上の膜形成剤は、任意に、本発明の製品中に約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約0.2重量%〜約6重量%で存在する。
【0062】
[保存剤]
保存剤の例には、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、ベンズアルコニウムクロリド、2−ブロモ−2−ニトロ−プロパン−1,3−ジオール、デヒドロ酢酸、ジアゾリジニルウレア、2−ジクロロベンジルアルコール、DMDMヒダントイン、ホルムアルデヒド溶液、メチルジブロモグルタロニトリル、フェノキシエタノール、ナトリウムヒドロキシメチルグリシネート、イミダゾリジニルウレア、トリクロサンおよび文献K.F.De Polo−A Short Textbook of Cosmetology、Chapter7、Table7−2、7−3、7−4および7−5、p.210−219に記載された更なる物質類が挙げられる。
【0063】
[細菌抑制剤]
細菌抑制剤の典型的な例は、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、クロルヘキシジン(1,6−ジ(4−クロロフェニル−ビグアニド)ヘキサン)またはTCC(3,4,4’−トリクロロカルバニリド)などのグラム陽性細菌に対する特異的作用を有する保存剤である。多数の芳香物質およびエーテル油も抗菌特性を有する。典型的な例は、チョウジ油、ミント油およびタイム油中の活性成分オイゲノール、メントールおよびチモールである。関連の天然脱臭剤は、ライム花油中に存在するテルペンアルコールファルネソル(3,7,11−トリ−メチル−2,6,10−ドデカトリエン−1−オール)である。グリセロールモノラウレートも静菌剤であることが分かった。存在する追加の細菌抑制剤の量は、配合物の固体分を基準にして通常は0.1〜2重量%である。
【0064】
[ポリマー]
本発明による組成物は、所望の特性を確立するためにオピオイド受容体拮抗薬とは異なる追加のポリマーを含んでもよい。この目的のために、すべてのアニオンポリマー、カチオンポリマー、両性ポリマーまたは中性ポリマーを用いてもよい。
【0065】
アニオンポリマーの例は、アクリル酸またはメタクリル酸およびそれらの塩のホモポリマーおよびコポリマー;アクリル酸とアクリルアミドおよびそれらの塩のコポリマー;ポリヒドロキシ炭酸のナトリウム塩、水溶性または水分散性のポリエステル;BASFの「ルビセット・プル(Luviset pur)」(登録商標)などのポリウレタンおよびポリウレアである。t−ブチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルアクリル酸のコポリマー(例えば、「ルビメル(Luvimer)」(登録商標)100P);エチルアクリレートおよびメタクリル酸のコポリマー(例えば、「ルビフレックス(Luviflex)」(登録商標)Soft);N−t−ブチル−アクリルアミド、エチルアクリレートおよびアクリル酸のコポリマー(「ウルトラホールド(Ultrahold)」(登録商標)strong);酢酸ビニル、クロトン酸および最後には他のビニルエステルのコポリマー(例えば、「ルビセット(Luviset)」(登録商標)グレード);無水マレイン酸のコポリマー;最後にはアルコール反応済みアニオンポリシロキサン、例えば、カルボキシ官能化t−ブチルアクリレート、メタクリル酸(「ルビスコル(Luviskol)」(登録商標)VBM);アクリル酸およびメタクリル酸とメタクリル酸のC30アルキルエステル、C30アルキルビニルエステル、C30アルキルビニルエーテルなどの疎水性モノマーおよびヒアルロン酸のコポリマーは特に適する。アニオンポリマーの例は、酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー(ナショナル・スターチ(National Starch)による「レジン(Resyn)」(登録商標)またはGAFによる「ガフセット(Gafset)」(登録商標))、ビニルピロリドン/ビニルアクリレートコポリマー(例えば、BASFによる「ルビフレックス(Luviflex)」(登録商標))である。適する他のポリマーは、ビニルピロリドン/アクリレートターポリマーおよびスルホン酸ナトリウム含有ポリアミドまたはスルホン酸ナトリウム(sodiumsufonate)含有ポリエステルである。
【0066】
オピオイド受容体拮抗薬と組み合わせて使用できる追加のポリマーは、「バランス(Balance)」(登録商標)CR(ナショナル・スターチ(National Starch)、アクリレートコポリマー)、「バランス(Balance)」(登録商標)0/55(ナショナル・スターチ(National Starch)、アクリレートコポリマー)、「バランス(Balance)」(登録商標)47(ナショナル・スターチ(National Starch)、オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー)、「アクアフレックス(Aquaflex)」(登録商標)FX64(ISP、イソブチレン/エチルマレイミド/ヒドロキシエチルマレイミドコポリマー)、「アクアフレックス(Aquaflex)」(登録商標)SF−40(ISP/ナショナル・スターチ(National Starch)、VP/ビニルカプロラクタム/DMAPAアクリレートコポリマー)、「アリアンズ(Allianz)」(登録商標)LT−120(ISP/ローム・アンド・ハース(Rohm&Haas)、アクリレート/C1〜2スクシネート/ヒドロキシアクリレートコポリマー)、「アクアレス(Aquarez)」(登録商標)HS(イーストマン(Eastman)、ポリエステル−1)、「ダイアフォーマー(Diaformer)」(登録商標)Z−400(クラリアント(Clariant)、メタクリロイルエチルベタイン/メタクリレートコポリマー)、「ダイアフォーマー(Diaformer)」(登録商標)Z−711(クラリアント(Clariant)、メタクリロイルエチルN−オキシド/メタクリレートコポリマー)、「ダイアフォーマー(Diaformer)」(登録商標)Z−712(クラリアント(Clariant)、メタクリロイルエチルN−オキシド/メタクリレートコポリマー)、「オムニレス(Omnirez)」(登録商標)2000(ISP、エタノール中のポリ(メチルビニルエーテル)/マレイン酸からのモノエチルエステル)、「アンフォマー(Amphomer)」(登録商標)HC(ナショナル・スターチ(National Starch)、アクリレート/オクチルアクリルアミドコポリマー)、「アンフォマー(Amphomer)」(登録商標)28−4910(ナショナル・スターチ(National Starch)、オクチル−アクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー)、「アドバンテージ(Advantage)」(登録商標)HC37(ISP、ビニルカプロラクタム/N−ビニルピロリドン/ジメチルアミノ−エチルメタクリレートのターポリマー)、「アドバンテージ(Advantage)」(登録商標)LC50およびLC80またはLC AおよびLC E、「アドバンテージ(Advantage)」(登録商標)Plus(ISP、VA/ブチルマレェート/イソボルニルアクリレートコポリマー)、「アクリン(Aculyne)」(登録商標)258(ローム・アンド・ハース(Rohm&Haas)、アクリレート/ヒドロキシエステルアクリレートコポリマー)、「ルビセット(Luviset)」(登録商標)P.U.R.(BASF、ポリウレタン−1)、「ルビフレックス(Luviflex)」(登録商標)Silk(BASF)、「イーストマン(Eastman)」(登録商標)AQ48(イーストマン(Eastman))、「スチレズ(Styleze)」(登録商標)CC−10(ISP、VP/DMAPAアクリレートコポリマー)、「スチレズ(Styleze)」(登録商標)2000(ISP、VP/アクリレート/ラウリルメタクリレートコポリマー)、「ダイナム(Dynam)」X(ナショナル・スターチ(National Starch)、ポリウレタン−14、AMP−アクリレートコポリマー)、「レジン(Resyn)」XP(ナショナル・スターチ(National Starch)、アクリレート/オクチルアクリルアミドコポリマー)、「フィクソマー(Fixomer)」A−30(オンデオ・ナルコ(Ondeo Nalco)、ポリメタクリル酸(および)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸)、「フィクセート(Fixate)」G−100(ノベオン(Noveon)、AMP−アクリレート/アリルメタクリレートコポリマー)を含む。
【0067】
カチオンポリマーの例は、制限なく、ポリクアテルニウム(INCI)、例えば、ビニルピロリドン/N−ビニルイミダゾリウム塩のコポリマー(「ルビカット(Luviquat)」(登録商標)FC、「ルビカット(Luviquat)」(登録商標)HM、「ルビカット(Luviquat)」(登録商標)MS、「ルビカット(Luviquat)」(登録商標)Ultracare)、ジエチルスルフェートにより第四化されたN−ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー(「ルビカット(Luviquat)」(登録商標)PQ11、INCI:ポリクアテルニウム−11)、N−ビニルカプロラクタム/N−ビニル−ピロリドン/N−ビニルイミダゾリウム塩のコポリマー(「ルビカット(Luviquat)」(登録商標)Hold、INCI:ポリクアテルニウム−46)、セルロースのカチオン誘導体(ポリクアテルニウム−4および10)、アクリルアミドコポリマー(ポリクアテルニウム−7)、キトサン、カチオン澱粉誘導体(INCI:澱粉ヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、変性されたトウモロコシ澱粉)、カチオングアー誘導体(INCI:ヒドロキシプロピルグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド)、カチオンヒマワリ種子誘導体(INCI:ヒマワリ種子アミドプロピルヒドロキシエチルジモニウムクロリド)、アクリル酸、アクリルアミドおよびメタクリルアミドプロピルトリモニウムクロリドのコポリマー(INCI:ポリクアテルニウム−53)、ポリクアテルニウム−32、ポリクアテルニウム−28である。適するカチオン第四化ポリマーは、更に、「メルカット(Merquat)」(登録商標)(ジメチルジアリルアンモニウムクロリドに基づくポリマー)、「ガフカット(Gafquat)」(登録商標)(ポリビニルピロリドンを第四アンモニウム化合物と反応させることにより生成する第四ポリマー)、ポリマーJR(カチオン基を有するヒドロキシエチルセルロース)、およびローディア(Rhodia)の「ジャガー(Jaguar)」(登録商標)グレードとして市販されているグアーポリマーなどの植物に基づくカチオンポリマーである。
【0068】
中性ポリマーの例は、ポリビニルピロリドン;N−ビニルピロリドンおよび酢酸ビニルおよび/またはプロピオン酸ビニルのコポリマー、ポリシロキサン、ポリビニルカプロラクタム、およびN−ビニルピロリドンの他のコポリマー、N−ビニルピロリドンとC〜C18アルキル鎖を有するアルキルアクリレートモノマーまたはアルキルメタクリレートモノマーのコポリマー、「コリコーツ(Kollicoats)」(登録商標)IR(BASF)などのポリビニルアルコールとポリアルキレングリコールのコポリマー、またはポリアルキレングリコール、ポリシロキサン、ポリビニルカプロラクタムへの他のビニルモノマーのコポリマー、および「ルビフレックス(Luviflex)」(登録商標)Swing(ポリ酢酸ビニルとポリエチレングリコールの部分加水分解コポリマー、BASF)などのN−ビニルピロリドン、ポリエチレンイミンおよびその塩、ポリビニルアミンおよびその塩、セルロース誘導体、キトサン、ポリアスパラギン酸塩およびその誘導体、ポリエチレンイミンおよびその塩、ポリビニルアミンおよびその塩によるコポリマーである。
【0069】
適するポリマーは、ポリビニルカプロラクタムなどのそれぞれ水溶性、水分散性の非イオン性ポリマーまたはオリゴマー、例えば、(「ルビスコル(Luviskol)」(登録商標)Plus(BASF)、またはポリビニルピロリドン、および例えば、酢酸ビニルなどのビニルエステルとのコポリマー、例えば、(「ルビスコル(Luviskol)」(登録商標)VA37(BASF)、例えば、DE−A−第433323号明細書に記載された例えば、イタコン酸および脂肪族ジアミンに基づくポリアミドである。
【0070】
両性ポリマーまたは双生イオンポリマーの例は、「アンフォマー(Amphomer)」(登録商標)(デルフト・ナショナル(Delft National))という名称で得ることができるオクチルアクリルアミド/メチルメタクリレート/t−ブチルアミノエチルメタクリレート/2−ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマー、および例えば、ドイツ国特許出願DE第3929973号明細書、DE第2150557号明細書、DE第2817369号明細書およびDE第3708451号明細書で開示された双生イオンポリマーである。好ましい双生イオンポリマーは、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリル酸またはメタクリル酸コポリマーおよびそれらのアルカリ金属塩ならびにアンモニウム塩である。適する他のポリマーは、「アマーセット(Amersette)」(登録商標)(AMERCHOL)という名称で商業的に得ることができるメタクロイルエチルベタイン/メタクリレートコポリマーおよびヒドロキシエチルメタクリレート、メチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートおよびアクリル酸のコポリマー(「ジョルダポン(Jordapon)」(登録商標))である。適する追加のポリマーは、シロキサン含有水溶性または水分散性の非イオンポリマー、例えば、「テゴプレン(Tegopren)」(登録商標)(ゴールドシュミット(Goldschmidt))または「ベルシル(belsil)」(登録商標)(ワッカー(Wacker))などのポリエーテルシロキサンである。
【0071】
1種以上のポリマーは、任意に、本発明の製品中に約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約0.2重量%〜約8重量%で存在する。
【0072】
[芳香剤および香料]
本発明によるヘアケア組成物は、天然由来および/または合成由来の少なくとも1種、好ましくは多くの臭気成分を含む芳香剤および香料を含有してもよい。天然臭気剤の範囲は、容易に揮発する成分に加えて、適度に揮発する成分および若干のみ揮発する成分も含む。合成臭気剤は、臭気物質の実際的にすべての類からの代表物を包含する。
【0073】
以下のリストは、本発明による組成物中で使用され得る既知の臭気剤の例を限定なく含む。
木の純苔、バジル油、熱帯果実油(ベルガモット油、マンダリン油など)、純マスチック、キンバイカ油、パルマロサ油、パチョリ油、プチグレン油、ヨモギ油、ラベンダー油、バラ油、ジャスミン油、イランイラン香油などの天然製品。
アルコール:ファルネソール、ゲラニオール、リナロオール、ネロール、フェニルエチルアルコール、ロジノール、桂皮アルコール、(Z)−ヘックス−3−エン−1−オール、メントール、a−テルピネオールなど。
シトラール、アルファ−ヘキシルシンナムアルデヒド、リリアール、メチルイオノン、ベルベノン、ヌートカトン、ゲラニルアセトンなどのアルデヒド。
アリルフェノキシアセテート、ベンジルサリチレート、シンナミルプロピオネート、シトロネリルアセテート、デシルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルブチレート、エチルアセトアセテート、シス−3−ヘキセニルイソブチレート、シス−3−ヘキセニルサリチレート、リナリルアセテート、メチルジヒドロジャスモネート、スチラリルプロピオネート、ベチベリルアセテート、ベンジルアセテート、ゲラニルアセテートなどのエステル。
ガンマ−ウンデカラクトン、デルタ−デカラクトン、ペンタデカノリド、12−オキサヘキサデカノリドなどのラクトン。
Viridine(フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール)などのアセタール。
およびインドール、p−メンタ−8−チオール−3−オン、メチルオイゲノール、オイゲノール、アネトールなどの香水中でしばしば用いられる他の成分。
【0074】
[着色剤]
一般に、本発明によるヘアケア組成物の着色のために、電磁放射線(400nm〜800nm)の可視光において吸収を有するすべての物質は適する。発色団アゾ−(モノ、ジ、トリスまたはポリ)スチルベン−、カロチノイド−、ジアリールメタン−、トリアリールメタン−、キサンタン−、アクリジン−、キノリン−、メチン−、(ポリメチン−も)、チアゾール−、インダミン−、インドフェノール−、アジン−、オキサジン−、チアジン−、アントラキノン−、インジゴ−、フタロシアニンおよび更なる合成発色団、天然発色団および/または無機発色団によって吸収は、しばしば引き起こされる。
【0075】
本発明によるヘアケア組成物中で使用できるFD&CおよびD&Cは、制限なしに、例えば、クルクミン、リボフラビン、ラクトフラビン、タルトラジン、キノリンイエロー、コチェニル(cochenille)、アゾルビン、アマランス、ポンソー4R、エリトロシン、レッド2G、インジゴ錫、クロロフィル、クロロフィリン、カラメル、カルボ、メディシナリス、カロチノイド、カロチン、ビキシン、ノルビキシン、アンナットー、オルリーン、カプサンチン、カプソルビン、リコピン、キサントフィル、フラボキサンチン、ルテイン、クリプトアキサンチン、ルビキサンチン、ビオラキサンチン、ロドキサンチン、カンタキサンチン、ベタニン、アントシアンである。染料の例は、例えば、酸化鉄(酸化鉄レッド、酸化鉄イエロー、酸化鉄ブラックなど)などの無機顔料、ウルトラマリン、酸化クロムグリーンまたはカーボンブラックである。本発明による組成物中で使用され得る他の着色剤および染料は、HCタイプの直接毛髪染料、例えば、HCレッドNo.3、HCブルーNo.2およびInternational Cosmetic Ingredient Dictionary Handbook、第11版、2006)に記載されたすべての他の毛髪染料、またはColor Index International Society of Dyers and Coloristsに記載された分散染料のような溶媒中で可溶化され得る天然有機顔料または合成有機顔料、分散染料;カラーワニス(アニオン染料の多くのCa塩、Ba塩またはAl塩のような可溶性染料の不溶性塩);酸性染料(アニオン)、塩基性染料(カチオン)などの可溶性アニオン染料または可溶性カチオン染料、直接染料、反応性染料または溶媒染料、蛍光染料、フルオレセインおよびイソチオシアネートを含む。
【0076】
[他の活性成分]
本発明によるヘアケア組成物中に追加で使用され得る活性成分は、ビタミンおよびビタミン誘導体、例えばトコフェロール、酢酸トコフェロール、アスコルビン酸、アスコルビルホスフェート、ビタミンQ、DおよびK、レチノール、レチナール、レチン酸、レチノールアセテート、レチノールパルミテート、ビオチン、ベータカロチンなどのカロチノイド誘導体、リコペン、アスタキサンテン、野菜エキス、抗菌成分;メチオニン、システイン、シスチン、トリプトファン、フェニルアラニン、チロシン、フェノール、ポリフェノールなどのジペプチド、オリゴペプチドおよびポリペプチドを含む不安定アミノ酸、またはフラバノイド、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA酸、コエンザイムQ10などのユビキノン(ubichinone)、セラミド、偽セラミド、精油、植物エキス、デオキシリボ核酸、蛋白水解物を含む。
【0077】
好ましくは、本発明によるヘアケア組成物は、化粧用ヘアトリートメント配合物、例えば、シャンプーおよびコンディショナーの形態を取った毛髪洗浄配合物、ヘアケア配合物、例えば、プレトリートメント配合物、ヘアトニック、スタイリングクリーム、スタイリングジェル、ポマード、ヘアリンス、トリートメントパック、強力ヘアトリートメント、例えば、洗い流し不要タイプおよび洗い流すタイプのディープコンディショナー、毛髪構築配合物、例えば、パーマネントウェーブ(ホットウェーブ、マイルドウェーブ、コールドウェーブ)のためのヘアウェーブ配合物、縮毛矯正配合物、液体ヘアセッティング配合物、ヘアフォーム、ヘアスプレー、漂白配合物、例えば、過酸化水素溶液、淡色化シャンプー、漂白クリーム、漂白パウダー、漂白ペーストまたは漂白油、一時的、半パーマネントまたはパーマネントの毛髪着色剤、自己酸化染料あるいはヘナまたはカモミールなどの天然毛髪着色剤を含有する配合物の形態を取っている。
【0078】
本願に基づいて、ヘアケア配合物は、(エアロゾル)スプレー、(エアロゾル)フォーム、ジェル、ジェルスプレー、クリーム、ローション、液体またはワックスの形態を取ってもよい。ヘアスプレーは、噴射剤のないポンプスプレーとしてエアロゾルスプレーも含む。ヘアフォームは、噴射剤のないポンプフォームとしてエアロゾルフォームも含む。ヘアスプレーおよびヘアフォームは、水溶性成分または水分散性成分のみを専らまたは主として含む。本発明によるヘアスプレーまたはヘアフォーム中で用いられる成分が水分散性である場合、こうした成分は、通常は1〜350nm、好ましくは1〜250nmの粒度を有するミクロ分散液の形態を取ってもよい。こうした配合物の固体含有率は、配合物の全重量の典型的には0.5〜20重量%の範囲内である。こうしたミクロ分散液は、分散液の安定化のために更なる乳化剤も界面活性剤も必要としない。
【0079】
例示的なヘアケア組成物(スプレー)は、
1.0.005〜5重量%のオピオイド受容体拮抗薬と、
2.水、水混和性溶媒およびそれらの混合物から選択された30〜99.5重量%、好ましくは40〜99重量%の少なくとも1種の溶媒と、
3.0〜70重量%の噴射剤と、
4.0.1〜10重量%の少なくとも1種の水溶性ヘアポリマーまたは水分散性ヘアポリマーと、
5.0〜0.3重量%の少なくとも1種の水不溶性シリコーンと、
6.0〜0.5重量%の少なくとも1種のワックス、好ましくは少なくとも1種の脂肪酸アミドと、
7.通例の添加剤と
を含む。
【0080】
本発明によるヘアケア組成物は、成分4)として少なくとも1種の他の水溶性ヘアポリマーまたは水分散性ヘアポリマーを含むことが可能である。本発明において用いるための典型的なヘアポリマーは、例えば、酢酸ビニルとクロトン酸のコポリマー、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸のコポリマー、アクリル酸またはメタクリル酸と他のモノマーのコポリマー、ポリウレタン、N−ビニルピロリドンおよびシリコーンポリマーなどのヘアスタイリングポリマーまたはコンディショニングポリマーなどのヘアケアのために市販されているポリマーである。
【0081】
ヘアポリマーの含有率は、組成物の全重量を基準にして一般に約0.1〜10重量%である。ここで、必要に応じて共重合された形態でシロキサン基を更に含む水溶性ポリウレタンまたは水分散性ポリウレタンを用いることが好ましい。
【0082】
本発明による組成物は、少なくとも1種の水不溶性シリコーン、特にポリジメチルシロキサン、例えば、ゴールドシュミット(Goldschmidt)製の「アビル(Abil)」(登録商標)グレードを成分5)として含むことが可能である。そこで、この成分の含有率は、組成物の全重量を基準にして一般に約0.0001〜約2重量%、好ましくは約0.001〜約1重量%である。例えば、成分6)としてエルカ酸アミドなどの少なくとも1種の脂肪酸アミドを用いることが好ましい。
【0083】
本発明によるヘアケア組成物は、適切な場合、例えば、シリコーンに基づく消泡剤を更に含むことが可能である。消泡剤の量は、組成物の全量を基準にして一般に0.001重量%以下である。本発明による組成物は、一方で毛髪に所望のホールドを与え、他方で、ポリマーが洗浄するのに容易である(再分散性)という利点を有する。毛髪が本質的に特に濃いおよび/または黒っぽい時でさえ、一般に、自然な外観および光沢は毛髪に与えられる。
【0084】
更なる実施形態において、本発明によるヘアケア組成物は、
1.0.05〜20重量%の少なくとも1種のヘアポリマーと、
2.20〜99.95重量%の水および/またはアルコールと、
3.0〜79.5重量%の通例の添加剤と、
4.0.005〜5重量%のオピオイド受容体拮抗薬と
を含む。
【0085】
アルコールという用語は、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどの化粧品において通常用いられるすべてのアルコールを意味する。
【0086】
他の成分は、噴射剤、消泡剤、表面活性成分、例えば、界面活性剤、乳化剤、泡形成剤および可溶化剤などの化粧補助剤および添加剤である。用いられる表面活性成分は、アニオン性、カチオン性、両性または中性であってもよい。更なる成分は、制限なく、保存剤、酸化防止剤、芳香油、脂質脱脂剤、パンテノールなどの活性および/またはケア成分、コラーゲン、ビタミン、蛋白水解物、アルファヒドロキシル炭酸、ベータヒドロキシル炭酸、安定剤、pH調整剤、乳白剤、着色剤、染料、ジェル形成剤、塩、モイスチャライザ、錯体形成剤、粘度調整剤または光遮断剤であってもよい。
【0087】
特定の特性を得るために、ヘアケア組成物は、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアリールアルキルシロキサン、シリコーン樹脂、ポリエーテルシロキサンまたはジメチコーンコポリオール(CTFA)、およびアモジメチコーン(CTFA)などのアミノ官能化シリコーン化合物、「GP4Silicone fluid」(登録商標)およびGP700(登録商標)(ゲネシー(Genesee))、Q2 8220(登録商標)(ダウ・コーニング(Dow Corning))、AFL40(登録商標)(ユニオン・カーバイド(Union Carbide))またはEP第852488B号明細書で開示されたポリマーなどのシリコーンに基づくコンディショニング化合物を更に含んでもよい。
【0088】
適する他の成分は、高分子シリコーン主鎖および非シリコーン含有側鎖または「ルビフレックス(Luviflex)」(登録商標)Silkのような非シリコーン含有高分子主鎖およびシリコーン側鎖を有するシリコーンプロプフポリマー(propfpolymer)またはEP第852488B号明細書で開示されたポリマーを含む。
【0089】
本発明による典型的なヘアケア組成物は、ヘアスプレーおよびヘアフォームなどのスタイリング組成物である。
【0090】
特定の実施形態において、これらの組成物は、
1.0.1〜10重量%の少なくとも1種のヘアポリマーと、
2.20〜99重量%の水および/またはアルコールと、
3.0〜70重量%の少なくとも1種の噴射剤と、
4.0〜20重量%の通例の添加剤と、
5.0.005〜5重量%のオピオイド受容体拮抗薬と
を含む。
【0091】
ヘアスプレーまたはエアロゾルフォームのための噴射剤は、典型的には使用済み噴射剤である。プロパン/ブタンの混合物、ペンタン、ジメチルエーテル、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、二酸化炭素、窒素または圧縮空気は好ましい。
【0092】
エアロゾルフォームのための典型的な組成物は、
1.0.1〜10重量%の少なくとも1種のヘアポリマーと、
2.55〜99.8重量%の水および/またはアルコールと、
3.5〜20重量%の噴射剤と、
4.0.1〜5重量%の乳化剤と
5.0〜10重量%の通例の添加剤と、
6.0.005〜5重量%のオピオイド受容体拮抗薬と
を含む。
【0093】
エアロゾルフォームのための乳化剤は、従来から用いられたすべての非イオン乳化剤、カチオン乳化剤、アニオン乳化剤または両性乳化剤であってもよい。
【0094】
非イオン乳化剤の例は、(INCI−命名法)ラウレス、例えば、ラウレス−4;セテス、例えば、セテス−1、ポリエチレングリコールセチルエーテル、セテアレス、例えば、セテアレス−25、ポリグリコール脂肪酸グリセリド、ヒドロキシル化レシチン、脂肪酸のラクチルエステル、アルキルポリグリコシドを含む。
【0095】
カチオン乳化剤の例は、セチルジメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム−二水素ホスフェート、セチルトリモニウムクロリド、セチルトリモニウムブロミド、ココトリモニウム−メチルスルフェート、クアテルニウム−1〜92(INCI)である。
【0096】
アニオン乳化剤は、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルスクシネート、アルキルスルホスクシネート、N−アルキルサルコシネート、アシルタウレート、アシルイセチオネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、アルキルエーテルカルボキシレート、アルファ−オレフィンスルホネート、特にアルカリ塩およびアルカリ土類塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、ならびにアンモニウム塩およびトリエタノールアミン塩から選択することが可能である。アルキルエーテルスルフェート、アルキルエーテルホスフェートおよびアルキルエーテルカルボキシレートは、分子当たり1〜10個の間のエチレンオキシド単位またはプロピレンオキシド単位、好ましくは1〜3個の間のエチレンオキシド単位を含んでもよい。
【0097】
ヘアジェルは、例示的な
1.0.1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%の少なくとも1種のヘアポリマーと、
2.C〜Cアルコール、好ましくはエタノールから選択された0〜10重量%の少なくとも1種のキャリア(溶媒)と、
3.0.01〜5重量%、好ましくは0.2〜3重量%の少なくとも1種の増粘剤と、
4.0〜50重量%の噴射剤と、
5.1.)とは異なる0〜10重量%、好ましくは0.1〜3重量%のスタイリングポリマー、好ましくは水溶性非イオンポリマーと、
6.グリセリンおよびグリセリン誘導体から好ましくは選択された0〜1重量%の少なくとも1種のレファッターと、
7.0〜30重量%の他の通例の添加剤、例えば、シリコーン成分と、
8.0.005〜5重量%のオピオイド受容体拮抗薬と、
9.100重量%までの適量の水と
を含む。
【0098】
例示的なスタイリングジェルは、
1.0.1〜10重量%のヘアポリマーと、
2.60〜99.85重量%の水および/またはアルコールと、
3.0.05〜10重量%のジェル形成剤と
4.0〜20重量%の他の通例の添加剤と、
5.0.005〜5重量%のオピオイド受容体拮抗薬と
を含む。
【0099】
ジェル形成剤として、若干架橋されたポリアクリル酸、例えば、「カルボマー(Carbomer)」(INCI)、セルロース誘導体、多糖、例えばキサンガム、カプリル/カプリントリグリセリド(INCI)、ナトリウムアクリレートコポリマー、ポリクアテルニウム−32(および)白色鉱油(INCI)、ナトリウムアクリレートコポリマー(および)白色鉱油(INCI)(および)PPG−1トリデセス−6、ポリクアテルニウム−37(および)プロピレングリコールジカプラートジカプリレート(および)PPG−1トリデセス−6、ポリクアテルニウム−7、ポリクアテルニウム−44などの典型的なすべての化粧用ジェル形成剤を用いることが可能である。
【0100】
典型的なシャンプー製品は、
1.0.05〜10重量のヘアポリマーと、
2.25〜94.95重量%の水と、
3.5〜50重量%の界面活性剤と
4.0〜5重量%の追加のコンディショニング剤と、
5.0〜10重量%の他の通例の添加剤と、
6.0.005〜5重量%のオピオイド受容体拮抗薬と
7.0〜5重量%の乳白剤および/または真珠光沢付与物質と
を含んでもよい。
【0101】
典型的に用いられたすべてのアニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤またはカチオン界面活性剤をシャンプー配合物内で用いてもよい。
【0102】
例示的なアニオン界面活性剤は、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルスクシネート、アルキルスルホスクシネート、N−アルキルサルコシネート、アシルタウレート、アシルイセチオネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、アルキルエーテルカルボキシレート、アルファ−オレフィンスルホネート、特に、アルカリ塩およびアルカリ土類塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、ならびにアンモニウム塩およびトリエタノールアミン塩を含む。アルキルエーテルスルフェート、アルキルエーテルホスフェートおよびアルキルエーテルカルボキシレートは、分子当たり1〜10個の間のエチレンオキシド単位またはプロピレンオキシド単位、好ましくは1〜3個のエチレンオキシド単位/分子を含んでもよい。
【0103】
例えば、ラウリル硫酸ナトリウム(sodium laurysulfate)、ラウリル硫酸アンモニウム(ammonium laury sulfate)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ナトリウムラウロイルサルコニセート、オレイルコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸アンモニウム、ドデシルベンゾールスルホン酸ナトリウム、トリエタノールアミドデシルベンゾールスルホネートが適する。
【0104】
適する両性界面活性剤は、例えば、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルグリシネート、アルキルカルボキシグリシネート、アルキルアンホアセテートまたはアルキルアンホプロピオネート;ココジメチルスルホプロピルベタインなどのアルキルアンホジアセテートまたはアルキルアンホジプロピオネート、ラウリルベタイン、ココアミドプロピルベタインまたはココアンホプロピオン酸ナトリウムである。
【0105】
非イオン界面活性剤の例は、例えば、直鎖または分岐のアルキル鎖の6〜20個の炭素原子を有する脂肪族アルコールまたはアルキルフェノールとエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの反応生成物である。アルキレンオキシドの量は、1モルのアルコールに対して約6〜60モルである。更に、アルキルアミンオキシド、モノアルキルアルカノールアミドまたはジアルキルアルカノールアミド、ポリエチレングリコールの脂肪エステル、アルキルポリグリコシドまたはソルビタンエステルは、本発明によるヘアケア組成物に含有させるために適する。
【0106】
更に、シャンプー配合物は、第四化アンモニウム化合物、例えば、セチルトリメチルアンモニウムクロリドまたはブロミド(INCI:セトリモニウムクロリドまたはブロミド)、ヒドロキシエチルセチルジモニウムホスフェート(INCI:クアテルニウム−44)、「ルビクアット(Luviquat)」(登録商標)Mono LS(INCI:ココトリモニウムメトスルフェート)、ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)、(オクタデシルニトリロ)トリ−2,1−エタンジイル)トリス−(ヒドロキシ)−ホスフェート)(INCI:クアテルニウム−52)などの普通のカチオン界面活性剤を含有してもよい。更に、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(INCI)などのカチオングアー誘導体はシャンプー配合物中で用いてもよい。
【0107】
真珠光沢外観を配合物に提供するために、あるいはより高価なまたはよりクリーム状の製品である印象を与えるために、ヘアケア組成物は、石鹸またはカルボン酸の塩などの乳白剤および/または真珠光沢付与物質、カチオンポリマーを含むカチオン化合物、ジメチコーン(INCI)またはアモジメチコーン(INCI)を更に含んでもよい。
【0108】
典型的なコンディショナー配合物は、
1.0.05〜10重量%のヘアポリマーと、
2.5〜95重量%の水と、
3.5〜50重量%の界面活性剤と
4.0〜5重量%の追加のコンディショニング剤と、
5.0〜10重量%の他の通例の添加剤と、
6.20重量%以下のオピオイド受容体拮抗薬と
を含んでもよい。
すべての成分は合計して100重量%になる。
【0109】
コンディショナー配合物は、第四化アンモニウム化合物、例えば、セチルトリメチルアンモニウムクロリドまたはブロミド(INCI:セトリモニウムクロリドまたはブロミド)、ステアリルベンジルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ヒドロキシエチルセチルジモニウムホスフェート(INCI:クアテルニウム−44)、「ルビクアット(Luviquat)」(登録商標)Mono LS(INCI:ココトリモニウムメトスルフェート)、ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)、(オクタデシルニトリロ)トリ−2,1−エタンジイル)トリス−(ヒドロキシ)−ホスフェート)(INCI:クアテルニウム−52)などの普通のカチオン界面活性剤およびコンディショニング剤を含有してもよい。更に、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(INCI)などのカチオングアー誘導体をコンディショナー配合物中で用いてもよい。
【0110】
他の通例の添加剤は、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セチルステアリルアルコールなどの長鎖脂肪アルコール、ジメチルステアラミンである。更に、ヘアケア組成物は、ジメチコーン、アモジメチコーン、鉱油などの脂質、またはジメチコーンコポリオールなどのシリコーン誘導体を含有してもよい。
【0111】
典型的な一時的毛染め配合物は、
1.1〜95重量%の水と、
2.0〜20重量%の界面活性剤と、
3.0〜5重量%のヘアカラーと、
4.0.5〜10%重量のヘアポリマーと、
5.0〜60重量%のアルコールと、
6.0〜10重量%の他の通例の添加剤と、
7.20重量%以下のオピオイド受容体拮抗薬と
を含んでもよい。
すべての成分は合計して100重量%になる。
【0112】
典型的な半永久的毛染め配合物は、
1.1〜95重量%の水と、
2.0〜20重量%の界面活性剤と、
3.0〜20重量%のヘアカラーと、
4.0〜20重量%の溶媒と、
5.0.5〜10重量%のヘアポリマーと、
6.0〜60重量%のアルコールと、
7.0〜10重量%の他の通例の添加剤と、
8.0〜5重量%のコンディショニング剤と、
9.0〜10重量%のpH6〜10への中和剤と、
10.20重量%以下のオピオイド受容体拮抗薬と
を含んでもよい。
すべての成分は合計して100重量%になる。
【0113】
半永久的毛染め配合物中の典型的な溶媒は、プロピレングリコール(INCI)、ベンジルアルコール;メトキシイソプロパノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテルである。
【0114】
他の通例の添加剤は、第四化アンモニウム化合物、例えば、セチルトリメチルアンモニウムクロリドまたはブロミド(INCI:セトリモニウムクロリドまたはブロミド)、ステアリルベンジルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ヒドロキシエチルセチルジモニウムホスフェート(INCI:クアテルニウム−44)、「ルビクアット(Luviquat)」(登録商標)Mono LS(INCI:ココトリモニウムメトスルフェート)、ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)、(オクタデシルニトリロ)トリ−2,1−エタンジイル)トリス−(ヒドロキシ)−ホスフェート)(INCI:クアテルニウム−52)などの、例えば、カチオン界面活性剤およびコンディショニング剤を含有してもよい。更に、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(INCI)などのカチオングアー誘導体を半永久的毛染め配合物中で用いてもよい。更に、通例の添加剤は、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セチルステアリルアルコールなどの長鎖脂肪アルコール、ジメチルステアラミンである。更に、ヘアケア組成物は、ジメチコーン、アモジメチコーン、鉱油などの脂質、またはジメチコーンコポリオール(INCI)などのシリコーン誘導体を含有してもよい。
【0115】
典型的な中和剤は、アミノメチルプロパノール(INCI)、モノエタノールアミンまたは水酸化アンモニウムである。
【0116】
典型的な永久的毛染め配合物は、
パートI:
1.1〜90重量%の水と、
2.0〜60重量%の界面活性剤と、
3.0〜30重量%の乳化剤と、
4.0〜30重量%の石鹸と、
5.0〜20重量のヘアカラーと、
6.0〜20重量%の溶媒と、
7.0〜10重量%のカチオンポリマーと、
8.0〜20重量%のアルコールと、
9.0〜20重量%の粘度調節剤と、
10.0〜10重量%の他の通例の添加剤と、
11.0〜5重量%の追加のコンディショニング剤と、
12.0〜10重量%のpH8〜11.5へのアルカリ化剤と、
13.0〜3重量%の亜硫酸水素ナトリウムなどの還元剤と、
14.20重量%以下のオピオイド受容体拮抗薬と
を含んでもよい。
すべての成分は合計して100重量%になる。
パートII:
1.0〜12重量%の過酸化水素と、
2.0〜20重量%の界面活性剤/乳化剤と、
3.0〜5重量%のモイスチャライジング剤と、
4.0〜1重量%の過酸化水素安定剤と、
5.0〜5重量%の中和剤と、
6.57〜100重量%の水と
を含んでもよい。
【0117】
[パートI:]
永久的毛染め配合物のための典型的なカチオン界面活性剤およびコンディショニング剤は、例えば、第四化アンモニウム化合物、例えば、セチルトリメチルアンモニウムクロリドまたはブロミド(INCI:セトリモニウムクロリドまたはブロミド)、ステアリルベンジルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ヒドロキシエチルセチルジモニウムホスフェート(INCI:クアテルニウム−44)、「ルビクアット(Luviquat)」(登録商標)Mono LS(INCI:ココトリモニウムメトスルフェート)、ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)、(オクタデシルニトリロ)トリ−2,1−エタンジイル)トリス−(ヒドロキシ)−ホスフェート)(INCI:クアテルニウム−52)である。更に、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(INCI)などのカチオングアー誘導体を永久的毛染め配合物中で用いてもよい。
【0118】
永久的毛染め配合物中の典型的な溶媒は、プロピレングリコール(INCI)、ベンジルアルコール;メトキシイソプロパノール、ジメチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテルである。
【0119】
典型的な界面活性剤は、シャンプー製品に関して挙げたアニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤および両性界面活性剤である。
【0120】
典型的な乳化剤は、例えば、エトキシル化脂肪アルコールである。
【0121】
典型的な石鹸は、例えば、オレイン酸アンモニウム、オレイン酸モノエタノールアミンである。
【0122】
典型的なアルカリ化剤は、例えば、水酸化アンモニウム、モノエタノールアミンである。
【0123】
典型的な粘度調節剤は、カルボマー(INCI)などのポリマーおよびセテアリルアルコール(INCI)などの脂肪アルコールである。
【0124】
典型的なカチオンポリマーは、例えばポリクアテルニウム−34である。
【0125】
他の通例の添加剤は、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セチルステアリルアルコールなどの長鎖脂肪アルコール、ジメチルステアラミンである。更に、ヘアケア組成物は、ジメチコーン、アモジメチコーン、鉱油などの脂質、またはジメチコーンコポリオール(INCI)などのシリコーン誘導体を含有してもよい。
【0126】
典型的な中和剤は、アミノメチルプロパノール(INCI)、モノエタノールアミンまたは水酸化アンモニウムである。
【0127】
[パートII:]
典型的な界面活性剤/乳化剤はエトキシル化脂肪アルコールである。
【0128】
典型的なモイスチャライジング剤は、例えば、グリセリンまたはプロピレングリコールである。
【0129】
典型的な過酸化水素安定剤は、例えば、錫酸ナトリウム、フェナセティン(INCI)である。
【0130】
典型的な中和剤は、例えばリン酸である。
【0131】
本発明を以下の実施例によって更に例示する。実施例は本発明を限定しない。
【0132】
[実施例1]
メラニン細胞を単離し、標準成人頭皮の生検から得られた毛嚢または表皮皮膚から培養する。毛嚢メラニン細胞および表皮メラニン細胞をT25プラスチック培養瓶内で最大4回目まで培養して、生体内様挙動を最大化させる。細胞を瓶に接種し、2日後に、細胞成長媒体に添加された試験物質と共に培養する。実験構成は、細胞を中で処理しない(対照)か、または中で適切な量のオピオイド拮抗薬と共に4日にわたり培養してメラニン生産に及ぼす効果を評価する瓶を含む。
【0133】
4日にわたる培養後、対照細胞と処理した細胞を集め、溶解した細胞からメラニンを抽出する。475nmで分光光度分析ODを測定し、標準化曲線に照らして計算することによりメラニンを定量化する。得られた値は1回の処理当たりに数えられる細胞の数に対して標準化され、百万個の細胞当たりのメラニン(マイクログラム)として得られる。対照として、基準IBMXおよび完全媒体を含む既知のメラニン生産を用いる。
【0134】
【表1】

【0135】
表1の結果から分かるように、オピエート拮抗薬がHFM中のメラニン含有率を大幅に増加させたのに対して、EMの場合、メラニン含有率は大幅に減少している。
【0136】
更に、毛嚢細胞の増殖およびデントリシティ(dentricity)を分析した。増殖は血球計算法を用いて直接的な細胞計数によって評価した。細胞デントリシティは代表的光文書を有する位相差顕微鏡によって評価した。結果を表2に示す。オピエート受容体拮抗薬が増殖およびデントリシティに及ぼす効果も有し、よって毛髪の白髪化の防止および/または自然な髪の色の再生および/または維持のためのオピエート受容体拮抗薬の使用を更に支持することが分かる。
【0137】
【表2】

【0138】
[実施例2]
[μ−オピオイド受容体結合検定]
陰性対照DMSO(フルカ(Fluka))または試験化合物の存在下で50mMのトリスHCl pH7.4(シグマ(Sigma))、10mMのMgCl(シグマ(Sigma))および0.2%BSA(シグマ(Sigma))中の50nM[H]DAMGO(アマーシャム(Amersham))と共に、μ−オピオイド受容体(パーキンエルマー(Perkin Elmer))を過剰発現するCHO細胞からの250μg/mlのメンブレンを2時間にわたり穏やかに振とうしつつ培養した。培養混合物をフィルタープレート(パーキンエルマー(Perkin Elmer))に移し、底から真空を利用して液体を吸引し、プレートをPBS(インビトロゲン(Invitrogen))により2回洗浄した。プレートを放置して乾燥させ、35μlのシンチレーションカクテル(「ウルチマゴールド(Ultima Gold)」、パーキンエルマー(Perkin Elmer))を添加し、密封し、シンチレーション計数のために「トップカウント(TopCount)」(パッカード(Packard))上に置いた。
【0139】
[μ−オピオイド受容体GTP−リクルートメント検定]
陰性対照DMSO(フルカ(Fluka))または試験化合物の存在下で20mMのHEPES pH7.4(シグマ(Sigma))、10mMのMgCl(シグマ(Sigma))、100mMのNaCl(フルカ(Fluka))、1μMのGDP(シグマ(Sigma))および10nMのGTP−Eu(パーキンエルマー(Perkin Elmer))中の100nMのDAMGO(シグマ(Sigma))と共に、μ−オピオイド受容体(パーキンエルマー(Perkin Elmer))を過剰発現するCHO細胞からの10μg/mlのメンブレンを1.5時間にわたり穏やかに振とうしつつ培養した。培養混合物をフィルタープレート(パーキンエルマー(Perkin Elmer))に移し、底から真空を利用して液体を吸引し、プレートをPBS(インビトロゲン(Invitrogen))により2回洗浄し、放置して乾燥させた。プレートを「アナリストリーダー(Analyst reader)」(LJL・バイオシステムズ(LJL Biosystems))の中で読んだ。
【0140】
上述した方法を用いて、以下のμ−オピオイド受容体拮抗薬を特定した。
エピガロカテキン3,5−ジガレート(37484−73−4)、イリゲノールヘキサアセテート(103652−04−6)、イリゲノールex Iris spp(4935−93−7)、ベルバミン塩酸塩(5956−76−3)、クエルセタゲチン(90−18−6)、アセチルシコニン(24502−78−1)、2’,3’,4’,3,4,−ペンタヒドロキシカルコン(484−76−4)、ベータ,ベータジメチルアクリルシコニン(24502−79−2)、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン(605−94−7)、2,3−ジメトキシ−5−メチルヒドロキノン(3066−90−8)、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン(3117−02−0)、2,3−ジメトキシヒドロキノン(52643−52−4)、デルフィニジンクロリド(528−53−0)、アウレウシジン(38216−54−5)、イソセンブロール(25269−17−4)、ロビネチン(490−31−3)。
【0141】
[実施例3:ふけ防止用シャンプー]
【0142】
【表3】

【0143】
[実施例4:コンディショナーシャンプー]
【0144】
【表4】

【0145】
[実施例5:植物エキス入りのシャンプー]
【0146】
【表5】

【0147】
[実施例6:光沢シャンプー]
【0148】
【表6】

【0149】
[実施例7:色保護のための水和シャンプー]
【0150】
【表7】

【0151】
[実施例8:極上光沢再生ヘアクリーム]
【0152】
【表8】

【0153】
[実施例9:ヘアリペアトリートメント]
【0154】
【表9】

【0155】
[実施例10:色香膏]
【0156】
【表10】

【0157】
[実施例11:絹様ヘアカクテル]
【0158】
【表11】

【0159】
[実施例12:油膜(oil sheen)モイスチャライザ]
【0160】
【表12】

【0161】
[実施例13:高光沢セットクリーム]
【0162】
【表13】

【0163】
[実施例14:ヘアジェル]
【0164】
【表14】

【0165】
[実施例15:ヘアジェル]
【0166】
【表15】

【0167】
[実施例16:ヘアジェル]
【0168】
【表16】

【0169】
[実施例17:シャワーオイル]
【0170】
【表17】

【0171】
[実施例18:半永久的毛染め配合物]
【0172】
【表18】

【0173】
[実施例19:永久的毛染め配合物]
【0174】
【表19】

【0175】
[実施例20:薬用シャンプー]
【0176】
【表20】

【0177】
[実施例21:透明シャンプー]
【0178】
【表21】

【0179】
[実施例22:水和シャンプー]
【0180】
【表22】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘアケアにおけるオピオイド受容体拮抗薬の使用。
【請求項2】
毛髪の白髪化の防止および/または自然な髪の色の再生および/または維持のための請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記オピオイド受容体拮抗薬が、オピオイド類似体、ペプチドまたはポリペプチドあるいはピペリジンである請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
前記オピオイド受容体拮抗薬がμ−オピオイド受容体の拮抗薬である請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
前記オピオイド受容体拮抗薬がオピオイド類似体である請求項4に記載の使用。
【請求項6】
前記オピオイド受容体拮抗薬が、ナロキソン、ナロキソナジン、イソセンブロール、2’,3’,4’,3,4−ペンタヒドロキシカルコン、アウレウシジンまたは2,3−ジメトキシ−5−メチルヒドロキノン、特に、ナロキソン、イソセンブロール、2’,3’,4’,3,4−ペンタヒドロキシカルコン、アウレウシジンおよび2,3−ジメトキシ−5−メチルヒドロキノンから選択される請求項4または5に記載の使用。
【請求項7】
オピオイド受容体拮抗薬と少なくとも1種の従来のキャリアとを含むヘアケア組成物。
【請求項8】
毛髪の白髪化の防止および/または自然な髪の色の再生および/または維持のための請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記オピオイド受容体拮抗薬が、オピオイド類似体、ペプチドまたはポリペプチドあるいはピペリジンである請求項7または8に記載の組成物。
【請求項10】
前記オピオイド受容体拮抗薬がμ−オピオイド受容体の拮抗薬である請求項7〜9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記オピオイド受容体拮抗薬がオピオイド類似体である請求項7〜10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
ジェル、ローション、チンキ剤、スプレー、ムース、クレンジング組成物またはフォームである請求項7〜11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記オピオイド受容体拮抗薬が、組成物の全重量を基準にして約20重量%以下の量、好ましくは少なくとも約0.0005重量%または約0.001重量%あるいは約0.005重量%の量で存在する請求項7〜12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
毛髪の白髪化の防止および/または自然な髪の色の再生および/または維持の方法であって、有効量のオピオイド受容体拮抗薬をかかる処置を必要とする人の頭皮または毛髪に塗布することを含む方法。
【請求項15】
前記オピオイド受容体拮抗薬が、オピオイド類似体、ペプチドまたはポリペプチドあるいはピペリジンである請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記オピオイド受容体拮抗薬がμ−オピオイド受容体の拮抗薬である請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記オピオイド受容体拮抗薬がオピオイド類似体である請求項14〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
毛髪の白髪化の防止および/または天然ヘアの再生および/または維持において用いることが可能である薬剤を特定する方法であって、オピオイド受容体、特にμ−オピオイド受容体を抑制する前記薬剤の活性を決定することを含む方法。

【公表番号】特表2009−534334(P2009−534334A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−505775(P2009−505775)
【出願日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際出願番号】PCT/EP2007/003431
【国際公開番号】WO2007/121916
【国際公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】