説明

オブジェクトの最適3D再構成を決定するための方法および装置

【課題】観察するオブジェクトの最適3D再構成を決定するための方法と装置を提供する。
【解決手段】オブジェクトの2個以上の二次元画像からオブジェクトの三次元表面の再現を生成するステップ10、3D再現上または使用された2D画像上に、観察するセグメントを位置づけるユーザの指示を受信するステップ20、3D再現のために使用された画像において不明瞭であったオブジェクトの詳細を見るために、最適化されたオブジェクトの少なくとも一つの透視図を、三次元再現から決定するステップ30、この決定された透視図内のオブジェクトの二次元画像と、ステップ10で使用された二次元画像の全部または一部に基づいて、オブジェクトの更新された三次元表面再現を生成するステップ40を備える、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(特に、血管造影投影から)観察するオブジェクトの最適3D再構成を決定するための方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血管造影法は、数多くの介入療法の内で通常用いられる画像化方法である。このような介入療法の間、臨床医が問題のオブジェクトについて十分な知識を得ることは、非常に重要である。例えば、脈管介入療法で、臨床医が、観察する血管ツリーの部分に関してすべての情報を有することが、重要である。例えば、ステントを分岐血管内に配置すべき際に、これは必要である。ここで、分岐血管とは、2本以上の更なる動脈または静脈に分離される主動脈または静脈のことである。
【0003】
二次元の血管造影画像化(例えば、X線)は、しばしば、分岐領域を正しく視覚化することが出来ない。特に、血管が分離するポイントと規定される、分岐の気管分岐部位置は、この分岐に1本以上の血管セグメントが重なっているため、二次元の血管造影画像化を正しく視覚化するためのチャレンジとなる。
【0004】
もし医師が、この分岐した管状オブジェクトに関する情報の全てを知っていない場合には、これは、重大な結果をもたらすことにもなる。例えば、分岐点の閉塞を見落としたりまたは過小評価したり、または間違った寸法のステントを選択する可能性がある。これは、患者に対して重篤な合併症をもたらす可能性がある。さらに、1-ステント・アプローチに加えて、2-ステント・アプローチおよび専用分岐ステントの使用のような新規な分岐ステント技術が、分岐した血管の心血管介入療法処置の間に、ますます使用されている。これらの新規な処置技術は、問題となっている管状オブジェクトの的確な情報を必要とする。検診中にオブジェクトについてこのような情報を得る一方法は、CTまたはMRシステムによって得られる高解像度容積測定画像によるものである。これらの画像化収集システムは、患者(特に、撮像される部分)を装置内に配置することを必要とし、かつ介入療法の処置のためのアクセスは、扱いにくい。また、これらの装置は大量の画像データを提供するが、この処理には時間がかかるので、観察するオブジェクトを介入療法の間に、実時間で視覚化させることが必要となる、画像化セッションの実時間の実行は非現実的である。
【0005】
実際には、介入療法は、一般に、いわゆるC-アームまたはL-アーム・タイプの血管造影X線システムによって得られる2D画像のガイダンスの下で実行される。これらのシステムは、検診中のオブジェクトの異なる方向からの、2D画像(2D投影とも呼ばれる)の獲得を可能にする。これらの異なる投影は、X線源と画像増幅器を保持するアームを患者の周囲に回転させることによって得ることができる。
【0006】
2D画像の3D再現を、2個の異なる投影で得ることは可能ではあるが、分岐した血管を3Dで再現するために用いられる2D画像が重なるために、3D再現には、分岐のまわりの血管の正確な形状について、ある程度の不確定性が残ってしまう。
【0007】
重なりに関する問題の一例は、図1に、見ることが出来る。最後の画像のみが、分岐点の真の形状を示し、これにより、気管分岐部を適切に見ることが可能になる。
【0008】
もちろん、試行錯誤により、最適投影を見い出すことはできるが、介入療法の間に得られる膨大な数の画像は、線量と造影体の使用を増大させ、かつ処理時間を極端に増大させる。これらは、患者の健康に望ましくない影響を与えることになる。
【0009】
特許文献1は、観察するオブジェクトをより適切に表すために、新規な3Dモデルを再現すべき2個の2D投影を決定する3Dモデルを使用することにより、適切な3D再現のために必要とされる透視図の数を減らすことについて臨床医の助けとなる方法を開示する。この文献は、進むべき方向は正しいが、直線の動脈セグメントが対象であり、かつ少なくとも2個の新規な投影を得るために患者の更なる照射を必要とする。
【0010】
したがって、臨床医が、検査中の分岐した管状オブジェクトに関して、最大量の画像情報を得る必要がある一方で、絶対最小値に減少させる必要がある数の画像で分岐の詳細を分析する助けとなる方法が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1280459号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2010/021025号明細書
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Whale, Oswald, Fleckによる「血管撮影図からの3D心臓の血管再現」、IEEE Computer Graphics And Applications、第16巻、第1巻、1996年1月、65〜73頁
【非特許文献2】Yoshinobu Onuma, Chrysafios Girasis, Jean-Paul Aben, Giovanna Sarno, Nicolo Piazza, Coen Lokkerbol, Marie-Angel Morel, Patrick W. Serruysによる「分岐病変のための新規な専用三次元定量的冠状動脈分析方法論」、EuroIntervention 2011;6:1-00
【非特許文献3】C. Kose 外による「空間パターンマッチング法を使用することによりX線血管撮影図画像の冠血管構造のセグメンテーション」、コンピュータおよび情報科学に関するIEEE第23回国際シンポジウム、2008、ISCIS '08、1〜6頁
【非特許文献4】V. Klema外による「特異値分解:その計算と幾つかのアプリケ-ション」、IEEE Transactions on Automatic Control, 1980年、第25巻、発行2、164〜176頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、本発明の目的は、二次元画像から、減少させた処理時間で、分離する管状オブジェクトの詳細の最適3D再現を決定しかつ患者の関連した負荷を画像化するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、以下のステップ、
a) 異なる透視図から得られた前記オブジェクトの2個以上の二次元画像から前記オブジェクトの三次元表面の再現を生成するステップと、
b) 例えば、観察する分岐のような、観察するセクションまたは領域またはボリュームを、3D再現上または1個以上の使用された2D画像上に位置づけるための指示をユーザから受信するステップと、
c) このような観察するセクションまたは領域またはボリュームを見るために、特に、3D再現のために使用された前記画像において不明瞭であった、前記観察するオブジェクトの詳細を見るために、最適化された前記オブジェクトの少なくとも1個の透視図を、前記三次元再現から決定するステップと、
d) この決定された透視図内の前記オブジェクトの二次元画像を得るステップと、
e) ステップa)で使用された前記二次元画像およびステップd)で得られた少なくとも1個の更なる画像の全部または一部に基づいて、前記オブジェクトの更新された三次元表面再現を生成するステップと、
を備える、オブジェクトの最適三次元表面の再現を決定するための方法により、この目的を達成する。
【0015】
患者に使用されるドーズ量を抑制するために、更なる投影は1回しか使用されない。さらに、観察するセクションまたは領域またはボリュームを変化させることが出来るので、オブジェクトの幾何学的形状の複雑さ(例えば、n個に分岐された管状血管の場合)を考慮して、最適透視図を決定することができる。このようにして、画像情報を失わずに、かつ患者への放射線と造影流体の露出を最小にして結果を得る上で、全ての画像に確実に最大の貢献をさせることができる。
【0016】
例えば、分岐の気管分岐部が明確に見える付加画像が、3D再現のために使用される元の画像に追加されると、分岐の正確な形状についての不確定性は最小化される。
【0017】
本発明は、適切な投影を選択して、このような付加画像を得ることを可能にする。もちろん、もしこのような付加画像が、例えば、以前の検診の間にすでに取得されているのであれば、新規な画像を取得する必要はない。すでに取得されているこのような画像は、この目的のために使用することができる。例えば、以前に取得された一群の画像から取出された正しい透視図を有する画像が、この場合に当たる。この理由から、「二次元画像を得る」と言う用語は、本明細書中と請求項においては、両方の変形例(すなわち、画像化デバイスにより新規な音像を取得すること、またはそれをストレージ・デバイスまたは媒体から選択すること)を含むように使用されている。
【0018】
更に、本発明は、すでに利用可能となった異なる投影からの一組の画像から、最適画像を選択することを可能にする。これらの画像は、分岐した血管の周りにX線構台を線形または非線形に回転させることにより、取得することができる。
【0019】
分岐した血管が、非常に複雑である場合、つまり、具体的に、三分岐または一般にN-分岐である場合、二分岐の2本の他の脚または三分岐の場合には3本の他の脚(一般のN-分岐の場合にはN本の脚)に対して垂直な位置の計算に基づいて、付加画像を追加することは、それらの接続ポイント近くでの3D再現の精度と、ディメンションが異なる血管の分析も更に改善させることができる。
【0020】
観察するセクションまたは領域またはボリュームをユーザから受信するステップは、オブジェクトの三次元再現のために使用される少なくとも1つの二次元画像における、または3D再現それ自体における、観察する領域/部分を受信することを備えることが有利である。上述したように、決定された透視図は、観察するこのようなセクションまたは領域またはボリュームに対し、不明瞭な詳細を削除または少なくとも削減する点で、最適であると考えられる。このような透視図は、オブジェクトの切断面(典型的には、観察するセクションを含む面)に実質的に直交する方向にあることが好ましい。
【0021】
好ましい実施形態によれば、このオブジェクトは、管状血管または管状血管のツリーである。この場合、観察するセクションまたは領域またはボリュームは、N-分岐(特に、二分岐)を備えることが都合がよい。N-分岐は、近位の管状器官が、N≧2であるN個の遠位管状器官に枝別れする血管またはツリーの一部である。この場合、新規な透視図の方向を、N-分岐の全ての枝にフィットしている面に実質的に直角をなすように決定することができる。
【0022】
オブジェクトまたはその一部は、三次元再現のために使用される二次元の画像のうちの少なくとも2個の画像にセグメント化されることが、好ましい。観察するセクションは、オブジェクトの三次元再現のために使用される二次元の画像上に、手動でまたは自動的に特定することができ、または3Dモデルに直接位置づけることができる。
【0023】
一実施態様によれば、少なくとも2個の二次元画像は、二分岐を示す血管造影画像である。
【0024】
一般に、本発明の方法の全てのステップは、提示される順序で厳密に考慮されるわけではなく、他のいかなる意味があるシーケンスでも同様に実行させることができる。例えば、観察するセクションを3D再現の範囲内で決定するステップは、省略することができる。この場合、3D再現全体が、更なる処理のために検討され、かつ重なりまたは他の不明瞭となるファクタにより、使用された元の2D画像内の失われている詳細に関する情報を追加する透視図を、決定することができる。
【0025】
本発明の方法は、典型的には、異なる透視図から得られた、観察するオブジェクトの二次元画像にアクセスするデータ処理システムによって、実行される。
【0026】
一改良例によると、例えば、以下の付加ステップ、
・当該ツリーのまたは前記ツリーの一部の3D中心線を定義するステップ
・前記ツリーの枝を特定するステップ
・前記ツリーまたは前記ツリーの一部分のN-分岐を特定するステップであって、N-分岐が、近位の管状器官がN≧2であるN個の遠位管状器官に枝別れする前記ツリーの一部である、ステップ
・各枝を、1個以上の領域に分割するステップであって、このような領域が、単一血管領域と分離領域と命名される2個の異なるタイプの領域であって、かつ異なる断面表面がこのような領域において定義されている、ステップ、
とを備え、
当該分離領域が、枝の近位側と、当該枝の遠位側に存在することができ、かつ、
各N-分岐が、枝の遠位分離領域と、当該枝に直接遠位であるN個の枝の近位分離領域とを備えている、
方法により、このようなツリーまたはツリーの一部の最適3D再現から開始して、再帰的に分離する管状器官のツリーまたはツリーの一部の定量分析を、提供することが出来る。
【0027】
本発明は、コンピュータのメモリに直接ロード可能なコンピュータ製品であって、かつこのコンピュータ製品をコンピュータ上で駆動させると、上で開示した方法を実行するためのソフトウェアコード部分を備える、コンピュータ製品にも関する。
【0028】
別の態様によれば、本発明は、上で開示した方法を実行するための三次元オブジェクトの二次元投影画像を処理する装置にも関する。この装置は、異なる透視図から得られたオブジェクトの少なくとも2個の二次元画像におけるまたは3D再現における観察するセグメント/領域の位置上の指示を、オプションとしてユーザから受信する手段と、オブジェクトの最適3D再現を決定するよう本発明の方法を実行するようにプログラムされた処理手段とを備える。
【0029】
このような装置を、超音波機器またはX線機器のような、画像データを取得および/または再現するために使用される機器と同一にすることが有利であろう。特に、それは、X線源と光増幅器をアームの両側にそれぞれ配置した、C-アームまたはL-アーム・タイプの血管造影装置であり、このようなアームは、異なる透視図から二次元画像を得るために、少なくとも、患者に対して回転角度と角形成角度に従って移動可能であり、この処理手段は、3D再現を更新するために使用される最適投影画像を得るためのアームの回転と角形成角度を計算するようにプログラムされている。
【0030】
一実施態様によると、この血管造影装置は、自動的にまたは半自動式にアームを回転させる駆動手段、および/または最適投影画像を得るために計算された回転及び角形成角度に従って、アームを手動で回転させるための指示をユーザに提供する表示手段を備える。
【0031】
この処理手段は、本発明の方法を実行する1個以上の専用プロセッサとすることができる。特に有利な構成では、機器の主な画像獲得機能を担う処理手段を同一またはそれの一部とし、その結果、非常にコンパクトでかつ強力な装置が得られるようにすることができる。
【0032】
更に、本発明の改良は、従属請求項の主題を形成するであろう。
【0033】
本発明の特性およびそれから得られる利点は、添付の図面に示される非限定的な実施態様の以下の記載から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】異なる透視図からの、分岐した管状オブジェクトを示す。
【図2】好ましい実施形態における本発明の主なステップのフローチャートである。
【図3】観察するセクションを規定する、重畳された楕円を有する分岐の2D画像を示す。
【図4】分岐した管状のオブジェクトの場合に最適投影として使用される面を示す簡略化されたスケッチである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図2のブロックダイヤグラムを参照して、本発明の実施態様を、記述する。
【0036】
この具体例では、観察するオブジェクト(特に、動脈の分岐または静脈の分岐のような管状オブジェクト)について、任意の少なくとも2個の投影画像を有していると仮定する。2D画像を提供することができるいかなる画像デバイスも、この目的のために使用することができる。例えば、二面または単一面の血管造影システムには、例えば、ジーメンス社(Artis zee Biplane)またはフィリップス社(Allura Xper FD)によって製造されるようなものを使用することができる。
【0037】
参照番号10によって示されるステップで、観察するオブジェクトの(本願中では3Dモデルまたは三次元表面再現とも呼ばれる)三次元再現は、2個の二次元血管造影画像を使用して作成される。これは、例えば、非特許文献1または非特許文献2に記述される方法を利用して実行される。
【0038】
図示されていないセグメンテーション・ステップを、再現ステップ10に先行させても良い。これは、非特許文献3等で知られている何れかの方法に従っても行うことができる。
【0039】
ユーザは、通常、生成された3Dモデルのより小さいセクションに興味があるので、以前に生成された3D再現で、観察するセグメントを示すことができる(ステップ20)。これは、例えば、2D画像の1画像内に、(一方が、開始点を表し、かつ他方が、求められているセグメントの終端を表す)2本のラインを示すことによって、行うことができる。N-分岐の場合、N-分岐の各枝ごとのN本のラインを使用することができる。また、例えば、図3に示されるように、観察するセクションまたはサブ・セクションを示すために、円、楕円またはいかなる他の幾何学的な図形も、使用することができる。もちろん、観察するセグメントの選択は、3Dモデルに、直接、行うことも可能である。
【0040】
観察するセグメントが特定されると、観察するセグメントの主方向に垂直となるように、投影が、決定される(ステップ30)。この垂直な投影は、3D再現から得られる分岐の異なる全ての枝を1つの面にフィットさせることによって、決定される。このフィットさせるプロセスは、例えば、非特許文献4に教示される、特異値分解を使用することにより行われる。特異値分解が使用されるマトリックスDは、行ごとに、各異なる分岐の枝を使用して構成される。特異値分解の結果は、D = U * W * VTを満足する3つのマトリックスの形を取る。Vの各行は、ax + by + cz + d = 0を満足する面を規定する4個の要素{a,b,c,d}を持つ。(図4で301と記されている)リクエストされた面は、W(j,j)が最小であるVの行jに対応する面である。
【0041】
最適透視図が、次いで、この面に対して垂直であるビューとして定義される。このビューは、Vの行jの{a,b,c}により与えられ、かつ(図4で302と記されている)面の法線に等しい。
【0042】
医師は、次いで、(彼が、既に、このような画像を、例えば、ストレージ・デバイスに有していない限り)この透視図から2D血管造影画像を取得することができる。取得された、または格納されているコレクションから選択されたこの新規な画像を使用することにより、すでに作成された3Dモデル(ステップ10)は、集められた画像情報によって改善される(ステップ40)。これは、ステップ10に対し上述した技術または類似の技術を使用して、3個の2D画像に基づいて、この時の3Dモデルを再構成することにより行われる。この更新された3Dモデルは、その情報を見いだすために費やされる時間を最小にしかつ患者への負担も最小にして、最大量のオブジェクト情報を保持する。
【0043】
この新規な3Dモデルが利用可能になると、例えば、参照によって本願明細書に組み込まれているものとする特許文献2または国際特許出願EP2010/062883号(国際公開第2012/028190号)の教示を使用することにより、この3Dモデルは、分岐の場合の、分岐角度、閉塞範囲、閉塞量、閉塞長さ等のような幾何学的なパラメータを計算するために使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクトの最適三次元表面の再現を決定するための方法であって、
a) 異なる透視図から得られた前記オブジェクトの2個以上の二次元画像から前記オブジェクトの三次元表面の再現を生成するステップと、
b) 観察するセクションまたは領域またはボリュームを前記3D再現上に位置づけるための指示を、ユーザから受信するステップと、
c) このような観察するセクションまたは領域またはボリュームを見るために、最適化された前記オブジェクトの少なくとも1個の透視図を、前記三次元再現から決定するステップと、
d) このような少なくとも1個の透視図から前記オブジェクトの二次元画像を得るステップと、
e) ステップa)で使用された前記二次元画像およびステップd)で得られた少なくとも1個の更なる画像の全部または一部に基づいて、前記オブジェクトの更新された三次元表面再現を生成するステップと、
を備える、オブジェクトの最適三次元表面の再現を決定するための方法。
【請求項2】
ステップc)において決定される前記少なくとも1個の透視図が、前記3D再現のために使用された前記画像において不明瞭であった、観察する前記オブジェクトの詳細を見るために、決定される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップ b)が、ステップa)で生成される前記オブジェクトの前記三次元再現のために使用される少なくとも1個の前記二次元画像における、観察する領域/範囲を前記ユーザから受信するステップを備え、かつ、ステップ c)が、このような観察するセクションまたは領域またはボリュームに対し、不明瞭であった詳細を削除するまたは少なくとも削減するために、少なくとも1個の最適ビューを含む透視図を決定するステップを備える、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記オブジェクトの切断面を決定するステップを、更に、備え、ステップ c)で決定される前記少なくとも一つの透視図が、このような面に実質的に垂直である、請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記切断面が、前記観察するセクションを含む前記面である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記オブジェクトが、管状血管または管状血管のツリーであって、前記観察するセクションまたは領域またはボリュームが、N-分岐(特に、二分岐)を備え、N-分岐が、近位の管状器官が、N≧2のN個の遠位管状器官に枝分かれしている、前記血管の一部または前記ツリーである、
請求項1〜5の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記N-分岐の全ての前記枝にフィットする面が、前記3D再現から決定され、ステップ c)における前記少なくとも1個の透視図が、このような面に実質的に垂直である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記フィットする面が、単一の値分解を備える方法ステップにより決定される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記観察するセクションまたは領域またはボリュームが、前記オブジェクトまたはその一部の前記全体の3D再現である、請求項1〜8の何れか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記オブジェクトまたはその一部が、前記三次元再現のために使用される少なくとも2個の前記二次元画像に分割される、請求項1〜9の何れか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記観察するセクションまたは領域または容積が、前記オブジェクトの前記三次元再現のために使用される前記二次元画像上で、手動でまたは自動的に特定される、請求項1〜10の何れか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも2個の二次元画像が、n-分岐(特に、二分岐)の一部または全体を示す血管造影画像である、請求項1〜11の何れか1項に記載の方法。
【請求項13】
管状器官を再帰的に分離するツリーまたはツリーの一部を定量分析するための方法であって、
・前記何れかの請求項に記載の方法により当該ツリーまたは当該ツリーの一部の最適3D再現を提供するステップであって、このような3D再現が、前記ツリーまたは前記ツリーの一部を形成する前記管状器官のルーメン壁の前記表面の表示をする、ステップと、
・当該ツリーのまたは前記ツリーの一部の3D中心線を規定するステップと、
・前記ツリーの枝を特定するステップと、
・前記ツリーのまたは前記ツリーの一部のN-分岐を特定するステップであって、N-分岐が、近位の管状器官がN≧2のN個の遠位管状器官に枝別れする前記ツリーの一部である、ステップと、
・各枝を1個以上の領域に分割するステップであって、このような領域が、2個の異なるタイプの、単一の血管領域と分離領域と命名されている領域で、このような領域で異なる横断面表面が規定されている、ステップと、
を備え、
当該分離領域が、枝の前記近位の側と当該枝の前記遠位側に存在することができ、かつ、
各N-分岐が、枝の前記遠位の分離領域と、当該枝に直接遠位である前記N個の枝の前記近位の分離領域とを備える
方法。
【請求項14】
デジタル・コンピュータのメモリに直接ロード可能なコンピュータ製品であり、かつ前記製品が、請求項1〜13の何れか1項に記載の方法を実行するためのソフトウエアコード部分を備える、コンピュータ製品。
【請求項15】
三次元オブジェクトの二次元投影画像を取得する装置であって、
異なる透視図から得られたオブジェクトの少なくとも2個の二次元画像におけるまたは3D再現における観察するセグメント/領域の位置上の指示を、ユーザから受信する手段と、オブジェクトの最適3D再現を決定するよう請求項1〜13の何れか1項に記載の方法を実行するようにプログラムされた処理手段と、
を備える、装置。
【請求項16】
X線源と光増幅器をアームの両側にそれぞれ配置した、C-アームまたはL-アーム・タイプの血管造影装置であって、このようなアームが、異なる透視図から二次元画像を得るために、少なくとも、患者に対して回転角度と角形成角度に従って移動可能であり、前記処理手段が、最適投影画像を得るための前記アームの回転と角形成角度を計算するようにプログラムされている、
請求項15に記載の装置。
【請求項17】
自動的にまたは半自動式に前記アームを回転させる駆動手段、および/または
最適投影画像を得るために計算された回転及び角形成角度に従って、前記アームを手動で回転させるための指示をユーザに提供する表示手段、
を備える、請求項16に記載の装置。

【図2】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−59623(P2013−59623A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−200725(P2012−200725)
【出願日】平成24年9月12日(2012.9.12)
【出願人】(504048537)パイ メディカル イメージング ビー ヴイ (4)
【氏名又は名称原語表記】PIE MEDICAL IMAGING B.V.
【Fターム(参考)】