説明

オレフィン重合方法

次の工程:a)1以上のアルファ−オレフィンをメタロセンベースの触媒系と、ループ状反応釜中で連続的に接触させ、(i)そこで反応は、液状媒体中で行われる;(ii)メタロセンベースの触媒系の平均滞留時間は、30分より多くない;(iii)温度は25〜70℃の範囲であり;触媒系のg当り60〜500gの範囲の重合度を得;b)工程a)で得た予備重合したメタロセンベースの触媒系を重合反応釜に連続的に供給し、;c)工程a)で使用されるアルファ−オレフィンと同一または異なる1以上のアルファ−オレフィンを、前記予備重合したメタロセンベースの触媒系の存在下で重合させることからなる、式CH2=CHT(式中、Tは水素原子またはC1〜C20アルキル基である)の1以上のアルファ−オレフィンの重合方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、メタロセンベースの触媒の存在下で連続的に行われる重合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、アルファ−オレフィン類の重合へのメタロセンベースの触媒系の使用が提案されている。これらの最近開発された触媒系の工業的実施は、各種の利点にもかかわらず、その系に関連した欠点で遅れている。このような欠点の1つは、これらの触媒系が工業用プラントで使用されるとき、汚れが重合反応釜でしばしば観察されることである。
【0003】
汚れは、ポリマー粒子が、重合反応釜の壁と機械部品に付着したときに起こる。これは重合方法と、良好な粒子形態と嵩密度を有するポリマーの生産に有害な多くの重大な問題となる。
【0004】
メタロセン触媒系の多様な改質が、反応釜の汚れを減少し、かつ/また重合製品の形態を改良すべく報告されている。触媒系成分を多孔質担体に支持することおよび/または触媒系の予備重合が2つのこのような方法である。
【0005】
一般に、予備重合処理は、支持された触媒系粒子の早期の破断を防止することにより汚れの出現を減少すると考えられる。粒子の早期破断は、微粉の形成をし、これが反応釜の汚れの原因となるポリマー層として反応釜の壁に付着すると考えられる。予備重合中、ポリマーの保護シェルが主に触媒粒子の周りに形成され、これが破断を防止すると考えられる。この保護シェルが、触媒系成分、特にアルモキサンの解離を防止し、さもなくば反応釜の表面に移行しポリマーの形成を開始するとも考えられる。加えて、予備重合は、早期の触媒活性速度定数を減少し、それにより活性部位とモノマーとの間の拡散障壁を形成して早期の過熱を避ける。
【0006】
予備重合は、一般にバッチ式で行われ、これが予備重合した触媒を重合反応釜に、付加的反応装置、溶剤とモノマーなしで工業的スケールで注入することを困難にしている。
【0007】
例えば、米国特許第5,654,248号は、予備重合したメタロセンベースの触媒系を記載している。全ての実施例で、触媒は、メタロセンベース触媒系をバッチ式に予備重合に付して得られている。
【0008】
WO97/02297号は、予備重合し支持されたメタロセン触媒系を形成する方法に関し、その方法は、支持されたメタロセン触媒系をオレフィンモノマーの存在下に予備重合し、そこで予備重合前の支持された触媒系は、支持された触媒系の全体の孔容量に等しいか少ない液体量を含む工程からなる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本出願人は、予備重合処理を特別の条件下、ループ状反応釜中で連続的に行うことができ、予備重合したメタロセンベースの触媒系を工業プラントに簡単によりコスト効率的に供給させ、かつ結果的に優れた形態特徴を有するポリオレフィンの連続生産をさせ、重合反応釜中の汚れを減少させることを見出した。
【0010】
この発明は、次の工程:
a)1以上のアルファ−オレフィンをメタロセンベースの触媒系と、ループ状反応釜中で連続的に接触させ、
(i)そこで反応は、液状媒体中で行われる
(ii)メタロセンベースの触媒系の平均滞留時間は、30分より多くない
(iii)温度は25〜70℃の範囲であり、
触媒系のg当り60〜500gの範囲の重合度を得、
b)かくして得た予備重合した触媒系を重合反応釜に連続的に供給し、
c)工程a)で使用されるアルファ−オレフィンと同一または異なる1以上のアルファ−オレフィンを、前記予備重合したメタロセンベースの触媒系の存在下で重合させる
ことからなる1以上のアルファ−オレフィンの重合方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
この発明によれば、予備重合工程は、液状媒体の存在下、ループ状反応釜中で行われる(a−i)。液状アルファ−オレフィンモノマー(類)が任意に不活性炭化水素溶剤の存在下に、工程a)の液状媒体の成分として使用できる。この炭化水素溶剤としては、芳香族(例、トルエン)または脂肪族(例、プロパン、ヘキサン、イソブタン、シクロヘキサンと2,2,4−トリメチルペンタン)の何れかであることができる。予備重合は、重合媒体の主成分(バルク重合)として液体状態の前記アルファ−オレフィンの1以上を使用して行うのが好ましい。炭化水素溶剤の量は、(もしあれば)アルファ−オレフィンの量に対して0.1重量%〜90重量%、好ましくは10重量%〜50重量%の範囲である。
【0012】
予備重合工程a)は水素の存在下で行うので好ましい。水素を使用したとき、ループ状反応釜中で存在の水素の量は、5〜1000ppmが好ましく、20〜500ppmがより好ましい範囲である。
【0013】
予備重合したメタロセンベースの触媒系を含有するポリマースラリーは、上に示した滞留時間の後で、ループ状反応釜の出口で得られる。平均滞留時間(a−ii)は、ループ状反応釜の容量と、ループ状反応釜から排出されるポリマースラリーの容積流量(volumetric rate)の比として定義される。このパラメータは、ループ状反応釜からのポリマースラリーの押出量の増加と減少によって修飾できる。その時間は20分より長くないのが好ましく、15分より長くないのがより好ましい。
【0014】
ループ状反応釜の温度(a−iii)は予備重合温度で、30℃〜65℃が好ましく、35℃〜60℃がより好ましい。
予備重合したメタロセンベースの触媒系の重合度は、触媒系のg当り70〜350gが好ましく、触媒系のg当り100〜250gがより好ましく、触媒系のg当り100〜190gがさらにより好ましい範囲である。
【0015】
上で示した範囲外の温度は、この発明の方法の利点を与えないことが証明されている(比較実施例参照)。事実、ループ状予備重合反応釜の使用と共に、これらの方法パラメータ(滞留時間と温度)の最適バランスが、逐次重合工程での反応釜の汚れを避けることが可能になる。
この発明のさらなる利点は、得られたポリマーの最適形態学である。その上、この発明の連続方法は、バッチの予備重合工程を含む重合方法に関して管理をより容易し、コスト効率をより上げる。
【0016】
重合工程c)は、当該技術で知られた重合反応釜を使用して、気相と液相の両方で行うことができる。したがって、流動床反応釜または撹拌床反応釜中の気相重合、ならびに連続撹拌タンク反応釜またはループ状反応釜中の液相重合がこの発明の範囲である。また、重合工程c)は、一連に結合した1以上の反応釜中で行うことができる。重合工程c)は0.5と6MPaの間の圧と30と130℃の間の温度で一般に行われる。
【0017】
この発明による方法は、式CH2=CHT(式中、Tは水素原子またはC1〜C20アルキル基である)のアルファ−オレフィンの単独重合または共重合に、任意にポリエンと共重合されるのに適する。
【0018】
この発明の方法に使用できる式CH2=CHTのアルファ−オレフィンの限定されない例は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4,6−ジメチル−1−ヘプテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンと1−エイコセンである。
【0019】
この発明によるコポリマー中でさらなるコモノマーとして使用できるポリエンは、次のクラスが含まれる。
−環化重合し得る非共役ジオレフィン、例えば、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン;
−不飽和モノマー単位を与え得るジエン、特に共役ジエン、例えば、ブタジエンとイソプレン、および線状非共役ジエン、例えば、トランス1,4−ヘキサジエン、シス1,4−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエンおよび11−メチル−1,10−ドデカジエンと5−エチリデン−2−ノルボルネンのような環状非共役ジエン。
【0020】
この発明の方法で製造できるポリマーの例は、高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレンとプロピレンとのおよびエチレンまたはプロピレンと他のα−オレフィンとのランダムコポリマー(RACO)、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、異相コポリマー(HECO)である。
【0021】
この発明の方法は、コモノマーがエチレンまたは式CH2=CHT1(式中、T1はC2〜C20アルキル基である)のアルファ−オレフィンと任意にポリエンであるプロピレンの単独重合または共重合に特に適する。特に好ましいコモノマーは、エチレン、1−ブテンと1−ヘキセンである。特にこの発明の方法で、プロピレンホモポリマーと50モル%までのコモノマー、好ましくは20モル%までのコモノマーを含有するプロピレンコポリマーを得ることができる。このコポリマーは、上記したごときポリエンから誘導された単位を任意に含むことができる。ポリエン誘導単位があるとき、もしあれば、その量は20モル%までが好ましく、かつ10モル%までがより好ましい。
用語、メタロセンで、この発明の目的のため、少なくとも1つのπ結合を含有する遷移金属化合物を意図する。
【0022】
メタロセンベースの触媒系は、
a)少なくとも、少なくとも1つのπ結合を含有する遷移金属化合物、
b)少なくとも、アルモキサンまたはアルキルメタロセンカチオンを形成し得る化合物と
c)任意に、有機アルミニウム化合物
とを接触させて得るのが好ましい。
【0023】
メタロセンベースの触媒は、適宜不活性担体に支持できる。これは、遷移金属化合物a)またはそれと成分b)との反応の生成物、または成分b)次いで遷移金属化合物a)を不活性支持体、例えば、WO95/32995に記載されたもののようなシリカ、アルミナ、Al−Si、Al−Mg混合酸化物、多孔質マグネシウムハライド、スチレン/ジビニルベンゼンコポリマーあるいはポリエチレンもしくはポリプロピレンのような多孔質ポリオレフィンに堆積させて達成される。支持体の他の適するクラスは、活性水素原子を有する基で官能化さした多孔質有機支持体である。このタイプの支持体のEP633272に記載されている。
【0024】
支持化方法は、一般に、トルエン、エキサン、ペンタンとプロパンから選択された炭化水素のような不活性溶剤中、0℃〜100℃の範囲の温度で行われる。
特に適する触媒系を支持する方法は、WO01/44319に記載され、その方法は、
(a)溶解性触媒成分からなる触媒溶液を作り、
(b)(i)粒子形態の多孔質支持材と、(ii)導入した多孔質支持材の全体の孔容量より大きくない触媒溶液の容量を接触容器に導入し、
(c)接触容器から工程(b)からの生成する材料を排出し、かつ溶剤が蒸発するような条件下で、その材料を不活性ガス流中に懸濁し、かつ
(d)工程(c)からの材料の少なくとも一部を、導入した材料の全体の孔容量より大きくない触媒溶液の他の容量と共に、接触容器に再導入する工程からなる。
【0025】
メタロセン化合物の好ましいクラスは、次の式(I)、(II)または(III)に属するものである。
【0026】
【化1】

【0027】
式中
Mは、元素の周期律表の族4、5またはランタニドもしくはアクチニド族に属する遷移金属であり、Mは、ジルコニウム、チタニウムまたはハフニウムが好ましい;
置換分Xは、互いに同一または異なり、水素、ハロゲン、R6、OR6、OCOR6、SR6、NR26とPR26(式中、R6は任意に1以上のSiまたはGe原子を含有する、線状あるいは分枝状、飽和あるいは不飽和のC1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アルキルアリールまたはC7〜C20アリールアルキル基である)からなる群から選択されたモノアニオン性シグマリガンドであり、置換分Xは、同一が好ましく、かつR6、OR6とNR26(式中、R6は任意に1以上のSiまたはGe原子を含有するC1〜C7アルキル、C6〜C14アリールまたはC7〜C14アリールアルキル基が好ましい)が好ましい;より好ましくは置換分Xは、−Cl、−Br、−Me、−Et、−n−Bu、−sec−Bu、−Ph、−Bz、−CH2SiMe3、−OEt、−OPr、OBu、−OBzと−NMe2からなる群から選択される;
【0028】
Pは、金属Mの酸化状態マイナス2に等しい整数である;
Lは、任意に元素の周期律表の族13〜17に属するヘテロ原子を含有する、C1〜C20アルキリデン、C3〜C20シクロアルキリデン、C6〜C20アリーリデン、C7〜C20アルキルアリーリデン、C7〜C20アリールアルキリデン基とSiMe2、SiPh2のような5つまでの珪素原子を含有するシリリデン基から選択された2価の橋状基であり;Lは、2価の基(ZR7m)n(式中、ZはC、Si、Ge、NまたはPであり、R7基は互いに同一または異なり、水素、線状あるいは分枝状、飽和あるいは不飽和C1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アルキルアリールまたはC7〜C20アリールアルキル基、または2つのR1は脂肪族または芳香族C4〜C7環を形成でき;mは、1または2であり、より詳しくはZがNまたはPのとき1で、ZがC、SiまたはGeのとき2であり;nは、1〜4の整数であり、nは1または2が好ましい)が好ましい;LはSi(CH3)2、SiPh2、SiPhMe、SiMe(SiMe3)2、CH2、(CH2)2、(CH2)3またはC(CH3)2から選択されるのがより好ましい;
【0029】
Aは、NR8、OまたはS基(式中、R8は任意に元素の周期律表の族13〜17に属する1以上のヘテロ原子を含有するC1〜C20炭化水素基であり、R8は任意に元素の周期律表の族13〜17に属する1以上のヘテロ原子を含有する線状あるいは分枝状、環状あるいは非環式のC1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、C6〜C20アリール、C7〜C20アルキルアリールまたはC7〜C20アリールアルキル基が好ましく、R8はt−ブチル基がより好ましい)である;
【0030】
1、R2、R3、R4とR5は、互いに同一または異なり、水素原子、ハロゲン原子、または任意に元素の周期律表の族13〜17に属する1以上のヘテロ原子を含有する線状あるいは分枝状、飽和あるいは不飽和のC1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アルキルアリールまたはC7〜C20アリールアルキル基、または2の隣接するR1、R2、R3、R4とR5は、任意に周期律表の族13〜17に属するヘテロ原子を含有する1以上の3〜7員環を形成し、例えばシクロペンタジエニル分子を形成し、例えば次の基:インデニル;モノ、ジ、トリとテトラ−メチルインデニル;2−メチルインデニル、3−t−ブチルインデニル、2−イソプロピル−4−フェニルインデニル、2−メチル−4−フェニルインデニル、2−メチル−4,5−ベンゾインデニル;3−トリメチルシリルインデニル;4,5,6,7−テトラヒドロインデニル;フルオレニル;5,10−ジヒドロインデノ〔1,2−b〕インドール−10−イル;N−メチルまたはN−フェニル−5,10−ジヒドロインデノ〔2,1−b〕インドール−10−イル;5,10−ジヒドロインデノ〔1,2−b〕インドール−6−イル;N−メチルまたはN−フェニル−5,10−ジヒドロインデノ〔2,1−b〕インドール−6−イル;アザペンタレン−4−イル;チアペンタレン−4−イル;アザペンタレン−6−イル;チアペンタレン−6−イル、モノ、ジとトリ−メチルアザペンタレン−4−イル、2,5−ジメチル−シクロペンタ〔1,2−b:4,3−b’〕−ジチオフェンである。
【0031】
式(I)(II)と(III)に属する化合物の限定されない例は、次の化合物(可能なとき、それらのメソまたはラセミ異性体の何れか、またはその混合物)である。
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
(シクロペンタジエニル)(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(フルオレニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1−メチル−3−n−ブチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
【0032】
ジメチルシランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイルビス(4−ナフチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイルビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4−t−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイルビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、
【0033】
ジメチルシランジイルビス(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイルビス(2,4,6−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイルビス(2,5,6−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
メチル(フェニル)シランジイルビス(2−メチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)−ジルコニウムジクロリド、
メチル(フェニル)シランジイルビス(2−メチル−4−イソプロピルインデニル)−ジルコニウムジクロリド、
【0034】
1,2−エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
1,2−エチレンビス(4,7−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
1,2−エチレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド
1,4−ブタンジイルビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
1,2−エチレンビス(2−メチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
1,4−ブタンジイルビス(2−メチル−4−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
1,4−ブタンジイルビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、
1,2−エチレンビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、
【0035】
〔4−(η5−シクロペンタジエニル)−4,6,6−トリメチル(η5−4,5−テトラヒドロ−ペンタレン)〕ジメチルジルコニウム
〔4−(η5−3’−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)−4,6,6−トリメチル(η5−4,5−テトラヒドロペンタレン)〕ジメチルジルコニウム、
(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタン−ジメチルチタニウム、
(メチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシリル−ジメチルチタニウム、
(メチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイル−ジメチルチタニウム、
(t−ブチルアミド)−(2,4−ジクロリド−2,4−ペンタジエン−1−イル)ジメチルシリル−ジメチルチタニウム、
ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
【0036】
メチレン(3−メチル−シクロペンタジエニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−〔1,2−b:4,3−b’〕ジチオフェン)ジルコニウムジクロリド、
メチレン(3−イソプロピル−シクロペンタジエニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−〔1,2−b:4,3−b’〕ジチオフェン)ジルコニウムジクロリド、
メチレン(2,4−ジクロリド−シクロペンタジエニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−〔1,2−b:4,3−b’〕ジルコニウムジクロリド
メチレン(2,3,5−トリメチル−シクロペンタジエニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−〔1,2−b:4,3−b’〕ジチオフェン)ジルコニウムジクロリド、
【0037】
メチレン−1−(インデニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−〔1,2−b:4,3−b’〕ジチオフェン)ジルコニウムジクロリドおよびジクロリド、
メチレン−1−(インデニル)−7−(2,5−ジトリメチルシリルシクロペンタジエニル−〔1,2−b:4,3−b’〕ジチオフェン)ジルコニウムジクロリド、
メチレン−1−(3−イソプロピル−インデニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−〔1,2−b:4,3−b’〕ジチオフェン)ジルコニウムジクロリド、
メチレン−1−(2−メチル−インデニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−〔1,2−b:4,3−b’〕ジチオフェン)ジルコニウムジクロリド、
メチレン−1−(テトラヒドロインデニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−〔1,2−b:4,3−b’〕ジチオフェン)ジルコニウムジクロリド、
【0038】
メチレン(2,4−ジクロリド−シクロペンタジエニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−〔1,2−b:4,3−b’〕ジオキサゾール)ジルコニウムジクロリド、
メチレン(2,3,5−トリメチル−シクロペンタジエニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−〔1,2−b:4,3−b’〕ジオキサゾール)ジルコニウムジクロリド、
メチレン−1−(インデニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−〔1,2−b:4,3−b’〕ジオキサゾール)ジルコニウムジクロリドおよびジクロリド、
【0039】
イソプロピリデン(3−メチル−シクロペンタジエニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−〔1,2−b:4,3−b’〕ジチオフェン)ジルコニウムジクロリド、
イソプロピリデン(2,4−ジクロリド−シクロペンタジエニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−〔1,2−b:4,3−b’〕ジチオフェン)ジルコニウムジクロリド、
イソプロピリデン(2,4−ジエチル−シクロペンタジエニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−〔1,2−b:4,3−b’〕ジチオフェン)ジルコニウムジクロリド、
イソプロピリデン(2,3,5−トリメチル−シクロペンタジエニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−〔1,2−b:4,3−b’〕ジチオフェン)ジルコニウムジクロリド、
イソプロピリデン−1−(インデニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−〔1,2−b:4,3−b’〕ジチオフェン)ジルコニウムジクロリド、
イソプロピリデン−1−(2−メチル−インデニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−〔1,2−b:4,3−b’〕ジチオフェン)ジルコニウムジクロリド、
【0040】
ジメチルシランジイル−1−(2−メチル−インデニル)−7−(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル−〔1,2−b:4,3−b’〕ジチオフェン)ハフニウムジクロリド、
ジメチルシランジイル(3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイル(3−イソプロピル−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイル(3−メチル−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイル(3−エチル−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0041】
1−2−エタン(3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
1−2−エタン(3−イソプロピル−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
1−2−エタン(3−メチル−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
1−2−エタン(3−エチル−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0042】
ジメチルシランジイルビス−6−(3−メチルシクロペンタジエニル−〔1,2−b〕チオフェン)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイルビス−6−(4−メチルシクロペンタジエニル−〔1,2−b〕チオフェン)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイルビス−6−(4−イソプロピルシクロペンタジエニル−〔1,2−b〕−チオフェン)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイルビス−6−(4−t−ブチルシクロペンタジエニル−〔1,2−b〕−チオフェン)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイルビス−6−(3−イソプロピルシクロペンタジエニル−〔1,2−b〕−チオフェン)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイルビス−6−(3−フェニルシクロペンタジエニル−〔1,2−b〕チオフェン)ジルコニウムジクロリド、
【0043】
ジメチルシランジイルビス−6−(2,5−ジクロリド−3−フェニルシクロペンタジエニル−〔1,2−b〕−チオフェン)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシランジイルビス−6−〔2,5−ジクロリド−3−(2−メチルフェニル)シクロペンタジエニル−〔1,2−b〕−チオフェン〕ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイルビス−6−〔2,5−ジクロリド−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)シクロペンタジエニル−〔1,2−b〕−チオフェン〕ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイルビス−6−〔2,5−ジクロリド−3−メシチレンシクロペンタジエニル−〔1,2−b〕−チオフェン〕ジルコニウムジクロリド、
【0044】
ジメチルシランジイルビス−6−(2,4,5−トリメチル−3−フェニルシクロペンタジエニル−〔1,2−b〕−チオフェン)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイルビス−6−(2,5−ジエチル−3−フェニルシクロペンタジエニル−〔1,2−b〕−チオフェン)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイルビス−6−(2,5−ジイソプロピル−3−フェニルシクロペンタジエニル−〔1,2−b〕−チオフェン)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイルビス−6−(2,5−ジ−t−ブチル−3−フェニルシクロペンタジエニル−〔1,2−b〕−チオフェン)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイルビス−6−(2,5−ジトリメチルシリル−3−フェニルシクロペンタジエニル−〔1,2−b〕−チオフェン)ジルコニウムジクロリド、
【0045】
ジメチルシランジイルビス−6−(3−メチルシクロペンタジエニル−〔1,2−b〕−シロル(silole))ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイルビス−6−(3−イソプロピルシクロペンタジエニル−〔1,2−b〕−シロル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイルビス−6−(3−フェニルシクロペンタジエニル−〔1,2−b〕−シロル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイルビス−6−(2,5−ジクロリド−3−フェニルシクロペンタジエニル−〔1,2−b〕−シロルジルコニウムジクロリド、
【0046】
ジメチルシランジイルビス−6−〔2,5−ジクロリド−3−(2−メチルフェニル)シクロペンタジエニル−〔1,2−b〕−シロル〕ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイルビス−6−〔2,5−ジクロリド−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)シクロペンタジエニル−〔1,2−b〕−シロル〕ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイルビス−6−〔2,5−ジクロリド−3−メシチレンシクロペンタジエニル−〔1,2−b〕−シロル〕ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイルビス−6−(2,4,5−トリメチル−3−フェニルシクロペンタジエニル−〔1,2−b〕−シロル)ジルコニウムジクロリド、
【0047】
〔ジメチルシリル(t−ブチルアミド)〕〔テトラメチルペンタジエニル〕チタニウムジクロリド、
〔ジメチルシリル(t−ブチルアミド)〕〔1−インデニル〕チタニウムジクロリド、
〔ジメチルシリル(t−ブチルアミド)〕〔9−フルオレニル〕チタニウムジクロリド、
〔ジメチルシリル(t−ブチルアミド)〕〔(N-メチル−1,2−ジヒドロシクロペンタ〔2,1−b〕インドール−2−イル)〕チタニウムジクロリド、
〔ジメチルシリル(t−ブチルアミド)〕〔(6−メチル−N−メチル−1,2−ジヒドロシクロペンタ〔2,1−b〕インドール−2−イル)〕チタニウムジクロリド、
〔ジメチルシリル(t−ブチルアミド)〕〔(6−メトキシ−N−メチル−1,2−ジヒドロシクロペンタ〔2,1−b〕インドール−2−イル)〕チタニウムジクロリド、
【0048】
〔ジメチルシリル(t−ブチルアミド)〕〔(N-エチル−1,2−ジヒドロシクロペンタ〔2,1−b〕インドール−2−イル)〕チタニウムジクロリド、
〔ジメチルシリル(t−ブチルアミド)〕〔(N−フェニル−1,2−ジヒドロシクロペンタ〔2,1−b〕インドール2−イル)〕チタニウムジクロリド、
〔ジメチルシリル(t−ブチルアミド)〕〔(6−メチル−N−フェニル−1,2−ジヒドロシクロペンタ〔1,2−b〕インドール−2イル)〕チタニウムジクロリド、
〔ジメチルシリル(t−ブチルアミド)〕〔(6−メトキシ−N−フェニル−1,2−ジヒドロシクロペンタ〔2,1−b〕インドール−2−イル)〕チタニウムジクロリド、
【0049】
〔ジメチルシリル(t−ブチルアミド)〕〔(N−メチル−3,4−ジクロリド−1,2−ジヒドロシクロペンタ〔2,1−b〕インドール−2−イル)〕チタニウムジクロリド、
〔ジメチルシリル(t−ブチルアミド)〕〔(N−エチル−3,4−ジクロリド−1,2−ジヒドロシクロペンタ〔2,1−b〕インドール−2−イル)〕チタニウムジクロリド、
〔ジメチルシリル(t−ブチルアミド)〕〔(N−フェニル−3,4−ジクロリド−1,2−ジヒドロシクロペンタ〔2,1−b〕インドール−2−イル)〕チタニウムジクロリド、
【0050】
ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4−p−t−ブチルフェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイル(2−イソプロピル−4−p−t−ブチルフェニルインデニル)(2−メチル−4−p−t−ブチルフェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイル(2−イソプロピル−4−p−t−ブチルフェニルインデニル)(2−メチル−4−p−t−ブチル−7−メチルフェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ならびに対応するジルコニウムジメチル、ヒドロクロロジヒドロとη4-ブタジエン化合物。
【0051】
式(I)、(II)または(III)に属する適するメタロセン錯体は、WO98/22486、WO99/58539、WO99/24446、USP5,556,928、WO96/22995、EP−485822、EP−485820、USP5,324,800、EP−A−0129368、USP5,145,819、EP−A−0485823、WO01/47939、WO01/44318、PCT/EP02/13552、EP−A−0416815、EP−A−0420436、EP−A−0671404、EP−A−0643066とWO−A91/04257に記載されている。
【0052】
成分b)として使用されるアルモキサン類は、水と、式HjAlU3-jまたはHjAl26-j(式中、U置換分は同一または異なり、水素原子;ハロゲン原子;珪素またはゲルマニウム原子を任意に含有するC1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アルキルアリールまたはC7〜C20アリールアルキル基であり、但し、少なくとも1つのUはハロゲンとは異なり、jは0から1の範囲で、非整数でもある)の有機アルミニウム化合物を反応させて得ることができる。
この反応でAl/水のモル比は1:1と100:1の間であるのが好ましい。
【0053】
アルミニウムとメタロセンの金属とのモル比は、一般的に約10:1と約30000:1の間で、約100:1と約5000:1の間が好ましい。
【0054】
この発明による触媒に使用されるアルモキサン類は、
【化2】

(式中、置換分Uは同一または異なり、上で定義されている)
タイプの少なくとも1つの基を含有する線状、分枝状または環状化合物と考えられる。
【0055】
特に、式:
【化3】

(式中、n1は0または1から40の整数であり、U置換分は上で定義されている)
のアルモキサン類が線状化合物の場合に使用でき、式:
【0056】
【化4】

(式中、n2は2〜40の整数であり、U置換分は上で定義されている)
のアルモキサン類が、環状化合物の場合に使用できる。
【0057】
この発明により使用に適するアルモキサン類の例は、メチルアルモキサン(MAO)、テトラ(イソブチル)アルモキサン(TIBAO)、テトラ(2,4,4−トリメチルペンチル)アルモキサン(TIOAO)、テトラ(2,3−ジメチルブチル)アルモキサン(TDMBAO)とテトラ(2,3,3−トリメチルブチル)アルモキサン(TTMBAO)である。
特に興味ある助触媒は、アルキルとアリール基が特異分枝パターンを有するWO99/21899とWO01/21674に記載のものである。
【0058】
WO99/21899とWO01/21674に記載された水と反応して適するアルモキサン類(b)を与えることができるアルミニウム化合物の限定されない例は、次のものである。
トリス(2,3,3−トリメチル−ブチル)アルミニウム、トリス(2,3−ジメチル−ヘキシル)アルミニウム、トリス(2,3−ジメチル−ブチル)アルミニウム、トリス(2,3−ジメチル−ペンチル)アルミニウム、トリス(2,3−ジメチル−ヘプチル)アルミニウム、トリス(2−メチル−3−エチル−ペンチル)アルミニウム、トリス(2−メチル−3−エチル−ヘキシル)アルミニウム、トリス(2−メチル−3−エチル−ヘプチル)アルミニウム、トリス(2−メチル−3−プロピル−ヘキシル)アルミニウム、トリス(2−エチル−3−メチル−ブチル)アルミニウム、トリス(2−エチル−3−メチル−ペンチル)アルミニウム、トリス(2,3−ジエチル−ペンチル)アルミニウム、トリス(2−プロピル−3−メチル−ブチル)アルミニウム、トリス(2−イソプロピル−3−メチル−ブチル)アルミニウム、トリス(2−イソブチル−3−メチル−ペンチル)アルミニウム、
【0059】
トリス(2,3,3−トリメチル−ペンチル)アルミニウム、トリス(2,3,3−トリメチル−ヘキシル)アルミニウム、トリス(2−エチル−3,3−ジメチル−ブチル)アルミニウム、トリス(2−エチル−3,3−ジメチル−ペンチル)アルミニウム、トリス(2−イソプロピル−3,3−ジメチル−ブチル)アルミニウム、トリス(2−トリメチルシリル−プロピル)アルミニウム、トリス(2−メチル−3−フェニル−ブチル)アルミニウム、トリス(2−エチル−3−フェニル−ブチル)アルミニウム、トリス(2,3−ジメチル−3−フェニル−ブチル)アルミニウム、トリス(2−フェニル−プロピル)アルミニウム、
【0060】
トリス〔2−(4−フルオロ−フェニル)−プロピル〕アルミニウム、トリス〔2−(4−クロロ−フェニル)−プロピル〕アルミニウム、トリス〔2−(3−イソプロピル−フェニル)−プロピル〕アルミニウム、トリス(2−フェニル−ブチル)アルミニウム、トリス(3−メチル−2−フェニル−ブチル)アルミニウム、トリス(2−フェニル−ペンチル)アルミニウム、トリス〔2−(ペンタフルオロフェニル)−プロピル〕アルミニウム、トリス〔2,2−ジフェニル−エチル〕アルミニウムおよびトリス〔2−フェニル−2−メチル−プロピル〕アルミニウム、ならびに炭化水素基の1つが水素に置換されている対応する化合物と炭化水素基の1つまたは2つがイソブチル基に置換されている対応する化合物。
【0061】
上記アルミニウム化合物の中で、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)、トリス(2,4,4−トリメチル−ペンチル)アルミニウム(TIOA)、トリス(2,3−ジメチルブチル)アルミニウム(TDMBA)とトリス(2,3,3−トリメチルブチル)アルミニウム(TIMBA)が好ましい。
特に興味ある助触媒はWO00/24787に記載されたものもある。
【0062】
アルキルメタロセンカチオンを形成し得る化合物の限定されない例は、式D+-(式中、D+はプロトンを供給し、式(I)のメタロセンの置換分Xと不可逆的に反応し得るブロンステド酸であり、E-は2つの化合物の反応に由来する活性触媒種を安定化でき、かつオレフィン系モノマーで除去されるのに十分に活性である相溶性アニオンである)の化合物である。
【0063】
アニオンE-は、1以上の硼素原子からなるのが好ましい。アニオンE-は、式BAr4(-)(式中、置換分Arは同一または異なって、フェニル、ペンタフルオロフェニルまたはビス(トリフルオロメチル)フェニルのようなアリール基である)のアニオンであるのがより好ましい。WO91/02012に記載された、テトラキス−ペンタフルオロフェニルボレートが特に好ましい化合物である。その上、式BAr3の化合物が簡便に使用できる。このタイプの化合物は、例えば国際特許出願WO92/00333に記載されている。
【0064】
アルキルメタロセンカチオンを形成し得る化合物の他の例は、式BAr3P(式中、Pは置換または非置換ピロール基である)の化合物である。これらの化合物は、WO01/62764に記載されている。硼素原子を含有する化合物は、DE−A−19962814とDE−A−19962910の記述にしたがって簡便に支持できる。硼素原子を含有する全てのこれらの化合物は、硼素とメタロセンの金属のモル比が約1:1と約10:1、好ましくは1:1と2:1の間、より好ましくは約1:1で使用できる。
【0065】
式D+-の化合物の限定されない例は、
トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(フェニル)ボレート、
トリメチルアンモニウムテトラ(トリル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(トリル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)アルミネート
トリプロピルアンモニウムテトラ(ジメチルフェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(トリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(4−フルオロフェニル)ボレート、
【0066】
N,N−ジメチルベンジルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ボレート、
N,N−ジエチルアニリニウムテトラ(フェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、
N,N−ジメチルベンジルアンモニウム−テトラキスペンタフルオロフェニルアルミネート、
N,N−ジメチルシクロヘキシルアンモニウム−テトラキスペンタフルオロフェニルアルミネート、
【0067】
ジ(プロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジ(シクロヘキシル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリフェニルフォスフォニウムテトラキス(フェニル)ボレート、
トリエチルフォスフォニウムテトラキス(フェニル)ボレート、
ジフェニルフォスフォニウムテトラキス(フェニル)ボレート、
トリ(メチルフェニル)フォスフォニウムテトラキス(フェニル)ボレート、
トリ(ジメチルフェニル)フォスフォニウムテトラキス(フェニル)ボレート、
トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、
トリフェニルカルベニウムテトラキス(フェニル)アルミネート、
フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネートおよび
トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート
である。
【0068】
化合物c)として使用される有機アルミニウム化合物は、上記の式HjAlU3-jまたはHjAl26-jのものである。
予備重合を除いて、水素のような分子量調整剤を重合反応釜に使用することもできる。
【0069】
この発明による方法は、次の図面を参照して例証されるであろう。
図1、2と3は、この発明による方法の3つの実施形態を概略的に示す。
図1を参照し、メタロセンベースの触媒系は、配管Aを介してループ状予備重合反応釜1に供給される。モノマー類は、配管Bを介してループ状反応釜に供給される。触媒−プレポリマー生成物は、配管Cを介して分離器2に移送され、次いで配管Dを介して、気相反応釜3(流動床反応釜または撹拌反応釜であり得る)に移送される。モノマー類は、配管Eを介して重合反応釜に供給され、得られたポリマーは、配管Fを介して回収される。配管Fから反応釜を出るポリマーは、未反応モノマーから分離し精製する前に第2の重合反応釜に供給できる。
【0070】
図2を参照し、メタロセンベースの触媒系は、配管Aを介してループ状予備重合反応釜1に供給される。モノマー類は、配管Bを介してループ状反応釜に供給される。触媒−プレポリマー生成物は、配管Cを介して気相反応釜2(流動床反応釜または撹拌反応釜であり得る)に移送される。モノマー類は、配管Dを介して重合反応釜に供給され、得られたポリマーは、配管Eを介して回収される。配管Eから反応釜を出るポリマーは、未反応モノマーからの分離し精製する前に第2の重合反応釜に供給できる。
【0071】
図3を参照し、メタロセンベースの触媒系は、配管Aを介してループ状予備重合反応釜1に供給される。モノマー類は、配管Bを介してループ状反応釜に供給される。触媒−プレポリマー生成物は、配管Cを介してループ状重合反応釜2に移送される。モノマー類は、配管Dを介してループ状反応釜に供給され、得られたポリマーは、配管Eを介して回収される。配管Eから反応釜を出るポリマーは、未反応モノマーから分離し精製する前に第2の重合反応釜に供給できる。
【実施例】
【0072】
次の実施例は例証するためで発明を限定するものではない。
【0073】
実施例
触媒系の製造
シリカ(Sylopol 948(登録商標))の3kgを、濾過板が上方に向けているプロセスフィルターに積み、15Lのトルエンに懸濁する。撹拌下に、トルエン中30%重量強度(Strength by weight)のMAO溶液の7Lを、内温が35℃を越えない温度で計量する。低い撹拌速度で他の1時間を撹拌した後、プロセスフィルターを、濾過板が下向きに返し、懸濁液を最初は大気圧下で、次いで3バールの窒素圧で濾過する。支持材の処理と平行し、30%重量強度のMAO溶液の2.0Lとラセミ−ジメチルシリルビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムクロリドの92.3gを反応容器に入れ、溶液を1時間撹拌し、さらに30分間静置した。次いで、溶液を、出口を閉じた予備処理支持材に加える。添加が完了した後、出口を開放し、濾液を排液する。液の流出がなくなってから、出口を閉じ、フィルターケーキを15分間撹拌し、1時間放置する。次いで、3バールの窒素圧を開いた出口にかける。15Lのイソドデカンを残存固体に加え、その混合物を15分間撹拌し、濾過する。イソドデカンの代わりにヘプタンでの洗浄工程を繰り返し、次いで、その固体を窒素圧によって圧縮乾燥する。真空を用いて、流動性触媒粉が受領されるまで溶剤残渣を濃縮する。
得られたメタロセンベースの触媒系は、どろ(mud)1リットル当り200gの触媒の触媒濃度を有するように油/油脂混合物に懸濁する。
【0074】
プロピレン重合の一般的手順
上記のようにして得た触媒どろの形態の触媒系を予備接触容器に供給し、約5(kg/h)のプロパンで希釈する。予備接触容器から、触媒系を予備重合ループに供給し、そこでプロピレンと水素(存在するとき)が、表1に報告したデータにしたがって同時に供給される。ループでの触媒の滞留時間は約8分である。予備重合ループで得られた予備重合触媒は、次に連続的に第1ループ状反応釜に供給され、続いて得られたポリマーが第2反応釜(データを表2に示す)に供給される。ポリマーは第2反応釜から排出し、未反応モノマーから分離し、乾燥する。
【0075】
【表1】

【0076】
【表2】

【図1】

【図2】

【図3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の工程:
a)1以上のアルファ−オレフィンをメタロセンベースの触媒系と、ループ状反応釜中で連続的に接触させ、
(i)そこで反応は、液状媒体中で行われる
(ii)メタロセンベースの触媒系の平均滞留時間は、30分より多くない
(iii)温度は25〜70℃の範囲であり、
触媒系のg当り60〜500gの範囲の重合度を得、
b)工程a)で得た予備重合したメタロセンベースの触媒系を重合反応釜に連続的に供給し、
c)工程a)で使用されるアルファ−オレフィンと同一または異なる1以上のアルファ−オレフィンを、前記予備重合したメタロセンベースの触媒系の存在下で重合させる
ことからなる1以上のアルファ−オレフィンの重合方法。
【請求項2】
予備重合工程a)が、水素の存在下で行われる請求項1による方法。
【請求項3】
予備重合工程a)で、ループ状反応釜に存在する水素の量が、好ましくは5〜1000ppmの範囲である請求項2による方法。
【請求項4】
工程a)での平均滞留時間が、20分以下である請求項1〜3の何れか1つによる方法。
【請求項5】
工程a)で、予備重合したメタロセンベースの触媒系の重合度が、触媒系のg当り70〜300gの範囲である請求項1〜4の何れか1つによる方法。
【請求項6】
工程a)で、温度が、30℃〜65℃の範囲である請求項1〜5の何れか1つによる方法。
【請求項7】
メタロセンベースの触媒系が、
a)少なくとも、少なくとも1つのπ結合を含有する遷移金属化合物、
b)少なくとも、アルモキサンまたはアルキルメタロセンカチオンを形成し得る化合物と、
c)任意に、有機アルミニウム化合物
を接触させて得ることができる請求項1〜6の何れか1つによる方法。
【請求項8】
メタロセンベースの触媒系が、不活性担体に支持されている請求項7による方法。
【請求項9】
方法の工程a)がループ状反応釜(1)で行われ、次いで触媒−プレポリマー生成物が、配管(C)を経て分離器に移送され、次いで配管Dを経て気相反応釜(3)に移送され、ポリマーが配管(F)から回収される請求項1〜8の何れか1つによる方法。
【請求項10】
方法の工程a)がループ状反応釜(1)で行われ、次いで触媒−プレポリマー生成物が配管(C)を介して気相反応釜(2)に移送され、ポリマーが配管(D)から回収される請求項1〜8の何れか1ついよる方法。
【請求項11】
方法の工程a)がループ状反応釜(1)で行われ、触媒−プレポリマー生成物が配管(C)を介してループ状重合反応釜(2)に移送され、ポリマーが配管(E)から回収される請求項1〜8の何れか1つによる方法。
【請求項12】
工程c)が、一連に連結された1以上の反応釜で行われる請求項1〜8の何れか1つによる方法。
【請求項13】
式CH2=CHT(式中、Tは水素原子またはC1〜C20アルキル基である)の1以上のアルファ−オレフィン類と任意にポリエンが単独重合または共重合される請求項1〜12の何れか1つによる方法。
【請求項14】
プロピレンが単独重合される請求項13による方法。
【請求項15】
プロピレンが、エチレンとまたはCH2=CHT1(式中、T1はC2〜C20アルキル基である)の1以上のアルファ−オレフィン類と任意にポリエン類と共重合される請求項13による方法。
【請求項16】
プロピレンとエチレンが共重合される請求項15による方法。

【公表番号】特表2009−513724(P2009−513724A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−516084(P2006−516084)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【国際出願番号】PCT/EP2004/007061
【国際公開番号】WO2005/005495
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(500289758)バーゼル・ポリオレフィン・ゲーエムベーハー (118)
【Fターム(参考)】