説明

オートテンショナ

【課題】シリンダ内の作動油が漏れにくいオートテンショナを提供する。
【解決手段】シリンダ9内にシリンダ9と同軸にスリーブ10を固定し、そのスリーブ10内にロッド12を摺動可能に挿入してシリンダ9内を圧力室13とリザーバ室14に区画し、チェックバルブ19を設けた第1通路18を介して圧力室13とリザーバ室14を連通し、絞りを有する第2通路25を介して圧力室13とリザーバ室14を連通し、その第2通路25が圧力室13からロッド12の内部とばね座15の内部とを順に通ってリザーバ室14に至り、その第2通路25のリザーバ室14側の端部をばね座15の下面に開口させたオートテンショナ5において、リザーバ室14内に、第2通路25のリザーバ室14側の開口から流れ出た作動油を受けてロッド12の外周に導くオイルガイド26を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、オルタネータ等の自動車補機を駆動するベルトの張力保持に用いられるオートテンショナに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の補機、たとえばオルタネータやカーエアコンやウォータポンプなどは、その回転軸がエンジンのクランクシャフトにベルトで連結されており、そのベルトを介して駆動される。このベルトの張力を適正範囲に保つために、一般に、支点軸を中心として揺動可能に設けたプーリアームと、そのプーリアームに回転可能に取り付けたテンションプーリと、そのテンションプーリをベルトに押さえ付ける方向にプーリアームを付勢するオートテンショナとからなる張力調整装置が使用される。
【0003】
この張力調整装置に組み込まれるオートテンショナとして、下部に底を有するシリンダ内に作動油を溜め、そのシリンダ内にシリンダと同軸にスリーブを固定し、そのスリーブ内にロッドを摺動可能に挿入してシリンダ内を圧力室とリザーバ室に区画し、前記ロッドの上端にばね座を固定し、そのばね座を圧力室の容積が拡大する方向にリターンスプリングで付勢したものが知られている(特許文献1)。
【0004】
このオートテンショナは、リターンスプリングの付勢力がベルトの張力とつり合う位置までばね座が移動することにより、ベルトの張力変動を吸収する。
【0005】
また、圧力室とリザーバ室は、リザーバ室側から圧力室側への作動油の流れのみを許容するチェックバルブを設けた第1通路を介して連通しており、圧力室の容積が拡大する方向にばね座が移動すると、前記チェックバルブが開き、第1通路を通ってリザーバ室側から圧力室側に作動油が流れる。そのため、圧力室の容積が拡大する方向には、ばね座が速やかに移動する。
【0006】
また、圧力室とリザーバ室は、絞りを形成する第2通路を介して連通しており、圧力室の容積が縮小する方向にばね座が移動すると、圧力室内の作動油が第2通路を通ってリザーバ室に流出する。このとき、第2通路を流れる作動油の流量が制限されてダンパー作用が生じるので、ばね座がゆっくりと移動し、ベルトを安定した状態に保つ。
【0007】
この第2通路は、圧力室からロッドの内部とばね座の内部とを順に通ってリザーバ室に至っており、その第2通路のリザーバ室側の端部が、ばね座の下面に開口している。また、ばね座には、第2通路の電磁開閉弁が組み込まれており、その電磁開閉弁で第2通路を閉じることにより、ばね座の位置を固定可能となっている。そのため、オルタネータでエンジンを始動する方式のエンジンにこのオートテンショナを採用すると、エンジン始動時にばね座の位置を固定することによりベルトのスリップを防止し、円滑にエンジンを始動することが可能となる。
【0008】
また、このオートテンショナは、ばね座とシリンダの間の環状開口がゴム製ベローズで閉鎖されている。このベローズは、上下に伸縮可能な筒状に形成され、その上端は、ばね座に設けた筒状のスカート部の外周に嵌め合わされ、下端は、シリンダの外周に嵌め合わされている。
【特許文献1】特開2007−16932号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上記オートテンショナは、第2通路のリザーバ室側の端部がばね座の下面に開口しており、その開口から流れ出た作動油が、ばね座のスカート部やリターンスプリングをつたって流れ落ちる。ここで、ばね座のスカート部やリターンスプリングは、ベローズに近い位置にあるので、ベローズの密封性能が低い場合、作動油が漏れる可能性があった。
【0010】
また、上記オートテンショナは、ベルトの交換作業を行なうときや、ベルトの張力が過大となったときに、圧力室の容積が縮小する方向にロッドが過度に移動して、リザーバ室内の圧力が過大となることがあり、このリザーバ室内の圧力によってベローズが膨張して外れ、リザーバ室内の作動油が外部に漏れる可能性があった。
【0011】
この発明が解決しようとする課題は、シリンダ内の作動油が漏れにくいオートテンショナを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するため、前記リザーバ室内に、前記第2通路のリザーバ室側の開口から流れ出た作動油を受けて前記ロッドの外周に導くオイルガイドを設けた。
【0013】
このオイルガイドは、前記ロッドの外周に沿う筒状に形成することができる。この場合、オイルガイドの上端にフランジを形成し、そのフランジを前記ばね座と前記リターンスプリングの間に挟み込むことができる。
【0014】
ばね座とシリンダの間の環状開口を閉鎖する密封装置としては、例えば、上下に伸縮可能な筒状のゴム製ベローズを採用することができ、そのベローズの上端を前記ばね座の外周に嵌め合わせ、ベローズの下端を前記シリンダの外周に嵌め合わせることができる。
【0015】
前記ばね座には、前記第2通路の電磁開閉弁を組み込むことができる。
【0016】
前記密封装置は、前記シリンダの内周に装着された環状のシール部材と、前記ばね座から下方に延び、前記シール部材の内周に摺接する筒状のスカートとで構成することができる。このようにすると、リザーバ室内の圧力が過大となったときに、そのリザーバ室内の圧力によって膨張して外れる部分がないので、リザーバ室内の作動油が外部に漏れにくい。
【0017】
前記シール部材は、断面が丸形のOリングや、断面がX字形のXリングを使用すると低コストであるが、前記スカートの外周に沿って下方に延びるゴム製のリップと、そのリップをスカートの外周に締め付けるガータスプリングとを有するオイルシールを使用すると、作動油の漏れをより確実に防止することができる。
【0018】
前記スカートを金属製とし、そのスカートに、スカートの上端に沿って外径側に折り返した筒状のカバーを一体に設け、そのカバーを前記シリンダの外周に対向させると好ましい。このようにすると、シール部材とスカートの摺接部分が前記カバーで覆われるので、シール部材とスカートの間に異物が入りにくくなり、シール部材の信頼性が向上する。
【0019】
また、上下に伸縮可能な筒状のカバーを前記スカートの外周を囲むように設け、そのカバーの上端を前記ばね座に固定し、カバーの下端を前記シリンダの外周に固定してもよい。このようにしても、シール部材とスカートの摺接部分が前記カバーで覆われるので、シール部材とスカートの間に異物が入りにくくなり、シール部材の信頼性が向上する。
【発明の効果】
【0020】
この発明のオートテンショナは、第2通路のリザーバ室側の開口から流れ出た作動油が、オイルガイドで受けてロッドの外周に導かれ、ロッドの外周に沿ってリザーバ室内を流れ落ちる。そのため、密封装置の密封性能が低下した場合にも、シリンダから作動油が漏れにくい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1に、自動車補機を駆動するベルト1の張力調整装置を示す。この張力調整装置は、エンジンブロック(図示せず)に固定された支点軸2を中心として揺動可能に支持されたプーリアーム3と、プーリアーム3に回転可能に取り付けたテンションプーリ4とを有する。プーリアーム3には、この発明の第1実施形態に係るオートテンショナ5の一端が連結軸6を介して回転可能に連結され、オートテンショナ5の他端が、エンジンブロックに固定した支点軸7で支持されている。オートテンショナ5は、テンションプーリ4をベルト1に押さえ付ける方向にプーリアーム3を付勢している。
【0022】
図2に示すように、オートテンショナ5は、下部に底8を有するシリンダ9を有し、そのシリンダ9内に作動油が溜められている。また、シリンダ9内には、シリンダ9と同軸にスリーブ10が挿入され、そのスリーブ10の下部外周が、シリンダ9の底8に形成されたスリーブ嵌合凹部11に嵌め込んで固定されている。スリーブ10内には、ロッド12が軸方向に摺動可能に挿入されており、そのロッド12とスリーブ10によって、シリンダ9内が圧力室13とリザーバ室14に区画されている。
【0023】
ロッド12の上端には、ばね座15が固定され、そのばね座15とシリンダ9の底8との間にリターンスプリング16が組み込まれている。リターンスプリング16は、下端がシリンダ9の底8で支持され、上端がばね座15を押圧しており、その押圧によって、圧力室13の容積を拡大する方向にばね座15を付勢している。
【0024】
シリンダ9とばね座15の間の環状開口は、上下に伸縮可能な筒状のゴム製ベローズ17で閉鎖されている。ベローズ17の上部内周は、ばね座15の外周に嵌め合わされ、ベローズ17の下部内周は、シリンダ9の外周に嵌め合わされている。
【0025】
スリーブ嵌合凹部11とスリーブ10の嵌合面間には、圧力室13の下部とリザーバ室14の下部を連通する第1通路18が形成されている。第1通路18の圧力室13側の端部には、リザーバ室14側から前記圧力室13側への作動油の流れのみを許容するチェックバルブ19が設けられている。
【0026】
圧力室13の上部とリザーバ室14の上部は、スリーブ10とロッド12の摺動面間に形成されたリーク隙間20と、ロッド12の内部に形成された油通路21と、ばね座15に組み込まれたチェックバルブ22と、電磁開閉弁23と、ばね座15の内部に形成された油通路24とを順に介して連通している。
【0027】
ここで、リーク隙間20、油通路21、油通路24は、圧力室13の上部とリザーバ室14の上部を連通する第2通路25を構成し、リーク隙間20は、その第2通路25の作動油の流量を制限する絞りを構成している。また、チェックバルブ19は、圧力室13側からリザーバ室14側への作動油の流れのみを許容し、反対方向の作動油の流れを禁止する。第2通路25のリザーバ室14側の端部は、ばね座15の下面に開口している。
【0028】
図3に示すように、リザーバ室14内には、ばね座15からロッド12とリターンスプリング16の間を下方に延びるオイルガイド26が設けられている。オイルガイド26は、ロッド12の外周に沿う筒状に形成され、その上端に形成されたフランジ27がばね座15とリターンスプリング16の間に挟み込まれている。第2通路25のリザーバ室14側の端部は、オイルガイド26とロッド12の間に開口しており、その開口から流れ出た作動油をオイルガイド26で受けてロッド12の外周に導くようになっている。
【0029】
次に、このオートテンショナ5の動作例を説明する。
【0030】
ベルト1の張力が小さくなると、そのベルト1の張力とリターンスプリング16の付勢力がつり合う位置までばね座15がシリンダ9に対して移動し、ベルト1の弛みを吸収する。このとき、圧力室13の容積が拡大するので、第1通路18を通ってリザーバ室14から圧力室13に作動油が流れ、ばね座15が速やかに移動する。
【0031】
一方、ベルト1の張力が大きくなると、そのベルト1の張力とリターンスプリング16の付勢力がつり合う位置までばね座15がシリンダ9に対して移動し、ベルト1の緊張を吸収する。このとき、圧力室13の容積が縮小するので、第2通路25を通って圧力室13側からリザーバ室14側に作動油が流れ、その作動油の流量がリーク隙間20によって制限されるので、ばね座15はゆっくりと移動する。また、第2通路25のリザーバ室14側の開口から流れ出た作動油は、図3に示すように、オイルガイド26でロッド12の外周に導かれ、ロッド12の外周に沿ってリザーバ室14内を流れ落ちる。
【0032】
電磁開閉弁23を閉じると、第2通路25を作動油が流れないのでばね座15の位置が固定される。そのため、オルタネータでエンジンを始動する方式のエンジンにこのオートテンショナ5を採用すると、エンジン始動時にばね座15とシリンダ9の相対位置を固定することによりベルト1のスリップを防止し、円滑にエンジンを始動することが可能となる。
【0033】
このオートテンショナ5は、第2通路25のリザーバ室14側の開口から流れ出た作動油が、オイルガイド26で受けてロッド12の外周に導かれ、ロッド12の外周に沿ってリザーバ室14内を流れ落ちる。そのため、ベローズ17の密封性能が低下した場合にも、シリンダ9から作動油が漏れにくい。
【0034】
上記実施形態では、ばね座15とシリンダ9の間の環状開口を閉鎖する密封装置としてベローズ17を使用したオートテンショナ5を例に挙げて説明したが、この発明は、図4に示すように、シリンダ9の内周に装着した環状のオイルシール28と、ばね座15から下方に延び、オイルシール28の内周に摺接する筒状のスカート部29とでばね座15とシリンダ9の間の環状開口を閉鎖したオートテンショナにも適用することができる。このようにすると、リザーバ室14内の圧力が過大となったときに、そのリザーバ室14内の圧力によって膨張して外れる部分がないので、リザーバ室14内の作動油が外部に漏れにくい。
【0035】
図5に、この発明の第2実施形態のオートテンショナ31を示す。第1実施形態に対応する部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0036】
シリンダ9とばね座15の間の環状開口は、シリンダ9の内周に装着した環状のオイルシール32と、ばね座15から下方に延び、オイルシール32の内周に摺接する筒状のスカート33とで閉鎖されている。
【0037】
スカート33は、金属製であり、ばね座15の下部外周に締め代をもって嵌合して固定されている。また、スカート33には、スカート33の上端に沿って外径側に折り返した筒状のカバー34が一体に設けられており、カバー34は、シリンダ9の外周に対向している。このようなスカート33とカバー34は、例えば、金属板をプレス加工して形成することができる。金属板として鋼板を用いる場合、防錆処理(例えば、めっき処理や軟窒化処理)をスカート33とカバー34に施すと好ましい。
【0038】
オイルシール32は、環状に形成された金属製の芯金35と、その芯金35に固定され、スカート33の外周に沿って下方に延びるゴム製のリップ36と、そのリップ36をスカート33の外周に締め付けるガータスプリング37とからなる。リップ36は、スカート33の外周に沿って下方に延びており、リザーバ室14内の圧力が高まったときに、その圧力を受けてスカート33の外周に対する締め付けが強くなるようになっている。
【0039】
このオートテンショナ31は、リザーバ室14内の圧力が過大となったときに、そのリザーバ室14内の圧力によって膨張して外れる部分がないので、リザーバ室14内の作動油が外部に漏れにくい。
【0040】
また、このオートテンショナ31は、オイルシール32とスカート33の摺接部分がカバー34で覆われるので、オイルシール32とスカート33の間に異物が入りにくく、オイルシール32の信頼性が高い。
【0041】
また、このオートテンショナ31は、リザーバ室14内の圧力が過大となったときに、スカート33の外周に対するリップ36の締め付けが強くなるので、リザーバ室14内の作動油の漏れを確実に防止することができる。
【0042】
この実施形態では、シリンダ9の内周に装着するシール部材としてオイルシール32を使用しているが、オイルシール32にかえて、図6(a)に示すような断面が丸形のOリング38や、図6(b)に示すような断面がX字形のXリング39を使用すると低コストである。
【0043】
リップ36、Oリング38、Xリング39の材質は、例えば、NBR(ニトリルゴム)、ACM(アクリルゴム)、FKM(フッ素ゴム)を使用することができる。
【0044】
また、この実施形態では、スカート33と一体に設けた金属製のカバー34でオイルシール32とスカート33の摺接部分を覆うようにしているが、図7に示すように、上下に伸縮可能な筒状のカバー40をスカート33の外周を囲むように設け、そのカバー40の上端をばね座15に固定し、カバー40の下端をシリンダ9の外周に固定してもよい。このようにしても、オイルシール32とスカート33の摺接部分がカバー40で覆われるので、シール部材とスカート33の間に異物が入りにくくなり、オイルシール32の信頼性が高くなる。このようなカバー40は、ゴムや樹脂で形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】この発明の第1実施形態のオートテンショナを組み込んだ張力調整装置を示す正面図
【図2】図1に示すオートテンショナ近傍の拡大断面図
【図3】図2に示すオイルガイド近傍の拡大断面図
【図4】図2に示すベローズをオイルシールに置き換えた変形例を示す拡大断面図
【図5】この発明の第2実施形態のオートテンショナを示すオイルシール近傍の拡大断面図
【図6】(a)は、図5に示すオイルシールをOリングに置き換えた変形例を示す拡大断面図、(b)は、図5に示すオイルシールをXリングに置き換えた変形例を示す拡大断面図
【図7】図5に示すカバーを、上下に伸縮可能な筒状のカバーに置き換えた変形例を示す拡大断面図
【符号の説明】
【0046】
5 オートテンショナ
8 底
9 シリンダ
10 スリーブ
12 ロッド
13 圧力室
14 リザーバ室
15 ばね座
16 リターンスプリング
17 ベローズ
18 第1通路
19 チェックバルブ
23 電磁開閉弁
25 第2通路
26 オイルガイド
27 フランジ
28 オイルシール
29 スカート部
31 オートテンショナ
32 オイルシール
33 スカート
34 カバー
36 リップ
37 ガータスプリング
38 Oリング
39 Xリング
40 カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部に底(8)を有するシリンダ(9)内に作動油を溜め、そのシリンダ(9)内にシリンダ(9)と同軸にスリーブ(10)を固定し、そのスリーブ(10)内にロッド(12)を摺動可能に挿入してシリンダ(9)内を圧力室(13)とリザーバ室(14)に区画し、前記ロッド(12)の上端にばね座(15)を固定し、そのばね座(15)とシリンダ(9)の間の環状開口を閉鎖する密封装置(17)を設け、前記ばね座(15)を圧力室(13)の容積が拡大する方向に付勢するリターンスプリング(16)を設け、リザーバ室(14)側から圧力室(13)側への作動油の流れのみを許容するチェックバルブ(19)を設けた第1通路(18)を介して前記圧力室(13)と前記リザーバ室(14)を連通し、絞りを有する第2通路(25)を介して前記圧力室(13)と前記リザーバ室(14)を連通し、その第2通路(25)が前記圧力室(13)からロッド(12)の内部とばね座(15)の内部とを順に通って前記リザーバ室(14)に至り、その第2通路(25)のリザーバ室(14)側の端部を前記ばね座(15)の下面に開口させたオートテンショナ(5)において、前記リザーバ室(14)内に、前記第2通路(25)のリザーバ室(14)側の開口から流れ出た作動油を受けて前記ロッド(12)の外周に導くオイルガイド(26)を設けたことを特徴とするオートテンショナ。
【請求項2】
前記オイルガイド(26)を、前記ロッド(12)の外周に沿う筒状に形成した請求項1に記載のオートテンショナ。
【請求項3】
前記オイルガイド(26)の上端に形成したフランジ(27)を、前記ばね座(15)と前記リターンスプリング(16)の間に挟み込んだ請求項2に記載のオートテンショナ。
【請求項4】
前記密封装置が、上下に伸縮可能な筒状のゴム製ベローズ(17)であり、そのベローズ(17)の上端を前記ばね座(15)の外周に嵌め合わせ、ベローズ(17)の下端を前記シリンダ(9)の外周に嵌め合わせた請求項1から3のいずれかに記載のオートテンショナ。
【請求項5】
前記ばね座(15)に、前記第2通路(25)の電磁開閉弁(23)を組み込んだ請求項1から4のいずれかに記載のオートテンショナ。
【請求項6】
前記密封装置が、前記シリンダ(9)の内周に装着された環状のシール部材(32)と、前記ばね座(15)から下方に延び、前記シール部材(32)の内周に摺接する筒状のスカート(33)とからなる請求項1から5のいずれかに記載のオートテンショナ。
【請求項7】
前記シール部材が、前記スカート(33)の外周に沿って下方に延びるゴム製のリップ(36)と、そのリップ(36)をスカート(33)の外周に締め付けるガータスプリング(37)とを有するオイルシール(32)である請求項6に記載のオートテンショナ。
【請求項8】
前記シール部材が、断面が丸形のOリング(38)または断面がX字形のXリング(39)である請求項6に記載のオートテンショナ。
【請求項9】
前記スカート(33)が金属製であり、そのスカート(33)に、スカート(33)の上端に沿って外径側に折り返した筒状のカバー(34)を一体に設け、そのカバー(34)を前記シリンダ(9)の外周に対向させた請求項6から8のいずれかに記載のオートテンショナ。
【請求項10】
上下に伸縮可能な筒状のカバー(40)を前記スカート(33)の外周を囲むように設け、そのカバー(40)の上端を前記ばね座(15)に固定し、カバー(40)の下端を前記シリンダ(9)の外周に固定した請求項6から8のいずれかに記載のオートテンショナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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