説明

オーバーコートされるフォトレジストと共に使用するためのコーティング組成物

【課題】オーバーコートされるフォトレジストと共に使用するための新規な反射防止組成物を得る。
【解決手段】第1の態様において、異なる樹脂の混合物を有する樹脂成分を含有し、この混合物の少なくとも1種の樹脂が発色団基を含み、混合物の少なくとも1種の樹脂が、少なくとも実質的にあるいはまったく発色団基を含まない、有機コーティング組成物、特にスピンオン反射防止コーティング組成物が提供される。さらに別の態様においては、オーバーコートされるフォトレジスト組成物層の画像形成に使用される放射線に対して異なる吸光度を有する複数の下地有機反射防止コーティング組成物の使用を含む系が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基体から、オーバーコートされたフォトレジスト層内に戻る露光放射線の反射を軽減することができ、および/または、平坦化層またはビア充填(via−fill)層として機能することができる組成物(特に反射防止コーティング組成物または「ARC」)に関する。さらに特に、第1の態様において、本発明は、異なる樹脂の混合物を有する樹脂成分を含有し、少なくとも1種の混合成分が発色団基を含み、少なくとも1種の混合成分が少なくとも実質的にあるいは全く発色団基を含まない、有機コーティング組成物、特に反射防止コーティング組成物に関する。さらに別の態様において、本発明は、オーバーコートされたフォトレジスト層の画像形成に使用される放射線に対して異なる吸光度を有する複数の下地反射防止コーティング組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
フォトレジストは、基体に画像を転写するために使用される感光性の薄膜である。フォトレジストのコーティング層が基体上に形成され、次にそのフォトレジスト層は、活性化放射線源にフォトマスクを通して露光される。フォトマスクは、活性化放射線に対して不透明な領域と、活性化放射線に対して透明な別の領域とを有する。活性化放射線への露光によって、フォトレジストコーティングの光誘起変化あるいは化学的変化が起こり、それによってフォトマスクのパターンが、フォトレジストがコートされた基体に転写される。露光後、フォトレジストを現像することでレリーフ画像が提供され、それによって基体の選択的加工が可能となる。
【0003】
フォトレジストは、ポジ型あるいはネガ型のいずれであってもよい。ほとんどのネガ型フォトレジストでは、活性化放射線に露光されたそれらのコーティング層部分は、フォトレジスト組成物の光活性化合物と、重合可能な試薬との間で反応することによって重合あるいは架橋する。その結果、露光されたコーティング部分は、未露光部分よりも現像液中での溶解性が低くなる。ポジ型フォトレジストの場合では、露光された部分の現像液中における溶解性がより高くなるが、未露光領域は現像液中における溶解性が比較的低いままである。フォトレジスト組成物は、Deforest,Photoresist Materials and Processes、McGraw Hill Book Company,ニューヨーク,第2章,1975、およびMoreauによる,Semiconductor Lithography,Principles, Practices and Materials,Plenum Press、ニューヨーク,第2章および第4章に記載されている。
【0004】
フォトレジストの大部分の用途は、半導体製造における用途であり、その目的の1つは、シリコンあるいはガリウムヒ素などの高度に研磨された半導体スライスを、回路機能を果たし好ましくはミクロンまたはサブミクロンの外面的形態を有する電子伝導路の複雑なマトリックスに変換することにある。適切なフォトレジスト処理が、この目的を達成するために重要となる。種々のフォトレジスト処理工程間には強い相互依存が存在するが、露光は高解像度フォトレジスト画像を達成するための最も重要な工程の1つであると考えられている。
【0005】
フォトレジストを露光するために使用される活性化放射線の反射は、フォトレジスト層中にパターン形成される画像の解像度の制限をもたらすことが多い。基体/フォトレジスト界面からの放射線の反射は、フォトレジスト中の放射線強度に空間的ばらつきをもたらすことがあり、そのため現像すると不均一なフォトレジスト線幅が生じる。放射線は、基体/フォトレジスト界面から、露光を意図していないフォトレジストの領域に散乱する場合もあり、これもまた線幅のばらつきの原因となる。散乱および反射の量は典型的には領域ごとに変化するため、さらに線幅が不均一となる。基体の表面的特徴のばらつきも、解像度を限定する問題を引き起こしうる。
【0006】
反射される放射線の問題を軽減するために使用された方法の1つは、基体表面とフォトレジストコーティング層との間に介在させた放射線吸収層を使用することであった。たとえば、国際公開WO90/03598号パンフレット、欧州特許出願公開第0639941A1号、ならびに米国特許第4,910,122号、第4,370,405号、第4,362,809号、および第5,939,236号を参照されたい。このような層は、反射防止層あるいは反射防止組成物とも呼ばれている。米国特許第5,939,236号、第5,886,102号、第5,851,738号、第5,851,730号、第5,939,236号、第6,165,697号;6,316,165号、第6,451,503号、第6,472,128号、第6,502,689号、第6,503,689号、第6,528,235号、第6,653,049号、ならびに米国特許出願公開第20030180559号および第2003008237号も参照され、これらすべては、Shipley Companyに譲渡されており、非常に有用な反射防止組成物が開示されている。
【特許文献1】国際公開第90/03598号パンフレット
【特許文献2】欧州特許出願公開第0639941号明細書
【特許文献3】米国特許第4,910,122号明細書
【特許文献4】米国特許第4,370,405号明細書
【特許文献5】米国特許第4,362,809号明細書
【特許文献6】米国特許第5,939,236号明細書
【特許文献7】米国特許第5,886,102号明細書
【特許文献8】米国特許第5,851,738号明細書
【特許文献9】米国特許第5,851,730号明細書
【特許文献10】米国特許第5,939,236号明細書
【特許文献11】米国特許第6,165,697号明細書
【特許文献12】米国特許第6,316,165号明細書
【特許文献13】米国特許第6,451,503号明細書
【特許文献14】米国特許第6,472,128号明細書
【特許文献15】米国特許第6,502,689号明細書
【特許文献16】米国特許第6,503,689号明細書
【特許文献17】米国特許第6,528,235号明細書
【特許文献18】米国特許第6,653,049号明細書
【特許文献19】米国特許出願公開第20030180559号明細書
【特許文献20】米国特許出願公開第2003008237号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
多くの高性能リソグラフィ用途では、最適な吸収特性やコーティング特性をはじめとする所望の性能特性を得るために特別の反射防止組成物が用いられる。たとえば、上記の特許文献を参照されたい。しかし、電子デバイス製造業者は、反射防止コーティング層を覆うパターン形成されたフォトレジスト画像の解像度の増加を絶えず求めており、言い換えれば反射防止組成物の性能が向上し続けることを要求している。
【0008】
したがって、オーバーコートされるフォトレジストと共に用いるための新規な反射防止組成物を得ることが望まれている。向上した性能を示し、オーバーコートされたフォトレジスト中へパターン形成された画像の増加された解像度を提供することができる新規な反射防止組成物を得ることが特に望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、少なくともある種の画像形成環境が、現像されたフォトレジスト画像の解像度を低下させうる興味深く困難な反射の問題を発生させうることを見出した。特に、窒化物層あるいは炭素層などの非常に暗い色の基体が、レジスト層、特にその底部の有効な画像形成を困難にしうる。浸漬リソグラフィでも、入射露光放射線の角度がより厳しくなるため難問が生じうる。
【0010】
本発明者らは、オーバーコートされたフォトレジスト層と共に使用するための新規な反射防止組成物(「ARC」)を見出した。本発明の好ましい有機コーティング組成物および系は、暗い基体上の画像形成および浸漬リソグラフィ系をはじめとする問題のある画像形成環境を含めて、オーバーコートされたフォトレジスト画像のリソグラフィ結果(解像度)を向上させることができる。
【0011】
さらに特に、第1の態様において、異なる樹脂の混合物を含有する樹脂成分を含み、その混合物の少なくとも1種の樹脂が発色団基を含み、その混合物の少なくとも1種の樹脂が、少なくとも実質的にあるいは全く発色団基を含まない、オーバーコートされるフォトレジストと共に使用するための有機コーティング組成物、特に反射防止組成物が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
248nmで画像形成されるオーバーコートされるフォトレジスト組成物と共に使用されるコーティング組成物に対して、特に好ましい下地コーティング組成物は、場合により置換されていてもよいアントラセン又はナフチルを含む少なくとも1種の樹脂と、このようなアントラセン基あるいはナフチル基を少なくとも実質的にあるいはまったく含まず、任意の芳香族基を少なくとも実質的にあるいはまったく含まなくてもよい少なくとも1種の異なる樹脂とを含む。
【0013】
193nmで画像形成されるオーバーコートされるフォトレジスト組成物と共に使用されるコーティング組成物に対して、特に好ましい下地コーティング組成物は、場合により置換されていてもよいフェニルを含む少なくとも1種の樹脂と、このようなフェニル基を少なくとも実質的にあるいはまったく含まず、任意の芳香族基を少なくとも実質的にあるいはまったく含まなくてもよい少なくとも1種の異なる樹脂とを含む。
【0014】
このようなコーティング組成物は、発色団基を含む1種以上の樹脂と、芳香族基を少なくとも実質的にあるいはまったく含まない1種以上の樹脂とを選択された量で使用することによって、所望の吸光度のレベルが得られるように調整することができる。個々の樹脂の組み合わせを配合することができ、最適な樹脂混合比を決定するためにその吸光度を試験することができる。
【0015】
本発明のさらに別の態様においては、オーバーコートされたフォトレジスト組成物層の画像形成に使用される放射線に対して、少なくとも2種類の有機コーティング組成物が異なる吸光度を有する複数の下地有機コーティング組成物、特に反射防止コーティング組成物を含むレジスト系が提供される。好ましくは、オーバーコートされたフォトレジスト層の画像形成に使用される放射線に対して異なる吸光度、特に異なるk値(kは、後述するように楕円偏光計によって実験的に決定することができる虚数屈折率値である)を有する2種類の下地有機コーティング組成物が使用される。本発明のこの態様においては、複数の下地有機コーティング組成物がケイ素含有樹脂樹脂(例えばシルセスキオキサン)を含有しないことが特に好ましい。底部コーティング層(最初に適用される)が次に適用されるコーティング層よりも高い吸光度を有することが一般に好ましい。適用される2つのコーティング層のk値が少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.4、あるいは0.5(193nmあるいは248nmで測定されたとき)異なると好適となり得る。特に好適な系においては、193nmで測定した場合に、最初に適用したコーティング層が約0.4〜約0.7、好ましくは約0.45〜0.55k値を有することができ、次に適用した(オーバーコートされた)層が約0.1〜約0.4、より好ましくは約0.15〜約0.3k値を有することができる。本明細書で指定される場合のk値の決定手順は後に詳細に説明する。
【0016】
本発明の両方の態様において、本発明のコーティング組成物は、好ましくは架橋性組成物であり、例えば熱処理あるいは活性化放射線処理によって、架橋または他の方法で硬化する材料を含有する。典型的には、この組成物は架橋剤成分を含有し、たとえば、メラミンまたはベンゾグアナミン化合物または樹脂をはじめとするアミン含有材料を含有する。
【0017】
好ましくは、本発明の架橋性組成物は、その組成物のコーティング層の熱処理によって硬化され得る。好適には、このコーティング組成物は、架橋反応を促進するために、酸、又はより好ましくは酸発生化合物、特に熱酸発生剤化合物も含有する。
【0018】
反射防止コーティング組成物として、並びにビア充填をはじめとする他の用途に使用するために、好ましくは本発明の組成物は、フォトレジスト組成物層を本発明の組成物層の上に適用する前に架橋される。
【0019】
前述したように、本発明の反射防止組成物は、好ましくは、オーバーコートされたレジスト層の露光に使用され反射してレジスト層に戻る望ましくない放射線を吸収することができる発色団基を含む成分も含有する。このような発色団基は、樹脂または酸発生剤化合物をはじめとする他の組成物成分と共に存在することができ、又は組成物は、このような発色団単位、たとえば1つ以上の発色団部分、たとえば1つ以上の、場合により置換されていてもよいフェニル基、場合により置換されていてもよいアントラセン基、あるいは場合により置換されていてもよいナフチル基を含有する小さい分子(たとえば約1000あるいは500未満のMW)、を含んでいてもよい別の成分を含むことができる。
【0020】
特に反射防止用途に使用される本発明のコーティング組成物に含まれると一般に好ましい発色団としては、たとえば、場合により置換されていてもよいフェニル、場合により置換されていてもよいナフチル、場合により置換されていてもよいアントラセニル、場合により置換されていてもよいフェナントラセニル、場合により置換されていてもよいキノリニルなど、単環および多環芳香族基の両方が挙げられる。特に好ましい発色団は、オーバーコートされたレジスト層の露光に使用される放射線によって変化しうる。さらに特に、オーバーコートされたレジストの248nmでの露光に対しては、場合により置換されていてもよいアントラセンおよび場合により置換されていてもよいナフチルが反射防止組成物の好ましい発色団である。オーバーコートされたレジストの193nmでの露光に対しては、場合により置換されていてもよいフェニルおよび場合により置換されていてもよいナフチルが反射防止組成物の特に好ましい発色団である。好ましくは、このような発色団基は、反射防止組成物の樹脂成分と結合している(たとえばペンダント基)。
【0021】
本発明のコーティング組成物は、典型的には有機溶媒の溶液として配合され、好適にはスピンコーティング(すなわちスピンオン組成物)によって基体に適用される。
【0022】
種々のフォトレジストを、本発明のコーティング組成物と組み合わせて(すなわちオーバーコートして)使用することができる。本発明の反射防止組成物と共に使用すると好ましいフォトレジストは、1種以上の光酸発生剤化合物と、光で発生した酸の存在下で脱ブロックあるいは開裂反応が起こる単位、たとえば光酸不安定エステル、アセタール、ケタール、あるいはエーテルの単位を含む樹脂成分とを含有する、化学増幅レジスト、特にポジ型フォトレジストである。ネガ型フォトレジストも、本発明のコーティング組成物と共に使用することができ、たとえば、活性化放射線に露光すると架橋(すなわち硬化あるいは固化)するレジストを共に使用することができる。本発明のコーティング組成物と共に使用すると好ましいフォトレジストは、たとえば波長が300nm未満、260nm未満、たとえば約248nmである放射線、又は波長が約200nm未満、たとえば193nmである放射線をはじめとする比較的短波長の放射線で画像形成することができる。
【0023】
本発明は、フォトレジストのレリーフ画像を形成する方法と、本発明の反射防止組成物を単独により、又はフォトレジスト組成物と組み合わせによりコートされた基体(例えばマイクロエレクトロニクスのウエハ基体)を含む新規な製造物品とをさらに提供する。
【0024】
前述したように、本発明の一態様においては、露光放射線に対して異なる吸光度、特に異なる屈折率の虚数(k)値を有する複数の有機コーティング組成物が使用される。本明細書において使用される場合、下地有機コーティング組成物の吸光度値、特に屈折率の虚数(k)値は以下のように求められる。スピンコーティング手段を使用して、有機組成物のコーティング層を200mmシリコンウエハ上に設ける。スピン速度は、40〜120nmの範囲の薄膜厚さを得ために必要に応じて変動させることができる。溶媒を除去し、適用したコーティング層を近接するホットプレート上215℃で60秒硬化させる。楕円偏光計(たとえばWVASE32楕円偏光計(これはWollmanVASE楕円偏光計である))を使用して、薄膜厚さ、ならびに屈折率の実数(n)および虚数(k)を求める。
【0025】
本発明の他の態様は以下に開示される。
【0026】
発明者らは、オーバーコートされるフォトレジスト層と共に使用すると特に有用な新規な有機コーティング組成物を提供する。本発明の好ましいコーティング組成物は、スピンコーティング(スピンオン組成物(spin−on compositions))によって適用することができ、溶媒組成物として配合することができる。本発明のコーティング組成物は、オーバーコートされるフォトレジストのための反射防止組成物として、および/またはオーバーコートされるフォトレジスト組成物のコーティング層のための平坦化組成物またはビア充填組成物として特に有用である。
【0027】
下地コーティング組成物
前述したように、本発明の一態様においては、複数の異なる樹脂を使用して下地コーティング組成物が配合される。好ましくは、コーティング組成物中に使用される樹脂の種類および量は、望ましい目標の実数屈折率n(real index n)および望ましい虚数屈折率k(imaginary index k)が実現されるように選択される。
【0028】
一部の少なくとも特定の好ましい系においては、コーティング組成物中に使用される樹脂の種類および量は、約1.5(特に1.50)〜約2.1(特に2.10)の所望の目標実数屈折率n、及び約0.15(特に0.20)〜0.7(特に0.70)の所望の虚数屈折率kを達成するように選択される。
【0029】
周知のように、露光波長において本明細書に開示されるような下地コーティング組成物の屈折率は複素数N=nikであり、この式中、nはNの実数部であり一般に「屈折率」と呼ばれているものに等しく、kはNの虚数部であり露光波長の吸収係数と関連がある。個々のコーティング組成物のこのような値nおよびkは、前述した通り、および以下の実施例で議論するように商業的に入手可能な楕円偏光計を使用して容易に決定されうる。
【0030】
前述したように、異なる樹脂の混合物を有する樹脂成分を含有する本発明の第1の態様において、混合物の少なくとも1種の樹脂が、オーバーコートされたフォトレジスト層発色団基の画像形成に使用される放射線に対して発色団となる基を含み、混合物の少なくとも1種の樹脂が、少なくとも実質的にあるいは全くこのような発色団基を含まない。
【0031】
これらの発色団基は、典型的には芳香族基であり、一般には炭素環式アリール基、たとえばフェニル(特に、オーバーコートされたフォトレジストが193nmで画像形成されるの場合)、ナフチル(特に、オーバーコートされたフォトレジストが193nmあるいは248nmで画像形成されるの場合)、またはアントラセン(特にオーバーコートされたフォトレジストが248nmで画像形成されるの場合)である。
【0032】
本明細書において言及される、オーバーコートされたフォトレジストの露光放射線に対して「少なくとも実質的に発色団基を含まない」樹脂あるいは他の類似の語句は、その樹脂の全繰り返し単位の約10モル%未満が、下地コーティング組成物のそれ以外の樹脂中に存在する発色団基を含むことを意味し、より典型的には、比較的透明な樹脂の全繰り返し単位の約8モル%未満、7モル%未満、6モル%未満、5モル%未満、4モル%未満、3モル%未満、2モル%未満、1モル%未満、あるいは0.5モル%未満が、下地コーティング組成物のその樹脂以外の樹脂中に存在する発色団基を含むことを意味する。多くの場合、このような「透明」樹脂(すなわち、少なくとも実質的に発色団基を含まない樹脂)は、同様に芳香族基も有さず、たとえば樹脂の全繰り返し単位の約10モル%未満、8モル%未満、7モル%未満、6モル%未満、5モル%未満、4モル%未満、3モル%未満、2モル%未満、1モル%未満、あるいは0.5モル%未満が任意の芳香族基を含む。
【0033】
樹脂成分の異なる樹脂は、異なる又は同一若しくは類似の樹脂主鎖構造を好適に有することができる。たとえば、好適な樹脂混合物成分としては、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリスルホン、ポリアミド、ポリ(ビニルアルコール)などが挙げられる。1種以上のポリエステル樹脂および/または1種以上のポリ(アクリレート)樹脂を含む樹脂成分が特に好ましい。
【0034】
より具体的には、本発明の下地コーティング組成物中に使用される好ましい樹脂としては、カルボキシ含有化合物(たとえば、カルボン酸、エステル、無水物など)と、ヒドロキシ含有化合物(好ましくは複数のヒドロキシ基を有する化合物、たとえばグリコール、たとえばエチレングリコールまたはプロピレングリコール、あるいはグリセリン、あるいは他のジオール、トリオール、テトラオールなど)との重合によって得られるようなエステル繰り返し単位(ポリエステル)を含む樹脂が挙げられる。
【0035】
好ましくは、ペンダント単位や側鎖単位としてよりも、むしろポリマー主鎖の構成要素としてあるいは内部にエステル官能性が存在する。エステル部分はペンダント基として存在することもできるが、好ましくはポリマーは、そのポリマー主鎖に沿ってエステル官能性を含有する。エステル繰り返し単位が、芳香族置換、場合により置換されていてもよい炭素環式アリール基、たとえば場合により置換されていてもよいフェニル、ナフチルあるいはアントラセニル置換を、側鎖として、より好ましくはポリマー主鎖に沿って含むことも好ましい。
【0036】
このようなポリエステル樹脂中、複数のエステル基の少なくともいくつかは光酸に対して不安定ではなく、すなわち、露光前ベーク、活性化放射線への露光、露光後の加熱、および/または現像の典型的なリソグラフィ処理の過程において、当該いくつかのエステル繰り返し単位は、脱ブロックあるいはその他の開裂を被らないものと理解される。好ましくは、エステル繰り返し単位は、ポリマー主鎖中に存在し、すなわちエステル基(−(C=O)O−)が、ポリマーの長さを形成する分岐鎖あるいは実質的に線状の鎖の上に存在する。このようなエステル基が芳香族置換、たとえばフェニル基、ナフチル基、あるいはアントラセン基を含むことも好ましく、これらはたとえばアルキルフタレートとポリオールの間の反応によって得られうる。
【0037】
このようなポリエステル樹脂は、その他の繰り返し単位をペンダント単位あるいは側鎖単位として、またはポリマー主鎖に沿ったその他の繰返し単位として含有することができる。たとえば、これらの樹脂は、コポリマー(たとえば樹脂主鎖に沿って2つの異なる繰り返し単位)、ターポリマー(たとえば樹脂主鎖に沿って3つの異なる繰り返し単位)、テトラポリマー(たとえばポリマー主鎖に沿って4つの異なる繰り返し単位)またはペンタポリマー(たとえばポリマー主鎖に沿って5つの異なる繰り返し単位)であってもよい。たとえば、エーテルおよびエステルの繰り返し単位を含有する、あるいはエーテル単位およびエステル単位と共にアルキレン繰り返し単位を含有するポリマーが好適である。多くの用途では、1つ以上の酸素原子を含有する追加の繰り返し単位が好ましい。
【0038】
本発明のコーティング組成物に使用することができる典型的な好ましい樹脂としては、1つ以上のカルボキシル(たとえばエステル、無水物、炭素環式酸)基を含有する化合物と、1つ以上のヒドロキシ基、好ましくは少なくとも2つのヒドロキシ基を含有する化合物との反応によって形成される樹脂が挙げられる。カルボキシル含有化合物もまた、好ましくは2つ以上のカルボキシル(−C=OO−)基を含有することができる。カルボキシル化合物およびヒドロキシ化合物は、酸の存在下、任意にコポリマーあるいはその他の高次のポリマーが所望の場合はその他の化合物とともに、好適に反応させることによって、ポリエステル樹脂が得られる。
【0039】
このようなポリエステル樹脂は、ポリオール、カルボキシレート化合物、および形成される樹脂に組み込まれるその他の化合物、酸、たとえばスルホン酸、たとえばメタンスルホン酸、あるいはp−トルエンスルホン酸などを、反応容器に投入することによって好適に調製される。この反応混合物は、高温、たとえば少なくとも約80℃、より典型的には少なくとも約100℃、110℃、120℃、130℃、140℃、あるいは150℃で、ポリマー形成に十分な時間、たとえば少なくとも約2、3、4、5、6、8、12、16、20、24時間の間、好適に撹拌される。有用な樹脂を合成するための好ましい条件の例は、後述の実施例で詳細に説明されている。
【0040】
アクリレート系樹脂も、本発明の下地コーティング組成物に使用すると好ましい材料である。このような樹脂は、公知の方法によって調製することができ、たとえば、1種以上のアクリレートモノマー、たとえばヒドロキシエチルメチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレートメチルアントラセンメタクリレート、あるいはその他のアントラセンアクリレートなどの重合(たとえばラジカル開始剤の存在下)によって調製することができる。典型的な好適なポリマーに関しては、Shipley Companyに譲渡された米国特許第5,886,102号明細書を参照されたい。好適なアクリレート樹脂およびそれらの合成に関しては後述の実施例も参照されたい。
【0041】
反射防止用途では、好適には、樹脂を形成するために反応させた1種以上の化合物が、発色団として機能することができる部分を含み、オーバーコートされたフォトレジストコーティング層の露光に使用される放射線を吸収する。たとえば、フタレート化合物(たとえばフタル酸あるいはジアルキルフタレート(すなわちジエステル、たとえば、各エステルが1〜6個の炭素原子を有するもの、好ましくはジメチルフタレートあるいはエチルフタレート))を、芳香族あるいは非芳香族ポリオール、および場合により他の反応性化合物と重合させることにより、200nm未満の波長、たとえば193nmで画像形成されるフォトレジストと共に使用される反射防止組成物において特に有用なポリエステルを得ることができる。同様に、300nm未満の波長あるいは200nm未満の波長、たとえば248nmあるいは193nmで画像形成されるオーバーコートされるフォトレジストと併用される組成物に使用される樹脂では、ナフチル化合物、たとえば、1つあるいは2つあるいはそれを超えるカルボキシル置換基を含有するナフチル化合物、たとえばジアルキル特にジ−C1〜6アルキルナフタレンジカルボキシレートを重合させることができる。反応性アントラセン化合物、たとえば、1つ以上のカルボキシ基あるいはエステル基、たとえば1つ以上のメチルエステル基あるいはエチルエステル基を有するアントラセン化合物も好ましい。
【0042】
発色団単位を含有する化合物はまた、1つ、あるいは好ましくは2つ以上のヒドロキシ基を含有することができ、カルボキシル含有化合物と反応させることができる。たとえば、1つ、あるいは2つ以上のヒドロキシル基を有するフェニル化合物あるいはアントラセン化合物をカルボキシル含有化合物と反応させることができる。
【0043】
さらに、反射防止組成物は、ポリエステル樹脂成分とは別である、発色団単位を含有する材料を含むことができる。たとえば、コーティング組成物は、フェニル、アントラセン、ナフチルなどの単位を含有するポリマーあるいは非ポリマーの化合物を含むことができる。しかし、エステル樹脂が発色団部分を含有することが多くの場合好ましい。
【0044】
前述したように、本発明の好ましい反射防止コーティング組成物は、熱および/または放射線処理などによって架橋させることができる。たとえば、本発明の好ましい反射防止コーティング組成物は、反射防止組成物の1種以上の他の成分と架橋することができる独立した架橋剤成分を含有することができる。一般に好ましい架橋性反射防止組成物は、独立した架橋剤成分を含む。本発明の特に好ましい反射防止組成物は、独立した成分として、樹脂と、架橋剤と、熱酸発生化合物とを含有する。さらに、本発明の架橋性反射防止組成物は、好ましくは、オーバーコートされたフォトレジスト層のフッティング(footing)あるいはノッティング(notching)の解消を促進するためにアミン塩基性添加剤を含有することもできる。架橋性反射防止組成物は、反射防止コーティング層の上にフォトレジスト層を適用する前に架橋させることが好ましい。熱酸発生剤の活性化による反射防止組成物の熱誘導架橋が一般に好ましい。
【0045】
本発明の架橋性反射防止組成物は、反射防止組成物コーティング層の硬化中の架橋を触媒するためあるいは促進するために、好ましくはイオン性あるいは実質的に中性の熱酸発生剤、たとえばアレーンスルホン酸アンモニウム塩を含む。典型的には1種以上の熱酸発生剤が、反射防止組成物中に、組成物の全乾燥成分(溶媒担体を除いたすべての成分)の約0.1〜10重量%の濃度、より好ましくは全乾燥成分の約2重量%の濃度で存在する。
【0046】
前述したように、反射防止組成物は、追加の樹脂成分を好適に含有することができる。好適な樹脂成分は、オーバーコートされたレジスト層の画像形成に使用される放射線を、望ましくない反射が起こりうる前に吸収するための発色団単位を含有することができる。
【0047】
遠紫外線適用の場合(すなわちオーバーコートされたレジストが遠紫外放射線で画像形成される)、反射防止組成物のポリマーは、好ましくは遠紫外範囲(典型的には約100〜300nm)の反射を吸収する。したがって、このポリマーは、好ましくは遠紫外線発色団である単位、すなわち遠紫外放射線を吸収する単位を含有する。高度に共役した部分が一般に好適な発色団である。芳香族基、特に多環式炭化水素あるいは複素環式の単位が、典型的には好ましい遠紫外線の発色団であり、たとえば、各環が3〜8員であり、環1つ当たり0〜3個のN、O、あるいはS原子を有する2から3、4個の縮合環あるいは個々の環を有する基である。このような発色団としては、場合により置換されていてもよいフェナントリル、場合により置換されていてもよいアントラシル、場合により置換されていてもよいアクリジン、場合により置換されていてもよいナフチル、場合により置換されていてもよいキノリニル、および環置換されたキノリニル、たとえばヒドロキシキノリニル基が挙げられる。場合により置換されていてもよいアントラセニル基は、オーバーコートされたレジストを248nmで画像形成する場合に特に好ましい。好ましい反射防止組成物樹脂はペンダントアントラセン基を有する。好ましい樹脂としては、Shipley Companyの欧州特許出願公開第813114A2号の4ページに開示される式Iの樹脂が挙げられる。
【0048】
別の好ましい樹脂バインダーは、1以上のN、OあるいはS環原子を有する、場合により置換されていてもよいキノリニル基あるいはキノリニル誘導体、たとえばヒドロキシキノリニルを含む。このポリマーは、ポリマー主鎖にぶらさがるカルボキシ単位および/またはアルキルエステル単位をはじめとする他の単位を含んでいてもよい。特に好ましい反射防止組成物の樹脂は、このような単位を含有するアクリル系の樹脂、たとえばShipley Companyの欧州特許出願公開第813114A2号の4〜5ページに開示される式IIの樹脂である。
【0049】
前述したように、193nmで画像形成する場合、本発明の反射防止組成物は、好ましくは、フェニル発色団単位を有する樹脂を含有することができる。たとえば、193nmで画像形成されるフォトレジストと共に使用するために好適な反射防止樹脂の1つは、スチレンと、2−ヒドロキシエチルメタクリレートと、メチルメタクリレートと(30:38:32のモル比)の重合単位からなるターポリマーである。このようなフェニル基含有樹脂およびその反射防止組成物中での使用は、Shipley Companyに譲渡された、1998年出願の米国特許出願第09/153,575号、および対応する欧州特許出願公開EP87600A1号に開示されている。
【0050】
樹脂あるいは他の成分を含むこのようなコーティング組成物は、前述のように使用される。従って、たとえば、この組成物は、架橋剤と、酸源、たとえば酸あるいは酸発生化合物、特に熱酸発生化合物とを好適に含むことができ、これによって、適用されたコーティング組成物を、例えばオーバーコートされるフォトレジスト層を適用する前の熱処理によって架橋させることができる。
【0051】
好ましくは本発明の反射防止組成物の樹脂は、約1,000〜約10,000,000ダルトン、より典型的には約5,000〜約1,000,000ダルトンの重量平均分子量(Mw)を有し、約500〜約1,000,000ダルトンの数平均分子量(Mn)を有する。本発明のポリマーの分子量(MwあるいはMnのいずれか)はゲル浸透クロマトグラフィーによって好適に決定される。
【0052】
吸収性発色団を有するコーティング組成物樹脂が一般に好ましいのであるが、本発明の反射防止組成物は、同時使用される樹脂(co−resin)あるいは単独の樹脂(sole−resin)バインダー成分のいずれかとして他の樹脂を含むことができる。たとえば、フェノール樹脂、たとえばポリ(ビニルフェノール)およびノボラックを使用することができる。このような樹脂は、組み入れられるShipley Companyの欧州特許出願公開EP542008号に開示されている。フォトレジスト樹脂バインダーとしての後述する他の樹脂も、本発明の反射防止組成物の樹脂バインダー成分中に使用することができる場合もある。
【0053】
本発明のコーティング組成物のこのような樹脂成分の濃度は、比較的広範囲で変動させることができ、一般に樹脂バインダーは、コーティング組成物の全乾燥成分の約50〜95重量%の濃度で使用され、より典型的には全乾燥成分(溶媒担体を除いたすべての成分)の約60〜90重量%の濃度で使用される。
【0054】
発色団基を含む第1の樹脂と、少なくとも実質的に発色団基を含まない第2の樹脂との使用を含む本発明の第1の態様においては、これらの第1および第2の異なる樹脂の相対量は、前述のような目標とする所望の吸光度などに応じて好適に変動させることができる。たとえば、このような第1および第2の樹脂は、10:90〜90:10、より典型的には約20:70〜約70:30の相対重量比で好適に存在することができる。
【0055】
前述したように、本発明の架橋型コーティング組成物は架橋剤成分も含有する。参照により本明細書に組み入れられるShipleyの欧州特許出願公開第542008号に開示される反射防止組成物架橋剤などの種々の架橋剤を使用することができる。たとえば、好適な反射防止組成物架橋剤としては、アミン系架橋剤、たとえばメラミン材料、たとえば、Cytec Industriesにより製造され、Cymel300、301、303、350、370、380、1116および1130の商品名で販売されているメラミン樹脂が挙げられる。Cytec Industriesから入手可能なグリコールウリルなどのグリコールウリルが特に好ましい。Cytec IndustriesよりCymel1123および1125の名称で入手可能なベンゾグアナミン樹脂、ならびにCytec IndustriesよりPowderlink1174および1196の名称で入手可能な尿素樹脂などの樹脂を含むベンゾグアナミンおよび尿素系材料も好適である。市販されるもの以外に、このようなアミン系樹脂は、たとえば、アクリルアミドまたはメタクリルアミドコポリマーをホルムアルデヒドとアルコール含有溶液中で反応させることによって、あるいは、N−アルコキシメチルアクリルアミドまたはメタクリルアミドを他の好適なモノマーと共重合させることによって調製することができる。
【0056】
好適な実質的に中性の架橋剤としては、ヒドロキシ化合物、特に多官能性化合物、たとえば1つ以上のヒドロキシあるいはヒドロキシアルキル置換基、たとえばC1〜8ヒドロキシアルキル置換基を有するフェニルあるいはその他の芳香族などが挙げられる。ジメタノールフェノール(C(CHOH))OH)、ならびに、隣接した(1〜2の環原子の範囲内)ヒドロキシおよびヒドロキシアルキル置換基を有する他の化合物、特に1つ以上のメタノールあるいは他のヒドロキシアルキル環置換基と、そのようなヒドロキシアルキル置換基に隣接した少なくとも1つのヒドロキシとを有するフェニルやその他の芳香族化合物をはじめとするフェノール化合物が一般的に好ましい。
【0057】
本発明の反射防止組成物に使用されるメトキシメチル化グリコールウリルをはじめとする実質的に中性の架橋剤によって、優れたリソグラフィ性能特性が提供され得ることが見出された。
【0058】
一般的に本発明の反射防止組成物の架橋剤成分は、反射防止組成物の全固形分(溶媒担体を除くすべての成分)の約5〜50重量%の間の量で存在し、より典型的には全固形分の約7〜25重量%の量で存在する。
【0059】
本発明のコーティング組成物、特に反射制御用途のためのコーティング組成物は、オーバーコートしたフォトレジスト層の露光に使用される放射線を吸収する追加の染料化合物を含有することもできる。その他の、場合により使用されてもよい添加剤としては、表面レベリング剤、たとえばUnion CarbideからSilwet7604の商品名で入手可能なレベリング剤、あるいは3M Companyから入手可能な界面活性剤FC171またはFC431が挙げられる。
【0060】
本発明のコーティング組成物は、典型的には、酸または熱酸発生剤化合物をはじめとする別の酸源に加えて、1種以上の光酸発生剤化合物も含有することができる。光酸発生剤化合物(PAG)のこのような使用においては、光酸発生剤は架橋反応を推進するための酸源としては使用されず、したがって好ましくは光酸発生剤は、コーティング組成物の架橋過程中に実質的に活性化されない(架橋性コーティング組成物の場合)。光酸発生剤のこのような使用は、Shipley Companyに譲渡された米国特許第6,261,743号に開示されている。特に熱的に架橋されるコーティング組成物に関しては、オーバーコートしたレジスト層のその後の露光の過程で、PAGが活性化されて酸を発生することができるように、コーティング組成物PAGが架橋反応の条件に対して実質的に安定であることが必要である。具体的には、好ましいPAGは、約140または150〜190℃の温度での5分〜30分以上の曝露によって分解やその他の劣化が実質的に起こらない。
【0061】
本発明の反射防止組成物中あるいは他のコーティング中におけるこのような使用に対し一般に好ましい光酸発生剤としては、たとえば、ジ(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムペルフルオロオクタンスルホネートなどのオニウム塩、1,1−ビス[p−クロロフェニル]−2,2,2−トリクロロエタンなどのハロゲン化非イオン性光酸発生剤、およびフォトレジスト組成物に用いるために開示されるその他の光酸発生剤が挙げられる。本発明の少なくともいくつかの反射防止組成物に対しては、界面活性剤として作用することができ、かつ、反射防止組成物/レジストコーティング層界面に近接した反射防止組成物層の上部付近に集まることができる反射防止組成物光酸発生剤が好ましい。したがって、たとえば、このような好ましいPAGは、延びた脂肪族基、たとえば4つ以上の炭素、好ましくは6〜15個以上の炭素を有する置換または未置換のアルキルまたは脂環式基、あるいは1つ、好ましくは2つ以上のフッ素置換基を有するC1〜15アルキルまたはC2〜15アルケニルなどのフッ素化基を含むことができる。
【0062】
本発明の液体コーティング組成物を製造するためには、コーティング組成物の成分が好適な溶媒中に溶解され、たとえば、1種以上のオキシイソ酪酸エステル、特に、前述のような2−ヒドロキシイソ酪酸メチル、乳酸エチル、あるいは1種以上のグリコールエーテル、たとえば2−メトキシエチルエーテル(ジグリム)、エチレングリコールモノメチルエーテル、およびプロピレングリコールモノメチルエーテル;エーテル部分およびヒドロキシ部分の両方を有する溶媒、たとえばメトキシブタノール、エトキシブタノール、メトキシプロパノール、およびエトキシプロパノール;エステル類、たとえばメチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ならびに溶媒、たとえば二塩基性エステル、プロピレンカーボネート、およびγ−ブチロラクトンなどに溶解される。本発明の反射防止コーティング組成物に好ましい溶媒は、アニソールと場合により混合されていてもよい2−ヒドロキシイソ酪酸メチルである。溶媒中の乾燥成分の濃度は適用方法をはじめとするいくつかの要因に依存する。一般に、反射防止組成物の固形分含有量は、コーティング組成物の全重量の約0.5〜20重量%まで変動し、好ましくは固形分含有量は、コーティング組成物の重量の約2〜10重量%まで変動する。
【0063】
代表的なフォトレジスト系
ポジ型およびネガ型の光酸発生組成物を含む種々のフォトレジスト組成物が本発明のコーティング組成物と共に使用され得る。本発明の反射防止組成物と共に使用されるフォトレジストは、典型的には、樹脂バインダーと、光活性成分、典型的には光酸発生剤化合物とを含む。好ましくは、フォトレジスト樹脂バインダーは、画像形成されるレジスト組成物に対しアルカリ性水溶液への現像能力を付与する官能基を有する。
【0064】
前述したように、本発明の反射防止組成物と共に使用する場合に特に好ましいフォトレジストは、化学増幅型レジストであり、特に、レジスト層中の光活性化された酸が、1つ以上の組成物成分の脱保護型反応を誘発し、それによってレジストコーティング層の露光領域と未露光領域との間で溶解度の差が生じるポジ型化学増幅型レジスト組成物である。多数の化学増幅レジスト組成物が、たとえば、米国特許第4,968,581号、第4,883,740号、第4,810,613号、第4,491,628号、および第5,492,793号に開示されており、化学増幅型ポジ型レジストの製造および使用に関するこれらの文献の教示が参照により本明細書に組み入れられる。本発明のコーティング組成物は、光酸の存在下で脱ブロックが起こるアセタール基を有するポジ型化学増幅型フォトレジストと特に好適に使用される。このようなアセタール系レジストは、たとえば米国特許第5,929,176号、および第6,090,526号に開示されている。
【0065】
本発明の反射防止組成物は、ヒドロキシルあるいはカルボキシレートなどの極性官能基を含む樹脂バインダーを含有するポジ型レジストを包含する他のポジ型レジストと共に使用することもでき、このような樹脂バインダーは、レジストのアルカリ性水溶液による現像を可能にするのに十分な量でレジスト組成物中に使用される。一般に好ましいレジスト樹脂バインダーは、フェノール樹脂であり、これには、ノボラック樹脂として当技術分野で知られているフェノールアルデヒド縮合物、ホモポリマーおよびコポリマーあるいはアルケニルフェノール、ならびにN−ヒドロキシフェニルマレイミドのホモポリマーおよびコポリマーが包含される。
【0066】
本発明の下地コーティング組成物と共に使用するために好ましいポジ型フォトレジストは、画像形成に有効な量の光酸発生剤化合物と、以下の群から選択される1種以上の樹脂とを含有する。
1)248nmでの画像形成に特に好適な化学増幅型ポジ型レジストを提供し得る酸不安定基を有するフェノール樹脂。この分類の特に好ましい樹脂には、以下のものが挙げられる:i)ビニルフェノールの重合単位とアルキルアクリレートの重合単位を含有するポリマーであって、重合したアルキルアクリレート単位が光酸の存在下で脱ブロック反応を受けることができるポリマー。光酸に誘導される脱ブロック反応を受けることができる典型的なアルキルアクリレートには、たとえばt−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、メチルアダマンチルアクリレート、メチルアダマンチルメタクリレート、ならびに光酸誘導反応を受けることができるその他の非環状アルキルおよび脂環式のアクリレート、たとえば米国特許第6,042,997号および第5,492,793号(これらは本明細書に参照により組み入れられる)のポリマーが包含される;ii)ビニルフェノールと、ヒドロキシもしくはカルボキシの環置換基を含有しない、場合により置換されていてもよいビニルフェニル(たとえばスチレン)と、上記ポリマーi)で記載される脱ブロック基をはじめとするアルキルアクリレートとの重合単位を含有するポリマー、たとえば、米国特許第6,042,997号(これは本明細書に参照により組み入れられる)に記載のポリマー;ならびにiii)光酸と反応するアセタール部分またはケタール部分を含む繰返し単位と、場合によりフェニル基またはフェノール系基をはじめとする芳香族の繰返し単位とを含有するポリマー、たとえば、米国特許第5,929,176号および第6,090,526号(これらは本明細書に参照により組み入れられる)に記載されているポリマー。
2)193nmをはじめとする200nm未満の波長での画像形成に特に好適な化学増幅型ポジ型レジストを提供することができる、フェニル基あるいはその他の芳香族基を実質的にまたはまったく含まない樹脂。この分類の特に好ましい樹脂としては、以下のものが挙げられる。i)場合により置換されていてもよいノルボルネンをはじめとする非芳香族環状オレフィン(環内二重結合)の重合単位を含有するポリマー、たとえば米国特許第5,843,624号および第6,048,664号(これらは本明細書に参照により組み入れられる)に記載されるポリマー;ii)t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、メチルアダマンチルアクリレート、メチルアダマンチルメタクリレート、ならびにその他の非環状アルキルおよび脂環式のアクリレートをはじめとするアルキルアクリレート単位を含有するポリマー(かかるポリマーは、米国特許第6,057,083号;欧州特許出願公開EP01008913A1号およびEP00930542A1号、ならびに係属中の米国特許出願第09/143,462号(これらすべて本明細書に参照により組み入れられる)に記載されている);ならびにiii)重合された無水物単位、特に重合された無水マレイン酸および/または無水イタコン酸単位を有するポリマー、たとえば欧州特許出願公開EP01008913A1号および米国特許第6,048,662号(いずれも本明細書に参照により組み入れられる)に記載されているポリマー。
3)ヘテロ原子、特に酸素および/または硫黄(しかし無水物以外、すなわち単位がケトの環原子を有しない)を含む繰返し単位を含有し、好ましくは実質的にあるいはまったく芳香族単位を含まない樹脂。好ましくは、このヘテロ脂環式単位は樹脂主鎖と縮合し、樹脂が、例えばノルボルネン基の重合によって得られるような縮合炭素脂環式単位、および/または例えば無水マレイン酸あるいは無水イタコン酸の重合によって得られるような無水物単位を含むことがさらに好ましい。このような樹脂はPCT/US01/14914および米国特許出願第09/567,634号明細書に開示されている。
4)フッ素置換基を有する樹脂(フルオロポリマー)、たとえばテトラフルオロエチレン、フルオロスチレン化合物などをはじめとするフッ素化芳香族基の重合によって提供され得る樹脂。このような樹脂の例は、たとえばPCT/US99/21912に開示されている。
【0067】
本発明のコーティング組成物の上にオーバーコートされるポジ型あるいはネガ型フォトレジスト中に使用すると好適な光酸発生剤としては、以下の式の化合物をはじめとするイミドスルホネートが挙げられる。
【0068】
【化1】

【0069】
(上式中、Rは、ショウノウ、アダマンタン、アルキル(たとえばC1〜12アルキル)、およびパーフルオロアルキル、たとえばパーフルオロ(C1〜12アルキル)、特にパーフルオロオクタンスルホネート、パーフルオロノナンスルホネートなどである)。特に好ましいPAGはN−[(パーフルオロオクタンスルホニル)オキシ]−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドである。
【0070】
スルホネート化合物も、本発明のコーティング組成物の上にオーバーコートされるレジストに好適なPAGであり、特にスルホン酸塩が好適である。193nmおよび248nmでの画像形成に好適な2種類の物質は以下のPAG1および2である:
【0071】
【化2】

【0072】
このようなスルホネート化合物は欧州特許出願第96118111.2号(公開番号0783136)に開示されているように調製することができ、この出願は上記のPAG1の合成を詳細に説明している。
【0073】
上記のカンファースルホネート基以外のアニオンによって錯形成された上記の2つのヨードニウム化合物も好ましい。特に、好ましいアニオンには式RSOのものが含まれ、この式中、Rは、アダマンタン、アルキル(たとえばC1〜12アルキル)、およびペーフルオロアルキル、例えばパーフルオロ(C1〜12アルキル)、特にパーフルオロオクタンスルホネート、パーフルオロブタンスルホネートなどである。
【0074】
その他の公知のPAGも、下地コーティング組成物と共に使用されるレジスト中に使用することができる。
【0075】
本発明のコーティング組成物上にオーバーコートされるフォトレジストの好ましい任意の添加物は、添加塩基、特に水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAH)または乳酸テトラブチルアンモニウムであり、これらは現像されたレジストレリーフ画像の解像度を高めることができる。193nmで画像形成されるレジストの場合、好ましい添加塩基はジアザビシクロウンデセンあるいはジアザビシクロノネンをはじめとするヒンダードアミンである。これらの添加塩基は、比較的少ない量、たとえば全固形分に対して約0.03〜5重量%の量で好適に使用される。
【0076】
本発明のオーバーコートされるコーティング組成物と共に使用すると好ましいネガ型レジスト組成物は、酸への曝露によって硬化、架橋、または固化する物質と光酸発生剤との混合物を含む。
【0077】
特に好ましいネガ型レジスト組成物は、フェノール樹脂をはじめとする樹脂バインダーと、架橋剤成分と、本発明の光活性成分とを含む。このような組成物およびその使用は、欧州特許出願公開第0164248号および第0232972号、ならびにThackerayらの米国特許第5,128,232号に開示されている。樹脂バインダー成分として使用するために好ましいフェノール樹脂には、前述のようなノボラックおよびポリ(ビニルフェノール)が含まれる。好ましい架橋剤には、メラミンなどのアミン系材料、グリコールウリル、ベンゾグアナミン系材料、および尿素系材料が包含される。メラミンホルムアルデヒド樹脂が一般的に最も好ましい。このような架橋剤は商業的に入手可能であり、たとえばメラミン樹脂は、Cytec IndustriesよりCymel300、301、および303の商品名で販売されている。グリコールウリル樹脂は、Cytec IndustriesよりCymel1170、1171、1172、Powderlink1174の商品名で販売されており、ベンゾグアナミン樹脂はCymel1123および1125の商品名で販売されている。
【0078】
本発明の反射防止組成物と共に使用されるレジストの好適な光酸発生剤化合物としては、米国特許第4,442,197号、第4,603,10号、および第4,624,912号(これらそれぞれが本明細書に参照により組み入れられる)に開示されるようなオニウム塩;およびThackerayらの米国特許第5,128,232号におけるのと同様のハロゲン化光活性化合物をはじめとする非イオン性有機光活性化合物、ならびにスルホン化エステルおよびスルホニルオキシケトンなどのスルホネート光酸発生剤が挙げられる。J.of Photopolymer ScienceおよびTechnology,4(3):337−340(1991)を参照せよ。開示されている好適なスルホネートPAGには、ベンゾイントシレート、t−ブチルフェニルα−(p−トルエンスルホニルオキシ)−アセテート、およびt−ブチルα(p−トルエンスルホニルオキシ)−アセテートが包含される。好ましいスルホネートPAGは、Sintaらの米国特許第5,344,742号にも開示されている。前述の環ファースルホネートPAG1および2も、本発明の反射防止組成物と共に使用されるレジスト組成物、特に本発明の化学増幅レジストのために好ましい光酸発生剤である。
【0079】
本発明の反射防止組成物と共に使用するためのフォトレジストは、他の材料も含むことができる。たとえば、他の任意の添加剤としては、光活性およびコントラスト染料(actinic and contrast dyes)、ストリエーション防止剤、可塑剤、感度向上剤(speed enhancer)などが挙げられる。このような任意の添加剤は、典型的には、充填剤および染料を除き、フォトレジスト組成物中に低い濃度で存在し、充填剤および染料は、たとえばレジストの乾燥成分の全重量の約5〜50重量%の量をはじめとして比較的高い濃度で存在することができる。
【0080】
「場合により置換されていてもよい」種々の置換基および材料(樹脂、小さい分子化合物、酸発生剤などが含まれる)は、1以上の置換可能部分が、たとえばハロゲン(F、Cl、Br、I);ニトロ;ヒドロキシ;アミノ;アルキル、たとえばC1〜8アルキル;アルケニル、たとえばC2〜8アルケニル;アルキルアミノ、たとえばC1〜8アルキルアミノ;炭素環式アリール、たとえばフェニル、ナフチル、アントラセニル、などによって好適に置換され得る。
【0081】
リソグラフィ処理
使用する際、本発明のコーティング組成物は、スピンコーティングをはじめとする任意の種々の方法によって基体にコーティング層として適用される。コーティング組成物は、一般に基体上に約0.02〜0.5μmの乾燥層厚さで適用され、好ましくは約0.04〜0.20μmの乾燥層厚さで適用される。基体は、フォトレジストを含む処理において用いられる好適な任意の基体である。たとえば、この基体はシリコン、二酸化ケイ素、あるいはアルミニウム−酸化アルミニウムのマイクロエレクトロニクスウエハであってよい。ガリウムヒ素、炭化ケイ素、セラミック、石英、あるいは銅の基体も使用することができる。液晶ディスプレイあるいはその他のフラットパネルディスプレイ用途の基体、たとえばガラス基体、酸化インジウムスズでコートされた基体などもまた好適に使用される。光学および光エレクトロニクス装置(たとえば導波路)のための基体も使用することができる。
【0082】
好ましくは、適用されたコーティング層は、フォトレジスト組成物を反射防止組成物の上に適用する前に硬化される。硬化条件は、反射防止組成物の成分によって変化する。特に硬化温度は、コーティング組成物中に使用される具体的な酸あるいは酸(熱)発生剤に依存する。典型的な硬化条件は約80℃〜225℃で約0.5〜40分である。好ましくは、硬化条件によって、コーティング組成物のコーティング層が、フォトレジスト溶媒およびアルカリ水性現像液に対して実質的に不溶性となる。
【0083】
本明細書に開示されるように、複数の異なる反射防止コーティング組成物が基体に適用される場合、好ましくは各層は、次の層が適用される前に硬化される。
【0084】
このような硬化の後、最上部コーティング組成物の表面上にフォトレジストが適用される。底部コーティング組成物層の適用と同様に、このオーバーコートされるフォトレジストは、スピンコーティング、浸漬コーティング、メニスカスコーティング、あるいはローラーコーティングをはじめとする任意の標準的手段により適用することができる。適用後、典型的にはフォトレジストコーティング層は加熱によって溶媒を除去して乾燥され、好ましくはレジスト層が非粘着性になるまで乾燥される。底部組成物層とオーバーコートされたフォトレジスト層との間の混合が実質的に起きないことが最適である。
【0085】
レジスト層は次に、従来方法においてマスクを介して活性化放射線で画像形成される。この露光エネルギーは、レジストコーティング層にパターン化された画像を形成するためにレジスト系の光活性成分を有効に活性化するのに十分なエネルギーである。典型的には、露光エネルギーは約3〜300mJ/cmの範囲であり、これは、露光ツールと、使用される個々のレジストおよびレジスト処理とにある程度依存する。所望の場合には、露光したレジスト層は、露光後ベークを行うことで、コーティング層の露光領域と未露光領域との間の溶解度差を発生させたり、またはその差を広げたりすることができる。たとえば、ネガ型の酸硬化性フォトレジストは酸促進架橋反応を誘導するために露光後加熱が典型的には必要であり、多くの化学増幅型ポジ型レジストは酸促進脱保護反応を誘導するために露光後加熱が必要である。典型的には、露光後ベーク条件としては、約50℃以上の温度、より具体的には約50℃〜約160℃の範囲の温度が挙げられる。
【0086】
前述したように、フォトレジスト層は、浸漬リソグラフィ系において露光することもでき、この系では、露光ツール(特に映写レンズ)と、フォトレジストをコートした基体との間の空間が、水、あるいは屈折率の大きな流体を得ることができる硫酸セシウムなどの1種以上の添加剤と混合した水をはじめとする浸漬流体で占められる。好ましくはこの浸漬流体(たとえば、水)は、気泡を回避するように処理されており、たとえば水はナノバブルを回避するために脱気することができる。
【0087】
本明細書において言及する場合、「浸漬露光」あるいは他の類似の用語は、このような流体層(たとえば水、あるいは添加剤を有する水)を露光ツールとコートされたフォトレジスト組成物層との間に介在させて露光を実施することを意味する。
【0088】
露光したレジストコーティング層は次に、好ましくは水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水などによって例示されるアルカリをはじめとする水性系現像剤によって現像される。あるいは、有機現像剤を使用することもできる。一般的には、現像は当技術分野で認識されている手順に従って行われる。現像後、多くの場合、酸硬化性フォトレジストの最終のベークが約100℃〜約150℃の温度で数分間行われて、現像された露光済みコーティング層領域がさらに硬化される。
【0089】
現像した基体を次に、フォトレジストが除去された基体領域上について選択的に処理することができ、たとえば、当該技術分野で良く知られた手順に従って、フォトレジストが除去された基体領域に対して化学エッチングしたりあるいはメッキしたりすることができる。好適なエッチャントとしては、フッ化水素酸エッチング溶液、および酸素プラズマエッチをはじめとするプラズマガスエッチが挙げられる。プラズマガスエッチによって反射防止コーティング層が除去される。
【0090】
前述したように、下地コーティング組成物は、暗い基体、たとえば炭素層あるいは窒化物系表面を有する基体の上のコーティングをはじめとする困難な画像形成環境において特に有用であり得る。これらの環境において、基体は吸収が強くなりすぎる場合があり、それによってフォトレジスト層底部の効率的な画像形成が阻害される。中間の吸光度レベルを有する樹脂混合物を用いた本発明の下層組成物を使用することによって、暗い基体のこのような解像度が限定される問題を回避することができる。
【0091】
浸漬リソグラフィ系においては、露光放射線の入射角も厳格なものとなりうる。本明細書に開示される異なる吸高度レベルを有する複数の下地吸収層を使用して、段階的な吸高度環境を得ることによって、入射露光放射線により発生する反射の問題に効果的に対処することができる。
【0092】
以下の非限定的実施例は本発明の説明のためのものである。本明細書で挙げられているすべての文献は本明細書に参照により組み入れられる。
【実施例】
【0093】
実施例1〜26:樹脂の合成
実施例1
スチレンと、2−ヒドロキシエチルメタクリレートと、メタクリレートのモノマーからなりモル比が30:38:32であるターポリマーを以下の手順に従って合成した:
モノマー(スチレン(Aldrich製の純度99%)169.79g;2−ヒドロキシエチルメタクリレート(Rohm and Haas Corporationより入手した「Rocryl400」)269.10;およびメチルメタクリレート(Rohm and Haas Corporationより入手)173.97g)を、オーバーヘッド撹拌機、凝縮器、および窒素注入口を備えた5Lの三口丸底フラスコに入れた2375gのTHF中に溶解させた。20分間の窒素流により反応溶液を脱気した。Vazo52開始剤(11.63g、DuPont corporation製)を加え、その溶液を加熱還流した。この温度を15時間維持した。この反応溶液を周囲温度まで冷却し、12Lのメチルtert−ブチルエーテル(MTBE)/シクロヘキサン(v/v 1/1)中に沈殿させた。減圧濾過によりこのポリマーを回収し、約50℃で48時間減圧乾燥した。このポリマーの収率は68%であり、その約2.4重量%は残留モノマーであった。この生成物のガラス転移温度Tgは約92℃であり、ポリスチレン標準物質に対するゲル浸透クロマトグラフィーによる分子量はおよそMw=22416、Mn=10031であることが分った。
【0094】
実施例2
スチレン:2−ヒドロキシエチルメタクリレート:メチルメタクリレート:n−ブチルメタクリレートのモル%比30:38:31:1のテトラポリマーを、開始剤(Vazo52)のモル%を0.72%として実施例1の手順に従って合成した。ポリスチレン標準物質に対するゲル浸透クロマトグラフィーによる分子量分析によると、重量平均分子量は約22646および数平均分子量は約10307ダルトンであった。
【0095】
実施例3
スチレン:2−ヒドロキシエチルメタクリレート:メチルメタクリレート:n−ブチルメタクリレートのモル%比55:30:14:1のテトラポリマーを、開始剤(Vazo52)のモル%を0.27%として実施例1の手順に従って合成した。ポリスチレン標準物質に対するゲル浸透クロマトグラフィーによる分子量分析によると、重量平均分子量は約124761および数平均分子量は約36638ダルトンであった。
【0096】
実施例4
スチレン:2−ヒドロキシエチルメタクリレート:メチルメタクリレートのモル%比10:70:20のターポリマーを、以下の手順に従って合成した:窒素注入口、水冷凝縮器、熱電対、テフロン(登録商標)2ブレード撹拌機を有する電気モーター、および加熱/冷却用のジャケットを備えた1Lの反応器に、32.4gのプロピレングリコールメチルエーテル(PGME)を投入し、続いてあらかじめ調製した上記モル比の42gのモノマー混合物を投入した。この反応混合物を20℃で撹拌し、および14.6gの開始剤溶液(249gのPGME中1.68gの2,2−アゾビス−メチルブチロニトリル(ABMBN))を加えた。開始剤を加えた後、反応混合物を100℃まで加熱し、98gのモノマー混合物を1時間かけて加えた。同時に、残りの始剤溶液(131.28g)を4時間かけてゆっくりと加えた。この添加中、温度を100℃に維持した。開始剤の添加終了後、反応温度を100℃でさらに1時間維持した。反応混合物を290gのPGMEでさらに希釈し、25℃に冷却した。本発明の目的では、ポリマー溶液をこの濃度、あるいは必要であればより低い濃度で使用することができる。120gのポリマー溶液を1.2Lの脱塩水中にゆっくりと加えることによってテトラポリマーの分離を達成した。得られた沈殿物をブフナー漏斗上で回収し、150gずつの脱塩水で2回洗浄した。この生成物を最初風乾した後、50℃で減圧乾燥した。ポリスチレン標準物質に対するゲル浸透クロマトグラフィーによるこの乾燥飼料の分子量分析によると、重量平均分子量が約31286であり数平均分子量が5912ダルトンであった。
【0097】
実施例5〜12
2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)およびメチルメタクリレート(MMA)の代表的コポリマーを、実施例4の手順に従って調製した。モノマーモル%供給比に基づくコポリマーの組成、開始剤モル%、および結果として得られたポリマー分子量を表1に示す。
【0098】
【表1】

【0099】
実施例13〜15
メチル2−ヒドロキシメチルアクリレート(HMAAME)とメチルメタクリレート(MMA)とのコポリマー、およびエチル2−ヒドロキシメチルアクリレート(HMAAEE)とMMAとのコポリマーを、実施例4の手順に従って調製した。すべてのコポリマーは、50:50モノマー供給で調製した。開始剤濃度および結果として得られたポリマー分子量を表2にまとめている。
【0100】
【表2】

【0101】
実施例16
9−アントラセンメチルメタクリレート(ANTMA):2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA):メチルメタクリレート(MMA)のモル%比43:25:32のターポリマーを以下の手順に従って合成した:
オーバーヘッド撹拌機、凝縮器、および窒素注入口を備えた12Lの三口丸底フラスコに、537.5gの9−アントラセンメチルメタクリレートと、312.5gの2−ヒドロキシエチルメタクリレートと、400.0gのメチルメタクリレートと、8.00Lのテトラヒドロフラン(THF)とを投入した。最初にANTMAを反応容器中の4LのTHF中に溶解させ、次にHEMAおよびMMAをさらなる4LのTHFとともに加えた。この溶液を、拡散管から通した窒素で20分脱気した。約25℃に温度を維持するため脱気中に反応混合物を加熱した。脱気後、5.0gのAIBNを加えた。反応混合物を24時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却し、メチルt−ブチルエーテル(MBTE)中に沈殿させ、回収し、70℃で96時間減圧乾燥した。Mw64,640、Mn26,258、およびTg138℃の約1kg(収率80%)の淡黄色ポリマーが得られた。
【0102】
実施例17〜26の一般合成手順
以下の実施例によって、モノマーの組み合わせ、発色団の選択、発色団量、溶媒投入量、酸触媒投入量、およびポリマー分離に関する独特の特徴を示す。添加順序にはあまり考慮せずに、すべての試薬を最初に反応器中に投入した。反応設備は、機械的撹拌機、温度制御ボックス、温度プローブ、マントルヒーター、凝縮器、ディーン−スターク(Dean−Stark)トラップ、および窒素パージ注入口(スイープ)を取り付けた100mLあるいは250mLの三口丸底フラスコからなる。各反応は、最初に実質的な還流が起こるまで加熱し(120〜150℃)、次に30分以内に約150℃のピーク温度まで徐々に加熱した。各反応の全反応時間(表3)は、実質的な還流の時点から、冷却開始までを記録した。冷却した溶液を希釈した後、沈殿させた。このポリマーは、ブフナー漏斗で濾過することによって回収し、風乾し、次に40〜70℃の間で減圧乾燥した。ポリマー収率およびGPC結果を表3に示す。
【0103】
実施例17
投入量:ジメチルテレフタレート(DMT)(46.15g、237.6mmol)、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート(THEIC)(62.08g、237.6mmol)、4−ヒドロキシフェニル酢酸(4−HPAA)(8.48g、55.7mmol)、p−トルエンスルホン酸一水和物(PTSA)(2.1g、11mmol)、およびアニソール(80g)。ポリマー溶液をイソプロピルアルコール(IPA)およびテトラヒドロフラン(THF)で希釈し、IPA中に沈殿させて、81%の収率を得た。
【0104】
実施例18
投入量:ジメチルテレフタレート(DMT)(36.19g、186.4mmol)、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート(THEIC)(48.69g、186.4mmol)、)、4−ヒドロキシフェニル酢酸(4−HPAA)(30.54g、200.7mmol)、p−トルエンスルホン酸一水和物(PTSA)(2.1g、11mmol)、およびアニソール(80g)。ポリマー溶液をイソプロピルアルコール(IPA)およびテトラヒドロフラン(THF)で希釈し、IPA中に沈殿させた。
【0105】
実施例19
投入量:DMT(22.3g、115mmol)、ジメチル5−ヒドロキシイソフタレート(18.1g、86mmol)、THEIC(52.5g、201mmol)、2−ヒドロキシイソ酪酸(17.9g、172mmol)、PTSA(2.1g、11mmol)、およびアニソール(80g)。ポリマー溶液をTHF(355g)で希釈し、IPA中に沈殿させた。
【0106】
実施例20
投入量:DMT(22.3g、115mmol)、ジメチル5−ヒドロキシイソフタレート(18.1g、86mmol)、THEIC(52.5g、201mmol)、2−ヒドロキシイソ酪酸(18.0g、172mmol)、PTSA(2.1g、11mmol)、およびアニソール(82g)。ポリマー溶液をTHF(355g)で希釈し、IPA中に沈殿させた。
【0107】
実施例21
投入量:DMT(39.0g、201mmol)、THEIC(52.5g、201mmol)、2−ヒドロキシイソ酪酸(18.0g、172mmol)、PTSA(2.7g、14mmol)、およびアニソール(83g)。ポリマー溶液をTHF(358g)で希釈し、IPA中に沈殿させた。
【0108】
実施例22
投入量:ジメチルテレフタレート(48.5g、250mmol)、エチレングリコール(12.4g、200mmol)、グリセリン(9.0g、100mmol)、およびPTSA(0.54g、2.8mmol)。8%溶液を調製するのに十分なプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PMA)を加えた。
【0109】
実施例23
投入量:ジメチル2,6−ナフタレンジカルボキシレート(24.33g、99.63mmol)、ジメチルテレフタレート(19.44g、100.1mmol)、エチレングリコール(7.63g、123mmol)、グリセリン(7.29g、79.2mmol)、およびPTSA(0.46g、2.4mmol)。得られたポリマーを、HBM、アニソール、およびメチル2−メトキシイソブチレート(MBM)の溶媒混合物中に溶解させて10%溶液を調製した。
【0110】
実施例24
投入量:ジメチルテレフタレート(31.15g、160.4mmol)、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)シアヌル酸(46.09g、176.4mmol)、およびPTSA(1.35g、7.1mmol)、およびアニソール(52g)。得られたポリマーをHBMで25%溶液に希釈し、IPA中に沈殿させて、45.3g(67%)の樹脂を得た。
【0111】
実施例25
投入量:ジメチルテレフタレート(31.11g、160.2mmol)、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)シアヌル酸(45.80g、175.3mmol)、およびPTSA(0.67g、3.5mmol)。得られたポリマーをTHF中に溶解させ、MTBE中に沈殿させて50.0g(75%)を得た。
【0112】
実施例26
投入量:ジメチルフタレート(30.91g、159.2mmol)、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)シアヌル酸(46.06g、176.3mmol)、およびPTSA(0.67g、3.5mmol)。得られたポリマーをTHF中に溶解させ、MTBE中に沈殿させて51.1g(76%)を得た。
【0113】
【表3】

【0114】
実施例27〜38:リソグラフィ処理および結果
【0115】
配合実施例の一般手順
上記実施例のポリマーについて、それらの光学濃度(OD)の特性決定をさらに行った。次に、代表的なポリマー実施例を、本発明の反射防止組成物中に配合した。これらの組成物は、光学濃度(OD)、nおよびk光学パラメータ、酸化物エッチ速度、ならびにプロピレングリコールメチルエーテル(PGME)あるいはプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)に対する溶解性について特性決定を行った。添加順序は考慮せず、記載の成分を清浄なビンに投入することによって各組成物を調製した。完全に溶解するまで試料を振り、またはローラー上へ置かれた。次に試料を0.2μmPTFEメンブレンフィルターを通過させ、清浄なビンに入れた。
【0116】
OD測定の一般手順
卓上型スピンコーターを30秒使用して、配合した試料を4インチのシリコンおよび石英のウエハ上にコートすることによってOD測定を行った。40〜120nmの範囲の薄膜厚さを得るために必要に応じてスピン速度を変動させた。コートしたウエハは、215℃の接触型ホットプレート上で60秒硬化させた。薄膜厚さ(シリコンウエハ上)は楕円偏光法によって測定した。石英上の薄膜の吸光率はUV分光光度法によって決定した。吸光率は、ブランクの石英ウエハに対して測定した。厚さおよび吸光率測定を使用して193nmにおけるODを計算した(表4)。
【0117】
エッチ速度測定の一般手順
ACT8コーティングツールを使用して200mmのシリコンウエハ上にエッチ速度試験のための反射防止コーティングを形成した。100nmを超える薄膜厚さを得るために必要に応じてスピン速度を変動させた。硬化条件は、近接型ホットプレート上で215℃/60秒であった。薄膜厚さを楕円偏光法によって測定した。次に、これらの薄膜についてブランケット酸化物エッチ(blanket oxide etch)(C/O/CO/Ar)を30秒間行った。エッチされた薄膜の厚さを再度測定し、エッチ速度を計算した(表4)。
【0118】
光学パラメータ測定の一般手順
ACT8コーティングツールを使用して200mmのシリコンウエハ上に反射防止コーティングを形成した。40〜120nmの範囲の薄膜厚さを得るために必要に応じてスピン速度を変動させた。硬化条件は、近接型ホットプレート上で215℃/60秒であった。薄膜厚さを楕円偏光法によって決定した。WVASE32楕円偏光計(Woollman Companyから入手可能)を使用して実数(n)および虚数(k)の屈折率を求めた(表4)。
【0119】
リソグラフィ評価の一般手順
ACT8ウエハコーティングツールを使用して、実施例30および33の反射防止コーティングを200mmのシリコンウエハ上にスピンコートし、次に215℃/60秒で近接型ホットプレートを使用して硬化させた。硬化後の反射防止薄膜厚さが40〜120nmとなるように必要に応じてスピン速度を変動させた。次に、ポジ型193nmフォトレジストを反射防止薄膜の最上部上にスピンコートし、120℃/90秒で硬化させて、フォトレジストの厚さ330nmの薄膜を得た。次に、このフォトレジストに、開口数0.75および0.85/0.55の内部/外部部分干渉の輪状照明を使用し193nmArFウエハスキャナーを使用して、ターゲットマスクを通して露光した。次いで、露光したレジスト薄膜について、120℃/60秒の露光後ベークを行い、標準的な60秒のシングルパドル(single−puddle)方法でRohm and HaasMF26A現像剤(2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)を使用して現像した。
【0120】
走査型電子顕微鏡検査(SEM)によって75,000の倍率でレジストパターンの品質を調査した。SEM画像から、レジストと反射防止層と間のきれいな界面を有する良好なパターン忠実度が明らかとなった。このレジストパターンは、反射干渉現象によって生じる「定常波」アーティファクト(artifact)が存在しなかった。実施例30および33の反射防止コーティング上の110nmの、1:1の線:空間レジストパターンのSEM画像を図1および図2に示す。
【0121】
193nm浸漬リソグラフィに典型的な高開口数レンズが使用される場合は、段階的な反射防止コーティングが必要となる。これは、3層処理によって実現することができる。このような処理においては、薄い高光吸収性反射防止層を基体上に堆積させ、熱的に架橋させる。第2に、より低い光吸収性反射防止層を第1の層の上に堆積させ、架橋もさせる。これらの層の厚さは典型的には30〜80nmの範囲である。これらの層が効果的となるためには、約1.7〜1.8のほぼ同じ屈折率を有する必要があるが、底部層はより高い光学濃度を有する必要がある。一般にkは、底部層で約0.4〜0.6であり、上部層で約0.15〜0.25である。続いて、反射防止層の最上部上に、フォトレジストをコートして200〜300nmの薄膜を形成する。この3層処理は図3に示されており、実施例28の組成物を厚さ約58nmの第1の層の形成に使用し、実施例33の組成物が厚さ約80nmの第2の層であり、化学増幅型ポジ型フォトレジスト(厚さ約260nm)が最上層を形成する。
【0122】
実施例27
実施例19のポリマーを、3.28重量%のポリマーと共に、0.600重量%のテトラメトキシグリコウリル、0.0424重量%のアンモニウムp−トルエンスルホネート、0.080重量%のトリフェニルスルホニウムパーフルオロブタンスルホネート、および96重量%のメチル−2−ヒドロキシイソブチレートと混合することによって反射防止組成物に配合した。
【0123】
実施例27の手順に従って、実施例19のポリマーを実施例4のポリマーと混合することによって、及び実施例19のポリマーを実施例5〜12に従って調製した種々のHEMA:MMAコポリマーと混合することによって実施例28〜36を調製した。ポリマー、ポリマーブレンド比、光学的性質、およびブレンドの酸化物エッチを表4にまとめている。
【0124】
【表4】

【0125】
本発明の以上の説明は単に本発明の例であり、特許請求の範囲に記載される本発明の意図または範囲を逸脱することなく変形および修正が可能であることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】実施例30の反射防止組成物上の現像されたフォトレジストレリーフ画像のSEMを示している。
【図2】実施例33の反射防止組成物上の現像されたフォトレジストレリーフ画像のSEMを示している。
【図3】多重反射防止組成物層(3層系)上の現像されたフォトレジストレリーフ画像のSEMを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂混合物、複数の樹脂を含む反射防止組成物層であって、混合物の少なくとも1種の樹脂が発色団基を含み、かつ混合物の少なくとも1種の樹脂が、少なくとも実質的にあるいはまったく発色団基を含まない反射防止組成物層と、
反射防止組成物層の上のフォトレジスト層と
を含む、コートされた基体。
【請求項2】
反射防止組成物が、1種以上のポリエステル樹脂および/またはより多くのアクリレート樹脂を含む、請求項1記載の基体。
【請求項3】
樹脂混合物を含む反射防止組成物であって、混合物の少なくとも1種の樹脂が発色団基を含み、かつ混合物の少なくとも1種の樹脂が、少なくとも実質的にあるいはまったく発色団基を含まない反射防止組成物の層を基体上に適用すること、
反射防止組成物層上にフォトレジスト組成物層を適用すること、及び
フォトレジスト層の露光および現像を行ってレジストレリーフ画像を得ること
を含む、フォトレジストレリーフ画像を形成する方法。
【請求項4】
オーバーコートされるフォトレジスト組成物と共に使用するための反射防止組成物であって、発色団基を含む、混合物の少なくとも1種の樹脂と、少なくとも実質的にあるいはまったく発色団基を含まない、混合物の少なくとも1種の樹脂とを含む反射防止組成物。
【請求項5】
反射防止組成物が1種以上のポリエステル樹脂および/またはより多くのアクリレート樹脂を含む、請求項4記載の反射防止組成物。
【請求項6】
i)第1の有機反射防止組成物層と、
ii)前記第1の反射防止組成物層の上にあり、前記第1の反射防止組成物層とは異なる露光放射線吸光度を有する第2の有機反射防止組成物層と、
iii)第2の反射防止組成物層の上にあるフォトレジスト層と
を含む、コートされた基体。
【請求項7】
第1および第2の反射防止組成物がSi樹脂を含有しない、請求項6記載の基体。
【請求項8】
第1の有機反射防止組成物層を基体上に適用すること、
前記第1の反射防止組成物層とは異なる露光放射線吸光度を有する第2の有機反射防止組成物層を第1の有機反射防止組成物層の上に適用すること、及び
フォトレジスト組成物層を前記第2の反射防止組成物層の上に適用すること
を含む、フォトレジストレリーフ画像を形成する方法。
【請求項9】
前記第1のおよび第2の反射防止組成物のそれぞれが、1種以上のポリエステル樹脂および/またはより多くのアクリレート樹脂を含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記第1の反射防止組成物層が193nmにおいて約0.3以上の吸光度k値を有し、および前記第2の反射防止組成物層が193nmにおいて約0.3以下の吸光度k値を有する、請求項8記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2006−227614(P2006−227614A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−29047(P2006−29047)
【出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【出願人】(596156668)ローム・アンド・ハース・エレクトロニック・マテリアルズ,エル.エル.シー. (31)
【住所又は居所原語表記】455 Forest Street,Marlborough,MA 01752 U.S.A
【Fターム(参考)】